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特許7585424工作機械、複合加工機、および、ワーク加工方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】工作機械、複合加工機、および、ワーク加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/09 20060101AFI20241111BHJP
   B23Q 3/157 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
B23Q17/09 H
B23Q3/157 T
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023176471
(22)【出願日】2023-10-12
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 真也
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴夫
(72)【発明者】
【氏名】井関 晃
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-089738(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034037(WO,A1)
【文献】特開2022-187448(JP,A)
【文献】特開2020-069563(JP,A)
【文献】特開平04-122549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/155
B23Q17/00
B23Q17/09
B23Q17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具ホルダが取り付けられるスピンドルと、
軸受を介して前記スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、
前記スピンドルを第1軸まわりに回転させる回転駆動装置と、
前記スピンドルに対する前記工具ホルダの着脱を行う工具交換装置と、
前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面の変位を測定する複数のセンサと
前記ハウジングの先端部に取り付けられる支持ブロックと
を具備し、
前記複数のセンサは、制御指令に基づいて動作する前記工具交換装置の移動経路から外れた位置であって、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面に対向する位置に配置され
前記複数のセンサは、前記支持ブロックによって支持され、
前記第1軸を含む面であって前記ハウジングを第1部分と第2部分とに仮想的に分割する面を第3面と定義するとき、前記支持ブロックは、前記ハウジングの先端面のうち前記第1部分の先端面の一部のみを覆う
工作機械。
【請求項2】
前記複数のセンサの各々は、前記工具ホルダのフランジの外周面の変位を測定する
請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記工具交換装置は、前記工具ホルダを把持可能な第1把持部を有する
請求項1に記載の工作機械。
【請求項4】
前記複数のセンサは、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダにアプローチする前記第1把持部の移動経路から、前記第1軸に沿う方向において外れた位置に配置される
請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記工具交換装置の前記第1把持部は、前記工具ホルダのフランジを把持可能であり、
前記複数のセンサの各々は、前記工具ホルダの前記フランジの外周面の変位を測定する
請求項4に記載の工作機械。
【請求項6】
前記複数のセンサは、前記第1軸に沿う方向に見て、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダにアプローチする前記第1把持部の移動経路とオーバーラップしない位置に配置される
請求項3に記載の工作機械。
【請求項7】
前記工具交換装置は、第2工具ホルダを把持可能な第2把持部を有し、
前記工具交換装置は、前記第1把持部および前記第2把持部を用いて、前記工具ホルダおよび前記第2工具ホルダを同時に把持可能である
請求項3乃至6のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項8】
前記スピンドルの後端部から前記スピンドルの先端部に向かう方向を第1方向と定義し、前記スピンドルの先端をとおり前記第1軸に垂直な面を第1面と定義し、前記第1面に平行且つ前記第1面よりも12mmだけ前記第1方向に位置する面を第2面と定義するとき、前記複数のセンサは、前記第1面と前記第2面との間に配置される
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項9】
前記複数のセンサは、第1センサと第2センサとを含み、
前記第1軸に沿う方向に見て、前記第1センサと前記第1軸とを結ぶ第1線分と、前記第2センサと前記第1軸とを結ぶ第2線分との間のなす角度は、略90度である
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項10】
ワークを支持するワーク支持装置と、
前記スピンドルと前記ハウジングとを含む加工ヘッドを、前記ワーク支持装置に対して相対移動させる移動装置と、
前記複数のセンサから受け取る測定データに基づいて前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさを算出し、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさに基づいて、前記回転駆動装置および前記移動装置のうちの少なくとも一方を制御する制御装置と
を更に具備する
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項11】
前記制御装置は、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさが予め設定された閾値を超えることに応じて、前記工具ホルダに保持された工具の送り速度が低下され、且つ、前記工具による前記ワークの加工が中断されることなく継続されるように、前記移動装置を制御する
請求項10に記載の工作機械。
【請求項12】
前記制御装置は、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさが予め設定された閾値を超えることに応じて、前記工具ホルダに保持された工具による前記ワークの加工を中断してアラートを発出する
請求項10に記載の工作機械。
【請求項13】
工具ホルダが取り付けられるスピンドルと、
軸受を介して前記スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、
前記スピンドルを第1軸まわりに回転させる回転駆動装置と、
前記スピンドルに対する前記工具ホルダの着脱を行う工具交換装置と、
前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面の変位を測定する複数のセンサと
前記ハウジングの先端部に取り付けられる支持ブロックと
を具備し、
前記複数のセンサは、制御指令に基づいて動作する前記工具交換装置の移動経路から外れた位置であって、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面に対向する位置に配置され、
前記複数のセンサは、前記支持ブロックによって支持され、
前記第1軸を含む面であって前記ハウジングを第1部分と第2部分とに仮想的に分割する面を第3面と定義するとき、前記支持ブロックは、前記ハウジングの先端面のうち前記第1部分の先端面の一部のみを覆い、
前記スピンドルには、切削工具を保持する切削工具用工具ホルダと、摩擦攪拌接合工具を保持する摩擦攪拌接合工具用工具ホルダとを選択的に取り付け可能であり、
前記工具交換装置は、前記スピンドルに取り付けられた前記切削工具用工具ホルダおよび前記摩擦攪拌接合工具用工具ホルダのうちの一方を、前記切削工具用工具ホルダおよび前記摩擦攪拌接合工具用工具ホルダのうちの他方に交換可能である
複合加工機。
【請求項14】
工具交換装置を用いて、ハウジングによって軸受を介して第1軸まわりに回転可能に支持されるスピンドルに工具ホルダを取り付ける工程と、
前記工具ホルダに保持された回転状態の工具をワークに接触させることにより、前記工具によって前記ワークを加工する工程と、
前記工具交換装置を用いて、前記スピンドルから前記工具ホルダを取り外す工程と
を具備し、
前記第1軸を含む面であって前記ハウジングを第1部分と第2部分とに仮想的に分割する面を第3面と定義するとき、前記ハウジングの先端面のうち前記第1部分の先端面の一部のみが、前記ハウジングの先端部に取り付けられる支持ブロックによって覆われており、
前記工具によって前記ワークを加工する工程の実行中に、
前記工具交換装置の移動経路から外れた位置に配置され前記支持ブロックによって支持された複数のセンサが、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面の変位を測定する工程と、
制御装置が、前記複数のセンサから受け取る測定データに基づいて、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさを算出し、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさに基づいて、前記軸受に作用するラジアル負荷を監視する工程と
が実行される
ワーク加工方法。
【請求項15】
前記工具交換装置を用いて、前記スピンドルに第2工具ホルダを取り付ける工程と、
前記第2工具ホルダに保持された回転状態の第2工具を前記ワークに接触させることにより、前記第2工具によって前記ワークを加工する工程と、
前記第2工具によって前記ワークを加工する工程の実行中に、
前記複数のセンサが、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記第2工具ホルダの外周面の変位を測定する工程と、
前記制御装置が、前記複数のセンサから受け取る測定データに基づいて、前記第2工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさを算出し、前記第2工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさに基づいて、前記軸受に作用するラジアル負荷を監視する工程と
が実行される
請求項14に記載のワーク加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械、複合加工機、および、ワーク加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の主軸のラジアル方向の変位を検出する技術が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、工作機械の主軸装置が開示されている。特許文献1に記載の工作機械の主軸装置では、主軸中心軸に直角な断面内でx軸上に、主軸端外周に対向して1個以上の変位検出器が配置され、主軸中心軸に直角な断面内でy軸上に、主軸端外周に対向して1個以上の変位検出器が配置される。また、特許文献1に記載の工作機械の主軸装置では、これらの変位検出器の出力に基づいて主軸端の直角断面内での変位量が求められ、当該変位量の絶対値と、あらかじめ設定した許容値との比較に基づいて、所要動作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平4-122549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、スピンドルの剛性の低下を抑制しつつ、工具ホルダの外周面の変位を測定可能な工作機械、複合加工機、および、ワーク加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態における工作機械は、工具ホルダが取り付けられるスピンドルと、軸受を介して前記スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、前記スピンドルを第1軸まわりに回転させる回転駆動装置と、前記スピンドルに対する前記工具ホルダの着脱を行う工具交換装置と、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面の変位を測定する複数のセンサと、を具備する。前記複数のセンサは、制御指令に基づいて動作する前記工具交換装置の移動経路から外れた位置であって、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面に対向する位置に配置される。
【0007】
