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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】タッチセンサユニット
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20241112BHJP
   E05F 15/42 20150101ALI20241112BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20241112BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B60J5/00 D
E05F15/42
H01H13/14 Z
F16B19/00 E
F16B19/00 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021015779
(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公開番号】P2022118929
(43)【公開日】2022-08-16
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大▲崎▼ 悠生
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 智弘
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-014164(JP,A)
【文献】特開2017-206957(JP,A)
【文献】特開2019-145466(JP,A)
【文献】特開2016-204853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0267914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00
E05F 15/42
H01H 13/14
F16B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる開口部と当該開口部を開閉する開閉体との一方に設置されるタッチセンサユニットであって、
長尺のセンサ本体を有するタッチセンサと、
前記タッチセンサを前記センサ本体の長手方向にわたって保持し、前記開口部と前記開閉体との一方に固定されるブラケットと、を備え、
前記タッチセンサ及び前記ブラケットの一方は、係止片を有する挿入部を備え、
前記タッチセンサ及び前記ブラケットの他方は、前記係止片に係止する係止部を有する保持部であって前記挿入部を収容する保持部を備え、
前記挿入部及び前記保持部の一方は、他方よりも弾性率の低いエラストマーであり、
前記タッチセンサは、エラストマーによって構成される前記挿入部を備え、
前記ブラケットは、前記保持部を備え、
前記保持部に対する前記挿入部の挿入方向及び前記長手方向の両方向と直交する方向を幅方向としたとき、
前記保持部は、前記長手方向に延びる底壁と、前記底壁の前記幅方向における両端部から前記挿入方向の逆方向にそれぞれ延びる第1側壁及び第2側壁と、を有し、
前記係止部は、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第1側壁の先端部から前記第2側壁に向けて延びる複数の第1係止部と、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第2側壁の先端部から前記第1側壁に向けて延びる複数の第2係止部と、を有し、
複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部は、前記幅方向にそれぞれ対向して位置し、
前記底壁は、複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部と前記挿入方向に重なる部分に複数の貫通孔を有する
タッチセンサユニット。
【請求項2】
車両に設けられる開口部と当該開口部を開閉する開閉体との一方に設置されるタッチセンサユニットであって、
長尺のセンサ本体を有するタッチセンサと、
前記タッチセンサを前記センサ本体の長手方向にわたって保持し、前記開口部と前記開閉体との一方に固定されるブラケットと、を備え、
前記タッチセンサ及び前記ブラケットの一方は、係止片を有する挿入部を備え、
前記タッチセンサ及び前記ブラケットの他方は、前記係止片に係止する係止部を有する保持部であって前記挿入部を収容する保持部を備え、
前記挿入部及び前記保持部の一方は、他方よりも弾性率の低いエラストマーであり、
前記タッチセンサは、エラストマーによって構成される前記挿入部を備え、
前記ブラケットは、前記保持部を備え、
前記保持部に対する前記挿入部の挿入方向及び前記長手方向の両方向と直交する方向を幅方向としたとき、
前記保持部は、前記長手方向に延びる底壁と、前記底壁の前記幅方向における両端部から前記挿入方向の逆方向にそれぞれ延びる第1側壁及び第2側壁と、を有し、
前記係止部は、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第1側壁の先端部から前記第2側壁に向けて延びる複数の第1係止部と、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第2側壁の先端部から前記第1側壁に向けて延びる複数の第2係止部と、を有し、
複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部は、前記長手方向にそれぞれずれて位置し、
前記底壁は、複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部と前記挿入方向に重なる部分に複数の貫通孔を有する
ッチセンサユニット。
【請求項3】
前記タッチセンサが前記ブラケットに装着される状態において、前記センサ本体は、前記係止片とともに複数の前記第1係止部を挟む第1弾性片と、前記係止片とともに複数の前記第2係止部を挟む第2弾性片と、を有する
請求項又は請求項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項4】
前記保持部は、前記底壁から前記挿入方向に延びる立設壁と、前記立設壁の先端から前記挿入方向と交差する方向に延びる係止壁と、を有し、
前記貫通孔を第1貫通孔としたとき、
前記底壁は、複数の前記係止壁と前記挿入方向に重なる部分に第2貫通孔を有する
請求項~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項5】
複数の前記第1係止部の先端面は、前記挿入方向に進むにつれて前記第2側壁に近付くように傾斜する第1傾斜面を有し、
複数の前記第2係止部の先端面は、前記挿入方向に進むにつれて前記第1側壁に近付くように傾斜する第2傾斜面を有する
請求項~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項6】
前記センサ本体の前記挿入部の先端と、前記ブラケットの前記底壁との間には隙間が設けられている
請求項~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項7】
前記第1側壁の先端面を第1端面とし、前記第2側壁の先端面を第2端面としたとき、
前記第1係止部は、当該第1係止部の先端面と前記第1端面とを接続する第1接続面を有し、
前記第2係止部は、当該第2係止部の先端面と前記第2端面とを接続する第2接続面を有し、
前記第1接続面は、少なくとも前記第1係止部の先端面と接続する部分が前記第1端面よりも前記挿入方向に凹み、
前記第2接続面は、少なくとも前記第2係止部の先端面と接続する部分が前記第2端面よりも前記挿入方向に凹む
請求項~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項8】
