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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20241111BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20241111BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/1334
G02F1/13357
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023180909
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2023027326の分割
【原出願日】2019-02-14
(65)【公開番号】P2023174931
(43)【公開日】2023-12-08
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】大植 善英
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】多田 友行
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156718(JP,A)
【文献】特開2017-167214(JP,A)
【文献】特開2006-313906(JP,A)
【文献】特開2011-186279(JP,A)
【文献】特開平11-084358(JP,A)
【文献】特開2005-114886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0291369(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0054727(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0059450(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0255072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
G02F 1/1334
G02F 1/1335
G02F 1/13357
G09F 9/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
前記第2基板の端部に対向する発光素子と、を備え、
前記第1基板は、
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、
前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列された複数の信号線と、
前記複数の走査線と前記複数の信号線と複数の画素電極に各々接続され各々半導体層を備えた複数のスイッチング素子と、
前記複数の信号線を覆う無機絶縁膜と、
前記無機絶縁膜の上に配置され、平面視において各々前記複数のスイッチング素子に重畳し、前記発光素子側に第1側面を有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記第1側面に配置され、前記無機絶縁膜に接する第1遮光層と、
を備える、表示装置。
【請求項2】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
前記第2基板の端部に対向する発光素子と、を備え、
前記第1基板は、
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、
前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列された複数の信号線と、
前記複数の走査線と前記複数の信号線と複数の画素電極に各々接続され各々半導体層を備えた複数のスイッチング素子と、
平面視において各々前記複数のスイッチング素子に重畳し、前記発光素子側に第1側面を有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記第1側面に配置された複数の第1遮光層と、
を備え、
前記第2基板は、平面視において複数の画素電極に対応する位置に複数の開口部を有し、前記複数のスイッチング素子と前記複数の走査線と前記複数の信号線に重畳する第2遮光層を有し、
前記第1絶縁層は前記第2遮光層と平面視において重畳し、前記第1絶縁層の前記第1側面は前記第2遮光層の端部の内側に位置する、表示装置。
【請求項3】
前記第1絶縁層は前記第1側面と対向する第2側面を有し、前記第2側面は前記第2遮光層の端部の内側に位置する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1絶縁層は有機絶縁膜である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記発光素子は前記第2基板の前記第2方向の端部に対向するように配置され、
前記半導体層の各々は前記第2方向に延在する長辺と前記第1方向に延在する短辺を有し、
前記第1遮光層が配置される前記第1側面は前記短辺に沿った側面である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1基板は
透明基板と、
前記透明基板の前記液晶層側に配置された第1無機絶縁膜と、
前記第1無機絶縁膜の前記液晶層側に配置された第2無機絶縁膜と、を有し、
前記半導体層は前記第1無機絶縁膜と前記第2無機絶縁膜の間に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1絶縁層は前記第2無機絶縁膜の前記液晶層側に配置される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1絶縁層は平面視において、前記複数の走査線と前記複数の信号線と重畳し、前記第1絶縁層の前記第1側面は前記第2遮光層の端部の内側に位置する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1絶縁層は平面視において、前記複数の走査線と前記複数の信号線と重畳し、前記第1絶縁層の前記第1側面および前記第2側面は前記第2遮光層の端部の内側に位置する、請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射光を散乱する散乱状態と入射光を透過する透過状態とを切り替え可能な高分子分散液晶を用いた表示装置が提案されている。