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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】バッテリーケース及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20241111BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241111BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20241111BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20241111BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241111BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M50/249
H01M50/242
H01M50/291
H01M50/289 101
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022526428
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 KR2020095136
(87)【国際公開番号】W WO2021096333
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145262
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコホールディングス インコーポレーティッド
(73)【特許権者】
【識別番号】522178924
【氏名又は名称】株式会社アサン
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】チャ、 ミュン―ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウィー、 サン―クォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ドン-グン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 グン―ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、 ソン―ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 キュ―レ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、 スン―ホ
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0255930(US,A1)
【文献】特開平10-086852(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221002(WO,A1)
【文献】特開2001-097049(JP,A)
【文献】特開2019-006303(JP,A)
【文献】特開2007-176395(JP,A)
【文献】国際公開第2014/118955(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016013633(DE,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0257872(KR,B1)
【文献】特開2013-028191(JP,A)
【文献】特開2015-074244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
H01M 50/249
H01M 50/242
H01M 50/289
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板部材と、
前記ベース板部材の角部分に結合され、前記ベース板部材を囲み、閉断面で形成されて前記ベース板部材を支持する支持部材と、
前記支持部材の外側面の下端部に結合して閉断面を形成し、外部衝撃を吸収する吸収部材と
前記ベース板部材の幅方向に連続した形態で一端部は前記ベース板部材に結合され、他端部は折り曲げられた形態で備えられ、前記ベース板部材に装着されたバッテリーパックの上面を支持するパック固定部材と、
互いに隣り合う複数の前記パック固定部材の間の間隙に挟まれる凹部が形成され、前記パック固定部材の他端部にそれぞれ結合され、前記パック固定部材を弾性的に支持するホールディング部材と
を含む、バッテリーケース。
【請求項2】
前記吸収部材は、
前記支持部材と一定間隔離隔して配置される対面板部と、
前記支持部材と前記対面板部との間に配置される間隔板部と
を含む、請求項1に記載のバッテリーケース。
【請求項3】
前記間隔板部は、少なくとも一部にしわ誘導溝を含み、
前記しわ誘導溝は、ベローズ(bellows)形態で形成された、請求項2に記載のバッテリーケース。
【請求項4】
