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特許7585538画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241111BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G03G21/00 512
G03G21/00 386
B41J29/38 204
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024044907
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2023020522の分割
【原出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2024071467
(43)【公開日】2024-05-24
【審査請求日】2024-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】品川 一貴
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215468(JP,A)
【文献】特開2006-98896(JP,A)
【文献】特開平11-65256(JP,A)
【文献】特開平8-234555(JP,A)
【文献】特開2008-216417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/01
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 29/00 -29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成するために用いられる記録材を含む容器を取り付け可能な画像形成装置であり、
前記画像形成装置に取り付けられていた第1の容器に含まれる記録材の使用量と、前記第1の容器が前記画像形成装置に取り付けられていた期間と、前記画像形成装置に取り付けられている第2の容器に含まれる記録材の使用量と、前記第2の容器が前記画像形成装置に取り付けられている期間に基づいて前記第2の容器の残り期間を表示部に表示させる制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の容器は前記画像形成装置から外された容器であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の容器の前記残り期間は、前記第2の容器から前記記録材がなくなるまでの期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
異なる色の記録材を含む複数の容器を取り付け可能であり、
前記制御手段は、前記複数の容器のそれぞれの残り期間を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記異なる色は、シアンとマゼンタを含むことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録材は、トナーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記録材は、インクであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
シートに画像を形成するために用いられる記録材を含む容器を取り付け可能な画像形成装置の制御方法であり、
前記画像形成装置に取り付けられていた第1の容器に含まれる記録材の使用量と、前記第1の容器が前記画像形成装置に取り付けられていた期間と、前記画像形成装置に取り付けられている第2の容器に含まれる記録材の使用量と、前記第2の容器が前記画像形成装置に取り付けられている期間に基づいて前記第2の容器の残り期間を表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータに請求項に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置は、例えばトナー容器(トナーカートリッジ)、回収トナー容器等のように、画像形成装置の稼働に伴って消耗、減少、または劣化する複数の消耗品を交換可能に備えている。それらの消耗品は経時的に劣化したり、容器内部に収容された消耗材を使い切ったりすることで最終的には使用不可能となる。
【0003】
画像形成装置において印刷品質を良好に維持するためには、ユーザやサービスエンジニアが各々の消耗品を定期的に交換する必要がある。
【0004】
