(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】ゲーム環境におけるモバイルウォレット操作のためのシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20241111BHJP
【FI】
G06Q20/32
(21)【出願番号】P 2023186428
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2022518871の分割
【原出願日】2020-10-09
【審査請求日】2023-10-31
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514210186
【氏名又は名称】ジェーシーエム アメリカン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】マイク・グエン
(72)【発明者】
【氏名】デイブ・クバジャック
(72)【発明者】
【氏名】マーク・アダムス
(72)【発明者】
【氏名】マーク・カスティロ
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0092054(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0147695(US,A1)
【文献】特表2016-539393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム
用クレジットとして記憶された金銭的価値を賭けられる電子ゲーム機と、前記金銭的価値の預け入れ、及び払出しが可能なモバイルウォレット
と、前記電子ゲーム機の利用者が操作可能なモバイル機器のそれぞれに対して通信可能に接続され、前記モバイル機器の操作によって前記金銭的価値の取引が可能なシステムであって、
前記電子ゲーム機
、及び前記モバイル機器と通信可能に接続された少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と、
前記モバイルウォレットと通信可能に接続された少なくとも一つの処理装置と、
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置、及び前記少なくとも一つの処理装置と通信可能に接続された周辺アダプタと、
前記周辺アダプタ、及び前記電子ゲーム機と通信可能に接続され、前記電子ゲーム機
、及び前記モバイルウォレットに使用される前記金銭的価値
の情報を記録
した物理的チケットを印刷するプリンタと、
を備え、
前記システムは、
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と前記モバイル機器との間の識別子の送受信を契機に、
前記金銭的価値の情報を含む仮想チケットを前記モバイルウォレット
に保存する保存処理、または前記モバイルウォレットに保存された前記仮想チケットに
よって特定される前記金銭的価値を、前記電子ゲーム機
の前記ゲーム用クレジット
に追加する追加処理を行い、
前記ゲーム用クレジット
を払戻すための前記電子ゲーム機に対するキャッシュアウト操作に応じて
、前記ゲーム用クレジットの前記金銭的価値を特定でき、且つ前記電子ゲーム機が生成した
認証番号を
、前記プリンタに受信させ、
前記認証番号
によって特定される前記金銭的価値の情報を記録した前記物理的チケット
を、前記認証番号の受信から変更可能時間が経過した後に、前記プリンタに印刷させ、
前記変更可能時間が経過する前に、
前記モバイル機器を用いた変更操作の受け付けを許容し、前記
変更操作を受け付けると前記物理的チケットの印刷を中止させ、
前記認証番号を前記モバイルウォレットに送信することにより、前記認証番号
によって特定される前記金銭的価値を前記モバイルウォレット
に預け入れる、
システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの処理装置は、
前記追加処理を行うと、前記モバイルウォレットから前記仮想チケットを削除する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの処理装置は、
前記追加処理を行う前に前記仮想チケットを認証するために、チケット・イン・チケット・アウトシステムと通信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ゲーム
用クレジットとして記憶された金銭的価値を賭けられる電子ゲーム機と、前記金銭的価値の預け入れ、及び払出しが可能なモバイルウォレット
と、前記電子ゲーム機の利用者が操作可能なモバイル機器のそれぞれに対して通信可能に接続され、前記モバイル機器の操作によって前記金銭的価値の取引が可能なシステムであって、
前記電子ゲーム機
、及び前記モバイル機器と通信可能に接続された少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と、
前記モバイルウォレットと通信可能に接続された少なくとも一つの処理装置と、
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置、及び前記少なくとも一つの処理装置と通信可能に接続された周辺アダプタと、
前記周辺アダプタ、及び前記電子ゲーム機と通信可能に接続され、前記電子ゲーム機
、及び前記モバイルウォレットに使用される前記金銭的価値
の情報を記録
した物理的チケットを印刷するプリンタと、
を備え、
前記システムは、
前記ゲーム用クレジット
を払戻すための前記電子ゲーム機に対するキャッシュアウト操作に応じて
、前記ゲーム用クレジットの前記金銭的価値を特定でき、且つ前記電子ゲーム機が生成した
認証番号を
、前記プリンタに受信させ、
前記認証番号
によって特定される前記金銭的価値の情報を記録した前記物理的チケットを
、前記認証番号の受信から変更可能時間が経過した後に、前記プリンタに印刷させ、
前記変更可能時間が経過する前に、
前記モバイル機器を用いた変更操作の受け付けを許容し、前記
変更操作を受け付けると前記物理的チケットの印刷を中止させ、
前記認証番号を前記モバイルウォレットに送信することにより、前記認証番号
によって特定される前記金銭的価値を前記モバイルウォレット
に預け入れる、
システム。
【請求項5】
ゲーム
用クレジットとして記憶された金銭的価値を賭けられる電子ゲーム機と、前記金銭的価値の預け入れ、及び払出しが可能なモバイルウォレット
と、前記電子ゲーム機の利用者が操作可能なモバイル機器のそれぞれに対して通信可能に接続され、前記モバイル機器の操作によって前記金銭的価値の取引が可能なシステムであって、
前記電子ゲーム機
、及び前記モバイル機器と通信可能に接続された少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と、
前記モバイルウォレットと通信可能に接続された少なくとも一つの処理装置と、
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置、及び前記少なくとも一つの処理装置と通信可能に接続された周辺アダプタと、
前記周辺アダプタ、及び前記電子ゲーム機と通信可能に接続され、前記電子ゲーム機
、及び前記モバイルウォレットに使用される前記金銭的価値の
情報を記録
した物理的チケットを印刷するプリンタと、
を備え、
前記システムは、
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と前記モバイル機器との間の識別子の送受信を契機に、前記モバイルウォレット
から前記電子ゲーム機の前記ゲーム用クレジットに追加する前記金銭的価値を特定できる第
1認証番号を前記プリンタに
受信させることにより、前記第
1認証番号
によって特定される前記金銭的価値の情報を記録した前記物理的チケット
を前記プリンタに
印刷させ、
前記ゲーム用クレジット
を払戻すための前記電子ゲーム機に対するキャッシュアウト操作に応じて
、前記ゲーム用クレジットの前記金銭的価値を特定でき、且つ前記電子ゲーム機が生成した
第2認証番号を
、前記プリンタに受信させ、
前記第
2認証番号に
よって特定される前記金銭的価値の情報を記録した前記物理的チケット
を、前記第2認証番号の受信から変更可能時間が経過した後に、前記プリンタに印刷させ、
前記変更可能時間が経過する前に、
前記モバイル機器を用いた変更操作の受け付けを許容し、前記
変更操作を受け付けると前記第
2認証番号に対応した前記物理的チケットの印刷を中止させ、
前記第2認証番号を前記モバイルウォレットに送信することにより、前記第
2認証番号
によって特定される前記金銭的価値を前記モバイルウォレット
に預け入れる、
システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つの処理装置は、前記第
1認証番号
によって特定される前記金銭的価値の情報を記録した前記物理的チケットの印刷
前に、チケット・イン・チケット・アウトシステムと共に前記第
1認証番号の有効性を検証する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも一つの処理装置は、前記第
1認証番号
が前記プリンタに
受信されると、前記モバイルウォレットの
前記金銭的価値から前記第
1認証番号
によって特定される前記金銭的価値を減じる、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
ゲーム
用クレジットとして記憶された金銭的価値を賭けられる電子ゲーム機と、前記金銭的価値の預け入れ、及び払出しが可能なモバイルウォレット
と、前記電子ゲーム機の利用者が操作可能なモバイル機器のそれぞれに対して通信可能に接続され、前記モバイル機器の操作によって前記金銭的価値の取引が可能なシステムであって、
前記電子ゲーム機
、及び前記モバイル機器と通信可能に接続された少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と、
前記モバイルウォレットと通信可能に接続された少なくとも一つの処理装置と、
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置、及び前記少なくとも一つの処理装置と通信可能に接続された周辺アダプタと、
前記周辺アダプタ、及び前記電子ゲーム機と通信可能に接続され、前記電子ゲーム機
、及び前記モバイルウォレットに使用される前記金銭的価値
の情報を記録
した物理的チケットを印刷するプリンタと、
前記周辺アダプタ、及び前記電子ゲーム機と通信可能に接続され、紙幣又は前記物理的チケットが挿入される紙幣鑑別機と、
を備え、
前記システムは、
前記紙幣鑑別機に挿入された前記紙幣
に応じた前記金銭的価値、又は前記物理的チケット
によって特定される前記金銭的価値を前記モバイルウォレットに
預け入れる預け入れ処理を行い、
前記ゲーム用クレジット
を払戻すための前記電子ゲーム機に対するキャッシュアウト操作に応じて
、前記ゲーム用クレジットの前記金銭的価値を特定でき、且つ前記電子ゲーム機が生成した
認証番号を
、前記プリンタに受信させ、
前記認証番号
によって特定される前記金銭的価値の情報を記録した前記物理的チケット
を、前記認証番号の受信から変更可能時間が経過した後に、前記プリンタに印刷させ、
前記変更可能時間が経過する前に、
前記モバイル機器を用いた変更操作の受け付けを許容し、前記
変更操作を受け付けると前記物理的チケットの印刷を中止させ、
前記認証番号を前記モバイルウォレットに送信することにより、前記認証番号
によって特定される前記金銭的価値を前記モバイルウォレット
に預け入れる、
システム。
【請求項9】
前記
預け入れ処理は、前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と前記モバイル機器との間の識別子の送受信を契機に行われる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と前記モバイル機器との間の前記識別子の送受信は、近距離無線通信によって行われる、請求項1、5、9の何れか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記識別子は、信号またはメッセージの照合または認証を可能にするために利用者に提供される暗号を含む、請求項1、5、9の何れか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記
変更操作は、前記少なくとも一つのプレーヤーインターフェース装置と前記モバイル機器との間の近距離無線通信によって受け付けられる、請求項1、4、5、8の何れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年10月11日に出願された米国仮特許出願第62/914,321号の非仮出願であって、その米国特許法35第119条(e)の下での利益を受けることを主張する、2020年3月19日に出願され「ゲーム環境におけるモバイルウォレット操作のための取引方法」と題する米国出願第16/823,677号に基づく優先権を主張するもので、これら両方の内容を、参照により完全に開示されたものとして本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、モバイル決済方法および装置に関するシステム、サービス、および装置に関する。本システム、サービス、および装置は、ゲーム施設(例えば、カジノ)、バー、レストランなどにおいて、利用者による、ゲーム施設の他のシステムや装置との金銭取引を容易にするために実施され得る。
【0003】
本システム、サービス、および装置は、このような金銭取引を、携帯電話、携帯情報端末、その他の装置など利用者の携帯電子機器と連動して実行できるようにし得る。本実施の形態は、利用者が、電子ゲーム機、モバイルウォレットシステム、銀行取引システム、または他の装置やシステムとの間で金銭的価値をやりとりできるようにし得る。
【背景技術】
【0004】
様々な施設において、利用者が金銭を賭けられる電子ゲーム機が運営されている。このような施設の例としては、特にカジノや他のゲーム施設があるが、バー、クラブ、または他のタイプの施設も含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者は、通貨(紙幣および/または硬貨)を挿入することによって、または引き落とされる金銭的価値の読み取り可能な記録を有するチケットを挿入することによって、電子ゲーム機で金銭を賭けることができる。このように、ゲーム用クレジットまたは金融口座における金銭的価値を、電子ゲーム機が賭けのために利用できるようにすることができる。このような利用者にとって、他の手段によって賭けのためのクレジットを追加、あるいは利用者がクレジットを取得できた場合には、現金、または電子ゲーム機上のクレジットを他に換金したものを追加できれば便利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載する幾つかの実施の形態は、一般に、利用者のモバイルウォレットに資金を追加する方法およびシステムであって、利用者のモバイル機器にハッシュを送信し、利用者の金融口座から一定の額の資金を得るために、このハッシュに基づいてモバイルウォレットから通信を受信し、利用者の金融口座からこの額の資金を取得し、取得した額の資金を利用者のモバイルウォレットに入金するためにモバイルウォレットに通信することを含む、方法およびシステムに関する。本明細書に記載する他の実施の形態は、一般に、電子ゲーム機または他の電子機器で利用可能なクレジットまたは資金を、例えばクレジットを使用する、または引き換えるためのゲーム用チケットまたは他の印刷媒体の受け取り、利用者のモバイルウォレットまたは金融機関への電信振替、または他の引き換え方法によって引き換えるための方法およびシステムに関する。
【0007】
いくつかの実施の形態は、本方法がカジノの周辺システムによって実行され得る構成を含むものでもよく、この周辺システムは、カジノのキオスクと通信可能にリンクされてもよい。
【0008】
ある実施の形態は、取得した額の資金を入金するためのモバイルウォレットとの通信が、モバイル・セルラーネットワークを使用する構成を含むものでもよい。
【0009】
ある実施の形態は、利用者のモバイル機器へのハッシュの送信を、カジノの電子ゲーム機から読み出し得る構成を含むものでもよい。
【0010】
本明細書に記載する実施の形態は、一般に、カジノの電子ゲーム機にクレジットとして適用されるように作動することができるゲーム用チケットを生成する方法およびシステムに関する。本方法は、ゲーム用チケットに関する情報を利用者のモバイルウォレットから受信し、第1の通信をカジノと関連付けられたTITOシステムに送信し、ゲーム用チケットが有効であり得る旨の第2の通信をTITOシステムから受信し、プリンタにゲーム用チケットを印刷させるために第3の通信を周辺アダプタに送信し、ゲーム用チケットが印刷された旨の第4の通信を周辺アダプタから受信し、ゲーム用チケットに関する情報を削除または消去させるためにモバイルウォレットに第5の通信を送信することを含むものでもよい。
【0011】
ある実施の形態は、利用者のモバイルウォレットからのゲーム用チケットに関する情報がハッシュを含み、本方法はさらに、このハッシュを確認することを含む構成を備えるものでもよい。
【0012】
ある実施の形態は、ゲーム用チケットに関する情報が、モバイルウォレットに保存された仮想ゲーム用チケットに関する情報を含む構成を備えるものでもよい。
【0013】
ある実施の形態は、TITOシステムからの第1の通信と、TITOシステムからの第2の通信は、TITOゲートウェイを介する構成を含むものでもよい。
【0014】
本明細書に記載する幾つかの実施の形態は、一般に、カジノの電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するように作動するシステムおよび方法に関する。これらのシステムは、電子ゲーム機と通信可能にリンクされるように作動する紙幣鑑別機と、利用者のモバイルウォレットと通信するように作動する周辺システムと、周辺システムおよび紙幣鑑別機と通信可能にリンクされた周辺アダプタと、電子ゲーム機とカジノのTITOシステムとの間の通信を送受信するように作動するTITO変換サービスとを備えてもよい。本システムは、ゲーム用クレジットとして電子ゲーム機に追加される額を含むモバイルウォレットからの第1の通信を周辺システムにおいて受信し、少なくともこの額に基づいて認証番号を周辺システムにおいて生成し、少なくとも認証番号を周辺アダプタに送信し、周辺アダプタによって、電子ゲーム機との仮想チケット取引を開始し電子ゲーム機に認証番号を送信し、TITO変換サービスから電子ゲーム機に、仮想チケット取引を認証する第2の通信を送信し、上記の額を電子ゲーム機上のゲーム用クレジットとして電子ゲーム機によって適用し、その額が電子ゲーム機上のゲーム用クレジットとして適用された旨のメッセージをTITO変換サービスからTITOシステムに送信することを含む方法を実行するように作動するものでもよい。
【0015】
ある実施の形態は、モバイルウォレットからの第1の通信が、モバイルウォレットに記録された仮想TITOチケットに関する情報を含む構成を備えてもよい。
【0016】
ある実施の形態は、TITO変換サービスが、仮想TITOチケットに関する情報の少なくとも一部を取得するために周辺システムと通信する構成を備えてもよい。
【0017】
ある実施の形態は、モバイルウォレットに関する識別情報を取得するためにTITO変換サービスが周辺システムと通信し、仮想TITOチケットに関する情報の少なくとも一部を取得するためにTITO変換サービスがモバイルウォレットと通信する構成を備えてもよい。