板材の両端部を正方形の閉断面に成形した後、前記板材のセンター部を直角に折り曲げて、両側の前記正方形の閉断面の頂点が接する接点が形成されるとき、前記接点部分を溶接することで、前記吸収部材及び前記支持部材は一体に形成される、請求項1に記載のバッテリーケース。
【請求項5】
前記支持部材は、閉断面を形成する内部に支持パイプが備えられる、請求項1に記載のバッテリーケース。
【請求項6】
前記凹部は、弾性によって外側に膨張する板ばね形態で備えられる、請求項に記載のバッテリーケース。
【請求項7】
前記ホールディング部材は、前記凹部に緩衝素材が充填された形態で備えられる、請求項に記載のバッテリーケース。
【請求項8】
複数のバッテリーパックが装着される請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリーケースと、
前記バッテリーパックと連結されて駆動力を提供するエンジンと、
前記エンジンが設けられ、前記バッテリーケースが結合される車体フレームと
を含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーケース及びこれを含む自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車のバッテリーパックは、二次電池セル(Cell)の集合体であるモジュール(Module)が多数、内部に装着される形態で構成される。
【0003】
バッテリーパックが搭載された自動車は、車両衝突時に火災や爆発の発生につながり、運転者及び搭乗者に深刻な危険をもたらすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外部衝撃の吸収を効果的に行い、バッテリーパックの形状を支持することができるバッテリーケース及びこれを含む自動車を提供することを目的とする。
【0005】
他の側面において、本発明は、バッテリーパックを安定して固定することができるバッテリーケース及びこれを含む自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によるバッテリーケースは、ベース板部材と、上記ベース板部材を囲み、閉断面で形成されて上記ベース板部材を支持する支持部材と、上記支持部材の外側面に結合して閉断面を形成し、外部衝撃を吸収する吸収部材とを含むことができる。
【0007】
具体的には、一実施例によるバッテリーケースの上記吸収部材は、上記支持部材と一定間隔離隔して配置される対面板部、及び上記支持部材と上記対面板部との間に配置される間隔板部を含むことができる。
【0008】
ここで、一実施例によるバッテリーケースの上記間隔板部は、少なくとも一部にしわ誘導溝を含み、上記しわ誘導溝は、ベローズ(bellows)形態で形成されることができる。
【0009】
そして、一実施例によるバッテリーケースの上記吸収部材は、板材の両端部を正方形の閉断面に成形した後、上記板材のセンター部を直角に折り曲げて、両側の上記正方形の閉断面の頂点が接する接点が形成されると、上記接点部分を溶接することで上記吸収部材と上記支持部材は一体に形成されることができる。
【0010】
また、一実施例によるバッテリーケースの上記支持部材は、閉断面を形成する内部に支持パイプが備えられることができる。
【0011】
さらに、一実施例によるバッテリーケースは、一端部は上記ベース板部材に結合され、他端部は折り曲げられた形態で備えられ、上記ベース板部材に装着されたバッテリーパックの上面を支持するパック固定部材を含むことができる。
【0012】
ここで、一実施例によるバッテリーケースの上記パック固定部材は、上記ベース板部材の幅方向に連続された形態で備えられることができる。
【0013】
さらに、一実施例によるバッテリーケースは、上記パック固定部材の上部に結合されるホールディング部材を含むことができる。
【0014】
ここで、一実施例によるバッテリーケースの上記ホールディング部材は、互いに隣り合う複数の上記パック固定部材間の間隙に挟まれる凹部が形成されることができる。
【0015】
また、一実施例によるバッテリーケースの上記凹部は、弾性によって外側に膨張する板ばねの形態で備えられることができる。
【0016】
そして、一実施例によるバッテリーケースの上記ホールディング部材は、上記凹部に緩衝素材が充填された形態で備えられることができる。
【0017】
一実施例による自動車は、複数のバッテリーパックが装着される上述のバッテリーケース、上記バッテリーパックと連結されて駆動力を提供するエンジン、及び上記エンジンが設けられ、上記バッテリーケースが結合される車体フレームを含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のバッテリーケース及びこれを含む自動車は、外部衝撃の吸収を効果的に行い、バッテリーパックの形状を支持することができるという利点がある。
【0019】
これにより、バッテリーパックが変形して爆発したり、バッテリーパックに外部衝撃が直接伝わって爆発したりする問題を防止することができる。
【0020】
他の側面において、本発明のバッテリーケース及びこれを含む自動車は、バッテリーパックを安定して固定することができるという利点がある。
【0021】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施例によるバッテリーケースを示した斜視図である。
