(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】モーメントキャプチャーシステム
(51)【国際特許分類】
B60R 1/12 20060101AFI20241111BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20241111BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241111BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20241111BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20241111BHJP
【FI】
B60R1/12 Z
G06F3/16 650
G06F3/16 610
G06F3/01 510
B60R16/02 655A
G10L15/00 200J
(21)【出願番号】P 2022572745
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2021034436
(87)【国際公開番号】W WO2021242968
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ライト トーマス エス
(72)【発明者】
【氏名】ビゴネス エリック ピー
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-508734(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014208417(DE,A1)
【文献】特開2018-037963(JP,A)
【文献】特開2012-123492(JP,A)
【文献】特開2017-223666(JP,A)
【文献】特開2002-366166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0118080(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/12
G06F 3/16
G06F 3/01
B60R 16/02
G10L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両後方の視界をユーザーに提供するように動作可能なバックミラー組立品であって、ボタンと、
周囲の音声を捕捉するように動作可能なマイクと、
前記車両の位置を決定するように動作可能な位置情報装置と、
一つ以上の画像を捕捉するように動作可能な撮像装置と、
時計と、
前記ボタン
、前記マイク
、前記位置情報装置、前記撮像装置及び前記時計に通信可能に接続されたコントローラと
、
を備え、
前記コントローラは、
前記ボタンの第1の操作時に、前記マイクからの音声を記録し、
前記車両の前記位置を記録し、前記一つ以上の画像を分析し、前記時計からのデータを記録し、前記音声と前記一つ以上の画像からパターン認識解析を実行して、歌と個人を識別するように動作可能であり、
前記ボタンの第2の操作時、又は、前記ボタンの前記第1の操作から所定の時間の経過時に、少なくとも部分的に、記録された
前記音声
、前記車両の前記位置、記録された前記一つ以上の画像、および、前記時計からの前記データに基づく情報を遠隔装置に送信
し、前記情報と共に前記パターン認識解析の結果を前記遠隔装置に送信するように動作可能である、システム。
【請求項2】
前記所定の期間は、5分以下である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、記録された
前記音声をテキストに変換するようにさらに動作可能であり、
前記情報は、少なくとも部分的に
、前記テキストにさらに基づいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、記録された
前記音声を分析して、ユーザーからの質問および命令のうちの少なくとも一つを決定するようにさらに動作可能であり、
送信された
前記情報は、前記質問および前記命令のうちの前記少なくとも一つに、少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記遠隔装置は、移動型パーソナル通信装置である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記車両の内部視野を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮像装置は、前記車両の外部視野を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
加速度計、速度計、コンパス、環境光センサ及び温度計のうちの一つ以上を含む一つ以上のセンサと、
前記ボタンの前記第1の操作時に、前記コントローラは、前記一つ以上のセンサからのデータを記録するようにさらに動作可能であり、
