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特許7585468ボイスコイルモータを含むオートフォーカス光学装置及びアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】ボイスコイルモータを含むオートフォーカス光学装置及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20241111BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20241111BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20241111BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241111BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/02 H
G02B13/00
G03B30/00
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023513684
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2021038474
(87)【国際公開番号】W WO2022046257
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】17/006,628
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519047200
【氏名又は名称】ゼブラ テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zebra Technologies Corporation
【住所又は居所原語表記】3 Overlook Point, Lincolnshire, Illinois 60069, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ヴィノグラドフ イゴール
(72)【発明者】
【氏名】シ デヴィッド ティー
(72)【発明者】
【氏名】タン チン
(72)【発明者】
【氏名】グレヴィッチ ウラジミール
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/118554(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/053367(WO,A1)
【文献】特開2007-41080(JP,A)
【文献】特開2011-209352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合集レンズ用の光学アセンブリであって、
光軸に沿って配置され、関心のある物体からの光を受光するように構成された前方レンズ群と、
前記光軸に沿って配置され、前記前方レンズ群からの光を受光して前記光軸に沿って通過させるように構成されたアパーチャと、
前記アパーチャを介して光を受光するための移動可能な焦点レンズと、
前記焦点レンズを移動させて当該光学アセンブリを合焦させるように構成されたボイスコイルモータと、
前記光軸に沿って配置され、前記焦点レンズからの光を受光するように構成された後方レンズ群と、
備え
前記前方レンズ群は、第1の正のクラウンガラス光学素子と、前記アパーチャと、負のフリント非球面プラスチック光学素子と、を含み、
前記後方レンズ群は、負の屈折力を形成するように配置された1または複数のプラスチック非球面光学要素を含み、
前記前方レンズ群と前記焦点レンズとは、クックトリプレットを形成するように配置されている
ことを特徴とする光学アセンブリ。
【請求項2】
前記前方レンズ群、前記焦点レンズ、及び、前記後方レンズ群は、テレフォト配置で配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
当該光学アセンブリをバーコードリーダに取り付けるように構成された取付部と、
前記焦点レンズの位置データを前記バーコードリーダのプロセッサに伝達し、且つ、前記ボイスコイルモータの制御データを前記プロセッサから受信するためのインタフェースと、
を更に備え、
前記後方レンズ群は、前記バーコードリーダの撮像センサ上の第2画像を形成するように構成されており、
前記撮像センサは、前記第2画像を表す電気信号を生成して、当該電気信号を前記プロセッサに提供するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
前記物体は、バーコードを含み、
前記プロセッサは、前記電気信号から前記バーコードをデコードするように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
前記撮像センサは、固体撮像装置である
ことを特徴とする請求項3に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記ボイスコイルモータは、前記焦点レンズを少なくとも160ミクロンを超えて移動させるように構成されており、
