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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 E
H04N1/00 127
H04N1/00 885
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020170919
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022062788
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】桜木 雄一郎
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-216550(JP,A)
【文献】特開2008-155486(JP,A)
【文献】特開2004-152010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを備える画像処理装置であって、
前記コンピュータは、
電源の切断処理を実行する第1処理実行手段と、
画像処理に関する処理を実行する第2処理実行手段と、
電源の切断処理の実行を指示する第1コマンドを外部装置から受け付ける受付手段と、
前記受付手段が第1コマンドを受け付けた場合に、前記第1コマンドが、いずれの種類の前記第1コマンドであるかを判断する第1コマンド種別判断手段と、
前記第1コマンド種別判断手段が、第1種の前記第1コマンドであると判断した場合には、当該第1種の第1コマンドに含まれる切断条件が成立しているか否かを判断し、前記第1コマンド種別判断手段が、第2種の前記第1コマンドであると判断した場合には、メモリに記憶されている切断条件が成立しているか否かを判断する判断手段と、して機能し、前記切断条件は、電源の切断処理を実行するための条件であり、
前記受付手段は、
前記第2処理実行手段が画像処理に関する処理をしている間も、前記第1コマンドを受け付け可能であり、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により前記切断条件が成立していると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記切断条件が成立していないと判断された場合には、前記切断条件が成立するまで電源の切断処理を待機した後に、前記電源の切断処理を実行し、前記第1処理実行手段が電源の切断処理を待機している間も、前記第2処理実行手段が画像処理に関する処理を継続して実行することが可能であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1コマンド種別判断手段は、
前記第1コマンドが、第3種の前記第1コマンドであることも判断可能であり、
前記第1処理実行手段は、
前記第1コマンド種別判断手段が、第1種の前記第1コマンドであると判断した場合には、および、前記第1コマンド種別判断手段が、第2種の前記第1コマンドであると判断した場合には、前記判断手段により前記切断条件が成立していると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記切断条件が成立していないと判断された場合には、前記切断条件が成立するまで電源の切断処理を待機した後に、前記電源の切断処理を実行し、前記第1処理実行手段が電源の切断処理を待機している間も、前記第2処理実行手段が画像処理に関する処理を継続して実行することが可能であり、前記第1コマンド種別判断手段が、第3種の前記第1コマンドであると判断した場合には、前記切断条件が前記判断手段により成立していないと判断されて電源の切断処理を待機している間であっても、当該第3種の前記第1コマンドを受け付けたタイミングで電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、
前記第1コマンド以外のコマンドも受け付け可能であり、
前記コンピュータは、
前記受付手段が受け付けたコマンドが前記第1コマンドと第2コマンドとの何れであるかを解析する解析手段と、して機能し、前記第2コマンドは、画像処理に関する処理の実行を指示するコマンドであり、
前記第2処理実行手段は、
前記解析手段により前記第2コマンドを受け付けたと解析された場合に、画像処理に関する処理を実行し、
前記解析手段は、
前記受付手段が順次コマンドを受け付けた場合に、前記第2処理実行手段による処理の実行と並行して、前記受付手段が受け付けたコマンドが前記第1コマンドと前記第2コマンドとの何れであるかを解析し、
前記第1コマンド種別判断手段は、
前記受付手段が第1コマンドを受け付けた場合に、前記第1コマンドが、いずれの種類の前記第1コマンドであるかを判断し、
前記第1コマンド種別判断手段が、第1種の前記第1コマンドであると判断した場合には、当該第1種の第1コマンドに含まれる切断条件が成立しているか否かを判断し、前記第1コマンド種別判断手段が、第2種の前記第1コマンドであると判断した場合には、前記メモリに記憶されている前記切断条件が成立しているか否かを判断する判断手段と、して機能し、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により前記切断条件が成立していると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記切断条件が成立していないと判断された場合には、前記切断条件が成立するまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記切断条件は、所定の時間が経過した場合に電源の切断処理を実行するという条件であり、
前記判断手段は、
前記所定の時間が経過したか否かを判断し、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により前記所定の時間が経過したと判断されるまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1コマンドは、2以上のコマンドにより構成されており、
