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特許7585335X線装置内で患者を位置決めするための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】X線装置内で患者を位置決めするための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/04 20060101AFI20241111BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20241111BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20241111BHJP
【FI】
A61B6/04 500
A61B6/00 520Z
A61B6/00 530A
A61B6/50 500C
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022552789
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021023516
(87)【国際公開番号】W WO2021194986
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】62/994,673
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520479401
【氏名又は名称】データ インテグリティ アドバイザーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カイリー,ジャニド,パトリシア,ブランコ
【審査官】佐藤 賢斗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/236317(WO,A1)
【文献】特表2015-530899(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0287900(US,A1)
【文献】特表2008-510560(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0345543(US,A1)
【文献】国際公開第2019/121702(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0031888(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
A61B 5/08 - 5/113
A61B 5/24 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを有するコンピュータシステムにおいて、前記コンピュータシステムは、放射線測定中に患者を位置決めするための固定具と通信可能に結合され、一連の動作を実行することであって、
前記患者からバイオフィードバック信号を受信すること、
前記患者から前記バイオフィードバック信号を受信している間に、
前記患者が前記固定具によって第1の位置に位置決めされている間に、前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定すること、および
前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示さないという判定に従って、前記固定具を使用して前記第1の位置から第2の位置に前記患者を関節運動させること、および
前記第2の位置にある前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、前記患者が前記第2の位置に位置決めされた状態で前記患者の放射線測定値を取得することを含む、実行することを含む、方法。
【請求項2】
前記バイオフィードバック信号が筋電図信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筋電図信号が、前記患者の1つまたは複数の外筋からの信号を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記患者が前記固定具によって前記第1の位置に位置決めされている間に、前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、前記患者が前記第1の位置に位置決めされた状態で前記患者の放射線測定値を取得することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1つまたは複数の信号特徴が前記バイオフィードバック信号から抽出される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記バイオフィードバック信号が前記患者が安静時の呼吸をしていることを示すという前記判定が、前記1つまたは複数の信号特徴の各々をそれぞれの信号閾値と比較することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各それぞれの信号閾値が、前記患者が安静時の呼吸をしていた間に前記患者について得られたベースラインバイオフィードバック信号から決定される、請求項5~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記患者が前記第1の位置にある前に、
前記患者が前記固定具によって第3の位置に位置決めされている間に、前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定すること、および
前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示し、前記第1の位置が前記第3の位置よりも目標位置に近いという判定に従って、前記固定具を使用して前記第3の位置から前記第1の位置まで前記患者を関節運動させることをさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記固定具を使用して前記患者を前記第3の位置から前記第1の位置に関節運動させることが、前記患者の胸部の放射線測定のためのより広い角度を設けるように前記患者の腕を動かすことを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記患者が前記第2の位置に位置決めされている間に、
放射線測定値を取得するために、放射線装置に対して複数の角度に前記患者を回転させること、および
前記放射線装置に対する前記患者の前記複数の角度における放射線測定値を取得すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の角度は、少なくとも第1の角度および第2の角度を含む、および
前記放射線装置に対して前記患者を回転させることは、前記放射線装置に対して少なくとも前記第1の角度および前記第2の角度に前記患者を回転させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記患者から前記バイオフィードバック信号を受信する間に、
前記患者が前記固定具によって前記第2の位置に位置決めされている間に、前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定し、
前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示していないという判定に従って、前記固定具を使用して前記第2の位置から第3の位置まで前記患者を関節運動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記患者の放射線測定値が、複数の呼吸段階中の前記患者の肺の動態をモデル化するために使用される、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記患者が前記第2の位置にあり、前記患者が安静時の呼吸をしている間に、
前記患者の前記位置が適合していないと判定すること、および
前記患者の前記位置が適合していないという前記判定に従って、前記患者にフィードバック信号を提供することをさらに含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記フィードバック信号が、1つ以上の触覚デバイスによって提供される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記患者の前記位置が適合していないという前記判定が、前記バイオフィードバック信号に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