前記遠隔装置に送信される前記情報は、少なくとも部分的に、前記一つ以上のセンサからの記録された前記データに基づいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記バックミラー組立品は、前記コントローラと通信可能に接続された表示装置を含み、
前記ボタンの第3の操作時に、前記コントローラは、少なくとも部分的に、前記情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させるように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2020年3月27日に出願された「Moment Capturing System」と題する米国仮特許出願第63/030,385号の優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、車両搭乗者支援システムに関し、より具体的には、社会的能力において搭乗者を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
移動中の車両では、情報はすぐに通過してしまうことが多く、運転者がそのすべてを処理して記憶することが困難である。運転者は主に前方に集中しているため、社会的情報を処理し記憶することは特に困難である。ラジオからの音声、車内の会話、通り過ぎる標識、および/または通り過ぎる店先は、記録しないとすぐに消えてしまう場合がある。ダッシュカム映像を単に記録するだけでなく、車両内外の環境を理解して処理し、瞬間のスナップショットをユーザーに伝える必要がある。したがって、改善された搭乗者支援システムに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示によれば、車両の運転に直接関連しない社会的情報の処理および記憶に困難を有する運転者に関連する問題は、実質的に低減または解消された。
【0005】
本開示の一態様によれば、あるシステムが開示される。システムは、バックミラー組立品、マイク、およびコントローラを備え得る。バックミラー組立品は、通常の動作条件下で車両に対して後方の視界をユーザーに提供するように動作可能であり得る。加えて、バックミラー組立品は、ボタンを備え得る。いくつかの実施形態では、ボタンは、物理的ハードキーボタンであり得る。他の実施形態では、ボタンは、タッチスクリーンソフトキー型ボタンであり得る。コントローラは、ボタンおよびマイクに通信可能に接続され得る。さらに、コントローラは、所定の時間の間、マイクからの音声を記録し、少なくとも部分的に、トリガの開始に基づいて、遠隔装置に情報を送信するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、ボタンの動作がトリガとなる。いくつかの実施形態では、遠隔装置は、移動型パーソナル通信装置であり得る。情報は、少なくとも部分的に、記録された音声に基づき得る。いくつかの実施形態では、記録された音声は、トリガ開始時にコントローラによって記憶され得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、コントローラは、記録された音声をテキストに変換するようにさらに動作可能であり得る。こうした実施形態では、情報はさらに、少なくとも部分的に、テキストに基づき得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、コントローラは、記録された音声を分析して、ユーザーからの質問および命令のうちの少なくとも一つを決定または識別するようにさらに動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、トリガは、質問および命令のうちの少なくとも一つに、少なくとも部分的に基づき得る。他のこうした実施形態では、送信された情報は、質問および命令のうちの少なくとも一つに、少なくとも部分的に基づき得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムは位置情報装置をさらに備え得る。位置情報装置は、コントローラに通信可能に接続され得る。さらに、位置情報装置は、車両の位置を決定するように動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、所定の時間にわたって位置を記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、いくつかのこうした実施形態では、情報はさらに、少なくとも部分的に、位置に基づき得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは撮像装置をさらに備え得る。撮像装置は、コントローラに通信可能に接続され得る。さらに、撮像装置は、一つまたは複数の画像を捕捉するように動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、所定の時間にわたって一つまたは複数の画像を記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、情報は、一つまたは複数の画像に少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実施形態では、撮像装置は、車両の内部の視野を有し得る。他のこうした実施形態では、コントローラは、一つまたは複数の画像を分析して応答を決定するようにさらに動作可能であり得る。応答は、少なくとも部分的に、一つまたは複数の画像に基づき得る。さらに、送信された情報は、少なくとも部分的に応答に基づき得る。