図2】バッテリーケースの吸収部材にしわ誘導溝が形成された実施例を示した断面図である。
図3】バッテリーケースの吸収部材がロールフォーミングにより形成される状態を示した断面図である。
図4】バッテリーケースの支持部材に支持パイプが備えられた実施例を示した断面図である。
図5】バッテリーケースがパック固定部材を含む実施例を示した斜視図である。
図6】バッテリーケースがパック固定部材を含む実施例を示した斜視図である。
図7】バッテリーケースがパック固定部材を含む実施例を示した斜視図である。
図8】バッテリーケースがホールディング部材を含む実施例を示した断面図である。
図9】バッテリーケースのホールディング部材が緩衝素材を含む実施例を示した断面図である。
図10】一実施例によるバッテリーケース及びこれを含む自動車を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
バッテリーパックが搭載された電気自動車は、車体衝突補強材及びバッテリーパック自体補強材で衝突事故に備えている。
【0024】
バッテリーケースは、内部のバッテリーパックを保護するために耐衝突特性が重要であり、車両運行中に道路面から誘発される各種振動に対する剛性補強が重要である。
【0025】
ここで、バッテリーケースの外面を担う上部のカバー部材及び下部のベース部材は、主にプレス成形によって製作され、このようなバッテリーケースを補強するために多数の補強材がバッテリーケースの内外部に追加されて性能を満たすように構成されることができる。
【0026】
補強材は、外部衝撃を吸収するとともに、バッテリーパックが形状を維持して爆発しないように保護する2つの役割を満たす必要がある。
【0027】
しかしながら、従来の補強材は、剛性を補強することによってバッテリーパックの形態を維持することはできるが、変形によって外部衝撃を効果的に吸収できないという問題がある。
【0028】
また、従来のバッテリーケースは、バッテリーパックの上部を固定するパック固定部材が折られ易くてバッテリーパックを安定して固定できないという問題がある。
【0029】
ここで、本出願人は、上述の問題を解決することができるバッテリーケース及びこれを含む自動車を提案する。
【0030】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。このような実施例はいくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施例に限定されるものではない。また、本発明の実施例は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0031】
さらに、本明細書における単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含み、明細書全体にわたって同一の参照符号または類似した方式で付与された参照符号は、同一の構成要素または対応する構成要素を称するものとする。
【0032】
図1を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1は、ベース板部材10、支持部材20、及び吸収部材30を含むことができる。
【0033】
一実施例によると、上記支持部材20は上記ベース板部材10の角部分に結合されることができる。
【0034】
一実施例によると、上記支持部材20は閉断面で形成されることができる。
【0035】
一実施例によると、上記吸収部材30は上記支持部材20の外側面と協力して閉断面を形成することができる。具体的には、上記吸収部材30は、上記支持部材20と接する一面は開放された構造を有することができるが、上記支持部材20と結合することで、上記吸収部材の内部の空間は閉断面を形成することができる。
【0036】
このように、一実施例によるバッテリーケース1は、上記支持部材20を含んで剛性を補強することに加えて、上記吸収部材30を含んで外部衝撃を変形エネルギーに変換して効果的に吸収することができる。
【0037】
言い換えると、上記支持部材20は、外部衝撃に対して上記ベース板部材10が形態を維持することができるようにする剛性補強の役割を果たし、上記吸収部材30は、外部衝撃に対して圧縮変形し、外部衝撃を吸収するように構成されることができる。
【0038】
これにより、上記ベース板部材10に装着されるバッテリーパック2に外部衝撃が加わる問題を改善し、さらに外部衝撃によって上記バッテリーパック2が破損または爆発する問題を改善することができる。
【0039】
上記ベース板部材10は、バッテリーパック2が装着して収容される部分である。また、上記ベース板部材10の角部分に上記支持部材20が備えられて、外部衝撃に対してベース板部材10が形態を維持することができる。これにより、上記ベース板部材10に装着される上記バッテリーパック2が外部衝撃によって変形または破損して爆発される問題を防止することができる。
【0040】
一実施例による支持部材20は、外部衝撃に対して剛性が補強される閉断面の形態を形成することで、上記ベース板部材10の剛性を補強する役割を果たすことができる。
【0041】
