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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B41J2/01 307
B41J2/01 305
B41J2/01 303
B41J2/01 123
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020206761
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022093993
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鐘ヶ江 貴公
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 伸朗
(72)【発明者】
【氏名】萩原 寛之
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-065046(JP,A)
【文献】特開2019-010860(JP,A)
【文献】特開2006-315306(JP,A)
【文献】特開2013-049244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0291435(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する複数のヘッドユニットと、
前記複数のヘッドユニットにおける液体の吐出動作を制御する制御部と、有する液体吐出装置であって、
前記複数のヘッドユニットは、
第1ヘッドユニットと、
前記第1ヘッドユニットとは異なる第2ヘッドユニットと、を含み、
前記第1ヘッドユニットは、
第1部分と、
第1方向における位置が前記第1部分とは異なり、前記第1部分よりも前記第1方向に交差する第2方向における幅が短い第2部分と、
前記第1方向における位置が前記第1部分とは異なり、前記第1部分よりも前記第2方向における幅が短い第3部分と、
前記第1部分および前記第2部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第1ヘッドと、
前記第1部分のみに設けられ、複数のノズルが配列された第2ヘッドと、
前記第1部分のみに設けられ、複数のノズルが配列された第3ヘッドと、
前記第1部分および前記第3部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第4ヘッドと、を有し、
前記第2ヘッドユニットは、
第4部分と、
前記第1方向における位置が前記第4部分とは異なり、前記第4部分よりも前記第2方向における幅が短い第5部分と、
前記第1方向における位置が前記第4部分とは異なり、前記第4部分よりも前記第2方向における幅が短い第6部分と、
前記第4部分および前記第5部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第5ヘッドと、
前記第4部分および前記第6部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第6ヘッドと、を有し、
前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも大きい、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記第3ヘッドおよび前記第4ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅と、等しい、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記第1ヘッドユニットおよび前記第2ヘッドユニットは、前記第1方向に沿って互いに重なる部分を有するように、前記第1方向に並んで配置される、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記第1ヘッドユニットおよび前記第2ヘッドユニットは、前記第2方向における位置が互いに同じになるように配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記第4ヘッドおよび前記第5ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記第4ヘッドおよび前記第5ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記第4ヘッドおよび前記第5ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記第1部分の前記第1方向における長さは、前記第4部分の前記第1方向における長さよりも長い、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記第1方向の一方側を第1側とし、
前記第1方向の他方側を第2側とし、
前記第2方向の一方側を第3側とし、
前記第2方向の他方側を第4側としたとき、
前記第2部分は、前記第1部分における前記第1側の端に接続され、
前記第3部分は、前記第1部分における前記第2側の端に接続され、
前記第2部分における前記第3側の端は、前記第1部分における前記第3側の端と、前記第2方向における位置が同じであり、
前記第3部分における前記第4側の端は、前記第1部分における前記第4側の端と、前記第2方向における位置が同じである、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項12】
前記第1方向の一方側を第1側とし、
前記第1方向の他方側を第2側とし、
前記第2方向の一方側を第3側とし、
前記第2方向の他方側を第4側としたとき、
前記第5部分は、前記第4部分における前記第1側の端に接続され、
前記第6部分は、前記第4部分における前記第2側の端に接続され、
前記第5部分における前記第3側の端は、前記第4部分における前記第3側の端と、前記第2方向における位置が同じであり、
前記第6部分における前記第4側の端は、前記第4部分における前記第4側の端と、前記第2方向における位置が同じである、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項13】
前記第1ヘッドユニットの前記第1方向における長さは、前記第2ヘッドユニットの前記第1方向における長さよりも長い、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項14】
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッド、前記第4ヘッド、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドは、互いに同じ色のインクを吐出する、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項15】
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドおよび前記第4ヘッドのそれぞれは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのうちの少なくとも1つを吐出し、
前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドのそれぞれは、クリアインク、ホワイトインク、および処理液のうちの少なくとも1つを吐出する、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項16】
前記第2方向に沿って記録媒体を搬送する搬送機構をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項17】
前記第2方向に沿って前記複数のヘッドユニットを移動させる移動機構と、
前記第1方向に沿って記録媒体を搬送する搬送機構と、をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項18】
前記第1ヘッドユニットは、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッド、前記第4ヘッド以外の前記ヘッドを有さず、
前記第2ヘッドユニットは、前記第5ヘッド、前記第6ヘッド以外の前記ヘッドを有さない、
ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット方式のプリンターに代表されるように、インク等の液体を液滴として吐出する液体吐出装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の装置は、複数のヘッドユニットを支持体で支持した構成のヘッドモジュールを有する。当該複数のヘッドユニットのそれぞれは、第1部分と、第1部分よりも幅の短い第2部分および第3部分を有する。ここで、第1部分は、第2部分と第3部分との間に設けられており、これらの部分にわたって複数のノズルが配列されるように、各ヘッドユニットには、4個の循環ヘッドが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-49874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、ノズルの配列方向に沿うヘッドモジュールの好ましい長さは、プリンターの機種等に応じて異なる。しかし、特許文献1に記載されるように、同一構成のヘッドユニットのみを複数組み合わせて用いる場合、各ヘッドユニットの長さの整数倍程度ごとの長さのヘッドモジュールしか得られない。