(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】売上データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241112BHJP
G07G 1/10 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/10
G07G1/12 321E
G07G1/12 321M
(21)【出願番号】P 2021022221
(22)【出願日】2021-02-16
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】板倉 克幸
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-048677(JP,A)
【文献】特開2020-181397(JP,A)
【文献】特開2014-038539(JP,A)
【文献】特開2018-195149(JP,A)
【文献】再公表実用新案第2020/196032(JP,A1)
【文献】特開2018-160084(JP,A)
【文献】特開2018-190389(JP,A)
【文献】特開2019-003398(JP,A)
【文献】特開2020-038735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信によって、第1端末装置への情報の送信及び前記第1端末装置からの情報の受信が可能である第1通信手段と、
無線通信によって、第2端末装置への情報の送信が可能である一方で、前記第2端末装置からの情報の受信が不可能である第2通信手段と、
前記第1通信手段での無線通信が許容される一方で前記第2通信手段での無線通信が禁止される第1のモードと、少なくとも前記第2通信手段での無線通信が許容される第2のモードと、を切り替えるモード切替手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
取引データを集計した精算データを出力する精算モード、取引に係るデータを設定する設定モード、登録された取引データの点検をする点検モードのうち少なくともいずれか一つのモードが前記第1のモードに割り当てられているとともに、取引データが登録される登録モードが前記第2のモードに割り当てられていることを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
前記第2のモードにおいて、前記第1通信手段での無線通信が実行される間は、前記第2通信手段での無線通信が禁止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
前記第1通信手段及び前記第2通信手段の無線通信を禁止する第3のモードを有し、
前記モード切替手段は、前記第3のモードに切替可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【請求項5】
前記モード切替手段は、
モードキーを差し込み可能な鍵穴を有するモードスイッチを備え、
前記モードキーが前記鍵穴に差された状態でモードキーを回転させて位置を切り替えることで、その位置に対応したモードに切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【請求項6】
前記第1端末装置は、店員が業務で使用するための業務端末であり、
前記第2端末装置は、顧客が所有する端末である、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【請求項7】
前記第1通信手段は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)によって前記第1端末装置と情報通信を行ない、
前記第2通信手段は、iBeacon(登録商標)によって前記第2端末装置と情報通信を行なう、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【請求項8】
売上データ処理装置のコンピュータを、
無線通信によって、第1端末装置への情報の送信及び前記第1端末装置からの情報の受信が可能である第1通信手段、
無線通信によって、第2端末装置への情報の送信が可能である一方で、前記第2端末装置からの情報の受信が不可能である第2通信手段、
前記第1通信手段での無線通信が許容される一方で前記第2通信手段での無線通信が禁止される第1のモードと、少なくとも前記第2通信手段での無線通信が許容される第2のモードと、を切り替えるモード切替手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗に設置されて、顧客に販売した商品の金額、個数等の取引データを登録するECR(Electronic Cash Resister)等の売上データ処理装置が知られている。
上記の売上データ処理装置において、スマートフォンなどの端末装置(携帯端末)への一方的な無線通信を行い、情報送信を可能とするビーコン通信装置を備える構成が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、端末装置と相互的な無線通信を行う狭範囲通信部と広範囲通信部を売上データ処理装置のモードに応じて切り替える構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
従来の売上データ処理装置は、商品の単価やメニュー等を設定するための設定モード、売り上げの登録を行うための登録モード、売り上げの精算を行うための精算モード等の各種モードを備えており、オペレーター(店員)やオーナーが用途に応じて所望するモードに切り替えて操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-126593号公報
