(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】バッテリー管理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/382 20190101AFI20241112BHJP
G01R 31/387 20190101ALI20241112BHJP
G01R 31/392 20190101ALI20241112BHJP
G01R 31/396 20190101ALI20241112BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241112BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G01R31/382
G01R31/387
G01R31/392
G01R31/396
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
(21)【出願番号】P 2023524562
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 KR2022011075
(87)【国際公開番号】W WO2023013967
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0101551
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ、エー-ミン
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ヨーン-ジュン
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/157132(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0031226(KR,A)
【文献】特開2016-126887(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0131629(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H02J 7/00- 7/12
H02J 7/34- 7/36
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記プロファイル生成部から受信した微分プロファイルにおいて基準ピーク及びターゲットピークを決定し、前記基準ピークの微分値と前記ターゲットピークの微分値と
の大小を比較した結果に基づいて前記バッテリーの状態を診断する制御部と、を含む、バッテリー管理装置。
【請求項2】
前記プロファイル生成部は、
前記微分プロファイルとして、前記容量に対する微分電圧と前記容量との対応関係を示す微分電圧プロファイル及び前記電圧に対する微分容量と前記電圧との対応関係を示す微分容量プロファイルの少なくとも一つを生成
し、
前記微分電圧プロファイルにおいて前記基準ピーク及び前記ターゲットピークは下に凸形状のグラフの頂点であり、前記微分容量プロファイルにおいて前記基準ピーク及び前記ターゲットピークは上に凸形状のグラフの頂点である、
請求項1に記載のバッテリー管理装置。
【請求項3】
バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記プロファイル生成部から受信した微分プロファイルにおいて基準ピーク及びターゲットピークを決定し、前記基準ピークの微分値と前記ターゲットピークの微分値との大小を比較した結果に基づいて前記バッテリーの状態を診断する制御部と、
を含み、
前記プロファイル生成部は、
前記微分プロファイルとして、前記容量に対する微分電圧と前記容量との対応関係を示す微分電圧プロファイル及び前記電圧に対する微分容量と前記電圧との対応関係を示す微分容量プロファイルの少なくとも一つを生成し、
前記制御部は、
前記プロファイル生成部から受信した微分プロファイルの種類を決定し、
決定された微分プロファイルの種類に対応して予め設定された規則に従って、前記受信した微分プロファイルから前記基準ピーク及び前記ターゲットピークを決定する、
バッテリー管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記プロファイル生成部から前記微分電圧プロファイルを受信した場合、前記微分電圧プロファイルを前記容量に応じて基準区間とターゲット区間とに区分し、
前記基準区間において前記微分電圧が最も小さいピークを前記基準ピークとして決定し、
前記ターゲット区間において前記微分電圧が最も小さいピークを前記ターゲットピークとして決定する、請求項3に記載のバッテリー管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記基準ピークの微分電圧値が前記ターゲットピークの微分電圧値未満である場合、前記バッテリーの状態を不用状態と診断し、
前記基準ピークの微分電圧値が前記ターゲットピークの微分電圧値以上である場合、前記バッテリーの状態を可用状態と診断する、請求項4に記載のバッテリー管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記プロファイル生成部から前記微分容量プロファイルを受信した場合、前記微分容量プロファイルを前記電圧に応じて基準区間とターゲット区間とに区分し、