前記前方レンズ群の光学要素、前記後方レンズ群の光学要素、及び、前記焦点レンズは、3.4のフォーカスゲイン、8.6m-1の焦点範囲、及び、8ミリメートルのレンズ焦点距離、を形成するように配置されており、
前記後方レンズ群の前記光学要素は、32度の光線入射角特性を提供する
ことを特徴とする請求項に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
前記前方レンズ群の光学要素、前記後方レンズ群の光学要素、及び、前記焦点レンズは、3.4のフォーカスゲイン、3~48インチの焦点範囲、8mmのレンズ焦点距離、及び、8.5ミリメートルの全長、を形成するように配置されている
ことを特徴とする請求項に記載の光学アセンブリ。
【請求項8】
前記前方レンズ群は、当該光学アセンブリの視野を拡大するように構成された負の光学要素を更に含む
ことを特徴とする請求項に記載の光学アセンブリ。
【請求項9】
前記後方レンズ群は、撮像センサの光線入射角特性に合致するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
前記焦点レンズは、当該光学アセンブリの唯一の可動の光学要素である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項11】
前記前方レンズ群及び前記後方レンズ群は、前記焦点レンズへの損傷を防止するように配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項12】
前記後方レンズ群と組み合わされた前記前方レンズ群の全体的な屈折力は、前記焦点レンズの屈折力よりも小さいように構成されており、機械的公差に対する感度を低減する、撮像レンズ収差を管理する、及び、前記焦点レンズの熱変動を補償する、のうちの少なくとも1つを果たす
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項13】
前記前方レンズ群は、レンズ要素L1、レンズ要素L2、及び、前記レンズ要素L1と前記レンズ要素L2との間に配置されたアパーチャ絞り、を含み、
前記後方レンズ群は、レンズ要素L3、及び、レンズ要素L4、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項14】
前記前方レンズ群は、1つの球面、1つの実質的に平坦な面、及び、正の屈折力を有するレンズ要素L1と、複数の非球面、及び、負の屈折力を有するレンズ要素L2と、からなり
前記焦点レンズは、2つの非球面、及び、正の屈折力を有し、
前記後方レンズ群は、複数の非球面、及び、負の屈折力を有するレンズ要素L3と、複数の非球面、及び、負の屈折力を有するレンズ要素L4と、からなる
ことを特徴とする請求項13に記載の光学アセンブリ。
【請求項15】
前記レンズ要素L1は、56のアッベ数、1.70の屈折率、正の全体屈折力、を有するクラウンタイプのガラス材料で形成されており、前記レンズ要素L1の第1表面は、球面であり、前記レンズ要素L1の第2表面は、実質的に平坦であり、
前記レンズ要素L2は、23のアッベ数、1.64の屈折率、負の全体屈折力、を有するフリントタイプのプラスチック材料で形成されており、前記レンズ要素L2の両面は、非球面であり、
前記レンズ要素L1、L2は、全体的な球面収差を管理するために形成されており、
前記焦点レンズは、55のアッベ数、1.54の屈折率、正の全体屈折力、を有するプラスチック材料で形成されており、前記焦点レンズの両面は、非球面であり、
前記レンズ要素L3は、55のアッベ数、1.54の屈折率、負の屈折力、第1の負の屈折力の非球面、第2の負の屈折力の非球面、を有するクラウンタイプのプラスチック材料で形成されており、
前記レンズ要素L4は、23のアッベ数、1.64の屈折率、負の屈折力、負の屈折力を有する第1の非球面、正の屈折力を有する第2の非球面、を有するクラウンタイプのプラスチック材料で形成されており、
前記レンズ要素L3、L4は、撮像レンズ像面湾曲、非点収差、または、歪み、の少なくとも1つを管理するために形成されている
ことを特徴とする請求項13に記載の光学アセンブリ。
【請求項16】
前記焦点レンズを形成するために使用される前記プラスチック材料は、K26R材料、または、アクリル材料、の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の光学アセンブリ。
【請求項17】
前方アパーチャを有するレンズホルダ
を更に備え、
前記レンズホルダは、撮像センサ上の第2画像を形成するために、前記前方レンズ群、前記焦点レンズ、前記ボイスコイルモータ、及び、前記後方レンズ群、を前記光軸に沿った所定位置に保持するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項18】
物体の撮像のために当該物体を照明するように構成された照明システム
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
撮像デバイスは、通常、所与の視野(FOV)内で画像を捕捉する。多くの場合、機械視覚装置(マシンビジョンデバイス)、バーコードリーダ、等は、機械視覚アプリケーション(マシンビジョンアプリケーション)、バーコード読み取り、等での使用のために画像内で捕捉される証印(indicia)を効果的にデコードするべく、適切な距離で十分な解像度で画像を捕捉することが要求される。
【発明の概要】
