(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】運転者による後方視認のための電子画像ディスプレイを含む車両視認システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241111BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20241111BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20241111BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/20 100
B60R1/26 200
(21)【出願番号】P 2023507782
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2021071015
(87)【国際公開番号】W WO2022028954
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-03
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン スペアル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル マイアー
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-141578(JP,A)
【文献】特開2010-179850(JP,A)
【文献】特開2019-110454(JP,A)
【文献】特開2007-153307(JP,A)
【文献】特開2001-152718(JP,A)
【文献】特開2010-208416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0134217(US,A1)
【文献】特開2019-024176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
B60R 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者のための後方視認システムであって、
前記後方視認システムは、
前記車両の左側から後方及び外方を撮影した左側ビデオ画像を取得するための左側ビデオカメラと、
前記左側ビデオカメラから受信された前記左側ビデオ画像の部分を表示するための、前方左側窓の近傍に配置された左側電子画像ディスプレイと、
前記車両の右側から後方及び外方を撮影した右側ビデオ画像を取得するための右側ビデオカメラと、
前記右側ビデオカメラから受信された前記右側ビデオ画像の部分を表示するための、前方右側窓の近傍に配置された右側電子画像ディスプレイと、
運転者の上半身位置をセンシングする車内運転者監視カメラと、
電子プロセッサ及びメモリと、
前方画像を前記電子プロセッサに提供するための前方配向ビデオカメラと、
を備え、
前記電子プロセッサは、
前記車内運転者監視カメラから運転者の上半身位置を受信することと、
上半身位置から、前記左側電子画像ディスプレイ上に表示すべき前記左側ビデオ画像の部分を決定し、前記右側電子画像ディスプレイ上に表示すべき前記右側ビデオ画像の部分を決定することと、
前記車内運転者監視カメラから運転者の上半身位置の移動を判定することと、
前記運転者の上半身位置の移動に応答して、前記左側電子画像ディスプレイに提供された前記左側ビデオ画像の部分を変更することによって、前記左側電子画像ディスプレイ上に表示される前記左側ビデオ画像の視野を調整することと、
を行うように構成されており、
前記電子プロセッサは、さらに、
前記車両が円形交差点又は環状交差点に接近する時点を前記前方画像から判定することと、
前記円形交差点又は環状交差点に接近すると、前記左側電子画像ディスプレイ及び前記右側電子画像ディスプレイの視野を標準視野から拡張視野へと増大させることと、
を行うように構成されている、後方視認システム。
【請求項2】
前記電子プロセッサは、前記運転者の上半身位置の移動に応答して、前記右側電子画像ディスプレイに提供された前記右側ビデオ画像の部分を変更することによって、前記右側電子画像ディスプレイ上に表示される前記右側ビデオ画像の視野を調整するように構成されている、請求項1に記載の後方視認システム。
【請求項3】
前記左側ビデオカメラの全視野は、80°乃至120°の範囲内にあり、前記左側電子画像ディスプレイ上に表示される前記左側ビデオ画像の部分の視野は、40°乃至60°の範囲内にある、請求項1に記載の後方視認システム。
【請求項4】
運転者が前記左側電子画像ディスプレイから離れると、表示される前記左側ビデオ画像の部分が変化する、請求項3に記載の後方視認システム。
【請求項5】
前記左側電子画像ディスプレイは、通常運転中は標準視野を有し、左折のために方向指示器が作動させられると拡張視野へと増大させられる、請求項3に記載の後方視認システム。
【請求項6】
前記後方視認システムは、
前記車両から後方のビデオ画像を取得するための後方配向ビデオカメラと、
前記後方配向ビデオカメラからのビデオ画像を運転者に提供するために前記車両の内部の前方中央位置に配置された後方視野電子画像ディスプレイと、
を含み、
前記左側ビデオカメラは、固定的に取り付けられており、従って、パン不能である、
請求項1に記載の後方視認システム。
【請求項7】
前記左側ビデオ画像内において検出された対象物に、前記左側電子画像ディスプレイ上に形成される拡張オーバレイシンボルが提供される、請求項1に記載の後方視認システム。