したがって、特許文献1に記載の構成では、機種ごとに異なるヘッドユニットが必要となるため、ヘッドユニットの汎用性に劣るという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体吐出装置は、液体を吐出する複数のヘッドユニットと、前記複数のヘッドユニットにおける液体の吐出動作を制御する制御部と、有する液体吐出装置であって、前記複数のヘッドユニットは、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットとは異なる第2ヘッドユニットと、を含み、前記第1ヘッドユニットは、第1部分と、第1方向における位置が前記第1部分とは異なり、前記第1部分よりも前記第1方向に交差する第2方向における幅が短い第2部分と、前記第1方向における位置が前記第1部分とは異なり、前記第1部分よりも前記第2方向における幅が短い第3部分と、前記第1部分および前記第2部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第1ヘッドと、前記第1部分のみに設けられ、複数のノズルが配列された第2ヘッドと、前記第1部分のみに設けられ、複数のノズルが配列された第3ヘッドと、前記第1部分および前記第3部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第4ヘッドと、を有し、前記第2ヘッドユニットは、第4部分と、前記第1方向における位置が前記第4部分とは異なり、前記第4部分よりも前記第2方向における幅が短い第5部分と、前記第1方向における位置が前記第4部分とは異なり、前記第4部分よりも前記第2方向における幅が短い第6部分と、前記第4部分および前記第5部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第5ヘッドと、前記第4部分および前記第6部分に跨って設けられ、複数のノズルが配列された第6ヘッドと、を有し、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅は、前記第5ヘッドおよび前記第6ヘッドが前記第1方向に沿って互いに重なる幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る液体吐出装置の構成例を示す概略図である。
図2】第1実施形態におけるヘッドモジュールの斜視図である。
図3】ヘッドユニットの分解斜視図である。
図4】ヘッドの構成例を示す概略図である。
図5】第1ヘッドユニットの平面図である。
図6】第2ヘッドユニットの平面図である。
図7】第1実施形態における複数のヘッドユニットの配置を説明するための図である。
図8】第2実施形態に係る液体吐出装置の構成例を示す概略図である。
図9】第2実施形態における複数のヘッドユニットの配置を説明するための図である。
図10】変形例1における複数のヘッドユニットの配置を説明するための図である。
図11】変形例2における複数のヘッドユニットの配置を説明するための図である。
図12】変形例3における複数のヘッドユニットの配置を説明するための図である。
図13】変形例4における複数のヘッドユニットの配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0009】
なお、以下の説明は、互いに交差するX軸、Y軸およびZ軸を適宜に用いて行う。また、X軸に沿う一方向をX1方向といい、X1方向と反対の方向をX2方向という。同様に、Y軸に沿って互いに反対の方向をY1方向およびY2方向という。また、Z軸に沿って互いに反対の方向をZ1方向およびZ2方向という。Y1方向またはY2方向は、「第1方向」の一例である。X1方向またはX2方向は、「第2方向」の一例である。また、Z軸に沿う方向でみることを「平面視」という。
【0010】
ここで、典型的には、Z軸が鉛直な軸であり、Z2方向が鉛直方向での下方向に相当する。ただし、Z軸は、鉛直な軸でなくともよい。また、X軸、Y軸およびZ軸は、典型的には互いに直交するが、これに限定されず、例えば、80°以上100°以下の範囲内の角度で交差すればよい。
【0011】
1.第1実施形態
1-1.液体吐出装置の概略構成
図1は、第1実施形態に係る液体吐出装置100の構成例を示す概略図である。液体吐出装置100は、液体の一例であるインクを液滴として媒体Mに吐出するインクジェット方式の印刷装置である。媒体Mは、「記録媒体」の一例であり、典型的には印刷用紙である。なお、媒体Mは、印刷用紙に限定されず、例えば、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象でもよい。
【0012】
図1に示すように、液体吐出装置100には、インクを貯留する液体容器101が装着される。液体容器101の具体的な態様としては、例えば、液体吐出装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、および、インクを補充可能なインクタンク等が挙げられる。
【0013】
本実施形態の液体容器101は、図示しないが、互いに異なる種類のインクを貯留する複数の容器を有する。当該複数の容器に貯留されるインクとしては、特に限定されないが、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、クリアインク、ホワイトインクおよび処理液等が挙げられ、これらのうちの2種以上の組み合わせが用いられる。
【0014】
ここで、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのそれぞれの組成は、特に限定されず、例えば、染料または顔料等の色材を水系溶媒に溶解させた水系インクでもよいし、色材を有機溶剤に溶解させた溶剤系インクでもよいし、紫外線硬化型インクでもよい。クリアインクは、色材を含有せず、色材により印刷された印刷面をオーバーコートすることにより、印刷面の耐擦過性を向上させたり、顔料成分による凹凸を低減させて乱反射による色味ズレを低減させたりするためのインクである。ホワイトインクは、白色顔料等を含有し、媒体Mの汚れ等による非白色性を低減させるためのインクである。処理液は、色材インクに含まれる成分との反応性を有し、媒体M上で色材インクと接触することにより色材インクの定着性等を高めるためのインクである。
【0015】
図1に示すように、液体吐出装置100は、制御ユニット20と搬送機構30と移動機構40とヘッドモジュール50と循環機構60とを有する。
【0016】
制御ユニット20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体吐出装置100の各要素の動作を制御する。ここで、制御ユニット20は、「制御部」の一例であり、ヘッドモジュール50によるインクの吐出動作を制御する。
【0017】
搬送機構30は、制御ユニット20による制御のもとで、媒体MをY1方向である搬送方向DMに搬送する。移動機構40は、制御ユニット20による制御のもとで、ヘッドモジュール50をX1方向とX2方向とに往復させる。図1に示す例では、移動機構40は、ヘッドモジュール50を収容するキャリッジと称される略箱型の搬送体41と、搬送体41が固定される搬送ベルト42と、を有する。なお、搬送体41には、ヘッドモジュール50のほかに、前述の液体容器101が搭載されてもよい。
【0018】
ヘッドモジュール50は、制御ユニット20による制御のもとで、液体容器101から循環機構60を介して供給されるインクを複数のノズルのそれぞれからZ2方向に媒体Mに吐出する。この吐出が搬送機構30による媒体Mの搬送と移動機構40によるヘッドモジュール50の往復移動とに並行して行われることにより、媒体Mの表面にインクによる画像が形成される。なお、ヘッドモジュール50は、後述するように複数のヘッドユニットUを有する。
【0019】
図1に示す例では、液体容器101が循環機構60を介してヘッドモジュール50に接続される。循環機構60は、ヘッドモジュール50にインクを供給するとともに、ヘッドモジュール50から排出されるインクをヘッドモジュール50への再供給のために回収する機構である。図示しないが、循環機構60は、例えば、インクを貯留するサブタンクと、サブタンクからヘッドモジュール50にインクを供給するための供給流路と、ヘッドモジュール50からインクをサブタンクに回収するための回収流路と、これらの流路にインクを流動させるためのポンプと、を有する。これらは、前述の液体容器101に貯留されるインクの種類ごとに設けられる。以上の循環機構60の動作により、インクの粘度上昇を抑えたり、インク内の気泡の滞留を低減したりすることができる。
【0020】
図2は、第1実施形態におけるヘッドモジュール50の斜視図である。図2に示すように、ヘッドモジュール50は、支持体51と第1ヘッドユニットU1_1~U1_4と第2ヘッドユニットU2_1~U2~4とを有する。第1ヘッドユニットU1_1~U1_4のそれぞれと第2ヘッドユニットU2_1~U2~4のそれぞれとは、Y軸に沿う長さが互いに異なる。このため、互いに同一長さの複数のヘッドユニットのみを用いる構成に比べて、ヘッドユニットUの汎用性を高めることができる。なお、これらのヘッドユニットUの構成については、後に詳述する。
【0021】
なお、以下では、第1ヘッドユニットU1_1~U1_4を区別せずに、これらのユニットのそれぞれを第1ヘッドユニットU1という場合がある。同様に、第2ヘッドユニットU2_1~U2_4を区別せずに、これらのユニットのそれぞれを第2ヘッドユニットU2という場合がある。また、第1ヘッドユニットU1_1~U1_4および第2ヘッドユニットU2_1~U2~4を区別せずに、これらのユニットのそれぞれをヘッドユニットUという場合がある。
【0022】
支持体51は、複数のヘッドユニットUを支持する板状部材である。支持体51には、複数の取付孔51aが設けられる。各ヘッドユニットUは、取付孔51aに挿入された状態で支持体51に対してネジ止め等により固定される。複数のヘッドユニットUは、X軸およびY軸に沿う行列状に配置される。より具体的には、第1ヘッドユニットU1_1~U1_4がこの順でX2方向に並ぶとともに、第2ヘッドユニットU2_1~U2_4がこの順でX2方向に並ぶ。ここで、第1ヘッドユニットU1_1に対してY1方向の位置には、第2ヘッドユニットU2_1が配置される。第1ヘッドユニットU1_2に対してY1方向の位置には、第2ヘッドユニットU2_2が配置される。第1ヘッドユニットU1_3に対してY1方向の位置には、第2ヘッドユニットU2_3が配置される。第1ヘッドユニットU1_4に対してY1方向の位置には、第2ヘッドユニットU2_4が配置される。
【0023】
