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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20241111BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241111BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20241111BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20241111BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 624B
G09G3/20 621A
G09G3/20 621F
G09G3/20 611A
G09G3/20 641E
G09G3/34 J
G09G3/20 680H
G09G3/20 623C
G09G3/20 623D
G02F1/133 535
G02F1/1368
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024000168
(22)【出願日】2024-01-04
(62)【分割の表示】P 2020501861の分割
【原出願日】2019-02-13
(65)【公開番号】P2024036341
(43)【公開日】2024-03-15
【審査請求日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2018030259
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】豊高 耕平
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一徳
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-92935(JP,A)
【文献】特開平11-84419(JP,A)
【文献】特開2009-156961(JP,A)
【文献】特開2013-3223(JP,A)
【文献】特開2003-316318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、表示部と、を有する表示装置であって、
前記表示部は、画素を有し、
前記画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、液晶素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第1の配線と常に導通し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の容量素子の第1の端子と常に導通し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2の容量素子の第1の端子と常に導通し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記液晶素子の第1の端子と常に導通し、
前記第1のトランジスタのゲートは、第2の配線と常に導通し、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第3の配線と常に導通し、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2の容量素子の第2の端子と常に導通し、
前記第2のトランジスタのゲートは、第4の配線と常に導通し、
前記第1の容量素子の第2の端子は、第5の配線と常に導通し、
前記液晶素子の第2の端子は、第6の配線と常に導通し、
第1の期間において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを導通させ、前記第1の配線を介して前記画素に第1の画像データを供給及び前記第3の配線を介して前記画素に第2の画像データの基となるデータを供給し、
第2の期間において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを非導通させ、前記液晶素子の応答を待ち、
第3の期間において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを非導通させ、前記光源から第1の色の発光させることにより、前記第1の画像データに対応する第1の画像を表示し、
第4の期間において、前記第1のトランジスタを非導通にし、前記第2のトランジスタを導通させ、前記第3の配線を介して前記画素に基準電位を供給し、前記画素に保持された前記第1の画像データと前記基準電位を足し合わせて前記画素内部で前記第2の画像データを生成し、
第5の期間において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを非導通させ、前記液晶素子の応答を待ち、
第6の期間において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを非導通させ、前記光源から第2の色の発光させることにより、前記第2の画像データに対応する第2の画像を表示する表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第5の期間は、前記第2の期間より短い、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置及びその動作方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関するものである。又は、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
表示デバイスとして例えば液晶デバイスを有する表示装置の表示方法として、カラーフィルタ方式及びフィールドシーケンシャル方式が知られている。前者によって表示を行う表示装置では、各画素に、特定色を呈する波長の光のみを透過するカラーフィルタ(例えば、赤色、緑色、青色)を有する複数の副画素が設けられる。そして、副画素毎に白色光の透過を制御し、且つ画素毎に複数の色を混色することで所望の色を形成している。一方、後者によって表示を行う表示装置では、それぞれが異なる色を呈する光を発光する、複数のバックライト等の光源(例えば、赤色、緑色、青色)が設けられる。そして、当該複数の光源が順次発光し、且つ画素毎にそれぞれの色を呈する光の透過を制御することで所望の色を形成している。すなわち、前者は、特定色を呈する光毎に一画素の面積を分割することで所望の色を形成する方式であり、後者は、特定色を呈する光毎に表示期間を時間分割することで所望の色を形成する方式である。
【0005】
フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う表示装置は、カラーフィルタ方式によって表示を行う表示装置と比較し、以下の利点を有する。まず、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う表示装置では、各画素に副画素を設ける必要がない。そのため、開口率を向上させること、又は画素数を増加させることが可能である。加えて、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う表示装置では、カラーフィルタを設ける必要がない。つまり、カラーフィルタにおける光吸収による光の損失がない。以上により、光の透過率を向上させること、及び消費電力を低減することが可能である。
【0006】
特許文献1、2では、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う表示装置が開示されている。具体的には、特許文献1では、複数行に配置された画素に対して同時に画像データを供給することで、当該表示装置が有するトランジスタ等の応答速度を変化させることなく、各画素に対する画像データの入力頻度を増加させることができる。また、特許文献2では、特定の行に配置された画素に対する画像データの書き込みに続いて、該特定の行から隔離された行に配置された画素に対する画像データの書き込みを行う。これにより、全ての画素に対して画像データの書き込み、及びバックライトの点灯を行うのではなく、特定の画素毎に画像データの書き込み、及びバックライトの点灯を順次行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-003236号公報
【文献】特開2012-141569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フィールドシーケンシャル方式によって表示を行い、表示デバイスとして液晶デバイスを有する表示装置において、全ての画素に同時に画像データを書き込むのではなく、行毎に画像データを書き込む場合、最終行の画素に画像データが書き込まれた後に、最終行の画素が有する液晶デバイスが応答するまで待機してからバックライト等の光源を発光させる必要がある。このため、行毎に画像データを書き込む場合、最終行以外の画素では液晶デバイスの応答完了後にも待ち時間が発生することになるため、全ての画素に同時に画像データを書き込む場合より表示装置の動作速度が低下する。これにより、例えばフレーム周波数が低下し、各色の画像が合成されずに個別に視認される、カラーブレイクという現象が発生する可能性がある。
【0009】
また、液晶デバイスが応答中である画素に対応する光源を消光する、バックライトスキャン方式で表示装置を動作させることにより、行毎に画像データを書き込む場合であっても、表示装置の動作速度を、全ての画素に同時に画像データを書き込む場合と同等とすることができる。しかし、この場合、表示装置の作製コストが増加し、また光源の配置の自由度が低下する可能性がある。
【0010】
本発明の一態様では、高速に動作する表示装置を提供することを目的の一つとする。又は、高品位の画像を表示することができる表示装置を提供することを目的の一つとする。又は、低価格の表示装置を提供することを目的の一つとする。又は、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。又は、信頼性の高い表示装置を提供することを目的の一つとする。又は、新規な表示装置を提供することを目的の一つとする。又は、新規な半導体装置等を提供することを目的の一つとする。
【0011】
又は、高速に動作する表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。又は、高品位の画像を表示することができる表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。又は、低価格の表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。又は、低消費電力の表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。又は、信頼性の高い表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。又は、新規な表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。又は、新規な半導体装置等の動作方法を提供することを目的の一つとする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項等の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項等の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、画素が設けられた表示部を有し、表示部は、第1の色の画像と、第2の色の画像と、を表示する機能を有し、第1の画像データと、第1のデータと、を画素に書き込む第1の期間と、第1の画像データに対応する、第1の色の画像を表示部に表示する第2の期間と、第1の画像データと、第1のデータと、を基にして、画素の内部で第2の画像データを生成する第3の期間と、第2の画像データに対応する、第2の色の画像を表示部に表示する第4の期間と、を有する表示装置の動作方法である。
【0014】
又は、上記態様において、第3の期間において、画素に基準電位を供給することで、第1の画像データと、第1のデータと、を基にして、画素の内部で第2の画像データを生成してもよい。
【0015】
又は、上記態様において、第3の期間は、第1の期間より短くてもよい。
【0016】
又は、上記態様において、表示装置は、ソースドライバを有し、ソースドライバは、第1のデータ線を介して画素と電気的に接続され、ソースドライバは、第2のデータ線を介して画素と電気的に接続され、ソースドライバは、第1の画像データ、及び第1のデータを生成する機能を有し、第1の期間において、第1の画像データは、第1のデータ線を介して画素に書き込まれ、第1のデータは、第2のデータ線を介して画素に書き込まれてもよい。
【0017】
本発明の一態様は、画素が設けられた表示部を有し、表示部は、第1の色の画像と、第2の色の画像と、第3の色の画像と、を表示する機能を有し、第1の画像データと、第1のデータと、を画素に書き込む第1の期間と、第1の画像データに対応する、第1の色の画像を表示部に表示する第2の期間と、第1の画像データと、第1のデータと、を基にして、画素の内部で第2の画像データを生成する第3の期間と、第2の画像データに対応する、第2の色の画像を表示部に表示する第4の期間と、第3の画像データと、第2のデータと、を画素に書き込む第5の期間と、第3の画像データに対応する、第3の色の画像を表示部に表示する第6の期間と、第3の画像データと、第2のデータと、を基にして、画素の内部で第4の画像データを生成する第7の期間と、第4の画像データに対応する、第1の色の画像を表示部に表示する第8の期間と、第5の画像データと、第3のデータと、を画素に書き込む第9の期間と、第5の画像データに対応する、第2の色の画像を表示部に表示する第10の期間と、第5の画像データと、第3のデータと、を基にして、画素の内部で第6の画像データを生成する第11の期間と、第6の画像データに対応する、第3の色の画像を表示部に表示する第12の期間と、を有する表示装置の動作方法である。
【0018】
又は、上記態様において、第3の期間において、画素に基準電位を供給することで、第1の画像データと、第1のデータと、を基にして、画素の内部で第2の画像データを生成し、第7の期間において、画素に基準電位を供給することで、第3の画像データと、第2のデータと、を基にして、画素の内部で第4の画像データを生成し、第11の期間において、画素に基準電位を供給することで、第5の画像データと、第3のデータと、を基にして、画素の内部で第6の画像データを生成してもよい。
【0019】
又は、上記態様において、第3、第7、及び第11の期間は、第1、第5、及び第9の期間より短くてもよい。
【0020】
又は、上記態様において、表示装置は、ソースドライバを有し、ソースドライバは、第1のデータ線を介して画素と電気的に接続され、ソースドライバは、第2のデータ線を介して画素と電気的に接続され、ソースドライバは、第1、第3、及び第5の画像データ、並びに第1乃至第3のデータを生成する機能を有し、第1の期間において、第1の画像データは、第1のデータ線を介して画素に書き込まれ、第1のデータは、第2のデータ線を介して画素に書き込まれ、第5の期間において、第3の画像データは、第1のデータ線を介して画素に書き込まれ、第2のデータは、第2のデータ線を介して画素に書き込まれ、第9の期間において、第5の画像データは、第1のデータ線を介して画素に書き込まれ、第3のデータは、第2のデータ線を介して画素に書き込まれてもよい。
