(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】液体循環機構、液体循環装置及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20241112BHJP
B41J 2/18 20060101ALI20241112BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B41J2/175 501
B41J2/18
B41J2/175 503
B41J2/175 101
B41J2/175 111
B41J2/01 401
(21)【出願番号】P 2021012851
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中田 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】占部 雄一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】辻村 佐和子
(72)【発明者】
【氏名】平田 真司
(72)【発明者】
【氏名】岸井 義明
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-228350(JP,A)
【文献】特開2008-179066(JP,A)
【文献】特開2019-107621(JP,A)
【文献】特開2018-199248(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165764(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0080122(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留可能に構成される第1貯留部と、
前記第1貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給流路と、
前記液体吐出ヘッドから回収される液体を貯留可能に構成される第2貯留部と、
前記液体吐出ヘッドと前記第2貯留部とを連通する第1回収流路と、
前記第2貯留部と前記第1貯留部との間において液体を貯留可能に構成される第3貯留部と、
前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通する第2回収流路と、
前記第3貯留部と前記第1貯留部とを連通する第3回収流路と、
前記第2回収流路において、前記第2貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第3貯留部から前記第2貯留部に向かう液体の流れを規制する第1逆
止弁と、
前記第3回収流路において、前記第3貯留部から前記第1貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第1貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを規制する第2逆止弁と、を有する液体循環機構と、
前記第2貯留部及び前記第3貯留部を減圧可能に構成される減圧部と、
少なくとも、前記減圧部と前記第2貯留部とが連通する第1減圧状態、及び、前記減圧部と前記第3貯留部とが連通する第2減圧状態を切り替え可能に構成される減圧切替部と、
前記第3貯留部及び前記第1貯留部を加圧可能に構成される加圧部と、
少なくとも、前記加圧部と前記第1貯留部とが連通する第1加圧状態、及び、前記加圧部と前記第3貯留部とが連通する第2加圧状態を切り替え可能に構成される加圧切替部と、を有する循環装置と、を備えることを特徴とする液体循環装置。
【請求項2】
前記液体循環機構を複数備え、
複数の前記液体循環機構のそれぞれは、
共用されている前記加圧部によって加圧可能に構成され、
共用されている前記減圧部によって減圧可能に構成されることを特徴とする請求項
1に記載の液体循環装置。
【請求項3】
前記循環装置は、前記第3貯留部と、前記減圧切替部及び前記加圧切替部と、を連通す
る流路を大気に開放可能に構成される第1大気開放部を有することを特徴とする請求項
1
または請求項
2に記載の液体循環装置。
【請求項4】
前記液体循環機構は、
前記第1貯留部に補充するための液体を貯留する補充貯留部と、
前記加圧切替部と前記補充貯留部とを連通する第1連通流路と、を有することを特徴と
する請求項
1~請求項
3のうち何れか一項に記載の液体循環装置。
【請求項5】
前記補充貯留部は、液体供給源から供給される液体を貯留可能に構成され、
前記液体循環機構は、前記減圧切替部と前記補充貯留部とを連通する第2連通流路を有することを特徴とする請求項
4に記載の液体循環装置。
【請求項6】
前記循環装置は、前記第1連通流路及び前記第2連通流路の少なくとも一方を大気に開
放可能に構成される第2大気開放部を有することを特徴とする請求項
5に記載の液体循環
装置。
【請求項7】
前記第1貯留部は、前記補充貯留部を介して前記加圧部と連通することを特徴とする請求項
4から請求項
6のうち何れか一項に記載の液体循環装置。
【請求項8】
前記第2連通流路は、前記第2貯留部と前記補充貯留部とを連通する補充連通流路を含
むことを特徴とする請求項
5に記載の液体循環装置。
【請求項9】
前記液体循環機構は、前記補充連通流路において、前記第2貯留部側の負圧が所定の負
圧を下回ると前記補充連通流路を開放する第1負圧開放部を有することを特徴とする請求項
8に記載の液体循環装置。
【請求項10】
前記液体循環機構は、前記補充連通流路において、大気と連通する第1大気連通路を有し、
前記循環装置は、前記第2貯留部と前記補充貯留部とが連通する第1連通状態、及び、
前記第2貯留部と前記第1大気連通路とが連通する第2連通状態を切替可能に構成される
補充切替部を有することを特徴とする請求項
8または請求項
9に記載の液体循環装置。
【請求項11】
前記液体循環機構は、前記第1大気連通路において、前記第2連通流路側の負圧が所定
の負圧を下回ると前記第1大気連通路を開放する第2負圧開放部を有することを特徴とす
る請求項
10に記載の液体循環装置。
【請求項12】
前記循環装置は、前記補充連通流路を開閉可能に構成される流路開閉部を有することを
特徴とする請求項
8に記載の液体循環装置。
【請求項13】
前記液体循環機構は、前記補充連通流路において、大気と連通する第1大気連通路を有
し、
前記循環装置は、前記第1大気連通路を開閉可能に構成される開閉部を有することを特
徴とする請求項
8または請求項
9に記載の液体循環装置。
【請求項14】
前記液体循環機構は、
前記第1貯留部に設けられ、大気と連通する第2大気連通路と、
前記第2大気連通路に設けられ、前記第1貯留部側の正圧が所定の正圧を上回ると前記
第2大気連通路を開放する加圧開放部と、を有することを特徴とする請求項
1から請求項
13のうち何れか一項に記載の液体循環装置。
【請求項15】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
請求項
1から請求項
14のうち何れか一項に記載の液体循環装置と、
前記液体吐出ヘッド及び前記液体循環装置を制御する制御部と、備えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記減圧部による減圧、前記加圧部による加圧、前記減圧切替部による
切替及び前記加圧切替部による切替を制御することで液体の循環を行うことを特徴とする
請求項
15に記載の液体吐出装置。
【請求項17】
前記液体循環機構を複数備え、
複数の前記液体循環機構のそれぞれは、共用されている前記加圧部によって加圧可能に
構成され、
前記制御部は、前記加圧部による複数の前記第1貯留部の加圧中に、当該複数の前記第
1貯留部のうち液体の液面が所定の高さを下回った第1貯留部があった場合、前記加圧部
と複数の前記第3貯留部とが連通する前記第2加圧状態に前記加圧切替部を切り替えるこ
とを特徴とする請求項
15または請求項
16に記載の液体吐出装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記減圧部と前記第3貯留部とが連通する前記第2減圧状態に前記減圧
切替部を切り替えて、前記第2減圧状態で第1時間に亘って前記第3貯留部を減圧した後
に、前記加圧部と前記第3貯留部とが連通する前記第2加圧状態に前記加圧切替部を切り
替えて、前記第2加圧状態で前記第1時間よりも長い第2時間に亘って前記第3貯留部を
加圧することを特徴とする請求項
15から請求項
17のうち何れか一項に記載の液体吐出
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給源における液体を液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、液体吐出ヘッドにおける液体を供給流路に回収する回収流路と、を備える液体循環機構、液体循環装置及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置において、液体供給源における液体を液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、液体吐出ヘッドから液体を供給流路に回収する回収流路とを用いることにより、液体吐出ヘッドに供給するための液体を循環させる液体循環機構が開示されている。
【0003】
このような液体循環機構において、供給流路及び回収流路の少なくとも何れか一方には、液体を循環させるためのポンプと、液体吐出ヘッド側の圧力が所定の圧力になることで流路を開放する圧力調整部とが設けられている。これにより、所定の流速で液体を循環させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような液体循環機構では、供給流路及び回収流路の少なくとも何れか一方の流路上に、液体を循環させるためのポンプを配置する必要があり、大型化を招くおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する液体循環機構は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留可能に構成される第1貯留部と、前記第1貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給流路と、前記液体吐出ヘッドから回収される液体を貯留可能に構成される第2貯留部と、前記液体吐出ヘッドと前記第2貯留部とを連通する第1回収流路と、前記第2貯留部と前記第1貯留部との間において液体を貯留可能に構成される第3貯留部と、前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通する第2回収流路と、前記第3貯留部と前記第1貯留部とを連通する第3回収流路と、前記第2回収流路において、前記第2貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第3貯留部から前記第2貯留部に向かう液体の流れを規制する第1逆止弁と、前記第3回収流路において、前記第3貯留部から前記第1貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第1貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを規制する第2逆止弁と、を備える。
【0007】
上記課題を解決する液体循環装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留可能に構成される第1貯留部と、前記第1貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給流路と、前記液体吐出ヘッドから回収される液体を貯留可能に構成される第2貯留部と、前記液体吐出ヘッドと前記第2貯留部とを連通する第1回収流路と、前記第2貯留部と前記第1貯留部との間において液体を貯留可能に構成される第3貯留部と、前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通する第2回収流路と、前記第3貯留部と前記第1貯留部とを連通する第3回収流路と、前記第2回収流路において、前記第2貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第3貯留部から前記第2貯留部に向かう液体の流れを規制する第1逆止弁と、前記第3回収流路において、前記第3貯留部から前記第1貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第1貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを規制する第2逆止弁と、を有する液体循環機構と、前記第2貯留部及び前記第3貯留部を減圧可能に構成される減圧部と、少なくとも、前記減圧部と前記第2貯留部とが連通する第1減圧状態、及び、前記減圧部と前記第3貯留部とが連通する第2減圧状態を切り替え可能に構成される減圧切替部と、前記第3貯留部及び前記第1貯留部を加圧可能に構成される加圧部と、少なくとも、前記加圧部と前記第1貯留部とが連通する第1加圧状態、及び、前記加圧部と前記第3貯留部とが連通する第2加圧状態を切り替え可能に構成される加圧切替部と、を有する循環装置と、を備える。
【0008】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、上記の液体循環装置と、前記液体吐出ヘッド及び前記液体循環装置を制御する制御部と、備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図10】液体吐出装置の内部構造を模式的に示す平面図。
【
図11】液体吐出装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図12】液体吐出装置の循環制御処理を示すフローチャート。
【
図13】液体吐出装置の循環制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して液体循環機構、液体循環装置及び液体吐出装置の一実施形態を説明する。本実施形態では、液体循環機構及び液体循環装置は、用紙等の媒体にインク等の液体を吐出する液体吐出装置に搭載される。本実施形態では、液体吐出装置は、例えば、長尺の用紙にインクを吐出して印刷するインクジェット式のラージフォーマットプリンターに搭載される。
【0011】
図面では、液体吐出装置10が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸が互いに直交する場合、X軸とY軸は水平面に沿う。以下の説明では、X軸に沿う方向を幅方向X、Y軸に沿う方向を奥行方向Y、Z軸に沿う方向を鉛直方向Zともいう。
【0012】
図1に示すように、液体吐出装置10は、一対の脚部11と、筐体12と、を備える。筐体12は、脚部11上に組み付けられる。
液体吐出装置10は、繰出部13と、案内板14と、巻取部15と、テンション付与機構16と、操作パネル17と、を備える。繰出部13は、ロール体に巻き重ねた媒体Mを筐体12内に向けて繰り出す。案内板14は、筐体12から排出される媒体Mを案内する。巻取部15は、案内板14に案内される媒体Mをロール体に巻き取る。テンション付与機構16は、巻取部15に巻き取られる媒体Mにテンションを付与する。操作パネル17は、ユーザーによって操作される。
【0013】
液体吐出装置10は、印刷部20を備える。印刷部20は、筐体12内に設けられる。印刷部20は、液体吐出ヘッド21と、キャリッジ22と、を備える。液体吐出ヘッド21は、液体を吐出する。キャリッジ22は、液体吐出ヘッド21を搭載する。
【0014】
液体吐出装置10は、液体供給源18を備える。液体供給源18は、筐体12の外に設けられる。液体供給源18は、印刷部20に液体を供給する供給源である。液体供給源18は、例えば、液体を収容する容器である。液体供給源18は、交換可能なカートリッジでもよいし、液体を補充可能なタンクでもよい。また、例えば、液体供給源18は、筐体12内に設けられてもよく、例えば、液体吐出装置10とは別に設けられてもよい。液体供給源18は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の供給源を備える。本実施形態の液体供給源18は、4つの供給源を備える。
【0015】
液体吐出装置10は、供給流路19を備える。供給流路19は、印刷部20への液体を供給するために、液体供給源18から印刷部20に液体を供給するための流路である。供給流路19は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の流路を備える。本実施形態の供給流路19は、4つの流路を備える。なお、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類が1種類である場合、液体吐出装置10は、1つの供給流路19を備えてもよい。
【0016】
次に、
図2を参照して、液体吐出装置10の内部の構成について説明する。なお、