前記基準区間において前記微分容量が最も大きいピークを前記基準ピークとして決定し、
前記ターゲット区間において前記微分容量が最も大きいピークを前記ターゲットピークとして決定する、請求項3に記載のバッテリー管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記基準ピークの微分容量値が前記ターゲットピークの微分容量値を超過した場合、前記バッテリーの状態を不用状態と診断し、
前記基準ピークの微分容量値が前記ターゲットピークの微分容量値以下である場合、前記バッテリーの状態を可用状態と診断する、請求項6に記載のバッテリー管理装置。
【請求項8】
前記ターゲットピークは、
一定量以上のニッケルを含むハイニッケル系バッテリーに対する微分プロファイルで現れる、請求項1に記載のバッテリー管理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリー管理装置を含む、バッテリーパック。
【請求項10】
バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成する微分プロファイル生成段階と、
前記微分プロファイル生成段階で生成された微分プロファイルから基準ピーク及びターゲットピークを決定するピーク決定段階と、
前記基準ピークの微分値と前記ターゲットピークの微分値と
の大小を比較した結果に基づいて前記バッテリーの状態を診断するバッテリー状態診断段階と、を含む、バッテリー管理方法。
【請求項11】
バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成する微分プロファイル生成段階と、
前記微分プロファイル生成段階で生成された微分プロファイルから基準ピーク及びターゲットピークを決定するピーク決定段階と、
前記基準ピークの微分値と前記ターゲットピークの微分値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーの状態を診断するバッテリー状態診断段階と、
を含み、
前記微分プロファイル生成段階は、
前記微分プロファイルとして、前記容量に対する微分電圧と前記容量との対応関係を示す微分電圧プロファイル及び前記電圧に対する微分容量と前記電圧との対応関係を示す微分容量プロファイルの少なくとも一つを生成し、
前記ピーク決定段階は、
前記微分プロファイル生成段階で生成された微分プロファイルの種類を決定し、
決定された微分プロファイルの種類に対応して予め設定された規則に従って、前記微分プロファイル生成段階で生成された微分プロファイルから前記基準ピーク及び前記ターゲットピークを決定する、
バッテリー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月2日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0101551号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー管理装置及び方法に関し、より詳しくは、非破壊的な方式でバッテリーの状態を診断することができるバッテリー管理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、人工衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどのバッテリーが商用化しているが、中でもリチウムバッテリーはニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
バッテリーは充電及び放電が繰り返されるにつれて退化が進む。例えば、バッテリーの状態は退化度に応じてBOL(Beginning of Life)、MOL(Middle of Life)及びEOL(End of Life)に分けられ、EOL状態のバッテリーは不用処理される。
【0006】
従来は、バッテリーの容量または内部抵抗の変化に基づいてバッテリーのSOH(State of Health)を推定するか、または、VOLCANO分析(微分プロファイル(V-dQdVプロファイルまたはQ-dVdQプロファイル)を分析する方法)を通じてバッテリーの状態を診断した。
【0007】
特に、バッテリーがEOL状態である場合、該当バッテリーは不用処理されることが望ましい。しかし、バッテリーの状態診断に誤差があるかまたはバッテリーの状態診断が速かに行われない場合は、EOL状態のバッテリーが使用され続け、予期せぬ事故が発生するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、微分プロファイル解析を通じて非破壊的な方式でバッテリーの状態を診断することができるバッテリー管理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組み合わせによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によるバッテリー管理装置は、バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成するように構成されたプロファイル生成部と、前記プロファイル生成部から受信した微分プロファイルにおいて基準ピーク及びターゲットピークを決定し、前記基準ピークの微分値と前記ターゲットピークの微分値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーの状態を診断するように構成された制御部と、を含む。