放射線測定中に患者を位置決めするための固定具と通信可能に結合されたコンピュータシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令のセットを記憶するメモリとを含み、前記命令は、
前記患者からバイオフィードバック信号を受信すること、
前記患者から前記バイオフィードバック信号を受信している間に、
前記患者が前記固定具によって第1の位置に位置決めされている間に、前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定すること、および
前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示さないという判定に従って、前記固定具を使用して前記第1の位置から第2の位置に前記患者を関節運動させること、および
前記第2の位置にある前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、前記患者が前記第2の位置に位置決めされた状態で前記患者の放射線測定値を取得することである、コンピュータシステム。
【請求項18】
放射線測定中に患者を位置決めするための固定具と通信可能に結合されたコンピュータシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
請求項2~16のいずれかに記載の前記方法を実行するための命令のセットを記憶するメモリとを備える、コンピュータシステム。
【請求項19】
コンピュータシステムによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに一連の動作を実行させる命令を含むコンピュータプログラムであって、
患者からバイオフィードバック信号を受信すること、
前記患者から前記バイオフィードバック信号を受信している間に、
前記患者が固定具によって第1の位置に位置決めされている間に、前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定すること、および
前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示さないという判定に従って、前記固定具を使用して前記第1の位置から第2の位置に前記患者を関節運動させること、および
前記第2の位置にある前記患者からの前記バイオフィードバック信号が、前記患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、前記患者が前記第2の位置に位置決めされた状態で前記患者の放射線測定値を取得することを含む、コンピュータプログラム。
【請求項20】
コンピュータシステムによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに請求項2~16のいずれかに記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「System and Method for Positioning a Patient within an X-Ray Apparatus」と題する、2020年3月25日に出願された米国特許出願第62/994,673号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、医療撮像に関し、より詳細には、医療撮像(例えば、X線)装置内に患者を位置決めするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人間の解剖学的構造の計算モデリングは、異なる生理学的条件を代表する解剖学的挙動の理解を容易にする。最先端の撮像技術は、医師が解剖学的挙動を視覚化することを可能にするが、心臓および肺の複雑な動きを正確に撮像する最先端の技術は、多くの場合、広く採用するには費用がかかりすぎる。さらに、心臓の動き、例えば、複雑なプロセスであり、呼吸サイクルとは無関係の心臓の変形は、コンピュータ断層撮影(CT)ベースまたはX線写真の呼吸の動きの測定では、ノイズとして現れる可能性がある。その結果、呼吸の運動を記述する数学的モデルの精度も、一見無秩序な心臓の動きによって低下する。この問題に対処する1つの方法は、患者に息を止めさせることによって画像から肺の動きを除去することである。このアプローチは、患者の呼吸運動を停止させるが、肺の健康に関する重要な情報(例えば、肺の容量を含む)は、これらの息止め時の画像において特定することが困難であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の実施形態は、X線装置内に患者を位置決めするための患者位置決め固定具(PPF)を提供する。PPFは、患者が位置決めされる回転プラットフォームを含む。PPFは、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを含むコンピュータシステムと結合される。参照によりその全体が組み込まれるPCT/US2019/064846に記載されているように、回転プラットフォームは、X線管および検出器パネルに対して患者を回転させる(例えば、患者のX線画像が異なる投影角度から取得され得るようにする)。例えば、X線管および検出器パネルを回転させる代わりに、PPFは、投影角度間で患者を回転させ、それらの投影角度でX線画像を取得し、回転間で患者の位置を実質的に同一(例えば、PPFに対して固定される)に保つ。いくつかの実施形態では、異なる投影角度で取得されたX線画像は、患者の肺の動態(例えば、呼吸サイクル中の肺の動き方)を再構成およびモデル化するために使用される。特に、ラドン変換を使用して、二次元(2D)画像から患者の肺の三次元(3D)モデルを生成することができる。投影角度にわたって実質的に同一の患者位置は、この再構成の重要な側面であり、その投影(例えば、患者の肺)によって再構成される対象は、すべての投影角度にわたって(呼吸からの動きを除いて)静止していなければならない。いくつかの実施形態では、呼吸運動の問題は、患者の呼吸段階を測定し、それに応じて画像をソートすることによって解決され、その結果、異なる呼吸段階に対して異なる再構成が実行される。
【0005】
さらに、いくつかの実施形態では、PPFは、異なる投影角度でX線画像をキャプチャするための最適またはほぼ最適な位置に患者を配置する。そのためには、以下の2つの基準を満たす必要がある。(1)患者は、患者の腕がX線投影のいずれとも干渉しないように開放的な姿勢をとるべきであり、(2)患者はその位置で正常に呼吸できるべきである。後者は、患者の呼吸の生体力学的モデルを再構築するときに特に重要である(例えば、PCT/US2019/064846号明細書に記載されているような弾性率のモデルなど)。いくつかの実施形態では、この問題は、患者のバイオフィードバック信号を測定しながら患者を関節運動させる(例えば、PPFの機械的接合部を介して患者の一方の身体部分を他方に対して回転させる)ことによって解決される。バイオフィードバック信号は、呼吸している患者が安静にしているかどうかを示す。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムが、バイオフィードバック信号を使用して、患者が安静時の呼吸をしていないと判定した場合、コンピュータシステムは、患者が安静時の呼吸をしていた最後の位置に患者を戻す。
【0006】
その目的のために、本開示は、放射線測定の目的のために患者を位置決めする方法を提供する。本方法は、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを有するコンピュータシステムで実行される。コンピュータシステムは、放射線測定中に患者を位置決めするための固定具と通信可能に結合される。この方法は、患者からバイオフィードバック信号を受信することを含む。本方法は、患者からバイオフィードバック信号を受信している間に、患者が固定具によって第1の位置に位置決めされている間に、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定することをさらに含む。本方法は、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示していないという判定に従って、固定具を使用して第1の位置から第2の位置まで患者を関節運動させること(例えば、患者の1つまたは複数の関節の回転による移動または再位置決め)をさらに含む。本方法は、第2の位置にいる患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、患者が第2の位置に位置決めされた状態で患者の放射線測定値を取得することをさらに含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施態様は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶するメモリとを備えるコンピュータシステム(例えば、サーバシステムまたはローカルコンピュータシステム)を提供する。1つまたは複数のプログラムは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、コンピュータシステムに本明細書に記載の方法のいずれかを実行させる命令を格納する。