前記センサ本体は、絶縁性を有するエラストマーによって構成される筒状部と、前記筒状部の内部に前記長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置される第1導電部及び第2導電部と、を有し、
前記挿入部は、前記筒状部よりも弾性率が高い
請求項~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項9】
前記センサ本体は、絶縁性を有するエラストマーによって構成される筒状部と、前記筒状部の内部に前記長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置される第1導電部及び第2導電部と、を有し、
前記挿入部と前記筒状部とは、色が異なる
請求項~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【請求項10】
前記挿入部は、前記長手方向にわたって中空状をなしている
請求項1~請求項の何れか一項に記載のタッチセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体のドア開口部を開閉するバックドア及びスライドドアなどの開閉体に組み付けられ、閉作動する開閉体と物体との接触を検出するタッチセンサユニットが知られている。例えば、特許文献1には、開閉体の周縁に沿って設置されるブラケットと、ブラケットに支持される長尺のタッチセンサと、を備えるタッチセンサユニットが記載されている。さらに、特許文献1には、別体に構成したタッチセンサをブラケットに取り付ける際に、接着テープなどを用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-174633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなタッチセンサユニットのように、タッチセンサの取り付けに接着テープなどを用いると、取付作業に要する時間が増大したり、タッチセンサの取付位置にバラツキが生じたりしやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するタッチセンサユニットは、車両に設けられる開口部と当該開口部を開閉する開閉体との一方に設置されるタッチセンサユニットであって、長尺のセンサ本体を有するタッチセンサと、前記タッチセンサを前記センサ本体の長手方向にわたって保持し、前記開口部と前記開閉体との一方に固定されるブラケットと、を備え、前記タッチセンサ及び前記ブラケットの一方は、係止片を有する挿入部を備え、前記タッチセンサ及び前記ブラケットの他方は、前記係止片に係止する係止部を有する保持部であって前記挿入部を収容する保持部を備え、前記挿入部及び前記保持部の一方は、他方よりも弾性率の低いエラストマーである。
【0006】
上記構成のタッチセンサユニットにおいて、タッチセンサがブラケットに対して押し込まれる場合、例えば、挿入部が保持部に押し込まれる場合には、挿入部及び保持部の一方が弾性変形する。その結果、挿入部が保持部に収容され、挿入部の係止片が保持部の係止部に係止する。こうして、タッチセンサがブラケットに装着される。以上より、タッチセンサユニットは、タッチセンサのブラケットに対する装着性を向上できる。
【0007】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記タッチセンサは、エラストマーによって構成される前記挿入部を備え、前記ブラケットは、前記保持部を備えることが好ましい。
上記構成のタッチセンサユニットは、タッチセンサの挿入部をエラストマーで構成する点で、ブラケットを硬質な材料で構成できる。すなわち、タッチセンサユニットは、開口部及び開閉体の一方に固定される点で強度の要求されるブラケットを硬質な材料で構成できる。
【0008】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記保持部に対する前記挿入部の挿入方向及び前記長手方向の両方向と直交する方向を幅方向としたとき、前記保持部は、前記長手方向に延びる底壁と、前記底壁の前記幅方向における両端部から前記挿入方向の逆方向にそれぞれ延びる第1側壁及び第2側壁と、を有し、前記係止部は、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第1側壁の先端部から前記第2側壁に向けて延びる複数の第1係止部と、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第2側壁の先端部から前記第1側壁に向けて延びる複数の第2係止部と、を有し、複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部は、前記幅方向にそれぞれ対向して位置し、前記底壁は、複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部と前記挿入方向に重なる部分に複数の貫通孔を有することが好ましい。
【0009】
上記構成のブラケットの保持部において、底壁は、第1係止部及び第2係止部と挿入方向に重なる部分に貫通孔を有する。このため、ブラケットの保持部にアンダーカットが生じないようにできる。さらに、上記構成のブラケットは、幅方向に第1係止部及び第2係止部が並ぶ。このため、第1係止部と挿入方向に重なる貫通孔と、当該第1係止部と幅方向に並ぶ第2係止部と挿入方向に重なる貫通孔と、を一体にすることが可能となる。この場合、タッチセンサユニットは、底壁に設ける貫通孔の数を少なくできる。
【0010】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記保持部に対する前記挿入部の挿入方向及び前記長手方向の両方向と直交する方向を幅方向としたとき、前記保持部は、前記長手方向に延びる底壁と、前記底壁の前記幅方向における両端部から前記挿入方向の逆方向にそれぞれ延びる第1側壁及び第2側壁と、を有し、前記係止部は、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第1側壁の先端部から前記第2側壁に向けて延びる複数の第1係止部と、前記長手方向に間隔をあけた状態で、前記第2側壁の先端部から前記第1側壁に向けて延びる複数の第2係止部と、を有し、複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部は、前記長手方向にそれぞれずれて位置し、前記底壁は、複数の前記第1係止部及び複数の前記第2係止部と前記挿入方向に重なる部分に複数の貫通孔を有することが好ましい。
【0011】
上記構成のブラケットの保持部において、底壁は、第1係止部及び第2係止部と挿入方向に重なる部分に貫通孔を有する。このため、ブラケットの保持部にアンダーカットが生じないようにできる。さらに、上記構成のブラケットは、複数の第1係止部及び複数の第2係止部が長手方向にそれぞれずれて位置する。このため、挿入部の係止片は、長手方向において、第1係止部及び第2係止部の何れかに係止する部分が多くなる。このため、タッチセンサユニットは、ブラケットに対するタッチセンサの姿勢を安定化できる。
【0012】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記タッチセンサが前記ブラケットに装着される状態において、前記センサ本体は、前記係止片とともに複数の前記第1係止部を挟む第1弾性片と、前記係止片とともに複数の前記第2係止部を挟む第2弾性片と、を有することが好ましい。
【0013】
上記構成のタッチセンサユニットは、ブラケットに対するタッチセンサの姿勢を安定化できる。
上記タッチセンサユニットにおいて、前記保持部は、前記底壁から前記挿入方向に延びる立設壁と、前記立設壁の先端から前記挿入方向と交差する方向に延びる係止壁と、を有し、前記貫通孔を第1貫通孔としたとき、前記底壁は、複数の前記係止壁と前記挿入方向に重なる部分に第2貫通孔を有することが好ましい。
【0014】
上記構成のブラケットの保持部において、底壁は、係止壁と挿入方向に重なる部分に第2貫通孔を有する。このため、ブラケットの保持部にアンダーカットが生じないようにできる。さらに、タッチセンサユニットは、ワイヤハーネスを有する場合、タッチセンサがブラケットに装着された後に、係止壁を用いてワイヤハーネスを保持できる。