なお、ヘッドモジュール50の有するヘッドユニットUの数は、ヘッドモジュール50が1以上の第1ヘッドユニットU1および1以上の第2ヘッドユニットU2を有していればよく、図2に示す例に限定されない。また、複数のヘッドユニットUの配置は、ヘッドモジュール50が互いに隣り合う第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2を有していればよく、図2に示す例に限定されない。また、図2に示す例では、ヘッドユニットUごとに支持体51に取付孔51aが設けられるが、取付孔51aは、2以上のヘッドユニットUの組ごとに設けられてもよい。
【0024】
1-2.ヘッドユニットU
図3は、第1ヘッドユニットU1の分解斜視図である。以下、第1ヘッドユニットU1を例にヘッドユニットUの構成について説明する。なお、第2ヘッドユニットU2については、含まれるヘッドHの数が異なり、それに伴う構成の相違を有する以外は、第1ヘッドユニットU1と同様であるため、同様の事項に関しては、その説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、第1ヘッドユニットU1は、流路構造体11と配線基板12とホルダー13と4個のヘッドHと固定板14と補強板15とカバー16とを有する。これらは、Z2方向に向かって、カバー16、配線基板12、流路構造体11、ホルダー13、4個のヘッドH、補強板15、固定板14の順に並ぶように配置される。以下、第1ヘッドユニットU1の各部を順次説明する。
【0026】
流路構造体11は、前述の循環機構60に貯留されたインクを4個のヘッドHに供給するための流路が内部に設けられる構造体である。流路構造体11は、流路部材11aと4個の接続管11bとを有する。
【0027】
流路部材11aには、図示しないが、2種のインクをインクごとに4個のヘッドHに供給するための2つの供給流路と、4個のヘッドHから当該2種のインクをインクごとに排出するための2つの排出流路と、が設けられる。なお、以下では、当該2種のインクのうち、一方を第1インクといい、他方を第2インクという場合がある。
【0028】
流路部材11aは、複数の基板Su1~Su5を有し、これらの層は、この順でZ2方向に積層される。基板Su1~Su5のぞれぞれは、例えば、樹脂材料で構成されており、射出成形により形成される。また、当該複数の基板Su1~Su5は、例えば接着剤により、互いに接合される。なお、流路部材11aを構成する基板の数または厚さ等は、図3に示す例に限定されず、任意である。
【0029】
4個の接続管11bのそれぞれは、流路部材11aのZ1方向を向く面から突出する管体である。4個の接続管11bは、前述の2つの供給流路および2つの排出流路からなる4つの流路に対応しており、対応する流路に接続される。
【0030】
配線基板12は、第1ヘッドユニットU1を制御ユニット20に電気的に接続するための実装部品である。配線基板12は、例えば、フレキシブル配線基板またはリジッド配線基板等で構成される。配線基板12は、流路構造体11上に配置されており、配線基板12のZ2方向を向く面には、流路構造体11が対向する。一方、配線基板12のZ1方向を向く面には、コネクター12aが設置される。コネクター12aは、第1ヘッドユニットU1と制御ユニット20とを電気的に接続するための接続部品である。また、図示しないが、配線基板12には、4個のヘッドHに接続される配線が接続される。当該配線は、例えば、フレキシブル配線基板およびリジッド配線基板の組み合わせで構成される。なお、当該配線は、配線基板12と一体で構成されてもよい。
【0031】
ホルダー13は、4個のヘッドHを収容および支持する構造体である。ホルダー13は、例えば、樹脂材料または金属材料等で構成される。ホルダー13には、複数のインク孔13aと複数の配線孔13bと複数の凹部13cとが設けられる。当該複数のインク孔13aのそれぞれは、ヘッドHと流路構造体11との間でインクを流通させる流路である。当該複数の配線孔13bのそれぞれは、ヘッドHと配線基板12とを接続する図示しない配線が通される孔である。当該複数の凹部13cのそれぞれは、Z2方向に向けて開口しており、ヘッドHが配置される空間である。
【0032】
各ヘッドHは、インクを吐出する。具体的には、図3では図示を省略するが、各ヘッドHは、第1インクを吐出する複数のノズルと、第2インクを吐出する複数のノズルと、を有する。なお、ヘッドHの構成については、後述の図4に基づいて詳述する。
【0033】
固定板14は、4個のヘッドHをホルダー13に対して固定するための板部材である。具体的には、固定板14は、ホルダー13との間に4個のヘッドHを挟む状態で配置され、ホルダー13に対して接着剤により固定される。固定板14は、例えば、金属材料等で構成される。固定板14には、4個のヘッドHのノズルを露出させるための複数の開口部14aが設けられる。図3に示す例では、当該複数の開口部14aは、ヘッドHごとに個別に設けられる。なお、開口部14aは、2個以上のヘッドHで共用される態様でもよい。
【0034】
補強板15は、ホルダー13と固定板14との間に配置され、固定板14を補強する板状部材である。補強板15は、固定板14上に重ねて配置され、固定板14に対して接着剤により固定される。補強板15には、4個のヘッドHが配置される複数の開口部15aが設けられる。補強板15は、例えば、金属材料等で構成される。
【0035】
カバー16は、流路構造体11の流路部材11aと配線基板12とを収容する箱状の部材である。カバー16は、例えば、樹脂材料等で構成される。カバー16には、4個の貫通孔16aと開口部16bとが設けられる。当該4個の貫通孔16aは、流路構造体11の4個の接続管11bに対応しており、各貫通孔16aには、対応する接続管11bが挿入される。開口部16bには、カバー16内から外部にコネクター12aが通される。
【0036】
1-3.ヘッドH
図4は、ヘッドHの構成例を示す概略図である。図4には、Z2方向にみたヘッドHの内部の構造が模式的に示される。図4に示すように、ヘッドHには、インクを吐出する複数のノズルNが設けられる。当該複数のノズルNは、ノズル列Laとノズル列Lbとに区分される。ノズル列Laおよびノズル列Lbのそれぞれは、Y軸に沿って配列される複数のノズルNの集合である。ノズル列Laおよびノズル列Lbは、X軸の方向に互いに間隔をあけて配置される。なお、以下では、ノズル列Laに関連する要素の符号に添字aが付加され、ノズル列Lbに関連する要素の符号に添字bが付加される。
【0037】
ヘッドHは、ノズル列Laを含む液体吐出部Qaと、ノズル列Lbを含む液体吐出部Qbと、を有する。液体吐出部Qaには、前述の循環機構60から第1インクが供給される。一方、液体吐出部Qbには、循環機構60から第2インクが供給される。
【0038】
液体吐出部Qaは、液体貯留室Raと複数の圧力室Caと複数の駆動素子Eaとを有する。液体貯留室Raは、ノズル列Laの複数のノズルNにわたり連続する共通液室である。圧力室Caおよび駆動素子Eaのそれぞれは、ノズル列LaのノズルNごとに設けられる。圧力室Caは、ノズルNに連通する空間である。複数の圧力室Caのそれぞれには、液体貯留室Raから供給される第1インクが充填される。駆動素子Eaは、圧力室Ca内の第1インクの圧力を変動させる。駆動素子Eaは、例えば、圧力室Caの壁面を変形させることで当該圧力室Caの容積を変化させる圧電素子、または、圧力室Ca内の第1インクの加熱により圧力室Ca内に気泡を発生させる発熱素子である。駆動素子Eaが圧力室Ca内の第1インクの圧力を変動させることで、当該圧力室Ca内の第1インクがノズルNから吐出される。
【0039】
液体吐出部Qbは、液体吐出部Qaと同様に、液体貯留室Rbと複数の圧力室Cbと複数の駆動素子Ebとを有する。液体貯留室Rbは、ノズル列Lbの複数のノズルNにわたり連続する共通液室である。圧力室Cbおよび駆動素子Ebのそれぞれは、ノズル列LbのノズルNごとに設けられる。複数の圧力室Cbのそれぞれには、液体貯留室Rbから供給される第2インクが充填される。駆動素子Ebは、例えば、前述の圧電素子または発熱素子である。駆動素子Ebが圧力室Cb内の第2インクの圧力を変動させることで、当該圧力室Cb内の第2インクがノズルNから吐出される。
【0040】
図4に示すように、ヘッドHには、導入口Ra_inと排出口Ra_outと導入口Rb_inと排出口Rb_outとが設けられる。導入口Ra_inおよび排出口Ra_outのそれぞれは、液体貯留室Raに連通する。導入口Rb_inおよび排出口Rb_outのそれぞれは、液体貯留室Rbに連通する。
【0041】
以上のヘッドHでは、ノズル列Laの各ノズルNから吐出されずに液体貯留室Raに貯留される第1インクが排出口Ra_out、ホルダー13における第1インクのための循環流路、流路構造体11における第1インクのための排出流路、循環機構60における第1インクのためのサブタンク、流路構造体11における第1インクのための供給流路、ホルダー13における第1インクのための供給流路、導入口Ra_in、液体貯留室Raをこの順で経由して循環する。同様に、ノズル列Lbの各ノズルNから吐出されずに液体貯留室Rbに貯留される第2インクが排出口Rb_out、ホルダー13における第2インクのための循環流路、流路構造体11における第2インクのための排出流路、循環機構60における第2インクのためのサブタンク、流路構造体11における第2インクのための供給流路、ホルダー13における第2インクのための供給流路、導入口Rb_in、液体貯留室Rbをこの順で経由して循環する。
【0042】
1-4.第1ヘッドユニットにおけるヘッドの配置
図5は、第1ヘッドユニットU1の平面図である。図5には、Z2方向にみた第1ヘッドユニットU1におけるヘッドHの配置が模式的に示される。図5では、第1ヘッドユニットU1の有する4個のヘッドHが第1ヘッドH_1、第2ヘッドH_2、第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4として示される。
【0043】
図5に示すように、第1ヘッドユニットU1は、第1部分PA1と第2部分PA2と第3部分PA3と第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2と第3ヘッドH_3と第4ヘッドH_4とを有する。第1部分PA1と第2部分PA2と第3部分PA3とにより、Z2方向にみた第1ヘッドユニットU1の外形が構成される。
【0044】