【0008】
本開示のいくつかの実施態様は、1つまたは複数のプロセッサを有するコンピュータシステムによって実行されるとき、コンピュータシステムに本明細書に記載の方法のいずれかを実行させるコンピュータプログラム製品(例えば、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体)を提供する。
【0009】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。それにおいては、本開示の例示的な実施形態のみが示され、説明される。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で修正が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示される実施態様は、添付の図面の図において、限定としてではなく例として示される。同様の参照番号は、図面中のいくつかの図を通して対応する部分を指す。
【0011】
図1A】患者位置決め固定具(PPF)を使用して医療撮像(または別の放射線学的プロセス)のために患者を位置決めするためのプロセスを示す。
図1B】患者位置決め固定具(PPF)を使用して医療撮像(または別の放射線学的プロセス)のために患者を位置決めするためのプロセスを示す。
図1C】患者位置決め固定具(PPF)を使用して医療撮像(または別の放射線学的プロセス)のために患者を位置決めするためのプロセスを示す。
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、複数の可能な向きで患者を支持するためのPPF(例えば、回転可能なモジュール式椅子)を示す。
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、複数の可能な向きで患者を支持するためのPPF(例えば、回転可能なモジュール式椅子)を示す。
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、複数の可能な向きで患者を支持するためのPPF(例えば、回転可能なモジュール式椅子)を示す。
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、PPFの構成要素の例示的な動きの表示を含むPPFを示す。
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、PPFの構成要素の例示的な動きの表示を含むPPFを示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、様々なデバイスの例示的な通信接続を示す。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、コンピュータシステム(例えば、コンピュータ制御システム)のブロック図を示す。
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、医療撮像(例えば、X線)装置内部に患者を位置決めする方法のフローチャートを示す。
図6B】本開示のいくつかの実施形態による、医療撮像(例えば、X線)装置内部に患者を位置決めする方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照する。添付の図面に、その例が示される。以下の詳細な説明には、本開示の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本開示は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが当業者に明らかであろう。他の場合では、実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように、周知の方法、手順、構成要素、回路、およびネットワークは、詳細には説明されていない。
【0013】
本明細書に記載の実施態様は、放射線処置の最中に患者を位置決めするための様々な技術的解決策を提供する。
【0014】
いくつかの態様が、説明のための例示的な適用を参照して、以下に説明される。本明細書に記載の特徴の完全な理解を成すために、多数の具体的な詳細、関係、および方法が記載されていることを理解されたい。しかし、当業者は、本明細書に記載の特徴は、1つまたは複数の特定の詳細なしに、または他の方法で実施することができることを容易に認識するであろう。本明細書に記載の特徴は、いくつかの動作が異なる順序で、および/または他の動作もしくは事象と同時に起こり得るため、説明されている動作または事象の順序によって限定されない。さらに、本明細書に記載された特徴に従って方法論を実施するために、例示されたすべての動作または事象が必要とされるわけではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、特に指定または限定されない限り、「中央」、「縦」、「横」、「前」、「後」、「右」、「左」、「内側」、「外側」、「下」、「上」、「水平」、「垂直」、「上方」、「下方」、「上側」、「頂部」、「底部」、ならびにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「下向きに」、「上向きに」など)といった相対的な用語は、そのとき説明されているような、または論述中の図面に示されているような向きを指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、本開示が特定の向きで構成または動作されることを必要としない。
【0016】
本明細書で使用される場合、特に指定または限定されない限り、「取り付けられた(mounted)」、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、「固定された(fixed)」などの用語は広く使用され、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体型接続であってもよい。機械的または電気的な接続も可能である。直接的な接続または介在する構造を介した間接的な接続であってもよい。特定の状況に応じて当業者によって理解され得る、2つの要素の内部通信であってもよい。
【0017】
本明細書で使用する場合、特に指定または限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にある構造は、第1の特徴が第2の特徴と直接接触している実施形態を含むことができ、第1の特徴と第2の特徴が互いに直接接触していないが、第1の特徴と第2の特徴との間に形成された追加の特徴を介して接触する実施形態も含むことができる。さらに、第2の特徴の「上(on)」、「上方(above)」、または「上部(on top of)」の第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の「上(on)」、「上方(above)」、または「上部(on top of)」の右または斜めにある実施形態を含むことができ、または単に第1の特徴が第2の特徴の高さよりも高い高さにあることを意味する。一方、第2の特徴の「下方(below)」、「下(under)」、または「底部(on bottom of)」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の右または斜めの「下方(below)」、「下(under)」、または「底部(on bottom of)」にある実施形態を含むことができ、または単に第1の特徴が第2の特徴の高さよりも低い高さにあることを意味する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「関節運動する」という動詞は、関節を介して(例えば、回転)移動することを意味する。例えば、患者を第1の位置から第2の位置に関節運動させることは、患者の身体の一部分を患者の身体の別の部分(例えば、患者位置決め固定具の接合部分を介して)に対して動かす(例えば、回転させる)ことを意味する。患者の関節運動は、X線装置に対する第1の向きから、X線装置に対して、第2の向きへ患者の全身を回転させることとは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、複数の向きからX線画像を取得する位置に最初に関節運動され、位置は固定され、患者は複数の向きの間の固定した位置で回転される。
【0019】
