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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】膜電極アセンブリー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1004 20160101AFI20241111BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20241111BHJP
   H01M 8/0273 20160101ALI20241111BHJP
   H01M 8/0276 20160101ALI20241111BHJP
   H01M 8/1065 20160101ALI20241111BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20241111BHJP
【FI】
H01M8/1004
H01M4/86 M
H01M8/0273
H01M8/0276
H01M8/1065
H01M8/10 101
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022575430
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 KR2021016982
(87)【国際公開番号】W WO2022145728
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0188951
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュソン
(72)【発明者】
【氏名】コン ナウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ナム キョンシク
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンミ
(72)【発明者】
【氏名】ソン カヨン
【審査官】高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-176739(JP,A)
【文献】特開2005-078975(JP,A)
【文献】特表2007-516559(JP,A)
【文献】特開2007-324012(JP,A)
【文献】特開2008-146932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/86-4/98
H01M 8/02
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極と、
前記第1及び第2電極の間の電解質膜と、を含み、
前記第1電極は互いに分離可能な第1及び第2電極モジュールを含む、膜電極アセンブリーであって、
前記電解質膜は、互いに分離可能な第1及び第2膜モジュールを含み、
前記第2電極は、互いに分離可能な第3及び第4電極モジュールを含み、
前記膜電極アセンブリーは、互いに分離可能な第1及び第2アセンブリーモジュールを含み、
前記第1アセンブリーモジュールは、前記第1電極モジュール、前記第3電極モジュール、及び前記第1及び第3電極モジュールの間の前記第1膜モジュールを含み、
前記第2アセンブリーモジュールは、前記第2電極モジュール、前記第4電極モジュール、及び前記第2及び第4電極モジュールの間の前記第2膜モジュールを含み、
前記第1膜モジュールは、前記第1及び第3電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、
前記第2膜モジュールは、前記第2及び第4電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、
前記第1アセンブリーモジュールは、前記第1膜モジュールの前記非活性領域に配置されて前記第1及び第3電極モジュールをそれぞれ取り囲む第1及び第3サブガスケットモジュールをさらに含み、
前記第2アセンブリーモジュールは、前記第2膜モジュールの前記非活性領域に配置されて前記第2及び第4電極モジュールをそれぞれ取り囲む第2及び第4サブガスケットモジュールをさらに含む、膜電極アセンブリー。
【請求項2】
前記第1アセンブリーモジュールは、前記第1電極モジュールを覆う第1ガス拡散モジュール、及び前記第3電極モジュールを覆う第3ガス拡散モジュールを含み、前記第1電極モジュールは前記第1膜モジュールと前記第1ガス拡散モジュールとの間に配置され、
前記第3電極モジュールは前記第1膜モジュールと前記第3ガス拡散モジュールとの間に配置され、
前記第2アセンブリーモジュールは、前記第2電極モジュールを覆う第2ガス拡散モジュール、及び前記第4電極モジュールを覆う第4ガス拡散モジュールを含み、前記第2電極モジュールは前記第2膜モジュールと前記第2ガス拡散モジュールとの間に配置され、
前記第4電極モジュールは前記第2膜モジュールと前記第4ガス拡散モジュールとの間に配置される、請求項1に記載の膜電極アセンブリー。
【請求項3】
前記第1ガス拡散モジュール及び前記第2ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第1及び第2ウィンドウを有し、前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する第1弾性ガスケットと、
前記第3ガス拡散モジュール及び前記第4ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第3及び第4ウィンドウを有し、前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する第2弾性ガスケットと、
をさらに含む、請求項2に記載の膜電極アセンブリー。
【請求項4】
前記第1弾性ガスケットは、前記第1及び第2ウィンドウの間の第1境界領域(boundary region)を含み、前記第1境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュールの両者と接触し、
前記第2弾性ガスケットは、前記第3及び第4ウィンドウの間の第2境界領域を含み、前記第2境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュールの両者と接触し、
前記第1境界領域は、前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第1及び第2ウィンドウを流体連通させる多数の第1溝(grooves)を有し、
前記第2境界領域は、前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第3及び第4ウィンドウを流体連通させる多数の第2溝を有する、請求項3に記載の膜電極アセンブリー。
【請求項5】
前記第1弾性ガスケットは、前記第1及び第2ウィンドウの間の第1境界領域を含み、前記第1境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュールの両者と接触し、
前記第2弾性ガスケットは、前記第3及び第4ウィンドウの間の第2境界領域を含み、前記第2境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュールの両者と接触し、
前記第1境界領域は、前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する第1非多孔性弾性層(nonporous elastic layer)、及び前記第1非多孔性弾性層上の第1多孔性弾性層(porous elastic layer)を含み、 前記第2境界領域は、前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する第2非多孔性弾性層、及び前記第2非多孔性弾性層上の第2多孔性弾性層を含む、請求項3に記載の膜電極アセンブリー。
【請求項6】
電解質膜の第1面上に第1電極を形成する段階と、
前記第1面の反対側の前記電解質膜の第2面上に第2電極を形成する段階と、を含み、
前記第1電極は、互いに分離可能な第1及び第2電極モジュールを含む、膜電極アセンブリーの製造方法であって、
前記第2電極は、互いに分離可能な第3及び第4電極モジュールを含み、
前記電解質膜は、互いに分離可能な第1及び第2膜モジュールを含み、前記第1膜モジュールは、前記第1及び第3電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、前記第2膜モジュールは、前記第2及び第4電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、
前記第1電極形成段階は、
前記第1膜モジュールの第1面上に前記第1電極モジュールを形成する段階と、
前記第2膜モジュールの第1面上に前記第2電極モジュールを形成する段階と、を含み、
前記第2電極形成段階は、
前記第1膜モジュールの第2面上に前記第3電極モジュールを形成する段階と、
前記第2膜モジュールの第2面上に前記第4電極モジュールを形成する段階と、を含み、
前記方法は、更に、
前記第1電極モジュール、前記第3電極モジュール、前記第1及び第3電極モジュールの間の前記第1膜モジュール及び第1及び第3サブガスケットモジュールを有する第1アセンブリーモジュールを得るために、前記第1及び第3電極モジュールをそれぞれ取り囲む第1及び第3サブガスケットモジュールを前記第1膜モジュールの前記非活性領域に形成する段階と、
前記第2電極モジュール、前記第4電極モジュール、前記第2及び第4電極モジュールの間の前記第2膜モジュール及び第2及び第4サブガスケットモジュールを有する第2アセンブリーモジュールを得るために、前記第2及び第4電極モジュールをそれぞれ取り囲む第2及び第4サブガスケットモジュールを前記第2膜モジュールの前記非活性領域に形成する段階と、
第1アセンブリーモジュールと第2アセンブリーモジュールとを互いに隣接して配列する段階をさらに含む、膜電極アセンブリーの製造方法。
【請求項7】
前記第1アッセンブリーモジュールは、第1及び第3ガス拡散モジュールを有し、
前記第2アッセンブリーモジュールは、更に、第2及び第4ガス拡散モジュールを有し、
前記第1及び第2アッセンブリーモジュールを配列する前に、
前記第1アセンブリーモジュールを得るために、前記第1及び第3電極モジュール上に前記第1及び第3ガス拡散モジュールをそれぞれ形成し、
前記第2アセンブリーモジュールを得るために、前記第2及び第4電極モジュール上に前記第2及び第4ガス拡散モジュールをそれぞれ形成する、
請求項6に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
【請求項8】
前記第1アセンブリーモジュールと第2アセンブリーモジュールとを互いに隣接して配列する段階の後、
前記第1ガス拡散モジュール及び前記第2ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第1及び第2ウィンドウを有する第1弾性ガスケットを前記第1及び第2サブガスケットモジュール上に形成する段階と、