【0018】
本明細書に記載する幾つかの実施の形態は、一般に、カジノの電子ゲーム機上のゲーム用クレジットを利用者のモバイルウォレット、または利用者の別の形式のクレジットまたは価値に振り替えるように作動するシステムおよび方法に関する。本システムは、モバイルウォレットと通信するように作動する周辺システムと、周辺システムと通信可能にリンクされ、周辺システムとカジノのTITOシステムとの間の通信を送受信するように作動するTITOゲートウェイとを備えてもよい。周辺システムは、印刷されたTITOチケットであって、電子ゲーム機上のゲーム用クレジットを表す第1の情報を有するTITOチケットのスキャンを受け取り、TITOゲートウェイを通じてTITOシステムに第1の通信を送信し、TITOゲートウェイを通じてTITOシステムから第2の通信を受信することによって、印刷されたTITOチケット上の第1の情報の認証を取得し、印刷されたTITOチケットのスキャン内の第1の情報に基づいて仮想TITOチケットを作成し、TITOゲートウェイを通じてTITOシステムに、仮想TITOチケットに関する第2の情報と共に第3の通信を送信し、クレジットに関する資金がモバイルウォレットに預け入れられるように通知をモバイルウォレットに送信するよう作動するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、ある実施の形態に係る、キオスクでモバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図2】
図2は、ある実施の形態に係る、カジノネットワークを介してモバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図3】
図3は、ある実施の形態に係る、キオスクでモバイルウォレットに直接資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図4】
図4は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図5】
図5は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図6】
図6は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図7】
図7は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図8】
図8は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図9】
図9は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図10】
図10は、ある実施の形態に係る、モバイルウォレットに資金を追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図11】
図11は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図12】
図12は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図13】
図13は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図14】
図14は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図15】
図15は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図16】
図16は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図17】
図17は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図18】
図18は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図19】
図19は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図20】
図20は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図21】
図21は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図22】
図22は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図23】
図23は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図24】
図24は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図25】
図25は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図26】
図26は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図27】
図27は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図28】
図28は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図29】
図29は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図30】
図30は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図31】
図31は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図32】
図32は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図33】
図33は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図34】
図34は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図35】
図35は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図36】
図36は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図37】
図37は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図38】
図38は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図39】
図39は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図40】
図40は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図41】
図41は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図42】
図42は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図43】
図43は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図44】
図44は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加するための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図45】
図45は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図46】
図46は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図47】
図47は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図48】
図48は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図49】
図49は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図50】
図50は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図51】
図51は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図52】
図52は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図53】
図53は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図54】
図54は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図55】
図55は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図56】
図56は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図57】
図57は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図58】
図58は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図59】
図59は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図60】
図60は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図61】
図61は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図62】
図62は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図63】
図63は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図64】
図64は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図65】
図65は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図66】
図66は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図67】
図67は、ある実施の形態に係る、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得るための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図68】
図68は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図69】
図69は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図70】
図70は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図71】
図71は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図72】
図72は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図73】
図73は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図74】
図74は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図75】
図75は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図76】
図76は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【
図77】
図77は、ある実施の形態に係る、モバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動のための要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、添付の図面とともに以下の詳細な記載によって、容易に理解されるであろう。なお、同様の参照番号は、同様の構造要素を指すものとする。
【0021】
一般に広く、
図1~10は、モバイルウォレットに資金を追加することに関する様々な実施の形態のブロック図を示す。
【0022】
一般に広く、
図11~30は、電子ゲーム機にゲーム用クレジットを追加することに関する様々なシステム、方法、および装置のブロック図を示す。
【0023】
一般に広く、
図31~44は、電子ゲーム機とチケット・イン・チケット・アウトサービスとの間のサービスを介して電子ゲーム機にゲーム用クレジットを適用することに関する様々な実施の形態に対するブロック図を示す。
【0024】
一般に広く、
図45~67は、電子ゲーム機からゲーム用クレジットの払戻し、換金、または振替を得ることに関する様々な実施の形態のためのブロック図を示す。
【0025】
一般に広く、
図68~77はモバイルクレジットと外部資金との間の資金の移動に関するシステム、方法、および装置のブロック図を示す。
【0026】
さらに、様々な機能や要素(およびそれらを集めたものやグループ)の比率や寸法(相対的にあるいは絶対的に)、またそれらの間に示される境界、分離、および位置関係は、単に本明細書で述べる様々な実施の形態の理解を容易にするために添付の図面において提供されるものであり、従って必ずしも一定の縮尺で提示されたり図示されたりするものではなく、これらを参照して説明した実施の形態を除いて、図示した実施の形態に対する選好や要件を示すことを意図するものでないことを理解されたい。
【0027】
ここで、添付の図面に図示した代表的な実施の形態について詳細に言及する。以下の記載は、本実施の形態を一つの好ましい実施の形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。逆に、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、記載した実施の形態の精神および範囲内に含まれ得る代替例、変形例、および等価例を包含することを意図する。
【0028】
本明細書に記載する実施の形態は、一般に、カジノまたは他のゲーム施設内における賭けのために資金を取得、振替、および適用するシステム、装置、および方法に関するものであるが、必ずしもそれらのみに関するものではない。本システム、装置、および方法は、利用者の個人用携帯電子機器と、カジノまたはゲーム施設または第三者によって操作される様々なシステムおよび設備との間のやりとりを可能にし得る。
【0029】
以下、「カジノ」は、利用者が賭けをし得る電子ゲーム機を運営する任意の施設を指すものとする。このような施設の例には、カジノ、クラブ、バー、レストラン、空港ラウンジまたは待合所、または電子ゲーム機が配置された他の施設が含まれる。
【0030】
利用者の個人用携帯電子機器の例には、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレットまたはラップトップ型コンピュータ、スマートカード、スマートウォッチ、スマートキーチェーン、埋め込み型スマートチップ付き装置などが含まれる。以下、このような個人用携帯電子機器を「モバイル機器」と呼ぶ。モバイル機器は、例えば、カジノの設備、装置、またはシステムによって、利用者が支払いをしたり受けたり、資金または他の金融取引を振り替えたりするために操作できる様々なモバイルウォレットアプリを実装、またはその他の方法で実施できる、またはこれにアクセスしうる。このような装置およびそれらの動作に関するより具体的な詳細は、以下でさらに詳しく述べる。
【0031】
電子ゲーム機と連動してカジノによって運営される様々なシステム、装置、および設備の例には、銀行券または紙幣受入機/鑑別機(または「紙幣鑑別機」)、ゲーム用チケット受取機/印刷機、利用者がゲーム用クレジット(以下「クレジット」という)または賭けのための資金を得ることのできるキオスク、無線通信(Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、無線周波数識別技術、近距離無線通信技術、または他の技術など)を提供するためのルーターおよびアンテナ、インターネット接続サーバおよびシステム、カジノ会計サービス、および他のシステムおよび設備などが含まれる。このようなシステム、装置、および設備は、ハードウエアまたはソフトウエアに基づくものであってもよい。このようなシステム、装置、および設備は、ハードウエアまたはソフトウエアで、モバイル機器との安全な取引を提供するよう実装されることができる。カジノによって運営される具体的な装置、方法、およびシステムについては、以下でさらに詳細に述べる。
【0032】
いくつかの実施の形態は、利用者のモバイル機器のモバイルウォレットアプリケーションに資金(クレジットまたは現金など)を追加し得るシステム、装置、および方法を含む。これらの実施の形態では、カジノのキオスクにおいて資金をモバイルウォレットに追加または預け入れしてもよいし、アプリ内銀行トークンを用いて資金をモバイルウォレットに追加または預け入れしてもよいし、追加のシステムを介さず直接モバイルウォレットに資金を預け入れてもよいし、現金(紙幣)またはゲーム用チケットを用いて紙幣鑑別機を通じて資金をモバイルウォレットに預け入れてもよい。資金は、利用者の口座がある銀行または他の金融機関との通信によって入手してもよい。これらの実施の形態の変形例については、以下でさらに詳細に述べる。
【0033】
いくつかの実施の形態は、利用者のモバイル機器のモバイルウォレットアプリケーション上の資金を、近距離無線通信の使用などによるバンプ転送によって、電子ゲーム機にクレジットとして適用し得るシステム、装置、および方法を含む。実施の形態の1つのカテゴリーでは、利用者のモバイル機器を使用して、利用者のモバイル機器に保存された仮想ゲーム用チケットから物理的なゲーム用チケットを印刷させてもよい。第2のカテゴリーでは、物理的なゲーム用チケットは、電子クレジットに基づいて印刷される。第3のカテゴリーでは、物理的ゲーム用チケットを印刷するために、カジノのキオスクでバンプ転送が起きる。第4のカテゴリーでは、利用者のモバイルウォレットのキャッシュアウトは、カジノのケージにおいて実行されることができる。第5のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、予め作成した仮想ゲーム用チケットから、紙幣鑑別機における模擬ゲーム用チケット取引の使用によって得ることができる。第6のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、新たに作成された仮想ゲーム用チケットから、紙幣鑑別機における模擬ゲーム用チケット取引の使用によって得ることができる。第7のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、利用者のモバイルウォレットの電子クレジットから、紙幣鑑別機における模擬ゲーム用チケット取引の一部として、新たなに作成されたゲーム用チケット番号を用いて得ることができる。第8のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、模擬紙幣鑑別機紙幣取引を用いて電子クレジットから得ることができる。第9のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、自動資金振替法を用いて得ることができる。