本明細書で使用される場合、特に指定または限定されない限り、用語「バイオフィードバックセンサ」、「センサ」、および他の変形は、音響センサ、加速度計(例えば表面機械受容器)、光学センサ、およびインピーダンスセンサまたは測定値を含むことを意図している。簡単にするために、いくつかの実施形態では、文書全体を通してバイオフィードバックセンサの例として、「筋電図」センサが使用される。
【0020】
本明細書で使用される場合、特に指定または限定されない限り、用語「段階」、「呼吸段階」、「肺段階」、および他のそのような変形は、患者の呼吸プロセスの吸入(例えば、患者の肺への空気の正味の移動がある場合)および呼気(例えば、患者の肺からの空気の正味の動きがある場合)部分を含むことを意図している。例えば、第1の呼吸段階は、第1の圧力、第1の肺容積、および第1の空気流の変化を伴う時間の一部を指す。いくつかの実施形態では、患者の呼吸の吸入部分は、後期吸入段階、中期吸入段階、および初期吸入段階にさらに分割される。いくつかの実施形態では、患者の呼吸の呼気部分は、呼気後期、呼気中期、および呼気早期の呼吸段階にさらに分割される。いくつかの実施形態では、呼吸プロセスは、空気の正味の動きがない休止段階(例えば、吸入と呼気との間の中間段階)をさらに含む。呼吸は機械的プロセスであり、多くのタイプの呼吸では、患者の横隔膜の動きを含む。吸入は、典型的には、健康な患者にとって、肺の容量を増加させ、空気を取り込むための筋肉の能動的収縮を含む。同様に、健常な患者の呼気は、典型的には、肺から空気を排出するための筋肉の受動的収縮を含む。
【0021】
図1A図1Cは、患者位置決め固定具(PPF)を使用して医療撮像(または別の放射線学的プロセス)のために患者を位置決めするためのプロセスを示す。いくつかの実施形態では、PPFの目的は、患者のX線撮像を可能にするように患者を位置決めすることである(例えば、診断目的のために)。本明細書に記載の実施形態は、それぞれの投影角度でX線画像を取得する前に、PPF内の患者の固定位置を調整する方法および装置を提供する。調整の目標は2つあり、すなわち、患者は、広範囲の投影角度(例えば、患者の腕の角度が突起と干渉することなく)でX線画像を取得できるように位置決めされるべきであり、患者の位置は、患者の呼吸(例えば、患者の腕を背中の後ろにピン留めすると、患者の呼吸が変化する)を変化させるべきではない。そのために、本明細書に記載の方法および装置は、患者の呼吸を示す信号を測定しながら、患者を最適な位置(例えば、目標位置160)に向かって移動させる。
【0022】
最適な位置決めを判定するためにPPFを訓練する。
【0023】
図1Aは、訓練プロセス150を示す。そのために、いくつかの実施形態では、訓練プロセス150は、患者のベースライン状態154を識別するのに役立つ。いくつかの実施形態では、ベースライン状態154は、各患者に対して個別に決定される。いくつかの実施形態では、ベースライン状態154は、特定の患者クラス(例えば、年齢、健康状態などのクラスである)について決定される(例えば、標準化されている)。様々な実施形態において、ベースライン状態154は、患者の以下の特徴(例えば、状態)のうちの1つまたは複数を含む(これらの状態のすべてが患者の位置決めを調整する際に必ずしも使用されるわけではないことに留意されたい)。
●心臓センサ102(例えば、心電図(ECG)センサ)を介して―ベースライン状態154は、任意選択的に、患者の固有の心調律、ECGマークイベント、および心拍マークイベントに対する患者の固有の統計的タイミング基準を含む。この情報から、静止段階の心臓トリガパルスタイミングおよびゲートウィンドウが計算され、基準外マーク事象タイミング偏差が確立される。
●呼吸センサ104を介して-ベースライン状態154は、任意選択的に、患者の肺容積および呼吸曲線ヒストグラム、ならびに呼吸曲線の統計的タイミング基準を含む。いくつかの実施形態では、呼吸センサ104は、呼吸段階を判定するために使用される。そのために、いくつかの実施形態では、システムは、各固有の呼吸曲線サンプル点の体積サンプル範囲を計算し、各呼吸段階サンプルのトリガウィンドウタイミングを決定する。いくつかの実施形態では、三次元撮像検知システム106(後述)が呼吸センサとして使用される。いくつかの実施形態では、呼吸センサは肺活量計である。撮像段階中(訓練後)、呼吸センサは、正しい呼吸段階が(時系列予測アルゴリズムを介して)検出されたときにトリガパルスを出力するために使用される。
●三次元光学検知システム106を介して―ベースライン状態154は、任意選択的に、撮像基準フレーム内の患者の物理的位置を含む。いくつかの実施形態では、3D撮像システムは、患者の肺を表す3D点群を生成する。訓練期間中、内部組織密度は、異なるタイプの組織に対する減衰係数のモデルを使用して推定される(例えば、骨および軟組織)。これらのモデルは、目に見える骨の解剖学的構造(例えば、鎖骨、胸郭など)から内部の骨の解剖学的構造(すなわち、リギング)を外挿する。いくつかの実施形態では、システムは、超えた場合に患者の位置の補正を必要とする位置境界を決定する。撮像プロセス中(学習段階後)、システムが撮像フレーム内の許容限界に向かう、または許容限界を超える動きを検出した場合、システムは、触覚システム(各アームレスト上)を使用して、正しい位置に向かって動くように患者に通知する。いくつかの実施形態では、三次元光学検知システムは、LIDARシステム、または当分野で公知の任意の他の三次元光学検知システムを含む。
●EMGセンサ108を介して―ベースライン状態154は、任意選択的に、1つまたは複数の呼吸ベースラインを含む。いくつかの実施形態では、筋電図センサ対は、患者の三角筋および僧帽筋(および任意選択で斜筋)に(直接的または間接的に)取り付けられる。いくつかの実施形態では、センサペアは、患者の呼吸に関するフィードバックをリアルタイムで提供する。これらの筋電図センサ対は、分類された呼吸(例えば、呼吸/肺)段階に関連する信号パターンを生成する(例えば、後期吸入(LI)、中期吸入(MI)、早期吸入(EI)、後期呼気(LE)、中期呼気(ME)、および早期呼気(EE)を含む段階)。これらの関連する筋電図信号パターンは、患者の呼吸ベースラインを形成する。いくつかの実施形態では、各呼吸段階は、対応する関連する筋電呼吸ベースラインを有する。いくつかの実施形態では、呼吸ベースラインは、呼吸段階のセット全体について決定される。患者の呼吸ベースラインを判定した後、図1Cを参照して説明したように、三角筋および僧帽筋のEMG信号を使用して、患者の呼吸が静止しているか静止していないかを判定する(例えば、EMG信号がベースライン状態から発散するかどうか)。
●温度および気圧センサ110を介して―ベースライン状態154は、任意選択的に、正確な患者の肺の空気質量体積および質量空気流量の計算のために各撮像サイクルが開始されるときの温度および気圧を含む。
●PPF方位角位置センサ112を介して―ベースライン状態154は、任意選択的に、患者方位角(例えば、患者の胴体の軸)を含む。いくつかの実施形態では、システムは、撮像プロセスの開始時に患者/PPFの方位角位置を決定し、PPFが患者の方位角を変更した後、各位置のX線画像セットが撮影される。この情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年5月23日に出願されたPCT/US19/33751に記載されているように、「3D画像キューブ」を正確に計算し位置合わせするために、各撮像角度に必要である。
【0024】
患者が安静時の呼吸をしている(例えば、ベースライン状態で呼吸している)ように、患者をPPF上に配置すること。
【0025】
図1Bを参照すると、訓練プロセス150の後、自動位置決めプロセス100が続く。患者からのバイオフィードバック信号(例えば、図1Cを参照して説明するように)を使用して、PPFの開始位置152(例えば、PPF中の患者の)は、PPFの目標位置160に近づくように反復的に修正される(例えば、患者を関節運動させることによって)。目標位置160は、利用可能な投影角度を最大化すると同時に、胸部に追加の応力を付与しない(例えば、呼吸している患者に影響を与えずに、X線測定のために患者の胸部を最も広い円錐の角度まで開く)ものである。
【0026】
いくつかの実施形態では、患者の位置を反復的に修正することは、患者を目標位置160に向かって移動させること(120)を含む。自動位置決めプロセス100は、患者の呼吸が現在の位置で応力を受けているかどうかを判定すること(122)を含む。その目的のために、いくつかの実施形態では、PPFは、患者を機械的に関節運動させる(例えば、図2A図2Cに関して説明し、図3A図3Bに示すように構成要素を動かすことによって)。いくつかの実施形態では、PPFによる患者の機械的関節運動は、PPFの第1の構成要素(例えば、図2A図2Cのアームレスト202の)の移動、およびPPFの第2の構成要素(例えば、図2A図2Cのアームレスト204)の移動を含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の構成要素は同時に移動される。いくつかの実施形態では、第1および第2の構成要素は順次移動される。PPFが患者を機械的に関節運動させている間、患者の胸部の位置応力に対応するバイナリ状態分類132(図1C)が監視される。いくつかの実施形態では、患者のバイナリ状態分類132は、PPFによって監視される。いくつかの実施形態では、患者のバイナリ状態分類132は、追加の装置(例えば、スマートウォッチ、心拍数モニタなどである)によって監視される。