図2では、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応する複数系統の構成のうち1系統の構成のみが代表して示されている。
【0017】
図2に示すように、印刷部20は、ガイド軸23を備える。ガイド軸23は、キャリッジ22を幅方向Xに案内する。キャリッジ22は、キャリッジモーター24の駆動に伴って幅方向Xに往復移動を可能に構成される。本実施形態において、幅方向Xが主走査方向であるといえる。
【0018】
液体吐出ヘッド21は、キャリッジ22の下端部に取り付けられている。印刷部20は、複数の液体吐出ヘッド21を備えてもよい。液体吐出ヘッド21は、ノズル面21Aに形成された複数のノズル21Bから液体を吐出して媒体Mに印刷する。
【0019】
液体吐出装置10は、支持台25と、搬送部26と、を備える。支持台25は、液体吐出ヘッド21と対向する位置に配置される。搬送部26は、媒体Mを奥行方向Yに搬送する。搬送部26は、第1搬送ローラー対27Aと、第2搬送ローラー対27Bと、を備える。第1搬送ローラー対27Aは、奥行方向Yにおいて支持台25よりも上流側に位置する。第2搬送ローラー対27Bは、奥行方向Yにおいて支持台25よりも下流側に位置する。第1搬送ローラー対27A及び第2搬送ローラー対27Bは、搬送モーター28に駆動されて回転する。第1搬送ローラー対27A及び第2搬送ローラー対27Bは、媒体Mを挟持しながら回転することにより、媒体Mを支持台25の表面及び案内板14の表面に沿って搬送する。本実施形態において、奥行方向Yが搬送方向及び副走査方向であるといえる。
【0020】
液体吐出装置10は、液体循環装置30を備える。液体循環装置30は、キャリッジ22に搭載される。液体循環装置30は、供給流路19を介して液体吐出ヘッド21に液体を供給し、液体吐出ヘッド21から供給流路19へ液体を回収する装置である。
【0021】
液体循環装置30は、供給流路19を備える。供給流路19は、液体の供給方向Aにおいて上流側となる液体供給源18から下流側となる液体吐出ヘッド21に液体を供給する。つまり、供給流路19は、液体供給源18における液体を液体吐出ヘッド21に供給するように液体供給源18と液体吐出ヘッド21とを連通する流路である。
【0022】
液体循環装置30は、回収流路35を備える。回収流路35は、液体の回収方向Bにおいて上流側となる液体吐出ヘッド21から下流側となる供給流路19に液体を回収する。つまり、回収流路35は、液体吐出ヘッド21における液体を供給流路19に回収するように液体吐出ヘッド21と供給流路19とを連通する。回収流路35は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の流路を備える。本実施形態の回収流路35は、4つの流路を備える。なお、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類が1種類である場合、液体吐出装置10は、1つの回収流路35を備えてもよい。
【0023】
液体循環装置30は、貯留部40を備える。貯留部40は、液体を貯留する。本実施形態において、貯留部40は、供給流路19の一部を構成している。貯留部40は、供給流路19を介して液体供給源18からの液体を貯留する。本実施形態において、貯留部40は、回収流路35の一部を構成している。貯留部40は、回収流路35を介して液体吐出ヘッド21から回収された液体を貯留する。つまり、回収流路35は、貯留部40を介して液体吐出ヘッド21と供給流路19とを接続する。貯留部40は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の貯留部を備える。本実施形態の貯留部40は、4つの貯留部を備える。なお、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類が1種類である場合、液体吐出装置10は、1つの貯留部40を備えてもよい。
【0024】
このように、供給流路19の一部及び回収流路35は、液体を循環させる循環流路36を構成する。循環流路36は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の流路を備える。本実施形態の循環流路36は、4つの流路を備える。なお、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類が1種類である場合、液体吐出装置10は、1つの循環流路36を備えてもよい。
【0025】
液体循環装置30は、加圧部の一例である加圧ポンプ51を備える。加圧ポンプ51は、供給流路19に沿って貯留部40から液体吐出ヘッド21へ向かう供給方向Aに液体を流動させる。加圧ポンプ51は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。本実施形態の加圧ポンプ51は、1つのポンプを備える。
【0026】
液体循環装置30は、減圧部の一例である減圧ポンプ52を備える。減圧ポンプ52は、回収流路35に沿って液体吐出ヘッド21から貯留部40へ向かう回収方向Bに液体を流動させる。減圧ポンプ52は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。本実施形態の減圧ポンプ52は、1つのポンプを備える。
【0027】
液体循環装置30は、圧力調整装置60を備える。圧力調整装置60は、キャリッジ22に搭載されている。特に、本実施形態において、圧力調整装置60は、液体吐出ヘッド21の上方に設けられる。言い換えると、圧力調整装置60は、幅方向Xと直交する方向に沿い、かつ、液体吐出ヘッド21を通る平面と重なる位置に設けられる。圧力調整装置60は、供給流路19において液体吐出ヘッド21の上流側に接続されており、液体吐出ヘッド21に供給する液体の圧力を調整する。圧力調整装置60は、回収流路35において液体吐出ヘッド21の下流側に接続されており、液体吐出ヘッド21から回収する液体の圧力を調整する。圧力調整装置60は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の貯留部を備える。本実施形態の圧力調整装置60は、4つの圧力調整装置を備える。なお、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類が1種類である場合、液体吐出装置10は、1つの圧力調整装置60を備えてもよい。
【0028】
なお、本実施形態では、供給流路19において、図示しないフィルターユニットが設けられている。フィルターユニットは、液体中の気泡や異物を捕捉する。
次に、
図3を参照して、液体吐出装置10における液体吐出ヘッド21及び液体循環装置30について説明する。なお、
図3では、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応する複数系統の構成のうち1系統の構成を代表して説明する。
【0029】
図3に示すように、液体吐出ヘッド21は、液体が供給される共通液室90を備える。共通液室90には、液体供給源18から供給流路19を介して液体が供給される。共通液室90には、供給流路19が接続される。共通液室90には、供給される液体中の気泡、異物などを捕捉するフィルター91を設けてもよい。共通液室90は、フィルター91を通過する液体を貯留する。
【0030】
液体吐出ヘッド21は、共通液室90と通じる複数の圧力室92を備える。ノズル21Bは、複数の圧力室92に対応して設けられる。圧力室92は、共通液室90とノズル21Bとに通じる。圧力室92の壁面の一部は、振動板93によって形成される。共通液室90と圧力室92とは、供給側連通路94を介して互いに通じる。
【0031】
液体吐出ヘッド21は、複数の圧力室92に対応して複数設けられるアクチュエーター95を備える。アクチュエーター95は、振動板93において圧力室92と面する部分とは反対となる面に設けられる。アクチュエーター95は、共通液室90と異なる位置に配置された収容室96に収容される。液体吐出ヘッド21は、アクチュエーター95の駆動により圧力室92の液体をノズル21Bから液滴として吐出する。液体吐出ヘッド21は、媒体Mに対してノズル21Bから液体を吐出することによって、媒体Mに印刷処理を実行する。
【0032】
本実施形態のアクチュエーター95は、駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子によって構成される。駆動電圧の印加によるアクチュエーター95の収縮に伴って振動板93を変形させた後、アクチュエーター95への駆動電圧の印加を解除すると、容積が変化した圧力室92内の液体がノズル21Bから液滴として吐出される。
【0033】
液体吐出ヘッド21は、排出流路97を備える。排出流路97は、圧力室92を経由せずに共通液室90内の液体を外部に排出するように共通液室90及び回収流路35と接続される。このように、排出流路97は、液体吐出ヘッド21内の液体を、ノズル21Bと連通する圧力室92を通過せずに回収流路35へ排出させることができる。ここで、排出流路97は、圧力室92を経由して液体を外部に排出するように構成してもよい。
【0034】
貯留部40は、補充貯留部31、吸引弁32及び吐出弁33を備える。補充貯留部31、吸引弁32及び吐出弁33は、供給流路19に位置する。補充貯留部31は、液体供給源18から供給される液体を貯留可能に構成される。補充貯留部31に貯留された液体は、後述する第1貯留部41を介して液体吐出ヘッド21に供給される。つまり、補充貯留部31は、第1貯留部41に補充するための液体を貯留する。吸引弁32は、供給流路19において補充貯留部31よりも供給方向Aの上流に位置する。吐出弁33は、供給流路19において補充貯留部31よりも供給方向Aの下流に位置する。吸引弁32は、供給流路19において上流から下流への液体の流動を許容し、且つ下流から上流への液体の流動を規制するように構成される。吐出弁33は、供給流路19において上流から下流への液体の流動を許容し、且つ下流から上流への液体の流動を規制するように構成される。
【0035】
貯留部40は、第1貯留部41と、第2貯留部42と、第3貯留部43とを備える。第1貯留部41は、供給流路19に設けられている。第1貯留部41は、吐出弁33よりも供給方向Aの下流に位置し、供給流路19において吐出弁33を介して補充貯留部31と接続される。補充貯留部31に貯留されている液体は、吐出弁33を介して第1貯留部41に供給される。このように、第1貯留部41は、液体供給源18から供給される液体を貯留可能に構成される。供給流路19は、第1貯留部41と液体吐出ヘッド21とを連通している。このため、第1貯留部41は、供給流路19を介して液体吐出ヘッド21に供給する液体を貯留可能に構成される。
【0036】
回収流路35は、第1回収流路35Aと、第2回収流路35Bと、第3回収流路35Cとを含む。第1回収流路35Aは、液体吐出ヘッド21側から第2貯留部42に接続される流路である。第2回収流路35Bは、第2貯留部42と第3貯留部43とを接続する流路である。第3回収流路35Cは、第3貯留部43と第1貯留部41とを接続する流路である。つまり、第1回収流路35Aは、液体吐出ヘッド21と第2貯留部42とを連通する。第2回収流路35Bは、第2貯留部42と第3貯留部43とを連通する。第3回収流路35Cは、第3貯留部43と第1貯留部41とを連通する。
【0037】
第2貯留部42は、回収流路35に設けられる。第2貯留部42は、第1回収流路35Aを介して液体吐出ヘッド21から回収される液体を貯留可能である。
第3貯留部43は、回収流路35に設けられる。第3貯留部43は、第2回収流路35Bを介して液体吐出ヘッド21から回収される液体を貯留可能である。つまり、第3貯留部43は、第2貯留部42と第1貯留部41との間において液体吐出ヘッド21から回収される液体を貯留可能に構成される。
【0038】
第1貯留部41は、第3回収流路35Cを介して液体吐出ヘッド21から回収される液体を貯留可能である。このように、本実施形態では、第1貯留部41は、回収流路35が供給流路19に接続する供給流路19の接続部の一例に相当する。
【0039】
貯留部40は、第1逆止弁44と、第2逆止弁45とを備える。第1逆止弁44は、第2回収流路35Bに設けられる。第1逆止弁44は、回収流路35において上流から下流への液体の流動を許容し、且つ下流から上流への液体の流動を規制するように構成される。第2逆止弁45は、第3回収流路35Cに設けられる。第2逆止弁45は、回収流路35において上流から下流への液体の流動を許容し、且つ下流から上流への液体の流動を規制するように構成される。つまり、第1逆止弁44は、第2回収流路35Bにおいて第2貯留部42から第3貯留部43に向かう液体の流れを許容する一方で第3貯留部43から第2貯留部42に向かう液体の流れを規制する。第2逆止弁45は、第3回収流路35Cにおいて第3貯留部43から第1貯留部41に向かう液体の流れを許容する一方で第1貯留部41から第3貯留部43に向かう液体の流れを規制する。
【0040】
貯留部40は、第1貯留量検出部46を備える。第1貯留量検出部46は、第1貯留部41において液体が貯留されている貯留量を検出可能である。本実施形態では、第1貯留量検出部46は、第1貯留部41に貯留されている液体の貯留量が第1規定量以下であることと、第1貯留部41に貯留されている液体の貯留量が第2規定量以下であることとが少なくとも検出可能である。第1規定量は、第1貯留部41に液体の補充が必要となる基準量である。第2規定量は、第1貯留部41に貯留されている液体が十分に補充されているかを判断するための基準量である。第2規定量は、第1規定量よりも多い。
【0041】
貯留部40は、補充貯留量検出部39を備える。補充貯留量検出部39は、補充貯留部31において液体が貯留されている貯留量を検出可能である。本実施形態では、補充貯留量検出部39は、補充貯留部31に貯留されている液体の貯留量が第3規定量以下であることが少なくとも検出可能である。第3規定量は、補充貯留部31に液体が供給可能な上限となる基準量である。
【0042】
第1貯留部41から液体吐出ヘッド21に液体が供給されている場合、第1貯留部41に貯留されている液体の貯留量が第1規定量となったときに、詳しく後述する第2時間に亘って第3貯留部43から第1貯留部41に液体を補充する。
【0043】
本実施形態では、複数の第1貯留部41のうち少なくとも1つの第1貯留部41に貯留されている液体の貯留量が第1規定量となったときに、複数の第3貯留部43から複数の第1貯留部41にそれぞれ液体を補充する。
【0044】
第2時間に亘って第3貯留部43から第1貯留部41に液体を補充した結果、第1貯留部41に貯留されている液体の貯留量が第2規定量を下回っていない場合には、液体供給源18から補充貯留部31に液体を補充しない。一方、第2時間に亘って第3貯留部43から第1貯留部41に液体を補充した結果、第1貯留部41に貯留されている液体の貯留量が第2規定量を下回っている場合には、第2規定量を下回った第1貯留部41に連通する補充貯留部31に液体供給源18から液体を供給する。
【0045】
液体供給源18から補充貯留部31に液体が供給される場合、補充貯留部31に貯留されている液体の貯留量が第3規定量となったときに、液体供給源18から補充貯留部31への液体の供給が終了する。
【0046】
貯留部40は、第1温度調整部47と、第2温度調整部48と、第3温度調整部49と、補充温度調整部34とを備える。第1温度調整部47は、第1貯留部41に設けられる。第1温度調整部47は、第1貯留部41において貯留される液体を加熱するように温度を調整する。第2温度調整部48は、第2貯留部42に設けられる。第2温度調整部48は、第2貯留部42において貯留される液体を加熱するように温度を調整する。第3温度調整部49は、第3貯留部43に設けられる。第3温度調整部49は、第3貯留部43において貯留される液体を加熱するように温度を調整する。補充温度調整部34は、補充貯留部31に設けられる。補充温度調整部34は、補充貯留部31において貯留される液体を加熱するように温度を調整する。本実施形態において、各温度調整部34,47~49は、例えば、ヒーターを稼働させることにより、金属板を介してヒーターにより発生させた熱を各貯留部の液体に伝達させる構成であるが、これに限らない。なお、ヒーター及び金属板は、各貯留部の壁面に設けられており、各貯留部と一体に構成してもよく、省スペース化を図ることができる。本実施形態において、第1温度調整部47と、第2温度調整部48と、第3温度調整部49と、補充温度調整部34とが加熱部の一例に相当する。
【0047】
貯留部40は、第2大気連通路38Gと、加圧開放部56とを備える。第2大気連通路38Gは、第1貯留部41に接続される。つまり、本実施形態では、第2大気連通路38Gは、第1貯留部41に設けられる。第2大気連通路38Gは、大気と連通する。
【0048】
加圧開放部56は、第2大気連通路38Gに設けられる。加圧開放部56は、第2大気連通路38Gを介して第1貯留部41と接続される。加圧開放部56は、大気に連通するか否かを切り替えることができる。加圧開放部56は、第2大気連通路38Gを介して第1貯留部41側の正圧が所定の正圧を上回ると、第2大気連通路38Gを開放し、第1貯留部41を大気に連通させる。このように、第1貯留部41は、所定の正圧となったときに大気に連通するため、所定の正圧を著しく上回る過加圧となることを抑制することができる。本実施形態では、この所定の正圧としては、例えば45kPaが該当するが、これに限らない。