【0034】
いくつかの実施の形態は、電子ゲーム機とチケット・イン・チケット・アウトサービスとの間のサービスを通じて電子ゲーム機に資金を適用することができるシステム、装置、および方法を含む。第1のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、例えば無線ネットワークを通じてなど、利用者のモバイル機器とやりとりする周辺システムによって取得することができる。第2のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、周辺システムとやりとりする利用者のモバイルウォレットからゲーム用チケットを換金することによって得られる。第3のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、チケット・イン・チケット・アウト変換サービスとやりとりする利用者のモバイルウォレットからゲーム用チケットを換金することによって得られる。第4のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、無線ネットワークを介してなど、周辺システムとやりとりする利用者のモバイルウォレットからの資金振替によって得られる。第5のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、周辺システムとやりとりする利用者の銀行または他の金融口座からの資金振替によって得られる。第6のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、電子ゲーム機にどれだけ信用貸しするかを示す周辺システムによって得られる。第7のカテゴリーでは、電子ゲーム機へのクレジットは、モバイル取引に関する別のチケット・イン・チケット・アウトサービスを使用して得ることができる。
【0035】
いくつかの実施の形態は、資金またはクレジットが電子ゲーム機から換金、払戻し、または入手されて利用者のモバイルウォレットに適用されるようにするシステム、装置、および方法を含む。第1のカテゴリーでは、物理的ゲーム用チケットをスキャンすることができ、クレジットが利用者のモバイルウォレットに入れられる。第2のカテゴリーでは、換金は、カジノケージにおいて利用者のモバイルウォレットに対して生じ得る。第3のカテゴリーでは、自動資金振替は、無線ネットワークを用いて電子ゲーム機から利用者のモバイルウォレットに対してクレジットを引き換えるためにバンプ振替を使用することができる。第4のカテゴリーでは、バンプ振替は、仮想プリンタ取引を用いた無線ネットワークを使用して、電子ゲーム機から利用者のモバイルウォレットに対してクレジットを引き換えることができる。第5のカテゴリーでは、バンプ振替は、電子ゲーム機からカジノ管理システム(CMS)への無線ネットワークを介した通信によって、電子ゲーム機からクレジットを引き換えることができる。第6のカテゴリーでは、バンプ振替は、電子ゲーム機に、CMSと通信している周辺システムを用いてクレジットを振り替えることができる。第7のカテゴリーでは、利用者が電子ゲーム機からモバイルウォレットへのバンプ振替を実行できるようにするために、キャッシュアウトチケットを印刷する際の遅延を実施してもよい。第8のカテゴリーでは、クレジットを電子ゲーム機に追加するために使用される、または使用されたモバイルウォレットを、キャッシュアウト操作のために使用することができる。第9のカテゴリーでは、電子ゲーム機自体が、モバイルウォレットアプリケーションにクレジットを適用可能とするキャッシュアウト機能を有する。
【0036】
いくつかの実施の形態は、利用者がモバイルウォレット上の資金または価値を外部資金(銀行または他の金融口座など)に振替できるシステム、装置、および方法を含む。第1のカテゴリーでは、利用者のモバイル機器は、カジノケージにおいて仮想ゲーム用チケットを印刷させることができる。第2のカテゴリーでは、モバイルウォレット上の資金を、カジノのキオスクにおける機能を使用して振り替えることができる。第3のカテゴリーでは、利用者は、モバイルウォレットアプリケーションの機能を使用して、資金を直接銀行口座(または他の金融口座)に振り替えることが可能である。第4のカテゴリーでは、利用者は、カジノケージにおける機能を使用して資金を銀行口座(または他の金融口座)に振り替えることができる。第5のカテゴリーでは、モバイルウォレットアプリは、現金(通貨、硬貨)を得るためにカジノケージと連動して使用される。
【0037】
参考のために、本明細書で使用される頭字語の一覧を以下に示す。
AFT 自動資金振替
BLE ブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー
BV 紙幣鑑別機
CMS カジノ管理システム
EGM 電子ゲーム機
NFC 近距離無線通信
PNA 周辺ネットワークアダプタ
RFID 無線周波数識別
TITO チケット・イン・チケット・アウト
【0038】
本明細書に記載のシステム、方法、および装置は、類似しているが、必ずしも同一ではない一組の要素を利用する。本明細書において「システム」という語は、他のシステム内で使用し得るサブシステムを指すためにも使用することができる。本明細書において「要素」とは、システム(ハードウエアとソフトウエアのいずれで実現されているかに関わらず)、サブシステム、ある動作を実行する装置、または動作の方法を指すものとする。本システム、方法、および装置によって実行される動作は、一つまたは複数の処理装置を用いて実行されてもよい。
【0039】
本明細書において「処理装置」とは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路および関連する回路、または当業者にとって公知であろう他の演算要素のいずれかを指すものとする。様々な通信チャネルを介して信号またはメッセージを送信および/または受信するように作動し得るような、デジタルおよびアナログ通信要素、回路、または装置も「要素」という語に含まれる。このようなチャネルには、光ファイバ-リンク、同軸またはツイストペアケーブル、他の形式の有線接続、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、移動体通信ネットワーク、様々な近距離無線通信リンクといった無線通信などを含むが、これらに限定されない。
【0040】
本明細書に開示される様々な実施の形態で使用され得るシステム、方法、および装置の次のブロック図において使用される要素について、以下で説明する。このような要素が全て各実施の形態に含まれることを意味するものではないし、実施の形態がこれらの要素または装置に限定されることを意味するものでもない。あまり一般的には使用されない要素が、特定の以下の図に関連して記載されることもある。図面において同様の名称の要素は、構造および/または動作において同様でありうるが、差異があることもある。それらが同一の装置であることを意味するものではない。
【0041】
第1のこのような要素は、利用者のモバイル機器であって、本明細書に提示される図ではモバイル機器110として識別される。モバイル機器は、携帯電話、スマートカード、スマートウォッチ、ラップトップまたはタブレット型コンピュータ、スマートキーチェーン、携帯情報端末、または別の利用者機器であってもよい。モバイル機器は、様々な電磁通信技術のいずれかを含んでもよい。これらの電磁通信技術には、ブルートゥース(登録商標)またはブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー、赤外線または他の光学技術、Wi-Fi(登録商標)、NFCバンプ、CDMA、EDGE、2G、3G、4G、4G-LTE、または5Gを含むが、これらに限定されない携帯電話技術、または他の電磁通信技術を含むが、これらに限定されるものではない。モバイル機器110は、利用者が別の装置または要素に手作業で入力し得るコード(例えば、バーコード、英数字コード、QRコード(登録商標)、または他のコード形式)を表示することが可能であってもよい。
【0042】
別のこのような要素は、電子ゲーム機(「EGM」)であって、本明細書に提示される図ではEGM112として識別される。EGMは、電子スロットマシン、電子ビデオゲーム、電子カードゲーム(例えば、ビデオポーカー)、または利用者が賭けをすることができる他の装置であってもよい。EGMは、多数の形式の賭け用の金銭的価値を受け取ることができる。これらの支払い形式には、印刷または(例えば磁気帯などに)符号化された価値、通貨(紙幣および/または硬貨など)の記録を備えた物理的チケットを受信すること、様々な他の装置(例えば、利用者のモバイル機器またはカジノの無線ネットワーク)のいずれかから電磁通信を受信すること、または有線接続(ケーブル、ツイストペア、イーサネット(登録商標)、または他の有線接続技術など)を介して信号を受信することが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
以下の図と関連して開示される実施の形態において、上述したEGMは、明示的に示されていないこともあり得るが、そのような場合には、以下に述べるプレーヤーインターフェース装置と通信可能にリンクされるものと想定される。プレーヤーインターフェース装置とEGMとの間の通信リンクは、有線または無線通信リンクとすることができる。
【0044】
モバイル機器は、プレーヤーインターフェース装置と呼ばれる様々な要素の何れかを介してEGMとやりとり、通信、またはインターフェース接続するものでもよい。これらには、近距離無線通信装置または(例えばEGMのアームにおいて)EGMと接続された他の装置、以下に述べる紙幣鑑別機、通信技術(NFC、光符号読み取り機、または他の技術)を含むベゼルを有する紙幣鑑別機、以下に述べるTITOシステム、カード(クレジットカード、デビットカード、専門カードなど)読み取り機、または他のタイプの要素が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
別のこのような要素は、モバイルウォレットであって、本明細書に提示される図ではモバイルウォレット114として識別される。モバイルウォレットは、利用者のモバイル機器上で動作するように構成されたソフトウエアプログラムとして実装されてもよい。モバイルウォレットは、例えば、可読チップとしてRFIDシステムとともに、または利用者のモバイル機器上またはこれと連動して実施される他の技術とともに、その全体または一部を、ハードウエアで実装してもよい。
【0046】
さらにかつ/または代わりに、モバイルウォレットは、利用者のモバイル機器が、例えば携帯電話サービス、Wi-Fi(登録商標)、または他の技術によって通信するPayPal(登録商標)などの別個のサービスであってもよい。利用者のモバイル機器は、種々の方法のいずれかによって、このような別個のモバイルウォレットのサーバと通信してもよい。このような方法には、モバイル機器が取引を開始した後に更新のためにサーバに繰り返しポーリングする、モバイル機器がサーバにポーリングして応答を待つ、モバイルウォレットのデータに変更があった時にはいつでもサーバがモバイル機器にプッシュ通知し得る、そして、サーバが電子メールによってモバイル機器に通知することができる、という複数の段階を含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0047】
別のこのような要素は、キオスクであってもよく、本明細書に提示される図ではキオスク116として識別される。キオスクは、利用者の都合を考えて大抵はカジノのゲームフロアにおいて、カジノによって運営される装置またはシステムである。必ずしもそうではないが大抵、これらは、銀行の自動預払機に類似したセルフサービスの機械として実現される。キオスクは、ゲーム用チケットの印刷、モバイルウォレットとの間の資金の振替、以下に述べるような他の動作など、利用者に対して様々なサービスおよび動作を提供することができる。
【0048】
別のこのような要素は、紙幣鑑別機(BV)であってもよく、本明細書に提示される図では紙幣鑑別機118として識別される。BVは、現金(例えば、通貨、硬貨)を受け取り、単独で、または他の装置またはシステムと連動して、受け取った現金を利用者のモバイルウォレット上の資金、印刷されたゲーム用チケット、または他の形式など、別の形式で利用者が利用できるように動作し得る装置である。BVは、EGMの一要素であってもよい。BVは、贋金の検出を実行してもよい。BVは、例えば様々な通信技術によって、本明細書に記載の他の要素およびシステムと協働してもよい。BVは、他の動作も実行するものであってもよい。BV、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0049】
別のこのような要素は、チケット・イン・チケット・アウト(TITO)システムであって、本明細書に提示される図ではTITOシステム120またはTITOサービス120として識別される。TITOシステムは、印刷されたゲーム用チケットを受け取り、対応するクレジットを電子ゲーム機や利用者のモバイルウォレットに提供する、またはそのクレジットを別の要素に通信するように作動する装置である。TITOシステムは、クレジットの記録を備えた物理的ゲーム用チケット(バーコード、QRコード(登録商標)などを備えたチケットなど)を印刷するように作動するものであってもよい。TITOシステムはまた、利用者のモバイルウォレットに保存または記録される、またはEGMなどの別の要素に通信または移動され得る価値またはクレジットを備えた仮想ゲーム用チケットを実現可能なものでもよい。ゲーム用チケットは、物理的であるか仮想的であるかに関わらず、本明細書では「TITOチケット」、「TITO」、または単に「チケット」とも呼ぶ。TITOシステム、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0050】
別のこのような要素は、TITOゲートウェイであってもよく、本明細書に提示される図ではTITOゲートウェイ122として識別される。TITOゲートウェイは、TITOチケットの作成、認証、および無効化を容易にするためにTITOシステムおよび周辺システム(以下に述べる)と共に動作するサード・パーティ・サービスであってもよい。TITOゲートウェイ、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0051】
別のこのような要素は、TITO変換サービスであってもよく、本明細書に提示される図ではTITO変換サービス124として識別される。TITO変換サービスは、ソフトウエアとハードウエアのいずれかで実装された、EGMとTITOシステムとの間の通信を行ったり、可能にしたりする装置でもよい。TITO変換サービス、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0052】
別のこのような要素は、プリンタであってもよく、本明細書に提示される図ではプリンタ128として識別される。プリンタは、例えば電子ゲーム機やTITOシステム120の要素であってもよいし、別個の要素であってもよい。プリンタは、本明細書に記載のシステムおよび方法の一部として、物理的ゲーム用チケット、レシート、または他の物理的な書類を印刷するように作動するものでもよい。プリンタ、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0053】
別のこのような要素は、周辺システムであってもよく、本明細書に提示される図では周辺システム130として識別される。周辺システムは、カジノネットワーク(以下に述べるカジノ管理システム(CMS)136など)と共に、またはその内部で動作しうるサービスまたはシステムである。周辺システム130は、本明細書で述べる要素など、CMS136の様々な周辺要素を支援し、かつ/またはそれらの間をインターフェース接続するものでもよい。周辺システム、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0054】
別のこのような要素は、周辺アダプタであってもよく、本明細書に提示される図では周辺アダプタ132として識別される。周辺アダプタは、EGMの要素とし得る処理装置であってもよい。周辺アダプタは、以下に述べるカジノ管理システム(CMS)の1つまたは複数の周辺要素に接続してもよい。このような要素は、本明細書に記載の要素を含む。あるいは、周辺アダプタは、本明細書に記載の要素のいずれかの内の要素であってもよい。周辺アダプタ、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全部または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0055】
別のこのような要素は、プレーヤーインターフェース装置であってもよく、本明細書に提示される図ではプレーヤーインターフェース装置134として識別される。プレーヤーインターフェース装置は、本明細書では前述したように、EGMと接続され、これにより利用者がモバイル機器などとやりとりできるようになる任意の装置を指すものとする。プレーヤーインターフェース装置は、なかでも、紙幣鑑別機、通信技術(NFC、光符号読み取り機、または他の技術)を含むベゼルを有する紙幣鑑別機、上述したようなTITOシステム、カード(クレジットカード、デビットカード、専門カードなど)読み取り機、または他のタイプの要素を指すことができる。プレーヤーインターフェース装置、またはその要素および/またはサブシステムのいくつかは、その全体または一部が、EGMの一部として、またはEGM内に含まれるものでもよい。
【0056】
別のこのような要素は、カジノ管理システム(CMS)であってもよく、本明細書に提示される図ではCMS136として識別される。CMSは、先に挙げた要素のいくつかまたは全てとリンクするためにカジノ内で使用されるネットワークサービスまたはシステムであってもよい。CMSの一つの役割は、受け取られたものでも支払われたものでも、いかなる形式であれ、全ての決済の綿密な会計を記録することである。
【0057】
本明細書において、「銀行」は、利用者が提携している任意の金融機関を指してもよい。このような金融機関の例には、銀行、信用組合、オンラインクレジットサービス、クレジットカード会社が含まれるが、これらに限定されるものではない。以下の図では、銀行は、本明細書に提示される図において銀行138として識別される。以下、「銀行口座」は、資金またはクレジットを入手したり、資金またはクレジットを預け入れたりできる任意のこのような金融機関において、利用者が利用可能な金融口座を指すものとする。
【0058】
ケージは、カジノにおいて、通常はカジノの会計係が配置される場所であり、そこでは例えば、利用者が、ゲーム用チケット(仮想的でも物理的でもよい)、カジノのチップ、通貨を交換したもの、または資金やクレジットの他の記録やソースを換金または払戻しすることによって現金を得ることができる。以下の図では、ケージは、本明細書に提示される図においてケージ140として識別される。
【0059】
他の要素については、以下の図の説明の中で述べる。
【0060】
これらの要素およびシステムを利用する実施の形態について、
