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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】テープディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B65H35/07 F
B65H35/07 N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020075627
(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公開番号】P2021172465
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】中村 昌浩
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-034874(JP,A)
【文献】実開昭53-002387(JP,U)
【文献】実開昭63-126367(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0008014(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、
前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、
前記先端部離間手段が、使用者の手指による直接の押圧操作を受けることにより移動して前記テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部であるテープディスペンサ。
【請求項2】
テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、
前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、
前記先端部離間手段が、前記テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部であり、
前記テープ体支持部、前記切断部、及び、前記保持部を有したテープディスペンサ本体と、このテープディスペンサ本体に対して相対動作可能に支持された前記テープ押出部とを備えたものであり、
前記テープ押出部が、前記テープディスペンサ本体の下側に位置し使用者による上方向の押圧操作を受け得る被押圧部分を有しているテープディスペンサ。
【請求項3】
テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、
前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、
前記先端部離間手段が、前記テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部であり、
前記テープ体支持部、前記切断部、及び、前記保持部を有したテープディスペンサ本体と、このテープディスペンサ本体に対して相対動作可能に支持された前記テープ押出部とを備えたものであり、
前記テープ押出部が、前記テープ体と前記切断部との間に位置するテープ軌道上に位置する押出位置と、前記テープ軌道から退避した退避位置との間で移動可能に構成されたものであり、
前記押出位置にある前記テープ押出部が、使用者により行われる前記テープの切断操作に伴って、自動的に前記退避位置の方向に移動し得るように構成されているテープディスペンサ。
【請求項4】
前記テープ押出部が、前記切断部と前記保持部との間に設けられている請求項1、2又は3記載のテープディスペンサ。
【請求項5】
前記テープ押出部が、前記テープの粘着面側に当接して当該テープを押し出し得るものである請求項1、2、3又は4記載のテープディスペンサ。
【請求項6】
前記押出位置にある前記テープ押出部と前記テープディスペンサ本体との間に抵抗部が設けられたものであり、
前記抵抗部が、前記切断操作に伴う所定の押圧力を受けた場合に、前記テープ押出部が前記退避位置の方向に移動し得るように構成されたものである請求項3記載のテープディスペンサ。
【請求項7】
前記テープ体が、中心部に円筒部を有したテープコアに巻回されてなるものであり、
前記テープ体支持部が、前記テープ体を保持した前記テープコアを回転可能に支持するものである請求項1、2、3、4、5又は6記載のテープディスペンサ。
【請求項8】
テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、
前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、