【請求項8】
前記オーバレイシンボルは、分類された対象物がモータサイクル又は交通弱者である場合、三角形の輪郭形状を有する、請求項7に記載の後方視認システム。
【請求項9】
運転者が、入力デバイスを利用して、前記車両内の運転者の上半身位置に対応する前記左側電子画像ディスプレイ上に提供された前記左側ビデオ画像の初期位置と、前記車両内の運転者の上半身位置に対応する前記右側電子画像ディスプレイ上に提供された前記右側ビデオ画像の初期位置とを調整し、運転者に、少なくともシート調整位置と前記左側電子画像ディスプレイの初期位置と前記右側電子画像ディスプレイの初期位置とを含むプリセット配置が提供される、請求項1に記載の後方視認システム。
【請求項10】
電子プロセッサを含む車両の運転者に後方及び外方の視野を提供するための方法であって、
側方ビデオカメラを用いて車両の側方から後方及び外方の側方ビデオ画像を取得することと、
車内運転者監視カメラを用いて運転者の上半身位置を判定することと、
運転者の上半身位置から、側方電子画像ディスプレイ上に表示するための前記側方ビデオ画像の部分を決定することと、
前記車両の前側窓の近傍に配置された前記側方電子画像ディスプレイ上に前記側方ビデオ画像の部分を表示することと、
運転者の上半身位置の移動を判定することと、
前記運転者の上半身位置の移動に基づいて、前記側方電子画像ディスプレイ上に表示される前記側方ビデオ画像の部分を変更することによって、前記視野を調整することと、
を含み、さらに、
前方画像を提供するための前方配向ビデオカメラから前記電子プロセッサにおいて前記前方画像を受信することと、
前記車両が円形交差点又は環状交差点に接近する時点を前記前方画像から前記電子プロセッサにより判定することと、
前記円形交差点又は環状交差点に接近すると、前記側方電子画像ディスプレイの視野を標準視野から拡張視野へと増大させることと、
を含む方法。
【請求項11】
前記側方ビデオカメラは、左側ビデオカメラであり、前記側方電子画像ディスプレイは、左側方電子画像ディスプレイであり、前記左側ビデオカメラは、前記左側方電子画像ディスプレイの水平遠位端に配置されており、前記左側ビデオカメラは、固定的に取り付けられており、従って、パン不能である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記視野は、前記左側方電子画像ディスプレイ上に提供される左側ビデオ画像の部分が変更されて運転者の上半身位置の移動中にミラーシミュレーション効果が提供されるように調整される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記運転者の上半身の右への移動が、前記左側方電子画像ディスプレイ上に提供される前記左側ビデオ画像の部分の視野を左に移動させ、これにより、前記ビデオ画像の以前に見えなかった部分が前記車両の左後方側の外方に水平に追加され、前記車両の内側及び近傍に対応する前記左側ビデオ画像の部分が除去される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記左側方電子画像ディスプレイ上に提供される左側ビデオ画像内において検出された対象物には、拡張オーバレイシンボルが提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記オーバレイシンボルは、検出された対象物がモータサイクル又は交通弱者として分類された場合、三角形の輪郭形状を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
標準視野は、通常運転中は前記左側方電子画像ディスプレイによって提供され、左折のために方向指示器が作動させられると拡張視野へと増大させられる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本装置は、側方ミラー及びバックミラーの代わりに電子画像ディスプレイを利用して、車両の運転者が見る後方画像を提供するためのシステム及び方法に関する。さらなる特徴は、運転者の頭部の移動に応答して電子画像を変化させることと、視覚的に検出することが困難な対象物の可視性を増大させるように画像を拡張することとを含む。
【0002】
発明の概要
一実施形態は、車両の運転者のための後方視認システムを対象とする。後方視認システムは、車両の左側から後方及び外方を撮影した左側ビデオ画像を取得するための左側ビデオカメラと、左側ビデオカメラから受信された左側ビデオ画像の部分を表示するための、前方左側窓の近傍に配置された左側電子画像ディスプレイと、車両の右側から後方及び外方を撮影した右側ビデオ画像を取得するための右側ビデオカメラと、右側ビデオカメラから受信された右側ビデオ画像の部分を表示するための、前方右側窓の近傍に配置された右側電子画像ディスプレイと、運転者の上半身位置をセンシングする車内運転者監視カメラと、電子プロセッサ及びメモリと、を備える。電子プロセッサは、車内運転者監視カメラから運転者の上半身位置を受信することと、上半身位置から、左側電子画像ディスプレイ上に表示すべき左側ビデオ画像の部分を決定し、右側電子画像ディスプレイ上に表示すべき右側ビデオ画像の部分を決定することと、車内運転者監視カメラから運転者の上半身位置の移動を判定することと、運転者の上半身位置の移動に応答して、左側電子画像ディスプレイに提供された左側ビデオ画像の部分を変更することによって、左側電子画像ディスプレイ上に表示される左側ビデオ画像の視野を調整することと、を行うように構成される。
【0003】