【0021】
又は、上記態様において、画素は、メモリ回路と、表示デバイスと、を有し、メモリ回路は、第1のデータ線、及び第2のデータ線と電気的に接続されていてもよい。
【0022】
又は、上記態様において、メモリ回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第1のデータ線と電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第2のデータ線と電気的に接続されていてもよい。
【0023】
又は、上記態様において、第1のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、Nd又はHf)と、を有してもよい。
【0024】
又は、上記態様において、表示デバイスは、液晶デバイスであってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様を用いることで、高速に動作する表示装置を提供することができる。又は、高品位の画像を表示することができる表示装置を提供することができる。又は、低価格の表示装置を提供することができる。又は、低消費電力の表示装置を提供することができる。又は、信頼性の高い表示装置を提供することができる。又は、新規な表示装置を提供することができる。又は、新規な半導体装置等を提供することができる。
【0026】
又は、高速に動作する表示装置の動作方法を提供することができる。又は、高品位の画像を表示することができる表示装置の動作方法を提供することができる。又は、低価格の表示装置の動作方法を提供することができる。又は、低消費電力の表示装置の動作方法を提供することができる。又は、信頼性の高い表示装置の動作方法を提供することができる。又は、新規な表示装置の動作方法を提供することができる。又は、新規な半導体装置等の動作方法を提供することができる。
【0027】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】表示装置の構成例を説明するブロック図、及び画素回路の構成例を説明する回路図。
図2】表示装置の動作方法の一例を説明する図。
図3】表示装置の動作方法の一例を説明するタイミングチャート。
図4】表示装置の動作方法の一例を説明する回路図。
図5】表示装置の構成例を説明するブロック図、及び画素回路の構成例を説明する回路図。
図6】表示装置の動作方法の一例を説明する図。
図7】表示装置の動作方法の一例を説明するタイミングチャート。
図8】表示装置の動作方法の一例を説明する回路図。
図9】表示装置の動作方法の一例を説明する回路図。
図10】表示装置の構成例を示す断面図。
図11】画素の構成例を示す上面図。
図12】表示装置の構成例を示す断面図。
図13】表示装置の構成例を示す断面図。
図14】表示装置の構成例を示す断面図。
図15】電子機器の一例を示す図。
図16】電子機器の一例を示す図。
図17】シミュレーションを行った画素の動作方法を示す図。
図18】シミュレーション結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略又は変更する場合もある。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置、及びその動作方法について、図面を参照して説明する。
【0031】
本発明の一態様は、第1の画像データ及び第1のデータを画素に書き込み、第1の画像データに対応する画像を表示した後、第1の画像データ及び第1のデータを基にして画素内部で第2の画像データを生成し、第2の画像データに対応する画像を表示する、表示装置の動作方法である。これにより、第2の画像データも第1の画像データと同様に画素の外部から画素に書き込む場合より、表示される画像の切り替えを高速に行うことができるので、表示装置を高速に動作させることができる。
【0032】
ここで、本発明の一態様の表示装置が有する画素は、表示デバイスの他、メモリ回路を有する。メモリ回路に第1の画像データを保持することにより、第1の画像データに対応する画像を表示した後、第1の画像データ及び第1のデータを基にして、画素内部で第2の画像データを生成することができる。
【0033】
本発明の一態様の表示装置の動作方法は、例えばフィールドシーケンシャル方式によって表示を行い、表示デバイスとして液晶デバイスを有する表示装置に適用することができる。このような表示装置には、それぞれが異なる色を呈する光を発光する、複数のバックライト等の光源(例えば、赤色、緑色、青色)が設けられる。そして、当該複数の光源が順次発光し、且つ画素毎にそれぞれの色を呈する光の透過を制御することにより、画像を表示する。つまり、特定色を呈する光毎に表示期間を時間分割する。したがって、高速に動作しない表示装置では、例えばフレーム周波数が低下し、カラーブレイクの発生等の可能性がある。
【0034】
本発明の一態様の表示装置の動作方法では、第1の画像データを、例えば赤色、緑色、青色のうちの一色に対応する画像データとすることができる。また、第2の画像データを、第1の画像データとは異なる一色に対応する画像データとすることができる。これにより、表示させる画像を、第1の画像データに対応する画像から第2の画像データに対応する画像に切り替えることにより、表示される画像の色を切り替えることができる。上記のように、本発明の一態様の表示装置の動作方法では、表示される画像の切り替えを高速に行うことができるので、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う場合であってもフレーム周波数を高めることができ、例えばカラーブレイクの発生を抑制することができる。これにより、表示装置により表示される画像の品位を高めることができる。
【0035】
図1(A)は、本発明の一態様の表示装置である表示装置10の構成例を説明する図である。表示装置10は、画素11がm行n列のマトリクス状に配列された表示部12と、ゲートドライバ13と、ソースドライバ14と、を有する。また、画素11には、メモリ回路15が設けられる。
【0036】
本明細書等において、例えば1行1列目の画素11を画素11[1,1]と記載し、m行n列目の画素11を画素11[m,n]と記載する。なお、他の要素についても、同様の表記を用いる場合がある。
【0037】
画素11は、配線21を介して同一行の他の画素11と電気的に接続され、配線22を介して同一行の他の画素11と電気的に接続されている。また、画素11は、配線31を介して同一列の他の画素11と電気的に接続され、配線32を介して同一列の他の画素11と電気的に接続されている。
【0038】
ゲートドライバ13は、m本の配線21、及びm本の配線22と電気的に接続されている。ソースドライバ14は、n本の配線31、及びn本の配線32と電気的に接続されている。
【0039】
ゲートドライバ13は、配線21を介して信号を画素11に供給し、画素11の動作を制御する機能を有する。また、ゲートドライバ13は、配線22を介して信号を画素11に供給し、画素11の動作を制御する機能を有する。配線21及び配線22は、走査線としての機能を有する。
【0040】
ソースドライバ14は、生成した画像データ等を、配線31を介して画素11に供給する機能を有する。また、ソースドライバ14は、生成したデータ等を、配線32を介して画素11に供給する機能を有する。配線31及び配線32は、データ線としての機能を有する。
【0041】
本明細書等において、画像データとは、表示部12等に表示される画像を表すデータを示す。つまり、表示部12は、画像データに対応する画像を表示する機能を有するということができる。
【0042】
メモリ回路15は、配線31を介して画素11に供給された画像データを保持する機能を有する。また、メモリ回路15は、保持された画像データと、配線32を介して画素11に供給されたデータと、を基にして、新たな画像データを生成して保持する機能を有する。つまり、当該新たな画像データは、画素11の内部で生成された画像データということができる。
【0043】
表示装置10は、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行うことができる。この場合、配線31を介して画素11に供給された画像データと、当該画像データを基に画素11の内部で生成された画像データと、を異なる色に対応する画像データとすることができる。例えば、表示装置10が赤色、緑色、及び青色によって画像を表示する場合、配線31を介して画素11に供給された画像データは、赤色の画像を表す画像データとすることができ、当該画像データを基に画素11の内部で生成された画像データは、緑色の画像を表す画像データとすることができる。
【0044】
表示装置10は、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う機能を有していなくてもよい。この場合、配線31を介して画素11に供給された画像データ、及び画素11の内部で生成された画像データのいずれもが、赤色の画像、緑色の画像、青色の画像の全てを表す画像データとすることができる。なお、表示装置10がフィールドシーケンシャル方式によって表示を行う機能を有していない場合、表示部12には、例えば赤色の画像を表示する機能を有する副画素、緑色の画像を表示する機能を有する副画素、及び青色の画像を表示する機能を有する副画素からなる画素を設けることができる。この場合、画素11は上記副画素に該当する。
【0045】
表示装置10は、赤色、緑色、及び青色の他、白色によって画像を表示する機能を有してもよい。また、上記色に加えて、又は上記色の代わりに、黄色、マゼンタ、シアン等によって画像を表示する機能を有してもよい。
【0046】
図1(B)は、画素11の構成例を示す図である。画素11は、トランジスタ41、トランジスタ42、容量素子51、容量素子52、及び表示デバイス60を有する。ここで、画素11に設けられたメモリ回路15は、トランジスタ41、トランジスタ42、及び容量素子52から構成されるということができる。なお、図1(B)において、トランジスタ41及びトランジスタ42はいずれもnチャネル型トランジスタとしているが、一方又は両方のトランジスタをpチャネル型トランジスタとしてもよい。
【0047】
ここで、表示デバイス60として、例えば液晶デバイスを用いることができる。この場合、表示装置10には、バックライト等の光源が設けられる。光源から発せられた光は、液晶デバイスである表示デバイス60を透過して、表示部12の表示面に射出される。表示デバイス60の光の透過率を制御することにより、表示部12に画像を表示することができる。つまり、表示装置10は、透過型の液晶表示装置とすることができる。なお、図1(A)には、光源は図示していない。
【0048】
また、表示装置10がフィールドシーケンシャル方式によって表示を行う機能を有する場合、それぞれが異なる色の光を発光する光源(例えば、赤色、緑色、青色)が設けられ、当該複数の光源が順次発光し、発光する光源が切り替わる毎に表示デバイス60による光の透過を制御することにより、表示部12に画像を表示する。つまり、色毎に表示期間を時間分割する。
【0049】
トランジスタ41のソース又はドレインの一方は、容量素子52の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ42のソース又はドレインの一方は、容量素子52の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子52の一方の電極は、容量素子51の一方の電極と電気的に接続されている。容量素子51の一方の電極は、表示デバイス60の一方の電極と電気的に接続されている。なお、トランジスタ41のソース又はドレインの一方、容量素子52の一方の電極、容量素子51の一方の電極、及び表示デバイス60の一方の電極が電気的に接続されたノードをノードNM1とする。また、トランジスタ42のソース又はドレインの一方、及び容量素子52の他方の電極が電気的に接続されたノードをノードNAとする。つまり、ノードNM1及びノードNAは、メモリ回路15に設けられているということができる。
【0050】
トランジスタ41のソース又はドレインの他方は、配線31と電気的に接続されている。トランジスタ42のソース又はドレインの他方は、配線32と電気的に接続されている。トランジスタ41のゲートは、配線21と電気的に接続されている。トランジスタ42のゲートは、配線22と電気的に接続されている。容量素子51の他方の電極は、配線61と電気的に接続されている。表示デバイス60の他方の電極は、配線62と電気的に接続されている。ここで、配線61及び配線62は、電源線としての機能を有する。配線61及び配線62には、例えば接地電位が供給される。
【0051】
トランジスタ41及びトランジスタ42は、スイッチとしての機能を有する。ここで、配線21を介して供給された信号に基づいて、トランジスタ41の導通又は非導通が制御される。また、配線22を介して供給された信号に基づいて、トランジスタ42の導通又は非導通が制御される。トランジスタ41を導通させることで、配線31を介して供給された画像データ等が電荷(電位)としてノードNM1に書き込まれ、トランジスタ41を非導通とすることで、ノードNM1に書き込まれた画像データ等が保持される。また、トランジスタ42を導通させることで、配線32を介して供給されたデータ等が電荷(電位)としてノードNAに書き込まれ、トランジスタ42を非導通とすることで、ノードNAに書き込まれたデータ等が保持される。
【0052】
ここで、トランジスタ41及びトランジスタ42に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、ノードNM1及びノードNAに保持された電荷のリークを極めて小さくすることができる。これにより、ノードNM1及びノードNAの電位を長時間保持することができる。当該トランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
【0053】
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体等であり、例えば、後述するCAAC-OS又はCAC-OS等を用いることができる。CAAC-OSは、結晶性の酸化物半導体である。また、当該結晶性の酸化物半導体を用いたトランジスタは、信頼性を向上させることができるため、本発明の一態様の表示装置に用いると好適である。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタ等に適する。
【0054】
OSトランジスタはバンドギャップが大きいため、極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、及び短チャネル効果等が生じない等、Siをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)とは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。
【0055】
なお、トランジスタ41及びトランジスタ42にSiトランジスタを用いてもよい。又は、トランジスタ41及びトランジスタ42の一方にOSトランジスタを用い、他方にSiトランジスタを用いてもよい。例えば、トランジスタ41にOSトランジスタを用い、トランジスタ42にSiトランジスタを用いてもよい。なお、上記Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン)を有するトランジスタ、単結晶シリコンを有するトランジスタ等が挙げられる。
【0056】
