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特許7585326デュアルレール貨物システムを備えた水陸両用エアクッションビークル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】デュアルレール貨物システムを備えた水陸両用エアクッションビークル
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/00 20060101AFI20241111BHJP
   B60V 1/18 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
B63B25/00 F
B63B25/00 101K
B60V1/18
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022533313
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 US2020044748
(87)【国際公開番号】W WO2021026072
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】62/882,009
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505222680
【氏名又は名称】テクストロン イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEXTRON INNOVATIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】アレン、フランク スコット
(72)【発明者】
【氏名】デュボーズ、ウィリアム キース
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06082266(US,A)
【文献】特表2015-525173(JP,A)
【文献】実開昭58-102710(JP,U)
【文献】特公昭47-048125(JP,B1)
【文献】特開平03-128757(JP,A)
【文献】米国特許第05951607(US,A)
【文献】特表2009-518236(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0177467(US,A1)
【文献】特開平05-147580(JP,A)
【文献】ROBERT B.ARONSON,Birth of the 100-Knot Navy,MACHINE DESIGN,VOL45,No.13,1973年05月31日,20-21,23-25頁,目次
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/00 - 25/28
B63B 27/14
B60V 1/00 - 1/22
B60V 3/00 - 3/08
B60P 1/43
B60P 1/52
B60P 7/13
B64D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水陸両用エアクッションビークルであって、
水上および平地での走行が可能なエアクッション船体;
前記エアクッション船体に支持されたデッキ;
前記デッキに連結され、前記デッキと水平でもよい、延長された船尾ランプ;および、
前記デッキの後端部から前記デッキに沿って延びる縦方向に配置されたトラックを有するデュアルレール貨物システムであって、前記トラックは、(1)前記トラックに沿った、パレット化された貨物のガイド付きスライド移動を提供するガイドレールとローラ、および、(2)輸送中にパレットを所定の位置に固定するためのロック、を有し、前記トラックは、前記エアクッションビークルが所定の着地点を横切って移動している間に、前記ロックが解除され、前記エアクッションビークルが前進しているときに前記パレット化された貨物がトラックに沿って前記後端部から下の地面に滑り落ちる荷降ろし作業用に前記後端部に構成されて、
前記後端部の前記トラックは、前記延長された船尾ランプと連結された船尾ランプ部分を含み;および、
前記船尾ランプ部分は、(1)前記ガイドレールと前記ローラを含み、および(2)前記エアクッションビークルが前進している間の荷降ろし作業において、前記パレット化された貨物が前記船尾ランプ部分に沿って下方にスライドし、前記延長された船尾ランプから外れることを可能にするように構成され、それによって、前記パレット化された貨物を所定の着地点に配送する、
水陸両用エアクッションビークル。
【請求項2】
前記船尾ランプの、前記エアクッションビークルの前記後端部への取り付け位置での積載を制限するために、前記船尾ランプは、保持ケーブルによって格納位置に固定されることができるアドオンである、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項3】
1つ以上の水平推力用のプロペラと揚力用の遠心ファン;および、
水平推力と揚力のために前記プロペラと揚力ファンを駆動する1つ以上のガスタービン、