図1~77を参照して以下に記載する。ただし、これらの図に関して本明細書に示す詳細な記載は、単に説明のためであって、限定するものと解釈すべきでないことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。各セクションにおける実施の形態の多くは、対応するセクションの他の実施の形態の簡単な変形であるので、それらの要素および動作の不必要な繰り返しは省略する。
【0061】
図1~77のそれぞれは、ある方法における信号または情報の流れの方向や、次の段階への移行など、ステップまたは動作の列挙された順を示す。様々な動作を列挙された順に必ず実行しなければならないことを意味するものではない。さらに、「前後」のステップまたは通信の連続的な一組が、各方向において一つの通信のみを必ず含むことを意味するものでもない。例えば
図1において、キオスク116と銀行138との間の列挙したステップ7と8は、意図した取引を完了するためのこれら二つの要素間の多数の送受信を含んでもよい。一例として、通信チャネルを介した送信は、正しく受信されないかも知れず(エラー検出によって判定される)、自動再送要求信号が送信されるかも知れない。
【0062】
セクションI:モバイルウォレットへの資金供給
このセクションでは、利用者がモバイル機器を使用してカジノまたはゲーム環境においてモバイルウォレットに資金を追加できるようにするシステム、方法、および装置について述べる。
【0063】
図1~4は、利用者がキオスクでモバイルウォレットに資金を追加できるようにするシステムおよび方法の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。利用者は、金銭または資金をデビット口座(クレジットカード口座、銀行口座、または他の口座)から引き出すために、キオスクとやりとりすることができる。キオスクは、利用者のモバイルウォレットに金銭を預け入れさせるオプションを提示してもよい。
【0064】
図1は、利用者のモバイルウォレット114に資金を預け入れてもらうことを利用者が選ぶ場合のシステム100のブロック図を示す。利用者は、モバイル機器110のためのネットワーク(携帯電話ネットワークなど)を介して取引を開始する。このオプションでは、ハッシュは、EGMから取得する、または既に取得している。ハッシュは、送信者によって提供される固有の識別子で、送信者と利用者の間の信号またはメッセージの照合または認証を可能にするために利用者に提供される暗号を含んでいることが多い。
【0065】
さらに詳細には、周辺システム130が、ハッシュをモバイル機器110に送る。これには、ネットワーク化された装置とすることができる周辺アダプタ132、およびプレーヤーインターフェース装置134を利用してもよい。モバイル機器110がハッシュを取得すると、EGMにクレジットを追加するための取引は、モバイル機器がハッシュを含み得る指示および/またはデータをモバイルウォレット114に送信することによって開始される。利用者に対して、モバイルウォレット114に送信すべきセキュリティ情報を提供するよう求めてもよい。
【0066】
次に、モバイルウォレット114は、対応するリクエストおよび/または情報を周辺システム130と通信し、続いて周辺システム130が、対応する情報をキオスク116に送信する。次に、キオスク116は、利用者の口座から資金を引き出すためのリクエストを銀行138に通信することができる。この通信は、モバイルウォレット114から受信したリクエスト内の情報に基づいたセキュリティ情報を含んでいてもよい。セキュリティ情報を照合すると、銀行138は、利用者の口座から引き落としされて資金がキオスク116によって利用可能とすることができる旨の情報をキオスク116に返信してもよいし、銀行138は、例えば資金不足や他の理由により、利用者の口座から引き落しするリクエストが拒否される旨の情報を送信してもよい。
【0067】
次に、キオスク116は、資金が利用可能である旨の情報をTITOシステム120と交換することができる。TITOシステム120は、仮想ゲーム用チケット(または「仮想TITOチケット」)を生成して、仮想TITOチケットに関する情報をキオスク116に転送してもよい。仮想ゲーム用またはTITOチケットは、金銭的クレジットの額、生成の日時、認証番号などのセキュリティチェック、形式情報などに関する情報を含み得る、電子的に保存または送信されたファイルまたはデータ記録であってもよい。
【0068】
キオスク116は、次に、仮想TITOチケットに記録された資金をモバイルウォレット114に預け入れるために、例えば周辺システム130を通じてモバイルウォレット114に通信することができる。ある実施の形態では、モバイルウォレット114は、他の利用者の資金とは別の口座または記録に仮想TITOチケットを記録するように構成されてもよい。
【0069】
資金が利用者のモバイルウォレット114で利用可能になると、賭けで使用するために、例えば以下のセクションIIで述べるシステムおよび方法によってEGMに転送することができる。
【0070】
図2は、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、従って開始段階のワークフローまたはシグナルフローがシステム100とは逆方向である点を除いてシステム100と同様に構成されたシステム200のブロック図を示す。シグナルフローは、カジノの通信ネットワークを利用してもよい。
【0071】
さらに詳細には、本取引は、利用者のモバイル機器110がモバイルウォレット114からハッシュを受信することよって開始される。ハッシュは、一定期間の後に失効するものでも、一回限りの使用として構成されても、かつ/または利用者の口座に固有のものであってもよい。そして、モバイル機器110は、ハッシュをプレーヤーインターフェース装置134に通信することができる。次に、プレーヤーインターフェース装置134は、利用者の銀行口座から資金を得るための取引を開始するために、例えば周辺アダプタ132の使用により周辺システム130と通信することができる。セキュリティのため、周辺システム130は、ハッシュを照合するためにモバイルウォレット114と通信してもよい。
【0072】
そして、周辺システム130は、取引情報(セキュリティ情報、引落し額など)をキオスク116に通信する。キオスク116は、引落し額を処理するために、銀行138と(カジノからウェブへのインターネット接続などで)通信する。そして、銀行138は、利用者の口座から引落しをして資金を提供する、またはキオスク116で利用できるようにする、あるいは取引が拒否された旨のメッセージまたは情報をキオスク116に送信することができる。前者の場合、キオスク116は、仮想TITOチケットが生成されるよう、TITOシステム120と通信することができる。
【0073】
そして、TITOシステム120は、仮想TITOチケットを利用者のモバイルウォレット114に預け入れまたは記録させるために周辺システム130を利用することができる。次に、モバイルウォレット114は、仮想TITOチケットが、EGMへのクレジットの追加のためなどの使用のために利用者のモバイルウォレット114で利用可能である旨を、利用者のモバイル機器110に通知することができる。
【0074】
ここで述べるように、EGMにクレジットを追加するための付加的および/または代替的なシステム、方法、装置、および要素の構成が可能である。簡潔にしか述べないが、EGMにクレジットを追加するためのこれらの付加的および/または代替的なシステム、方法、装置、および要素の構成をどのように実現するかは、当業者であれば
図1~2の実施の形態に関して提示された要素およびシグナルフローの記載に基づいて認識できるであろう。便宜上、以下「システム」という語は、記載され図示された配置の要素によって使用される方法も指すものとする。
【0075】
図3は、このようなシステム300のブロック図を示す。
図3に示すシステム300は、
図1のシステムに基づく。ただし、システム300では、キオスク116は、モバイルウォレット114に対する直接通信リンクを利用できる。通信リンクは、セルラーネットワーク、WiFi、NFC、または他の技術などの無線接続であってもよい。
【0076】
モバイルウォレット114は、このような通信リンク用の特定のアプリケーション(アプリ)を動作させていてもよい。キオスク116は、この通信リンクを用いて仮想TITOチケットをモバイルウォレット114に直接挿入または送信することができる。
【0077】
図4は、モバイルウォレット114に資金を追加するためのシステム400のブロック図を示す。システム400は、取引を開始するために利用者のモバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得する代わりに、プレーヤーインターフェース装置134が利用者のモバイル機器110からハッシュを取得する点を除いて、システム300と同様である。
【0078】
そのため、システム400の開始段階のシグナルまたはワークフローは、システム300とは逆方向だが、それ以外は当業者にとって自明である。
【0079】
図5~7は、利用者のモバイル機器110上のモバイルアプリケーションまたはプログラムが、カジノのキオスクや電子ゲーム機に接続することなく、利用者の金融口座から直接モバイルウォレット114への資金の振替を開始できるようにする方法およびシステム500~700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【0080】
図5は、モバイルウォレット114に資金を追加するためのシステム500のブロック図を示す。システム500では、利用者のモバイル機器110が、銀行138との振替取引を開始する。この取引は、EGMに入金される特定の額を含むものでもよい。銀行138は、銀行138および取引についての情報に関連する固有のトークンを提供する。そして、この固有のトークンは、モバイルウォレット114に渡されることができ、モバイルウォレット114が今度はこれを周辺システム130との通信で使用することができる。
【0081】
周辺システム130は、TITOゲートウェイ122が銀行138から資金を入手し、TITOシステム120と通信してTITOチケット(仮想でもよい)を生成できるようにするために必要な情報および/または認証を提供することができる。TITOチケットは、TITOゲートウェイ122を用い、周辺システム130を介して中継または送信され、モバイルウォレット114に預け入れられる。モバイルウォレット114に入れば、TITOチケットは、EGMにクレジットを追加するために使用できる。
【0082】
図6は、モバイルウォレット114に資金を追加するためのシステム600のブロック図を示す。システム600は、ここでは周辺システム130が銀行138から資金を得るように作動する点を除いて、
図5のシステム500と同様である。当業者であれば、シグナルまたはワークフローにおける対応する変更点を認識できるであろう。
【0083】
図7は、モバイルウォレット114に資金を追加するためのシステム700のブロック図を示す。システム700は、ここでは周辺システム130がTITOゲートウェイ122に必要な情報を渡し、TITOゲートウェイ112がモバイルウォレット114を更新するという点を除いて、
図6のシステム600と同様である。
【0084】
図8は、利用者がモバイルウォレット114に直接資金を振替できるようにするシステム800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム800は、カジノによって運営される要素のいずれかと共に動作する必要がなくてもよい。そして、モバイルウォレット114上に利用可能として記録された資金は、例えば、セクションIIおよびIIIで述べるシステムおよび方法によって使用されることができる。
【0085】
図9~10は、利用者が、紙幣鑑別機118を介して、またはTITOまたはゲーム用チケットを用いてモバイルウォレット114に資金を追加できるようにするシステム900および1000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。この使用の場合、流通紙幣(または硬貨)またはTITOチケットが、紙幣鑑別機118の一次ポートに入れられ、紙幣またはチケットは二次ポートを用いて認証される。紙幣鑑別機118は、挿入された紙幣またはTITOチケットの額面をEGMに適用しないが、その代わりにその額面を資金としてモバイルウォレット114に入金する。
【0086】
図9は、このようなシステム900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。モバイル機器110は、EGM112から(プレーヤーインターフェース装置134を介して)ハッシュを取得し、モバイルウォレット114に信号を送ることによって、モバイルネットワークを利用して取引を開始し、モバイルウォレット114は開始コマンドを周辺システム130に送信する。
【0087】
周辺システム130は、周辺アダプタ132を介して紙幣鑑別機118と通信し、その二次ポートを紙幣鑑別モードに設定して紙幣またはTITOチケットを受け取る。紙幣またはTITOチケットは、チェックされ認証される。そして、周辺システム130は、紙幣鑑別機118に挿入されたTITOチケットの通貨の額に基づいた値を有する新しいTITOチケットを作成するよう、TITOゲートウェイ122を介して通信する。そして、新たに作成されたTITOチケットは、モバイルウォレット114に適用される。その後、通知信号をモバイル機器110に送信することができる。
【0088】
図10は、別のこのようなシステム1000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1000は、モバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得する代わりに、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得する点を除いて、システム900と同様である。そして、開始段階のシグナルおよびワークフローは、
図9のシステム900と逆方向である。
【0089】
セクションII:TITOシステムを用いたEGM入金
このセクションでは、利用者がEGMにゲーム用クレジットを追加できるようにするシステム、方法、および装置について述べる。これらのシステム、方法、および装置は、上述した様々な要素を使用してもよいし、利用者のモバイル機器および/またはモバイルウォレットとのやりとりを伴うものであってもよい。
【0090】
図11~14は、利用者のモバイル機器とEGMの間のバンプ通信処理を用いてクレジットをEGMに適用し、モバイル機器上の仮想TITOチケットから物理的TITOチケットをEGMで印刷するための取引を開始する方法およびシステム(1100~1400)の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。物理的TITOチケットは、次に、そのクレジットをEGMに適用するために紙幣鑑別機に挿入されてもよい。
【0091】
図11は、EGMの利用者がEGMにクレジットを追加できるようにするシステム1100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。取引は、EGMにおける利用者が、モバイル機器110とのバンプ通信に応答してEGMからハッシュを読み出すことによって開始される。ハッシュは、利用者のモバイル機器110によって取得されるように、周辺システム130から周辺アダプタ132を介してプレーヤーインターフェース装置134に対して生成または中継されてもよい。ハッシュは、次に、利用者のモバイル機器110から利用者のモバイルウォレット114に通信される。この実施の形態においてハッシュは、モバイルまたはセルラーネットワークを用いて通信されてもよい。そして、モバイルウォレット114は、ハッシュおよび/または認証番号などの関連情報を周辺システム130に渡すことができる。
【0092】
そして、周辺システム130は、物理的チケットの印刷前に、認証番号がまだ有効であることを検証するために、クエリーの一部として認証番号をTITOシステム120に渡してもよい。検証は、TITOゲートウェイ122を介して行われる周辺システム130とTITOシステム120との間の通信によって実行されてもよい。
【0093】
認証番号がもはや有効でない場合、周辺システム130は、対応するメッセージをモバイルウォレット114に中継することができ、モバイルウォレット114が利用者のモバイル機器110に対して無効を通知することができる。その場合、利用者は、取引を再度開始するよう試みてもよい。認証番号が依然として有効である場合、周辺システム130は、例えば周辺アダプタ132を介してプリンタ128と通信して、TITOチケットを印刷することができる。
【0094】
そして、印刷されたTITOチケットは、TITOチケットのクレジットを追加するために、例えば周辺アダプタ132内の、またはEGMと対応付けられた要素であり得る紙幣鑑別機に挿入されることができる。次に、周辺システム130がモバイルウォレット114と通信して、TITOチケット情報をモバイルウォレット114から消去または削除することができる。
【0095】
図12~14に開示したシステム1200~1400は、システム1000の変形であり、当業者であれば必要な修正を認識できると思われるので、説明では違いについて述べる。
【0096】
図12は、EGMの利用者がEGMにクレジットを追加できるようにするシステム1200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1200は、モバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得する代わりに、プレーヤーインターフェース装置134自体がモバイル機器110からハッシュを取得する点を除いて、システム1100と同様である。ハッシュは、モバイル機器110がモバイルウォレット114からカジノのネットワークを介した通信によって取得していたものでもよい。そして、開始段階のシグナルおよびワークフローは、システム1100とは逆方向である。
【0097】
図13は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム1300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1300は、チケット認証番号を認証するためにTITOゲートウェイ122に渡す代わりに、紙幣鑑別機118を介して認証番号をEGM112に渡す点を除いて、システム1100と同様である。
【0098】
これは、エスクロー・チケットの形式(信号またはチケットデータなど)を取ってもよい。EGM112は、チケットをスタックするよう紙幣鑑別機118に返信してもよく、これは、チケットが有効でプリンタ128によって印刷されるべきであることを示す。チケットが印刷されると、紙幣鑑別機118内で「スタック」されてもよい。そして、周辺アダプタ132は、周辺システム130に通信して、TITOチケットを削除するようモバイルウォレット114に通信することができる。
【0099】
あるいは、様々な理由から、EGM112は、チケットをスタックまたは印刷するよう指示することなく、紙幣鑑別機118に返信してもよい。これは、たとえチケットが有効でも、別の理由により換金可能でない場合に起こり得る。その場合、EGM112は、チケットが返送された、または受け付けられなかったことを紙幣鑑別機118に通信してもよい。
【0100】