前記第3ガス拡散モジュール及び前記第4ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第3及び第4ウィンドウを有する第2弾性ガスケットを前記第3及び第4サブガスケットモジュール上に形成する段階と、
をさらに含む、請求項7に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
【請求項9】
前記第1弾性ガスケットは、前記第1及び第2ウィンドウの間の第1境界領域を含み、前記第1境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュールの両者と接触し、
前記第2弾性ガスケットは、前記第3及び第4ウィンドウの間の第2境界領域を含み、
前記第2境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュールの両者と接触し、
前記第1境界領域は、(i)前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第1及び第2ウィンドウを流体連通させる多数の第1溝を有する流路構造(flow path structure)、または(ii)前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する第1非多孔性弾性層、及び前記第1非多孔性弾性層上の第1多孔性弾性層を含む二重層構造(double layer structure)を有し、
前記第2境界領域は、(i)前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第3及び第4ウィンドウを流体連通させる多数の第2溝を有する流路構造、または(ii)前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する第2非多孔性弾性層、及び前記第2非多孔性弾性層上の第2多孔性弾性層を含む二重層構造を有する、請求項8に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜電極アセンブリー及びそれを含む燃料電池に関するものであり、より詳しくは、電極が劣化脆弱部分とその残りの部分とにモジュール化することで、劣化したモジュールの交替によって簡便に修理することができ、維持補修のための時間及び費用を節減することができる膜電極アセンブリー及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膜電極アセンブリー(Membrane-Electrode Assembly:MEA)とセパレーター(separator)[「バイポーラプレート(bipolar plate)」ともいう]からなる単位セル(uni tcell)の積層構造を用いて電気を発生させる高分子電解質膜燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)は高いエネルギー効率性及び環境に優しい特徴によって、化石エネルギーを代替することができる次世代エネルギー源として注目されている。
【0003】
前記膜電極アセンブリーは、一般的に、アノード(anode)(「燃料極」ともいう)、カソード(cathode)(「空気極」ともいう)、及びこれらの間の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)を含む。
【0004】
水素ガスのような燃料がアノードに供給されれば、アノードでは水素の酸化反応によって水素イオン(H)及び電子(e)が生成される。生成された水素イオンは高分子電解質膜(PEM)を介してカソードに伝達され、生成された電子は外部回路を介してカソードに伝達される。カソードに供給される空気中の酸素が前記水素イオン及び前記電子と結合して還元することによって水が生成される。
【0005】
一般に、燃料電池の長時間運転による電極の劣化は電極の全領域にわたって発生するよりは、特定の部分(等)(例えば、ガスの流入口/排出口に対応する部分:以下、「劣化脆弱部分」)で主に発生する。よって、燃料電池の長時間運転によって劣化脆弱部分が劣化する場合、その残りの部分が電極として正常に機能することができるにもかかわらず、電極全体または膜電極アセンブリー全体を廃棄または交替することが要求される。これは、膜電極アセンブリーの維持補修のための時間及び費用を増加させるだけでなく、資源の浪費をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明はこのような関連技術の制限及び欠点に起因した問題点を防止することができる膜電極アセンブリー及びその製造方法に関するものである。
【0007】
本発明の一観点は、電極が劣化脆弱部分とその残りの部分とにモジュール化することで、劣化したモジュールの交替によって簡便に修理することができ、維持補修のための時間及び費用を節減することができる膜電極アセンブリーを提供することである。
【0008】
本発明の他の観点は、電極が劣化脆弱部分とその残りの部分とにモジュール化することで、劣化したモジュールの交替によって簡便に修理することができ、維持補修のための時間及び費用を節減することができる膜電極アセンブリーを製造する方法を提供することである。
【0009】
以上で言及した本発明の観点の他にも、本発明の他の特徴及び利点が以下で説明され、そのような説明から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような本発明の一観点によって、第1電極と、第2電極と、前記第1及び第2電極の間の電解質膜と、を含み、前記第1電極は互いに分離可能な第1及び第2電極モジュールを含む、膜電極アセンブリーが提供される。
【0011】
前記第1及び第2電極モジュールは互いに接触しており、前記第1及び第2電極モジュールの間の溝(groove)、前記第1及び第2電極モジュールの間の色相差、及び前記第1及び第2電極モジュールの間の構造差からなる群から選択される少なくとも一つに起因する可視的境界(visible boundary)が前記第1及び第2電極モジュールの間に存在することができる。
【0012】
前記第1及び第2電極モジュールは互いに離隔しており、前記第1及び第2電極モジュールの間の間隔(interval)に起因する可視的境界が前記第1及び第2電極モジュールの間に存在することができる。
【0013】
前記膜電極アセンブリーは、第1ガス拡散層をさらに含み、前記第1ガス拡散層は、前記第1電極が前記第1ガス拡散層と前記電解質膜との間に位置するように配置され、前記第1ガス拡散層は、前記第1電極モジュールに付着されている第1ガス拡散モジュール、及び前記第2電極モジュールに付着されている第2ガス拡散モジュールを含み、前記第1及び第2ガス拡散モジュールは互いに分離可能である。
【0014】
代案として、前記膜電極アセンブリーは、第1ガス拡散層をさらに含み、前記第1ガス拡散層は、前記第1電極が前記第1ガス拡散層と前記電解質膜との間に位置するように配置され、前記膜電極アセンブリーは、前記第1及び第2電極モジュールのうちのいずれか一つと前記第1ガス拡散層との間に接着層(adhesive layer)をさらに含むことができる。
【0015】
前記電解質膜は、互いに分離可能な第1及び第2膜モジュールを含み、前記第2電極は、互いに分離可能な第3及び第4電極モジュールを含み、前記膜電極アセンブリーは、互いに分離可能な第1及び第2アセンブリーモジュールを含み、前記第1アセンブリーモジュールは、前記第1電極モジュール、前記第3電極モジュール、及び前記第1及び第3電極モジュールの間の前記第1膜モジュールを含み、前記第2アセンブリーモジュールは、前記第2電極モジュール、前記第4電極モジュール、及び前記第2及び第4電極モジュールの間の前記第2膜モジュールを含むことができる。
【0016】
前記第1膜モジュールは、前記第1及び第3電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、前記第2膜モジュールは、前記第2及び第4電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、前記第1アセンブリーモジュールは、前記第1膜モジュールの前記非活性領域に配置されて前記第1及び第3電極モジュールをそれぞれ取り囲む第1及び第3サブガスケットモジュールをさらに含み、前記第2アセンブリーモジュールは、前記第2膜モジュールの前記非活性領域に配置されて前記第2及び第4電極モジュールをそれぞれ取り囲む第2及び第4サブガスケットモジュールをさらに含むことができる。
【0017】
前記第1アセンブリーモジュールは、前記第1電極モジュールを覆う第1ガス拡散モジュール、及び前記第3電極モジュールを覆う第3ガス拡散モジュールを含み、前記第1電極モジュールは前記第1膜モジュールと前記第1ガス拡散モジュールとの間に配置され、前記第3電極モジュールは前記第1膜モジュールと前記第3ガス拡散モジュールとの間に配置され、前記第2アセンブリーモジュールは、前記第2電極モジュールを覆う第2ガス拡散モジュール、及び前記第4電極モジュールを覆う第4ガス拡散モジュールを含み、前記第2電極モジュールは前記第2膜モジュールと前記第2ガス拡散モジュールとの間に配置され、前記第4電極モジュールは前記第2膜モジュールと前記第4ガス拡散モジュールとの間に配置させることができる。
【0018】
前記膜電極アセンブリーは、前記第1ガス拡散モジュール及び前記第2ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第1及び第2ウィンドウを有し、前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する第1弾性ガスケットと、前記第3ガス拡散モジュール及び前記第4ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第3及び第4ウィンドウを有し、前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する第2弾性ガスケットと、をさらに含むことができる。
【0019】
前記第1弾性ガスケットは、前記第1及び第2ウィンドウの間の第1境界領域(boundary region)を含み、前記第1境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュールの両者と接触し、前記第2弾性ガスケットは、前記第3及び第4ウィンドウの間の第2境界領域を含み、前記第2境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュールの両者と接触し、前記第1境界領域は、前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第1及び第2ウィンドウを流体連通させる多数の第1溝(grooves)を有し、前記第2境界領域は、前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第3及び第4ウィンドウを流体連通させる多数の第2溝を有することができる。
【0020】
