(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】カッター機構及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/26 20060101AFI20241112BHJP
B26D 1/24 20060101ALI20241112BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D1/24 J
B41J11/70
(21)【出願番号】P 2020197077
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】山口 真誠
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-086235(JP,A)
【文献】特開2020-071297(JP,A)
【文献】特開2002-104675(JP,A)
【文献】特開昭63-153427(JP,A)
【文献】特開2015-231720(JP,A)
【文献】特開2001-71293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/00 - 11/00
B26D 1/00 - 1/24
B41J 11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッターを内部に収容したカッターユニットと、前記カッターユニットを保持するホルダーと、を備えたカッター機構であって、
前記カッターユニットは、
第1係合部と、
一方向に関して前記第1係合部から離れた位置に設けられた当接部と、を有しており、
前記ホルダーは、
前記カッターユニットの前記第1係合部と係合可能な第2係合部と、
前記カッターユニットの前記当接部と当接可能な平面である当接面と、
前記カッターユニットと当接することで前記カッターユニットに対して前記当接面に向かう付勢力を付与する付勢部材と、を有しており、
前記カッターユニットは、前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合した状態で、前記第1係合部を通り前記当接面に平行な回動軸を中心として、前記当接部が前記ホルダーの前記当接面から遠ざかる第1方向及び前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に近づく第2方向に回動可能であり、
前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合し且つ前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に当接した状態の前記カッターユニットが前記第1方向に回動することで、前記カッターユニットには前記第1係合部と前記第2係合部との係合が解除される方向への移動自由度が付与され、且つ、前記付勢部材の前記カッターユニットとの当接が解除されて前記カッターユニットに対して前記付勢部材の付勢力が付与されない状態となり、
前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合し且つ前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に当接していない状態の前記カッターユニットが前記第2方向に回動することで、前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に当接した状態となり、前記付勢部材が前記カッターユニットと当接して前記カッターユニットに対して前記付勢部材の付勢力が付与される状態とな
り、
前記カッターは、前記カッターユニットにおいて前記一方向に関して前記第1係合部に対して前記当接部とは反対側に位置していることを特徴とするカッター機構。
【請求項2】
前記第2係合部は、前記当接面と直交する方向に関する前記第1係合部の移動を規制することを特徴とする請求項1に記載のカッター機構。
【請求項3】
前記第1係合部及び前記第2係合部の一方は、前記回動軸の軸方向に沿って延びる棒状部であり、
前記第1係合部及び前記第2係合部の他方は、前記棒状部の外周面と対向する対向面を有しており、
前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合した状態で、前記対向面は、前記棒状部の周方向の一部を除いて前記棒状部の外周面と対向することを特徴とする請求項1
又は2に記載のカッター機構。
【請求項4】
前記カッターユニット及び前記ホルダーの一方に、前記当接面と直交する方向に突出した突起が設けられており、
前記カッターユニット及び前記ホルダーの他方に、前記突起が嵌め込まれる嵌込部が設けられていることを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載のカッター機構。
【請求項5】
前記突起は、前記カッターユニットに設けられており、
前記嵌込部は、前記ホルダーに設けられていることを特徴とする請求項
4に記載のカッター機構。
【請求項6】
前記カッターユニットは、
前記カッターを収容するケースと、
