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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 33/04 20060101AFI20241112BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B65H33/04
B65H3/44 344
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020116616
(22)【出願日】2020-07-06
(65)【公開番号】P2022014341
(43)【公開日】2022-01-19
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白▲崎▼ 晴一
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-203433(JP,A)
【文献】特開平04-366856(JP,A)
【文献】特開2019-101309(JP,A)
【文献】特開2003-221160(JP,A)
【文献】特開2019-001595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0168982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 33/04
B65H 1/00-3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力シートを格納するシート格納部と、前記シート格納部からシート搬送方向の下流側に、前記出力シートを1枚ずつ給送する第1給送部と、前記第1給送部によって給送された前記出力シートに画像を形成する画像形成部と、を有する画像形成装置と、
挿入シートを積載するシート積載部と、前記第1給送部によって給送された前記出力シートを受け入れて、前記シート搬送方向の下流側に搬送する第2給送部と、前記第2給送部と合流する合流部を有し、所定枚数の前記出力シートが前記合流部を通過する毎に、前記シート積載部から前記挿入シートを給送する第3給送部と、を有し、前記画像形成装置の下流側に連結されたシート給送装置と、
前記シート給送装置の下流側に連結されて、前記挿入シート、および前記出力シートを含むシート束に対して、所定の後処理を行うシート後処理装置と、を備える画像形成システムにおいて、
前記シート給送装置は、前記シート積載部の前記挿入シートの残量を検知する残量検知機構を有し、
前記画像形成装置は、1つの前記シート束に含まれる前記出力シートの枚数が連続印字中に前記合流部から前記第1給送部までの間に存在可能な前記出力シートの最大枚数よりも少なく、且つ、前記残量検知機構によって検知された前記挿入シートの残量が所定量以下のときに、連続印字中に前記合流部から前記第1給送部までの間に存在する前記出力シートの枚数が、1つの前記シート束に含まれる前記出力シートの枚数よりも少なくなるように、前記第1給送部からの前記出力シートの給送を制御する制御部を有し、
前記第1給送部は、1枚の前記出力シートが前記シート格納部から前記合流部まで給送される間に前記シート格納部から給送される前記出力シートの枚数を計測する計測装置を有し、
前記制御部は、前記挿入シートの残量が前記所定量以下であり、且つ、前記計測装置により計測された前記出力シートの枚数が、1つの前記シート束に含まれる前記出力シートの枚数よりも多い場合、前記第1給送部によって給送されて前記合流部から前記第1給送部までの間に存在する前記出力シートの枚数が、1つの前記シート束に含まれる前記出力シートの枚数よりも少なくなるように前記第1給送部からの前記出力シートの給送を制御することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記計測装置によって計測された、前記合流部から前記第1給送部までの間に存在する前記出力シートの枚数を記録する記録部を有し、
前記制御部は、一つの前記シート束に含まれる前記出力シートの枚数が、前記記録部に記録された前記出力シートの枚数よりも少ない場合、前記挿入シートの残量が前記所定量以下のときに、前記合流部から前記第1給送部までの間に存在する、前記第1給送部によって給送された前記出力シートの枚数が、1つの前記シート束に含まれる前記出力シートの枚数よりも少なくなるように、前記第1給送部からの前記出力シートの給送を制御することを特徴とする請求項に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記計測装置は、1枚の前記出力シートが前記シート格納部から前記合流部まで到達する時間を計測する時間計測部と、前記時間計測部の計測した時間内に前記第1給送部が前記シート格納部から給送した前記出力シートの枚数を計測する枚数計測部と、を有することを特徴とする請求項または請求項に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記挿入シートの残量が前記所定量以下のときに、1つの前記シート束に含まれる複数の前記出力シートのうち、1枚目の前記出力シートの給送時のみ、一定の待機時間を設定するように、前記第1給送部を制御する請求項1から3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記挿入シートの残量が前記所定量以下のときに、1つの前記シート束に含まれる複数の前記出力シートを、前記シート格納部から等間隔に給送するように、前記第1給送部を制御する請求項1から4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記所定量の値を入力する入力部を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記挿入シートの残量に関する通知を表示可能なように構成された表示部を有し、
前記制御は、前記挿入シートの残量が前記所定量以下のときに、前記表示部を用いて前記挿入シートの残量低下を通知することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置によって画像形成された複数の用紙間に、表紙や合紙等を挿入するシート給送装置、およびそれを用いた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置と、画像形成装置の下流側に接続されたシート給送装置と、シート給送装置の下流側に接続されたシート後処置装置と、を備える画像形成システムがある(特許文献1、2、3)。これらの画像形成システムは、画像形成装置によって画像を形成された複数の出力用紙の間に、シート給送装置から表紙や合紙となる挿入用紙を挿入して、出力用紙と挿入用紙とを含んだシート束を作製し、このシート束に対して用紙後処理装置により所定の後処理を行うことで、冊子を作製するものである。
【0003】
出力用紙は、画像形成装置の給紙部に収納されている。出力用紙は、給紙部から、所定の間隔で1枚ずつ、画像形成装置の画像形成部へと給送される。画像形成部で画像を形成された出力用紙は、1枚ずつシート給送装置へと搬送される。一方、挿入用紙は、シート給送装置のシート積載部上に積載されている。シート給送装置は、挿入用紙を、画像形成装置から1枚ずつ搬送された複数の出力用紙の間に、所定のタイミングで挿入する。そして、これらの出力用紙と挿入用紙を、用紙後処理装置へと搬送する。
【0004】