前記第1コマンドが、第1種の前記第1コマンドである場合、前記2以上のコマンドは、少なくとも、電源の切断処理の実行及び、切断処理の実行後に電源の再投入処理の実行を指示するコマンドと、前記切断条件を示すコマンドとを含み、
前記第1コマンドが、第2種の前記第1コマンドである場合、前記2以上のコマンドは、少なくとも、電源の切断処理の実行及び、切断処理の実行後に電源の再投入処理の実行を指示するコマンドと、前記切断条件に従った電源の切断処理の実行及び、切断処理の実行後に電源の再投入処理の実行を示すコマンドとを含むことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1コマンドは、電源の切断処理の実行及び、切断処理の実行後に電源の再投入処理の実行を指示するコマンドにより構成されており、
前記コマンドに、前記切断条件に従った電源の切断処理の実行及び、切断処理の実行後に電源の再投入処理の実行を示すパラメータが含まれていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1コマンドは複数種類あり、前記切断条件も複数種類あり、それら複数種類の第1コマンドの各々に種類に応じた前記切断条件が含まれており、複数種類の前記切断条件のうちの任意のものが前記メモリに記憶されており、
前記第1コマンド種別判断手段は、
前記受付手段が第1コマンドを受け付けた場合に、前記第1コマンドが、いずれの種類の前記第1コマンドであるかを判断し、
前記判断手段は、
前記第1コマンド種別判断手段が、第1種の前記第1コマンドであると判断した場合には、当該第1種の第1コマンドに含まれる切断条件が成立しているか否かを判断し、前記第1コマンド種別判断手段が、第2種の前記第1コマンドであると判断した場合には、前記メモリに記憶されている前記切断条件が成立しているか否かを判断し、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により前記切断条件が成立していると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記切断条件が成立していないと判断された場合には、前記切断条件が成立するまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記受付手段は、
前記第1コマンドだけでなく、画像処理に関する処理の実行を指示する第2コマンドも受け付け、
前記コンピュータは、
前記受付手段が前記第2コマンドを受け付けた場合に、画像処理に関する処理を実行する第2処理実行手段として機能し、
前記切断条件は、前記受付手段が1以上の前記第2コマンドを受け付けた場合に前記第2処理実行手段が当該1以上の第2コマンドに従った画像処理に関する処理の実行を完了した後に、電源の切断処理を実行するという条件であり、
前記判断手段は、
前記受付手段が1以上の前記第2コマンドを受け付けた場合に前記第2処理実行手段が当該1以上の第2コマンドに従った画像処理に関する処理の実行を完了しているか否かを判断し、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により前記第2処理実行手段が当該1以上の第2コマンドに従った画像処理に関する処理の実行を完了していると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記第2処理実行手段が当該1以上の第2コマンドに従った画像処理に関する処理の実行を完了していないと判断された場合に、当該1以上の第2コマンドに従った画像処理に関する処理の実行が完了するまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記切断条件は、前記画像処理装置がアイドリング状態である場合に、電源の切断処理を実行するという条件であり、
前記判断手段は、
前記画像処理装置がアイドリング状態であるか否かを判断し、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により前記画像処理装置がアイドリング状態であると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記画像処理装置がアイドリング状態でないと判断された場合に、前記画像処理装置がアイドリング状態になるまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像処理装置は、画像処理の対象となる用紙を搬送する搬送装置を備え、
前記切断条件は、前記搬送装置による搬送中の用紙が所定の位置まで搬送された場合に、電源の切断処理を実行するという条件であり、
前記判断手段は、
前記搬送装置による搬送中の用紙が所定の位置まで搬送されているか否かを判断し、
前記第1処理実行手段は、
前記判断手段により用紙が所定の位置まで搬送されていると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により用紙が所定の位置まで搬送されていないと判断された場合に、用紙が所定の位置に搬送されるまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源の切断処理の実行を指示するコマンドを受け付けたことに応じて電源の切断処理を実行する画像処理装置、および画像処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、電源の切断処理を実行する画像処理装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-186220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、好適なタイミングで電源の切断処理を実行することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示する画像処理装置は、コンピュータを備える