前記先端部離間手段が、前記切断部を前記テープの延伸方向と交差する方向に退避させ得るようにしたものであるテープディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テープの先端部に折り返し部分を形成することができるように構成されたテープディスペンサが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に示された従来のテープディスペンサによれば、使用者は、テープの先端部に形成された折り返し部分を手指で摘むことができるため、テープを外方に引き出し易いものとなっている。
【0004】
しかしながら、従来のものは、テープの粘着面同士を接合することにより折り返し部分を形成するため、貼付対象物に貼り付けできる粘着面の有効面積を実質的に減少させてしまうものとなっている。
【0005】
また、従来のものは、テープを引き出した後に、折り返し部分が不要ないし邪魔であることが判明したような場合には、当該折り返し部分を別途ハサミやカッターを用いて切断する等の余計な作業が強いられてしまうことになる。
【0006】
さらに、従来のものは、固定保持部よりも前側に配した可動保持部が固定保持部に対して前後方向に可動する構造であるため、可動保持部の可動領域を確保しなければならず、小型化を図り難いものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開平6-5887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、テープの先端部を摘みやすいテープディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0010】
請求項1に記載の発明は、テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、前記先端部離間手段が、使用者の手指による直接の押圧操作を受けることにより移動して前記テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部であるテープディスペンサである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、前記先端部離間手段が、前記テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部であり、前記テープ体支持部、前記切断部、及び、前記保持部を有したテープディスペンサ本体と、このテープディスペンサ本体に対して相対動作可能に支持された前記テープ押出部とを備えたものであり、前記テープ押出部が、前記テープディスペンサ本体の下側に位置し使用者による上方向の押圧操作を受け得る被押圧部分を有しているテープディスペンサである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、前記先端部離間手段が、前記テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部であり、前記テープ体支持部、前記切断部、及び、前記保持部を有したテープディスペンサ本体と、このテープディスペンサ本体に対して相対動作可能に支持された前記テープ押出部とを備えたものであり、前記テープ押出部が、前記テープ体と前記切断部との間に位置するテープ軌道上に位置する押出位置と、前記テープ軌道から退避した退避位置との間で移動可能に構成されたものであり、前記押出位置にある前記テープ押出部が、使用者により行われる前記テープの切断操作に伴って、自動的に前記退避位置の方向に移動し得るように構成されているテープディスペンサである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記テープ押出部が、前記切断部と前記保持部との間に設けられている請求項1、2又は3記載のテープディスペンサである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記テープ押出部が、前記テープの粘着面側に当接して当該テープを押し出し得るものである請求項1、2、3又は4記載のテープディスペンサである。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記押出位置にある前記テープ押出部と前記テープディスペンサ本体との間に抵抗部が設けられたものであり、前記抵抗部が、前記切断操作に伴う所定の押圧力を受けた場合に、前記テープ押出部が前記退避位置の方向に移動し得るように構成されたものである請求項3記載のテープディスペンサである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記テープ体が、中心部に円筒部を有したテープコアに巻回されてなるものであり、前記テープ体支持部が、前記テープ体を保持した前記テープコアを回転可能に支持するものである請求項1、2、3、4、5又は6記載のテープディスペンサである。
【0017】
請求項8に記載の発明は、テープがロール状に巻回されてなるテープ体を回転可能に支持し得るテープ体支持部と、前記テープ体から引き出されたテープを切断する切断部と、前記テープが一時的に接着して保持される保持部とを備えたテープディスペンサであって、前記テープの先端部を前記切断部から離間させる先端部離間手段を設けたものであり、