特許文献1には、トナー容器など容器内部に収容された消耗材の使用日数毎の残量を予測し、この残量が設定された配送に係る日数(配送日数)に相当する量となった時点で消耗品の保守サーバへ配送依頼を発行する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-37596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、適切な予測結果が得られない場合がある。この要因の1つに、トナーなどの消耗材を収容するトナー容器(カートリッジ)の製造元の違いが考慮されていない点が挙げられる。例えば、ある画像形成装置において同じ印刷データを印字する場合であっても、製造元が異なるカートリッジが装着されると、使用されるトナーの量が異なる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本願発明の画像形成装置は、シートに画像を形成するために用いられる記録材を含む容器を取り付け可能な画像形成装置であり、前記画像形成装置に取り付けられていた第1の容器に含まれる記録材の使用量と、前記第1の容器が前記画像形成装置に取り付けられていた期間と、前記画像形成装置に取り付けられている第2の容器に含まれる記録材の使用量と、前記第2の容器が前記画像形成装置に取り付けられている期間に基づいて前記第2の容器の残り期間を表示部に表示させる制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
画像形成装置に取り付けられていた第1の容器に含まれる記録材の使用量と、第1の容器が画像形成装置に取り付けられていた期間と、画像形成装置に取り付けられている第2の容器に含まれる記録材の使用量と、第2の容器が画像形成装置に取り付けられている期間に基づいて第2の容器の残り期間を表示部に表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】消耗品の残日数の算出を説明する図である。
図3】画像形成装置の操作部に表示する画面の一例を示す図である。
図4】画像形成装置の消耗品残日数予測について説明するフローチャートである。
図5】画像形成装置の消耗品残日数予測について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1において、画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)101を含むコントローラ130を備えている。
【0013】
コントローラ130は、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、プリンタ制御部105、画像読取制御部107、ストレージ制御部110、操作部制御部112を備える。
【0014】
コントローラ130を構成する各部はバス103で接続されている。
【0015】
また、画像形成装置100は、ストレージ111、プリンタ106、スキャナ108、原稿搬送部109、操作部113といったハードウェアを備えている。
【0016】
コントローラ130のプリンタ制御部105、画像読取制御部107、ストレージ制御部110、操作部制御部112は、CPU101が各ハードウェアを制御するためのインタフェースとして機能する。
【0017】
画像形成装置100を構成する部品には、消耗品ユーザやサービスエンジニアなどにより交換可能な消耗品が含まれている。
【0018】
例えば、プリンタ106には、トナー容器12、回収トナー容器2が交換可能な消耗品として含まれており、プリンタ106に着脱可能な構成で備えられている。
【0019】
なお、トナー容器(カートリッジ)12においては、この容器が収容するトナーの残量が閾値以下になったことが検知されることを消耗という。これに対し、回収トナー容器2においては、印刷に使用されなかったトナーを容器に回収した量が閾値以上になったことが検知されることを消耗という。
【0020】
よって、以下では、トナー容器や回収トナー容器等の消耗品が使用された量(使用量)が予め設定された閾値以上(消耗度合が閾値以上)になったことが検知されることを、消耗という。
【0021】
また、感光ドラム6、定着器55のように消耗度合いが比較的低いものは、残日数の通知対象外として扱ってもよい。
【0022】
プリンタ106は、コントローラ130で生成されたビットマップデータに基づいて、トナーをシートに定着させて画像を印刷する電子写真方式で画像形成を行う。
【0023】
なお、プリンタ106は、インクをシートに吐出して画像を印刷するインクジェット方式を採用していてもよい。
【0024】
この場合、電子写真方式の記録材はトナーであるが、インクジェット方式の記録材はインクである。
【0025】
原稿搬送部109は、原稿給紙ローラ204で構成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、消耗品をユーザが交換可能な消耗品として説明するがこれに限定されるものではない。一部の消耗品はサービスエンジニアが交換する消耗品であってもよい。
【0027】
CPU101を含むコントローラ130は、画像形成装置100全体を制御する。
【0028】
CPU101はROM102に格納されているブートプログラムにより、OS(オペレーティングシステム)を起動する。
【0029】
