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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20241112BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B60H1/34 671A
B60H1/00 101R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021005583
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110284
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 信
(72)【発明者】
【氏名】細野 賢人
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-326964(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0273785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0368519(US,A1)
【文献】特開2010-052894(JP,A)
【文献】特開2003-094928(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0178614(US,A1)
【文献】韓国特許第10-2014-0145003(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00-3/06
E02F 9/16
B66F 9/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が搭乗するキャビンが車両の外部に開放されている前記車両に搭載される空調装置であって、
前記乗員が搭乗する搭乗位置よりも前記車両の前側に設けられ、前記搭乗位置に向けて温度調節された風を送風する前方送風口と、
前記搭乗位置よりも前記車両の後側に設けられ、前記搭乗位置に向けて温度調節された風を送風する後方送風口と、
前記空調装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記車両が前進する場合に、前記前方送風口から送風するよう制御し、
前記車両が後進する場合に、前記後方送風口から送風するよう制御する、空調装置。
【請求項2】
乗員が搭乗するキャビンが車両の外部に開放されている前記車両に搭載される空調装置であって、
前記乗員が搭乗する搭乗位置よりも前記車両の前側に設けられ、前記搭乗位置に向けて温度調節された風を送風する前方送風口と、
前記搭乗位置よりも前記車両の後側に設けられ、前記搭乗位置に向けて温度調節された風を送風する後方送風口と、
前記空調装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記車両が前進する場合に、前記前方送風口から送風するよう制御し、
前記車両が後進する場合に、前記後方送風口から送風するよう制御し、
前記車両は、
前記車両を支持し、走行させ、前記車両の走行方向を変える操舵輪と、
前記操舵輪とともに前記車両を支持し、走行させる他の車輪と、を備え、
前記空調装置は、前記前方送風口と前記後方送風口のうち、少なくとも前記搭乗位置に対して前記操舵輪と同じ側にある送風口の送風の向きを左右に変えることができる風向調整部を備え、
前記制御部は、前記車両が前記他の車輪から前記操舵輪に向かう向きに走行している際に走行方向を変える場合に、前記操舵輪と同じ側にある送風口が、前記車両が向きを変える方向に偏向させて送風するように、前記風向調整部を制御する、空調装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空調装置であって、
前記制御部は、前記車両の速度が予め定められた速度以下の場合には、前記前方送風口と前記後方送風口とから送風するように制御する、空調装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の空調装置であって、
前記車両は、置かれている対象物を持ち上げて、搬送する作業用車両である、空調装置。
【請求項5】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の空調装置であって、
前記後方送風口は、前記車両の右側に設けられた後方第1送風口と、前記車両の左側に設けられた後方第2送風口とを有する、空調装置。