前記先端部離間手段が、前記切断部を前記テープの延伸方向と交差する方向に退避させ得るようにしたものであるテープディスペンサである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、テープの先端部を摘みやすいテープディスペンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における正面図。
図3】同実施形態における背面図。
図4】同実施形態における右側面図。
図5】同実施形態における左側面図。
図6】同実施形態における平面図。
図7】同実施形態における底面図。
図8】同実施形態における分解斜視図。
図9図2におけるX-X線断面図。
図10】同実施形態における作動説明図。
図11】同実施形態における作動説明図。
図12】同実施形態における使用態様の一例を説明する斜視図。
図13】同実施形態における使用態様の一例を説明する斜視図。
図14】同実施形態における使用態様の一例を説明する平面図。
図15】同実施形態における斜視図。
図16】同実施形態における斜視図。
図17】同実施形態における斜視図。
図18】他の実施形態を示す断面図。
図19】他の実施形態を示す断面図。
図20】他の実施形態を示す断面図。
図21】他の実施形態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図1~17を参照して説明する。
【0022】
この実施形態は、テープTであるマスキングテープを保持し得るテープディスペンサDに適用したものである。
【0023】
テープディスペンサDは、テープディスペンサ本体Aと、テープTを保持しテープディスペンサ本体Aに対して回転可能に支持されたリフィルBと、テープディスペンサ本体Aに対して相対移動すなわち直線的に進退動作可能に支持されたテープ押出部Cを備えたものである。テープ押出部Cは、テープTの先端部stを切断部5から離間させる先端部離間手段を構成するものである。
【0024】
この実施形態のテープディスペンサDは、前後方向の寸法が3cm程度に設定された比較的小型サイズのものである。
【0025】
以下、テープディスペンサDの各構成について詳述する。
【0026】
<<テープディスペンサ本体A>>
テープディスペンサ本体Aは、左右の側壁1、2と、左右の側壁1、2間に架設されたテープ体支持部たるリフィル支持軸3と、左右の側壁1、2間に架設されテープ体Rから引き出されたテープTが一時的に接着して保持される保持部4と、左右の側壁1、2間に架設されテープ体Rから引き出されたテープTを切断する刃51を有した切断部5とを備えている。
【0027】
<左右の側壁1、2>
左右の側壁1、2は、対をなしており略同一の形状をなしている。左右の側壁1、2は、それぞれ前側に向かって漸次上下寸法が短くなる形状をなした概略横向き卵形状をなしている。
【0028】
左右の側壁1、2は、側面視において部分円弧状をなす後の部分円弧縁e1と、後の部分円弧縁e1に連続して前方に延び上側の縁部を構成する上の直線縁e2と、後の部分円弧縁e1に連続して前方に延び下側の縁部を構成する下の直線縁e3と、側面視において部分円弧状をなし上の直線縁e2の前端及び下の直線縁e3の前端とを繋ぐ前の部分円弧縁e4を備えている。そして、左右の側壁1、2は、上の直線縁e2と下の直線縁e3とが、後側から前側に向かって漸次近づく形状をなしている。
【0029】
左の側壁1は、図5に示すように、外側面にテープコアMと連結し得る連結部Sを構成する係合部たる凹部11が複数設けられている。この実施形態では、凹部11は、六箇所に配設されている。六箇所の凹部11は、リフィル支持軸3の軸心を取り囲むように当該軸心に対して略等距離の位置に設けられている。六箇所の凹部11の内、隣合う凹部11は互いに等間隔をなすように配設されている。
【0030】
左の側壁1における後端縁には、使用者の指に掛かり得る滑り止め用の突起12が複数すなわち上下に二つ設けられている。
【0031】
左の側壁1の内面には、後から前に向かって順に、リフィル支持軸3、保持部4、及び、切断部5がそれぞれ右の側壁2側に向かって突設されている。左の側壁1の内面側におけるリフィル支持軸3の周りには、テープコアMにおける左の側板m3が配設されるドーナツ形状の凹み部13が形成されている。
【0032】
なお、凹み部13には、テープコアMが左右反転してテープディスペンサ本体Aに装着された場合における右の側板m2に突設された凸部21が収容されるものとなっている。
【0033】
右の側壁2は、図4に示すように、後部の外側面側にテープコアMと連結し得る連結部Sを構成する係合部たる凸部21が複数設けられている。この実施形態では、凸部21は、二箇所に配設されている。二箇所の凸部21は、リフィル支持軸3の軸心に対して略等距離の位置に設けられている。二箇所の凸部21は、リフィル支持軸3の軸心を中心に対称に配設されている。