そして、CPU101は、OSの上でストレージ111やROM102に記憶されている制御プログラムを実行する。
【0030】
RAM104は、CPU101の主メモリやワークエリア等の一時記憶領域として使用される。
【0031】
ストレージ111は、HDD(Hard Disk Drive)などの読み書き可能な不揮発性記憶装置である。
【0032】
このストレージ111には、画像形成装置100全体を制御するためのプログラムや各種アプリケーションプログラム、画像データ、操作部113にて設定した消耗品の残日数など様々なデータやプログラムが記憶される。
【0033】
CPU101は、ストレージ制御部110を介してストレージ111へアクセスする。
【0034】
CPU101は制御プログラムやアプリケーションプログラムをストレージ111やROM102から読み出されRAM104に展開されたプログラムを実行することで画像形成装置100を制御する。
【0035】
なお、本実施形態の画像形成装置100では、1つのCPU101が1つのメモリ(RAM104)に展開されたプログラムを用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。
【0036】
例えば複数のプロセッサ、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0037】
CPU101は、画像読取制御部107を介してスキャナ108を制御し、原稿上の画像を読み取り、画像データを生成する。
【0038】
また、CPU101は、ADF(オート・ドキュメント・フィーダ)を有する原稿搬送部109を制御し、原稿搬送部109の原稿台に載置された原稿を1枚ずつスキャナ108に搬送し、画像データを生成することもできる。
【0039】
スキャナ108はCCDなどの光学読取装置を用いて原稿の走査を行い、原稿の画像情報を電気信号データに変換する。
【0040】
原稿上の画像を読み取って得られた画像データは、ストレージ111に記憶され、印刷処理等に用いられる。
【0041】
操作部制御部112は、操作部113とコントローラ130を接続する。
【0042】
操作部113は、ユーザに対して情報を表示する表示部や、ユーザからの指示を受け付ける受付部として機能する。この操作部113は、後述する操作画面を表示したり、ユーザからの入力を受け付けたりするタッチパネルディスプレイを備える。また、操作部113は、スタートキーや、画像形成装置のステータスを確認したり、ジョブを中止したりするステータス画面に遷移するため状況確認/中止キーなどのハードキーを有していてもよい。
【0043】
ネットワーク制御部114は、LANケーブルを介してネットワークI/F115と有線LAN120を接続する。
【0044】
インターネット140上にある保守サーバ500は、LANケーブルを介して有線LAN120を接続する。
【0045】
ネットワークI/F115は、有線LAN120上の保守サーバ500と通信可能である。
【0046】
図2は、消耗品であるトナー容器に含まれるトナーの残量と使用日数との関係を示す。横軸がトナー容器使用開始日(0日目)からの経過日数、縦軸が容器に含まれるトナー残量を示している。
【0047】
図2(A)は、新品のトナー容器に含まれるトナーの初期量から1日当たりに使用されたトナー使用量を減算していくことで、日々のトナー残量の推移を示している。そして、新品のトナー容器を使い始めて70日が経過した時点で、それまでのトナー残量の推移を基に、トナー容器からトナーが無くなるまでの残日数(容器内におけるトナー残量が0と検知されるまでの日数)を予測したものである。
【0048】
図2(A)に示すようにトナー容器を70日間使用した場合、以下に示す残日数予測方法の一例を用いて算出する場合、実際に使用した日数が70日で、トナー使用量が70gであるから平均使用量1g/日となる。このように、消耗品の所定の期間における使用量を取得する。そして、この取得した値を用いると、容器内にある残量30gのトナーが消費されるのは、推測した日を基準に30日後(使用開始後100日後)と予測することができる。
【0049】
以下、装着された消耗品が、閾値以上に使用されたことが検知される(すなわち消耗される)までの日数を予測する残日数予測を行うための式の一例を示す。
現消耗品の使用量(g)=
現消耗品の使用開始時の残量(g)- 現消耗品の現残量(g)
現消耗品の経過日数(日)=
現消耗品の最終使用日時 - 現消耗品の使用開始日時
現消耗品の平均使用量(g/日)=
現消耗品の使用量(g)÷ 現消耗品の経過日数(日)
残日数(日) =
現消耗品の現残量(g)÷ 現消耗品の平均使用量(g/日)
【0050】
トナー容器を交換した際には、交換するまでに残日数予測に用いた値を、トナー容器交換後の残日数予測に用いる。具体的に、トナー容器を交換した際も考慮すると、残日数予測方法は下記となる。
現消耗品交換前までの累積使用量(g)=
Σ(消耗品使用開始時の残量(g)- 消耗品の使用終了時の残量(g))
現消耗品交換前までの累積経過日数(日)=