をさらに備える、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項4】
(1)前記プロペラは可変ピッチプロペラであり、(2)前記ファンはスラストポートを備え、前記エアクッションビークルはさらに前記プロペラの後方にラダーを備え、すべてはビークルの速度および方向の制御に用いられる、請求項3に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項5】
前記エアクッションビークルの全体寸法が、対応する海軍艦艇のウェルデッキ互換性を提供する、請求項3に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項6】
前記エアクッションビークルの操縦を制御するフライ・バイ・ワイヤ制御システムを有する、請求項1記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項7】
前記フライ・バイ・ワイヤ制御システムは、前記エアクッションビークルの無人運転を提供する、請求項6に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項8】
車輪付きおよび有軌道車両が前記エアクッションビークルにロールオンおよびロールオフできるように構成された船首ランプをさらに含む、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項9】
前記トラックは、前記デュアルレール貨物システムの一対の平行なトラックのうちの1つであり、前記トラックは、それぞれのガイドレール、ローラおよびロックを備え、前記後端部での荷降ろし作業のために用いられる、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項10】
両トラックは、前記後端部から延び、荷下ろし作業中にそれぞれのパレット化された貨物を搬出することができる、請求項9に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項11】
前記後端部が単一の搬出トラックを備え、前記デュアルレール貨物システムが、荷降ろし作業中に2組のトラックから単一の搬出トラック上にパレットを移動するように構成されたファネリングまたはスイッチング配置を備える、請求項9に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項12】
前記船尾ランプは、前記デッキの前記後端部から前記エアクッションビークルの周辺スカートシステムの上を横切って前記デッキより下方に延びていくように構成されている、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項13】
前記船尾ランプは、荷降ろし作業に使用される格納位置と拡張位置との間を移動するように構成されている、請求項12に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項14】
前記デッキの船首に積載エリアをさらに備え、前記トラックは、前記積載エリア内の前記パレット化された貨物が前記ガイドレールに係合して前記後端部に向かってスライドし、前記パレット化された貨物が積載された順序で前記後端部から荷降ろしされることを可能にする積載作業用に構成されている、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項15】
前記エアクッション船体が、オフクッションモードとオンクッションモードとの間で切り替わるように構成されており、前記延長された船尾ランプは、前記エアクッション船体が前記オンクッションモードにある間の荷降ろし作業中に、前記デッキの前記後端部から前記エアクッション船体を越えて地面に向かって低く延びていくように構成されている、請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項16】
アクチュエータと、前記アクチュエータと前記船尾ランプとの間に延びるリンクとをさらに備え、前記アクチュエータと前記リンクは、前記エアクッション船体が前記オンクッションモードにある間の荷降ろし作業中に前記エアクッション船体のスカートシステムを押し下げるために、船尾ランプをデッキに対して拡張位置まで枢動させるように構成される、請求項15に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項17】
前記トラックの前記ロックは、(i)パレット化された貨物の第1のセットを前記エアクッションビークル上の位置にロックし、(ii)前記エアクッションビークルが移動している間に、前記パレット化された貨物の前記第1のセットのロックを解除し、前記パレット化された貨物の前記第1のセットをトラックに沿ってスライドさせ、前記船尾ランプ部分上に載せ、前記パレット化された貨物の第2のセットとは別に前記エアクッションビークルから降ろすことを可能にするように構成および配置され、
前記デュアルレール貨物システムにはさらに:
(1)第2のトラックに沿って前記パレット化された貨物のガイドされたスライド移動を提供する一組のガイドレールと一組のローラ、および(2)(i)パレット化された貨物の前記第2のセットを前記エアクッションビークル上の位置にロックし、(ii)前記エアクッションビークルが移動している間に、前記パレット化された貨物の前記第2のセットのロックを解除し、前記パレット化された貨物の前記第2のセットを第2のトラックに沿ってスライドさせ、前記船尾ランプ部分上に載せ、前記パレット化された貨物の第1のセットとは別に前記エアクッションビークルから降ろすことを可能にするように構成および配置されたロックを含む、第2の長手方向に配置されたトラック、を含む、
請求項1に記載の水陸両用エアクッションビークル。
【請求項18】
(i)水上および平滑な陸上を走行するように構成されたエアクッション船体と、(ii)前記エアクッション船体によって支持されたデッキと、(iii)前記デッキの後端部と連結され、前記デッキと水平であってもよい延長された船尾ランプと、を有するエアクッションビークルを操作する方法であって、前記方法は:
パレット化された貨物をデュアルレール貨物システムに積載し、前記デュアルレール貨物システムは、前記後端部から前記デッキに沿って延びる長手方向に配置されたトラックを有し、前記トラックは、(1)前記トラックに沿ってパレット化された貨物のガイドされたスライド移動を提供するガイドレールとローラ、(2)輸送中にパレットを所定の位置にロックするためのロック、および(3)前記延長された船尾ランプと連結された船尾ランプ部分を含み、
前記エアクッションビークルが所定の着地点を横切って移動している間に前記ロックを解除し;および、
前記ロックを解除した後、前記パレット化された貨物を前記トラックに沿ってスライドさせ、前記船尾ランプ部分に載せ、前記エアクッションビークルが下の地面上を前進しているときに、延長された船尾ランプから下の地面に載せ、それによってパレット化された貨物を所定の着地点に配送すること、を含む、エアクッションビークルを操作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物の運搬・配送に使用される水陸両用ビークルの分野に関するものである。
【発明の概要】
【0002】
船体、デッキ、垂直揚力と水平推力を提供する推進システム、およびデッキ上のデュアルレール貨物システムを有するエアクッションビークル(ACV)であって、ビークルの船首と船尾のいずれか/両方でパレット状貨物および/またはコンテナ状貨物を受け取りおよび搬出できるように構成および動作する。デュアルレール貨物システムは、専用のACVに一体化される場合もあれば、他の用途を持つACVにアドオンとして配備される場合もある。一例として、テクストロン システムズ コーポレーションが販売する74小トン搭載可能なACV、いわゆる海陸間コネクタ(Ship-to-Shore Connector、SSC)にアドオンとしてデュアルレール貨物システムを搭載することが考えられる。このようなアドオン使用は、水陸両用上陸時に浜辺の後方支援として物資の迅速な積み増しを必要とする任務をサポートすることができる。本明細書の記述は、SSCに特化したものではなく、ACV上のデュアルレール貨物システムの展開は、SSCまたは例えば上陸用舟艇エアクッション(Landing Craft Air Cushion、LCAC)のような他の船に適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態では、ACVは、全長約100フィート(クッション上)、ビーム約44フィート(クッション上)、水面上高さ約22フィートを有す。この機体は、C130型軍用輸送機で使用されるものと類似するデュアルレール貨物システムを含む、大きなオープンカーゴデッキが特徴である。また、デッキの両側には、推進機と昇降機が設置されている。一実施形態では、船体または浮力ボックスの深さは約5フィート、クッションの高さは5フィートである。
【0004】
一実施形態では、推進力は2つのダクトプロペラと遠心ファンによる揚力である。推進力と揚力は2基のガスタービンで賄われ、それぞれがコンバイニングドライブラインを介してリフトファンインペラとプロペラアセンブリを駆動する。可変ピッチプロペラ、プロペラ後部のラダー、ファンのスラストポートにより、機体の速度と方向性を制御することができる。
【0005】
機体の寸法は、米海軍(USN)の強襲揚陸艦のウェルデッキの互換性を可能にする可能性があるが、ガスタービンの出力は最大40小トンのかなりの積載量を可能にする。
【0006】
機体制御システムは、指令された操縦を達成するために、プロペラピッチ、ラダー位置、スラスターを自動的に調整する統合飛行制御装置(IFC)を備えたフライ・バイ・ワイヤが好ましい。IFCは、有人および無人どちらの制御も可能にすることができる。
【0007】
船首ランプは、車輪付きおよび有軌道車両が転がりながら乗り降りすることを可能にし、デュアルレールシステムは、パレット化された貨物は船が進行中の船尾ランプを横切って搬出される事を可能にする。
【0008】
標準化された貨物パレットの迅速な搬出と、ガスタービンを動力源とする、ウェルデッキと互換性のあるACVの多用途の水陸両用機能との組み合わせにより、有利な機能と柔軟性を提供する。