【0010】
本開示の別の態様によれば、あるシステムが開示される。システムは、バックミラー組立品、撮像装置、およびコントローラを備え得る。バックミラー組立品は、通常の動作条件下で車両後方の視界をユーザーに提供するように動作可能であり得る。さらに、バックミラー組立品は、ボタンを備え得る。いくつかの実施形態では、ボタンは、物理的ハードキーボタンであり得る。他の実施形態では、ボタンは、タッチスクリーンソフトキー型ボタンであり得る。撮像装置は、一つまたは複数の画像を捕捉するように動作可能であり得る。コントローラは、ボタンおよび撮像装置に通信可能に接続され得る。加えて、コントローラは、所定の時間にわたって、一つまたは複数の画像を記録し、少なくとも部分的に、トリガの開始に基づいて、遠隔装置に情報を送信するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、遠隔装置は、移動型パーソナル通信装置であり得る。いくつかの実施形態では、ボタンの動作がトリガとなり得る。いくつかの実施形態では、情報は、少なくとも部分的に、記録された一つまたは複数の画像に基づき得る。いくつかの実施形態では、撮像装置の視野は車両内部であり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムは位置情報装置をさらに備え得る。位置情報装置は、コントローラに通信可能に接続され得る。位置情報装置は、車両の配置または位置を決定するように動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、所定の時間にわたって位置を記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、情報はさらに、位置に少なくとも部分的に基づき得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムは、一つまたは複数のセンサをさらに備え得る。もう一つのセンサは、加速度計、速度計、コンパス、環境光センサ、温度計、および/または時計のうちの一つまたは複数を含み得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、所定の時間にわたって一つまたは複数のセンサからのデータを記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、情報はさらに、データに少なくとも部分的に基づき得る。
【0013】
本開示のさらに別の態様によれば、あるシステムが開示される。システムは、バックミラー組立品、マイク、およびコントローラを備え得る。バックミラー組立品は、通常の動作条件下で車両に対して後方の視界をユーザーに提供するように動作可能であり得る。加えて、バックミラー組立品は、ボタンを備え得る。いくつかの実施形態では、ボタンは、物理的ハードキーボタンであり得る。他の実施形態では、ボタンは、タッチスクリーンソフトキー型ボタンであり得る。コントローラは、ボタンおよびマイクに通信可能に接続され得る。加えて、コントローラは、ボタンの第一の動作に応答してマイクからの音声を記録し、ボタンの第二の動作に少なくとも部分的に基づいて遠隔装置に情報を送信するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、遠隔装置は、移動型パーソナル通信装置であり得る。いくつかの実施形態では、情報は、少なくとも部分的に、ボタンの第一の動作と第二の動作との間に記録された音声に基づき得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、コントローラは、記録された音声をテキストに変換するようにさらに動作可能であり得る。こうした実施形態では、情報はさらに、少なくとも部分的に、テキストに基づき得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、コントローラは、記録された音声を分析して、ユーザーからの質問および命令のうちの少なくとも一つを決定または識別するようにさらに動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、情報は、質問および命令のうちの少なくとも一つに、少なくとも部分的に基づき得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは位置情報装置をさらに備え得る。位置情報装置は、コントローラに通信可能に接続され得る。