(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】端末管理装置、端末管理システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/025 20220101AFI20241112BHJP
H04L 43/103 20220101ALI20241112BHJP
【FI】
H04L67/025
H04L43/103
(21)【出願番号】P 2020179587
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西崎 孝志
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-078083(JP,A)
【文献】国際公開第2013/145516(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末管理装置、中継装置、第1端末装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置、前記中継装置及び前記第1端末装置によって構成される第1システムと、前記端末管理装置及び前記第2端末装置によって構成される第2システムとが共存しており、前記第1システムでは、前記端末管理装置と前記中継装置が通信可能、かつ前記中継装置と前記第1端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間では、前記中継装置を経由して情報を伝達可能に構成され、前記第2システムでは、前記端末管理装置と前記第2端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間では、前記中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される端末管理システムにおける、前記端末管理装置であって、
前記端末管理装置は、第1制御と、前記第1制御とは異なる第2制御と、を実行可能に構成され、
前記第1制御にて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御にて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されて
おり、
前記第1制御は、前記第1制御の開始時点以降に実行される前記端末管理装置と前記中継装置との通信に基づいて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御は、前記第2制御の開始時点以前に実行された前記端末管理装置と前記第2端末装置との通信に基づいて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている、
端末管理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の端末管理装置であって、
前記中継装置経由で前記第1端末装置から情報が伝達される頻度よりも、前記第2端末装置と通信を行う頻度が高くなるように構成されている、
端末管理装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の端末管理装置であって、
前記第1制御は、前記第1制御を開始する時点から、あらかじめ定められた第1時間が経過する時点までの時間内に、前記第1端末装置からの情報が前記中継装置から前記端末管理装置へ伝達されるか否かに基づいて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御は、前記端末管理装置と前記第2端末装置とが最後に通信を行った時点から、前記第2制御を開始する時点までの時間が、あらかじめ定められた第2時間以内であるか否かに基づいて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている、
端末管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3までのいずれか一項に記載の端末管理装置であって、
前記端末管理装置との通信対象に対応付けて、前記通信対象が前記中継装置であるのか前記第2端末装置であるのかが登録される登録部を備え、
前記端末管理装置は、前記登録部に登録された情報に基づき、前記通信対象が前記中継装置であるのか前記第2端末装置であるのかを判断するように構成されている、
端末管理装置。
【請求項5】
端末管理装置、中継装置、第1端末装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置、前記中継装置及び前記第1端末装置によって構成される第1システムと、前記端末管理装置及び前記第2端末装置によって構成される第2システムとが共存しており、前記第1システムでは、前記端末管理装置と前記中継装置が通信可能、かつ前記中継装置と前記第1端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間では、前記中継装置を経由して情報を伝達可能に構成され、前記第2システムでは、前記端末管理装置と前記第2端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間では、前記中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される端末管理システムであって、
前記端末管理装置は、第1制御と、前記第1制御とは異なる第2制御と、を実行可能に構成され、
前記第1制御にて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御にて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されて
おり、
前記第1制御は、前記第1制御の開始時点以降に実行される前記端末管理装置と前記中継装置との通信に基づいて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御は、前記第2制御の開始時点以前に実行された前記端末管理装置と前記第2端末装置との通信に基づいて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている、
端末管理システム。
【請求項6】
端末管理装置、中継装置、第1端末装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置、前記中継装置及び前記第1端末装置によって構成される第1システムと、前記端末管理装置及び前記第2端末装置によって構成される第2システムとが共存しており、前記第1システムでは、前記端末管理装置と前記中継装置が通信可能、かつ前記中継装置と前記第1端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間では、前記中継装置を経由して情報を伝達可能に構成され、前記第2システムでは、前記端末管理装置と前記第2端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間では、前記中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される端末管理システムにおいて、前記端末管理装置によって実行される制御方法であって、
第1制御と、前記第1制御とは異なる第2制御と、を実行するように構成され、
前記第1制御にて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御にて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されて
おり、
前記第1制御は、前記第1制御の開始時点以降に実行される前記端末管理装置と前記中継装置との通信に基づいて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御は、前記第2制御の開始時点以前に実行された前記端末管理装置と前記第2端末装置との通信に基づいて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている、
制御方法。
【請求項7】
端末管理装置、中継装置、第1端末装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置、前記中継装置及び前記第1端末装置によって構成される第1システムと、前記端末管理装置及び前記第2端末装置によって構成される第2システムとが共存しており、前記第1システムでは、前記端末管理装置と前記中継装置が通信可能、かつ前記中継装置と前記第1端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間では、前記中継装置を経由して情報を伝達可能に構成され、前記第2システムでは、前記端末管理装置と前記第2端末装置が通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間では、前記中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される端末管理システムにおける、前記端末管理装置が備える制御部に、
第1制御と、前記第1制御とは異なる第2制御と、を実行させるように構成され、
前記第1制御にて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御にて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されて