【0002】
機械視覚アプリケーション、バーコード読み取り、等の需要は高まっており、そのようなデバイス対して、より小型のセンサと、より小型でより安価でより軽量な光学装置と、を使用することがますます求められている。但し、そのようなデバイスは、依然として、より大きな焦点距離、より広い焦点範囲、より広い温度範囲、等で、十分な解像度で画像を生成できる必要がある。幾つかの従来のオートフォーカス(AF)光学アセンブリは、レンズの機械的な移動を使用して(例えば、ステップモータを使用する)焦点を調整する。幾つかのそのような解決策(ソリューション)は、法外な費用がかかったり、大型であったり、(動作が)遅かったり、及び/または、時間経過と共に摩耗してしまったりし得る。あるいは、液体レンズが、焦点を調整するために利用され得る。幾つかのそのような解決策は、法外な費用がかかったり、時間及び/または温度によって変化する光学特性を有したりし得る。従って、これらの問題及び/または他の問題の幾つかに対処する改善された光学配置のニーズが存在している。
【0003】
更に、範囲が拡張された小型バーコードリーダ及び/または超小型カメラを設計する場合、低コスト、耐久性、長寿命、及び/または、コンパクト、な可変焦点レンズであって、焦点距離が長く、焦点範囲が拡張され、焦点安定のための内部フィードバック信号を有する、という可変焦点レンズを備えることが望まれている。但し、コンパクトなレンズ設計において、焦点距離の延長と焦点範囲の拡大とを組み合わせることは、困難であり得る。
【0004】
更に、焦点を調整するために可動焦点レンズが利用される場合、屈折力の範囲ΔOPは、モータのストロークΔXと、可動焦点レンズの焦点距離Fと、に依存して、数学的にはΔOP=ΔX/F2として表され得る。従って、ある範囲の屈折力ΔOPのために必要とされるモータストロークΔXは、焦点距離Fの2乗に比例して増大する。例えば、8mmの焦点距離Fで8m-1(8m-1)の焦点範囲ΔOPを達成するためには、レンズが0.51mmだけ移動可能である必要があり、これは、従来のボイスコイルモータのストロークを超えている。更に、従来のボイスコイルモータは、多くの場合、100ミリグラム未満の耐荷重限界を有する。同時に、ステップモータは、ストロークが大きく、耐荷重能力が高い一方で、非常に大型で、(動作が)遅く、高価であり、時間経過と共に摩耗し得る。
【0005】
従って、これらの問題及び/または他の問題の幾つかに対処する改善された光学配置のニーズが存在している。従って、本出願は、焦点を調節するために従来のボイスコイルモータを利用可能な小型/超小型の光学アセンブリを開示する。そのような例示的な光学装置及びアセンブリは、小型で、低コストで、広範囲の焦点距離で、広い焦点範囲で、費用対効果が良好で、熱的に安定である、等の性能を有する撮像デバイスを、機械視覚アプリケーション、バーコード読み取り、等のために実装するべく、利用され得る。屈折力の強化もまた、本明細書に開示される実施例によって提供される。屈折力の強化は、フォーカシングゲインファクタG=ΔOP×F2/ΔX>1として、数学的に特徴付けられ得る。開示される光学アセンブリについて、屈折力の焦点範囲は、ΔOP=G×ΔX/F2として、数学的に表され得る。
【0006】
小型/超小型の光学アセンブリを実装するために、開示される実施例は、(i)光学アセンブリの内部において固定前方レンズ群と後方レンズ群との間に配置される単一のプラスチック製の可動焦点レンズを移動させる/調整する/位置決めする従来のボイスコイルモータを備え、(ii)可動焦点レンズは、当該レンズアセンブリの合計屈折力よりも実質的に大きく前方及び後方レンズ群の組み合わされた屈折力よりも大きい屈折力を有する非球面クラウンプラスチック要素であり、(iii)前方レンズ群及び可動焦点レンズは、第1の正のクラウンガラスレンズと、それに続くアパーチャと、負のフリント非球面プラスチックと、可動焦点レンズと、を備えたクックトリプレット(視野の全体に亘って収差を補正するために利用され得る)を形成しており、(iv)後方レンズ群は、1または複数のプラスチック非球面要素を含み、実質的に負の屈折力を有している。強力な正の可動焦点レンズと共に、それは、テレフォトシステムを形成し、可変の屈折力範囲を強化し、レンズアセンブリの長さを低減する。また、後方レンズ群が、像面湾曲を補正して、使用されるセンサの光線入射角特性(CRA)に合致させるように、使用され得る。4メガピクセル以上の撮像センサをサポートするのに十分な撮像レンズの品質が、開示される実施例によって実現され得る。
【0007】
一実施形態では、合集レンズ用の光学アセンブリが、光軸に沿って配置され、関心のある物体からの光を受光するように構成された前方レンズ群であって、当該前方レンズ群によって投影される第1画像の収差を補正するように構成された前方レンズ群と、光軸に沿って配置され、前記前方レンズ群からの光を受光して前記光軸に沿って通過させるように構成されたアパーチャと、前記アパーチャを介して光を受光するための可動焦点レンズと、前記可動焦点レンズを移動させて当該光学アセンブリを合焦させるように構成されたボイスコイルモータと、前記光軸に沿って配置され、前記可動焦点レンズからの光を受光するように構成され、且つ、像面湾曲を補正するように構成された後方レンズ群と、備える。
【0008】
前記実施形態の一変形例においては、前記前方レンズ群、前記焦点レンズ、及び、前記後方レンズ群は、テレフォト配置で配置される。