他の実施形態は、電子プロセッサを含む車両の運転者に後方視野を提供するための方法である。この方法は、後方配向ビデオカメラを用いて後方ビデオ画像を取得することと、電子プロセッサにおいて後方ビデオ画像を受信することと、車内運転者監視カメラを用いて運転者の上半身位置を判定することと、電子プロセッサにおいて上半身位置を受信することと、運転者の上半身位置から、電子プロセッサにより、車両の内部の上方前方中央位置に配置された後方視野電子画像ディスプレイ上に表示するための後方ビデオ画像の部分を決定することと、運転者の上半身位置の移動を判定することと、後方視野電子画像ディスプレイに提供された後方ビデオ画像の部分を変更することによって、運転者の上半身位置の移動に基づいて、後方視野電子画像ディスプレイ上に表示される後方ビデオ画像の視野を調整することと、を含む。
【0004】
他の実施形態は、電子プロセッサを含む車両の運転者に後方及び外方の視野を提供するための方法を対象とする。この方法は、側方ビデオカメラを用いて車両の側方から後方及び外方の側方ビデオ画像を取得することと、車内運転者監視カメラを用いて運転者の上半身位置を判定することと、運転者の上半身位置から、側方電子画像ディスプレイ上に表示するための側方ビデオ画像の部分を決定することと、車両の前側窓の近傍に配置された側方電子画像ディスプレイ上に側方ビデオ画像の部分を表示することと、運転者の上半身位置の移動を判定することと、側方電子画像ディスプレイに提供された側方ビデオ画像の部分を変更することによる運転者の上半身位置の移動に基づいて、側方電子画像ディスプレイ上に表示される側方ビデオ画像の部分を変更することによって、視野を調整することと、を含む。
【0005】
他の態様、特徴及び実施形態は、詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】電子画像ディスプレイを含む車両視認システムの一実施形態のブロック図である。
【
図2】車両視認システムを含む車両の上面図を示す図である。
【
図3】後方視野電子画像ディスプレイの動作の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図4】側方電子画像ディスプレイの動作の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図5】方向指示器の作動中の側方電子画像ディスプレイの動作の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図6】車両及びその死角に位置するモータサイクルの上面図を示す図である。
【
図7】環状交差点における側方電子画像ディスプレイの動作の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図8】対象物が検出されたときの電子画像ディスプレイの動作の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図9】プリセット値が車両の運転者シート及び電子画像ディスプレイに提供される一実施形態のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その用途において、以下の説明に記載する又は以下の図面に図示する構成要素の構築及び配置の詳細への限定を意図していないことを理解されたい。実施形態は他の構成が可能であり、種々の方法で実施可能又は実行可能である。
【0008】
複数のハードウェア及びソフトウェアに基づくデバイス並びに複数の異なる構造構成要素が種々の実施形態の実装のために使用され得る。加えて、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、及び、電子構成要素又はモジュールを含み得るが、これらにつき考察のために構成要素の大部分があたかもハードウェアのみにより実装されているかのように図示及び記載した箇所がある。なお、当業者は、この詳細な説明の解釈に基づいて、少なくとも1つの実施形態において、本発明の電子に基づく態様が1つ以上の電子コントローラによって実行可能な(例えば非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶された)ソフトウェアにおいて実装され得ることを認識するであろう。例えば、本明細書に記載される「電子プロセッサ」、「ユニット」、「制御ユニット」、及び「コントローラ」は、1つ以上の電子コントローラ、非一時的コンピュータ可読媒体を含む1つ以上のメモリ、1つ以上の入出力インタフェース、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)及び他の回路、並びに、種々の構成要素を接続する種々の接続又はコネクタ(例えば、ワイヤ、プリントトレース、及びバス)を含み得る。
【0009】
図1は、車両運転者に後方ビデオ画像を提供するための車両視認システム30のブロック図を示している。一実施形態においては、車両視認システム30は、電子ユニット34を含む。電子ユニット34は、電子プロセッサ40及びメモリを含む。メモリは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)44、及び/又は、電子的に消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(「EEPROM」)46などの1つ以上のメモリモジュールを含む。入出力インタフェース48は、通信バス50を介して情報の送受信を行う。電子プロセッサ40は、1つ以上のアプリケーション又はモジュールを実行することによって情報を処理する。アプリケーション又はモジュールは、メモリ44,46に命令又はコマンドとして記憶することができる。電子プロセッサ40はまた、アプリケーションによって生成された情報をメモリ44に記憶する。
