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特許7585543センサユニット及びセンサユニットを備えたモルタルミキサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】センサユニット及びセンサユニットを備えたモルタルミキサー
(51)【国際特許分類】
   B28C 5/12 20060101AFI20241111BHJP
   B01F 35/60 20220101ALI20241111BHJP
   B01F 35/21 20220101ALI20241111BHJP
   B01F 35/222 20220101ALI20241111BHJP
   B01F 35/45 20220101ALI20241111BHJP
   B01F 27/112 20220101ALI20241111BHJP
   B01F 27/90 20220101ALI20241111BHJP
   B01F 101/28 20220101ALN20241111BHJP
【FI】
B28C5/12
B01F35/60
B01F35/21
B01F35/222
B01F35/45
B01F27/112
B01F27/90
B01F101:28
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024085688
(22)【出願日】2024-05-27
【審査請求日】2024-05-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 竜治
(72)【発明者】
【氏名】陶山 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】楫田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】木村 周平
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-049694(JP,A)
【文献】特開平11-208460(JP,A)
【文献】特開平06-166020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 5/12
B01F 35/60
B01F 35/21
B01F 35/222
B01F 35/45
B01F 27/112
B01F 27/90
B01F 101/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モルタル材料を収容する攪拌槽と、前記攪拌槽内に設けられ、モルタル材料を攪拌する攪拌羽根と、前記攪拌槽の開口を覆うカバーと、前記攪拌羽根の駆動を制御する第1制御部と、を有する可搬式のモルタルミキサーに設けられるセンサユニットであって、
前記カバーに着脱自在に取り付けられる検出対象と、
前記攪拌槽に着脱自在に取り付けられ、前記検出対象を検出する検出部と、
前記検出部から入力される信号に基づいて、前記攪拌羽根の駆動を制御する第2制御部と、
前記検出部を前記攪拌槽に取り付けるためのブラケットと、を備え、
前記検出部は、前記検出対象が検出されなくなると、前記第2制御部に前記攪拌羽根の駆動を停止させる信号を出力し、
前記検出対象は、棒状のセンサドグであり、
前記センサドグと前記ブラケットとは、前記カバーが開閉される際に、前記攪拌槽に対する前記カバーの開閉支点を構成するセンサユニット。
【請求項2】
モルタル材料を収容する攪拌槽と、前記攪拌槽内に設けられ、モルタル材料を攪拌する攪拌羽根と、前記攪拌槽の開口を覆うカバーと、前記攪拌羽根の駆動を制御する第1制御部と、を有する可搬式のモルタルミキサーに設けられるセンサユニットであって、
前記カバーに着脱自在に取り付けられる検出対象と、
前記攪拌槽に着脱自在に取り付けられ、前記検出対象を検出する検出部と、
前記検出部から入力される信号に基づいて、前記攪拌羽根の駆動を制御する第2制御部と、
前記検出部を前記攪拌槽に取り付けるためのブラケットと、を備え、
前記検出部は、前記検出対象が検出されなくなると、前記第2制御部に前記攪拌羽根の駆動を停止させる信号を出力し、
前記検出対象は、棒状のセンサドグであり、
前記ブラケットには、前記攪拌槽の径方向に延び、前記センサドグが挿通される長孔が形成され、
前記長孔は、前記カバーが開閉される際に前記センサドグをガイドするセンサユニット。
【請求項3】