【0009】
前記実施形態の一変形例においては、取付部(マウント)が、当該光学アセンブリをバーコードリーダに取り付けるように構成され、前記焦点レンズの位置データを前記バーコードリーダのプロセッサに伝達し、且つ、前記ボイスコイルモータの制御データを前記プロセッサから受信するためのインタフェースを更に備え、前記後方レンズ群は、前記バーコードリーダの撮像センサ上の第2画像を形成するように構成されており、前記撮像センサは、前記第2画像を表す電気信号を生成して、当該電気信号を前記プロセッサに提供するように構成されている。
【0010】
前記実施形態の一変形例においては、前記焦点レンズは、当該光学アセンブリの合計屈折力よりも大きく、且つ、前記前方レンズ群及び前記後方レンズ群の組み合わせ屈折力よりも大きい屈折力を有する、非球面クラウンプラスチック光学要素である。
【0011】
当該実施形態の一変形例においては、前記後方レンズ群は、撮像センサの光線入射角特性に合致するように構成されている。
【0012】
当該実施形態の一変形例においては、前記焦点レンズは、当該光学アセンブリの唯一の可動の光学要素である。
【0013】
当該実施形態の一変形例においては、前記前方レンズ群及び前記後方レンズ群は、前記焦点レンズへの損傷を防止するように配置されている。
【0014】
当該実施形態の一変形例においては、前記後方レンズ群と組み合わされた前記前方レンズ群の全体的な屈折力は、前記焦点レンズの屈折力よりも小さいように構成されており、機械的公差に対する感度を低減する、撮像レンズ収差を管理する、及び、前記焦点レンズの熱変動を補償する、のうちの少なくとも1つを果たす。
【0015】
当該実施形態の一変形例においては、前記前方レンズ群は、レンズ要素L1、レンズ要素L2、及び、前記レンズ要L1と前記レンズ要L2との間に配置されたアパーチャ絞り、を含み、前記後方レンズ群は、レンズ要素L3、及び、レンズ要素L4、を含む。
【0016】
当該実施形態の一変形例においては、前方アパーチャを有するレンズホルダが、撮像センサ上の第2画像を形成するために、前記前方レンズ群、前記焦点レンズ、前記ボイスコイルモータ、及び、前記後方レンズ群、を前記光軸に沿った所定位置に保持するように構成されている。
【0017】
当該実施形態の一変形例においては、照明システムが、物体の撮像のために当該物体を照明するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示の一態様による、撮像システムを備えた装置の概略側面図である。
【0019】
図2図2は、本開示の一態様による、図1の光学アセンブリを実装するために使用され得る、光学アセンブリを合集するためのボイスコイルモータを有する例示的な光学アセンブリの側断面図である。
【0020】
図3図3は、本開示の一態様による、図1の光学アセンブリを実装するために使用され得る、光学アセンブリを合集するためのボイスコイルモータを有する別の例示的な光学アセンブリの側断面図である。
【0021】
図4図4は、本開示の一態様による、図1乃至図3の光学アセンブリをプリント回路基板に取り付けるための例示的な取り付けアセンブリの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面は、以下の詳細な説明と共に、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施例を更に説明するのに役立ち、また、それら実施例の様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。添付図面において、同様の参照符号は、別個の図面を通して同一または機能的に類似の要素を指している。
【0023】
当業者は、図面内の要素は簡潔及び明瞭に示されていて、必ずしも一定縮尺で描かれていない、ということを理解するであろう。例えば、図面内の幾つかの要素の寸法は、本発明の実施例の理解を改善することを助けるべく、他の要素と比較して誇張されている可能性がある。一般に、同様の参照符号は、図面及び付随する説明を通して、同一または類似の部分を参照するべく使用される。
【0024】
装置及び方法の構成要素は、適切な場合、図面内で従来の符号によって示されており、当該図面は、詳細に関する開示を不明瞭にしないように、本発明の実施例を理解することに関連する特定の詳細のみを示しており、当該詳細に関する開示は、本明細書の記載の利益を受ける当業者にとって容易に明らかである。当業者は、以下の議論から、本明細書に記載の原理から逸脱することなく、本明細書に示された構造及び方法の代替例が採用され得ることを容易に認識するであろう。
【0025】
参照の容易のため、本開示の態様は、レンズ及びレンズ要素に関連して説明される。もっとも、当業者は、任意の他のタイプの光学要素が、追加的及び/または代替的に、光学アセンブリを実装するために使用され得る、ということを容易に認識するであろう。
【0026】