さらに、位置情報装置は、車両の位置を決定するように動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、ボタンの第一の動作に少なくとも部分的に基づいて位置を記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、いくつかのこうした実施形態では、情報はさらに、少なくとも部分的に、位置に基づき得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムは撮像装置をさらに備え得る。撮像装置は、コントローラに通信可能に接続され得る。さらに、撮像装置は、一つまたは複数の画像を捕捉するように動作可能であり得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、ボタンの第一の動作に少なくとも部分的に基づいて一つまたは複数の画像を記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、情報は、一つまたは複数の画像に少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実施形態では、撮像装置は、車両の内部の視野を有し得る。他のこうした実施形態では、コントローラは、一つまたは複数の画像を分析して応答を決定するように動作可能であり得る。応答は、少なくとも部分的に、一つまたは複数の画像に基づき得る。加えて、情報はさらに、応答に少なくとも部分的に基づき得る。
【0018】
本開示のさらに別の態様によれば、あるシステムが開示される。システムは、バックミラー組立品、撮像装置、およびコントローラを備え得る。バックミラー組立品は、通常の動作条件下で車両に対して後方の視界をユーザーに提供するように動作可能であり得る。加えて、バックミラー組立品は、ボタンを備え得る。いくつかの実施形態では、ボタンは、物理的ハードキーボタンであり得る。他の実施形態では、ボタンは、タッチスクリーンソフトキー型ボタンであり得る。撮像装置は、一つまたは複数の画像を捕捉するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、撮像装置は、車両内部の視野を有し得る。コントローラは、ボタンおよび撮像装置に通信可能に接続され得る。さらに、コントローラは、ボタンの第一の動作に少なくとも部分的に基づいて一つまたは複数の画像を記録し、ボタンの第二の動作に少なくとも部分的に基づいて遠隔装置に情報を送信するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、遠隔装置は、移動型パーソナル通信装置であり得る。情報は、少なくとも部分的に、ボタンの第一の動作と第二の動作との間に記録された、一つまたは複数の記録された画像に基づき得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、システムは、一つまたは複数のセンサをさらに備え得る。もう一つのセンサは、加速度計、速度計、コンパス、環境光センサ、温度計、および/または時計のうちの一つまたは複数を含み得る。いくつかのこうした実施形態では、コントローラは、ボタンの第一の動作に少なくとも部分的に基づいて一つまたは複数のセンサからのデータを記録するようにさらに動作可能であり得る。加えて、情報はさらに、少なくとも部分的に、ボタンの第一の動作と第二の動作との間に記録されたデータに基づき得る。
【0020】
本開示のさらに別の態様によれば、あるシステムが開示される。システムは、バックミラー組立品、マイク、スピーカー、およびコントローラを備え得る。バックミラー組立品は、通常の動作条件下で車両に対して後方の視界をユーザーに提供するように動作可能であり得る。加えて、バックミラー組立品は、ボタンを備え得る。いくつかの実施形態では、ボタンは、物理的ハードキーボタンであり得る。他の実施形態では、ボタンは、タッチスクリーンソフトキー型ボタンであり得る。マイクは、音声を捕捉するように動作可能であり得る。スピーカーは、聴覚応答を発するように動作可能であり得る。コントローラは、ボタン、マイクおよびスピーカーに通信可能に接続され得る。さらに、コントローラは、ある期間にわたって、マイクによって捕捉された音声を記録し、トリガの開始時に、スピーカーに聴覚応答を送信するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、ボタンの動作がトリガとなり得る。聴覚応答は、少なくとも部分的に、記録された音声に基づき得る。いくつかの実施形態では、期間は、トリガ開始の実質的に直前の所定の長さの時間である。
【0021】
本開示のさらに別の態様によれば、あるシステムが開示される。システムは、バックミラー組立品、撮像装置、およびコントローラを備え得る。バックミラー組立品は、通常の動作条件下で車両後方の視界をユーザーに提供するように動作可能であり得る。さらに、バックミラー組立品は、ボタンおよび表示装置を備え得る。いくつかの実施形態では、ボタンは、物理的ハードキーボタンであり得る。他の実施形態では、ボタンは、タッチスクリーンソフトキー型ボタンであり得る。表示装置は、第一の画像を表示するように動作可能であり得る。一部の状況下では、第一の画像は、通常の動作条件下で、車両に対して後方の視界を有し得る。他の状況下では、第一の画像は、少なくとも部分的に、第二の画像に基づくか、または第二の画像であり得る。撮像装置は、第二の画像を捕捉するように動作可能であり得る。第二の画像は、車両内部の視野を有し得る。コントローラは、ボタン、撮像装置、および表示装置に通信可能に接続され得る。さらに、コントローラは、撮像装置によって捕捉された第二の画像をある期間にわたって記録するように動作可能であり得る。加えて、トリガの開始時に、コントローラは、少なくとも部分的に第二の画像に基づく第一の画像を表示装置に送信するように動作可能であり得る。