請求項またはに記載されたセンサユニットであって、
前記センサドグは、前記カバーの中心を挟んで前記カバーを開閉するための持ち手と反対側の領域に取り付けられているセンサユニット。
【請求項4】
請求項1または2に記載されたセンサユニットを備えたモルタルミキサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサユニット及びセンサユニットを備えたモルタルミキサーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機枠上に着脱可能に設置された有底円筒状の攪拌容器と、攪拌容器内のセメントモルタルを攪拌する攪拌体(攪拌羽根)と、を備えたモルタルミキサーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-166020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなモルタルミキサーでは、攪拌容器の上部が開口した状態になっている。このため、モルタルミキサーが稼働しているときに、作業者が攪拌容器内に誤って手を入れてしまうと、手が回転している攪拌体に触れて事故につながるおそれがある。
【0005】
そこで、攪拌容器の上部に攪拌容器の開口を覆うカバーを設けることが考えられる。しかしながら、このようなカバーを設けても、モルタルミキサーが稼働しているときに、作業者が、カバーを開けて攪拌容器内に手を入れてしまうと、手が回転している攪拌体に触れて事故につながるおそれがある。
【0006】
本発明は、作業者の手が回転しているモルタルミキサーの攪拌羽根に触れること防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、モルタル材料を収容する攪拌槽と、攪拌槽内に設けられ、モルタル材料を攪拌する攪拌羽根と、攪拌槽の開口を覆うカバーと、攪拌羽根の駆動を制御する第1制御部と、を有する可搬式のモルタルミキサーに設けられるセンサユニットであって、カバーに着脱自在に取り付けられる検出対象と、攪拌槽に着脱自在に取り付けられ、検出対象を検出する検出部と、検出部から入力される信号に基づいて、攪拌羽根の駆動を制御する第2制御部と、検出部を攪拌槽に取り付けるためのブラケットと、を備え、検出部は、検出対象が検出されなくなると、第2制御部に攪拌羽根の駆動を停止させる信号を出力し、検出部は、検出対象が検出されなくなると、第2制御部に攪拌羽根の駆動を停止させる信号を出力し、検出対象は、棒状のセンサドグであり、ブラケットには、攪拌槽の径方向に延び、センサドグが挿通される長孔が形成され、長孔は、カバーが開閉される際にセンサドグをガイドする。
また、本発明は、モルタル材料を収容する攪拌槽と、攪拌槽内に設けられ、モルタル材料を攪拌する攪拌羽根と、攪拌槽の開口を覆うカバーと、攪拌羽根の駆動を制御する第1制御部と、を有する可搬式のモルタルミキサーに設けられるセンサユニットであって、カバーに着脱自在に取り付けられる検出対象と、攪拌槽に着脱自在に取り付けられ、検出対象を検出する検出部と、検出部から入力される信号に基づいて、攪拌羽根の駆動を制御する第2制御部と、検出部を攪拌槽に取り付けるためのブラケットと、を備え、検出部は、検出対象が検出されなくなると、第2制御部に攪拌羽根の駆動を停止させる信号を出力し、検出対象は、棒状のセンサドグであり、ブラケットには、攪拌槽の径方向に延び、センサドグが挿通される長孔が形成され、長孔は、カバーが開閉される際にセンサドグをガイドする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者の手が回転しているモルタルミキサーの攪拌羽根に触れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーの正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーの平面図であり、可動部材がカバーの領域R2と重なった状態を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーの平面図であり、可動部材がカバーの領域R2と異なる位置にある状態を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーのカバー近傍の分解図である。
図5】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーのセンサユニット近傍の正面図である。