一例では、アルミニウムや銀などによって形成された反射層が画素スイッチング回路部を覆っている表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-167214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、発光素子と、を備え、前記第1基板は、半導体層を備えたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、前記半導体層に隣接する第1遮光部と、を備え、前記第1遮光部は、平面視で前記半導体層と前記発光素子との間に位置し、前記第1遮光部の幅は、前記半導体層の幅より大きい、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、発光素子と、を備え、前記第1基板は、半導体層を備えたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、前記半導体層に隣接する第1遮光部と、を備え、前記第1遮光部は、平面視で前記半導体層と前記発光素子との間に位置し、前記第1基板は、順に積層された、透明基板と、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、を備え、前記半導体層は、断面視で前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に位置し、前記第1遮光部は、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を貫通する貫通孔に設けられている、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、発光素子と、を備え、前記第1基板は、半導体層を備えたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、前記スイッチング素子と電気的に接続された走査線と、第4遮光部と、を備え、前記走査線は前記スイッチング素子が位置する反対の辺に突出部を有し、前記第4遮光部は、平面視で前記突出部と重畳する、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、発光素子と、を備え、前記第1基板は、半導体層を備えたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、前記スイッチング素子と電気的に接続された走査線と、前記半導体層に隣接する第4遮光部と、を備え、前記第4遮光部は、平面視で前記半導体層と前記発光素子との間に位置し、前記第1基板は、順に積層された、透明基板と、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、を備え、前記半導体層は、断面視で前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に位置し、前記第4遮光部は、前記第1絶縁膜を貫通する第1貫通孔および前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜の間に設けられている、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、前記第2基板の端部に対向する発光素子と、を備え、前記第1基板は、第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列された複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線と複数の画素電極に各々接続され各々半導体層を備えた複数のスイッチング素子と、平面視において各々前記複数のスイッチング素子に重畳し、前記発光素子側に第1側面を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記第1側面に配置された複数の第1遮光層と、を備える、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態の表示装置DSPを示す平面図である。
図2図2は、図1に示した第1基板SUB1における画素PXの主要部を示す平面図である。
図3図3は、図2に示した半導体層SCの周辺を拡大した平面図である。
図4A図4Aは、図3に示した第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4を含むA-B線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
図4B図4Bは、図4Aに示した第1基板の主要部を拡大した断面図である。
図5図5は、図3に示した走査線G2及び接続部DEAを含むC-D線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
図6図6は、図3に示した信号線S1を含むE-F線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
図7図7は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。
図8図8は、シミュレーション結果を示す図である。
図9図9は、本実施形態の第2構成例における表示パネルPNLを示す断面図である。
図10図10は、本実施形態の第3構成例における表示パネルPNLを示す断面図である。
図11図11は、本実施形態の第4構成例における第1基板SUB1を示す断面図である。
図12図12は、本実施形態の第5構成例における第1基板SUB1を示す断面図である。
図13図13は、本実施形態の第6構成例における第1基板SUB1を示す平面図である。
図14図14は、本実施形態の第7構成例における第1基板SUB1を示す平面図である。
図15図15は、第8構成例の表示装置DSPを示す平面図である。
図16図16は、第2画素PX2におけるスイッチング素子SW2及びその周辺部のレイアウトの一例を示す平面図である。
図17図17は、第2画素PX2におけるスイッチング素子SW2及びその周辺部のレイアウトの他の例を示す平面図である。
図18図18は、第3画素PX3におけるスイッチング素子SW3及びその周辺部のレイアウトの一例を示す平面図である。
図19図19は、図18に示すG-H線に沿った第1基板SUB1を示す断面図である。
図20図20は、第9構成例の表示装置DSPを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
[第1構成例]
図1は、本実施形態の表示装置DSPを示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第1基板SUB1から第2基板SUB2に向かう方向を「上側」(あるいは、単に上)と称し、第2基板SUB2から第1基板SUB1に向かう方向を「下側」(あるいは、単に下)と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、高分子分散型液晶を適用した液晶表示装置について説明する。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、配線基板1と、ICチップ2と、発光素子LDと、を備えている。