図14は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム1400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1400は、取引を開始するためにモバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得する代わりに、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、そのため開始段階のシグナルおよび/またはワークフローが、システム1300と逆方向である点を除いて、システム1300と同様である。
【0101】
図15~16は、システム1100のように仮想ゲーム用チケットの形式で保存されるのではなく、貨幣額の形式で利用者のモバイルウォレットに保存された値からEGMにクレジットを適用するシステム1500および1600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。利用者がモバイルウォレットに保存された貨幣額をクレジットとしてEGMに適用したい場合、適切な額のTITOチケットが生成され、その後、印刷されてもよい。これにより、カジノ管理システムとの適切な会計処理が可能になる。
【0102】
図15は、EGMの利用者がEGMにクレジットを追加できるようにするシステム1500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1500の構成は、上述したように、モバイルウォレット114が貨幣額の形式でクレジットを保存する点を除いて、
図11のシステム1100と同様である。システム1100に関して説明したように、システム1500では、モバイル機器110は、EGMからハッシュを取得し、モバイルネットワークを用いて取引を開始する。
【0103】
図16は、EGMの利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム1600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1600の構成は、システム1600では、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、そのため開始段階のワークまたはシグナルフローがシステム1500とは逆方向であるという点を除いて、システム1500と同様である。
【0104】
図17~18は、
図11~14のシステム1100~1400の場合と同様のシステム1700~1800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1700および1800では、利用者のモバイルウォレット114に保存された仮想TITOチケットから物理的TITOチケットを印刷するために、利用者のモバイル機器とEGMとの間のバンプ通信処理を用いてクレジットがEGMに適用される。これらの場合には、利用者がチケットを印刷するためにバンプできることを利用者にキオスクを通じて通知すること、チケットが印刷された旨の通知を受信することが含まれる。
【0105】
図17は、EGMの利用者がEGMにクレジットを追加できるようにするシステム1700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1700は、プリンタ128がチケットを印刷した後、周辺システム130が、チケットが印刷された旨のキオスク116に対する通信を備える点を除いて、
図11のシステム1100と同様である。
【0106】
図18は、EGMの利用者がEGMにクレジットを追加できるようにするシステム1800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1800は、モバイル機器110が取引を開始するためにハッシュを取得する代わりに、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、従って、図示するように開始段階のいくつかの信号またはワークフローがシステム1700とは逆方向である点を除いて、
図17のシステム1700と同様である。システム1700と同様に、システム1800は、チケットが印刷された旨のキオスク116に対する通信を備える。
【0107】
図19~22は、利用者のモバイル機器とEGM112との間のバンプ通信処理を用いてクレジットがEGMに適用されるシステム1900~2200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1900~2200は、システム1100の変形例である。システム1900~2200の変形例では、利用者は、チケットを印刷する代わりに、チケットを作成するようメッセージを送信するためにEGMにバンプし、紙幣鑑別機を用いて仮想チケット取引が行われる。
【0108】
図19は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム1900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム1900は、システム1100の最初の9段階と同様の段階を進む。示された段階10では、周辺システム130が、周辺アダプタ132を介した紙幣鑑別機118に対する通信によって仮想取引を開始する。紙幣鑑別機118は、例えばエスクロー・チケットを送信することによって、EGM112と通信してもよい。
【0109】
システム1400と同様に、EGM112は、次に、チケットの認証番号をチェックし、紙幣鑑別機118にその情報を中継することができる。チケットを印刷する代わりに、システム1900では、紙幣鑑別機118が、物理的にチケットを印刷せずにクレジットを適用するために、EGM112と通信するように構成されてもよい。
【0110】
そして、「仮想BV取引完了」メッセージが周辺アダプタ132から周辺システム130に送信され、次に、周辺システム130が、モバイルウォレット114に保存されたチケットを削除するためにモバイルウォレット114にメッセージを送信してもよい。
【0111】
図20は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2000は、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、従って開始段階のワークまたはシグナルフローが、図示するようにシステム1900とは逆方向である点を除いて、システム1900と同様である。
【0112】
図21は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2100は、チケットの有効性を判定するためにシステム1900のTITOゲートウェイ122を使用しない点を除いて、システム1900と同様である。代わりに、チケットは、チケットの有効性を判定するために、EGM112とTITOシステム120との間の通信によってEGM112に送信される。
【0113】
図22は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2200は、取引を開始するためにプレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、示された段階ではシグナルおよびワークフローが逆向きであるという点を除いて、システム2100と同様である。
【0114】
図23~24は、利用者のモバイル機器とEGMとの間のバンプ通信処理を用いてクレジットがEGMに適用されるシステム2300および2400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。利用者は、チケットを作成するようメッセージを送信するためにEGMにバンプするが、チケットを印刷したり、元のチケット認証番号をEGMに渡したりする代わりに、代替チケット認証番号を作成し、EGMに渡す。システム2300および2400は、チケットの有効性をチェックするためにさらなる段階および/または動作が追加されている点を除いて、システム1900と同様である。
【0115】
図23は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2300は、システム1900と同様に進行し、モバイル機器110がEGM112からハッシュを取得し、モバイルまたはセルラーネットワークを用いて取引を開始する。システム2300では、認証番号は、その有効性を確認するためにTITOゲートウェイ122に渡される。そして、新たな認証番号と交換されて、これがEGM112に渡される。他の段階および/または動作は、システム1900に関連して述べた通りとすることができる。
【0116】
図24は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2400は、取引を開始するためにプレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、示された段階においてシグナルおよびワークフローが逆向きである点を除いて、システム2300と同様である。
【0117】
図25~26は、利用者のモバイル機器とEGMとの間のバンプ通信処理を用いて、クレジットがEGMに適用されるシステム2500および2600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。モバイル機器は、モバイルウォレットからの、またはモバイルウォレット上の電子クレジットの額を有する、あるいはこれを利用できる。利用者は、EGMにバンプして、チケットを作成するためにメッセージを送信する。そして、電子クレジットと等価の(仮想)チケットが作成され、チケット認証番号がEGMに渡される。システム2500および2600は、仮想BV取引が利用されるという点で、システム2300および2400と同様である。
【0118】
図25は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2500は、モバイルウォレット114が(第5段階において)周辺システム130に金額を通信する点を除いて、システム1900と同様に進む。そして、周辺システム130は、等価のチケットを作成し、TITOゲートウェイ122を介して各情報をTITOシステム120と通信する。他の段階および/または動作は、システム1900に関連して述べた通りであってよい。
【0119】
図26は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2600は、取引を開始するためにプレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、示された段階において信号またはワークフローが逆向きである点を除いて、システム2500と同様である。
【0120】
図27~28は、クレジットをEGMに提供するために仮想チケットを作成して換金する代わりに、例えばモバイルウォレットからの、またはモバイルウォレット上の電子クレジットに関する情報が周辺システムで受信される点を除いてシステム2500および2600と同様のシステム2700および2800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。電子クレジットは、紙幣鑑別機との一つまたは複数の仮想取引によってEGMに適用される。システム2700および2800では、システム2500および2600とは異なり、TITOゲートウェイは使用されない。
【0121】
図27は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2700では、ハッシュは、利用者のモバイル機器110によってプレーヤーインターフェース装置134から取得され、EGM112にクレジットを追加するための取引は、モバイルまたはセルラーネットワークを用いて開始される。
【0122】
システム2700は、周辺システム130が、電子クレジットを適用するためにチケットを作成するため、TITOシステムへのTITOゲートウェイを使用しない点を除いて、システム2500と同様に進む。代わりに、周辺システム130は、紙幣鑑別機118と連動して仮想紙幣取引を用いる。クレジットがEGM112に適用されると、元のモバイルウォレット114からは消去または削除される。
【0123】
図28は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2800は、モバイルウォレット114からハッシュを受信したモバイル機器110から、プレーヤーインターフェース装置134がハッシュを取得して取引を開始する点を除いて、システム2700と同様である。ここで、ハッシュは、モバイルウォレット114と周辺システム130との間の通信によってチェックされる。
【0124】
図29~30は、ゲーム用チケットの価値に対する自動資金振替取引を用いて、クレジットがEGMに適用されるシステム2900および3000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2900および3000は、仮想TITOチケット(例えば、利用者のモバイルウォレットに保存または記録されていてもよい)を換金するための仮想紙幣鑑別機取引の代わりに、自動資金振替が使用される点を除いて、
図25および26のシステム2500および2600とそれぞれ同様である。
【0125】
図29は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム2900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム2900では、利用者のモバイル機器110がEGM112からハッシュを取得し、モバイルまたはセルラーネットワークを用いて取引を開始する。システム2900は、ここでは周辺システム130が、仮想TITOチケットの価値など電子クレジットの額を周辺アダプタ132に通信する点を除いて、システム2500と同様に進む。周辺アダプタ132は、クレジットをEGM112に適用するために自動資金振替を使用する。
【0126】
図30は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3000は、取引を開始するためにプレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得する点を除いて、システム2900と同様である。ここでハッシュは、モバイルウォレット114と周辺システム130との間の通信によってチェックされる。
【0127】
セクションIII:EGMとTITOシステムとの間のサービスによるEGMクレジット入金
図31~44は、電子ゲーム機(EGM)に対して、EGMとTITOシステムとの間のサービスまたは通信によってゲーム用クレジットを適用できる方法およびシステムの要素のブロック図およびシグナルフローを示す。これらの方法およびシステムは、EGMとTITOシステムとの間の媒介装置として作用しうるTITO変換サービスとして知られる特定のサービスまたは要素を利用してもよい。これにより、実際の認証番号ではなく変更された認証番号が、TITO変換サービスによって認識される特定の符号化メッセージである仮想チケット取引を周辺システムが作成できるようになる。TITO変換サービスは、所定の符号に基づいて、様々なタイプのクレジットの振替または適用を実施してもよい。
【0128】
図31~32は、周辺システムが、おそらく仲介要素を介して、EGMに入金する額をTITO変換サービスに示し、TITO変換サービスが、その額をEGM上のクレジットとして適用するシステム3100および3200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。周辺システムは、変更された認証番号のみを使用することによってTITO変換サービスと通信してもよい。
【0129】
図31は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3100は、変更を加えているが、
図19のシステム1900と同様である。周辺システム130は、チケットをチェックまたは認証するためにTITOゲートウェイを介してTITOシステム120とインターフェース接続するものではない。その代わりに、チケット(符号化されていてもよい)に基づく別の認証番号を最終的にTITO変換サービス124が使用して、EGM112とTITOサービス120との間をインターフェース接続させてチケットを認証する。
【0130】
システム3100は、モバイル機器110がEGM112からハッシュを取得することで開始する。先に説明したように、ハッシュは、最初の3段階に示すように、周辺システム130から周辺アダプタ132を介して取得することができる。モバイル機器110は、ハッシュを含む、またはこれに基づく情報をモバイルウォレット114に通信して、情報または信号を周辺システム130に通信し、モバイルウォレット114に記録されたTITOチケットの額に基づいたクレジットを適用してもよい。
【0131】
そして、周辺システム130は、TITOチケット内の情報に基づく認証番号を周辺アダプタ132に通信することができる。ある実施の形態では、認証番号は、18桁の数字としてもよい。そして、周辺アダプタ132は、紙幣鑑別機118を用いてEGM112にクレジットを入金するために仮想チケット取引を開始することができる。
【0132】
紙幣鑑別機118は、認証番号をEGM112に渡し、EGM112はTITO変換サービス124と通信して、チケットが有効であること、および賭けのためにEGM112に適用されるクレジットの額を判断する。クレジットが適用されると、EGM112は、チケットが換金されたことをTITO変換サービス124に通信することができる。TITO変換サービス124は、TITOシステム120とインターフェース接続して、例えばカジノ管理システムにおいて、引換えが会計報告される。
【0133】
クレジットがEGM112に追加されると、仮想取引が完了した旨のメッセージが、モバイルウォレット114とモバイル機器110に中継または通信されてもよい。
【0134】
図32は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3200は、モバイルウォレット114からモバイル機器110において受信されたハッシュを、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110から取得して取引を開始するという点を除いて、システム3100と同様である。システム3200では、周辺システム130は、ハッシュをチェックするためにモバイルウォレット114と通信してもよい。システム3200は、カジノのネットワークを介して開始されてもよい。
【0135】
図33~34は、仮想TITOチケットが利用者のモバイルウォレットから換金され、周辺システムによって紙幣鑑別機に送信される代わりに、認証番号(「参照番号」とも言う)が得られるシステム3300および3400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。そして、TITO変換サービスは、取引を実行するために周辺システムとやりとりしてもよい。従って、周辺システムは、特定の符号および参照番号を提供することによって、間接的にTITO変換サービスを介して仮想TITOシステムと協働することができる。
【0136】
図33は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3300は、周辺システム130も周辺アダプタ132に認証番号を渡して、TITO変換サービス124と共に間接的に使用するという点で、システム3100と同様である。システム3400のTITO変換サービス124は、示された段階10および11において、実際のTITOチケット番号を得るために周辺システム130と通信する。そして、TITO変換サービス124は、チケットが有効であることをEGM112に通信し、チケットのクレジットをEGM112に適用するために、TITOサービス120とインターフェース接続する。このようにクレジットが入金されると、チケットが換金された旨のメッセージが周辺システム130からモバイルウォレット114およびモバイル機器110に送信される。
