(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】カードホルダー
(51)【国際特許分類】
A45C 11/18 20060101AFI20241112BHJP
G09F 1/10 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A45C11/18 Z
G09F1/10 H
G09F1/10 V
G09F1/10 Z
(21)【出願番号】P 2020084658
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】花川 陽一
(72)【発明者】
【氏名】伴 和典
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3030904(JP,U)
【文献】米国特許第05388739(US,A)
【文献】登録実用新案第3219258(JP,U)
【文献】特開2001-327638(JP,A)
【文献】登録実用新案第3209815(JP,U)
【文献】登録実用新案第3136355(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0373088(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/18
G09F 1/10
G06K 19/00
B42F 7/00
B42D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを保持可能な保持部を設けたカードホルダー本体と、このカードホルダー本体の表面及び背面を係脱可能に覆い得るカバーとを備えたカードホルダーであって、
前記カバーが、前記カードホルダー本体とは別体をなし、当該カードホルダー本体に対して分離可能に構成されているものであり、
板状をなす主壁と、この主壁に対して交差する方向に延設された周壁とを備えたものであり、
前記カバーが、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の表面の全部を覆うとともに前記カードホルダー本体の背面を
覆わずに露出させる表面被覆姿勢と、
前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の背面の全部を覆うとともに前記カードホルダーに保持された前記カードの縁部以外の外面を
覆わずに露出させる背面被覆姿勢とを選択的に採り得るものであるカードホルダー。
【請求項2】
カードを保持可能な保持部を設けたカードホルダー本体と、このカードホルダー本体の表面及び背面を係脱可能に覆い得るカバーとを備えたカードホルダーであって、
前記カバーが、前記カードホルダー本体とは別体をなし、当該カードホルダー本体に対して分離可能に構成されているものであり、
板状をなす主壁と、この主壁に対して交差する方向に延設された周壁とを備えたものであり、
前記カバーが、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の表面の全部を覆うとともに前記カードホルダー本体の背面を覆わずに露出させる表面被覆姿勢と、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の背面の全部を覆うとともに前記カードホルダーに保持された前記カードの縁部以外の外面を覆わずに露出させる背面被覆姿勢とを選択的に採り得るものであり、
前記カードホルダー本体が、前面側のみに設けられ前記カードを出し入れ可能な貫通窓と、この貫通窓を通じて挿入された前記カードの縁部に係わり合う係合部とを備えたものであり、前記貫通窓を通じて前記カードの前記縁部以外の外面を露出させた状態で当該カードを保持し得るものであるカードホルダー。
【請求項3】
前記カバーが、前記カードホルダー本体の外縁に、弾性変形により覆い被さるように装着可能である請求項1又は2記載のカードホルダー。
【請求項4】
前記カバーが、前記カードホルダー本体の表面を覆う場合に、当該カードホルダー本体に保持されたカードの表示部を隠蔽し得るものである請求項1、2又は3記載のカードホルダー。
【請求項5】
前記カードホルダー本体が、撓み変形可能な素材により一体成形されたものである請求項1、2、3又は4記載のカードホルダー。
【請求項6】
前記カードホルダー本体が、全体として矩形状をなしたものであり、上部に左右方向に貫通した紐挿通孔を備えたものであり、