【0015】
上記タッチセンサユニットにおいて、複数の前記第1係止部の先端面は、前記挿入方向に進むにつれて前記第2側壁に近付くように傾斜する第1傾斜面を有し、複数の前記第2係止部の先端面は、前記挿入方向に進むにつれて前記第1側壁に近付くように傾斜する第2傾斜面を有することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、タッチセンサがブラケットに装着される際に、挿入部が複数の第1係止部及び複数の第2係止部の間を通過しやすくなる。このため、タッチセンサユニットは、タッチセンサのブラケットに対する装着性をより向上できる。
【0017】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記センサ本体の前記挿入部の先端と、前記ブラケットの前記底壁との間には隙間が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、タッチセンサがブラケットに装着されたときに、ブラケットの底壁がタッチセンサの挿入部を挿入方向の逆方向に押すことがなくなる。このため、タッチセンサユニットは、タッチセンサがブラケットから不意に外れるおそれを低減できる。また、タッチセンサユニットは、上記隙間をワイヤハーネスの配策に使用することもできる。
【0018】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記第1側壁の先端面を第1端面とし、前記第2側壁の先端面を第2端面としたとき、前記第1係止部は、当該第1係止部の先端面と前記第1端面とを接続する第1接続面を有し、前記第2係止部は、当該第2係止部の先端面と前記第2端面とを接続する第2接続面を有し、前記第1接続面は、少なくとも前記第1係止部の先端面と接続する部分が前記第1端面よりも前記挿入方向に凹み、前記第2接続面は、少なくとも前記第2係止部の先端面と接続する部分が前記第2端面よりも前記挿入方向に凹むことが好ましい。
【0019】
上記構成のタッチセンサユニットは、第1接続面及び第2接続面が第1端面及び第2端面よりも挿入方向にそれぞれ凹んでいる。このため、タッチセンサがブラケットに装着される際に、タッチセンサの挿入部の先端が、第1係止部及び第2係止部の間に導かれやすい。また、第1係止部及び第2係止部の挿入方向における厚さが短くなる分、タッチセンサの係止片が第1係止部及び第2係止部の間を通過しやすくなる。このため、タッチセンサユニットは、タッチセンサの係止片が第1係止部及び第2係止部の間を通過しないこと、言い換えれば、タッチセンサの係止片が第1係止部及び第2係止部に係合できないことに起因するタッチセンサの装着不良を抑制できる。
【0020】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記センサ本体は、絶縁性を有するエラストマーによって構成される筒状部と、前記筒状部の内部に前記長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置される第1導電部及び第2導電部と、を有し、前記挿入部は、前記筒状部よりも弾性率が高いことが好ましい。
【0021】
例えば、挿入部の弾性率が筒状部の弾性率よりも極端に低い場合には、タッチセンサに物体が接触するときにタッチセンサの挿入部がブラケットの保持部から外れるおそれがある。この点、上記構成のタッチセンサユニットにおいて、挿入部の弾性率は筒状部の弾性率よりも高い。このため、タッチセンサユニットは、上述した事態が発生することを抑制できる。
【0022】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記センサ本体は、絶縁性を有するエラストマーによって構成される筒状部と、前記筒状部の内部に前記長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置される第1導電部及び第2導電部と、を有し、前記挿入部と前記筒状部とは、色が異なることが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、ブラケットに挿入される部分である挿入部の色とブラケットに挿入されない部分である筒状部の色とが異なる。例えば、タッチセンサの挿入部がブラケットの保持部に対して最後まで挿入できていない場合には、挿入方向から視たときに挿入部の色を確認できる可能性がある。このため、タッチセンサユニットは、タッチセンサの装着時に装着不備が発生することを抑制できる。
【0024】
上記タッチセンサユニットにおいて、前記挿入部は、前記長手方向にわたって中空状をなしていることが好ましい。
例えば、タッチセンサの挿入部が長手方向にわたって中実である場合には、挿入部が保持部に挿入される際に挿入部が弾性変形しにくい。この点、上記構成のタッチセンサユニットにおいて、タッチセンサの挿入部は長手方向にわたって中空状をなしている。このため、挿入部が保持部に挿入される際に挿入部が弾性変形しやすい。したがって、タッチセンサユニットは、タッチセンサのブラケットに対する装着性をより向上できる。
【発明の効果】
【0025】
タッチセンサユニットは、タッチセンサのブラケットに対する装着性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態のタッチセンサユニットを備える車両の模式図。
図2】第1実施形態のタッチセンサユニットの全体図。
図3】第1実施形態のタッチセンサユニットの斜視図。
図4】第1実施形態のタッチセンサユニットの斜視図。
図5】第1実施形態のタッチセンサの断面図。
図6】第1実施形態のブラケットの平面図。
図7】第1実施形態のブラケットの底面図。
図8図6の8-8線矢視断面図。
図9図6の9-9線矢視断面図。
図10図6の10-10線矢視断面図。
図11】第1実施形態において、タッチセンサをブラケットに装着するときの断面図。
図12】第1実施形態のタッチセンサユニットの断面図。
図13】第1実施形態のタッチセンサユニットの断面図。
図14】第1実施形態のタッチセンサユニットの断面図。
図15】第2実施形態のタッチセンサユニットの斜視図。
図16】第2実施形態のブラケットの平面図。
図17】第2実施形態のブラケットの底面図。
図18図16の18-18線矢視断面図。
図19図16の19-19線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、タッチセンサユニットを備える車両について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両10は、ドア開口部11を有する車体12と、ドア開口部11を開閉するバックドア20と、バックドア20を駆動するドアアクチュエータ30と、ドアアクチュエータ30を制御するドアECU40と、を備える。
【0028】
ドア開口部11は、車体12の後部に位置している。ドア開口部11は、車体12を後方から視たとき、幅方向を長手方向とし鉛直方向を短手方向とする矩形状をなしている。第1実施形態において、ドア開口部11は、「開口部」の一例に相当する。
【0029】
バックドア20は、ドアアクチュエータ30により、ドア開口部11を全閉する全閉位置とドア開口部11を全開する全開位置との間で開閉作動する。第1実施形態において、バックドア20は、「開閉体」の一例に相当する。バックドア20は、ドア開口部11に応じた形状をなすドア本体21と、ドア本体21の両側縁に沿って設置される2つのタッチセンサユニット50と、を備える。
【0030】
次に、「タッチセンサユニット50」について詳しく説明する。
図1に示すように、2つのタッチセンサユニット50は、全閉位置に位置するドア本体21の車室を向く面に設置される。2つのタッチセンサは、幅方向に対して対象な形状をなしている。図2は、ドア本体21の右側縁に設置されるタッチセンサユニット50を示している。
【0031】