【0011】
前記プロファイル生成部は、前記微分プロファイルとして、前記容量に対する微分電圧と前記容量との対応関係を示す微分電圧プロファイル及び前記電圧に対する微分容量と前記電圧との対応関係を示す微分容量プロファイルの少なくとも一つを生成するように構成され得る。
【0012】
前記制御部は、前記プロファイル生成部から受信した微分プロファイルの種類を決定し、決定された微分プロファイルの種類に対応して予め設定された規則に従って、前記受信した微分プロファイルから前記基準ピーク及び前記ターゲットピークを決定するように構成され得る。
【0013】
前記制御部は、前記プロファイル生成部から前記微分電圧プロファイルを受信した場合、前記微分電圧プロファイルを前記容量に応じて基準区間とターゲット区間とに区分し、前記基準区間において前記微分電圧が最も小さいピークを前記基準ピークとして決定し、前記ターゲット区間において前記微分電圧が最も小さいピークを前記ターゲットピークとして決定するように構成され得る。
【0014】
前記制御部は、前記基準ピークの微分電圧値が前記ターゲットピークの微分電圧値未満である場合、前記バッテリーの状態を不用状態と診断するように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、前記基準ピークの微分電圧値が前記ターゲットピークの微分電圧値以上である場合、前記バッテリーの状態を可用状態と診断するように構成され得る。
【0016】
前記制御部は、前記プロファイル生成部から前記微分容量プロファイルを受信した場合、前記微分容量プロファイルを前記電圧に応じて基準区間とターゲット区間とに区分し、前記基準区間において前記微分容量が最も大きいピークを前記基準ピークとして決定し、前記ターゲット区間において前記微分容量が最も大きいピークを前記ターゲットピークとして決定するように構成され得る。
【0017】
前記制御部は、前記基準ピークの微分容量値が前記ターゲットピークの微分容量値を超過した場合、前記バッテリーの状態を不用状態と診断するように構成され得る。
【0018】
前記制御部は、前記基準ピークの微分容量値が前記ターゲットピークの微分容量値以下である場合、前記バッテリーの状態を可用状態と診断するように構成され得る。
【0019】
前記ターゲットピークは、一定量以上のニッケルを含むハイニッケル系バッテリーに対する微分プロファイルで現れるように構成され得る。
【0020】
本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、本発明の一態様によるバッテリー管理装置を含む。
【0021】
本発明のさらに他の一態様によるバッテリー管理方法は、バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルを取得するバッテリープロファイル取得段階と、前記バッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成する微分プロファイル生成段階と、前記微分プロファイル生成段階で生成された微分プロファイルから基準ピーク及びターゲットピークを決定するピーク決定段階と、前記基準ピークの微分値と前記ターゲットピークの微分値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーの状態を診断するバッテリー状態診断段階と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、微分プロファイル解析を通じて非破壊的な方式でバッテリーの状態を診断することができる。特に、バッテリーの状態が不用状態であるか否かを具体的に診断することができる。
【0023】
本発明の効果は上記の効果に制限されず、他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、発明の詳細な説明ともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態による微分電圧プロファイルを概略的に示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態による微分容量プロファイルを概略的に示した図である。
【
図4】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの例示的な構成を概略的に示した図である。
【
図5】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー管理方法を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0027】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