前記一方向に関して前記ケースの端部に設けられた取っ手と、をさらに有することを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載のカッター機構。
【請求項7】
前記取っ手は、前記一方向に関して前記ケースとは反対側に突出した突出部を有していることを特徴とする請求項
6に記載のカッター機構。
【請求項8】
前記第1係合部は、前記一方向に関して前記当接部よりも前記取っ手から離れていることを特徴とする請求項
6又は
7に記載のカッター機構。
【請求項9】
前記付勢部材は、板ばねであることを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載のカッター機構。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項に記載のカッター機構を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記カッター機構を収容する筐体であって、前記カッター機構を露出させる開口が形成された筐体を備えており、
前記カッター機構は、前記ホルダーに保持された前記カッターユニットの前記回動軸に直交する仮想平面が、前記開口を介して前記筐体の内側から外側まで延びるように前記筐体内に配置されていることを特徴とする請求項
10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状媒体を切断するためのカッター機構及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙、布、ラベル等の長尺のシート状媒体を所定の方向に搬送しつつ画像を形成する画像形成装置が知られている。一般に、かかる画像形成装置には、シート状媒体を所定の長さに切断するためのカッター機構が備えられている。カッター機構は、カッターにラベルの糊が付着したりカッターが摩耗したりすることでカット性能が低下することがあるので、カッターを交換可能に構成されていることが好ましい。
【0003】
特許文献1には、カッターを交換可能に構成されたシート切断装置(カッター機構)が開示されている。かかるシート切断装置は、カッタを内部に収容したカッタホルダ(カッターユニット)と、カッタホルダを保持するカッタベース(ホルダー)とを有している。カッタホルダは、ネジやボルト等の固定部材によりカッタベースに固定されている。固定部材によるカッタホルダの固定を解除することで、カッタホルダをカッタベースから取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来のシート切断装置においては、カッタを交換するためにカッタホルダをカッタベースに対して脱着する際に、ネジやボルト等の固定部材を回してカッタホルダの固定を解除したり再度固定したりする煩雑な作業が必要である。また、固定部材を回す際に手や工具を差し込むための作業空間が必要である。このような作業空間を確保すると、かかるシート切断装置が搭載される画像形成装置が大型化するという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、カッターを容易に交換可能であり、且つ、搭載される装置を小型化可能なカッター機構及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカッター機構は、カッターを内部に収容したカッターユニットと、前記カッターユニットを保持するホルダーと、を備えたカッター機構である。前記カッターユニットは、第1係合部と、一方向に関して前記第1係合部から離れた位置に設けられた当接部と、を有している。前記ホルダーは、前記カッターユニットの前記第1係合部と係合可能な第2係合部と、前記カッターユニットの前記当接部と当接可能な平面である当接面と、前記カッターユニットと当接することで前記カッターユニットに対して前記当接面に向かう付勢力を付与する付勢部材と、を有している。前記カッターユニットは、前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合した状態で、前記第1係合部を通り前記当接面に平行な回動軸を中心として、前記当接部が前記ホルダーの前記当接面から遠ざかる第1方向及び前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に近づく第2方向に回動可能である。そして、前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合し且つ前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に当接した状態の前記カッターユニットが前記第1方向に回動することで、前記カッターユニットには前記第1係合部と前記第2係合部との係合が解除される方向への移動自由度が付与され、且つ、前記付勢部材の前記カッターユニットとの当接が解除されて前記カッターユニットに対して前記付勢部材の付勢力が付与されない状態となり、前記第1係合部が前記ホルダーの前記第2係合部に係合し且つ前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に当接していない状態の前記カッターユニットが前記第2方向に回動することで、前記当接部が前記ホルダーの前記当接面に当接した状態となり、前記付勢部材が前記カッターユニットと当接して前記カッターユニットに対して前記付勢部材の付勢力が付与される状態となることを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成装置は、上述のカッター機構を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカッター機構及び画像形成装置によると、カッターユニットを第1方向に回動させることで、カッターユニットを第1係合部と第2係合部との係合が解除される方向に移動させることができるようになり、且つ、付勢部材による付勢力がカッターユニットに対して付与されない状態となる。