代案として、前記第1弾性ガスケットは、前記第1及び第2ウィンドウの間の第1境界領域を含み、前記第1境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュールの両者と接触し、前記第2弾性ガスケットは、前記第3及び第4ウィンドウの間の第2境界領域を含み、前記第2境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュールの両者と接触し、前記第1境界領域は、前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する第1非多孔性弾性層(nonporous elastic layer)、及び前記第1非多孔性弾性層上の第1多孔性弾性層(porous elastic layer)を含み、前記第2境界領域は、前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する第2非多孔性弾性層、及び前記第2非多孔性弾性層上の第2多孔性弾性層を含むことができる。
【0021】
本発明の他の観点によれば、電解質膜の第1面上に第1電極を形成する段階と、前記第1面の反対側の前記電解質膜の第2面上に第2電極を形成する段階と、を含み、前記第1電極は、互いに分離可能な第1及び第2電極モジュールを含む、膜電極アセンブリーの製造方法が提供される。
【0022】
前記方法は、前記第1電極上に第1ガス拡散層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0023】
前記第1ガス拡散層形成段階は、前記第1電極モジュール上に第1ガス拡散モジュールを形成する段階と、前記第2電極モジュール上に第2ガス拡散モジュールを形成する段階と、を含み、前記第1及び第2ガス拡散モジュールは互いに分離可能に形成されることができる。
【0024】
前記方法は、前記第1ガス拡散層を形成する直前、前記第1及び第2電極モジュールのうちのいずれか一方にのみ接着剤を加える段階をさらに含むことができる。
【0025】
前記電解質膜は、互いに分離可能な第1及び第2膜モジュールを含み、前記第2電極は、互いに分離可能な第3及び第4電極モジュールを含み、前記第1電極形成段階は、前記第1膜モジュールの前記第1面上に前記第1電極モジュールを形成する段階と、前記第2膜モジュールの前記第1面上に前記第2電極モジュールを形成する段階と、を含み、前記第2電極形成段階は、前記第1膜モジュールの前記第2面上に前記第3電極モジュールを形成する段階と、前記第2膜モジュールの前記第2面上に前記第4電極モジュールを形成する段階と、を含み、前記方法は、前記第1電極モジュール、前記第3電極モジュール、及び前記第1及び第3電極モジュールの間の前記第1膜モジュールを含む第1アセンブリーモジュールと、前記第2電極モジュール、前記第4電極モジュール、及び前記第2及び第4電極モジュールの間の前記第2膜モジュールを含む第2アセンブリーモジュールとを互いに隣接して配列する段階をさらに含むことができる。
【0026】
前記第1膜モジュールは、前記第1及び第3電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、前記第2膜モジュールは、前記第2及び第4電極モジュールと接触する活性領域、及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、前記方法は、前記配列段階に先立ち、前記第1アセンブリーモジュールを得るために、前記第1及び第3電極モジュールをそれぞれ取り囲む第1及び第3サブガスケットモジュールを前記第1膜モジュールの前記非活性領域にそれぞれ形成する段階と、前記第2アセンブリーモジュールを得るために、前記第2及び第4電極モジュールをそれぞれ取り囲む第2及び第4サブガスケットモジュールを前記第2膜モジュールの前記非活性領域にそれぞれ形成する段階と、をさらに含むことができる。
【0027】
前記方法は、前記配列段階に先立ち、前記第1アセンブリーモジュールを得るために、前記第1電極モジュール上の第1ガス拡散モジュール、及び前記第3電極モジュール上の第3ガス拡散モジュールをそれぞれ形成する段階と、前記第2アセンブリーモジュールを得るために、前記第2電極モジュール上の第2ガス拡散モジュール、及び前記第4電極モジュール上の第4ガス拡散モジュールをそれぞれ形成する段階と、をさらに含むことができる。
【0028】
前記方法は、前記配列段階の後、前記第1ガス拡散モジュール及び前記第2ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第1及び第2ウィンドウを有する第1弾性ガスケットを前記第1及び第2サブガスケットモジュール上に形成する段階と、前記第3ガス拡散モジュール及び前記第4ガス拡散モジュールをそれぞれ露出させるための第3及び第4ウィンドウを有する第2弾性ガスケットを前記第3及び第4サブガスケットモジュール上に形成する段階と、をさらに含むことができる。
【0029】
前記第1弾性ガスケットは、前記第1及び第2ウィンドウの間の第1境界領域を含み、前記第1境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュールの両者と接触し、前記第2弾性ガスケットは、前記第3及び第4ウィンドウの間の第2境界領域を含み、前記第2境界領域は、前記第1及び第2アセンブリーモジュールの間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュールの両者と接触し、前記第1境界領域は、(i)前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第1及び第2ウィンドウを流体連通させる多数の第1溝を有する流路構造(flow path structure)、または(ii)前記第1及び第2サブガスケットモジュールと接触する第1非多孔性弾性層、及び前記第1非多孔性弾性層上の第1多孔性弾性層を含む二重層構造(double layer structure)を有し、前記第2境界領域は、(i)前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する面の反対面に前記第3及び第4ウィンドウを流体連通させる多数の第2溝を有する流路構造、または(ii)前記第3及び第4サブガスケットモジュールと接触する第2非多孔性弾性層、及び前記第2非多孔性弾性層上の第2多孔性弾性層を含む二重層構造を有することができる。
【0030】
このような本発明についての一般的叙述は本発明を例示するか説明するためのものであるだけで、本発明の権利範囲を限定しない。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、膜電極アセンブリーの電極が劣化脆弱部分とその残りの部分とにモジュール化している。よって、燃料電池の長時間運転によって前記劣化脆弱部分が前記残りの部分より先に劣化する場合、電極全体(または膜電極アセンブリー全体)を廃棄または交替する必要なしに、劣化した部分(すなわち、劣化したモジュール)のみを新しいモジュールに交替することができる。したがって、本発明によれば、膜電極アセンブリーの維持補修のための時間及び費用をかなり節減することができ、膜電極アセンブリーの寿命を延ばすことができる。
【0032】
また、本発明によれば、劣化したモジュールのみを交替し、電極の残りの部分(すなわち、非劣化モジュール)はずっと活用することができるので、資源浪費を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
添付図面は本発明の理解を手助けして明細書の一部を構成するためのものであり、本発明の実施例を例示し、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
【0034】
図1(a)】本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの平面図及び断面図である。
図1(b)】本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの平面図及び断面図である。
【0035】
図2】本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの断面図である。
【0036】
図3】本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの断面図である。
【0037】
図4】本発明のさらに他の実施例による膜電極アセンブリーの断面図である。
【0038】
図5】本発明の一実施例による燃料電池の断面図である。
【0039】
図6】本発明の他の実施例による燃料電池の断面図である。
【0040】
図7】本発明の一実施例によるセパレーターの流動チャネルを示す図である。
【0041】
図8(a)】本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの平面図及び断面図である。
図8(b)】本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの平面図及び断面図である。
【0042】
図9】本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの断面図である。
【0043】
図10(a)】本発明の一実施例による弾性ガスケットの平面図である。
【0044】
図10(b)】図10の(a)の弾性ガスケットが適用された膜電極アセンブリーの断面図である。
【0045】
図11図10の(b)の膜電極アセンブリーの分解断面図である。
【0046】
図12(a)】本発明の他の実施例による弾性ガスケットの平面図及び部分断面図である。
図12(b)】本発明の他の実施例による弾性ガスケットの平面図及び部分断面図である。
【0047】
図12(c)】図12の(a)及び(b)の弾性ガスケットが適用された膜電極アセンブリーの断面図である。
【0048】
図13(a)】本発明のさらに他の実施例による弾性ガスケットの平面図及び部分断面図である。
図13(b)】本発明のさらに他の実施例による弾性ガスケットの平面図及び部分断面図である。
【0049】
図13(c)】図13(a)及び(b)の弾性ガスケットが適用された膜電極アセンブリーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただ、以下で説明する実施例は本発明の明確な理解を助けるための例示的目的で提示するものであるだけで、本発明の範囲を制限しない。
【0051】
図1の(a)及び(b)は本発明の一実施例による膜電極アセンブリー1100の平面図及び断面図である。
【0052】
図1に例示するように、本発明の膜電極アセンブリー1100は、第1電極1110、第2電極1120、及び前記第1及び第2電極1110、1120の間の電解質膜1130を含む。
【0053】
前記電解質膜1130は、(i)アイオノマーから形成された単一膜タイプ(single membrane type)の高分子電解質膜、または(ii)アイオノマーで含浸された多孔性支持体を含む強化複合膜タイプ(reinforced composite membrane type)の高分子電解質膜であり得る。
【0054】
両タイプの電解質膜1130において、前記アイオノマーは、フッ素系アイオノマーまたは炭化水素系アイオノマーであることができ、スルホン酸基、カルボキシル基、ボロン酸基、リン酸基、イミド基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、及びスルホン酸フルオライド基からなる群から選択される1種以上のイオン交換基を有することができる。