【0049】
貯留部40は、補充連通流路38Hと、第1大気連通路38Iと、第1負圧開放部57と、第2負圧開放部59とを備える。補充連通流路38Hは、第2貯留部42と補充貯留部31とに接続される。補充連通流路38Hは、第2貯留部42と補充貯留部31とを連通する流路である。
【0050】
第1負圧開放部57は、補充連通流路38Hにおいて、第2貯留部42側に位置する。第1負圧開放部57は、補充連通流路38Hを介して第2貯留部42側の負圧が所定の負圧を下回ると、補充連通流路38Hを開放する。本実施形態では、この所定の負圧としては、例えば-35kPaが該当するが、これに限らない。
【0051】
第1大気連通路38Iは、後述する補充切替部58を介して補充連通流路38Hに接続される。第1大気連通路38Iは、補充連通流路38Hにおいて大気と連通する。
第2負圧開放部59は、補充連通流路38Hを介して補充連通流路38H側の負圧が所定の負圧を下回ると、第1大気連通路38Iを開放する。本実施形態では、この所定の負圧としては、例えば-35kPaが該当するが、これに限らない。
【0052】
本実施形態では、第2貯留部42を介して減圧切替部54と補充貯留部31とを接続する流路38Eと補充連通流路38Hとを第2連通流路38Jと示す。第2連通流路38Jは、流路38Eと補充連通流路38Hとから構成されており、補充連通流路38Hを含むといえる。
【0053】
液体循環装置30は、循環装置50を備える。循環装置50は、加圧ポンプ51と、減圧ポンプ52と、加圧切替部53と、減圧切替部54と、第1大気開放部55Aと、第2大気開放部55Bと、補充切替部58とを備える。
【0054】
加圧切替部53は、流路38Aを介して加圧ポンプ51に接続される。加圧切替部53は、第1連通流路38Bを介して補充貯留部31に接続可能に構成される。つまり、第1連通流路38Bは、加圧切替部53と補充貯留部31とを連通する。加圧切替部53は、流路38Cを介して第3貯留部43に接続可能に構成される。加圧切替部53は、後述する制御部100の指示により、加圧ポンプ51と補充貯留部31とを接続するか、加圧ポンプ51と第3貯留部43とを接続するかを切り替えることができる。つまり、加圧切替部53は、制御部100の指示により、加圧ポンプ51により加圧される対象を切り替えることができる。また、加圧ポンプ51は、第3貯留部43及び補充貯留部31を加圧可能に構成される。加圧切替部53は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。本実施形態の加圧切替部53は、1つの切替部を備える。
【0055】
減圧切替部54は、流路38Dを介して減圧ポンプ52に接続される。減圧切替部54は、流路38Eを介して第2貯留部42に接続可能に構成される。減圧切替部54は、流路38Fを介して第3貯留部43に接続可能に構成される。減圧切替部54は、制御部100の指示により、減圧ポンプ52と第2貯留部42とを接続するか、減圧ポンプ52と第2貯留部42とを接続するかを切り替えることができる。つまり、減圧切替部54は、制御部100の指示により、減圧ポンプ52により減圧される対象を切り替えることができる。また、減圧ポンプ52は、第2貯留部42及び第3貯留部43を減圧可能に構成される。減圧切替部54は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。本実施形態の減圧切替部54は、1つの切替部を備える。本実施形態において、流路38Cと流路38Fとは、第3貯留部43側で合流する流路であるが、これに限らない。
【0056】
第1大気開放部55Aは、流路38Cと流路38Fとに接続される。第1大気開放部55Aは、制御部100の指示により、流路38Cと流路38Fとを大気に連通するか否かを切り替えることができる。つまり、第1大気開放部55Aは、第3貯留部43と、加圧切替部53及び減圧切替部54とを連通する流路38C,38Fを大気に開放可能に構成される。言い換えると、第1大気開放部55Aは、第3貯留部43と接続されており、制御部100の指示により第3貯留部43を大気に連通させるか否かを切り替えることができる。第1大気開放部55Aは、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。本実施形態の第1大気開放部55Aは、1つの開放部を備える。
【0057】
第2大気開放部55Bは、第1連通流路38Bに接続される。第2大気開放部55Bは、制御部100の指示により、第1連通流路38Bを大気に連通するか否かを切り替えることができる。つまり、第2大気開放部55Bは、第1連通流路38Bを大気に開放可能に構成される。言い換えると、第2大気開放部55Bは、補充貯留部31と接続されており、制御部100の指示により補充貯留部31を大気に連通させるか否かを切り替えることができる。
【0058】
本実施形態では、流路38Aは、1つの流路から構成されており、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。第1連通流路38Bは、第2大気開放部55Bよりも補充貯留部31側で1つの流路から複数の流路に分岐し、分岐した複数の流路が複数の補充貯留部31にそれぞれ接続される。流路38Cは、第1大気開放部55Aよりも第3貯留部43側で1つの流路から複数の流路に分岐し、分岐した複数の流路が複数の第3貯留部43にそれぞれ接続される。流路38Dは、1つの流路から構成されており、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される。流路38Eは、1つの流路から複数の流路に分岐し、分岐した複数の流路が複数の第2貯留部42にそれぞれ接続される。流路38Fは、第1大気開放部55Aよりも第3貯留部43側で1つの流路から複数の流路に分岐し、分岐した複数の流路が複数の第3貯留部43にそれぞれ接続される。
【0059】
補充切替部58は、補充連通流路38Hに設けられる。補充切替部58は、補充連通流路38Hにおいて第1負圧開放部57と補充貯留部31との間に位置する。補充切替部58は、第1大気連通路38Iと接続可能に構成される。補充切替部58は、制御部100の指示により、第2貯留部42と補充貯留部31とを連通するか否かを切り替えることができる。つまり、補充切替部58は、第2貯留部42と補充貯留部31とが連通する第1連通状態、及び、第2貯留部42と第1大気連通路38Iとが連通する第2連通状態を切替可能に構成される。このように、補充切替部58は、制御部100の指示により、補充貯留部31を減圧するか否かを切り替えることができる。本実施形態では、補充切替部58は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数備える。本実施形態の補充切替部58は、4つの補充切替部58を備える。なお、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類が1種類である場合、液体吐出装置10は、1つの補充切替部58を備えてもよい。
【0060】
本実施形態では、減圧ポンプ52により第2貯留部42が減圧されている場合、第1負圧開放部57は、第2貯留部42側の負圧が所定の負圧を下回ったときに補充連通流路38Hを開放する。この場合、補充切替部58が第1連通状態に制御されるときには、第1負圧開放部57と補充貯留部31とが連通する。このため、減圧ポンプ52により補充貯留部31が減圧され、液体供給源18における液体が補充貯留部31に供給される。一方、補充切替部58が第2連通状態に制御されるときには、第1負圧開放部57と第2負圧開放部59とが連通する。このため、減圧ポンプ52により補充貯留部31が減圧されず、液体供給源18における液体が補充貯留部31に供給されない。また、第2負圧開放部59は、補充連通流路38H側の負圧が所定の負圧を下回ったときに第1大気連通路38Iを開放する。これにより、第2貯留部42に大気が開放され、第2貯留部42が所定の負圧を著しく下回る過負圧となることを抑制することができる。
【0061】
本実施形態において、制御部100の指示により加圧切替部53が制御される制御状態には、第1加圧状態と、第2加圧状態とがある。本実施形態において、制御部100の指示により減圧切替部54が制御される制御状態には、第1減圧状態と、第2減圧状態とがある。本実施形態において、制御部100の指示により補充切替部58が制御される制御状態には、第1連通状態と、第2連通状態とがある。
【0062】
図4に示すように、第1加圧状態は、加圧ポンプ51と補充貯留部31とが連通し、補充貯留部31が加圧ポンプ51により加圧される状態である。第1貯留部41は、補充貯留部31を介して加圧ポンプ51と連通している。このため、第1加圧状態は、補充貯留部31を介して加圧ポンプ51と第1貯留部41とが連通する状態であり、補充貯留部31を介して第1貯留部41が加圧ポンプ51により加圧される状態である。なお、補充貯留部31に液体が貯留されていない場合、補充貯留部31から第1貯留部41に液体が補充されない。
【0063】
第1貯留部41が加圧ポンプ51により加圧される場合、第1貯留部41に貯留されている液体は、第2逆止弁45により第3回収流路35Cへの流動が規制される。このため、第1貯留部41に貯留されている液体は、供給流路19において供給方向Aに沿って液体吐出ヘッド21側に流動する。
【0064】
第2減圧状態は、減圧ポンプ52と第3貯留部43とが連通し、第3貯留部43が減圧ポンプ52により減圧される状態である。第3貯留部43が減圧ポンプ52により減圧される場合、第1貯留部41に貯留されている液体は、第2逆止弁45により第3回収流路35Cへの流動が規制される。このため、第2貯留部42に貯留されている液体は、第2回収流路35Bを介して回収方向Bに沿って第3貯留部43に流動する。
【0065】
第2連通状態は、補充連通流路38H及び第1大気連通路38Iを介して第2貯留部42と第2負圧開放部59とが連通可能な状態である。第2連通状態は、補充連通流路38Hを介して第2貯留部42と補充貯留部31とが連通しない状態である。このように、第2連通状態は、減圧ポンプ52により第2貯留部42が減圧された場合であっても、第2貯留部42と連通しない補充貯留部31が減圧されない状態である。
【0066】
一方、
図5に示すように、第1減圧状態は、減圧ポンプ52と第2貯留部42とが連通し、第2貯留部42が減圧ポンプ52により減圧される状態である。第2貯留部42が減圧ポンプ52により減圧される場合、第3貯留部43に貯留されている液体は、第1逆止弁44により第2回収流路35Bへの流動が規制される。このため、液体吐出ヘッド21からの液体は、第1回収流路35Aを介して回収方向Bに沿って第2貯留部42に流動する。
【0067】
第2加圧状態は、加圧ポンプ51と第3貯留部43とが連通し、第3貯留部43が加圧ポンプ51により加圧される状態である。第3貯留部43が加圧ポンプ51により加圧される場合、第3貯留部43に貯留されている液体は、第1逆止弁44により第2回収流路35Bへの流動が規制される。このため、第3貯留部43に貯留されている液体は、第3回収流路35Cにおいて回収方向Bに沿って第1貯留部41に流動する。
【0068】
また、
図6に示すように、第1加圧状態は、補充貯留部31が加圧ポンプ51により加圧される状態である。補充貯留部31に液体が貯留されている場合、第1加圧状態に制御されると、補充貯留部31から第1貯留部41に液体が補充される。この場合、補充貯留部31及び供給流路19を介して第1貯留部41が加圧ポンプ51により加圧される。
【0069】
一方、
図7に示すように、第1連通状態は、補充連通流路38Hを介して第2貯留部42と補充貯留部31とが連通可能な状態である。第1連通状態は、補充連通流路38H及び第1大気連通路38Iを介して第2貯留部42と第2負圧開放部59とが連通しない状態である。このように、第1連通状態は、減圧ポンプ52により第2貯留部42が減圧された場合に、第2貯留部42を介して、補充貯留部31が減圧される状態である。
【0070】
補充貯留部31が減圧ポンプ52により減圧される場合、第1貯留部41に貯留されている液体は、吐出弁33により補充貯留部31への流動が規制される。また、液体供給源18における液体は、供給流路19を介して供給方向Aに沿って補充貯留部31に流動する。
【0071】
図3に示すように、圧力調整装置60は、供給流路19として、供給分岐部61Aと、第1正圧供給流路62Aと、第2正圧供給流路62Bと、供給合流部61Bとを備える。供給分岐部61Aは、供給流路19において第1貯留部41側に設けられる。供給分岐部61Aは、供給流路19を第1正圧供給流路62Aと第2正圧供給流路62Bとに分岐する。供給合流部61Bは、供給流路19において液体吐出ヘッド21側に設けられる。供給合流部61Bは、第1正圧供給流路62Aと第2正圧供給流路62Bとを合流させる。このように、供給流路19における第1貯留部41と液体吐出ヘッド21との間には、供給分岐部61Aと、第1正圧供給流路62Aと、第2正圧供給流路62Bと、供給合流部61Bとが設けられる。
【0072】
圧力調整装置60は、正圧調整部63と、正圧開閉弁64とを備える。正圧調整部63は、第1正圧調整部63Aと、第2正圧調整部63Bとを備える。正圧開閉弁64は、第1正圧開閉弁64Aと、第2正圧開閉弁64Bとを備える。
【0073】
第1正圧開閉弁64Aは、第1正圧供給流路62Aにおいて供給分岐部61A側に設けられる。第1正圧開閉弁64Aは、制御部100の指示により、第1正圧供給流路62Aを開閉可能に構成された開閉弁である。
【0074】
第2正圧開閉弁64Bは、第2正圧供給流路62Bにおいて供給分岐部61A側に設けられる。第2正圧開閉弁64Bは、制御部100の指示により、第2正圧供給流路62Bを開閉可能に構成された開閉弁である。
【0075】
このように、本実施形態では、正圧開閉弁64は、供給流路19における第1正圧供給流路62Aと第2正圧供給流路62Bとに液体が流れる流路を切替可能に構成される。本実施形態では、正圧開閉弁64は、供給流路19における第1正圧供給流路62Aと第2正圧供給流路62Bとのそれぞれに設けられる第1正圧開閉弁64A及び第2正圧開閉弁64Bを含む。
【0076】
第1正圧調整部63Aは、第1正圧供給流路62Aにおいて第1正圧開閉弁64Aよりも供給方向Aの下流に設けられる。第1正圧調整部63Aは、液体吐出ヘッド21側の圧力が第1正圧となることにより第1正圧供給流路62Aを開放する開閉弁である。本実施形態では、第1正圧としては、例えば5.64kPaが該当するが、これに限らない。
【0077】
第2正圧調整部63Bは、第2正圧供給流路62Bにおいて第2正圧開閉弁64Bよりも供給方向Aの下流に設けられる。第2正圧調整部63Bは、液体吐出ヘッド21側の圧力が第2正圧となることより第2正圧供給流路62Bを開放する開閉弁である。本実施形態では、第2正圧としては、第1正圧よりも大きく、例えば31.23kPaが該当するが、これに限らない。
【0078】
このように、本実施形態では、第1正圧調整部63A及び第2正圧調整部63Bは、液体吐出ヘッド21側の圧力が所定の正圧を下回ることで流路を開放する複数の正圧調整部63である。本実施形態では、第1正圧調整部63A及び第2正圧調整部63Bは、第1正圧供給流路62A及び第2正圧供給流路62Bのそれぞれで流路を開放する所定の正圧が異なる。
【0079】
圧力調整装置60は、回収流路35として、回収分岐部66Aと、第1負圧回収流路67Aと、第2負圧回収流路67Bと、回収合流部66Bとを備える。回収分岐部66Aは、回収流路35において液体吐出ヘッド21側に設けられる。回収分岐部66Aは、回収流路35を第1正圧供給流路62Aと第2正圧供給流路62Bとに分岐する。回収合流部66Bは、回収流路35において第2貯留部42側に設けられる。回収合流部66Bは、第1負圧回収流路67Aと第2負圧回収流路67Bとを合流させる。このように、回収流路35における液体吐出ヘッド21と第1貯留部41との間には、回収分岐部66Aと、第1負圧回収流路67Aと、第2負圧回収流路67Bと、回収合流部66Bとが設けられる。
【0080】
圧力調整装置60は、負圧調整部68と、負圧開閉弁69とを備える。負圧調整部68は、第1負圧調整部68Aと、第2負圧調整部68Bとを備える。負圧開閉弁69は、第1負圧開閉弁69Aと、第2負圧開閉弁69Bとを備える。
【0081】
第1負圧開閉弁69Aは、第1負圧回収流路67Aにおいて回収分岐部66A側に設けられる。第1負圧開閉弁69Aは、制御部100の指示により、第1負圧回収流路67Aを開閉可能に構成された開閉弁である。
【0082】
第2負圧開閉弁69Bは、第2負圧回収流路67Bにおいて回収分岐部66A側に設けられる。第2負圧開閉弁69Bは、制御部100の指示により、第2負圧回収流路67Bを開閉可能に構成された開閉弁である。
【0083】
このように、本実施形態では、負圧開閉弁69は、回収流路35における第1負圧回収流路67Aと第2負圧回収流路67Bとに液体が流れる流路を切替可能に構成される。本実施形態では、負圧開閉弁69は、回収流路35における第1負圧回収流路67Aと第2負圧回収流路67Bとのそれぞれに設けられる第1負圧開閉弁69A及び第2負圧開閉弁69Bを含む。