また、特許文献2の画像形成システムは、挿入用紙の残量を検知する残量検知センサーを備えている。これにより、挿入用紙の残量が少なくなると、挿入用紙の補充をユーザーに促すことが可能になっている。
【0005】
特許文献3の画像形成システムは、シート給送装置に、少量の挿入用紙を搬送して留めておくことが可能なバッファ部を設けている。この画像形成システムは、冊子の作製を開始すると、挿入用紙をバッファ部に搬送し、バッファ部内に挿入用紙をストックしておく。そして、シート積載部の挿入用紙の残量が無くなると、バッファ部から挿入用紙の給送を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-163507号公報
【文献】特開2013-180842号公報
【文献】特開2019-108187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の画像形成システムは、冊子作製途中に挿入用紙の残量が無くなると、給紙部からの出力用紙の給送を停止する。しかし、挿入用紙の残量が無くなったことを検知するまでの間に、既に数枚の出力用紙が給紙部から給送されていることがある。この出力用紙を画像形成装置の用紙搬送経路内の中途の位置で停止させると、この出力用紙は、装置内部の熱によって焦げてしまったり、運転再開時に位置がずれてしまったりして、画像不良を引き起こすことがある。このため、冊子作製途中に挿入用紙の残量が無くなった場合、画像形成装置の用紙搬送経路内に出力用紙が存在するときは、その出力用紙を用紙搬送経路内で停止させずに、下流側まで搬送する。これにより、表紙となる挿入用紙が挿入されないまま、数枚の出力用紙が用紙後処理装置に搬送されてしまい、表紙の無い冊子が作製される恐れがあった。
【0008】
一方、特許文献2の画像形成システムでは、挿入用紙の給送を検知する挿入検知センサーが設けられており、挿入用紙の残量が一定量以下になると、挿入検知センサーが挿入用紙の給送を検知するまで出力用紙の給送を待機するように、出力用紙の給送間隔を変更する。これにより、上記のような、表紙の無い冊子が作製されるのを抑制することが可能になっている。
【0009】
しかしながら、このような画像形成システムは、挿入用紙の残量が少なくなると、挿入センサーが挿入用紙の給送を検知するまでの間、出力用紙の給送を待機しているため、出力用紙の給送間隔が遅くなる。そして、挿入用紙の残量が少なくなると、印刷内容や残り部数に関わらず、一律に出力用紙の給送間隔が遅くなるため、生産性の悪いものであった。
【0010】
他方、特許文献3の画像形成システムは、シート積載部の挿入用紙の残量が少なくなっても、出力用紙の給送の間隔を変更せずに、冊子の作製を継続する。シート積載部の挿入用紙の残量が無くなると、バッファ部から挿入用紙の給送を開始すると同時に、画像形成装置の出力用紙の給送を停止する。これにより、シート積載部の挿入用紙の残量が無くなった時点で数枚の出力用紙が給送されていたとしても、バッファ部から挿入用紙を給送することができるので、生産性を低下させることなく、挿入用紙の含まれない冊子が作製されるのを抑制することができる。
【0011】
ところが、特許文献3の画像形成システムのように、シート給送装置にバッファ部を設けると、シート給送装置の内部構造の複雑化により製造コストが増加したり、装置が大型化したりする問題がある。また、冊子に含まれる出力用紙の枚数が少ない場合は、挿入用紙の挿入タイミングが頻繁に生じるため、次々に挿入用紙が給送される。しかし、バッファ部に搬入できる挿入用紙の数は少量であるため、バッファ部からの挿入用紙の給送を開始してから出力用紙の給送停止までの間に、バッファ部内の挿入用紙の残量が無くなってしまい、挿入用紙の挿入されないまま出力用紙が用紙後処理装置に搬送されて、表紙の無い冊子が作製されてしまう恐れもある。
【0012】
そこで、本発明は、製造コストの増加や装置の大型化、および生産性の低下を抑制しつつ、表紙の無い冊子が作製されるのを抑制する画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、画像形成装置と、シート給送装置と、シート後処理装置と、を備える画像形成システムである。画像形成装置は、出力シートを格納するシート格納部と、シート格納部からシート搬送方向の下流側に、出力シートを1枚ずつ給送する第1給送部と、第1給送部によって給送された出力シートに画像を形成する画像形成部と、を有する。シート給送装置は、挿入シートを積載するシート積載部と、第1給送部によって給送された出力シートを受け入れて、シート搬送方向の下流側に搬送する第2給送部と、第2給送部と合流する合流部を有し、所定枚数の出力シートが合流部を通過する毎に、シート積載部から挿入シートを給送する第3給送部と、を有する。シート給送装置は、画像形成装置の下流側に連結されている。シート後処理装置は、シート給送装置の下流側に連結されて、挿入シート、および出力シートを含むシート束に対して、所定の後処理を行う。シート給送装置は、シート積載部の挿入シートの残量を検知する残量検知機構を有する。画像形成装置は、1つのシート束に含まれる出力シートの枚数が連続印字中に合流部から第1給送部までの間に存在する出力シートの枚数よりも多く、且つ、残量検知機構によって検知された挿入シートの残量が所定量以下のときに、連続印字中に第1給送部によって給送されて合流部から第1給送部までの間に存在する出力シートの枚数が、1つのシート束に含まれる出力シートの枚数よりも少なくなるように、第1給送部からの出力シートの給送を制御する制御部を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の構成によれば、1つのシート束に含まれる出力シートの枚数が連続印字中に合流部から第1給送部までの間に存在する出力シートの枚数よりも多い場合に、挿入シートの残量が所定量以下になると、連続印字中に合流部から第1給送部までの間に存在する出力シートの枚数が、1つのシート束に含まれる出力用紙の枚数よりも少なくなる。このため、挿入用紙の残量が無くなって給紙部からの出力用紙の給送を停止したとしても、シート束に含まれる出力用紙の枚数以上の出力用紙が用紙後処理装置に搬送されるのを抑制することができる。
【0015】
仮に、通常状態の冊子作製時に、第1給送部によって給送されて合流部から第1給送部までの間に存在する出力シートの枚数が、シート束に含まれる出力用紙の枚数よりも少ない場合には、挿入用紙の残量が少なくなったとしても、出力用紙の給送間隔を変更することなく冊子の作製を続けることができる。このように、出力用紙の給送間隔を、印刷内容に合わせて変更することが可能となっており、生産性の低下を抑制することができる。さらに、バッファ部のような複雑な構造は不要であり、装置の大型化や製造コストの増大を抑制することができる。
【0016】
従って、製造コストの増加や装置の大型化、および生産性の低下を抑制しつつ、表紙の無い冊子が作製されるのを抑制する画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】画像形成システム100を構成する画像形成装置1、シート給送装置2、及び用紙後処理装置3の内部構成を示す概略図
図2】シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が一定量以上の状態を示す部分拡大図
図3】シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が一定量以下になった状態を示す部分拡大図
図4】本発明の画像形成システム100の制御経路を示すブロック図