【0055】
例えば、前記アイオノマーは、ポリ(ペルフルオロスルホン酸)、ポリ(ペルフルオロカルボン酸)などのようなフッ素系アイオノマーであり得る。
【0056】
代案として、前記アイオノマーは、スルホン化ポリイミド(sulfonated polyimide:S-PI)、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン(sulfonated polyarylethersulfone:S-PAES)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(sulfonated polyetheretherketone:SPEEK)、スルホン化ポリベンズイミダゾール(sulfonated polybenzimidazole:SPBI)、スルホン化ポリスルホン(sulfonated polysulfone:S-PSU)、スルホン化ポリスチレン(sulfonated polystyrene:S-PS)、スルホン化ポリホスファゼン(sulfonated polyphosphazene)、スルホン化ポリキノキサリン(sulfonated polyquinoxaline)、スルホン化ポリケトン(sulfonated polyketone)、スルホン化ポリフェニレンオキサイド(sulfonated polyphenylene oxide)、スルホン化ポリエーテルスルホン(sulfonated polyether sulfone)、スルホン化ポリエーテルケトン(sulfonated polyether ketone)、スルホン化ポリフェニレンスルホン(sulfonated polyphenylene sulfone)、スルホン化ポリフェニレンスルフィド(sulfonated polyphenylene sulfide)、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン(sulfonated polyphenylene sulfide sulfone)、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホンニトリル(sulfonated polyphenylene sulfide sulfone nitrile)、スルホン化ポリアリーレンエーテル(sulfonated polyarylene ether)、スルホン化ポリアリーレンエーテルニトリル(sulfonated polyarylene ether nitrile)、スルホン化ポリアリーレンエーテルエーテルニトリル(sulfonated polyarylene ether ether nitrile)、ポリアリーレンエーテルスルホンケトン(sulfonated polyarylene ether sulfone ketone)などのような炭化水素系アイオノマーであり得る。
【0057】
強化複合膜タイプの電解質膜1130に使用可能な多孔性支持体はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されるか、テトラフルオロエチレンとCF=CFC2n+1(nは1~5の実数)またはCF=CFO-(CFCF(CF)O)2n+1(mは0~15の実数、nは1~15の実数)との共重合体から形成されることができる。例えば、PTFEを潤滑剤の存在の下でテープ上に押出し成形した後、延伸工程及び熱処理工程を遂行することで、延伸フィルム(expandedfilm)形態のe-PTFE多孔性支持体を形成することができる。前記熱処理工程の後に追加の延伸工程及び熱処理工程をさらに遂行することもできる。前記延伸及び熱処理工程を制御することで、多様な微細構造のe-PTFE多孔性支持体を形成することができる。例えば、前記e-PTFE多孔性支持体は、フィブリル(fibrils)によってノード(nodes)が互いに連結された微細構造またはフィブリルのみからなった微細構造を有することができる。
【0058】
代案として、前記多孔性支持体は不織ウェブ(nonwoven web)であり得る。前記不織ウェブは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど)、ポリエステル(例えば、PET、PBTなど)、ポリアミド(例えば、ナイロン-6、ナイロン-6,6、アラミドなど)、ポリアミン酸(ウェブから成形された後、イミド化工程によってポリイミドに変換される)、ポリウレタン、ポリブテン、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、流体結晶質重合体、ポリエチレン-コ-ビニルアセテート、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、及びポリオレフィン系熱可塑性弾性重合体からなる群から選択される1種以上の炭化水素系高分子を含む支持体形成液から形成されることができる。
【0059】
前記不織ウェブは、湿式堆積法(wet-laying)、電界放射法(electrospinning)、カーディング法(carding)、ガーネッティング法(garneting)、エアレイング法(air-laying)、メルトブロイング法(melt blowing)、スパンボンド法(spunbonding)、ステッチボンド法(stitch bonding)からなる群から選択される一方法によって製造することができる。
【0060】
前記第1及び第2電極1110、1120のそれぞれは、触媒、アイオノマー、及び分散媒を含む触媒スラリーを用いデカール転写(decal transfer)方式または直接コーティング方式で前記電解質膜1130の第1面及びその反対側の第2面上にそれぞれ形成されることができる。
【0061】
触媒の活性表面積を増加させるための努力の一環として、電気伝導性を有する担体(support)上に金属粒子(metal particles)が分散されている触媒が一般的に使われる。
【0062】
前記担体は、(i)炭素系担体、(ii)スズ酸化物、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ、及びセリアのような伝導性無機酸化物担体、または(iii)ゼオライト担体であり得る。
【0063】
前記炭素系担体は、結晶性炭素系担体または非結晶性炭素系担体であり得る。
【0064】
具体的には、前記炭素系担体は、黒鉛化または非黒鉛質カーボンブラック(graphitized or non-graphitic carbon black)、活性炭(activated carbon)、安定化炭素(stabilized carbon)、炭素球体(carbon sphere)、炭素纎維(carbon fiber)、炭素シート(carbon sheet)、炭素リボン(carbon ribbon)、フラーレン(fullerene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube:CNT)、炭素ナノ纎維(carbon nanofiber)、炭素ナノワイヤ(carbon nanowire)、炭素ナノボール(carbon nanoball)、炭素ナノホーン(carbon nanohorn)、炭素ナノケージ(carbon nanocage)、炭素ナノリング(carbon nanoring)、炭素エーロゲル(carbon aerogel)、グラフェン(graphene)、規則性多孔性炭素(ordered porous carbon)、メソ多孔性炭素(mesoporous carbon)、ナノプーラス炭素(nanoporous carbon)、またはこれらの中で2種以上の組合せであり得る。
【0065】
ここで使用される用語「黒鉛化または非黒鉛質カーボンブラック」は黒鉛化または非黒鉛質ケッチェンブラック(graphitized or non-graphitic Ketjen Black)、黒鉛化または非黒鉛質デンカブラック(graphitized or non-graphitic Denka black)、黒鉛化または非黒鉛質アセチレンブラック(graphitized or non-graphitic acetylene black)などを全部含む概念である。
【0066】
黒鉛化カーボンブラック、炭素ナノチューブ、炭素ナノ繊維などは結晶性炭素系担体に分類することができ、非黒鉛質カーボンブラックは非結晶性炭素系担体に分類することができる。
【0067】
前記金属粒子は白金(Pt)粒子または白金系合金粒子であり得る。前記白金系合金は、Pt-Co、Pt-Cr、Pt-Fe、Pt-Mn、Pt-Mo、Pt-Ni、Pt-Pd、Pt-Ru、Pt-Sn、Pt-W、Pt-Au-Co、Pt-Au-Fe、Pt-Au-Ni、Pt-Co-Fe、Pt-Co-Ir、Pt-Co-Mn、Pt-Co-Ni、Pt-Co-P、Pt-Co-S、Pt-Cr-Ir、Pt-Fe-Ir、Pt-Fe-P、Pt-Fe-S、Pt-Ni-Ir、Pt-Ru-Ir、Pt-Ru-Mo、Pt-Ru-Ni、Pt-Ru-W、Pt-Ru-Ir-Ni、Pt-Ru-Rh-Ni、またはPt-Ru-Sn-Wであり得る。
【0068】
前記触媒とともに前記分散媒に分散されるアイオノマーは水素イオン伝達のためのものであり、前記第1及び第2電極1110、1120と前記電解質膜1130との間の接着力向上のためのバインダーとしての機能も果たす。
【0069】
前記電解質膜1130の形成に使用可能な上述したアイオノマーを前記第1及び第2電極1110、1120の形成にも使うことができる。前記電解質膜1130のアイオノマーと前記第1及び第2電極1110、1120のアイオノマーとは同種のアイオノマーであることが好ましいが、本発明がこれに限定されるものではなく、異種のアイオノマーを前記電解質膜1130及び前記第1及び第2電極1110、1120の製造にそれぞれ使うこともできる。
【0070】
前記触媒スラリーの分散媒は、エタノール、蒸留水、イソプロピルアルコール、ノーマルプロピルアルコール、ブタノール、またはこれらの中で2種以上の混合物であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本発明によれば、図1に例示するように、前記第1電極1110は、互いに分離可能な第1及び第2電極モジュール1111、1112を含む。
【0072】
すなわち、本発明の膜電極アセンブリー1100を製造する方法は、互いに隣接した第1及び第2領域を含む電解質膜1130の第1面上に第1電極1110を形成する段階と、前記電解質膜1130の第2面上に第2電極1120を形成する段階とを含む。また、前記第1電極1110の形成段階は、前記第1領域(等)上に第1電極モジュール(等)1111を形成する段階と、前記第2領域上に第2電極モジュール1112を形成する段階とを含み、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は互いに分離可能に形成される。
【0073】
本明細書で使う「互いに分離可能」と言う用語は、(i)互いに接触している二つのもの(two things)が分離されることができるという意味はもちろんのこと、(ii)所定の間隔を間に置いて配列された二つのものがもっと遠く離れることができるという意味まで一緒に含む概念である。