すなわち、ホルダーからカッターユニットを取り外すことができるようになる。また、カッターユニットを第2方向に回動させることで、付勢部材による付勢力がカッターユニットに付与される状態とし、ホルダーにカッターユニットを取り付けることができる。よって、ネジやボルト等を回すような煩雑な作業を必要とすることなく、カッターを容易に交換することができる。また、ネジやボルト等を回すために手や工具手を差し込むための作業空間が不要であるので、搭載される装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるプリンタの内部構造を示す概略側面図である。
【
図4】(a)はホルダーに装着された状態のカッターユニットを下方から見た図であり、(b)はホルダーに装着されていない状態のカッターユニットを下方から見た図である。
【
図5】(a)はカッターユニットが装着されていない状態のホルダーの断面図であり、(b)はカッターユニットが装着された状態のホルダーの断面図である。
【
図6】カッターユニットが装着された状態のホルダーの側面図である。
【
図7】カッターユニットをホルダーから取り外す際の手順を示す図であり、(a)はカッターユニットを回動させる手順を示す図であり、(b)はカッターユニットを後方に引き抜く手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好適な一実施形態に係るプリンタ100(本発明の画像形成装置)について、
図1を参照しつつ、以下に説明する。なお、
図1に示す上下方向、前後方向及び左右方向を、プリンタ100の上下方向、前後方向及び左右方向とする。
【0012】
(プリンタ100の全体構成)
プリンタ100は、筐体100aと、給紙カセット1と、給紙機構2と、搬送機構3と、カッター機構4と、ヘッド5と、排紙トレイ6と、経路部材7と、カバー8と、制御部10とを含む。給紙カセット1は、筐体100aの下部に着脱可能である。排紙トレイ6は、筐体100aの上部の前側の側壁に形成された開口101を覆っており、筐体100aに対して開閉可能である。カバー8は、筐体100aの後側の側壁に形成された開口102を覆っており、筐体100aに対して開閉可能である。
【0013】
給紙カセット1は、ロール紙Rを収容可能である。ロール紙Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に、長尺の用紙Pがロール状に巻回されたものである。ロール紙Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)に沿った軸方向(
図1の紙面垂直方向)が左右方向と平行となるように配置される。回転軸Rxの軸方向は、用紙Pの幅方向にも該当する。また、本実施形態におけるロール紙Rから用紙Pが巻き解かれて当該ロール紙Rから離れるように搬送される搬送方向Aは、
図1に示すように概ね前後方向の前から後に向かう方向である。そして、用紙Pが搬送されるときのロール紙Rの回転方向Bが、ロール紙Rの巻き解かれる方向である。なお、本実施形態において、ロール紙Rから巻き解かれた用紙Pは、後述の給紙機構2及び搬送機構3によって規定される搬送経路に沿って、排紙トレイ6まで送られる。
図1では、搬送経路に沿って搬送される用紙Pの搬送方向を搬送方向Aとする。
【0014】
給紙カセット1は、
図1に示すように、トレイ11と、ロール紙Rの下側部分の外周面を支持しつつロール紙Rを回転可能に支持する支持部12と、2つの規制部材16、17とを有する。トレイ11は、上方に開口した箱形状を有し、ロール紙Rを収容可能に構成されている。支持部12は、支持台13と、2つのローラ14、15とを有する。
【0015】
支持台13は、
図1に示すように、前後方向に互いに離隔して配置された2つの台部13a、13bを有している。これら2つの台部13a、13bは、トレイ11の底部11aに着脱可能に設けられている。また、各台部13a、13bは、回転軸Rxの軸方向に沿って長尺に延在している。本実施形態における台部13a、13bは、用紙P、すなわちロール紙Rの幅よりも若干長く形成されている。台部13aは、前後方向において、支持部12に支持されたロール紙Rの回転軸Rxよりも前側に配置されている。台部13bは、前後方向において、支持部12に支持されたロール紙Rの回転軸Rxよりも後側に配置されている。
【0016】