おり、
前記第1制御は、前記第1制御の開始時点以降に実行される前記端末管理装置と前記中継装置との通信に基づいて、前記第1端末装置が前記中継装置経由で前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成され、
前記第2制御は、前記第2制御の開始時点以前に実行された前記端末管理装置と前記第2端末装置との通信に基づいて、前記第2端末装置が前記端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末管理装置、端末管理システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットと直接接続する機能のないプリンタを、インターネットに接続された管理サーバによって管理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、インターネットと直接接続する機能を有するプリンタを対象とする技術は開示されていない。特に、インターネットと直接接続する機能のないプリンタと、インターネットと直接接続する機能を有するプリンタとが混在する環境で、それらのプリンタを適切に管理する技術については、何ら開示されていない。
【0005】
本開示の一局面においては、通信機能に差異がある端末装置を適切に管理可能な端末管理装置、端末管理システム、制御方法及びプログラムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面における端末管理装置は、端末管理システムにおける端末管理装置である。端末管理システムは、端末管理装置、中継装置、第1端末装置及び第2端末装置を備える。端末管理システムには、端末管理装置、中継装置及び第1端末装置によって構成される第1システムと、端末管理装置及び第2端末装置によって構成される第2システムとが共存している。第1システムでは、端末管理装置と中継装置が通信可能、かつ中継装置と第1端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第1端末装置との間では、中継装置を経由して情報を伝達可能に構成される。第2システムでは、端末管理装置と第2端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第2端末装置との間では、中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される。端末管理装置は、第1制御と、第1制御とは異なる第2制御と、を実行可能に構成される。第1制御にて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成される。第2制御にて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている。
【0007】
このように構成される端末管理装置によれば、端末管理装置は、第1端末装置に対しては、第1制御にて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。また、端末管理装置は、第2端末装置に対しては、第1制御とは異なる第2制御にて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。したがって、情報の伝達経路が異なる第1システム及び第2システムが混在しているにもかかわらず、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0008】
本開示の一局面における端末管理システムは、端末管理装置、中継装置、第1端末装置及び第2端末装置を備える。端末管理システムには、端末管理装置、中継装置及び第1端末装置によって構成される第1システムと、端末管理装置及び第2端末装置によって構成される第2システムとが共存している。第1システムでは、端末管理装置と中継装置が通信可能、かつ中継装置と第1端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第1端末装置との間では、中継装置を経由して情報を伝達可能に構成される。第2システムでは、端末管理装置と第2端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第2端末装置との間では、中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される。端末管理装置は、第1制御と、第1制御とは異なる第2制御と、を実行可能に構成される。第1制御にて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成される。第2制御にて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている。
【0009】
このように構成される端末管理システムによれば、端末管理装置が上述した通りに機能する。したがって、情報の伝達経路が異なる第1システム及び第2システムが混在しているにもかかわらず、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0010】
本開示の一局面における制御方法は、端末管理装置によって実行される制御方法である。端末管理装置は、端末管理システムにおける端末管理装置である。端末管理システムには、端末管理装置、中継装置及び第1端末装置によって構成される第1システムと、端末管理装置及び第2端末装置によって構成される第2システムとが共存している。第1システムでは、端末管理装置と中継装置が通信可能、かつ中継装置と第1端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第1端末装置との間では、中継装置を経由して情報を伝達可能に構成される。第2システムでは、端末管理装置と第2端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第2端末装置との間では、中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される。制御方法は、第1制御と、第2制御と、を実行するように構成される。第2制御は、第1制御とは異なる。第1制御にて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成される。第2制御にて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている。
【0011】
このように構成される制御方法によれば、端末管理装置において上述した通りの制御が実行される。したがって、情報の伝達経路が異なる第1システム及び第2システムが混在しているにもかかわらず、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0012】
本開示の一局面におけるプログラムは、端末管理装置が備える制御部に制御を実行させるプログラムである。端末管理装置は、端末管理システムにおける端末管理装置である。端末管理システムには、端末管理装置、中継装置及び第1端末装置によって構成される第1システムと、端末管理装置及び第2端末装置によって構成される第2システムとが共存している。第1システムでは、端末管理装置と中継装置が通信可能、かつ中継装置と第1端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第1端末装置との間では、中継装置を経由して情報を伝達可能に構成される。第2システムでは、端末管理装置と第2端末装置が通信可能に構成されて、端末管理装置と第2端末装置との間では、中継装置を経由することなく情報を伝達可能に構成される。プログラムは、端末管理装置が備える制御部に、第1制御と、第1制御とは異なる第2制御と、を実行させるように構成される。第1制御にて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成される。第2制御にて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されている。
【0013】
このように構成されるプログラムによれば、端末管理装置を上述した通りに機能させることができる。したがって、情報の伝達経路が異なる第1システム及び第2システムが混在しているにもかかわらず、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は端末管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2(A)は集中管理装置の構成を示すブロック図である。
図2(B)は端末管理装置の構成を示すブロック図である。
図2(C)は中継装置の構成を示すブロック図である。
図2(D)は端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3(A)はクライアントテーブルの一例を示す説明図である。
図3(B)はアクションテーブルの一例を示す説明図である。
図3(C)はデバイステーブルの一例を示す説明図である。
図3(D)はクライアント-アクション中間テーブルの一例を示す説明図である。
図3(E)はデバイス-アクション中間テーブルの一例を示す説明図である。
【
図4】
図4(A)は端末管理装置における情報追加処理のフローチャートである。
図4(B)は端末管理装置における情報取得処理のフローチャートである。
図4(C)は端末管理装置における情報更新処理のフローチャートである。