【0034】
右の側壁2の内面には、後から前に向かって順に、左の側壁1に立設されたリフィル支持軸3における中空部分31に挿入される円筒状の支持軸支持部材22、左の側壁1に立設された保持部4における中空部分41に挿入される板状の保持部支持部材23、及び、左の側壁1に立設された切断部5における先端の嵌合突起52が嵌合し得る図示しない嵌合凹部が設けられている。
【0035】
リフィルBをテープディスペンサ本体Aに装着する場合には、まず、左の側壁1と右の側壁2とを離脱させておき、左の側壁1に設けられたリフィル支持軸3を、リフィルBの軸孔m11に挿入する。次いで、左右の側壁1、2同士を突き合わせて、右の側壁2に設けられた支持軸支持部材22、保持部支持部材23、及び、図示しない嵌合凹部を、左の側壁1に設けられたリフィル支持軸3の中空部分31、保持部4の中空部分41、及び、嵌合突起52に係わり合わせる。リフィルBはテープディスペンサ本体Aに対して使用可能な状態に保持されることになる。一方で、左右の側壁1、2を互いに離間させれば、リフィルBを取り外したり他のリフィルBを交換したりすることができるようになっている。
【0036】
<リフィル支持軸3>
リフィル支持軸3は、左右方向に延びてなるものである。リフィル支持軸3は、円筒状をなしており、内部の中空部分31には右の側壁2に立設された支持軸支持部材22が挿入されるようになっている。
【0037】
リフィル支持軸3は、テープTがロール状に巻回されてなるテープ体Rを保持してなるリフィルBを回転可能に支持し得るものである。すなわち、リフィル支持軸3は、リフィルBの円筒部m1に形成された左右方向に貫通する軸孔m11に挿入されるものである。
【0038】
<保持部4>
保持部4は、左右方向に延びてなるものである。保持部4は、リフィル支持軸3よりも前に配設されている。保持部4は、角筒状をなしており、内部の中空部分41には右の側壁2に立設された保持部支持部材23が挿入されるようになっている。
【0039】
保持部4は、上端面にテープ体Rから引き出されたテープTの一部が一時的に接着し得るテープ接着部分42を備えている。テープ接着部分42は、側面視において後側から前側に向かって漸次下降するような傾斜面により構成されている。なお、テープ接着部分42の仮想延長線上には、切断部5における刃51の先端が位置するようになっている。
【0040】
保持部4の前面は起立面になっている。保持部4の背面はリフィル支持軸3に支持されたリフィルBに干渉しないように上下方向中間部が上下の端部よりも前方に凹んだ湾曲面をなしている。保持部4の下面は前方から後方に向かって漸次下降する傾斜面をなしている。
【0041】
<切断部5>
切断部5は、左右方向に延びてなり上端部にテープ体Rから引き出されたテープTを切断し得る刃51を有するものである。切断部5は、保持部4よりも前に配設されている。切断部5は、起立板状をなしている。左の側壁1から延出した切断部5の延出端には右の側壁2に形成された図示しない嵌合凹部に内嵌する嵌合突起52が設けられている。
【0042】
切断部5の背面には上下の二箇所に山形に凹んだ上下の係止凹部53、54が形成されている。上下の係止凹部53、54は、テープ押出部Cの弾性係合部62と協働して後述する抵抗部Uを構成するものである。
<<リフィルB>>
リフィルBは、テープコアMと、テープコアMに対してテープTをロール状に巻回させたテープ体Rとによって構成されたものである。
【0043】
テープコアMは、テープTを巻回することによりロール状に形成されたテープ体Rを保持している。テープコアMは、テープディスペンサ本体Aに装着されて用いられる。
【0044】
テープコアMは、中心部に設けられた左右方向に延びてなる円筒部m1と、円筒部m1の左右両端部に設けられた左右に対をなす側板m3、m2と、左右の側板m3、m2に設けられ、同一形状をなす他のテープコアMと連結可能な連結部Sとを備えたものである。
【0045】
詳しくは後述するように、この実施形態のテープコアMは、同一形状をなす他のテープコアMと連結部Sを介して連結可能な構成をなしている。
【0046】
<円筒部m1>
円筒部m1は、左右方向に貫通した円筒状をなしている。すなわち、円筒部m1には、リフィル支持軸3が挿入される軸孔m11を有している。テープコアMは、円筒部m1の軸孔m11に対してテープディスペンサ本体Aに設けられたリフィル支持軸3が挿入されることにより、テープディスペンサ本体Aに対して回転可能に支持されている。
【0047】
<左右の側板m3、m2>
左右の側板m3、m2は、それぞれ円筒部m1の端縁から鍔状に延出してなる側面視略ドーナツ形状をなしたものである。
【0048】
<連結部S>
テープコアMに設けられた連結部Sは、同一構造をなす他のテープコアMと連結するためのものである。この実施形態では、テープコアMの左右の側板m3、m2にそれぞれ連結部Sを設けているため、当該テープコアMに対して同一構造をなす他のテープコアMを左右にそれぞれ連結することができるようになっている。