2つのローラ14、15も、回転軸Rxの軸方向に沿って長尺に延在しており、ロール紙Rの幅より若干長く形成されている。ローラ14は、その軸部材14aが回転軸Rxと平行な回転軸周りに回転可能に台部13aに支持されている。ローラ15は、その軸部材15aが回転軸Rxと平行な回転軸周りに回転可能に台部13bに支持されている。そして、これら2つのローラ14、15が、ロール紙Rの下側部分の外周面と接触した状態で当該ロール紙Rを下方から支持する。
【0017】
また、台部13bの下面には、トレイ11の底面11a1との間に用紙Pを通すための通路18を画定する溝13b2が形成されている。溝13b2は、底面11a1に向かって開口しており、前後方向に沿って水平に延在し、回転軸Rxの軸方向の幅がロール紙Rの幅よりも長く形成されている。通路18を通された用紙Pは、
図1に示すように、トレイ11の底面11a1に沿って配され、後述する給紙ローラ2aによって給紙可能となる。
【0018】
規制部材16は、
図1に示すように、台部13aの搬送方向Aの上流端部の上端から垂直に延びている。規制部材17は、台部13bの搬送方向Aの下流端部の上端から垂直に延びている。また、これら2つの規制部材16、17は、径方向のサイズが支持部12で支持可能な最大サイズのロール紙Rの外周面に近接するように配置されている。これにより、ロール紙Rの巻きが緩んでロール紙Rの外径が大きくなろうとしても、ロール紙Rの外周面が規制部材16、17と接触し、外径が大きくなるのを規制することが可能となる。
【0019】
給紙機構2は、
図1に示すように、給紙ローラ2aと、アーム2bと、給紙モータ(不図示)とを有する。給紙ローラ2aは、アーム2bの先端に軸支されている。アーム2bは、支軸2cに回動自在に支持されている。アーム2bは、図示しない付勢部材により給紙ローラ2aがトレイ11の底面11a1に近づくように付勢されている。制御部10の制御により給紙モータが駆動されると、用紙Pが搬送方向A(すなわち前後方向の前から後に向かう方向)に給紙されるように給紙ローラ2aが回転する。これにより、用紙Pが搬送方向Aに給紙される。なお、アーム2bは、トレイ11を着脱する際に上方へ退避可能に構成されている。
【0020】
カッター機構4は、給紙機構2よりも搬送方向Aの下流側であって、後述するヘッド5よりも搬送方向Aの上流側の位置に配置されている。カッター機構4は、例えば円板状の回転刃45a及び従動刃45bからなるカッター45と、回転刃45aを回転させ且つカッター45を左右方向に往復移動させる切断モータ59(
図2参照)とを含む。ロール紙Rから巻き解かれて搬送された用紙Pは、制御部10の制御により切断モータ59が駆動されることで、カッター45により用紙Pの幅方向に切断される。カッター機構4の詳細な構成については、後述する。
【0021】
搬送機構3は、搬送ローラ対3a、排紙ローラ対3b、案内ガイド20、経路部材7及び中間ローラ対9を有している。搬送ローラ対3aは、不図示の搬送モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。排紙ローラ対3bは、不図示の排紙モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部10の制御により不図示の搬送モータ及び排紙モータが駆動され、搬送ローラ対3a及び排紙ローラ対3bが用紙Pを挟持しつつ回転することで、用紙Pが搬送される。
【0022】
案内ガイド20は、給紙機構2の後方であって、カッター機構4よりも搬送方向Aの上流側に設けられている。案内ガイド20は、給紙機構2からカッター機構4へと用紙Pを案内するためのものである。案内ガイド20は、
図1に示すように、前後方向の前から後に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。案内ガイド20は、回転軸Rxの軸方向、すなわち、用紙Pの幅方向に沿って長尺に延在している。また、案内ガイド20は、用紙Pの幅より若干長く形成されている。
【0023】
経路部材7は、搬送ローラ対3aよりも搬送方向Aの上流側であって、カッター機構4よりも搬送方向Aの下流側に設けられている。経路部材7は、給紙機構2及び搬送機構3によって規定される搬送経路の一部であって、用紙Pを両面から規制する。
【0024】
中間ローラ対9は、経路部材7よりも搬送方向Aの上流側であって、カッター機構4よりも搬送方向Aの下流側に設けられている。中間ローラ対9は、カッター機構4を通過した用紙Pを経路部材7によって規定される搬送経路へと搬送する。中間ローラ対9は、不図示の中間モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。
【0025】
ヘッド5は、搬送ローラ対3aよりも搬送方向Aの下流側であって、排紙ローラ対3bよりも搬送方向Aの上流側に配置されている。ヘッド5は、下面に形成された複数のノズル(図示略)と、ドライバICとを含む。制御部10の制御によりドライバICが駆動されると、ノズルからインクが吐出され、搬送機構3によって搬送された用紙Pがヘッド5の下面と対向する画像形成位置を通過するときに、用紙Pに対して画像が形成される。なお、ヘッド5は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。ヘッド5により画像が形成され且つカッター45により切断された用紙Pは、筐体100aに対して開いた状態の排紙トレイ6に受容される。
【0026】