図6】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーのセンサユニット近傍の平面図である。
図7】本発明の第1ブラケットの取付構造を説明するための図である。
図8】本発明の第2ブラケットの取付構造を説明するための図である。
図9】本発明の実施形態に係るモルタルミキサーにおいてカバーを開閉する際のセンサドグと長孔との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るモルタルミキサー100について説明する。
【0011】
本実施形態のモルタルミキサー100は、可搬式のモルタルミキサーである。図1から図3に示すように、モルタルミキサー100は、セメント、水、そして砂などのモルタル材料を収容する攪拌槽1と、攪拌槽1内に設けられ、モルタル材料を攪拌する攪拌羽根2と、攪拌槽1の開口を覆う網目状のカバー3と、攪拌槽1を支持する支持台4と、攪拌羽根2を回転駆動するためのモータ5と、モータ5を制御するためのコントローラ7(第1制御部)と、を備える。
【0012】
攪拌槽1は、金属製の有底円筒形状の容器である。攪拌槽1は、支持台4の上部に着脱可能に載置されるが、両者は固定され一体であってもよい。攪拌槽1の底面の中心には、攪拌羽根2の回転軸2aを挿通するための貫通孔(図示せず)が設けられる。また、攪拌槽1の底面の外縁近傍には、混錬されたモルタルを排出するための排出口1a(図2及び図3参照)が設けられる。排出口1aの下方には、混錬されたモルタルを導くためのシュート(図示せず)が設けられる。
【0013】
図2及び図3に示すように、攪拌槽1の底部の外側には、排出口1aを開閉するためのシャッタ部材1bが設けられる。シャッタ部材1bには、シャッタ部材1bを手動にて開閉するためのレバー1cが設けられている。
【0014】
攪拌羽根2は、攪拌槽1内に設けられ、攪拌槽1内に投入されたモルタル材料を攪拌する。攪拌羽根2の回転軸2aは、攪拌槽1の下方に取り付けられたモータ5の駆動軸に接続される。これにより、モータ5を駆動することにより、攪拌羽根2が回転駆動し、攪拌槽1内のモルタル材料が攪拌される。
【0015】
カバー3は、攪拌槽1の上面側の開口を覆う円形状に形成される。カバー3は、径方向に間隔を開けて設けられる複数の円環状の円環状部材3aと、径方向に間隔を開けて設けられる複数の円弧状の円弧状部材3bと、径方向に延び、円環状部材3a及び円弧状部材3bを接続する径方向部材3cと、を有する。
【0016】
円環状部材3a、円弧状部材3b、及び径方向部材3cは、金属製の棒状部材によって構成される。円環状部材3a及び円弧状部材3bは、径方向に交互に配置される。
【0017】
図2及び図3に示すように、本実施形態では、円弧状部材3bは、カバー3の中心Oを中心とした中心角θ1が240°程度の円弧状に形成される。これにより、カバー3には、円環状部材3aと円弧状部材3bとが設けられた領域R1と、円環状部材3aのみが設けられる領域R2と、が設けられる(図4も参照)。
【0018】
径方向部材3cは、カバー3の中心Oを中心として周方向に略等間隔に複数設けられ、円環状部材3a及び円弧状部材3bと交差する箇所において、これらと溶接によって接続される。
【0019】
図2から図4に示すようにカバー3には、可動部材6が取り付けられる。可動部材6は、複数の円弧状の円弧状部材3eと、径方向に延び、円弧状部材3eどうしを接続する径方向部材3fと、を有する。円弧状部材3eは、複数の円環状部材3a及び円弧状部材3bそれぞれと、略同じ曲率半径になるように形成される。可動部材6は、領域R2を覆う形状、具体的には、カバー3の中心Oを中心とした中心角θ2が120°程度の扇型形状に形成される。
【0020】
可動部材6は、カバー3の上面を、カバー3の中心Oを中心として円周方向に移動する。具体的には、可動部材6は、領域R2と重なる閉塞位置(図2に示す位置)と、領域R2と重ならない(領域R2からずれた)開放位置(図3に示す位置)との間を移動する。本実施形態のモルタルミキサー100では、可動部材6を領域R2からずらすことにより、カバー3を取り付けた状態で領域R2部分からモルタル材料を攪拌槽1内に投入することができる。また、可動部材6を領域R2を覆う位置に移動させることにより、作業者が領域R2部分から攪拌槽1内に手を入れることを防止できる。
【0021】