また、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0029】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちのある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0030】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0031】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されるとするとき、これは「直接的な連結(接続)」だけでなく、他の素子を介在した「間接的な連結(接続)」も含む。
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100を概略的に示した図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、プロファイル生成部110及び制御部120を含む。
【0035】
プロファイル生成部110は、バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成するように構成され得る。
【0036】
ここで、バッテリーは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例として、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池をバッテリーとしてよい。また、バッテリーは、複数のセルが直列及び/または並列に接続されて備えられたバッテリーモジュールであってもよい。以下、説明の便宜上、バッテリーが一つの独立したセルを意味するとして説明する。
【0037】
具体的には、プロファイル生成部110は、外部からバッテリープロファイルを直接受信するかまたは外部からバッテリーの電圧及び容量を周期的に受信し、バッテリープロファイルを直接生成し得る。
【0038】
例えば、バッテリープロファイルは、バッテリーの容量(Q)と電圧(V)との対応関係を示し得る。ここで、容量の単位は[mAh]であり、電圧の単位は[V]であり得る。また、バッテリープロファイルは、Xを容量に設定し、Yを電圧に設定した場合、X-Y二次元グラフで表され得る。
【0039】
そして、プロファイル生成部110は、バッテリープロファイルの一次導関数に該当する微分プロファイルを生成し得る。例えば、プロファイル生成部110は、電圧(V)と微分容量(dQ/dV)との対応関係を示す微分容量プロファイル及び/または容量(Q)と微分電圧(dV/dQ)との対応関係を示す微分電圧プロファイルを生成し得る。
【0040】
制御部120は、プロファイル生成部110から受信した微分プロファイルにおいて基準ピーク及びターゲットピークを決定するように構成され得る。
【0041】
具体的には、制御部120は、微分プロファイルの区間を互いに重ならない基準区間RRとターゲット区間TRとに区分し得る。そして、制御部120は、基準区間RRから基準ピークを決定し、ターゲット区間TRからターゲットピークを決定し得る。
【0042】
制御部120は、基準ピークの微分値とターゲットピークの微分値とを比較した結果に基づいてバッテリーの状態を診断するように構成され得る。
【0043】
例えば、制御部120は、基準ピークの微分値とターゲットピークの微分値との大小を比較し、比較結果に応じてバッテリーの状態を不用状態または可用状態と診断し得る。ここで、不用状態とは、バッテリーがEOL状態であって、使用が不可能な状態を意味し得る。可用状態とは、バッテリーがBOLまたはMOL状態であって、使用可能な状態を意味し得る。
【0044】
一般に、EOL状態のバッテリーは、退化がかなり進んだバッテリーであって、SOH70%以下のバッテリーを意味し得る。このようなEOL状態のバッテリーは、正極容量及び/または可用リチウムが損失された状態であり、場合によっては負極の表面に金属リチウムが析出されるリチウムメッキ(Li-plating)が発生している可能性もある。したがって、EOL状態のバッテリーを継続的に使用すると、内部短絡によって爆発及び/または火災などの予期せぬ事故が発生するおそれがある。
【0045】
制御部120は、バッテリーに対する一つの微分プロファイルを考慮して、基準値になり得る基準ピークの微分値及び比較値になり得るターゲットピークの微分値をすべて決定することで、バッテリーの状態を診断することができる。
【0046】
すなわち、バッテリー管理装置100は、一律的に予め設定された特定の値と微分プロファイルから決定されたピークの微分値とを比較するものではなく、微分プロファイルから決定可能な二つのピークの微分値を比較してバッテリーの状態を決定する。したがって、バッテリー管理装置100は、バッテリーの現在状態を最もよく反映可能な診断方式を採択することで、バッテリーの現在状態をより正確に診断することができる。
【0047】