機械視覚、バーコード読み取り、等のアプリケーション向けのポータブルで高性能な光学撮像システムは、小型のフォームファクタを維持するために、小型の撮像センサを採用する。例えば、典型的な撮像センサは、約3×3マイクロメートル2(すなわちミクロン2)のセンサピクセル領域を有する約3×3ミリメートル2の撮像センサ矩形領域を有する。幾つかの実施形態では、光学アセンブリ105は、1ミリメートルあたり160ラインペアで40%の変調伝達関数で、画像を捕捉するように構成される。幾つかの高性能コンパクト撮像システムは、長い焦点距離(例えば、焦点距離の範囲が5~50ミリメートルより大きいテレフォト光学配置)と小型のフォームファクタの撮像センサとを必要とする。好適な実施形態では、焦点距離は約8ミリメートルであり、レンズの全トラックまたは全長は11ミリメートル未満である。更に、機械視覚、バーコード読み取り、等の処理に必要とされる画像処理のための解像度を達成するために、オートフォーカス機能が一般に必要とされる。本出願は、少なくとも2つのレンズ群、可動レンズ、及び、当該可動レンズを移動させるためのボイスコイルモータ、を採用して、以下の1または複数によって現在の技術を改善する、例示的なテレフォト光学アセンブリを開示する:(i)サイズ(例えば、直径、長さ、等)を低減する、(ii)機械視覚、バーコード読み取り、等のアプリケーションの製造コストを低減する、(iii)焦点距離の範囲を増大する、(iv)製造性(例えば、製造公差の存在下の性能)を維持しながら焦点範囲を増大する、等。
【0027】
例示的な撮像ベースの装置100が、図1に概略的に示されている。当該装置100は、ハウジング102と、ハウジング102内に少なくとも部分的に配置されて撮像カメラアセンブリを含む撮像システム103と、を備えている。具体的には、撮像システム103は、撮像センサ104と、光学アセンブリ105と、を含む。装置100は、ドッキングステーション106に挿入されるように適合され得る。ドッキングステーション106は、幾つかの例では、装置100への電力を受容するため、電源(例えば、直流(DC)電源または交流(AC)電源)から電力を受容するためのケーブルまたはコネクタ107を含み得る。装置100は、バッテリ等のオンボード電源または電力貯蔵デバイス108と、メモリ及びコントローラ110を収容し得るプリント回路基板109と、を更に含み得て、コントローラ110は、撮像システム103、より一般的には装置100、の動作を制御する。幾つかの実施例では、装置100は、画像を捕捉するように撮像システム103を起動するために使用されるトリガ(明瞭のために図示せず)を含み得る。装置100は、当該装置100の動作を支援するために、プリント回路基板109に結合されたデコーディングシステム、プロセッサ及び/または回路など、任意の数の追加のコンポーネント(構成要素)を備え得る。
【0028】
ハウジング102は、任意の数のコンポーネント、アセンブリ及び/または手法(アプローチ)を使用して、当該ハウジング102の内部領域内に少なくとも部分的に撮像システム103を支持する前方部分111を含む。撮像システム103は、モジュール式であり得て(但しそうである必要はない)、1つのユニットとして装置に対して取り外され及び/または挿入され得て、異なる装置及びシステムでの使用のための異なる撮像特性を有する撮像システム103(例えば、異なる焦点距離、作動範囲、視野、を有するカメラアセンブリ)の容易な置換を許容し得る。幾つかの例では、視野は、静的であり得る。
【0029】
撮像センサ104は、複数の感光素子を有し得て、そのうちの1つが参照符号112で示されており、実質的に平坦な構成で形成されている。撮像センサ104は、任意の数のコンポーネント、構造及び/または手法(アプローチ)を使用して、プリント回路基板109に固定式に取り付けられ得る。撮像センサ104は、更に、前記実質的に平坦な構成に対して垂直に画定された中心撮像軸114を有する。幾つかの例では、撮像軸114は、光学アセンブリ105の中心軸と同軸である。光学アセンブリ105は、任意の数のコンポーネント及び/または手法(アプローチ)を使用して、ハウジング102に対して固定式及び/または取り外し可能式に取り付けられ得る。
【0030】
撮像センサ104は、サイズが約3ミクロン2のピクセル(画素)を有する1メガピクセルセンサであり得る。幾つかの実施形態では、撮像センサ104は、3ミリメートルの複数ピクセルを有し、合計約2メガピクセルであり、撮像センサ全体の幅及び長さが各寸法3ミクロンである。幾つかの実施形態では、光学アセンブリ105は、1ミリメートル当たり160ラインペアで40%の変調伝達関数で画像を捕捉するように構成されている。
【0031】
図示の例では、光学アセンブリ105は、前方アパーチャ113と撮像センサ104との間に配置される。前方アパーチャ113は、視野114の外側の物体からの光を遮断し、目標物体以外の物体からの迷光に起因する撮像上の問題を低減する。更に、複数のレンズ及びレンズ群と関連する前方アパーチャ113は、撮像センサ104上に意図された通りに画像が形成されることを許容する。幾つかの例では、ハウジング102は、撮像のために目標物体を照明するように構成された照明システム(明瞭のために図示せず)等の追加の要素を含む。照明システムは、発光ダイオード、レーザダイオード、黒体放射源、または、別の照明源、を含み得る。
【0032】
図2は、図1の例示的な光学アセンブリ105を実装するために使用され得る、光学アセンブリ200の形態の例示的な光学アセンブリを示す。当該例示的な光学アセンブリ200は、おそらく他の光学要素の中でもとりわけ、(i)アパーチャ絞りSTIを含む前方レンズ群G1、(ii)調節可能及び/または移動可能な焦点レンズMFL、(iii)光学アセンブリ200を合焦させるために可動焦点レンズMFLを例えば160ミクロンの範囲に亘って移動させるように構成された、任意のタイプの適用可能なボイスコイルモータVCM1、及び、(iv)後方レンズ群G2、を含む。