図5】出力用紙P1、および挿入用紙P2の搬入の制御の一例を示すフローチャート
図6】出力用紙P1、および挿入用紙P2の搬入の制御の一例を示すフローチャート
図7】出力用紙P1、および挿入用紙P2の搬入の制御の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0019】
先ず、図1を参照して画像形成装置1、シート給送装置2、及び用紙後処理装置3(シート後処理装置)から構成される本発明の画像形成システム100について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置としてインクジェット記録式のプリンターを採用した場合の画像形成システム100について説明するが、他の画像形成装置(例えば、レーザープリンターや画像形成装置、ファクシミリ装置等)を採用することもできる。また、画像形成装置1から出力される出力用紙P1(出力シート)、およびシート給送装置2から挿入される挿入用紙P2(挿入シート)が、用紙後処理装置3に向かって搬送される方向を、シート搬送方向と称する。さらに、用紙後処理装置3をシート搬送方向の下流側とし、画像形成装置1の、出力用紙P1を収容する給紙部4(シート格納部)、およびシート給送装置2の、挿入用紙P2の積載されるシート積載部16を、シート搬送方向の上流側と称する。
【0020】
図1は、画像形成システム100を構成する画像形成装置1、シート給送装置2、及び用紙後処理装置3の内部構成を示す概略図である。画像形成装置1の下流側には、シート給送装置2が接続されている。シート給送装置2の下流側には、用紙後処理装置3が接続されている。
【0021】
画像形成装置1は、画像形成装置1の下部に設けられた出力用紙P1を収容する給紙部4と、給紙部4からシート搬送方向の下流側に出力紙を1枚ずつ給送する第1給送部5と、を備えている。第1給送部5は、給紙部4に接続された、給紙部4の側方からシート搬送方向の下流側に向かって延びる用紙搬送経路7と、用紙搬送経路7と給紙部4との間に設けられた用紙給送部6と、を有する。給紙部4の上方には、用紙搬送経路7と高さ方向に隣り合う画像記録部8(画像形成部)が配置されている。用紙搬送経路7から分岐して画像記録部8の上方に延びる反転搬送路9が設けられている。
【0022】
給紙部4には、出力用紙P1の束が載置される複数(ここでは3つ)の給紙カセット4aが着脱可能に備えられる。用紙搬送経路7には、内部の出力用紙P1をシート搬送方向の下流側に搬送する複数の搬送ローラー対10が設けられている。用紙給送部6には、給紙部4に収容された出力用紙P1を用紙搬送経路7へ給送する給送ローラー対11が設けられている。
【0023】
給紙カセット4aごとに異なるサイズの出力用紙P1を載置することで、多様なサイズの出力用紙を含んだ冊子を作製することが可能となっている。
【0024】
用紙給送部6には、給送検知センサー12が設けられている。給送検知センサー12は、出力用紙P1が給紙部4から給送されたことを検知する。給送検知センサー12の検知信号は、画像形成装置1の制御部59に送信される(図4参照)。この給送検知センサー12と、後述する給送カウンター13(枚数計測部)とによって、出力用紙P1の給送枚数を計測する計測装置73が構成されている。
【0025】
画像記録部8の下方の位置に、駆動ローラーを含む複数のローラーに巻き掛けられた無端状の搬送ベルト14が設けられている。搬送ベルト14には多数の空気吸引用の通気孔(図示せず)が設けられている。第1給送部5から給送されて、搬送ベルト14上に到達した出力用紙P1は、搬送ベルト14の内側に設けられた用紙吸引部によって搬送ベルト14に吸着保持された状態で画像記録部8の下方を通過する。
【0026】
画像記録部8は、搬送ベルト14に吸着保持されて搬送される出力用紙P1に向かってインクを吐出する複数のインクジェットヘッドを備えている。各インクジェットヘッドには、それぞれインクタンク(図示せず)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクがインクジェットヘッドの色毎に供給される。
【0027】
出力用紙P1の両面に画像の記録を行う場合には、一方の面への記録が終了した出力用紙P1を反転搬送路9に搬送し、搬送方向を切り替える(スイッチバックさせる)。そして、出力用紙P1の表裏を反転させた後、画像の記録されていない面を上向きにした状態で、再度、画像記録部8に搬送し、画像の記録を行う。画像記録部8により所定の画像を記録された出力用紙P1は、用紙搬送経路7の下流側端部の開口付近に設けられた排出ローラー対15から1枚ずつ排出される。
【0028】
シート給送装置2は、画像形成装置1から排出される出力用紙P1を1枚ずつ搬入し、搬入された複数の出力用紙P1の間に、製本時に用いられる表紙及び裏紙(カバー紙)や識別用の合紙(インサート紙)等の挿入用紙P2を、所定のタイミングで挿入する。そして、これらの出力用紙P1および挿入用紙P2を、用紙後処理装置3へと搬送する。
【0029】
シート給送装置2は、一つ以上(ここでは、2つ)のシート積載部16を備えている。シート積載部16には、挿入用紙P2が積載される。シート積載部16の下方には、画像形成装置1から搬送された出力用紙P1を受け入れて、下流に向けて搬送する第2給送部17が設けられている。また、シート積載部16と第2給送部17との間に、第3給送部18が設けられている。第3給送部18は、合流部19で第2給送部17と合流する。
【0030】
第2給送部17は、シート搬送方向の上流側に開口した、画像形成装置1から出力される出力用紙P1を受け入れる搬入口20と、搬入口20からシート搬送方向の下流側に向かって延びる中継搬送路21と、中継搬送路21の中途の位置に設けられ、中継搬送路21内の出力用紙P1を下流に向けて搬送する中継搬送ローラー22とを有する。
【0031】
第3給送部18は、シート積載部16とシート搬送方向に隣り合う上流側端部開口23と、上流側端部開口23から中継搬送路21との合流部19に向かって、シート搬送方向に延びる挿入搬送経路25と、上流側端部開口23の上方に設けられた用紙給送ユニット24と、シート積載部16に設けられた、挿入用紙P2の残量を検知する残量検知機構70と、を有する。挿入搬送経路25は、シート積載部16と中継搬送路21とを連通する経路となっている。
【0032】
用紙給送ユニット24は、挿入搬送経路25の上流側端部開口23に対してシート搬送方向に隣り合うように設けられた給紙ローラー27を有する。給紙ローラー27は、シート積載部16上の挿入用紙P2の上面に接触する。挿入搬送経路25のシート搬送方向の中途の位置には、搬送ローラー対26が設けられている。
【0033】
用紙給送ユニット24は、給紙ローラー27が挿入用紙P2の上面に接触している状態で給紙ローラー27を回転させて、挿入用紙P2を挿入搬送経路25へと給送する。挿入搬送経路25に給送された挿入用紙P2は、搬送ローラー対26によって合流部19まで搬送され、合流部19で中継搬送路21へと挿入されて、用紙後処理装置3へと搬送される。このように、第3給送部18は、合流部19を通過する複数の出力用紙P1の間に、所定のタイミングで、シート積載部16から挿入用紙P2を挿入する。
【0034】
中継搬送路21の合流部19には、合流部19に到達した出力用紙P1を検知可能な合流センサー28が設けられている。合流センサー28の検知信号は、制御部59に送信される(図4参照)。
【0035】