いくつかの実施形態における複合加工機は、工具ホルダが取り付けられるスピンドルと、軸受を介して前記スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、前記スピンドルを第1軸まわりに回転させる回転駆動装置と、前記スピンドルに対する前記工具ホルダの着脱を行う工具交換装置と、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面の変位を測定する複数のセンサと、を具備する。前記複数のセンサは、制御指令に基づいて動作する前記工具交換装置の移動経路から外れた位置であって、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面に対向する位置に配置される。前記スピンドルには、切削工具を保持する切削工具用工具ホルダと、摩擦攪拌接合工具を保持する摩擦攪拌接合工具用工具ホルダとを選択的に取り付け可能である。前記工具交換装置は、前記スピンドルに取り付けられた前記切削工具用工具ホルダおよび前記摩擦攪拌接合工具用工具ホルダのうちの一方を、前記切削工具用工具ホルダおよび前記摩擦攪拌接合工具用工具ホルダのうちの他方に交換可能である。
【0008】
いくつかの実施形態におけるワーク加工方法は、工具交換装置を用いて、ハウジングによって軸受を介して回転可能に支持されるスピンドルに工具ホルダを取り付ける工程と、前記工具ホルダに保持された回転状態の工具をワークに接触させることにより、前記工具によって前記ワークを加工する工程と、前記工具交換装置を用いて、前記スピンドルから前記工具ホルダを取り外す工程と、を具備する。前記工具によって前記ワークを加工する工程の実行中に、前記工具交換装置の移動経路から外れた位置に配置された複数のセンサが、前記スピンドルに取り付けられた状態の前記工具ホルダの外周面の変位を測定する工程と、制御装置が、前記複数のセンサから受け取る測定データに基づいて、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさを算出し、前記工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさに基づいて、前記軸受に作用するラジアル負荷を監視する工程とが実行される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、スピンドルの剛性の低下を抑制しつつ、工具ホルダの外周面の変位を測定可能な工作機械、複合加工機、および、ワーク加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図2図2は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略正面図である。
図3図3は、第1の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図4図4は、第1の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図5図5は、第1の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図6図6は、第1の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図7図7は、第1の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図8図8は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図9図9は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図10図10は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図11図11は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略断面図である。
図12図12は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略正面図である。
図13図13は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図14図14は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図15図15は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図16図16は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略断面図である。
図17図17は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略断面図である。
図18図18は、第1の実施形態における工作機械の一部分を示す概略底面図である。
図19図19は、工具ホルダの一例を示す概略正面図である。
図20図20は、工具ホルダの他の一例を示す概略正面図である。
図21図21は、ワーク加工工程を実行中の様子を模式的に示す概略正面図である。
図22図22は、第2のワーク加工工程を実行中の様子を模式的に示す概略正面図である。
図23図23は、第1の変位成分値、第2の変位成分値、および、ラジアル変位の大きさの経時変化の一例を示すグラフである。
図24図24は、「第1の変位成分値DA1-第1基準値B1」と、「第2の変位成分値DA2-第2基準値B2」と、「工具ホルダの外周面のラジアル変位の大きさV1」との関係を模式的に示す図である。
図25図25は、ラジアル変位の大きさ、および、工具の送り速度の経時変化の一例を示すグラフである。
図26図26は、ラジアル変位の大きさ、および、工具の送り速度の経時変化の一例を示すグラフである。
図27図27は、第2の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図28図28は、第2の実施形態における工作機械の一部分を模式的に示す概略底面図である。
図29図29は、第2の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図30図30は、第2の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図31図31は、第2の実施形態における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図32図32は、第2の実施形態における工作機械の一部分を模式的に示す概略正面図である。
図33図33は、第2の実施形態における工作機械の一部分を模式的に示す概略底面図である。
図34図34は、第2の実施形態における工作機械の一部分を模式的に示す概略底面図である。
図35図35は、第2の実施形態の変形例における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図36図36は、第2の実施形態の変形例における工作機械を模式的に示す概略正面図である。
図37図37は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
図38図38は、実施形態の変形例における工作機械を模式的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態における工作機械1、複合加工機、および、ワーク加工方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0012】
(方向の定義)
本明細書において、スピンドル2の後端部21からスピンドル2の先端部23に向かう方向を第1方向DR1と定義し、第1方向DR1とは反対の方向を第2方向DR2と定義する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1乃至図26を参照して、第1の実施形態における工作機械1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態における工作機械1Aを模式的に示す概略正面図である。図2は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略正面図である。図3乃至図7は、第1の実施形態における工作機械1Aを模式的に示す概略正面図である。図8乃至図10は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略底面図である。図11は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略断面図である。図12は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略正面図である。図13乃至図15は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略底面図である。図16および図17は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略断面図である。図18は、第1の実施形態における工作機械1Aの一部分を示す概略底面図である。図19は、工具ホルダ9の一例を示す概略正面図である。図20は、工具ホルダ9の他の一例を示す概略正面図である。図21は、ワーク加工工程を実行中の様子を模式的に示す概略正面図である。図22は、第2のワーク加工工程を実行中の様子を模式的に示す概略正面図である。図23は、第1の変位成分値、第2の変位成分値、および、ラジアル変位の大きさの経時変化の一例を示すグラフである。図24は、「第1の変位成分値DA1-第1基準値B1」と、「第2の変位成分値DA2-第2基準値B2」と、「工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1」との関係を模式的に示す図である。図25および図26は、ラジアル変位の大きさ、および、工具の送り速度の経時変化の一例を示すグラフである。なお、図13において、第1把持部510の移動経路PA1を把握し易くするために、当該移動経路PA1にドットによるハッチングが付与されている。図14において、工具交換アーム50の移動経路PA2を把握し易くするために、当該移動経路PA2にドットによるハッチングが付与されている。図18において、支持ブロック80の形状を把握し易くするために、支持ブロック80にはドットによるハッチングが付与されている。
【0014】
図1に例示されるように、第1の実施形態における工作機械1Aは、加工ヘッド3(より具体的には、スピンドル2およびハウジング30を含む加工ヘッド3)と、回転駆動装置40と、工具交換装置5と、複数のセンサ6と、を備える。
【0015】
図2に例示されるように、スピンドル2には、工具ホルダ9が取り付けられる。より具体的には、スピンドル2の先端部23に、工具ホルダ9が取り付けられる。図2に記載の例において、スピンドル2の大部分は、ハウジング30の内側に配置されている。
【0016】
ハウジング30は、軸受11を介してスピンドル2を回転可能に支持する。図2に記載の例では、複数の軸受11が、ハウジング30とスピンドル2との間に配置されている。複数の軸受11は、スピンドル2の先端部23を回転可能に支持する前部軸受11aと、スピンドル2の後端部21を回転可能に支持する後部軸受11bとを含んでいてもよい。
【0017】
回転駆動装置40は、スピンドル2を第1軸AX1まわりに回転させる。図2に記載の例では、回転駆動装置40は、モータ40mを含む。回転駆動装置40(より具体的には、モータ40m)は、ステータ41と、ロータ43とを有していてもよい。この場合、ステータ41に電流が供給されると、電磁気的作用によって、ロータ43が第1軸AX1まわりを回転する。図2に記載の例において、ステータ41はハウジング30に固定され、ロータ43はスピンドル2に固定されている。
【0018】
図2に記載の例では、回転駆動装置40(より具体的には、モータ40m)は、ハウジング30の内側に配置されている。代替的に、回転駆動装置40は、ハウジング30の外側に配置されていてもよい。例えば、ハウジング30の外側に配置された回転駆動装置40(より具体的には、モータ40m)が、歯車、あるいは、伝動ベルト等の動力伝達部材を介して、スピンドル2を回転させるように構成されてもよい。
【0019】
図3乃至図7に記載の例において、工具交換装置5は、スピンドル2に対する工具ホルダ9の着脱を行う。
【0020】
図2に例示されるように、複数のセンサ6は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9の外周面90uの変位を測定する。図2に記載の例では、複数のセンサ6は、第1センサ61と、第2センサ62とを含む。付加的に、複数のセンサ6は、第3センサを含んでいてもよい。スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9の外周面90uの変位を測定するセンサ6の数は、2個であってもよいし、3個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0021】