次に、表示装置10がフィールドシーケンシャル方式によって表示を行う場合の、表示装置10の動作方法の一例について説明する。図2は、表示装置10の動作方法の一例を説明する図であり、期間T01乃至期間T26における動作を示している。図2では、最上部は1行目の画素11の動作を示しており、最下部はm行目の画素11の動作を示している。
【0057】
本明細書等において、画像(R)は赤色の画像を示し、画像(G)は緑色の画像を示し、画像(B)は青色の画像を示す。また、画像データID(R)は画像(R)を表す画像データを示し、画像データID(G)は画像(G)を表す画像データを示し、画像データID(B)は画像(B)を表す画像データを示す。さらに、詳細は後述するが、データdata(R)は画像データID(R)の基となるデータを示し、データdata(G)は画像データID(G)の基となるデータを示し、データdata(B)は画像データID(B)の基となるデータを示す。
【0058】
また、本明細書等において、i行目(iは1以上m以下の整数)の画素11を画素11[i]と記載する。なお、他の要素についても、同様の表記を用いる場合がある。また、画素11[i]等、i行目の画素に書き込まれる画像データID(R)、画像データID(G)、画像データID(B)、データdata(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)を、それぞれ画像データID(R)[i]、画像データID(G)[i]、画像データID(B)[i]、データdata(R)[i]、データdata(G)[i]、及びデータdata(B)[i]と記載する。さらに、1乃至m行目のうち、いずれかの行の画素に書き込まれる画像データID(R)、画像データID(G)、画像データID(B)、データdata(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)であることを、それぞれ画像データID(R)[1:m]、画像データID(G)[1:m]、画像データID(B)[1:m]、データdata(R)[1:m]、データdata(G)[1:m]、及びデータdata(B)[1:m]と記載する。
【0059】
図3は、図2に示す各期間における画素11の動作方法の一例を説明するタイミングチャートである。なお、図2及び図3では、赤色の画像である画像(R)、緑色の画像である画像(G)、青色の画像である画像(B)を順に表示した後、再び画像(R)、画像(G)、画像(B)を順に表示する場合を示している。
【0060】
図4(A)、(B)、(C)、(D)は、図2及び図3に示す各期間のうち、期間T01乃至期間T06における、画素11の具体的な動作方法の一例を示す回路図である。具体的には、図4(A)は期間T01における、図4(B)は期間T02及び期間T03における、図4(C)は期間T04における、図4(D)は期間T05及び期間T06における、画素11の具体的な動作方法の一例を示す回路図である。なお、図3及び図4に示す動作は、1行目乃至m行目のいずれの画素11にも適用することができる。
【0061】
期間T01に、画像データID(R)及びデータdata(G)を画素11に書き込む。具体的には、配線21の電位、及び配線22の電位を高電位とし、配線31を介して画素11[i]に画像データID(R)[i]を供給し、配線32を介して画素11[i]にデータdata(G)[i]を供給する。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が導通し、ノードNM1の電位が画像データID(R)に対応する電位である電位VID(R)となり、ノードNAの電位がデータdata(G)に対応する電位である電位Vdata(G)となる。つまり、画素11の外部から、画素11に画像データID(R)及びデータdata(G)が書き込まれる。
【0062】
画像データID(R)[i]及びデータdata(G)[i]の書き込みが終了した画素11[i]については、配線21の電位、及び配線22の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が非導通となり、ノードNM1に電位VID(R)が保持され、ノードNAに電位Vdata(G)が保持される。
【0063】
本明細書等において、低電位は、例えば負電位とすることができる。又は、例えば接地電位とすることができる。
【0064】
ここで、図2に示すように、画像データID(R)及びデータdata(G)は、1行目の画素11からm行目の画素11まで、行毎に順に書き込まれる。つまり、画像データID(R)及びデータdata(G)は、線順次で書き込まれる。なお、1行目の画素11への画像データID(R)及びデータdata(G)の書き込み開始から、m行目の画素11への画像データID(R)及びデータdata(G)の書き込み終了までを期間T01とすることができる。
【0065】
期間T02に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、トランジスタ41及びトランジスタ42を非導通とした状態で、例えばm行目の画素11が有する表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。
【0066】
期間T03に、画像(R)を表示部12に表示する。例えば、表示装置10に設けられた赤色の光源を発光させることにより、画像データID(R)に対応する画像(R)を表示することができる。ここで、図4(B)に示すように、表示デバイス60の一方の電極には、画像データID(R)に対応する電位である電位VID(R)が印加されている。電位VID(R)は、期間T01において画素11に書き込まれたデータdata(G)には依存しないので、画像データID(R)に対応する画像(R)を表示することができる。
【0067】
期間T04において、画素11に保持された画像データID(R)及びデータdata(G)を基にして、画素11の内部で画像データID(G)を生成する。具体的には、配線22の電位を高電位とし、配線32の電位を電位Vrefとする。これにより、トランジスタ42が導通し、ノードNAの電位が電位Vrefとなる。また、ノードNM1の電位VNM1は、以下の式で表される。ここで、Cは容量素子51の容量値と、表示デバイス60の容量値と、の合計を示し、Cは容量素子52の容量値を示す。
【0068】
【数1】
【0069】
なお、ノードNM1の容量結合係数を1とすると、電位VNM1は以下の式で表される。
【0070】
【数2】
【0071】
つまり、電位VNM1が画像データID(G)に対応する電位である電位VID(G)となるように、期間T01においてノードNAに書き込まれる電位である電位Vdata(G)を設定すれば、画素11の内部で画像データID(G)が生成されることになる。
【0072】
ここで、電位Vrefは、基準電位とすることができる。例えば、全ての画素11について、供給される電位Vrefは同一とすることができる。このため、例えば全ての画素11について、電位Vrefを同時に供給することができる。これにより、画素11の内部での画像データID(G)の生成を、面順次で行うことができる。したがって、期間T04は、線順次で画像データ等の書き込みを行う期間T01より短くなる。
【0073】
期間T05に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、配線21の電位、及び配線22の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が非導通となり、ノードNM1に電位VID(G)が保持され、ノードNAに電位Vrefが保持される。この状態で、表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。
【0074】
ここで、前述のように、期間T04で行う画素11への画像データID(G)の生成は、面順次で行うことができる。これにより、表示デバイス60が完全に応答するのを待たずに画像(G)を表示させても、表示ムラが発生することを抑制することができるので、高品位の画像を表示することができる。したがって、期間T01のように、画素11への画像データの書き込みを線順次で行う場合より、表示デバイス60の応答待ちの期間は短期間でよい。つまり、期間T05は期間T02より短くすることができる。
【0075】
期間T06に、画像(G)を表示部12に表示する。例えば、表示装置10に設けられた緑色の光源を発光させることにより、画像データID(G)に対応する画像(G)を表示することができる。
【0076】
期間T11に、画像データID(B)及びデータdata(R)を画素11に書き込む。具体的には、配線21の電位、及び配線22の電位を高電位とし、配線31を介して画素11[i]に画像データID(B)[i]を供給し、配線32を介して画素11[i]にデータdata(R)[i]を供給する。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が導通し、ノードNM1の電位が画像データID(B)に対応する電位である電位VID(B)となり、ノードNAの電位がデータdata(R)に対応する電位である電位Vdata(R)となる。つまり、画素11の外部から、画素11に画像データID(B)及びデータdata(R)が書き込まれる。
【0077】
画像データID(B)[i]及びデータdata(R)[i]の書き込みが終了した画素11[i]については、配線21の電位、及び配線22の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が非導通となり、ノードNM1に電位VID(B)が保持され、ノードNAに電位Vdata(R)が保持される。
【0078】
ここで、画像データID(B)及びデータdata(R)は、線順次で書き込まれる。なお、1行目の画素11への画像データID(B)及びデータdata(R)の書き込み開始から、m行目の画素11への画像データID(B)及びデータdata(R)の書き込み終了までを期間T11とすることができる。
【0079】
期間T12に、期間T02等と同様に、表示デバイス60の応答待ちを行う。
【0080】
期間T13に、画像(B)を表示部12に表示する。例えば、表示装置10に設けられた青色の光源を発光させることにより、画像データID(B)に対応する画像(B)を表示することができる。
【0081】
期間T14において、期間T04と同様の動作を行い、画素11に保持された画像データID(B)及びデータdata(R)を基にして、画素11の内部で画像データID(R)を生成する。ノードNM1の電位VNM1は、数式1において、電位VID(R)を電位VID(B)と読み替え、電位Vdata(G)を電位Vdata(R)と読み替えた値となる。つまり、電位VNM1が画像データID(R)に対応する電位である電位VID(R)となるように、期間T11においてノードNAに書き込まれる電位Vdata(R)を設定すれば、画素11の内部で画像データID(R)が生成されることになる。ここで、期間T14において、画素11の内部での画像データID(R)の生成は、面順次で行うことができるため、期間T14は、線順次で画像データの書き込み等を行う期間T11より短くなる。
【0082】
期間T15に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、配線21の電位、及び配線22の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が非導通となり、ノードNM1に電位VID(R)が保持され、ノードNAに電位Vrefが保持される。この状態で、表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。なお、前述のように、期間T14で行う画素11への画像データID(R)の生成は面順次で行うことができるので、期間T15は期間T12より短くすることができる。
【0083】
期間T16に、期間T03と同様の動作を行い、画像(R)を表示部12に表示する。
【0084】
期間T21に、画像データID(G)及びデータdata(B)を画素11に書き込む。具体的には、配線21の電位、及び配線22の電位を高電位とし、配線31を介して画素11[i]に画像データID(G)[i]を供給し、配線32を介して画素11[i]にデータdata(B)[i]を供給する。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が導通し、ノードNM1の電位が画像データID(G)に対応する電位である電位VID(G)となり、ノードNAの電位がデータdata(B)に対応する電位である電位Vdata(B)となる。つまり、画素11の外部から、画素11に画像データID(G)及びデータdata(B)が書き込まれる。
【0085】
画像データID(G)[i]及びデータdata(B)[i]の書き込みが終了した画素11[i]については、配線21の電位、及び配線22の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が非導通となり、ノードNM1に電位VID(G)が保持され、ノードNAに電位Vdata(B)が保持される。
【0086】
ここで、画像データID(G)及びデータdata(B)は、線順次で書き込まれる。なお、1行目の画素11への画像データID(G)及びデータdata(B)の書き込み開始から、m行目の画素11への画像データID(G)及びデータdata(B)の書き込み終了までを期間T21とすることができる。
【0087】
期間T22に、期間T02等と同様に、表示デバイス60の応答待ちを行う。期間T23に、期間T06と同様の動作を行い、画像(G)を表示部12に表示する。
【0088】
期間T24において、期間T04と同様の動作を行い、画素11に保持された画像データID(G)及びデータdata(B)を基にして、画素11の内部で画像データID(B)を生成する。ノードNM1の電位VNM1は、数式1及び数式2において、電位VID(R)を電位VID(G)と読み替え、電位Vdata(G)を電位Vdata(B)と読み替えた値となる。つまり、電位VNM1が画像データID(B)に対応する電位である電位VID(B)となるように、期間T21においてノードNAに書き込まれる電位Vdata(B)を設定すれば、画素11の内部で画像データID(B)が生成されることになる。ここで、期間T24において、画素11の内部での画像データID(B)の生成は、面順次で行うことができるため、期間T24は、線順次で画像データの書き込み等を行う期間T21より短くなる。
【0089】
期間T25に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、配線21の電位、及び配線22の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41及びトランジスタ42が非導通となり、ノードNM1に電位VID(B)が保持され、ノードNAに電位Vrefが保持される。この状態で、表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。なお、前述のように、期間T24で行う画素11への画像データID(B)の生成は面順次で行うことができるので、期間T25は期間T22より短くすることができる。
【0090】
期間T26に、期間T13と同様の動作を行い、画像(B)を表示部12に表示する。
【0091】
以上が表示装置10の動作方法の一例である。上記動作方法では、期間T04、期間T14、及び期間T24において、期間T01、期間T11、及び期間T21と同様に画素11の外部から画像データを画素11に書き込む場合より、表示部12に表示される画像を高速に切り替えることができる。このため、表示装置10を高速に動作させることができる。
【0092】