【0084】
第1負圧調整部68Aは、第1負圧回収流路67Aにおいて第1負圧開閉弁69Aよりも回収方向Bの上流に設けられる。第1負圧調整部68Aは、液体吐出ヘッド21側の圧力が第1負圧となることにより第1負圧回収流路67Aを開放する開閉弁である。本実施形態では、第1負圧としては、例えば-2.76kPaが該当するが、これに限らない。
【0085】
第2負圧調整部68Bは、第2負圧回収流路67Bにおいて第2負圧開閉弁69Bよりも回収方向Bの上流に設けられる。第2負圧調整部68Bは、液体吐出ヘッド21側の圧力が第2負圧となることにより第2負圧回収流路67Bを開放する開閉弁である。本実施形態では、第2負圧としては、第1正圧よりも小さく、例えば-8.27kPaが該当するが、これに限らない。
【0086】
本実施形態において、供給流路19、貯留部40、圧力調整装置60、回収流路35及び各種流路38G~38Iが液体循環機構37として機能する。液体循環装置30は、複数の液体循環機構37を備える。複数の液体循環機構37は、共用されている加圧ポンプ51によって加圧可能に構成され、共用されている減圧ポンプ52によって減圧可能に構成される。
【0087】
本実施形態において、供給分岐部61A及び回収分岐部66Aの少なくとも何れか一方が分岐部の一例に相当する。本実施形態において、供給流路19としての第1正圧供給流路62A及び第2正圧供給流路62Bと、回収流路35としての第1負圧回収流路67A及び第2負圧回収流路67Bとの少なくとも何れか一方が複数の流路の一例に相当する。本実施形態において、供給合流部61B及び回収合流部66Bの少なくとも何れか一方が合流部の一例に相当する。
【0088】
本実施形態において、正圧開閉弁64及び負圧開閉弁69が流路切替部の一例に相当する。本実施形態において、正圧開閉弁64が第1流路切替部の一例に相当する。つまり、流路切替部は、第1流路切替部を含む。本実施形態において、負圧開閉弁69が第2流路切替部の一例に相当する。つまり、流路切替部は、第2流路切替部を含む。
【0089】
次に、
図8及び
図9を参照して、圧力調整装置60の各圧力調整部について説明する。ここでは、第1正圧調整部63A及び第1負圧調整部68Aを代表して説明する。
図8に示すように、第1正圧調整部63Aは、圧力調整機構71を備える。圧力調整機構71は、供給流路19の一部を構成する。圧力調整機構71は、本体部73を備える。本体部73には、液体流入部74と、液体流出部75とが形成される。液体流入部74は、液体供給源18から供給流路19を介して供給される液体が流入する。液体流出部75は、液体を内部に収容可能に構成される。本実施形態において、液体流出部75は、液体吐出ヘッド21と連通する液体貯留室に相当する。液体流出部75は、圧力調整装置60に含まれる。このため、本実施形態において、液体流出部75は、圧力調整装置60と同じように、幅方向Xと直交する方向に沿い、かつ、液体吐出ヘッド21を通る平面と重なる位置に設けられる。
【0090】
液体流出部75は、その壁面を構成する少なくとも一部分がダイヤフラム76により構成される。このダイヤフラム76は、液体流出部75の内面となる第1の面76Aで液体流出部75内の液体の圧力を受ける。ダイヤフラム76は、液体流出部75の外面となる第2の面76Bで大気圧を受ける。このため、ダイヤフラム76は、液体流出部75内の圧力に応じて変位する。液体流出部75は、ダイヤフラム76が変位することで容積が変化する。液体流入部74と液体流出部75とは、連通経路77により互いに通じている。
【0091】
圧力調整機構71は、圧力調整開閉弁78を備える。圧力調整開閉弁78は、連通経路77において液体流入部74と液体流出部75とを遮断する閉弁状態と、液体流入部74と液体流出部75とが通じる開弁状態とを切り替え可能である。圧力調整開閉弁78は、弁部78Aと、受圧部78Bとを備える。弁部78Aは、連通経路77を遮断可能に構成される。受圧部78Bは、ダイヤフラム76から圧力を受ける。圧力調整開閉弁78は、受圧部78Bがダイヤフラム76に押されることで移動する。すなわち、受圧部78Bは、液体流出部75の容積を小さくする方向へ変位するダイヤフラム76に接触した状態で移動可能な移動部材としても機能する。
【0092】
液体流入部74内には押付部材79が設けられる。押付部材79は、圧力調整開閉弁78を閉弁させる方向に押し付ける。圧力調整開閉弁78は、第1の面76Aにかかる圧力が第2の面76Bにかかる圧力より低く且つ第1の面76Aにかかる圧力と第2の面76Bにかかる圧力との差が所定値以上になると、閉弁状態から開弁状態になる。第1正圧調整部63Aの所定値としては、例えば第1正圧としての5.64kPaが該当する。
【0093】
所定値は、押付部材79の押付力、ダイヤフラム76を変位させるために必要な力、弁部78Aによって連通経路77を遮断するために必要押付力であるシール荷重、弁部78Aの表面に作用する液体流入部74内の圧力、及び液体流出部75内の圧力に応じて決まる値である。すなわち、押付部材79の押付力が大きいほど、閉弁状態から開弁状態になるための所定値も大きくなる。
【0094】
本実施形態では、圧力調整機構71において圧力調整開閉弁78が閉弁状態にある場合、圧力調整機構71の上流側における液体の圧力は、加圧ポンプ51によって、通常、正圧とされる。詳しくは、圧力調整開閉弁78が閉弁状態にある場合、液体流入部74及び液体流入部74よりも上流側における液体の圧力は、加圧ポンプ51によって、通常、正圧とされる。
【0095】
本実施形態では、圧力調整機構71において圧力調整開閉弁78が閉弁状態にある場合、圧力調整機構71の下流側における液体の圧力は、ダイヤフラム76によって、通常、正圧とされる。詳しくは、圧力調整開閉弁78が閉弁状態にある場合、液体流出部75及び液体流出部75よりも下流側における液体の圧力は、ダイヤフラム76によって、通常、正圧とされる。
【0096】
液体吐出ヘッド21が液体を吐出すると、液体流出部75に収容された液体が供給流路19を介して液体吐出ヘッド21に供給される。この場合、液体流出部75内の圧力が低下する。これにより、ダイヤフラム76における第1の面76Aにかかる圧力と第2の面76Bにかかる圧力との差が所定値以上になると、ダイヤフラム76が液体流出部75の容積を小さくする方向へ撓み変形する。このダイヤフラム76の変形に伴って受圧部78Bが押し付けられることにより移動すると、圧力調整開閉弁78が開弁状態となる。
【0097】
圧力調整開閉弁78が開弁状態となると、液体流入部74内の液体は加圧ポンプ51により加圧されているため、液体流入部74から液体流出部75に液体が供給される。これにより、液体流出部75内の圧力が上昇する。液体流出部75内の圧力が上昇すると、ダイヤフラム76は、液体流出部75の容積を増大させるように変形する。ダイヤフラム76における第1の面76Aにかかる圧力と第2の面76Bにかかる圧力との差が所定値よりも小さくなると、圧力調整開閉弁78は、開弁状態から閉弁状態になる。その結果、圧力調整開閉弁78は、液体流入部74から液体流出部75に向かって流れる液体の流動を阻害する。
【0098】
上述したように、圧力調整機構71は、ダイヤフラム76の変位により液体吐出ヘッド21に供給される液体の圧力を調整することによって、ノズル21Bの背圧となる液体吐出ヘッド21内の圧力を調整する。
【0099】
第1正圧調整部63Aは、押付機構72を備える。押付機構72は、ダイヤフラム76を介して圧力調整機構71を押し付ける。押付機構72は、押さえ部材72Aを備える。
押さえ部材72Aは、例えば有底の円筒形状となるように形成される。押さえ部材72Aは、空気室72Bを形成する。空気室72Bは、ダイヤフラム76の第2の面76Bを覆う。空気室72Bは、押さえ部材72Aの底部に形成された挿入孔72Cを通じて大気に連通するように構成される。空気室72B内の圧力は大気圧とされる。そのため、ダイヤフラム76の第2の面76Bには大気圧が作用する。
【0100】
押付機構72は、押付部材72Dを備える。押付部材72Dは、空気室72B内に配置される。押付部材72Dは、ダイヤフラム76の第2の面76B側を押し付ける。押付部材72Dは、ダイヤフラム76を液体流出部75の容積が小さくなる方向に押し付ける。このとき、押付部材72Dは、ダイヤフラム76において受圧部78Bが接触する部分を押す。ダイヤフラム76において受圧部78Bが接触する部分の面積は、連通経路77の断面積よりも大きい。
【0101】
圧力調整開閉弁78には、閉弁方向の力として、主に、押付部材79の押圧力と、ダイヤフラム76の第1の面76Aに液圧がかかることによる力とが発生する。また、圧力調整開閉弁78には、開弁方向の力として、主に、押付部材72Dの押圧力と、ダイヤフラム76の第2の面76Bに大気圧がかかることによる力とが発生する。第1正圧調整部63Aが開弁するときの設定圧である正圧は、液体流出部75内の液圧が、設定圧の正圧よりも低くなると、開弁方向の力が閉弁方向の力に勝るように押付部材79,72Dの押圧力(付勢力)が設定される。本実施形態では、第2正圧調整部63Bは、第1正圧調整部63Aと基本的に同じような構成であるが、例えば、開弁させる正圧を定める押付部材79の付勢力が異なる。
【0102】
図9に示すように、第1負圧調整部68Aは、圧力調整機構81を備える。圧力調整機構81は、回収流路35の一部を構成する。圧力調整機構81は、本体部83を備える。本体部83には、液体流入部84と、液体流出部85とが形成される。液体流入部84は、液体吐出ヘッド21から回収流路35を介して回収される液体が流入する。液体流出部85は、液体を内部に収容可能に構成される。本実施形態において、液体流入部84は、液体吐出ヘッド21と連通する液体貯留室に相当する。液体流出部85は、液体を内部に収容可能に構成される。液体流入部84は、圧力調整装置60に含まれる。このため、本実施形態において、液体流入部84は、圧力調整装置60と同じように、幅方向Xと直交する方向に沿い、かつ、液体吐出ヘッド21を通る平面と重なる位置に設けられる。
【0103】
液体流入部84は、その壁面を構成する少なくとも一部分がダイヤフラム86により構成される。このダイヤフラム86は、液体流入部84の内面となる第1の面86Aで液体流入部84内の液体の圧力を受ける。ダイヤフラム86は、液体流入部84の外面となる第2の面86Bで大気圧を受ける。このため、ダイヤフラム86は、液体流入部84内の圧力に応じて変位する。液体流入部84は、ダイヤフラム86が変位することで容積が変化する。液体流入部84と液体流出部85とは、連通経路87により互いに通じている。
【0104】
ダイヤフラム86は、圧力調整開閉弁部86Cを備える。圧力調整開閉弁部86Cは、連通経路87において液体流入部84と液体流出部85とを遮断する閉弁状態と、液体流入部84と液体流出部85とが通じる開弁状態とを切り替え可能である。圧力調整開閉弁部86Cは、連通経路87を遮断可能に構成される。圧力調整開閉弁部86Cは、ダイヤフラム86が変位することで移動する。
【0105】
液体流入部84内には押付部材89が設けられる。押付部材89は、圧力調整開閉弁部86Cを開弁させる方向に押し付ける。圧力調整開閉弁部86Cは、第1の面86Aにかかる圧力が第2の面86Bにかかる圧力より高く且つ第1の面86Aにかかる圧力と第2の面86Bにかかる圧力との差が所定値以上になると、閉弁状態から開弁状態になる。第1正圧調整部63Aの所定値としては、例えば第1負圧としての-2.76kPaが該当する。
【0106】
所定値は、押付部材89の押付力、ダイヤフラム86を変位させるために必要な力、圧力調整開閉弁部86Cによって連通経路87を遮断するために必要押付力であるシール荷重、圧力調整開閉弁部86Cの表面に作用する液体流入部84内の圧力、及び液体流出部85内の圧力に応じて決まる値である。すなわち、押付部材89の押付力が小さいほど、閉弁状態から開弁状態になるための所定値が大きくなる。
【0107】
本実施形態では、圧力調整機構81において圧力調整開閉弁部86Cが閉弁状態にある場合、圧力調整機構81の下流側における液体の圧力は、減圧ポンプ52によって、通常、負圧とされる。詳しくは、圧力調整開閉弁部86Cが閉弁状態にある場合、液体流出部85及び液体流出部85よりも下流側における液体の圧力は、減圧ポンプ52によって、通常、負圧とされる。
【0108】
本実施形態では、圧力調整機構81において圧力調整開閉弁部86Cが閉弁状態にある場合、圧力調整機構81の上流側における液体の圧力は、ダイヤフラム86によって、通常、負圧とされる。詳しくは、圧力調整開閉弁部86Cが閉弁状態にある場合、液体流入部84及び液体流入部84よりも上流側における液体の圧力は、ダイヤフラム86によって、通常、負圧とされる。
【0109】
液体吐出ヘッド21から液体が回収されると、液体吐出ヘッド21からの液体が液体流入部84に回収される。この場合、液体流入部84内の圧力が上昇する。これにより、ダイヤフラム86における第1の面86Aにかかる圧力と第2の面86Bにかかる圧力との差が所定値以上になると、ダイヤフラム86が液体流入部84の容積を大きくする方向へ撓み変形する。このダイヤフラム86の変形に伴って、圧力調整開閉弁部86Cが開弁状態となる。
【0110】
圧力調整開閉弁部86Cが開弁状態となると、液体流出部85内の液体は減圧ポンプ52により減圧されているため、液体流入部84から液体流出部85に液体が回収される。これにより、液体流入部84内の圧力が低下する。液体流入部84内の圧力が低下すると、ダイヤフラム86は、液体流入部84の容積を縮小させるように変形する。ダイヤフラム86における第1の面86Aにかかる圧力と第2の面86Bにかかる圧力との差が所定値よりも小さくなると、圧力調整開閉弁部86Cは、開弁状態から閉弁状態になる。その結果、圧力調整開閉弁部86Cは、液体流入部84から液体流出部85に向かって流れる液体の流動を阻害する。
【0111】
上述したように、圧力調整機構81は、ダイヤフラム86の変位により液体吐出ヘッド21から回収される液体の圧力を調整することによって、ノズル21Bの背圧となる液体吐出ヘッド21内の圧力を調整する。
【0112】
第1負圧調整部68Aは、押付機構82を備える。押付機構82は、ダイヤフラム86を介して圧力調整機構81を押し付ける。押付機構82は、押さえ部材82Aを備える。
押さえ部材82Aは、例えば有底の円筒形状となるように形成される。押さえ部材82Aは、空気室82Bを形成する。空気室82Bは、ダイヤフラム86の第2の面86Bを覆う。空気室82Bは、押さえ部材82Aの底部に形成された挿入孔82Cを通じて大気に連通するように構成される。空気室82B内の圧力は大気圧とされる。そのため、ダイヤフラム86の第2の面86Bには大気圧が作用する。
【0113】
ダイヤフラム86には、圧力調整開閉弁部86Cの閉弁方向の力として、主に、ダイヤフラム86の第2の面86Bに大気圧がかかることによる力と、ダイヤフラム86の圧力調整開閉弁部86Cにおいて液体流出部85側からの力とが発生する。また、ダイヤフラム86には、圧力調整開閉弁部86Cの開弁方向の力として、主に、押付部材89の押圧力と、ダイヤフラム86の第1の面86Aに液圧がかかることによる力とが発生する。第1負圧調整部68Aが開弁するときの設定圧である負圧は、液体流入部84内の液圧が、設定圧の負圧より高くなると、開弁方向の力が閉弁方向の力に勝るように押付部材89の押圧力(付勢力)が設定される。本実施形態では、第2負圧調整部68Bは、第1負圧調整部68Aと基本的に同じような構成であるが、例えば、開弁させる負圧を定める押付部材89の付勢力が異なる。
【0114】
図10に示すように、液体吐出装置10は、メンテナンス装置150を備える。メンテナンス装置150は、キャップ機構151と、ワイピング機構152とを備えてもよい。本実施形態において、キャップ機構151と、ワイピング機構152とは、液体吐出装置10において、非記録領域に設けられる。本実施形態では、非記録領域は、液体吐出ヘッド21が搬送中の媒体Mと対峙しない領域である。非記録領域は、媒体Mに対して液体が吐出されない領域である。すなわち、非記録領域は、幅方向Xにおいて支持台25と隣り合う領域である。
【0115】
キャップ機構151は、非記録時にキャップ153を液体吐出ヘッド21のノズル面21Aに接触させることでノズル21Bをキャッピングする。また、キャップ153は、フラッシングによって液体吐出ヘッド21のノズル21Bから吐出される液体を受容する液体受容部を兼ねる。フラッシングとは、ノズル21Bの目詰まりなどを予防及び解消する目的でノズル21Bから印刷とは関係のない液体を吐出する動作のことである。キャップ153は、キャリッジ22の移動領域に向かって開口する開口154を有する箱形状に形成される。液体吐出ヘッド21は、フラッシングを実行する際、キャップ153の開口154に向けて液体を吐出する。
【0116】
ワイピング機構152は、ワイピング機構152の上方に液体吐出ヘッド21が位置する状態において、ノズル面21Aをワイピングするように構成される。ワイピングとは、ノズル面21Aに付着する液体、塵埃などの異物を取り除くために、ノズル面21Aを払拭する動作のことである。ワイピング機構152は、払拭部155によってノズル面21Aをワイピングする。
【0117】
次に、