【文献】特開2019-106083号公報
【文献】特開2018-195149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1、2に記載の技術では、売上データ処理装置に設置されるビーコン通信装置に顧客が有する端末装置が近づくと、ビーコン通信装置が発信するビーコン信号を端末装置が受信し、外部のサーバからクーポン等を取得するものであった。この技術において、ビーコン信号は常に発信している状態であるため、ビーコン通信装置が設置された店舗が閉店している間も、店舗近くを通った顧客が有する端末装置がクーポン等を取得してしまう恐れがあった。
また、上記特許文献3に記載の技術においても、上記問題は解決されない。
【0006】
本発明の課題は、無線通信を適切に制御できる売上データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の売上データ処理装置は、
無線通信によって、第1端末装置への情報の送信及び前記第1端末装置からの情報の受信が可能である第1通信手段と、
無線通信によって、第2端末装置への情報の送信が可能である一方で、前記第2端末装置からの情報の受信が不可能である第2通信手段と、
前記第1通信手段での無線通信が許容される一方で前記第2通信手段での無線通信が禁止される第1のモードと、少なくとも前記第2通信手段での無線通信が許容される第2のモードと、を切り替えるモード切替手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無線通信を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る売上データ処理システムの概略構成を示す接続図である。
【
図2】店舗携帯端末の主制御構成を示すブロック図である。
【
図3】売上データ処理装置の主制御構成を示すブロック図である。
【
図4A】売上データ処理装置の概略構成を示す外観図である。
【
図4B】売上データ処理装置の概略構成を示す外観図である。
【
図6A】モードキー(オペレータキー)の構成を示す図である。
【
図6B】モードキー(オーナーキー)の構成を示す図である。
【
図7】顧客携帯端末の主制御構成を示すブロック図である。
【
図8】売上データ処理装置が備える登録モード以外の各モードの動作を示す図である。
【
図9】売上データ処理装置が備える登録モードの動作を示すフローチャートである。
【
図10】変形例1における売上データ処理装置が備える登録モードの動作を示すフローチャートである。
【
図11】変形例2における売上データ処理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
[1.構成の説明]
[1-1.システム構成の説明]
まず、本実施形態に係る売上データ処理システム1の構成について説明する。
売上データ処理システム1は、
図1に示すように、取引サーバ装置10と、少なくとも1台の店舗携帯端末(第1端末装置)20と、少なくとも1台の売上データ処理装置30と、少なくとも1台の顧客携帯端末(第2端末装置)50と、顧客サーバ装置60を備えて構成されている。取引サーバ装置10及び店舗携帯端末20は、通信ネットワークNに接続されている。同様に、顧客携帯端末50及び顧客サーバ装置60は、通信ネットワークNに接続されている。通信ネットワークNは、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
また、店舗携帯端末20と売上データ処理装置30は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等を用いて相互的な無線通信を行う。
また、売上データ処理装置30は、iBeacon(登録商標)等を用いて売上データ処理装置30から顧客携帯端末50に一方的な無線通信を行う。
【0012】
取引サーバ装置10は、クラウド上のサーバ装置であり、店舗携帯端末20を介して売上データ処理装置30から送信される商品の取引データ等を管理する。
【0013】
店舗携帯端末20は、スマートフォン等の携帯型端末機器であり、売上データ処理装置30から送信される商品の取引データ等を取引サーバ装置10に送信する。店舗携帯端末20には、売上データ処理装置30との無線通信により、売上データ処理装置30が備える所定のモード(例えば、設定モード、変形例1の登録モード、精算モード、点検モード)の機能を実現する各種アプリケーション(例えば、設定アプリ、オーダーエントリーアプリ(登録アプリ)、精算アプリ、点検アプリ)がインストールされている。
【0014】
売上データ処理装置30は、個人商店、スーパーマーケット、飲食店等の店舗に設置されるECR等であり、オペレータの操作により顧客に販売・提供した商品の金額、個数等の取引データを登録する装置である。売上データ処理装置30は、1つの店舗に少なくとも1台設置される。取引サーバ装置10は、複数の店舗の取引データを一元的に管理することが可能である。
また、売上データ処理装置30は、ビーコン発信部39(
図3参照)を通じて周期的に外部にビーコン信号を発信する。
【0015】
顧客携帯端末50は、売上データ処理装置30のビーコン発信部39から出力されたビーコン信号を受信し、それに基づいた情報を、通信ネットワークNを通じて、顧客サーバ装置60に送信する。
【0016】
顧客サーバ装置60は、顧客携帯端末50から送信された情報を受信し、当該情報に基づいて顧客携帯端末50にクーポン等を提供する。
【0017】
[1-2.店舗携帯端末の構成の説明]
次に、店舗携帯端末20の構成について説明する。
店舗携帯端末20は、
図2に示すように、CPU21と、RAM22と、ROM23と、撮像部24と、音声出力部25と、操作部26と、表示部27と、通信部28と、を備えて構成されている。
【0018】