図3乃至図7に例示されるように、複数のセンサ6は、制御指令に基づいて動作する工具交換装置5の移動経路から外れた位置に配置される。また、図8に例示されるように、複数のセンサ6は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9の外周面90uに対向する位置に配置される。
【0022】
スピンドル2の外周面の変位を測定する場合、ハウジングに対して、スピンドル2の先端部を第1方向DR1に大きく突出させる必要がある(必要であれば、特開平4-122549号公報における第1図および第2図を参照。)。この場合、スピンドル2の剛性が低下する。
【0023】
これに対し、第1の実施形態における工作機械1Aでは、複数のセンサ6は、工具ホルダ9の外周面90uの変位を測定する。この場合、ハウジング30に対して、スピンドル2の先端部23を第1方向DR1に大きく突出させる必要がないため、スピンドル2の剛性の低下が抑制される。換言すれば、第1の実施形態における工作機械1Aは、スピンドルの剛性の低下を抑制しつつ、工具ホルダ9の外周面90uの変位を測定することができる。
【0024】
第1の実施形態における工作機械1Aにおいて、工具ホルダ9の外周面90uの変位の多寡に基づいて、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル方向の負荷を監視することが可能である。この場合、オペレータは、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル方向の荷重を計算する必要がないため、オペレータの作業負担が低減される。
【0025】
なお、本明細書において、「ラジアル方向」とは、第1軸AX1に垂直な方向(すなわち、第1軸AX1に垂直な径方向)を意味するものとする。また、本明細書において、「ラジアル荷重」とは、ラジアル方向の荷重を意味し、「ラジアル変位」とは、ラジアル方向の変位を意味するものとする。
【0026】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図26を参照して、第1の実施形態における工作機械1A(あるいは、後述の第2の実施形態における工作機械1B)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。以下の説明において、スピンドル2に取り付け可能な工具ホルダのことを「工具ホルダ9」と表現する。また、工具ホルダ9のうちの一つを「工具ホルダ9A」と表現し、工具交換装置5によって工具ホルダ9Aと交換される工具ホルダのことを「第2工具ホルダ9B」と表現する。
【0027】
(工具交換装置5)
図9に記載の例では、工具交換装置5は、工具ホルダ9Aを把持可能な第1把持部510を有する。付加的に、工具交換装置5は、第2工具ホルダ9Bを把持可能な第2把持部520を有していてもよい。
【0028】
図9に記載の例では、第1把持部510は、第1固定部511aと、第1固定部511aに対して相対移動可能な第1可動部511bとを有する。第1可動部511bが退避位置から進出位置に移動することにより、第1固定部511aと第1可動部511bとによって、工具ホルダ9Aが把持される。
【0029】
図9に記載の例では、第2把持部520は、第2固定部521aと、第2固定部521aに対して相対移動可能な第2可動部521bとを有する。第2可動部521bが退避位置から進出位置に移動することにより、第2固定部521aと第2可動部521bとによって、第2工具ホルダ9Bが把持される。
【0030】
図10に記載の例において、工具交換装置5は、第1把持部510および第2把持部520を用いて、工具ホルダ9Aおよび第2工具ホルダ9Bを同時に把持可能である。
【0031】
図3に記載の例では、工具交換装置5は、工具交換アーム50と、工具交換アーム50を回転させるアーム回転装置54と、工具交換アーム50を第2軸AX2に沿って直線的に移動させるアーム移動装置56とを有する。
【0032】
工具交換アーム50は、第2軸AX2まわりに回転可能である。図3に記載の例では、第2軸AX2は、第1軸AX1と平行である。
【0033】
図3および図4に例示されるように、アーム回転装置54は、工具交換アーム50を、第2軸AX2まわりに回転させる。図4および図5に例示されるように、アーム移動装置56は、工具交換アーム50を第2軸AX2に平行な方向に移動させる。
【0034】
図9に記載の例では、工具交換アーム50は、第1アーム部51と、第2アーム部52とを有する。また、第1アーム部51は、工具ホルダ9Aを把持可能な第1把持部510を有し、第2アーム部52は、第2工具ホルダ9Bを把持可能な第2把持部520を有する。図9に記載の例では、第1アーム部51と第2アーム部52との間のなす角度は180度である。代替的に、第1アーム部51と第2アーム部52との間のなす角度は180度以外の角度であってもよい。
【0035】
図3乃至図7に記載の例では、工具交換装置5は、制御指令に基づいて、工具交換アーム50を用いてスピンドル2に対する工具ホルダ9Aの着脱を行う。代替的に、工具交換装置5は、制御指令に基づいて、スピンドル2に対する工具ホルダ9Aの着脱を行うロボットであってもよい。
【0036】
図3乃至図7に記載の例では、工具交換装置5は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aと、ストッカ14に配置された第2工具ホルダ9Bとを交換可能である。より具体的には、図3に例示されるように、工具交換装置5は、スピンドル2に取り付けられ第1の工具交換位置P1に位置する工具ホルダ9Aと、ストッカ14に配置され第2の工具交換位置P2に位置する第2工具ホルダ9Bとを交換可能である。
【0037】
(ストッカ14)
図3に記載の例では、工作機械1Aは、複数の工具ホルダ9を保管可能なストッカ14を備える。ストッカ14は、複数の工具ホルダ9をそれぞれ保持する複数のホルダ保持部材141と、複数のホルダ保持部材141を移動させる保持部材移動装置143とを有する。図3に例示されるように、ストッカ14は、第2工具ホルダ9Bを第2の工具交換位置P2に移動させる取出装置145を有していてもよい。
【0038】
(スピンドル2)
図2に記載の例では、スピンドル2は、工具ホルダ9Aの基端部91が接触するテーパ面23tを有する。また、スピンドル2は、工具ホルダ9Aの基端部91を第2方向DR2に牽引する牽引部材24と、牽引部材24の外側に配置される筒体25とを有する。筒体25は、牽引部材24が第1軸AX1に沿う方向に移動可能なように、牽引部材24を支持する。筒体25の先端部の内周面は、上述のテーパ面23tである。
【0039】
図11に記載の例では、スピンドル2の先端面23sは、ハウジング30の先端面33sよりも、僅かに第1方向DR1に突出している。換言すれば、スピンドル2の先端面23sは、ハウジング30の先端面33sよりも僅かに第1方向DR1側に位置する。
【0040】
(センサ6)
図8に記載の例において、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)の各々は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aの外周面90uの変位を測定する。また、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)の各々は、当該測定によって取得された測定データを、制御装置7(図8には図示されず。)に送信する。
【0041】
図12に記載の例において、複数のセンサ6の各々は、ハウジング30の外に配置されている。よって、万が一、センサ6が故障しても、センサ6の交換のためにハウジング30を分解する必要がない。
【0042】
図12に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510の移動経路から、第1軸AX1に沿う方向において外れた位置に配置されている。より具体的には、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510の移動経路よりも第2方向DR2に配置されている。よって、第1把持部510が工具ホルダ9Aにアプローチする際に、第1把持部510が各センサ6と干渉することがない。
【0043】
図3および図4に記載の例では、第1把持部510が工具ホルダ9Aに向かって移動することにより、第1把持部510が工具ホルダ9Aにアプローチする。なお、本明細書において、「アプローチ」とは、工具ホルダ9Aに対する相対的なアプローチを意味する。よって、第1把持部510が工具ホルダ9Aにアプローチすることには、第1把持部510が工具ホルダ9Aに向かって移動することと、工具ホルダ9Aが第1把持部510に向かって移動することとの両方が包含される。
【0044】
また、本明細書において、「移動経路」とは、スピンドル2に対する相対的な移動経路を意味する。より具体的には、図3乃至図7に例示されるように、工具交換装置5が静止状態の加工ヘッド3に対して工具ホルダ9Aの着脱を行う場合には、工具交換装置5の移動経路は、静止状態のスピンドル2に対する工具交換装置5の移動経路を意味する。他方、図35および図36に例示されるように、工具ホルダ9Aの着脱に加工ヘッド3の移動が伴う場合には、工具交換装置5の移動経路は、スピンドル2に対する工具交換装置5の相対移動の経路を意味する。
【0045】
図12に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする工具交換アーム50全体の移動経路から、第1軸AX1に沿う方向において外れた位置に配置されている。より具体的には、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする工具交換アーム50全体の移動経路よりも第2方向DR2に配置されている。よって、第1把持部510を含む工具交換アーム50が工具ホルダ9Aにアプローチする際に、工具交換アーム50が各センサ6と干渉することがない。
【0046】
図13に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、第1軸AX1に沿う方向に見て、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510の移動経路PA1とオーバーラップしない位置に配置されている。よって、第1把持部510が工具ホルダ9Aにアプローチする際に、第1把持部510が各センサ6と干渉することがない。なお、図13において、ドットによるハッチングが付与された部分が第1把持部510の移動経路PA1に対応する。図13に記載の例では、第1把持部510の移動経路PA1は、円弧状の移動経路である。
【0047】
図14に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、第1軸AX1に沿う方向に見て、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする工具交換アーム50全体の移動経路PA2とオーバーラップしない位置に配置されている。よって、工具交換アーム50が工具ホルダ9Aにアプローチする際に、工具交換アーム50が各センサ6と干渉することがない。なお、図14において、ドットによるハッチングが付与された部分が工具交換アーム50全体の移動経路PA2に対応する。図14に記載の例では、工具交換アーム50全体の移動経路PA2は、蝶形状を有する。
【0048】
代替的に、少なくとも1つのセンサ6が、第1軸AX1に沿う方向に見て、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510(あるいは、工具交換アーム50)の移動経路とオーバーラップする位置に配置されていてもよい。この場合でも、図12に例示されるように、当該少なくとも1つのセンサ6と、当該移動経路とが、第1軸AX1に沿う方向において互いにずれていれば、当該少なくとも1つのセンサ6と第1把持部510(あるいは、工具交換アーム50)とが互いに干渉することはない。
【0049】
図15に記載の例において、複数のセンサ6の各々は、非接触センサである。より具体的には、複数のセンサ6の各々は、工具ホルダ9Aに対して離間した位置から、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aの外周面90uの変位を測定する。複数のセンサ6の各々は、工具ホルダ9Aの外周面90uまでの距離を測る測距センサである。
【0050】
図15に記載の例では、第1軸AX1に沿う方向に見て、第1センサ61と第1軸AX1とを結ぶ第1線分LN1と、第2センサ62と第1軸AX1とを結ぶ第2線分LN2との間のなす角度αは、略90度(より具体的には、80度以上100度以下)である。
【0051】
角度αが略90度である場合、第1センサ61および第2センサ62を用いて取得される測定データを用いて、工具ホルダ9Aのラジアル変位をより正確に算出することができる。また、当該ラジアル変位の多寡に基づいて、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重をより正確に監視することができる。