【0027】
患者の呼吸が現在の位置(例えば、バイナリ状態分類132が、追加の応力がPPF位置から患者の胸部に加えられていることを示す場合)で応力を受けているという判定に従って、PPF関節運動は停止する124。いくつかの実施形態では、患者の呼吸が現在の位置で応力を受けているという判定に従って、PPFは、患者の位置を最後に記録された安定位置126に戻す。このプロセスは、いくつかの実施形態では、1回または複数回繰り返される。あるいは、このプロセスは連続的に実行される(ブロック122の応力は患者が動かされるときに継続的に監視される)。したがって、PPFは、目標位置160(例えば、関節運動が患者の機械的呼吸機能にさらなる筋肉組織の張力を引き起こす前の地点まで)に向かって可能な限り患者の肩、肘、膝などを機械的に関節運動させる。
【0028】
図1Cは、いくつかの実施形態による、患者の呼吸に応力が加えられているかどうかを判定するためのプロセス130(図1Bのブロック122における判定を行うプロセスにおいて)を示す。いくつかの実施形態では、プロセス130の出力は、バイナリ状態分類132(例えば、「1」の出力値は静止呼吸を表し、ブロック122の「いいえ」に対応し、「0」の出力値は応力下での呼吸を表し、ブロック122の「はい」に対応する)である。いくつかの実施形態では、三角筋EMGセンサ対108aおよび僧帽筋EMGセンサ対108bのうちの1つまたは複数からのEMG信号は、呼吸ベースライン(図1Aを参照して説明したように)と比較されて(138)、バイナリ状態分類132を判定する。いくつかの実施形態では、呼吸ベースラインは、患者の呼吸が機械的に静かな(例えば、患者の胸部にわたる張力は、呼吸中の肺組織の力学を測定可能に変化させない)患者の安定位置として定義される。信号特徴閾値(例えば、呼吸ベースラインの特徴の閾値)は、呼吸ベースラインの特徴からの逸脱を判定するために計算される。いくつかの実施形態では、これらの特徴は、ゼロ命令セットコンピュータ(ZISC)によって抽出される。いくつかの実施形態では、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャの別のバージョンが使用される。いくつかの実施形態では、訓練段階中に、ZISCは呼吸ベースラインの特徴を抽出する。いくつかの実施形態では、呼吸ベースラインは、三角筋および僧帽筋を表す。いくつかの実施形態では、センサごとに6つの呼吸段階を表す合計6つのパターンがある。リアルタイム機能では、ZISCは信号特徴を迅速に処理して、呼吸段階に関係なく、応力を受けている(安静時の呼吸ではない)および安定している(安静時の呼吸)に対応するバイナリ状態分類132が生成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、外腹斜筋を測定する外腹斜筋EMGセンサ対108cは、呼吸中の横隔膜の活性化の指標(例えば代用)として使用される。呼吸段階測定値134(例えば、呼吸信号)は、特定の筋電図の外斜筋の信号パターンと関連付けられる(同時のリアルタイムでの測定による)。呼吸中に横隔膜が活性化すると、電気信号が外斜筋に渡って測定される。筋電図信号のパターンは呼吸中に変化するので、測定された筋電図信号を生理学的呼吸測定値(例えば、体積的測定)と関連付けることにより、外斜筋の筋電図測定に基づく呼吸段階分類がもたらされる。このようにして、筋電図信号に基づいて呼吸段階が決定される。いくつかの実施形態では、呼吸センサ104を使用して呼吸段階を分類する。PCT/US2019/064846にさらに詳細に記載されているように、可能性のある呼吸段階には、後期吸入(LI)、中期吸入(MI)、早期吸入(EI)、後期呼気(LE)、中期呼気(ME)、および早期呼気(EE)が含まれる。いくつかの実施形態では、EMG信号と呼吸段階との間の対応は、個々の患者に対して一意に決定される。
【0030】
いくつかの実施形態では、患者の呼吸段階測定値134は、三次元光学検知システム(例えば、理想気体の法則によって得られる1回換気量を使用して)によって測定される。すなわち、いくつかの実施形態では、三次元光学検知システム106は、1つまたは複数の呼吸段階(例えば、肺段階)を識別するために使用される。
【0031】
図2A図2Cは、患者が位置決めされる(例えば、シート208内)回転プラットフォーム206を含む患者位置決め固定具(PPF)200の様々な図を示す。図2Aは、アームレスト202および204が両方とも(例えば、位置202Aおよび位置204A)「弛緩」位置にあるPPF200の正面から得た例示的な図を示す。図2Bは、PPF200(例えば、上方から)の上部からの例示的な図を示す。図2Bでは、両方のアームレストが弛緩位置にある。図2Cは、アームレストが「極端なアームレストピッチ」を示すPPF200の正面からの例示的な図を示す(例えば、一方のアームレスト204が弛緩位置にあり(例えば、位置204A)、他方のアームレスト202が最大限に関節運動される(例えば、位置202B))。いくつかの実施形態では、図2Cとは反対の極端なアームレストピッチが可能である(例えば、アームレスト204は、最大限に関節運動され、他方のアームレスト202は、弛緩位置にある)。
【0032】
PPF200は、患者を着座位置(例えば、「三脚のスツール」の位置)に位置決めする。いくつかの実施形態では、シートは、適合するシートクッションである。シート208は、昇降可能であり、着座位置に対して前後に回動する。いくつかの実施形態では、シート208は、シート208を非常に不安定にするため、左右に移動することができない。この位置では、患者は、立った呼吸パターンに影響を与えることなく、固定位置に「座る」(静止する)ことができる。シート208はスツールの1つの脚を備え、患者は、他の2つを備える。したがって、患者は、撮像中に三脚のスツールがある位置にある。X線検出器パネルは、通常、患者の背後にある。
【0033】
三脚のスツールの位置は、安定した半立位の静止位置をもたらし、一方、アームレスト202および204は、患者の身長および肩の幅に合わせて調整され、以下の利点を提供する:(a)胴体を安定させること、(b)背中をPPFの回転軸に合わせて真っすぐ保つこと、(c)腕を非応力位置に保ち、X線撮像ゾーンから外に保つこと、および(d)身体的拘束なしに患者を快適で安定した位置に保つこと。留意され得るように、患者が適切に調整されたPPFに着座している場合、位置から横方向に動く余地はあまりなく、アームレストが患者の胴体の高さに調整されている場合、患者の前方または後方の動きも抑制される。いくつかの実施形態では、PPFは、アームレストが患者にぴったり合うようにするために、アームレスト上に力測定センサを含む。
【0034】
三次元光学検知システム106は、患者の位置を決定するためにX線撮像中に患者の位置を監視する。患者が所定の境界の外側に移動する場合、X線撮像は一時停止し、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム406)は、適切な位置に向かって移動するように患者に信号を送るために適用可能なアームレストの触覚を作動させる。撮像が始まると、触覚の出力がないことが、患者が適切に位置決めされていることを示す。いくつかの実施形態では、PPF200は、プラットフォーム(例えば、患者の足で感じることができる)上の触覚も含む。これらの触覚は、プラットフォームが回転しようとしていることを患者に通知する。
【0035】
出願番号PCT/US2019/064846に記載されているように、回転プラットフォームは、X線管および検出器パネルに対して患者を回転させる。例えば、X線管および検出器パネルを回転させる代わりに、PPF200は、投影角度間で患者を回転させ、それらの投影角度でX線画像を取得し、回転間で患者の位置を実質的に同一(例えば、PPF200に対して固定される)に保つ。いくつかの実施形態では、異なる投影角度で取得されたX線画像は、患者の肺の動態(例えば、呼吸サイクル中の肺の動き方)をモデル化するために使用される。投影角度にわたる同一の患者の位置は、画像の再構成およびラドン変換の態様であり、その投影(例えば、患者の肺)によって再構成される対象は、すべての投影角度にわたって(呼吸からの動きを除いて)静止していなければならない。
【0036】