画像処理装置であって、前記コンピュータは、電源の切断処理を実行する第1処理実行手段と、画像処理に関する処理を実行する第2処理実行手段と、電源の切断処理の実行を指示する第1コマンドを外部装置から受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記第1コマンドを受け付けた場合に、当該第1コマンドに含まれる切断条件が成立しているか否かを判断する判断手段と、して機能し、前記切断条件は電源の切断処理を実行するための条件であり、前記受付手段は、前記第2処理実行手段が画像処理に関する処理をしている間も、前記第1コマンドを受け付け可能であり、前記第1処理実行手段は、前記判断手段により前記切断条件が成立していると判断された場合に、電源の切断処理を実行し、前記判断手段により前記切断条件が成立していないと判断された場合には、前記切断条件が成立するまで電源の切断処理を待機した後に、前記電源の切断処理を実行し、前記第1処理実行手段が電源の切断処理を待機している間も、前記第2処理実行手段が画像処理に関する処理を継続して実行することが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
実施例に開示する画像処理装置及び制御プログラムでは、電源の切断処理の実行を指示する第1コマンドに含まれる切断条件に好適なタイミングで電源の切断処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】通信システム1のブロック図である。
図2】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
図3】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
図4】コマンド依拠再起動処理実行サブルーチンを示す図である。
図5】コマンド依拠再起動処理実行サブルーチンを示す図である。
図6】設定条件依拠再起動処理実行サブルーチンを示す図である。
図7】設定条件依拠再起動処理実行サブルーチンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更できる。
【0009】
図1は、本実施形態に係る通信システム1のブロック図である。図1に示す通信システム1は、MFP(画像処理装置の一例)10、PC(外部装置の一例)50を備える。MFP10は、スキャン処理,印刷処理等の各種画像処理を実行可能なデバイスであり、PC50から送信されるPJLコマンドに従って各種画像処理を実行する。
【0010】
MFP10は、CPU(コンピュータの一例)12、メモリ14、LCD16、入力I/F18、読取部20、記録部22、搬送部(搬送装置の一例)23、通信I/F28を主に備えている。これらの構成要素は、バス30を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
MFP10は、通信I/F28及び通信経路31を通じてPC50と通信可能となっている。各通信経路31の通信の方式としては、例えば、有線LAN、USB、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)を採用できる。
【0012】
CPU12は、メモリ14内の制御プログラム(制御プログラムの一例)32に従って処理を実行する。制御プログラム32は、スキャン処理,印刷処理等の画像形成処理を実行するためのプログラムである。以降、制御プログラム32を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御プログラム32が」という記載は、「制御プログラム32を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0013】
また、メモリ14は、データ記憶領域34を備える。データ記憶領域34は、制御プログラム32等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、PC10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0014】
なお、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
LCD16は、MFP10の各種情報を表示する。なお、本願のディスプレイは、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイでも良い。入力I/F18は、例えば、ディスプレイと一体的に構成されているタッチパネルであり、ディスプレイ上に表示されたアイコン,ボタン等へのユーザ操作を受け付ける。また、タッチパネル以外にも、ハードキー等であってもよい。
【0016】
読取部20は、イメージセンサを備え、画像を読み取り、スキャンを実行する部位である。また、記録部22は、例えば電子写真方式の印刷機構である。記録部22は、インクジェット方式の印刷機構でもよい。
【0017】
また、搬送部23は、用紙を搬送する機構である。搬送部23には、スキャン処理時に、ADFに載置された原稿を、読取部20まで搬送し、その原稿が読取部20により読み取られた後に、原稿をMFP10の外部に搬出する構造がある。搬送部23は、印刷処理時に、印刷用紙が収容された収容トレイから記録部22まで印刷用紙を搬送し、その印刷用紙に画像が印刷された後に、印刷用紙をMFP10の外部に搬出する構造がある。なお、搬送部23の原稿及び印刷用紙の搬送経路の終端、つまり、原稿若しくは印刷用紙がMFP10から搬出される直前に検出センサ36が配設されており、その検出センサ36により原稿若しくは印刷用紙のMFP10からの搬出が検出される。
【0018】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」「設定」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。また、CPUによる、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPUによる、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであるかを示しているかを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0019】