図4(D)は端末管理装置における情報削除処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は端末管理装置における情報提供処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は第1端末装置の情報を集中管理装置へ提供する際の通信手順の第1の例を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は第2端末装置の情報を集中管理装置へ提供する際の通信手順の例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は第1端末装置の情報を集中管理装置へ提供する際の通信手順の第2の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本開示の端末管理装置、端末管理システム、制御方法及びプログラムについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
(1)端末管理システム1の構成
図1に示すように、端末管理システム1は、集中管理装置2、端末管理装置3、中継装置4、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bを備えている。以下の説明において、第1端末装置5Aと第2端末装置5Bとを明示的に区別して説明する必要がない場合は、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bそれぞれのことを端末装置5とも称する。集中管理装置2と端末管理装置3は、
図1に示すように、WAN6を介して通信可能に構成されている。端末管理装置3と中継装置4は、WAN7及びLAN8を介して通信可能に構成されている。中継装置4と第1端末装置5Aは、LAN8を介して通信可能に構成されている。端末管理装置3と第2端末装置5Bは、WAN7及びLAN8を介して通信可能に構成されている。WANは、Wide Area Networkの略称である。LANは、Local Area Networkの略称である。WAN6とWAN7は同一ネットワークであってもよいし、別々のネットワークであってもよい。本実施形態の場合、WAN6及びWAN7としては、双方ともインターネットを利用している。
【0016】
WAN7とLAN8は、無線LANルータ8Aを介して接続されている。無線LANルータ8Aは、ルータ機能と無線LANアクセスポイント機能の双方を兼ね備えた機器である。無線LANルータ8Aは、ファイアウォール機能を有し、WAN7側からLAN8側への不正なアクセスを阻止できるように構成されている。無線LANルータ8AにはLANケーブルが接続されている。LAN8は、有線LAN及び無線LANの双方を組み合わせて構成されている。
【0017】
端末装置5には、無線LANに接続可能な端末装置5と、有線LANに接続可能な端末装置5とが含まれ得る。無線LANに接続可能な端末装置5としては、例えばモバイル端末と連携して使われるプリンタ(以下、モバイルプリンタとも称する。)を挙げることができる。無線LANに接続可能な端末装置5は、無線LANルータ8Aとの通信圏内に存在する場合に無線LANルータ8Aとの通信リンクが確立し、端末管理システム1に組み込まれる。有線LANに接続可能な端末装置5としては、例えば無線LAN非対応のプリンタやMFP(Multi Function Peripheral)を挙げることできる。
【0018】
本実施形態の端末管理システム1では、例えば、集中管理装置2において端末装置5から情報を収集することや、集中管理装置2での遠隔操作により、例えば、端末装置5でのテスト印字、端末装置5の再起動、端末装置5のシャットダウンを実現することができる。本実施形態の場合、端末管理装置3は、クライアント/サーバシステムにおけるサーバ装置として機能するように構成されている。集中管理装置2、中継装置4及び第2端末装置5Bは、それぞれがクライアント/サーバシステムにおけるクライアント装置として機能するように構成されている。集中管理装置2、中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれと、端末管理装置3との間で情報を伝達する際には、クライアント装置からサーバ装置に対して情報を送信し、その応答として、サーバ装置からクライアント装置に対して情報を送信する。一方、第1端末装置5Aは、WAN7を経由して他の機器と通信する機能を備えていない。そのため、端末管理装置3と第1端末装置5Aとの間では、中継装置4を経由して情報を伝達するように構成されている。
【0019】
端末管理システム1を構成する各装置が設置される場所の一例としては、例えば、企業Aの本社に端末管理装置3が設置され、企業Aの支社に中継装置4及び端末装置5が設置されるような例を考え得る。この場合、企業Aの支社において運用されている複数の端末装置5に関する情報(以下、端末情報とも称する。)は、企業Aの本社に設置されている端末管理装置3によって収集される。端末管理装置3によって収集された端末情報は、例えば企業Aとは別の管理会社によって運用される集中管理装置2によって収集、管理される。ただし、集中管理装置2は企業Aによって運用されてもよく、企業Aと管理会社が別会社であるか否かは任意である。
【0020】
図1では図示を省略してあるが、端末管理装置3は複数あってもよい。この場合、複数の端末管理装置3は、1つの集中管理装置2で管理されるように構成されてもよい。例えば、更に企業Aとは別の企業B,C,D,…それぞれに端末管理装置3が設置され、それら複数の端末管理装置3が管理会社に設置された1つの集中管理装置2で管理されてもよい。
【0021】
また、
図1では図示を省略してあるが、中継装置4は複数あってもよい。この場合、複数の中継装置4は、1つの端末管理装置3で管理されるように構成されてもよい。例えば、企業Aに複数の支社がある場合、各支社に中継装置4が設置され、それら複数の中継装置4が本社に設置された1つの端末管理装置3で管理されてもよい。
【0022】
集中管理装置2は、
図2(A)に示すように、制御部21、通信部22、表示部23、入力部24及び記憶部25を備える。制御部21は、CPU211及びメモリ212を備える。CPU211は、メモリ212に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、集中管理装置2の各種機能が実現される。ただし、集中管理装置2の各種機能は、CPU211及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0023】
メモリ212は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ212は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部22は、WAN6に接続してWAN6経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。表示部23は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部24は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)のような補助記憶装置によって構成される。
【0024】
端末管理装置3は、
図2(B)に示すように、制御部31、通信部32、表示部33、入力部34及び記憶部35を備える。制御部31は、CPU311及びメモリ312を備える。CPU311は、メモリ312に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、端末管理装置3の各種機能が実現される。ただし、端末管理装置3の各種機能は、CPU311及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0025】
メモリ312は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ312は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部32は、WAN6に接続してWAN6経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。なお、本実施形態の場合、WAN6及びWAN7は同一ネットワークなので、通信部32は、WAN7に接続してWAN7経由での通信が可能な構成でもある。表示部33は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部34は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部35は、例えばHDDやSSDのような補助記憶装置によって構成される。記憶部35には、データベース351が構成されている(以下、データベース351のことをDB351と略称する。)。
【0026】
端末管理装置3が後述する処理を実行する際には、各種データがDB351に登録され、また、それらのデータの更新、削除が実行される。DB351中には、
図3(A)に示すようなクライアントテーブル、
図3(B)に示すようなアクションテーブル、
図3(C)に示すようなデバイステーブル、
図3(D)に示すようなクライアント-アクション中間テーブル、及び
図3(E)に示すようなデバイス-アクション中間テーブルが確保される。これらのテーブルの詳細については後述する。
【0027】
中継装置4は、