一実施例による上記支持部材20は、剛性をさらに強化するために閉断面の内部に支持パイプ21をさらに含むことができるが、これに対する詳細な説明は図4を参照して後述する。
【0042】
一実施例による上記吸収部材30は、外部衝撃に対して形状が変形しながら外部衝撃を吸収する役割を果たすことができる。このために、上記吸収部材30は上記支持部材20の外側面に結合され、これによって閉断面の形態で形成されることができる。
【0043】
一実施例による吸収部材30は、上記支持部材20より外側に配置されることで、外部衝撃を上記支持部材20よりも先に伝達されるようになり、これによって先に形状が変形しながら外部衝撃を吸収することができる。これにより、上記ベース板部材10に装着した上記バッテリーパック2に外部衝撃が伝達される問題を改善することができる。
【0044】
一実施例による吸収部材30は、外部衝撃による形状の変形によって外部衝撃を吸収する効果を高めるためにしわ誘導溝32aが形成されることができる。これに対する詳細な説明は、図2を参照して後述する。
【0045】
一実施例による吸収部材30は、ロールフォーミングによって成形され、上記支持部材20と一体に形成されることができる。これに対する詳細な説明は、図3を参照して後述する。
【0046】
図2を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1の吸収部材30は、上記支持部材20と一定間隔離隔して配置される対面板部31、及び上記支持部材20と上記対面板部31との間に備えられる間隔板部32を含むことができる。
【0047】
一実施例による吸収部材30は、間隔板部32の少なくとも一部に形成されたしわ誘導溝32aを含むことができる。これによって、一実施例による上記吸収部材30は、外部衝撃による形状変形によって外部衝撃を吸収する効果を高めることができる。
【0048】
一実施例によるしわ誘導溝32aは、外部から衝撃が加わった場合に応力が集中されるポイントを形成し、これにより、他の部分に比べて、上記しわ誘導溝32aで変形が発生するように誘導されることができる。したがって、上記吸収部材30は、外部衝撃を受ける場合に上記しわ誘導溝32aで形状変形が発生しながら外部衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0049】
一実施例による対面板部31は、上記支持部材20と対向する部分であって、上記支持部材20の外側面に配置される。上記対面板部31は、上記間隔板部32及び上記支持部材20の外側面と協力して閉断面を形成する。
【0050】
一実施例による間隔板部32は、上記対面板部31と上記支持部材20との間に備えられる。具体的には、間隔板部32は、上記対面板部31の両端部から上記支持部材20まで延長した部分である。
【0051】
一実施例による間隔板部32にしわ誘導溝32aが形成されることで、外部衝撃に対して応力が集中し、歪む変形が誘導される。これにより、外部衝撃力は、上記間隔板部32の変形エネルギーに消散される。
【0052】
これにより、一実施例によるバッテリーケース1は、上記バッテリーパック2に外部衝撃が直接伝わって爆発する問題を防止することができる。
【0053】
一実施例によるバッテリーケース1は、形状が変形しながら外部衝撃を吸収する吸収部材30を含み、上記バッテリーパック2に伝達される外部衝撃を低減させる。
【0054】
一実施例によるしわ誘導溝32aは、上記間隔板部32の幅方向に沿って連続して屈曲形態で形成されることができる。例えば、しわ誘導溝32aはベローズ形態で形成されることができる。
【0055】
このようなしわ誘導溝32aは、屈曲が連続したベローズ形態になって、複数の地点で応力が集中されることができ、これにより吸収部材30はさらに効果的に外部衝撃を吸収しながら変形することができる。
【0056】
図3を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1の吸収部材30は、上記支持部材20と一体に形成されるようにロールフォーミングによって成形されることができる。板材Bの両端部に正方形の閉断面を形成する。続いて、上記板材Bのセンター部Cで板材を直角に折り曲げ、両側の上記正方形の閉断面の頂点が当接されるようにする。頂点の接点Pが形成されると、上記接点P部分を溶接して固定することで、吸収部材30及び支持部材20が一体に形成されることができる。
【0057】
より具体的には、まず板材Bが備えられ、このような板材Bの両端部をロールフォーミングによって正方形の閉断面に成形する。これは一例として、図3の(a)を参照することができる。
【0058】
その後に、例えば正方形の閉断面の一側辺の長さの2倍に該当する中央部分のセンター部Cを垂直に折ることができる。このようにして、上記板材Bの両端部に形成された正方形の閉断面の一頂点が互いに当接する。頂点が当接した接点P部分を溶接する。これは一例として図3の(b)を参照することができる。
【0059】
これにより、吸収部材30と一体に形成された支持部材20を形成する。
【0060】
このように、上記吸収部材30を上記支持部材20と一体に形成すると、上記吸収部材30と上記支持部材20との結合がさらに強固になって、耐久性を向上させることができる。また、ロールフォーミング工法は素材の強度に制約なしに成形が可能であるため、軽量でありながら高強度である素材が使用できる利点を有することができる。