【0137】
図34は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3400は、モバイルウォレット114から受信されていたハッシュを、モバイル機器110からプレーヤーインターフェース装置134が取得し、周辺システム130もハッシュをチェックできるという点を除いて、システム3300と同様である。
【0138】
図35~36は、仮想TITOチケットが利用者のモバイルウォレットから換金され、紙幣鑑別機に送信される代わりに、認証番号が取得される、
図33~34に示すシステムと同様のシステム3500および3600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。ただし、TITO変換サービスは、周辺システムを介する代わりに、モバイルウォレットとの直接通信またはシグナル伝達によって、仮想TITOチケットを取得する。
【0139】
図35は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3500は、システム3300の変形例である。システム3500は、システム3300と同様に進み、先に説明したように、モバイル機器110がEGMからハッシュを取得し、モバイルウォレット114が周辺システム130にTITO認証番号を渡す。周辺システム130は、TITO認証番号から参照番号を生成し、周辺アダプタ132にその参照番号を渡して、EGM112にクレジットを追加するための仮想チケット取引を開始する。示したメッセージフローは、参照番号をTITO変換サービス124に送信する。
【0140】
そして、TITO変換サービス124は、周辺システム130とインターフェース接続して、利用者のモバイルウォレット114と通信するための情報を取得する。TITO変換サービス124は、モバイルウォレット114から、TITOサービス120とインターフェース接続するために必要なTITOチケットに関する情報を取得して、EGM112にクレジットを追加するための通常のチケット取引として進む。
【0141】
EGM112は、チケットが有効であった旨のメッセージを受信すると、チケットの価値をクレジットとして適用し、チケットが換金されたことをTITO変換サービス124に通信することができる。そして、TITO変換サービス124は、チケットが換金されたことを直接モバイルウォレット114に通知してもよい。そして、モバイルウォレット114は、換金の通知を利用者のモバイル機器110に対して送信してもよい。
【0142】
図36は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3600は、モバイルウォレット114からハッシュを取得したモバイル機器110から、プレーヤーインターフェース装置134がハッシュを取得し、周辺システム130もハッシュをチェックしてもよい点を除いて、システム3500と同様である。
【0143】
図37~38は、周辺システムとTITO変換サービスを用いてEGMにクレジットが適用されるシステム3700および3800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。周辺システムは、周辺アダプタとEGMを介して参照番号をTITO変換サービスに送信して、どのくらいのクレジットをモバイルウォレットからEGMに移動させるべきかを示す。
【0144】
図37は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3700は、TITO変換サービス124が、受信した参照番号を使用して、モバイルウォレット114と直接インターフェース接続し、モバイルウォレット114からの資金を確認して保持する点を除いて、システム3500と同様である。システム3500とは異なり、システム3700では、TITO変換サービス124は、TITOサービスとの通常のチケット取引を行う必要はない。
【0145】
図38は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3800は、モバイルウォレット114からハッシュを取得したモバイル機器110から、プレーヤーインターフェース装置134がハッシュを取得し、周辺システム130もハッシュをチェックできる点を除いて、システム3700と同様である。
【0146】
図39~40は、周辺システムとTITO変換サービスとを用いてEGMにクレジットが適用されるシステム3900および4000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。これらのシステムは、クレジット用の資金が、利用者のモバイルウォレットからではなく、銀行(または利用者の他の金融機関)から得られる点を除いて、システム3700および3800と同様である。周辺システムは、周辺アダプタおよびEGMを介してTITO変換サービスに参照番号を送信する。TITO変換サービスは、資金を入手するために銀行とインターフェース接続する。
【0147】
図39は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム3900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム3900は、TITO変換サービス124が、銀行138とインターフェース接続するために必要な銀行138に関する情報を周辺システム130から取得する点を除いて、システム3800と同様である。このような情報には、銀行138の銀行支店コード、引き出される資金の額などが含まれてもよい。
【0148】
図40は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム4000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4000は、モバイルウォレット114からハッシュを取得したモバイル機器110から、プレーヤーインターフェース装置134がハッシュを取得し、周辺システム130もハッシュをチェックできる点を除いて、システム3900と同様である。
【0149】
図41~42は、周辺システムとTITO変換サービスとを用いてEGMにクレジットが適用されるシステム4100および4200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。これらのシステムは、クレジット用の資金がTITO変換サービスからEGMに返金される点を除いて、システム3700および3800と同様である。
【0150】
図41は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム4100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4100は、段階6において、周辺システム130が、クレジットとして入金する額を含む数字を周辺アダプタ132に送信する点を除いて、システム3700と同様である。周辺アダプタ132は、これまでと同様に仮想チケット取引を開始し、EGM112は、チケットおよび額に関する情報が有効であることを判断するためにTITO変換サービス124とインターフェース接続する。
【0151】
図42は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム4200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4200は、モバイルウォレット114からハッシュを取得したモバイル機器110から、プレーヤーインターフェース装置134がハッシュを取得し、周辺システム130もハッシュをチェックできる点を除いて、システム4100と同様である。
【0152】
図43~44は、モバイルウォレットが別のTITOサービスからのTITOチケットを含んでいるシステム4300および4400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。これは、複数のカジノがそれぞれのTITOサービスを用いる、または異なるTITOチケットを発行する場合に起こりうる。各カジノのTITOチケットは、TITO変換サービスによって認識できるそれぞれの形式の認証番号を有してもよく、TITO変換サービスは、各カジノのTITOサービスとのやりとり、またはTITOサービスに対する直接的なやりとりを実施することができる。各カジノの周辺システムは、TITO変換サービスがカジノを識別できる形式または符号化で、各周辺アダプタに渡す参照番号を生成することができる。
【0153】
図43は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム4300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4300は、
図31のシステム3100と同様である。モバイル機器110は、EGM112からハッシュを受信し、モバイルまたはセルラーネットワークを用いてEGM112にクレジットを追加するために取引を開始して、モバイルウォレット114に通信を送信する。次に、モバイルウォレット114は、チケットに関する情報を周辺システム130に送信する。
【0154】
周辺システム130は、チケット情報に関する、またはこれに基づいた参照番号を生成し、参照番号を周辺アダプタ132に送信する。次に、周辺アダプタ132は、紙幣鑑別機118とEGM112との間の通信によって仮想チケット取引を開始する。EGM112は、参照番号に関する情報をTITO変換サービス124と通信する。
【0155】
TITO変換サービス124は、TITOサービス120Aと120Bのいずれが、モバイルウォレット114内の元のTITOチケットと対応しているかを選択するために、参照番号に含まれる情報を用いてもよい。
図43では、対応したTITOサービスがTITOサービス120Aとして図示されている。そして、TITOサービス120Aは、チケット有効性情報をTITO変換サービス124に提供し、これによりEGM112とやりとり、または通信することができる。以降の動作または通信は、システム3100に関して述べた通りとしてもよい。
【0156】
図44は、EGM112の利用者がEGM112にクレジットを追加できるようにするシステム4400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4400は、モバイルウォレット114からハッシュを取得したモバイル機器110から、プレーヤーインターフェース装置134がハッシュを取得し、周辺システム130もハッシュをチェックできる点を除いて、システム4300と同様である。
【0157】
セクションIV:EGMクレジット引き出し
このセクションでは、利用者が、EGM上の利用可能なゲーム用クレジットまたは印刷されたTITOチケットのための資金を利用者のモバイルウォレットに換金、変換、振替、または取得できるようにするシステム、方法、および装置について述べる。このような換金、払戻、または振替のことを指すために、「キャッシュアウト」という語を用いることもある。利用者は、まだEGMで利用可能なクレジットを有しているが、賭けを終了させたいと思うかも知れない。これらの実施の形態では、どのようにクレジットの一部または全部を利用者のモバイルウォレットにキャッシュアウトする、または別の形式で払戻しするかについて述べる。
【0158】
図45~46は、利用者が、クレジットを物理的TITOチケットから利用者のモバイルウォレットに振替できるようにするシステム4500および4600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。物理的TITOチケットをキオスク、紙幣鑑別機、またはEGMに対応付けられたプリンタから受け取った場合、モバイル機器は、この物理的チケットをスキャンし、資金を利用者のモバイルウォレットに預け入れることが可能であってもよい。
【0159】
図45は、利用者が、物理的チケットにおいて利用可能なクレジットをモバイルウォレット114に取得または換金できるようにする方法またはシステム4500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4500の動作は、モバイル機器110による物理的チケットのスキャン、および払い戻されたクレジットを取得するための取引の開始によって始まる。スキャンは、モバイルウォレット114に関する取引を対象としたモバイル機器110上の特定目的または他のアプリを使用して実行してもよい。スキャンは、モバイル機器110のカメラによって、またはキオスク、EGM、紙幣鑑別機、ケージ、または上述した他の要素などにおける別個のスキャナによって実行され、モバイル機器110に送信されてもよい。
【0160】
そして、モバイル機器110は、スキャンしたチケット(スキャンした画像自体、チケット上のコード、コードから得た情報など)からの情報をモバイルウォレット114に通信することによって、キャッシュアウト取引を開始する。そして、モバイルウォレット114は、この情報を周辺システム130に通信する。周辺システム130は、元のチケットが有効であったことを判定するために、TITOゲートウェイ122を介するなどによってTITOシステム120と通信してもよい。キャッシュアウト取引の一部として、かつ/または未処理または利用可能なチケットを報告するために、次にTITOシステム120は、カジノ管理システム内の電子記録などのチケットの記録が元の物理的チケットはもう有効でないことを示すようにすることができる。
【0161】
そして、周辺システム130は、仮想チケットなど、等価の新たなチケットを作成する。周辺システム130は、例えばTITOゲートウェイ122を介したTITOシステム120との通信において等価の新たなチケットを使用して、元のチケットからの資金を、利用者のモバイルウォレット114か新たなチケットのいずれかに金銭的な資金として追加させる。
【0162】
図46は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム4600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4600は、新たな等価チケットが作成されない点を除いて、システム4500と同様である。代わりに、元のチケットまたは仮想等価物が、利用者のモバイルウォレット114に直接記録または保存される。このシステムでは、チケットの最初の印刷形式が破棄されることが求められる。このシステムは、物理的チケットの破棄を実行できるカジノのケージ、キオスク、紙幣鑑別機、またはEGM(図示せず)において実行されてもよい。
【0163】
図47~48は、物理的チケットがカジノのケージで換金されるシステム4700および4800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。チケットは、ケージで(例えば係員によって)スキャンされる。利用者のモバイル機器は、利用者のモバイルウォレットからハッシュを取得し、カジノ管理システムと通信するよう構成されたケージ内の設備に渡す。カジノ管理システムは、TITOシステムおよび周辺システムと通信して、資金、または代替チケットの利用者のモバイルウォレットへの振替を実行してもよい。
【0164】
図47は、利用者が、物理的チケット上で利用可能なクレジットを利用者のモバイルウォレットに取得または換金できるようにするシステム4700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4700の方法では、利用者は、カジノケージ140で物理的チケットを提示し、そしてチケットは、例えば係員によってケージでスキャンされる。そして、利用者のモバイル機器110は、利用者のモバイルウォレット114から取得したハッシュをケージ140の設備に通信することができる。この通信には、バンプ通信、様々なNFC技術、利用者のモバイル機器110のディスプレイからのコード(例えば、QRまたはバーコード)の読み取り、または他の通信方法を利用してもよい。
【0165】
ハッシュおよび/またはチケットのスキャンからの他の情報を用いて、ケージ140は、カジノ管理システム(CMS)136と通信する。そして、CMS136は、ハッシュをチェックしチケットの有効性を得るために、周辺システム130を介して利用者のモバイルウォレット114と通信してもよい。有効性はTITOシステム120に通信され、TITOシステム120は、その後、自身の記録またはデーベース内などの元の物理的チケットを無効化することができる。そして、CMS136は、周辺システム130を用いて、元の物理的チケットの額または資金を、利用者のモバイルウォレット114に預け入れる、または記録させることができる。資金は、新たなチケットとしてモバイルウォレット114に記録された金銭価値の形式であっても、別の形式でもよい。
【0166】
図48は、利用者が、物理的チケット上で利用可能なクレジットを利用者のモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム4800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4800は、CMS136が、周辺システム130とTITOシステム120の両方とではなく、周辺システム130のみとインターフェース接続する点を除いて、システム4700と同様である。
【0167】
システム4800では、周辺システム130は、モバイルウォレット114およびTITOシステム120と直接通信して、ハッシュをチェックし、ハッシュの有効性をTITOシステム120に通信し、そして、TITOシステム120は元の物理的チケットを無効化することができる。周辺システム130は次に、元の物理的チケットの額または資金を、利用者のモバイルウォレット114に預け入れる、または記録させることができる。資金は、新たな仮想チケットとしてモバイルウォレット114に記録された金銭的価値の形式、または他の形式とすることができる。
【0168】
図49~50は、利用者が、EGMで利用可能なクレジットを利用者のモバイルウォレットに振替できるようにするシステム4900および5000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4900および5000は、自動資金振替(AFT)法を利用する。
【0169】
図49は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム4900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム4900の動作は、モバイル機器110がEGM112からハッシュを読み出すことで開始する。
図49に示すように、EGM112は、プレーヤーインターフェース装置134を介して利用者と通信またはインターフェース接続することができる。そして、EGM112は、モバイルまたはセルラーネットワークを介してハッシュをモバイルウォレット114に通信して、振替取引を開始する。モバイルウォレット114は、振替を実行するために周辺システム130と通信し、周辺システム130は、AFTを実施するために小型処理装置142と通信する。小型処理装置142は、周辺ネットワークアダプタ(PNA)を備えてもよいし、周辺ネットワークアダプタとして実現されてもよい。
【0170】
小型処理装置142は、EGM112と通信することでEGM112上のクレジットが削除され、周辺システム130と通信してAFTが完了したことを示す。周辺システム130がその旨を受けると、対応する認証をTITOシステム120に送信し、モバイルウォレット114に資金を振り替える。