【0074】
前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は前記電解質膜1130の表面に平行な方向に並んで配列されることができる。
【0075】
前述したように、燃料電池の長時間運転による第1電極1110の劣化は前記第1電極1110の全領域にわたって発生するよりは、特定の部分(等)、例えばガスの流入口及び/または排出口に対応する部分(等)である劣化脆弱部分(等)で主に発生する。
【0076】
本発明によれば、膜電極アセンブリー1100の第1電極1110が劣化脆弱部分(等)に対応する第1電極モジュール(等)1111とその残りの部分に対応する第2電極モジュール1112とにモジュール化しているので、燃料電池の長時間運転によって前記第1電極モジュール(等)1111が前記第2電極モジュール1112より先に劣化する場合、前記第1電極1110全体または膜電極アセンブリー1100全体を廃棄または交替する必要なしに、劣化した第1電極モジュール(等)1111のみを新しい電極モジュールに交替することができる。したがって、本発明によれば、膜電極アセンブリー1100の維持補修のための時間及び費用をかなり節減することができ、膜電極アセンブリー1100の寿命を延ばすことができる。また、劣化した第1電極モジュール(等)1111のみを交替し、膜電極アセンブリー1110の残りの部分、すなわち第2電極モジュール1112はずっと活用することができるので、資源浪費を最小化することができる。
【0077】
本発明の一実施例によれば、前記第1電極1110の劣化脆弱部分(等)である前記第1電極モジュール(等)1111は前記第1電極1110の全体活性面積の50%以下を占めることができるが、これに限定されるものではない。
【0078】
前記第1及び第2電極モジュール1111、1112にモジュール化した前記第1電極1110はアノードまたはカソードであり得る。
【0079】
膜電極アセンブリー1100のアノード及びカソードのうちのいずれか一方のみがモジュール化することができるが、図1に例示するように、アノード及びカソードの両方がモジュール化することもできる。すなわち、本発明の一実施例によれば、図1に例示するように、第1電極1110が第1及び第2電極モジュール1111、1112にモジュール化しているだけでなく、第2電極1120も互いに分離可能な第3及び第4電極モジュール1121、1122にモジュール化している。
【0080】
図1には第1電極1110の劣化脆弱部分(等)である第1電極モジュール(等)1111と第2電極1120の劣化脆弱部分(等)である第3電極モジュール(等)1121とがずらし方式(stagger manner)で配列された例を示しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、前記第1電極モジュール(等)1111と前記第3電極モジュール(等)1121とがオーバーラップ方式(overlap manner)で配列されることもできる。
【0081】
以下では、主に第1電極1110のモジュール化について説明するが、同じ内容を第2電極1120にも適用することができるというのが当業者は容易に理解可能であろう。
【0082】
劣化した第1電極モジュール(等)1111の交替の便宜性のために、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間に可視的境界(visible boundary)が存在することができる。
【0083】
本発明の一実施例によれば、図2に例示するように、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は互いに接触していることができ、前記可視的境界は前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間の溝(groove)Gに起因するものであり得る。第2電極1120も互いに分離可能な第3及び第4電極モジュール1121、1122にモジュール化した場合には、前記第3及び第4電極モジュール1121、1122の間にもこれらの間の溝Gに起因する可視的境界が存在することができる。
【0084】
代案として(alternatively)または追加として(additionally)、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は互いに接触していることができ、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間の可視的境界は前記第1及び第2電極モジュール1111、1112を成す物質の差による前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の色相差に起因することができる。すなわち、前記第1電極モジュール1111は第1触媒スラリーから形成されることができ、前記第2電極モジュール1112は第2触媒スラリーから形成されることができ、前記第1触媒スラリーは前記第2触媒スラリーと異なることができる。
【0085】
前記第1及び第2電極モジュール1111、1112が互いに異なる触媒スラリーからそれぞれ形成される理由は、第1電極1110の劣化脆弱部分である第1電極モジュール(等)1111が第2電極モジュール1112よりも高い耐久性を有するように形成されることで、前記第2電極モジュール1112の性能犠牲なしにまたは前記第1電極1110の性能低下を最小化しながら膜電極アセンブリー1100全体の耐久性を向上させるためである。
【0086】
例えば、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は相異なる触媒を含むことで、互いに異なる耐久性を有することができる。すなわち、前記第1電極モジュール(等)1111は性能面では相対的にちょっと落ちるが相対的に高い耐久性を有する第1触媒を含む一方で、前記第2電極モジュール1112は耐久性面では相対的にちょっと落ちるが相対的に高い性能を有する第2触媒を含むことができる。
【0087】
前記第1触媒は第1担体及び前記第1担体上に分散された第1金属粒子を含むことができ、前記第2触媒は第2担体及び前記第2担体上に分散された第2金属粒子を含むことができ、前記第1及び第2触媒が互いに異なる耐久性を有するために、第1及び第2担体が互いに異なるか/異なり、第1及び第2金属粒子が互いに異なることができる。例えば、前記第1担体として結晶性炭素系担体(例えば、黒鉛化カーボンブラック、炭素ナノチューブ、炭素ナノ纎維など)または伝導性無機酸化物担体(例えば、SnO、TiO、またはこれらの混合物を含む担体など)が使われ、前記第2担体として非結晶性炭素系担体(例えば、非黒鉛質カーボンブラックなど)が使われることにより、前記第1触媒が前記第2触媒より優れた耐久性を有することができる。よって、前記第1電極モジュール(等)1111の耐久性が前記第2電極モジュール1112の耐久性より高いことができる。この場合、前記第1及び第2金属粒子として同種の金属粒子が使われるか、前記第1金属粒子が前記第2金属粒子より高い耐久性を有することができる。
【0088】
前記第1電極1110がアノードの場合、前記第1電極モジュール(等)1111は、酸素発生反応(oxygen evolution reaction:OER)触媒(以下、「OER触媒」)及び第1水素酸化反応(hydrogen oxidation reaction:HOR)触媒(以下、「第1HOR触媒」)を含み、前記第2電極モジュール1112は第2水素酸化反応触媒(以下、「第2HOR触媒」)を含むことで、前記第1電極モジュール1111の耐久性が前記第2電極モジュール1112の耐久性より高いことができる。前記第1及び第2HOR触媒は互いに同じか異なることができる。
【0089】
前記第1及び第2HOR触媒のそれぞれは、前述した白金(Pt)粒子または白金系合金粒子(すなわち、Pt-Co、Pt-Cr、Pt-Fe、Pt-Mn、Pt-Mo、Pt-Ni、Pt-Pd、Pt-Ru、Pt-Sn、Pt-W、Pt-Au-Co、Pt-Au-Fe、Pt-Au-Ni、Pt-Co-Fe、Pt-Co-Ir、Pt-Co-Mn、Pt-Co-Ni、Pt-Co-P、Pt-Co-S、Pt-Cr-Ir、Pt-Fe-Ir、Pt-Fe-P、Pt-Fe-S、Pt-Ni-Ir、Pt-Ru-Ir、Pt-Ru-Mo、Pt-Ru-Ni、Pt-Ru-W、Pt-Ru-Ir-Ni、Pt-Ru-Rh-Ni、またはPt-Ru-Sn-W)を含むことができる。
【0090】
一般に、水素ガスが供給されるアノードで起こる反応としては、(i)水素ガスの正常供給のうちにHOR触媒によって遂行される水素酸化反応と、(ii)燃料不足などの理由によって水素ガスの供給が減少または中断するときに引き起こされる炭素酸化反応(carbon oxidation reaction)がある。前記炭素酸化反応は前記HOR触媒の炭素系担体を腐食させることにより、前記HOR触媒の金属粒子の溶出及び/または凝集を引き起こす。前記OER触媒は酸素生成反応を誘導することによって前記炭素酸化反応を抑制することができる触媒であり、担体及びその上に分散された金属粒子を含む。前記OER触媒の担体としては、前述した炭素系担体、伝導性無機酸化物担体、またはゼオライト担体などを用いることができ、前記OER触媒の金属粒子は、IrO、RuO、IrSn1-x(xは0超過1未満の実数)、PtIr、IrRu、PtRuIr、またはこれらの中で2種以上の混合物を含むことができる。
【0091】
代案としてまたは追加として、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は相異なるアイオノマーを含むことで、互いに異なる耐久性を有することもできる。すなわち、前記第1電極モジュール(等)1111は相対的に高い耐久性を有する第1アイオノマーを含む一方で、前記第2電極モジュール1112は相対的に低い耐久性を有する第2アイオノマーを含むことができる。一般に、アイオノマーの耐久性はその測鎖(side chain)の長さに非常に深い関連がある。前記測鎖の長さが短いほど燃料電池の加速寿命の評価で性能減少率が小さくなることが現れた。すなわち、アイオノマーの測鎖の長さが短いほど耐久性が高くなると思われる。
【0092】
前記第1電極1110に加えて、前記第2電極1120も互いに分離可能な電極モジュール1121、1122にモジュール化した場合には、前記第3及び第4電極モジュール1121、1122の間にも上述した色相/耐久性の差に起因する可視的境界が存在することができる。
【0093】
本発明の他の実施例によれば、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は互いに接触していることができ、前記可視的境界は前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間の構造の差に起因する。
【0094】
例えば、図3に示すように、前記第1電極モジュール(等)1111は前記電解質膜1130上に順次形成された第1及び第2サブ層1111a、1111bの二重層構造(double layer structure)を有し、前記第2電極モジュール1112は単一層構造(single layer structure)を有する。
【0095】