CPU21は、店舗携帯端末20の各部を制御する。CPU21は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM23から読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0019】
RAM22は、例えば、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
ROM23は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。ROM23は、CPU21で実行されるシステムプログラム、設定アプリ、登録アプリ、精算アプリ、点検アプリ等の各種アプリケーションプログラム、Webブラウザ、これらのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。
【0020】
撮像部24は、ユーザ操作に従って被写体を撮像し、画像データを生成する。
音声出力部25は、D/A変換器、アンプ、スピーカ等を備えて構成され、RAM22又はROM23から出力された音声データをアナログの音声信号に変換して音声出力する。
【0021】
操作部26は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部27と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号をCPU21へと出力する。
表示部27は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などのディスプレイを備え、CPU21から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0022】
通信部28は、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Bluetooth(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)等の無線通信方式により、売上データ処理装置30と無線通信を行う。
【0023】
[1-3.売上データ処理装置の構成の説明]
次に、売上データ処理装置30の構成について説明する。
売上データ処理装置30は、
図3及び
図4に示すように、CPU31と、RAM32と、ROM33と、表示部34と、客用表示部35と、印刷部36と、ドロア37と、通信部38と、ビーコン発信部39と、記憶部40と、入力部41と、モードスイッチ42と、を備えて構成されている。
【0024】
CPU31は、売上データ処理装置30の各部を制御する。CPU31は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM33から読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0025】
RAM32は、例えば、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
ROM33は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0026】
表示部34は、
図4Aに示すように、売上データ処理装置30を操作するオペレータやオーナーが表示内容(商品の金額、合計金額等の情報)を視認するための表示装置である。表示部34は、LCD、ELディスプレイなどのディスプレイを備え、CPU31から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
客用表示部35は、
図4Bに示すように、商品を購入した顧客が表示内容(商品の金額、合計金額等の情報)を視認するための表示装置である。客用表示部35は、LCD、ELディスプレイなどのディスプレイを備え、CPU31から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0027】
印刷部36は、CPU31の制御により、ロール紙等の用紙に、レシート、電子ジャーナル等のデータを印刷するサーマルプリンタ等の印刷部である。また、印刷部36は、印刷後にロール紙をカットして出力する機構を有する。
ドロア37は、現金、商品券等を格納する引き出しである。ドロア37は、CPU31の制御により、例えば、商品登録の締め(精算)時に、引き出しが開放される。
【0028】
通信部(第1通信手段)38は、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線通信によって、店舗携帯端末20(第1端末装置)への情報の送信及び店舗携帯端末20からの情報の受信が可能である。
【0029】
ビーコン発信部(第2通信手段)39は、個々のビーコン発信部39をそれぞれ識別可能な発信機識別情報であるビーコンIDを示すビーコン信号を、周期的に外部に一方的に発信する。つまり、ビーコン発信部(第2通信手段)39は、無線通信によって、顧客携帯端末50(第2端末装置)への情報の送信が可能である一方で、顧客携帯端末50からの情報の受信が不可能である。
【0030】
記憶部40は、情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶部であり、バッテリーバックアップされたRAM、フラッシュメモリ等で構成される。記憶部40には、取引データ、ビーコン発信部39のビーコンID、各種設定情報等が記憶される。
【0031】
入力部41は、各種機能キーを備えたキーボードを有し、オペレータによる各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU31に出力する。機能キーとしては、例えば、テンキー、乗算キー、小計キー、戻しキー、PLU(Price Look Up)キー等のほか、券売りキー、信用売りキー等の各締めキーが備えられている。