PC50から再起動の指令を受け付けると実行される制御プログラム32の処理を、図2乃至図7に示すフローチャートを用いて、詳しく説明する。
【0020】
なお、PC50からMFP10への指令はPJLコマンドを用いて行われている。解析処理部72は、MFP10がデータを受信すると、コマンド解析を行う(S102)。そして、解析処理部72は、受信したPJLコマンドが再起動コマンドであるか否かを判断する(S104)。
【0021】
受信したPJLコマンドが再起動コマンドでなく(S104:NO)、印刷処理コマンドである場合(S106:YES)に、解析処理部72は、印刷処理実行指示を印刷処理部60に出力する(S107)。そして、印刷処理部60が、記録部22及び搬送部23の作動を制御し、印刷処理を実行する(S108)。印刷処理コマンドは、画像処理に関する処理である、画像関連処理を行うためのコマンド(第2コマンドの一例)である。他にも種々の画像関連処理を行うためのコマンドがあるが、本説明では、印刷処理コマンドとスキャン処理コマンドと設定処理コマンドと出力処理コマンドについてのみ説明する。
【0022】
また、受信したPJLコマンドがスキャン処理コマンドである場合(S110:YES)に、解析処理部72は、スキャン処理実行指示をスキャン処理部62に出力する(S111)。そして、スキャン処理部62が、読取部20及び搬送部23の作動を制御し、スキャン処理を実行する(S112)。
【0023】
また、受信したPJLコマンドが設定処理コマンドである場合(S114:YES)に、解析処理部72は、設定処理実行指示を設定処理部64に出力する(S115)。解析処理部72は、設定処理実行指示とともに、設定処理コマンドに含まれる設定値も設定処理部64に出力する。そして、設定処理部64が、受け付けた設定値に基づいて設定処理を実行する(S116)。例えば、設定処理部64は、受け付けた設定値をデフォルト値としてデータ記憶領域34に記憶させる。
【0024】
また、受信したPJLコマンドが出力処理コマンドである場合(S113:YES)に、解析処理部72は、出力処理実行指示を出力処理部66に出力する(S117)。解析処理部72は、出力処理実行指示とともに、出力処理コマンドに含まれるパラメータも出力処理部66に出力する。そして、出力処理部66が、データの出力処理を実行する(S118)。例えば、出力処理部66は、受け付けたパラメータが示すデータをデータ記憶領域34において検索し、そのデータを通信I/F28を介してPC50、あるいは、パラメータが示す宛先に送信する。また、受信したPJLコマンドがその他のコマンドである場合(S113:NO)に、解析処理部72は、受信したコマンドに対する処理を実行する(S119)。
【0025】
ちなみに、解析処理部72による処理は、印刷処理部60,スキャン処理部62,設定処理部64,出力処理部66による処理と並行して実行される。つまり、解析処理部72は、画像関連処理が実行されている間も、データ受信,コマンド解析,実行指示の出力などを行っている。
【0026】
ここで、MFP10に送信されるPJLコマンドとして、即時再起動処理を行うための再起動コマンド(以下、「即時再起動コマンド」と記載する)(第3コマンドの一例)と、再起動実行条件が成立した後に実行される再起動処理である、条件成立再起動処理を行うための再起動コマンド(以下、「条件成立再起動コマンド」と記載する)とがある。このため、S104で受信したPJLコマンドが再起動コマンドであると判断された場合(S104:YES)に、解析処理部72は、受信したPJLコマンドが即時再起動コマンドであるか否かを判断する(S120)。この際、受信したPJLコマンドが即時再起動コマンドである場合(S120:YES)に、解析処理部72は、再起動処理実行指示を即時再起動処理部68に出力する(S121)。そして、即時再起動処理部68は、再起動処理実行指示を受信したタイミングで再起動処理を実行する(S122)。つまり、即時再起動処理部68は、再起動処理実行指示を受信して即時に再起動する即時再起動処理を実行する。ちなみに、再起動処理は、電源を切断し、電源の切断後に電源の再投入を行う処理である。即時再起動コマンドは、再起動を示すPJLコマンド「@PJL REBOOT」のみであり、オプションパラメータとして再起動条件を含有していない。
【0027】
そして、S120で受信したPJLコマンドが即時再起動コマンドでない場合(S120:NO)に、解析処理部72は、受信したPJLコマンドの種類を判断する(S124)。つまり、受信したPJLコマンドが条件含有再起動コマンドであるか自動再起動コマンドであるかを判断する。この際、受信したPJLコマンドが条件含有再起動コマンドである場合に、解析処理部72は、条件含有再起動コマンドに含まれる再起動条件に応じた再起動処理の実行指示を条件成立再起動処理部70に出力する(S125)。
【0028】
条件成立再起動コマンドには、条件含有再起動コマンド(第1コマンドの一例)と自動再起動コマンドとがある。条件含有再起動コマンドは、再起動処理を実行するための再起動条件(切断条件の一例)を含有しており、含有する再起動条件が成立している場合に再起動処理を実行するためのコマンドである。なお、条件成立再起動コマンドには「時間経過後再起動コマンド」、「搬送後再起動コマンド」、アイドリング中再起動コマンド」、「画像関連処理完了後再起動コマンド」4種類のコマンドがあり、それら4種類のコマンドの各々に種類に応じた再起動条件が含まれている。
【0029】