Σ(消耗品の使用終了日時 - 消耗品の使用開始日時)
消耗品の使用量(g) =
現消耗品交換前までの累積使用量(g)+ 現消耗品の使用量(g)
消耗品の経過日数(日) =
現消耗品交換前までの累積経過日数(日)+ 現消耗品の経過日数(日)
消耗品の平均使用量(g/日)=
消耗品の使用量(g)÷ 消耗品の経過日数(日)
残日数(日) =
現消耗品の現残量(g)÷ 消耗品の平均使用量(g/日)
【0051】
このように、消耗品交換後、消耗品交換前までの情報を反映させてトナー残日数予測をするため、消耗品を交換する度に、データが蓄積されていくことになる。このデータ蓄積が適切に行われていくことで、予測の精度を向上させることが期待できる。
【0052】
残日数予測は、決められた時間ごと定期的(例えば1秒ごと)に実行しても良いし、決められたタイミング(例えば1つの画像、1ページなどの印刷単位の画像形成のたび)に実行しても良い。また、ユーザが予測を指示した際に実行しても良い。
【0053】
トナーの累積使用量、累積経過日数、トナー容器使用開始時の残量、使用開始日時、予測した残日数は、RAM104、もしくは、ストレージ111に記憶しておき、予測する度に値を更新する。
【0054】
図2(A)は、所定の製造元で製造された所定の消耗品(以下、所定の消耗品とよぶ)を使用した一例であり、図2(B)は、所定以外の製造元で製造された消耗品(以下、非所定の消耗品とよぶ)を使用した一例を表す。
【0055】
図2(B)は、新品のトナー容器に含まれるトナーの初期量から1日当たりに使用されたトナー使用量を減算していくことで、日々のトナー残量の推移を示している。そして、新品のトナー容器を使い始めて35日が経過した時点で、それまでのトナー残量の推移を基に、トナー容器からトナーが無くなるまでの残日数(容器内におけるトナー残量が0と検知されるまでの日数)を予測したものである。
【0056】
図2(A)の残量算出と同様の方法で算出した図2(B)での残日数は、使用日数35日、使用量70gから平均使用量2g/日となり、残量30gのトナーが消費されるのは、推測をした日を基準に15日後(使用開始後50日後)と予測できる。
【0057】
図3は、消耗品の消耗の度合と残日数に基づく情報を操作部113に表示される画面例を示す図である。
【0058】
図3における画面は、CPU101がストレージ111に記憶されているプログラムを実行することで生成した表示データに基づき、操作部113上に表示制御される画面の一例を示している。
【0059】
画面301は、状況確認/中止画面の一例を示す。
【0060】
操作部113には、メインの表示領域とステータス表示領域310からなる画面が表示される。
【0061】
ステータス表示領域310は、画像形成装置100で発生しているメンテナンスイベントに関するメッセージを表示するための領域である。
【0062】
複数のメンテナンスイベントが発生している場合には、メンテナンスイベントに関するメッセージが順次にステータス表示領域310に表示されてもよい。
【0063】
CPU101は、図示省略の状況確認キーがユーザによって押下されたことを検知すると、状況確認/中止画面301を操作部113に表示する。
【0064】
状況確認/中止画面301には、アイテム表示欄320、型番表示欄321、状態表示欄322、残日数表示欄323が表示されている。
【0065】
OKキー330は状況確認/中止画面301を終了させるためのキーであり、OKキー330が押下されると、この画面301の表示が終了し、別の画面(不図示)が表示される。
【0066】
アイテム表示欄320には、各色のトナー容器、回収トナー容器、各色の感光ドラム、定着器、原稿給紙ローラなどの消耗品がリスト表示される。
【0067】
型番表示欄321に記載の型番は、画像形成装置に装着される消耗品を識別するための識別情報である。同じ製造元の画像形成装置であっても種類(高速機、低速機等)が異なると、装着すべき消耗部品が異なる場合がある。またユーザが消耗品を発注する際には、この型番名称が用いられる。
【0068】
非所定の消耗品が装着されていると検知された場合、一例として「不明」が表示される。
【0069】
この例ではブラックとイエローのトナーに所定の製造元で製造されたカートリッジ以外のカートリッジ(非所定の消耗品)が使用されている場合を示す。この場合、ユーザにこの旨を伝えるべく、操作部113のステータス表示領域310に、例えば、「トナー(ブラック/イエロー)は非所定のカートリッジがセットされている可能性があります」とメッセージが表示されている。
【0070】
状態表示欄322は、消耗品のインジケーターと消耗度合いを示すパーセンテージを表示するように構成されている。
【0071】
非消耗品が装着されていると検知された場合、消耗度合が正確に把握できないため、一例として常に「100%」が表示される。この場合、ここには「100%」以外の数値が表示されてもよいし、グレーアウト表示する等、所定の消耗品が装着されている場合とは異なる形態で表示されていればよい。
【0072】