前記紐挿通孔における左右の開口部がカードホルダー本体の左右の側端縁に形成されている請求項1、2、3、4又は5記載のカードホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを保持し得るカードホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IDカードの表面を露出させるタイプのIDカードホルダーが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、従来のものは、IDカードの表面側を常に露出させているため、IDカードの表面を損傷させる恐れがあった。
【0004】
また、従来におけるこの種のIDカードホルダーにおいては、背面側がカバーされ得る構成を有していなかった。しかしながら、執務における利便性を向上させるために、IDカードホルダーの背面側をカバーするというニーズも浮上しつつある。
【0005】
なお、以上の事情は、IDカードを保持するIDカードホルダーに限られるものではなく、それ以外のカードを保持し得るカードホルダーにおいても同様である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Sanctuary、「elago ID2 for ID CARD(Frosted white)」、[online]、株式会社サンクチュアリ、[令和2年4月22日検索]、インターネット<URL:http://www.comwap.co.jp/archives/17200>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、表面側及び背面側を好適にカバーできるカードホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0009】
請求項1に係る発明は、カードを保持可能な保持部を設けたカードホルダー本体と、このカードホルダー本体の表面及び背面を係脱可能に覆い得るカバーとを備えたカードホルダーであって、前記カバーが、前記カードホルダー本体とは別体をなし、当該カードホルダー本体に対して分離可能に構成されているものであり、板状をなす主壁と、この主壁に対して交差する方向に延設された周壁とを備えたものであり、前記カバーが、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の表面の全部を覆うとともに前記カードホルダー本体の背面を覆わずに露出させる表面被覆姿勢と、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の背面の全部を覆うとともに前記カードホルダーに保持された前記カードの縁部以外の外面を覆わずに露出させる背面被覆姿勢とを選択的に採り得るものであるカードホルダーである。
請求項2に係る発明は、カードを保持可能な保持部を設けたカードホルダー本体と、このカードホルダー本体の表面及び背面を係脱可能に覆い得るカバーとを備えたカードホルダーであって、前記カバーが、前記カードホルダー本体とは別体をなし、当該カードホルダー本体に対して分離可能に構成されているものであり、板状をなす主壁と、この主壁に対して交差する方向に延設された周壁とを備えたものであり、前記カバーが、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の表面の全部を覆うとともに前記カードホルダー本体の背面を覆わずに露出させる表面被覆姿勢と、前記主壁を主要部として前記カードホルダー本体の背面の全部を覆うとともに前記カードホルダーに保持された前記カードの縁部以外の外面を覆わずに露出させる背面被覆姿勢とを選択的に採り得るものであり、前記カードホルダー本体が、前面側のみに設けられ前記カードを出し入れ可能な貫通窓と、この貫通窓を通じて挿入された前記カードの縁部に係わり合う係合部とを備えたものであり、前記貫通窓を通じて前記カードの前記縁部以外の外面を露出させた状態で当該カードを保持し得るものであるカードホルダーである。
請求項3に係る発明は、前記カバーが、前記カードホルダー本体の外縁に、弾性変形により覆い被さるように装着可能である請求項1又は2記載のカードホルダーである。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記カバーが、前記カードホルダー本体の表面を覆う場合に、当該カードホルダー本体に保持されたカードの表示部を隠蔽し得るものである請求項1、2又は3記載のカードホルダーである。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記カードホルダー本体が、前記カードを出し入れ可能な貫通窓と、この貫通窓を通じて挿入された前記カードの縁部に係わり合う係合部とを備えたものであり、前記貫通窓を通じて前記カードの外面を露出させた状態で当該カードを保持し得るものである請求項1、2、3又は4記載のカードホルダー。