一方、バッテリー管理装置100に備えられたプロファイル生成部110及び制御部120は、本発明で行われる多様な制御ロジックを実行するため、当業界に知られたプロセッサ、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジックがソフトウェアとして具現されるとき、プロファイル生成部110及び制御部120は、プログラムモジュールの集合として具現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに保存され、プロファイル生成部110及び制御部120によって実行され得る。メモリは、プロファイル生成部110及び制御部120それぞれの内部または外部に備えられ得、周知の多様な手段でプロファイル生成部110及び制御部120に接続され得る。
【0048】
また、バッテリー管理装置100は、記録部130をさらに含み得る。記録部130は、バッテリー管理装置100の各構成要素が動作及び機能を行うのに必要なデータ、若しくは、プログラムまたは動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを保存し得る。記録部130は、データを記録、消去、更新及び読出できると知られた公知の情報記録手段であれば、その種類に特に制限がない。一例として、情報記録手段には、RAM、フラッシュ(登録商標)メモリ、ROM、EEPROM、レジスタなどが含まれ得る。また、記録部130は、制御部120によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを保存し得る。
【0049】
望ましくは、ターゲットピークは、一定量以上のニッケルを含むハイニッケル系バッテリーに対する微分プロファイルで現れるように構成され得る。
【0050】
一般に、ハイニッケル系バッテリーは、正極材に含まれたニッケルの含有量が80%以上であるバッテリーを意味し得る。反対に、ローニッケル系バッテリーは、正極材に含まれたニッケルの含有量が80%未満であるバッテリーを意味し得る。例えば、ニッケル(N)とコバルト(C)とマンガン(M)との比率が8:1:1または9:1/2:1/2であるNCMバッテリーがハイニッケル系バッテリーであり得る。
【0051】
そして、制御部120によって決定されるターゲットピークは、ハイニッケル系バッテリーで現れるピークであり得る。
【0052】
一般に、バッテリーが充電される過程では相平衡が発生し得る。そして、相平衡が発生するとき、バッテリーの微分プロファイルのピークが現れ得る。例えば、4回の相平衡が発生した場合、順次にEc(1)、Ec(2)、Ec(3)及びEc(4)ピークが微分プロファイルに含まれ得る。そして、Ec(4)ピークに対応する第4相平衡が発生した場合は、バッテリーの正極材に含まれたニッケルの含有量が80%以上であり得る。例えば、第2相平衡に対応するEc(2)ピークが基準ピークに対応し、第4相平衡に対応するEc(4)ピークがターゲットピークに対応し得る。
【0053】
一方、正極材に含まれたニッケルの含有量が80%未満であれば、第4相平衡が発生しない場合があり、第4相平衡が発生しても対応するターゲットピークが現れない場合がある。
【0054】
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、正極材に含まれたニッケルの含有量が80%以上であるバッテリーを用いるため、微分プロファイルからターゲットピークを明確に決定可能である。したがって、バッテリー管理装置100は、バッテリーの状態をより具体的に診断することができる。
【0055】
プロファイル生成部110は、微分プロファイルとして、容量に対する微分電圧と容量との対応関係を示す微分電圧プロファイル及び電圧に対する微分容量と電圧との対応関係を示す微分容量プロファイルの少なくとも一つを生成するように構成され得る。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態による微分電圧プロファイルを概略的に示した図である。具体的には、
図2は、第1バッテリーに対する第1微分電圧プロファイルPV1及び第2バッテリーに対する第2微分電圧プロファイルPV2を示した図である。
【0057】
図2を参照すると、微分電圧プロファイルは、容量(Q)に対する微分電圧(dV/dQ)と容量(Q)との対応関係を示す。ここで、微分電圧(dV/dQ)は、容量(Q)に対する電圧(V)の瞬間変化率として算出され得る。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態による微分容量プロファイルを概略的に示した図である。具体的には、
図3は、第1バッテリーに対する第1微分容量プロファイルPQ1及び第2バッテリーに対する第2微分容量プロファイルPQ2を示した図である。
【0059】
図3を参照すると、微分容量プロファイルは、電圧(V)に対する微分容量(dQ/dV)と電圧(V)との対応関係を示す。ここで、微分容量(dQ/dV)は、電圧(V)に対する容量(Q)の瞬間変化率として算出され得る。
【0060】
制御部120は、プロファイル生成部110から受信した微分プロファイルの種類を決定するように構成され得る。
【0061】
例えば、制御部120は、プロファイル生成部110から微分プロファイルを受信するとき、微分プロファイルの種類についての情報を一緒に受信し得る。したがって、制御部120は、プロファイル生成部110によって生成された微分プロファイルの種類を微分容量プロファイルまたは微分電圧プロファイルと明確に区分することができる。