【0049】
換言すれば、テープコアMにテープTを巻回したリフィルBを複数準備すれば、それら複数のリフィルBを連結部Sによって横方向に順に数珠繋ぎ状に連結することができるようになっている。
【0050】
連結部Sは、左右の側板m3、m2にそれぞれ設けられている。より具体的に言えば、連結部Sは、一方の側板たる右の側板m2に設けられた凸部r1と、他方の側板たる左の側板m3に設けられ凸部r1が係合し得る係合部たる係合孔r2とによって構成されたものである。
【0051】
テープコアMにおける右の側板m2に設けられた凸部r1は、同一構造をなす他のテープコアMにおける左の側板m3に設けられた係合孔r2に内嵌することにより、二つのテープコアM、Mが相互に連結し得るものとなっている。
【0052】
テープコアMにおける左の側板m3に設けられた係合孔r2は、同一構造をなす他のテープコアMにおける右の側板m2に設けられた凸部r1に外嵌することにより、二つのテープコアM、Mが相互に連結し得るものとなっている。
【0053】
まず、右の側板m2に設けられた凸部r1について説明する。
【0054】
凸部r1は、円筒状をなしている。凸部r1は、右の側板m2の外面から外方に向かって突設されている。凸部r1は、複数すなわち二箇所に配設されている。二箇所の凸部r1は、円筒部m1の軸心に対して略等距離の位置に設けられている。二箇所の凸部r1は、円筒部m1の軸心を中心に略対称の位置に配設されている。
【0055】
次に、左の側板m3に設けられた係合孔r2について説明する。
【0056】
係合孔r2は、円柱状の凸部r1に外嵌し得る大きさに形成された丸孔状のものである。係合孔r2は左右方向に貫通した貫通孔である。係合孔r2は複数すなわち六箇所に配設されている。六箇所の係合孔r2は、円筒部m1の軸心を取り囲むように軸心に対して略等距離の位置に設けられている。六箇所の係合孔r2は、互いに等間隔をなすように配設されている。
【0057】
この実施形態では、左の側板m3に設けられた係合孔r2の数が、右の側板m2に設けられた凸部r1の数よりも多く設定されている。テープコアMの凸部r1及び係合孔r2をこのように設定したものであると、テープコアMの凸部r1を、他のテープコアMにおける係合孔r2に対して接続するための作業がし易いものとなっている。
【0058】
つまり、使用者は、二箇所の凸部r1を六箇所の係合孔r2の何れかに嵌合させるように操作することができるため、凸部r1と係合孔r2とを気楽な突き合わせ操作(ラフな感じに突き合わせる操作)によってテープコアMを他のテープコアMに対して接続することができるようになっている。
【0059】
また、凸部r1の数を係合孔r2の数よりも少なくすることにより、形状的に目に付きやすく意匠性を損ねやすい凸部r1の数を抑制することができるものとなり、テープコアM全体における好適な外観の確保に資するものとなる。
【0060】
さらに、凸部r1の形成に関する金型の調整には比較的工数を要するものであるため、凸部r1の数を係合孔r2の数よりも少なくすることにより、金型の調整に関する調整工数の低減に資するものとなる。
【0061】
また、図12~14に示すように、テープコアMの連結部Sは、テープディスペンサDの外側部すなわちテープディスペンサ本体Aにおける左右の側壁1、2に設けた連結部S(凹部11又は凸部21)に対しても連結可能に構成されている。
【0062】
さらに、図15~17に示すように、テープコアMの連結部S(凸部r1)は、テープ巻き替え器Eに設けられた操作ハンドルJと直結する回転板Kの連結部S(係合孔k1)に対しても連結可能に構成されている。なお、テープ巻き替え器Eのより具体的な構成については、後で詳述するものとする。
【0063】
<<テープ押出部C>>
テープ押出部Cは、テープディスペンサ本体Aに対して進退動作可能に支持されたものである。テープ押出部Cは、使用者の操作によりテープディスペンサ本体Aに対して移動し、テープTを当該テープTの延伸方向と交差する方向に押し出し得るように構成されている。
【0064】
テープ押出部Cは、上端部にテープTの粘着面nm側に当接する押出ヘッド61が形成された上下方向に延びてなる上部分6と、上部分6の下端部から斜め後下方に向かって延設された下部分7とを備えたものである。テープ押出部Cは、上部分6と下部分7とによって側面視においてくの字状をなしている。
【0065】
<上部分6>
上部分6は、全体として左右方向及び上下方向に延びた板状をなしている。上部分6には、上端部に設けられテープTに接触し得る押出ヘッド61と、上下方向中間部の正面視右側に下端部が自由端になるように片持ち状に設けられ下端部である先端部に切断部5における上下の係止凹部53、54と係止し得る係止凸部62aを有した弾性係合部62とを備えている。上部分6は、切断部5と保持部4との間に形成された上下方向に延びた隙間skに位置し、当該隙間skに案内されて上下方向に移動し得るものとなっている。
【0066】