具体的には、受信したPJLコマンドが時間経過後再起動コマンドである場合に、解析処理部72は、時間経過後再起動指示を条件成立再起動処理部70に出力する。また、受信したPJLコマンドが搬送後再起動コマンドである場合に、解析処理部72は、搬送後再起動指示を条件成立再起動処理部70に出力する。また、受信したPJLコマンドがアイドリング中再起動コマンドである場合に、解析処理部72は、アイドリング中再起動指示を条件成立再起動処理部70に出力する。また、受信したPJLコマンドが画像関連処理完了後再起動コマンドである場合に、解析処理部72は、画像関連処理完了後再起動指示を条件成立再起動処理部70に出力する。
【0030】
そして、条件成立再起動処理部70は、再起動処理の実行指示を受け付けると、条件含有再起動コマンドに含まれる再起動条件に依拠した再起動処理(以下、「コマンド依拠再起動処理」と記載する)を実行する(S126)。具体的には、条件成立再起動処理部70が、図4及び図5に示すコマンド依拠再起動処理実行サブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、条件成立再起動処理部70が、受け付けた再起動処理の実行指示が時間経過後再起動指示であるか否かを判断する(S200)。
【0031】
この際、再起動処理の実行指示が時間経過後再起動指示である場合(S200:YES)に、条件成立再起動処理部70は、時間経過後再起動指示に付与されている設定時間Xが有効範囲内であるか否かを判断する(S202)。そして、設定時間Xが有効範囲内である場合(S202:YES)に、条件成立再起動処理部70は、時間経過後再起動指示を受け付けてから設定時間Xが経過したか否かを判断する(S204)。この際、設定時間Xが経過していない場合(S204:NO)に、条件成立再起動処理部70は、告知画面(図示省略)をLCD16に表示する(S206)。なお、この告知画面には、「設定時間Xの経過後に再起動を実行します」と表示される。そして、S204の処理に戻り、設定時間Xが経過している場合(S204:YES)に、条件成立再起動処理部70は、再起動処理を実行する(S207)。つまり、条件成立再起動処理部70は、時間経過後再起動指示を受け付けてから設定時間Xが経過していない場合に、告知画面を表示し、設定時間Xが経過するまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。時間経過後再起動コマンドは、例えば、再起動処理を実行するためのPJLコマンドにオプションパラメータとして、設定時間Xを示す「TIME=X」を含有している。XはPC50において予め設定された設定時間である。例えば「TIME=10」であれば、条件成立再起動処理部70は再起動指示から10秒経過した後に再起動処理を実行する。MFP10には予め、設定時間Xの有効範囲が設定されている。S202で設定時間Xが有効範囲内でない場合(S202:NO)、例えば、有効範囲が5~60秒であり、設定時間Xが70秒である場合に、条件成立再起動処理部70は、設定時間Xの経過を待機することなく、再起動処理を実行する(S207)。
【0032】
また、S200で再起動処理の実行指示が時間経過後再起動指示でない場合(S200:NO)に、条件成立再起動処理部70は、受け付けた再起動処理の実行指示が搬送後再起動指示であるか否かを判断する(S208)。搬送後再起動コマンドは、例えば、再起動処理を実行するためのPJLコマンドにオプションパラメータとして再起動条件「IMMIDIATE=1」を含有している。再起動処理の実行指示が搬送後再起動指示である場合(S208:YES)に、条件成立再起動処理部70は、搬送部23が作動しており用紙が搬送中であるか否かを判断する(S210)。そして、用紙が搬送中である場合(S210:YES)に、条件成立再起動処理部70は、用紙の搬送が完了したか否かを判断する(S212)。この判断は、検出センサ36の検出値に基づいて行われる。S212の判断は、用紙がMFP10の内部から外部まで搬送されたか否かの判断でもよい。条件成立再起動処理部70は、用紙搬送を完了したか否かを示す情報を印刷処理部60またはスキャン処理部62から取得して、S212の判断をしてもよい。印刷処理部60およびスキャン処理部62は、検出センサ36の検出値に基づいて、用紙搬送を完了したか否かを示す情報を提供してもよい。用紙の搬送が完了していない場合(S212:NO)に、条件成立再起動処理部70は、告知画面(図示省略)をLCD16に表示する(S214)。なお、この告知画面には、「用紙搬送完了後に再起動を実行します」と表示される。そして、S212の処理に戻り、用紙の搬送が完了している場合(S212:YES)に、条件成立再起動処理部70は、再起動処理を実行する(S207)。つまり、条件成立再起動処理部70は、用紙の搬送が完了していない場合に、告知画面を表示し、用紙の搬送が完了するまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。なお、再起動処理の実行指示が搬送後再起動指示であると判断され(S208:YES)、その際に用紙が搬送中でない場合(S210:NO)には、条件成立再起動処理部70は、告知画面を表示せず、再起動を待機することなく、再起動処理を実行する(S207)。
【0033】
また、S208で再起動処理の実行指示が搬送後再起動指示でない場合(S208:NO)に、条件成立再起動処理部70は、受け付けた再起動処理の実行指示がアイドリング中再起動指示であるか否かを判断する(S216)。アイドリング中再起動コマンドは、例えば、再起動処理を実行するためのPJLコマンドにオプションパラメータとして再起動条件「IDLE=1」を含有している。再起動処理の実行指示がアイドリング中再起動指示である場合(S216:YES)に、条件成立再起動処理部70は、MFP10がアイドリング状態であるか否かを判断する(S218)。CPU12は、印刷処理部60など、画像関連処理を行う複数の処理部での処理が完了しているか否かを含む、MFP10の状態を監視するステータス監視部(図示省略)を含んでいる。条件成立再起動処理部70は、ステータス監視部からMFP10の状態を示す情報を取得してMFP10がアイドリング状態であるか否かを判断してもよい。アイドリング状態は、全ての処理部で画像関連処理が行われていない状態であってもよい。