また、上記動作方法では、本発明の一態様の表示装置をバックライトスキャン方式で動作させなくても、本発明の一態様の表示装置を高速に動作させることができる。これにより、本発明の一態様の表示装置の作製コストの増加を抑制することができるので、本発明の一態様の表示装置を低価格で提供することができる。また、光源の配置の自由度の低下を抑制することができる。
【0093】
本発明の一態様の表示装置が、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う場合、特定色の画像毎に表示期間を時間分割する。つまり、図2等に示すように、例えば期間T03において赤色の画像を表示し、期間T06において緑色の画像を表示し、期間T13において青色の画像を表示することにより、1フレームのカラー画像を表示する。したがって、高速に動作しない表示装置では、例えばフレーム周波数が低下し、カラーブレイクの発生等の可能性がある。
【0094】
一方、上記動作方法では、本発明の一態様の表示装置を高速に動作させることができるので、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う場合であっても本発明の一態様の表示装置のフレーム周波数を高めることができる。これにより、例えばカラーブレイクの発生を抑制することができるので、本発明の一態様の表示装置により表示される画像の品位を高めることができる。
【0095】
なお、電位Vrefを調整することにより、表示装置10はフレーム反転駆動を行うことができる。例えば、配線31を介して画素11に供給される画像データに対応する電位、及び配線32を介して画素11に供給されるデータに対応する電位を正電位とする場合、電位Vrefを負電位とすることで、負電位の画像データを画素11の内部で生成することができる。つまり、画像データに対応する電位の極性を反転させることができるので、表示装置10はフレーム反転駆動を行うことができる。図3では、期間T04、期間T11、期間T14、期間T21、及び期間T24においてフレーム反転駆動を行う場合を示している。表示装置10がフレーム反転駆動を行うことにより、表示装置10により表示される画像の品位を高めることができる。
【0096】
図2乃至図4に示す動作方法は、表示装置10がフィールドシーケンシャル方式以外の方法により表示を行う場合にも適用することができる。この場合、図2に示す画像データID(R)、画像データID(G)、及び画像データID(B)のいずれもが、赤色の画像、緑色の画像、青色の画像の全てを表す画像データとすることができる。また、期間T03、期間T06、期間T13、期間T16、期間T23、及び期間T26のそれぞれにおいて、赤色の画像、緑色の画像、青色の画像を同時に表示することができる。つまり、期間T03、期間T06、期間T13、期間T16、期間T23、及び期間T26のそれぞれにおいて、1フレームのカラー画像を表示することができる。
【0097】
図5(A)は、本発明の一態様の表示装置であり、表示装置10とは異なる構成である表示装置110の構成例を説明する図である。表示装置110は、画素111がm行n列のマトリクス状に配列された表示部112と、ゲートドライバ113と、ソースドライバ114と、を有する。また、画素111には、メモリ回路15及びメモリ回路16が設けられる。
【0098】
画素111は、配線21を介して同一行の他の画素111と電気的に接続され、配線22を介して同一行の他の画素111と電気的に接続され、配線23を介して同一行の他の画素111と電気的に接続されている。また、画素111は、配線31を介して同一列の他の画素111と電気的に接続され、配線32を介して同一列の他の画素111と電気的に接続され、配線33を介して同一列の他の画素111と電気的に接続されている。
【0099】
ゲートドライバ113は、m本の配線21、m本の配線22、及びm本の配線23と電気的に接続されている。ソースドライバ14は、n本の配線31、n本の配線32、及びn本の配線33と電気的に接続されている。
【0100】
ゲートドライバ113は、配線21を介して信号を画素111に供給し、画素111の動作を制御する機能を有する。また、ゲートドライバ113は、配線22を介して信号を画素111に供給し、画素111の動作を制御する機能を有する。さらに、ゲートドライバ113は、配線23を介して信号を画素111に供給し、画素111の動作を制御する機能を有する。ここで、配線23は、配線21及び配線22と同様に、走査線としての機能を有する。
【0101】
ソースドライバ114は、生成した画像データ等を、配線31を介して画素111に供給する機能を有する。また、ソースドライバ114は、生成したデータ等を、配線32を介して画素111に供給する機能を有する。さらに、ソースドライバ114は、生成したデータ等を、配線33を介して画素111に供給する機能を有する。ここで、配線33は、配線31及び配線32と同様に、データ線としての機能を有する。
【0102】
メモリ回路15及びメモリ回路16は、配線31を介して画素111に供給された画像データを保持する機能を有する。メモリ回路15は、保持された画像データと、配線32を介して画素111に供給されたデータと、を基にして、新たな画像データを生成して保持する機能を有する。メモリ回路16は、保持された画像データと、配線33を介して画素111に供給されたデータと、を基にして、新たな画像データを生成して保持する機能を有する。以上より、上記新たな画像データは、画素111の内部で生成された画像データということができる。
【0103】
表示装置110は、表示装置10と同様に、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行うことができる。この場合、配線31を介して画素111に供給された画像データと、配線32を介して画素111に供給されたデータを基にして生成された画像データと、配線33を介して画素111に供給されたデータを基にして生成された画像データと、を異なる色に対応する画像データとすることができる。例えば、表示装置110が赤色、緑色、及び青色によって画像を表示する場合、配線31を介して画素111に供給された画像データは、赤色の画像を表す画像データとすることができ、配線32を介して画素111に供給されたデータを基にして生成された画像データは、緑色の画像を表す画像データとすることができ、配線33を介して画素111に供給されたデータを基にして生成された画像データは、青色の画像を表す画像データとすることができる。
【0104】
表示装置110は、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う機能を有していなくてもよい。この場合、配線31を介して画素111に供給された画像データ、配線32を介して画素111に供給されたデータを基にして生成された画像データ、及び配線33を介して画素111に供給されたデータを基にして生成された画像データのいずれもが、赤色の画像、緑色の画像、青色の画像の全てを表す画像データとすることができる。なお、表示装置110がフィールドシーケンシャル方式によって表示を行う機能を有していない場合、表示部112には、例えば赤色の画像を表示する機能を有する副画素、緑色の画像を表示する機能を有する副画素、及び青色の画像を表示する機能を有する副画素からなる画素を設けることができる。この場合、画素111は上記副画素に該当する。
【0105】
表示装置110は、表示装置10と同様に、赤色、緑色、及び青色の他、白色によって画像を表示する機能を有してもよい。また、上記色に加えて、又は上記色の代わりに、黄色、マゼンタ、シアン等によって画像を表示する機能を有してもよい。
【0106】
図5(B)は、画素111の構成例を示す図である。画素111は、トランジスタ41、トランジスタ42、トランジスタ43、容量素子51、容量素子52、容量素子53、及び表示デバイス60を有する。ここで、画素111に設けられたメモリ回路15は、画素11と同様に、トランジスタ41、トランジスタ42、及び容量素子52から構成されるということができる。また、画素111に設けられたメモリ回路16は、トランジスタ41、トランジスタ43、及び容量素子53から構成されるということができる。つまり、トランジスタ41は、メモリ回路15及びメモリ回路16により共有されているということができる。なお、図5(B)において、トランジスタ41乃至トランジスタ43は全てnチャネル型トランジスタとしているが、一部又は全てのトランジスタをpチャネル型トランジスタとしてもよい。
【0107】
表示デバイス60として液晶デバイスを用いる場合、表示装置110には、表示装置10と同様に、それぞれが異なる色の光を発光する、複数のバックライト等の光源(例えば、赤色、緑色、青色)が設けられる。光源から発せられた光は、液晶デバイスである表示デバイス60を透過して、表示部112の表示面に射出される。表示デバイス60の光の透過率を制御することにより、表示部112に画像を表示することができる。つまり、表示装置110は、透過型の液晶表示装置とすることができる。なお、図5(A)には、光源は図示していない。
【0108】
また、表示装置110がフィールドシーケンシャル方式によって表示を行う機能を有する場合、上記複数の光源が順次発光し、発光する光源が切り替わる毎に表示デバイス60による光の透過を制御することにより、表示部112に画像を表示する。つまり、色毎に表示期間を時間分割する。
【0109】
トランジスタ41のソース又はドレインの一方は、容量素子51の一方の電極、容量素子52の一方の電極、及び表示デバイス60の一方の電極の他、容量素子53の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ43のソース又はドレインの一方は、容量素子53の他方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ43のソース又はドレインの他方は、配線33と電気的に接続されている。トランジスタ43のゲートは、配線23と電気的に接続されている。その他の接続関係については、画素11と同様である。
【0110】
なお、トランジスタ41のソース又はドレインの一方、容量素子51乃至容量素子53の一方の電極、及び表示デバイス60の一方の電極が電気的に接続されたノードをノードNM2とする。また、トランジスタ43のソース又はドレインの一方、及び容量素子53の他方の電極が電気的に接続されたノードをノードNBとする。以上より、ノードNM2は、メモリ回路15及びメモリ回路16により共有されているということができ、ノードNBは、メモリ回路16に設けられているということができる。
【0111】
トランジスタ43は、トランジスタ41及びトランジスタ42と同様に、スイッチとしての機能を有する。ここで、配線23を介して供給された信号に基づいて、トランジスタ43の導通又は非導通が制御される。トランジスタ41を導通させることで、配線31を介して供給された画像データ等が電荷(電位)としてノードNM2に書き込まれ、トランジスタ41を非導通とすることで、ノードNM2に書き込まれた画像データ等が保持される。また、トランジスタ43を導通させることで、配線33を介して供給されたデータ等が電荷(電位)としてノードNBに書き込まれ、トランジスタ43を非導通とすることで、ノードNBに書き込まれたデータ等が保持される。
【0112】
ここで、トランジスタ41乃至トランジスタ43にOSトランジスタ等、極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、ノードNM2、ノードNA、及びノードNBに保持された電荷のリークを極めて小さくすることができる。これにより、ノードNM2、ノードNA、及びノードNBの電位を長時間保持することができる。
【0113】
なお、トランジスタ41及びトランジスタ42の他、トランジスタ43にSiトランジスタを用いてもよい。又は、トランジスタ41乃至トランジスタ43の一部にOSトランジスタを用い、他はSiトランジスタとしてもよい。例えば、トランジスタ41にOSトランジスタを用い、トランジスタ42及びトランジスタ43にSiトランジスタを用いてもよい。
【0114】
次に、表示装置110がフィールドシーケンシャル方式によって表示を行う場合の、表示装置110の動作方法の一例について説明する。図6は、表示装置110の動作方法の一例を説明する図であり、期間T31乃至期間T49における動作を示している。図6では、最上部は1行目の画素111の動作を示しており、最下部はm行目の画素111の動作を示している。
【0115】
図7は、図6に示す各期間における画素111の動作方法の一例を説明するタイミングチャートである。なお、図6及び図7では、図2及び図3と同様に、赤色の画像である画像(R)、緑色の画像である画像(G)、青色の画像である画像(B)を順に表示した後、再び画像(R)、画像(G)、画像(B)を順に表示する場合を示している。
【0116】
図8(A)、(B)、(C)、(D)、及び図9(A)、(B)は、図6及び図7に示す各期間のうち、期間T31乃至期間T39における、画素111の具体的な動作方法の一例を示す回路図である。具体的には、図8(A)は期間T31における、図8(B)は期間T32及び期間T33における、図8(C)は期間T34における、図8(D)は期間T35及び期間T36における、図9(A)は期間T37における、図9(B)は期間T38及び期間T39における、画素111の具体的な動作方法の一例を示す回路図である。なお、図7乃至図9に示す動作は、1行目乃至m行目のいずれの画素111にも適用することができる。
【0117】
期間T31に、画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)を画素111に書き込む。具体的には、配線21乃至配線23の電位を高電位とし、配線31を介して画素111[i]に画像データID(R)[i]を供給し、配線32を介して画素111[i]にデータdata(G)[i]を供給し、配線33を介して画素111にデータdata(B)[i]を供給する。これにより、トランジスタ41乃至トランジスタ43が導通し、ノードNM2の電位が画像データID(R)に対応する電位である電位VID(R)、ノードNAの電位がデータdata(G)に対応する電位である電位Vdata(G)、ノードNBの電位がデータdata(B)に対応する電位である電位Vdata(B)となる。つまり、画素111の外部から、画素111に画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)が書き込まれる。
【0118】
画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)の書き込みが終了した画素111については、配線21乃至配線23の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41乃至トランジスタ43が非導通となり、ノードNM1に電位VID(R)が保持され、ノードNAに電位Vdata(G)が保持され、ノードNBに電位Vdata(B)が保持される。
【0119】
ここで、図6に示すように、画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)は、1行目の画素111からm行目の画素111まで、行毎に書き込まれる。つまり、画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)は、線順次で書き込まれる。なお、1行目の画素111への画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)の書き込み開始から、m行目の画素111への画像データID(R)、データdata(G)、及びデータdata(B)の書き込み終了までを期間T31とすることができる。
【0120】