いくつかの実施形態では、患者を目標位置へと関節運動させる一部として、以下の関節運動が、図3A図3Bに示すように、PPF200によって実行される。いくつかの実施形態では、PPF200によって実行される肩の動きは、外転(例えば、腕の角度を変化させるアームレスト202または204の上向きの腕の動き(A))、内転(腕の角度を変えるアームレスト202または204の下向きの腕の動き(F))、仰角(例えば、腕の角度が変化しないアームレスト202または204の上向きの肩の動き(E))、および俯角(例えば、腕の角度が変化しないアームレスト202または204の下向きの肩の動き(C))を含む。いくつかの実施形態では、PPF200によって実行される肘の運動は、屈曲(例えば、上向きアームカール(B))、伸展(例えば、下向きアームカール(G))、外旋(例えば、アームレスト202または204を患者の身体から外方に回転(H))、および内旋(例えば、患者の身体(I)に向かう構成要素202または204の回転)を含む。いくつかの実施形態では、PPF200によって実行される膝の動きは、屈曲(例えば、シート208が地面に向かって下降している身体(D)により近い踵)および伸長(例えば、シート208が地面から離れて持ち上げられている身体(D)から離れた踵)を含む。
【0037】
例として、いくつかの実施形態では、PPF200患者位置決め手順は、以下のように実行される(例えば、図3A図3Bの動きに続いて)。いくつかの実施形態では、まず、シート208は、患者をX線の視野内に持ち上げる(例えば、シート208が地面に対して上昇および/または下降する屈曲膝運動D)。患者をX線の視野内に持ち上げた後、患者を目標位置160に関節運動させるために複数の操作を実行することができる。いくつかの実施形態では、以下の動作が順次実行される。いくつかの実施形態では、以下の動作が同時に実行される。いくつかの実施形態では、以下の動作を任意の順序で実行することができる。いくつかの実施形態では、以下の動作は、部分的に順次および部分的に同時に実行される(例えば、以下の動作のうちの少なくとも2つ以上が同時に実行される)。いくつかの実施形態では、患者を目標位置160に関節運動させるために、以下の運動のうちの1つまたは複数を実行する必要はない。
【0038】
いくつかの実施形態では、脇の下支持体(例えば、アームレスト202および/またはアームレスト204)は、患者に接続された筋電センサ108によって張力が検出されるまで(例えば、俯瞰肩動作Cおよび/または仰角肩動作E)上昇および/または下降される。いくつかの実施形態では、筋電センサ108(例えば、外転腕動作Aおよび/または内転腕動作F)によって張力が検出されるまで、アームを患者から離して持ち上げ、X線の視野外にアームを移動させる。いくつかの実施形態では、張力が筋電センサ108(例えば、外向き回転Hおよび/または内向き回転I)によって検出されるまで、腕を胴体から離れるように回転させて、より大きな弧の撮像の投影を開く。いくつかの実施形態では、筋電センサ108(例えば、上向きアームカールBおよび/または下向きアームカールG)によって張力が検出されない限り、患者の快適さおよびECGリードへのアクセスのために肘を横方向に回転させる。
【0039】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、様々なデバイスの例示的な通信接続を示す。例えば、いくつかの実施形態では、PPF200、コンピュータシステム406、およびユーザインターフェース402(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、携帯電話などの人間が操作可能なユーザインターフェースを有する入出力装置)は、1つまたは複数のネットワーク404を介して通信する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のネットワーク404は、公衆通信ネットワーク、私設通信ネットワーク、または公衆通信ネットワークと私設通信ネットワークの両方の組み合わせを含む。例えば、1つまたは複数のネットワーク404は、インターネット、他のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ピアツーピアネットワーク、および/またはアドホック接続などの任意のネットワーク(またはネットワークの組み合わせ)とすることができる。
【0040】
ここで、例示的なシステムの詳細を図5に関連して説明する。図5は、本明細書に記載され、図2A図2C図3A図3B、および図4に示されるように、PPF200を訓練および/または移動させるための命令を含むコンピュータシステム406を示す。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム406は、1つまたは複数の処理コア502(プロセッサとも呼ばれる)と、1つまたは複数のネットワークインターフェース504と、処理コア502による実行のためのプログラムおよび命令を格納するためのメモリ511と、入力/出力(I/O)インターフェース506などの1つまたは複数の通信インターフェースと、これらの構成要素を相互接続するための1つまたは複数の通信バス510とを含む。
【0041】
1つ以上の通信バス510は、システムコンポーネント間の通信を相互接続および制御する回路(チップセットと呼ばれることもある)を任意選択で含む。メモリ511は、典型的には、DRAM、SRAM、DDR RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、デジタル汎用ディスク(DVD)または他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、光学ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性固体ストレージデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含む。メモリ511は、任意選択的に、処理コア502から遠隔に配置された(例えば、CPU、ZISCなど)1つまたは複数のストレージデバイスを含む。メモリ511、およびメモリ511内の不揮発性メモリデバイスは、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の処理コア502は、図1A図1Cを参照して説明したように使用されるゼロ命令セットコンピュータを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース506は、図1Aを参照して説明したセンサのいずれかを含むか、またはそれと結合される。さらに、いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース506は、力センサ(例えば、アームレストおよび/またはシートに)を含むか、またはそれと結合される。アームレストの力センサは、アームレストが患者に密着することを保証し、一方、シートの力センサは、患者の体重を測定する。
【0044】
いくつかの実施形態において、メモリ511または代替的に、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体は、以下のプログラム、モジュールおよびデータ構造、またはそれらのサブセットを格納する:
●様々な基本システムサービスを処理し、ハードウェア依存タスクを実行するための手順を含むオペレーティングシステム516;
●コンピュータシステム406を他のデバイスまたは通信ネットワークと接続するためのネットワーク通信モジュール(または命令)518;
●以下を含む、図1Aに関して説明したような訓練150を実行するためのPPF訓練モジュール520、
●以下を含む、図1Bに関して説明した自動位置決めプロセス100を実行するためのPPF位置決めモジュール530、
●任意選択的に、本明細書に記載の他の機能および態様を処理するための命令を含む他のモジュール550。
【0045】
様々な実施態様において、上述の識別された要素のうちの1つ以上は、前述のメモリデバイスのうちの1つ以上に格納され、上述の機能を実行するための命令のセットに対応する。上記の識別されたモジュール、データ、またはプログラム(例えば、命令のセット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、データセット、またはモジュールとして実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールおよびデータの様々なサブセットは、様々な実施態様で組み合わされてもよく、または別様に再配置されてもよい。いくつかの実施態様において、メモリ511は、任意選択で、上記で識別されたモジュールおよびデータ構造のサブセットを格納する。さらに、いくつかの実施形態において、メモリは、上述されていない追加のモジュールおよびデータ構造を格納する。いくつかの実施形態において、上記の識別された要素のうちの1つ以上は、コンピュータシステム406のもの以外のコンピュータシステムに格納され、コンピュータシステム406によってアドレス指定可能であり、したがってコンピュータシステム406は、必要なときにそのようなデータの全部または一部を取り出すことができる。