【0032】
モードスイッチ42は、売上データ処理装置30のモードを設定モード、戻モード、OFFモード、登録モード、電卓モード、点検モード、精算モードのいずれかに切り替えるためのスイッチである。
設定モードは、売上データ処理装置30の各種設定(例えば、商品単価の設定等)を行うモードである。戻モードは、返品処理を行うモードである。OFFモードは、売上データ処理装置30の電源をオフするモードである。登録モードは、購入された商品の取引データの登録処理を行うモードである。電卓モードは、通常の電卓と同様に計算を行うモードである。点検モードは、登録された取引データの点検処理を行うモードである。精算モードは、閉店後に1日の売上の精算処理を行うモードである。
【0033】
売上データ処理装置30が備えるモードのうち、登録モードは、少なくともビーコン発信部39の電源をオンして、ビーコン発信部39による顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信が許容されるモード(第2のモード)である。なお、第2のモードにおいて通信部38の電源をオンして、通信部38による店舗携帯端末20との間で無線通信を行う間は、ビーコン発信部39による顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信が禁止される。このことにより、通信部38による無線通信の電波とビーコン発信部39による無線通信の電波が互いに干渉することを防ぐことができる。
また、精算モード、設定モード、及び点検モードは、通信部38の電源をオンして、店舗携帯端末20との間で通信部38での無線通信が許容される一方でビーコン発信部39での無線通信による情報の発信が禁止されるモード(第1のモード)である。第1のモードを使用するのは店舗の閉店時であり、第1のモードにおいてビーコン発信部39での無線通信による情報の発信を禁止することで、店舗の閉店時に顧客にクーポン等が提供されることを防ぐことができる。
一方、残りの戻モード、OFFモード、及び電卓モードは、通信部38の電源をオフして店舗携帯端末20との無線通信を行わないモードであり、且つビーコン発信部39の電源をオフして顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行わないモード(第3のモード)である。
【0034】
モードスイッチ42は、
図5に示すように、モードキーK1(
図6A、
図6B参照)を差し込み可能な鍵穴42aを備えており、モードキーK1を鍵穴42aに差した状態でモードキーK1を回転させて位置を切り替えることで、その位置に対応したモードに切り替える操作を行うことができる。すなわち、モードスイッチ42は、差し込まれたモードキーK1を回転可能に構成され、差し込まれたモードキーK1の回転位置に対応したモードに切り替える本発明のモード切替手段として機能する。
モードキーK1としては、オペレータが使用するオペレータキーK11(
図6A参照)及びオーナーが使用するオーナーキーK12(
図6B参照)の2種類のキーが用いられる。
【0035】
モードスイッチ42は、差し込まれたモードキーK1の種類に応じて、モードキーK1の回転可能範囲が異なるように構成されている。例えば、モードスイッチ42は、差し込まれた鍵がオペレータキーK11である場合にオーナーキーK12である場合よりも鍵の回転可能範囲を狭く制限するように構成されている。
具体的には、オペレータキーK11は、売上データ処理装置30が備えるモードのうち、OFFモード、登録モード及び電卓モードに切り替えることができる。すなわち、オペレータは、売上データ処理装置30が備えるモードのうち、OFFモード、登録モード及び電卓モードを実施することができる。
一方、オーナーキーK12は、売上データ処理装置30が備える全てのモードに切り替えることができる。すなわち、オーナーは、売上データ処理装置30が備える全てのモードを実施することができる。
なお、
図5に示す符号R1はオペレータキーK11の回転可能範囲を、符号R2はオーナーキーK12の回転可能範囲を、それぞれ示している。
図5に示す例では、オーナーキーK12の回転可能範囲R2の範囲内に、オペレータキーK11の回転可能範囲R1が位置するように設定されている。
【0036】
モードスイッチ42は、
図5に示すように、時計回りに、戻モードM1、電卓モードM2、OFFモードM3、登録モードM4、精算モードM5、設定モードM6、点検モードM7の順に、各モードに切り替えるための回転位置が配列されている。
また、モードスイッチ42は、OFFモードM3の位置でのみモードキーK1を差し込むことができるように構成されているとともに、OFFモードM3以外の位置、すなわち、戻モードM1の位置、電卓モードM2の位置、登録モードM4の位置、精算モードM5の位置、設定モードM6の位置、点検モードM7の位置では、いずれもモードキーK1を抜くことができないように構成されている。これは、オペレータキーK11であっても、オーナーキーK12であっても同様である。
以下、説明の便宜上、「モードに切り替えるための回転位置」を、単に「モード」と略記することがある。
【0037】
本実施形態では、オペレータキーK11で切り替え可能な3つのモード(電卓モードM2、OFFモードM3及び登録モードM4)が隣接するように配列されている。したがって、オペレータキーK11によるモードの切り替え操作を問題なく実施することができる。
【0038】
