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特許7585616制御回路、光通信方法、プログラム及び装着具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】制御回路、光通信方法、プログラム及び装着具
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/114 20130101AFI20241112BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20241112BHJP
【FI】
H04B10/114
G06F3/0346 425
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020051016
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021150895
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】菊地 正哲
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-077759(JP,A)
【文献】特開平11-122184(JP,A)
【文献】特開2016-122423(JP,A)
【文献】特表2020-500493(JP,A)
【文献】特開2007-295442(JP,A)
【文献】特開2013-143711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
G06F 3/0346
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段が取り付けられる対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段により検出された前記対象物の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、
選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定し、
選択された前記発光手段を設定された輝度値に応じて発光させる制御を行うことを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記姿勢検出手段は、前記対象物の傾斜角度を検出し、
前記姿勢検出手段により検出された前記対象物の傾斜角度に基づいて、前記発光手段を選択することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記姿勢検出手段は、前記複数の発光手段の位置を検出し、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の位置に基づいて、前記発光手段を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記姿勢検出手段は、前記複数の発光手段の傾斜角度を検出し、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の傾斜角度に基づいて、前記発光手段を選択することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の制御回路。
【請求項5】
外部に設置された撮影手段が撮影可能である発光手段を選択することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の制御回路。
【請求項6】
天頂に最も近い発光手段を選択することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の制御回路。
【請求項7】
所定の物体に取り付けられ、通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段の姿勢を検出し、
検出された前記複数の発光手段の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、
選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定し、
選択された前記発光手段を設定された輝度値に応じて発光させる制御を行うことを特徴とする光通信方法。
【請求項8】
コンピュータを、
所定の物体に取り付けられ、通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段、
前記複数の発光手段の姿勢を検出する姿勢検出手段、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択する選択手段、
選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定する設定手段、
前記選択手段により選択された前記発光手段を前記設定手段により設定された輝度値に応じて発光させる制御を行う発光制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
装着具において、
通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段と、
前記装着具の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出された前記装着具の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定し、選択された前記発光手段を設定された輝度値に応じて発光させる制御を行う制御回路と、
を備えることを特徴とする装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路、光通信方法、プログラム及び装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可視光通信技術を用いて、カメラにより可視光通信源を含む画像を撮影し、撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像に含まれる可視光通信源の位置を特定し、特定した位置に基づいて、所定の処理を行う技術が考えられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-147527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、可視光通信源をヘルメット等の物体に設置し、物体を携帯(装着)した被写体(移動体)の測位を行うことを想定した場合、物体を携帯する位置や被写体の姿勢等によってはカメラが可視光通信源を検出(追跡)できないおそれがあった。