【0010】
図1に示されている通信バス50は、フレックスレイ(FlexRay)自動車通信バス、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、又は、複数の制御ユニット、センサ及び他のデバイス間の他のタイプの通信リンクである。いくつかの実施形態においては、通信バス50は、電子ユニット34を、前方画像を提供するために車両のフロントフード又はフロントバンパに取り付けられた前方配向ビデオカメラ54に接続する。
【0011】
また、
図1には、車両の左側に設けられており車両の後方及び左側のビデオ画像を取得して表示する左側ビデオカメラ64が示されている。
図1はまた、車両の後部のビデオ画像を取得するために、車両のルーフの後部又は車両のバックバンパ上若しくはその近傍に取り付けられた後方配向ビデオカメラ68を示している。一実施形態においては、後方配向ビデオカメラ68は、少なくとも170°の視野を有するパノラマカメラである。他の構成も想定される。また、
図1には、車両の右側に設けられており車両の後方及び右側のビデオ画像を取得して表示する右側ビデオカメラ74も示されている。いくつかの実施形態においては、カメラは、デジタルビデオカメラである。カメラ64,68,74は、固定的に取り付けられており、較正後にパンすることはできず、又は、他の方式によっても調整することができない。種々のタイプのカメラが想定される。
【0012】
図1は、車両内部の運転者の画像を提供するための内部運転者監視カメラ76を示している。内部運転者監視カメラ76は、運転者及びその頭部位置を良好に透視し得る向きで、運転者に向かって車両の内部に取り付けられている。いくつかの実施形態においては、内部運転者監視カメラ76は、ハンドル、ダッシュボード、フロントガラス、又は、車両の前部の内部ルーフに取り付けることができる。一実施形態においては、内部運転者監視カメラ76は、通信バス50を介して電子プロセッサ40に提供される運転者画像を検出する。
図1には、キーボード、ジョイスティック、キーパッド、又は、音声コマンドを受信するためのマイクロフォン及び音声分析などの他のデータ入力機構などの入力デバイス80も示されている。
【0013】
図1は、左側ビデオカメラ64からのビデオ画像の少なくとも部分を示すための左側電子画像ディスプレイ84を示している。
図1はまた、後方配向ビデオカメラ68からの後方ビデオ画像を車両運転者に表示するための後方視野電子画像ディスプレイ88を示している。一実施形態においては、後方視野電子画像ディスプレイ88は、既知の車両の中央バックミラーと同様に、フロントガラスの上部前方中央位置に向かって上向きに取り付けられている。他の実施形態においては、後方視野電子画像ディスプレイ88は、車両コンソール又は車両ダッシュボード内に取り付けられる。一実施形態においては、後方視野電子画像ディスプレイ88は、運転者が電子ユニット34に入力を提供するために使用する入力デバイス80と単一の要素に統合されたタッチパネルである。
【0014】
最後に、
図1は、右側ビデオカメラ74から通信バス50を介して提供されるビデオ画像を表示するための右側電子画像ディスプレイ94を示している。電子画像ディスプレイ84,88,94は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又は、運転者が使用するためにリアルタイムで表示されるビデオ画像用の他のタイプのディスプレイ若しくはパネルである。
【0015】
図2は、前方配向ビデオカメラ62を含む車両100の上面図を示している。
図2は、車両の左側から外方に突出する左側電子画像ディスプレイ84を示している。左側電子画像ディスプレイ84は、一実施形態においては、その水平遠位端において左側ビデオカメラ64を支持する。
図2は、車両100の右側から外方に突出する右側電子画像ディスプレイ94を示している。右側電子画像ディスプレイ94は、一実施形態においては、その遠位端において右側ビデオカメラ74を支持する。左側ビデオカメラ64及び右側ビデオカメラ74は、車両のそれぞれの死角にある対象物を検出するために後方及び外方に向けられている。いくつかの実施形態においては、ビデオカメラ64,74は、車両100のそれぞれの死角内の対象物を検出するために90°以上の視野を有する。車両は、左側電子画像ディスプレイ84及び右側電子画像ディスプレイ94のそれぞれの近傍に、左前側窓104及び右前側窓114を有する。車両100はまた、左前方方向指示器120及び左後方方向指示器124を含む。最後に、車両100は、
図2に示されているように、右前方方向指示器130及び右後方方向指示器134を含む。方向指示器120,124,130,134は、方向指示器アクチュエータによって動作させられるランプ又はライトを含む。
【0016】
動作
動作中、電子ユニット34は、種々の電子画像ディスプレイ84,88,94を動作させて、運転者に車両100の後方及び側方の視野を提供する。後方視野電子画像ディスプレイ88、右側電子画像ディスプレイ94、及び左側電子画像ディスプレイ84は、同時に動作する。なお、論述のため、各ディスプレイにつき別々に説明する。
【0017】
後方視野電子画像ディスプレイ
図3は、
図1に示す電子ユニット34用の後方視野電子画像ディスプレイ88の動作のフローチャート200を示している。
図1には単一の電子ユニット34が示されているが、