制御部10は、内部バス(不図示)を介して、給紙モータ、搬送モータ、排紙モータ、ドライバIC、切断モータ59と接続されている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。ROMには、CPUが各種制御を行うためのプログラムやデータが格納されている。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。
【0027】
(カッター機構4の構成)
次に、
図2~
図7を参照しつつ、カッター機構4の構成について説明する。カッター機構4は、上述のカッター45を内部に収容するカッターユニット40と、カッターユニット40を保持するホルダー50と、を主に備えている。以降、カッターユニット40の方向に関する説明は、ホルダー50に保持された状態のカッターユニット40の方向に基づいて行う。
【0028】
カッター機構4は、
図7(a)、(b)に示すように、ホルダー50に保持されたカッターユニット40の後述する回動軸L(
図4(b)参照)に直交する仮想平面Sが、筐体100aの後壁に形成された開口102を介して筐体100aの内側から外側まで延びるように筐体100a内に配置されている。したがって、開口102を封鎖可能なカバー8を開状態とすることで、開口102を介してカッター機構4が露出する。このとき、筐体100aの外からカッター機構4にアクセス可能となり、ホルダー50に対してカッターユニット40を脱着することができる。
【0029】
ホルダー50は、
図2に示すように、ガイドレール56によって、左右方向に沿って移動可能に支持されている。また、ホルダー50は、左右方向に互いに離隔して配置された2つのプーリ57(
図2においては2つのうち一方のみを示す)に巻き掛けられたタイミングベルト58の一部に固定されている。2つのプーリ57のうちの一方は、切断モータ59の駆動軸と連結されている。切断モータ59は、正逆回転可能なモータである。切断モータ59が駆動されると、タイミングベルト58が走行し、ホルダー50が左右方向に沿って往復移動する。
【0030】
図3に示すように、ホルダー50は、底壁51aと、いずれも底壁51aに立設された後壁51b及び2つの側壁51cとを有している。底壁51aは、上面視で略四角形状を有している。
図7(b)に示すように、底壁51aは、前方側端が後方側端よりも上方に位置するように傾斜している。後壁51bは、底壁51aの後端部に設けられている。2つの側壁51cは、底壁51aの左右の両端部にそれぞれ設けられている。以降の説明において、左右方向に直交し、且つ、底壁51aの傾斜方向に沿う方向を単に「傾斜方向」と称する。また、傾斜方向及び左右方向に直交する方向を「直交方向」と称する。
【0031】
図3及び
図5(a)に示すように、ホルダー50の2つの側壁51cには、切欠52(本発明の第2係合部)がそれぞれ形成されている。切欠52は、U字部52aを有している。U字部52aは、U字の頂部が前方側に位置し且つU字の両端部が後方側に位置するように、傾斜方向に沿って横倒しとなったU字形状を有している。また、切欠52は、U字部52aの両端部からそれぞれ側壁51cの上端まで延びる一対の延在部52bを有している。つまり、切欠52は、側壁51cの上端で開放されている。一対の延在部52bは、いずれもU字部52aの端部側よりも側壁51cの上端側が後方に位置するように斜めに延びている。一対の延在部52bの間のすきまは、U字部52aの端部側から側壁51cの上端側に向けて次第に広くなっている。
【0032】
図3及び
図5(a)、(b)に示すように、ホルダー50における底壁51aの上面の後端部近傍には、直交方向に突出した突起53が形成されている。この突起53の上端面が、後述するカッターユニット40の当接部43と当接する当接面53aとなっている。当接面53aは、傾斜方向及び左右方向に平行な面である。また、
図3及び
図4(a)に示すように、ホルダー50の底壁51aには左右方向に互いに離隔した2つの貫通孔54(本発明の嵌込部)が形成されている。
【0033】
図3及び
図5(a)、(b)に示すように、ホルダー50には、板ばね55(本発明の付勢部材)が取り付けられている。板ばね55は、略L字形状を有しており、L字の一辺は固定部55a、他辺は付勢部55bとなっている。固定部55aは、底壁51aの上面に位置しており、ねじ等によって底壁51aに固定されている。付勢部55bは、後壁51bと対向している。付勢部55bの上端部には、前方に向かって突き出た屈曲部55cが形成されている。
【0034】
図5(a)に示すように、ホルダー50にカッターユニット40が装着されていないとき、付勢部55bは、直交方向に対して傾斜しており、その上端部が下端部よりも前方に位置している。
図5(b)に示すように、ホルダー50にカッターユニット40が装着されたとき、付勢部55bは、直交方向と略平行となる。また、このとき、板ばね55は、その屈曲部55cがカッターユニット40の上面と当接し、カッターユニット40に対して当接面53aに向かう付勢力を付与する。
【0035】
図4(a)、(b)、
図5(b)及び
図6に示すように、カッターユニット40は、カッター45を収容するケース41と、傾斜方向に関してケース41の後端部に設けられた取っ手49と、を有している。ケース41は、カッター45の収容空間を画定している。取っ手49は、直交方向に延びる基部49aと、基部49aの上端部から傾斜方向に関してケース41とは反対側に突出した突出部49bと、からなる。