【0005】
本願発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、光通信における発光源を容易に検出可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御回路は、
通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段が取り付けられる対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段により検出された前記対象物の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、
選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定し、
選択された前記発光手段を設定された輝度値に応じて発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る光通信方法は、
所定の物体に取り付けられ、通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段の姿勢を検出し、
検出された前記複数の発光手段の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、
選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定し、
選択された前記発光手段を設定された輝度値に応じて発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
コンピュータを、
所定の物体に取り付けられ、通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段、
前記複数の発光手段の姿勢を検出する姿勢検出手段、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択する選択手段、
選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定する設定手段、
前記選択手段により選択された前記発光手段を前記設定手段により設定された輝度値に応じて発光させる制御を行う発光制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る装着具は、
装着具において、
通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段と、
前記装着具の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出された前記装着具の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、選択された前記発光手段の個数が多いほど、選択された前記発光手段の輝度値をより小さい値に設定し、選択された前記発光手段を設定された輝度値に応じて発光させる制御を行う制御回路と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光通信における発光源を容易に検出可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る可視光通信システムの一例を示す図である。
図2】同実施形態に係る通信ユニットの構成の一例を示す図である。
図3】(a)は同実施形態に係るヘルメットにおけるLEDの配置の一例を示す側面図、(b)は同実施形態に係るヘルメットにおけるLEDの配置の一例を示す上面図である。
図4】(a)は同実施形態に係るLEDの発光態様の第1の例を示す図、(b)は同実施形態に係るLEDの発光態様の第2の例を示す図、(c)は同実施形態に係るLEDの発光態様の第3の例を示す図である。
図5】同実施形態に係るサーバの構成の一例を示す図である。
図6】同実施形態に係る通信ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の他の実施形態に係る通信ユニットの構成の一例を示す図である。
図8】(a)は同実施形態に係るヘルメットにおけるLEDの配置の一例を示す側面図、(b)は同実施形態に係るヘルメットにおけるLEDの配置の一例を示す上面図である。
図9】(a)は同実施形態に係るヘルメットにおけるLEDの配置の他の一例を示す側面図、(b)は同実施形態に係るヘルメットにおけるLEDの配置の他の一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る可視光通信システムを説明する。
【0013】
図1は、可視光通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、可視光通信システム1は、作業員300が装着するヘルメット101に取り付けられた通信ユニット100と、同様にヘルメット101に取り付けられたLED(Light Emitting Diode)102a、102b、102c(以下、LED102a、102b、102cのそれぞれを限定しない場合には、適宜「LED102」と称する)と、サーバ200とを含む。サーバ200は、撮影部201a、201b、201c、201d(以下、撮影部201a、201b、201c、201dのそれぞれを限定しない場合には、適宜「撮影部201」と称する)を含む。撮影部201は、空間における上部に取り付けられている。
【0014】
本実施形態においては、通信ユニット100がLED102の発光を制御し、LED102が送信対象の情報である作業員300又はヘルメット101のID(Identification)等に対応する光を発することにより情報を送信する。一方、サーバ200では、サーバ200内の撮影部201が撮影を行い、撮影により得られた光の画像からIDを取得する。
【0015】
図2は、通信ユニット100の構成の一例を示す図である。通信ユニット100は、光通信装置に対応し、図2に示すように、LED102a、102b、102cを接続し、制御部103、メモリ104、加速度センサ110、駆動部112、及び、電池150を含む。
【0016】
制御部103は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。制御部103は、メモリ104に記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することにより、通信ユニット100が具備する各種機能を制御する。
【0017】
メモリ104は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。メモリ104は、通信ユニット100における制御等に用いられる各種情報(プログラム等)を記憶する。