【0022】
本開示のこれら及びその他の態様、目的、及び特徴は、当業者が以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を調べることによって理解及び認識される。本明細書に開示するそれぞれの実施形態特徴は、他の実施形態の特徴とともに、又はその代わりとして使用されることも理解されるであろう。
【0023】
図面に以下が示される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、搭乗者支援システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面に例示され、本開示に記載される特定の装置およびプロセスは、添付の特許請求の範囲に規定される発明の概念の単なる例示的な実施形態である。よって、特許請求の範囲でそうでないことが明示的に述べられているのでない限り、本明細書で開示される実施形態に関連する具体的な特性は、限定的ではない。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態は、車両用の改善された搭乗者支援システムを対象とする。搭乗者支援システムは、マイク、撮像装置、および/または一つもしくは複数のセンサからデータを捕捉および記録するように動作可能であり得る。さらに、記録されたデータに少なくとも部分的に基づく情報は、ボタンの押下など、トリガ状態に応答して遠隔装置に送信され得る。したがって、搭乗者支援システムのいくつかの実施形態は、運転中に搭乗者が社会的情報の処理および記憶が困難になることに関連する問題に対処し得る。
【0027】
図1は、車両の搭乗者を支援するための搭乗者支援システム100の概略図である。したがって、搭乗者支援システム100は、車両内に配置され得る。搭乗者は運転者であり得る。さらに、搭乗者支援システム100は、マイク110、撮像装置120、および/またはコントローラ130を備え得る。いくつかの実施形態では、搭乗者支援システム100の一つまたは複数の要素は、バックミラー組立品に組み込まれ得る。
【0028】
バックミラー組立品は、車両に対して後方の視界をユーザーに提供するよう動作可能な要素であり得る。いくつかの実施形態では、バックミラー組立品は、表示装置および/または反射面を備え得る。表示装置は、カメラに通信可能に接続され、カメラによって捕捉された一つまたは複数の画像を表示するように動作可能であり得る。バックミラー組立品は、従来、内部バックミラー組立品と関連付けられていた領域に、車両内部に配置され得る。例えば、バックミラー組立品は、車両のヘッドライナーまたはフロントガラスに中央に取り付けられ得る。
【0029】
マイク110は、その環境から音声を捕捉するように動作可能であり得る。音声は、車両の一人または複数の搭乗者の声および/またはラジオからの内容であり得る。さらに、マイク110は、車両内部に配置され得る。いくつかの実施形態では、マイク110は、バックミラー組立品に組み込まれ得る。
【0030】
撮像装置120は、視野を有し、一つまたは複数の画像を捕捉するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、視野は車両の外側にあり得る。他の実施形態では、視野は車両の内側にあり得る。加えて、視野は、一つまたは複数の搭乗者シートに対応し得る。いくつかのこうした実施形態では、視野は、車両に対して外部のいかなる実質的な視界も有さない場合がある。したがって、撮像装置120は、車両内部に配置され得る。さらに、いくつかの実施形態では、撮像装置120は、バックミラー組立品に組み込まれ得る。
【0031】
コントローラ130は、マイク110および/または撮像装置120に通信的に接続される。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、バックミラー組立品に組み込まれ得る。他の実施形態では、コントローラ130は、クラウドベースであり得る。さらに、コントローラ130は、車両内に一部が位置し、他がクラウドを介して遠隔に配置されるように、複数のサブコントローラを備え得る。コントローラ130は、メモリ131および/またはプロセッサ132を備え得る。メモリ131は、マイク110からの音声を記録するように動作可能であり得る。さらに、メモリ131は、撮像装置120からの一つまたは複数の画像を記録するように動作可能であり得る。さらに、コントローラ130は、少なくとも部分的にトリガの開始に基づいて、遠隔装置140に情報を送信するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、情報は、少なくとも部分的に記録された音声に基づき得る。したがって、いくつかの実施形態では、情報は記録された音声を含み得る。他の実施形態では、情報は、少なくとも部分的に一つまたは複数の記録された画像に基づき得る。したがって、いくつかの実施形態では、情報は記録された一つまたは複数の画像を含み得る。