【0010】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSLと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で、重畳している。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シールSLによって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、シールSLによって封止されている。図1において、液晶層LC及びシールSLは、異なる斜線で示している。
【0011】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含む高分子分散型液晶を備えている。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、一方向に沿って延出した筋状に形成されている。例えば、ポリマー31の延出方向D1は、第1方向Xに沿った方向である。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0012】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。液晶層LCに電圧が印加された状態では、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0013】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。シールSLは、非表示部NDAに位置している。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された画素PXを備えている。
【0014】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、第3方向Zにおいて共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LC(特に、液晶分子32)を駆動している。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0015】
配線基板1は、第1基板SUB1の延出部Exに電気的に接続されている。配線基板1は、折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。ICチップ2は、配線基板1に電気的に接続されている。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。なお、ICチップ2は、延出部Exに電気的に接続されていてもよい。配線基板1及びICチップ2は、表示パネルPNLからの信号を読み出す場合もあるが、主として表示パネルPNLに信号を供給する信号源として機能する。
【0016】
発光素子LDは、延出部Exに重畳している。複数の発光素子LDは、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。これらの発光素子LDは、第2基板SUB2の端部E21に沿って配置され、端部E21に向けて光を出射する。
【0017】
図2は、図1に示した第1基板SUB1における画素PXの主要部を示す平面図である。第1基板SUB1は、走査線G1及びG2と、半導体層SCと、信号線S1及びS2と、有機絶縁膜Oと、金属配線Mと、第1遮光部LS1と、第2遮光部LS2と、画素電極PE1及びPE2と、を備えている。有機絶縁膜Oは一点鎖線で示し、画素電極PE1及びPE2は二点鎖線で示している。
【0018】
走査線G1及びG2は第1方向Xに沿って延出し、信号線S1及びS2は第2方向Yに沿って延出している。画素PXに配置された画素電極PE1は、第1方向Xに並ぶ2本の信号線S1及びS2と、第2方向Yに並ぶ2本の走査線G1及びG2とで囲まれている。
【0019】
スイッチング素子SWの半導体層SCは、走査線G2及び信号線S1の交差部の近傍に配置されている。図2に示した例において、半導体層SCは、第1方向Xに延出している。半導体層SCは、信号線S1に近接した第1端部E1と、第1端部E1の反対側の第2端部E2と、を有している。半導体層SCは、幅W1を有している。幅W1は、第1方向Xにおいて、第1端部E1から第2端部E2までの距離に相当する。半導体層は、例えばアモルファスシリコンによって形成されるが、多結晶シリコンや酸化物半導体によって形成されてもよい。
【0020】
有機絶縁膜Oは、パターン化されており、平面視において、格子状に形成されている。有機絶縁膜Oは、走査線G1及びG2、半導体層SC、信号線S1及びS2のそれぞれに重畳している。すなわち、有機絶縁膜Oは、第1部OXと、第2部OYと、を備えている。第1部OXは、走査線G1及びG2に重畳している。第2部OYと、信号線S1及びS2に重畳している。第1部OXは、発光素子LDに近接した側面E11と、側面E11の反対側の側面E12と、を有している。側面E11及び側面E12は、ポリマー31の延出方向D1(あるいは第1方向X)に沿って延出している。
【0021】
金属配線Mは、有機絶縁膜Oに配置され、平面視において、格子状に形成されている。金属配線Mは、走査線G1及びG2、半導体層SC、信号線S1及びS2のそれぞれに重畳している。すなわち、金属配線Mは、第1配線部MXと、第2配線部MYと、を備えている。第1配線部MXは、走査線G1及びG2、及び、第1部OXに重畳している。第2配線部MYは、信号線S1及びS2、及び、第2部OYに重畳している。
【0022】
第1遮光部LS1は、第2方向Yに沿って半導体層SCと発光素子LDとの間に位置し、半導体層SCに隣接している。第1遮光部LS1は、平面視において、信号線S1及びS2、金属配線M、及び、有機絶縁膜Oから離間し、島状に形成されている。第1遮光部LS1は、第1方向Xに沿って延出している。第1遮光部LS1は、信号線S1に近接した第3端部E3と、第3端部E3の反対側の第4端部E4と、を有している。第1遮光部LS1は、幅W2を有している。幅W2は、第1方向Xにおいて、第3端部E3から第4端部E4までの距離に相当する。幅W2は、半導体層SCの幅W1より大きい。また、第1方向Xにおいて、第1端部E1は第3端部E3より信号線S1から離間し、第2端部E2は第4端部E4より信号線S1に近接している。すなわち、半導体層SCは、その第1端部E1及び第2端部E2が第1方向Xにおいて第3端部E3と第4端部E4との間に位置するように設けられている。