期間T32に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、トランジスタ41乃至トランジスタ43を非導通とした状態で、例えばm行目の画素111が有する表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。
【0121】
期間T33に、画像(R)を表示部12に表示する。例えば、表示装置110に設けられた赤色の光源を発光させることにより、画像データID(R)に対応する画像(R)を表示することができる。ここで、図8(B)に示すように、表示デバイス60の一方の電極には、画像データID(R)に対応する電位である電位VID(R)が印加されている。電位VID(R)は、期間T31において画素111に書き込まれたデータdata(G)及びデータdata(B)には依存しないので、画像データID(R)に対応する画像(R)を表示することができる。
【0122】
期間T34において、画素111に保持された画像データID(R)及びデータdata(G)を基にして、画素111の内部で画像データID(G)を生成する。具体的には、配線22の電位を高電位とし、配線32の電位を電位Vref1とする。これにより、トランジスタ42が導通し、ノードNAの電位が電位Vref1となる。また、ノードNM2の電位VNM2は、電位VNM1を電位VNM2と読み替え、電位Vrefを電位Vref1と読み替えることにより、前述の数式1及び数式2で表すことができる。つまり、電位VNM2が画像データID(G)に対応する電位である電位VID(G)となるように、期間T31においてノードNAに書き込まれる電位Vdata(G)を設定すれば、画素111の内部で画像データID(G)が生成されることになる。
【0123】
ここで、電位Vref1は、基準電位とすることができる。例えば、全ての画素111について、供給される電位Vref1は同一とすることができる。このため、例えば全ての画素111について、電位Vref1を同時に供給することができる。これにより、画素111の内部での画像データID(G)の生成を、面順次で行うことができる。したがって、期間T34は、線順次で画像データ等の書き込みを行う期間T31より短くなる。
【0124】
期間T35に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、配線21乃至配線23の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41乃至トランジスタ43が非導通となり、ノードNM2に電位VID(G)が、ノードNAに電位Vref1が、ノードNBに電位Vdata(B)が保持される。この状態で、表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。
【0125】
ここで、前述のように、期間T34で行う画素111への画像データID(G)の生成は、面順次で行うことができる。このため、期間T31のように、画素111への画像データの書き込みを線順次で行う場合より、表示デバイス60の応答待ちの期間は短期間でよい。つまり、期間T35は期間T32より短くすることができる。
【0126】
期間T36に、画像(G)を表示部112に表示する。例えば、表示装置110に設けられた、緑色の光源を発光させることにより、画像データID(G)に対応する画像(G)を表示することができる。
【0127】
期間T37において、画素111に保持された画像データID(G)及びデータdata(B)を基にして、画素111の内部で画像データID(B)を生成する。具体的には、配線23の電位を高電位とし、配線33の電位を電位Vref2とする。これにより、トランジスタ43が導通し、ノードNBの電位が電位Vref2となる。また、ノードNM2の電位VNM2は、以下の式で表される。ここで、Cは数式1と同様に容量素子51の容量値と、表示デバイス60の容量値と、の合計を示す。また、Cは容量素子53の容量値を示す。
【0128】
【数3】
【0129】
なお、ノードNM2の容量結合係数を1とすると、電位VNM2は以下の式で表される。
【0130】
【数4】
【0131】
つまり、電位VNM2が画像データID(B)に対応する電位である電位VID(B)となるように、期間T31においてノードNBに書き込まれる電位Vdata(B)を設定すれば、画素111の内部で画像データID(B)が生成されることになる。
【0132】
ここで、電位Vref2は、電位Vref1と同様に基準電位とすることができる。このため、画素111の内部での画像データID(B)の生成を、面順次で行うことができる。したがって、期間T37は、線順次で画像データ等の書き込みを行う期間T31より短くなる。
【0133】
期間T38に、表示デバイス60の応答待ちを行う。具体的には、配線21乃至配線23の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ41乃至トランジスタ43が非導通となり、ノードNM2に電位VID(B)が、ノードNAに電位Vref1が、ノードNBに電位Vref2が保持される。この状態で、表示デバイス60の応答が終了するまで待機する。
【0134】
ここで、前述のように、期間T37で行う画素111への画像データID(B)の生成は、面順次で行うことができる。このため、期間T31のように、画素111への画像データの書き込みを線順次で行う場合より、表示デバイス60の応答待ちの期間は短期間でよい。つまり、期間T38は期間T32より短くすることができる。
【0135】
期間T39に、画像(B)を表示部112に表示する。例えば、表示装置110に設けられた、青色の光源を発光させることにより、画像データID(B)に対応する画像(B)を表示することができる。
【0136】
期間T41乃至期間T49は、期間T31乃至期間T39と同様の動作を行うことができる。以上が表示装置110の動作方法の一例である。なお、表示装置110は、期間T31乃至期間T39で1フレームのカラー画像を表示し、期間T41乃至期間T49で次の1フレームのカラー画像を表示することができる。
【0137】
上記動作方法では、期間T36及び期間T46において、表示部112に画像(G)を表示させた後、画像データID(B)を画素111の外部から画素111に書き込まなくても、画像(B)を表示させることができる。このため、表示装置110を高速に動作させることができる。
【0138】
図6乃至図9に示す動作方法は、表示装置110がフィールドシーケンシャル方式以外の方法により表示を行う場合にも適用することができる。この場合、図6に示す画像データID(R)、画像データID(G)、及び画像データID(B)のいずれもが、赤色の画像、緑色の画像、青色の画像の全てを表す画像データとすることができる。また、期間T33、期間T36、期間T39、期間T43、期間T46、及び期間T49のそれぞれにおいて、赤色の画像、緑色の画像、青色の画像を同時に表示することができる。つまり、期間T33、期間T36、期間T39、期間T43、期間T46、及び期間T49のそれぞれにおいて、1フレームのカラー画像を表示することができる。
【0139】
なお、表示装置10は画素1個あたりメモリ回路を1個設けた構成とし、表示装置110は画素1個あたりメモリ回路を2個設けた構成としているが、本発明の一態様の表示装置は、画素1個あたりメモリ回路を3個以上設けた構成としてもよい。この場合、本発明の一態様の表示装置をさらに高速に動作させることができる。
【0140】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0141】
(実施の形態2)
<表示装置の構成例>
図10乃至図14を用いて、本発明の一態様の表示装置の構成例について説明する。
【0142】
図10(A)に、本発明の一態様の表示装置の一例である、透過型の液晶表示装置の断面図を示す。図10(A)に示す液晶表示装置は、基板131、トランジスタ41、トランジスタ42、絶縁層215、導電層46、絶縁層44、画素電極121、絶縁層45、共通電極123、液晶層122、及び基板132を有する。
【0143】
トランジスタ41及びトランジスタ42は、基板131上に位置する。絶縁層215は、トランジスタ41上、及びトランジスタ42上に位置する。導電層46は、絶縁層215上に位置する。絶縁層44は、トランジスタ41上、トランジスタ42上、絶縁層215上、及び導電層46上に位置する。画素電極121は、絶縁層44上に位置する。絶縁層45は、画素電極121上に位置する。共通電極123は、絶縁層45上に位置する。液晶層122は、共通電極123上に位置する。共通電極123は、画素電極121を介して、導電層46と重なる領域を有する。画素電極121はトランジスタ41のソース又はドレインと電気的に接続される。導電層46はトランジスタ42のソース又はドレインと電気的に接続される。導電層46、画素電極121、及び共通電極123は、それぞれ、可視光を透過する機能を有する。
【0144】
本実施の形態の液晶表示装置は、画素電極121と共通電極123とが絶縁層45を介して積層され、FFS(Fringe Field Switching)モードで動作する。画素電極121、液晶層122、及び共通電極123は、表示デバイス60として機能することができる。
【0145】
画素電極121、絶縁層45、及び共通電極123は、1つの容量素子51として機能することができる。また、導電層46、絶縁層44、及び画素電極121は、1つの容量素子52として機能することができる。このように、本実施の形態の液晶表示装置は、画素に2つの容量素子を有する。なお、本実施の形態の液晶表示装置は、画素に3つ以上の容量素子を有してもよい。
【0146】
また、2つの容量素子はいずれも可視光を透過する材料で形成され、且つ、互いに重なる領域を有する。これにより、画素は、高い開口率を有し、さらに複数の保持容量を有することができる。
【0147】
透過型の液晶表示装置の開口率(画素の開口率ともいえる)を高めることで、液晶表示装置の高精細化が可能となる。また、開口率を高めることで、光取り出し効率を高めることができる。これにより、液晶表示装置の消費電力を低減させることができる。
【0148】
容量素子52の容量は、容量素子51の容量よりも大きいことが好ましい。例えば、画素電極121と導電層46とが重なる領域の面積は、画素電極121と共通電極123とが重なる領域の面積より大きいことが好ましい。また、導電層46と画素電極121との間に位置する絶縁層44の厚さT1は、画素電極121と共通電極123との間に位置する絶縁層45の厚さT2よりも薄いことが好ましい。
【0149】
本実施の形態の表示装置の構成は、タッチパネルに適用することもできる。図10(B)は、図10(A)に示す表示装置にタッチセンサTCを搭載した例である。タッチセンサTCを表示装置の表示面に近い位置に設けることで、タッチセンサTCの感度を高めることができる。
【0150】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラス等の被検知体の近接又は接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
【0151】
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式等様々な方式を用いることができる。
【0152】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0153】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成、表示デバイスを支持する基板及び対向基板の一方又は双方に検知素子を構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0154】
≪画素の上面レイアウト≫
図11(A)乃至(C)に、画素の上面図を示す。図11(A)は、ゲート221a及びゲート221bから共通電極123aまでの積層構造を共通電極123a側から見た上面図である。図11(B)は、図11(A)の積層構造から共通電極123aを除いた上面図であり、図11(C)は、図11(A)の積層構造から共通電極123a及び画素電極121を除いた上面図である。
【0155】
画素は、接続部73と接続部74を有する。接続部73では、画素電極121がトランジスタ41と電気的に接続されている。具体的には、トランジスタ41のソース又はドレインとして機能する導電層222aが導電層46bと接し、且つ、導電層46bが画素電極121と接している。接続部74では、導電層46aがトランジスタ42と電気的に接続されている。具体的には、導電層46aがトランジスタ42のソース又はドレインとして機能する導電層222cと接している。
【0156】
≪表示装置の断面構造≫
図12に、表示装置の断面図を示す。なお、画素の断面構造については、図11(A)に示す一点鎖線B1-B2間の断面図に相当する。
【0157】
図12に示す表示装置は、基板131、基板132、トランジスタ41、導電層46a、導電層46b、絶縁層44、絶縁層45、画素電極121、液晶層122、共通電極123a、導電層123b、導電層222e、配向膜133a、配向膜133b、接着層141、オーバーコート135、遮光層38、偏光板161、偏光板163、バックライトユニット30、FPC172等を有する。
【0158】
基板131上にトランジスタ41及びトランジスタ42が位置する。トランジスタ41は、ゲート221a、ゲート絶縁層211、半導体層231a、導電層222a、導電層222b、絶縁層212、絶縁層213、ゲート絶縁層225a、及びゲート223aを有する。トランジスタ42は、ゲート221b、ゲート絶縁層211、半導体層231b、導電層222c、導電層222d、絶縁層212、絶縁層213、ゲート絶縁層225b、及びゲート223bを有する。
【0159】
図12に示すトランジスタ41及びトランジスタ42は、チャネルの上下にゲートを有する。2つのゲートは、電気的に接続されていることが好ましい。2つのゲートが電気的に接続されている構成のトランジスタは、他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、又は高精細化して配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することが可能である。また、回路部の占有面積を縮小できるため、表示装置の狭額縁化が可能である。また、このような構成を適用することで、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
【0160】
半導体層231は、一対の低抵抗領域と、一対の低抵抗領域の間に挟持されたチャネル形成領域と、を有する。
【0161】
チャネル形成領域は、ゲート絶縁層211を介してゲート221と重なり、ゲート絶縁層225を介してゲート223と重なる。
【0162】
本明細書等において、半導体層231は、半導体層231a又は半導体層231bの一方又は両方を示す。また、ゲート221は、ゲート221a又はゲート221bの一方又は両方を示し、ゲート223は、ゲート223a又はゲート223bの一方又は両方を示す。さらに、ゲート絶縁層225は、ゲート絶縁層225a又はゲート絶縁層225bの一方又は両方を示す。
【0163】
ここでは、半導体層231に金属酸化物を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0164】
チャネル形成領域と接するゲート絶縁層211及びゲート絶縁層225は酸化物絶縁層であることが好ましい。なお、ゲート絶縁層211又はゲート絶縁層225が積層構造である場合、少なくともチャネル形成領域と接する層が酸化物絶縁層であることが好ましい。これにより、チャネル形成領域に酸素欠損が生じることを抑制でき、トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0165】