【0046】
本開示によるシステムおよび装置が上記で開示されているが、ここで本開示による方法を図6A図6Bに関して詳述する。
【0047】
図6A図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による、医療撮像(例えば、X線)装置内に患者を位置決めする方法600のフローチャートを示す。方法600は、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリ(例えば、図4のコンピュータシステム406)を有するコンピュータシステムで実行される。
【0048】
図6Aのブロック602。方法は、患者からバイオフィードバック信号を受信することによって進む602。ブロック604を参照すると、いくつかの実施形態では、バイオフィードバック信号は筋電図(EMG)信号を含む。いくつかの実施形態では、EMG信号は、図1Cに示すように、また上述したように、三角筋EMGセンサ対108aによって測定される。いくつかの実施形態では、EMG信号は、図1Cに示すように、また上述したように、僧帽筋EMGセンサ対108bによって測定される。いくつかの実施形態では、EMG信号は、図1Cに示すように、また上述したように、外腹斜筋センサ対108cによって測定される。
【0049】
ブロック606を参照すると、いくつかの実施形態では、筋電図信号は、患者の1つまたは複数の外筋(例えば、斜筋)からの信号を含む。いくつかの実施形態では、筋電図信号は、1つまたは複数の筋電図センサを使用して取得される。いくつかの実施形態では、筋電図信号は、患者の外斜筋、僧帽筋、および三角筋からの信号を含む。
【0050】
図6Aのブロック606。本方法は、患者からバイオフィードバック信号を受信しながら、患者が固定具によって第1の位置に位置決めされている間に、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定するステップ608に進む。いくつかの実施形態では、バイオフィードバック信号が患者から受信されている間に、本方法は、バイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示している、または示していないという判定(例えば、事実の肯定の識別)を行う。
【0051】
ブロック610を参照すると、いくつかの実施形態では、バイオフィードバック信号から1つまたは複数の信号特徴が抽出される。
【0052】
ブロック612を参照すると、いくつかの実施形態では、バイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示している、または示していないという判定は、1つまたは複数の信号特徴のそれぞれを、それぞれの信号閾値と比較することを含む。
【0053】
ブロック614を参照すると、いくつかの実施形態では、各それぞれの信号閾値は、患者が安静時の呼吸をしていた間(例えば、図1Aに関して上述したように訓練期間から判定される)に患者について得られたベースラインバイオフィードバック信号から決定される。
【0054】
ブロック616を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、患者が固定具によって第1の位置に位置決めされている間に、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、患者が第1の位置に位置決めされた状態で患者の放射線測定値を取得することを含む。いくつかの実施形態では、放射線測定値は、患者が目標位置にあるという判定に基づいて取得される。いくつかの実施形態では、放射線測定値は、患者が目標位置(例えば、さらなる関節運動は、患者がもはや安静時の呼吸をしていないことをもたらすであろう)に可能な限り近いという判定に基づいて、取得される。
【0055】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者が第1の位置にある前に、患者が固定具によって以前の位置に位置決めされている間に、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定することを含む。本方法は、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示し、第1の位置が前の位置よりも目標位置に近いという判定に従って、前の位置から第1の位置まで固定具を使用して患者を関節運動させることをさらに含む。例えば、患者が安静時の呼吸をしているが、患者がまだ目標位置にない場合、本方法は、患者を目標位置に向かってさらに関節運動させようと試みることを含む。いくつかの実施形態では、放射線測定値は、患者が安静時の呼吸をしており、患者の呼吸を変更することなく、患者が目標位置にあるか、または目標位置に可能な限り近い場合にのみ取得される。そのために、いくつかの実施形態では、固定具を使用して患者を前の位置から第1の位置に関節運動させることは、患者の胸部の放射線測定のためより広い角度をもたらすように患者の腕を動かすことを含む。そのような回転運動の例には、図3A図3Bに関して上述したように、外向き回転Hおよび/または内向き回転Iが含まれる。
【0056】
いくつかの実施形態では、バイオフィードバック信号が患者から受信されている間(例えば、患者が固定具によって第1の位置に位置決めされている間に)、本方法は、バイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示していないと判定する。
【0057】
図6Aのブロック618。方法は、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示していないという判定に従って、固定具を使用して第1の位置から第2の位置まで患者を関節運動させることによって進む618。いくつかの実施形態では、患者が安静時の呼吸をしていないという判定による関節運動は、目標の位置から離れた関節運動である。
【0058】
図6Bのブロック600。本方法は、第2の位置にいる患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、患者が第2の位置に位置決めされている状態での患者の放射線測定値を取得することに進む620。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法は、患者が固定具によって第2の位置に位置決めされている間に、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているかどうかを判定することによって進む。いくつかの実施形態では、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示していないという判定に従って、方法は、患者(例えば、固定具を使用することによって)を第2の位置から第3の位置に関節運動させることによって進む。いくつかの実施形態では、患者からのバイオフィードバック信号が、患者が安静時の呼吸をしていることを示しているという判定に従って、方法は、第3の位置で患者の放射線測定値を取得することによって進む。
【0060】
図6Bのブロック622。いずれの場合も、患者が第2の位置で安静時の呼吸をしていると仮定すると、方法は、患者が第2の位置(例えば、固定具の基準座標系において)に位置決めされている間に、放射線測定値を取得するために患者を放射線装置(例えば、X線システム)に対して複数の角度に回転させ、放射線装置に対する患者の複数の角度での放射線測定値を取得することによって進む622。いくつかの実施形態では、患者は、放射線装置に対して全身が回転する。いくつかの実施形態では、患者が位置決めされるプラットフォーム(例えば、座っている、立っているなど)は、放射線装置に対して回転される。いくつかの実施形態では、患者を複数の角度に回転させる前に、プラットフォームのランプ速度(例えば、角加速度)は、患者の体重(例えば、シート内の力センサによって測定されるように)に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、ランプ速度は、回転に応じて患者に位置をシフトさせる患者の慣性力を防止するように計算される。いくつかの実施形態では、患者は、ランプ速度を使用して複数の角度に回転される。
【0061】
ブロック624を参照すると、いくつかの実施形態では、放射線装置に対する患者の複数の角度は、少なくとも第1の角度および第2の角度を含み、放射線装置に対して患者を回転させることは、放射線装置に対して少なくとも第1の角度および第2の角度まで患者を回転させることを含む。いくつかの実施形態では、第1の角度および第2の角度は所定の角度である。いくつかの実施形態では、第1の角度は、第2の角度とは異なる所定の度数(またはラジアン)である(例えば、第1および第2の角度は45度離れている)。例えば、所定の度数が45度であり、第1の角度が10度(例えば、患者は最初に放射線装置に対して10度回転される)である場合、第2の角度は55度になる。