【0018】
加速度センサ110は、作業員300が移動することに伴う加速度を検出して、制御部103へ送信する。加速度の情報は、加速度の大きさ及び方向である。電池150は、通信ユニット100の作動に必要な電力を各部に供給する。
【0019】
制御部103には、姿勢検出部122、選択部124及び発光制御部126が構成される。
【0020】
姿勢検出部122は、加速度センサ110からの加速度の情報を取得する。次に、姿勢検出部122は、加速度の情報に基づいて、ヘルメット101の傾斜角度を取得する。次に、姿勢検出部122は、ヘルメット101の傾斜角度に基づいて、各LED102の傾斜角度を取得する。
【0021】
図3(a)はヘルメット101におけるLED102の配置の一例を示す側面図であり、図3(b)はヘルメット101におけるLED102の配置の一例を示す上面図である。図3に示す例では、LED102aはヘルメット101の中央部に取り付けられ、LED102bはヘルメット101の前部に取り付けられ、LED102cはヘルメット101の後部に取り付けられている。また、ヘルメット101にはつば101aが設けられている。
【0022】
ヘルメット101における各LED102の取り付け位置の情報は、メモリ104に記憶されている。姿勢検出部122は、メモリ104から各LED102の取り付け位置の情報を取得し、当該取り付け位置の情報と、ヘルメット101の傾斜角度とに基づいて、各LED102の傾斜角度を取得することができる。各LED102の傾斜角度は、そのLED102が天頂部に近いほど、小さな値となる。
【0023】
また、姿勢検出部122は、ヘルメット101の傾斜角度に基づいて、各LED102の相対的な位置を取得することもできる。具体的には、上述と同様、ヘルメット101における各LED102の取り付け位置の情報は、メモリ104に記憶されている。姿勢検出部122は、メモリ104から各LED102の取り付け位置の情報を取得し、当該取り付け位置の情報と、ヘルメット101の傾斜角度とに基づいて、各LED102の相対的な位置を取得することができる。
【0024】
選択部124は、姿勢検出部122が各LED102の傾斜角度を取得した場合、その各LED102の傾斜角度に基づいて、傾斜角度が最も小さいLED102を、天頂部に近いLED102として選択する。また、選択部124は、姿勢検出部122が各LED102の相対的な位置を取得した場合、その各LED102の相対的な位置に基づいて、天頂部に最も近いLED102を選択する。
【0025】
ここで、選択部124は、通常は天頂部に最も近い1つのLED102を選択するが、天頂部に近い複数のLED102を選択するようにしてもよい。天頂部に最も近い1つのLED102、又は、天頂部に近い複数のLED102が選択されるのは、撮影部201が空間内の上部に取り付けられているため、天頂部に近いLED102の方が他のLED102よりも撮影部201の撮影範囲に含まれる可能性が高いことによる。
【0026】
発光制御部126は、可視光通信によりIDを送信するために、選択部124によって選択されたLED102の発光制御を行う。
【0027】
具体的には、発光制御部126は、IDに応じて、選択されたLED102が発する、色相の時間的な変化に変調された任意の情報を含む所定の光を発光する発光パターンを決定する。更に、発光制御部126は、IDに対応する発光パターンの情報と、発光させるLED102の識別情報と、LED102が発する光の輝度値とを駆動部112へ出力する。
【0028】
ここで、発光制御部126は、選択部124により1つのLED102が選択された場合には、基準値を輝度値として設定する。一方、発光制御部126は、選択部124により複数のLED102が選択された場合には、基準値を、選択されたLED102の数で除算した値を輝度値に設定する。これにより、例えば、2つのLEDが選択された場合には、輝度値は基準値の1/2となり、3つのLEDが選択された場合には、輝度値は基準値の1/3となる。
【0029】
駆動部112は、発光制御部126からの発光パターンの情報及び輝度値に応じて、LED102が発する光について、取得した輝度値で色相を時間的に変化させるための駆動信号を生成する。更に、駆動部112は、発光させるLED102の識別情報に基づいて、LED102を特定し、その特定したLED102へ駆動信号を出力する。
【0030】
LED102は、駆動部112から出力される駆動信号に応じて、時間的に色相が変化する光を発する。発光色は3原色であり、可視光通信における色変調に用いる波長帯の色である赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかである。
【0031】
図4(a)はLED102の発光態様の第1の例を示す図、図4(b)はLED102の発光態様の第2の例を示す図、図4(c)はLED102の発光態様の第3の例を示す図である。
【0032】
ヘルメット101の傾斜が図4(a)に示すものである場合、選択部124は天頂部に最も近いLED102aを選択し、発光制御部126はLED102aを発光させる制御を行う。これにより、LED102aが発光する。ヘルメット101の傾斜が図4(b)に示すものである場合、選択部124は天頂部に最も近いLED102bを選択し、発光制御部126はLED102bを発光させる制御を行う。これにより、LED102bが発光する。ヘルメット101の傾斜が図4(c)に示すものである場合、選択部124は天頂部に最も近いLED102cを選択し、発光制御部126はLED102cを発光させる制御を行う。これにより、LED102cが発光する。
【0033】
図5は、サーバ200の構成の一例を示す図である。図5に示すように、サーバ200は、撮影部201a、201b、201c、201d(以下、撮影部201a、201b、201c、201dのそれぞれを限定しない場合には、適宜「撮影部201」と称する)、制御部202、メモリ205、操作部206、表示部207及び通信部208を含む。
【0034】
撮影部201aはレンズ203aを含み、撮影部201bはレンズ203bを含み、撮影部201cはレンズ203cを含み、撮影部201dはレンズ203dを含む(以下、レンズ203a、203b、203c、203dのそれぞれを限定しない場合には、適宜「レンズ203」と称する)。
【0035】
レンズ203は、ズームレンズ等により構成される。レンズ203は、操作部206からのズーム制御操作、及び、制御部202による合焦制御により移動する。レンズ203の移動によって撮影部201が撮影する撮影画角や光学像が制御される。
【0036】