図3に示されている種々の機能は、複数の電子ユニット及び/又は電子プロセッサ40により実行することができる。
図3に示す複数のステップは、電子ユニット34の複数の電子プロセッサと実質的に同時に又は並行して行うことができる。
【0018】
ステップ204において、一実施形態においては、後方ビデオ画像が、通信バス50を介して後方配向ビデオカメラ68から電子プロセッサ40によって取得される。電子プロセッサは、ステップ216に進む。
【0019】
ステップ216において、内部運転者監視カメラ76は、運転者の上半身のビデオ画像を電子プロセッサ40に提供して、車両100内の運転者の上半身位置を判定する。電子プロセッサ40は、上半身位置に基づいて、表示すべき後方ビデオ画像の部分を決定する。電子プロセッサ40は、ステップ232に進む。
【0020】
ステップ232において、電子プロセッサ40は、後方ビデオ画像の部分を後方視野電子画像ディスプレイ88上の車両の内部の上方前方中央位置に表示する。電子プロセッサ40は、ステップ240に進む。
【0021】
ステップ240において、電子プロセッサ40は、内部運転者監視カメラ76から受信した運転者の上半身位置の移動を判定する。電子プロセッサ40は、ステップ248に進む。
【0022】
ステップ248においては、後方視野電子画像ディスプレイ88の視野が運転者の上半身位置の移動に基づいて電子プロセッサ40によって調整されて、表示のために提供される後方ビデオ画像の部分が変更される。電子プロセッサは、ステップ232に戻り、後方ビデオ画像の変更部分を表示し、ステップ232,240,248を繰り返す。
【0023】
従って、動作中、視野は、後方視野電子画像ディスプレイ88に提供される後方ビデオ画像の部分が変更されて運転者の上半身位置の移動中にミラーシミュレーション効果が提供されるように調整される。
【0024】
一実施形態においては、運転者の上半身位置の変化は、内部運転者監視カメラ76からのビデオ画像から運転者の眼の位置をセンシングすることによって判定することができる。他の実施形態においては、頭部の位置及び頭部が向く方向は、ステップ240において、内部運転者監視カメラ76からのビデオ画像から判定又は分類される。
【0025】
一実施形態においては、後方配向ビデオカメラ68は、ほぼ180°の視野を有し、パノラマタイプのビデオカメラである。ディスプレイ上に提供される視野は、いくつかの実施形態においては、90°以上であり得る。左前方シートに座っている右利きの車両運転者が頭部を左に移動させると、電子プロセッサ40は、車両の右側の画像がより多く出現し、左側の画像がより少なく後方視野電子画像ディスプレイ88上において見えるように、表示されるビデオ画像の部分を調整する。このように、後方視野電子画像ディスプレイ88は、いくつかの実施形態においては、ミラーの動作を効果的にシミュレートするように、車両視認システム30によって制御される。従って、右ハンドル車における運転者の上半身の左への移動が、後方視野電子画像ディスプレイ88上に提供される後方ビデオ画像の視野を右後方に移動させ、これにより、後方ビデオ画像の右後方水平領域からの部分が追加され、後方ビデオ画像の左後方水平領域からの部分が除去される。
【0026】
右側電子画像ディスプレイ
図4は、
図1に示す電子ユニット34のための右側電子画像ディスプレイ94の動作のフローチャート300を示している。
図1には単一の電子ユニット34が示されているが、
図3及び
図4に示されている種々の機能は、複数の電子ユニット及び/又は電子プロセッサ40により実行することができる。
図3及び
図4に示されている複数のステップは、電子ユニット34の複数の電子プロセッサと実質的に同時に又は並行して行うことができる。
【0027】
ステップ308において、一実施形態では、右側ビデオカメラ74によって後方及び外方を撮影した右側ビデオ画像が、通信バス50を介して電子プロセッサ40によって取得される。電子プロセッサは、ステップ316に進む。
【0028】
ステップ316において、内部運転者監視カメラ76は、運転者の上半身のビデオ画像を電子プロセッサ40に提供して、車両100内の運転者の上半身位置を判定する。ステップ324において、電子プロセッサ40は、上半身位置に基づいて、表示すべき右側ビデオ画像の部分を決定する。電子プロセッサ40は、ステップ332に進む。
【0029】
ステップ332において、一実施形態では、電子プロセッサ40は、右側ビデオ画像の部分を、右側電子画像ディスプレイ94上の、車両外部に対して右前側窓114の前方の位置に表示する。電子プロセッサ40は、ステップ340に進む。
【0030】
ステップ340において、電子プロセッサ40は、内部運転者監視カメラ76から受信した運転者の上半身位置の移動を判定する。電子プロセッサ40は、ステップ348に進む。
【0031】
ステップ348においては、右側電子画像ディスプレイ94の視野が、運転者の上半身位置の移動に基づいて電子プロセッサ40によって調整されて、表示のために提供される右側ビデオ画像の部分が変更される。電子プロセッサ40は、ステップ332に戻り、後方ビデオ画像の変更部分を表示し、ステップ332,340,348を繰り返す。
【0032】
従って、動作中、右側電子画像ディスプレイ94の視野は、右側電子画像ディスプレイ94に提供される後方ビデオ画像の部分が変更されて、運転者の上半身位置の移動中にミラーシミュレーション効果が提供されるように調整される。例えば、運転者が右側電子画像ディスプレイから離れると、表示される右側ビデオ画像の部分が変化する。従って、動作は、後方視野電子画像ディスプレイ88の動作と同様である。