【0052】
図16に例示されるように、第1センサ61および第2センサ62の各々は、支持ブロック80に形成された空洞部81に配置されてもよい。また、第1センサ61および第2センサ62の各々は、カバー89によって覆われていてもよい。この場合、第1センサ61および第2センサ62の各々に、切粉、塵埃、クーラント液等の異物が付着することが防止される。カバー89の材質はセンサの検出を阻害しないもの(例えば、セラミック、ステンレスなどの非磁性体金属)を用いる。
【0053】
図17に例示されるように、スピンドル2の先端2eをとおり第1軸AX1に垂直な面を第1面PL1と定義する。また、第1面PL1に平行且つ第1面PL1よりも12mmだけ第1方向DR1に位置する面を第2面PL2と定義する。図17に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、第1面PL1と第2面PL2との間に配置されている。
【0054】
図16に例示されるように、工具交換アーム50が、第2面PL2よりも第1方向DR1側を移動するように構成される場合を想定する。この場合、工具交換アーム50が、第1面PL1と第2面PL2との間に配置される複数のセンサ6と干渉することはない。
【0055】
図17に記載の例では、第1センサ61および第2センサ62は、第1軸AX1に垂直な1つの面PL4上に配置されている。
【0056】
図21または図22に記載の例では、複数のセンサ6の各々は、制御装置7に、測定データDTを送信する。図21または図22に記載の例では、複数のセンサ6と制御装置7とを接続する信号線SLの全体がハウジング30の外に配置されている。この場合、ハウジング30の内側に信号線SLを配置する作業が不要である。なお、複数のセンサ6の各々から制御装置7に、無線で、測定データDTが送信される場合には、信号線SLは省略される。
【0057】
(支持ブロック80)
図11に記載の例では、工作機械1Aは、ハウジング30の先端部33に取り付けられる支持ブロック80を備える。支持ブロック80は、ボルト等の固定部材を介して、ハウジング30の先端部33に取り付けられる。支持ブロック80は、1つの部品によって構成されていてもよいし、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0058】
支持ブロック80は、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)を支持する。この場合、支持ブロック80をハウジング30から取り外すことにより、支持ブロック80に支持された複数のセンサ6を容易にメンテナンスすることができる。図11に記載の例では、支持ブロック80をハウジング30から取り外した後でなければ、支持ブロック80から複数のセンサ6を取り外すことができない。代替的に、ハウジング30に取り付けられた状態の支持ブロック80から、複数のセンサ6を取り外すことが可能なように構成されてもよい。
【0059】
図11に記載の例では、1つの支持ブロック80が、第1センサ61および第2センサ62の両方を支持する。代替的に、支持ブロック80は、第1センサ61を支持する第1ブロックと、第1ブロックとは別に設けられ第2センサ62を支持する第2ブロックと、を含んでいてもよい。
【0060】
図11に記載の例では、支持ブロック80のうち、ハウジング30の先端面33s(換言すれば、ハウジング30の第1方向DR1側の端面)よりも第1方向DR1側に配置される部分は、板状体80pである。また、板状体80pの板厚方向は、第1軸AX1と平行である。支持ブロック80の一部が板状体80pによって構成されていてもよいし、支持ブロック80の全体が板状体80pによって構成されていてもよい。
【0061】
支持ブロック80のうち、ハウジング30の先端面33sよりも第1方向DR1側に配置される部分が板状体80pである場合、先端面33sからの支持ブロック80の第1方向DR1への突出長さL1を小さくすることができる。
【0062】
図11に記載の例では、ハウジング30の先端面33sからの支持ブロック80(より具体的には、板状体80p)の第1方向DR1への突出長さL1は、12mm以下である。突出長さL1が小さいことにより、工具交換装置5(より具体的には、工具交換アーム50)が支持ブロック80と干渉することが防止される。
【0063】
図18に例示されるように、第1軸AX1を含む面であって、ハウジング30を第1部分30aと第2部分30bとに仮想的に分割する面を第3面PL3と定義する。第3面PL3は、第1面PL1(図16を参照。)と垂直な面である。また、図18において、第3面PL3は、ハウジング30を2つの半体に仮想的に分割する。
【0064】
図18に記載の例では、支持ブロック80は、ハウジング30の先端面33sのうち、第1部分30aの先端面33aの一部のみを覆う。よって、ハウジング30の第2部分30bの先端面33bには、支持ブロック80が全く配置されていない。この場合、第2部分30bの先端面33bに面する領域を、第1把持部510の移動経路として好適に利用することができる(図13を参照。)。
【0065】
図13に記載の例では、第2部分30bの先端面33bには支持ブロック80が配置されていないため、工具交換アーム50に多少の撓みが生じても、工具交換アーム50が支持ブロック80に接触しない。また、工具交換アーム50の厚さが、アーム先端から第2軸AX2に向かって厚くなるように設定されている場合でも、工具交換アーム50のうちの相対的に厚い部分が、支持ブロック80に接触しない。
【0066】
図18に記載の例では、支持ブロック80は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aの外周面90u(より具体的には、後述のフランジ95の外周面95u)に対向配置される円弧状の内側側面86を有する。第1軸AX1に沿う方向に見て、円弧状の内側側面86の中心角βの大きさは、例えば、90度以上180度以下である。
【0067】
支持ブロック80の内側側面86とスピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aの外周面90uとの間には微小隙間が形成される。内側側面86と外周面90uとの間の隙間が微小であることにより、当該隙間に、異物が進入することが防止または抑制される。図17に記載の例では、支持ブロック80の内側側面86の少なくとも一部が、第1センサ61を覆うカバー89によって構成されている。
【0068】
複数のセンサ6を支持する支持ブロック80は、新品の加工ヘッド3のハウジング30に取り付けられてもよいし、既存の加工ヘッド3(換言すれば、ワークWの加工のために既に使用された加工ヘッド3)のハウジング30に取り付けられてもよい。
【0069】
(工具ホルダ9)
図19または図20に記載の例において、工具ホルダ9は、工具T(より具体的には、回転工具)を保持する。工具ホルダ9が保持する工具Tは、ドリル、タップ工具、フライス工具、ギヤスカイビング工具等の切削工具T1であってもよいし、摩擦攪拌接合工具T2であってもよい。図19に記載の例では、工具ホルダ9は、切削工具T1を保持する切削工具用工具ホルダ90aである。他方、図20に記載の例では、工具ホルダ9は、摩擦攪拌接合工具T2を保持する摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bである。
【0070】
図19または図20に記載の例では、工具ホルダ9は、基端部91と、先端部93と、基端部91と先端部93との間に配置されるフランジ95と、を有する。
【0071】
基端部91はスピンドル2によって保持される。図19または図20に記載の例では、基端部91は、基端に向かうにつれて工具ホルダ9の中心軸に向かうテーパ面91tを有する。
【0072】
図19または図20に記載の例では、工具ホルダ9の先端部93から、工具TのシャフトSHが突出している。
【0073】
図16に例示されるように、工具ホルダ9Aがスピンドル2に取り付けられた状態において、フランジ95の基端面95sは、スピンドル2の先端面23sと接触してもよい。図16に記載の例において、フランジ95の基端面95sの外径D1は、スピンドル2の先端面23sの外径D2よりも小さい。工具ホルダ9Aがスピンドル2に取り付けられた状態において、フランジ95の基端面95sの全体が、スピンドル2の先端面23sと接触するように構成されてもよい。
【0074】
フランジ95は、工具交換装置5(より具体的には、工具交換装置5の第1把持部510、または、工具交換装置5の第2把持部520)によって把持される。図19または図20に記載の例では、フランジ95は、工具交換装置5(より具体的には、工具交換装置5の第1把持部510、または、工具交換装置5の第2把持部520)によって把持可能な溝部95v(より具体的には、環状の溝部)を有する。図9および図10に記載の例では、工具交換装置5の第1把持部510は、工具ホルダ9のフランジ95(より具体的には、図19または図20に例示されるフランジ95の溝部95v)を把持可能である。
【0075】
図16に記載の例において、複数のセンサ6の各々は、工具ホルダ9Aがスピンドル2に取り付けられた状態において、当該工具ホルダ9Aのフランジ95の外周面95uに対向する位置に配置される。換言すれば、複数のセンサ6の各々は、工具ホルダ9Aがスピンドル2に取り付けられた状態において、当該工具ホルダ9Aのフランジ95の外周面95uの変位を測定可能である。
【0076】
更により具体的には、図16に記載の例において、第1センサ61および第2センサ62の各々は、工具ホルダ9Aがスピンドル2に取り付けられた状態において、当該工具ホルダ9Aのフランジ95の外周面95uのうち、溝部95vよりも第2方向DR2側に配置された部分の外周面に対向する位置に配置される。換言すれば、第1センサ61および第2センサ62の各々は、工具ホルダ9Aがスピンドル2に取り付けられた状態において、当該工具ホルダ9Aのフランジ95の外周面95uのうち、溝部95vよりも第2方向DR2側に配置された部分の外周面の変位を測定可能である。
【0077】
図19および図20に記載の例において、切削工具用工具ホルダ90aの基端部91の形状およびサイズは、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bの基端部91の形状およびサイズと同じである。よって、スピンドル2には、切削工具用工具ホルダ90aと摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bとを選択的に取り付け可能である。
【0078】
図19および図20に記載の例において、切削工具用工具ホルダ90aのフランジ95の形状およびサイズは、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bのフランジ95の形状およびサイズと同じである。よって、工具交換装置5の第1把持部510は、切削工具用工具ホルダ90aのフランジ95と、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bのフランジ95とを、選択的に把持可能である。
【0079】
第1の実施形態における工作機械1Aにおいて、第1センサ61および第2センサ62の各々は、汎用の工具ホルダ9の外周面の変位を測定可能であることが好ましい。この場合、第1の実施形態における工作機械1A用に、専用の工具ホルダを用意する必要がない。
【0080】
(加工ヘッド3、および、移動装置45)
図21に記載の例では、工作機械1Aは、加工ヘッド3と、ワーク支持装置16と、加工ヘッド3をワーク支持装置16に対して相対移動させる移動装置45と、を備える。
【0081】
加工ヘッド3は、工具ホルダ9Aを支持する、より具体的には、加工ヘッド3は、工具ホルダ9Aが取り付けられるスピンドル2と、軸受11と、軸受11を介してスピンドル2を回転可能に支持するハウジング30とを含む。加工ヘッド3は回転駆動装置40を含んでいてもよい。スピンドル2、軸受11、ハウジング30、回転駆動装置40については説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0082】
ワーク支持装置16は、ワークWを支持する。図21に記載の例では、ワーク支持装置16は、ワークWを支持する支持体17(例えば、テーブル17t)を含む。
【0083】
図21に記載の例では、移動装置45は、加工ヘッド3を移動させる加工ヘッド移動装置46を含む。加工ヘッド移動装置46は、加工ヘッド3を3次元的に移動させることが可能な装置であってもよい。換言すれば、加工ヘッド移動装置46は、加工ヘッド3を鉛直方向に平行な方向に移動させることができ、加工ヘッド3を水平面に平行なX軸方向に移動させることができ、加工ヘッド3を水平面に平行且つX軸に垂直なY軸方向に移動させることができてもよい。
【0084】