以降の説明では、タッチセンサユニット50の長手方向において、バックドア20の回動中心寄りに位置する端部を第1端部ともいい、第1端部とは反対側の端部を第2端部ともいう。また、タッチセンサユニット50の長手方向を単に長手方向という。
【0032】
図2に示すように、タッチセンサユニット50は、物体の接触を検出するタッチセンサ60と、タッチセンサ60を保持するブラケット70と、を備える。タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60をブラケット70に装着することで構成される。以降の説明では、タッチセンサ60をブラケット70に装着するときのタッチセンサ60の移動方向を「挿入方向」ともいい、タッチセンサユニット50の長手方向と挿入方向の両方向と直交する方向を「幅方向」ともいう。
【0033】
以下、「タッチセンサ60」について詳しく説明する。
図2図4に示すように、タッチセンサ60は、物体の接触を検出する長尺のセンサ本体61と、センサ本体61から延びる挿入部62と、センサ本体61の長手方向における両端部をブラケット70にそれぞれ固定する2つの位置決め部63,64と、センサ本体61とドアECU40とを接続するワイヤハーネス65と、を備える。
【0034】
タッチセンサ60において、センサ本体61と挿入部62とは、バックドア20の側縁の長さに応じた長尺部材である。タッチセンサ60において、センサ本体61と挿入部62とは押出成形によって一体に成形される。このため、センサ本体61と挿入部62とは、長手方向と直交する断面形状が略一定となっている。
【0035】
図5に示すように、センサ本体61は、筒状をなす筒状部611と、筒状部611の内側に位置する第1導電部612及び第2導電部613と、筒状部611の外側に位置する第1弾性片614及び第2弾性片615と、を有する。上述したように、センサ本体61の構成部材は何れも長尺部材である。
【0036】
筒状部611は、絶縁性を有するエラストマーによって構成されている。つまり、筒状部611は、絶縁体であるとともに弾性体である。第1導電部612及び第2導電部613は、芯線616と、芯線616を被覆する被覆部617と、を有する。芯線616は、導電性を有する金属材料により構成され、被覆部617は、導電性を有するエラストマーにより構成されている。つまり、被覆部617は、導体であるとともに弾性体である。第1導電部612及び第2導電部613は、筒状部611の内部に、長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置されている。詳しくは、第1導電部612及び第2導電部613は、挿入方向に間隔をあけて配置されている。
【0037】
第1弾性片614及び第2弾性片615は、筒状部611の幅方向における両側からそれぞれ延びている。第1弾性片614及び第2弾性片615は、幅方向における外方に進むにつれて挿入方向に向かうように傾いている。第1弾性片614及び第2弾性片615は、筒状部611と同じ材料により構成されている。
【0038】
物体がセンサ本体61に接触する場合、言い換えれば、物体が筒状部611に接触する場合には、筒状部611が長手方向と直交する方向に潰れる。すると、筒状部611の内部において、第1導電部612及び第2導電部613が接触し、第1導電部612及び第2導電部613が導通する。
【0039】
挿入部62は、筒状部611よりも弾性率の高いエラストマーにより構成されている。また、挿入部62は、筒状部611、第1弾性片614及び第2弾性片615と異なる色である。挿入部62の色を異なる色とする方法としては、例えば、挿入部62を構成するエラストマーに塗料及び有色のフィラーを混ぜ込んでもよいし、挿入部62の表面に塗料を塗布してもよい。挿入部62は、筒状部611から延びる基部621と、基部621の先端から延びる第1係止片622及び第2係止片623と、を有する。
【0040】
基部621は、筒状部611から長手方向と直交する方向に延びている。詳しくは、基部621は、筒状部611から挿入方向に延びている。基部621の長手方向と直交する断面形状は、矩形状をなしている。基部621は、長手方向に貫通する内部空間624を有する。この点で、挿入部62は、長手方向にわたって中空状をなしているといえる。
【0041】
第1係止片622は基部621の先端部から幅方向に延び、第2係止片623は基部621の先端部から第1係止片622とは逆方向に延びている。第1係止片622及び第2係止片623は、先細りしている。詳しくは、第1係止片622の先端面及び第2係止片623の先端面は、挿入方向に進むにつれて幅方向における中央に向かうように傾斜している。
【0042】
図4に示すように、位置決め部63は、幅方向に間隔をあけた状態で、挿入方向に延びる2つの当接片631を有する。位置決め部63は、幅方向における両側面に、2つの係合溝632を有する。2つの係合溝632は、幅方向を深さ方向とし、長手方向に延びている。位置決め部63には、第1導電部612及び第2導電部613の芯線616の端部と、ワイヤハーネス65の端部とが接続される。位置決め部63の内部では、第1導電部612及び第2導電部613の芯線616とワイヤハーネス65とが接続される。もう1つの位置決め部64は、第1導電部612及び第2導電部613の芯線616並びにワイヤハーネス65が接続されない点を除いて、位置決め部63と略同様の構成である。
【0043】
ワイヤハーネス65の一端は位置決め部63に接続され、ワイヤハーネス65の他端はドアECU40に接続される。図4に示すように、ワイヤハーネス65は、ブラケット70の第2端部寄りの部分に沿って配策される。
【0044】
次に、「ブラケット70」について詳しく説明する。
ブラケット70は、ねじ及びボルトなどの締結部材を介して、バックドア20に固定される。このため、ブラケット70は、バックドア20の側縁の形状に従って湾曲している。この点で、ブラケット70の形状を変更すればタッチセンサ60の構造を大きく変更しなくても、形状の異なるバックドア20へのタッチセンサユニット50の適用が可能となる。また、ブラケット70は、熱可塑性エラストマーなどからなる樹脂成形品である。つまり、ブラケット70は、タッチセンサユニット50が使用される温度域において、タッチセンサ60の挿入部62よりも弾性率の高い材質により構成されている。なお、ブラケット70は、タッチセンサ60の筒状部611と同じ色であることが好ましい。
【0045】
図3図4図6図7に示すように、ブラケット70は、タッチセンサ60の挿入部62を収容する保持部80と、バックドア20に固定される固定部90と、を備える。ここで、図6はブラケット70を挿入方向から視た図であり、図7はブラケット70を挿入方向の逆方向から視た図である。
【0046】
保持部80は、長手方向に延びる底壁81と、底壁81から延びる第1側壁82及び第2側壁83と、第1側壁82及び第2側壁83の長手方向における両端部をそれぞれ接続する2つの接続壁84と、を有する。また、図4及び図7に示すように、保持部80は、底壁81から延びる立設壁85と、立設壁85の先端から延びる係止壁86と、タッチセンサ60の挿入部62に係止する複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88と、を有する。
【0047】
図6及び図7に示すように、底壁81は、底壁81を板厚方向に貫通する複数の第1貫通孔811及び複数の第2貫通孔812を有する。複数の第1貫通孔811は、長手方向に間隔をあけて設けられている。第1貫通孔811は、挿入方向から視て、矩形状をなしている。第1実施形態において、第1貫通孔811の幅方向における長さは、底壁81の幅方向における長さと等しい。このため、第1実施形態において、長手方向に延びる底壁81は、長手方向に対して複数に分断している。複数の第2貫通孔812は、ブラケット70の第2端部寄りの位置にだけ設けられている。第2貫通孔812は、挿入方向からの平面視において第1貫通孔811よりも小さな矩形状をなしている。第2貫通孔812の幅方向における長さは、底壁81の幅方向における長さよりも短い。第2貫通孔812は、幅方向において、第2側壁83よりも第1側壁82に寄っている。
【0048】