図1に示すように、支持台4は、曲げ加工がなされた金属製のパイプによって構成された枠体4aと、曲げ加工がなされた金属製のパイプによって構成され、枠体4aに取り付けられた把持部4bと、を有する。
【0022】
枠体4aは、攪拌槽1を下側から支持する。枠体4aの下端には複数の車輪4cが取り付けられる。これにより、モルタルミキサー100は、攪拌槽1を支持台4に載置した状態で移動することができる。なお、走行手段は、車輪4cに限定されず、他の手段であってもよい。
【0023】
コントローラ7は、モータ5をON・OFFするためのスイッチ7aと、攪拌羽根2(モータ5)の駆動を制御する制御回路7bと、制御回路7bを収容するケース7cと、を有する。
【0024】
このように構成されたモルタルミキサー100では、攪拌槽1の開口を覆うようカバー3が設けられているので、作業者が攪拌槽1内に誤って手を入れて、回転している攪拌羽根2に手が触れることを防止できる。
【0025】
しかしながら、攪拌羽根2が回転駆動している状態で、作業者がカバー3を持ち上げて、攪拌槽1内に手を入れてしまうことや、攪拌羽根2が意図せず停止してしまい、それを復旧するために、作業者がカバー3を持ち上げて攪拌槽1内に手を入れて作業しているときに、急に攪拌羽根2が動き出して手に触れてしまうといったことが考えられる。攪拌羽根2が回転駆動している状態、あるいは攪拌羽根2が回転駆動する可能性がある状態で、作業者が攪拌槽1内に手を入れてしまうと、回転した攪拌羽根2に触れてしまい事故につながるおそれがある。
【0026】
そこで、本実施形態のモルタルミキサー100には、カバー3が開けられたことを検出したときに攪拌羽根2を停止させる。具体的には、モルタルミキサー100には、カバー3の開閉を検出するセンサユニット20が設けられる。本実施形態のセンサユニット20について、図5から図9を参照しながら、具体的に説明する。
【0027】
図5及び図6に示すように、センサユニット20は、カバー3に着脱自在に取り付けられる棒状のセンサドグ21(検出対象)と、センサドグ21をカバー3に取り付けるための第1ブラケット22と、攪拌槽1に着脱自在に取り付けられ、センサドグ21を検出するセンサ本体23(検出部)と、センサ本体23を攪拌槽1に取り付けるための第2ブラケット24と、センサ本体23によって検出された信号が入力されるコントローラ10(第2制御部)と、を備える。
【0028】
なお、センサユニット20(第1ブラケット22及び第2ブラケット24)は、カバー3の領域R1のうち、可動部材6の開閉に干渉しない部分に取り付けられる(図2及び図3など参照)。
【0029】
本実施形態のセンサドグ21は、磁性体によって構成された棒状の部材である。センサドグ21は、後述する第2ブラケット24に形成された長孔24dに挿通可能な大きさに形成される。
【0030】
図5及び図6に示すように、第1ブラケット22は、カバー3に取り付けられる平板状の本体部22aと、センサドグ21を保持する保持部22bと、本体部22aに形成され、U字ボルト26が挿通される複数の貫通孔22c(図7参照)と、を有する。保持部22bには、センサドグ21の一方の端部が溶接などによって固定される。
【0031】
図7に示すように、貫通孔22cには、U字ボルト26のねじ部26aが挿通される。第1ブラケット22とU字ボルト26の円弧状の部分26bとの間にカバー3の円環状部材3aを挟み込むようにして、U字ボルト26のねじ部26aを貫通孔22cに挿通し、ねじ部26aにナット27を締め付けていくことにより、第1ブラケット22は、カバー3に固定される。
【0032】
本実施形態のセンサ本体23は、ノーマルオープンタイプの誘導型の近接センサである。センサ本体23は、第2ブラケット24によって攪拌槽1の上端部分に取り付けられる。センサ本体23は、ケーブルを通じて電気的にコントローラ10に接続される(図1参照)。
【0033】
図5図6、及び図8に示すように、第2ブラケット24は、本体部24aと、本体部24aに取り付けられ、センサ本体23を保持する保持部24bと、攪拌槽1の上端部分に嵌合する取付部24cと、本体部24aを貫通するように形成され、センサドグ21が挿通する長孔24dと、を有する。
【0034】
図8などに示すように、本体部24aは、断面が略L字状の金属製の板状部材によって構成される。保持部24bは、本体部24aのL字を構成する2つの面と直交する方向に設けられた板状の部材によって構成されるとともに、これらL字を構成する2つの面に固定される。図5及び図6に示すように、保持部24bは、センサ本体23を略水平方向に保持する。