押出ヘッド61は、上端よりも下の部位に前方に突出した移動規制部61aが形成されている。移動規制部61aは、テープ押出部Cが退避位置(Q)に位置する際に切断部5の上部と係わり合い、当該テープ押出部Cが退避位置(Q)よりも下方に移動することを規制し得るものとなっている。
【0067】
弾性係合部62は、所定の押圧力を受けるまでテープ押出部Cが押出位置(P)又は退避位置(Q)に移動しないようにする抵抗部Uを構成するものである。つまり、弾性係合部62は、切断部5に設けられた上の係止凹部53又は下の係止凹部54の何れかに選択的に係合し、テープ押出部Cを押出位置(P)と退避位置(Q)に節度係止し得るものである。
【0068】
より具体的に言えば、テープ押出部Cが押出位置(P)にある場合には、弾性係合部62の係止凸部62aが切断部5における上の係止凹部53に弾性的に係合することにより、テープ押出部Cを押出位置(P)に保持し得るものとなっている。また、テープ押出部Cが退避位置(Q)にある場合には、弾性係合部62の係止凸部62aが切断部5における下の係止凹部54に係合することにより、テープ押出部Cを退避位置(Q)に保持し得るものとなっている。
【0069】
<下部分7>
下部分7は、上部分6の下端部から一体に斜め下後方に向かって延出した板状をなしている。
【0070】
テープ押出部Cの下部分7は、テープディスペンサ本体Aにおける保持部4の下側に位置し使用者による上方向の押圧操作を受け得る被押圧部分71を有している。すなわち、退避位置(Q)にあるテープ押出部Cの被押圧部分71を、使用者の手指によって上方に押圧することにより、抵抗部Uによる抵抗に抗してテープ押出部Cが押出位置(P)に移動し得るものとなっている。
【0071】
この過程で、テープ押出部Cは、テープ体Rから引き出されたテープTを下方から上方に押し出すことになる。そして、テープ押出部Cが押出位置(P)に至ると、テープTの先端部stは使用者の指先が入り込める程度に切断部5から離間することになり、使用者はテープTの先端部stを手指で摘みやすくなっている。
【0072】
テープ押出部Cは、テープ体Rと切断部5との間に位置するテープ軌道kd上に位置する押出位置(P)と、テープ軌道kdから退避した退避位置(Q)との間で移動可能に構成されたものである。
【0073】
この実施形態では、テープ押出部Cは、切断部5と保持部4との間に設けられている。換言すれば、テープ押出部Cは、切断部5と保持部4との協働によって上下動可能に保持されている。
【0074】
テープ押出部Cは、退避位置(Q)から押出位置(P)に移動する間に、テープTにおける下面すなわち粘着面nm側に当接して当該テープTを上方に押し出し得るものである。
【0075】
なお、この実施形態では、押出位置(P)にあるテープ押出部Cが、使用者により行われるテープTの切断操作に伴って、自動的に退避位置(Q)の方向に移動し得るように構成されている。つまり、使用者がテープTの先端部stを摘みつつ外方すなわち前方に一定寸法のテープTを引き出し、その後、テープTを緊張させながら当該テープTを下降させて刃51によって切断させる操作を行うと、テープ押出部CがテープTにより押下されて退避位置(Q)に移動し得るようになっている。
【0076】
押出位置(P)にあるテープ押出部Cとテープディスペンサ本体Aとの間に抵抗部Uが設けられている。そのため、抵抗部Uは、上述した使用者による切断操作(テープTを降下させる操作)に伴う所定の下向きの押圧力を受けた場合に、抵抗部Uによる抵抗力に抗してテープ押出部Cが退避位置(Q)に方向に移動し得るようになっている。
【0077】
<<テープ巻き替え器E>>
リフィルBを構成するテープコアMを、連結部Sを介して連結可能な構成を有するテープ巻き替え器Eについて説明する。
【0078】
テープ巻き替え器Eは、図15~17に示すように、既製のテープ体Lから引き出されたテープTLをテープコアMに対して巻き替え可能なものである。テープ巻き替え器Eは、テープTLがロール状に巻回されてなる既製のテープ体Lを回転可能に保持している。また、テープ巻き替え器Eは、使用者による回転操作される操作ハンドルJが設けられている。操作ハンドルJの基端部には当該操作ハンドルJと一体に回転し得る回転板Kが設けられている。テープ巻き替え器Eは、回転板Kに対してもテープディスペンサDのテープコアMを取り付けることができるようになっている。
【0079】
すなわち、テープ巻き替え器Eは、既製のテープ体Lから引き出されたテープTLを操作ハンドルJの回転操作により回転板Kに連結されたテープコアMに対して巻き替え可能なものである。テープ巻き替え器Eは、既製のテープ体LからテープTLを引き出した上で、そのテープTLを再びテープコアMの円筒部m1に巻き付けることにより、既製のテープ体Lから一部のテープTLをテープコアM側に小分けすることができるようにしたものである。
【0080】