第1遮光部LS1は、金属配線Mと同層に配置されている。なお本明細書で、「同層」に配置された第1部材及び第2部材とは、同じ材料及び同じ工程で形成されたものをいう。
【0023】
第2遮光部LS2は、第2方向Yに沿って、半導体層SCと第1遮光部LS1との間に位置し、第1部OXの側面E11に重畳している。図2に示した例では、第2遮光部LS2は、金属配線Mの第1配線部MXと一体的に形成されている。換言すると、第1配線部MXは、その一部が半導体層SCから離間する側に延出し(あるいは発光素子LDに向かって延出し)、側面E11に重畳する第2遮光部LS2を形成している。
【0024】
スペーサSPは、半導体層SCに重畳する位置に設けられている。スペーサSPは、図1に示した第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に所定のセルギャップを形成している。
【0025】
画素電極PE1及びPE2は、第2方向Yに並んでいる。図2に示した例では、画素電極PE1は半導体層SCに重畳し、画素電極PE2は第1遮光部LS1に重畳している。
【0026】
図3は、図2に示した半導体層SCの周辺を拡大した平面図である。第3遮光部LS3、及び、スイッチング素子SWのゲート電極GEは、走査線G2と一体的に形成されている。半導体層SCは、ゲート電極GEに重畳している。第3遮光部LS3は、ゲート電極GEの反対側において、第1遮光部LS1に向かって延出している。第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2は、それぞれ第3遮光部LS3に重畳している。第3遮光部LS3は、第1遮光部LS1と第2遮光部LS2との間で途切れることなく連続的に形成されている。第4遮光部LS4は、第1乃至第3遮光部LS1乃至LS3に重畳している。これらの第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4の断面構造については後に詳述する。
【0027】
遮光層GS1及びGS2は、それぞれ第2方向Yに延出している。走査線G2は、遮光層GS1及びGS2の間に位置し、遮光層GS1及びGS2から離間している。遮光層GS1及びGS2は、それぞれ島状に形成されている。
【0028】
信号線S1は、走査線G2と交差し、遮光層GS1及びGS2に重畳している。スイッチング素子SWの2つのソース電極SEは、信号線S1と一体的に形成されている。ソース電極SEは、それぞれ第1方向Xに延出し、半導体層SCに重畳している。2つのソース電極SEと信号線S1とを接続する接続部SJは、遮光層GS1に重畳している。
【0029】
スイッチング素子SWのドレイン電極DEは、2つのソース電極SEの間に位置し、半導体層SCに重畳している。ドレイン電極DEは、図2に示した画素電極PE1と電気的に接続される接続部DEAを有している。接続部DEAは、遮光層GIに重畳している。
金属配線Mは、ソース電極SEに重畳するとともに、接続部DEAを除いたドレイン電極DEに重畳している。
【0030】
図4Aは、図3に示した第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4を含むA-B線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。第1基板SUB1は、さらに、透明基板10と、絶縁膜11乃至13と、容量電極Cと、配向膜AL1と、を備えている。本実施形態において、絶縁膜11は透明基板10の上に位置する第1絶縁膜に相当し、絶縁膜12は絶縁膜11の上に位置する第2絶縁膜に相当し、有機絶縁膜Oは絶縁膜12の上に位置する第3絶縁膜に相当する。
【0031】
走査線G2と一体のゲート電極GE及び第3遮光部LS3は、透明基板10と絶縁膜11との間に位置している。図4Aに示した例では、ゲート電極GE及び第3遮光部LS3は、透明基板10に接しているが、ゲート電極GE及び第3遮光部LS3と、透明基板10との間に、他の絶縁膜が介在していてもよい。
【0032】
半導体層SCは、ゲート電極GEの直上において、絶縁膜11と絶縁膜12との間に位置している。半導体層SCの下面SCAは、絶縁膜11に接している。信号線S1と一体の2つのソース電極SEは、半導体層SCの上面SCBに接し、それらの一部が絶縁膜11の上に位置している。ドレイン電極DEは、半導体層SCの上面SCBに接している。絶縁膜12は、ソース電極SE及びドレイン電極DEを覆い、半導体層SCの上面SCBに接している。
【0033】
第4遮光部LS4は、絶縁膜11を第3遮光部LS3まで貫通する貫通孔CH1に設けられ、第3遮光部LS3に接している。第4遮光部LS4は、信号線S1、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEのいずれからも離間している。
第1遮光部LS1は、絶縁膜12を第4遮光部LS4まで貫通する貫通孔CH2に設けられ、第4遮光部LS4に接している。貫通孔CH2は、貫通孔CH1に重畳するように設けられている。このため、第1遮光部LS1は、貫通孔CH1及びCH2に重畳するように設けられている。また、貫通孔CH1及びCH2が重畳する領域において、第3遮光部LS3、第4遮光部LS4、及び、第1遮光部LS1は、この順に第3方向Zに沿って重畳している。つまり、第1遮光部LS1は、走査線G2と一体の第3遮光部LS3と、第4遮光部LS4を介して電気的に接続されている。このため、第1遮光部LS1の電位は、走査線G2と同電位である。
第4遮光部LS4は、信号線S1、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEと同層に配置される。
【0034】
有機絶縁膜Oの第1部OXは、スイッチング素子SWの上に重畳している。第1部OXの側面E11は、第2方向Yに沿って貫通孔CH1と半導体層SCとの間に位置している。金属配線Mの第1配線部MXは、第1部OXの上に重畳している。第2遮光部LS2は、側面E11を覆い、絶縁膜12に接している。
【0035】
容量電極Cは、第1配線部MXを直接覆って、第1配線部MXと電気的に接続されている。また、容量電極Cは、第2遮光部LS2を直接覆って、第2遮光部LS2と電気的に接続されている。このため、第2遮光部LS2の電位は、容量電極と同電位である。また、容量電極Cは、第1部OXの側面E12を覆っている。また、容量電極Cは、有機絶縁膜Oに重畳しない領域において、絶縁膜12に接している。第1遮光部LS1は、容量電極Cの開口部CBに設けられている。このため、第1遮光部LS1は、容量電極Cとは電気的に絶縁されている。また、第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2は、互いに電気的に絶縁されている。
【0036】