図11を参照して液体吐出装置10の電気的構成について説明する。
図11に示すように、液体吐出装置10は、液体吐出装置10の構成要素を統括的に制御する制御部100を備える。
【0118】
制御部100は、CPUと、記憶部と、を備える。CPUは、所定の演算処理を実行する演算処理装置である。記憶部は、CPUのプログラムを格納する領域又は作業領域が割当可能な記憶装置である。記憶部は、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPUは、記憶部に格納されているプログラムに従い、液体吐出装置10の各種制御を行う。
【0119】
制御部100は、操作パネル17、第1貯留量検出部46及び補充貯留量検出部39と接続される。制御部100は、操作パネル17、第1貯留量検出部46及び補充貯留量検出部39からの信号に基づいて、各種制御を行う。制御部100は、液体吐出ヘッド21、キャリッジモーター24、搬送モーター28及びメンテナンス装置150と接続される。制御部100は、液体吐出ヘッド21、キャリッジモーター24、搬送モーター28及びメンテナンス装置150に制御信号を送信することにより、各種制御を行う。制御部100は、加圧ポンプ51、減圧ポンプ52、温度調整部34,47~49、加圧切替部53、減圧切替部54、補充切替部58、第1大気開放部55A、第2大気開放部55B、正圧開閉弁64及び負圧開閉弁69と接続される。制御部100は、加圧ポンプ51、減圧ポンプ52、温度調整部34,47~49、加圧切替部53、減圧切替部54、補充切替部58、第1大気開放部55A、第2大気開放部55B、正圧開閉弁64及び負圧開閉弁69に制御信号を送信することにより、各種制御を行う。
【0120】
このように、本実施形態では、制御部100は、少なくとも液体吐出ヘッド21及び液体循環装置30を制御する。また、制御部100は、減圧ポンプ52による減圧、加圧ポンプ51による加圧、減圧切替部54による切替及び加圧切替部53による切替を制御することで液体の循環を行う。
【0121】
ここで、
図12及び
図13を参照して、循環制御処理について説明する。循環制御処理は、制御部100により所定周期毎に呼び出されるサブルーチンである。
図12に示すように、ステップS10において、制御部100は、循環制御条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、循環制御条件としては、印刷が行われる場合、電源投入時、スリープからの復帰時などに成立する。制御部100は、循環制御条件が成立していないと判定した場合、循環制御処理を終了する。一方、制御部100は、循環制御条件が成立していると判定した場合、ステップS11に移行する。
【0122】
ステップS11において、制御部100は、第1貯留量検出部46からの信号に基づいて、複数の第1貯留部41のそれぞれが、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41であるか否かを判定する。制御部100は、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41であると判定した場合、その第1貯留部41を識別可能な情報を記憶部に記憶させる。これにより、制御部100は、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41を識別可能となる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS12に移行する。
【0123】
ステップS12において、制御部100は、第1加圧状態、第2減圧状態に切り替える切替制御を行う。詳しくは、制御部100は、加圧切替部53を第1加圧状態に切り替えて、加圧ポンプ51に補充貯留部31を加圧させるように制御する。制御部100は、減圧切替部54を第2減圧状態に切り替えて、減圧ポンプ52に第3貯留部43を減圧させるように制御する。
【0124】
これにより、
図4に示すように、制御部100は、第1貯留部41に貯留されている液体を、供給流路19を介して液体吐出ヘッド21に供給することができる。制御部100は、第2貯留部42に貯留されている液体を、第2回収流路35Bを介して第3貯留部43に回収することができる。
【0125】
また、
図6に示すように、補充貯留部31に液体が貯留されている場合、制御部100は、補充貯留部31に貯留されている液体を、供給流路19を介して第1貯留部41に供給することもできる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS13に移行する。
【0126】
ステップS13において、制御部100は、第1大気開放部55Aを開放させる開放制御を行い、第3貯留部43に大気を連通させる。これにより、制御部100は、第3貯留部43が直前まで加圧ポンプ51により加圧されたとしても、第3貯留部43の加圧から減圧への切り替えを迅速に行うことができる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS14に移行する。
【0127】
ステップS14において、制御部100は、直前まで補充貯留部31を減圧していたか否かを判定する。この処理において、制御部100は、複数の補充切替部58のうち少なくとも何れかが直前まで第1連通状態に制御されていたときに、直前まで補充貯留部31を減圧していたと判定する。制御部100は、直前まで補充貯留部31を減圧していないと判定した場合、ステップS15を実行することなく、ステップS16に移行する。一方、制御部100は、直前まで補充貯留部31を減圧していていたと判定した場合、ステップS15に移行する。
【0128】
ステップS15において、制御部100は、第2大気開放部55Bを開放させる開放制御を行い、補充貯留部31に大気を連通させる。これにより、制御部100は、補充貯留部31が直前まで減圧ポンプ52により減圧されたとしても、補充貯留部31の減圧から加圧への切り替えを迅速に行うことができる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS16に移行する。
【0129】
ステップS16において、制御部100は、第1加圧状態、第2減圧状態に切り替える切替制御を行ってから経過した経過時間を計数する経過時間計数処理を実行する。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS17に移行する。
【0130】
ステップS17において、制御部100は、経過時間の計数結果に基づいて、予め定めた時間が経過したか否かを判定する。本実施形態では、予め定めた時間は、第1大気開放部55A及び第2大気開放部55Bを開放させる制御時間であり、例えば1sが相当するが、これに限らない。制御部100は、予め定めた時間が経過していないと判定した場合、ステップS18を実行せずに、ステップS19に移行する。一方、制御部100は、予め定めた時間が経過したと判定した場合、ステップS18に移行する。
【0131】
ステップS18において、制御部100は、開放制御していた大気開放部を閉鎖させる閉鎖制御を行う。詳しくは、制御部100は、開放制御していた第1大気開放部55Aを閉鎖させる閉鎖制御を行う。制御部100は、第2大気開放部55Bが開放制御されていた場合、開放制御していた第2大気開放部55Bを閉鎖させる閉鎖制御を行う。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS19に移行する。
【0132】
ステップS19において、制御部100は、第1貯留量検出部46からの信号に基づいて、複数の第1貯留部41のうち、液体の貯留量が第1規定量以下の第1貯留部41があるか否かを判定する。本実施形態では、第1規定量としては、加圧切替部53及び減圧切替部54の切替に必要な切替時間、液体の流速等から、第1貯留部41に貯留されていた液体がなくならない量が採用されている。制御部100は、液体の貯留量が第1規定量以下の第1貯留部41がないと判定した場合、ステップS20に移行せずに、ステップS16に移行する。制御部100は、液体の貯留量が第1規定量以下の第1貯留部41があると判定した場合、ステップS20に移行する。これにより、制御部100は、液体の貯留量が第1規定量以下の第1貯留部41があると判定するまで、ステップS16~S19を繰り返し実行する。
【0133】
本実施形態では、複数の第1貯留部41は、同じ形状であり、液体の貯留量と液体の液面の高さとが比例し、液体の貯留量が第1規定量であるときには、液体の液面が所定の高さとなる。このようなことから、制御部100は、加圧ポンプ51が複数の第1貯留部41を加圧しているとき、それら複数の第1貯留部41のうち液体の液面が所定の高さを下回った第1貯留部41があった場合、第2加圧状態に加圧切替部53を切り替える。これにより、複数の第3貯留部43から複数の第1貯留部41に液体が回収される。
【0134】
ステップS20において、制御部100は、制御時間算出処理を実行する。この処理において、制御部100は、ステップS16において計数した経過時間に基づいて、次の切替制御の制御時間を算出する。本実施形態では、制御部100は、例えば計数した経過時間の1.2倍の時間を制御時間として算出する。本実施形態では、この制御時間としては、第3貯留部43に貯留されていた液体の全てが第1貯留部41に回収されるように算出方法が採用されている。この処理が終了した場合、制御部100は、
図13のステップS21に移行する。
【0135】
図13に示すように、ステップS21において、制御部100は、第2加圧状態、第1減圧状態に切り替える切替制御を行う。詳しくは、制御部100は、加圧切替部53を第2加圧状態に切り替えて、加圧ポンプ51に第3貯留部43を加圧させるように制御する。制御部100は、減圧切替部54を第1減圧状態に切り替えて、減圧ポンプ52に第2貯留部42を減圧させるように制御する。
【0136】
これにより、
図5に示すように、制御部100は、第1回収流路35Aを介して液体吐出ヘッド21から第2貯留部42に液体を回収することができる。制御部100は、第3貯留部43に貯留されている液体を、第3回収流路35Cを介して第1貯留部41に回収することができる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS22に移行する。
【0137】
ステップS22において、制御部100は、第1大気開放部55Aを開放させる開放制御を行い、第3貯留部43に大気を連通させる。これにより、制御部100は、第3貯留部43が直前まで減圧ポンプ52により減圧されたとしても、第3貯留部43の減圧から加圧への切り替えを迅速に行うことができる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS23に移行する。
【0138】
ステップS23において、制御部100は、
図12のステップS11での判定結果に基づいて、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41があったか否かを判定する。制御部100は、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41がなかったと判定した場合、ステップS24,S25を実行せずに、ステップS26に移行する。一方、制御部100は、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41があったと判定した場合、ステップS24に移行する。
【0139】
ステップS24において、制御部100は、第1連通状態に切り替える切替制御を行う。詳しくは、制御部100は、液体の貯留量が第2規定量以下の第1貯留部41に対応する補充切替部58を第1連通状態に切り替えて、第2連通流路38Jを介して減圧ポンプ52に補充貯留部31を減圧させるように制御する。一方、制御部100は、液体の貯留量が第2規定量以下ではない第1貯留部41に対応する補充切替部58を第1連通状態に切り替えず、継続して第2連通状態に制御する。
【0140】
これにより、
図7に示すように、制御部100は、第3貯留部43から第1貯留部41に液体を十分に補充できなかった場合であっても、供給流路19を介して液体供給源18から補充貯留部31に液体を供給し、補充貯留部31から第1貯留部41に液体を補充することができる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS25に移行する。
【0141】
ステップS25において、制御部100は、第2大気開放部55Bを開放させる開放制御を行い、補充貯留部31に大気を連通させる。これにより、制御部100は、補充貯留部31が直前まで加圧ポンプ51により加圧されたとしても、補充貯留部31の加圧から減圧への切り替えを迅速に行うことができる。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS26に移行する。
【0142】
ステップS26において、制御部100は、第2加圧状態、第1減圧状態に切り替える切替制御を行ってから経過した経過時間を計数する経過時間計数処理を実行する。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS27に移行する。
【0143】
ステップS27において、制御部100は、経過時間の計数結果に基づいて、予め定めた時間が経過したか否かを判定する。本実施形態では、予め定めた時間は、第1大気開放部55A及び第2大気開放部55Bを開放させる制御時間であり、例えば1sが相当するが、これに限らない。制御部100は、予め定めた時間が経過していないと判定した場合、ステップS28を実行せずに、ステップS29に移行する。一方、制御部100は、予め定めた時間が経過したと判定した場合、ステップS28に移行する。
【0144】
ステップS28において、制御部100は、開放制御していた大気開放部を閉鎖させる閉鎖制御を行う。詳しくは、制御部100は、開放制御していた第1大気開放部55Aを閉鎖させる閉鎖制御を行う。制御部100は、第2大気開放部55Bが開放制御されていた場合、開放制御していた第2大気開放部55Bを閉鎖させる閉鎖制御を行う。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS29に移行する。
【0145】
ステップS29において、制御部100は、補充貯留量検出部39からの信号に基づいて、複数の補充貯留部31のうち、減圧ポンプ52により減圧されており、かつ、液体の貯留量が第3規定量となった補充貯留部31があるか否かを判定する。制御部100は、液体の貯留量が第3規定量となった補充貯留部31がないと判定した場合、ステップS30に移行せずに、ステップS31に移行する。一方、制御部100は、液体の貯留量が第3規定量となった補充貯留部31があると判定した場合、ステップS30に移行する。
【0146】
ステップS30において、制御部100は、第2連通状態に切り替える切替制御を行う。詳しくは、制御部100は、液体の貯留量が第3規定量となった補充貯留部31に対応する補充切替部58を第2連通状態に切り替えて、第2連通流路38Jを介して減圧ポンプ52に補充貯留部31を減圧させないように制御する。一方、制御部100は、液体の貯留量が第3規定量となっていない補充貯留部31に対応する補充切替部58を第2連通状態に切り替えず、継続して第1連通状態に制御する。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS31に移行する。
【0147】
ステップS31において、制御部100は、経過時間の計数結果に基づいて、
図12のステップS20で決定された制御時間が経過したか否かを判定する。制御部100は、制御時間が経過していないと判定した場合、ステップS32に移行せずに、ステップS26に移行する。制御部100は、一方、制御部100は、制御時間が経過したと判定した場合、ステップS32に移行する。これにより、制御部100は、制御時間が経過するまで、ステップS26~S31を繰り返し実行する。
【0148】
ステップS32において、制御部100は、第2連通状態に切り替える切替制御を行う。詳しくは、制御部100は、複数の補充貯留部31のそれぞれに対応する複数の補充切替部58を第2連通状態に切り替えて、第2連通流路38Jを介して減圧ポンプ52に補充貯留部31を減圧させないように制御する。制御部100は、複数の補充貯留部31のそれぞれに対応する複数の補充切替部58が既に第2連通状態である場合、継続して第2連通状態に制御する。この処理が終了した場合、制御部100は、ステップS10に移行する。
【0149】
本実施形態では、ステップS20における制御時間の算出から、第1加圧状態、第2減圧状態に制御される時間よりも、第2加圧状態、第1減圧状態に制御される時間のほうが長くなる。このように、制御部100は、第2減圧状態に減圧切替部54を切り替えて、第2減圧状態で第1時間に亘って第3貯留部43を減圧することにより、第2貯留部42から第3貯留部43に液体を回収する。その後、制御部100は、第2加圧状態に加圧切替部53を切り替えて、第2加圧状態で第1時間よりも長い第2時間に亘って第3貯留部43を加圧することにより、第3貯留部43から第1貯留部41に液体を回収する。