撮影部201は、規則的に二次元配列された複数の受光素子により受光面が構成される。受光素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮影デバイスである。撮影部201は、レンズ203を介して入光された光学像を、制御部202からの制御信号に基づいて所定範囲の撮影画角で撮影(受光)し、その撮影画角内の画像信号をデジタルデータに変換してフレームを生成する。また、撮影部201は、撮影とフレームの生成とを時間的に連続して行い、連続するフレームを制御部202に出力する。
【0037】
制御部202は、例えばCPUによって構成される。制御部202は、メモリ205に記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することにより、サーバ200が具備する各種機能を制御する。
【0038】
制御部202は。撮影部201から出力されたフレーム(デジタルデータ)について、表示部207にスルー画像として表示させるべく、画質や画像サイズを調整する。また、制御部202は、操作部206からの記録指示操作に基づく制御信号が入力されると、記録指示された時点の撮影部201における撮影画角内、あるいは、表示部207に表示される表示範囲内の光学像を、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮符号化方式にて符号化、ファイル化する機能を有する。
【0039】
メモリ205は、例えばRAMやROMである。メモリ205は、サーバ200における制御等に用いられる各種情報(プログラム等)を記憶する。通信部208は、例えばLAN(Local Area Network)カードである。通信部208は、外部の通信装置との間で通信を行う。
【0040】
操作部206は、テンキーやファンクションキー等によって構成され、ユーザの操作内容を入力するために用いられるインタフェースである。表示部207は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。表示部207は、制御部202から出力された画像信号に従って画像を表示する。
【0041】
制御部202には、位置検出部232及び復号部234が構成される。位置検出部232は、フレームにおけるLED102の発光位置を検出する。
【0042】
復号部234は、位置検出部232により検出されたLED102の発光位置における赤、緑、青の各色に対応するビットデータ列を復号するよう制御し、可視光通信における通信対象の情報であるIDを取得する。
【0043】
以下、フローチャートを参照しつつ、通信ユニット100の動作を説明する。図6は、通信ユニット100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0044】
制御部103内の姿勢検出部122は、加速度センサ110からの加速度の情報に基づいて、ヘルメット101の傾斜角度を取得する(ステップS101)。次に、姿勢検出部122は、ヘルメット101の傾斜角度に基づいて、各LED102の傾斜角度又は各LED102の相対的な位置を取得する(ステップS102)。
【0045】
制御部103内の選択部124は、姿勢検出部122が各LED102の傾斜角度を取得した場合、その各LED102の傾斜角度に基づいて、天頂部に近いLED102を選択する。また、選択部124は、姿勢検出部122が各LED102の相対的な位置を取得した場合、その各LED102の相対的な位置に基づいて、天頂部に最も近いLED102を選択する(ステップS103)。
【0046】
制御部103内の発光制御部126は、可視光通信によりIDを送信するために、選択部124によって選択されたLED102の発光制御を行う(ステップS104)。
【0047】
このように本実施形態では、通信ユニット100は、LED102が取り付けられたヘルメット101の傾斜角度に基づいて、各LED102の傾斜角度又は各LED102の相対的な位置を取得し、これらの傾斜角度又は相対的な位置に基づいて、天頂部に最も近いLED102を選択し、そのLED102に対して可視光通信によりIDを送信するための発光制御を行う。
【0048】
これにより、発光するLED102は、空間の上部に設置された撮影部201の撮影範囲に含まれる可能性が高くなり、発光するLED102を選択することによる省電力化を図るとともに、可視光通信の確実性を維持することができる。
【0049】
一方、複数のLED102の発光も可能とすることで、可視光通信の確実性を更に向上させることができる。更には、複数のLED102を発光させる場合には、個々のLED102の輝度を下げることで、省電力化を図ることができる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、1つの通信ユニット100が複数のLED102の発光を制御したが、LED102毎に、当該LED102の発光を制御する通信ユニットが設けられてもよい。
【0052】
図7は、他の実施形態に係る通信ユニットの構成の一例を示す図である。図7に示す通信ユニット100aは、LED102aの発光制御のみを行う。通信ユニット100aは、図2に示す通信ユニット100と比較すると、通信部108が新たに設けられ、1つのLED102aのみを接続してLED102aと一体化されている点で異なる。
【0053】
通信部108は、例えばLANカードである。通信部108は、LED102a以外のLED102の発光制御を行う他の通信ユニット100との間で有線又は無線による通信を行う。
【0054】
制御部103内の姿勢検出部122は、上述した実施形態と同様、加速度センサ110からの加速度の情報に基づいて、ヘルメット101の傾斜角度を取得する。次に、姿勢検出部122は、ヘルメット101の傾斜角度に基づいて、LED102aの傾斜角度を取得する。
【0055】
選択部124は、通信部108を介して、他の通信ユニット100内の選択部124と相互にLED102の傾斜角度のやりとりを行う。そして、選択部124は、各LED102の傾斜角度に基づいて、LED102aが最も傾斜角度が小さいか否か、換言すれば、LED102aが天頂部に最も近いか否かを判定し、最も近い場合には、LED102aを選択する。
【0056】
発光制御部126は、選択部124によりLED102aが選択された場合、当該LED102aを用いて、可視光通信によりIDを送信するために、選択部124によって選択されたLED102の発光制御を行う。具体的な処理は上述した実施形態と同様である。
【0057】
また、上述した実施形態では、撮影部201が空間内の上部に取り付けられていることに対応して、撮影部201の撮影範囲に含まれる可能性が高いLED102として、天頂部に近いLED102を発光させるようにした。同様にして、撮影部201の取り付け位置に応じて、撮影部201の撮影範囲に含まれる可能性が高いLED102が選択されるようにすればよい。
【0058】