上述したように、ブラケット70は長手方向に対して湾曲するため、底壁81の板厚方向は長手方向に対して様々な方向を向いている。ただし、図6及び図7に示すように、複数の第1貫通孔811及び複数の第2貫通孔812の形成方向は、全て同じ方向を向いている。以降の説明では、底壁81の板厚方向と交差する2つの面のうち、第1側壁82及び第2側壁83が延びる面を「表面」ともいい、立設壁85が延びる面を「裏面」という。
【0049】
図6図8に示すように、第1側壁82及び第2側壁83は、底壁81の幅方向における両端部から挿入方向とは逆方向に延びている。第1側壁82及び第2側壁83の幅方向における間隔は、長手方向に対して一定である。図6及び図7に示すように、第1側壁82及び第2側壁83は、長手方向における端部において、底壁81から長手方向に突出する部分を有する。以降の説明では、図8図10に示すように、第1側壁82の先端面を第1端面821とし、第2側壁83の先端面を第2端面831とする。
【0050】
図6図7及び図9に示すように、複数の第1係止部87は、長手方向に間隔をあけた状態で、第1側壁82の先端部から第2側壁83に向かって延びている。複数の第2係止部88は、長手方向に間隔をあけた状態で、第2側壁83の先端部から第1側壁82に向けて延びている。第1実施形態において、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88は、幅方向にそれぞれ並んで位置している。つまり、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88は、幅方向にそれぞれ対向している。
【0051】
図6に示すように、第1係止部87の長手方向における長さは、第2側壁83に近付くにつれて短くなっている。同様に、第2係止部88の長手方向における長さは、第1側壁82に近付くにつれて短くなっている。こうした点で、挿入方向から視たとき、第1係止部87及び第2係止部88は台形状をなしている。
【0052】
図9に示すように、第1係止部87は、先端面を構成する第1傾斜面871と、タッチセンサ60の第1係止片622が係止する第1係止面872と、第1傾斜面871と第1側壁82の第1端面821とを接続する第1接続面873と、を有する。同様に、第2係止部88は、先端面を構成する第2傾斜面881と、タッチセンサ60の第2係止片623が係止する第2係止面882と、第2傾斜面881と第2側壁83の第2端面831とを接続する第2接続面883と、を有する。
【0053】
第1傾斜面871は、挿入方向に進むにつれて第2側壁83に近付くように傾斜している。同様に、第2傾斜面881は、挿入方向に進むにつれて第1側壁82に近付くように傾斜している。こうした点で、第1係止部87及び第2係止部88の幅方向における間隔は、挿入方向に進むにつれて次第に狭くなる。なお、第1係止部87の先端面の一部が第1傾斜面871となっていてもよいし、第2係止部88の先端面の一部が第2傾斜面881となっていてもよい。
【0054】
第1接続面873及び第2接続面883は、挿入方向と交差する面である。第1接続面873は、第1側壁82の第1端面821よりも挿入方向に凹み、第2接続面883は、第2側壁83の第2端面831よりも挿入方向に凹んでいる。つまり、本実施形態では、第1接続面873は、少なくとも第1傾斜面871と接続する部分が第1側壁82の第1端面821よりも挿入方向に凹んでいる。同様に、第2接続面883は、少なくとも第2傾斜面881と接続する部分が第2側壁83の第2端面831よりも挿入方向に凹んでいる。その結果、第1接続面873及び第1端面821の間には段差が生じ、第2接続面883及び第2端面831の間には段差が生じている。
【0055】
幅方向において、ブラケット70の第1係止部87及び第2係止部88の間隔は、タッチセンサ60の挿入部62の幅よりも狭くなっている。詳しくは、幅方向において、第1係止部87の先端から第2係止部88の先端までの距離は、第1係止片622の先端から第2係止片623の先端までの距離よりも短くなっている。また、挿入方向において、ブラケット70の第1係止部87及び第2係止部88の厚さは、タッチセンサ60の筒状部611と第1係止片622及び第2係止片623との間隔と同等となっている。
【0056】
図6に示すように、ブラケット70を挿入方向から視たとき、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88と複数の第1貫通孔811とは重なっている。言い換えれば、挿入方向において、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88と底壁81とは重なっていない。こうした点で、底壁81の第1貫通孔811は、第1係止部87及び第2係止部88と挿入方向に重なる部分に設けられているといえる。
【0057】
図3及び図4に示すように、接続壁84は、第1側壁82及び第2側壁83の長手方向における両端部において、底壁81から長手方向に突出する部分を幅方向に接続する。接続壁84は、挿入方向における長さが底壁81よりも長い。
【0058】
図7に示すように、複数の立設壁85は、複数の第2貫通孔812と同様に、ブラケット70の第2端部寄りの位置にだけ設けられる。図7及び図10に示すように、立設壁85は、第2貫通孔812から幅方向にずれた位置、言い換えれば、底壁81の幅方向における中央部から挿入方向に延びている。立設壁85は、幅方向を板厚方向とする矩形板状をなしている。立設壁85は、長手方向における長さが底壁81と同等である。
【0059】
複数の係止壁86は、複数の立設壁85の先端部から挿入方向と交差する方向にそれぞれ延びている。言い換えれば、係止壁86は、後述する固定部90の連結壁92に向かって延びている。
【0060】
図6に示すように、複数の係止壁86を挿入方向から視たとき、複数の係止壁86と底壁81の複数の第2貫通孔812とは重なっている。また、複数の係止壁86は、複数の第2貫通孔812よりも一回り小さくなっている。このため、挿入方向において、複数の係止壁86と底壁81とは重なっていない。こうした点で、底壁81の第2貫通孔812は、係止壁86と挿入方向に重なる部分に設けられているといえる。
【0061】
図3及び図4に示すように、固定部90は、バックドア20に応じた形状をなす固定壁91と、固定壁91と保持部80とを連結する連結壁92と、を有する。固定壁91は、バックドア20に応じた形状をなしている。固定壁91は、ボルトなどの締結部材が通る締結孔911を有する。締結孔911は、ブラケット70のバックドア20に対する固定に用いられる。連結壁92は、固定壁91と交差する方向に延びている。連結壁92の先端からは、上述した保持部80の第1側壁82がさらに延びている。
【0062】
ドアECU40は、例えば、ユーザが携帯機のボタンを操作したり、ユーザがバックドア20に設けられるボタンを操作したりする場合に、バックドア20を全閉位置から開作動させたり全開位置から閉作動させたりする。ドアECU40は、タッチセンサ60から出力される信号に基づいて、ユーザなどの物体が閉作動中のバックドア20に接触しているか否かを判定する。ドアECU40は、物体が閉作動中のバックドア20に接触したと判定する場合、バックドア20の閉作動を停止させたり、バックドア20の作動方向を逆転させたりする。
【0063】
第1実施形態の作用について説明する。
詳しくは、図3図4図11図14を参照してタッチセンサ60をブラケット70に装着するときの作用について説明する。
【0064】
図3及び図4に示すように、タッチセンサ60をブラケット70に装着する場合には、作業者は、タッチセンサ60の挿入部62とブラケット70の保持部80とを挿入方向に位置合わせする。
【0065】
続いて、図11に示すように、作業者は、タッチセンサ60の挿入部62をブラケット70の保持部80に接触させる。詳しくは、作業者は、挿入方向において、タッチセンサ60の第1係止片622及び第2係止片623を、ブラケット70の第1係止部87及び第2係止部88にそれぞれ接触させる。
【0066】