【0062】
他の例として、プロファイル生成部110は、一種類の微分プロファイルを生成するように予め構成され得る。そして、プロファイル生成部110は、制御部120の要請がある場合、他の種類の微分プロファイルを生成するように構成され得る。したがって、制御部120は、プロファイル生成部110から受信した微分プロファイルの種類を明確に区分することができる。
【0063】
制御部120は、決定された微分プロファイルの種類に対応して予め設定された規則に従って、受信した微分プロファイルから基準ピーク及びターゲットピークを決定するように構成され得る。
【0064】
具体的には、制御部120は、微分容量プロファイルと微分電圧プロファイルとで、基準ピーク及びターゲットピークを異なる方式で決定し得る。微分容量プロファイルと微分電圧プロファイルとは、相異なる因子の対応関係を示す微分プロファイルであるため、制御部120は、微分プロファイルの種類に対応する規則に従って基準ピーク及びターゲットピークをそれぞれ決定することができる。
【0065】
制御部120は、プロファイル生成部110から微分電圧プロファイルを受信した場合、微分電圧プロファイルを容量に応じて基準区間RRとターゲット区間TRとに区分するように構成され得る。例えば、制御部120は、微分電圧プロファイルの容量区間を二等分して、低容量区間を基準区間RRとして、高容量区間をターゲット区間TRとして区分し得る。
【0066】
図2の実施形態において、微分電圧プロファイルの容量(Q)は0mAh~1mAhの範囲に正規化されたものである。制御部120は、微分電圧プロファイルの容量区間を二等分して、0mAh~0.5mAhの低容量区間は基準区間RRに設定し、0.5mAh~1mAhの高容量区間はターゲット区間TRに設定し得る。
【0067】
そして、制御部120は、基準区間RRで微分電圧が最も小さいピークを基準ピークとして決定し、ターゲット区間TRで微分電圧が最も小さいピークをターゲットピークとして決定するように構成され得る。
【0068】
例えば、
図2の実施形態において、第1微分電圧プロファイルPV1の基準区間RRには第1基準ピークRP1が含まれ、第1基準ピークRP1の微分電圧値はdV_RP1であり得る。そして、第1微分電圧プロファイルPV1のターゲット区間TRには第1ターゲットピークTP1が含まれ、第1ターゲットピークTP1の微分電圧値はdV_TP1であり得る。第2微分電圧プロファイルPV2の基準区間RRには第2基準ピークRP2が含まれ、第2基準ピークRP2の微分電圧値はdV_RP2であり得る。そして、第2微分電圧プロファイルPV2のターゲット区間TRには第2ターゲットピークTP2が含まれ、第2ターゲットピークTP2の微分電圧値はdV_TP2であり得る。
【0069】
制御部120は、基準ピークの微分電圧値がターゲットピークの微分電圧値未満である場合、バッテリーの状態を不用状態と診断することができる。反対に、制御部120は、基準ピークの微分電圧値がターゲットピークの微分電圧値以上である場合、バッテリーの状態を可用状態と診断することができる。
【0070】
一般に、微分電圧プロファイルでは、バッテリーが退化するほどターゲットピークに対応する容量値は低容量側にシフトし、ターゲットピークに対応する微分電圧値は増加し得る。すなわち、
図2の実施形態において、第1微分電圧プロファイルPV1に対応する第1バッテリーよりも第2微分電圧プロファイルPV2に対応する第2バッテリーがさらに退化したものであり得る。
【0071】
図2の実施形態において、第1微分電圧プロファイルPV1に含まれた第1基準ピークRP1の微分電圧値(dV_RP1)が第1ターゲットピークTP1の微分電圧値(dV_TP1)以上であるため、制御部120は、第1微分電圧プロファイルPV1に対応する第1バッテリーの状態を可用状態と診断することができる。反対に、第2微分電圧プロファイルPV2に含まれた第2基準ピークRP2の微分電圧値(dV_RP2)が第2ターゲットピークTP2の微分電圧値(dV_TP2)未満であるため、制御部120は、第2微分電圧プロファイルPV2に対応する第2バッテリーの状態を可用状態と診断することができる。
【0072】
望ましくは、制御部120は、不用状態と診断された第2バッテリーが使用されないように、第2バッテリーの充電及び放電を遮断するように構成され得る。例えば、制御部120は、第2バッテリーの正極端子及び/または負極端子に接続されたリレーをターンオフ状態に制御することで、第2バッテリーの充放電を遮断し得る。他の例として、制御部120は、第2バッテリーが不用状態であることを示すため、第2バッテリーについてのバッテリー情報においてバッテリーの状態を不用状態とラベル付けし得る。
【0073】
制御部120は、プロファイル生成部110から微分容量プロファイルを受信した場合、微分容量プロファイルを電圧に応じて基準区間RRとターゲット区間TRとに区分するように構成され得る。例えば、制御部120は、微分容量プロファイルの電圧区間を二等分して、低電圧区間を基準区間RRとして、高電圧区間をターゲット区間TRとして区分し得る。
【0074】
図3の実施形態において、微分容量プロファイルの電圧区間は3.2[V]~4.2[V]である。制御部120は、微分容量プロファイルの電圧区間を二等分して、3.2V~3.7Vの低電圧区間は基準区間RRに設定し、3.7V~4.2Vの高電圧区間はターゲット区間TRに設定し得る。