また、本実施形態では、通信部38あるいはビーコン発信部39の電源をオンして無線通信を行うモード(登録モードM4、精算モードM5、設定モードM6、及び点検モードM7)に切り替えるための回転位置(第1回転位置)と、通信部38及びビーコン発信部39の電源をオフして無線通信を行わない第3のモード(戻モードM1、電卓モードM2及びOFFモードM3)に切り替えるための回転位置(第2回転位置)とを備えており、第2回転位置は、第1回転位置間に非介在的に位置するように設定されている。したがって、例えば、「通信部38あるいはビーコン発信部39の電源をオンするモード」から別の「通信部38あるいはビーコン発信部39の電源をオンするモード」に切り替える際、両者の間に「通信部38及びビーコン発信部39の電源をオフする第3のモード」が配列されることがないため、通信部38及びビーコン発信部39の電源を不必要にオンオフすることなくモードの切り替え操作を実施することができる。
【0039】
また、本実施形態では、少なくともビーコン発信部39の電源をオンして顧客携帯端末50へ無線通信による情報の発信を行う第2のモード(登録モードM4)に切り替えるための回転位置(第3回転位置)と、通信部38の電源をオンして店舗携帯端末20との間で無線通信が許容される一方でビーコン発信部39での無線通信が禁止される第1のモード(精算モードM5、設定モードM6及び点検モードM7)に切り替えるための回転位置(第4回転位置)と、が互いに非介在的に配列されている。したがって、例えば、第1のモードから別の第1のモードに切り替える際、両者の間に第2のモードが配列されることがないため、ビーコン発信部39の電源を不必要にオンオフすることなくモードの切り替え操作を実施することができる。
【0040】
[1-2.顧客携帯端末の構成の説明]
次に、顧客携帯端末50の構成について説明する。
顧客携帯端末50は、
図7に示すように、
図2に示す店舗携帯端末20の構成と同様に、CPU51と、RAM52と、ROM53と、撮像部54と、音声出力部55と、操作部56と、表示部57と、通信部58と、を備えて構成されている。
【0041】
CPU51は、顧客携帯端末50の各部を制御する。CPU51は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM53から読み出してRAM52に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0042】
RAM52は、例えば、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
ROM53は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。ROM53は、CPU51で実行されるシステムプログラム、各種アプリケーションプログラム、Webブラウザ、これらのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。
【0043】
撮像部54、音声出力部55、操作部56、及び表示部57はそれぞれ撮像部24、音声出力部25、操作部26、及び表示部27と同様の構成である。
【0044】
通信部58は、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、売上データ処理装置30から発信されたiBeacon(登録商標)等の無線通信による情報を受信する。
【0045】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る売上データ処理装置30が備える登録モード以外の各モードの動作について、
図8を参照して簡潔に説明する。また、登録モードについては、
図9に本実施形態に係る売上データ処理装置30が備える登録モードの動作のフローチャートを示して説明する。
なお、
図8及び
図9においては、オペレータキーK11により、電卓モードM2、OFFモードM3及び登録モードM4に切り替えることが可能であり、オーナーキーK12により、全てのモード(戻モードM1、電卓モードM2、OFFモードM3、登録モードM4、精算モードM5、設定モードM6及び点検モードM7)に切り替えることが可能である。オペレータキーK11又はオーナーキーK12により、所望するモードに切り替えられることにより、各モードは実施される。
【0046】
[2-1.通信部及びビーコン発信部の電源をオフする第3のモードの説明]
戻モードM1、電卓モードM2及びOFFモードM3は、いずれも通信部38の電源をオフして店舗携帯端末20との無線通信を行わないモードであり、且つビーコン発信部39の電源をオフして顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行わないモードである(第3のモード)。
したがって、まず、CPU31は、通信部38及びビーコン発信部39の電源をオフする処理を行う(ステップS11、S21、S31)。既に通信部38及びビーコン発信部39の電源がオフされていた場合、CPU31は、特に何も行わず、次のステップに移行する。
【0047】
次いで、CPU31は、オペレータ又はオーナーの操作に基づいて、各モードに対応する処理を行う。例えば、戻モードM1では、CPU31は、オーナーの操作に基づいて、返品処理を行う(ステップS12)。また、電卓モードM2では、CPU31は、オペレータ又はオーナーの操作に基づいて、電卓処理を行う(ステップS22)。また、OFFモードM3では、CPU31は、売上データ処理装置30の電源をオフする処理を行う(ステップS32)。
【0048】
[2-2.通信部の電源をオフし、ビーコン発信部の電源をオンする第2のモードの説明]
登録モードM4は、少なくともビーコン発信部39の電源をオンして、ビーコン発信部39による顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信が許容されるモード(第2のモード)である。
したがって、