絶縁層213及び絶縁層214のうち一方又は双方は窒化物絶縁層であることが好ましい。これにより、半導体層231に不純物が入り込むことを抑制でき、トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0166】
絶縁層215は、平坦化機能を有することが好ましく、例えば、有機絶縁層であることが好ましい。なお、絶縁層214及び絶縁層215のうち一方又は双方は形成しなくてもよい。
【0167】
低抵抗領域は、チャネル形成領域よりも抵抗率が低い。低抵抗領域は半導体層231のうち絶縁層212と接する領域である。ここで、絶縁層212が窒素又は水素を有することが好ましい。これにより、絶縁層212中の窒素又は水素が低抵抗領域に入り込み、低抵抗領域のキャリア濃度を高めることができる。又は、ゲート223をマスクとして、不純物を添加することで、低抵抗領域を形成してもよい。当該不純物としては、例えば、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、フッ素、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ホウ素、アルミニウム等が挙げられ、当該不純物は、イオン注入法又はイオンドーピング法を用いて添加することができる。また、上記不純物以外にも、半導体層231の構成元素の一つである、インジウム等を添加することで低抵抗領域を形成してもよい。インジウムを添加することで、チャネル形成領域よりも低抵抗領域の方が、インジウムの濃度が高くなる場合がある。
【0168】
また、ゲート絶縁層225及びゲート223を形成した後に、半導体層231の一部の領域に接するように第1の層を形成し、加熱処理を施すことにより、当該領域を低抵抗化させ、低抵抗領域を形成することができる。
【0169】
第1の層としては、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロム、及びルテニウム等の金属元素の少なくとも一を含む膜を用いることができる。特に、アルミニウム、チタン、タンタル、及びタングステンの少なくとも一を含むことが好ましい。又は、これら金属元素の少なくとも一を含む窒化物、又はこれら金属元素の少なくとも一を含む酸化物を好適に用いることができる。特に、タングステン膜、チタン膜等の金属膜、窒化アルミニウムチタン膜、窒化チタン膜、窒化アルミニウム膜等の窒化物膜、酸化アルミニウムチタン膜等の酸化物膜等を好適に用いることができる。
【0170】
第1の層の厚さは、例えば0.5nm以上20nm以下、好ましくは0.5nm以上15nm以下、より好ましくは0.5nm以上10nm以下、さらに好ましくは1nm以上6nm以下とすることができる。代表的には、5nm程度、又は約2nm程度とすることができる。第1の層がこのように薄い場合であっても、十分に半導体層231を低抵抗化できる。
【0171】
低抵抗領域は、チャネル形成領域よりもキャリア密度の高い領域とすることが重要である。例えば低抵抗領域は、チャネル形成領域よりも水素を多く含む領域、又は、チャネル形成領域よりも酸素欠損を多く含む領域とすることができる。酸化物半導体中の酸素欠損と水素原子とが結合すると、キャリアの発生源となる。
【0172】
半導体層231の一部の領域に第1の層を接して設けた状態で、加熱処理を行うことで、当該領域中の酸素が第1の層に吸引され、当該領域中に酸素欠損を多く形成することができる。これにより、低抵抗領域を極めて低抵抗な領域とすることができる。
【0173】
このように形成された低抵抗領域は、後の処理で高抵抗化しにくいといった特徴を有する。例えば、酸素を含む雰囲気下での加熱処理や、酸素を含む雰囲気下での成膜処理等を行っても、低抵抗領域の導電性が損なわれる恐れがないため、電気特性が良好で、且つ信頼性の高いトランジスタを実現できる。
【0174】
加熱処理を経た後の第1の層が導電性を有する場合には、加熱処理後に第1の層を除去することが好ましい。一方、第1の層が絶縁性を有する場合には、これを残存させることで第1の層を保護絶縁膜として機能させることができる。
【0175】
絶縁層215上に導電層46bが位置し、導電層46b上に絶縁層44が位置し、絶縁層44上に画素電極121が位置する。画素電極121は、導電層222aと電気的に接続されている。具体的には、導電層222aは導電層46bと接続し、導電層46bは画素電極121と接続する。
【0176】
絶縁層215上に導電層46aが位置する。導電層46aは、導電層222cと電気的に接続されている。具体的には、導電層46aは、絶縁層214及び絶縁層215に設けられた開口を介して、導電層222cと接している。
【0177】
基板131と基板132は接着層141によって貼り合わされている。
【0178】
FPC172は、導電層222eと電気的に接続されている。具体的には、FPC172は接続体242と接し、接続体242は導電層123bと接し、導電層123bは導電層222eと接する。導電層123bは絶縁層45上に形成され、導電層222eは、絶縁層214上に形成されている。導電層123bは、共通電極123aと同一の工程、同一の材料で形成することができる。導電層222eは、導電層222a乃至導電層222dと同一の工程、同一の材料で形成することができる。
【0179】
画素電極121、絶縁層45、及び共通電極123aは、1つの容量素子51として機能することができる。また、導電層46a、絶縁層44、及び画素電極121は、1つの容量素子52として機能することができる。このように、本発明の一態様の表示装置は、1つの画素に例えば2つの容量素子を有する。したがって、画素の保持容量を大きくすることができる。
【0180】
また、2つの容量素子はいずれも可視光を透過する材料で形成され、且つ、互いに重なる領域を有する。これにより、画素は、高い開口率と、大きな保持容量と、を両立することができる。
【0181】
容量素子52の容量は、容量素子51の容量よりも大きいことが好ましい。そのため、画素電極121と導電層46aとが重なる領域の面積は、画素電極121と共通電極123aとが重なる領域の面積より大きいことが好ましい。また、導電層46aと画素電極121との間に位置する絶縁層44の厚さは、画素電極121と共通電極123aとの間に位置する絶縁層45の厚さよりも薄いことが好ましい。
【0182】
図12では、トランジスタ41及びトランジスタ42の双方がバックゲート(ゲート223)を有する例を示したが、トランジスタ41及びトランジスタ42の一方又は双方がバックゲートを有していなくてもよい。
【0183】
また、図12では、ゲート絶縁層225がチャネル形成領域上にのみ形成され、低抵抗領域と重ならない例を示したが、ゲート絶縁層225は低抵抗領域の少なくとも一部と重なっていてもよい。図13では、ゲート絶縁層225が低抵抗領域、ゲート絶縁層211と接して形成される例を示す。図13に示すゲート絶縁層225は、ゲート223をマスクに用いてゲート絶縁層225を加工する工程を削減できる、絶縁層214の被形成面の段差を低くできる等のメリットを有する。
【0184】
図14に示す表示装置は、トランジスタ41及びトランジスタ42の構造が図12及び図13とは異なる。
【0185】
図14に示すトランジスタ41は、ゲート221a、ゲート絶縁層211、半導体層231a、導電層222a、導電層222b、絶縁層217、絶縁層218、絶縁層215、及びゲート223aを有する。トランジスタ42は、ゲート221b、ゲート絶縁層211、半導体層231b、導電層222c、導電層222d、絶縁層217、絶縁層218、絶縁層215、及びゲート223bを有する。導電層222a及び導電層222bのうち一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。絶縁層217、絶縁層218、及び絶縁層215はゲート絶縁層として機能する。
【0186】
ここでは、半導体層231に金属酸化物を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0187】
半導体層231と接するゲート絶縁層211及び絶縁層217は酸化物絶縁層であることが好ましい。なお、ゲート絶縁層211又は絶縁層217が積層構造である場合、少なくとも半導体層231と接する層が酸化物絶縁層であることが好ましい。これにより、半導体層231に酸素欠損が生じることを抑制でき、トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0188】
絶縁層218は窒化物絶縁層であることが好ましい。これにより、半導体層231に不純物が入り込むことを抑制でき、トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0189】
絶縁層215は、平坦化機能を有することが好ましく、例えば、有機絶縁層であることが好ましい。なお、絶縁層215は形成しなくてもよく、絶縁層218上に接して導電層46aを形成してもよい。
【0190】
絶縁層215上に導電層46bが位置し、導電層46b上に絶縁層44が位置し、絶縁層44上に画素電極121が位置する。画素電極121は、導電層222aと電気的に接続されている。具体的には、導電層222aは導電層46bと接続し、導電層46bは画素電極121と接続する。
【0191】
絶縁層215上に導電層46aが位置する。導電層46a上に絶縁層44及び絶縁層45が位置する。絶縁層45上に共通電極123aが位置する。
【0192】
≪構成要素の材料≫
次に、本実施の形態の表示装置の各構成要素に用いることができる材料等の詳細について、説明を行う。
【0193】
表示装置が有する基板の材質等に大きな制限はなく、様々な基板を用いることができる。例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、半導体基板、セラミック基板、金属基板、又はプラスチック基板等を用いることができる。
【0194】
厚さの薄い基板を用いることで、表示装置の軽量化及び薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示装置を実現できる。
【0195】
液晶材料には、誘電率の異方性(Δε)が正であるポジ型の液晶材料と、負であるネガ型の液晶材料がある。本発明の一態様では、どちらの材料を用いることもでき、適用するモード及び設計に応じて最適な液晶材料を用いることができる。
【0196】
本実施の形態の表示装置では、様々なモードが適用された液晶デバイスを用いることができる。上述したFFSモードのほかに、例えば、IPSモード、TNモード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、VA-IPSモード、ゲストホストモード等が適用された液晶デバイスを用いることができる。
【0197】
なお、液晶デバイスは、液晶の光学変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶デバイスに用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0198】
上述の通り、本実施の形態の表示装置は、高い電圧をかけて液晶デバイスを駆動させることができるため、ブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性を示す。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要であり、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の表示パネルの不良又は破損を軽減することができる。
【0199】
本実施の形態の表示装置は、透過型の液晶表示装置であるため、一対の電極(画素電極121及び共通電極123a)の双方に、可視光を透過する導電性材料を用いる。また、導電層46bも可視光を透過する導電性材料を用いて形成することで、容量素子52を設けても画素の開口率が低下することを抑制できる。なお、容量素子の誘電体として機能する絶縁層44及び絶縁層45には、窒化シリコン膜が好適である。
【0200】
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種以上を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛等が挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
【0201】
また、可視光を透過する導電膜は、酸化物半導体を用いて形成することができる(以下、酸化物導電層ともいう)。酸化物導電層は、例えば、インジウムを含むことが好ましく、In-M-Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、Sn又はHf)を含むことがさらに好ましい。
【0202】
酸化物半導体は、膜中の酸素欠損、及び膜中の水素、水等の不純物濃度のうち少なくとも一方によって、抵抗を制御することができる半導体材料である。そのため、酸化物半導体層へ酸素欠損及び不純物濃度の少なくとも一方が増加する処理、又は酸素欠損及び不純物濃度の少なくとも一方が低減する処理を選択することによって、酸化物導電層の有する抵抗率を制御することができる。
【0203】
なお、このように、酸化物半導体を用いて形成された酸化物導電層は、キャリア密度が高く低抵抗な酸化物半導体層、導電性を有する酸化物半導体層、又は導電性の高い酸化物半導体層ということもできる。
【0204】
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタは、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれの構造としてもよい。又は、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、酸化物半導体、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。
【0205】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0206】
例えば、第14族の元素、化合物半導体又は酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む酸化物半導体等を半導体層に適用できる。
【0207】
トランジスタのチャネルが形成される半導体に、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが大きく、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0208】
酸化物半導体を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
【0209】
また、その低いオフ電流により、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
【0210】
トランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体層を有することが好ましい。これにより、トランジスタのオフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
