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特許7585830充放電装置、充放電システム、プログラム書き換え方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】充放電装置、充放電システム、プログラム書き換え方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20241112BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241112BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H02J7/10 A
H02J13/00 311U
H02J7/00 P
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021013464
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022117007
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 涼
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直樹
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/155529(WO,A1)
【文献】特開2010-191880(JP,A)
【文献】特開2015-026108(JP,A)
【文献】特開2019-013075(JP,A)
【文献】特開2014-069598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 13/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記車載蓄電池への充放電を制御する充放電装置において、
通信網を介した通信を実行する通信部と、
充放電の制御に係るコンピュータプログラムを書き換え可能に記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムの更新を実行する更新処理部と
を備え、
前記更新処理部は、
前記通信部から更新されたコンピュータプログラムを受信し、
該充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、
運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで前記記憶部のコンピュータプログラムを書き換える
充放電装置。
【請求項2】
更新前のコンピュータプログラムを退避させる退避用記憶部を備え、
前記更新処理部は、
前記記憶部の書き換え前のコンピュータプログラムで、充放電の制御が実行されていた場合、前記退避用記憶部に退避させてから、書き換えを実行する
請求項1に記載の充放電装置。
【請求項3】
書き換え後のコンピュータプログラムに基づく充放電の制御でエラーが発生したか否かを判断し、
エラーが発生したと判断された場合、充放電の運転を停止させ、
前記退避用記憶部に退避させてある更新前のコンピュータプログラムで、前記記憶部のコンピュータプログラムを書き換える
請求項2に記載の充放電装置。
【請求項4】
前記更新処理部は、コンピュータプログラムの書き換えが完了した後に、停止させていた運転を再開させる
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項5】
前記更新処理部は、
前記商用電源又は直流電力網からの電力供給が停止しているか否かを判断し、
停止していると判断された場合、前記電力供給が回復するまで、受信済みの更新されたコンピュータプログラムによる更新を待機する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項6】
前記更新処理部は、
前記商用電源又は直流電力網からの電力供給が停止しているか否かを判断し、
停止していると判断された場合、更新されたコンピュータプログラムを受信済みであっても更新を不可とする
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項7】
前記商用電源又は直流電力網からの電力供給が停止している場合、前記車載蓄電池からの放電中であるか否かを判断し、
放電中であると判断された場合、更新を不可とし、
放電中でないと判断された場合、更新を実行する
請求項6に記載の充放電装置。
【請求項8】
前記更新処理部は、
前記通信部から更新されたコンピュータプログラムを受信した場合、更新可否を受け付け、
更新可が受け付けられた場合に、充放電の運転を停止して書き換えを実行する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項9】
前記更新処理部は、
該充放電装置の運転状態に関するデータを取得し、
取得したデータを、前記通信部から送信する
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項10】
商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記車載蓄電池への充放電を制御する充放電装置と、充放電装置に通信接続される通信器とを含み、
前記通信器は、
通信網を介した通信を実行する通信部と、
前記充放電装置の制御に係るコンピュータプログラムを書き換え可能に記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムの更新を実行する更新処理部と
を備え、
前記更新処理部は、
前記通信部から更新されたコンピュータプログラムを受信し、
前記充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、
運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで前記充放電装置の制御に係るコンピュータプログラムを書き換える
充放電制御システム。
【請求項11】
前記通信器は、複数の前記充放電装置と通信接続されており、
前記通信器は、
複数の前記充放電装置に対し、順次又は並行的に、受信済みのコンピュータプログラムによるプログラムの書き換えを実行する
請求項10に記載の充放電制御システム。
【請求項12】
商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有して、前記車載蓄電池における充放電を制御する充放電装置のプログラムを書き換える方法であって、
通信網を介した通信を実行する通信部によって更新されたコンピュータプログラムを受信し、
前記充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、
運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで、充放電の制御に係るコンピュータプログラムを書き換える
処理を含むプログラム書き換え方法。
【請求項13】
商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有した充放電装置のコンピュータに、
通信網を介した通信を実行する通信部によって更新されたコンピュータプログラムを受信し、
前記充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、
運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで、充放電の制御に係るコンピュータプログラムを書き換える