【0150】
本実施形態では、制御部100は、液体吐出装置10の制御状況に応じて、第1正圧開閉弁64A、第2正圧開閉弁64B、第1負圧開閉弁69A及び第2負圧開閉弁69Bを制御する。
【0151】
本実施形態では、第1加圧状態、第2減圧状態への切替制御を行ってから第1大気開放部55Aおよび第2大気開放部55Bの開放制御を行っているが、例えば、切替制御と同時に開放制御を行ってもよいし、例えば、開放制御を行った後に切替制御を行ってもよい。
【0152】
本実施形態では、第2加圧状態、第1減圧状態への切替制御を行ってから第1大気開放部55Aおよび第2大気開放部55Bの開放制御を行っているが、例えば、切替制御と同時に開放制御を行ってもよいし、例えば、開放制御を行った後に切替制御を行ってもよい。
【0153】
ここで、
図14を参照して、制御部100により実行される制御内容について説明する。
図14に示すように、液体吐出装置10の制御状況として印刷が行われる場合、制御部100は、通常循環制御を行う。通常循環制御では、制御部100は、第1正圧開閉弁64A及び第1負圧開閉弁69Aを開弁し、第2正圧開閉弁64B及び第2負圧開閉弁69Bを閉弁するように制御する。
【0154】
次に、液体吐出装置10の制御状況として電源投入時、スリープからの復帰時においては、制御部100は、高速循環制御を行う。高速循環制御では、制御部100は、第2正圧開閉弁64B及び第2負圧開閉弁69Bを開弁し、第1正圧開閉弁64A及び第1負圧開閉弁69Aを閉弁するように制御する。
【0155】
次に、液体吐出装置10の制御状況としてノズル21Bから気泡排出を行う場合、制御部100は、ノズル気排循環制御を行う。ノズル21Bから気泡排出を行う場合、制御部100は、液体吐出ヘッド21における液体を高速で吐出させる。ノズル気排循環制御では、制御部100は、第2正圧開閉弁64Bを開弁し、第1正圧開閉弁64A、第1負圧開閉弁69A及び第2負圧開閉弁69Bを閉弁するように制御する。
【0156】
次に、ノズル面21Aのワイピングを行う場合、制御部100は、ワイピング循環制御を行う。ワイピング循環制御では、制御部100は、第1正圧開閉弁64A、第2正圧開閉弁64B、第1負圧開閉弁69A及び第2負圧開閉弁69Bを閉弁するように制御する。
【0157】
最後に、液体吐出装置10の制御状況として上記の制御状況ではない放置時において、制御部100は、放置循環制御を行う。放置循環制御では、制御部100は、第1負圧開閉弁69Aを開弁し、第1正圧開閉弁64A、第2正圧開閉弁64B及び第2負圧開閉弁69Bを閉弁するように制御する。
【0158】
本実施形態の作用について説明する。
最初に、
図4に示すように、加圧切替部53が第1加圧状態に、減圧切替部54が第2減圧状態に、補充切替部58が第2連通状態にそれぞれ制御される。
【0159】
加圧切替部53が第1加圧状態に制御される場合、加圧ポンプ51と補充貯留部31とが連通する。補充貯留部31は、加圧ポンプ51により加圧される。第1貯留部41は、補充貯留部31と連通している。第1貯留部41は、加圧ポンプ51により加圧される。これにより、第1貯留部41に貯留されている液体が供給流路19を介して液体吐出ヘッド21に供給される。
【0160】
減圧切替部54が第2減圧状態に制御される場合、減圧ポンプ52と第3貯留部43とが連通する。第3貯留部43は、減圧ポンプ52により減圧される。これにより、第2貯留部42に貯留されている液体が第2回収流路35Bを介して第3貯留部43に回収される。この場合、第1貯留部41と第3貯留部43とを連通する第3回収流路35Cに第2逆止弁45が設けられており、第1貯留部41に貯留されている液体が第3貯留部43に流動することはなく、液体が回収流路35を逆流することはない。
【0161】
補充切替部58が第2連通状態に制御される場合、補充連通流路38Hが補充貯留部31に連通せずに、第1大気連通路38Iに連通する。このため、補充貯留部31は、減圧ポンプ52により減圧されない。第2貯留部42内の負圧が所定の負圧を下回るときに、第1負圧開放部57及び第2負圧開放部59が開放することにより第2貯留部42に大気が取り込まれる。これにより、第2貯留部42の過負圧を抑制することができる。
【0162】
次に、
図5に示すように、複数の第1貯留部41の少なくとも何れかに貯留されている液体の貯留量が第1規定量となった場合、加圧切替部53が第2加圧状態に、減圧切替部54が第1減圧状態に、補充切替部58が第2連通状態にそれぞれ制御される。
【0163】
加圧切替部53が第2加圧状態に制御される場合、加圧ポンプ51と第3貯留部43とが連通する。第3貯留部43は、加圧ポンプ51により加圧される。これにより、第3貯留部43に貯留されている液体が第3回収流路35Cを介して第1貯留部41に回収される。
【0164】
減圧切替部54が第1減圧状態に制御される場合、減圧ポンプ52と第2貯留部42とが連通する。第2貯留部42は、減圧ポンプ52により減圧される。これにより、液体吐出ヘッド21における液体が第1回収流路35Aを介して第2貯留部42に回収される。この場合、第2貯留部42と第3貯留部43とを連通する第2回収流路35Bに第1逆止弁44が設けられており、第3貯留部43に貯留されている液体が第2貯留部42に流動することはなく、液体が回収流路35を逆流することはない。
【0165】
図6に示すように、補充貯留部31に液体が貯留しているときに、加圧切替部53が第1加圧状態に制御される場合、加圧ポンプ51と補充貯留部31とが連通する。補充貯留部31は、加圧ポンプ51により加圧される。これにより、補充貯留部31に貯留されている液体が第1貯留部41に供給される。
【0166】
図7に示すように、加圧切替部53が第2加圧状態に、減圧切替部54が第1減圧状態にそれぞれ制御された結果、複数の第1貯留部41のうち、貯留されている液体の貯留量が第2規定量以下である第1貯留部41があるときには、その第1貯留部41に対応する補充切替部58が第1連通状態に制御される。
【0167】
補充切替部58が第1連通状態に制御される場合、補充連通流路38Hが補充貯留部31に連通する。このため、補充貯留部31は、第2貯留部42を介して減圧ポンプ52により減圧される。これにより、液体供給源18における液体が供給流路19を介して補充貯留部31に供給される。この場合、供給流路19において補充貯留部31と第1貯留部41との間に吐出弁33が設けられており、第1貯留部41に貯留されている液体が補充貯留部31に流動することはなく、液体が供給流路19を逆流することはない。
【0168】
補充切替部58が第1連通状態に制御された場合、補充貯留部31に貯留されている液体の貯留量が第3規定量となった場合、その補充切替部58が第2連通状態に制御される。これにより、補充貯留部31に第3規定量を超える液体が供給されない。
【0169】
このように、
図4に示す状態と、
図5に示す状態とを繰り返し切り替えることにより、供給流路19と回収流路35とを介して液体を液体吐出ヘッド21を経由する経路で循環させることができる。また、液体吐出ヘッド21による液体の消費によって循環流路36を流動する液体が不足したときに、
図6及び
図7に示す状態に制御することにより、液体供給源18から循環流路36に液体を補充することができる。
【0170】
第3貯留部43は、加圧切替部53が第2加圧状態に制御されることにより加圧ポンプ51により加圧される。第3貯留部43は、減圧切替部54が第2減圧状態に制御されることにより減圧ポンプ52により減圧される。このように、第3貯留部43において加圧と減圧とが切り替わるときに、予め定められた時間に亘って第1大気開放部55Aが開放することにより第3貯留部43に大気が取り込まれる。これにより、第3貯留部43における加圧と減圧との切替を迅速に行うことができる。
【0171】
補充貯留部31は、加圧切替部53が第1加圧状態に制御されることにより加圧ポンプ51により加圧される。補充貯留部31は、補充切替部58が第1連通状態に制御されることにより減圧ポンプ52により減圧される。このように、加圧ポンプ51による加圧と、減圧ポンプ52による減圧とで切り替わるときに、予め定められた時間に亘って第2大気開放部55Bが開放することにより補充貯留部31に大気が取り込まれる。これにより、補充貯留部31における加圧と減圧との切替を迅速に行うことができる。
【0172】
第1貯留部41は、加圧切替部53が第1加圧状態に制御されることにより補充貯留部31を介して加圧ポンプ51により加圧される。第1貯留部41内の正圧が所定の正圧を上回るときに、加圧開放部56が開放することにより第1貯留部41に大気が取り込まれる。これにより、第1貯留部41の過加圧を抑制することができる。
【0173】
また、圧力調整装置60においては、液体吐出装置10の制御状況に応じて、第1正圧開閉弁64A、第2正圧開閉弁64B、第1負圧開閉弁69A及び第2負圧開閉弁69Bが制御される。
【0174】
具体的に、印刷が行われる場合、供給流路19において第1正圧開閉弁64Aが開弁し、回収流路35において第1負圧開閉弁69Aが開弁する。第1正圧開閉弁64Aが開弁すると、第1正圧調整部63Aにおいて、液体吐出ヘッド21側の圧力が第1正圧となると、第1正圧調整部63Aが開弁する。これにより、第1正圧を受けた状態で液体が供給流路19を流動する。第1負圧開閉弁69Aが開弁すると、第1負圧調整部68Aにおいて、液体吐出ヘッド21側の圧力が第1負圧となると、第1負圧調整部68Aが開弁する。これにより、第1負圧を受けた状態で液体が回収流路35を流動する。
【0175】
次に、電源投入時、スリープからの復帰時では、供給流路19において第2正圧開閉弁64Bが開弁し、回収流路35において第2負圧開閉弁69Bが開弁する。第2正圧開閉弁64Bが開弁すると、第2正圧調整部63Bにおいて、液体吐出ヘッド21側の圧力が第2正圧となると、第2正圧調整部63Bが開弁する。これにより、第2正圧を受けた状態で液体が供給流路19を流動する。第2負圧開閉弁69Bが開弁すると、第2負圧調整部68Bにおいて、液体吐出ヘッド21側の圧力が第2負圧となると、第2負圧調整部68Bが開弁する。これにより、第2負圧を受けた状態で液体が回収流路35を流動する。
【0176】
第2正圧は、第1正圧よりも大きい。第2負圧は、第1負圧よりも絶対値として大きい。電源投入時、スリープからの復帰時では、通常時よりも供給流路19及び回収流路35に気泡が発生している可能性が高い。電源投入時、スリープからの復帰時では、通常時よりも供給流路19及び回収流路35に顔料などが沈降する可能性が高まる。このため、電源投入時、スリープからの復帰時では、通常時よりも高速で液体を循環させることにより、供給流路19及び回収流路35において気泡を排除し、沈降を回復する可能性を高めることができる。
【0177】
次に、ノズル21Bから気泡排出を行う場合、第2正圧開閉弁64Bが開弁する。これにより、供給流路19から供給される液体に第2正圧を加え、回収流路35を閉弁することにより、供給流路19から液体吐出ヘッド21のノズル21Bから吐出する液体の流速を効率よく高めることができる。したがって、ノズル21Bの気泡を効率よく排除することができる。また、高速に液体を流動させるまでの時間を短縮することができ、無駄な液体を減少させることができる。
【0178】
次に、ノズル面21Aのワイピングを行う場合、供給流路19において第1正圧開閉弁64A及び第2正圧開閉弁64Bを閉弁し、回収流路35において第1負圧開閉弁69A及び第2負圧開閉弁69Bを閉弁する。これにより、供給流路19及び回収流路35が閉弁する。このように、供給流路19が閉弁することにより、供給流路19から不要な液体が流動することはない。また、供給流路19及び回収流路35が閉弁することにより、液体吐出ヘッド21において液体に上向きの力が加わることにより、ノズル21Bから不要な液体が吐出することを抑制することができ、隣のノズル21Bへの液体の侵入も抑制することができる。
【0179】
最後に、放置時において、回収流路35において第1負圧開閉弁69Aが開弁する。これにより、供給流路19が閉弁し、供給流路19から不要な液体が流動することはない。放置時において、液体吐出ヘッド21は、キャップ153をノズル面21Aに接触させたキャッピング状態とされる。また、第1負圧開閉弁69Aが開弁しており、ノズル21Bの圧力逃しを行うことにより、環境温度の変化などの環境変化によって液体吐出ヘッド21内の液体の膨張に起因するノズル21Bからの液体の垂れを抑制することができる。また、供給流路19から不要な液体が流動することはなく、効率よくノズル21Bの圧力逃しを行うためにも、第1負圧開閉弁69Aが開弁することが好ましい。
【0180】
また、キャリッジ22が幅方向Xに往復移動し、キャリッジ22の移動中に液体吐出ヘッド21のノズル21Bから液体を吐出することで媒体に印刷が行われる。このように、キャリッジ22が幅方向Xに往復移動したときには、圧力調整装置60の液体流出部75に貯留されている液体に、キャリッジ22の幅方向Xに対する加速度に応じて圧力が加わる。液体流出部75に貯留されている液体は、圧力調整装置60により圧力調整された後の液体である。
【0181】
本実施形態では、液体流出部75は、幅方向Xと直交する方向に沿い、かつ、液体吐出ヘッド21を通る平面と重なる位置に設けられており、液体流出部75と液体吐出ヘッド21との間の流路が幅方向Xに対して短縮されている。液体流出部75と液体吐出ヘッド21との間の流路が幅方向Xに対して短縮されると、キャリッジ22の幅方向Xに対する加速度に応じて加わる圧力が小さくなる。このように、キャリッジ22の幅方向Xへの往復移動に伴って、圧力調整装置60により圧力調整された後の液体に加わる外圧を小さくすることができ、液体吐出ヘッド21内の液体に圧力変動を抑制することができる。
【0182】
本実施形態の効果について説明する。
(1)従来、供給流路及び回収流路の少なくとも何れか一方の流路上に、液体を循環させるためのポンプを配置する必要があり、大型化を招くおそれがあった。そこで、第1~第3貯留部41~43、供給流路19、第1~第3回収流路35A~35C、第1逆止弁44及び第2逆止弁45を用いることにより、例えば液体を循環させるための流路上にポンプを設けない場合であっても、液体を循環させる流路を形成することができ、小型化を図ることができる。
【0183】
(2)特に、第3貯留部43を減圧することにより、第1貯留部41に貯留された液体を第3貯留部43に逆流させることなく、第2貯留部42に貯留された液体を第3貯留部43に回収することができる。また、第3貯留部43を加圧することにより、第3貯留部43に貯留された液体を第2貯留部42に逆流させることなく、第1貯留部41に回収することができる。これにより、液体を循環させるための流路上にポンプを設けなくても液体を循環させることができ、小型化を図ることができる。
【0184】
(3)また、減圧切替部54を第1減圧状態と第2減圧状態とに切り替えることにより第2貯留部42を減圧するか第3貯留部43を減圧するかを容易に切り替えることができる。また、加圧切替部53を第1加圧状態と第2加圧状態とに切り替えることにより第1貯留部41を加圧するか第3貯留部43を加圧するかを容易に切り替えることができる。
【0185】
(4)複数の液体循環機構37のそれぞれを加圧可能な加圧ポンプ51が共用されている。複数の液体循環機構37のそれぞれを減圧可能な減圧ポンプ52が共用されている。このため、複数の液体循環機構37のそれぞれに対して加圧ポンプ51及び減圧ポンプ52を備える構成よりも小型化を図ることができる。
【0186】
(5)第1大気開放部55Aを開放させた場合、加圧ポンプ51による加圧と減圧ポンプ52による減圧との両方が可能な第3貯留部43において、減圧切替部54及び加圧切替部53と連通する流路38C,38Fを大気に開放することができる。これにより、第3貯留部43の加圧及び減圧の切り替えを迅速に行うことができる。
【0187】
(6)第1連通流路38Bを介して加圧切替部53と補充貯留部31とを連通することにより、第1連通流路38Bを介して補充貯留部31を加圧可能であり、第1貯留部41に補充するために貯留された補充貯留部31の液体を加圧することができる。
【0188】
(7)第2連通流路38Jを介して減圧切替部54と補充貯留部31とを連通することにより、第2連通流路38Jを介して補充貯留部31を減圧可能である。このため、補充貯留部31を減圧することにより液体供給源18からの液体を補充貯留部31に供給することができる。
【0189】
(8)加圧ポンプ51による加圧と減圧ポンプ52による減圧との両方が可能な補充貯留部31において、第1連通流路38Bを大気に開放することにより、補充貯留部31の加圧及び減圧の切り替えを迅速に行うことができる。
【0190】
(9)加圧ポンプ51の加圧により、第1連通流路38Bを介して補充貯留部31を加圧し、第1連通流路38B及び補充貯留部31を介して第1貯留部41を加圧することができる。これにより、補充貯留部31に貯留されている液体を第1貯留部41に補充することができる。したがって、補充貯留部31から第1貯留部41への液体の補充と、第1貯留部41から液体吐出ヘッド21への液体の供給とを実現するための加圧ポンプ51を兼用することができ、小型化を図ることができる。
【0191】