【0036】
図4(b)に示すように、カッターユニット40は、ケース41の左右の両側壁にそれぞれ形成されており、且つ、左右方向に沿って延びる棒状部42(本発明の第1係合部)を有している。2つの棒状部42は、ホルダー50に形成された2つの切欠52のU字部52aとそれぞれ係合可能である。
図6に示すように、棒状部42が切欠52のU字部52aに係合したとき、切欠52の切欠面52c(本発明の対向面)は、棒状部42の外周面と対向する。より詳細には、切欠面52cは、棒状部42の外周面における後方を向く部分を除いて棒状部42の外周面と対向する。棒状部42が切欠52のU字部52aに係合したとき、棒状部42は、切欠面52cによって直交方向に関する移動を規制される。
【0037】
図4(b)及び
図5(b)に示すように、カッターユニット40は、ケース41に形成されており、且つ、ホルダー50に装着されたときにホルダー50の当接面53aと当接する当接部43を有している。当接部43は、ケース41の左右方向の中央部に設けられている。当接部43がホルダー50の当接面53aと当接することで、直交方向に関してホルダー50に対するカッターユニット40の位置決めを行うことができる。
図4(b)に示すように、当接部43は、傾斜方向に関して棒状部42から離れた位置に設けられている。また、カッター45は、傾斜方向に関して棒状部42に対して当接部43とは反対側に位置している。また、棒状部42は、傾斜方向に関して当接部43より取っ手49から離れている。
【0038】
図4(b)に示すように、ケース41の下面には、左右方向に互いに離隔しており、且つ、いずれも直交方向に突出する2つの突起44が形成されている。
図4(a)に示すように、カッターユニット40がホルダー50に装着されたとき、2つの突起44は、ホルダー50に形成された貫通孔54にそれぞれ嵌め込まれる。これにより、傾斜方向及び左右方向に平行な面内でのホルダー50に対するカッターユニット40の位置決めを行うことができる。
【0039】
カッターユニット40は、棒状部42がホルダー50における切欠52のU字部52aに係合した状態で、棒状部42を通り左右方向に延びる回動軸L(
図4(a)、(b)参照)を中心として回動可能である。より詳細には、カッターユニット40は、回動軸Lを中心として、当接部43がホルダー50の当接面53aから遠ざかる第1方向及び当接部43がホルダー50の当接面53aに近づく第2方向に回動可能である。
【0040】
ここで、上述のように、ホルダー50に形成された切欠52の切欠面52cは、棒状部42の外周面における後方を向く部分とは対向していない。また、切欠52におけるU字部52aの両端部からそれぞれ延びる一対の延在部52bは、いずれもU字部52aの端部側よりも側壁51cの上端側が後方に位置するように斜めに延びている。したがって、棒状部42がホルダー50における切欠52のU字部52aに係合し、且つ、当接部43がホルダー50の当接面53aに当接した状態のカッターユニット40が、第1方向に回動することで、棒状部42が切欠52のU字部52aから抜け出し一対の延在部52bの間のすきまへと移動可能となる。つまり、このとき、カッターユニット40に棒状部42とU字部52aとの係合が解除される方向(すなわち、後方)への移動自由度が付与される。
【0041】
カッターユニット40を交換すべくホルダー50からカッターユニット40を取り外す際には、まずカバー8を開状態とし、開口102を介して筐体100a内のカッター機構4が露出する状態とする。そして、
図7(a)に示すように、取っ手49を摘まんでカッターユニット40を第1方向に回動させ、棒状部42とU字部52aとの係合を解除することができる後方への移動を可能とする。また、このとき、板ばね55における屈曲部55cのカッターユニット40との当接が解除されて、カッターユニット40に対して板ばね55の付勢力が付与されない状態となる。その後、
図7(b)に示すように、カッターユニット40を後方へ引き抜くことでホルダー50から取り外す。
【0042】
そして、新たなカッターユニット40をホルダー50に取り付ける際には、取っ手49を摘まんで開口102を介して筐体100a内にカッターユニット40を差し入れ、棒状部42とU字部52aとを係合させる。このとき、カッターユニット40の突起44がホルダー50の貫通孔54に嵌め込まれるようにする。その後、カッターユニット40を第2方向に回動させることで、カッターユニット40の当接部43がホルダー50の当接面53aに当接した状態となる。また、このとき、板ばね55の屈曲部55cがカッターユニット40と当接してカッターユニット40に対して板ばね55の付勢力が付与される状態となる。
【0043】