シート積載部16には、用紙検知センサー75が設けられている。用紙検知センサー75は、シート積載部16上の挿入用紙P2の有無を検知可能である。用紙検知センサー75は、シート積載部16上の挿入用紙P2がなくなると、画像形成装置1の制御部59に検知信号を送信する。
【0036】
挿入搬送経路25の、上流側端部開口23から合流部19の間の中途の位置には、挿入用紙P2の通過を検知する挿入検知センサー29が設けられている。挿入検知センサー29の検知信号は、画像形成装置1の制御部59に送信される(図4参照)。
【0037】
用紙後処理装置3は、画像形成装置1から出力された複数の出力用紙P1と、その複数の出力用紙P1の間にされた挿入用紙P2と、を含んだシート束に対して、パンチ穴形成処理や綴じ処理等の所定の後処理を行う。
【0038】
用紙後処理装置3には、シート給送装置2から搬送される出力用紙P1、および挿入用紙P2を受け入れる用紙搬入口31が設けられている。用紙後処理装置3の内部には、用紙搬入口31から搬入された出力用紙P1、および挿入用紙P2に対してパンチ穴形成処理を行うパンチ穴形成装置32、及び搬入された出力用紙P1、および挿入用紙P2を複数枚スタックしてシート束を形成し、そのシート束の端部を揃えてステープルで綴じる端綴じユニット33、シート束の中央をステープル処理した後、ステープル部を中心に折り曲げて冊子状にする中綴じ・中折りユニット36を備えている。用紙後処理装置3の側面にはシート束の排出に適した位置に昇降可能なメイントレイ34及び用紙後処理装置3の上部に固定されたサブトレイ35が設けられている。
【0039】
パンチ穴形成装置32は、用紙後処理装置3の上部に配置されている。シート給送装置2の中継搬送路21を通過した出力用紙P1と挿入用紙P2は、用紙後処理装置3の右上方に設けられた用紙搬入口31から給紙され、パンチ穴形成装置32を通過する。これらの出力用紙P1と挿入用紙P2に対して、ステープル処理を行わない場合は、出力用紙P1と挿入用紙P2はそのままサブトレイ35に排出される。ステープル処理を行う場合は、パンチ穴形成装置32の下方に配置された端綴じユニット33或いは中綴じ・中折りユニット36に搬送される。
【0040】
端綴じユニット33は、ステープラー及び処理トレイ(いずれも図示せず)等から構成されている。出力用紙P1と挿入用紙P2とは処理トレイ上に積載され、束状のシート束になる。このシート束は、束の先端を整合された状態で処理トレイの端部に設けられたステープラーに移より端部を綴じられた後、処理トレイに沿ってメイントレイ34に排出される。
【0041】
端綴じユニット33の下方に配置される中綴じ、中折り用の中綴じ・中折りユニット36は、中綴じ用ステープラー、中折り装置及び用紙ガイド(いずれも図示せず)等から構成されている。中綴じ用ステープラーは、用紙ガイド内に積載されたシート束の中央部をステープル処理する。中綴じ用ステープラーによりステープル処理されたシート束の束は、中折り装置によりステープル部を中心に冊子状に折り曲げられた後、冊子トレイ37に排出される。
【0042】
上述の通り、シート給送装置2は複数のシート積載部16を備えており、シート積載部16ごとに異なる挿入用紙P2を積載することで、表紙や裏表紙等について異なる種類の挿入用紙P2を採用した冊子を作製することができる。
【0043】
このようにして、画像形成装置1から給送された所定枚数の出力用紙P1と、シート給送装置2から給送された所定枚数の挿入用紙P2とを用紙後処理装置3に搬送して束状のシート束とし、このシート束に対して所定の後処理を施されて冊子が作製される。
【0044】
次に、図2図3を参照しつつ、残量検知機構70の、シート積載部16上の挿入用紙P2の残量の検知する態様について、詳細に説明する。図2図3は、用紙給送ユニット24近傍をシート幅方向から示す部分拡大図である。図2は、シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が一定量以上の状態を示している。図3は、シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が一定量以下になった状態を示している。
【0045】
図2図3に示すように、シート積載部16には、シート搬送方向の下流側(図示右側)から上流側(図示左側)に向かって上るように傾斜する底面38と、底面38の下流側端部に位置する立壁部39と、を有する。立壁部39の上部には、挿入搬送経路25の上流側端部開口23が設けられている。
【0046】
シート積載部16の底面38上には、リフト板40が配置されている。シート積載部16内の挿入用紙P2は、リフト板40の上に積載される。リフト板40は、シート搬送方向に、シート積載部16の立壁部39と隣り合っている。リフト板40は、その下流側端部が高さ方向(図示上下方向)に昇降可能なように、その上流側端部(図示省略)を回動可能に支持されている。
【0047】
シート積載部16の底面38と、リフト板40との間には、リフト板40の下流側端部を昇降させるリフト機構41が設けられている。リフト機構41は、作動片42と、動力を発生させるモーター等の駆動源71(図4参照)と、駆動源71に回転可能に接続された駆動軸43とを有する。
【0048】
駆動軸43は、リフト板40よりも下方に位置し、シート搬送方向に直交するシート幅方向(図の紙面と垂直な方向)に延びている。作動片42は、シート搬送方向に細長い矩形の板状体である。作動片42の上流側端部は駆動軸43に固定されている。作動片42は、駆動軸43の回転に伴って、駆動軸43を中心に回転する。これにより作動片42の下流側端部が、昇降方向(図示上下方向)に揺動する。
【0049】
駆動源71の動力によって駆動軸43が反時計回り(図示矢印方向)に回転すると、その回転に応じて作動片42の下流側端部が上昇する。ここで、上述の通り駆動軸43はリフト板40の下方に配置されており、駆動軸43に固定されている作動片42も、リフト板40の下方に位置している。このため、作動片42の下流側端部が、上昇するとともにリフト板40の裏面に接触し、リフト板40の下流側端部を持ち上げる。このように、リフト機構41は、駆動源71の動力を用いた作動片42の揺動によって、リフト板40の下流側端部を昇降させることができる。
【0050】
作動片42とシート幅方向に隣り合うように、駆動軸43に、検知片44が設けられている。検知片44は、シート搬送方向に細長い小片である。検知片44の上流側端部には、シート幅方向に貫通する貫通孔45が形成されている。この貫通孔45に駆動軸43が挿入されることで、検知片44は、駆動軸43を中心に回動可能なように、駆動軸43に支持されている。検知片44の下流側端部には、シート搬送方向の下流側に向かって延びる、矩形板状の遮光部46が形成されている。
【0051】
検知片44が駆動軸43を中心に回動すると、検知片44の下流側端部が昇降方向に揺動する。検知片44の下流側端部は、自重によって、シート積載部16の底面38に接触するまで降下する。
【0052】
検知片44と駆動軸43とは、リンク機構47を介して連結している。リンク機構47は、駆動軸43からその径方向に突出する係合突起(第1係合部)48と、検知片44に形成された、係合突起48を差し込まれている係合穴(第2係合部)49と、を有する。係合穴49は、係合突起48の突出する方向に窪んだ凹形状の穴である。係合穴49の内周面のうちの、上方に位置する面には、係合突起48の外周面に対して、駆動軸43の周方向に対向する係合面50が形成されている。
【0053】