テープ巻き替え器Eは、テープコアMを離脱しないように保持し得る保持姿勢(a)とテープコアMを回転板Kに対して着脱可能な着脱可能姿勢(b)とを採り得るベース体Fと、ベース体Fに対して既製のテープ体Lを回転可能に支持し得るテープ体保持部Gと、ベース体Fに対して回転可能に支持された操作ハンドルJと、操作ハンドルJと一体的に回動しテープコアMが連結可能な連結部Sが設けられた回転板Kと、回転板Kに対して着脱可能に構成されたテープコアMとを備えたものである。
【0081】
回転板Kには、テープコアMに設けた二つの連結部たる凸部r1に対応する位置に、当該二つの凸部r1が外嵌し得る連結部たる係合孔k1が設けられている。ベースFを着脱可能姿勢(b)にした状態でテープコアMを回転板Kに連結部を介して取り付け、その後、展開姿勢(d)の第二ベース部材f2を使用姿勢(c)に変更することにより、保持姿勢(a)をなしたベースFがテープコアMを操作ハンドルJと一体的に回動し得るように保持し得るものとなっている。
【0082】
ベース体Fは、一方の起立壁f11を有した第一ベース部材f1と、他方の起立壁f21を有し第一ベース部材f1に対して他方の起立壁f21が略平行をなす使用姿勢(c)と他方の起立壁f21が天板等の載置面に対して略平行をなす展開姿勢(d)とを採り得るように構成された第二ベース部材f2と、第二部材を使用姿勢(c)にロックし得るロック機構Nを備えたものである。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係るテープディスペンサDは、テープTがロール状に巻回されてなるテープ体Rを回転可能に支持し得るテープ体支持部たるリフィル支持軸3と、テープ体Rから引き出されたテープTを切断する切断部5と、テープTが一時的に接着して保持される保持部4とを備えものである。そして、テープディスペンサDは、テープTを当該テープTの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部Cを備えている。
【0084】
このため、テープTの先端部stを摘みやすいテープディスペンサDを提供することができるものとなる。
【0085】
つまり、テープ押出部Cが、テープ体Rから引き出されたテープTを当該テープTの延伸方向と交差する方向に押し出し得るため、テープ押出部Cにより押し出されたテープTの先端部stは切断部5から離間して片持ち状の姿勢を採り得るものとなる。そのため、使用者は、片持ち状の姿勢をなしたテープTの先端部stを手指により容易に摘めるものとなっている。
【0086】
また、従来例のように、テープの粘着面同士を接合することにより折り返し部分を形成することがないため、テープT全体における粘着面nmの有効面積を実質的に縮小させてしまうことがなく、テープT全体を有効に使用し得るものとなっている。
【0087】
しかも、本実施形態のものであれば、テープ押出部CをテープTの延伸方向に沿って可動させる必要がないため、テープ押出部Cを設けつつテープディスペンサD全体の小型化を図りやすいものとなっている。換言すれば、テープディスペンサDの全体が小型化されたものであっても、テープ押出部Cを設けることによって、テープTを引き出そうとする際にテープTの先端部stを容易に持つことができるようになっている。
【0088】
テープ押出部Cが、切断部5と保持部4との間に設けられている。このため、テープ押出部CがテープTの先端部stを切断部5から好適に離間させ得るものとなっている。
【0089】
テープ押出部Cが、テープTの下面である粘着面nm側に当接して当該テープTを押し出し得るものである。このため、テープ押出部CとテープTとが接着ないし密接した状態を採りながらテープTを所定の方向に好適に押し出すことができるようになっている。
【0090】
テープ体支持部たるリフィル支持軸3、切断部5、及び、保持部4を有したテープディスペンサ本体Aと、テープディスペンサ本体Aに対して相対動作可能に支持されたテープ押出部Cとを備えたものである。そして、テープ押出部Cが、テープディスペンサ本体Aの下側に位置し使用者による上方向の押圧操作を受け得る被押圧部分71を有している。このため、使用者は、テープ押出部Cを下から上に向かって操作し易いものとなる。
【0091】
テープ押出部Cが、テープ体Rと切断部5との間に位置するテープ軌道kd上に位置する押出位置(P)と、テープ軌道kdから退避した退避位置(Q)との間で移動可能に構成されたものである。そして、押出位置(P)にあるテープ押出部Cが、使用者により行われるテープTの切断操作に伴って、自動的に退避位置(Q)の方向に移動し得るように構成されている。このため、テープディスペンサDを使用する使用者は、テープ押出部Cを直接的に触って当該テープ押出部Cを押出位置(P)から退避位置(Q)に戻す必要がないものとなっている。つまり、使用者によって行われる新たにテープTを引き出して切断する操作に伴わせて、押出位置(P)にあるテープ押出部Cを自動的に退避位置(Q)に戻すことができるようになっている。
【0092】