図21に記載の例では、移動装置45は、支持体17を移動させる支持体移動装置47(より具体的には、テーブル17tを移動させるテーブル移動装置)を含む。支持体移動装置47は、支持体17を水平面に平行な方向に移動させることが可能な装置であってもよい。代替的に、あるいは、付加的に、支持体移動装置47は、支持体17を、鉛直方向に平行な軸まわりに回動させることが可能な装置であってもよい。代替的に、あるいは、付加的に、支持体移動装置47は、支持体17を、水平面に平行な軸まわりに傾動させることが可能な装置であってもよい。
【0085】
(複合加工機)
工作機械1Aは、複数種類の加工を実行可能な複合加工機であってもよい。例えば、工作機械1Aは、切削加工と摩擦攪拌接合との両方を実行可能な複合加工機であってもよい。
【0086】
図21および図22に記載の例では、スピンドル2には、切削工具T1を保持する切削工具用工具ホルダ90a(図21を参照。)と、摩擦攪拌接合工具T2を保持する摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90b(図22を参照。)と、を選択的に取り付け可能である。また、図3乃至図7に記載の例では、工具交換装置5は、スピンドル2に取り付けられた切削工具用工具ホルダ90aおよび摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bのうちの一方を、切削工具用工具ホルダ90aおよび摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bのうちの他方に交換可能である。
【0087】
図21に例示されるように、スピンドル2に切削工具用工具ホルダ90aが取り付けられているとき、複数のセンサ6の各々(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62の各々)は、切削工具用工具ホルダ90aの外周面(より具体的には、切削工具用工具ホルダ90aのフランジ95の外周面)に対向する位置に配置される。また、複数のセンサ6の各々(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62の各々)は、スピンドル2に取り付けられた状態の切削工具用工具ホルダ90aの外周面(より具体的には、切削工具用工具ホルダ90aのフランジ95の外周面)の変位を測定する。
【0088】
図22に例示されるように、スピンドル2に摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bが取り付けられているとき、複数のセンサ6の各々(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62の各々)は、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bの外周面(より具体的には、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bのフランジ95の外周面)に対向する位置に配置される。また、複数のセンサ6の各々(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62の各々)は、スピンドル2に取り付けられた状態の摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bの外周面(より具体的には、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bのフランジ95の外周面)の変位を測定する。
【0089】
(制御装置7)
図21または図22に記載の例では、工作機械1Aは、制御装置7を備える。1つのコンピュータが制御装置7として機能してもよいし、複数のコンピュータが協働して制御装置7として機能してもよい。図21または図22に例示されるように、制御装置7は、ハードウェアプロセッサ71(以下、単に、「プロセッサ71」という。)と、メモリ72と、通信回路75と、入力装置76と、ディスプレイ77と、を備える。図21または図22に記載の例では、プロセッサ71と、メモリ72と、通信回路75と、入力装置76と、ディスプレイ77とが、バス78を介して互いに接続されている。図21または図22に記載の例では、ディスプレイ77は、入力装置76としても機能するタッチパネル付きディスプレイ772である。
【0090】
メモリ72は、制御装置7のプロセッサ71によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ72は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。メモリ72は、データ、および、プログラムを記憶する。メモリ72は、複数箇所に分散配置されていてもよい。図21または図22に記載の例では、メモリ72は、後述の第1の変位成分値DA1の時系列データと、後述の第2の変位成分値DA2の時系列データと、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1の時系列データとを記憶する。また、図21または図22に記載の例では、メモリ72は、後述の閾値THを記憶している。更に、図21または図22に記載の例では、メモリ72は、加工プログラムPGを記憶している。
【0091】
入力装置76は、タッチパネル付きディスプレイ772に限定されない。例えば、制御装置7は、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置と、当該入力装置に入力されたデータ、あるいは、その他の情報を表示するディスプレイと、を備えていてもよい。
【0092】
図21または図22に記載の例において、制御装置7は、複数のセンサ6の各々から測定データDTを受け取る。また、制御装置7は、複数のセンサ6から受け取る測定データDTに基づいて、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を算出する。なお、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1は、より具体的には、第1軸AX1に垂直かつ第1センサ61および第2センサ62をとおる面PL4(図17を参照。)内における、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさである。
【0093】
スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1の算出の一例について説明する。
【0094】
制御装置7は、複数のセンサ6の各々から受け取る測定データDTを、フィルタ処理(例えば、高周波成分を除去する処理)および移動平均処理する。図23の上段には、第1センサ61によって測定された測定データをフィルタ処理および移動平均処理することにより得られる第1の変位成分値DA1の時間変化の一例が示されている。また、図23の中段には、第2センサ62によって測定された測定データをフィルタ処理および移動平均処理することにより得られる第2の変位成分値DA2の時間変化の一例が示されている。
【0095】
図23に記載の例において、ワークの加工開始前(18秒より前)、および、ワークの加工開始後(18秒より後)において、スピンドル2は、3万回転/分の回転速度で第1軸AX1まわりに回転している。ワークの加工開始前の所定期間における第1センサ61の測定データの出力値の平均(より具体的には、ワークの加工開始前の所定期間における第1の変位成分値DA1の平均)を第1基準値B1と定義する。また、ワークの加工開始前の所定期間における第2センサ62の測定データの平均(より具体的には、ワークの加工開始前の所定期間における第2の変位成分値DA2の平均)を第2基準値B2と定義する。なお、所定期間は、例えば、スピンドル2の回転数が予め定められた回転数(例えば、3万回転/分)に達してから予め定められた第1時間を経過するタイミングから、スピンドル2の回転数が予め定められた回転数(例えば、3万回転/分)に達してから予め定められた第2時間を経過するタイミングまでの期間である。
【0096】
制御装置7は、ラジアル変位の大きさV1={(第1の変位成分値DA1-第1基準値B1)+(第2の変位成分値DA2-第2基準値B2)0.5の計算式に基づいて、ワークの加工開始後における、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1(図23の下段のグラフを参照。)を算出することができる。
【0097】
図24には、(第1の変位成分値DA1-第1基準値B1)と、(第2の変位成分値DA2-第2基準値B2)と、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1との関係が図示されている。なお、図24において、矢印R1は、工具Tの回転方向(換言すれば、スピンドル2の回転方向)を示す。また、矢印F1は、工具Tの移動方向(換言すれば、工具Tによるワークの加工方向)を示す。
【0098】
なお、第1センサ61と第1軸AX1とを結ぶ第1線分LN1と、第2センサ62と第1軸AX1とを結ぶ第2線分LN2との間のなす角度α(図15を参照。)が90度以外の角度である場合には、ラジアル変位の大きさV1を算出するアルゴリズムは、図23および図24に示されるアルゴリズムとは異なるアルゴリズムになる。また、工作機械1Aが、第1センサ61および第2センサ62に加えて他のセンサを有する場合には、当該他のセンサの測定データを利用することにより、上述のラジアル変位の大きさV1の算出精度を向上させることができる。
【0099】
制御装置7は、上述のラジアル変位の大きさV1に基づいて、回転駆動装置40および移動装置45のうちの少なくとも一方を制御する。当該制御の詳細については、後述される。
【0100】
図21または図22に記載の例において、制御装置7は、工作機械1Aの制御対象機器(例えば、加工ヘッド3、工具交換装置5、ストッカ14、ワーク支持装置16、移動装置45等)に、制御指令を送信する。より具体的には、制御装置7がメモリ72に記憶された加工プログラムPGを実行することにより、制御装置7は制御指令を生成する。また、通信回路75は、各制御対象機器に、制御装置7によって生成された制御指令を送信する。
【0101】
(第1加工モードM1)
図21に記載の例では、制御装置7は、ワークWを切削する第1加工モードM1を実行可能である。第1加工モードM1は、制御装置7が回転駆動装置40に第1回転指令U1を送信することと、制御装置7が移動装置45(例えば、加工ヘッド移動装置46)に第1移動指令Q1を送信することを含む。
【0102】
より具体的には、第1加工モードM1が実行される際に、制御装置7は、回転駆動装置40に第1回転指令U1を送信する。制御装置7から第1回転指令U1を受け取る回転駆動装置40は、工具ホルダ9(より具体的には、切削工具用工具ホルダ90a)が取り付けられたスピンドル2を第1軸AX1まわりに回転させる。こうして、工具ホルダ9に保持された切削工具T1が回転する。
【0103】
また、第1加工モードM1が実行される際に、制御装置7は、移動装置45(例えば、加工ヘッド移動装置46)に第1移動指令Q1を送信する。制御装置7から第1移動指令Q1を受け取る移動装置45(例えば、加工ヘッド移動装置46)は、切削工具T1がワークWに接触するよう、加工ヘッド3をワーク支持装置16に対して相対移動させる。こうして、回転状態の切削工具T1がワークWに接触し、ワークWが切削工具T1によって切削される。
【0104】
(第2加工モードM2)
図22に記載の例では、制御装置7は、ワークWに摩擦攪拌接合を適用する第2加工モードM2を実行可能である。より具体的には、第2加工モードM2は、ワークWと被接合部材W2(換言すれば、第2ワーク)とを摩擦攪拌によって接合するモードである。第2加工モードM2において、ワークWと被接合部材W2とは、摩擦攪拌によって突き合わせ接合されてもよいし、摩擦攪拌によって重ね合わせ接合されてもよい。第2加工モードM2は、制御装置7が回転駆動装置40に第2回転指令U2を送信することと、制御装置7が移動装置45(例えば、加工ヘッド移動装置46)に第2移動指令Q2を送信することを含む。
【0105】
より具体的には、第2加工モードM2が実行される際に、制御装置7は、回転駆動装置40に第2回転指令U2を送信する。制御装置7から第2回転指令U2を受け取る回転駆動装置40は、工具ホルダ9(より具体的には、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90b)が取り付けられたスピンドル2を第1軸AX1まわりに回転させる。こうして、工具ホルダ9に保持された摩擦攪拌接合工具T2が回転する。
【0106】
また、第2加工モードM2が実行される際に、制御装置7は、移動装置45(例えば、加工ヘッド移動装置46)に第2移動指令Q2を送信する。制御装置7から第2移動指令Q2を受け取る移動装置45(例えば、加工ヘッド移動装置46)は、摩擦攪拌接合工具T2がワークWおよび被接合部材W2に接触するよう、加工ヘッド3をワーク支持装置16に対して相対移動させる。こうして、回転状態の摩擦攪拌接合工具T2がワークWおよび被接合部材W2に接触し、ワークWと被接合部材W2とが摩擦攪拌接合される。
【0107】
(工具交換モードM3)