図2に示すように、作動片42の下流側端部が比較的低い位置にあってリフト板40が降下している状態のとき、すなわち駆動軸43の回転角が比較的小さいときには、係合突起48と係合面50とに隙間51が生じている。この状態から、駆動軸43が図示反時計回り方向に回転すると、係合突起48も駆動軸43を中心に回動し、駆動軸43の外周面と係合面50との隙間51が小さくなる。この状態からさらに駆動軸43が回転すると、係合突起48と係合面50とが接触する。すると、図3に示すように、駆動軸43の回転が、係合面50を介して検知片44へと伝達され、検知片44が駆動軸43を中心に回動する。このようにして、検知片44は、作動片42の回動からタイミングをずらして、作動片42に追従するようにして回動する。
【0054】
なお、検知片44は、駆動軸43が図示時計回り方向に回転すると、作動片42の揺動に追従するように、自重で降下する。そして、検知片44が底面38に接触するまで降下した後も駆動軸43が図示回りに回転すると、再び、係合突起48の外周面と係合面50とに隙間51が生じる。
【0055】
図2図3に示すように、シート積載部16の底面38に、検知片44とシート搬送方向に隣り合うように、残量検知センサー52が設けられている。残量検知センサー52は、シート幅方向に対向する発光部53と受光部(図示省略)とを有する。残量検知センサー52の受光部は、発光部53から出射される光を受光する。
【0056】
図2に示すように、検知片44の遮光部46は、係合突起48と係合面50とに隙間51があるときに、残量検知センサー52の発光部53と受光部との間に差し込まれている。すなわち、駆動軸43の回転角が比較的に小さく、検知片44に駆動軸43の回転が伝達されていないときに、検知片44の遮光部46は、残量検知センサー52の発光部53と同じ高さにある。このため、発光部53から出射される光が遮光部46に遮られ、受光部が発光部53から出射される光を受光できなくなる。
【0057】
この状態から、上述のように駆動軸43が回転して、図3に示すように、遮光部46が発光部53よりも高い位置に上昇すると発光部53から出射された光を受光部が受光する。このように、残量検知センサー52が、検知片44が発光部53よりも高い位置まで上昇したことを検知することで、作動片42の下流側端部の上昇、すなわち、リフト板40が所定の高さよりも上昇したことを検知することができる。この残量検知センサー52の検知結果は、制御部59に送信される。
【0058】
図2図3に示すように、用紙給送ユニット24は、リフト板40の上方に配置された装置本体54と、装置本体54に設けられた給紙ローラー27と、装置本体54からシート幅方向に突出する遮光片55と、を有する。装置本体54は昇降方向(図示上下方向)に昇降可能に設けられている。給紙ローラー27は、挿入搬送経路25の上流側端部開口23と、シート搬送方向に隣り合っている。
【0059】
装置本体54に対して、シート幅方向に対向する位置に、昇降センサー56が設けられている。昇降センサー56は、シート幅方向に対向する発光部57と受光部(図示省略)とを有する。受光部は、発光部57から出射される光を受光する。昇降センサー56は、挿入用紙P2と、給紙ローラー27とが接触し、装置本体54が所定の高さよりも高い位置にあることを検知することが可能となっている。昇降センサー56の検知結果は、制御部59に送信される。
【0060】
リフト板40が降下して、給紙ローラー27と挿入用紙P2の上面とが接触していないときに、遮光片55は、昇降センサー56の発光部57と、受光部との間に差し込まれている。これにより、遮光片55が、昇降センサー56の発光部57から出射される光を遮光している。リフト板40が上昇し、挿入用紙P2の上面が給紙ローラー27に接触し、さらにリフト板40が上昇すると、給紙ローラー27が挿入用紙P2によって上向きに押圧される。すると、装置本体54が上昇し、遮光片55が、昇降センサー56の発光部57と受光部との間から抜き出される。このため、発光部57から出射される光を受光部が受光する。
【0061】
図2図3に示すようにリフト板40が上昇し、挿入用紙P2の上面が給紙ローラー27に接触しているときに給紙ローラー27がシート搬送方向(図示反時計回り方向)に回転することで、挿入用紙P2は中継搬送路21の上流側端部開口23に向かって給送される。このようにして、給紙ローラー27は、複数の挿入用紙P2の上面に位置する挿入用紙P2を、1枚ずつ連続して、挿入搬送経路25に給送することができる。
【0062】
図2の状態から、シート積載部16の挿入用紙P2が1枚ずつ挿入搬送経路25に給送されて、挿入用紙P2の残量が少なくなると、シート積載部16の挿入用紙P2の上面の位置が下がる。すると、給紙ローラー27を押圧する力が弱くなり、装置本体54が降下する。装置本体54が降下して、遮光片55が、再び昇降センサー56の発光部57と受光部との間に差し込まれると、発光部57から出射される光が遮光片55によって遮光される。
【0063】
ここで、制御部59は、駆動源71と、残量検知センサー52と、昇降センサー56に接続されている。制御部59は、昇降センサー56の検知結果に基づいて駆動源71の駆動を制御可能になっている(図2参照)。
【0064】
遮光片55が、昇降センサー56の発光部57から出射される光を遮光すると、制御部59は、駆動源71を作動させてリフト板40を上昇させる。これにより、挿入用紙P2の上面が上昇し、装置本体54が再び上昇し遮光片55も上昇する。図3に示すように、遮光片55が上昇して、昇降センサー56の発光部57と受光部との間から抜き出されると、昇降センサー56の受光部が、発光部57から出射される光を受光する。すると、制御部59は、リフト板40の上昇を停止させる。なお、制御部59は、駆動源71を制御することで、リフト板40を昇降させる。
【0065】
上述の通り、制御部59は、挿入用紙P2の上面が給紙ローラー27に接触し、昇降センサー56が遮光片55の上昇を検知するまで、リフト板40を上昇させる。図2に示すように、挿入用紙P2の残量が所定量よりも多いときには、リフト板40が所定の高さよりも低い位置までしか上昇しない。このとき、係合突起48の外周面と係合面50とに僅かな隙間51が形成されており、駆動軸43の回転は検知片44には伝達されていない。このため、検知片44の下流側端部(遮光部46)は、上昇しておらず、残量検知センサー52の発光部53と受光部との間に差し込まれている。これにより、残量検知センサー52は、検知片44が上昇していないことを検知している。
【0066】
この状態から給紙ローラー27がシート搬送方向に回転して挿入用紙P2を一枚ずつ給送していくと、上述の通り、挿入用紙P2の上面が下がる。このため、制御部59が、リフト板40を上昇させる。このとき、制御部59が駆動源71を制御して駆動軸43を回転させるため、係合突起48の外周と係合面50との隙間51が小さくなる。さらに駆動軸43が回転して、係合突起48の外周面と係合面50とが接触して、上記の隙間51が解消されると、駆動軸43の回転が、検知片44に伝達される。この状態からさらに駆動軸43が回転すると、徐々に検知片44が回動する。図3に示すように、挿入用紙P2の残量が所定量より少なくなると、検知片44の遮光部46が残量検知センサー52の発光部53よりも高い位置になり、残量検知センサー52の受光部が発光部53から出射される光を受光する(すなわち、残量検知センサー52が、検知片44の下流側端部(遮光部46)の上昇を検知する。)
【0067】
このように、残量検知機構70は、上述の残量検知センサー52、リフト機構41、リフト板40、用紙給送ユニット24、および昇降センサー56を含んで構成されており、残量検知センサー52の検知結果に基づいて、シート積載部16の残量が所定量以下になったことを判定する。