【0035】
図8に示すように、取付部24cは、本体部24aの一端から延び、断面が略コ字状に形成される。図5及び図6に示すように、本実施形態では、取付部24cは、本体部24aの両端に一対設けられる。取付部24cには、取付部24cを貫通するめねじ部24eが設けられる。図8に示すように、取付部24cを攪拌槽1の上端部分に引っかけるようにして、第2ブラケット24を配置し、ボルト30をめねじ部24eに挿通して攪拌槽1の上端部分に押し当てるようにねじ込むことで、第2ブラケット24は攪拌槽1に固定される。
【0036】
図6などに示すように、長孔24dは、本体部24aを貫通し、略楕円形状あるいは略長方形形状に形成される。長孔24dは、第2ブラケット24を攪拌槽1に取り付けた際に、長手方向がカバー3の径方向に位置するように形成される。
【0037】
なお、第1ブラケット22及び第2ブラケット24をそれぞれカバー3及び攪拌槽1に取り付ける際には、カバー3を攪拌槽1の開口部分に載置したときに、第1ブラケット22に固定されたセンサドグ21が、第2ブラケット24に形成された長孔24dに挿通し、かつ、第2ブラケット24の保持部24bに保持されたセンサ本体23に対向するように、第1ブラケット22及び第2ブラケット24を取り付ける。
【0038】
次に、コントローラ10について説明する。
【0039】
図1に示すように、コントローラ10は、電気回路上におけるコントローラ7と電源(図示せず)との間に設けられる。コントローラ10は、例えば、コントローラ7の電源プラグに接続される電源ソケットと、電源に接続される電源プラグと、を有している。これにより、コントローラ10をコントローラ7と電源(図示せず)との間に簡単に接続することができる。
【0040】
また、コントローラ10は、モータ5をON・OFFするためのスイッチ11と、センサ本体23からの信号が入力される制御回路12と、制御回路12を収容するケース13と、を有する。コントローラ10は、コントローラ10は、ケース13に取り付けられたフック14を支持台4の把持部4bに引っかけることにより、支持台4の把持部4bにぶら下がるように取り付けられる。これにより、モルタルミキサー100の移動時に、コントローラ10を手で持ち運ぶ必要がなくなる。なお、コントローラ10は、他の手段により把持部4bに取り付けられていてもよく、把持部4bでなく攪拌槽1に取り付けるようにしてもよい。
【0041】
スイッチ11は、手動式のスイッチであり、コントローラ7と電源(図示せず)とを接続する電気回路を接続または遮断する。本実施形態のモルタルミキサー100では、コントローラ7のスイッチ7aだけでなく、スイッチ11を操作することによっても、モータ5をON・OFFすることができる。
【0042】
制御回路12は、センサ本体23から入力された信号に基づいて、コントローラ10からコントローラ7への電流の供給または遮断を切り換えるスイッチング回路を有する。制御回路12の機能については、後述する。
【0043】
本実施形態のセンサユニット20では、センサドグ21がセンサ本体23と対向する所定の範囲内に位置しているときは、センサ本体23に内蔵されたスイッチがONになる。これに対し、センサドグ21がセンサ本体23と対向する所定の範囲外に位置しているときは、センサ本体23に内蔵されたスイッチがOFFになる。
【0044】
センサ本体23に内蔵されたスイッチがONのときには、制御回路12から制御回路7b(モータ5)への電流の印加が許容され、センサ本体23に内蔵されたスイッチがOFFのときには、制御回路12から制御回路7b(モータ5)への電流の印加が遮断される。
【0045】
このように構成されたセンサユニット20の作用について、具体的に説明する。
【0046】
モルタルミキサー100を使用する場合には、センサドグ21が第2ブラケット24の長孔24dに挿通するようにして、カバー3を攪拌槽1の開口部分に載置する。このとき、上述のように、センサドグ21はセンサ本体23と対向する所定の範囲内に位置するため、センサ本体23内のスイッチがONになる。この結果、制御回路12から制御回路7b(モータ5)への電流の印加が許容される。これにより、コントローラ7のスイッチ7a及びコントローラ10のスイッチ11をONすることにより、電源から制御回路12及び制御回路7bを通じてモータ5へ電流が印加され、モータ5が駆動して攪拌羽根2が回転駆動する。
【0047】