第1部分PA1は、第2部分PA2と第3部分PA3との間に位置する。ここで、Y1方向またはY2方向における第1部分PA1、第2部分PA2および第3部分PA3の位置が互いに異なる。具体的には、第2部分PA2は第1部分PA1に対してY2方向に位置し、第3部分PA3は第1部分PA1に対してY1方向に位置する。言い換えると、第2部分PA2は、第1部分PA1のY2方向の端からY2方向に向けて突出し、第3部分PA3は、第1部分PA1のY1方向の端からY1方向に向けて突出する。
【0045】
ここで、第2部分PA2は中心線CL1に対してX1方向に位置し、第3部分PA3は中心線CL1に対してX2方向に位置する。このように、第2部分PA2および第3部分PA3は、中心線CL1を挟んで互いに反対側に位置する。なお、中心線CL1は、Y軸に平行で第1部分PA1の中心を通る仮想的な線分である。
【0046】
図5に示すように、X軸に沿う第2部分PA2の幅W2は、X軸に沿う第1部分PA1の幅W1よりも短い。同様に、X軸に沿う第3部分PA3の幅W3は、X軸に沿う第1部分PA1の幅W1よりも短い。図5に示す例では、幅W2および幅W3は、互いに等しい。なお、幅W2および幅W3は、互いに異なってもよい。ただし、幅W2および幅W3が互いに等しい場合、第1ヘッドユニットU1の形状の対称性が高まるので、第1ヘッドユニットU1の配置の自由度を高めることができる。このため、この場合、第1ヘッドユニットU1の汎用性が高まるという利点がある。
【0047】
Y軸に沿う第2部分PA2の長さL2は、Y軸に沿う第1部分PA1の長さL1よりも短い。同様に、Y軸に沿う第3部分PA3の長さL3は、Y軸に沿う第1部分PA1の長さL1よりも短い。図5に示す例では、長さL2および長さL3は、互いに等しい。なお、長さL2および長さL3が互いに異なってもよいが、長さL2および長さL3が互いに等しい場合、第1ヘッドユニットU1の形状の対称性が高まるので、第1ヘッドユニットU1の配置の自由度を高めることができる。
【0048】
第1部分PA1のX1方向での端E1bと第2部分PA2のX1方向での端E2とは、X1方向またはX2方向での位置が互いに同じである。そして、端E1bおよび端E2は、第1ヘッドユニットU1のX1方向での端面として連続する平面を構成する。同様に、第1部分PA1のX2方向での端E1aと第3部分PA3のX2方向での端E3とは、X1方向またはX2方向での位置が互いに同じである。そして、端E1aおよび端E3は、第1ヘッドユニットU1のX2方向での端面として連続する平面を構成する。なお、これらの端面には、適宜に凹部または凸部が設けられてもよい。また、端E1bと端E2との間、または、端E1aと端E3との間には、段差が設けられてもよい。
【0049】
第1ヘッドH_1は、第1部分PA1および第2部分PA2に跨って設けられる。すなわち、第1ヘッドH_1は、第1部分PA1に設けられる部分と、第2部分PA2に設けられる部分と、を有し、これらの部分が連続的に繋がっている。
【0050】
第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3のそれぞれは、第1部分PA1のみに設けられる。すなわち、第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3のそれぞれは、第2部分PA2および第3部分PA3に設けられる部分を有さずに、第1部分PA1に設けられる。
【0051】
ここで、第2ヘッドH_2は、第3ヘッドH_3よりもY2方向に位置する。すななわ、第3ヘッドH_3は、第2ヘッドH_2よりもY1方向に位置する。また、第2ヘッドH_2は、第3ヘッドH_3よりもY2方向に位置する。すななわ、第3ヘッドH_3は、第2ヘッドH_2よりもX1方向に位置する。図5に示す例では、第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3は、中心線CL1を挟んで互いに反対側に位置する。
【0052】
第4ヘッドH_4は、第1部分PA1および第3部分PA3に跨って設けられる。すなわち、第4ヘッドH_4は、第1部分PA1に設けられる部分と、第3部分PA3に設けられる部分と、を有し、これらの部分が連続的に繋がっている。
【0053】
以上の第1ヘッドH_1、第2ヘッドH_2、第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4のうち、第1ヘッドH_1および第3ヘッドH_3がY軸に沿って並んで配置され、第2ヘッドH_2および第4ヘッドH_4がY軸に沿って並んで配置される。
【0054】
ここで、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2は、Y軸に沿って互いに幅WL1で重なる部分を有する。第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3は、Y軸に沿って互いに幅WL2で重なる部分を有する。第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4は、Y軸に沿って互いに幅WL3で重なる部分を有する。このような幅WL1、幅WL2および幅WL3を有することにより、第1ヘッドH_1、第2ヘッドH_2、第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4による画像の繋ぎ目を目立たなくすることができる。
【0055】
幅WL1、幅WL2および幅WL3は、互いに異なってもよいが、当該繋ぎ目を目立たなくする処理を簡単化する観点から、互いに等しいことが好ましい。また、具体的な幅WL1、幅WL2および幅WL3は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ノズル列Laまたはノズル列LbのノズルNのピッチの40倍以上70以下の長さ程度である。
【0056】
1-5.第2ヘッドユニットにおけるヘッドの配置
図6は、第2ヘッドユニットU2の平面図である。図6には、Z2方向にみた第2ヘッドユニットU2におけるヘッドHの配置が模式的に示される。図6では、第2ヘッドユニットU2の有する2個のヘッドHが第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6として示される。
【0057】
図6に示すように、第2ヘッドユニットU2は、第4部分PA4と第5部分PA5と第6部分PA6と第5ヘッドH_5と第6ヘッドH_6とを有する。第4部分PA4と第5部分PA5と第6部分PA6とにより、Z2方向にみた第2ヘッドユニットU2の外形が構成される。
【0058】
第4部分PA4は、第5部分PA5と第6部分PA6との間に位置する。ここで、Y1方向またはY2方向における第4部分PA4、第5部分PA5および第6部分PA6の位置が互いに異なる。具体的には、第5部分PA5は第4部分PA4に対してY2方向に位置し、第6部分PA6は第4部分PA4に対してY1方向に位置する。言い換えると、第5部分PA5は、第4部分PA4のY2方向の端からY2方向に向けて突出し、第6部分PA6は、第4部分PA4のY1方向の端からY1方向に向けて突出する。
【0059】
また、第5部分PA5は中心線CL2に対してX1方向に位置し、第6部分PA6は中心線CL2に対してX2方向に位置する。このように、第5部分PA5および第6部分PA6は、中心線CL2を挟んで互いに反対側に位置する。なお、中心線CL2は、Y軸に平行で第4部分PA4の中心を通る仮想的な線分である。
【0060】
図6に示すように、X軸に沿う第5部分PA5の幅W5は、X軸に沿う第4部分PA4の幅W4よりも短い。同様に、X軸に沿う第6部分PA6の幅W6は、X軸に沿う第4部分PA4の幅W4よりも短い。図6に示す例では、幅W5および幅W6は、互いに等しい。なお、幅W5および幅W6は、互いに異なってもよい。ただし、幅W5および幅W6が互いに等しい場合、第2ヘッドユニットU2の形状の対称性が高まるので、第2ヘッドユニットU2の配置の自由度を高めることができる。このため、この場合、第2ヘッドユニットU2の汎用性が高まるという利点がある。
【0061】
Y軸に沿う第5部分PA5の長さL5は、Y軸に沿う第4部分PA4の長さL4よりも短い。同様に、Y軸に沿う第6部分PA6の長さL6は、Y軸に沿う第4部分PA4の長さL4よりも短い。図6に示す例では、長さL5および長さL6は、互いに等しい。なお、長さL5および長さL6が互いに異なってもよいが、長さL5および長さL6が互いに等しい場合、第2ヘッドユニットU2の形状の対称性が高まるので、第2ヘッドユニットU2の配置の自由度を高めることができる。
【0062】
ここで、第2ヘッドユニットU2に含まれるヘッドHの数が第1ヘッドユニットU1に含まれるヘッドHの数よりも少ないことから、Y軸に沿う第4部分PA4の長さL4は、前述の第1ヘッドユニットU1の第1部分PA1の長さL1よりも短い。
【0063】
第4部分PA4のX1方向での端E4bと第5部分PA5のX1方向での端E5とは、X1方向またはX2方向での位置が互いに同じである。そして、端E4bおよび端E5は、第2ヘッドユニットU2のX1方向での端面として連続する平面を構成する。同様に、第4部分PA4のX2方向での端E4aと第6部分PA6のX2方向での端E6とは、X1方向またはX2方向での位置が互いに同じである。そして、端E4aおよび端E6は、第2ヘッドユニットU2のX2方向での端面として連続する平面を構成する。なお、これらの端面には、適宜に凹部または凸部が設けられてもよい。また、端E4bと端E5との間、または、端E4aと端E6との間には、段差が設けられてもよい。
【0064】
第5ヘッドH_5は、第4部分PA4および第5部分PA5に跨って設けられる。すなわち、第5ヘッドH_5は、第4部分PA4に設けられる部分と、第5部分PA5に設けられる部分と、を有し、これらの部分が連続的に繋がっている。第6ヘッドH_6は、第4部分PA4および第6部分PA6に跨って設けられる。すなわち、第6ヘッドH_6は、第4部分PA4に設けられる部分と、第6部分PA6に設けられる部分と、を有し、これらの部分が連続的に繋がっている。
【0065】