【0033】
図4に示すように、取り付けアセンブリ400が、光学アセンブリ200の要素を、例えばハウジング102等のハウジング内のプリント回路基板上の固定された場所に保持するために、使用され得る。取り付けアセンブリ400は、前方レンズ群G1、可動焦点レンズMFL及び後方レンズ群G2を、光軸OA1に沿って、固定された関係で保持する。幾つかの例では、レンズ群G1及びG2の要素は、固定位置を有し、及び/または、可動焦点レンズMFLが光学アセンブリ200内でボイスコイルモータVCM1によってレンズ群G1、G2間で前後に(例えば光軸OA1に沿って)移動される時の可動焦点レンズMFLへの損傷を防止するように配置される。幾つかの例では、前方レンズ群G1、可動焦点レンズMFL及び後方レンズ群G2は、テレフォト配置で構成及び配置されて、可変の屈折力範囲を増大させ、及び/または、光学アセンブリ200の長さを低減する。
【0034】
図2の光学アセンブリ200の全長は、約8.5ミリメートルであり得て、焦点範囲は3~48インチであり得る。光学アセンブリ200の全体が、熱的に安定している、すなわち、合集動作が温度によって変化しない。このため、ボイスコイルモータVCMは、熱による焦点シフトを補償する必要がなく、温度に起因してその移動範囲を失う(逸脱する)ことがない。
【0035】
レンズ第1群(前方レンズ群)G1は、光軸OA1に沿って配置され、視野内の関心のある物体(例えばバーコード)から光を受光し、当該前方レンズ群G1によって投影される第1画像の収差を補正するように、構成されている。前方レンズ群G1は、1または複数のレンズ要素L1及びL2を含む。図2の例では、レンズ要素L1、L2及び可動焦点レンズMFLが、クックトリプレットを形成するように配置されている。図2の例では、レンズ素子L1は、正のクラウンガラス光学素子であり、レンズ素子L2は、負のフリント非球面プラスチック光学素子である。アパーチャ絞りSTIが、レンズ要素L1、L2間に形成されている。前方レンズ群G1は、光学アセンブリ200の視野を増大させるように構成された負の光学要素(例えば、レンズ要素)を含み得る。
【0036】
可動焦点レンズMFLは、光学アセンブリ200のレンズ群G1、G2間に位置決めまたは配置される。図2の例では、光学アセンブリ200の焦点を調整するために、可動焦点レンズMFLのみが、移動/調整/位置決めされる必要がある。図2の光学アセンブリによって得られるフォーカシングゲインGのために、図2の光学アセンブリでは、可動焦点レンズMFLの小範囲の移動(例えば、160ミクロン)のみしか必要とされない。従って、小型のボイスコイルモータ(例えば、7.1×7.1ミリメートル)が使用され得る。例示的なボイスコイルモータは、チャファ・エレクトロニクス(Jahwa Electronics Co., Ltd.)製の、JHC-7128である。可動焦点レンズMFLは、光学アセンブリ200の合計の屈折力より大きい、及び/または、前方レンズ群G1及び後方レンズ群G2を組み合わせた屈折力より大きい、屈折力を有する非球面クラウンプラスチック光学要素であり得る。可動焦点レンズMFLを形成するために使用され得る例示的なプラスチック材料は、EP6000、OKP1、SP-1516、等を含むが、これらに限定されない。
【0037】
レンズ要素L3、L4を有する後方レンズ群G2は、光軸OA1に沿って配置され、可動焦点レンズMFLから光を受光し、像面湾曲を補正し、固体の撮像センサ(例えば撮像センサ104)上に第2画像を形成するように構成されている。レンズ要素L3、L4は、負の屈折力を形成するように配置されたプラスチック非球面レンズ要素L3、L4であり得る。幾つかの例では、後方レンズ群G2のレンズ要素L3、L4は、32度の光線入射角特性を提供するように、及び/または、撮像センサ104の光線入射角特性に合致するように、構成される。
【0038】
レンズ群G1、G2の低い屈折力は、それらへの機械的公差による影響を受け難くする。従って、製造の複雑性とコストとが小さくなる。これらのレンズ群G1、G2は、撮像レンズ収差を補償及び制御し、プラスチック可動焦点レンズMFLの熱変動を補償するために、使用され得る。
【0039】
幾つかの例では、前方レンズ群G1のレンズ要素L1、L2、後方レンズ群G2のレンズ要素L3、L4、及び、可動焦点レンズMFLは、3.4のフォーカスゲイン、8.6m-1の焦点範囲、及び、8ミリメートルのレンズ焦点距離、を形成するように構成及び/または配置されている。幾つかの例では、後方レンズ群G2と組み合わされた前方レンズ群G1の全体的な屈折力は、可動焦点レンズMFLの屈折力よりも小さいように構成されており、機械的公差に対する感度を低減する、撮像レンズ収差を管理する、及び、焦点レンズの熱変動を補償する、のうちの少なくとも1つを果たす。
【0040】
光学アセンブリ200は、インタフェースIF1等の、任意の数及び/またはタイプのインタフェースを介して、可動焦点レンズMFLの位置データを伝達し、及び、(例えば、装置100、機械視覚システム、バーコードリーダ、等の)プロセッサからボイスコイルモータVCM1の制御データを受信するように構成される。
【0041】