以上のように、本実施形態のプリンタ100に搭載されたカッター機構4では、カッターユニット40は、棒状部42及び当接部43を有している。また、カッター機構4のホルダー50は、カッターユニット40の棒状部42と係合可能な切欠52のU字部52aと、カッターユニット40の当接部43と当接可能な平面である当接面53aと、カッターユニット40と当接することでカッターユニット40に対して当接面53aに向かう付勢力を付与する板ばね55と、を有している。そして、カッターユニット40は、棒状部42がホルダー50の切欠52におけるU字部52aに係合した状態で、棒状部42を通り左右方向に平行な回動軸Lを中心として、当接部43がホルダーの当接面53aから遠ざかる第1方向及び当接部43がホルダー50の当接面53aに近づく第2方向に回動可能である。さらに、棒状部42がホルダー50の切欠52におけるU字部52aに係合し且つ当接部43がホルダー50の当接面53aに当接した状態のカッターユニット40が第1方向に回動することで、カッターユニット40には棒状部42とU字部52aとの係合が解除される方向への移動自由度が付与され、且つ、板ばね55のカッターユニット40との当接が解除されてカッターユニット40に対して板ばね55の付勢力が付与されない状態となる。加えて、棒状部42がホルダー50の切欠52におけるU字部52aに係合し且つ当接部43がホルダー50の当接面53aに当接していない状態のカッターユニット40が第2方向に回動することで、当接部43がホルダー50の当接面53aに当接した状態となり、板ばね55がカッターユニット40と当接してカッターユニット40に対して板ばね55の付勢力が付与される状態となる。
【0044】
上述の構成により、カッターユニット40を第1方向に回動させることで、カッターユニット40を棒状部42とU字部52aとの係合が解除される方向に移動させることができるようになり、且つ、板ばね55による付勢力がカッターユニット40に対して付与されない状態となる。すなわち、ホルダー50からカッターユニット40を取り外すことができるようになる。また、カッターユニット40を第2方向に回動させることで、板ばね55による付勢力がカッターユニット40に付与される状態とし、ホルダー50にカッターユニット40を取り付けることができる。よって、ネジやボルト等を回すような煩雑な作業を必要とすることなく、カッターを容易に交換することができる。また、ネジやボルト等を回すために手や工具手を差し込むための作業空間が不要であるので、カッター機構4が搭載されるプリンタ100を小型化することができる。
【0045】
また、上述の実施形態のカッター機構4では、切欠52のU字部52aは、直交方向に関する棒状部42の移動を規制する。したがって、カッターユニット40は、板ばね55により付勢されて当接面53aに当接する当接部43と棒状部42との2箇所で、直交方向に関する移動を規制される。よって、直交方向に関して、ホルダー50に対するカッターユニット40の位置決めを確実に行うことができる。
【0046】
さらに、上述の実施形態のカッター機構4では、カッター45は、カッターユニット40において傾斜方向に関して棒状部42に対して当接部43とは反対側に位置している。すなわち棒状部42は、当接部43よりもカッター45に近い。よって、当接部43よりもカッター45に近い棒状部42の直交方向に関する移動を規制することで、カッター45によるカット位置の直交方向に関する位置ずれを防ぐことができる。ゆえに、カッター45による切断精度の低下を抑制することができる。
【0047】
加えて、上述の実施形態のカッター機構4では、棒状部42がホルダー50の切欠52におけるU字部52aに係合した状態で、切欠52の切欠面52cは、棒状部42の外周面の後方を向く部分を除いて棒状部42の外周面と対向する。したがって、棒状部42が、切欠面52cと対向しない後方に移動するようにカッターユニット40を移動させることで、棒状部42と切欠52のU字部52aとの係合を解除することができる。
【0048】
また、上述の実施形態のカッター機構4では、カッターユニット40に直交方向に突出した突起44が設けられており、ホルダー50に突起44が嵌め込まれる貫通孔54が設けられている。したがって、突起44を貫通孔54に嵌め込むことで、傾斜方向及び左右方向に平行な面内でのホルダー50に対するカッターユニット40の位置決めを行うことができる。
【0049】
また、上述の実施形態のカッター機構4では、カッターユニット40は、カッターを収容するケース41と、傾斜方向に関してケース41の後端部に設けられた取っ手49と、を有している。したがって、取っ手49により、カッターユニット40の脱着作業を容易に行うことができる。
【0050】
加えて、上述の実施形態のカッター機構4では、カッターユニット40の取っ手49は、傾斜方向に関してケース41とは反対側に突出した突出部49bを有している。したがって、突出部49bによりカッターユニット40を容易に回動させることができる。
【0051】
さらに、上述の実施形態のカッター機構4では、棒状部42は、傾斜方向に関して当接部43よりも取っ手49から離れている。したがって、カッターユニット40の回動軸Lから取っ手49までの距離を長くとることができる。よって、小さな力でカッターユニット40の脱着を行うことができる。
【0052】
また、上述の実施形態のカッター機構4では、板ばね55によりカッターユニット40に対して当接面53aに向かう付勢力を付与する。したがって、簡易な構成で、カッターユニット40に対して当接面53aに向かう付勢力を付与することができる。
【0053】