また、第5ヘッドH_5は、第6ヘッドH_6よりもY2方向に位置する。すななわ、第6ヘッドH_6は、第5ヘッドH_5よりもY1方向に位置する。また、第5ヘッドH_5は、第6ヘッドH_6よりもY2方向に位置する。すななわ、第6ヘッドH_6は、第5ヘッドH_5よりもX1方向に位置する。図6に示す例では、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6は、中心線CL2を挟んで互いに反対側に位置する。
【0066】
ここで、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6は、Y軸に沿って互いに幅WL4で重なる部分を有する。このような幅WL4を有することにより、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6による画像の繋ぎ目を目立たなくすることができる。
【0067】
幅WL4は、前述の幅WL1、幅WL2および幅WL3のそれぞれよりも小さい。言い換えると、前述の幅WL1、幅WL2および幅WL3のそれぞれは、幅WL4も大きい。このため、第1ヘッドH_1による画質と第2ヘッドH_2による画質との差を補正により低減しやすい。好ましくは、幅WL4は、例えば、幅WL1、幅WL2および幅WL3のそれぞれに対して1/20以上1/5以下である。また、具体的な幅WL4は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ノズル列Laまたはノズル列LbのノズルNのピッチの3倍以上10以下の長さ程度である。
【0068】
図7は、第1実施形態における複数のヘッドユニットUの配置を説明するための図である。図7には、Z2方向にみた第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2の配置が模式的に示される。なお、図7では、前述の図5および図6と同様、Z2方向にみたヘッドHの配置が模式的に示される。
【0069】
図7に示すように、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2は、第1ヘッドユニットU1の第3部分PA3と第2ヘッドユニットU2の第5部分PA5とがY軸に沿って互いに重なる部分を有するように、Y軸に沿って並んで配置される。
【0070】
ここで、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5は、Y軸に沿って互いに幅WL5で重なる部分を有する。このような幅WL5を有することにより、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5による画像の繋ぎ目を目立たなくすることができる。
【0071】
幅WL5は、前述の幅WL1、幅WL2および幅WL3のそれぞれよりも小さい。このため、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5を効率的に配置することができる。なお、幅WL5は、幅WL4と等しくてもよいし、幅WL4よりも大きくてもよいし、幅WL4よりも小さくてもよい。
【0072】
以上の液体吐出装置100は、前述のように、「液体」の一例であるインクを吐出する複数のヘッドユニットUと、当該複数のヘッドユニットUにおけるインクの吐出動作を制御する「制御部」の一例である制御ユニット20と、有する。当該複数のヘッドユニットUは、第1ヘッドユニットU1と、第1ヘッドユニットU1とは異なる第2ヘッドユニットU2と、を含む。
【0073】
第1ヘッドユニットU1は、前述のように、第1部分PA1と第2部分PA2と第3部分PA3と第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2と第3ヘッドH_3と第4ヘッドH_4とを有する。ここで、第2部分PA2は、「第1方向」の一例であるY1方向またはY2方向における位置が第1部分PA1とは異なり、Y1方向またはY2方向に交差する「第2方向」の一例であるX1方向またはX2方向における幅W2が第1部分PA1の幅W1よりも短い。第3部分PA3は、Y1方向またはY2方向における位置が第1部分PA1とは異なり、X1方向またはX2方向における幅W3が第1部分PA1の幅W1よりも短い。第1ヘッドH_1、第2ヘッドH_2、第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4のそれぞれには、複数のノズルNが配列される。第1ヘッドH_1は、第1部分PA1および第2部分PA2に跨って設けられる。第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3のそれぞれは、第1部分PA1のみに設けられる。第4ヘッドH_4は、第1部分PA1および第3部分PA3に跨って設けられる。
【0074】
第2ヘッドユニットU2は、前述のように、第4部分PA4と第5部分PA5と第6部分PA6と第5ヘッドH_5と第6ヘッドH_6とを有する。ここで、第5部分PA5は、Y1方向またはY2方向における位置が第4部分PA4とは異なり、X1方向またはX2方向における幅W5が第4部分PA4の幅W4よりも短い。第6部分PA6は、YA方向またはY2方向における位置が第4部分PA4とは異なり、X1方向またはX2方向における幅が第4部分PA4の幅W4よりも短い。第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6のそれぞれには、複数のノズルNが配列される。第5ヘッドH_5は、第4部分PA4および第5部分PA5に跨って設けられる。第6ヘッドH_6は、第4部分PA4および第6部分PA6に跨って設けられる。
【0075】
以上のように、液体吐出装置100では、ヘッドHの数の互いに異なる第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2を含む複数のヘッドユニットUを用いることにより、様々な機種に用いる場合であっても、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2のそれぞれの数を適宜に変更することにより、所望の印刷幅を実現することができる。したがって、互いに同一構成の複数のヘッドユニットのみを用いる従来に比べて、ヘッドユニットUの汎用性を高めることができる。
【0076】
そのうえで、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL1は、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL4よりも大きい。このため、第1ヘッドH_1による画質と第2ヘッドH_2による画質との差を補正により低減しやすい。したがって、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との吐出特性のずれが生じても、第1ヘッドH_1による画質と第2ヘッドH_2による画質との差を補正により低減することができる。この結果、当該ずれに起因する画質低下を低減することができる。
【0077】
ここで、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との吐出特性のずれは、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との温度差に起因する。第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との温度差は、第5ヘッドH_5と第6ヘッドH_6との温度差よりも大きい。これは、以下の理由(1)および(2)によるものと考えられる。
【0078】
理由(1):第1ヘッドユニットU1では、第2部分PA2よりも熱容量の大きい第1部分PA1のみに第2ヘッドH_2が設けられることによって第2ヘッドH_2の温度低下が生じ難いのに対し、第1ヘッドH_1が第1部分PA1だけでなく第2部分PA2にも設けられることによって第1ヘッドH_1の温度低下が生じやすい。このため、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との温度差が生じやすい。なお、第2部分PA2は、第2部分PA2の幅W2が第1部分PA1の幅W1よりも小さいので、第2部分PA2は、第1部分PA1に比べて、熱容量が小さいので、放熱しやすい。
【0079】
理由(2):第2ヘッドユニットU2では、第5ヘッドH_5が第4部分PA4だけでなく第5部分PA5にも設けられることによって第5ヘッドH_5の温度低下が生じやすいが、これと同様に、第6ヘッドH_6が第4部分PA4だけでなく第6部分PA6にも設けられることによって第6ヘッドH_6の温度低下も生じやすい。このため、第5ヘッドH_5と第6ヘッドH_6との温度差が生じ難い。
【0080】
以上の理由(1)および(2)から、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との吐出特性のずれが生じやすいのに対し、第5ヘッドH_5と第6ヘッドH_6との吐出特性のずれが生じ難い。このため、画質低下を低減するうえで、第1ヘッドH_1による画質と第2ヘッドH_2による画質との差を補正により低減する必要がある一方、第5ヘッドH_5による画質と第6ヘッドH_6による画質との差を補正により低減する必要がないか、または、その補正の程度が第1ヘッドH_1による画質と第2ヘッドH_2による画質との差を低減する補正に比べて少なくて済む。したがって、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL4を、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL1よりも小さくすることにより、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6を効率的に配置することができる。
【0081】
また、前述のように、第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL_3は、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL4よりも大きい。このため、第3ヘッドH_3と第4ヘッドH_4との吐出特性のずれが生じても、第3ヘッドH_3による画質と第4ヘッドH_4による画質との差を補正により低減することができる。この結果、当該ずれに起因する画質低下を低減することができる。なお、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との温度差と同様、第3ヘッドH_3と第4ヘッドH_4との温度差が生じやすい。