【0033】
左側電子画像ディスプレイ
左側電子画像ディスプレイ84は、その遠位端に配置された左側ビデオカメラ64を含む。左側電子画像ディスプレイ84は、
図4に示されている右側電子画像ディスプレイ94の構成と同様に、電子ユニット34によって操作される。従って、運転者の上半身の右への移動が、左側電子画像ディスプレイ84上に提供される左側ビデオ画像の部分の視野を左に移動させ、これにより、ビデオ画像の以前に見えなかった部分が車両100の左後方側の外方に水平に追加されて、車両の内側及び近傍に対応する左側ビデオ画像の部分が除去される。従って、さらなる説明は必要ない。左側電子画像ディスプレイ84、右側電子画像ディスプレイ94、及び後方視野電子画像ディスプレイ88は、電子ユニット34の同一の電子プロセッサ40又は別個の個々の電子プロセッサによって実質的に同時に動作可能であることに留意されたい。一実施形態においては、それぞれの電子画像ディスプレイ84,88,94には、別個の個々の電子プロセッサが提供される。
【0034】
拡張の実施形態及び付加的な実施形態が提供される。一実施形態においては、左側ビデオカメラ64の全視野は約80°乃至約120°の範囲内にあり、左側電子画像ディスプレイ84上に表示される左側ビデオ画像の部分の視野は標準視野(FoV)で提供される。一実施形態においては、標準FoVは約40°乃至約60°の範囲である。他の実施形態においては、同一の完全な視野が右側ビデオカメラ74に提供され、同一の範囲が右側電子画像ディスプレイ94に提供される。標準FoVの他の値も想定される。
【0035】
右側電子画像ディスプレイ94に関して動作を説明する。付加的な実施形態は、左側電子画像ディスプレイ84に関しても動作可能である。
【0036】
側方電子画像ディスプレイ拡大視野
図5は、追加条件が判定された場合の
図1に示す電子ユニット34の右側電子画像ディスプレイ94の動作のフローチャート400を示している。より詳細には、
図5は、適当な方向指示器の作動に応答して、側方電子画像ディスプレイ84,94の視野を選択的に変化させることに関する。
【0037】
図5において、判定ステップ408では、電子プロセッサ40は、右前方方向指示器130及び右後方方向指示器134が作動させられているかどうかを判定する。右前方及び後方方向指示器が作動すると、電子プロセッサは、ステップ416に進む。ステップ416において、右側電子画像ディスプレイ94の視野は、通常運転の標準FoVから拡張視野(FoV)値(例えば、一実施形態においては、40°から60°まで)へと増大又は拡大させられる。その後、電子プロセッサ40は、判定ステップ408に戻る。右前方及び後方方向指示器が作動させられている限り、右側電子画像ディスプレイ94では、拡張FoVの値が増大させられたままとなる。通常運転は、車線変更又は旋回を伴わずに前方方向に運転する場合の標準視野に対応する。
【0038】
図6は、車両100及びその死角に位置するモータサイクル420の上面図を示している。最初、右側電子画像ディスプレイ94は標準視野を有する。モータサイクル420は、車両100の運転者にはほとんど見えていない。(例えば、右方向指示器の作動に応答して)視野を拡張視野へと増大させることにより、車両100内の運転者の拡張視野の部分内に、隣接するモータサイクル420が位置するようになる。
【0039】
図5に戻ると、判定ステップ408において、右前方及び後方方向指示器が作動させられていない場合、電子プロセッサは、ステップ424に進む。ステップ424において、電子プロセッサは、一実施形態においては、右側電子画像ディスプレイ94のための標準視野を提供又は維持する。その後、電子プロセッサ40は、判定ステップ432に進む。
【0040】
判定ステップ432において、電子プロセッサ40は、左前方方向指示器120及び左後方方向指示器124が作動させられているか否かを判定する。左前方及び後方方向指示器が作動させられている場合、判定ステップ432は、ステップ440に進む。ステップ440において、左側電子画像ディスプレイ84の視野は、通常運転時の値から拡張FoV(例えば、一実施形態においては、40°から60°まで)へ増大又は拡大させられる。その後、電子プロセッサ40は、判定ステップ432に戻る。左前方及び後方方向指示器が作動させられている限り、左側電子画像ディスプレイ84は、拡張視野を維持する。
【0041】
判定ステップ432において、左前方方向指示器120及び左後方方向指示器124が左折のために作動させられていない場合、電子プロセッサは、ステップ448に進む。ステップ448において、電子プロセッサ40は、一実施形態においては、左側電子画像ディスプレイ84のための標準視野を提供又は維持する。その後、電子プロセッサ40は、判定ステップ408に進む。
【0042】
方向指示器の使用は、運転車線を旋回又は変更したいという要望を示すものである。旋回方向の拡張視野へと増大させることにより、
図6に示すように、運転者は死角にある対象物を視認することができる。
【0043】
方向指示器が操作されるときの標準視野が40°であり、拡張視野が60°であることを一実施形態で開示したが、他の値も可能である。他の実施形態においては、初期視野は、約30°乃至約50°の範囲内にある。方向指示器が作動させられたときの拡張視野は、約55°乃至約85°の範囲にある。他の視野値も想定される。他の実施形態においては、標準視野は約38°であり、拡張視野は62°である。
【0044】
環状交差点の側方電子画像ディスプレイ拡大視野