【0032】
遠隔装置140は、無線で、コントローラ130に通信可能に接続され得る。さらに、遠隔装置140は、車両に対して遠隔に配置されるか、または車両の遠隔で自由に移動し得る。いくつかの実施形態では、遠隔装置140は、携帯電話などの移動通信装置であり得る。さらに、遠隔装置140は、閲覧および対話のために搭乗者に情報を表示するよう動作可能なユーザーインターフェースを備え得る。したがって、情報はソートされ、アクセスされ得る。搭乗者は、情報のコンテンツを一つまたは複数のソーシャルメディアアカウントで直接閲覧および/または共有することによって、情報と対話し得る。いくつかの実施形態では、遠隔装置140はさらに、ユーザーが所望する瞬間に対応する情報の開始点、終了点、および/または内容を見つけるために、情報をインテリジェントにフォーカスするように動作可能であり得る。情報は、少なくとも部分的に、ユーザーからの質問および/または命令に基づいて、インテリジェントにフォーカスされ得る。例えば、ユーザーは、搭乗者支援システム100に、特定のパラメータに関連するコンテンツを提示するように要求または指示し得る。他の実施形態では、遠隔装置140は、パターン認識解析を実行して、情報に含まれる歌、発話、画像、および/または個人を識別するように動作可能であり得る。代替的に、情報に含まれる歌、発話、画像、および/または個人を識別するためのパターン認識解析は、コントローラ130によって行われ得る。こうした実施形態では、パターン認識の結果は、情報と共に遠隔装置140に伝達され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、搭乗者支援システム100は、ボタン150をさらに含む。ボタン150は、コントローラ130に通信可能に接続される。したがって、ボタン150の作動は、トリガとして機能し得る。いくつかのこのような実施形態では、ボタン150は、バックミラー組立品に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、ボタン150は、機械敷ボタンであり得る。他の実施形態では、ボタン150は、タッチスクリーンまたは静電容量式タッチボタンなどのタッチ応答性表面であり得る。
【0034】
搭乗者支援システム100がマイク110を備えるいくつかの実施形態では、メモリ131は、解釈アルゴリズムを記憶し得る。解釈アルゴリズムは、プロセッサ132によって実行され得る。さらに、解釈アルゴリズムは、録音された音声を分析し、録音された音声をテキストに変換するように動作可能であり得る。こうした実施形態では、情報はさらに、少なくとも部分的にテキストに基づき得る。したがって、いくつかの実施形態では、情報はテキストのすべてまたは一部分を含み得る。
【0035】
搭乗者支援システム100がマイク110を備えるいくつかの実施形態では、メモリ131は、音声認識アルゴリズムを記憶し得る。音声認識アルゴリズムは、プロセッサ132によって実行され得る。さらに、音声認識アルゴリズムは、記録された音声を分析し、ユーザーからの質問および/または命令の存在および内容を決定するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、トリガは、少なくとも部分的に、質問および/または命令に基づき得る。他の実施形態では、情報は、少なくとも部分的に、質問および/または命令に基づき得る。いくつかの実施形態では、情報は、少なくとも部分的に、質問および/または命令に対する応答に基づき得る。
【0036】
さらに、搭乗者支援システム100が撮像装置120を備えるいくつかの実施形態では、メモリ131は、画像分析アルゴリズムを記憶し得る。画像分析アルゴリズムは、プロセッサ132によって実行され得る。さらに、画像分析アルゴリズムは、質問および/または命令に従って、一つまたは複数の記録された画像を分析するように動作可能であり得る。したがって、応答は、少なくとも部分的に、一つまたは複数の画像に基づき得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、搭乗者支援システム100は、位置情報装置160をさらに備え得る。位置情報装置160は、車両の位置を決定するように動作可能な任意の装置であり得る。位置情報装置160は、全地球測位システム(GPS)ユニットまたはセルラートライアングルユニットであり得る。さらに、位置情報装置160は、コントローラ130に通信可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、位置情報装置160は、車両および/またはバックミラー組立品に組み込まれ得る。他の実施形態では、位置情報装置160は、携帯電話などの移動通信装置であり得る。いくつかのこうした実施形態では、位置情報装置160は、遠隔装置140が移動通信装置である実施形態では、遠隔装置140によって構成され得る。移動通信装置は、Wi-Fi、Bluetooth、無線、セルラー、または他の通信技術を介して、少なくとも部分的にコントローラ130に通信接続され得る。したがって、移動通信装置は、コントローラ130に無線で接続され得る。