残日数表示欄323には、前述した方法で予測された結果である消耗品の残日数を示す値が表示される。消耗品ごとに予測結果である残日数を表示し、トナー残量についてユーザにとって直感的に分かりやすい表示が可能になる。
【0073】
非消耗品が装着されていると検知された場合、消耗度合が正確に把握できず正確に予測ができないため、一例として上記の表示例に合わせて常に「1年以上」が表示される。この場合、ここには「1年」以外の数値が表示されてもよいし、グレーアウト表示する等、所定の消耗品が装着されている場合とは異なる形態で表示されていればよい。
【0074】
続いて、電源ONにより起動をして、印刷を行うことで耗品が消耗した後に、消耗品の残日数の予測を更新し、シャットダウンするまでの画像形成装置100の動作を図4のフローチャートで説明する。
【0075】
実施形態1では、消耗品を用いる画像形成装置にて、非所定の消耗品を装着して動作をした場合は、消耗品の残日数予測を予測するために用いる情報を更新しない。すなわち、非所定の消耗品を装着している間の消耗品使用量や消耗品装着後の経過日数等を、所定の消耗品が装着された際の残日数予測に反映させないことが可能になる。
【0076】
これにより、所定の消耗品が装着された際の残日数予測の予測精度の低下を抑制する。
【0077】
以下、詳細について説明する。
【0078】
本フローチャートでは、消耗品として、トナー容器を用いて具体的に説明するが、他の消耗品も同様の方法で残日数予測を更新することが可能である。
【0079】
また、図4のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、CPU101がROM102又はストレージ111に記憶された各制御モジュールを実現するためのプログラムをRAM104に読み出し、実行することにより実現される。
【0080】
まずS401において、CPU101は消耗品情報の取得を行う。
【0081】
具体例としては、プリンタ制御部105を介して、トナー容器からトナー容器12の情報として、少なくともシリアルナンバー、製造元情報、色情報、トナー残量情報を取得し、これら情報をRAM104に保持する。
【0082】
ここでトナー容器12の製造元情報とは、トナー残量情報を正確に取得できることを保証するために使用する情報であり、製造元を特定することが可能となる。例えば製造元である会社名を表す文字列等、または文字列情報が含まれている。また、この製造元情報として、特定の文字列、または文字列情報が含まれていない場合もあり得る。この場合、トナー容器12の情報として得られた情報のうちの製造元情報として、製造元情報が得られなかったことを表す情報が含まれていてもよい。
【0083】
次にS402において、CPU101は消耗品が交換された否かを判断する。
【0084】
トナー容器12の場合、前回起動時にストレージ111に保存した情報である、装着されているトナー容器のシリアル番号と、S401で取得した現在装着されているトナー容器のシリアル番号を比較して、交換されたか否かを判断する。
【0085】
なお、画像形成装置100を初めて起動した際は、S402では「交換された」と判断する。
【0086】
S402において交換されたと判断した場合、S403において、CPU101はストレージ111に保存されている残日数予測のための情報を更新(記入)する。
【0087】
具体例としては、現消耗品の使用開始時の残量、現消耗品の使用開始日時、現消耗品交換前までの累積使用量、現消耗品交換前までの累積経過日数を更新する。
【0088】
また、次回起動時の交換判断のために、S401で取得したシリアル番号をストレージ111に保存する。
【0089】
S402において交換されていないと判断した場合、S404に進む。
【0090】
ここまでが、画像形成装置100を起動した時の処理である。
【0091】
続いて、S404において、外部情報装置から投入された印刷データに基づき、プリンタ106が、コントローラ130で生成したビットマップデータに基づいて、画像の印刷実行を行う。なお、このS404は、これに限らず、消耗品(この例ではトナー容器内のトナー)が消耗される処理が実行されればよい。
【0092】
続いて、S405において、S404に伴い残日数予測を更新すべき対象の消耗品がそれぞれ所定の消耗品か否かを判断する。
【0093】
トナー容器12の場合、CPU101は、S401で取得した製造元情報を用いて、現在、装着されている消耗品が所定の消耗品であるか否か判断する。例えば、特定の文字列が含まれるか否か判断する。
【0094】
S405において、所定の消耗品であると判断された場合、S406においてストレージ111に及びRAM104に保存されている残日数予測のための情報を更新する。
【0095】
具体例としては、メモリ内に保存されている現消耗品の最終使用日時、現消耗品の現残量を更新する。
【0096】
S407において、CPU101は消耗品の残日数予測を更新する。
【0097】
S405において非所定の消耗品と判断された場合は、S408に進む。
【0098】