攪拌羽根2が回転駆動している状態で、カバー3を開けようとすると、カバー3に取り付けられたセンサドグ21が移動する。そして、センサドグ21はセンサ本体23と対向する所定の範囲から外れた位置まで移動する(センサ本体23に対向する位置からずれる)と、センサ本体23に内蔵されたスイッチがOFFになる。この結果、制御回路12から制御回路7b(モータ5)への電流の印加が遮断される。これにより、コントローラ7のスイッチ7a及びコントローラ10のスイッチ11がONになっていても、制御回路12から制御回路7b(モータ5)への電流の印加が遮断されるため、モータ5が停止し攪拌羽根2も回転が停止する。
【0048】
このように、本実施形態のセンサユニット20では、攪拌羽根2が回転駆動しているときに、カバー3を開けると、攪拌羽根2が停止する。これにより、攪拌羽根2が回転駆動している場合に、作業者が不用意に攪拌槽1内に手を入れようしたときの安全性を確保することができる。言い換えると、作業者の手が回転している攪拌羽根2に触れてしまい事故につながることを防止できる。
【0049】
なお、コントローラ7のスイッチ7a及びコントローラ10のスイッチ11の少なくとも一方がOFFの場合には、モータ5は停止しているため、カバー3の開閉に関わらず、攪拌羽根2は停止している。
【0050】
次に、第2ブラケット24に設けた長孔24dによる効果について説明する。
【0051】
例えば、第2ブラケット24に設けられたセンサドグ21を挿通する貫通孔が、センサドグ21の外径より若干大きな径を有する円形の孔であった場合には、カバー3を開閉する際に、カバー3を傾けることができない。
【0052】
これに対し、本実施形態では、上述のように、長孔24dの長手方向がカバー3の径方向に位置するように第2ブラケット24を攪拌槽1に取り付けられている。このため、モルタルミキサー100では、センサドグ21が長孔24dに挿通した状態でカバー3を開閉した場合に、図9に示すように、センサドグ21は、長孔24dの長手方向に沿ってガイドされながら第2ブラケット24に対して傾くことができる。つまり、モルタルミキサー100では、センサドグ21が挿通する貫通孔を長孔24dとして形成することにより、長孔24dとセンサドグ21とによってカバー3の開閉支点を構成することができる。これにより、カバー3を一時的に開閉したい場合などに、カバー3を容易に開閉できる。
【0053】
なお、モルタルミキサー100において、カバー3を開閉するための持ち手をカバー3の中心Oを挟んでセンサドグ21と反対側の領域、好ましくは、カバー3の中心Oを挟んでセンサドグ21と反対側の(対向する)位置に設けてもよい。これにより、カバー3の開閉を片手で行うことができるので、より開閉が容易になる。
【0054】
以上のように構成されたセンサユニット20及びモルタルミキサー100によれば、以下の効果を奏する。
【0055】
本実施形態のモルタルミキサー100は、攪拌槽1の開口を覆う網目状のカバー3を有している。これにより、作業者が攪拌槽1内に手を入れることを防止できる。
【0056】
さらに、モルタルミキサー100にセンサユニット20を設けることによって、カバー3を開けようとした時点で、センサ本体23からコントローラ10(制御回路12)に攪拌羽根2の駆動を停止させる信号が出力され、コントローラ10(制御回路12)が制御回路7b(モータ5)への電流の印加が遮断する。これにより、攪拌羽根2を停止させることができるので、作業者の手が回転している攪拌羽根2に触れることより確実に防止できる。
【0057】
また、本実施形態のセンサユニット20では、センサドグ21を第1ブラケット22によってカバー3に着脱自在に取り付けることができるとともに、センサ本体23を第2ブラケット24によって攪拌槽1に着脱自在に取り付けることができる。これにより、既存のモルタルミキサー100に、センサユニット20を後付けすることができる。さらに、本実施形態のセンサユニット20は、コントローラ10をコントローラ7と電源との間に後から接続することができる。これにより、モルタルミキサー100に予め設けられたコントローラ7を取り外したりする必要がなく、そのまま利用することができる。また、コントローラ10を簡単に後付けできる。
【0058】
センサユニット20では、棒状に形成されたセンサドグ21を、第2ブラケット24に形成された長孔24dに挿通する構成としている。これにより、カバー3が開閉される際に、センサドグ21と長孔24dによって攪拌槽1に対するカバー3の開閉支点が構成される。よって、カバー3を攪拌槽1から取り外さなくても容易に開閉することができる。