絶縁膜13は、容量電極C及び第1遮光部LS1を覆っている。絶縁膜13は、開口部CBにおいて、容量電極Cと第1遮光部LS1との間で、絶縁膜12と接している。画素電極PE1及びPE2は、絶縁膜13の上に位置している。画素電極PE1及びPE2は、第3方向Zにおいて、それぞれ絶縁膜13を介して容量電極Cに対向し、画素PXにおいて画素表示に必要な蓄積容量を形成する。配向膜AL1は、絶縁膜13、画素電極PE1及びPE2を覆っている。配向膜AL1は、画素電極PE1と画素電極PE2との間において、絶縁膜13に接している。
【0037】
第2基板SUB2は、透明基板20と、遮光層BMと、共通電極CEと、配向膜AL2とを備えている。遮光層BMは、走査線G2、スイッチング素子SW、第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2のそれぞれの直上に位置している。共通電極CEは、遮光層BMと配向膜AL2との間に位置している。共通電極CEの電位は、容量電極Cと同電位である。
液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に位置し、配向膜AL1及びAL2のそれぞれに接している。
【0038】
透明基板10及び20は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。絶縁膜11乃至13は、例えばシリコン窒化物やシリコン酸化物などの透明な無機絶縁材料によって形成されている。有機絶縁膜Oは、例えばアクリル樹脂などの透明な有機絶縁材料によって形成されている。
走査線G、信号線S、及び、金属配線Mは、モリブデン、アルミニウム、タングステン、チタン、銀などの不透明な金属材料によって形成されている。第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2は、金属配線Mと同一材料によって形成されている。第3遮光部LS3は、走査線Gと同一材料によって形成されている。第4遮光部LS4は、信号線Sと同一材料によって形成されている。
【0039】
容量電極C、画素電極PE、及び、共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。遮光層BMは、絶縁層であってもよいし、共通電極CEよりも低抵抗な導電層であってもよい。遮光層BMが導電層である場合には、共通電極CEが遮光層BMと電気的に接続されることにより、共通電極CEが低抵抗化される。
配向膜AL1及びAL2は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1及びAL2は、第1方向Xに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0040】
ここで、図7を参照しながら、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す断面図について説明する。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを図示している。
発光素子LDは、第2方向Yにおいて、透明基板20の側面20Cに対向している。側面20Cは、図1に示した第2基板SUB2の端部E21に相当する。発光素子LDは、配線基板Fに電気的に接続されている。発光素子LDは、例えば、発光ダイオードであり、詳述しないが、赤発光部、緑発光部、及び、青発光部を備えている。なお、発光素子LDと、側面20Cとの間に、透明な導光体が配置されてもよい。
【0041】
次に、図7を参照しながら、発光素子LDから出射される光L1について説明する。
発光素子LDは、側面20Cに向けて光L1を出射する。発光素子LDから出射された光L1は、第2方向Yを示す矢印の向きに沿って進行し、側面20Cから透明基板20に入射する。透明基板20に入射した光L1は、繰り返し反射されながら、表示パネルPNLの内部を進行する。
電圧が印加されていない液晶層LCに入射した光L1は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。また、電圧が印加された液晶層LCに入射した光L1は、液晶層LCで散乱される。表示装置DSPは、第1基板SUB1側から観察可能であるとともに、第2基板SUB2側からも観察可能である。また、表示装置DSPは、第1基板SUB1側から観察した場合であっても、第2基板SUB2側から観察した場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察可能である。
【0042】
ここで、発光素子LDから出射される光のうち、スイッチング素子SWに向かう光L2について検討する。表示パネルPNLの内部を進行する光のうち、スイッチング素子SWに向かう光L2が半導体層SCに入射すると、半導体層SCにおいて光励起によるキャリアが発生し、スイッチング素子SWにおけるリーク電流が増加する。リーク電流が増加すると、画素PXに保持されていた電位が大きく変化し、表示品位の低下を招くおそれがある。
【0043】
本実施形態によれば、図4Bに示すように、スイッチング素子SWに向かう光のうち、透明基板10を伝播する光L21は、第3遮光部LS3、走査線G2、及び、ゲート電極GEによって遮光される。絶縁膜11を伝播する光L22は、第3遮光部LS3及び第4遮光部LS4によって遮光される。絶縁膜12を伝播する光L23は、第1遮光部LS1及び第4遮光部LS4によって遮光される。有機絶縁膜Oの第1部OXに向かう光L24は、第2遮光部LS2によって遮光される。したがって、半導体層SCの下面SCA及び上面SCBに光L2が到達しにくくなる。
また、図2に示すように、半導体層SCが第1遮光部LS1の第3端部E3と第4端部E4との間に位置するように設けられているため、第2方向Yに沿って直進する光L25のみならず、平面視で第2方向Yに対して傾いた方向に進行する光L26及びL27も遮光される。
これにより、半導体層SCにおけるリーク電流の発生を抑制することができ、画素PXの電位の変化に起因した輝度の低下等の表示品位の低下を抑制することができる。
【0044】
また、第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4は、黒色樹脂によって形成された遮光層と比較して、高い反射率を有する材料によって形成可能である。このような高反射率の材料によって形成された第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4によれば、表示パネルを進行する光の吸収を抑制することができ、発光素子LDからの光の利用効率の低下を抑制することができる。
【0045】
また、たとえ第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4において不所望な散乱が生じたとしても、第2基板SUB2の遮光層BMによって散乱光が遮光される。このため、表示品位の劣化を抑制することができる。