アイドリング状態は、全ての処理部で画像関連処理が完了してから所定時間、例えば5秒、以上経過した状態であってもよい。アイドリング状態はMFP10が新たなコマンドの受け付けを待機しており、待機画面を表示している待機状態であってもよい。そして、MFP10がアイドリング状態でない場合(S218:NO)に、条件成立再起動処理部70は、告知画面(図示省略)をLCD16に表示する(S220)。なお、この告知画面には、「動作完了後に再起動を実行します」と表示される。そして、S218の処理に戻り、条件成立再起動処理部70は、MFP10がアイドリング状態であるか否かを判断する(S218)。この際、MFP10がアイドリング状態である場合(S218:YES)に、条件成立再起動処理部70は、再起動処理を実行する(S207)。つまり、条件成立再起動処理部70は、MFP10がアイドリング状態でない場合に、告知画面を表示し、MFP10がアイドリング状態になるまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。なお、再起動処理の実行指示がアイドリング中再起動指示であると判断され(S216:YES)、その際にMFP10がアイドリング状態である場合(S218:YES)には、条件成立再起動処理部70は、告知画面を表示せず、再起動を待機することなく、再起動処理を実行する(S207)。
【0034】
また、S216で再起動処理の実行指示がアイドリング中再起動指示でない場合(S216:NO)つまり、再起動処理の実行指示が画像関連処理完了後再起動指示である場合に、条件成立再起動処理部70は、MFP10において画像関連処理が実行されている最中であるか否かを判断する(S222)。画像関連処理完了後再起動コマンドは、例えば、再起動処理を実行するためのPJLコマンドにオプションパラメータとして再起動条件「SYNCED=1」を含有している。条件成立再起動処理部70は、解析処理部72からの実行指示に従って画像関連処理を開始した処理部、例えば印刷処理部60から、処理が完了しているか否かの情報を取得する。条件成立再起動処理部70は、処理が完了していない旨の情報を取得した場合に、MFP10において画像関連処理が実行されている最中であると判断する(S222:YES)。そして、条件成立再起動処理部70は、告知画面(図示省略)をLCD16に表示する(S226)。なお、この告知画面には、「動作完了後に再起動を実行します」と表示される。そして、S222の処理に戻り、条件成立再起動処理部70は、MFP10において画像関連処理が実行されている最中であるか否かを判断する(S222)。MFP10において画像関連処理が実行されている最中でないと判断した場合(S222:NO)、条件成立再起動処理部70は、再起動処理を実行する(S207)。つまり、条件成立再起動処理部70は、画像関連処理コマンドの受信に応じて実行される全ての画像関連処理が完了していない場合に、告知画面を表示し、全ての画像関連処理が完了するまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。なお、処理部による画像関連処理は、当然、条件成立再起動処理部70が再起動処理を待機している間も継続して行われるため、条件成立再起動処理部70は全ての画像関連処理の完了後に再起動処理を行うことができる。
【0035】
例えば、画像関連処理Aを実行するための画像処理コマンド,画像関連処理Bを実行するための画像処理コマンド,画像関連処理完了後再起動コマンドの順に、MFP10がコマンドを受信した場合に、画像関連処理A,画像関連処理B,画像関連処理完了後再起動処理の順に実行指示が出力される。条件成立再起動処理部70は、S222の処理において画像関連処理A及び画像関連処理Bが完了しているか否かを判断する。このため、このような場合において、画像関連処理A及び画像関連処理Bが完了した後に、再起動処理が実行される。
【0036】
一方で、画像関連処理Aを実行するための画像処理コマンド,画像関連処理完了後再起動コマンド,画像関連処理Bを実行するための画像処理コマンドの順に、MFP10がコマンドを受信した場合には、画像関連処理A,画像関連処理完了後再起動処理,画像関連処理Bの順に実行指示が出力される。このため、画像関連処理完了後再起動処理の実行指示に応じてS222の処理が実行される際に、解析処理部72は画像関連処理Aの実行指示を既に出力しているが、画像関連処理Bの実行指示を出力していない場合がある。しかしながら、画像関連処理Aの実行指示に応じて画像関連処理Aが実行されるため、条件成立再起動処理部70は画像関連処理Aが完了するまで再起動処理を待機する。この際に、解析処理部72が画像関連処理Bの実行指示を出力すると、条件成立再起動処理部70は、S222の処理において、画像関連処理Aだけでなく画像関連処理Bが完了するまで再起動を待機する。このため、このような場合においても、画像関連処理A及び画像関連処理Bが完了した後に、再起動処理が実行される。つまり、MFP10が画像関連処理完了後再起動コマンドを受信する前に受信した画像関連処理コマンドに応じた画像関連処理だけでなく、MFP10が画像関連処理完了後再起動コマンドを受信した後に受信した画像関連処理コマンドに応じた画像関連処理が完了した後にも、再起動処理を行うことが可能となる。
【0037】
なお、再起動処理の実行指示がアイドリング中再起動指示でないと判断され(S216:NO)、その際に、MFP10において画像関連処理がすべて完了している、つまり、MFP10において画像関連処理が実行されている最中でない場合(S222:NO)には、条件成立再起動処理部70は、告知画面を表示せず、再起動を待機することなく、再起動処理を実行する(S207)。
【0038】
このように、コマンド依拠再起動処理が実行されることで、再起動条件が成立している場合に再起動処理が実行され、再起動条件が成立していない場合には、再起動条件が成立するまで再起動処理が待機された後に、再起動処理が実行される。これにより、任意のタイミングで再起動処理を行うことが可能となり、再起動処理に伴う紙詰まりの発生,画像関連処理の中断などを防止することができる。
【0039】