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に備えられる蓄電池と接続される充放電装置、充放電システム、プログラム書き換え方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車に備えられている蓄電池の電池容量は例えば5~100kWhと比較的大容量である。これらの車両に蓄えられた電力を電気自動車の駆動以外に、例えば家庭等へ供給可能とするV2H(Vehicle to Home )、家庭に限らない建物への供給を可能とするV2B(Vehicle to Building )、電力網への供給を可能とするV2G(Vehicle to Grid )を含むV2Xを実現する技術が提案されている。災害発生によって停電状態となったとしても、移動が可能な電気自動車に蓄えられた電力を供給して生活を維持したり、工場の稼働を維持したりすることが期待できる。V2Xを実現する場合、EMS(Energy Management System)からの制御を受けて計画的に充放電できることが望ましい。
【0003】
V2Xの実現には、車両の蓄電池に接続される充放電用ケーブルを有し、車両における充放電の制御と、EMSからの制御との間で、充放電制御を実施することができる充放電装置の配備が必要になる。充放電装置は、固有の車種の車両に対応するのみならず、充電及び放電又はいずれか一方が可能な電気自動車の略全てに対応する必要がある。しかしながら、電気自動車と充放電装置との間の通信規格は存在するものの、通信内容の規定がないため、異なる振る舞いの電気自動車が現れる都度、充放電装置は対応しなければならない。
【0004】
充放電装置を新たな電気自動車に対応させるために、従来、メンテナンススタッフが各充放電装置へ出向いて更新作業を行なっていた。充放電装置は、EMSとの間の通信機能はあっても、所謂通信網を介したデータ通信を実現するデバイスを持たなかった。
【0005】
充放電装置にデータ通信デバイスを設けてソフトウェア更新を実行させることは種々提案されている。特許文献1には、充電時間帯又は放電時間帯が設定されていない時間帯にファームウェアを更新する発明が開示されている。特許文献1では、充電時間帯又は放電時間帯が設定されている時間帯に更新する場合には、充電時間帯の終了時刻又は放電時間帯の終了時刻から、更新に要する所要時間よりも前に更新を行なうことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開2016/051701号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
充放電装置はEMSと連携して充放電を実行している場合、24時間態勢で需要及び供給に応じて充放電を行なっており、スケジュール通りとならない可能性がある。逐次充放電を実施するシステムでは、充放電を行なっていない時間帯を特定することが難しく、ソフトウェアの更新が困難である。
【0008】
本発明は、斯かる事情を鑑みてなされたものであり、充放電装置、充放電システム、プログラム書き換え方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態の充放電装置は、商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記車載蓄電池への充放電を制御する充放電装置において、通信網を介した通信を実行する通信部と、充放電の制御に係るコンピュータプログラムを書き換え可能に記憶する記憶部と、前記コンピュータプログラムの更新を実行する更新処理部とを備え、前記更新処理部は、前記通信部から更新されたコンピュータプログラムを受信し、該充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで前記記憶部のコンピュータプログラムを書き換える。
【0010】
本開示の一実施形態の充放電システムは、商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記車載蓄電池への充放電を制御する充放電装置と、充放電装置に通信接続される通信器とを含み、前記通信器は、通信網を介した通信を実行する通信部と、前記充放電装置の制御に係るコンピュータプログラムを書き換え可能に記憶する記憶部と、前記コンピュータプログラムの更新を実行する更新処理部とを備え、前記更新処理部は、前記通信部から更新されたコンピュータプログラムを受信し、前記充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで前記充放電装置の制御に係るコンピュータプログラムを書き換える。
【0011】
本開示の一実施形態のプログラム書き換え方法は、商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有して、前記車載蓄電池における充放電を制御する充放電装置のプログラムを書き換える方法であって、通信網を介した通信を実行する通信部によって更新されたコンピュータプログラムを受信し、前記充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで、充放電の制御に係るコンピュータプログラムを書き換える処理を含む。
【0012】
本開示の一実施形態のコンピュータプログラムは、商用電源又は直流電力網と電力線を介して接続されており、車両に設けられた車載蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有した充放電装置のコンピュータに、通信網を介した通信を実行する通信部によって更新されたコンピュータプログラムを受信し、前記充放電装置が充放電の運転中である場合、充放電の運転を停止させ、運転停止後に、受信済みのコンピュータプログラムで、充放電の制御に係るコンピュータプログラムを書き換える処理を実行させる。
【0013】
本開示の充放電装置、充放電システム、プログラム書き換え方法、及びコンピュータプログラムでは、充放電装置が運転中であっても一旦運転を停止させて更新が実行される。
【0014】
本開示の一実施形態の充放電装置は、更新前のコンピュータプログラムを退避させる退避用記憶部を備え、前記更新処理部は、前記記憶部の書き換え前のコンピュータプログラムで、充放電の制御が実行されていた場合、前記退避用記憶部に退避させてから、書き換えを実行する。
【0015】
本開示の充放電装置では、書き換え前のコンピュータプログラムが退避用に記憶される。書き換え中に失敗した場合に、書き換え前のコンピュータプログラムに戻して運転を再開できる。
【0016】
本開示の一実施形態の充放電装置は、書き換え後のコンピュータプログラムに基づく充放電の制御でエラーが発生したか否かを判断し、エラーが発生したと判断された場合、充放電の運転を停止させ、前記退避用記憶部に退避させてある更新前のコンピュータプログラムで、前記記憶部のコンピュータプログラムを書き換える。
【0017】
本開示の充放電装置では、書き換え後のコンピュータプログラムでの充放電の制御にエラーが発生した場合、書き換え前のコンピュータプログラムに戻して運転を再開できる。書き換えによって不具合が発生した場合であっても、充放電の制御を継続させ、V2Xのインフラとしての機能を維持することができる。
【0018】
本開示の一実施形態の充放電装置は、前記更新処理部は、コンピュータプログラムの書き換えが完了した後に、停止させていた運転を再開させる。
【0019】
本開示の充放電装置では、コンピュータプログラムの書き換え後には、停止前に実行していた充放電を再開するから、プログラムの更新を実行した上で、充放電の継続が実現できる。
【0020】
本開示の一実施形態の充放電装置は、前記更新処理部は、前記商用電源又は直流電力網からの電力供給が停止しているか否かを判断し、停止していると判断された場合、前記電力供給が回復するまで、受信済みの更新されたコンピュータプログラムによる更新を待機する。
【0021】