さらに、上述の実施形態のカッター機構4を搭載したプリンタ100では、筐体100aにカッター機構4を露出させる開口102が形成されている。そして、カッター機構4は、ホルダー50に保持されたカッターユニット40の回動軸Lに直交する仮想平面Sが、開口102を介して筐体100aの内側から外側まで延びるように筐体100a内に配置されている。したがって、カッターユニット40を回動させてホルダー50に対して脱着する際の動作も、カッターユニット40を開口102を介して筐体100a内に出し入れする際の動作も、回動軸Lと直交する仮想平面S内で行うことができる。よって、カッターユニット40をホルダー50から取り外して筐体100a内から取り出す作業、及び、カッターユニット40を筐体100a内に差し入れてホルダー50に取り付ける作業をスムーズに行うことができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0055】
上述の実施形態においては、カッターユニット40の回動軸Lが、棒状部42を通り左右方向に平行である場合について説明したが、これに限らず、回動軸Lは、棒状部42を通り当接面53aに平行であればよい。すなわち例えば、棒状部42が前後方向に沿って延びており、当接面53aが水平である場合には、回動軸Lは前後方向に平行となる。
【0056】
上述の実施形態においては、棒状部42と係合する切欠52のU字部52aが、傾斜方向に沿って横倒しとなったU字形状を有しており、直交方向に関する棒状部42の移動を規制する場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、U字部52aが起立したU字形状を有していてもよい。
【0057】
また、上述の実施形態においては、カッター45が、カッターユニット40において傾斜方向に関して棒状部42に対して当接部43とは反対側に位置している場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、カッター45は、傾斜方向に関して棒状部42に対して当接部43と同じ側に位置していてもよい。
【0058】
さらに、上述の実施形態においては、カッターユニット40に設けられた棒状部42と、ホルダー50に設けられた切欠52のU字部52aと、が係合する場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、ホルダー50に設けられた棒状部と、カッターユニット40に設けられており、ホルダー50の棒状部の外周面と対向する対向面を有する係合部と、が係合するようにしてもよい。
【0059】
加えて、上述の実施形態においては、カッターユニット40に設けられた突起44が、ホルダー50に設けられた貫通孔54に嵌め込まれる場合について説明したが、これには限定されない。貫通孔54に替えて、カッターユニット40の突起44を嵌め込み可能な溝がホルダー50に形成されていてもよい。また、ホルダー50に突起が形成されており、ホルダー50に形成された突起を嵌め込み可能な嵌込部がカッターユニット40に形成されていてもよい。なお、カッターユニット40の製造や設計のしやすさを考慮すると、カッターユニット40に突起44を設けることが好ましい。
【0060】
さらに、上述の実施形態においては、カッターユニット40に、傾斜方向に関してケース41の後端部に設けられており、且つ、傾斜方向に関してケース41とは反対側に突出した突出部49bを有する取っ手49が設けられている場合について説明したが、これには限定されない。取っ手49は、突出部49bを有しておらず、直交方向に延びる基部49aのみであってもよい。また、カッターユニット40に取っ手49が設けられていなくてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態においては、棒状部42が、傾斜方向に関して当接部43よりも取っ手49から離れている場合について説明したが、これには限定されない。棒状部42は、当接部43よりも取っ手49に近くてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態においては、板ばね55によりカッターユニット40に対して当接面53aに向かう付勢力を付与する場合について説明したが、これには限定されない。カッターユニット40に対して当接面53aに向かう付勢力を付与する付勢部材として、板ばね55に替えて、樹脂ばねやトルクばねを用いてもよい。
【0063】
さらに、上述の実施形態においては、カッター機構4が、ホルダー50に保持されたカッターユニット40の回動軸Lに直交する仮想平面Sが、開口102を介して筐体100aの内側から外側まで延びるように筐体100a内に配置されている場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、カッター機構4は、筐体100a内において開口102の左右の側方に配置されていてもよい。
【0064】
本発明は、シート状媒体を切断するためのカッター機構を備えた画像形成装置全般に適用され得る。
【符号の説明】
【0065】
1 プリンタ(画像形成装置)
4 カッター機構
40 カッターユニット
41 ケース
42 棒状部(第1係合部)
43 当接部
44 突起
45 カッター
49 取っ手
49b 突出部
50 ホルダー
52 切欠(第2係合部)
52c 切欠面(対向面)
53a 当接面
54 貫通孔(嵌込部)
55 板ばね(付勢部材)
102 開口