また、ヘルメット101におけるLED102の配置は図3に示すもの以外にも様々な配置が考えられる。例えば、図8(a)、(b)に示すように、ヘルメット101の側面部に複数のLED102d、102eが取り付けられてもよいし、図9(a)、(b)に示すように、ヘルメット101の前部に、複数のLED102b、102fが取り付けられてもよい。
【0059】
更には、ヘルメット101の中央部のLED102の他に、前後のそれぞれに2つずつLED102が取り付けられていてもよい。この場合、ヘルメット101の中央部が天頂部に近い場合は、前後のLED102も中央部のLED102とともに点灯する。また、ヘルメット101が傾斜している場合には、傾斜角度に応じて天頂部に近いと見なされる複数のLED102が点灯する。複数のLED102を発光させる場合には、個々のLED102の輝度を下げることで、省電力化を図ってもよい。
【0060】
例えば、上述した実施形態では、通信ユニット100による送信対象の情報は、作業者300又はヘルメット101のIDであったが、これに限定されず、作業者300又はヘルメット101の位置情報や障害等の情報であってもよい。
【0061】
また、上述した実施形態では、可視光である赤、緑、青の光を通信に用いる場合について説明したが、他の色の可視光を用いてもよい。また、可視光通信に限定されず、光通信を行うものであれば、本発明を適用することができる。
【0062】
また、光源はLED102に限定されない。例えば、表示装置を構成するLCD、PDP、ELディスプレイ等の一部に光源が構成されていてもよい。
【0063】
また、サーバ200は、撮影部201が設けられて撮影が可能であれば、どのような装置でもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read - Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto - Optical disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0065】
また、プログラムをインターネット等のネットワーク上の所定のサーバが有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0066】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0068】
(付記1)
通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段が取り付けられる対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段により検出された前記対象物の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、
選択された前記発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする制御回路。
【0069】
(付記2)
前記姿勢検出手段は、前記対象物の傾斜角度を検出し、
前記姿勢検出手段により検出された前記対象物の傾斜角度に基づいて、前記発光手段を選択することを特徴とする付記1に記載の制御回路。
【0070】
(付記3)
前記姿勢検出手段は、前記複数の発光手段の位置を検出し、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の位置に基づいて、前記発光手段を選択することを特徴とする付記1又は2に記載の制御回路。
【0071】
(付記4)
前記姿勢検出手段は、前記複数の発光手段の傾斜角度を検出し、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の傾斜角度に基づいて、前記発光手段を選択することを特徴とする付記1~3の何れか1つに記載の制御回路。
【0072】
(付記5)
外部に設置された撮影手段が撮影可能である発光手段を選択することを特徴とする付記1~4の何れか1つに記載の制御回路。
【0073】
(付記6)
天頂に最も近い発光手段を選択することを特徴とする付記1~5の何れか1つに記載の制御回路。
【0074】
(付記7)
選択された前記発光手段の数に応じて、前記発光手段の輝度を制御することを特徴とする付記1~6の何れか1つに記載の制御回路。
【0075】
(付記8)
所定の物体に取り付けられ、通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段の姿勢を検出し、
検出された前記複数の発光手段の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択し、
選択された前記発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする光通信方法。
【0076】
(付記9)
コンピュータを、
所定の物体に取り付けられ、通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段、
前記複数の発光手段の姿勢を検出する姿勢検出手段、
前記姿勢検出手段により検出された前記複数の発光手段の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択する選択手段、
前記選択手段により選択された前記発光手段を発光させる制御を行う発光制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【0077】
(付記10)
装身具において、
通信対象の情報に対応する光を発することが可能な複数の発光手段と、
前記装身具の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出された前記装着具の姿勢に基づいて、前記複数の発光手段の中から1又は複数の発光手段を選択する選択し、選択された前記発光手段を発光させる制御を行う制御回路と、
を備えることを特徴とする装着具。
【符号の説明】
【0078】
1…可視光通信システム、100、100a…通信ユニット、101…ヘルメット、101a…つば、102、102a、102b、102c、102d、102e、102f…LED、103、202…制御部、104、205…メモリ、108、208…通信部、110…加速度センサ、112…駆動部、122…姿勢検出部、124…選択部、126…発光制御部、150…電池、200…サーバ、201、201a、201b、201c、201d…撮影部、203a、203b、203c、203d…レンズ、206…操作部、207…表示部、232…位置検出部、234…復号部、300…作業員
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