本開示の充放電装置では、商用電源が停電しているか、又は直流電力網からの電力供給もない状況では更新を保留とし、放電が必要な場合にそれを阻害しない。電力供給が回復次第、更新を実行できる。
【0022】
本開示の一実施形態の充放電装置は、前記更新処理部は、前記商用電源又は直流電力網からの電力供給が停止しているか否かを判断し、停止していると判断された場合、更新されたコンピュータプログラムを受信済みであっても更新を不可とする。
【0023】
本開示の充放電装置では、停電中か、又は直流電力網からの電力供給もない状況では更新しないこととし、放電が必要な場合に、運転を停止して更新することによってその制御を阻害しない。
【0024】
本開示の一実施形態の充放電装置は、前記商用電源又は直流電力網からの電力供給が停止している場合、前記車載蓄電池からの放電中であるか否かを判断し、放電中であると判断された場合、更新を不可とし、放電中でないと判断された場合、更新を実行する。
【0025】
本開示の充放電装置では、停電中且つ放電中、即ち商用電源が停電しているか、又は直流電力網からの電力供給もない状況で車載蓄電池からの電力が必要なときに限って更新を不可とする。停電中であっても車載蓄電池又は装置内に備えられる蓄電池からの電力で更新が可能な場合に更新を実行できる。
【0026】
本開示の一実施形態の充放電装置は、前記更新処理部は、前記通信部から更新されたコンピュータプログラムを受信した場合、更新可否を受け付け、更新可が受け付けられた場合に、充放電の運転を停止して書き換えを実行する。
【0027】
本開示の充放電装置では、充放電装置の所有者又は管理者からの指示に従って更新を実行することにより、充放電装置のユーザが充電を開始しようとしているタイミングでの運転停止等を回避することができる。
【0028】
本開示の一実施形態の充放電装置は、前記更新処理部は、該充放電装置の運転状態に関するデータを取得し、取得したデータを、前記通信部から送信する。
【0029】
本開示の充放電装置では、充放電装置のコンピュータプログラムの自動受信が可能な通信部が備えられることによって、充放電装置における運転状態に関するデータを、充放電装置外で収集して利活用することが可能となる。
【0030】
本開示の一実施形態の充放電システムは、前記通信器は、複数の前記充放電装置と通信接続されており、前記通信器は、複数の前記充放電装置に対し、順次又は並行的に、受信済みのコンピュータプログラムによるプログラムの書き換えを実行する。
【0031】
本開示の充放電システムでは、1つの通信可能な通信器が、複数の充放電装置におけるコンピュータプログラムの更新処理を実行する。充放電装置にとって外部通信を行なう通信器の数を低減することでコストの抑制と確実なプログラムの書き換えとを両立させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、充放電装置が運転中であっても、運転を停止してプログラムの更新を実行する。運転中と更新タイミングとが合致してしまい、充放電を優先して更新ができなくなることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】充放電装置を含む充放電システムの概要図である。
図2】充放電装置及び車両の接続構成を示すブロック図である。
図3】通信器、サーバ装置及びクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図4】充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図5】充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図6】変形例1における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図7】変形例1における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図8】変形例2における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図9】変形例2における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図10】変形例3における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図11】変形例3における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図12】第2の実施形態における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図13】第2の実施形態における充放電装置のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。
図14】通信器におけるプログラム監視処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】第4の実施形態における通信器によるデータ送信処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】第2の実施形態における充放電システムの概要図である。
【0034】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0035】
(第1の実施形態)
図1は、充放電装置1を含む充放電システム200の概要図である。第1の実施形態における充放電システム200は、公共施設である駐車場に設置された蓄電装置22、発電装置23、及び、複数の充放電装置1を含む。電力系統Eからの供給電力は電力線PLにより、分電盤28で、蓄電装置22、発電装置23及び複数の充放電装置1を介して接続される車両Vへ分岐される。各充放電装置1は、分電盤28を介し、通信線CLによって上位装置29と接続されている。各充放電装置1は、通信器4と接続されている。通信器4は、所謂インターネットである公衆通信網Nを介し、充放電装置1の保守を担当事業者のサーバ装置5と無線通信(又は有線通信)によってデータの送受信が可能である。サーバ装置5は、公衆通信網Nを介し、各充放電装置1の所有者又は充放電装置1の管理者が使用するクライアント装置6とデータの送受信が可能である。
【0036】
上位装置29は、電力系統Eからの蓄電装置22、車両Vへの電力の授受、及び、発電装置23から蓄電装置22又は車両Vへの電力授受を制御する。第1の実施形態において上位装置29は、サーバ装置として外部に設けられ、地域の電力の授受を制御するものとして説明するが、分電盤28に設置されて駐車場及び駐車場に設置された蓄電装置22、発電装置23における発電充放電を制御するものであってもよい。上位装置29は、各充放電装置1に内蔵される上位制御装置であってもよい。
【0037】
充放電装置1は、家庭に設置されて車両Vへの充放電を上位装置29からの制御によって実施するものであってもよい。
【0038】
図2は、充放電装置1及び車両Vの接続構成を示すブロック図である。車両Vは、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle )である。
【0039】
車両Vは、その駆動に用いることが可能な大容量の蓄電装置30を備える。車両Vは、蓄電装置30に接続される電力線VPLへのコネクタ35と、蓄電装置30における充放電を制御する車載充放電制御装置32とを備える。電力線VPLには、車両V側の充放電回路に含まれるDCリレー33が介装されており、車載充放電制御装置32がDCリレー33のON及びOFFを制御する。コネクタ35には車載充放電制御装置32と通信接続するための通信端子が含まれている。
【0040】