【0075】
制御部120は、基準区間RRで微分容量が最も大きいピークを基準ピークとして決定し、ターゲット区間TRで微分容量が最も大きいピークをターゲットピークとして決定するように構成され得る。
【0076】
例えば、
図3の実施形態において、第1微分容量プロファイルPQ1の基準区間RRには第3基準ピークRP3が含まれ、第3基準ピークRP3の微分容量値はdQ_RP3であり得る。そして、第1微分容量プロファイルPQ1のターゲット区間TRには第3ターゲットピークTP3が含まれ、第3ターゲットピークTP3の微分容量値はdQ_TP3であり得る。第2微分容量プロファイルPQ2の基準区間RRには第4基準ピークRP4が含まれ、第4基準ピークRP4の微分容量値はdQ_RP4であり得る。そして、第2微分容量プロファイルPQ2のターゲット区間TRには第4ターゲットピークTP4が含まれ、第4ターゲットピークTP4の微分容量値はdQ_TP4であり得る。
【0077】
制御部120は、基準ピークの微分容量値がターゲットピークの微分容量値を超えた場合、バッテリーの状態を不用状態と診断し、基準ピークの微分容量値がターゲットピークの微分容量値以下である場合、バッテリーの状態を可用状態と診断するように構成され得る。
【0078】
一般に、微分容量プロファイルでは、バッテリーが退化するほどターゲットピークに対応する微分容量値が減少し得る。すなわち、
図3の実施形態において、第1微分容量プロファイルPQ1に対応する第1バッテリーよりも第2微分容量プロファイルPQ2に対応する第2バッテリーがさらに退化したものであり得る。
【0079】
図3の実施形態において、第1微分容量プロファイルPQ1に含まれた第3基準ピークRP3の微分容量値(dQ_RP3)が第3ターゲットピークTP3の微分容量値(dQ_TP3)以下であるため、制御部120は、第1微分電圧プロファイルPV1に対応する第1バッテリーの状態を可用状態と診断することができる。反対に、第2微分電圧プロファイルPV2に含まれた第4基準ピークRP4の微分容量値(dQ_RP4)が第4ターゲットピークTP4の微分容量値(dQ_TP4)を超えるため、制御部120は、第2微分電圧プロファイルPV2に対応する第2バッテリーの状態を可用状態と診断することができる。
【0080】
望ましくは、制御部120は、不用状態と診断された第2バッテリーが使用されないように、第2バッテリーの充電及び放電を遮断するように構成され得る。例えば、制御部120は、第2バッテリーの正極端子及び/または負極端子に接続されたリレーをターンオフ状態に制御することで、第2バッテリーの充放電を遮断し得る。他の例として、制御部120は、第2バッテリーが不用状態であることを示すため、第2バッテリーについてのバッテリー情報においてバッテリーの状態を不用状態とラベル付けし得る。
【0081】
本発明によるバッテリー管理装置100は、BMS(Battery Management System、バッテリー管理システム)に適用され得る。すなわち、本発明によるBMSは、上述したバッテリー管理装置100を含み得る。このような構成において、バッテリー管理装置100の各構成要素の少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、バッテリー管理装置100のプロファイル生成部110、制御部120及び記録部130は、BMSの構成要素として具現され得る。
【0082】
また、本発明によるバッテリー管理装置100は、バッテリーパックに備えられ得る。すなわち、本発明によるバッテリーパックは、上述したバッテリー管理装置100及び一つ以上のバッテリーセルを含み得る。また、バッテリーパックは、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0083】
図4は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの例示的構成を概略的に示した図である。
【0084】
バッテリーBの正極端子はバッテリーパック10の正極端子P+に接続され、バッテリーBの負極端子はバッテリーパック10の負極端子P-に接続され得る。
【0085】
測定部200は、第1センシングラインSL1、第2センシングラインSL2、及び第3センシングラインSL3に接続され得る。具体的には、測定部200は、第1センシングラインSL1を通じてバッテリーBの正極端子に接続され、第2センシングラインSL2を通じてバッテリーBの負極端子に接続され得る。測定部200は、第1センシングラインSL1及び第2センシングラインSL2のそれぞれで測定された電圧に基づいて、バッテリーBの電圧を測定し得る。
【0086】
また、測定部200は、第3センシングラインSL3を通じて電流測定ユニットAに接続され得る。例えば、電流測定ユニットAは、バッテリーBの充電電流及び放電電流を測定可能な電流計またはシャント抵抗器であり得る。測定部200は、第3センシングラインSL3を通じてバッテリーBの充電電流を測定して充電量を算出し得る。また、測定部200は、第3センシングラインSL3を通じてバッテリーBの放電電流を測定して放電量を算出し得る。
【0087】