図9に示すように、登録モードM4では、まず、CPU31は、通信部38の電源をオフするとともに、ビーコン発信部39の電源をオンする処理を行う(ステップS41)。ビーコン発信部39は、電源がオンされると、周期的に顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行う。既に通信部38の電源がオフされ、ビーコン発信部39の電源がオンされていた場合、CPU31は、特に何も行わず、次のステップに移行する。
【0049】
次いで、CPU31は、オペレータ又はオーナーの操作に基づいて、登録処理を行い(ステップS42)、処理を終了する。具体的には、CPU31は、顧客が購入する商品のバーコード等を読み取って会計処理を行う。
【0050】
[2-3.通信部の電源をオンし、ビーコン発信部の電源をオフする第1のモードの説明]
精算モードM5、設定モードM6及び点検モードM7は、いずれも通信部38の電源をオンして店舗携帯端末20との無線通信を行い、且つビーコン発信部39の電源をオフして顧客携帯端末50への無線通信を行わないモードである(第1のモード)。
したがって、まず、CPU31は、通信部38の電源をオンするとともに、ビーコン発信部39の電源をオフする処理を行う(ステップS51、S61、S71)。既に通信部38の電源がオンされ、ビーコン発信部39の電源がオフされていた場合、CPU31は、特に何も行わず、次のステップに移行する。
【0051】
次いで、CPU31は、店舗携帯端末20にインストールされたアプリと通信可能な状態とする。
例えば、精算モードM5では、CPU31は、店舗携帯端末20にインストールされた精算アプリと通信可能な状態とする(ステップS52)。また、設定モードM6では、CPU31は、店舗携帯端末20にインストールされた設定アプリと通信可能な状態とする(ステップS62)。また、点検モードM7では、CPU31は、店舗携帯端末20にインストールされた点検アプリと通信可能な状態とする(ステップS72)。
【0052】
次いで、CPU31は、各モードに対応する処理を行う。
例えば、精算モードM5では、売上データ処理装置30におけるオーナーの手動による精算処理後、CPU31は、店舗携帯端末20の精算アプリに精算データを送信する(ステップS53)。店舗携帯端末20は、精算データを受信するまで精算データの受信待ちを行う。
また、設定モードM6では、CPU31は、店舗携帯端末20から送信された設定変更要求に係る処理と、売上データ処理装置30におけるオーナーの手動による設定処理と、のいずれか一方の処理を行う(ステップS63)。すなわち、店舗携帯端末20から送信された設定変更要求と手動による設定とが同時に行われた場合、CPU31は、シングルタスクで先に受け付けた処理を行う。なお、店舗携帯端末20から送信された設定変更要求に係る処理とは、店舗携帯端末20において設定アプリが起動され、オーナーにより設定処理が行われた際に、売上データ処理装置30に送信される設定データのことである。
また、点検モードM7では、CPU31は、売上データ処理装置30におけるオーナーの手動による点検処理後、店舗携帯端末20の点検アプリに点検データを送信する(ステップS73)。店舗携帯端末20は、点検データを受信するまで点検データの受信待ちを行う。
【0053】
(変形例1)
図10は、本変形例の登録モードM4の動作を示すフローチャートである。以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。本変形例の売上データ処理装置30の構成は、上記実施形態の売上データ処理装置30と同一である。
本変形例は、オーダーエントリーシステム下の登録モードM4において、店舗携帯端末20と情報通信が可能である場合の処理である。
【0054】
まず、売上データ処理装置30のCPU31は、通信部38及びビーコン発信部39の電源をオンする処理を行う(ステップS81)。ビーコン発信部39は、電源がオンされると、周期的に顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行う。なお、既に通信部38及びビーコン発信部39の電源がオンされていた場合、CPU31は、特に何も行わず、次のステップS82に移行する。
次に、CPU31は、店舗携帯端末20から登録処理を開始するよう要求するための登録開始要求が送信され、当該要求を受信したかどうかを判断する(ステップS82)。
登録開始要求を受信した場合(ステップS82;YES)、CPU31は、ビーコン発信部39の電源をオフするとともに、登録業務を開始するために店舗携帯端末20にインストールされたオーダーエントリーアプリと通信可能な状態とする(ステップS83)。
【0055】
次に、CPU31は、登録業務は終了したか否か、つまり店舗携帯端末20のオーダーエントリーアプリとの無線通信は終了したか否か判断する(ステップS84)。
オーダーエントリーアプリとの無線通信が終了していない場合(ステップS84;NO)、CPU31は、所定時間経過後、再度、ステップS84の処理を行う。
オーダーエントリーアプリとの無線通信が終了した場合(ステップS84;YES)、CPU31は、ビーコン発信部39の電源をオンする(ステップS85)。ビーコン発信部39は、電源がオンされると、周期的に顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行う。
次に、CPU31は、ステップS42と同様に、オペレータ又はオーナーの操作に基づいて、登録処理を行い(ステップS86)、処理を終了する。具体的には、CPU31は、顧客が購入する商品のバーコード等を読み取って会計処理を行う。
また、登録開始要求を受信しない場合(ステップS82;NO)、CPU31は、ステップS86に移行する。
【0056】
[3.効果]