図2(C)に示すように、制御部41、通信部42、表示部43、入力部44及び記憶部45を備える。制御部41は、CPU411及びメモリ412を備える。CPU411は、メモリ412に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、中継装置4の各種機能が実現される。ただし、中継装置4の各種機能は、CPU411及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0028】
メモリ412は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ412は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部42は、WAN7に接続してWAN7経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラと、LAN8に接続してLAN8経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。表示部43は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部44は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部45は、例えばHDDやSSDのような補助記憶装置によって構成される。
【0029】
端末装置5は、
図2(D)に示すように、制御部51、通信部52、表示部53、入力部54及び印刷部56を備える。第1端末装置5Aと第2端末装置5Bとでは、ハードウェアの性能や、各装置に搭載されているファームウェアやソフトウェアに相違点があるが、そのような相違点に関する図示は
図2(D)では省略する。制御部51は、CPU511及びメモリ512を備える。CPU511は、メモリ512に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、端末装置5の各種機能が実現される。ただし、端末装置5の各種機能は、CPU511及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0030】
メモリ512は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ512は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部52は、LAN8に接続してLAN8経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。例えば、端末装置5が、無線LAN対応のモバイルプリンタである場合、通信部52としては、無線LAN規格に対応したネットワークインタフェースコントローラが設けられる。端末装置5が、有線LAN対応のプリンタである場合、通信部52としては、有線LAN規格に対応したネットワークインタフェースコントローラが設けられる。
【0031】
表示部53は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部54は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。印刷部56は、感熱方式の印刷機構を備え、感熱ロール紙に対して印刷可能に構成されている。ただし、印刷部56は、カット紙に対して印刷可能に構成されていてもよい。あるいは、感熱方式以外の周知の記録方式(例えば、インクジェット方式又は電子写真方式。)で画像を印刷可能に構成されていてもよい。
【0032】
(2)端末管理システム1の動作の概要
本実施形態において、端末管理システム1は、以下のように動作する。コンピュータに中継処理プログラムをインストールして、その中継処理プログラムを起動すると、コンピュータが中継装置4としての処理を開始する。中継処理プログラムの起動時には、中継装置4がWAN7を介して端末管理装置3にアクセスし、端末管理装置3に対して中継装置4の登録リクエストを送信する。また、第2端末装置5Bを起動すると、第2端末装置5Bは、WAN7を介して端末管理装置3にアクセスし、端末管理装置3に対して第2端末装置5Bの登録リクエストを送信する。
【0033】
端末管理装置3は、中継装置4又は第2端末装置5Bからの登録リクエストを受信したら、クライアント登録処理を実行する。クライアント登録処理では、端末管理装置3が上述の登録リクエストの送信元(すなわち、中継装置4又は第2端末装置5B。)がDB351に登録済みか否かを判断する。端末管理装置3において送信元が未登録の状態にあれば、送信元の情報をDB351に登録する。
【0034】
次に、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行すべきアクションとして、定期処理を実行すべき旨のアクション情報をDB351に登録する。このアクション情報は、定期情報としてDB351に登録される。定期情報は、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、あえて削除が指令されない限り、削除されないままDB351に登録された状態が維持される情報である。中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが稼働を開始すると、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが定期処理を実行し、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれにおいて対処すべきアクションがあるか否かを、定期的に端末管理装置3に問い合わせる。
【0035】
この問い合わせに対し、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行すべきアクションに関するアクション情報がDB351に登録されていれば、そのアクション情報を中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対して返信する。中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれからの初回問い合わせ時には、上述の定期処理を実行すべき旨のアクション情報が中継装置4及び第2端末装置5Bへと返信される。中継装置4及び第2端末装置5Bは、定期処理を実行すべき旨のアクション情報を取得し、以後は、アクション情報に内包されるインターバルの設定に従って、インターバルが経過するたびに定期処理を繰り返し実行する。
【0036】
中継装置4は、SNMP(Simple Network Management Protocol)により、管理対象とすべき第1端末装置5AをLAN8上で検索する。管理対象とすべき第1端末装置5Aが見つかった場合、その第1端末装置5Aに関する端末情報の登録要求を、端末管理装置3へと送信する。端末情報の登録要求を受けた端末管理装置3はDB351に端末情報を登録する。
【0037】
集中管理装置2でのユーザ操作によって中継装置4、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令が入力された場合、その指令は集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される。また、端末管理装置3でのユーザ操作によって中継装置4、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令が入力される場合もある。端末管理装置3は、集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令を受け取った場合に、指示保管処理を実行する。
【0038】
指示保管処理では、集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令に対応するアクション情報をDB351に登録する。アクション情報には、上述のような定期情報として登録されるアクション情報と、単発情報として登録されるアクション情報が含まれる。単発情報は、その単発情報に対応する処理が第1端末装置5A又は第2端末装置5Bにおいて実行された場合に、その後はDB351から削除される情報である。
【0039】
例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令が、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bに対するテスト印字又は再起動の指令であった場合、端末管理装置3は、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令に対応するアクション情報をDB351に登録する。このアクション情報は、単発情報としてDB351に登録される。
【0040】
中継装置4及び第2端末装置5Bは、上述の通り、中継装置4において対処すべきアクションがあるか否かを、端末管理装置3に対して定期的に問い合わせる。問い合わせに対し、上述の単発情報がDB351に登録されていれば、端末管理装置3は、そのアクション情報(すなわち、単発情報。)を中継装置4又は第2端末装置5Bに対して返信する。中継装置4の場合、中継装置4は返信されたアクション情報に基づき、第1端末装置5Aに対して指令を伝達する。これにより、第1端末装置5Aでは、テスト印字や再起動が実行される。第2端末装置5Bの場合、第2端末装置5Bは返信されたアクション情報に基づき、テスト印字や再起動を実行する。
【0041】