ここで、第1係止片622及び第2係止片623の先端面が挿入方向に対して傾斜し、第1係止部87及び第2係止部88の先端面が挿入方向に対して傾斜しているため、挿入部62の先端が第1係止部87及び第2係止部88の間に導かれる。また、第1係止部87の第1接続面873及び第2係止部88の第2接続面883が凹んでいるため、挿入部62の先端が第1係止部87及び第2係止部88の間により導かれやすい。
【0067】
そして、作業者は、タッチセンサ60をブラケット70に向けて押す。すると、挿入部62は、第1係止部87及び第2係止部88の間で弾性変形しつつ、第1係止部87及び第2係止部88の間を挿入方向に移動する。このとき、内部空間624は、長手方向にわたって潰れ、内部空間624の長手方向と直交する面積が減少する。
【0068】
タッチセンサ60の第1係止片622及び第2係止片623がブラケット70の第1係止部87及び第2係止部88の間を通過すると、挿入部62が復元する。こうして、タッチセンサ60の挿入部62がブラケット70の保持部80に収容される。言い換えれば、タッチセンサ60がブラケット70に装着される。
【0069】
図12に示すように、タッチセンサ60がブラケット70に装着された状態では、タッチセンサ60の第1係止片622がブラケット70の第1係止部87に係止し、タッチセンサ60の第2係止片623がブラケット70の第2係止部88に係止する。詳しくは、第1係止片622が第1係止面872に面接触し、第2係止片623が第2係止面882に面接触する。
【0070】
さらに、タッチセンサ60の第1弾性片614及び第1係止片622がブラケット70の第1係止部87を挟み、タッチセンサ60の第2弾性片615及び第2係止片623がブラケット70の第2係止部88を挟む。こうして、タッチセンサ60がブラケット70から挿入方向の逆方向に移動できなくなる。また、図13に示すように、タッチセンサ60がブラケット70に装着された状態では、タッチセンサ60の挿入部62の先端とブラケット70の底壁81との間に隙間が生じる。言い換えれば、タッチセンサ60の挿入部62の先端とブラケット70の底壁81との間に隙間が設けられる。
【0071】
図4に示すように、タッチセンサ60がブラケット70に装着された状態では、タッチセンサ60の位置決め部63がブラケット70の接続壁84に係止する。詳しくは、タッチセンサ60の2つの当接片631がブラケット70の接続壁84に係合し、タッチセンサ60の2つの係合溝632がブラケット70の第1側壁82及び第2側壁83に係合する。こうして、タッチセンサ60の両端部の長手方向における移動が制限される。
【0072】
図4及び図14に示すように、タッチセンサ60がブラケット70に装着されると、作業者は、タッチセンサ60の位置決め部63から延びるワイヤハーネス65をブラケット70に配策する。詳しくは、ワイヤハーネス65は、ブラケット70の底壁81と複数の係止壁86との間に配策される。つまり、ワイヤハーネス65は、タッチセンサ60の挿入部62と底壁81を挟んで向かい合う位置に配策される。
【0073】
第1実施形態の効果について説明する。
(1)タッチセンサ60は、弾性変形可能な挿入部62を有し、ブラケット70は、挿入部62を収容する保持部80を有する。このため、タッチセンサ60がブラケット70に押し付けられると、タッチセンサ60の第1係止片622及び第2係止片623がブラケット70の複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88に係止する。つまり、タッチセンサ60がブラケット70に装着される。こうして、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60のブラケット70に対する装着性を向上できる。
【0074】
(2)タッチセンサ60の挿入部62は弾性率の低いエラストマーで構成され、ブラケット70は弾性率の高い樹脂材料で構成される。つまり、タッチセンサユニット50は、バックドア20に固定される点で強度の要求されるブラケット70を硬質な材料で構成できる。また、軟質なエラストマーで構成されたタッチセンサ60の挿入部62は、硬質な材料で構成されたブラケット70よりも変形しやすい。このため、作業者は、タッチセンサ60の挿入部62を変形させつつ、当該挿入部62をブラケット70の保持部80に挿入しやすくなる。
【0075】
(3)ブラケット70の保持部80において、底壁81は、第1係止部87及び第2係止部88と挿入方向に重なる部分に第1貫通孔811を有する。同様に、ブラケット70の保持部80において、底壁81は、係止壁86と挿入方向に重なる部分に第2貫通孔812を有する。このため、ブラケット70の保持部80にアンダーカットが生じないようにできる。以上より、ブラケット70は、スライドコアを有しない金型により樹脂成形可能である。
【0076】
(4)ブラケット70は、幅方向に第1係止部87及び第2係止部88が対向する。このため、第1係止部87と挿入方向に重なる貫通孔と、当該第1係止部87と幅方向に対向する第2係止部88と挿入方向に重なる貫通孔と、を一体にすることが可能である。つまり、タッチセンサユニット50は、底壁81に設ける第1貫通孔811の数を少なくできる。この場合、第1貫通孔811を形成するための金型のピンの数を少なくすることで、金型の製造コストを低減することが可能となる。また、第1貫通孔811を形成するための金型のピンを太くできる点で当該ピンの強度を向上させることができる。さらに、ブラケット70によるタッチセンサ60の保持力を大きくすることができる。
【0077】
(5)センサ本体61は、第1係止片622とともに複数の第1係止部87を挟む第1弾性片614と、第2係止片623とともに複数の第2係止部88を挟む第2弾性片615と、を有する。このため、タッチセンサユニット50は、ブラケット70に対するタッチセンサ60の姿勢を安定化できる。また、図12図14に示すように、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60の基部621とブラケット70の第1係止部87及び第2係止部88との間に生じる隙間を第1弾性片614及び第2弾性片615で隠すことができる。
【0078】
(6)保持部80は、底壁81の裏面側に係止壁86を有する。このため、図4及び図14に示すように、タッチセンサユニット50は、係止壁86と底壁81との間にワイヤハーネス65を配策できる。
【0079】
(7)図11に示すように、タッチセンサ60において、第1係止片622の先端面及び第2係止片623の先端面は、挿入方向に進むにつれて幅方向における中央に向かうように傾斜する。また、ブラケット70において、複数の第1係止部87の先端面及び複数の第2係止部88の先端面は、挿入方向に進むにつれて幅方向における中央部に向かうように傾斜する。このため、タッチセンサ60の装着時において、タッチセンサ60の挿入部62の先端は、ブラケット70の複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88の間に導かれやすくなる。また、タッチセンサ60の挿入部62は、ブラケット70の複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88の間を通過しやすくなる。こうして、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60のブラケット70に対する装着性を向上できる。
【0080】
(8)図13に示すように、タッチセンサ60がブラケット70に装着された状態において、タッチセンサ60の挿入部62とブラケット70の底壁81との間に隙間が設けられる。このため、同状態において、ブラケット70の底壁81がタッチセンサ60の挿入部62を挿入方向と逆方向に押すことがない。したがって、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60が不意にブラケット70から外れることを抑制できる。
【0081】