【請求項6】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の空調装置であって、
前記前方送風口は、前記車両の右側に設けられた前方第1送風口と、前記車両の左側に設けられた前方第2送風口とを有する、空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オープンキャビンタイプの車両、例えばフォークリフトに搭載される空調装置として、温度調節された風の送風方向を制御するものが知られている。特許文献1には、車両の天井前方に設けられた吹出口のルーバーを制御し、車両が前進する場合には下方に送風し、車両が後進する場合には車両の走行方向、すなわち後方に送風する技術が記載されている。これにより、車両が後進する場合に、温度調節された風が、車両の走行に起因して慣性により発生した向かい風に押し流され、搭乗者の近傍を温度調節された風と外気とが混合した空気にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-326964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両の移動方向に向かって送風する場合、空気の慣性により発生した向かい風を受けて温度調節された空気が攪拌され、想定した位置に温度調節された空気が流れないおそれがある。そのため、温度調節された空気を所望した位置に送ことができる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、乗員が搭乗するキャビンが車両の外部に開放されている前記車両に搭載される空調装置が提供される。この空調装置は、前記乗員が搭乗する搭乗位置よりも前記車両の前側に設けられ、前記搭乗位置に向けて温度調節された風を送風する前方送風口と、前記搭乗位置よりも前記車両の後側に設けられ、前記搭乗位置に向けて温度調節された風を送風する後方送風口と、前記空調装置を制御する制御部と、を備る。前記制御部は、前記車両が前進する場合に、前記前方送風口から送風するよう制御し、前記車両が後進する場合に、前記後方送風口から送風するよう制御する。
この形態の空調装置によれば、制御部は、温度調節された風が車両の移動方向と反対向きに吹き出されるように、空調装置を制御する。そのため、空調装置は、車両の移動によって生じる気流に逆らうことなく、乗員が搭乗する位置に向けて送風できる。従って、温度調節された空気を所望した位置に送ることができる。
(2)上記形態の空調装置において、前記制御部は、前記車両の速度が予め定められた速度以下の場合には、前記前方送風口と前記後方送風口とから送風するように制御してもよい。
このような態様とすれば、例えば、車両の移動によって強い気流が生じない場合には、前方送風口と後方送風口との両方から送風できる。そのため、いずれか一方からのみ送風する場合よりも、より効率的に空調を行うことができる。
(3)上記形態の空調装置において、前記車両は、置かれている対象物を持ち上げて、搬送する作業用車両でもよい。
このような態様においては、車両は、頻繁にバック走行する。このため、車両が後進する場合に行われる後方送風口からの送風が、特に有効である。
(4)上記形態の空調装置において、前記後方送風口は、前記車両の右側に設けられた後方第1送風口と、前記車両の左側に設けられた後方第2送風口とを有してもよい。
このような態様とすれば、車両の右側から風を受ける場合や車両の左側から風を受ける場合であっても、温度調節された空気を所望した位置に送ることができる。
(5)上記形態の空調装置において、前記前方送風口は、前記車両の右側に設けられた前方第1送風口と、前記車両の左側に設けられた前方第2送風口とを有してもよい。
このような態様とすれば、車両の右側から風を受ける場合や車両の左側から風を受ける場合であっても、温度調節された空気を所望した位置に送ることができる。
(6)上記形態の空調装置において、前記車両は、前記車両を支持し、走行させ、前記車両の走行方向を変える操舵輪と、前記操舵輪とともに前記車両を支持し、走行させる他の車輪と、を備え、前記空調装置は、前記前方送風口と前記後方送風口のうち、少なくとも前記搭乗位置に対して前記操舵輪と同じ側にある送風口の送風の向きを左右に変えることができる風向調整部を備え、前記制御部は、前記車両が前記他の車輪から前記操舵輪に向かう向きに走行している際に走行方向を変える場合に、前記操舵輪と同じ側にある送風口が、前記車両が向きを変える方向に偏向させて送風するように、前記風向調整部を制御してもよい。