充放電装置1は、充放電回路10、制御部11、車両通信部12、電源部13、操作部14、サーバ通信部17及び上位通信部16を備える。充放電回路10は、双方向インバータ、各種リレー等の多様な回路素子を含む。充放電回路10は、車両Vと接続するコネクタ15と接続されるDCリレー10aと、電力系統Eと接続される電力線PLに介装された解列リレー10bとを含む。充放電回路10は、DCリレー10aを介してコネクタ15と電力線PLによって接続されている。
【0041】
制御部11は、充放電回路10に含まれる回路素子を制御し、車両Vの蓄電装置30に対する充放電の切り替え、電流量、及び電圧量を制御する。制御部11はCPU(Central Processing Unit)及び不揮発性メモリを含み、CPUは不揮発性メモリに記憶されたコンピュータプログラム1Pに基づく制御処理を実行して充放電回路10を制御する。
【0042】
制御部11の不揮発性メモリに記憶されているコンピュータプログラム1Pは、コンピュータから読み取り可能な記憶媒体8に記憶されていたコンピュータプログラム8PをCPUが読み出してメモリに記憶したものであってもよい。
【0043】
車両通信部12は、コネクタ15及びコネクタ35を介して車載充放電制御装置32と通信接続が可能である。車両通信部12の通信接続のプロトコルは車両V、コネクタ15,35に対応する充放電方式に準拠していればよく、異なる充放電方式に適用するように複数のプロトコルに対応していずれかを選択的に実行できてもよい。本実施形態では車両通信部12は、CAN(Controller Area Network)によって車載充放電制御装置32と通信する。PLCによって通信が実現されてもよい。
【0044】
電源部13は、UPS(Uninterruptible Power Systems)回路及び起動用蓄電池を含み、制御部11へ電力を供給する。電源部13は、停電時には起動用蓄電池から充放電装置1の起動に必要な電力を供給する。電源部13は、電力系統E、発電装置23又は車両Vからの電力を起動用蓄電池に充電してもよい。
【0045】
操作部14は、ディスプレイ、ディスプレイ内蔵タッチパネル、及び物理ボタンを含み、充放電装置1の外装に露出してユーザからのSTART(起動)及びSTOP(終了)を含む操作を受け付ける。制御部11は、操作部14にて受け付けられた操作に基づいて充放電回路10を制御してもよい。操作部14は、ランプを含み、状態に応じた色又はパターンで点灯するように制御部11によって制御される。
【0046】
上位通信部16は、上位装置29と通信線CLを介して通信を実現する。上位通信部16は例えば、Ethernet(登録商標)に準拠した通信線CLに対応する通信モジュールであってもよいし、ECHONET /ECHONETLite (登録商標)対応の通信線CLに対応する通信モジュールであってもよい。上位通信部16は、PLCにより通信を実現してもよい。
【0047】
サーバ通信部17は、通信器4との通信接続が可能である。サーバ通信部17は、例えばEthernet(登録商標)に準拠した通信モジュールである。サーバ通信部17は、有線によって通信器4と接続される。サーバ通信部17は、無線通信モジュールであってもよい。制御部11は、サーバ通信部17を介して通信器4と通信接続が可能である。サーバ通信部17は、上位通信部16と同一の通信モジュールであって、異なるポートで通信接続相手が分別されてもよい。
【0048】
上述のように構成される充放電装置1の充放電回路10は、図1及び図2に示すように、コネクタ15が車両Vのコネクタ35と接続された状態において、DCリレー10a及び車両V側のDCリレー33を介して車両Vの蓄電装置30と電力線PLにより接続されている。充放電回路10は、図1及び図2に示すように、解列リレー10b及び分電盤28を介して電力系統E、及び連系機器(蓄電装置22、発電装置23等)と電力線PLによって接続されている。充放電装置1は、電力系統Eと、車両Vの蓄電装置30、及び連系機器との間の電力の授受を制御する。充放電回路10は、解列リレー10b、DCリレー10a、及びDCリレー33が全てONの状態の場合に、電力線PLを介して蓄電装置30の蓄電装置22への放電、又は電力系統Eからの充電を実施できる。
【0049】
図3は、通信器4、サーバ装置5及びクライアント装置6の構成を示すブロック図である。通信器4は、充放電装置1が外部ネットワークである事業者のサーバ装置5と通信接続を可能にするゲートウェイとして機能する。通信器4は、処理部40、記憶部43、第1通信部41及び第2通信部42を備える。通信器4は、通信線CLのみならず電力線PLでも充放電装置1と接続されており、充放電装置1の電源部13から電力の供給を受けて稼働する。
【0050】
処理部40はCPUを含み、記憶部43に記憶してある制御プログラム4Pに基づく制御処理を実行し、サーバ装置5と充放電装置1との間のデータの送受信を仲介する。
【0051】
記憶部43は、フラッシュメモリ又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリである。記憶部43は、処理部40が通信器4自身の制御のために読み出す制御プログラム4Pを記憶するほか、サーバ装置5から受信する充放電装置1向けのコンピュータプログラム1P,1P,…を記憶する。制御プログラム4Pは、コンピュータから読み取り可能な記憶媒体9に記憶されていた制御プログラム9PをCPUが読み出してメモリに記憶したものであってもよい。
【0052】
記憶部43には、プログラムの更新タイミングが書き換え可能に記憶される。更新タイミングは例えば指定された時間帯であって、充放電が行なわれないことが予想される午前2時から午前4時まで等であってもよい。更新タイミングは、時間帯の設定値のみならず、充放電装置1の状態に応じた設定値であってもよい。
【0053】
第1通信部41は、公衆通信網Nを介したサーバ装置5との通信接続を実現する通信モジュールである。第1通信部41は、具体的にはキャリア通信網N2へ通信接続する無線通信モジュールである。処理部40は、第1通信部41により、キャリア通信網N2及び公衆通信網Nを介してサーバ装置5と通信接続が可能である。
【0054】
第2通信部42は、充放電装置1との通信を実現する通信モジュールである。第2通信部42は、例えばEthernet(登録商標)に準拠した通信モジュールである。第2通信部42は、有線によって充放電装置1のサーバ通信部17と接続される。第2通信部42は、無線通信モジュールであってもよい。
【0055】
サーバ装置5は、充放電装置1のメーカ又は保守点検を実施する事業者によって管理されている。サーバ装置5は、充放電装置1向けのコンピュータプログラム1Pを記憶しており、適宜更新する。サーバ装置5は、1台のサーバコンピュータで実現されてもよいが、複数のコンピュータで分散されて実現されてもよい。サーバ装置5は、公衆通信網N及びキャリア通信網N2を介して通信器4及びクライアント装置6と通信接続が可能である。サーバ装置5は、Webブラウザ経由のインタフェースを有してクラウドサーバとして機能してもよい。
【0056】
クライアント装置6は、充放電装置1の所有者又は管理者が使用する通信端末装置である。クライアント装置6は例えばスマートフォンである。クライアント装置6は、処理部60、記憶部61、通信部62、表示部63及び操作部64を備える。
【0057】
処理部60は、CPU及び/又はGPU(Graphical Processing Unit)を含む。処理部60は、記憶部61に記憶されている各種プログラムを実行する。処理部60は、各種プログラムのうち、例えばWebブラウザプログラムを実行し、サーバ装置5で提供される充放電装置1による充放電に関する情報ページを表示部63に表示することができる。又は、処理部60は、各種プログラムのうち、例えばメッセージ用プログラムを実行し、サーバ装置5から所有者又は管理者向けのメッセージを取得し、メッセージを表示部63に表示することができる。
【0058】
通信部62は、公衆通信網N又はキャリア通信網N2に通信接続するための通信モジュールである。通信部62は、例えば無線通信モジュールである。
【0059】