【0068】
図4は、本発明の画像形成システムの制御経路を示すブロック図である。なお、画像形成システムを使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、制御部59自体は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御部59のうち、本発明の実施に必要となる部分について重点的に説明する。
【0069】
制御部59は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)60、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)61(記録部)、読み書き可能な記憶部であるRAM(Random Access Memory)62、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部63、給送カウンター13、挿入カウンター30、部数カウンター64、I/F(インターフェイス)65を少なくとも備えている。制御部59は、画像形成装置1、シート給送装置2、用紙後処理装置3の各部との間で、I/F65を介して制御信号を送受信する。なお、ここでは画像形成装置1の制御部59を用いて画像形成システム全体を制御することとしたが、用紙後処理装置3或いはシート給送装置2内に制御部を設けることも可能である。
【0070】
ROM61には、システムの制御用プログラムや制御上の必要な数値等、変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM62には、システムの制御途中で発生した必要なデータや、制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。
【0071】
また、ROM61には、画像形成のモードごとに設定された、第1給送部5から合流部19までの間に存在し得る出力用紙P1の最大の枚数(以下「内部最大枚数」と称する)の数値が記憶されている。内部最大枚数は、画像形成に要する時間によって変化する。モノクロ印刷、カラー印刷、片面印刷、両面印刷等、画像形成のモードの違いによって画像形成に要する時間は異なるため、出力用紙P1が第1給送部5から合流部19に到達する時間も異なるためである。ユーザー指示の印刷内容に合わせて、最適な内部最大枚数を設定することが可能になっている。
【0072】
給送カウンター13は、給送検知センサー12の検知結果に基づいて、給紙部4から給送された出力用紙P1の給送枚数をカウントする。挿入カウンター30は、挿入検知センサー29の検知結果に基づいて、シート積載部16から給送された挿入用紙P2の給送枚数をカウントする。
【0073】
また、部数カウンター64は、挿入検知センサー29の検知結果と、挿入カウンター30のカウント数に基づいて、用紙後処理装置3に搬送されたシート束の部数をカウントする。例えば、表紙と裏表紙を1枚ずつ含んだ冊子を作製する場合、挿入カウンター30のカウント数が奇数の時に、挿入検知センサー29が挿入用紙P2の給送を検知すると、その給送された挿入用紙P2を、冊子の裏表紙となる挿入用紙P2であると判定し、部数カウンター64でカウントする。
【0074】
なお、給送カウンター13、挿入カウンター30、部数カウンター64を別途設けなくても、例えばRAM62でその回数を記憶するようにしてもよい。
【0075】
また、制御部59は、画像形成装置1、用紙後処理装置3及びシート給送装置2を含むシステム内の各部分、各装置に対し、CPU60からI/F65を通じて制御信号を送信する。また、各部分、各装置からその状態を示す信号や、入力信号がI/F65を通じてCPU60に送信される。制御部59が制御する各部分、各装置としては、例えば、画像形成装置1の第1給送部5、および画像記録部8、シート給送装置2の第2給送部17、および第3給送部18、用紙後処理装置3のパンチ穴形成装置32、端綴じユニット33、ステープラー等が挙げられる(図1参照)。
【0076】
操作部66(入力部)には、液晶表示部67、各種の状態を示すLED68、テンキー69が設けられており、ユーザーは操作部66を操作して指示を入力することで、画像形成装置1、用紙後処理装置3及びシート給送装置2の各種の設定を行い、画像形成機能や後処理機能等の各種機能を実行させる。液晶表示部67は、システムの状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。テンキー69は、印刷部数の設定や、画像形成装置1がFAX機能を有する場合に送信先のFAX番号を入力等するためのものである。
【0077】
その他、操作部66には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、システムの各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
【0078】
また、画像形成システム100に、パーソナルコンピューターやタブレット端末等の外部入力機器が接続され、この外部入力機器72によって指示を入力し、画像形成装置1、用紙後処理装置3及びシート給送装置2の各種設定、各種機能の実行する構成を採用することもできる。
【0079】
ここで、内部最大枚数が、シート束に含まれる出力用紙P1の枚数(以下「出力予定枚数」と称する)よりも少ない場合、用紙給送部6から合流部19の間に、出力予定枚数以上の出力用紙P1が存在することはない。このため、挿入用紙P2の残量が無くなり、給紙部4からの新たな出力用紙P1の給送を停止したときに、仮に数枚の出力用紙P1が既に給送されてしまっていても、その枚数は出力予定枚数を超えることはなく、表紙の無い冊子が作製されることはない。
【0080】
一方、内部最大枚数が出力予定枚数よりも多い場合、挿入用紙P2の残量が無くなって給紙部4から新たな出力用紙P1の給送を停止したとしても、この時点で出力予定枚数を超える枚数の出力用紙P1が、用紙給送部6から合流部19の間に存在し得る。このため、出力予定枚数の出力用紙P1が用紙後処理装置3に搬送されてしまい、表紙の無い冊子が作製される恐れがある。ただし、内部最大枚数が出力予定枚数よりも多い場合であっても、挿入用紙P2の残量が豊富である場合には、表紙の無い冊子が作製される恐れはない。
【0081】
これらのことから、制御部59は、内部最大枚数が出力予定枚数よりも少ない場合と、内部最大枚数が出力予定枚数よりも多く、かつ挿入用紙P2の残量が所定よりも多い場合と、では、通常通りに冊子の作製を行う。内部最大枚数が出力予定枚数よりも多く、かつ挿入用紙P2の残量が所定量以下の場合では、出力用紙P1の給送間隔を遅くして、用紙給送部6から合流部19の間に存在する出力用紙P1の枚数が、出力予定枚数よりも多くならないようにする。このようにすることで、画像形成システム100は表紙の無い冊子が作製されるのを防ぎ、かつ生産性の低下を抑制することができる。
【0082】
なお、この出力用紙P1の給送間隔の変更は、挿入用紙P2が給送された次の(すなわち1枚目の)出力用紙P1の給送時のみ、一定の待機時間を設定するようにしてもよいし、全ての出力用紙P1の給送時に、均等な待機時間を設定するようにしてもよい。
【0083】
各出力用紙P1が異なる間隔で給送されると、ユーザーが画像形成装置1の故障と誤解する恐れがあるが、出力用紙P1の給送間隔を、全ての出力用紙P1の給送時に、均等な待機時間を設定するようにした場合には、このような誤解が生じるのを抑制することができる。
【0084】