(10)減圧ポンプ52の減圧により、第2貯留部42を減圧することができるとともに、第2貯留部42及び補充連通流路38Hを介して補充貯留部31を減圧することができる。これにより、液体供給源18から補充貯留部31に液体を吸引することができる。したがって、液体吐出ヘッド21から第2貯留部42への液体の回収と、第2貯留部42から第3貯留部43への液体の回収と、液体供給源18から補充貯留部31への液体の供給とを実現するための減圧ポンプ52を兼用することができ、小型化を図ることができる。
【0192】
(11)第2大気開放部55Bが開放されて補充貯留部31が大気に開放された場合であっても、第2貯留部42側の負圧が所定の負圧を下回らないと補充連通流路38Hが開放しない。このため、補充貯留部31が大気に開放されたことによって第2貯留部42が大気に開放されることを抑制することができる。
【0193】
(12)補充切替部58を第1連通状態と第2連通状態とに切り替えることにより、補充連通流路38Hを介して補充貯留部31を減圧するか否かを容易に切り替えることができる。
【0194】
(13)第2連通状態に切り替えて第2連通流路38Jを介して補充貯留部31を減圧しないときに、第2貯留部42と連通する第1大気連通路38Iにおいて、第2連通流路38Jの負圧が所定の負圧を下回ると、液体を吸引しない代わりに大気を吸引することができる。
【0195】
(14)第1貯留部41側の正圧が所定の正圧を上回ると、大気と連通する第2大気連通路38Gが加圧開放部56により開放される。このため、第1貯留部41側の正圧が所定の正圧を上回るという第1貯留部41の過加圧を抑制することができる。
【0196】
(15)減圧ポンプ52による減圧、加圧ポンプ51による加圧、減圧切替部54による切替及び加圧切替部53による切替を制御することで液体の循環を行うことができる。
(16)複数の第1貯留部41のうち液体の液面が所定の高さを下回った第1貯留部41があった場合、複数の第1貯留部41のうち液体の液面が所定の高さを下回っていない第1貯留部41も含めた複数の第1貯留部41に複数の第3貯留部43から液体が回収される。このため、複数の第1貯留部41のうち液体の液面が所定の高さを下回っていない第1貯留部41に液体を回収しない構成よりも、加圧ポンプ51の駆動回数を減少させることができ、加圧部の経年劣化を抑制することができる。
【0197】
(17)第2減圧状態に減圧切替部54を切り替えて、第2貯留部42から第3貯留部43に液体を回収する時間よりも、第2加圧状態に加圧切替部53を切り替えて、第3貯留部43から第1貯留部41に液体を回収する時間のほうが長くなる。このため、第2貯留部42に貯留された液体を、第3貯留部43を介して第1貯留部41に液体を回収しやすくなり、液体吐出ヘッド21から回収された液体が十分あるか否かを認識しやすくできる。
【0198】
(18)従来、液体吐出ヘッドへの供給流路において一定の流速で液体が供給され、液体吐出ヘッドからの回収流路において一定の流速で液体が回収される。このため、液体循環機構においては、安定して印刷させるときに必要な流速と、気泡の排出に必要な流速とでは差があるなど、制御状況に応じた流速で液体を循環させることが望まれている。そこで、供給流路19において供給分岐部61Aにて分岐する第1正圧供給流路62A及び第2正圧供給流路62Bのそれぞれで流路を開放する所定の正圧を異ならせることができる。第1正圧供給流路62A及び第2正圧供給流路62Bにおいて液体が流れる流路を切替可能に構成される。このため、流路を開放する正圧を異ならせた第1正圧供給流路62A及び第2正圧供給流路62Bにおいて、液体が流れる流路を選択的に切替することができ、複数種類の流速のうち制御状況に応じた流速で液体を循環させることができる。
【0199】
(19)供給流路19における第1正圧供給流路62A及び第2正圧供給流路62Bのそれぞれに設けられる第1正圧開閉弁64A、第2正圧開閉弁64Bを制御することができ、液体が流れる流路を容易に切替することができる。
【0200】
(20)回収流路35において回収分岐部66Aにて分岐する第1負圧回収流路67A及び第2負圧回収流路67Bのそれぞれで流路を開放する所定の負圧を異ならせることができ、第1負圧回収流路67A及び第2負圧回収流路67Bにおいて液体が流れる流路を切替可能に構成される。このため、流路を開放する負圧を異ならせた第1負圧回収流路67A及び第2負圧回収流路67Bにおいて、液体が流れる流路を選択的に切替することができ、複数種類の流速のうち制御状況に応じた流速で液体を循環させることができる。
【0201】
(21)回収流路35における第1負圧回収流路67A及び第2負圧回収流路67Bのそれぞれに設けられる第1負圧開閉弁69A、第2負圧開閉弁69Bを制御することができ、液体が流れる流路を容易に切替することができる。
【0202】
(22)供給流路19において液体を貯留する第1貯留部41があり、回収流路35において液体を貯留する第2貯留部42がある。このため、供給流路19と回収流路35との両方において、液体を貯留することができ、液体を循環させやすくすることができる。
【0203】
(23)また、回収流路35が接続される供給流路19の接続部に第1貯留部41がある。このため、液体供給源18から供給された液体と、液体吐出ヘッド21から回収された液体との両方を第1貯留部41で貯留することができ、液体を循環させやすくすることができる。
【0204】
(24)第1貯留部41を加圧可能に構成される加圧ポンプ51と、第2貯留部42を減圧可能に構成される減圧ポンプ52とが備えられており、各貯留部41,42の加減圧により液体を循環させることができ、流路構成の簡略化を図ることができる。
【0205】
(25)第1貯留部41及び第2貯留部42において、貯留される液体を加熱することができ、液体の粘度を調整することによって、液体の供給を円滑に行うことができる。
(26)主走査方向への往復移動を可能に構成されるキャリッジ22に、液体循環機構37及び液体吐出ヘッド21を搭載することによって、液体循環機構37と液体吐出ヘッド21との距離を短くすることができ、液体吐出装置10内における流路の引き回しを容易にすることができる。
【0206】
(27)液体循環装置30及び液体吐出ヘッド21をキャリッジ22に搭載することによって、液体循環装置30と液体吐出ヘッド21との距離を短くすることができ、液体吐出装置10内における流路の引き回しを容易にすることができる。
【0207】
(28)各圧力調整部63A,63B,68A,68Bがキャリッジ22に搭載された場合であっても、液体流出部75と液体吐出ヘッド21とが連通する流路の距離をキャリッジ22の主走査方向に対して短縮することができる。このため、キャリッジ22の主走査方向への移動に伴って、液体流出部75と液体吐出ヘッド21とが連通する流路における液体の圧力変動を抑制することができる。
【0208】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、例えば
図15に示すように、第1負圧開放部57、補充切替部58及び第2負圧開放部59に替えて、補充連通流路38Hに流路開閉部157を設けてもよい。流路開閉部157は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の開閉部を備える。複数の流路開閉部157は、それぞれ、制御部100の指示により、補充連通流路38Hを開閉可能に構成された開閉弁である。このように、循環装置50は、補充連通流路38Hを開閉可能に構成される流路開閉部157を備えてもよい。この構成によれば、第2大気開放部55Bが開放されて補充貯留部31が大気に開放された場合であっても、流路開閉部157により補充連通流路38Hを閉鎖することにより補充貯留部31と第2貯留部42とが連通しない。このため、補充貯留部31が大気に開放されたことによって第2貯留部42が大気に開放されることを抑制することができる。更には、流路開閉部157が補充連通流路38Hを開閉することにより、補充連通流路38Hを介して補充貯留部31を減圧するか否かを容易に切り替えることができる。
【0209】
・上記実施形態では、例えば
図16に示すように、補充切替部58及び第2負圧開放部59に替えて、第1大気連通路38Iに開閉部158を設けてもよい。開閉部158は、第1大気連通路38Iを開閉可能に構成される。開閉部158は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数の開閉部を備える。複数の開閉部158は、それぞれ、制御部100の指示により、補充連通流路38Hを開閉可能に構成された開閉弁である。このように、循環装置50は、開閉部158を備える。この構成によれば、開閉部158が第1大気連通路38Iを開閉することにより、補充連通流路38Hを介して補充貯留部31を減圧するか否かを容易に切り替えることができる。
【0210】
・上記実施形態では、第1大気開放部55Aが流路38C,38Fに接続されたが、これに限らない。例えば、第1大気開放部55Aが流路38Cに接続され、38Fに接続されなくてもよい。例えば、第1大気開放部55Aが流路38Fに接続され、38Cに接続されなくてもよい。例えば、第1大気開放部55Aが、流路38C,38Fとは別で、第3貯留部43に接続される流路に接続されてもよい。つまり、第1大気開放部55Aは、第3貯留部43に接続される流路に接続されればよい。
【0211】
・上記実施形態では、第2大気開放部55Bが第1連通流路38Bに接続されたが、これに限らない。例えば、第2大気開放部55Bが補充連通流路38Hに接続されてもよい。つまり、第2大気開放部55Bが第2連通流路38Jに接続されてもよい。また、例えば、第2大気開放部55Bが第1連通流路38Bと第2連通流路38Jとの両方に接続されてもよい。例えば、第2大気開放部55Bが、第1連通流路38Bと第2連通流路38Jとは別で、補充貯留部31に接続される流路に接続されてもよい。つまり、第2大気開放部55Bは、第1連通流路38B及び第2連通流路38Jの少なくとも一方を大気に開放可能に構成されればよく、補充貯留部31に接続される流路に接続されればよい。
【0212】
・上記実施形態では、例えば液体循環装置30は、加圧ポンプ51、減圧ポンプ52、加圧切替部53、減圧切替部54、第1大気開放部55A及び第2大気開放部55Bのうち少なくとも何れか一つを、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類に対応するように複数備えてもよい。
【0213】
・上記実施形態では、例えば液体循環装置30は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類で共用される1つの補充切替部58を備えてもよい。この場合、補充切替部58は、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の種類の全てで連通状態を切り替えることができる。また、例えば、複数の液体供給源18から複数の補充貯留部31にそれぞれ液体が供給されている場合、複数の補充貯留部31のうち少なくとも何れかの液体の貯留量が第3規定量になったときに、全ての複数の補充貯留部31に対する液体の供給を停止してもよい。
【0214】
・上記実施形態では、例えば液体循環装置30は、補充貯留部31に替えて、供給流路19を介して液体供給源18から第1貯留部41に液体を供給するための補充ポンプを備えてもよい。この場合、例えば、第1連通流路38Bは、第1貯留部41に直接的に接続される。また、例えば、液体循環装置30は、補充連通流路38Hを備えなくてもよい。
【0215】
・上記実施形態では、例えば第1時間と第2時間とが同じ時間であってもよく、例えば第1時間のほうが第2時間よりも長くてもよい。
・上記実施形態では、例えば予め定めた第1時間に亘って第1加圧状態、第2減圧状態に制御してもよい。この場合、第2時間のほうが第1時間よりも長いことが好ましい。
【0216】
・上記実施形態では、例えば補充貯留部31に貯留される液体の貯留量が第3規定量となった後に、次の工程で第1貯留部41に貯留される液体の貯留量が第2規定量以下となった場合、再度、液体供給源18から補充貯留部31に液体が供給されなくてもよい。これは、補充貯留部31に貯留された液体が未だ第1貯留部41に供給されていない状況であることを考慮した制御内容である。これにより、補充切替部58の切替回数を低減することができ、補充切替部58の切替による補充切替部58の劣化を抑制することができる。
【0217】
・上記実施形態では、例えば、第3貯留部43は、ダイヤフラムを備えた貯留部でもよい。詳しくは、第3貯留部43は、ダイヤフラムで区画された空気室と液室とを備え、空気室が加圧ポンプおよび減圧ポンプと各切替弁を介して連通し、液室に液体が貯留される構成でもよい。
【0218】
・上記実施形態では、例えば、回収流路35が供給流路19に接続される箇所としては、第1貯留部41ではなく、第1貯留部41の上流側であってもよい。つまり、第1貯留部41は、供給流路19において、回収流路35が接続される接続部よりも液体吐出ヘッド側に設けられてもよい。
【0219】
・上記実施形態では、例えば、供給流路19及び回収流路35を3つ以上の流路に分岐するように構成してもよい。また、例えば、圧力調整部は、3つ以上の流路のそれぞれで異なる圧力により開弁するように構成してもよい。
【0220】
・上記実施形態では、例えば、供給流路19において第1貯留部41と液体吐出ヘッド21との間と、回収流路35において液体吐出ヘッド21と第2貯留部42との間との何れか一方で、分岐部、複数の流路及び合流部が設けられてもよい。つまり、供給流路19における第1貯留部41と液体吐出ヘッド21との間、及び、回収流路35における液体吐出ヘッド21と第1貯留部41との間の少なくとも一方には、分岐部と、複数の流路と、合流部と、が設けられればよい。
【0221】
・上記実施形態では、例えば、供給流路19と回収流路35との何れか一方に圧力調整部が設けられ、何れか他方に圧力調整部が設けられなくてもよい。
・上記実施形態では、例えば、供給流路19において正圧調整部63の下流に正圧開閉弁64が設けられてもよい。また、例えば、回収流路35において負圧調整部68の上流に負圧開閉弁69が設けられてもよい。
【0222】
・上記実施形態では、例えば、分岐された複数の流路のそれぞれにおいて開閉弁を設けなくてもよい。この場合、例えば、複数の流路の何れの流路を開弁するか切り替える流路切替部が分岐部に設けられてもよい。また、例えば、複数の流路の何れの流路を開弁するか切り替える流路切替部が合流部に設けられてもよい。
【0223】
・上記実施形態では、例えば、第1貯留量検出部46は、少なくとも液体の貯留量が第1規定量以下であることを検出する下限センサーと、液体の貯留量が第2規定量以下であることを検出する補給判断センサーとを含む構成でもよい。
【0224】
・上記実施形態では、例えば、第1貯留量検出部46及び補充貯留量検出部39は、フロートセンサーであってもよい。この場合、第1貯留部41及び補充貯留部31は、鉛直方向Zの寸法が水平方向の寸法よりも長い形状であってもよい。これにより、液体の貯留量の変化に対するフロートの変位量を大きくすることができ、第1貯留量検出部46及び補充貯留量検出部39の検出精度が高くなる。
【0225】
・上記実施形態では、例えば、温度調整部は、状況に応じて液体を加熱する態様を異ならせてもよい。例えば、第1温度調整部47は、液体供給源18から第1貯留部41に液体が供給されたことを契機として液体を加熱してもよい。例えば、第1温度調整部47は、第3貯留部43から第1貯留部41に液体が回収されたことを契機として液体を加熱してもよい。特に、第1貯留部41は、液体吐出ヘッド21に近い流路に設けられており、第1貯留部41に供給又は回収された液体を加熱することができる。したがって、温度の低い液体が第1貯留部41に供給又は回収された場合であっても、液体吐出ヘッド21に供給される前に効率よく加熱することができ、液体の急激な温度変化を抑制することができる。また、例えば、各温度調整部は、各種パラメーターに基づいて、液体を加熱してもよい。各種パラメーターには、液体吐出装置10の継続動作時間などの動作状況、液体の実際の温度、液体吐出装置10が設定されている環境温度、及び、貯留部に貯留されている液体の貯留量の少なくとも何れかが含まれてもよい。この場合、液体循環機構37は、液体の実際の温度、液体吐出装置10が設定されている環境温度を検出するセンサー類を備えてもよい。また、例えば、各温度調整部は、上記の各種パラメーターに基づいて、発熱量のデューティー比を変化させ、液体を加熱する熱量を調整してもよい。また、例えば、制御部は、上記の各種パラメーターに基づいて、発熱量を予測し、各温度調整部を制御してもよい。
【0226】
・上記実施形態では、例えば、液体吐出ヘッド21に近い流路に設けられた第1貯留部41に温度調整部が設けられていれば、第2貯留部42、第3貯留部43及び補充貯留部31の少なくとも何れかに温度調整部が設けられなくてもよい。また、例えば、第1貯留部41に温度調整部が設けられなくてもよい。
【0227】
・上記実施形態では、供給流路19及び圧力調整部の少なくとも何れかにも温度調整部が設けられてもよい。