表示部63は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部63は、操作画面を表示する。表示部63は、タッチパネル内蔵型ディスプレイであってもよい。
【0060】
操作部64は、処理部60との間で入出力が可能なユーザインタフェースである。操作部64は例えば、表示部63に内蔵されるタッチパネルである。操作部64は、物理ボタンであってもよい。操作部64は、音声入力部であってもよい。操作部64は、ユーザによる操作データを処理部60へ通知する。
【0061】
このように構成される充放電システム200では、充放電装置1向けのコンピュータプログラム1Pが更新されると、サーバ装置5に更新情報と共に更新後のコンピュータプログラム1Pが記憶され、各充放電装置1へ配信可能な状態となる。以下、説明を容易にするため、より新しいプログラムの符号「1P」に、アルファベット「 v」と、より大きい数字とを付加して表す。
【0062】
充放電装置1は、通信器4により、以下のフローチャートに示す処理手順でコンピュータプログラム1Pの更新を実行する。図4及び図5は、充放電装置1のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。制御部11は、起動中に以下の処理を継続して実行する。
【0063】
処理部40は、通信器4にて、更新されたコンピュータプログラム1Pが受信済みか否かを判断する(ステップS101)。
【0064】
通信器4は、新たなコンピュータプログラム1P、例えばコンピュータプログラム1Pv1に対するリクエストを第1通信部41からサーバ装置5へ送信する。サーバ装置5では、リクエストに対し、新たなコンピュータプログラム1Pv1がサーバ装置5にアップロード(登録)されるまでハング状態(待機)を維持する。サーバ装置5は、コンピュータプログラム1Pv1がアップロードされると、ハング状態にしていた通信接続においてリクエストに対してコンピュータプログラム1Pv1(プログラムデータ及び更新用スクリプト等を含む)を通信器4へ送信する。通信器4は、新たなコンピュータプログラム1Pv1を第1通信部41により受信すると、記憶部43に記憶する。通信器4の処理部40は、記憶したコンピュータプログラム1Pをバージョン情報が識別できるように記憶しておくとよい。次のコンピュータプログラム1Pv2に対するリクエストを第1通信部41からサーバ装置5へ送信して待機する(ロングポーリング)。これにより、更新がされていない間に通信器4から更新の有無を問い合わせるポーリングを行なわないので、通信量を最低限とすることができる。
【0065】
ステップS101で、更新されたコンピュータプログラム1Pを受信していないと判断された場合(S101:NO)、処理部40は、処理をステップS101へ戻し、更新プログラムを受信するまで待機する。
【0066】
ステップS101で、更新されたコンピュータプログラム1Pを受信したと判断された場合(S101:YES)、処理部40は、予め設定されている更新タイミングであるか否かを判断する(ステップS102)。更新タイミングは、記憶部43に、書き換え可能に記憶されている。
【0067】
ステップS102で、更新タイミングでないと判断された場合(S102:NO)、処理部40は、処理をステップS102へ戻し、更新可能タイミングであると判断されるまで待機する。
【0068】
ステップS102で、更新タイミングであると判断された場合(S102:YES)、処理部40は、充放電装置1が充放電中であっても停止してプログラムの更新を行なう。そのため処理部40は、充放電の運転中であるか否かを判断する(ステップS103)。運転中であると判断された場合(S103:YES)、処理部40は、制御部11に対して運転を正常停止(boot指示)させ(ステップS104)、コネクタ15及びコネクタ35の間のロックをOFFさせ(ステップS105)、処理をステップS106へ進める。ステップS105において処理部40は、制御部11へロックOFFのリクエストを送信する。ロックが既にOFF(解除状態)である場合には、ステップS105の処理は省略されてよい。ステップS104の後、実際に運転が停止されたか否かを確認する処理を実行してもよい。
【0069】
ステップS103で運転中でないと判断された場合(S103:NO)、停止処理が不要であるから、処理部40は、処理をステップS105へ進める。なおステップS103で運転中であるか否かの判断を省略し、停止しているか否かに拘わらず停止させる処理(S104)を実行してもよい。
【0070】
処理部40は、プログラム更新開始の通知を上位通信部16から上位装置29へ送信させる(ステップS106)。処理部40は、プログラム更新開始の通知メッセージを操作部14のディスプレイに表示させる(ステップS107)。
【0071】
ステップS104-S107の処理は、処理部40から充放電装置1の制御部11へ、プログラムの更新を開始する通知を行なうと、制御部11によって実行される。制御部11は、サーバ通信部17によって通知を受けると、更新処理を開始する。制御部11は、メモリに更新タイミングを記憶しておき、更新タイミングが到来した場合には自律的に充放電の運転を停止し、更新のための処理を開始してもよい。
【0072】
以後、充放電装置1の操作部14では、プログラム更新中を示す出力をするとよい。操作部14のディスプレイに「更新中」のメッセージを表示させるか、操作部14のランプを点滅させてもよい。処理部40は、サーバ装置5を介してクライアント装置6へプログラム更新開始を通知してもよい。以後、プログラム更新完了又はプログラム更新失敗の通知を受けるまで、サーバ装置5では更新中の状態を保持する。サーバ装置5は、クライアント装置6から状態取得がリクエストされた場合に、表示部63にプログラム更新中の状態を示す画像及び/又はテキストが表示されてもよい。
【0073】
処理部40は、従来、充放電を正常に実施した実績のある従来のコンピュータプログラム1Pを記憶部43に退避させる(ステップS108)。ステップS108において処理部40は、従来のコンピュータプログラム1Pの内の最も新しいコンピュータプログラム1Pを記憶しておいてもよいし、更新されたコンピュータプログラム1Pを複数世代にわたって、バージョン情報と対応付けて記憶しておいてもよい。
【0074】
処理部40は、更新された新たなコンピュータプログラム1Pのインストール(メモリへの書き込み)を開始する(ステップS109)。ステップS109の処理は具体的には、処理部40は、第2通信部42からFTP(File Transfer Protocol)によってコンピュータプログラム1Pを充放電装置1へ送信する。
【0075】
処理部40は、書き込み中にフォーマット異常を検知したか否かを判断する(ステップS110)。フォーマット異常を検知しないと判断された場合(S110:NO)、処理部40は、書き込みが完了したか否かを判断する(ステップS111)。ステップS111で書き込みが完了しないと判断された場合(S111:NO)、処理部40は処理をステップS110へ戻す。
【0076】
ステップS111で書き込みが完了したと判断された場合(S111:YES)、処理部40は、プログラム更新完了の通知を上位通信部16から上位装置29へ送信させる(ステップS112)。処理部40は、プログラム更新完了の通知メッセージを操作部14のディスプレイに表示させる(ステップS113)。処理部40は、更新が完了したコンピュータプログラム1Pのバージョン情報を記憶部43にログとして記憶しておく(ステップS114)。
【0077】
ステップS112及びステップS113において処理部40は、書き込みが完了したところで、制御部11へ起動(boot)指示を送る。起動した制御部11は、新たなコンピュータプログラム1Pを正常に起動できた場合に、プログラム更新完了の通知を上位装置29へ、並びに操作部14へのディスプレイへ表示する。
【0078】