【0038】
搭乗者支援システム100が位置情報装置160を備える実施形態では、コントローラ130は、車両の位置を記録するようにさらに動作可能であり得る。したがって、送信された情報は少なくとも部分的に位置に基づき得る。いくつかの実施形態では、情報が一つまたは複数の画像を含む場合、位置は一つまたは複数の画像と関連付けられ得る。搭乗者支援システム100が質問および/または命令に応答するようにさらに動作可能である実施形態では、応答は少なくとも部分的に位置に基づき得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、搭乗者支援システム100は、一つまたは複数の追加のセンサ170をさらに備え得る。追加のセンサ170は、加速度計、速度計、コンパス、環境光センサ、温度計、および時計であり得る。各追加センサ170は、データを捕捉するように動作可能である。こうした実施形態では、メモリ131は、所定の期間にわたってデータを記録するように動作可能であり得る。したがって、送信された情報はさらに、少なくとも部分的にデータに基づき得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、搭乗者支援システム100は、表示装置180をさらに備え得る。表示装置180は、一つまたは複数の画像を表示するように動作可能であり得る。さらに、表示装置180は、バックミラー組立品に配置され得る。したがって、表示装置180は、運転者などの車両搭乗者が一つまたは複数の画像を見ることができるように配向され得る。表示装置180はまた、コントローラ130に通信可能に接続され得る。
【0041】
搭乗者支援システム100が表示装置180を備える実施形態では、コントローラ130はさらに、トリガの開始時に一つまたは複数の画像を表示装置180に送信するように動作可能であり得る。したがって、コントローラ130は、画像生成アルゴリズムを含み得る。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の画像は、撮像装置120によって捕捉された一つまたは複数の画像の一部分に、少なくとも部分的に基づき得る。他の実施形態では、一つまたは複数の画像は、記録された音声から変換されたテキストの一部であり得る。さらに、撮像装置120によって捕捉された一つまたは複数の画像および/またはテキストの一部分は、質問および/または命令に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、搭乗者支援システム100は、スピーカー190をさらに備え得る。スピーカー190は、聴覚応答を発するように動作可能であり得る。聴覚応答は、運転者などの車両の搭乗者によって動作可能に聞かれ得る。いくつかの実施形態では、スピーカー190は、バックミラー組立品に配置され得る。さらに、スピーカー190は、コントローラ130に通信可能に接続され得る。
【0043】
搭乗者支援システム100がスピーカー190を備える実施形態では、コントローラ130は、少なくとも部分的にトリガの開始に基づいて、聴覚応答として放出するために、聴覚信号をスピーカー190に送信するようにさらに動作可能であり得る。したがって、コントローラ130は、聴覚応答生成アルゴリズムを含み得る。聴覚信号は、少なくとも部分的に、捕捉された音声の一部、パターン認識解析結果、および/または撮像装置120によって捕捉された一一つまたは複数の画像の一部に基づき得る。さらに、捕捉された音声の一部および/または撮像装置120によって捕捉された一つまたは複数の画像の一部分は、質問および/または命令に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。したがって、聴覚信号は、少なくとも部分的に応答に基づき得る。いくつかの実施形態では、聴覚的放射は記録され、捕捉された音声の一部であり得る。他の実施形態では、聴覚的放射は、捕捉された音声の一部および/または捕捉された一つまたは複数の画像の一部と併せて、質問および/または命令に対する応答に少なくとも部分的に基づいたアルゴリズム生成音声応答であり得る。
【0044】
動作中、マイク110、撮像装置120、位置情報装置160、および/または追加のセンサ170は、それぞれのデータを収集する。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、それぞれのデータを所定の期間にわたって、メモリ131に記録および記憶し得る。他の実施形態では、コントローラ130は、要求された時間の間に、それぞれのデータをメモリ131に記録および記憶し得る。
【0045】