図3乃至図7に記載の例では、制御装置7は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aを第2工具ホルダ9Bに交換する工具交換モードM3を実行可能である。工具交換モードM3は、制御装置7が工具交換装置5に工具交換指令C1を送信することを含む。付加的に、工具交換モードM3は、制御装置7が移動装置45に第3移動指令Q3を送信すること、および/または、制御装置7がストッカ14に取出指令J1を送信することを含んでいてもよい。
【0108】
例えば、工具交換モードM3が実行される際に、制御装置7は、移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)に第3移動指令Q3を送信する。制御装置7から第3移動指令Q3を受け取る移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)は、工具ホルダ9Aが第1の工具交換位置P1(図3を参照。)に位置するよう、工具ホルダ9Aを支持する加工ヘッド3を移動させる。また、工具交換モードM3が実行される際に、制御装置7は、ストッカ14に取出指令J1を送信する。制御装置7から取出指令J1を受け取るストッカ14は、第2工具ホルダ9Bを第2の工具交換位置P2に移動させる。より具体的には、ストッカ14は、保持部材移動装置143および取出装置145を用いて、第2工具ホルダ9Bを第2の工具交換位置P2に移動させる。
【0109】
工具交換モードM3が実行される際に、制御装置7は、工具交換装置5に工具交換指令C1を送信する。工具交換指令C1を受け取る工具交換装置5は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aを、第2工具ホルダ9Bと交換する。例えば、工具交換装置5は、制御装置7から工具交換指令C1を受け取ると、工具交換アーム50、アーム回転装置54、および、アーム移動装置56を用いて、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aを、第2の工具交換位置P2に位置する第2工具ホルダ9Bと交換する。
【0110】
図3乃至図7に記載の例では、工具交換モードM3が実行される際に、制御装置7から工具交換指令C1を受け取る工具交換装置5は、工具交換アーム50が複数のセンサ6および支持ブロック80のいずれとも干渉しない移動経路をとおるように、工具交換アーム50を移動させる。
【0111】
図3および図4に記載の例では、工具交換アーム50が工具ホルダ9Aのフランジ95にアプローチする際に、工具交換アーム50は、スピンドル2の先端面から近い領域を横切る。図3および図4に記載の例では、スピンドル2の先端面から近い領域を横切る工具交換アーム50と、複数のセンサ6および支持ブロック80とが干渉しないよう、複数のセンサ6の配置およびサイズ、並びに、支持ブロック80の配置およびサイズが工夫されている。例えば、図11に例示されるように、ハウジング30の先端面33sからの支持ブロック80の第1方向DR1への突出長さL1が小さな値に設定されている。また、工具交換モードM3が実行される際に工具交換アーム50が通る移動経路よりも第2方向DR2側に、複数のセンサ6および支持ブロック80が配置されている。
【0112】
(監視モードM4)
図21または図22に例示されるように、制御装置7は、軸受11に作用するラジアル負荷を監視する監視モードM4を実行可能である。
【0113】
監視モードM4が実行される際に、制御装置7は、複数のセンサ6から受け取る測定データDTに基づいて、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を算出する。制御装置7が、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を算出するアルゴリズムについては説明済みであるため、当該ラジアル変位の大きさV1の算出についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0114】
工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1は、微小である(工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1は、例えば、100μm以下である。)。この場合、軸受11(例えば、前部軸受11a)がスピンドル2から受けるラジアル荷重は、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1の関数(より具体的には、線形関数)となる。よって、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を監視することにより、軸受11に作用するラジアル負荷を監視することができる。
【0115】
監視モードM4が実行される際に、制御装置7は、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を、予め設定された閾値THと比較してもよい。図21または図22に記載の例において、閾値THは、メモリ72に記憶されている。
【0116】
監視モードM4が実行される際に、制御装置7は、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重が過剰であると判定してもよい。また、制御装置7は、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値TH以下である場合に、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重が許容範囲内であると判定してもよい。
【0117】
図25に記載の例では、制御装置7は、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)に保持された工具Tの送り速度が低下され、且つ、当該工具TによるワークWの加工が中断されることなく継続されるように、移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を制御する。なお、工具Tの送り速度は、より具体的には、ワークの加工方向(図24における矢印F1を参照。)における工具Tの移動速度を意味する。
【0118】
工具ホルダ9に保持された工具Tの送り速度が低下されることにより、工具ホルダ9の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THよりも小さくなる。また、当該工具TによるワークWの加工が完了するまで、当該工具TによるワークWの加工が継続されることにより、ワークWが不良品となることが防止または抑制される。
【0119】
付加的に、制御装置7は、工具Tの送り速度の低下に合わせて、他の加工パラメータ(例えば、スピンドル2の回転速度)を自動調整してもよい。また、図25に記載の例において、制御装置7は、工具Tの送り速度を低下させるとともに、アラートを発出してもよい。
【0120】
代替的に、図26に例示されるように、制御装置7は、工具ホルダ9(例えば、工具ホルダ9A、または、第2工具ホルダ9B)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、工具TによるワークWの加工を中断してアラートを発出してもよい。なお、アラートの発出は、ディスプレイ77に警告メッセージを表示することにより行われてもよいし、警告音を発することにより行われてもよい。
【0121】
上述の監視モードM4は、上述の第1加工モードM1の実行中に継続的に実行されることが好ましい。例えば、上述の第1加工モードM1の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9(より具体的には、切削工具用工具ホルダ90a)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を常時監視する。また、上述の第1加工モードM1の実行中に、工具ホルダ9(より具体的には、切削工具用工具ホルダ90a)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が予め設定された閾値THを超えることに応じて、制御装置7は、工具ホルダ9に保持された切削工具T1の送り速度が低下され、且つ、当該切削工具T1によるワークWの加工が中断されることなく継続されるように(図25を参照。)、移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を制御する。代替的に、上述の第1加工モードM1の実行中に、工具ホルダ9(より具体的には、切削工具用工具ホルダ90a)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が予め設定された閾値THを超えることに応じて、制御装置7は、切削工具T1によるワークWの切削加工を中断してアラートを発出してもよい(図26を参照。)。
【0122】
上述の監視モードM4は、上述の第2加工モードM2の実行中に継続的に実行されることが好ましい。例えば、上述の第2加工モードM2の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9(より具体的には、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90b)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1を常時監視する。また、上述の第2加工モードM2の実行中に、工具ホルダ9(より具体的には、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90b)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が予め設定された閾値THを超えることに応じて、制御装置7は、工具ホルダ9に保持された摩擦攪拌接合工具T2の送り速度が低下され、且つ、当該摩擦攪拌接合工具T2によるワークWの加工が中断されることなく継続されるように(図25を参照。)、移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を制御する。代替的に、上述の第2加工モードM2の実行中に、工具ホルダ9(より具体的には、摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90b)の外周面90uのラジアル変位の大きさV1が予め設定された閾値THを超えることに応じて、制御装置7は、摩擦攪拌接合工具T2によるワークWの接合加工を中断してアラートを発出してもよい(図26を参照。)。
【0123】
(第2の実施形態)
図27乃至図36を参照して、第2の実施形態における工作機械1Bについて説明する。図27は、第2の実施形態における工作機械1Bを模式的に示す概略正面図である。図28は、第2の実施形態における工作機械1Bの一部分を模式的に示す概略底面図である。図29乃至図31は、第2の実施形態における工作機械1Bを模式的に示す概略正面図である。図32は、第2の実施形態における工作機械1Bの一部分を模式的に示す概略正面図である。図33および図34は、第2の実施形態における工作機械1Bの一部分を模式的に示す概略底面図である。図35および図36は、第2の実施形態の変形例における工作機械1Bを模式的に示す概略正面図である。なお、図32および図33において、第1把持部510の移動経路PA1を把握し易くするために、当該移動経路PA1にドットによるハッチングが付与されている。
【0124】
第2の実施形態における工作機械1Bは、工具交換装置5がストッカ14としても機能する点において、第1の実施形態における工作機械1Aとは異なる。その他の点では、第2の実施形態における工作機械1Bは、第1の実施形態における工作機械1Aと同様である。
【0125】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第2の実施形態で説明される全ての事項は、第1の実施形態に適用可能である。
【0126】
図27に例示されるように、第2の実施形態における工作機械1Bは、(1)工具ホルダ9が取り付けられるスピンドル2と、(2)軸受11を介してスピンドル2を回転可能に支持するハウジング30と、(3)スピンドル2を第1軸AX1まわりに回転させる回転駆動装置40と、(4)スピンドル2に対する工具ホルダ9の着脱を行う工具交換装置5と、(5)スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9の外周面(より具体的には、工具ホルダ9のフランジ95の外周面)の変位を測定する複数のセンサ6と、を具備する。
【0127】
図27に記載の例において、複数のセンサ6は、制御指令に基づいて動作する工具交換装置5の移動経路から外れた位置であって、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9の外周面(より具体的には、工具ホルダ9のフランジ95の外周面)に対向する位置に配置される。
【0128】
よって、第2の実施形態における工作機械1Bは、第1の実施形態における工作機械1Aと同様の効果を奏する。