以下、制御部59による用紙搬送制御について、図5から図7のフローチャートを参照しながら説明する。図5から図7は、出力用紙P1、および挿入用紙P2の搬入の制御の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図5に示すように、ユーザーにより操作部66から印刷指示が入力されると(ステップ1でYes)、この印刷指示の内容に基づいて、上述の内部最大枚数が出力予定枚数より少ないか否か判定される(ステップ2)。
【0086】
ステップ2で、内部最大枚数が出力予定枚数よりも少ないと判定された場合(ステップ2でYes)、出力用紙P1が給紙部4から給送され、冊子の表紙となる挿入用紙P2がシート積載部16から給送される(ステップ3)。ステップ2で、内部最大枚数が出力予定枚数以上と判定された場合(ステップ2でNo)、図6に示すステップ12に移行する。
【0087】
ステップ3で出力用紙P1と挿入用紙P2が給送されると、用紙検知センサー75の検知結果に基づいて、シート積載部16上に挿入用紙P2の残量が有るか否か判定される(ステップ4)。ステップ4で挿入用紙P2の残量が有ると判定されれば(ステップ4でYes)、給送検知センサー12の検知結果に基づいて、給送カウンター13が、出力用紙P1の給送枚数をカウントする(ステップ5)。ステップ4で挿入用紙P2の残量がないと判定されれば、冊子作製ジョブを中止し、液晶表示部67に挿入用紙P2の残量が無くなった旨を表示する(ステップ11)。
【0088】
ステップ5で出力用紙P1の給送枚数をカウントすると、冊子の裏表紙となる挿入用紙P2の挿入タイミングであるか否か判定される(ステップ6)。例えば、仮に3枚の出力用紙を含む冊子を作製する場合であって、給送カウンター13のカウント数が1又は2の時点では、出力用紙P1の給送枚数が1部分の冊子に必要な枚数(ここでは3枚)に達しておらず、挿入用紙P2を挿入するタイミングではない(ステップ6でNo)。このときは、ステップ7に進み、出力用紙P1を給送し、挿入タイミングになるまで、ステップ5からステップ7を繰り返す。
【0089】
ステップ6の判定の際に、給送カウンター13のカウント数が、出力用紙P1の出力予定枚数に達したとき、すなわち挿入用紙P2を挿入するタイミングであるときは(ステップ6でYes)、シート積載部16から合流部19へ、冊子の裏表紙となる挿入用紙P2を給送する(ステップ8)。次に、この裏表紙となる挿入用紙P2の給送を挿入検知センサー29が検知して、部数カウンター64が、用紙後処理装置3に搬送したシート束の部数としてカウントする(ステップ9)。
【0090】
そして、所定部数のシート束を給送したか否かの判定がされる(ステップ10)。ここで、例えば、画像形成システム100で5部の冊子を作製する印刷指示が入力されていた場合において、部数カウンター64のカウント数が4以下のときは、用紙後処理装置3に搬送されたシート束の数が作製予定部数(ここでは5部)に達していない。このため、再び、ステップ3に戻り、部数カウンター64の数が作製予定部数と等しくなるまで上述のステップ3からステップ10を繰り返す。
【0091】
ステップ10で、挿入カウンター30のカウント数が作製予定部数と等しい場合(ステップ10でYes)、用紙後処理装置3に搬送されたすべてのシート束に対して所定の後処理をしたのちに、冊子作製ジョブを終了する。
【0092】
なお、ステップ3で出力用紙P1を給送した際に、給送から所定時間内に給送検知センサー12によって出力用紙P1の給送を検知しなかった場合、給紙部4内の出力用紙P1の残量が無くなったと判断して、冊子作製ジョブを中止し、液晶表示部67に出力用紙P1の残量が無くなった旨を表示する(図示省略)。給紙部4aの残量の有無の判定については、給紙トレイ4aに出力用紙P1の残量の有無を検知するセンサーを別途設け、このセンサーの検知結果に基づいて判断するようにしてもよい。
【0093】
次に、ステップ2で、内部最大枚数が、出力予定枚数以上と判定された場合(ステップ2でNo)のその後の制御について、図6を参照しつつ説明する。
【0094】
ステップ2で、内部最大枚数が出力予定枚数以上であると判定されると(ステップ2でNo)、次に、シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が所定枚数より多いか否か判定される(ステップ12)。挿入用紙P2の残量が所定枚数より多いと判定された場合には(ステップ12でYes)、給紙部4から出力用紙P1を給送し、シート積載部16から挿入用紙P2を給送する(ステップ13)。挿入用紙P2の残量が所定枚数より少ないと判定された場合には(ステップ12でNo)、図7のステップ20に移行する。
【0095】
ステップ13で出力用紙P1と挿入用紙P2が給送されると、給送カウンター13が、出力用紙P1の給送枚数をカウントする(ステップ14)。次に、挿入用紙P2の挿入タイミングであるか否か判定される(ステップ15)。挿入タイミングでなければ(ステップ15でNo)、出力用紙P1を給送し(ステップ16)、挿入タイミングになるまで、ステップ14からステップ16を繰り返す。挿入タイミングであれば(ステップ15でYes)、ステップ17に進む。ステップ17、ステップ18は、上述のステップ8、ステップ9と同様のため、説明を省略する。
【0096】
ステップ19では、所定部数のシート束が用紙後処理装置3に搬送されたか判定する。所定部数のシート束が搬送されていれば(ステップ19でYes)、用紙後処理装置3に搬送されたすべてのシート束に対して所定の後処理をしたのちに、冊子作製ジョブを終了する。所定部数のシート束が搬送されていなければ(ステップ19でNo)、ステップ12に戻る。
【0097】
次に、ステップ12で、シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が所定枚数より少ないと判定された場合の(ステップ12でNo)、その後の制御について、図7を参照しつつ説明する。
【0098】
ステップ12で、シート積載部16上の挿入用紙P2の残量が所定枚数より少ないと判定されると、シート積載部16から挿入用紙P2を給送し、給送間隔を遅らせて出力用紙P1を給送する(ステップ20)。次に、用紙検知センサー75の検知結果に基づいて、シート積載部16上に挿入用紙P2が残っているか否か判定される(ステップ21)。ステップ21でシート積載部16上に挿入用紙P2が残っていないと判定されれば(ステップ21でNo)、冊子作製ジョブを中止し、液晶表示部67に挿入用紙P2の残量が無くなった旨を表示する(ステップ28)。
【0099】
ステップ21でシート積載部16上に挿入用紙P2が残っていると判定されれば(ステップ21でYes)、給送カウンター13が出力用紙P1の給送枚数をカウントする(ステップ22)。次に、挿入用紙P2の挿入タイミングであるか否か判定される(ステップ23)。ここで、挿入用紙P2の挿入タイミングでなければ(ステップ23でNo)、給紙部4から給送間隔を遅らせて出力用紙P1を給送し(ステップ24)、挿入タイミングになるまで、ステップ22からステップ24を繰り返す。
【0100】
ステップ20、ステップ24での出力用紙P1の給送間隔は、連続印字中に合流部19から第1給送部5までの間に存在する出力用紙P1の枚数が、1つのシート束に含まれる出力用紙P1の枚数よりも少なくなるように遅らせている。
【0101】
ステップ23で挿入タイミングと判定されれば(ステップ23でYes)。挿入用紙P2を給送し(ステップ25)、部数カウンター64が用紙後処理装置3に搬送されたシートの束をカウントする(ステップ26)。