充放電装置20は、一端がバッテリーパック10の正極端子P+に接続され、他端がバッテリーパック10の負極端子P-に接続され得る。したがって、バッテリーBの正極端子とバッテリーパック10の正極端子P+と充放電装置20とバッテリーパック10の負極端子P-とバッテリーBの負極端子とは電気的に接続され得る。
【0088】
例えば、バッテリー管理装置100は、再使用バッテリーの状態を診断する再使用バッテリー用状態診断装置にも適用され得る。
【0089】
近年、環境に優しいエネルギーに対する関心が高まりなりながら、バッテリーの使用量が増加している。バッテリーは使用するほど退化する限界があるため、バッテリーの状態によって再使用可否が決定され得る。例えば、自動車で使用されたバッテリーは、エネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)に再度使用され得る。
【0090】
一般に、MOL状態のバッテリーは2次使用先、3次使用先などで再使用可能であるが、EOL状態のバッテリーは再使用が不可能である。したがって、バッテリー管理装置100は、再使用可否の判断のため、収去されたバッテリーの状態を診断することで、収去されたバッテリーの再使用可否を決定し得る。
【0091】
例えば、バッテリー管理装置100は、収去されたバッテリーの微分プロファイルにおいて基準ピークの微分値とターゲットピークの微分値とを比較することで、収去されたバッテリーの状態が不用状態であるかそれとも可用状態であるかを診断可能である。
【0092】
図5は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー管理方法を概略的に示した図である。
【0093】
望ましくは、バッテリー管理方法の各段階はバッテリー管理装置100によって実行される。以下では、上述した説明と重なる内容は省略するかまたは簡単に説明する。
【0094】
微分プロファイル生成段階S100は、バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリープロファイルに対する微分プロファイルを生成する段階であって、プロファイル生成部110によって実行される。
【0095】
例えば、プロファイル生成部110は、容量に対する微分電圧と容量との対応関係を示す微分電圧プロファイル及び電圧に対する微分容量と電圧との対応関係を示す微分容量プロファイルの少なくとも一つを生成するように構成され得る。
【0096】
ピーク決定段階S200は、微分プロファイル生成段階S100で生成された微分プロファイルから基準ピーク及びターゲットピークを決定する段階であって、制御部120によって実行される。
【0097】
例えば、制御部120は、プロファイル生成部110から微分電圧プロファイルを受信した場合、微分電圧プロファイルの容量区間を基準区間RRとターゲット区間TRとに区分し、基準区間RRで基準ピークを決定し、ターゲット区間TRでターゲットピークを決定し得る。
【0098】
他の例として、制御部120は、プロファイル生成部110から微分容量プロファイルを受信した場合、微分容量プロファイルの電圧区間を基準区間RRとターゲット区間TRとに区分し、基準区間RRで基準ピークを決定し、ターゲット区間TRでターゲットピークを決定し得る。
【0099】
バッテリー状態診断段階S300は、基準ピークの微分値とターゲットピークの微分値とを比較した結果に基づいてバッテリーの状態を診断する段階であって、制御部120によって実行される。
【0100】
例えば、プロファイル生成部110から微分電圧プロファイルを受信した場合、制御部120は、基準ピークの微分電圧値がターゲットピークの微分電圧値未満であると、バッテリーの状態を不用状態と診断し得る。反対に、基準ピークの微分電圧値がターゲットピークの微分電圧値以上であると、制御部120は、バッテリーの状態を可用状態と診断し得る。
【0101】
他の例として、プロファイル生成部110から微分容量プロファイルを受信した場合、制御部120は、基準ピークの微分容量値がターゲットピークの微分容量値を超えると、バッテリーの状態を不用状態と診断し、基準ピークの微分容量値がターゲットピークの微分容量値以下であると、バッテリーの状態を可用状態と診断し得る。
【0102】
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみによって具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現され得、このような具現は上述した実施形態の記載から当業者であれば容易に具現できるであろう。
【0103】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0104】
また、上述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であって、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、多様な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0105】
10:バッテリーパック
20:充放電装置
100:バッテリー管理装置
110:プロファイル生成部
120:制御部
130:記録部
200:測定部