処理部40は、サーバ装置5へ、インストールの完了を、充放電装置1の識別データ(又は通信器4のアドレス等の識別データ)を対応付けて通知する(ステップS115)。ステップS115において処理部40は、インストール完了したコンピュータプログラム1Pのバージョン情報を共に送信してもよい。これにより、サーバ装置5は、充放電装置1の識別データに対応付けて記憶されている所有者又は管理者のクライアント装置6あての通知ページ又は通知メッセージを送信する。上位装置29から、充放電装置1の所有者又は管理者向け(クライアント装置6)にプログラム更新完了の通知がされてもよい。
【0079】
処理部40は、上位装置29からの制御を受けて充放電を実施するため、コネクタ15及びコネクタ35のロックをONとさせる(ステップS116)。処理部40は、車両Vの車載充放電制御装置32との間の通信接続を確立させ(ステップS117)、待機状態となってプログラム更新処理を終了する。
【0080】
ステップS110でフォーマット異常を検知したと判断した場合(S110:YES)、処理部40は、退避させていた従来のコンピュータプログラム1Pの書き込み(再インストール)を開始する(ステップS118)。
【0081】
処理部40は、再インストールが完了したか否かを判断する(ステップS119)。ステップS119で再インストールが完了しないと判断された場合(S119:NO)、処理部40は処理をステップS119へ戻す。
【0082】
ステップS119で再インストールが完了したと判断された場合(S119:YES)、処理部40は、プログラム更新失敗の通知を上位通信部16から上位装置29へ送信させる(ステップS120)。処理部40は、プログラム更新失敗の通知メッセージを操作部14のディスプレイに表示させる(ステップS121)。処理部40は、処理をステップS116へ進め、従来のコンピュータプログラム1Pに基づく充放電制御を再開させる。
【0083】
ステップS120及びS121においても処理部40は、書き込みが完了したところで(S119:YES)、制御部11へ起動(boot)指示を送る。起動した制御部11は、従来のコンピュータプログラム1Pに基づき、プログラム更新失敗の通知を上位装置29へ、並びに操作部14へのディスプレイへ表示する。
【0084】
図4及び図5のフローチャートは、充放電装置1に車両Vが接続された状態であることを前提として説明した。車両Vが接続されていない場合に制御部11は、コネクタ15,35のロックのON/OFF、運転停止等を実行することなく、コンピュータプログラム1Pの更新を行なう。
【0085】
このように、運転中であっても停止させて更新プログラムの書き込みを実行する。これにより、運転中と更新タイミングとが合致してしまい、更新ができなくなることを回避することができる。また、プログラム更新がフォーマット異常等で完了できなかった場合、充放電を実施していた実績のある従来のコンピュータプログラム1Pに戻して運転開始状態に復帰することができる。
【0086】
(変形例1)
フォーマット異常を検知することに代替して、充放電装置1の制御部11が、書き込みが完了した場合にこれを通知し、処理部40が受信できた場合には新たなコンピュータプログラム1Pによるインストールが可能と判断してインストールが完了したと判断するようにしてもよい。
【0087】
図6及び図7は、変形例1における充放電装置1のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。図6及び図7のフローチャートに示す処理手順の内、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0088】
処理部40は、ステップS109で更新後のコンピュータプログラム1Pのインストールを開始した後、充放電装置1の制御部11から書き込み完了の通知を受けたか否かを判断する(ステップS131)。ステップS131において処理部40は、予め設定した時間(書き込みが完了する時間)以内に、書き込み完了の通知を受けたか否かを判断する。
【0089】
書き込み完了の通知を受けたと判断された場合(S131:YES)、正常に書き込みができたとして処理をステップS112へ進める。
【0090】
書き込み完了の通知を受けなかったと判断された場合(S131:NO)、正常に書き込みができなかったとして処理をステップS118へ進める。
【0091】
(変形例2)
変形例2では、停電が発生していないか否かを確認する。図8及び図9は、変形例2における充放電装置1のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。図8及び図9のフローチャートに示す処理手順の内、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0092】
ステップS103の運転中であるか否かの判断の前後、ここでは上位装置29からの運転中であると判断された場合に(S103:YES)、処理部40は、停電中であるか否かを判断する(ステップS141)。停電中であるか否かは、電力系統Eからの電力供給が停止しているか否かに該当する。処理部40は、電力系統Eのみならず、直流電力網に接続されている場合には、直流電力網からの電力供給も含め、電力供給が停止しているか否かを判断してもよい。ステップS141において処理部40は、停電中であるか否かを、充放電装置1が電源部13の起動用蓄電池で稼働しているか否かで判断してもよい。また処理部40は、接続されている車両Vからの放電中であるか否かで判断してもよい。
【0093】
ステップS141で停電中であると判断された場合(S141:YES)、処理部40は、車両Vから放電中であるか否かを判断する(ステップS142)。車両Vから放電中の場合には(S142:YES)、停電中であって車両Vからの電力で、地域の負荷を動かしている可能性がある。したがってこの場合、処理部40は、更新を行なわずに処理を終了させる。
【0094】
ステップS141で停電中であると判断された場合(S141:YES)、放電中か否かに拘わらず、更新を行なわずに処理を終了してもよい。停電中は、どのようなタイミングで放電を指示されるかが不明なためである。ステップS141で停電中であると判断された場合(S141:YES)、処理部40は更新を保留、即ち更新処理については待機状態であることをメモリに記憶しておき、電力供給が回復次第、S104以降の処理を実行して更新を完了させてもよい。
【0095】
ステップS103の運転中か否かの判断を省略し、停電且つ放電中であるかを判断し、停電且つ放電中ではないと判断された場合は、充放電が運転中か否かに拘わらず、充放電を停止させる処理(S104)を実行してもよい。
【0096】
ステップS142において処理部40は、放電中でないと判断された場合(S142:NO)、電源部13の蓄電池からの電力又は車両Vの蓄電装置30からの電力供給によってステップS104以降の処理で更新を実行する。処理部40は、車両Vの蓄電装置30からの電力供給によって更新を実行する場合、ステップS105のコネクタ15,35のロックのOFFを逆にロックのONとする必要がある。
【0097】
ステップS141で停電中でないと判断された場合(S141:NO)、処理部40は、処理をステップS104へ進める。
【0098】
運転中でないと判断された場合(S103:NO)、処理部40は、処理をステップS105へ進め、停電中である場合には、電源部13の蓄電池からの電力又は車両Vの蓄電装置30からの電力供給によって更新を実行するとよい。なお、車両Vの蓄電装置30からの電力供給によって更新する場合には、上述したようにステップS105のコネクタ15,35のロックのOFFを逆にロックのONとする必要がある。
【0099】
このように、停電時に、特に車両Vの蓄電装置30からの放電中は運転を停止させず、それ以外では運転を停止させても、新たなコンピュータプログラム1Pへの更新を実行することができる。
【0100】
(変形例3)