このような態様とすれば、制御部が風向調整部を制御するため、車両が向きを変える際に搭乗位置が移動する先の空間に温度調節された空気を送ることができる。
【0007】
なお、本開示は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、この形態の空調装置を備えた車両や、この形態の空調装置を用いた空調方法等の態様で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空調装置の概略構成を示す説明図である。
図2】第2実施形態における空調装置の概略構成を示す説明図である。
図3】第3実施形態における空調装置の概略構成を示す説明図である。
図4】第4実施形態における空調装置の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、本開示の一実施形態における空調装置110の概略構成を示す説明図である。空調装置110は、乗員が搭乗するキャビンが車両の外部に開放されている車両100に搭載される。本実施形態において、車両100は、置かれている対象物を持ち上げて、搬送する作業用車両である。車両100は、例えば、フォークリフトである。なお、車両100は、トラクターでもよい。図1には互いに直交するx軸、y軸、z軸を示している。x軸は車両100の前後方向であり、y軸は車両100の左右方向であり、z軸は車両100の高さ方向である。これらの軸は図1以降に示した軸に対応している。
【0010】
車両100は、操舵輪120と、他の車輪130とを備える。操舵輪120は、車両100を支持し、走行させ、車両100の走行方向を変える車輪である。他の車輪130は、操舵輪120とともに車両100を支持し、走行させる車輪である。本実施形態において、車両100の後輪(-x軸方向側)は操舵輪120であり、車両100の前輪(+x軸方向側)は他の車輪130である。
【0011】
空調装置110は、対象を限定して送風を行うスポットエアコンである。空調装置110は、車両100のオープンキャビンに登場する乗員を対象として送風を行う。空調装置110は、前方ダクト10と、後方ダクト20と、制御部30と、空調部40と、を備える。空調部40は、温度調節された風を発生させる。本実施形態において、空調部40は、車両100の上部に配置されている。
【0012】
前方ダクト10は、前方ダンパ11と前方送風口12とを有する。前方ダクト10は、空調部40で温度調節された風を流通させる管である。前方ダンパ11は、前方ダクト10に設けられ、前方ダクトの開閉を行う。前方送風口12は、前方ダクト10の開口端である。前方送風口12は、搭乗位置P1よりも車両100の前側(+x軸側)の上方(+z軸側)に設けられている。より具体的には、前方送風口12は、搭乗位置P1に位置する乗員の視界の妨げとならないように、乗員の頭より上方に設けられている。前方送風口12は、乗員が搭乗する搭乗位置P1に向けて温度調節された風を送風する。
【0013】
後方ダクト20は、後方ダンパ21と後方送風口22とを有する。後方ダクト20は、空調部40で温度調節された風を流通させる管である。後方ダンパ21は、後方ダクト20に設けられ、後方ダクト20の開閉を行う。後方送風口22は、後方ダクト20の開口端である。後方送風口22は、搭乗位置P1よりも車両100の後側(-x軸側)の上方(+z軸側)に設けられている。後方送風口22は、搭乗位置P1に向けて温度調節された風を送風する。
【0014】
制御部30は、空調装置110を制御する。制御部30は、車両100が前進する場合に、前方送風口12から送風するよう制御する。また、制御部30は、車両100が後進する場合に、後方送風口22から送風するよう制御する。制御部30は、例えば、前方ダンパ11や後方ダンパ21の制御によって、これらの制御を行う。制御部30は、車両100の操舵輪120の方向から車両100の進行方向を判定できる。制御部30は、例えば、空調部40に設けられた中央処理装置(CPU)や、RAM、ROMにより構成されたマイクロコンピュータ等からなり、予めインストールされたプログラムをマイクロコンピュータが実行することによって、これらの制御を実現する。ただし、これらの制御の一部又は全部をハードウエア回路で実現してもよい。
【0015】
車両100が矢印A1方向(+x軸方向)に移動する場合、慣性によって、矢印A1とは逆方向である矢印A2方向(-x軸方向)に向かい風が発生する。この場合、制御部30は、前方送風口12から送風するように制御を行う。そのため、向かい風に沿って、前方送風口12から吹き出される温度調節された風を搭乗位置P1に送ることができる。また、後方送風口22から吹き出される温度調節された風が、向かい風によって攪拌されることを抑制できる。