【0082】
また、前述のように、第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL2は、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL4よりも大きい。このため、第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL2を、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL1に等しくすることができる。
【0083】
本実施形態では、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL1は、第2ヘッドH_2および第3ヘッドH_3がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL2と、等しい。このため、これらの幅が異なる構成に比べて、第1ヘッドユニットU1の設計を簡単化することができる。なお、本明細書において、「等しい」とは、厳密に等しい場合のほか、製造誤差等に起因する微差を有する場合も含む。
【0084】
また、前述のように、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUのうちの互いに隣り合う2のヘッドユニットUは、Y1方向またはY2方向に沿って互いに重なる部分を有するように、Y1方向またはY2方向に並んで配置される。ここで、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2は、Y1方向またはY2方向に沿って互いに重なる部分を有するように、Y1方向またはY2方向に並んで配置される。このため、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5の一部同士をY1方向またはY2方向に沿って互いに重ねることができる。
【0085】
そのうえ、前述のように、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUは、X1方向またはX2方向の位置が互いに同じになるように配置される。ここで、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2は、X1方向またはX2方向における位置が互いに同じになるように配置される。このため、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2のX1方向またはX2方向における位置が互いに異なる構成に比べて、これらのヘッドユニットUのX1方向またはX2方向での配置効率を高めることができる。
【0086】
また、前述のように、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL5は、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL1よりも小さい。第4ヘッドH_4が第1部分PA1だけでなく第3部分PA3にも設けられることによって第4ヘッドH_4の温度低下が生じやすいが、これと同様に、第5ヘッドH_5が第4部分PA4だけでなく第5部分PA5にも設けられることによって第5ヘッドH_5の温度低下が生じやすいので、第4ヘッドH_4と第5ヘッドH_5との温度差が生じ難い。このため、画質低下を低減するうえで、第4ヘッドH_4による画質と第5ヘッドH_5による画質との差を補正により低減する必要がないか、または、その補正の程度が第1ヘッドH_1による画質と第2ヘッドH_2による画質との差を低減する補正に比べて少なくて済む。したがって、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL5を、第1ヘッドH_1および第2ヘッドH_2がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL1よりも小さくすることにより、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5を効率的に配置することができる。
【0087】
ここで、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL5は、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL4よりも大きいことが好ましい。この場合、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2の取り付け誤差を許容して、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5を配置することができる。
【0088】
ただし、第4ヘッドH_4および第5ヘッドH_5がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL5は、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6がY1方向またはY2方向に沿って互いに重なる幅WL4よりも小さくてもよい。この場合、第1ヘッドユニットU1と第2ヘッドユニットU2との間に他の部材を配置しやすいという利点がある。例えば、当該他の部材として、熱伝導性に優れる部材を用いることにより、第1ヘッドユニットU1と第2ヘッドユニットU2との温度差を低減することができる。当該他の部材としては、特に限定されないが、例えば、金属で構成されるスペーサー、金属粉またはセラミックス粉を含む接着剤等が挙げられる。
【0089】
また、前述のように、第1部分PA1のY1方向またはY2方向における長さL1は、第4部分PA4のY1方向またはY2方向における長さL4よりも長い。長さL1および長さL4がこのような大小関係にある場合、第1部分PA1の熱容量が第4部分PA4の熱容量よりも大きい。このため、第5ヘッドH_5と第6ヘッドH_6との温度差に比べて、第1ヘッドH_1と第2ヘッドH_2との温度差が大きくなりやすい。
【0090】
また、前述のように、液体吐出装置100は、Y1方向またはY2方向に並んで配置される複数のヘッドユニットUを有する。当該複数のヘッドユニットUは、1以上の第1ヘッドユニットU1と、当該1以上の第1ヘッドユニットU1それぞれとは異なる1以上の第2ヘッドユニットU2と、を含む。ここで、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2の配置および数は、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たす。本実施形態のa、b、pおよびqは、a=0、b=0、p=1、q=1である。
【0091】
ただし、aは、液体吐出装置100の有する1以上の第1ヘッドユニットU1のうち互いに隣り合う2の第1ヘッドユニットU1からなる対の数である。bは、液体吐出装置100の有する1以上の第2ヘッドユニットU2のうち互いに隣り合う2の第2ヘッドユニットU2からなる対の数である。pは、液体吐出装置100の有する1以上の第1ヘッドユニットU1における第1ヘッドユニットU1の数である。qは、液体吐出装置100の有する1以上の第2ヘッドユニットU2における第2ヘッドユニットU2の数である。
【0092】
このように、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たすことにより、この関係を満たさない構成に比べて、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUの全体のヘッドH間の温度差を低減することができる。このため、当該複数のヘッドユニットUの全体のヘッドHの温度差による吐出特性のずれを低減することができる。この結果、当該ずれに起因する画質低下を低減することができる。
【0093】
具体的に説明すると、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUが1以上の第1ヘッドユニットU1を含むので、p≧1の関係を満たす。液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUが1以上の第2ヘッドユニットU2を含むので、q≧1の関係を満たす。
【0094】
第1ヘッドユニットU1では、第2部分PA2および第3部分PA3のそれぞれの熱容量が第1部分PA1の熱容量よりも小さいので、第2部分PA2および第3部分PA3が第1部分PA1に比べて温度低下しやすい。同様に、第2ヘッドユニットU2では、第5部分PA5および第6部分PA6のそれぞれの熱容量が第4部分PA4の熱容量よりも小さいので、第5部分PA5および第6部分PA6が第4部分PA4に比べて温度低下しやすい。
【0095】
ここで、第1ヘッドユニットU1に設けられるヘッドHの数が第2ヘッドユニットU2に設けられるヘッドHの数よりも多いので、これに伴い、第1ヘッドユニットU1の第1部分PA1の容積が第2ヘッドユニットU2の第4部分PA4の容積よりも大きくなる。このため、第1ヘッドユニットU1の第1部分PA1の熱容量は、第2ヘッドユニットU2の第4部分PA4の熱容量よりも大きい。言い換えると、第2ヘッドユニットU2の第4部分PA4の熱容量は、第1ヘッドユニットU1の第1部分PA1の熱容量よりも小さい。この結果、第2ヘッドユニットU2の第5部分PA5および第6部分PA6のそれぞれは、第1ヘッドユニットU1の第2部分PA2および第3部分PA3のそれぞれに比べて温度低下しやすい。しかも、第2ヘッドユニットU2同士が互いに隣り合うと、そうでない構成に比べて、第2ヘッドユニットU2の第5部分PA5および第6部分PA6のそれぞれの温度低下がさらに顕著となる。
【0096】
したがって、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUの全体のヘッドH間の温度差を小さくする観点から、互いに隣り合う2の第2ヘッドユニットU2からなる対UPbの数bは、できる限り少ないほうが好ましい。