前記第1電極1110に加えて、前記第2電極1120も互いに分離可能な電極モジュール1121、1122にモジュール化した場合には、前記第3電極モジュール(等)1121は前記電解質膜1130上に順次形成された第3及び第4サブ層1121a、1121bの二重層構造を有し、前記第4電極モジュール1122は単一層構造を有することができる。
【0096】
前記第1及び第2サブ層1111a、1111bのうちの一つが第1触媒を含み、前記第1及び第2サブ層1111a、1111bのうちの一つ及び前記第2電極モジュール1112が前記第1触媒に比べて相対的に低い耐久性を有する第2触媒を含むことで、前記第1電極モジュール(等)1111の耐久性が前記第2電極モジュール1112の耐久性より高いことができる。
【0097】
例えば、前述したように、前記第1触媒の第1担体として結晶性炭素系担体(例えば、黒鉛化カーボンブラック、炭素ナノチューブ、炭素ナノ纎維など)または伝導性無機酸化物担体(例えば、SnO、TiO、またはこれらの混合物を含む担体など)が使われ,前記第2触媒の第2担体として非結晶性炭素系担体(例えば、非黒鉛質カーボンブラック)が使われることにより、前記第1触媒が前記第2触媒より優れた耐久性を有することができる。
【0098】
代案として、前記第1電極1110が水素の酸化反応が起きるアノードの場合、前記第1触媒のために前述したOER触媒が使われ、前記第2触媒のために前述したHOR触媒が使われることで、前記第1電極モジュール1111の耐久性が前記第2電極モジュール1112の耐久性より高いことができる。一方、前記第2電極1120がアノードの場合には、前記第3及び第4サブ層1121a、1121bのうちのいずれか一つがOER触媒を含み、前記第3及び第4サブ層1121a、1121bのうちの他の一つ及び前記第4電極モジュール1122がHOR触媒を含むことができる。
【0099】
一方、前記第1電極1110が酸素の還元反応が起きるカソードの場合、前記第1電極モジュール(等)1111が前記第2電極モジュール1112より高い多孔率(porosity)を有することで、前記酸素の還元反応によって生成される水が前記第2電極モジュール1112に比べて前記第1電極モジュール(等)1111からよりうまく排出させることができる。したがって、電極劣化を誘発及び/または加速させる水が相対的にうまく排出させる前記第1電極モジュール(等)1111が前記第2電極モジュール1112より高い耐久性を有する。この場合、互いに接触する前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間の可視的境界を引き起こす前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間の構造の差は多孔度の差である。前記第2電極1120がカソードの場合には、同じ内容を前記第2電極1120に適用することができる。
【0100】
代案としてまたは追加として、図4に例示するように、前記第1及び第2電極モジュール1111、1112は互いに離隔していることができ、前記可視的境界は前記第1及び第2電極モジュール1111、1112の間の間隔(interval)Iに起因し得る。同様に、前記第3及び第4電極モジュール1121、1122も互いに離隔していることができ、前記可視的境界は前記第3及び第4電極モジュール1121、1122の間の間隔Iに起因し得る。
【0101】
以下、図5図7を参照して、本発明の膜電極アセンブリー1100を含む燃料電池1000を具体的に説明する。
【0102】
図5は本発明の一実施例による燃料電池1000の断面図であり、図6は本発明の他の実施例による燃料電池1000の断面図であり、図7は本発明の一実施例によるセパレーター1210の流動チャネル(flow channel)1211を示す図である。
【0103】
図5に示すように、本発明の燃料電池1000は、第1セパレーター1210、第2セパレーター1220、及び前記第1及び第2セパレーター1210、1220の間の膜電極アセンブリー1100を含む。
【0104】
前記膜電極アセンブリー1100の前記第1電極1110は前記第1セパレーター1210と前記電解質膜1130との間に配置され、前記膜電極アセンブリー1100の前記第2電極1120は前記第2セパレーター1220と前記電解質膜1130との間に配置される。
【0105】
図7に示すように、前記第1セパレーター1210は、前記第1電極1110に供給される第1ガスのための第1流入口GI、前記第1ガスのための第1排出口GO、及び前記第1流入口GIと前記第1排出口GOとの間の第1流動チャネル(flow channel)1211を含む。
【0106】
本発明の一実施例によれば、前記第1電極1110は互いに分離可能な第1及び第2電極モジュール1111、1112を含み、前記第1電極モジュール(等)1111が前記第1流入口GI及び/または前記第1排出口GOに対応する劣化脆弱部分(等)である。
【0107】
同様に、前記第2セパレーター1220も、前記第2電極1120に供給される第2ガスのための第2流入口(図示せず)、前記第2ガスのための第2排出口(図示せず)、及び前記第2流入口と前記第2排出口との間の第2流動チャネル1221を含む。また、前記第2電極1120も互いに分離可能な第3及び第4電極モジュール1121、1122を含むことができ、前記第3電極モジュール(等)1121が前記第2セパレーター1220の第2流入口(図示せず)及び/または第2排出口(図示せず)に対応する劣化脆弱部分(等)であり得る。
【0108】
このような第1電極1110及び/または第2電極1120のモジュール化によって、燃料電池1000の長時間運転によって劣化した電極モジュール(等)のみを選択的に交替することができ、その結果、燃料電池1000の維持補修のための時間及び費用を節減することができ、その寿命を延ばすことができる。
【0109】
図5に示すように、前記第1及び第2電極1110、1120は前記電解質膜1130を挟んで互いに整列されており、前記電解質膜1130は、前記第1及び第2電極1110、1120の間で水素イオンを伝達する活性領域と、これを取り囲む非活性領域とを有する。すなわち、前記第1電極1110は前記電解質膜1130の前記活性領域の第1面上に配置され、前記第2電極1120は前記電解質膜1130の前記活性領域の第2面上に配置される。
【0110】
図5に示すように、本発明の一実施例による燃料電池1000は、前記電解質膜1130の前記非活性領域の第1面上に配置される第1サブガスケット1160、及び前記電解質膜1130の前記非活性領域の第2面上に配置される第2サブガスケット1170を含むことができる。
【0111】
前記第1及び第2サブガスケット1160、1170は、(i)燃料電池1000運転中の反復的膨潤及び収縮によって前記電解質膜1130のエッジ部分が損傷されることを防止し、(ii)前記電解質膜1130が極度に薄くて膜電極アセンブリー1100の取扱性(handling)が悪いという問題を改善し、(iii)ガス(すなわち、水素ガス及び/または空気)の漏出を防止する。
【0112】
前記第1及び第2サブガスケット1160、1170のそれぞれは電極ウィンドウ(electrode window)を備えて前記第1及び第2電極1110、1120を露出させる。すなわち、前記第1サブガスケット1160は前記第1電極1110を取り囲み、前記第2サブガスケット1170は前記第2電極1120を取り囲む。
【0113】
前記第1及び第2サブガスケット1160、1170のそれぞれは、常温(room temperature)から120℃までの温度範囲で良好な耐熱性及び耐化学性を有するとともに100トルク(torque)以上の圧力に耐え、比較的低い気体透過度を有するフィルムを前記電解質膜1130上にラミネートすることによって形成することができる。例えば、前記第1及び第2サブガスケット1160、1170のそれぞれは、ポリイミド(PI)系化合物、ポリエチレン(PE)系化合物、ポリプロピレン(PP)系化合物、ポリエチレンテレフタレート(PET)系化合物、フルオロ化エチレンプロピレン(FEP)系化合物、ポリエチレンナフタレート(PEN)系化合物、またはこれらの中で2種以上の混合物を含むことができる。
【0114】
電解質膜1130、第1及び第2電極1110、1120、及び第1及び第2サブガスケット1160、1170を含む構造体を膜電極アセンブリーともいい、このような膜電極アセンブリーの生産性を向上させるために、ロールツーロール(roll-to-roll)方式の連続工程を採択することができる。例えば、前記ロールツーロール連続工程は、(i)連続フィルムの形態として提供される電解質膜1130の前記第1及び第2面上に第1電極1110及び第2電極1120をそれぞれ所定の間隔で連続的に形成してCCM(Catalyst Coated Membrane)を得る第1段階、(ii)連続的に提供されるCCMの両面上に、電極ウィンドウが所定の間隔でそれぞれ形成されている第1及び第2サブガスケットフィルムをそれぞれラミネートする第2段階、及び(iii)このように得た積層体を切断して個別膜電極アセンブリーを形成する段階を含むことができる。
【0115】
代案として、連続フィルム形態として提供される電解質膜1130の第1及び第2面上に第1及び第2サブガスケットフィルムをそれぞれラミネーションする段階を先に遂行した後、前記第1及び第2サブガスケットフィルムのウィンドウを通して露出された電解質膜1130部分上に前記第1電極1110及び第2電極1120をそれぞれ形成することもできる。
【0116】
図5に例示するように、本発明の一実施例による燃料電池1000は、前記第1電極1110と前記第1セパレーター1210との間の第1ガス拡散層1140、及び前記第2電極1120と前記第2セパレーター1220との間の第2ガス拡散層1150をさらに含むことができる。すなわち、本発明の膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1電極1110上に第1ガス拡散層1140を形成する段階と、前記第2電極1120上に第2ガス拡散層1150を形成する段階とをさらに含むことができる。
【0117】
前記電解質膜1130、第1及び第2電極1110、1120、第1及び第2サブガスケット1160、1170、及び前記第1及び第2ガス拡散層1140、1150から構成された構造体全体を膜電極アセンブリーということもある。したがって、本発明の膜電極アセンブリー1100は、第1及び第2ガス拡散層1140、1150をさらに含むことができる。この膜電極アセンブリー1100で、前記第1電極1110は前記第1ガス拡散層1140と前記電解質膜1130との間に位置し、前記第2電極1120は前記第2ガス拡散層1150と前記電解質膜1130との間に位置する。
【0118】
前記第1及び第2ガス拡散層1140、1150の主要機能は、(i)ガス(すなわち、水素ガス及び/または空気)が前記第1及び第2電極1110、1120に容易にかつ均一に供給できるように、第1及び第2セパレーター1210、1220の流動チャネル1211、1221から前記第1及び第2電極1110、1120へのガス拡散経路を提供し、(ii)酸化還元反応の副産物である水が前記第1及び第2電極1110、1120の外に容易に除去できるようにすることによりフラッディング(flooding)を防止し、(iii)その内部にある程度の水を保管することにより、前記電解質膜1130の含水量が急激に減少することを防止し、(iv)膜電極アセンブリー1100に十分な機械的強度を提供することである。