押出位置(P)にあるテープ押出部Cとテープディスペンサ本体Aとの間に抵抗部Uが設けられている。そして、抵抗部Uが、切断操作に伴う所定の押圧力を受けた場合に、テープ押出部Cが退避位置(Q)に方向に移動し得るように構成されたものである。つまり、テープ押出部Cは抵抗部Uが作用することにより、テープ押出部Cの自重のみにより押出位置(P)から退避位置(Q)に移動しないため、テープTの先端部stが使用者により摘みやすい状態に好適に保持されるものとなる。そして、使用者によって行われる新たにテープを引き出して切断する操作に伴わせて、テープに付与された押圧力によって押出位置(P)にあるテープ押出部Cを自動的に退避位置(Q)に戻すことができるようになっているので、使用者はテープ押出部Cを直接的に下降させる必要が無く操作の煩わしさを好適に低減させるものとなっている。
【0093】
テープ体Rが、中心部に円筒部m1を有したテープコアMに巻回されてなるものであり、テープ支持部が、テープ体Rを保持したテープコアMを回転可能に支持するものである。このため、テープコアMがテープディスペンサ本体Aに対して適切に回転し得るものとなり、テープTを好適に引き出し得るものとなる。しかも、テープディスペンサ本体Aに装着されるテープコアMを小型化させることによりテープディスペンサD全体の小型化を無理なく実現できるものとなっている。
【0094】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0095】
先端部離間手段は、テープの先端部を切断部から離間させるものであればよく、その具体的な構成は上述した実施形態のものに限られるものではない。先端部離間手段は、例えば、次のような構成のものであってもよい。
【0096】
図18及び図19に示すテープディスペンサDは、テープTがロール状に巻回されてなるテープ体Rを回転可能に支持し得るテープ体支持部と、テープ体Rから引き出されたテープTを切断する切断部5と、テープTが一時的に接着し保持される保持部4とを備えたものであり、切断部5がテープTの延伸方向と交差する方向すなわち上位置から下位置に向かって退避し得るように構成されている。つまり、この実施形態における先端部離間手段は、切断部をテープの延伸方向と交差する方向に退避させ得るようにしたものである。このような構成のものであっても、切断部5がテープTの延伸方向と交差する方向に退避してテープTの先端部から遠ざかるため、使用者によりテープTの先端部stを摘みやすいものとなっている。
【0097】
また、図20及び図21に示すテープディスペンサDは、テープTがロール状に巻回されてなるテープ体Rを回転可能に支持し得るテープ体支持部たるリフィル支持軸3と、テープ体Rから引き出されたテープTを切断する切断部5と、テープTが一時的に接着して保持される保持部4’とを備えたものであり、テープTを当該テープTの延伸方向と交差する方向に押し出し得るテープ押出部Cを備えている。そして、このテープディスペンサDは、テープ押出部Cが、切断部5及び保持部4’の後に設けられている。このようなものであっても、所期の目的を達成することができるものとなる。
【0098】
テープの種類は、種々のものと適用することができるものであり、マスキングテープに限られるものではない。
【0099】
テープ体支持部は、リフィルを支持するものに限られるものではなく、例えば、環状の芯材にテープを巻回させてなるテープ体を直接的に支持し得るものであってもよい。換言すれば、テープ体支持部に支持されるテープ体は、上述した実施形態に示されたようなテープコアに巻回されたものでなくてもよい。
【0100】
切断部は、テープ体から引き出されたテープを切断し得るものであればよく、例えば、刃の材質や形態は適宜の構成のものを適用し得るのは言うまでもない。
【0101】
保持部は、引き出されたテープの一部が一時的に接着して保持されるものであればよく、その配設する箇所は適宜選択することができるものである。例えば、切断部と保持部とを隣接する位置に設けたものであってもよいし、切断部が保持部を兼ねるものであってもよい。
【0102】
テープ押出部は、テープを当該テープの延伸方向と交差する方向に押し出し得るものであればよく、テープの延伸方向と直交する方向に押し出すものに限られるものではない。
【0103】
テープ押出部は、テープディスペンサ本体に対して相対動作可能に支持されたものであればよく、例えば、テープディスペンサ本体に対して回転可能に支持されたものであってもよい。
【0104】
テープ押出部には、必ずしも抵抗部を設ける必要はなく、例えば、自重によって押出位置から退避位置に移動し得るように構成されたものであってもよい。
【0105】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0106】
A…テープディスペンサ本体
B…リフィル
C…テープ押出部(先端部離間手段)
D…テープディスペンサ
E…テープ巻き替え器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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