第1端末装置5Aでの処理が実行されたら、中継装置4は、その実行結果及び第1端末装置5Aでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。第2端末装置5Bでの処理が実行されたら、第2端末装置5Bは、その実行結果及び第2端末装置5Bでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。端末管理装置3では、削除依頼に対応する情報をDB351から削除する。
【0042】
また、中継装置4及び第2端末装置5Bにおいて定期的に実行される定期処理のインターバルをユーザが変更したい場合には、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、定期処理のインターバル変更を指示するアクション情報をDB351に登録することができる。このアクション情報は、単発情報としてDB351に登録される。
【0043】
中継装置4及び第2端末装置5Bは、上述の通り、定期的に中継装置4において対処すべきアクションがあるか否かを端末管理装置3に問い合わせる。問い合わせに対し、上述の単発情報がDB351に登録されていれば、端末管理装置3は、そのアクション情報(すなわち、単発情報。)を中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対して返信する。中継装置4及び第2端末装置5Bは返信されたアクション情報に基づき、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行している定期処理のインターバルを変更する。インターバル変更を実行したら、中継装置4及び第2端末装置5Bは、その実行結果及び中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。端末管理装置3では、削除依頼に対応する情報をDB351から削除する。インターバル変更指示を受けた中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれは、定期処理を指示されたインターバルで再開する。
【0044】
図3(A)~
図3(E)に示すテーブルは、上述のような処理を実行する際に、端末管理装置3によって利用される。クライアントテーブル(
図3(A)参照。)は、クライアント装置である中継装置4及び第2端末装置5Bに関する情報が登録されているテーブルである。
図3(A)に示す例では、クライアントテーブルには、中継装置4及び第2端末装置5Bが1つずつ登録され、それぞれを識別するためのクライアントIDとして「AAA」及び「BBB」が割り当てられていることを示している。アクション確認インターバルは、中継装置4及び第2端末装置5Bが端末管理装置3からアクション情報を受け取るために、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが端末管理装置3に対してアクセスする際のインターバルである。
図3(A)に示す例では、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが1分間隔で端末管理装置3にアクセスすることを示している。クライアントタイプは、クライアントIDに対応する装置が中継装置4なのか第2端末装置5Bなのかを示す情報である。クライアントIDに対応する装置が中継装置4である場合、クライアントタイプはサービスとなる。クライアントIDに対応する装置が第2端末装置5Bである場合、クライアントタイプはプリンタとなる。
【0045】
アクションテーブル(
図3(B)参照。)は、アクションIDとそれに対応する具体的なアクションの内容であるアクションタイプとを紐付けするテーブルである。定期フラグは、アクションIDに対応するアクションが、定期処理として実行されるアクションであるか否かを示すフラグである。定期フラグがtrueとなっているアクションは定期処理として実行されるアクションである。定期フラグがfalseとなっているアクションは単発処理として実行されるアクションである。アクションコンテンツには、アクションを実行する際に必要なパラメータが含まれている。
【0046】
デバイステーブル(
図3(C)参照。)は、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bの端末情報が登録されるテーブルである。第1端末装置5Aの場合、端末情報は、中継装置4によって第1端末装置5Aから収集されて端末管理装置3へアップロードされる。第2端末装置5Bの場合、端末情報は、第2端末装置5Bによって端末管理装置3へアップロードされる。デバイスIDは、個々の第1端末装置5A及び第2端末装置5Bに割り当てられたIDである。クライアントIDは、中継装置4及び第2端末装置5Bに割り当てられたIDである。デバイスIDに対応するクライアントIDが中継装置4に対応するIDとなっている場合は、デバイスIDに紐付けられた装置が第1端末装置5Aであることを示している。デバイスIDに対応するクライアントIDが第2端末装置5Bに対応するIDとなっている場合は、デバイスIDに紐付けられた装置が第2端末装置5Bであることを示している。機種名、シリアル番号、ファームバージョン、パラメータは、端末情報の一例である。
【0047】
クライアント-アクション中間テーブル(
図3(D)参照。)は、例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれで実行すべきアクションが発生する場合に、そのアクションを示すアクションIDと、そのアクションを実行すべき中継装置4及び第2端末装置5BそれぞれのクライアントIDとを紐付けて登録するためのテーブルである。端末管理装置3が中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれからアクションを確認するアクセスを受けた際、端末管理装置3は、アクセスを受けた中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対応するクライアントIDがクライアント-アクション中間テーブルに登録されているか否かを確認する。クライアントIDが登録されていたら、端末管理装置3は、クライアントIDに対応するアクションIDに基づいて、アクションテーブル(
図3(B)参照。)を参照してアクション情報を生成し、アクセスを受けた中継装置4又は第2端末装置5Bへと返信する。
【0048】
デバイス-アクション中間テーブル(
図3(E)参照。)は、例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bのそれぞれで実行すべきアクションが発生する場合に、そのアクションを示すアクションIDと、そのアクションを実行すべき第1端末装置5A及び第2端末装置5BそれぞれのデバイスIDとを紐付けて登録するためのテーブルである。端末管理装置3が中継装置4からアクションを確認するためのアクセスを受けた場合、端末管理装置3は、デバイステーブル(
図3(C)参照。)を参照して、アクセスを受けた中継装置4の配下に存在する第1端末装置5AのデバイスIDを取得する。一方、端末管理装置3が第2端末装置5Bからアクションを確認するためのアクセスを受けた場合、端末管理装置3は、デバイステーブル(
図3(C)参照。)を参照して、アクセスを受けた第2端末装置5BのデバイスIDを取得する。
【0049】
第1端末装置5A又は第2端末装置5BのデバイスIDを取得したら、取得したデバイスIDがデバイス-アクション中間テーブルに登録されているか否かを確認する。デバイスIDが登録されていたら、端末管理装置3は、デバイスIDに対応するアクションIDに基づいて、アクションテーブル(
図3(B)参照。)を参照してアクション情報を生成し、そのアクション情報を中継装置4又は第2端末装置5Bへと返信する。
【0050】
(3)端末管理装置3において実行される処理
次に、端末管理装置3において実行される処理について説明する。端末管理装置3では、CPU311がメモリ312に記憶された端末管理処理プログラムに従って処理を実行する。より具体的には、端末管理装置3では、
図4(A),
図4(B),
図4(C)及び
図4(D)に示すような処理が実行される。
【0051】
(3.1)情報追加処理
図4(A)に示す情報追加処理を開始すると、端末管理装置3は、情報追加指示があるか否かを判断する(S101)。集中管理装置2は、集中管理装置2でのユーザ操作により、端末管理装置3、中継装置4又は端末装置5に対する指示が集中管理装置2において入力された場合に、その指示内容を示す情報をHTTPメソッド「POST」によって端末管理装置3へと伝送する。中継装置4及び第2端末装置5Bは、端末管理装置3へ端末情報の追加を要求する場合に、追加対象となる端末情報をHTTPメソッド「POST」によって端末管理装置3へと伝送する。
【0052】
S101において、端末管理装置3は、集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5BからHTTPメソッド「POST」を使ってアクセスを受けた場合に、情報追加指示があると判断し(S101:YES)、DB351のテーブルに情報を追加する(S103)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、情報追加完了を返信(S105)。S105を終えたら、
図4(A)に示す情報追加処理を終了する。S101において、情報追加指示がないと判断した場合は(S101:NO)、S103及びS105を実行することなく、
図4(A)に示す情報追加処理を終了する。
【0053】
(3.2)情報取得処理