図7は、環状交差点に接近及び進入するときに側方電子画像ディスプレイ84,94に提供されるビデオ画像を拡大するための環状交差点又は円形交差点センシング装置の動作のフロー
図500を示している。
【0045】
動作中、ステップ508において、電子プロセッサ40は、前方配向ビデオカメラ54から前方画像を受信する。次いで、電子プロセッサ40は、ステップ516に進む。
【0046】
判定ステップ516において、電子プロセッサ40は、画像分析を実行して、環状交差点に接近しているかどうかを判定する。画像分析は、環状交差点を定義又は指定する車道経路及び/又は標識を探すことを含む。判定ステップ516において環状交差点が検出されない場合、電子プロセッサは、ステップ524に進む。
【0047】
ステップ524においては、電子プロセッサ40は、側方電子画像ディスプレイ84,94の各々のための標準視野を維持又は提供するように動作する。しかしながら、いくつかの実施形態においては、かかる表示は、方向指示器が動作しているときには維持されず、
図7に示されている構成は無視される。電子プロセッサ40は、ステップ508に戻り、ステップ516で環状交差点が検出されるまで、ステップ508,516,524を繰り返す。
【0048】
判定ステップ516において、ビデオ信号の画像分析により環状交差点に接近していること又は車両が環状交差点内にあることが示された場合、電子プロセッサ40は、ステップ532に進む。
【0049】
ステップ532において、電子プロセッサは、左側電子画像ディスプレイ84及び右側電子画像ディスプレイ94に提供されるビデオ画像を制御して、側方電子画像ディスプレイ84,94の両方に拡張視野を提供する。このようにして、環状交差点に進入する運転者は、状況及び運転目標に応じて、車線を左又は右に変更することができる。
【0050】
ステップ532の後、電子プロセッサ40は、ステップ508に戻る。ステップ508,516,532は、車両100が環状交差点又はドライビングサークルを出るまで繰り返される。
【0051】
一実施形態で環状交差点又は円形交差点に入ったとき又はその中で運転しているときの40°の標準視野及び60°の拡張視野を開示したが、他の値も可能である。一実施形態においては、標準視野は、約30°乃至約50°の範囲内にある。一実施形態においては、環状交差点が検出されたときの拡張視野は、約55°乃至約85°の範囲内にある。他の視野値も想定される。
【0052】
対象物の検出
図8は、対象物の存在を判定し、電子画像ディスプレイ84,88,94に提供されるビデオカメラ64,68,74からのビデオ画像内において検出された対象物に関して運転者に強化又は拡張された警告を提供するための対象物分析装置の動作のフロー
図600を示している。
【0053】
ステップ604において、電子プロセッサ40は、ビデオカメラ64,68,74からビデオ画像を取得する。その後、判定ステップ608において、電子プロセッサ40又は別の電子プロセッサによって画像分析が実行され、ビデオカメラ64,68,74からのビデオ画像内の対象物の存在が判定される。対象物が検出されない場合、電子プロセッサ40は、ステップ604に戻り、画像を取得して分析するステップを繰り返す。
【0054】
判定ステップ608で対象物が検出されると、電子プロセッサは、判定ステップ616に進む。判定ステップ616において、電子プロセッサ40は、対象物がモータサイクルとして分類されるか否かを判定する。モータサイクルとして分類された場合、電子プロセッサ40は、ステップ624に進む。
【0055】
ステップ624において、対象物には、特定の対応する電子画像ディスプレイ84,88,94内の画像が提供される。対象物には拡張オーバレイシンボルがさらに提供される。対象物が右側ビデオカメラ74によって検出される一実施例においては、オーバレイシンボルが右側電子画像ディスプレイ94上に提供される。モータサイクルの場合、オーバレイシンボルは、一実施形態においてはモータサイクルを囲む三角形の輪郭形状である。その後、電子プロセッサ40は、ステップ604に戻り、プロセスを繰り返す。
【0056】
判定ステップ616において対象物がモータサイクルとして分類されなかった場合、電子プロセッサ40は、判定ステップ626に進む。判定ステップ626において、電子プロセッサ40は、対象物が交通弱者として分類されるか否かを判定する。交通弱者とは、典型的には自転車のようなサイクリスト又は歩行者である。交通弱者として分類された場合、電子プロセッサは、ステップ628に進む。
【0057】
ステップ628において、交通弱者には、特定の対応する電子画像ディスプレイ84,88,94内の画像が提供される。交通弱者には、拡張オーバレイシンボルがさらに提供される。対象物が左側ビデオカメラ64によって検出される一実施形態においては、オーバレイシンボルは、左側電子画像ディスプレイ84上に提供される。交通弱者の場合、オーバレイシンボルは、交通弱者を囲む三角形の輪郭形状である。その後、電子プロセッサ40は、ステップ604に戻り、プロセスを繰り返す。
【0058】
判定ステップ626において対象物が交通弱者として分類されなかった場合、電子プロセッサ40は、判定ステップ632に進む。判定ステップ632において、電子プロセッサ40は、対象物が脅威であるか否かを判定する。脅威の一例は、高速で接近する大型車両などである。対象物が脅威であることが判定されなかった場合、電子プロセッサ40は、ステップ604に戻り、プロセスを繰り返す。判定ステップ632で脅威であると判定されると、電子プロセッサ40は、ステップ640に進む。
【0059】