以上のように、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30は、無線通信によって、第1端末装置(店舗携帯端末20)への情報の送信及び第1端末装置からの情報の受信が可能である第1通信手段(通信部38)と、無線通信によって、第2端末装置(顧客携帯端末50)への情報の送信が可能である一方で、第2端末装置からの情報の受信が不可能である第2通信手段(ビーコン発信部39)と、第1通信手段での無線通信が許容される一方で第2通信手段での無線通信が禁止される第1のモード(設定モード、精算モード、点検モード)と、少なくとも第2通信手段での無線通信が許容される第2のモード(登録モード)と、を切り替えるモード切替手段(モードスイッチ42)と、を備える。
したがって、売上データ処理装置のモードに応じて、無線通信を適切に制御することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30において、取引データを集計した精算データを出力する精算モード、取引に係るデータを設定する設定モード、登録された取引データの点検をする点検モードのうち少なくともいずれか一つのモードが第1のモードに割り当てられているとともに、取引データが登録される登録モードが第2のモードに割り当てられている。
したがって、売上データ処理装置の精算モード、設定モード、点検モード及び登録モードに応じて、ビーコン発信部39からの出力の有無の切り替えを行うことができる。
【0058】
また、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30の第2のモードにおいて、第1通信手段での無線通信が実行される間は、第2通信手段での無線通信が禁止される。
したがって、第1通信手段による無線通信の電波と第2通信手段による無線通信の電波が互いに干渉することを防ぐことができる。
【0059】
また、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30は、第1通信手段及び第2通信手段の無線通信を禁止する第3のモード(戻モード、電卓モード及びOFFモード)を有し、モード切替手段は、第3のモードに切替可能である。
したがって、第3のモードである戻モード、電卓モード及びOFFモードに容易に切り替えることができる。
【0060】
また、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30において、モード切替手段は、モードキーを差し込み可能な鍵穴を有するモードスイッチを備え、モードキーが鍵穴に差された状態でモードキーを回転させて位置を切り替えることで、その位置に対応したモードに切り替える。
したがって、モードスイッチを用いて容易にモードを切り替えることができる。
【0061】
また、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30において、第1端末装置(店舗携帯端末20)は、店員が業務で使用するための業務端末であり、第2端末装置(顧客携帯端末50)は、顧客が所有する端末である。
したがって、売上データ処理装置30が、店員が業務で使用するための業務端末と情報通信を行う場合と、顧客が所有する端末と情報通信を行う場合を適切に切り替えることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る売上データ処理システム1の売上データ処理装置30において、第1通信手段(通信部38)は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)によって第1端末装置(店舗携帯端末20)と情報通信を行ない、第2通信手段(ビーコン発信部39)は、iBeacon(登録商標)によって第2端末装置(顧客携帯端末50)と情報通信を行なう。
したがって、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)を用いて、店舗携帯端末20と情報通信を行い、iBeacon(登録商標)を用いて、顧客携帯端末50と情報通信を行うことができる。
【0063】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0064】
例えば、上記実施形態では、モードスイッチ42において、戻モードM1、電卓モードM2、OFFモードM3、登録モードM4、精算モードM5、設定モードM6、点検モードM7の順に各モードを配列するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、無線通信を行わない戻モードM1、電卓モードM2及びOFFモードM3の配列は順不同であり、いかなる配列であってもよい。また、通信部38による店舗携帯端末20との無線通信を行い、且つビーコン発信部39による顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行わない精算モードM5、設定モードM6及び点検モードM7の配列も同様に順不同である。
また、例えば、ビーコン発信部39の電源をオンして顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行う登録モードM4を、通信部38による店舗携帯端末20との無線通信を行い、且つビーコン発信部39による顧客携帯端末50への無線通信による情報の発信を行わない精算モードM5、設定モードM6及び点検モードM7の後に配列するようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、通信部38が店舗携帯端末20と通信可能な状態であり、ビーコン発信部39が通信不可能な状態とするモードとして3つのモード(精算モードM5、設定モードM6及び点検モードM7)を、通信部38及びビーコン発信部39が通信不可能な状態とするモードとして3つのモード(戻モードM1、電卓モードM2及びOFFモードM3)を、それぞれ例示して説明しているが、これに限定されるものではない。少なくとも一つのモードを、それぞれ備える構成であれば、いかなる構成であってもよい。