【0171】
図50は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5000は、(i)小型処理装置142の代わりに周辺アダプタ132が使用される、(ii)モバイル機器110がモバイルウォレット114からハッシュを取得する点を除いて、システム4900の変形例である。
【0172】
図51~52は、利用者が、EGMで利用可能な資金を利用者のモバイルウォレットに振替できるようにする方法およびシステム5100および5200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5100および5200は、紙幣鑑別機および仮想プリンタ取引を利用する。これらのシステムでは、利用者は、モバイル機器上などのモバイルアプリでオプションを選択して、EGM上のクレジットをモバイルウォレットに振り替える。EGMは、プリンタと通信してTITOチケットを(利用者がキャッシュアウトできる通常の処理のように)印刷し、代わりに、プリンタが認証番号を周辺システムに転送する。そして、周辺システムは、額または資金をモバイルウォレットに追加することができる。
【0173】
図51は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5100は、モバイルまたはセルラーネットワークを介するなどして、モバイル機器110がEGM112からハッシュを取得することによって、上述した処理を実施する。システム5100において、周辺システム130は、周辺アダプタ132を通じて、プリンタ128を仮想印刷モードに設定する。資金をモバイルウォレット114に振り替えるためのその後のワークおよびシグナルフローは、図示した通りである。
【0174】
図52は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5200は、振替取引を開始するためにモバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得する代わりに、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得する点を除いて、システム5100に基づいている。ハッシュを通信することに関する最初のワークまたはシグナルフローの段階は逆向きであるが、それ以外はシステム5200は、システム5100の通りである。
【0175】
システム5100の段階8とシステム5200の段階9において、周辺アダプタ132は、EGM112におけるキャッシュアウトイベントを起動させる。これは、様々な方法によって行うことができる。第1の方法では、周辺アダプタ132は、物理的なキャッシュアウトボタン(例えば、EGM112または関連するプレーヤーインターフェース装置134上に配置してもよい)の電気信号を利用し、ボタン押圧をモデル化することができる。第2の方法では、周辺アダプタ132は、シリアル通信、ウェブアプリケーションプログラムインターフェースなどを介して、何らかのソフトウエア信号を送信することができる。
【0176】
図53~54は、EGMで利用可能なクレジットを利用者のモバイルウォレットに振り替えることができる方法およびシステム5300および5400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5300および5400は、EGMがチケットレスキャッシュアウトに対応するようプログラムされているものとすることができる点を除いて、上述したシステム5100および5200に基づく。システム5300および5400のワークおよびシグナルフローでは、周辺アダプタが、EGMにおけるキャッシュアウトを起動させることができ、EGMはカジノ管理システムとの通信を通じてキャッシュアウトを行う。
【0177】
図53は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5300の動作は、モバイル機器110が、モバイルネットワークなどを介してEGM112からハッシュを取得することによって開始される。周辺システム130は、周辺アダプタ132の使用によりEGM112に通信して、キャッシュアウト動作を実行する。周辺システム130からEGM112への通信は、キャッシュアウトすべきクレジットの額に関する情報を含んでもよい。
【0178】
そして、EGM112は、TITOシステム120およびモバイルウォレット114と通信するようCMS136に通知して、資金を振り替え、会計報告する。
【0179】
図54は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5400は、プレーヤーインターフェース装置134が代わりにモバイル機器110からハッシュを取得する点を除いて、システム5300に基づいている。ハッシュを通信することに関する最初のワークまたはシグナルフローの段階は逆向きであるが、それ以外の点ではシステム5400は、システム5300で述べた通りである。
【0180】
システム5300の段階7とシステム5400の段階8において、周辺アダプタ132は、EGM112におけるキャッシュアウトイベントを起動させる。これは、様々な方法によって行うことができる。第1の方法では、周辺アダプタ132は、物理的なキャッシュアウトボタン(例えば、EGM112または関連するプレーヤーインターフェース装置134上に配置してもよい)の電気信号を利用し、ボタン押圧をモデル化することができる。第2の方法では、周辺アダプタ132は、シリアル通信、ウェブアプリケーションプログラムインターフェースなどを介して、何らかのソフトウエア信号を送信することができる。
【0181】
図55~60は、利用者が、EGM上のクレジットの払戻しまたは振替(「キャッシュアウト」)を得ることができる方法およびシステム5500~6000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。上述したシステム5300および5400との違いは、(i)キャッシュアウトは、周辺アダプタの代わりにカジノ管理システム(CMS)によってEGMで起動される、(ii)EGMは、TITOシステムとの通信によってTITOチケットを作成する、ことを含む。
【0182】
図55は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5500の処理は、モバイル機器110がモバイルまたはセルラーネットワークを介するなどして、EGM112からハッシュを取得することによって開始される。ハッシュおよびこの処理に必要な他の情報は、モバイルウォレット114によって周辺システム130に通信されてもよい。この情報には、換金されるEGM112上のクレジットの残高または他の額が含まれていてもよい。
【0183】
そして、周辺システム130は、キャッシュアウトのための情報をEGM112に通信することができる。EGM112は、次に、仮想TITOチケットを生成するためにカジノのTITOシステム120と通信することができる。そして、EGM112は、額または残高がクレジットから削除されたことをCMS136に通信し、生成したTITOチケットに関する認証番号をCMS136に渡してもよい。
【0184】
CMS136は、周辺システム130と連動して、モバイルウォレット114に預け入れる額または残高を送信することができる。そして、預け入れを記録するために、モバイルウォレット114から周辺システム130を介してCMS136に対して、返送または応答通信が送り返されてもよい。
【0185】
図56は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5600は、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、開始シグナルまたはワークフローが逆向きである点を除いて、システム500と同様である。
【0186】
図57は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5700は、EGM112ではなくCMS136がTITOシステム120とインターフェース接続する点を除いて、システム5500と同様である。システム5700の開始段階は、周辺システム130がハッシュおよび他の情報をモバイルウォレット114から受信する段階5まで、システム5500と同様に進む。そして、周辺システム130は、利用者またはEGM112上の自身のクレジットに関する情報が受信された旨の通知をCMS136に送信する。CMS136は、次に、利用者のクレジットの残高または他の額を読み出すことができる。そして、CMS136は、TITOシステム120と連動して、読み出した残高または額に等しい価値を有するTITOチケットを生成することができる。CMS136は、EGM112上の残高または額を削除または取消すことができる。そして、CMS136は、周辺システム130を用いて、モバイルウォレット114に預け入れる残高または額を送信することができる。
【0187】
図58は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5800は、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、最初のシグナルまたはワークフローが逆向きであるという点を除いて、システム5700と同様である。
【0188】
図59は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム5900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム5900は、システム5700の変形例である。システム5900の処理は、CMS136がEGM112から残高または額を読み出した段階8まで、システム5700と同様である。CMS136は、周辺システム130と通信し、TITOシステム120と連動してTITOチケットを生成する。
【0189】
TITOチケット(またはその情報)は、周辺システム130によってCMS136に通信され、動作は、残高または額をモバイルウォレット114に預け入れるようシステム5700と同様に進む。
【0190】
図60は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6000は、プレーヤーインターフェース装置134がモバイル機器110からハッシュを取得し、最初の信号またはワークフローが逆向きである点を除いて、システム5900と同様である。
【0191】
図61~62は、利用者がEGM上のクレジットの払戻しまたは振替を得ることができる方法およびシステム6100および6200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6100および6200は、EGM上のクレジットに対するキャッシュアウト取引を開始するために利用者が利用できる「キャッシュアウト」ボタンを有するEGMと連結して使用される、またはこれに据え付けられることができる。あるEGMでは、利用者は、「キャッシュアウト」ボタンを押して、例えば紙幣鑑別機またはプリンタによる物理的なTITOチケットの印刷を開始するであろう。このようなEGMでは、利用者が「キャッシュアウト」ボタンを押すのと印刷の開始の間にタイムラグがあるかも知れない。システム6100および6200は、どのようにクレジットを換金または払戻しするか変更する処理を、利用者が変更可能とすることができる。処理の変更は、例えば、モバイル機器からEGMへのバンプ通信を用いることによって実行でき、利用者は、クレジットを利用者のモバイルウォレットに預け入れるよう変更することができる。システム6100および6200はまた、利用者がモバイルウォレットにキャッシュアウトできるようにする特定のボタンを有するEGMと連結して使用されてもよい。
【0192】
図61は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6100の方法または処理は、EGM112上でまだ利用可能なクレジットの換金または払戻しを受けるために、利用者がEGM112上の「キャッシュアウト」ボタンを押すことによって開始される。EGM112は、TITOシステム120と通信して、TITOチケットの認証番号を生成する。認証番号は、EGM112からプリンタ128に渡される。
【0193】
プリンタ128が物理的チケットを印刷する前に、システム6100は、物理的チケットを印刷するのとは異なるキャッシュアウト処理を利用者が開始する選択肢を許可してもよい。これは、利用者が、モバイル機器110からEGM112またはEGM112とリンクされたプレーヤーインターフェース装置134へのバンプまたは他の通信を適用することによるものでもよい。別のキャッシュアウト処理が開始されると、モバイル機器110は、モバイルまたはセルラーネットワークの使用などにより、ハッシュを取得することができる。ハッシュおよび恐らく他の情報は、モバイルウォレット114、続いて周辺システム130に渡され、別のキャッシュアウト処理が開始される。システム6100では、クレジットのキャッシュアウトにより得られた資金がモバイルウォレット114に適用されるが、EGM112上のクレジットからの資金を利用者の他の口座または形式に適用または送信できることは、当業者であれば分かるであろう。
【0194】
そして、周辺システム130は、周辺アダプタ132を介してプリンタ128と通信して、物理的チケットの印刷を中断する。そして、プリンタ128は、その印刷キューなどにある物理的チケットに対する全ての印刷ジョブを一時停止または終了し、認証番号を周辺システム130に返信する。
【0195】
そして、周辺システム130は、資金を預け入れるためにモバイルウォレット114に認証番号を通信し、確認を受け取る。さらに必要であれば、周辺システム130は、さらにプリンタ128に通信してチケット印刷の中断を完了させてもよい。そして、プリンタ128は、EGM112に対して、払い戻し処理が完了した旨の確認メッセージまたは信号を通信することができる。次に、EGM112は、換金されたクレジットの削除を完了させてもよい。
【0196】
図62は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6200は、プリンタ128がEGM112から認証番号を受信した後に、プレーヤーインターフェース装置134が利用者のモバイル機器110からハッシュを受信する点を除いて、システム6100と同様である。ハッシュ(および必要であれば他の情報)は、周辺アダプタ132を介して周辺システム130に渡されて、キャッシュアウト取引が開始される。その後の段階はシステム6100について述べた通りである。
【0197】
図63~65は、利用者が、EGMで利用可能なクレジットの払戻しまたは振替を得ることができる方法およびシステム6300~6500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6300~6500は、EGM上のクレジットに対するキャッシュアウトを開始するために利用者が利用できる「キャッシュアウト」ボタンを有するEGMと連結して使用される、またはこれに据え付けられることができる。あるEGMでは、利用者は、「キャッシュアウト」ボタンを押して、例えば紙幣鑑別機またはプリンタによる物理的なTITOチケットの印刷を開始するであろう。システム6300~6500は、モバイルウォレットとの、またはEGMとプリンタ以外の要素との間の他の接続を利用するシステム6100の変形例である。
【0198】
図63は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6300は、EGM112上のクレジットが、元は利用者のモバイルウォレット114からEGM112に適用されたものであるという点を除いて、システム6100と同様である。従って、モバイルウォレット114に関する情報は、EGM112などの要素が利用できるものであって、ハッシュを生成する必要がないので、より迅速な払戻しが可能になる。
【0199】
システム6300の方法は、利用者がEGM112上で「キャッシュアウト」ボタンを押す、またはそれと同等のタスクを実行して、キャッシュアウト取引を開始するという点で、システム6100と同様である。EGM112は、TITOシステム120と通信してTITOチケットを生成し、TITOシステム120に入力させる。TITOチケット、または少なくともその認証番号を渡すことにより、EGM112は、プリンタ128と通信して、物理的チケットを印刷する処理を開始できる。システム6300は、上述したように、利用者が処理を中断できるようにしてもよい。
【0200】
印刷処理が中断されると、プリンタ128は、認証番号を周辺アダプタ132に通信することができる。それに対して、周辺アダプタ132は、認証番号と、クレジットが換金されているEGM112に関する情報を周辺システム130に渡すことができる。
【0201】
そして、周辺システム130は、資金をモバイルウォレット114に直接預け入れることが可能でもよい。そして、周辺システム130は、周辺アダプタ132を介してEGM112に、印刷処理が完了したことを通信してもよい。その後、EGM112は、クレジットを削除することが可能であってもよい。
【0202】
図64は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにする方法およびシステム6400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6400は、EGM112上のクレジットが最初は利用者によってモバイルウォレット114から適用されたが、現在その利用者は残っているクレジットをキャッシュアウトすることを望んでいるという点において、システム6300と同様である。ただし、システム6400は、EGM112がCMS136との通信によってキャッシュアウト動作を実行するという点において、システム6300と異なる。EGM112は、引き続きプリンタ128とリンクされてもよいが、プリンタ128は、キャッシュアウト取引では使用されない。システム6400は、引き続きプレーヤーインターフェース装置134および周辺アダプタ132を備えてもよいが、キャッシュアウト取引は、これらを利用する必要はない。
【0203】
システム6400におけるキャッシュアウト取引の処理は、利用者が、キャッシュアウト取引を開始するために、EGM112において「キャッシュアウト」ボタンを押す、またはそれと同等のタスクを実行すると始まる。EGM112は、キャッシュアウトコマンドが入力されたことをCMS136に通信し、CMS136は、仮想TITOチケットおよび/または認証番号を生成するためにTITOシステム120と通信する。
【0204】
利用者の賭けの開始時にEGM112にクレジットを適用するためにモバイルウォレット114が使用されたので、モバイルウォレット114に関連する識別または他の情報は、CMS136上にあり得る。CMS136は、この識別または他の情報を、少なくとも認証番号と共に、周辺システム130に通信することができる。そして、周辺システム130は、EGM112から引き換えられているクレジットを、モバイルウォレット114に資金として預け入れることができる。
【0205】
そして、確認または他の通信は、モバイルウォレット114から周辺システム130へ、次にCMS136へ、そしてEGM112へと進み、キャッシュアウトすべきクレジットが預け入れられたことを確認し、キャッシュアウト取引を完了させることができる。
【0206】