変形例3では、充放電装置1は、上位装置29からの指示で運転していない場合、更新後は元の運転状態(充電又は放電)に復帰する。図10及び図11は、変形例3における充放電装置1のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。図10及び図11のフローチャートに示す処理手順の内、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0101】
変形例3では、処理部40は、ステップS117で車載充放電制御装置32との間の通信接続を、充放電装置1に確立させた後、待機状態ではなく、ステップS104の停止前の運転(充電又は放電)を開始し(ステップS151)、プログラム更新処理を終了する。
【0102】
これにより、充放電装置1のプログラムの更新及び運転の継続を直ちに実現することが可能である。
【0103】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、充放電装置1の所有者又は管理者へ、コンピュータプログラム1Pの更新の実行可否を問い合わせる。第2の実施形態における充放電システム200の構成は、以下に説明する更新処理手順以外には、第1の実施形態と同様であるから、共通する構成に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0104】
図12及び図13は、第2の実施形態における充放電装置1のプログラム更新手順の一例を示すフローチャートである。図12及び図13のフローチャートに示す処理手順の内、第1の実施形態の図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
ステップS102で更新タイミングであると判断された場合(S102:YES)、処理部40は、充放電装置1の所有者又は管理者への更新の可否の問い合わせる(ステップ161)。ステップS161で処理部40は、充放電装置1の操作部14のディスプレイに更新可否の問い合わせのメッセージを表示させ、ディプレイ内蔵のタッチパネル又は物理ボタンにて更新の可否を受け付ける。
【0106】
ステップS161において処理部40は、サーバ装置5へ、クライアント装置6に問い合わせのメッセージを送信するように指示してもよい。キャリア通信網N2との通信が可能であるから、直接的に、クライアント装置6へ、メッセージ(電子メール又はメッセージアプリ)を送信してもよい。またステップS151において処理部40は、記憶部43に予め書き換え可能に記憶しておいた所有者又は管理者のいずれに問い合わせるからの設定に基づいて実行するとよい。
【0107】
処理部40は、ステップS161の問い合わせに対して更新が可であるか否かを判断する(ステップS162)。ステップS162において処理部40は、充放電装置1から、操作部14にて可に対応するディスプレイ上のエリア、又は物理ボタンが選択された場合に、可と判断する。又は、クライアント装置6へのメッセージ(サーバ装置5から提供された通知画面)に対してクライアント装置6で受け付けられた操作が「可が選択」であった場合に、可と判断する。
【0108】
ステップS161及びステップS162の処理については、予め、問い合わせをせずに実行するか否かの設定を所有者又は管理者から受け付けて記憶部43に記憶しておき、問い合わせをせずに実行しない、ことが設定されている場合に実行されてもよい。
【0109】
ステップS162で更新が可と判断された場合(S162:YES)、処理部40は、ステップS104へ処理を進め、運転中であれば運転を停止させ(S104)、コネクタ15,35がロックされている場合にはロックを解除し(S105)、更新処理を実行する。処理部40は、更新前の状態(運転中であったか否か、ロック状態等)をメモリに記憶しておき、更新完了後に更新前の状態に復帰するとよい。運転が停止されている場合には停止したまま、上位装置29からの指示に基づく運転中であった場合には指示が来るまで待機状態へ、上位装置29からの指示に基づかずに充電中であった場合には充電を再開するとよい。
【0110】
ステップS152で更新が不可と判断された場合(S162:NO)、処理部40はプログラム更新処理をそのまま終了させる。
【0111】
このように、運転停止中であっても更新の可否を所有者又は管理者へ問い合わせてから更新を行ない、所有者又は管理者が充電を行なうつもりだった等の個別の事情に合わせることも可能である。なお、更新不可が所定回数以上選択された場合に通信器4、又はサーバ装置5は、更新タイミングの変更を所有者又は管理者へ促すか、更新を勧めるメッセージを所有者又は管理者へ通知するようにしてもよい。
【0112】
(第3の実施形態)
更新後のプログラムでの稼働開始後に、エラーが発生した場合には、充放電を実施していた実績のある従来のコンピュータプログラム1Pに戻す。第3の実施形態における充放電システム200の構成は、以下に説明する処理内容が加えられる以外に第1の実施形態における構成と同様であるから、共通する構成に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0113】
コンピュータプログラム1Pの更新が成功して充放電装置1における運転が再開された後、通信器4は、新たな更新プログラムに対するリクエストをサーバ装置5へ送信した後、以下に示す処理を継続的に、例えば充放電が行なわれる都度、実施する。
【0114】
図14は、通信器4におけるプログラム監視処理手順の一例を示すフローチャートである。処理部40は、充放電装置1における充放電でエラー発生を検知したか否かを判断する(ステップS201)。エラー発生を検知しないと判断された場合(S201:NO)、処理部40はそのまま処理を終了する。
【0115】
ステップS201でエラー発生を検知したと判断された場合(S201:YES)、処理部40は、充放電を実行している充放電装置1の処理の元となるコンピュータプログラム1Pのバージョン情報を特定する(ステップS202)。処理部40は、充放電装置1の運転を停止(異常停止)させ(ステップS203)、コネクタ15及びコネクタ35の間のロックをOFFさせる(ステップS204)。
【0116】
処理部40は、プログラム更新開始の通知を上位通信部16から上位装置29へ送信させる(ステップS205)。処理部40は、プログラム更新開始の通知メッセージを操作部14のディスプレイに表示させる(ステップS206)。
【0117】
処理部40は、記憶部43に記憶してある充放電を正常に実施した実績のある従来のコンピュータプログラム1Pを読み出す(ステップS207)。処理部40は、読み出した従来のコンピュータプログラム1Pの再インストール(メモリへの書き込み)を開始する(ステップS208)。ステップS208の処理は具体的には、処理部40は、第2通信部42からFTPによってコンピュータプログラム1Pを充放電装置1へ送信する。
【0118】
処理部40は、再インストールが完了したか否かを判断する(ステップS209)。ステップS209で再インストールが完了しないと判断された場合(S209:NO)、処理部40は処理をステップS209へ戻す。
【0119】
ステップS209で再インストールが完了したと判断された場合(S209:YES)、処理部40は、プログラム更新完了の通知を上位通信部16から上位装置29へ送信させる(ステップS210)。処理部40は、プログラム更新完了の通知メッセージを操作部14のディスプレイに表示させる(ステップS211)。ステップS210及びS211において処理部40は、バージョン情報を対応付けて送信し、従来のコンピュータプログラム1Pの書き込みが完了したことを送信、表示させてもよい。ステップS210及びステップS211では、処理部40は、書き込みが完了したところで(S209:YES)、制御部11へ起動(boot)指示を送って実現する。
【0120】