(9)図11に示すように、第1接続面873及び第2接続面883が第1端面821及び第2端面831よりも挿入方向にそれぞれ凹んでいる。このため、タッチセンサ60がブラケット70に装着される際に、タッチセンサ60の挿入部62の先端が、第1係止部87及び第2係止部88の間に導かれやすい。また、第1係止部87及び第2係止部88の挿入方向における厚さが短くなる分、タッチセンサ60の第1係止片622及び第2係止片623が第1係止部87及び第2係止部88の間を通過しやすくなる。このため、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60の第1係止片622及び第2係止片623が第1係止部87及び第2係止部88の間を通過しきれず、第1係止片622及び第2係止片623が第1係止面872及び第2係止面882に当接係合できないことに起因するタッチセンサ60の装着不良を抑制できる。
【0082】
(10)例えば、挿入部62の弾性率が筒状部611の弾性率よりも極端に低い場合には、タッチセンサ60に物体が接触するときにタッチセンサ60の挿入部62がブラケット70の保持部80から外れるおそれがある。この点、挿入部62の弾性率は筒状部611の弾性率よりも高い。このため、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60がブラケット70から不意に外れることを抑制できる。
【0083】
(11)タッチセンサユニット50において、ブラケット70に挿入される部分である挿入部62の色とブラケット70に挿入されない部分である筒状部611の色とが異なる。このため、作業者は、タッチセンサ60のブラケット70に対する装着作業を容易に行うことができる。詳しくは、タッチセンサ60の挿入部62とブラケット70の保持部80との色が一致しているため、作業者は、誤ってタッチセンサ60の筒状部611をブラケット70の保持部80に押し込む事態を回避できる。
【0084】
また、例えば、タッチセンサ60がブラケット70に正しく装着されている場合、タッチセンサユニット50を挿入方向から視たときにタッチセンサ60の挿入部62が視えることはない。同様に、タッチセンサ60がブラケット70に正しく装着されている場合、タッチセンサユニット50を挿入方向の逆方向から視たときにタッチセンサ60の筒状部611、第1弾性片614及び第2弾性片615が視えることはない。このため、作業者は、タッチセンサユニット50を挿入方向及び当該方向の逆方向から視ることで、タッチセンサ60が正しく装着されているか否かを判別しやすくなる。なお、作業者に代えて、カメラでタッチセンサユニット50を撮影した場合にも同様である。
【0085】
(12)例えば、タッチセンサ60の挿入部62が長手方向にわたって中実である場合には、挿入部62が保持部80に挿入される際に挿入部62が弾性変形しにくい。この点、タッチセンサユニット50において、タッチセンサ60の挿入部62は長手方向にわたって中空状をなしている。このため、挿入部62が保持部80に挿入される際に挿入部62が弾性変形しやすい。したがって、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60のブラケット70に対する装着性を向上できる。言い換えれば、タッチセンサユニット50は、タッチセンサ60がブラケット70に正常に装着されない事態を回避できる。
【0086】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係るタッチセンサユニット50Aについて説明する。第2実施形態に係るタッチセンサユニット50Aは、第1実施形態に係るタッチセンサユニット50と比較したとき、ブラケット70の保持部80の構成が異なる。このため、第2実施形態の説明では、第1実施形態と共通する構成について、同一の符号を付して説明及び図示を省略する。
【0087】
図15に示すように、タッチセンサユニット50Aは、物体の接触を検出するタッチセンサ60と、タッチセンサ60を支持するブラケット70Aと、を備える。ブラケット70Aは、タッチセンサ60の挿入部62を収容する保持部80Aと、バックドア20に固定される固定部90と、を備える。
【0088】
図15図17に示すように、保持部80Aは、長手方向に延びる底壁81と、底壁81から延びる第1側壁82及び第2側壁83と、タッチセンサ60に係止する第1係止部87及び第2係止部88と、を有する。底壁81は、底壁81を板厚方向に貫通する複数の第1貫通孔813及び複数の第2貫通孔814を有する。ここで、図16はブラケット70Aを挿入方向から視た図であり、図17はブラケット70Aを挿入方向の逆方向から視た図である。
【0089】
複数の第1貫通孔813は、長手方向に間隔をあけて位置し、複数の第2貫通孔814は、長手方向に間隔をあけて位置している。複数の第1貫通孔813は、底壁81の幅方向における第1側壁82寄りに位置し、複数の第2貫通孔814は、底壁81の幅方向における第2側壁83寄りに位置している。このため、複数の第1貫通孔813及び複数の第2貫通孔814は、幅方向に離れて位置している。また、複数の第1貫通孔813は、第1側壁82の内面と連続する面を有し、複数の第2貫通孔814は、第2側壁83の内面と連続する面を有する。ここで、第1側壁82の内面とは、第1側壁82における第2側壁83と対向する面であり、第2側壁83の内面とは、第2側壁83における第1側壁82と対向する面である。
【0090】
第1貫通孔813及び複数の第2貫通孔814は、挿入方向から視て、台形状をなしている。第1貫通孔813及び第2貫通孔814の幅方向における長さは、底壁81の幅方向における長さ未満である。複数の第1貫通孔813及び複数の第2貫通孔814は、長手方向にずれて位置している。
【0091】
図16及び図17に示すように、複数の第1係止部87は、長手方向に間隔をあけた状態で、第1側壁82の先端部から第2側壁83に向かって延びている。複数の第2係止部88は、長手方向に間隔をあけた状態で、第2側壁83の先端部から第1側壁82に向けて延びている。第2実施形態において、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88は、長手方向にそれぞれずれて位置している。つまり、幅方向において、複数の第1係止部87は第2側壁83と対向し、複数の第2係止部88は第1側壁82と対向している。複数の第1係止部87の形成間隔及び複数の第2係止部88の形成間隔は等しいことが好ましい。なお、第1係止部87及び第2係止部88が長手方向にずれる状態とは、第1係止部87の一部が幅方向において第2係止部88の一部と対向している状態を含むものとする。
【0092】
第1係止部87の長手方向における長さは、第2側壁83に近付くにつれて短くなっている。同様に、第2係止部88の長手方向における長さは、第1側壁82に近付くにつれて短くなっている。こうした点で、挿入方向から視たとき、第1係止部87及び第2係止部88は台形状をなしている。
【0093】
図18に示すように、第1係止部87の先端面は、挿入方向に進むにつれて第2側壁83に近付くように傾斜している。同様に、図19に示すように、第2係止部88の先端面は、挿入方向に進むにつれて第1側壁82に近付くように傾斜している。つまり、幅方向において、第1係止部87と第2側壁83との間隔は挿入方向に進むにつれて短くなり、第2係止部88と第1側壁82との間隔は挿入方向に進むにつれて短くなる。
【0094】
図16に示すように、ブラケット70Aを挿入方向から視たとき、複数の第1係止部87と複数の第1貫通孔813とは重なり、複数の第2係止部88と複数の第2貫通孔814とは重なっている。言い換えれば、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88から挿入方向に進んだ位置に底壁81が存在していない。こうした点で、底壁81の第1貫通孔813は、第1係止部87と挿入方向に重なる部分に設けられ、底壁81の第2貫通孔814は、第2係止部88と挿入方向に重なる部分に設けられているといえる。
【0095】
第2実施形態の作用について説明する。
詳しくは、図15図18及び図19を参照して、ブラケット70Aにタッチセンサ60を装着するときの作用について説明する。
【0096】