【0016】
一方、車両100が矢印A2方向に移動する場合、慣性によって、矢印A2とは逆方向である矢印A1方向に向かい風が発生する。この場合、制御部30は、後方送風口22から送風するように制御を行う。そのため、向かい風に沿って、後方送風口22から吹き出される温度調節された風を搭乗位置P1に送ることができる。また、前方送風口12から吹き出される温度調節された風が、向かい風によって攪拌されることを抑制できる。
【0017】
以上で説明した本実施形態の空調装置110によれば、制御部30は、温度調節された風が車両100の移動方向と反対向きに吹き出されるように、空調装置110を制御する。そのため、空調装置110は、車両100の移動によって生じる気流に逆らうことなく、乗員が搭乗する搭乗位置P1に向けて送風できる。従って、温度調節された空気を所望した位置に送ることができる。
【0018】
また、車両100は、作業用車両である。作業用車両は、頻繁にバック走行する。そのため、車両100が後進する場合に行われる後方送風口22からの送風が、特に有効である。
【0019】
B.第2実施形態
図2は、第2実施形態における空調装置110Bの概略構成を示す説明図である。第2実施形態において、空調装置110Bは、前方送風口12が前方第1送風口12aと前方第2送風口12bとを備え、後方送風口22が後方第1送風口22aと後方第2送風口22bとを備える点が第1実施形態における空調装置110と異なり、他の構成は第1実施形態と同じである。図2は、車両100を上方向(+z軸方向)から見た図である。なお、図示の便宜上、制御部30および空調部40を省略している。
【0020】
図2に示すように、前方送風口12は、車両100の右側(+y軸側)に設けられた前方第1送風口12aと、車両100の左側(-y軸側)に設けられた前方第2送風口12bとを有する。後方送風口22は、車両100の右側に設けられた後方第1送風口22aと、車両100の左側に設けられた後方第2送風口22bとを有する。
【0021】
制御部30は、車両100が前進する場合に、前方第1送風口12aおよび前方第2送風口12bから送風するよう制御する。また、制御部30は、車両100が後進する場合に、後方第1送風口22aおよび後方第2送風口22bから送風するよう制御する。
【0022】
以上で説明した第2実施形態の空調装置110Bによれば、後方送風口22は、車両100の左右にそれぞれ後方第1送風口22aと、後方第2送風口22bとを有している。そのため、例えば、車両の右側から風を受ける場合や車両の左側から風を受ける場合であっても、後方第1送風口22aから送風される風によって、温度調節された空気をより所望した位置に送ることできる。また、前方送風口12は、車両100の左右にそれぞれ前方第1送風口12aと、前方第2送風口12bとを有している。そのため、例えば、車両の右側から風を受ける場合や車両の左側から風を受ける場合であっても、前方第1送風口12aから送風される風によって、温度調節された空気をより所望した位置に送ることできる。
【0023】
C.第3実施形態
図3は、第3実施形態における空調装置110Cの概略構成を示す説明図である。第3実施形態において、空調装置110Cは、風向調整部50を備える点が第1実施形態における空調装置110と異なり、他の構成は第1実施形態と同じである。図3は、車両100を上方向(+z軸方向)から見た図である。なお、図示の便宜上、制御部30および空調部40を省略している。
【0024】
風向調整部50は、搭乗位置P1に対して操舵輪120と同じ側にある後方送風口22の送風の向きを左右に変えることができる。本実施形態において、風向調整部50は、後方送風口22に設けられたルーバーとルーバーを駆動するモーターである。ルーバーとは、細長い板形状である複数の羽板を、隙間をあけて平行に組んだものである。
【0025】
制御部30は、車両100が他の車輪130から操舵輪120に向かう向き(-x軸方向)に走行している際に走行方向を変える場合に、後方送風口22が車両100が向きを変える方向に偏向させて送風するように、風向調整部50を制御する。
【0026】
以上で説明した第3実施形態の空調装置110Cによれば、制御部30が風向調整部50を制御するため、車両100が向きを変える際に搭乗位置P1が移動する先の空間に温度調節された空気を送ることができる。
【0027】
D.第4実施形態