【0062】
いくつかの実施形態では、患者の再位置決め(例えば、関節運動)(ブロック618)は、回転軸(ブロック622)(例えば方位角の角)が患者の胴体の軸を通過することを保証するように機械的に制約されるが、これは、この仮定が、2019年5月23日に出願されたPCT/US19/33751に記載されているような「3D image cubes」のコンピュータを大幅に単純化するためである。
【0063】
図6Bのブロック626。方法は、複数の呼吸段階中の患者の肺の動態をモデル化するために患者の放射線測定値を使用することによって進む626。いくつかの実施形態では、複数の呼吸段階は、呼吸サイクル(例えば、後期吸入(LI)、中期吸入(MI)、早期吸入(EI)、後期呼気(LE)、中期呼気(ME)、および早期呼気(EE)呼吸段階)における呼吸段階のすべてを含む。いくつかの実施形態では、複数の呼吸段階は、呼吸サイクルにおける呼吸段階の一部(例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、または少なくとも6つの呼吸段階)を含む。いくつかの実施形態では、患者の肺の動態は、呼吸サイクル中に肺がどのように動くかに対応する。
【0064】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者が第2の位置にあり、患者が安静時の呼吸をしている間に、患者の位置が適合していないと判定することを含む。いくつかの実施形態では、患者の位置が適合していないという判定は、放射線測定値を取得した後に行われる(例えば、患者の位置が最初に確立される間の訓練段階および/または位置決め段階とは対照的に、本方法の取得段階中に)。いくつかの実施形態では、患者の位置が適合していないという判定は、放射線測定の間に行われる。いくつかの実施形態では、方法は、患者の位置が適合していないという判定に従って、第2の放射線測定を遅らせる(または取り止める)ことを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、患者の位置が適合しないと判定することは、患者が(例えば、患者がずれている、倒れている、または前かがみでいるため)第2の位置から閾値の量を超えて逸脱したと判定することを含む。いくつかの実施形態では、閾値の量は、患者の臓器のモデルを再構築するための許容誤差に基づく。例えば、患者の内臓(例えば、肺)のミリメートルレベルの分解能が望まれる場合、閾値の量は、ミリメートルレベルの分解能で内臓を構築するために必要な公差に基づく。いくつかの実施形態では、(公差に基づく)閾値の量は、ラドン変換に基づいて決定される。
【0066】
いくつかの実施形態では、患者の位置が適合していないという判定は、バイオフィードバック信号に基づく。いくつかの実施形態では、患者の位置が不適合であるという判定は、患者のリアルタイム3D再構成(例えば、LIDARまたは別の3D撮像技術を使用する)に基づく。いくつかの実施形態では、患者のリアルタイム3D再構成は、図1A図1Cを参照して説明した内部モデル/リギングを含む(例えば、LIDARまたは別の3D撮像技術を使用して患者の形状の様々な側面を決定し、これを患者の解剖学的モデルとマージして3D再構成を生成し、これはリアルタイムで監視および更新する)。
【0067】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の位置が適合していないという判定に従って、患者にフィードバック信号を提供すること(例えば、患者の位置(例えば、姿勢)が不適合であることを患者に警告すること)をさらに含む。いくつかの実施形態では、フィードバック信号は、1つまたは複数の触覚デバイス(例えば、PPFに取り付けられる)によって患者に提供される。いくつかの実施形態では、フィードバック信号は、患者の身体の表示された表現(例えば、患者が見ることができるディスプレイを介して)を含み、表示された表現は、患者が自分の位置を修正するためにどのように動くべきか(例えば、姿勢)を示す。
【0068】
単一の例として本明細書に記載される構成要素、動作、または構造には、複数の例が提示され得る。最後に、様々な構成要素、動作、およびデータストアの間の境界は、多少任意であり、特定の動作は、特定の例示的な構成の文脈で例示される。他の機能的割り当ても想定され、ここで説明する実施態様の範囲内に含まれ得る。概して、例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造および機能性は、組み合わされた構造または構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として提示される構造および機能性は、別個の構成要素として実装され得る。これらおよび他の変形、修正、追加、および改善は、実施態様の範囲内にある。
【0069】
また、第1の、第2のなどの用語は、様々な要素および/または特徴を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素および/または特徴はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されたい。これらの用語は、ある要素(および/または特徴)を別のものと区別するためにのみ使用される。例えば、第1の部品は、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の部品と称され得、同様に、第2の部品は、第1の部品と称され得る。第1の対象と第2の対象はどちらも部品であるが、同じ部品ではない。
【0070】
本開示で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明および添付の特許請求の範囲の説明で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈により明らかにそうではないと指示されない限り、複数の形態も同様に含むことが意図される。「および/または(and/or)」という用語は、本明細書で使用するときに、関連する列挙した品目の1つ以上の任意のおよびすべての可能な組み合わせを指し、包含することも理解されるであろう。「含む(comprises)」「含む(comprising)」「含む(including)」「含む(includes)」「含む(having)」「含む(has)」「含む(with)」という用語またはその変形は、本明細書または特許請求の範囲で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在していることを明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群が存在することまたはそれらを追加することを排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「~する場合(if)」は、文脈に応じて、「~するとき(when)」または「~した後(upon)」または「決定に応じて」または「検出することに応じて」を意味すると解釈され得る。同様に、「決定された場合」または「[記載された条件または事象]が検出された場合」という語句は、文脈に応じて、「決定時」または「決定に応じて」または「(記載された条件または事象)の検出時」、または「(記載された条件または事象)を検出することに応じて」を意味すると解釈され得る。
【0072】
前述の説明は、例示的な実装を具現化する、例示的なシステム、方法、技術、命令シーケンス、およびコンピューティングマシンプログラム製品を含む。説明の目的において、本発明の主題の様々な実装の理解をもたらすために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明の主題の実装は、これらの特定の詳細なしで実践され得ることは、当業者には明らかであろう。一般に、周知の命令のインスタンス、プロトコル、構造、および技術は、詳細に示されていない。
【0073】
説明の目的において、前述の説明は、特定の実装を参照して説明されている。しかしながら、以上の例示的な論考は、網羅的であることを意図するものではなく、実装を開示される正確な形態に限定することを意図するものでもない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。実装は、原理およびそれらの実際の用途を最もよく説明するために選択および説明され、それによって、当業者が、企図される特定の使用に適した実装および様々な修正を伴う様々な実装を最もよく利用できるようにする。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B