処理部40は、上位装置29からの制御を受けて充放電を実施するため、充放電装置1にてコネクタ15及びコネクタ35のロックをONとさせる(ステップS212)。処理部40は、車両Vの車載充放電制御装置32との間の通信接続を確立させ(ステップS213)、待機状態とさせる。
【0121】
処理部40は、サーバ装置5へ、ステップS202で特定したエラー発生が検知されたコンピュータプログラム1Pのバージョン情報と、再インストールした従来のコンピュータプログラム1Pのバージョン情報とを含む、再インストール完了通知を送信する(ステップS214)。処理部40は、インストールの履歴ログを記憶し(ステップS215)、処理を終了する。
【0122】
これにより、最新のコンピュータプログラム1Pv1に更新された充放電装置1にて、最新のコンピュータプログラム1Pに基づく支障、又は個別の事象でエラーが発生し、充放電ができなかった場合に、従来のコンピュータプログラム1Pv0に戻して充放電を継続することができる。
【0123】
サーバ装置5では、複数の通信器4から、不具合の発生の通知を受信した場合、サーバ装置5の管理者へ通知して、更新されたコンピュータプログラム1Pの検証をさせることができる。
【0124】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、通信器4がデータを収集してサーバ装置5へ送る。第4の実施形態における充放電システム200の構成は、以下に説明する処理内容が加えられる以外に第1の実施形態における構成と同様であるから、共通する構成に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0125】
図15は、第4の実施形態における通信器4によるデータ送信処理手順の一例を示すフローチャートである。通信器4は、充放電装置1から電力の供給を受けて起動している間、継続的に以下の処理手順を実行してもよいし、1日に1度、1週間に1度等、予め設定されたタイミングで以下の処理手順を実行してもよい。以下のフローチャートに示す処理手順は、通信器3ではなく充放電装置1の制御部11が主体的に実行してもよい。
【0126】
通信器4の処理部40は、充放電装置1が運転を開始したか否かを判断する(ステップS301)。ステップS301で運転が開始されないと判断された場合(S301:NO)、処理部40は、処理をステップS301へ戻して運転が開始されるまで待機する。
【0127】
運転を開始したと判断された場合(S301:YES)、処理部40は、充電であるか放電であるかを特定し(ステップS302)、充放電が切り替わったか否かを判断する(ステップS303)。充放電が切り替わっていないと判断された場合(S303:NO)、処理部40は、運転が停止したか否かを判断する(ステップS304)。
【0128】
運転が停止していないと判断された場合(S304:NO)、処理部40は、充電又は放電が実行されている間の、充放電装置1の運転状態のデータを充放電装置1から取得し、記憶する(ステップS305)。ステップS305において処理部40は、充放電回路10におけるファンの回転数等、電力等を取得する。処理部40は、処理をステップS303へ戻す。
【0129】
充放電が切り替わったと判断された場合(S303:YES)、処理部40は、それまで実行されていた充電又は放電の時間を特定し、記憶する(ステップS306)。処理部40は、ステップS305へ進める。
【0130】
運転が停止したと判断された場合(S304:YES)、処理部40は、その運転の開始から終了までの充放電装置の運転に関して記憶したデータを、サーバ装置5へ、充放電装置1を識別するデータ(通信器4の識別データ)と対応付けて送信する(ステップS307)。データ送信後、処理部40は、処理を終了する。
【0131】
このようにして、通信器4を充放電装置1に加えることによって、充放電のデータを集めてサーバ装置5へ送信し、収集させることができる。充放電装置1の稼動状態を示すファンの回転数等のデータをサーバ装置5へ送信することにより、サーバ装置5では、各充放電装置1の稼動履歴を時系列に観察するデータを作成することができる。充放電装置1の予防保全のために、これらのデータを充放電装置1の所有者、管理者、又は保守担当者が確認できる。
【0132】
充放電装置1のプログラム更新のために保守作業者が現地へ赴く必要がないばかりでなく、充放電装置1の故障が予見される場合のみに保守作業者が充放電装置1の設置場所へ赴けばよい、といった保守作業の効率化を図ることができる。
【0133】
充放電装置1における運転状態のデータがサーバ装置5で収集できることにより、不特定多数の車両Vが接続される充放電装置1の運転状況の特性等を分析するなどして、V2Xの的確な運転、最適化に必要なデータ等を利活用することが期待される。
【0134】
また、通信器4に環境データ(温度、湿度、天候等)を取得するセンサを備え、これらのセンサで取得できるデータを、充放電装置1の稼動データと共にサーバ装置5へ送信してもよい。充放電装置1は不特定多数の車両Vが接続される。車両Vの車種を各々識別できる場合には、車種毎に充放電における運転状況を示すデータをサーバ装置5で収集してもよい。充放電装置1の充放電のデータと各種センサとを対応付けてサーバ装置5で収集できることにより、V2Xの適格な運転、最適化に必要なデータの利活用が期待できる。
【0135】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、通信器4は、複数の充放電装置1に対して処理を実行する。図16は、第2の実施形態における充放電システム200の概要図である。
【0136】
図16に示すように、第5の実施形態では、通信器4は、同一の場所、施設に設置されている複数の充放電装置1に対して1つで、プログラムの更新を実行してもよい。この場合、充放電装置1は、有線又は無線を介し、各々のサーバ通信部17によって、同一の通信器4に接続される。充放電装置1及び通信器4自体の構成は、第1の実施形態と同様であるから、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0137】
通信器4はゲートウェイとして機能するから、第5の実施形態では、複数の充放電装置1を各々識別データで識別することによって、第1の実施形態と同様の処理を実行することが可能である。通信器4は、第1の実施形態に示した図4及び図5のフローチャートに示した処理手順を、複数の充放電装置1に対し、順次又は並行的に実行すればよい。
【0138】
複数の充放電装置1に対して1つの通信器4とすることによって、通信器4の数を最小限に抑えてコストを低減させることができる。第5の実施形態でも、第2~第4の実施形態に示したような処理が実行できる。複数の充放電装置1の内のいずれか1つをマスタとし、マスタの充放電装置1に対する更新タイミングの設定を基準に、他の充放電装置1へ適用してもよい。マスタの充放電装置1でエラー発生が検知された場合には、同一箇所に設置されている複数の充放電装置1へ、従来のコンピュータプログラム1Pを再インストールするなどの制御を行なってもよい。
【0139】
同一の場所又は施設に設置された複数の充放電装置1に対し、第4の実施形態に示したように、データを収集してもよい。同一の場所又は施設毎にデータを収集することによって使用環境による電力の需要供給に応じた適切な充放電制御に利活用することが期待される。
【0140】
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0141】
1 充放電装置
10 充放電回路
11 制御部
12 車両通信部
14 操作部
16 上位通信部
1P コンピュータプログラム
V 車両
29 上位装置
4 通信器(更新処理部)
40 処理部
43 記憶部
4P 制御プログラム
5 サーバ装置
6 クライアント装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16