図4は、第4実施形態における空調装置110Dの概略構成を示す説明図である。第4実施形態において、空調装置110Dは、車両100の下部に配置されている点が第1実施形態における空調装置110と異なり、他の構成は第1実施形態と同じである。図4に示すように、前方送風口12は、車両100の前方下方側に設けられている。この第4実施形態も、第1実施形態とほぼ同様の効果を有する。
【0028】
E.他の実施形態:
(E1)上述した実施形態において、車両100は、置かれている対象物を持ち上げて、搬送する作業用車両である。これに限らず、車両100は、例えば、トゥクトゥク等の3輪車両やゴルフカート等でもよい。
【0029】
(E2)上述した実施形態において、空調装置110は、空調部40を一つのみ備えている。これに限らず、空調装置110は、空調部40を複数備えていてもよい。より具体的には、空調装置110は、送風口毎に空調部40を備えていてもよい。例えば、空調装置110は、前方送風口12からのみ送風される温度調節された風を発生させる前方空調部と、後方送風口22からのみ送風される温度調節された風を発生させる後方空調部とを備えてもよい。
【0030】
(E3)上述した実施形態において、制御部30は、車両100の速度が予め定められた速度以下の場合には、前方送風口12と後方送風口22との両方から送風するように制御してもよい。このような形態によれば、例えば、車両100の移動によって強い気流が生じない場合には、前方送風口12と後方送風口22との両方から送風できる。そのため、いずれか一方からのみ送風する場合よりも、より効率的に空調を行うことができる。
【0031】
(E4)上述した実施形態において、制御部30は、車両100の操舵輪120の方向から車両100の進行方向を判定している。これに限らず、制御部30は、例えば、車両100に搭載されたジャイロセンサの検知結果から車両100の進行方向を判定してもよい。
【0032】
(E5)上述した実施形態において、車両100の後輪が操舵輪120である。これに限らず、車両100の前輪が操舵輪120でもよい。また、車両100の前輪と後輪とが共に操舵輪120でもよい。
【0033】
(E6)上述した第2実施形態において、空調装置110Bは、前方送風口12が前方第1送風口12aと、前方第2送風口12bとを有し、後方送風口22が後方第1送風口22aと、後方第2送風口22bとを有する構成である。この代わりに、空調装置110Bは、後方送風口22のみが複数の送風口を有し、前方送風口12は送風口を一つのみ有する構成でもよい。また、空調装置110Bは、前方送風口12のみが複数の送風口を有し、後方送風口22は送風口を一つのみ有する構成でもよい。
【0034】
(E7)上述した第2実施形態において、空調装置110Bは、風向調整部50を備えていてもよい。風向調整部50は、例えば、後方第1送風口22aおよび後方第2送風口22bに設けられ、風量を調節するダンパである。制御部30は、風向調整部50を制御して、後方第1送風口22aおよび後方第2送風口22bの風量を制御することで、後方送風口22の送風の向きを左右に変える。より具体的には、制御部30は、後方第1送風口22aのみから送風を行い、後方第2送風口22bからは送風を行わないように制御することで、後方送風口22からの送風の向きを車両100の進行方向に対して左向きに変える。
【0035】
(E8)上述した第3実施形態において、風向調整部50は、後方送風口22に設けられたルーバーとルーバーを駆動するモーターである。この代わりに、風向調整部50は、後方ダクト20の向きを変えることで、後方送風口22自体の向きを変える構成でもよい。
【0036】
(E9)上述した第3実施形態において、また、風向調整部50は、後方送風口22にのみ設けられている。これに限らず、風向調整部50は、前方送風口12にも設けられていてもよい。空調装置110Cは、前方送風口12と後方送風口22のうち、少なくとも搭乗位置P1に対して操舵輪120と同じ側にある送風口の送風の向きを左右に変えることができる風向調整部50を備えることが好ましい。
【0037】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述した課題を解決するために、あるいは上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
10…前方ダクト、11…前方ダンパ、12…前方送風口、12a…前方第1送風口、12b…前方第2送風口、20…後方ダクト、21…後方ダンパ、22…後方送風口、22a…後方第1送風口、22b…後方第2送風口、30…制御部、40…空調部、50…風向調整部、100…車両、110、110B、110C、110D…空調装置、120…操舵輪、130…他の車輪、P1…搭乗位置
図1
図2
図3
図4