ステップ640において、電子プロセッサ40は、拡張画像を対応する電子画像ディスプレイに提供する。車両100の後部から接近する高速移動のセミトラクタトレーラの例においては、後方視野電子画像ディスプレイ88は、接近する脅威を示すエクスクラメーションマーク又は他の記号を提供する。ステップ640の後、電子プロセッサ40は、ステップ604に戻り、プロセスを繰り返す。
【0060】
モータサイクルを取り囲む三角形の記号を開示したが、他の記号も想定される。一実施形態においては、モータサイクルがより目立つように、モータサイクルの画像内の距離を維持しながら、モータサイクルの物理的サイズが増大させられる。視覚警告に加えて又は視覚警告の代わりに、音声警告もまた、モータサイクル、交通弱者のためのいくつかの実施形態、及び、特に脅威を検出する実施形態において企図される。
【0061】
プリセット配置
図9は、運転者シートの位置をプリセットし、側方電子画像ディスプレイ84,94及び後方視野電子画像ディスプレイ88の各々に提供されるビデオ画像の部分をプリセットするための運転者プリセット配置の動作のフローチャート700を示している。
【0062】
フローチャート700に示されている構成では、第1のステップ708において、運転者は、高さ、足元の空間を提供するための縦位置、及び、シートバック角度を快適な位置へと設定する。位置を達成すると、電子プロセッサ40は、ステップ716に進む。
【0063】
ステップ716において、運転者は、入力デバイス80及びディスプレイを使用して、電動運転者シートにおける運転者の位置に対応する左側電子画像ディスプレイ84に提供される左側ビデオカメラ64からのビデオ画像の部分の初期位置に対応する視野を調整する。いくつかの実施形態においては、視野はまた、運転者の要望に応じて、増大又は低減させられるように(例えば、入力デバイス80のズームイン及びズームアウトボタンを用いて)調整することができる。電子プロセッサは、ステップ724に進む。
【0064】
ステップ724において、運転者は、入力デバイス80及びディスプレイを使用して、運転者シートにおける運転者のシート調整位置に対応する右側電子画像ディスプレイ94に提供される右側ビデオカメラ74からのビデオ画像の部分の初期位置に対応する初期視野を調整する。いくつかの実施形態においては、視野はまた、運転者の要望に応じて、増大又は減少させられるように(例えば、入力デバイス80のズームイン及びズームアウトボタンを用いて)調整することができる。電子プロセッサ40は、ステップ732に進む。
【0065】
ステップ732において、運転者は、入力デバイス80及びディスプレイを使用して、後方視野電子画像ディスプレイ88に提供される後方配向ビデオカメラ68からのビデオ画像の部分の視野を調整する。いくつかの実施形態においては、視野はまた、運転者の要望に応じて増大又は減少させられるように(例えば、入力デバイス80のズームイン及びズームアウトボタンを用いて)調整することができる。電子プロセッサ40は、ステップ740に進む。
【0066】
ステップ740において、運転者は、入力デバイス80及びディスプレイを使用して、左側電子画像ディスプレイ84、後方視野電子画像ディスプレイ88、及び右側電子画像ディスプレイ94のためのビデオ画像の部分の車両シート調整位置及び視野を記憶する。例えば、運転者は、車両シート調整位置及び視野を記憶するために入力デバイス80上の保存ボタンを押す。
【0067】
その後、ユーザが車両に入ると、ユーザは入力デバイス80を利用して、ユーザのグループのシート及び画像表示情報を取得する。運転者は、(例えば、複数のユーザ名又はグループ識別子のなかから)自身のユーザ名又はグループ識別子を選択し、運転者シートは、電子画像ディスプレイ84,88,94とともに、所望の予め選択された運転者シート調整位置に自動的に調整される。従って、少なくとも運転者シート調整位置と左側電子画像ディスプレイのための初期位置と右側電子画像ディスプレイ94のための初期位置とを含むプリセット配置が運転者のために提供される。その後、車両100は、動作の準備が整う。
【0068】
ズーム機能
後方視野電子画像ディスプレイ88に提供される視野の部分を変更することに加えて、電子プロセッサ40は、後方視野電子画像ディスプレイ88に向かう運転者の頭部の移動を判定し、視野を狭めながら画像のサイズを増大させて、ミラーの動作をシミュレートするズーム効果を提供することができる。かかるズーム効果は、側方電子画像ディスプレイ84,94に向かう頭部の移動に対しても提供することができる。ただし、ズーム効果を高めると、視野が減少する。
【0069】
付加的な実施形態
図1は、単一の内部運転者監視カメラ76を示しているが、複数のカメラが運転者画像を取得し、三角測量及び/又は他の方法を使用して車両運転者の顔及び/又は眼の方向とそれぞれの電子画像ディスプレイ84,88,94までの距離とを判定することも考察される。
【0070】
システムにおいては、構成要素を論理的に別個のものとして描写したが、かかる描写は例示のためのものにすぎない。いくつかの実施形態においては、図示されている構成要素は、組み合わせられるものとしてもよく、又は、別個のソフトウェア、ファームウェア、及び/又は、ハードウェアに分割されるものとしてもよい。これらの構成要素は、どのように結合又は分割されるかにかかわらず、同一のコンピューティングデバイス上において実行されるものとしてよく、又は、1つ以上のネットワーク若しくは他の好適な通信手段によって接続される異なるコンピューティングデバイス若しくは電子プロセッサ40の間において分散されるものとしてもよい。
【0071】
種々の特徴、利点及び実施形態を、以下の特許請求の範囲に記載する。