撮像センサ104は、当該撮像センサ104上に形成される画像を表す電気信号を生成して、当該電気信号をインタフェースIF1及び/または他の手段を介してプロセッサ(例えばコントローラ110)に提供するように構成された、任意のタイプの撮像センサであり得る。関心のある物体が、バーコードである時、プロセッサ及び/またはバーコードリーダは、前記電気信号からバーコードをデコードし得る。
【0042】
幾つかの例では、レンズ要素L1は、1つの球面S1、1つの実質的に平坦な面S2、及び、正の屈折力を有する。レンズ要素L2は、複数の非球面S3、S4、及び、負の屈折力を有する。可動焦点レンズMFLは、2つの非球面S5、S6、及び、正の屈折力を有する。レンズ要素L3は、複数の非球面S7、S8、及び、負の屈折力を有する。レンズ要素L4は、複数の非球面S9、S10、及び、負の屈折力を有する。
【0043】
幾つかの例では、レンズ要素L1は、約56のアッベ数、約1.70の屈折率、正の全体屈折力、を有するクラウンタイプのガラス材料で形成されている。レンズ要素L1の第1表面S1は、球面であり、前記レンズ要素L1の第2表面S2は、実質的に平坦である。レンズ要素L2は、約23のアッベ数、約1.64の屈折率、負の全体屈折力、を有するフリントタイプのプラスチック材料で形成されている。レンズ要素L2の両面S3、S4は、非球面である。レンズ要素L1、L2は、全体的な球面収差を管理するために形成されている。可動焦点レンズMFLは、55のアッベ数、約1.54の屈折率、正の全体屈折力、を有するプラスチック材料で形成されている。可動焦点レンズの両面S5、S6は、非球面である。レンズ要素L3は、55のアッベ数、約1.54の屈折率、負の屈折力、第1の負の屈折力の非球面S7、第2の負の屈折力の非球面S8、を有するクラウンタイプのプラスチック材料で形成されている。レンズ要素L4は、23のアッベ数、約1.64の屈折率、負の屈折力、負の屈折力を有する第1の非球面S9、正の屈折力を有する第2の非球面S10、を有するクラウンタイプのプラスチック材料で形成されている。レンズ要素L3、L4は、撮像レンズ像面湾曲、非点収差、または、歪み、の少なくとも1つを管理するために形成されている。可動焦点レンズMFLを形成するために使用されるプラスチック材料は、例えば、K26R材料、ゼオネックス材料、及び/または、アクリル材料、であり得る。
【0044】
図3は、図1の例示的な光学アセンブリ105を実装するために使用され得る、光学アセンブリ300の形態の別の例示的な光学アセンブリを示す。図2と比較して、図3の例では、後方レンズ群G3が、可能性のある他の光学アセンブリの変更の中でも、3つのレンズ要素L5、L6、及びL7を含む。図3の例示的な光学アセンブリ300は、光学アセンブリ200と同様の光学性能を提供するが、例えば広角レンズを支持するために、32度の代わりに18度のより小さいCRAを有するセンサを支持する。
【0045】
図4は、光学アセンブリ200、300等の光学アセンブリを、例えば、プリント回路基板402に取り付けるための例示的な取り付けアセンブリ400を示す。取り付けアセンブリは、前方レンズ群G5、可動焦点レンズMFL、ボイスコイルモータVCM1、及び、後方レンズ群G6を、光軸OA2に沿った相対位置に保持して、撮像センサ104上に画像を形成するように構成されている。図4の例では、取り付けアセンブリ400は、レンズ要素L10及びL11の後方レンズ群G6をプリント回路基板402に取り付ける(例えば、固定的に保持する)ための後方レンズホルダH1を含んでいる。後方レンズホルダH1は、(例えば、接着剤、はんだ、等を使用して)複数の接続点で(そのうちの1つが参照番号C1で示されている)、あるいは、連続的または半連続的な態様(例えば、接着剤のビードまたはライン)で、プリント回路基板402に固定的に取り付けられ、接続され、等されている。後方レンズホルダH1はまた、光シールドとして、迷光や光汚染等から撮像センサ104をシールドする。ボイスコイルモータVCM1は、図4に示すように、後方レンズホルダH1のボイスコイルホルダH2に、固定される、取り付けられる、または、接続等される。ボイスコイルホルダH2は、後方レンズホルダH1の一体部分であり得るし、後方レンズホルダH1に接続されていてもよい。前方レンズ群G5用の前方レンズホルダH3が、前方レンズ群G6のレンズ要素L10及びL11を後方レンズホルダH1に、従ってプリント回路基板402に、取り付ける(例えば、固定的に保持する)。幾つかの例では、(i)レンズL10~L13、ボイスコイルモータVCM、及び、可動焦点レンズMFL、を含む図4の取り付けアセンブリ400が組み立てられ、(ii)当該取り付けアセンブリ400が、光学測定に基づいてプリント回路基板402上の撮像センサ104と積極的に位置合わせされ、(iii)一旦位置合わせされると、当該取り付けアセンブリ400が、プリント回路基板402に固定的に取り付けられる(例えば、接続される、接着される、はんだ付けされる、等)。好適な実施形態では、レンズホルダH1、H2及びH3は、光吸収プラスチック材料から成形される。
【0046】
幾つかの例では、VCMとPCBとの間のインタフェースは、ホルダH1及びH2上のトレース及び/または接点として実装される。ホルダH1及びH2は、好ましくは、熱硬化接着剤またはUV硬化接着剤で所定位置に保持された光学的に不透明な黒色プラスチックである。
【0047】