図4(B)に示す情報取得処理を開始すると、端末管理装置3は、情報取得指示があるか否かを判断する(S111)。集中管理装置2は、集中管理装置2でのユーザ操作により、端末装置5からの端末情報の取得指示が集中管理装置2において入力された場合に、その指示内容を示す情報をHTTPメソッド「GET」によって端末管理装置3へと伝送する。中継装置4及び第2端末装置5Bは、端末管理装置3へアクション情報の取得要求を送信する場合に、その取得要求をHTTPメソッド「GET」によって端末管理装置3へと伝送する。
【0054】
S111において、端末管理装置3は、集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5BからHTTPメソッド「GET」を使ってアクセスを受けた場合に、情報取得指示があると判断し(S111:YES)、集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5Bによって指定された情報をDB351から取得する(S113)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、取得した情報を返信する(S115)。S115を終えたら、
図4(B)に示す情報取得処理を終了する。S111において、情報取得指示がないと判断した場合は(S111:NO)、S113及びS115を実行することなく、
図4(B)に示す情報取得処理を終了する。
【0055】
(3.3)情報更新処理
図4(C)に示す情報更新処理を開始すると、端末管理装置3は、情報更新指示があるか否かを判断する(S121)。中継装置4及び第2端末装置5Bは、DB351に登録済みの端末情報の更新を端末管理装置3へ要求する場合に、その更新要求をHTTPメソッド「PUT」によって端末管理装置3へと伝送する。S121において、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5BそれぞれからHTTPメソッド「PUT」を使ってアクセスを受けた場合に、情報更新指示があると判断し(S121:YES)、DB351内の指定された情報を更新する(S123)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、情報更新を完了した旨の情報を返信する(S125)。S125を終えたら、
図4(C)に示す情報更新処理を終了する。S121において、情報更新指示がないと判断した場合は(S121:NO)、S123及びS125を実行することなく、
図4(C)に示す情報更新処理を終了する。
【0056】
(3.4)情報削除処理
図4(D)に示す情報削除処理を開始すると、端末管理装置3は、情報削除指示があるか否かを判断する(S131)。中継装置4及び第2端末装置5Bは、単発情報の削除依頼を端末管理装置3へ要求する場合に、その削除要求をHTTPメソッド「DELETE」によって端末管理装置3へと伝送する。S131において、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5BからHTTPメソッド「DELETE」を使ってアクセスを受けた場合に、情報削除指示があると判断し(S131:YES)、指定された情報をDB351から削除する(S133)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、情報削除完了を返信する(S135)。S135を終えたら、
図4(D)に示す情報削除処理を終了する。S131において、情報削除指示がないと判断した場合は(S131:NO)、S133及びS135を実行することなく、
図4(D)に示す情報更新処理を終了する。
【0057】
(3.5)情報提供処理
次に、情報提供処理について、
図5に基づいて説明する。情報提供処理は、端末管理装置3において常時実行されている処理である。情報提供処理を開始すると、端末管理装置3は、利用可否の問い合わせがあるか否かを判断する(S401)。より詳しく説明すると、集中管理装置2において第1端末装置5A又は第2端末装置5Bの利用可否を調べるためのユーザ操作が行われた際には、集中管理装置2から端末管理装置3へ利用可否の問い合わせが送信される。S401において、端末管理装置3は、集中管理装置2から送信された利用可否の問い合わせを受信しているか否かを判断する。
【0058】
S401において、利用可否の問い合わせがない場合は(S401:NO)、S401へ戻る。これにより、端末管理装置3は、集中管理装置2から利用可否の問い合わせが到来するのを待つ。一方、S401において、利用可否の問い合わせがある場合は(S401:YES)、S403へ進む。S403へ進むと、端末管理装置3は、問い合わせの対象が第2端末装置5Bか否かを判断する(S403)。
【0059】
S403において、端末管理装置3は、集中管理装置2から受け取った問い合わせ中に含まれる情報から、利用可否の判定対象となる装置に対応するデバイスIDを抽出する。続いて、端末管理装置3は、抽出されたデバイスIDをキーにして、
図3(C)に示すデバイステーブル内の情報を検索する。これにより、デバイスID(例えば、
図3(C)中の「111」。)に対応するクライアントID(例えば、
図3(C)中の「AAA」。)が検出される。
【0060】
続いて、端末管理装置3は、検出されたクライアントIDをキーにして、
図3(A)に示すクライアントテーブル内の情報を検索する。これにより、デバイスID(例えば、
図3(A)中の「AAA」。)に対応するクライアントタイプ(例えば、
図3(A)中の「サービス」。)が検出される。ここで検出されるクライアントタイプは、「サービス」及び「プリンタ」のいずれかである。
【0061】
クライアントタイプが「サービス」の場合、問い合わせ中に含まれるデバイスIDに対応する装置は、中継装置4を経由して情報を伝達可能な装置である。したがって、端末管理装置3は、問い合わせの対象が第1端末装置5Aであると特定できる。クライアントタイプが「プリンタ」の場合、問い合わせ中に含まれるデバイスIDに対応する装置は、中継装置4を経由することなく、直接情報を伝達可能な装置である。したがって、端末管理装置3は、問い合わせの対象が第2端末装置5Bであると特定できる。
【0062】
S403において、問い合わせの対象が第2端末装置5Bである場合(S403:YES)、端末管理装置3は、現時刻と最終通信時刻との差分を計算する(S405)。S405でいう最終通信時刻は、問い合わせの対象である第2端末装置5Bと端末管理装置3とが最後に通信を実行した時刻である。第2端末装置5Bは、電源スイッチがオンにされると、端末管理装置3との通信を開始し、所定時間が経過するたびに、第2端末装置5Bに対する指示の有無を端末管理装置3に対して問い合わせるように構成されている。端末管理装置3は、第2端末装置5Bからの問い合わせが到来するたびに、第2端末装置5Bとの最終通信時刻を更新する。S405では、この最終通信時刻と現時刻との差分を算出する。
【0063】
続いて、端末管理装置3は、差分が閾値以内か否かを判断する(S407)。本実施形態の場合、閾値は30秒とされ、S407では、差分が30秒以内か否かを判断する。この閾値としては、第2端末装置5Bが正常に機能していれば、閾値とされた時間が経過するまでの期間内に、少なくとも1回は、端末管理装置3と第2端末装置5Bとの通信が実行されるような時間が設定される。
【0064】
S407において、差分が閾値以内である場合(S407:YES)、端末管理装置3は、DB351の情報とともに利用可として情報提供を実行する(S409)。S409では、第2端末装置5Bに関する情報が、端末管理装置3のDB351から取得されて、その情報が、端末管理装置3から集中管理装置2へ提供される。DB351から取得される情報は、一例を挙げれば、例えば、第2端末装置5Bの消耗品残量(例えば、用紙残量、インク残量及び電池残量。)や電池寿命等である。ただし、これら以外の情報であってもよい。
【0065】
第2端末装置5Bにおいて消耗品残量等の情報に変化があった場合、その情報は、第2端末装置5Bと端末管理装置3が定期的に通信を実行する際に、第2端末装置5Bから端末管理装置3へ伝達される。端末管理装置3は、第2端末装置5Bから情報をDB351に登録する。これにより、端末管理装置3は、第2端末装置5B側で何らかの変化が生じた場合でも、第2端末装置5Bとの通信頻度と同じ頻度でDB351の情報を最新情報に更新することができる。
【0066】
そのため、S409において、DB351に登録された情報を集中管理装置2へ提供しても、その情報は、第2端末装置5Bにおける最新の情報とほぼ一致していると見なすことができる。このような情報を集中管理装置2へ提供するように構成すれば、集中管理装置2からの問い合わせを受けた際に、端末管理装置3が第2端末装置5Bの最新情報を第2端末装置5Bから取得しなくても済む。したがって、その分だけ、端末管理装置3から集中管理装置2へ迅速に応答を返すことができるようになる。S409を終えたら、
図5に示す情報提供処理を終了する。
【0067】
一方、S407において、差分が閾値以内ではない場合(S407:NO)、端末管理装置3は、利用不可として情報提供を実行する(S411)。S411では、第2端末装置5Bが利用不可である旨の情報が、端末管理装置3から集中管理装置2へ提供される。上述の通り、第2端末装置5Bが正常に作動していれば、第2端末装置5Bと端末管理装置3が定期的に通信を実行しているはずである。しかし、上述の差分が閾値以内ではない場合、第2端末装置5Bと端末管理装置3が定期的に通信を実行していないことになる。したがって、この場合は、第2端末装置5Bが作動していないか、作動していても通信不能な状況にあると考えられるので、端末管理装置3は、第2端末装置5Bが利用不可であると見なし、その旨の情報を集中管理装置2へ提供する。S411を終えたら、