【0046】
図5は、図3に示した走査線G2及び接続部DEAを含むC-D線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
第1基板SUB1において、遮光層GIは、走査線G2と同層に配置され、透明基板10の上に位置し、走査線G2と同一材料によって形成されている。走査線G2及び遮光層GIは、絶縁膜11によって覆われている。接続部DEAは、遮光層GIの直上において、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。有機絶縁膜Oの第1部OXは、走査線G2の直上において、絶縁膜12の上に位置している。金属配線Mの第1配線部MXは、走査線G2の直上において、第1部OXの上に位置している。容量電極Cは、第1部OXの側面E11及びE12を覆っている。画素電極PE1は、絶縁膜12及び13を貫通する貫通孔CH3、及び、容量電極Cの開口部CAに設けられ、接続部DEAに接している。
第2基板SUB2において、遮光層BMは、第1部OX、及び、接続部DEAのそれぞれの直上に位置している。
【0047】
図6は、図3に示した信号線S1を含むE-F線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
第1基板SUB1において、遮光層GS1は、透明基板10の上に位置し、絶縁膜11によって覆われている。信号線S1は、遮光層GS1の直上において、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。有機絶縁膜Oの第2部OYは、信号線S1の直上において、絶縁膜12の上に位置している。金属配線Mの第2配線部MYは、信号線S1の直上において、第2部OYの上に位置している。容量電極Cは、第2配線部MYに接し、第2部OYの側面E13及びE14を覆っている。
第2基板SUB2において、遮光層BMは、第2部OYの直上に位置している。
【0048】
ここで、本実施形態の効果を検証するためのシミュレーションについて説明する。このシミュレーションでは、共通電極CEの電位Vcomとは異なる電圧を画素電極PEに印加し、散乱状態となった画素PXでの輝度を算出する。算出した輝度において、立ち上がり直後の輝度をLaとし、立ち下がり直前の輝度をLbとしたとき、輝度低下率を{1-(La/Lb)}と定義する。
図8は、シミュレーション結果を示す図である。図8の(A)は比較例の構成におけるシミュレーション結果を示し、図8の(B)は本実施形態の構成におけるシミュレーション結果を示している。比較例の表示パネルは、図4Aに示した第1乃至第4遮光部を備えていない。本実施形態の表示パネルは、図4Aに示した第1乃至第4遮光部を備えている。
電位Vcomが基準電位Vrに対して正の期間T1において、比較例では輝度低下率が1.34%であったのに対して、本実施形態では輝度低下率が0.69%であった。電位Vcomが基準電位Vrに対して負の期間T2において、比較例では輝度低下率が10.7%であったのに対して、本実施形態では輝度低下率が3.8%であった。このように、本実施形態によれば、輝度の低下を抑制できることが確認された。
【0049】
次に、他の構成例について説明する。
[第2構成例]
図9は、本実施形態の第2構成例における表示パネルPNLを示す断面図である。図9に示す第2構成例は、図4Aに示した第1構成例と比較して、第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2が一体的に形成され、かつ、第3遮光部LS3が走査線G2から離間している点で相違している。また、第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2は、金属配線Mと一体的に形成されている。このような第2構成例では、第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4は、金属配線M及び容量電極Cと電気的に接続されている。このため、第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4のそれぞれの電位は等しく、金属配線M及び容量電極Cと同電位である。
このような第2構成例においても、上記の第1構成例と同様の効果が得られる。また、第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2の間において、液晶層LCから絶縁膜12に向かう光L28を遮光することができる。
【0050】
[第3構成例]
図10は、本実施形態の第3構成例における表示パネルPNLを示す断面図である。図10に示す第3構成例は、図4Aに示した第1構成例と比較して、第1遮光部LS1及び第2遮光部LS2が一体的に形成され、かつ、第2遮光部LS2が金属配線Mから離間している点で相違している。このような第3構成例では、第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4は、走査線G2と電気的に接続されている。このため、第1乃至第4遮光部LS1乃至LS4のそれぞれの電位は等しく、走査線G2と同電位である。
このような第3構成例においても、上記の第2構成例と同様の効果が得られる。
【0051】
[第4構成例]
図11は、本実施形態の第4構成例における第1基板SUB1を示す断面図である。図11に示す第4構成例は、図4Aに示した第1構成例と比較して、第4遮光部LS4が省略された点で相違している。第1遮光部LS1は、絶縁膜11及び12を第3遮光部LS3まで貫通する貫通孔CH12に設けられ、第3遮光部LS3に接している。
このような第4構成例においても、透明基板10を伝播する光L21、絶縁膜11を伝播する光L22、及び、絶縁膜12を伝播する光L23は、第1遮光部LS1及び第3遮光部LS3によって遮光される。このため、上記の第1構成例と同様の効果が得られる。
なお、図9に示した第2構成例、及び、図10に示した第3構成例のそれぞれにおいても、第4遮光部LS4を省略する第4構成例が適用可能である。
【0052】
[第5構成例]
図12は、本実施形態の第5構成例における第1基板SUB1を示す断面図である。図12に示す第5構成例は、図4Aに示した第1構成例と比較して、第3遮光部LS3及び第4遮光部LS4が省略された点で相違している。第1遮光部LS1は、絶縁膜11及び12を透明基板10まで貫通する貫通孔CH12に設けられている。
このような第5構成例においても、透明基板10を伝播する光L21、絶縁膜11を伝播する光L22、及び、絶縁膜12を伝播する光L23は、第1遮光部LS1によって遮光される。このため、上記の第1構成例と同様の効果が得られる。