【0129】
スピンドル2、ハウジング30、回転駆動装置40、複数のセンサ6については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0130】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図36を参照して、第2の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0131】
(工具交換装置5)
図28に記載の例では、工具交換装置5は、複数の工具ホルダ9を保管するストッカ14として機能する。より具体的には、複数の工具ホルダ9は、複数の把持部にそれぞれ把持された状態で工具交換装置5に保管される。
【0132】
図28に例示されるように、工具交換装置5は、工具ホルダ9Aを把持可能な第1把持部510を有する。また、工具交換装置5は、第2工具ホルダ9Bを把持可能な第2把持部520を有する。図28に記載の例において、工具交換装置5は、第1把持部510および第2把持部520を用いて、工具ホルダ9Aおよび第2工具ホルダ9Bを同時に把持可能である。図28に記載の例において、第1把持部510は、工具ホルダ9Aのフランジ95(より具体的には、図19または図20に例示されるフランジ95の溝部95v)を把持可能である。また、図28に記載の例において、第2把持部520は、第2工具ホルダ9Bのフランジ95(より具体的には、図19または図20に例示されるフランジ95の溝部95v)を把持している。
【0133】
図29および図30に記載の例では、工具交換装置5は、第1把持部510および第2把持部520を含む複数の把持部を第2軸AX2に沿って直線的に移動させる第1移動装置57aを有する。図29および図30に記載の例では、第2軸AX2は、第1軸AX1と平行である。
【0134】
図30に記載の例では、工具交換装置5は、第1把持部510および第2把持部520を含む複数の把持部を第2軸AX2に垂直な面に沿って移動させる第2移動装置57bを有する。より具体的には、第2移動装置57bは、第1把持部510および第2把持部520を含む複数の把持部を、第2軸AX2まわりに旋回させる(矢印R1を参照。)。
【0135】
図27に記載の例では、工具交換装置5は、第1把持部510および第2把持部520を含む複数の把持部を第2軸AX2に垂直な第3方向DR3に移動させる第3移動装置57cを有する。
【0136】
図27図29乃至図31に記載の例では、工具交換装置5は、制御指令に基づいて、スピンドル2に対する工具ホルダ9Aの着脱を行う。図27図29乃至図31に記載の例では、工具交換装置5は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aと、工具交換装置5に配置された第2工具ホルダ9Bとを交換可能である。
【0137】
(センサ6)
図32に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510の移動経路PA1から、第1軸AX1に沿う方向において外れた位置に配置されている。より具体的には、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510の移動経路PA1よりも第2方向DR2に配置されている。よって、第1把持部510が工具ホルダ9Aにアプローチする際に、第1把持部510が各センサ6と干渉することがない。
【0138】
図32に記載の例では、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)は、第1面PL1と第2面PL2との間に配置されている。なお、第1面PL1は、スピンドル2の先端2eをとおり第1軸AX1に垂直な面であり、第2面PL2は、第1面PL1に平行且つ第1面PL1よりも12mmだけ第1方向DR1に位置する面である。
【0139】
図32および図33において、ドットによるハッチングが付与された部分が第1把持部510の移動経路PA1に対応する。
【0140】
図33に例示されるように、第2センサ62は、第1軸AX1に沿う方向に見て、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aにアプローチする第1把持部510の移動経路PA1とオーバーラップする位置に配置されていてもよい。この場合でも、図32に例示されるように、当該第2センサ62と、当該移動経路PA1とが、第1軸AX1に沿う方向において互いにずれていれば、当該第2センサ62と第1把持部510とが互いに干渉することはない。
【0141】
図34に記載の例では、第1軸AX1に沿う方向に見て、第1センサ61と第1軸AX1とを結ぶ第1線分と、第2センサ62と第1軸AX1とを結ぶ第2線分との間のなす角度αは、略90度(より具体的には、80度以上100度以下)である。
【0142】
(支持ブロック80)
図32に記載の例では、工作機械1Bは、ハウジング30の先端部33に取り付けられる支持ブロック80を備える。支持ブロック80は、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62)を支持する。
【0143】
図32に記載の例では、支持ブロック80のうち、ハウジング30の先端面33sよりも第1方向DR1側に配置される部分は、板状体80pである。図32に記載の例では、ハウジング30の先端面33sからの支持ブロック80(より具体的には、板状体80p)の第1方向DR1への突出長さL1は、12mm以下である。図32に例示されるように、支持ブロック80は、ハウジング30の側面30cに接する部分80cを有していてもよい。
【0144】
図34に例示されるように、第1軸AX1を含む面であって、ハウジング30を第1部分30aと第2部分30bとに仮想的に分割する面を第3面PL3と定義する。図34に記載の例では、支持ブロック80は、ハウジング30の先端面33sのうち、第1部分30aの先端面33aの一部のみを覆う。
【0145】
図34に記載の例では、支持ブロック80は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aの外周面90u(より具体的には、工具ホルダ9Aのフランジの外周面95u)に対向配置される円弧状の内側側面86を有する。第1軸AX1に沿う方向に見て、円弧状の内側側面86の中心角βの大きさは、例えば、90度以上180度以下である。
【0146】
(制御装置7)
図27に記載の例では、工作機械1Bは、制御装置7を備える。また、制御装置7は、第1加工モードM1および/または第2加工モードM2と、工具交換モードM3と、監視モードM4と、を実行可能である。制御装置7、第1加工モードM1、第2加工モードM2、工具交換モードM3、監視モードM4については、第1の実施形態において説明済みであるため、制御装置7、および、制御装置7によって実行されるこれらのモードについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0147】
図29乃至図31に記載の例では、工具交換装置5は、静止状態の加工ヘッド3に対して工具ホルダ9Aの着脱を行う。
【0148】
代替的に、図35および図36に例示されるように、工具交換装置5がスピンドル2に対して工具ホルダ9Aの着脱を行う際に、加工ヘッド3が移動してもよい。図35および図36に記載の例では、工具交換時に、工具交換装置5および移動装置45は、制御指令に基づいて動作する。
【0149】
図35に記載の例において、制御装置7から制御指令を受け取る工具交換装置5は、工具ホルダ9Aを受け取る第1把持部510を第1の工具交換位置P1に移動させる。第1把持部510を第1の工具交換位置P1に移動させることは、第2移動装置57bが、第1把持部510を、第2軸AX2まわりに旋回させることを含んでいてもよい(矢印R1を参照。)。代替的に、あるいは、付加的に、第1把持部510を第1の工具交換位置P1に移動させることは、第3移動装置57cが、第1把持部510を、第2軸AX2に垂直な第3方向DR3に移動させることを含んでいてもよい。
【0150】
図35に記載の例において、制御装置7から制御指令を受け取る移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)は、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aが第1の工具交換位置P1に移動するよう、工具ホルダ9Aを支持する加工ヘッド3を工具交換装置5に向けて移動させる(矢印DR4を参照。)。
【0151】
図36に記載の例において、工具交換装置5は、スピンドル2に取り付けられ第1の工具交換位置P1に位置する工具ホルダ9Aと、工具交換装置5に配置される第2工具ホルダ9Bとを交換する。より具体的には、工具交換装置5は、第1移動装置57a、および、第2移動装置57bを用いて、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aを第2工具ホルダ9Bと交換する。
【0152】
(ワーク加工方法)
図1乃至図37を参照して、第3の実施形態におけるワーク加工方法について説明する。図37は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0153】
第3の実施形態におけるワーク加工方法は、工作機械1を用いて行われる。第3の実施形態におけるワーク加工方法は、第1の実施形態における工作機械1Aを用いて行われてもよいし、第2の実施形態における工作機械1Bを用いて行われてもよいし、その他の工作機械を用いて行われてもよい。
【0154】
第1ステップST1において、スピンドル2に工具ホルダ9Aが取り付けられる。第1ステップST1は、取付工程である。取付工程(第1ステップST1)では、工具交換装置5を用いて、ハウジング30によって軸受11を介して回転可能に支持されるスピンドル2に工具ホルダ9Aが取り付けられる。図1には、取付工程(第1ステップST1)が実行された後の状態が示されている。
【0155】
第2ステップST2において、ワークWが加工される。第2ステップST2は、ワーク加工工程である。図21には、ワーク加工工程を実行中の状態が示されている。ワーク加工工程(第2ステップST2)では、工具ホルダ9Aに保持された回転状態の工具T(例えば、切削工具T1)をワークWに接触させることにより、工具TによってワークWが加工される。
【0156】
図21に記載の例では、ワーク加工工程(第2ステップST2)は、(1)回転駆動装置40を用いて、スピンドル2を第1軸AX1まわりに回転させることと、(2)移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を用いて、スピンドル2に取り付けられ工具T(例えば、切削工具T1)を保持する工具ホルダ9Aを加工経路に沿う方向(より具体的には、第1軸AX1に垂直な方向)に移動させることと、を含む。図24における矢印F1は、加工経路に沿う方向の一例を示す。工具ホルダ9Aが加工経路に沿う方向に移動する際に、工具T(例えば、切削工具T1)はワークWからラジアル荷重を受け、工具ホルダ9Aには曲げ荷重が作用し、軸受11はスピンドル2からラジアル荷重を受ける。
【0157】
図21に記載の例では、ワーク加工工程の実行中に、スピンドル2に取り付けられた状態の工具ホルダ9Aの外周面(より具体的には、工具ホルダ9Aのフランジの外周面)の変位が測定される(測定工程)。当該測定工程は、工具交換装置5の移動経路から外れた位置に配置された複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62を含む複数のセンサ6)によって行われる。第1センサ61によって取得された測定データ、および、第2センサ62によって取得された測定データは、制御装置7に送信される。
【0158】
図21に記載の例では、ワーク加工工程の実行中に、制御装置7は、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62を含む複数のセンサ6)から受け取る測定データDTに基づいて、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1(より具体的には、工具ホルダ9Aのフランジ95の外周面のラジアル変位の大きさV1)を算出する。制御装置7が、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1を算出するアルゴリズムについては説明済みであるため、当該ラジアル変位の大きさV1の算出についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0159】
図21に記載の例では、ワーク加工工程の実行中に、制御装置7は、当該ラジアル変位の大きさV1に基づいて、軸受11に作用するラジアル負荷を監視する(監視工程)。監視工程の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重が過剰であると判定してもよい。また、監視工程の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値TH以下である場合に、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重が許容範囲内であると判定してもよい。