図15に示すように、ブラケット70Aにタッチセンサ60を装着する場合には、作業者は、タッチセンサ60の挿入部62をブラケット70Aの保持部80Aに押し付ける。すると、挿入部62は、弾性変形しつつ、第1側壁82及び第1係止部87と第2側壁83及び第2係止部88との間を挿入方向に移動する。タッチセンサ60の第1係止片622及び第2係止片623がブラケット70Aの第1係止部87及び第2係止部88の間を通過すると、挿入部62が復元する。こうして、タッチセンサ60の挿入部62がブラケット70Aの保持部80Aに収容される。言い換えれば、タッチセンサ60がブラケット70Aに装着される。
【0097】
タッチセンサ60がブラケット70Aに装着された状態では、図18に示すように、タッチセンサ60の第1係止片622がブラケット70Aの第1係止部87に係止し、図19に示すように、タッチセンサ60の第2係止片623がブラケット70Aの第2係止部88に係止する。さらに、タッチセンサ60の第1弾性片614及び第1係止片622がブラケット70Aの第1係止部87を挟み、タッチセンサ60の第2弾性片615及び第2係止片623がブラケット70Aの第2係止部88を挟む。こうして、タッチセンサ60がブラケット70Aから挿入方向の逆方向に移動できなくなる。また、図18及び図19に示すように、タッチセンサ60がブラケット70Aに装着された状態では、タッチセンサ60の挿入部62の先端とブラケット70Aの底壁81との間に隙間が設けられる。
【0098】
第2実施形態の効果について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の効果(1),(2),(5),(7),(8),(10)~(12)と同等の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0099】
(13)ブラケット70Aの保持部80Aにおいて、底壁81は、第1係止部87及び第2係止部88と挿入方向に重なる部分に第1貫通孔813及び第2貫通孔814を有する。このため、ブラケット70Aの保持部80Aにアンダーカットが生じないようにできる。言い換えれば、タッチセンサユニット50Aは、ブラケット70Aの成形に用いる金型の構成を簡素化できる。
【0100】
(14)ブラケット70Aは、複数の第1係止部87及び複数の第2係止部88が長手方向にそれぞれずれて位置する。このため、挿入部62の第1係止片622及び第2係止片623は、長手方向に対して、保持部80Aの第1係止部87及び第2係止部88の何れが係止する部分が多くなる。このため、タッチセンサユニット50Aは、ブラケット70Aに対する装着後のタッチセンサ60の姿勢を安定化できる。また、タッチセンサユニット50Aは、ブラケット70に対してタッチセンサ60を装着するのに必要な力、言い換えれば、タッチセンサ60の挿入部62をブラケット70Aの保持部80Aに押し付ける力を低減することもできる。
【0101】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1実施形態に係るブラケット70において、底壁81は、第1貫通孔811及び第2貫通孔812を有しなくてもよい。同様に、第2実施形態に係るブラケット70Aにおいて、底壁81は、第1貫通孔811及び第2貫通孔812を有しなくてもよい。言い換えれば、ブラケット70は、スライドコアを用いた金型で樹脂成形することも可能であり、樹脂成形以外の方法で成形することも可能である。
【0102】
・第1実施形態に係るブラケット70において、保持部80は、立設壁85と係止壁86とを有しなくてもよい。この場合、タッチセンサ60のワイヤハーネス65は、タッチセンサ60の挿入部62とブラケット70の底壁81との間に配策されたり、底壁81の裏面側に接着テープなどで配策されたりすることが好ましい。
【0103】
・第2実施形態において、第1側壁82及び第2側壁83の挿入方向における長さを長くしてもよい。この場合、ブラケット70Aにタッチセンサ60を装着したときに、タッチセンサ60の挿入部62の先端とブラケット70Aの底壁81との間にできる隙間が大きくなる。その結果、変更例に係るタッチセンサユニットは、上記隙間にタッチセンサ60のワイヤハーネス65を配策することができる。
【0104】
・第2実施形態において、第1係止部87及び第2係止部88の長手方向におけるずれ量は適宜に変更することができる。例えば、ずれ量は、ブラケット70Aに対してタッチセンサ60を装着するのに必要な力の大きさ、ブラケット70Aによるタッチセンサ60の保持力及びブラケット70Aの製造に用いる金型の仕様等に基づいて、適宜に変更することができる。
【0105】
・両実施形態において、第1係止部87及び第2係止部88の長手方向における長さは異なっていてもよい。この場合、第1実施形態のように、第1係止部87及び第2係止部88の長手方向における中心位置が幅方向に揃っていてもよい。また、第2実施形態のように、第1係止部87及び第2係止部88の長手方向における中心位置が幅方向にずれていてもよい。
【0106】
・タッチセンサ60の挿入部62において、第1係止片622の先端面及び第2係止片623の先端面は、挿入方向に対して傾斜していなくてもよい。同様に、ブラケット70において、第1係止部87の先端面及び第2係止部88の先端面は、挿入方向に対して傾斜していなくてもよい。
【0107】
・タッチセンサユニット50において、タッチセンサ60の挿入部62の先端とブラケット70の底壁81とは部分的に接触していてもよい。
・タッチセンサユニット50において、第1導電部612及び第2導電部613は、長手方向に対して螺旋状に配置されていてもよい。
【0108】
・タッチセンサ60において、挿入部62と筒状部611とは同色であってもよい。挿入部62と第1弾性片614及び第2弾性片615についても同様である。
・タッチセンサ60の挿入部62は、内部空間624を有しなくてもよい。言い換えれば、挿入部62は長手方向にわたって中実であってもよい。
【0109】
・タッチセンサ60の挿入部62は、弾性率が比較的高い樹脂材料により構成することもできる。この場合、ブラケット70の保持部80は、弾性率が比較的低いエラストマーにより構成することが好ましい。
【0110】
・タッチセンサ60は、ブラケット70の保持部80に相当する構成を備えることもできる。この場合、ブラケット70は、タッチセンサ60の挿入部62に相当する構成を備えることが好ましい。
【0111】
・タッチセンサユニット50は、車体12のドア開口部11の側縁に沿って設置することもできる。
・タッチセンサユニット50は、車体12の様々な開口部と当該開口部を開閉する開閉体との一方に設置することもできる。こうした開閉体の一例は、車体12の側部に設けられる開口部を開閉するスライドドア及び車体12の屋根に設けられる開口部を開閉するルーフパネルなどである。
【符号の説明】
【0112】
10…車両
11…ドア開口部
12…車体
20…バックドア
21…ドア本体
30…ドアアクチュエータ
40…ドアECU
50,50A…タッチセンサユニット
60…タッチセンサ
61…センサ本体
611…筒状部
612…第1導電部
613…第2導電部
614…第1弾性片
615…第2弾性片
62…挿入部
621…基部
622…第1係止片
623…第2係止片
624…内部空間
65…ワイヤハーネス
70,70A…ブラケット
80,80A…保持部
81…底壁
811…第1貫通孔(貫通孔の一例)
812…第2貫通孔
813…第1貫通孔(貫通孔の一例)
814…第2貫通孔(貫通孔の一例)
82…第1側壁
821…第1端面
83…第2側壁
831…第2端面
84…接続壁
85…立設壁
86…係止壁
87…第1係止部
871…第1傾斜面
872…第1係止面
873…第1接続面
88…第2係止部
881…第2傾斜面
882…第2係止面
883…第2接続面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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図16
図17
図18
図19