図5に示す情報提供処理を終了する。
【0068】
S403において、問い合わせの対象が第2端末装置5Bではない場合(S403:NO)、端末管理装置3は、中継装置4の情報取得周期のリセットを指示する(S413)。中継装置4は、所定の情報取得周期に従って、第1端末装置5Aの情報を取得している。そのため、中継装置4が次に第1端末装置5Aの情報を取得するタイミングが到来するのを待っていると、その分だけ情報取得までに時間を要することになる。そこで、S413では、端末管理装置3から中継装置4へ情報取得周期のリセットを指示し、この指示を受けた中継装置4は、情報取得周期の途中であっても、情報取得周期をリセットする。これにより、中継装置4では、次の情報取得タイミングが到来した場合と同じ状況になり、直ちに第1端末装置5Aの情報が取得されて、その情報が中継装置4へ提供されることになる。
【0069】
続いて、端末管理装置3は、中継装置4が指示を受け取ったか否かを判断する(S415)。中継装置4は、端末管理装置3に対して指示の有無を問い合わせる。その問い合わせを受けた端末管理装置3は、中継装置4に対する指示がある場合には、問い合わせに対する応答として、中継装置4に対して指示を返す。そこで、S415では、S413を実行した後、所定の時間が経過するまでの期間内に、中継装置4からの問い合わせを受けて中継装置4に対して指示を返す、という処理が行われたか否かを判断する。
【0070】
S415において、中継装置4が指示を受け取っていない場合は(S415:NO)、例えば中継装置4が稼働していないか、中継装置4が稼働しているとしても、中継装置4からの問い合わせが端末管理装置3へ届かない状況にあると考えられる。そこで、その場合は、端末管理装置3と中継装置4が正常に通信できないので、上述のS411へ進み、端末管理装置3は、利用不可として情報提供を実行する(S411)。S411では、第1端末装置5Aが利用不可である旨の情報が、端末管理装置3から集中管理装置2へ提供される。S411を終えたら、
図5に示す情報提供処理を終了する。
【0071】
一方、S415において、中継装置4が指示を受け取った場合(S415:YES)、端末管理装置3は、中継装置4から端末情報を取得できたか否かを判断する(S417)。中継装置4が、第1端末装置5Aから端末情報を取得して、その端末情報を端末管理装置3へ送信している場合、端末管理装置3は、S417において、端末情報を取得する。中継装置4が第1端末装置5Aから端末情報を取得できなかった場合、又は、中継装置4が第1端末装置5Aから端末情報を取得できた場合であっても、その端末情報を端末管理装置3へ送信できなかった場合、端末管理装置3は、S417において、端末情報を取得することができない。
【0072】
そこで、S417において、中継装置4から端末情報を取得できなかった場合には(S417:NO)、上述のS411へ進み、端末管理装置3は、利用不可として情報提供を実行する(S411)。S411では、第1端末装置5Aが利用不可である旨の情報が、端末管理装置3から集中管理装置2へ提供される。S411を終えたら、
図5に示す情報提供処理を終了する。
【0073】
一方、S417において、中継装置4から端末情報を取得できた場合(S417:YES)、端末管理装置3は、中継装置から得た情報とともに利用可として情報提供を実行する(S419)。S419では、S417において中継装置4から取得された端末情報が、端末管理装置3から集中管理装置2へ提供される。中継装置4から取得される情報は、一例を挙げれば、例えば、第1端末装置5Aの消耗品残量(例えば、用紙残量、インク残量及び電池残量。)や電池寿命等である。ただし、これら以外の情報であってもよい。
【0074】
S409においてDB351から取得される第2端末装置5Bの情報と、S419において中継装置4経由で第1端末装置5Aから取得される第1端末装置5Aの情報は、同等な内容の情報である。S419を終えたら、
図5に示す情報提供処理を終了する。
【0075】
(5)端末管理システム1の動作例
(5.1)動作例(その1)
次に、端末管理システム1の動作例(その1)について説明する。
図6は第1端末装置5Aの情報を集中管理装置2へ提供する際の通信手順の第1の例を示している。集中管理装置2におけるユーザ操作により、集中管理装置2から端末管理装置3へ利用可否の問い合わせが送信されると、端末管理装置3は、問い合わせに対応するアクション情報をDB351に登録する。
【0076】
ただし、
図6に示す例では、集中管理装置2から端末管理装置3へ上記問い合わせを送信する時点において、中継装置4が稼働していない状態にある。そのため、中継装置4から端末管理装置3へ指示の問い合わせが送信されないまま時間が経過する。その結果、端末管理装置3では、集中管理装置2からの問い合わせを受け付けてから所定の時間が経過したタイミングでタイムアウトが発生する。この場合、端末管理装置3は、集中管理装置2に対し、第1端末装置5Aが利用不可である旨の情報を提供する。
【0077】
その後、
図6中に例示するタイミングにおいて、中継装置4の電源がオンにされることがある。この場合、中継装置4は、端末管理装置3に対し、定期的に指示の問い合わせを実行するようになる。このような状況下で、集中管理装置2におけるユーザ操作により、集中管理装置2から端末管理装置3へ利用可否の問い合わせが送信されると、端末管理装置3は、問い合わせに対応するアクション情報をDB351に登録する。
【0078】
その後、中継装置4が、端末管理装置3に対して指示の問い合わせを実行すると、端末管理装置3は、DB351に登録されたアクション情報に基づき、中継装置4に対して、情報取得周期のリセット指示を送信する。このとき、端末管理装置3は、中継装置4との最終通信時刻を更新する。端末管理装置3から中継装置4へ上述のリセット指示が送信されると、中継装置4は、第1端末装置5Aに対し、端末情報の送信を要求する。
【0079】
第1端末装置5Aが中継装置4からの要求を受信可能な場合、第1端末装置5Aは、中継装置4に対し、端末情報を提供する。中継装置4は、第1端末装置5Aから端末情報を取得して、その端末情報を端末管理装置3へ伝達する。端末管理装置3は、中継装置4から得た情報とともに、第1端末装置5Aが利用可である旨の情報を、集中管理装置2へ送信する。
【0080】
その後、
図6中に例示するタイミングにおいて、第1端末装置5Aの電源がオフにされることがある。この場合、集中管理装置2におけるユーザ操作により、集中管理装置2から端末管理装置3へ利用可否の問い合わせが送信されると、端末管理装置3は、問い合わせに対応するアクション情報をDB351に登録する。
【0081】
その後、中継装置4が、端末管理装置3に対して指示の問い合わせを実行すると、端末管理装置3は、DB351に登録されたアクション情報に基づき、中継装置4に対して、情報取得周期のリセット指示を送信する。このとき、端末管理装置3は、中継装置4との最終通信時刻を更新する。端末管理装置3から中継装置4へ上述のリセット指示が送信されると、中継装置4は、第1端末装置5Aに対し、端末情報の送信を要求する。
【0082】
ただし、第1端末装置5Aの電源がオフにされている場合、第1端末装置5Aは中継装置4からの要求を受信することができない。そのため、中継装置4は、第1端末装置5Aから端末情報を取得できず、その状態のまま時間が経過する。その結果、端末管理装置3では、集中管理装置2からの問い合わせを受け付けてから所定の時間が経過したタイミングでタイムアウトが発生する。この場合、端末管理装置3は、集中管理装置2に対し、第1端末装置5Aが利用不可である旨の情報を提供する。
なお、
図6に示す例では、上述の通り、端末管理装置3でタイムアウトが発生すると、第1端末装置5Aが利用不可である旨の情報を、端末管理装置3から集中管理装置2へ提供しているが、このような例には限定されない。例えば、
図8に示す例のように、中継装置4でタイムアウトが発生するような構成を採用してもよい。この例の場合、中継装置4でタイムアウトが発生すると、中継装置4は、端末管理装置3に対し、端末情報の取得に失敗した旨を通知する。この通知を受けた端末管理装置3は、集中管理装置2に対し、第1端末装置5Aが利用不可である旨の情報を提供する。
【0083】
(5.2)動作例(その2)
次に、端末管理システム1の動作例(その2)について説明する。
図7は第2端末装置5Bの情報を集中管理装置2へ提供する際の通信手順の例を示している。第2端末装置5Bが稼働している場合、第2端末装置5Bは、端末管理装置3に対し、定期的に指示の問い合わせを実行する。この定期的な問い合わせは、上述の中継装置4と同様な挙動である。また、この定期的な問い合わせの際には、第2端末装置5Bにおいて変動した消耗品残量等の情報が端末管理装置3へと伝達される。この情報は、端末管理装置3において、DB351に登録される。
【0084】
端末管理装置3は、第2端末装置5Bからの問い合わせを受けると、その問い合わせに対する応答を返す。このとき、端末管理装置3は、第2端末装置5Bとの最終通信時刻を更新する。本実施形態の場合、第2端末装置5Bが稼働していれば、以上のような通信が、十数秒から数十秒に1回程度の高い頻度で定期的に実行される。
【0085】
このような状況下で、集中管理装置2におけるユーザ操作により、集中管理装置2から端末管理装置3へ利用可否の問い合わせが送信されると、端末管理装置3は、現時刻と最終通信時刻との差分が閾値以内か否かを確認する。その確認の結果、差分が閾値以内(例えば30秒以内。)の場合、端末管理装置3は、DB351に登録された第2端末装置5Bの情報とともに、第2端末装置5Bが利用可である旨の情報を、集中管理装置2へ送信する。