なお、図9に示した第2構成例、及び、図10に示した第3構成例のそれぞれにおいても、第3遮光部LS3及び第4遮光部LS4を省略する第5構成例が適用可能である。
【0053】
[第6構成例]
図13は、本実施形態の第6構成例における第1基板SUB1を示す平面図である。図13に示す第6構成例は、図3に示した第1構成例と比較して、半導体層SCが第2方向Yに延出している点で相違している。図13では、走査線G2、信号線S2、スイッチング素子SW、及び、第1遮光部LS1を図示し、その他の構成の図示を省略している。第1遮光部LS1は、信号線S1、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEから離間している。第1遮光部LS1の幅W2は、半導体層SCの幅W1より大きい。また、半導体層SCは、その第1端部E1及び第2端部E2が第1方向Xにおいて第3端部E3と第4端部E4との間に位置するように設けられている。信号線S1は、第1遮光部LS1の第3端部E3から離間するように屈曲している。なお、第1遮光部LS1に重畳する部分については、上記の構成例の如く、第3遮光部LS3及び第4遮光部LS4の少なくとも1つが配置されてもよい。また、第1遮光部LS1と半導体層SCとの間に第2遮光部LS2が配置されてもよい。
このような第6構成例においても、上記の各構成例と同様に、光L21乃至L27を遮光することができる。
【0054】
[第7構成例]
図14は、本実施形態の第7構成例における第1基板SUB1を示す平面図である。図14に示す第7構成例は、図2に示した第1構成例と比較して、容量電極Cが電極部EL及び開口部OPを備えた点で相違している。すなわち、電極部ELは、斜線で示すように、画素電極PE1の周縁部に重畳している。また、開口部OPは、画素電極PE1の中央部に重畳している。つまり、容量電極Cは、平面視において、格子状に形成されている。また、画素電極PE1と重畳する領域において、第1遮光部LS1は、開口部OPに位置している。容量電極Cは、金属配線Mに重畳し、金属配線Mと電気的に接続されている。
このような第7構成例においても、上記の第1構成例と同様の効果が得られる。加えて、容量電極Cの設置面積(あるいは体積)は、容量電極Cが開口部OPを有していない場合より小さい。このため、第1基板SUB1を伝播する光の容量電極Cでの光吸収を抑制することができる。
また、電極部ELの面積(あるいは、開口部OPの面積)を調整することによって、画素電極PE1と容量電極Cとの間で最適な容量を形成することができる。例えば、スイッチング素子SWの規模を縮小する要求に対して、画素電極PE1に重畳する電極部ELの面積を縮小することで、最適な容量を形成することができる。
【0055】
[第8構成例]
図15、第8構成例の表示装置DSPを示す平面図である。
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、第1光源部LU1と、第2光源部LU2とを備えている。表示部DAは、第1光源部LU1と第2光源部LU2との間に設けられている。図15に示す例では、表示部DAは、第1方向Xに延びた長方形状に形成されている。表示部DAは、第1領域DA1と、第2領域DA2と、第3領域DA3とを備えている。第1領域DA1は、第2基板SUB2の端部E21の近傍に位置する領域であり、第1画素PX1を含んでいる。第2領域DA2は、第2基板SUB2の端部E22の近傍に位置する領域であり、第2画素PX2を含んでいる。第3領域DA3は、第1領域DA1と第2領域DA2との間に位置する領域であり、第3画素PX3を含んでいる。
【0056】
第1光源部LU1は、第1方向Xに並んだ複数の発光素子LD1を備えている。これらの発光素子LD1は、端部E21に沿って配置され、端部E21に向けて光を出射する。第2光源部LU2は、第1方向Xに並んだ複数の発光素子LD2を備えている。これらの発光素子LD2は、端部E22に沿って配置され、端部E22に向けて光を出射する。つまり、発光素子LD1及びLD2は、それぞれ表示部DAの長辺に沿って設けられている。
【0057】
第1画素PX1におけるスイッチング素子SWは、図3に示す半導体層SCを備えている。図3に示す第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4は、発光素子LD1と第1画素PX1の半導体層SCとの間に設けられている。
第2画素PX2及び第3画素PX3におけるそれぞれのスイッチング素子については以下に説明する。
【0058】
図16は、第2画素PX2におけるスイッチング素子SW2及びその周辺部のレイアウトの一例を示す平面図である。図16において第2方向Yを示す矢印の先端を上とし、その反対を下とする場合、図16に示すレイアウトは、図3に示すレイアウトを上下に反転したものに相当する。
【0059】
図17は、第2画素PX2におけるスイッチング素子SW2及びその周辺部のレイアウトの他の例を示す平面図である。図17において第2方向Yを示す矢印の先端を上とし、その反対を下とし、第1方向Xを示す矢印の先端を右とし、その反対を左とする場合、図17に示すレイアウトは、図3に示すレイアウトを上下に反転し、且つ、左右に反転させたものに相当する。
【0060】
図16及び図17にそれぞれ示すA-B線に沿った表示パネルPNLの断面は図4に示す通りであり、C-D線に沿った表示パネルPNLの断面は図5に示す通りであり、E-F線に沿った表示パネルPNLの断面は図6に示す通りである。
第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4は、発光素子LD2とスイッチング素子SW2の半導体層SCとの間に設けられている。
これにより、発光素子LD2からスイッチング素子SW2に向かう光が第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4によって遮光される。したがって、スイッチング素子SW2においても、半導体層SCにおけるリーク電流の発生を抑制することができ、第2画素PX2の電位の変化に起因した輝度の低下等の表示品位の低下を抑制することができる。
【0061】
図18は、第3画素PX3におけるスイッチング素子SW3及びその周辺部のレイアウトの一例を示す平面図である。図18に示すスイッチング素子SW3は、図3に示す第1画素PX1におけるスイッチング素子SWと比較して、第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4が設けられていない点で相違している。図18に示すC-D線に沿った表示パネルPNLの断面は図5に示す通りであり、E-F線に沿った表示パネルPNLの断面は図6に示す通りである。
【0062】
図19は、図18に示すG-H線に沿った第1基板SUB1を示す断面図である。図19に示す第1基板SUB1は、図4Bに示す第1基板SUB1と比較して、絶縁膜11を貫通する貫通孔CH1、及び、絶縁膜12を貫通する貫通孔CH2のいずれも設けられていない点で相違している。