【0097】
そこで、液体吐出装置100は、a≧b≧0の関係を満たす。この関係を満たすことにより、第2ヘッドユニットU2の第5部分PA5および第6部分PA6のそれぞれの温度低下を低減することができる。このため、第1ヘッドユニットU1に設けられるヘッドHの温度と第2ヘッドユニットU2に設けられるヘッドHの温度との差を低減することができる。この結果、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUの全体のヘッドH間の温度差を小さくすることができる。
【0098】
また、前述のように、当該1以上の第1ヘッドユニットU1および当該1以上の第2ヘッドユニットU2のうち隣り合う第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2からなる対UPcの数をcとしたとき、c=1の関係を満たす。この関係を満たすことにより、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2の2種のみを用いる場合、第2ヘッドユニットU2の数が1つであるため、液体吐出装置100の有する複数のヘッドユニットUの全体のヘッドH間の温度差を小さくしやすいという利点がある。
【0099】
また、本実施形態では、前述のように、b=0の関係を満たす。この関係を満たすことにより、第2ヘッドユニットU2同士が隣り合わないので、第2ヘッドユニットU2の第5部分PA5および第6部分PA6のそれぞれの温度低下を好適に低減することができる。
【0100】
また、本実施形態では、前述のように、a>bの関係を満たす。この関係を満たすことにより、a=bの関係を満たす構成に比べて、第2ヘッドユニットU2の第5部分PA5および第6部分PA6のそれぞれの温度低下を好適に低減することができる。
【0101】
また、本実施形態では、前述のように、p≧qの関係を満たす。この関係を満たすことにより、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2の2種のみを用いる場合であっても、a≧bの関係を満たしやすいという利点がある。
【0102】
また、前述のように、Y1方向またはY2方向の一方側を第1側としたとき、第2部分PA2は、第1部分PA1における第1側の端に接続される。Y1方向またはY2方向の他方側を第2側としたとき、第3部分PA3は、第1部分PA1における第2側の端に接続される。X1方向またはX2方向の一方側を第3側としたとき、第2部分PA2における第3側の端E2は、第1部分PA1における第3側の端E1bと、X1方向またはX2方向における位置が同じである。X1方向またはX2方向の他方側を第4側としたとき、第3部分PA3における第4側の端E3は、第1部分PA1における第4側の端E1aと、X1方向またはX2方向における位置が同じである。
【0103】
また、前述のように、Y1方向またはY2方向の一方側を第1側としたとき、第5部分PA5は、第4部分PA4における第1側の端に接続される。Y1方向またはY2方向の他方側を第2側としたとき、第6部分PA6は、第4部分PA4における第2側の端に接続される。X1方向またはX2方向の一方側を第3側としたとき、第5部分PA5における第3側の端E5は、第4部分PA4における第3側の端E4bと、X1方向またはX2方向における位置が同じである。X1方向またはX2方向の他方側を第4側としたとき、第6部分PA6における第4側の端E6は、第4部分PA4における第4側の端E4aと、X1方向またはX2方向における位置が同じである。
【0104】
また、前述のように、第1ヘッドユニットU1のY1方向またはY2方向における長さLA1は、第2ヘッドユニットU2のY1方向またはY2方向における長さLA2よりも長い。この場合、第1部分PA1のY1方向またはY2方向における長さL1が第4部分PA4のY1方向またはY2方向における長さL4よりも長くなる。また、搭載するヘッドHの数の互いに異なる第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2に同一構成のヘッドHを用いることができる。
【0105】
第1ヘッドH_1、第2ヘッドH_2、第3ヘッドH_3、第4ヘッドH_4、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6は、互いに同じ種類のインクを吐出してもよいし、互いに異なる種類のインクを吐出してもよい。これらのヘッドHが互いに同じ色のインクを吐出する場合、これらのヘッドHによる画質の差を補正により低減しやすいという利点がある。
【0106】
また、これらのヘッドHのうちの2以上のヘッドHについて互いに異なる種類のインクを用いる場合、第1ヘッドH_1、第2ヘッドH_2、第3ヘッドH_3および第4ヘッドH_4のそれぞれは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのうちの少なくとも1つを吐出することが好ましい。この場合、第1ヘッドユニットU1による印字幅が第2ヘッドユニットU2に比べて大きいことから、画質を高めやすいという利点がある。ここで、第2ヘッドユニットU2に用いるインクが第1ヘッドユニットU1に用いるインクと同じでもよいが、クリアインク、ホワイトインクまたは処理液のような色材を含まない液体を用いる場合、第5ヘッドH_5および第6ヘッドH_6のそれぞれは、クリアインク、ホワイトインクおよび処理液のうちの少なくとも1つを吐出することが好ましい。これは、クリアインク、ホワイトインクおよび処理液の吐出には、色材を含むインクの吐出に比べて、高い吐出特性が要求されないからである。
【0107】
本実施形態の液体吐出装置100は、前述のように、移動機構40と搬送機構30とを有する。移動機構40は、X1方向またはX2方向に沿って複数のヘッドユニットUを移動させる。搬送機構30は、Y1方向またはY2方向に沿って、「記録媒体」の一例である媒体Mを搬送する。このような移動機構40および搬送機構30を用いることにより、シリアル式の液体吐出装置100を好適な形態で実現することができる。
【0108】
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0109】
図8は、第2実施形態に係る液体吐出装置100Aの構成例を示す概略図である。液体吐出装置100Aは、ライン式の印刷装置であり、移動機構40およびヘッドモジュール50に代えて、ヘッドモジュール50Aを有する以外は、前述の第1実施形態の液体吐出装置100と同様である。ただし、本実施形態では、搬送機構30による媒体Mの搬送方向DMがX1方向である。
【0110】
ヘッドモジュール50Aは、Y軸に沿って媒体Mの全範囲にわたり複数のノズルが分布するように配置される複数のヘッドユニットUを有するラインヘッドである。ヘッドモジュール50Aの有する複数のヘッドユニットUからのインクの吐出が搬送機構30による媒体Mの搬送に並行して行われることにより、媒体Mの表面にインクによる画像が形成される。
【0111】
図9は、第2実施形態における複数のヘッドユニットUの配置を説明するための図である。ヘッドモジュール50Aは、複数のヘッドユニットUとして、3個の第1ヘッドユニットU1_1~U1_3と3個の第2ヘッドユニットU2とを有する。なお、第1ヘッドユニットU1_1~U1_3のそれぞれは、前述の第1実施形態の第1ヘッドユニットU1と同様に構成される。
【0112】
図9に示すように、ヘッドモジュール50Aでは、第2ヘッドユニットU2、第1ヘッドユニットU1_1、第1ヘッドユニットU1_2、第1ヘッドユニットU1_3がこの順でX1方向に並んで配置される。ヘッドモジュール50Aでは、第1実施形態と同様、対UPcの数が1つであるが、液体吐出装置100Aの有する1以上の第1ヘッドユニットU1のうち互いに隣り合う2の第1ヘッドユニットU1からなる対UPaの数が2つである。本実施形態は、前述のa、b、pおよびqについて、a=2、b=0、p=3、q=1であり、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たす。また、本実施形態のcは、c=1である。
【0113】
ここで、第1ヘッドユニットU1_1の第4ヘッドH_4と第2ヘッドユニットU2の第5ヘッドH_5とは、前述の第1実施形態の第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2と同様、Y軸に沿って互いに幅WL5で重なる部分を有する。また、第1ヘッドユニットU1_1の第1ヘッドH_1と第1ヘッドユニットU1_2の第4ヘッドH_4とは、Y軸に沿って互いに幅WL6で重なる部分を有する。このような幅WL5を有することにより、第1ヘッドユニットU1_1および第1ヘッドユニットU1_2による画像の繋ぎ目を目立たなくすることができる。
【0114】
幅WL6は、特に限定されないが、前述の幅WL1、幅WL2または幅WL3と同程度であるか、または、前述の幅WL5と同程度であることが好ましい。この場合、他のヘッドHの同士の重なる部分の制御と同様の方法で、幅WL6に関するヘッドHを制御すればよく、当該制御が簡単に済むという利点がある。
【0115】
なお、第1ヘッドユニットU1_2および第1ヘッドユニットU1_3のY軸に沿って重なる幅は、第1ヘッドユニットU1_1および第1ヘッドユニットU1_2のY軸に沿って重なる幅と異なってもよいが、第1ヘッドユニットU1_1および第1ヘッドユニットU1_2のY軸に沿って重なる幅と同程度であることが好ましい。
【0116】
以上の第2実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様、ヘッドユニットUの汎用性を従来に比べて高めることができる。また、本実施形態では、前述のように、p>qの関係を満たす。この関係を満たすことにより、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2の2種のみを用いる場合であっても、a>bの関係を満たしやすいという利点がある。
【0117】