また、条件成立再起動コマンドには、上述したように、時間経過後再起動コマンド等の条件含有再起動コマンド以外に自動再起動コマンドがある。自動再起動コマンドは、例えば、再起動処理を実行するためのPJLコマンドにオプションパラメータとして再起動条件「AUTO=1」を含有している。なお、設定条件はMFP10において予め設定されている再起動条件であり、設定条件として設定される再起動条件は、時間経過後再起動コマンド等の条件含有再起動コマンドに含まれている再起動条件と同じである。このため、時間経過再起動条件と搬送後再起動条件とアイドリング中再起動条件と処理完了後再起動条件との4種類の再起動条件のうちの任意の1の再起動条件が、設定条件としてMFP10において予め設定されており、設定された設定条件がデータ記憶領域34に記憶されている。
【0040】
このように4種類の再起動条件のうちの任意の1の再起動条件が、設定条件としてMFP10において予め設定されており、MFP10が自動再起動コマンドを受信すると、S124(図3参照)において解析処理部72は、自動再起動コマンドであると判断する。そして、解析処理部72は、設定条件に従った再起動処理の実行指示を条件成立再起動処理部70に出力する(S127)。そして、条件成立再起動処理部70は、設定条件に従った再起動処理の実行指示を受け付けると、設定条件に依拠した再起動処理(以下、「設定条件依拠再起動処理」と記載する)を実行する(S128)。具体的には、条件成立再起動処理部70が、図6及び図7に示す設定条件依拠再起動処理実行サブルーチンを実行する。
【0041】
設定条件依拠再起動処理実行サブルーチンでは、条件成立再起動処理部70が、設定条件が時間経過再起動条件であるか否かを判断する(S300)。この際、設定条件が時間経過再起動条件である場合(S300:YES)に、S302~S307の処理が実行されるが、それらの処理は、図4のS202~S207の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0042】
また、設定条件が時間経過再起動条件でない場合(S300:NO)に、条件成立再起動処理部70が、設定条件が搬送後再起動条件であるか否かを判断する(S308)。この際、設定条件が搬送後再起動条件である場合(S308:YES)に、S310~S314,S307の処理が実行されるが、それらの処理は、図4のS210~S214,S207の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0043】
また、設定条件が搬送後再起動条件でない場合(S308:NO)に、条件成立再起動処理部70が、設定条件がアイドリング中再起動条件であるか否かを判断する(S316)。この際、設定条件がアイドリング中再起動条件である場合(S316:YES)に、S318,S320,S307の処理が実行されるが、それらの処理は、図5のS218,S220,S207の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0044】
また、設定条件がアイドリング中再起動条件でない場合(S316:NO)に、S322,S326,S307の処理が実行されるが、それらの処理は、図5のS222,S226,S207の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0045】
このように、設定条件依拠再起動処理が実行されることで、コマンド依拠再起動処理と同様に、再起動条件が成立している場合に再起動処理が実行され、再起動条件が成立していない場合には、再起動条件が成立するまで再起動処理が待機された後に、再起動処理が実行される。これにより、任意のタイミングで再起動処理を行うことが可能となり、再起動処理に伴う紙詰まりの発生,画像関連処理の中断などを防止することができる。
【0046】
なお、S100を実行するCPU12は、受付手段の一例である。S104,S106,S110,S114,S120を実行するCPU12は、解析手段の一例である。S108,S112,S116,S118を実行するCPU12は、第2処理実行手段の一例である。S122を実行するCPU12は、第3処理実行手段の一例である。S204,S212,S218,S222を実行するCPU12は、判断手段の一例である。S207を実行するCPU12は、第1処理実行手段の一例である。
【0047】
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0048】
MFP10は、再起動コマンドに応じた再起動条件が成立するまで待機した後に、再起動処理を実行できる。解析処理部72は印刷処理部60等が画像関連処理を実行している間も、条件含有再起動コマンドを受け付け可能とされている。これにより、MFP10は、再起動条件に応じた任意のタイミングで再起動処理を行うことが可能となる。
【0049】
また、MFP10は、画像関連処理コマンドにしたがった印刷処理部60等による画像関連処理の実行と並行して、再起動条件が成立していると判断された場合に再起動処理を実行し、再起動条件が成立していないと判断された場合に、再起動条件が成立するまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。これにより、MFP10は、画像関連処理と並行してコマンド依拠再起動処理を実行することができる。
【0050】
MFP10は、は、4種類の条件含有再起動コマンドそれぞれに応じた再起動条件が成立するまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。これにより、複数の再起動条件の各々に応じたタイミングで再起動処理を行うことができる。
【0051】
例えば、時間経過再起動コマンドに従って、MFP10は、PC50が指定する時間の経過後に再起動処理を行うことができる。
【0052】
例えば、搬送後再起動コマンドに従って、MFP10は、用紙の搬送が完了するまで再起動処理を待機した後に、再起動処理を実行する。これにより、用紙搬送中に再起動処理が実行されることで発生するかもしれない不具合を抑制することができる。