【0119】
前記第1及び第2ガス拡散層1140、1150のそれぞれは炭素ペーパー(carbon paper)、炭素布(carbon cloth)、炭素フェルト(carbon felt)、炭素不織布、金属ペーパー(metal paper)、金属布(metal cloth)、金属フェルト(metal felt)、金属不織布などのような電気伝導性多孔性部材(electrically conductive porous member)であり得る。
【0120】
本発明の一実施例によれば、図5に例示するように、前記第1ガス拡散層1140は、前記第1電極モジュール(等)1111に付着されている第1ガス拡散モジュール(等)1141と、前記第2電極モジュール1112に付着されている第2ガス拡散モジュール1142とを含むことができ、前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142は互いに分離されることができる。すなわち、前記第1電極モジュール1111上に第1ガス拡散モジュール(等)1141を形成し、前記第2電極モジュール1112上に第2ガス拡散モジュール1142を形成し、前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142を互いに分離可能に形成することで、前記第1ガス拡散層1140を形成することができる。前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142は同じ物質から同じ方式でそれぞれ形成されることができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、相異なる物質から相異なる方式でそれぞれ形成されることもできる。この実施例の場合、前記第1電極モジュール1111及び第1ガス拡散モジュール1141が一つの交替単位になることで、前記第1電極モジュール1111の交替の便利性を向上させることができる。
【0121】
同じ理由で、図5に例示するように、前記第2ガス拡散層1150も、前記第3電極モジュール(等)1121に付着されている第3ガス拡散モジュール(等)1151と、前記第4電極モジュール1122に付着されている第4ガス拡散モジュール1152とを含むことができ、前記第3及び第4ガス拡散モジュール1151、1152は互いに分離されることができる。
【0122】
代案として、前記第1ガス拡散層1140を前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142にモジュール化する代わりに、前記第1ガス拡散層1140と前記第1電極モジュール(等)1111との間の接着強度を前記第1ガス拡散層1140と前記第2電極モジュール1112との間の接着強度と異なるようにすることで、前記第1電極モジュール(等)1111の交替の便利性を向上させることもできる。
【0123】
例えば、図6に例示するように、膜電極アセンブリー1100は、劣化脆弱部分に相当する前記第1電極モジュール(等)1111と前記第1ガス拡散層1140との間に第1接着層(等)1181をさらに含むことができる。すなわち、前記第1電極モジュール(等)1111上にのみ接着剤を加えた後、前記第1電極1110全体上に前記第1ガス拡散層1140を形成することができる。前記第1接着層1181によって、前記第1ガス拡散層1140と前記第1電極モジュール(等)1111との間の接着強度が前記第1ガス拡散層1140と前記第2電極モジュール1112との間の接着強度より大きい。この場合、前記第1電極モジュール(等)1111及び前記第1ガス拡散層1140の全体が一つの交替単位になることで、前記第1電極モジュール(等)1111の交替の便利性を向上させることができる。
【0124】
同じ理由で、図6に例示するように、膜電極アセンブリー1100は、劣化脆弱部分に相当する前記第3電極モジュール(等)1121と前記第2ガス拡散層1150との間に第2接着層(等)1182をさらに含むことができる。すなわち、前記第3電極モジュール(等)1121上にのみ接着剤を加えた後、前記第2電極1120全体上に前記第2ガス拡散層1150を形成することができる。
【0125】
以下では、図8を参照して、本発明の他の実施例による膜電極アセンブリー及びその製造方法を具体的に説明する。
【0126】
図8の(a)及び(b)は本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの平面図及び断面図である。
【0127】
図8に例示するように、本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーは、第1電極が互いに分離可能な第1及び第2電極モジュール1111、1112を含み、電解質膜が互いに分離可能な第1及び第2膜モジュール1131、1132を含み、第2電極が互いに分離可能な第3及び第4電極モジュール1121、1122を含む。
【0128】
図1図6に例示した実施例とは違い、図8の実施例では、第1電極の劣化脆弱部分(等)である第1電極モジュール(等)1111と第2電極の劣化脆弱部分(等)である第3電極モジュール(等)1121とがオーバーラップ方式で配列されている。よって、前記第1及び第3電極モジュール1111、1121及びこれらの間の前記第1膜モジュール1131は第1アセンブリーモジュール1101を構成し、前記第2及び第4電極モジュール1112、1122及びこれらの間の前記第2膜モジュール1132は第2アセンブリーモジュール1102を構成する。
【0129】
劣化脆弱部分(等)である前記第1及び/または第3電極モジュール(等)1111、1121が燃料電池の長時間運転によって前記第2及び第4電極モジュール1112、1122より先に劣化する場合、前記第1アセンブリーモジュール1101を前記第2アセンブリーモジュール1102から分離して新しいモジュールに交替することができる。
【0130】
前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102は別個に製作されることができる。言い換えれば、第1膜モジュール1131の第1面上に第1電極モジュール1111を形成し、前記第1面の反対側の前記第1膜モジュール1131の第2面上に第3電極モジュール1121を形成することで、前記第1アセンブリーモジュール1101が得られることができる。また、第2膜モジュール1132の第1面上に第2電極モジュール1112を形成し、前記第1面の反対側の前記第2膜モジュール1132の第2面上に第4電極モジュール1122を形成することで、前記第2アセンブリーモジュール1102が得られることができる。
【0131】
前記電極モジュール1111、1112、1121、1122の素材は前述したようである。また、前記膜モジュール1131、1132は前述した電解質膜1130のための素材から製造できるので、これについての具体的説明は省略する。
【0132】
このような方式で互いに別個に得られた前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102を互いに隣接して配列することで、膜電極アセンブリーを製造することができる。
【0133】
前記第1膜モジュール1131は、前記第1及び第3電極モジュール1111、1121と接触する活性領域及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有し、前記第2膜モジュール1132は、前記第2及び第4電極モジュール1112、1122と接触する活性領域及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を有する。
【0134】
図8に例示するように、前記第1アセンブリーモジュール1101は、前記第1膜モジュール1131の前記非活性領域に配置されて前記第1及び第3電極モジュール1111、1121をそれぞれ取り囲む第1及び第3サブガスケットモジュール1161、1171をさらに含むことができる。これと同様に、前記第2アセンブリーモジュール1102は、前記第2膜モジュール1132の前記非活性領域に配置されて前記第2及び第4電極モジュール1112、1122をそれぞれ取り囲む第2及び第4サブガスケットモジュール1162、1172をさらに含むことができる。
【0135】
したがって、本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102を互いに隣接して配置するに先立ち、(i)前記第1アセンブリーモジュール1101を得るために、前記第1及び第3電極モジュール1111、1121をそれぞれ取り囲む第1及び第3サブガスケットモジュール1161、1171を前記第1膜モジュール1131の前記非活性領域にそれぞれ形成する段階と、(ii)前記第2アセンブリーモジュール1102を得るために、前記第2及び第4電極モジュール1112、1122をそれぞれ取り囲む第2及び第4サブガスケットモジュール1162、1172を前記第2膜モジュール1132の前記非活性領域にそれぞれ形成する段階とをさらに含むことができる。
【0136】
前記サブガスケットモジュール1161、1162、1171、1172の機能及び素材についての説明は前記サブガスケット1160、1170に関連して先に開示した説明を適用する。
【0137】
したがって、図8の実施例は、(i)電解質膜が互いに分離可能な第1及び第2膜モジュール1131、1132を含み、(ii)劣化脆弱部分(等)である第1及び第3電極モジュール1111、1121がオーバーラップ方式で配列されており、(iii)第1サブガスケットが互いに分離可能な第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162を含み、(iv)第2サブガスケットが互いに分離可能な第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172を含み、(V)前記第1及び第3電極モジュール1111、1121が交替されるとき、前記第1膜モジュール1131、前記第1サブガスケットモジュール1161、及び前記第3サブガスケットモジュール1171も一緒に交替されることができるという点で、図1図6に例示した実施例とは違いがある。
【0138】
図9は本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの断面図である。
【0139】
図9に例示するように、前記第1アセンブリーモジュール1101は、前記第1電極モジュール1111を覆う第1ガス拡散モジュール1141及び前記第3電極モジュール1121を覆う第3ガス拡散モジュール1151をさらに含むことができ、前記第2アセンブリーモジュール1102は、前記第2電極モジュール1112を覆う第2ガス拡散モジュール1142及び前記第4電極モジュール1122を覆う第4ガス拡散モジュール1152をさらに含むことができる。
【0140】
前記第1電極モジュール1111は前記第1膜モジュール1131と前記第1ガス拡散モジュール1141との間に配置され、前記第3電極モジュール1121は前記第1膜モジュール1131と前記第3ガス拡散モジュール1151との間に配置され、前記第2電極モジュール1112は前記第2膜モジュール1132と前記第2ガス拡散モジュール1142との間に配置され、前記第4電極モジュール1122は前記第2膜モジュール1132と前記第4ガス拡散モジュール1152との間に配置される。