【0009】
ACVの技術は、従来の上陸用舟艇ではアクセスできない遠隔地や未整備の海岸線での迅速な貨物輸送を可能にする。30トンを超える強力な積載量のACVプラットフォームを使用し、深海、浅瀬、岩礁を横断することができ、世界の70%以上の浜辺に乗り入れることが可能である。
【0010】
遠隔地の浜辺に到着すると、デュアルレールシステムにより、クレーンやフォークリフトなどの荷役支援機器を必要とせず、迅速に貨物を搬出することができる。パレットを降ろすには、船体はクッション上に留まり浜辺を前進し、パレットに積まれた貨物は解放され、ACVのスカートシステムを越えて延びた船尾ランプを伝って船尾から転がり落ちていく。
【図面の簡単な説明】
【0011】
前述および他の目的、特徴、および利点は、本発明の特定の実施形態の以下の説明から明らかであり、添付の図面に示されているように、同様の参照文字は、異なる図全体にわたって同じ部分を指す。
【0012】
図1図1は、水陸両用エアクッションビークル(ACV)のイメージ図である。
図2図2は、ACVの簡略化した平面図である。
図3図3は、ACVの簡略化した立面図である。
図4図4は、ACVのより詳細な平面図である。
図5図5は、ACVのより詳細な立面図である。
図6図6は、2本の平行トラックを使用したデュアルレールシステムの代替案を示す平面図である。
図7図7は、船尾ランプの代替案の領域の部分立面図である。
図8図8は、デュアルレールシステムのトラックを横断する断面図である。
図9図9は、デッキストラッピングを示すデッキの一部の平面図である。
図10図10は、デッキストラッピングを示すデッキの一部の断面図である。
図11図11は、船尾ランプの代替配置を示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、水陸両用エアクッションビークル(ACV)10を示す図である。以下にさらに説明するような他の特徴の中には、中央に位置し、デッキ上で前方-後方に延びるデュアルレール貨物システム12を含む。使用時には、デュアルレール貨物システム12は、ACV10が水からアクセス可能な浜辺または同様の着陸場所にフェリー貨物14をパレット化するために使用される。本明細書でさらに説明するように、ACV10が着陸場所上を前進する間に、デュアルレール貨物システム12に沿って後端までスライドさせられ、貨物14を後端部から落とすことによって、パレット化貨物14を非常に迅速に荷降ろしすることができる。すべての貨物14が投下されると、ACV12は迅速に水上へ戻ることができる。この操作を多数回行うことで、着地点に大量の材料を搬入することができる。
【0014】
図2および図3は、ACV10の特徴をさらに詳細に示したものである。これは、運転動力を提供する一対のガスタービン20を含み、特に、それぞれが運転中に推力を提供するそれぞれのプロペラ22を駆動する。片側あたり1台のガスタービン20を使用することで、例えば、コンバイニングギアボックスやオーバーランニングクラッチの必要性を回避し、簡素化された駆動系を提供することができる。制御装置24は、好ましくは、いわゆる「フライ・バイ・ワイヤ制御」を採用し、ACV10の有人および無人の両方の動作を可能にし得る。デュアルレール貨物システム12は、1つ以上のデュアルレールトラックと、C130貨物処理システムで使用されるようなHCU-6/E標準化パレットなどの標準化パレットの使用に基づく自動貨物配送システムである。これは、ロールオン/ロールオフ(Ro-Ro)積載またはクレーン積載のいずれか/両方に使用可能、または例えば人員モジュールを運ぶために使用可能なオープンデッキ空間26を含むことができる。船体28は、好ましくは、連続した横隔壁およびカーテンプレートを有しない簡略化された構造設計を有する。船首ランプ30はRo-Roの積み下ろしをサポートすることができ、船尾ランプ32は切り詰めスカートのデザインと共に、本明細書に記載されているようなパレット化された貨物の降下をサポートすることができる。
【0015】
前述のように、ACV10は、好ましくは完全に水陸両用であり、一実施形態ではそれぞれ最大30トンおよび35ノットほどであってよい、所望の有効荷重量および走行速度の物流支援を提供できるサイズおよび構造である。有人・無人のどちらでも運用できるように設計されている。敵地へ貨物を投下するシナリオを含む特定の軍事用途では、1~2分という短い間隔ですべての貨物14を高速で降ろすことが可能であることが望まれる。
【0016】
ACV10と共に使用されるパレットは、金属製のサンドイッチタイプの構造を有し、ローラタイプのコンベア上で貨物をパレット化して搬送するために使用される公知の種類のものであってよい。航空機と同様に、デュアルレールシステム12は、このようなローラタイプのコンベアだけでなく、パレットをガイドし、積み下ろしのために、パレットが前方と後方にのみ移動するように拘束する拘束レールを含む。パレットは、走行中の拘束のためにパレットをデュアルレールシステムにロックするためのロック機構と、各パレットに貨物を固定するためのタイダウンリングが使用されている。標準的なパレットは、長さ88インチ、幅108インチ、厚さ2と1/4インチの寸法で、最大積載量は10,000ポンドである。