【0016】
請求項5に係る発明は、前記カードホルダー本体が、撓み変形可能な素材により一体成形されたものである請求項1、2、3又は4記載のカードホルダーである。
【0017】
請求項6に係る発明は、前記カードホルダー本体が、全体として矩形状をなしたものであり、上部に左右方向に貫通した紐挿通孔を備えたものであり、前記紐挿通孔における左右の開口部がカードホルダー本体の左右の側端縁に形成されている請求項1、2、3、4又は5記載のカードホルダーである。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、表面側及び背面側を好適にカバーできるカードホルダーを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~13を参照して説明する。
【0021】
この実施形態は、本発明を、IDカード(以下、単に、「カードC」という。)を保持し得るIDカードホルダー(以下、単に、「カードホルダーH」という。)に適用したものである。
【0022】
カードホルダーHは、カードCを保持可能な保持部Gを設けたカードホルダー本体Aと、カードホルダー本体Aの表面及び背面を係脱可能に覆い得るカバーBとを備えたものである。この実施形態では、カバーBは、カードホルダー本体Aとは別体をなしており、カードホルダー本体Aに対して係止することにより接続できる一方で、カードホルダー本体Aとの係止状態を解除してカードホルダー本体Aから離脱できるように構成されている。
【0023】
なお、この実施形態のカードC(IDカード)は、国際規格「ISO/IEC7810」の「ID-1」に準拠した大きさのものであり、広くIDカードやクレジットカードや運転免許証やICカード等のカードサイズとして普及している大きさのものである。
【0024】
以下、カードホルダーHの各構成について詳述する。
【0025】
カードホルダー本体Aは、軟質であり撓み変形可能な不透明の合成樹脂素材により一体成形されたものである。カードホルダー本体Aは、正面視及び背面視において全体として縦長の矩形状をなしている。より具体的に言えば、カードホルダー本体Aは、縦長矩形状の基本形状を維持しつつ四つの角部分が滑らかな曲面をなすとともに上端部及び下端部が緩やかに丸みを帯びた形状をなしている。カードホルダー本体Aには、カードCを収容し得る収容空間spが形成された保持部Gが設けられている。
【0026】
カードホルダー本体Aは、外部空間と収容空間spとの間でカードCを出し入れ可能な貫通窓1と、貫通窓1を通じて収容空間spに挿入されたカードCの縁部に係わり合う係合部2と、貫通窓1を臨む位置に設けられ収容空間spに収容されたカードCの背面側に位置する背壁部3と、貫通窓1、係合部2、及び、背壁部3よりも上部に配設され左右方向に貫通した紐挿通孔4とを備えている。カードCを保持し得る保持部Gは、収容空間spを形成し得る係合部2及び背壁部3を主体に構成されている。
【0027】
カードホルダー本体Aは、前面側に設けられた貫通窓1を通じてカードCの外面を露出させた状態で当該カードCを保持部Gにおいて保持し得るものである。
【0028】
貫通窓1は、縦長矩形状をなしておりカードCの大きさよりも小さく形成されている。カードCを、カードホルダー本体Aに保持させるためには、使用者によりカードホルダー本体Aを適宜の形状に撓ませつつ保持させるべきカードCを貫通窓1を通じて収容空間spに移動する操作が行われる。この反対に、カードCをカードホルダー本体Aの収容空間spから離脱させるためには、使用者によりカードホルダー本体Aを適宜の形状に撓ませつつ離脱させるべきカードCを貫通窓1を通じて外部に移動する操作が行われる。
【0029】
係合部2は、収容空間spに収容されたカードCにおける周縁部の前に位置する窓枠部分21と、カードCにおける周縁部の外側に位置する周縁部分22とを備えている。
【0030】
窓枠部分21は、収容空間spに収容されたカードCにおける周縁部の前に設けられている。窓枠部分21は、カードCの周縁部における前面と係わり合い当該カードCが収容空間spから外部空間に出ないように規制し得るものである。
【0031】
周縁部分22は、収容空間spに収容されたカードCにおける周縁部を外側から取り囲んでいる。周縁部分22には、内方に突出しカードCの周縁部に係合し得る複数の係合突起tが設けられている。
【0032】
係合突起tは、カードCにおける左右の側端縁に対して横から係合し得るように上下に間隔を空けて二箇所に配設されている。また、係合突起tは、カードCの上端縁及び下端縁に対して上及び下から係合し得るように左右方向中間部にそれぞれ配設されている。これら複数の係合突起tがカードCの周縁部に係合することにより、収容空間spに収容されたカードCが、当該収容空間sp内で左右方向及び上下方向にがたつき難く構成されている。