【0211】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。このような高速駆動が可能なトランジスタを表示装置に用いることで、表示部のトランジスタと、駆動回路部のトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、駆動回路として、別途、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、表示装置の部品点数を削減することができる。また、表示部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
【0212】
表示装置が有する各絶縁層、オーバーコート等に用いることのできる絶縁材料としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いることができる。有機絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。無機絶縁層としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等が挙げられる。
【0213】
トランジスタのゲート、ソース、ドレインのほか、表示装置が有する各種配線及び電極等の導電層には、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステン等の金属、又はこれを主成分とする合金を単層構造又は積層構造として用いることができる。例えば、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、タングステン膜上にチタン膜を積層する二層構造、モリブデン膜上に銅膜を積層した二層構造、モリブデンとタングステンを含む合金膜上に銅膜を積層した二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。例えば、導電層を三層構造とする場合、一層目及び三層目には、チタン、窒化チタン、モリブデン、タングステン、モリブデンとタングステンを含む合金、モリブデンとジルコニウムを含む合金、又は窒化モリブデンでなる膜を形成し、二層目には、銅、アルミニウム、金又は銀、或いは銅とマンガンの合金等の低抵抗材料でなる膜を形成することが好ましい。なお、ITO、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、ITSO等の透光性を有する導電性材料を用いてもよい。なお、酸化物半導体の抵抗率を制御することで、酸化物導電層を形成してもよい。
【0214】
接着層141としては、熱硬化樹脂、光硬化樹脂、又は2液混合型の硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又はシロキサン樹脂等を用いることができる。
【0215】
接続体242としては、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、又は異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)等を用いることができる。
【0216】
バックライトユニット30には、直下型のバックライト、エッジライト型のバックライト等を用いることができる。光源には、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electroluminescence)素子等を用いることができる。バックライトユニット30には光源39が設けられ、例えば赤色の光を発する光源39、緑色の光を発する光源39、及び青色の光を発する光源39が設けられた構成とすることができる。
【0217】
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、それぞれ、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層成膜(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法の例として、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法及び熱CVD法等が挙げられる。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法が挙げられる。
【0218】
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、それぞれ、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット印刷、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
【0219】
表示装置を構成する薄膜は、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。又は、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。又は、ナノインプリント法、サンドブラスト法、もしくはリフトオフ法等により薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法と、がある。
【0220】
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光としては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、及びこれらを混合させた光が挙げられる。そのほか、紫外線、KrFレーザ光、又はArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。露光に用いる光としては、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra-violet)及びX線等が挙げられる。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線又は電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビーム等のビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
【0221】
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法等を用いることができる。
【0222】
[金属酸化物]
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの半導体層には、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。以下では、半導体層に適用可能な金属酸化物について説明する。
【0223】
金属酸化物は、少なくともインジウム又は亜鉛を含むことが好ましい。特に、インジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム又は錫等が含まれていることが好ましい。また、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
【0224】
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素M、及び亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、又は錫等とする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム等がある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
【0225】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。例えば、亜鉛酸窒化物(ZnON)等の窒素を有する金属酸化物を、半導体層に用いてもよい。
【0226】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体等がある。
【0227】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、且つa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
【0228】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形及び七角形等の格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化すること等によって、歪みを許容することができるためである。
【0229】
また、CAAC-OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
【0230】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成等によって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(V:oxygen vacancyともいう。)等)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0231】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0232】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、又は数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0233】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0234】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0235】
半導体層として機能する金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方又は双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
【0236】
金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0237】
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、PLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法等を用いてもよい。
【0238】
以上のように、本発明の一態様の表示装置は、画素に、可視光を透過する2つの容量素子を重ねて有するため、画素が、高い開口率と大きな保持容量とを両立することができる。
【0239】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0240】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0241】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
【0242】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
【0243】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)等と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)等と、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0244】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0245】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0246】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、且つa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0247】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0248】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0249】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0250】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0251】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0252】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0253】
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域(リング領域)と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0254】
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0255】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3等が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0256】
ここで、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3等が主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0257】
一方、GaOX3等が主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3等が主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0258】
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3等に起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0259】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0260】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0261】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図15及び図16を用いて説明する。
【0262】
本実施の形態の電子機器は、表示部に、本発明の一態様の表示装置を有する。これにより、電子機器の表示部は、高品質な映像を表示することができる。
【0263】
本実施の形態の電子機器の表示部には、例えばフルハイビジョン、2K、4K、8K、16K、又はそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。また、表示部の画面サイズは、対角20インチ以上、対角30インチ以上、対角50インチ以上、対角60インチ以上、又は対角70インチ以上とすることができる。
【0264】