【0086】
その後、
図7中に例示するタイミングにおいて、第2端末装置5Bの電源がオフにされることがある。この場合、集中管理装置2におけるユーザ操作により、集中管理装置2から端末管理装置3へ利用可否の問い合わせが送信されると、端末管理装置3は、現時刻と最終通信時刻との差分が閾値以内か否かを確認する。その確認の結果、差分が閾値超過(例えば30秒超過。)の場合、端末管理装置3は、第2端末装置5Bが利用不可である旨の情報を、集中管理装置2へ送信する。
【0087】
すなわち、端末管理装置3は、第2端末装置5Bが稼働していれば定期的に実行されるはずの通信が、閾値以上となる長時間にわたって実行されていなければ、そのことをもって、第2端末装置5Bが利用不可であると判断する。
【0088】
(6)効果
以上説明したような端末管理システム1によれば、端末管理装置3は、第1端末装置5Aに対しては、S413~S417に示す第1制御にて、第1端末装置5Aが中継装置4経由で端末管理装置3へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。また、端末管理装置3は、第2端末装置5Bに対しては、S405~S407に示す第2制御(すなわち、第1制御とは異なる第2制御。)にて、第2端末装置5Bが端末管理装置3へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。したがって、端末管理システム1内に、情報の伝達経路が異なる第1システム(すなわち、第1端末装置5Aを管理対象とするシステム。)及び第2システム(すなわち、第2端末装置5Bを管理対象とするシステム。)が混在しているにもかかわらず、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bのそれぞれを適切に管理することができる。
【0089】
特に、本実施形態において、利用可否の問い合わせ対象が第1端末装置5Aの場合、端末管理装置3は、集中管理装置2からの問い合わせを受けた後に、中継装置4経由で第1端末装置5Aからの情報取得を試行する。そして、情報取得に成功した場合は、第1端末装置5Aが利用可である旨の情報を集中管理装置2へ送信する。
【0090】
一方、利用可否の問い合わせ対象が第2端末装置5Bの場合、端末管理装置3は、集中管理装置2からの問い合わせを受ける前、最後に第2端末装置5Bから情報が提供された時刻が十分に直近であれば、第2端末装置5Bが利用可である旨の情報を集中管理装置2へ送信する。
【0091】
したがって、第1端末装置5Aに対しては、過大な通信負荷をかけることなく、必要時にのみ通信を行って、第1端末装置5Aの利用可否を確実に把握することができる。一方、第2端末装置5Bについては、端末管理装置3と高い頻度で通信を行っていることを利用して、第2端末装置5Bの通信履歴から、第2端末装置5Bの利用可否を推定することができる。
【0092】
(7)他の実施形態
以上、端末管理装置、端末管理システム、制御方法及びプログラムについて、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0093】
例えば、上記実施形態では、端末装置5の例として、モバイルプリンタ及び無線LAN非対応のプリンタやMFPを例示したが、端末装置5がプリンタ機能を有するか否かは限定されない。例えば、端末装置5は、PC(Personal Computer)やスマートフォンなどであってもよい。あるいは、端末装置5は、ネットワーク経由で遠隔操作及び遠隔管理ができるように構成された工業機器や業務用機器(例えば、工業用ミシン、自動販売機、業務用洗濯機、医療機器など。)であってもよい。あるいは、ネットワーク経由で遠隔操作及び遠隔管理ができるように構成された家庭用電化製品(例えば、冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機など。)であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、LAN8が有線LAN及び無線LANの双方を組み合わせて構成されていたが、LAN8は、有線LAN又は無線LANのいずれか一方のみで構成されていてもよい。
【0095】
以上の他、例えば、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。
【0096】
(8)補足
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本開示の端末管理装置は、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
【0097】
(A)第1制御は、第1制御の開始時点以降に実行される端末管理装置と中継装置との通信に基づいて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されてもよい。第2制御は、第2制御の開始時点以前に実行された端末管理装置と第2端末装置との通信に基づいて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0098】
このように構成される端末管理装置によれば、端末管理装置は、第1制御の開始時点以降に端末管理装置と中継装置との通信を実行し、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。また、端末管理装置は、第2制御の開始時点以前に実行された端末管理装置と第2端末装置との通信履歴から、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。したがって、第1システム及び第2システムが混在しているにもかかわらず、第1システム及び第2システムそれぞれに適した手法で、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0099】
(B)中継装置経由で第1端末装置から情報が伝達される頻度よりも、第2端末装置と通信を行う頻度が高くなるように構成されていてもよい。
このように構成される端末管理装置によれば、第1端末装置からの情報伝達頻度と、第2端末装置との通信頻度に応じて、第1システム及び第2システムそれぞれに適した手法で、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0100】
(C)第1制御は、第1制御を開始する時点から、あらかじめ定められた第1時間が経過する時点までの時間内に、第1端末装置からの情報が中継装置から端末管理装置へ伝達されるか否かに基づいて、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されてもよい。第2制御は、端末管理装置と第2端末装置とが最後に通信を行った時点から、第2制御を開始する時点までの時間が、あらかじめ定められた第2時間以内であるか否かに基づいて、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0101】
このように構成される端末管理装置によれば、端末管理装置は、第1制御を開始する時点から第1時間が経過する時点までの時間内に、第1端末装置からの情報が中継装置から端末管理装置へ伝達されるか否かに基づき、第1端末装置が中継装置経由で端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。また、端末管理装置は、端末管理装置と第2端末装置とが最後に通信を行った時点から、第2制御を開始する時点までの時間が、あらかじめ定められた第2時間以内であるか否かに基づき、第2端末装置が端末管理装置へ情報を伝達可能な状態にあるか否かを判定する。したがって、第1システム及び第2システムが混在しているにもかかわらず、第1システム及び第2システムそれぞれに適した手法で、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0102】
(D)端末管理装置との通信対象に対応付けて、通信対象が中継装置であるのか第2端末装置であるのかが登録される登録部を備えてもよい。端末管理装置は、登録部に登録された情報に基づき、通信対象が中継装置であるのか第2端末装置であるのかを判断するように構成されていてもよい。
【0103】
このように構成される端末管理装置によれば、端末管理装置は、登録部に登録された情報に基づき、通信対象が中継装置であるのか第2端末装置であるのかを判断し、中継装置及び第2端末装置それぞれに適した情報を伝達し、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれを適切に管理することができる。
【0104】
(E)本開示の端末管理システム、制御方法及びプログラムにおいて、端末管理装置が上記構成(A)-(D)を備えるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…端末管理システム、2…集中管理装置、3…端末管理装置、4…中継装置、5…端末装置、5A…第1端末装置、5B…第2端末装置、8…LAN、8A…無線LANルータ、21,31,41,51…制御部、22,32,42,52…通信部、23,33,43,53…表示部、24,34,44,54…入力部、25,35,45…記憶部、56…印刷部、211,311,411,511…CPU、212,312,412,512…メモリ、351…データベース(DB)。