【0066】
また、オペレータキーK11を備えない構成(すなわち、オーナーキーK12のみを備える構成)であってもよい。この場合、モードスイッチ42の回転可能範囲をモードキーK1の種類に応じて異なるように構成しなくてもよいため、製造が容易である。
【0067】
(変形例2)
また、上記実施形態では、売上データ処理装置30の構成において、
図4等に示すように、表示部34と、入力部41と、モードスイッチ42と、をそれぞれ独立して設ける構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。
図11に、本変形例の売上データ処理装置30の構成を示す。例えば、
図11に示すように、入力部41Aを、表示部34Aと一体的に形成されたタッチパネルで構成するようにし、モードスイッチ42を設ける代わりに、表示部34A上に各モード(戻モードM1、電卓モードM2、OFFモードM3、登録モードM4、精算モードM5、設定モードM6、点検モードM7)をタブ形式で切り替え可能なモード切替部(モード切替手段)42Aを表示させる構成としてもよい。上記の構成により、表示部34Aと、入力部41Aと、モード切替部42Aと、を一体的に構成することができる。上記の構成によれば、より簡易な操作でモードの切り替えを実施することができる。
【0068】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性の半導体メモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、通信回線を介してプログラムのデータを提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
無線通信によって、第1端末装置への情報の送信及び前記第1端末装置からの情報の受信が可能である第1通信手段と、
無線通信によって、第2端末装置への情報の送信が可能である一方で、前記第2端末装置からの情報の受信が不可能である第2通信手段と、
前記第1通信手段での無線通信が許容される一方で前記第2通信手段での無線通信が禁止される第1のモードと、少なくとも前記第2通信手段での無線通信が許容される第2のモードと、を切り替えるモード切替手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理装置。
<請求項2>
取引データを集計した精算データを出力する精算モード、取引に係るデータを設定する設定モード、登録された取引データの点検をする点検モードのうち少なくともいずれか一つのモードが前記第1のモードに割り当てられているとともに、取引データが登録される登録モードが前記第2のモードに割り当てられていることを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項3>
前記第2のモードにおいて、前記第1通信手段での無線通信が実行される間は、前記第2通信手段での無線通信が禁止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の売上データ処理装置。
<請求項4>
前記第1通信手段及び前記第2通信手段の無線通信を禁止する第3のモードを有し、
前記モード切替手段は、前記第3のモードに切替可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項5>
前記モード切替手段は、
モードキーを差し込み可能な鍵穴を有するモードスイッチを備え、
前記モードキーが前記鍵穴に差された状態でモードキーを回転させて位置を切り替えることで、その位置に対応したモードに切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項6>
前記第1端末装置は、店員が業務で使用するための業務端末であり、
前記第2端末装置は、顧客が所有する端末である、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項7>
前記第1通信手段は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)によって前記第1端末装置と情報通信を行ない、
前記第2通信手段は、iBeacon(登録商標)によって前記第2端末装置と情報通信を行なう、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項8>
売上データ処理装置のコンピュータを、
無線通信によって、第1端末装置への情報の送信及び前記第1端末装置からの情報の受信が可能である第1通信手段、
無線通信によって、第2端末装置への情報の送信が可能である一方で、前記第2端末装置からの情報の受信が不可能である第2通信手段、
前記第1通信手段での無線通信が許容される一方で前記第2通信手段での無線通信が禁止される第1のモードと、少なくとも前記第2通信手段での無線通信が許容される第2のモードと、を切り替えるモード切替手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0070】
1 売上データ処理システム
10 取引サーバ装置
20 店舗携帯端末(第1端末装置)
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 撮像部
25 音声出力部
26 操作部
27 表示部
28 通信部
30 売上データ処理装置
31 CPU
32 RAM
33 ROM
34 表示部
35 客用表示部
36 印刷部
37 ドロア
38 通信部(第1通信手段)
39 ビーコン発信部(第2通信手段)
40 記憶部
41 入力部
42 モードスイッチ(モード切替手段)
50 顧客携帯端末(第2端末装置)
60 顧客サーバ装置
N 通信ネットワーク
K1 モードキー
K11 オペレータキー
K12 オーナーキー