【0033】
背壁部3は、収容空間spに収容されたカードCの背面側に添接し得るものである。背壁部3には、上部及び下部のそれぞれ左右二箇所に、前方すなわち収容空間sp側に突出した凸部vが設けられている。
【0034】
背壁部3に設けられた複数の凸部vは、窓枠部分21と協働して、収容空間spに収容されたカードCを前後から押圧し得るものとなるため、収容空間spに収容されたカードCが当該収容空間sp内で、前後方向、左右方向、及び、上下方向にがたつき難く構成されている。
【0035】
紐挿通孔4は、左右方向に直線状に貫通するものである。紐挿通孔4には、使用者Pの首nに掛けるための紐部材Fが挿入されるものとなっている。
【0036】
紐挿通孔4における左右の開口部41は、カードホルダー本体Aにおける左右の側端縁に形成されている。左右の開口部41が、カードホルダー本体Aにおける左右の側端縁に配設されているため、紐部材Fにより支持されたカードホルダー本体Aが回転し難いものとなっている。
【0037】
カバーBは、カードホルダー本体Aの表面を覆い得るものであり、その場合には、当該カードホルダー本体Aに保持されたカードCの表示部Iを隠蔽し得るものである。また、カバーBは、カードホルダー本体Aの背面を覆い得るものであり、その場合には、当該カードホルダー本体Aの背面を隠蔽し得るものである。カバーBが、カードホルダー本体Aの背面を覆う場合には、カードホルダー本体Aの背面とカバーBとの間にメモ書きされた付箋S等の物品を隠蔽し得るようにもなっている。カバーBは、カードホルダー本体Aの外周縁に、弾性変形により覆い被さるように装着可能に構成されている。
【0038】
カバーBは、撓み変形可能な不透明の合成樹脂素材により一体成形されたものである。カバーBは、全体として、カードホルダー本体Aと同様の縦長矩形状をなしている。
【0039】
カバーBは、カードホルダー本体Aの表面及び背面の双方に着脱可能に構成されたものである。すなわち、カバーBは、カードホルダー本体Aの表面を覆う表面被覆姿勢(D)と、カードホルダー本体Aの背面を覆う背面被覆姿勢(E)とを選択的に採り得るものである。
【0040】
表面被覆姿勢(D)のカバーBは、背面被覆姿勢(E)のカバーBを前後反転させた姿勢のものである。背面被覆姿勢(E)のカバーBは、表面被覆姿勢(D)のカバーBを前後反転させた姿勢のものである。
【0041】
カバーBは、起立板状をなす主壁5と、主壁5の外周縁に一体に連設された周壁6とを備えたものである。
【0042】
主壁5は、表面被覆姿勢(D)においてカードホルダー本体Aの表面を覆う主要部を構成しており、背面被覆姿勢(E)においてカードホルダー本体Aの背面を覆う主要部を構成している。
【0043】
周壁6は、カードホルダー本体Aの外周縁に係り合う形態をなしている。すなわち、周壁6は、起立姿勢をなす主壁5に対して交差する方向すなわち前後方向に延設されている。周壁6は、外方すなわち上方、下方、及び、左右の側方に向かって凸をなすように湾曲した形状をなしている。周壁6の湾曲度合いは、カードホルダー本体Aにおける外周縁に略沿うように設定されている。
【0044】
周壁6における上部の左右には、カードホルダー本体Aに設けられた紐挿通孔4の左右の開口部41との干渉を避けるための切欠部7が設けられている。紐部材Fは、左右の切欠部7を通じて、外部空間と紐挿通孔4との間を連通し得るものとなっている。
【0045】
切欠部7は、略円形状に切り欠かれたものであり、周壁6の上部における左右の側端縁に形成されている。
【0046】
なお、カバーBを、カードホルダー本体Aに装着する際には、カバーBの切欠部7を紐挿通孔4における左右の開口部41近傍の紐部材Fに係わり合わせるようにすれば容易に行うことができる。つまり、切欠部7を、紐部材Fに向かって(紐部材Fを目標にして)移動させるようにすれば、カバーBとカードホルダー本体Aの相互が適宜の位置に容易に位置決めされ、両者がスムーズに装着できるようになっている。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係るカードホルダーHは、カードCを保持可能な保持部Gを設けたカードホルダー本体Aと、カードホルダー本体Aの表面及び背面を係脱可能に覆い得るカバーBとを備えたものである。
【0048】
このため、表面側又は背面側を好適にカバーBできるカードホルダーHを提供することができるものとなる。
【0049】
例えば、カバーBがカードホルダー本体Aの表面側を覆う場合には、収容されたカードCを覆うことになるため、カードCを外部から好適に保護し得るものとなる。