【0160】
監視工程の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1が閾値THを超えることに応じて、工具TがワークWから受ける力が減少するように加工パラメータを変更してもよい。また、変更された加工パラメータを用いて、工具TによるワークWの加工が継続されてもよい。より具体的には、図25に例示されるように、監視工程の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、工具ホルダ9Aに保持された工具Tの送り速度が低下され、且つ、当該工具TによるワークWの加工が中断されることなく継続されるように、移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を制御してもよい。
【0161】
代替的に、図26に例示されるように、監視工程の実行中に、制御装置7は、工具ホルダ9Aの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、工具TによるワークWの加工を中断してアラートを発出してもよい。
【0162】
第3ステップST3において、スピンドル2から工具ホルダ9Aが取り外される。第3ステップST3は、取外工程である。取外工程(第3ステップST3)では、工具交換装置5を用いて、スピンドル2から工具ホルダ9Aが取り外される。図5図30には、取外工程(第3ステップST3)が実行された後の状態が示されている。
【0163】
第4ステップST4において、スピンドル2に第2工具ホルダ9Bが取り付けられる。第4ステップST4は、第2取付工程である。第2取付工程(第4ステップST4)では、工具交換装置5を用いて、スピンドル2に第2工具ホルダ9Bが取り付けられる。図6図31には、取付工程(第1ステップST1)が実行される直前の状態が示されている。
【0164】
取外工程(第3ステップST3)および第2取付工程(第4ステップST4)は、工具交換装置5を用いて、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aを第2工具ホルダ9Bに交換する工具交換工程の一部を構成していてもよい。
【0165】
図3乃至図7に記載の例では、工具交換工程は、工具交換装置5が、スピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9Aを、ストッカ14に配置された第2工具ホルダ9Bに交換することを含む。より具体的には、工具交換工程は、(1)工具交換装置5の第1把持部510がスピンドル2に取り付けられた工具ホルダ9A(より具体的には、工具ホルダ9Aのフランジ95)を把持し、工具交換装置5の第2把持部520が第2工具ホルダ9B(より具体的には、第2工具ホルダ9Bのフランジ95)を把持することと(図4を参照。)、(2)スピンドル2から工具ホルダ9Aが取り外されるよう、工具交換装置5が、工具ホルダ9Aを把持する第1把持部510および第2工具ホルダ9Bを把持する第2把持部520を、第1方向DR1に移動させることと(取外工程:図5を参照。)、(3)工具交換装置5が、工具ホルダ9Aを把持する第1把持部510および第2工具ホルダ9Bを把持する第2把持部520を、第2軸AX2まわりに旋回させることと(図5および図6を参照。)、(4)スピンドル2に第2工具ホルダ9Bが取り付けられるよう、工具交換装置5が、工具ホルダ9Aを把持する第1把持部510および第2工具ホルダ9Bを把持する第2把持部520を、第2方向DR2に移動させることと(第2取付工程:図6および図7を参照。)、を含む。
【0166】
第5ステップST5において、ワークWが加工される。第5ステップST5は、第2のワーク加工工程である。図22には、第2のワーク加工工程を実行中の状態が示されている。第2のワーク加工工程(第5ステップST5)では、第2工具ホルダ9Bに保持された回転状態の第2工具(例えば、摩擦攪拌接合工具T2)をワークWに接触させることにより、第2工具によってワークWが加工される。
【0167】
図22に記載の例では、第2のワーク加工工程(第5ステップST5)は、(1)回転駆動装置40を用いて、スピンドル2を第1軸AX1まわりに回転させることと、(2)移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を用いて、スピンドル2に取り付けられ第2工具(例えば、摩擦攪拌接合工具T2)を保持する第2工具ホルダ9Bを加工経路に沿う方向(より具体的には、第1軸AX1に垂直な方向)に移動させることと、を含む。スピンドル2に取り付けられた第2工具ホルダ9Bが加工経路に沿う方向に移動する際に、第2工具(例えば、摩擦攪拌接合工具T2)はワークWからラジアル荷重を受け、第2工具ホルダ9Bには曲げ荷重が作用し、軸受11はスピンドル2からラジアル荷重を受ける。
【0168】
図22に記載の例では、第2のワーク加工工程の実行中に、スピンドル2に取り付けられた状態の第2工具ホルダ9Bの外周面(より具体的には、第2工具ホルダ9Bのフランジ95の外周面)の変位が測定される(第2測定工程)。当該第2測定工程は、工具交換装置5の移動経路から外れた位置に配置された複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62を含む複数のセンサ6)によって行われる。第1センサ61によって取得された測定データ、および、第2センサ62によって取得された測定データは、制御装置7に送信される。
【0169】
図22に記載の例では、第2のワーク加工工程の実行中に、制御装置7は、複数のセンサ6(より具体的には、第1センサ61および第2センサ62を含む複数のセンサ6)から受け取る測定データDTに基づいて、第2工具ホルダ9Bの外周面のラジアル変位の大きさV1(より具体的には、第2工具ホルダ9Bのフランジ95の外周面のラジアル変位の大きさV1)を算出する。
【0170】
図22に記載の例では、第2のワーク加工工程の実行中に、制御装置7は、当該ラジアル変位の大きさV1に基づいて、軸受11に作用するラジアル負荷を監視する(第2監視工程)。第2監視工程の実行中に、制御装置7は、第2工具ホルダ9Bの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重が過剰であると判定してもよい。また、第2監視工程の実行中に、制御装置7は、第2工具ホルダ9Bの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値TH以下である場合に、スピンドル2から軸受11が受けるラジアル荷重が許容範囲内であると判定してもよい。
【0171】
第2監視工程の実行中に、制御装置7は、第2工具ホルダ9Bの外周面のラジアル変位の大きさV1が閾値THを超えることに応じて、第2工具がワークWから受ける力が減少するように加工パラメータを変更してもよい。また、変更された加工パラメータを用いて、第2工具によるワークWの加工が継続されてもよい。より具体的には、第2監視工程の実行中に、制御装置7は、第2工具ホルダ9Bの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、第2工具ホルダ9Bに保持された第2工具の送り速度が低下され、且つ、当該第2工具によるワークWの加工が中断されることなく継続されるように、移動装置45(より具体的には、加工ヘッド移動装置46)を制御してもよい。
【0172】
代替的に、第2監視工程の実行中に、制御装置7は、第2工具ホルダ9Bの外周面のラジアル変位の大きさV1が、予め設定された閾値THを超えることに応じて、第2工具によるワークWの加工を中断してアラートを発出してもよい。
【0173】
図21および図22に記載の例において、第2工具ホルダ9Bに保持される第2工具は、工具ホルダ9Aに保持される工具とは異なる工具である。図21に記載の例では、工具ホルダ9Aが切削工具用工具ホルダ90aであり、工具ホルダ9Aに保持される工具が切削工具T1であり、第2工具ホルダ9Bが摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bであり、第2工具ホルダ9Bに保持される第2工具が摩擦攪拌接合工具T2である。代替的に、工具ホルダ9Aが摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ90bであり、工具ホルダ9Aに保持される工具が摩擦攪拌接合工具T2であり、第2工具ホルダ9Bが切削工具用工具ホルダ90aであり、第2工具ホルダ9Bに保持される第2工具が切削工具T1であってもよい。
【0174】
第3の実施形態におけるワーク加工方法において、第4ステップST4および第5ステップST5は省略されてもよい。
【0175】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【0176】
例えば、図1図27には、立型マシニングセンタタイプの工作機械が図示されている。代替的に、実施形態における工作機械1は、横型マシニングセンタタイプの工作機械であってもよい。更に代替的に、図38に例示されるように、実施形態における工作機械1は、旋盤タイプの工作機械であってもよいし、その他のタイプの工作機械であってもよい。
【符号の説明】
【0177】
1、1A、1B:工作機械
2 :スピンドル
2e :スピンドルの先端
3 :加工ヘッド
5 :工具交換装置
6 :センサ
7 :制御装置
9、9A :工具ホルダ
9B :第2工具ホルダ
11 :軸受
11a :前部軸受
11b :後部軸受
14 :ストッカ
16 :ワーク支持装置
17 :支持体
17t :テーブル
21 :スピンドルの後端部
23 :スピンドルの先端部
23s :スピンドルの先端面
23t :テーパ面
24 :牽引部材
25 :筒体
30 :ハウジング
30a :ハウジングの第1部分
30b :ハウジングの第2部分
30c :ハウジングの側面
33 :ハウジングの先端部
33a :第1部分の先端面
33b :第2部分の先端面
33s :ハウジングの先端面
40 :回転駆動装置
40m :モータ
41 :ステータ
43 :ロータ
45 :移動装置
46 :加工ヘッド移動装置
47 :支持体移動装置
50 :工具交換アーム
51 :第1アーム部
52 :第2アーム部
54 :アーム回転装置
56 :アーム移動装置
57a :第1移動装置
57b :第2移動装置
57c :第3移動装置
61 :第1センサ
62 :第2センサ
71 :ハードウェアプロセッサ
72 :メモリ
75 :通信回路
76 :入力装置
77 :ディスプレイ
78 :バス
80 :支持ブロック
80c :ハウジングの側面に接する部分
80p :板状体
81 :空洞部
86 :内側側面
89 :カバー
90a :切削工具用工具ホルダ
90b :摩擦攪拌接合工具用工具ホルダ
90u :外周面
91 :基端部
91t :テーパ面
93 :先端部
95 :フランジ
95s :フランジの基端面
95u :フランジの外周面
95v :溝部
141 :ホルダ保持部材
143 :保持部材移動装置
145 :取出装置
510 :第1把持部
511a :第1固定部
511b :第1可動部
520 :第2把持部
521a :第2固定部
521b :第2可動部
772 :タッチパネル付きディスプレイ
AX1 :第1軸
AX2 :第2軸
B1 :第1基準値
B2 :第2基準値
C1 :工具交換指令
DA1 :第1の変位成分値
DA2 :第2の変位成分値
DT :測定データ
J1 :取出指令
M1 :第1加工モード
M2 :第2加工モード
M3 :工具交換モード
M4 :監視モード
P1 :第1の工具交換位置
P2 :第2の工具交換位置
PA1 :第1把持部の移動経路
PA2 :工具交換アームの移動経路
PG :加工プログラム
Q1 :第1移動指令
Q2 :第2移動指令
Q3 :第3移動指令
SH :シャフト
SL :信号線
T :工具
T1 :切削工具
T2 :摩擦攪拌接合工具
U1 :第1回転指令
U2 :第2回転指令
W :ワーク
W2 :被接合部材
【要約】
【課題】スピンドルの剛性の低下を抑制しつつ、工具ホルダの外周面の変位を測定可能な工作機械、複合加工機、および、ワーク加工方法を提供する。
【解決手段】工作機械は、工具ホルダが取り付けられるスピンドルと、軸受を介してスピンドルを回転可能に支持するハウジングと、スピンドルを第1軸まわりに回転させる回転駆動装置と、スピンドルに対する工具ホルダの着脱を行う工具交換装置と、スピンドルに取り付けられた状態の工具ホルダの外周面の変位を測定する複数のセンサと、を具備する。複数のセンサは、制御指令に基づいて動作する工具交換装置の移動経路から外れた位置であって、スピンドルに取り付けられた状態の工具ホルダの外周面に対向する位置に配置される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
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図38