本発明の一態様の表示装置を用いることができる電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用等のモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機等の大型ゲーム機等の比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、等が挙げられる。また、本発明の一態様の表示装置は、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、VR(Virtual Reality)機器、AR(Augmented Reality)機器等にも好適に用いることができる。
【0265】
本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
【0266】
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池等が挙げられる。
【0267】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0268】
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0269】
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像等)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻等を表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す機能等を有することができる。
【0270】
さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、又は複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画又は動画を撮影する機能、撮影した画像を自動又は手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又は電子機器に内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能等を有することができる。なお、本発明の一態様の電子機器が有する機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0271】
図15(A)に、テレビジョン装置1810を示す。テレビジョン装置1810は、表示部1811、筐体1812、スピーカ1813等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0272】
テレビジョン装置1810は、リモコン操作機1814により、操作することができる。
【0273】
テレビジョン装置1810が受信できる放送電波としては、地上波、又は衛星から送信される電波等が挙げられる。また放送電波として、アナログ放送、デジタル放送等があり、また映像及び音声、又は音声のみの放送等がある。例えばUHF帯(約300MHz乃至3GHz)又はVHF帯(30MHz乃至300MHz)のうちの特定の周波数帯域で送信される放送電波を受信することができる。また例えば、複数の周波数帯域で受信した複数のデータを用いることで、転送レートを高くすることができ、より多くの情報を得ることができる。これによりフルハイビジョンを超える解像度を有する映像を、表示部1811に表示させることができる。例えば、4K、8K、16K、又はそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。
【0274】
また、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)等のコンピュータネットワークを介したデータ伝送技術により送信された放送のデータを用いて、表示部1811に表示する画像を生成する構成としてもよい。このとき、テレビジョン装置1810にチューナーを有さなくてもよい。
【0275】
図15(B)は円柱状の柱1822に取り付けられたデジタルサイネージ1820を示している。デジタルサイネージ1820は、表示部1821を有する。
【0276】
表示部1821が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部1821が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0277】
表示部1821にタッチパネルを適用することで、表示部1821に静止画又は動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報等の情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0278】
図15(C)はノート型のパーソナルコンピュータ1830を示している。パーソナルコンピュータ1830は、表示部1831、筐体1832、タッチパッド1833、接続ポート1834等を有する。
【0279】
タッチパッド1833は、ポインティングデバイスや、ペンタブレット等の入力手段として機能し、指やスタイラス等で操作することができる。
【0280】
また、タッチパッド1833には表示デバイスが組み込まれている。図15(C)に示すように、タッチパッド1833の表面に入力キー1835を表示することで、タッチパッド1833をキーボードとして使用することができる。このとき、入力キー1835に触れた際に、振動により触感を実現するため、振動モジュールがタッチパッド1833に組み込まれていてもよい。
【0281】
図16(A)、(B)に、携帯情報端末800を示す。携帯情報端末800は、筐体801、筐体802、表示部803、表示部804、及びヒンジ部805等を有する。
【0282】
筐体801と筐体802は、ヒンジ部805で連結されている。携帯情報端末800は、図16(A)に示すように折り畳んだ状態から、図16(B)に示すように筐体801と筐体802を開くことができる。
【0283】
例えば表示部803及び表示部804に、文書情報を表示することができ、電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部803及び表示部804に静止画像や動画像を表示することもできる。
【0284】
このように、携帯情報端末800は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。
【0285】
なお、筐体801及び筐体802には、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
【0286】
図16(C)に携帯情報端末の一例を示す。図16(C)に示す携帯情報端末810は、筐体811、表示部812、操作ボタン813、外部接続ポート814、スピーカ815、マイク816、カメラ817等を有する。
【0287】
携帯情報端末810は、表示部812にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力する等のあらゆる操作は、指やスタイラス等で表示部812に触れることで行うことができる。
【0288】
また、操作ボタン813の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部812に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
【0289】
また、携帯情報端末810の内部に、ジャイロセンサ又は加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末810の向き(縦か横か)を判断して、表示部812の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部812を触れること、操作ボタン813の操作、又はマイク816を用いた音声入力等により行うこともできる。
【0290】
携帯情報端末810は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末810は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲーム等の種々のアプリケーションを実行することができる。
【0291】
図16(D)に、カメラの一例を示す。カメラ820は、筐体821、表示部822、操作ボタン823、シャッターボタン824等を有する。またカメラ820には、着脱可能なレンズ826が取り付けられている。
【0292】
ここではカメラ820として、レンズ826を筐体821から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ826と筐体が一体となっていてもよい。
【0293】
カメラ820は、シャッターボタン824を押すことにより、静止画、又は動画を撮像することができる。また、表示部822はタッチパネルとしての機能を有し、表示部822をタッチすることにより撮像することも可能である。
【0294】
なお、カメラ820は、ストロボ装置や、ビューファインダー等を別途装着することができる。又は、これらが筐体821に組み込まれていてもよい。
【0295】
図16(E)に、本発明の一態様の表示装置を車載用ディスプレイとして搭載した一例を示す。表示部832及び表示部833はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定等を表示することで、様々な情報を提供することができる。
【0296】
以上示したとおり、本発明の一態様の表示装置を適用して電子機器を得ることができる。表示装置の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用できる。
【0297】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【実施例
【0298】
本実施例では、本発明の一態様の表示装置について、シミュレーションを行った結果を説明する。
【0299】
本実施例では、図1(B)に示す構成の画素11についてシミュレーションを行った。図17(A)は、本実施例においてシミュレーションを行った画素11の動作方法を示す図で、期間T51乃至期間T54に分けて動作を説明している。図17(B1)、(B2)、(B3)、(B4)は、図17(A)に示す各期間における、画素11の具体的な動作方法を示す回路図である。具体的には、図17(B1)は期間T51における、図17(B2)は期間T52における、図17(B3)は期間T53における、図17(B4)は期間T54における、画素11の具体的な動作方法を示す回路図である。
【0300】
期間T51に、画像データ及びデータを画素11に書き込んだ。具体的には、配線21及び配線22に、高電位として24Vの電位を供給し、トランジスタ41及びトランジスタ42を導通させた。また、配線31の電位を画像データに対応する電位である電位VID、配線32の電位をデータに対応する電位である電位Vdataとした。
【0301】
期間T52に、画像データ及びデータの画素11への書き込みを終了させ、待機を行った。具体的には、配線21及び配線22に、低電位として-8Vの電位を供給して、トランジスタ41及びトランジスタ42を非導通とした。
【0302】
期間T53に、期間T51で画素11に書き込んだ画像データ及びデータを基にして、新たな画像データを画素11の内部で生成した。具体的には、配線21に低電位として-8Vの電位を供給してトランジスタ41を非導通とし、配線22に高電位として24Vの電位を供給してトランジスタ42を導通させた。また、配線32の電位をVrefとした。
【0303】
期間T54に、画素11の内部での新たな画像データの生成を終了させ、待機を行った。具体的には、配線21及び配線22に、低電位として-8Vの電位を供給して、トランジスタ41及びトランジスタ42を非導通とした。
【0304】
ここで、期間T51で配線32に供給した電位Vdataは、以下の式で算出された電位とした。なお、表示デバイス60は液晶デバイスとし、容量素子51の容量値を1pF、容量素子52の容量値を10pF、表示デバイス60の容量値を1pFとした。つまり、Cを2pF、Cを10pFとした。また、下式において、電位Vは、期間T53及び期間T54におけるノードNM1の電位の目標値を示す。本実施例では、期間T53及び期間T54において、ノードNM1の電位が電位Vとなるか否かをシミュレーションにより確認した。
【0305】
【数5】
【0306】
なお、期間T51乃至期間T54において、配線61の電位、及び配線62の電位は接地電位とした。
【0307】
図18(A)は、電位Vを0V、-1V、-2V、-3V、-4V、-5Vとした場合の、期間T51乃至期間T54におけるノードNM1の電位のシミュレーション結果である。図18(B)は、電位Vを0V、1V、2V、3V、4V、5Vとした場合の、期間T51乃至期間T54におけるノードNM1の電位のシミュレーション結果である。ここで、図18(A)に示す場合では、電位VIDを5V、電位Vrefを-12Vとし、図18(B)に示す場合では、電位VIDを-5V、電位Vrefを12Vとした。つまり、図18(A)に示す場合では電位VIDを正、電位Vを0又は負とし、図18(B)に示す場合では電位VIDを負、電位Vを0又は正とした。
【0308】
図18(A)、(B)より、期間T53及び期間T54において、ノードNM1の電位が目標値である電位Vとなることが確認された。
【符号の説明】
【0309】
10:表示装置、11:画素、12:表示部、13:ゲートドライバ、14:ソースドライバ、15:メモリ回路、16:メモリ回路、21:配線、22:配線、23:配線、30:バックライトユニット、31:配線、32:配線、33:配線、38:遮光層、39:光源、41:トランジスタ、42:トランジスタ、43:トランジスタ、44:絶縁層、45:絶縁層、46:導電層、46a:導電層、46b:導電層、51:容量素子、52:容量素子、53:容量素子、60:表示デバイス、61:配線、62:配線、73:接続部、74:接続部、110:表示装置、111:画素、112:表示部、113:ゲートドライバ、114:ソースドライバ、121:画素電極、122:液晶層、123:共通電極、123a:共通電極、123b:導電層、131:基板、132:基板、133a:配向膜、133b:配向膜、135:オーバーコート、141:接着層、161:偏光板、163:偏光板、172:FPC、211:ゲート絶縁層、212:絶縁層、213:絶縁層、214:絶縁層、215:絶縁層、217:絶縁層、218:絶縁層、221:ゲート、221a:ゲート、221b:ゲート、222a:導電層、222b:導電層、222c:導電層、222d:導電層、222e:導電層、223:ゲート、223a:ゲート、223b:ゲート、225:ゲート絶縁層、225a:ゲート絶縁層、225b:ゲート絶縁層、231:半導体層、231a:半導体層、231b:半導体層、242:接続体、800:携帯情報端末、801:筐体、802:筐体、803:表示部、804:表示部、805:ヒンジ部、810:携帯情報端末、811:筐体、812:表示部、813:操作ボタン、814:外部接続ポート、815:スピーカ、816:マイク、817:カメラ、820:カメラ、821:筐体、822:表示部、823:操作ボタン、824:シャッターボタン、826:レンズ、832:表示部、833:表示部、1810:テレビジョン装置、1811:表示部、1812:筐体、1813:スピーカ、1814:リモコン操作機、1820:デジタルサイネージ、1821:表示部、1822:柱、1830:パーソナルコンピュータ、1831:表示部、1832:筐体、1833:タッチパッド、1834:接続ポート、1835:入力キー
図1
図2
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