S408において、ユーザは図示省略の状況確認キーを押下すると、CPU101は操作部113に更新された残日数が反映された状況確認/中止画面301を表示する。
【0099】
以上のように、画像形成装置にて消耗品の残日数を予測する過程で、所定の消耗品が装着されていると判断された場合のみ、印刷動作を含む消耗品の消耗に対して、メモリに保存されている残日数の予測に用いられた情報を更新する。
【0100】
これにより所定の消耗品以外の消耗品が装着されていると判断された場合には残日数予測のための情報が更新されない。よって、のちに再度所定の消耗品が装着された場合、適切に残日数予測をすることが可能となる。
【0101】
本実施形態では残日数予測の更新を、所定のタイミング(例えば1つの画像、1ページなどの印刷単位の画像形成のたび)において実行する例として記載した。しかし、これに限らず、所定の時間ごと(例えば1秒ごと)に実行しても良いし、ユーザが指定したタイミングで実行してもよい。
【0102】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、画像形成装置100にて所定の消耗品が装着された場合にのみ、残日数を予測することについて説明した。この場合、非所定の消耗品が装着されると、操作部113には、残日数として常に「1年以上」のような表示が行われ、ユーザは消耗品の消耗状況が不明である。
【0103】
よって、本第2の実施形態では、現消耗品を次の消耗品に交換するまでの累積使用量(g)と、現消耗品を交換するまでの累積経過日数(日)に関して、所定の消耗品用と非所定の消耗品用それぞれの値を保持しておく。そして、非所定の消耗品が装着されていても残日数予測を行い、操作部113の表示部に表示する。
【0104】
その前提で、実施形態1との差分を図5のフローチャートで説明する。
【0105】
S401からS402に示す処理は実施形態1と同一である。
【0106】
S402において、CPU101が、消耗品が交換されたと判断した場合S501に進む。
【0107】
S501において、CPU101は、交換された消耗品がそれぞれ所定の消耗品か否かを判断する。
【0108】
トナー容器12の場合、CPU101は、S401で取得した製造元情報に特定の文字列を用いて装着されている消耗品が所定の消耗品か否かを判断する。
【0109】
S501で所定の消耗品と判断された場合S502に進むが、実施形態2の所定の消耗品用の値は実施形態1で保存する値と同意のため、S502にて実施される処理はS403にて実施される処理と同じである。
【0110】
S501において、非所定の消耗品と判断した場合、S503に進む。そして、CPU101はS502及びS403と異なる、ストレージ111に及びRAM104に保存されている非所定の消耗品の残日数予測のための情報を更新して、S404に進む。
【0111】
ここで実施される処理は、例えば、非所定の消耗品用であり、現消耗品を交換するまでの累積使用量(g)と、現消耗品を交換するまでの累積経過日数(日)を更新して、S404に進む。
【0112】
S404とS406では実施形態1で説明した処理と同じ処理が実施される。S504はS501で実施される判断と同様の判断が行われ、所定の消耗品と判断された場合、S505に進む。本実施形態の所定の消耗品用の値は実施形態1で保存する値と同意のため、S505の処理はS407と変わらない。
【0113】
S504において、非所定の消耗品と判断した場合、S506に進み、CPU101はS505及びS407と異なる、RAM104に保存されている非所定の消耗品の残日数予測情報を更新して、S408に進む。
【0114】
S408で実施される処理は実施形態1で説明した処理と同じ内容の処理である。
【0115】
以上のように、第2の実施形態では、非所定の消耗品用が装着された場合であっても、消耗品の残日数予測が可能となり、非所定の消耗品が装着された時でも、消耗品の残日数をユーザに通知することが可能となる。
【0116】
すなわち、所定の消耗品が装着された場合と、非所定の消耗品が装着された場合とで、別のメモリに残量予測のために用いられる情報を保存、更新することで、それぞれの場合において精度よく残量予測が可能になる。
【0117】
また、非所定の消耗品は、例えば、非所定のトナー容器1と非所定のトナー容器2とでも異なる予測が必要な場合もある。よって、非所定の消耗品の交換を検知した場合には、非所定の消耗品が装着されていることが検知された場合には、非所定の消耗品用の現消耗品を交換する前までの累積使用量(g)と、現消耗品交換前までの累積経過日数(日)を初期化してもよい。
【0118】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0119】
100 画像形成装置
105 プリンタ制御部
108 スキャナ
109 原稿搬送部
111 ストレージ
113 操作部
115 ネットワークI/F
120 有線LAN
130 コントローラ
140 インターネット
500 保守サーバ
図1
図2
図3
図4
図5