本実施形態の液体吐出装置100Aは、前述のように、X1方向またはX2方向に沿って媒体Mを搬送する搬送機構30を有する。したがって、搬送機構30による媒体Mの搬送方向DMに対して交差する方向に、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2を含む複数のヘッドユニットUを並べることにより、ライン式の液体吐出装置100Aを好適な形態で実現することができる。
【0118】
5.変形例
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0119】
5-1.変形例1
図10は、変形例1における複数のヘッドユニットUの配置を説明するための図である。図10に示すヘッドモジュール50Bは、第1ヘッドユニットU1_3を省略した以外は、前述の第2実施形態のヘッドモジュール50Aと同様である。変形例1は、前述のa、b、pおよびqについて、a=1、b=0、p=2、q=1であり、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たす。また、変形例1のcは、c=1である。以上の変形例1によっても、前述の実施形態と同様、ヘッドユニットUの汎用性を従来に比べて高めることができる。
【0120】
5-2.変形例2
図11は、変形例2における複数のヘッドユニットUの配置を説明するための図である。
図11に示すヘッドモジュール50Cでは、第2ヘッドユニットU2_1、第1ヘッドユニットU1、第2ヘッドユニットU2_2がこの順でX1方向に並んで配置される。変形例2は、前述のa、b、pおよびqについて、a=0、b=0、p=1、q=2であり、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たす。また、変形例2のcは、c=2である。
【0121】
ここで、第1ヘッドユニットU1の第4ヘッドH_4と第2ヘッドユニットU2_1の第5ヘッドH_5とは、前述の第1実施形態の第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2と同様、Y軸に沿って互いに幅WL5で重なる部分を有する。また、第1ヘッドユニットU1の第1ヘッドH_1と第2ヘッドユニットU2_2の第6ヘッドH_6とは、Y軸に沿って互いに幅WL7で重なる部分を有する。
【0122】
幅WL7は、特に限定されないが、前述の幅WL5と同程度であることが好ましい。この場合、幅WL5に関するヘッドHの同士の重なる部分の制御と同様の方法で、幅WL7に関するヘッドHを制御すればよく、当該制御が簡単に済むという利点がある。
【0123】
以上の変形例2によっても、前述の実施形態と同様、ヘッドユニットUの汎用性を従来に比べて高めることができる。
【0124】
5-3.変形例3
図12は、変形例3における複数のヘッドユニットUの配置を説明するための図である。図12に示すヘッドモジュール50Dでは、第2ヘッドユニットU2_1、第1ヘッドユニットU1_1、第2ヘッドユニットU2_2、第1ヘッドユニットU1_2、第2ヘッドユニットU2_3がこの順でX1方向に並んで配置される。変形例3は、前述のa、b、pおよびqについて、a=0、b=0、p=2、q=3であり、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たす。また、変形例3のcは、c=4である。
【0125】
ここで、第1ヘッドユニットU1_1の第4ヘッドH_4と第2ヘッドユニットU2_1の第5ヘッドH_5とは、前述の第1実施形態の第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2と同様、Y軸に沿って互いに幅WL5で重なる部分を有する。また、第1ヘッドユニットU1_1の第1ヘッドH_1と第2ヘッドユニットU2_2の第6ヘッドH_6とは、Y軸に沿って互いに幅WL7で重なる部分を有する。第1ヘッドユニットU1_2の第4ヘッドH_4と第2ヘッドユニットU2_2の第5ヘッドH_5とは、Y軸に沿って互いに幅WL8で重なる部分を有する。
【0126】
幅WL8は、特に限定されないが、前述の幅WL5と同程度であることが好ましい。この場合、幅WL5に関するヘッドHの同士の重なる部分の制御と同様の方法で、幅WL8に関するヘッドHを制御すればよく、当該制御が簡単に済むという利点がある。
【0127】
以上の変形例3によっても、前述の実施形態と同様、ヘッドユニットUの汎用性を従来に比べて高めることができる。
【0128】
5-4.変形例4
図13は、変形例4における複数のヘッドユニットUの配置を説明するための図である。図13に示すヘッドモジュール50Eでは、第2ヘッドユニットU2_1、第2ヘッドユニットU2_2、第2ヘッドユニットU2_3、第1ヘッドユニットU1_1、第1ヘッドユニットU1_2、第1ヘッドユニットU1_2がこの順でX1方向に並んで配置される。ヘッドモジュール50Eの有する1以上の第2ヘッドユニットU2のうち互いに隣り合う2の第2ヘッドユニットU2からなる対UPbの数が2つである。変形例4は、前述のa、b、pおよびqについて、a=2、b=2、p=3、q=3であり、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たす。また、変形例4のcは、c=1である。
【0129】
ここで、隣り合う第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2のヘッドH同士のY軸に沿う重なり幅は、前述の幅WL5と同様である。また、隣り合う2つの第1ヘッドユニットU1のヘッドH同士のY軸に沿う重なり幅は、前述の幅WL6と同様である。隣り合う2つの第2ヘッドユニットU2のヘッドH同士のY軸に沿う重なり幅は、特に限定されないが、幅WL5以上、幅WL6以下の範囲内である。
【0130】
以上の変形例4によっても、前述の実施形態と同様、ヘッドユニットUの汎用性を従来に比べて高めることができる。
【0131】
5-5.変形例5
液体吐出装置の有するヘッドユニットUの数は、前述の形態に限定されない。例えば、第1実施形態では、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2からなる組が4組設けられるが、この組の数が1組以上3組以下でもよいし、5組以上でもよい。また、Y1方向またはY2方向に並ぶヘッドユニットUの数は、前述のように、a≧b≧0、p≧1、q≧1のすべての関係を満たしていれば、図示の数に限定されず、任意である。
【0132】
5-6.変形例6
液体吐出装置の有する複数のヘッドユニットUには、第1ヘッドユニットU1および第2ヘッドユニットU2とは異なる構成のヘッドユニットUが含まれてもよい。
【0133】
5-7.変形例7
前述の形態では、ヘッドユニットUの外部に循環機構60が設けられており、ヘッドユニットUと循環機構60の間でインクを循環させる構成が例示されるが、循環機構60を用いなくても、ヘッドユニットUの外部との間でインクを循環させることができればよく、例えば、ヘッドユニットUと液体容器101の間でインクを循環させてもよい。
【0134】
5-8.変形例8
前述の形態で例示した液体吐出装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を吐出する液体吐出装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
【符号の説明】
【0135】
11…流路構造体、11a…流路部材、11b…接続管、12…配線基板、12a…コネクター、13…ホルダー、13a…インク孔、13b…配線孔、13c…凹部、14…固定板、14a…開口部、15…補強板、15a…開口部、16…カバー、16a…貫通孔、16b…開口部、20…制御ユニット(制御部)、30…搬送機構、40…移動機構、41…搬送体、42…搬送ベルト、50…ヘッドモジュール、50A…ヘッドモジュール、50B…ヘッドモジュール、50C…ヘッドモジュール、50D…ヘッドモジュール、50E…ヘッドモジュール、51…支持体、51a…取付孔、60…循環機構、100…液体吐出装置、100A…液体吐出装置、101…液体容器、CL1…中心線、CL2…中心線、Ca…圧力室、Cb…圧力室、DM…搬送方向、E1a…端、E1b…端、E2…端、E3…端、E4a…端、E4b…端、E5…端、E6…端、Ea…駆動素子、Eb…駆動素子、H…ヘッド、H_1…第1ヘッド、H_2…第2ヘッド、H_3…第3ヘッド、H_4…第4ヘッド、H_5…第5ヘッド、H_6…第6ヘッド、La…ノズル列、Lb…ノズル列、M…媒体、N…ノズル、PA1…第1部分、PA2…第2部分、PA3…第3部分、PA4…第4部分、PA5…第5部分、PA6…第6部分、Qa…液体吐出部、Qb…液体吐出部、Ra…液体貯留室、Ra_in…導入口、Ra_out…排出口、Rb…液体貯留室、Rb_in…導入口、Rb_out…排出口、Su1…基板、Su2…基板、Su3…基板、Su4…基板、Su5…基板、U…ヘッドユニット、U1…第1ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U1_1…第1ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U1_2…第1ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U1_3…第1ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U1_4…第1ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U2…第2ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U2_1…第2ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U2_2…第2ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U2_3…第2ヘッドユニット(ヘッドユニット)、U2_4…第2ヘッドユニット(ヘッドユニット)、UPa…対、UPb…対、UPc…対。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13