【0017】
図4および図5は、第1のACVの実施形態10-1の追加的な詳細を示している。具体的には、この実施形態は、パレット40が図示のように横方向(レールを横切って延びる長辺)に向いた単線デュアルレールシステムを採用するものである。
【0018】
図6は、パレット40を、その幅狭寸法がそれぞれのトラックを横切るように回転させた2つの平行トラックを採用した代替実施形態10-2のデュアルレールシステム部分のみを示す図である。この実施形態では、図示のように、最大10個のパレット40を収容することができる。この配置は、トラックにおける全方向ローラの必要性を回避し得る。この例では、各トラックは、2つのパレット40(各トラックから1つ)が荷降ろし中に同時に落とされるように、船尾ランプ32から延びている。代替的な配置は、船尾ランプ32が搬出用の1つのトラックのみを有し、各トラック12から単一の搬出トラック上にパレット40を移動させるためにファネリングまたはスイッチング配置が使用される場合がある。
【0019】
図7は、一実施形態における船尾ランプ32の領域の追加的な詳細を示す。この場合、船尾ランプ32はアドオンであってもよく、保持ケーブル50は、船尾端を支持し、取付点でのレバー式積載を制限するために使用される。これは、固定ランプ、すなわち、ACV10の後端部に固定的に取り付けられるか、さもなければ剛性的に部分的に取り付けられるランプの一例である。代替の実施形態では、船尾ランプは、格納式、すなわち、貨物配送のために積極的に使用されていないときに格納位置から拡張位置まで移動可能であってよい。
【0020】
図8は、トラック60を横断する断面図であり、レール62、ローラ64、およびパレット40を図示している。また、デッキ面66と、その下にある垂直支持リブ68も示されている。
【0021】
図9および図10は、細長いローラ部材70をデッキに固定するために採用され得るデッキストラッピングの詳細を示している。図示のように、部材70は、部材70の幅方向にまたがり、デッキにボルト止めされた一組のストラップ72によって縛られるか、またはストラップ止めされる。
【0022】
図11は、代替の後端配置の詳細を示す。この設計では、図示のようにアクチュエータ80とリンク82を使用して、船尾ランプ32を使用してクッションを押し下げるのを助ける。
【0023】
以下は、ACV10が一荷の貨物を配送する場合の運用シナリオ例である:
1.クラフトに燃料を供給
2.ウェルデッキまたは遠征用トランスファードック(ESD)での貨物積み込み
3.機体を起動し、クッションに乗る
4.ウェルデッキを出る
5.船からサーフゾーンへの移動
6.サーフゾーンを通過して浜辺へ
7.船尾ランプを下げる
8.パレットロックの解除
9.高速積み下ろしを開始(例:45~60秒で40トン搬出)
10.ランプを上げ、クッションに乗る
11.浜辺からサーフゾーンを越えて移動
12.船に戻る
13.ウェルデッキへの再突入
14.クッションを外し、機械を停止させる。
【0024】
以下、少なくともいくつかの実施形態において開示されるACVの重要な特徴を箇条書きで説明する:
1)軍用水陸両用兵站支援艇
2)30-40トンの貨物積載量
3)LPD-17、LSD41、LSD49クラス、LHA、ESDなどのウェルデッキ船に配備可能。
4)貨物の種類:車輪付きおよび有軌道車両、コンテナ貨物、パレット貨物、ブレークバルク貨物。
5)カーゴデッキを走り抜ける
6)クレーンによる積み下ろしの為にカーゴデッキを開く
7)C-130型パレット用デュアルレール貨物システム
8)ACV船型
a)一実施形態では、110’x45’、高さ22’
b)代替長さ110、100、90、および80フィート;ビーム36、40、44、および48フィート;積載重量25、35、45、および55小トン
9)有人、遠隔操作、または完全な自律走行能力
10)推進力・揚力
a)原動機:舶用ガスタービン
b)トランスミッション:機械式(ギアトレインなど)
c)推進機:ダクト付き空気プロペラ
d)揚力ファン:渦巻き型遠心ファン
11)想定される代替軍事任務(必要に応じて用途特化のデッキモジュールを使用)。
a)機雷戦-対抗措置
b)諜報、偵察、監視
c)移動式ミサイル防衛
d)移動式無人航空機基地
e)シールチームの配備と回収
f)陸軍海岸揚陸軍需支援
g)移動式給油プラットフォーム
h)有人・無人・自律型ビークルの母艦
12)想定される非軍事的任務
a)石油産業支援
b)沿岸湿地帯における油流出制御と回収
i)湿地帯にある廃坑の閉鎖と撤去
ii)湿地帯での掘削作業の支援
iii)湿地帯での坑井再作業の支援
b)遠隔地/険しい場所での作業
i)貨物輸送
ii)郵便物の配達
iii)人員輸送
iv)捜索・救助
v)砕氷
【0025】
本発明の様々な実施形態を特に示し、説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、そこに形態および詳細における様々な変更がなされ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-10】
図11