【0141】
したがって、本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102を互いに隣接して配列するに先立ち、(i)前記第1アセンブリーモジュール1101を得るために、前記第1電極モジュール1111上の第1ガス拡散モジュール1141及び前記第3電極モジュール1121上の第3ガス拡散モジュール1151をそれぞれ形成する段階と、(ii)前記第2アセンブリーモジュール1102を得るために、前記第2電極モジュール1112上の第2ガス拡散モジュール1142及び前記第4電極モジュール1122上の第4ガス拡散モジュール1152をそれぞれ形成する段階とをさらに含むことができる。
【0142】
前記ガス拡散モジュール1141、1142、1151、1152の機能及び素材についての説明は前記ガス拡散層1140、1150に関連して先に開示した説明を適用する。
【0143】
図9の実施例によれば、劣化脆弱部分(等)である前記第1及び/または第3電極モジュール(等)1111、1121が燃料電池の長時間運転によって前記第2及び第4電極モジュール1112、1122より先に劣化する場合、前記第1アセンブリーモジュール1101を前記第2アセンブリーモジュール1102から分離して新しいモジュールに交替するとき、前記第1及び第3ガス拡散モジュール1141、1151も一緒に交替されることができる。
【0144】
図1図6の実施例とは違い、図8及び図9の実施例は電解質膜が互いに分離可能な第1及び第2膜モジュール1131、1132を含むので、これらの間のギャップを通してガスの漏出/流れを引き起す危険が存在し得る。以下では、図10及び図11を参照して、このような危険を無くすことができる膜電極アセンブリーの例を具体的に説明する。
【0145】
図10の(a)は本発明の一実施例による弾性ガスケットの平面図であり、図10の(b)は図10の(a)の弾性ガスケットが適用された膜電極アセンブリーの断面図であり、図11図10の(b)の膜電極アセンブリーの分解断面図である。
【0146】
図10及び図11に例示するように、互いに分離可能な第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102を含む膜電極アセンブリーは、第1及び第2弾性ガスケット1191、1192をさらに含む。
【0147】
前記第1弾性ガスケット1191は、前記第1ガス拡散モジュール1141及び前記第2ガス拡散モジュール1142をそれぞれ露出させるための第1及び第2ウィンドウW1、W2を有し、前記第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162と接触する。
【0148】
これと同様に、前記第2弾性ガスケット1192は、前記第3ガス拡散モジュール1151及び前記第4ガス拡散モジュール1152をそれぞれ露出させるための第3及び第4ウィンドウW3、W4を有し、前記第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172と接触する。
【0149】
したがって、本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102を互いに隣接して配列した後、(i)前記第1弾性ガスケット1191を前記第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162上に形成する段階と、(ii)前記第2弾性ガスケット1192を前記第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172上に形成する段階とをさらに含むことができる。
【0150】
前記第1及び第2弾性ガスケット1191、1192はゴム(例えば、EPDMゴム)のような弾性素材から形成されることができ、よって、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間に、より具体的には、前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142の間及び前記第3及び第4ガス拡散モジュール1151、1152の間にそれぞれタイトに挟まれることで、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガスの漏出/流れを防止することができる。
【0151】
劣化脆弱部分(等)である前記第1及び/または第3電極モジュール(等)1111、1121が燃料電池の長時間運転によって前記第2及び第4電極モジュール1112、1122より先に劣化すれば、図11に例示するように、一旦前記第1及び第2弾性ガスケット1191、1192を前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102からそれぞれ分離し、次いで、前記第1アセンブリーモジュール1101を前記第2アセンブリーモジュール1102から分離して新しいモジュール(第1アセンブリーモジュール)に交替することができる。
【0152】
一方、セパレーター(図示せず)の流動チャネルを通して前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142に流入するガスの平面内(in-plane)流れが前記第1弾性ガスケット1191によって妨げられて乱流が発生する可能性を無視することができない。同様に、前記第3及び第4ガス拡散モジュール1151、1152に流入するガスの平面内流れが前記第2弾性ガスケット1192によって妨げられて乱流が発生する可能性も存在する。このような乱流の発生は圧力損失及びそれによる燃料電池性能の低下を引き起こす。
【0153】
以下では、図12及び図13を参照して、このような乱流の発生を抑制することができる弾性ガスケットの例を具体的に説明する。
【0154】
図12及び図13に例示するように、前記第1弾性ガスケット1191は、前記第1及び第2ウィンドウW1、W2の間の第1境界領域(boundary region)1191aを含む。前記第1境界領域1191aは、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162の両者と接触する。
【0155】
これと同様に、前記第2弾性ガスケット1192は、前記第3及び第4ウィンドウW3、W4の間の第2境界領域1192aを含む。前記第2境界領域1192aは、前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガス漏出を防止するように、前記第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172の両者と接触する。
【0156】
図12に例示する本発明の一実施例によれば、前記第1境界領域1191aは、前記第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162と接触する面の反対面に前記第1及び第2ウィンドウW1、W2を流体連通させる多数の第1溝(grooves)G1を有する構造、すなわち流路構造(flow path structure)を有することができる。したがって、前記第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162と接触する前記第1境界領域1191a部分は前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガスの漏出/流れを防止するシーリングの役割を果たす一方で、前記第1溝G1が形成された前記第1境界領域1191aの残りの部分は前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142に流入するガスの平面内流れを保障することで、乱流の発生を防止することができる。
【0157】
これと同様に、前記第2境界領域1192aは、前記第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172と接触する面の反対面に前記第3及び第4ウィンドウW3、W4を流体連通させる多数の第2溝G2を有する流路構造を有することができる。したがって、前記第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172と接触する前記第2境界領域1192a部分は前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガスの漏出/流れを防止するシーリングの役割を果たす一方で、前記第2溝G2が形成された前記第2境界領域1192aの残りの部分は前記第3及び第4ガス拡散モジュール1151、1152に流入するガスの平面内流れを保障することで、乱流の発生を防止することができる。
【0158】
図13に例示する本発明の一実施例によれば、前記第1境界領域1191aは、前記第1及び第2サブガスケットモジュール1161、1162と接触する第1非多孔性弾性層(nonporous elastic layer)1191aa及び前記第1非多孔性弾性層1191aa上の第1多孔性弾性層(porous elastic layer)1191abを含む構造、すなわち二重層構造(double layer structure)を有することができる。前記第1非多孔性弾性層1191aaは前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガスの漏出/流れを防止するシーリングの役割を果たす一方で、前記第1多孔性弾性層1191abは前記第1及び第2ガス拡散モジュール1141、1142に流入するガスの平面内流れを保障することで、乱流の発生を防止することができる。
【0159】
これと同様に、前記第2境界領域1192aは、前記第3及び第4サブガスケットモジュール1171、1172と接触する第2非多孔性弾性層1192aa及び前記第2非多孔性弾性層1192aa上の第2多孔性弾性層1192abを含む二重層構造を有することができる。前記第2非多孔性弾性層1192aaは前記第1及び第2アセンブリーモジュール1101、1102の間のギャップを通してのガスの漏出/流れを防止するシーリングの役割を果たす一方で、前記第2多孔性弾性層1192abは前記第3及び第4ガス拡散モジュール1151、1152に流入するガスの平面内流れを保障することで、乱流の発生を防止することができる。
【0160】
シーリングの役割を果たす前記第1及び第2非多孔性弾性層1191aa、1192aaは、ゴム(例えば、EPDMゴム)のような弾性素材から形成されることができる。流路提供の機能を果たす前記第1及び第2多孔性弾性層1191ab、1192abもゴムのような弾性素材から形成されることができ、ガス流れを許容することができるサイズ(例えば、1~1000μmの孔径)を有する多数の気孔を含む。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10(a)】
図10(b)】
図11
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】