図18及び図19に示すように、第3画素PX3では、第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4が設けられていないため、第1画素PX1及び第2画素PX2と比較して、一画素当たりの開口面積(表示に寄与する面積)を拡大することができる。
【0063】
[第9構成例]
図20、第9構成例の表示装置DSPを示す平面図である。
図20に示す第9構成例の表示装置DSPは、図15に示す第8構成例の表示装置DSPと比較して、表示部DAが第3表示部を備えていない点で相違している。つまり、表示部DAは、端部E21の近傍に位置する第1領域DA1と、端部E22の近傍に位置する第2領域DA2とを備え、第1領域DA1と第2領域DA2とが第2方向Yに隣接している。
【0064】
第1領域DA1の第1画素PX1におけるスイッチング素子SWは、図3に示す通りである。図3に示す第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4は、発光素子LD1と第1画素PX1の半導体層SCとの間に設けられている。
第2領域DA2の第2画素PX2におけるスイッチング素子SW2は、図16または図17に示す通りである。第1遮光部LS1、第2遮光部LS2、第3遮光部LS3、及び、第4遮光部LS4は、発光素子LD2とスイッチング素子SW2の半導体層SCとの間に設けられている。
このような第9構成例においても、第8構成例と同様に、第1画素PX1のスイッチング素子SW、及び、第2画素PX2のスイッチング素子SW2において、半導体層SCにおけるリーク電流の発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することができる表示装置を提供することができる。
【0065】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
本明細書にて開示した構成から得られる表示装置の一例を以下に付記する。
(1)
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
発光素子と、を備え、
前記第1基板は、半導体層を備えたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、前記半導体層に隣接する第1遮光部と、を備え、
前記第1遮光部は、平面視で前記半導体層と前記発光素子との間に位置し、
前記第1遮光部の幅は、前記半導体層の幅より大きい、表示装置。
(2)
前記第1基板は、信号線を備え、
前記半導体層は、前記信号線に近接した第1端部と、前記第1端部の反対側の第2端部を有し、
前記第1遮光部は、前記信号線に近接した第3端部と、前記第3端部の反対側の第4端部を有し、
前記第1端部は、前記第3端部より前記信号線から離間し、
前記第2端部は、前記第4端部より前記信号線に近接している、(1)に記載の表示装置。
(3)
前記第1基板は、透明基板と、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、を備え、
前記半導体層は、断面視で前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に位置し、
前記第1遮光部は、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を貫通する貫通孔に設けられている、(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、ポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
発光素子と、を備え、
前記第1基板は、半導体層を備えたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、前記半導体層に隣接する第1遮光部と、を備え、
前記第1遮光部は、平面視で前記半導体層と前記発光素子との間に位置し、
前記第1基板は、順に積層された、透明基板と、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、を備え、
前記半導体層は、断面視で前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に位置し、
前記第1遮光部は、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を貫通する貫通孔に設けられている、表示装置。
(5)
前記第1基板は、前記スイッチング素子に重畳する第3絶縁膜と、第2遮光部と、を備え、
前記第3絶縁膜は、前記半導体層と前記貫通孔との間に側面を備え、
前記第2遮光部は、前記側面を覆っている、(3)または(4)に記載の表示装置。
(6)
前記第1基板は、前記透明基板と前記第1絶縁膜との間に位置する第3遮光部を備え、
前記第1遮光部は、前記貫通孔において前記第3遮光部に重畳している、(3)乃至(5)のいずれか1項に記載の表示装置。
(7)
前記第1基板は、前記透明基板と前記第1絶縁膜との間に位置する走査線を備え、
前記第3遮光部は、前記走査線と一体的に形成されている、(6)に記載の表示装置。
(8)
前記第1基板は、第4遮光部を備え、
前記第4遮光部は、前記貫通孔において、前記第1遮光部と前記第3遮光部との間に位置している、(6)または(7)に記載の表示装置。
(9)
前記第1遮光部及び前記第2遮光部は、一体的に形成されている、(5)に記載の表示装置。
(10)
前記第1基板は、前記第3絶縁膜に重畳する金属配線を備え、
前記第1遮光部及び前記第2遮光部は、前記金属配線と一体的に形成されている、(9)に記載の表示装置。
(11)
前記第1基板は、前記金属配線と電気的に接続された容量電極を備え、
前記容量電極は、前記画素電極の周縁部に重畳する電極部と、前記画素電極の中央部に重畳する開口部と、を備え、
前記第1遮光部は、前記開口部に位置している、(10)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0067】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル LD…発光素子
SUB1…第1基板 SUB2…第2基板 LC…液晶層
LS1…第1遮光部 LS2…第2遮光部 LS3…第3遮光部 LS4…第4遮光部
G…走査線 S…信号線 SW…スイッチング素子 SC…半導体層
PE…画素電極
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
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