【0102】
ステップ26でシート束の部数をカウントすると、次に用紙後処理装置3に搬送されたシート束の数が、冊子作製予定部数に達しているか否か判定される(ステップ27)。ここで、冊子作製予定部数に達していれば(ステップ27でYes)、用紙後処理装置3に搬送されたすべてのシート束に対して所定の後処理をしたのちに、冊子作製ジョブを終了する。達していなければ、ステップ20に戻る。
【0103】
このように、制御部59は、用紙給送部6から合流部19の間に、出力予定枚数以上の出力用紙P1が存在しないように出力用紙P1の給送を制御している。
【0104】
ここで、一般に、画像形成装置の用紙搬送経路内の中途の位置で出力用紙を停止させると、内部の熱によって出力用紙が焦げてしまったり、運転再開時にシート搬送方向の位置がずれてしまったりして、画像不良を引き起こすことがある。このため、挿入用紙の残量が無くなった場合に、画像形成装置内に存在する出力用紙は、用紙搬送経路内で停止させずに、下流側まで搬送されてしまい、表紙の無い冊子が作製される恐れがあった。このような問題に対して、従来の画像形成システムでは、表紙の無い冊子が作製されるのを抑制するために、挿入用紙の残量が所定よりも遅くなると、まず挿入用紙を給送し、次に用紙検知センサーによって挿入用紙の残量が有ると検知されるまで、出力用紙の給送を待機するようにしていた。このため、挿入用紙の残量が少なくなると、必ず出力用紙の給送間隔が遅くなってしまい、冊子作製に時間を要する、生産性の悪いものとなっていた。
【0105】
対して、本実施形態の画像形成システム100では、上述の通り、まず内部最大枚数が出力予定枚数よりも少ないか否か判定し、少ない場合には、挿入用紙P2の残量が所定よりも少なくなっても、通常通りに冊子の作製を行うようにしている(図5参照)。また、上述の通り、内部最大枚数が出力予定枚数以上であっても挿入用紙P2が所定量より多い間は、表紙の無い冊子が作製される恐れがないため、通常通りに冊子の作製を行う。これにより、生産性の低下を抑制することが可能となっている。
【0106】
なお、ステップ3、およびステップ13では、表紙となる挿入用紙P2の給送と、出力用紙P1の給送とを同じステップで行っているが、この挿入用紙P2が出力用紙P1よりも先に用紙後処理装置3に搬入されるようなタイミングで、挿入用紙P2と出力用紙P1は給送される。表紙となる挿入用紙P2が、出力用紙P1よりも先に用紙後処理装置3に搬入されるのであれば、出力用紙P1は、挿入用紙P2の給送のタイミングと同時であっても良いし、挿入用紙P2をシート積載部16から給送するよりも先に、給紙部4から給送するようにもできる。このようにすると、挿入用紙P2の給送を待たずに出力用紙P1を給送することが可能になり、効率的に冊子を作製することが可能になる。
【0107】
出力予定枚数が内部最大枚数よりも少なく、かつ挿入用紙P2の残量が所定よりも少なくなった場合には(ステップ20)、それ以降の出力用紙P1の給送は給送間隔を遅らせて行われる(ステップ20、ステップ24)。これにより、挿入用紙P2の残量がなくなった時点で、合流部19から第1給送部5までの間に、出力予定枚数よりも多い枚数の出力用紙P1が存在しないようにすることができるため、表紙のない冊子が作成されるのを抑制することが可能になっている。
【0108】
以上のように、本実施形態の画像形成システム100は、表紙の無い冊子が作製されるのを抑制しつつ、生産性の低下が抑制されている。
【0109】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0110】
例えば、上記実施形態においては、内部最大枚数をあらかじめROM61に記憶する構成を採用しているが、冊子作製ジョブを行うたびに内部最大枚数を算出する構成を採用することができる。この場合、制御部59内に時間カウンター74(時間計測部)を設け、ROM61に、画像形成のモードごとの出力用紙P1の搬送速度と、画像形成のモードごとの出力用紙P1の給紙間隔(時間)を記録しておく(図4参照)。
【0111】
ユーザーから印刷指示があると、出力用紙P1を給送する。この給送を給送検知センサー12が検知すると、上記の時間カウンター74で時間計測を開始する。出力用紙P1が合流部19に到達して、合流センサー28が出力用紙P1を検知すると、時間カウンター74の時間計測を終了する。この計測時間と、ユーザー指示の印刷内容に基づいて選択された搬送速度、および給紙間隔とから、内部最大枚数を算出する。算出された内部最大枚数は、一時記憶部63、またはRAM62に記憶する。
【0112】
画像形成装置1の下流側に接続されるシート給送装置2の態様によって、給紙部4から合流部19までの距離は異なり、内部最大枚数も異なる。また、画像形成モードの違いによって画像形成に要する時間は異なり、内部最大枚数も変化する。上記構成を採用することで、別のシート給送装置2に交換された場合や、画像形成モードが変更された場合でも、正確な内部最大枚数に基づいて上述の制御(図5のステップ2)を行うことが可能になり、より効果的に生産性の低下抑制、および表紙の無い冊子作製の抑制をすることができる。
【0113】
この内部最大枚数の算出については、別のシート給送装置2に交換されたり、異なる画像形成モードに変更されたりしてから最初の冊子作製ジョブにおいてのみ行い、その算出値をRAM62に記憶することができる。画像形成モードの変更や、シート給送装置2の交換がされない限り、次回以降の冊子作製ジョブにおいてもRAM62に記憶された算出値を用いることができる。この場合、シート給送装置の交換や、画像形成モードを変更するたびに、RAM62に記憶された内部最大枚数を更新するようにすることもできる。
【0114】
また、シート積載部16の挿入用紙P2の残量が所定よりも少なくなった時に、上述の制御(ステップ20からステップ28)を行うとともに、液晶表示部67に残量低下を通知するメッセージを表示することができる。このようにすると、ユーザーは、挿入用紙P2の残量低下を一早く認識し、挿入用紙P2の残量が無くなって、冊子作製ジョブが停止される前に挿入用紙P2を補充することができる。これにより、生産性の低下を抑制することができる。残量低下を通知する方法としては、液晶表示部67へのメッセージの表示の他、音声メッセージをスピーカから伝達する方法や、警告ランプの点灯やブザーによる通知等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明を、画像形成装置によって画像形成された用紙に表紙や合紙等を挿入するシート給送装置、綴じ処理等の後処理を行う用紙後処理装置を組み合わせた画像形成システムに利用した場合、製造コストの増加や装置の大型化、および生産性の低下を抑制しつつ、表紙の無い冊子が作製されるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 画像形成装置
2 シート給送装置
3 用紙後処理装置(シート後処理装置)
4 給紙部(シート格納部)
5 第1給送部
8 画像記録部(画像形成部)
13 給送カウンター(枚数計測部)
16 シート積載部
17 第2給送部
18 第3給送部
19 合流部
59 制御部
61 ROM(記録部)
64 部数カウンター
66 操作部(入力部)
70 残量検知機構
73 計測装置
74 時間カウンター(時間計測部)
100 画像形成システム
P1 出力用紙(出力シート)
P2 挿入用紙(挿入シート)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7