【0050】
また、カバーBがカードホルダー本体Aの背面側を覆う場合には、
図10において一例を示すように、カードホルダー本体Aの背面に貼付した小物すなわちシート状物品である付箋Sを剥がれることなく隠蔽ないし保護し得るものとなっている。
【0051】
カバーBがカードホルダー本体Aの背面側を覆う場合には、カバーBの剛性が高いものであれば、カードCを視認し得る状態に保持したカードホルダー本体Aの変形し易さを抑制し得るものとなり、カードCがカードホルダー本体Aから離脱することも抑制し得るものとなっている。
【0052】
カバーBが、カードホルダー本体Aの表面を覆うものであり、当該カードホルダー本体Aに保持されたカードCの表示部Iを隠蔽し得るものである。
【0053】
このため、カードCの表示部Iに示された個人情報や会社情報等の諸情報をカバーBによって非表示にすることができるものとなっている。
【0054】
カバーBが、カードホルダー本体Aとは別体をなし、当該カードホルダー本体Aに対して分離可能に構成されている。
【0055】
このため、カードホルダー本体AはカバーBが無い状態でも使用することができるものとなっている。さらに、カバーBは、カードホルダー本体Aとは分離可能な別体をなしているため、カードホルダー本体Aの表面を覆う姿勢である表面被覆姿勢(D)や、カードホルダー本体Aの背面を覆う姿勢である背面被覆姿勢(E)を柔軟に採り得るものとなっている。
【0056】
しかも、カバーBとカードホルダー本体Aとが別体に作られているため、合成樹脂により作られるカードホルダー本体Aの色と、合成樹脂により作られるカバーBの色とを異ならせることも無理なく行えるものとなっている。そのため、カードホルダーHであれば、カードホルダー本体AとカバーBとが別個独立しているという構成を活用することにより、使用者の役割や用途等に合わせた模様や色彩等のバリエーションの設定が柔軟にできるものとなっている。
【0057】
カバーBが、カードホルダー本体Aの外縁に、弾性変形により覆い被さるように装着可能である。このため、カバーBがカードホルダー本体Aに対して離脱しにくいように好適に係り合うものとなるため、カバーBを紛失させにくいものとなっている。
【0058】
カードホルダー本体Aが、カードCを出し入れ可能な貫通窓1と、貫通窓1を通じて挿入されたカードCの縁部に係わり合う係合部2とを備えたものである。そして、カードホルダー本体Aが、貫通窓1を通じてカードCの外面を露出させた状態で当該カードCを保持し得るものである。このため、カードホルダー本体Aが、視認可能領域を過度に制限することなくカードCの外面を露出させつつ当該カードCを好適に保持し得るものとなっている。
【0059】
カードホルダー本体Aが、撓み変形可能な素材により一体成形されたものであるため、部材の弾性変形を利用して支持するべきカードCを所定の位置に適切に支持することができるものとなっている。
【0060】
カードホルダー本体Aが、全体として矩形状をなしたものであり、上部に左右方向に貫通した紐挿通孔4を備えたものである。そして、紐挿通孔4における左右の開口部41が、カードホルダー本体Aの左右の側端縁に形成されている。
【0061】
このため、紐挿通孔4に挿通された紐部材Fに吊下げ支持されたカードホルダー本体Aが、回転し難いものとなっている。
【0062】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0063】
カードは、IDカードに限られず、種々のカードが含まれるものであることは言うまでもない。カードは、合成樹脂製のものに限られない。カードは、紙や金属や木材等の種々の材質により作られたものであっても良い。
【0064】
カードホルダーが全体として横長矩形状に構成されたものであってもよい。
【0066】
カードホルダー本体の保持部は、カードを保持し得る構造のものであればよく、その態様は種々のものを適用することができる。
【0068】
カードホルダー本体やカバーは、必ずしも、不透明なものに限られるものではなく、透明又は半透明のものであってもよい。
【0069】
カードホルダー本体の形状やカバーの形状は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の形態を採り得るものであることは言うまでもない。
【0070】
カードホルダー本体やカバーは、部分的に硬質の部材により作られたものであってもよい。
【0071】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0072】
H…カードホルダー
A…カードホルダー本体
B…カバー
G…保持部
C…カード
F…紐部材