・上記実施形態では、圧力調整装置60、液体流出部75及び液体流入部84は、液体吐出ヘッド21の鉛直方向Zに配置されたが、これに限らない。圧力調整装置60、液体流出部75及び液体流入部84は、例えば、幅方向Xへの流路を短縮するために、幅方向Xと直交する方向に沿い、かつ、液体吐出ヘッド21を通る平面と重なる位置に設けられていれば、液体吐出ヘッド21の鉛直方向Zに配置されていなくてもよい。
【0228】
・上記実施形態では、例えば、液体供給源18は、キャリッジ22に搭載されてもよい。また、例えば、液体循環装置30の構成の少なくとも一部は、キャリッジ22に搭載されなくてもよい。
【0229】
・上記実施形態では、例えば、ノズル21Bから気泡排出を行う場合、吸引クリーニングが行われてもよい。吸引クリーニングは、ノズル21Bにおける液体をノズル面21A側から吸引し、ノズル21Bから液体を吐出させるクリーニングである。例えば、ノズル21Bから気泡排出を行う場合、加圧クリーニングが行われてもよい。加圧クリーニングは、液体吐出ヘッド21における液体を加圧することにより、ノズル21Bから液体を吐出させる。また、例えば、ノズル21Bから気泡排出を行う場合、フラッシングが行われてもよい。
【0230】
・上記実施形態では、例えば、インクは、媒体Mに付着することで、媒体Mに印刷することができるものであればよい。具体的には、インクは、例えば、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含み、水性インク、油性インク、ジェルインク、ホットメルトインク等の各種組成物を包含するものとする。また、例えば、液体は、媒体Mに付着することで、媒体Mに印刷することができるものであれば、インク以外であってもよい。
【0231】
・上記実施形態では、媒体Mとしては、例えば、紙、合成樹脂、金属、布、セラミック、ゴムや、これらの複合体としてもよい。
・上記実施形態において、液体吐出装置10は、媒体Mに液体を吐出することにより印刷する装置であればよい。液体吐出装置10は、例えば、シリアルプリンター、ラテラル式プリンター、ラインプリンター、ページプリンター、オフセット印刷装置、捺染印刷装置などとしてもよい。
【0232】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
液体循環機構は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留可能に構成される第1貯留部と、前記第1貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給流路と、前記液体吐出ヘッドから回収される液体を貯留可能に構成される第2貯留部と、前記液体吐出ヘッドと前記第2貯留部とを連通する第1回収流路と、前記第2貯留部と前記第1貯留部との間において液体を貯留可能に構成される第3貯留部と、前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通する第2回収流路と、前記第3貯留部と前記第1貯留部とを連通する第3回収流路と、前記第2回収流路において、前記第2貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第3貯留部から前記第2貯留部に向かう液体の流れを規制する第1逆止弁と、前記第3回収流路において、前記第3貯留部から前記第1貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第1貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを規制する第2逆止弁と、を備える。
【0233】
この構成によれば、第1~第3貯留部、供給流路、第1~第3回収流路、第1逆止弁及び第2逆止弁を用いることにより、例えば液体を循環させるための流路上にポンプを設けない場合であっても、液体を循環させる流路を形成することができ、小型化を図ることができる。
【0234】
液体循環装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留可能に構成される第1貯留部と、前記第1貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給流路と、前記液体吐出ヘッドから回収される液体を貯留可能に構成される第2貯留部と、前記液体吐出ヘッドと前記第2貯留部とを連通する第1回収流路と、前記第2貯留部と前記第1貯留部との間において液体を貯留可能に構成される第3貯留部と、前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通する第2回収流路と、前記第3貯留部と前記第1貯留部とを連通する第3回収流路と、前記第2回収流路において、前記第2貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第3貯留部から前記第2貯留部に向かう液体の流れを規制する第1逆止弁と、前記第3回収流路において、前記第3貯留部から前記第1貯留部に向かう液体の流れを許容する一方で前記第1貯留部から前記第3貯留部に向かう液体の流れを規制する第2逆止弁と、を有する液体循環機構と、前記第2貯留部及び前記第3貯留部を減圧可能に構成される減圧部と、少なくとも、前記減圧部と前記第2貯留部とが連通する第1減圧状態、及び、前記減圧部と前記第3貯留部とが連通する第2減圧状態を切り替え可能に構成される減圧切替部と、前記第3貯留部及び前記第1貯留部を加圧可能に構成される加圧部と、少なくとも、前記加圧部と前記第1貯留部とが連通する第1加圧状態、及び、前記加圧部と前記第3貯留部とが連通する第2加圧状態を切り替え可能に構成される加圧切替部と、を有する循環装置と、を備える。
【0235】
この構成によれば、第1~第3貯留部、供給流路、第1~第3回収流路、第1逆止弁及び第2逆止弁を用いることにより、例えば液体を循環させるための流路上にポンプを設けない場合であっても、液体を循環させる流路を形成することができ、小型化を図ることができる。
【0236】
また、第3貯留部を減圧することにより、第1貯留部に貯留された液体を第3貯留部に逆流させることなく、第2貯留部に貯留された液体を第3貯留部に回収することができる。また、第3貯留部を加圧することにより、第3貯留部に貯留された液体を第2貯留部に逆流させることなく、第1貯留部に回収することができる。これにより、液体を循環させるための流路上にポンプを設けなくても液体を循環させることができ、小型化を図ることができる。
【0237】
また、減圧切替部を第1減圧状態と第2減圧状態とに切り替えることにより第2貯留部を減圧するか第3貯留部を減圧するかを容易に切り替えることができる。また、加圧切替部を第1加圧状態と第2加圧状態とに切り替えることにより第1貯留部を加圧するか第3貯留部を加圧するかを容易に切り替えることができる。
【0238】
液体循環装置は、前記液体循環機構を複数備え、複数の前記液体循環機構のそれぞれは、共用されている前記加圧部によって加圧可能に構成され、共用されている前記減圧部によって減圧可能に構成されてもよい。
【0239】
この構成によれば、複数の液体循環機構のそれぞれを加圧可能な加圧部が共用されている。複数の液体循環機構のそれぞれを減圧可能な減圧部が共用されている。このため、複数の液体循環機構のそれぞれに対して加圧部及び減圧部を備える構成よりも小型化を図ることができる。
【0240】
液体循環装置において、前記循環装置は、前記第3貯留部と、前記減圧切替部及び前記加圧切替部と、を連通する流路を大気に開放可能に構成される第1大気開放部を有してもよい。
【0241】
この構成によれば、加圧部による加圧と減圧部による減圧との両方が可能な第3貯留部において、減圧切替部及び加圧切替部と連通する流路を大気に開放することにより、第3貯留部の加圧及び減圧の切り替えを迅速に行うことができる。
【0242】
液体循環装置において、前記液体循環機構は、前記第1貯留部に補充するための液体を貯留する補充貯留部と、前記加圧切替部と前記補充貯留部とを連通する第1連通流路と、を有してもよい。
【0243】
この構成によれば、第1連通流路を介して加圧切替部と補充貯留部とを連通することにより、第1連通流路を介して補充貯留部を加圧可能であり、第1貯留部に補充するために貯留された補充貯留部の液体を加圧することができる。
【0244】
液体循環装置において、前記補充貯留部は、液体供給源から供給される液体を貯留可能に構成され、前記液体循環機構は、前記減圧切替部と前記補充貯留部とを連通する第2連通流路を有してもよい。
【0245】
この構成によれば、第2連通流路を介して減圧切替部と補充貯留部とを連通することにより、第2連通流路を介して補充貯留部を減圧可能であり、補充貯留部を減圧することにより液体供給源からの液体を補充貯留部に供給することができる。
【0246】
液体循環装置において、前記循環装置は、前記第1連通流路及び前記第2連通流路の少なくとも一方を大気に開放可能に構成される第2大気開放部を有してもよい。
この構成によれば、加圧部による加圧と減圧部による減圧との両方が可能な補充貯留部において、第1連通流路及び第2連通流路の少なくとも一方を大気に開放することにより、補充貯留部の加圧及び減圧の切り替えを迅速に行うことができる。
【0247】
液体循環装置において、前記第1貯留部は、前記補充貯留部を介して前記加圧部と連通してもよい。
この構成によれば、加圧部の加圧により、第1連通流路を介して補充貯留部を加圧し、第1連通流路及び補充貯留部を介して第1貯留部を加圧することができ、補充貯留部に貯留されている液体を第1貯留部に補充することができる。したがって、補充貯留部から第1貯留部への液体の補充と、第1貯留部から液体吐出ヘッドへの液体の供給とを実現するための加圧部を兼用することができ、小型化を図ることができる。
【0248】
液体循環装置において、前記第2連通流路は、前記第2貯留部と前記補充貯留部とを連通する補充連通流路を含んでもよい。
この構成によれば、減圧部の減圧により、第2貯留部を減圧することができるとともに、第2貯留部及び補充連通流路を介して補充貯留部を減圧することができ、液体供給源から補充貯留部に液体を吸引することができる。したがって、液体吐出ヘッドから第2貯留部への液体の回収と、第2貯留部から第3貯留部への液体の回収と、液体供給源から補充貯留部への液体の供給とを実現するための減圧部を兼用することができ、小型化を図ることができる。
【0249】
液体循環装置において、前記液体循環機構は、前記補充連通流路において、前記第2貯留部側の負圧が所定の負圧を下回ると前記補充連通流路を開放する第1負圧開放部を有してもよい。
【0250】
この構成によれば、第2大気開放部が開放されて補充貯留部が大気に開放された場合であっても、第2貯留部側の負圧が所定の負圧を下回らないと補充連通流路が開放しない。このため、補充貯留部が大気に開放されたことによって第2貯留部が大気に開放されることを抑制することができる。
【0251】
液体循環装置において、前記液体循環機構は、前記補充連通流路において、大気と連通する第1大気連通路を有し、前記循環装置は、前記第2貯留部と前記補充貯留部とが連通する第1連通状態、及び、前記第2貯留部と前記第1大気連通路とが連通する第2連通状態を切替可能に構成される補充切替部を有してもよい。
【0252】
この構成によれば、補充切替部を第1連通状態と第2連通状態とに切り替えることにより、補充連通流路を介して補充貯留部を減圧するか否かを容易に切り替えることができる。
【0253】
液体循環装置において、前記液体循環機構は、前記第1大気連通路において、前記第2連通流路側の負圧が所定の負圧を下回ると前記第1大気連通路を開放する第2負圧開放部を有してもよい。
【0254】
この構成によれば、第2連通状態に切り替えて第2連通流路を介して補充貯留部を減圧しないときに、第2貯留部と連通する第1大気連通路において、第2連通流路側の負圧が所定の負圧を下回ると、液体を吸引しない代わりに大気を吸引することができる。
【0255】
液体循環装置において、前記循環装置は、前記補充連通流路を開閉可能に構成される流路開閉部を有してもよい。
この構成によれば、第2大気開放部が開放されて補充貯留部が大気に開放された場合であっても、流路開閉部により補充連通流路を閉鎖することにより補充貯留部と第2貯留部とが連通しない。このため、補充貯留部が大気に開放されたことによって第2貯留部が大気に開放されることを抑制することができる。更には、流路開閉部が補充連通流路を開閉することにより、補充連通流路を介して補充貯留部を減圧するか否かを容易に切り替えることができる。
【0256】
液体循環装置において、前記液体循環機構は、前記補充連通流路において、大気と連通する第1大気連通路を有し、前記循環装置は、前記第1大気連通路を開閉可能に構成される開閉部を有してもよい。
【0257】
この構成によれば、開閉部が第1大気連通路を開閉することにより、補充連通流路を介して補充貯留部を減圧するか否かを容易に切り替えることができる。
液体循環装置において、前記液体循環機構は、前記第1貯留部に設けられ、大気と連通する第2大気連通路と、前記第2大気連通路に設けられ、前記第1貯留部側の正圧が所定の正圧を上回ると前記第2大気連通路を開放する加圧開放部と、を有してもよい。
【0258】
この構成によれば、第1貯留部側の正圧が所定の正圧を上回ると、大気と連通する第2大気連通路が加圧開放部により開放される。このため、第1貯留部側の正圧が所定の正圧を上回るという第1貯留部の過加圧を抑制することができる。
【0259】
液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、上記の液体循環装置と、前記液体吐出ヘッド及び前記液体循環装置を制御する制御部と、備える。
この構成によれば、上記液体循環装置と同様の効果を奏する。
【0260】
液体吐出装置において、前記制御部は、前記減圧部による減圧、前記加圧部による加圧、前記減圧切替部による切替及び前記加圧切替部による切替を制御することで液体の循環を行ってもよい。
【0261】
この構成によれば、減圧部による減圧、加圧部による加圧、減圧切替部による切替及び加圧切替部による切替を制御することで液体の循環を行うことができる。
液体吐出装置は、前記液体循環機構を複数備え、複数の前記液体循環機構のそれぞれは、共用されている前記加圧部によって加圧可能に構成され、前記制御部は、前記加圧部による複数の前記第1貯留部の加圧中に、当該複数の前記第1貯留部のうち液体の液面が所定の高さを下回った第1貯留部があった場合、前記加圧部と複数の前記第3貯留部とが連通する前記第2加圧状態に前記加圧切替部を切り替えてもよい。
【0262】
この構成によれば、複数の第1貯留部のうち液体の液面が所定の高さを下回った第1貯留部があった場合、複数の第1貯留部のうち液体の液面が所定の高さを下回っていない第1貯留部も含めた複数の第1貯留部に複数の第3貯留部から液体が回収される。このため、複数の第1貯留部のうち液体の液面が所定の高さを下回っていない第1貯留部に液体を回収しない構成よりも、加圧部の駆動回数を減少させることができ、加圧部の経年劣化を抑制することができる。
【0263】
液体吐出装置において、前記制御部は、前記減圧部と前記第3貯留部とが連通する前記第2減圧状態に前記減圧切替部を切り替えて、前記第2減圧状態で第1時間に亘って前記第3貯留部を減圧した後に、前記加圧部と前記第3貯留部とが連通する前記第2加圧状態に前記加圧切替部を切り替えて、前記第2加圧状態で前記第1時間よりも長い第2時間に亘って前記第3貯留部を加圧してもよい。
【0264】
この構成によれば、第2減圧状態に減圧切替部を切り替えて、第2貯留部から第3貯留部に液体を回収する時間よりも、第2加圧状態に加圧切替部を切り替えて、第3貯留部から第1貯留部に液体を回収する時間のほうが長くなる。このため、第2貯留部に貯留された液体を、第3貯留部を介して第1貯留部に液体を回収しやすくなり、液体吐出ヘッドから回収された液体が十分あるか否かを認識しやすくできる。
【符号の説明】
【0265】
A…供給方向、B…回収方向、M…媒体、X…幅方向、Y…奥行方向、Z…鉛直方向、10…液体吐出装置、18…液体供給源、19…供給流路、21…液体吐出ヘッド、22…キャリッジ、30…液体循環装置、31…補充貯留部、34…補充温度調整部、35…回収流路、38B…第1連通流路、38G…第2大気連通路、38H…補充連通流路、38I…第1大気連通路、38J…第2連通流路、37…液体循環機構、39…補充貯留量検出部、41…第1貯留部、42…第2貯留部、43…第3貯留部、46…第1貯留量検出部、47…第1温度調整部、48…第2温度調整部、49…第3温度調整部、50…循環装置、51…加圧ポンプ、52…減圧ポンプ、53…加圧切替部、54…減圧切替部、55A…第1大気開放部、55B…第2大気開放部、56…加圧開放部、57…第1負圧開放部、58…補充切替部、59…第2負圧開放部、61A…供給分岐部、61B…供給合流部、62A…第1正圧供給流路、62B…第2正圧供給流路、63A…第1正圧調整部、63B…第2正圧調整部、63B…圧力調整部、64A…第1正圧開閉弁、64B…第2正圧開閉弁、66A…回収分岐部、66B…回収合流部、67A…第1負圧回収流路、67B…第2負圧回収流路、68A…第1負圧調整部、68B…第2負圧調整部、69A…第1負圧開閉弁、69B…第2負圧開閉弁、75…液体流出部、84…液体流入部、100…制御部、150…メンテナンス装置、157…流路開閉部、158…開閉部。