【0061】
図4を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1の支持部材20は、剛性をさらに補強するために閉断面を形成する内部に支持パイプ21をさらに含むことができる。
【0062】
支持部材20の内部に管状の支持パイプ21が支持部材の長さ方向に沿って備えられることで、上記支持部材20の剛性を補強する効果をさらに高めることができる。このような支持パイプ21は、上記支持部材20の内部に溶接によって結合されるか、接着剤などで結合されることができる。
【0063】
図5図7は、バッテリーケース1がパック固定部材40を含む実施例を示した斜視図である。ここで、図5は、パック固定部材40を含むが、バッテリーパック2が装着しない状態のバッテリーケース1を示したものであり、図6は、図5を構成別に分解して示したものであり、図7は、パック固定部材40を含むが、バッテリーパック2が装着した状態のバッテリーケース1を示したものである。
【0064】
上記図面を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1は、一端部(例えば、下部)が上記ベース板部材10に結合され、他端部(例えば、上部)が折れた形態で備えられ、上記ベース板部材10に装着したバッテリーパック2の上面を支持するパック固定部材40を含むことができる。
【0065】
このように、上記パック固定部材40は、上記ベース板部材10に装着した上記バッテリーパック2の上面を支持するように構成されることで、上記バッテリーパック2を安定して支持することができる。
【0066】
このために、上記パック固定部材40は、一例として、ほぼ「¬」形状の断面で形成されることができる。パック固定部材40の下端部は、上記ベース板部材10に結合され、折り曲げられた形状の他端部は、上記バッテリーパック2の上面と接することができる。
【0067】
ここで、一実施例によるバッテリーケース1のパック固定部材40は、上記ベース板部材10の幅方向に連続した形態で備えられることができる。
【0068】
このように、上記パック固定部材40の形状によると、ベース板部材10を幅方向に支持する剛性が補強されることができる。
【0069】
具体的には、パック固定部材40がベース板部材10の幅に対応される長さで形成され、上記ベース板部材10の幅方向に連続して配置されることで、パック固定部材40はベース板部材10の側方に加わる外部衝撃を支持する役割を果たすことができる。さらに、上記パック固定部材40は、断面がほぼ「¬」形状に折り曲げられた形態であるため、剛性補強の効果をさらに高めることができる。
【0070】
これにより、上記ベース板部材10に剛性を補強するために別途備えられ得る横補強部材60の大きさを縮小したり、上記横補強部材60の構成を排除したりすることができる。これにより、上記バッテリーパック2の配置空間を確保してエネルギー密度を高く形成することができ、またバッテリーケース1などが設けられる自動車などの軽量化を可能とする。
【0071】
そして、上記ベース板部材10には、上記バッテリーパック2を冷却するための冷却板部材70が備えられることもできる。このような冷却板部材70には、冷却のための流体が流動する冷却チャンネルが形成されることができる。
【0072】
また、上記ベース板部材10に装着された上記バッテリーパック2の上面には、カバー部材が備えられることもできる。
【0073】
一実施例によるバッテリーケース1において、カバー部材は、上記ベース板部材10に対面して配置され、上記ベース板部材10に装着されたバッテリーパック2の上面を覆うドーム部、及び上記ドーム部の角部分に角を有した形態で折り曲げられて上記支持部材20と締結されるフランジ部を含むことができる。
【0074】
そして、上記ベース板部材10には、上記ベース板部材10を幅方向に支持する上記横補強部材60の以外にも、上記ベース板部材10を長さ方向に支持する縦補強部材も備えられることができる。
【0075】
例えば、縦補強部材は、上記ベース板部材10の長さ方向に沿って連続した形態で備えられる。種補強部材は、パック固定部材40と交差する部分に貫通溝が形成されることができる。
【0076】
図8を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1は、バッテリーパック2をそれぞれ支持しながら互いに隣り合う複数のパック固定部材40の上部に結合されるホールディング部材50を含むことができる。
【0077】
ホールディング部材50は、上記パック固定部材40が上記バッテリーパック2をより安定して支持できるようにする。上記ホールディング部材50が互いに隣り合う複数の上記パック固定部材40の上部に結合されることで、隣り合う上記パック固定部材40の間をより安定して支持することができる。
【0078】
ここで、上記ホールディング部材50は単なるプレート状であってもよいが、ホールディング部材50に凹部51が形成されてもよい。このような凹部51が互いに隣り合うパック固定部材40間の間隙に嵌合することで、両側のパック固定部材40を安定して結合させることができる。
【0079】