図65は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6500は、EGM112がCMS136と通信してキャッシュアウト取引を実行する点において、システム6400と同様である。ただし、システム6500では、TITOシステム120と通信するのは周辺システム130である。
【0207】
システム6500に対して図示される処理は、利用者がEGM112上のキャッシュアウトボタンを押すことによって開始される。EGM112は、コマンドをCMS136に通信し、CMS136はキャッシュアウトすべきクレジット残高と、EGM112に関する識別または他の情報を周辺システム130に通信する。
【0208】
次に、周辺システム130は、モバイルウォレット114と通信して、モバイルウォレット114の口座に関する識別または他の情報など、利用者に関する情報を取得する。そして、周辺システム130は、TITOシステム120とインターフェース接続して、認証番号を生成する。そして、認証番号は、EGM112からのクレジット残高をモバイルウォレット114に預け入れる処理の一部として使用される。預入れが完了すると、周辺システム130は、CMS136を通じてEGM112に、クレジットが振り替えられたことを送信してもよい。
【0209】
図66~67は、EGMで利用可能なクレジットの払戻しまたは振替を利用者が得ることができる方法およびシステム6600および6700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6600~6700は、「キャッシュアウト」ボタンと「モバイルキャッシュアウト」ボタンの両方を利用可能なEGMと連結して使用される、またはこれに据え付けることができる。利用者は、EGM上のクレジットに対するキャッシュアウト取引を、少なくとも二つの方法で開始できる。このようなEGMに対して、利用者は、「キャッシュアウト」ボタンを押して、例えば紙幣鑑別機またはプリンタによる物理的チケットの印刷を開始するであろう。システム6100および6200にあったような、チケットの印刷を中断する方法は必要ないかも知れない。システム6600~6700は、これを別の方法で実施する。これらのシステムにおいて、「ボタン」とは、物理的なボタン、画面のアイコン、または対応する処理または取引を開始するために利用者が使用できる他の入力機構を指すものとする。
【0210】
図66は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6600は、「モバイルキャッシュアウト」ボタンのあるEGM112を備えている。「モバイルキャッシュアウト」ボタンは、キャッシュアウト取引を開始するためにEGM112に開始信号を送信する前に、モバイルキャッシュアウトに備える、またはこれを始めるため、別の装置に信号を送信することができる。
【0211】
図66に示すように、利用者がモバイルウォレット114にクレジットを換金したい場合、モバイル機器110は、モバイルウォレット114からハッシュを取得し、これをプレーヤーインターフェース装置134または「モバイルキャッシュアウト」ボタンのいずれかに渡す。そして、周辺アダプタ132を通じて周辺システム130にメッセージが送信され、周辺システム130が、次のチケットには「印刷なし」オプションを設定するようプリンタ128に通信する。
【0212】
段階10および11では、EGM112におけるキャッシュアウト取引が起動され、EGM112をTITOシステム120と通信させて認証番号を生成することができる。EGM112は、プリンタ128にメッセージを送信し、これによって通常であれば認証番号に基づいた物理的チケットが印刷される。代わりに、通信が周辺システム130に対して送られ、資金をモバイルウォレット114に預け入れることができる。そして、キャッシュアウト取引が完了した旨の通信を、プリンタ128およびEGM112に返送することができる。
【0213】
図67は、EGM112で利用可能なクレジットを利用者がモバイルウォレット114に取得または換金できるようにするシステム6700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6700は、「モバイルキャッシュアウト」ボタンが、システム6100に関連して上述した通常のキャッシュアウトボタンと連携される、またはその一部として実装される点を除いて、システム6600と同様である。システム6700では、段階11および12において、「モバイルキャッシュアウト」は、通常キャッシュアウトボタンに対して、またはこれを通じてキャッシュアウト取引信号を通信する。それ以外の点では、システム6700の動作はシステム6600の通りである。
【0214】
セクションV:外部資金へのモバイルクレジット振替
このセクションでは、利用者が、モバイルウォレットで利用可能な資金を外部の資金に振り替えまたは払い戻しできるようにするシステム、方法、および装置について述べる。外部の資金には、現金の払戻し、クレジットカードまたはデビットカード口座、銀行口座または他の口座への支払いが含まれてもよい。先に述べたように、モバイルウォレットで利用可能な資金は、保存されたTITOチケットや別個の銀行口座の形式、または他の形式であってもよい。
【0215】
図示してはいないが、第1の方法では、利用者は、例えば紙幣鑑別機や物理的TITOチケットを印刷するように構成された他の要素において、バンプ(または他の形式の)通信を使用することができる。そして、物理的TITOチケットは、カジノケージにおいて換金することができる。
【0216】
図68~71は、利用者が、モバイルウォレットで利用可能な資金をカジノのキオスクを用いて外部のデビット口座に振替または払戻しさせることができる方法およびシステム6800~7100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。キオスクは、処理中に利用者を支援するよう利用者とやりとりするために、ディスプレイまたは他の方法を有することができる。
【0217】
図68は、利用者が、モバイルウォレット114で利用可能な資金を外部の資金に振替または払戻しさせることができるシステム6800の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。このシステム6800は、キャッシュアウト取引を実行するために、キオスク116が銀行138およびTITOシステム120と通信するよう構成されている。
【0218】
システム6800におけるキャッシュアウト取引は、モバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得し、そのハッシュをモバイルウォレット114に渡すことによって始まる。モバイルウォレット114は、キオスク116とインターフェース接続する周辺システム130にハッシュを渡す。キオスク116はまず、TITOシステム120とインターフェース接続して、モバイルウォレット114上にあった一つまたは複数のTITOチケットまたは他の資金を換金する。
【0219】
キオスク116は、外部銀行138との接続(例えば、インターネット、無線など)を通じて銀行138に通信し、換金された資金を預け入れる。次に、キオスク116は、モバイルウォレット114とも通信して、換金した資金をモバイルウォレット114から差し引いて、キャッシュアウト取引を完了する。
【0220】
図69は、利用者が、モバイルウォレット114で利用可能な資金を外部資金に振替または払戻しさせることができるシステム6900の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム6900のシグナルおよびワークフローは、ここではプレーヤーインターフェース装置134が、モバイルウォレット114からモバイル機器110が取得したハッシュを取得する点を除いて、システム6800と同様である。プレーヤーインターフェース装置134は、ハッシュを周辺システム130に渡し、周辺システム130は、ハッシュをモバイルウォレット114と共に確認することができ、その後のキャッシュアウト取引は、システム6800と同様に進む。
【0221】
図70は、利用者が、モバイルウォレット114で利用可能な資金を外部資金に振替または払戻しさせることができるシステム7000の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7000は、周辺システム130ではなくキオスク116を用いてモバイルウォレット114を更新する点を除いて、システム6800と同様である。システム7000内の初期動作は、キャッシュアウト取引を開始するために、モバイル機器110がプレーヤーインターフェース装置134からハッシュを取得し、このハッシュをモバイルウォレット114に渡すことで始まる。モバイルウォレット114は、周辺システム130を通じてハッシュをキオスク116に渡し、そしてキオスク116が、モバイルウォレット114と共にハッシュをチェックしてもよい。
【0222】
キオスク116は次に、TITOチケットまたは資金をモバイルウォレット114から削除、取消、差し引きするために、モバイルウォレット114と直接通信する点を除いて、システム6900と同様に進む。次に、キャッシュアウト取引完了の通知信号が、キオスク116から周辺システム130に、続いてモバイルウォレット114に、さらにモバイルウォレット114からモバイル機器110にも送信される。
【0223】
図71は、利用者が、モバイルウォレット114で利用可能な資金を外部資金に振替または払戻しさせることができるシステム7100の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7100は、ここではプレーヤーインターフェース装置134が、モバイルウォレット114からモバイル機器110が取得したハッシュを取得する点を除いて、システム7000と同様である。プレーヤーインターフェース装置134は、ハッシュを(周辺アダプタ132および周辺システム130を通じて)キオスク116に渡し、キオスク116がモバイルウォレット114と共にハッシュをチェックしてもよく、その後のキャッシュアウト取引はシステム7000と同様に進む。
【0224】
図72~73は、モバイルウォレットで利用可能な資金またはTITOチケットを、利用者が直接自身の銀行口座に振替または払戻しさせることができるようにする方法およびシステム7200および7300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。
【0225】
図72は、銀行振替およびTITOチケット無効化を管理するために、周辺システム130がカジノ管理システム(CMS)136と直接やりとりするシステム7200の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7200の動作は、モバイルウォレット114が(TITOチケットの)認証番号およびハッシュをモバイル機器110に提供し、そのチケットをキャッシュアウトして銀行振替取引を開始するための(照合)応答メッセージを受信することで始まる。CMS136は、認証番号を受信し、TITOシステム120とインターフェース接続してTITOチケットを認証する。認証がなされると、CMS136は、これに相当する資金を銀行138における利用者の銀行口座に振り替え、それからTITOシステム120の記録内のTITOチケットを無効にする。そして、CMS136は、モバイルウォレット114と通信して、モバイルウォレット114からTITOチケットを削除または消去する。
【0226】
図73は、モバイルウォレット114上で利用可能な資金を利用者が外部の銀行口座に振替または払戻しさせることができるシステム7300の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7300は、周辺システム130が、CMS136とではなく、TITO認証および取消し/無効化のためにTITOシステム120と、さらには資金を振り替えるために銀行138と、直接インターフェース接続する点を除いて、システム7200と同様である。
【0227】
システム7300の初期動作は、システム7200の通りである。しかしながら、周辺システム130は次に、TITOシステム120と直接インターフェース接続してTITOチケットを認証し、次に銀行138と直接インターフェース接続して資金を振り替える。次に、周辺システム130は、振替を確認するためにCMS136と通信し、TITOチケットを無効化または他の方法で取消するためにTITOシステム120と通信する。そして、周辺システム130は、モバイルウォレット114と通信して、TITOチケットを削除するまたは取り消す。
【0228】
図74~75は、利用者が、モバイルウォレット上で利用可能な資金を、カジノのケージの機能を用いて銀行口座に振替または払戻しさせることができる方法およびシステム7400および7500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。利用者は、例えばケージの係員に、自身の銀行口座に対して一つまたは複数のチケットを換金したい旨を示す。カジノケージにおいてスキャンまたは入力することができ、カジノケージをチケットにリンクさせることができるバーコード(またはQRコード(登録商標)または他のコード)を提供するために、利用者のモバイル機器のアプリを使用してもよい。
【0229】
図74は、モバイルウォレット114上で利用可能な資金を利用者が外部資金に振替または払戻しさせることができるシステム7400の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7400は、利用者のモバイル機器110およびモバイルウォレット114と協働する。この処理は、利用者が、カジノケージ140において、モバイルウォレット114からUID(利用者識別情報およびTITO認証)をリクエストして、このUIDをケージ140においてシステムに渡すと開始する。ケージ140で渡す動作は、ケージ140の施設によって、モバイル機器110のディスプレイ上のバーコード(またはQRまたは他のコード)をスキャンすることによるものでよい。
【0230】
UIDは、ケージ140によってCMS136に渡され、CMS136は、周辺システム130を介した通信によってモバイルウォレット114と共にUID内の情報をチェックすることができる。CMS136はさらに、TITOシステム120と共にTITOを認証することもできる。TITOが有効である旨の確認を受信すると、TITOシステム120は、TITOの資金を銀行138に振り替えることができる。
【0231】
銀行138から振替の確認を受信すると、CMS136は、TITOシステム120内のTITOを無効にし、モバイルウォレット114内のTITOを削除する、または別の方法で取り消す。
【0232】
図75は、モバイルウォレット114上で利用可能な資金を利用者が銀行138の銀行口座に振替または払戻しさせることができるようにするシステム7500の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7500は、周辺システム130がTITOシステム120および銀行138と直接インターフェース接続する点を除いて、システム7400と同様である。
【0233】
段階7に至るまでの初期動作は、システム7400において記載した通りで、UIDが取得され、次にCMS136を通じて周辺システム130に渡される。その後、周辺システム130は、TITOシステム120および銀行138とインターフェース接続してTITOシステム120と共にチケットを認証し、チケットの資金を銀行138に振り替え、TITOシステム120上のチケットを無効にし、モバイルウォレット114からチケットを削除する。それから、モバイル機器110およびケージ140に、振替の完了についての通知を送信することができる。
【0234】
図76~77は、利用者が、カジノのケージの機能を用いてモバイルウォレット上で利用可能な資金を現金に払戻しさせることができるようにする方法およびシステム7600および7700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。利用者は、ケージで係員などに対して、一つまたは複数のチケットを現金に換金したい旨を示す。カジノケージにおいてスキャンまたは入力でき、カジノケージをチケットにリンクさせるバーコード(またはQRコード(登録商標)または他のコード)を提供するために、利用者のモバイル機器上のアプリを使用してもよい。
【0235】
図76は、モバイルウォレット114上で利用可能な資金を利用者が現金に払い戻しさせることができるようにするシステム7600の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7600では、CMS136は、チケットの照合および無効化を処理するために、TITOシステム120とインターフェース接続する。
【0236】
システム7600は、システム7400と同じ4つの初期動作を経てケージ140にUIDを提供し、このUIDがCMS136に渡される。そして、CMS136は、周辺システム130およびTITOシステム120とインターフェース接続して、UID内の情報をモバイルウォレット114と共にチェックし、TITOシステム120上のチケットを無効にし、モバイルウォレット114からチケットを削除または無効にし、チケットの現金価値を支払うようケージ140にメッセージを送信する。
【0237】
図77は、モバイルウォレット114上で利用可能な資金を利用者が現金に払い戻しさせることができるようにするシステム7700の要素のブロック図およびシグナルフローを示す。システム7700では、周辺システム130は、チケットの照合および無効化を処理するために、モバイルウォレット114およびTITOシステム120と直接インターフェース接続する。
【0238】
システム7700は、システム7400と同じ4つの初期動作を経てケージ140にUIDを提供し、このUIDがCMS136に渡される。そして、CMS136は、UIDを周辺システム130に渡す。周辺システム130は次に、モバイルウォレット114およびTITOシステム120とインターフェース接続して、UID内の情報をモバイルウォレット114と共にチェックし、TITOシステム120上のチケットを無効にし、モバイルウォレット114からチケットを削除または無効にする。これらの動作が完了すると、周辺システム130は、動作の完了についての信号をCMS136に送信してもよい。そして、CMS136は、資金を支払うようケージ140に通知することができる。
【0239】
他の例および実施が、本開示および添付の請求項の範囲および精神に含まれる。例えば、機能を実施する特徴は、機能の一部が異なる物理的位置に実装されるように分散されるなど、物理的に様々な位置に配置されてもよい。さらに、請求項を含む本明細書では、「少なくとも1つの」で始まる項目のリストにおいて用いられる「または」は、例えば「A、B、またはCのうち少なくとも1つ」のリストが、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような選言的なリストを示す。さらに、「例となる」という語は、説明した例が好ましい、あるいは他の例よりも良いことを意味するものではない。
【0240】
先の記載では、説明のために上述した実施の形態を十分に理解できるようにするため特定の名称を使用した。しかし、上述した実施の形態を実施するために特定の詳細が必要とされるものでないことは当業者にとっては自明であろう。従って、本明細書に述べる特定の実施の形態についての先の記載は例示および説明のために提示されている。これらは包括的であること、または開示した具体的な形式に実施の形態を限定することを目的としたものではない。上記の教示に鑑み、多くの修正および変形が可能であることは当業者にとって明らかであろう。