【0059】
さらに、センサユニット20では、長孔24dが攪拌槽1の径方向に延びるように形成されている。これにより、カバー3を開閉する際に、センサドグ21が長孔24dにガイドされながら、傾くことができる。よって、カバー3を開閉する際の操作性を向上させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態のモルタルミキサー100では、カバー3に円環状部材3aのみが設けられた領域R2を設けるとともに、カバー3の領域R2を覆う移動可能な可動部材6を設けている。これにより、可動部材6をカバー3の領域R2からずらすことで、カバー3を取り付けた状態でカバー3の領域R2部分からモルタル材料を攪拌槽1内に投入することができる。さらに、可動部材6によってカバー3の領域R2を覆うことで、作業者がカバー3の領域R2部分から攪拌槽1内に手を入れることを確実に防止できる。このように、カバー3に可動部材6を設けることで、安全性と作業性を両立させることができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0062】
例えば、カバー3において、必ずしも領域R2や可動部材6を設けなくてもよい。
【0063】
上記実施形態では、センサ本体23として、ノーマルオープンタイプの誘導型の近接スイッチを例に説明したが、これに限らない。例えば、光学式や磁気式の近接スイッチであってもよい。さらに、センサ本体23は、ON・OFFに切り換わるスイッチ式のセンサに限らず、連続的な信号を出力するセンサであってもよい。
【0064】
また、上記実施形態における第1ブラケット22及び第2ブラケット24の固定方法は、一例を示すものであり、これに限らない。さらに、カバー3の形状も適宜変更できる。カバー3の形状は、網目状である必要がなく、例えば、上記実施形態における円環状部材3aが省略されていてもよい。なお、カバー3の材質は、金属に限らず、例えば、樹脂など、どのような材質のものであってもよい。
【0065】
なお、センサドグ21の断面形状は、円形に限らず、矩形や楕円形状であってもよい。センサドグ21の断面形状が矩形や楕円形状である場合には、センサドグ21が長孔24d内で回転することを防止できる。これにより、カバー3を開閉する際に、センサドグ21によってカバー3が回転してしまうことを防止できる。これに対し、センサドグ21の断面形状が円形の場合には、長孔24d内でセンサドグ21が回転することができるので、例えば、カバー3を開閉する際に、センサドグ21が長孔24dの壁面に当たって、カバー3の重みがセンサドグ21やセンサドグ21と保持部22bとの接続部分に作用しても、センサドグ21が回転することで、これらに作用する負荷を逃がすことができる。これにより、センサドグ21の断面形状が矩形や楕円形状である場合に比べ、センサドグ21やセンサドグ21と保持部22bとの接続部分の破損、変形などを防止することができる。
【符号の説明】
【0066】
100・・・モルタルミキサー
1・・・攪拌槽
2・・・攪拌羽根
3・・・カバー
4・・・支持台
5・・・モータ
6・・・可動部材
7・・・コントローラ(第1制御部)
10・・・コントローラ(第2制御部)
20・・・センサユニット
21・・・センサドグ(検出対象)
22・・・第1ブラケット
22a・・・本体部
22b・・・保持部
23・・・センサ本体(検出部)
24・・・第2ブラケット
24a・・・本体部
24b・・・保持部
24c・・・取付部
24d・・・長孔
26・・・U字ボルト



【要約】
【課題】作業者の手が回転している攪拌羽根に触れること防止する。
【解決手段】センサユニット20は、モルタル材料を収容する攪拌槽1と、攪拌槽1内に設けられ、モルタル材料を攪拌する攪拌羽根2と、攪拌槽1の開口を覆うカバー3と、攪拌羽根2の駆動を制御するコントローラ7と、を有する可搬式のモルタルミキサー100に設けられる。センサユニット20は、カバー3に着脱自在に取り付けられるセンサドグ21と、攪拌槽1に着脱自在に取り付けられ、センサドグ21を検出するセンサ本体23と、センサ本体23から入力される信号に基づいて、攪拌羽根2の駆動を制御するコントローラ10と、を備え、センサ本体23は、センサドグ21が検出されなくなると、コントローラ10に攪拌羽根2の駆動を停止させる信号を出力する。
【選択図】図1
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