【0053】
例えば、アイドリング中再起動コマンドに従って、MFP10は、画像関連処理の実行を、再起動処理により中断させず、適切な画像関連処理の実行を担保することができる。
【0054】
例えば、画像関連処理完了後再起動コマンドに従って、MFP10は、指示された画像関連処理の実行を担保することができる。
【0055】
また、条件含有再起動コマンドは、再起動処理の実行を指示するPJLコマンドにより構成されており、そのPJLコマンドに再起動条件がオプションパラメータとして含まれている。このため、オプションパラメータに従って再起動処理が実行されることで、再起動条件に応じたタイミングで再起動処理を行うことができる。
【0056】
また、解析処理部72は、条件含有再起動コマンド以外に即時再起動コマンドも受け付ける。そして、解析処理部72は、即時再起動コマンドを受け付けると再起動処理の実行指示を即時再起動処理部68に出力する。そして、即時再起動処理部68は、再起動処理の実行指示を受け付けたタイミングで再起動処理を実行する。この際、例えば、条件成立再起動処理部70が再起動処理を待機している場合であっても、即時再起動処理部68は、再起動処理の実行指示を受け付けたタイミングで再起動処理を実行する。これにより、何らかのエラーの発生により再起動処理の待機時間が長くなっている場合であっても、強制的に再起動処理を行うことができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、条件含有再起動コマンドは、再起動処理の実行を指示するPJLコマンドにより構成されており、そのPJLコマンドに再起動条件がオプションパラメータとして含まれている。つまり、条件含有再起動コマンドは、1のPJLコマンドにより構成されており、そのPJLコマンドに再起動条件がオプションパラメータとして含まれている。一方で、条件含有再起動コマンドを、2以上のPJLコマンドにより構成し、それら2以上のPJLコマンドが、少なくとも再起動処理の実行を指示するコマンドと、再起動条件を示すコマンドとを含んでいてもよい。具体的には、例えば、時間経過後再起動コマンドとして、「@PJL DEFAULT TIMEREBOOT=X」「@PJL EXECUTE REBOOT」の2コマンドを合わせて、条件含有再起動コマンドとして採用してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、PC50からMFP10に送信される、再起動を指示するコマンドとしてPJLコマンドが採用されているが、MIBデータ等の種々のデータを、再起動を指示するコマンドとして採用することが可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、条件含有再起動コマンドとして、時間経過後再起動コマンドと搬送後再起動コマンドとアイドリング中再起動コマンドと画像関連処理完了後再起動コマンドとの4種類のコマンドが採用されているが、それら4種類のうちの3種類以下のコマンドが採用されてもよい。例えば、条件含有再起動コマンドとして時間経過後再起動コマンドのみが採用される場合には、図4及び図5に示すコマンド依拠再起動処理実行サブルーチンにおいて、S202,S204,S207の処理のみが実行される。
【0060】
また、上記実施形態では、搬送後再起動処理において、用紙の搬送が完了するまで、つまり、用紙がMFP10の内部から外部に搬送されるまで、条件成立再起動処理部70は再起動処理を待機しているが、用紙がMFP10の内部の所定の位置まで搬送されるまで、条件成立再起動処理部70は再起動処理を待機する、という仕様でもよい。具体的には、例えば、紙詰まりが発生する可能性が低い位置まで用紙が搬送されるまで、条件成立再起動処理部70は再起動処理を待機してもよい。
【0061】
また、実施形態では、時間経過後再起動処理において、時間経過後再起動指示を受け付けてから設定時間Xが経過した後に再起動処理が実行されるが、画像関連処理が完了してから設定時間Xが経過した後に再起動処理が実行されてもよく、用紙の搬送が完了してから設定時間Xが経過した後に再起動処理が実行されてもよく、MFP10がアイドリング状態となってから設定時間Xが経過した後に再起動処理が実行されてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、4種類の再起動条件の各々が成立した場合に再起動処理が実行されているが、4種類の再起動条件のうちの2以上の再起動条件が成立した場合に再起動処理が実行されてもよい。具体的には、例えば、時間経過再起動条件とアイドリング中再起動条件とが成立した場合に再起動処理が実行されてもよい。つまり、時間経過後再起動指示を受け付けてから設定時間Xが経過した後にアイドリング状態であるか否かが判断され、アイドリング状態であると判断された場合に再起動処理が実行されてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、再起動処理を実行するための条件含有再起動コマンドが用いられているが、電源の切断処理を実行するための条件含有切断コマンドが用いられてもよい。つまり、電源の切断条件を含む条件含有切断コマンドをPC50がMFP10に送信し、MFP10は、条件含有切断コマンドを受信すると、そのコマンドに含まれる切断条件が成立しているか否かを判断する。そして、MFP10は、切断条件が成立している場合に、電源の切断処理を実行し、切断条件が成立していないには、切断条件が成立するまで電源の切断処理を待機した後に、電源の切断処理を実行してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、CPU12によって図2乃至図7に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10:MFP、12:CPU、14:メモリ、23:搬送部、32:制御プログラム、50:PC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7