上記凹部51は、下方向に凹んだ形態で構成されることができ、上記凹部51の幅は、互いに隣り合う上記パック固定部材40間の間隙に対応する幅で形成されることができる。
【0080】
これにより、両側のパック固定部材40が上記バッテリーパック2によって外側に押される力を受ける場合にも、上記パック固定部材40は、上記凹部51によって外側に押されないように支持される。
【0081】
また、一実施例によるバッテリーケース1の凹部51は、弾性によって外側に膨張する板ばねの形態で備えられることができる。
【0082】
これにより、上記ホールディング部材50は、上記パック固定部材40を弾性的に支持するようになり、これによってホールディング部材50は、外部衝撃または外部振動に対して柔軟に対応しながら上記パック固定部材40を安定して支持することができる。
【0083】
言い換えると、上記凹部51は、外側に膨張する膨張弾性力を両側の上記パック固定部材40に加える。このため、上記パック固定部材40が外側に押されながら受ける力が上記膨張弾性力よりも大きい場合には、上記凹部51は一部収縮されながら上記パック固定部材40を支持する。一方、上記パック固定部材40が外側に押されながら受ける力が上記膨張弾性力よりも小さくなると、上記凹部51の膨張弾性力によって上記パック固定部材40は元の位置を維持する。
【0084】
したがって、ホールディング部材50は、加えられる力に応じて柔軟に上記パック固定部材40を支持することができる。
【0085】
上記凹部51の板ばね形状は、図8に示したように、内側に凹んだ断面を形成する形態であるか、ベローズ形態で備えられることができる。このような凹部51は、弾性変形範囲内で膨張弾性力を付加することができる。但し、上記凹部51の板ばね形態は必ずしもこれに限定されず、上記パック固定部材40に膨張弾性力を付与することができれば、他の任意の板ばね形態が凹部51に採用されることができる。
【0086】
図9を参照すると、一実施例によるバッテリーケース1のホールディング部材50は、上記凹部51に緩衝素材52が充填された形態で備えられることができる。
【0087】
ホールディング部材50が両側の上記パック固定部材40を支持する場合に、緩衝素材52が凹部51に備えられることで、上記パック固定部材40が外側に広がる問題をさらに安定して防止することができる。
【0088】
上記緩衝素材52は、形状が復元されるスポンジ、発泡金属などで構成されることができる。緩衝素材52は、上記パック固定部材40を元の位置に押し込む役割を果たすことができる。
【0089】
図10を参照すると、一実施例による自動車は、複数のバッテリーパック2が装着される上記バッテリーケース1、上記バッテリーパック2と連結されて駆動力を提供するエンジン4、及び上記バッテリーケース1が結合される車体フレーム3を含むことができる。
【0090】
自動車は、上述したバッテリーケース1を含んで、外部衝撃の吸収を効果的に行い、バッテリーパック2の形状を維持することができるため、上記バッテリーパック2の破損または爆発を防止することができる。
【0091】
他の側面では、自動車は上述したバッテリーケース1を含んで、上記バッテリーパック2を安定して固定することができ、外部衝撃または外部振動に対して柔軟に対応しながら上記パック固定部材40を安定して支持することができる。
【0092】
上記車体フレーム3は自動車の形態を形成し、駆動力を生成するエンジン4が設けられる。
【0093】
上記エンジン4は、上記バッテリーケース1内に装着されたバッテリーパック2と連結されてバッテリーパック2から電気エネルギーが伝達されて駆動力を発生させることができる。逆に、エンジン4はバッテリーパック2を充電することもできる。
【0094】
本実施例は、バッテリーケース1及びこれを含む自動車に関するものであり、外部衝撃の吸収を効果的に行い、バッテリーパック2の形状を維持することができる。これにより、バッテリーパック2が変形しながら爆発したり、バッテリーパック2に外部衝撃が直接伝わって爆発したりする問題を防止することができる。
【0095】
一実施例によるバッテリーケース1は、支持部材20を含んで外部衝撃によって上記バッテリーパック2が変形などで破損しないようにバッテリーケース1の形状を維持することができる。また、バッテリーケース1は、形状が変形されながら外部衝撃を吸収する吸収部材30を含んで、上記バッテリーパック2に伝わる外部衝撃を低減させる。
【0096】
一実施例によるバッテリーケース1は、パック固定部材40を含んでバッテリーパック2を安定して固定することができる。さらに、上記パック固定部材40がバッテリーケース1の剛性を補強する役割も果たすことができる。
【0097】
さらに、一実施例によるバッテリーケース1は、ホールディング部材50を含んで上記パック固定部材40が上記バッテリーパック2をより安定して支持することができる。さらに、上記ホールディング部材50は、上記パック固定部材40を弾性的に支持することで、外部衝撃または外部振動に対して柔軟に対応しながら上記パック固定部材40を安定して支持することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本実施例は、例えばバッテリーパックが搭載された自動車に有用である。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10