コントローラ130が、所定の期間にわたって、それぞれのデータを記録および保存し得るいくつかの実施形態では、所定の期間は、約5分、2分、1分、45秒、30秒、15秒、または10秒以下であり得る。この時間の間、車両は走行していてもよい。次に、車両の搭乗者は、再体験またはさらなる完全な体験のため、保存または再訪問を希望する瞬間を経験し得る。したがって、搭乗者は、作動ボタン150によってなど、トリガを起動し得る。トリガの開始時に、情報は、トリガの開始時現在、保存されているデータに少なくとも部分的に基づいて、遠隔装置140に送信され得る。したがって、いくつかの実施形態では、情報は、トリガ開始後に収集されたデータに基づかない可能性がある。いくつかの実施形態では、情報は、搭乗者が所望する経験により正確にフォーカスした瞬間の呈示を提供するために、搭乗者からの命令および/または質問に少なくとも部分的に基づき得る。
【0046】
他の実施形態では、搭乗者は、彼らが保存または閲覧したい瞬間を予期し得る。そのため、コントローラ130は、要求された時間の間に、それぞれのデータを記録および記憶し得る。第一および第二のトリガは、要求された時間を定義し得る。したがって、コントローラ130は、第一のトリガに応答して、それぞれのデータを記録および格納し得る。第一のトリガは、ボタン150の第一の動作であり得る。さらに、それぞれのデータは、第二のトリガの開始まで記録され得る。第二のトリガは、ボタン150の第二の動作であるか、または第一のトリガ以来の経過時間の閾値を超えてもよい。さらに、第二のトリガに基づいて、コントローラ130は、遠隔装置140に情報を送信し得る。送信された情報は、少なくとも部分的に、第一のトリガと第二のトリガとの間で記録および保存されたデータに基づき得る。いくつかの実施形態では、情報は、搭乗者が所望する経験により正確にフォーカスした瞬間の呈示を提供するために、搭乗者からの命令および/または質問に少なくとも部分的に基づき得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、保存された瞬間は、搭乗者による要求に応じて体験され得る。第三のトリガに少なくとも部分的に基づいて、表示装置180は、保存された瞬間に少なくとも部分的に基づいて画像を表示し得る。したがって、コントローラ130は、第三のトリガの開始時に、一つまたは複数の画像を表示装置180に送信し得る。追加的または代替的に、第三のトリガの開始時に、スピーカー190は、聴覚応答を放射するように動作可能であり得る。したがって、コントローラ130は、第三のトリガの開始時に、聴覚信号をスピーカー190に送信し得る。第三のトリガは、例えば、ボタン150の作動に対応し得る。あるいは、第三のトリガは、質問および/または命令に対応し得る。
【0048】
搭乗者支援システム100の実施形態は、搭乗者が完全に処理および/または観察することができなかった可能性のある瞬間のスナップショットを、車両搭乗者がアクセスできるようにするという利点を有し得る。そのような瞬間は、そうでなければダッシュカムによって見逃されるであろう社会的瞬間を包含し得る。さらに、いくつかの実施形態は、搭乗者からの命令および/または質問を決定し、搭乗者の意図に瞬間の内容をフォーカスした応答を生成することによって、より焦点が絞られたスナップショットが生成されるという利点を有し得る。
【0049】
本明細書で使用される、二つ以上の事項の列記において使用される場合の「及び/又は」という用語は、列記される事項のうちのいずれの一つも単独で用いられることができ、又は列記される事項のうちの二つ以上のあらゆる組み合わせが用いられることができることを意味する。例えば、組成物が成分A、B及び/又はCを含有するとして記載される場合、当該組成物は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを組み合わせて、A及びCを組み合わせて、A及びCを組み合わせて、B及びCを組み合わせて、又はA、B及びCを組み合わせて含有し得る。
【0050】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」又はその用語の他の変形形態は、列挙される要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置がそれらの要素のみを含むものではなく、明白に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置にとって固有のものではない他の要素を含んでもよいように、非排他的包含を網羅することを意図している。「a...を備える」が前に付く要素は、それ以上の制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置の追加的な同一要素の存在を除外しない。
【0051】
いくつかの実施形態が本開示に記載されているが、多数の変形、変更、変換、および修正は、当業者によって理解されてもよく、本開示は、それらの言語が明示的に別段の定めをしない限り、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるこれらの変形、変更、変換、および修正を包含することを意図していることを理解されたい。