前述の明細書には、特定の実施例が記載されている。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更がなされ得る、ということを理解する。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で理解されるべきであり、そのような全ての修正が、本教示の範囲内に含まれることが意図されている。更に、説明された実施例/実施例/実装等は、相互に排他的であると解釈されるべきではなく、その代わりに、そのような組み合わせが何らかの方法で許容される場合、潜在的に組み合わせ可能であると理解されるべきである。換言すれば、前述の実施例/実施例/実装等のいずれかに開示された任意の特徴が、他の前述の実施例/実施例/実装等のいずれかに含まれてもよい。
【0048】
利益、利点、問題の解決策、及び、何らかの利益、利点ないし解決策を生じさせ得るかまたはより顕著にし得る任意の要素は、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全てにおいての、重要な、必要な、または本質的な機能または要素として解釈されるべきではない。特許請求される発明は、本出願の係属中になされる補正、及び、発行される請求項の全ての均等物を含んで、添付される請求項によってのみ定義される。
【0049】
更に、当該文書において、第1及び第2、上及び下、等のような関連語は、1つの実体または動作を他の実体または動作から区別するためにのみ用いられている可能性があり、必ずしもそのような実体または動作間の実際のそのような関係または順序を要求したり含意したりしていない可能性がある。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。要素の列挙(リスト)を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素や、そのようなプロセス、方法、物品、または、装置に固有の他の要素を含み得る。「を備える(comprises ...a)」、「を有する(has ...)」、「を含む(includes ...a)」、「を含有する(contains ...a)」の後に続く要素は、更なる制約条件が無ければ、当該要素を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置、における付加的な同一要素の存在を排除しない。用語「a」及び「an」は、明示的に他の言及が無い限り、1または複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、当業者に理解されるように、近い状態であるものとして定義され、1つの非限定的な実施例において、当該用語は、10%以内、別の実施例においては5%以内、別の実施例においては1%以内、及び、別の実施例においては0.5%以内、として定義される。本明細書で用いられる用語「結合された」は、接続されたものとして定義されるが、必ずしも直接的でなくてもよく、また、必ずしも機械的でなくてもよい。ある方式で「構成された」デバイスまたは構造は、少なくとも当該方式で構成されるが、挙げられていない方式で構成されてもよい。
【0050】
更に、明示的に反対のことが述べられていない限り、「または」という用語は、包括的な「または」を指すものであって、排他的な「または」を指すものではない。例えば、「A、BまたはC」は、(1)A単独、(2)B単独、(3)C単独、(4)AとB、(5)AとC、(6)BとC、及び、(7)AとBとC、等の、AとBとCとの任意の組み合わせ乃至サブセットを指す。本明細書で使用される場合、「A及びBの少なくとも1つ」という語句は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、並びに、(3)少なくとも1つのA及び少なくとも1つのB、等の、AとBとの任意の組み合わせ乃至サブセットを指すことが意図されている。同様に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」という語句も、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、並びに、(3)少なくとも1つのA及び少なくとも1つのB、等の、AとBとの任意の組み合わせ乃至サブセットを指すことが意図されている。
【0051】
本開示の要約は、読者が当該技術的開示の性質を素早く確認することを許容するために提供される。それは、特許請求の範囲の請求項の範囲または意味を解釈または制限するために用いられないという理解と共に提示される。また、前述の詳細な説明において、当該開示を円滑にする目的で、様々な実施例において様々な特徴がまとめてグループ化されていることが認められ得る。この開示方法は、特許請求される実施例が、各請求項で明示的に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とする、という意図を反映するものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施例の全ての特徴よりも少なく存在する。以下の特許請求の範囲は、ここで詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、別個に特許請求される主題として、それ自身独立している。
図1
図2
図3
図4