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特許7585897センサ、通信端末、センサの制御方法、および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】センサ、通信端末、センサの制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01D 7/00 20060101AFI20241112BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20241112BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G01D7/00 302R
G08C17/00 Z
G01D7/00 A
G08B23/00 510A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021040360
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139816
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 豊
(72)【発明者】
【氏名】中野 文彦
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0049365(US,A1)
【文献】特表2021-506701(JP,A)
【文献】特開2011-110103(JP,A)
【文献】特開2018-092499(JP,A)
【文献】特開2007-233619(JP,A)
【文献】特開2012-156737(JP,A)
【文献】特開2020-135588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0043292(US,A1)
【文献】特開2008-236012(JP,A)
【文献】特許第5564636(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 7/00
G08C 17/00
G08B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の状態を検知または計測するセンシング部と、
外部の通信端末と無線通信を行う通信部と、
状態報知発光部と、
前記状態報知発光部の発光を制御する発光制御部と、を備え、
前記発光制御部は、前記センシング部による動作状態に応じて前記状態報知発光部を制御するとともに、前記通信部による通信状態に応じて前記状態報知発光部を制御し、
前記発光制御部は、通信を確立した前記外部の通信端末を識別する情報に応じて前記状態報知発光部の発光を変化させる、センサ。
【請求項2】
前記状態報知発光部は、複数の表示灯を備え、
前記発光制御部は、前記動作状態に応じてある表示灯を制御するとともに、前記通信状態に応じて他の表示灯を制御する請求項に記載のセンサ。
【請求項3】
前記状態報知発光部は、複数の表示灯を備え、
前記センシング部は、第1計測値および第2計測値を取得しており、
前記発光制御部は、前記第1計測値に関する動作状態に応じてある表示灯の発光色または光量を制御するとともに、前記第2計測値に関する動作状態に応じて他の表示灯の発光色または光量を制御し、前記通信状態に応じてそれぞれの発光状態の時間変化パターンを変化させる請求項に記載のセンサ。
【請求項4】
前記状態報知発光部は、単一の表示灯を備え、
前記発光制御部は、前記単一の表示灯の発光色と発光状態の時間変化パターンとを変化させる請求項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記発光制御部は、前記発光状態の時間変化パターンとして、点滅の時間変化パターンおよび発光色の時間変化パターンの少なくともいずれか一方を制御する請求項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記発光制御部は、前記動作状態に応じて発光色を異ならせるとともに、前記通信状態に応じて発光状態の時間変化パターンを異ならせる請求項またはに記載のセンサ。
【請求項7】
前記発光制御部は、前記通信状態に応じて発光色を異ならせるとともに、前記動作状態に応じて発光状態の時間変化パターンを異ならせる請求項またはに記載のセンサ。
【請求項8】
ンサと無線通信する通信端末であって、
前記センサは、
対象の状態を検知または計測するセンシング部と、
外部の通信端末と無線通信を行う通信部と、
状態報知発光部と、
前記状態報知発光部の発光を制御する発光制御部と、を備え、
前記発光制御部は、前記センシング部による動作状態に応じて前記状態報知発光部を制御するとともに、前記通信部による通信状態に応じて前記状態報知発光部を制御し、
前記通信端末は、通信中の前記センサの前記状態報知発光部での発光状態の時間変化パターンを表示する表示制御部を備える通信端末。
【請求項9】
ンサと無線通信する通信端末であって、
前記センサは、
対象の状態を検知または計測するセンシング部と、
外部の通信端末と無線通信を行う通信部と、
状態報知発光部と、
前記状態報知発光部の発光を制御する発光制御部と、を備え、
前記発光制御部は、前記センシング部による動作状態に応じて前記状態報知発光部を制御するとともに、前記通信部による通信状態に応じて前記状態報知発光部を制御し、
前記通信端末は、
カメラと、
前記カメラによって前記状態報知発光部の発光を認識し、前記センサが当該通信端末と通信しているか否かを判定する状態判定部と、を備える通信端末。
【請求項10】
状態報知発光部を備えるセンサの制御方法であって、
外部の状態を検知または計測するセンシングステップと、
外部の通信端末と無線通信を行う通信ステップと、
前記状態報知発光部の発光を制御する発光制御ステップと、を含み、
前記発光制御ステップは、前記センシングステップによる動作状態に応じて前記状態報知発光部の発光状態を変化させるとともに、前記通信ステップによる通信状態に応じて前記状態報知発光部の発光状態を変化させ
前記発光制御ステップは、通信を確立した前記外部の通信端末を識別する情報に応じて前記状態報知発光部の発光を変化させる、センサの制御方法。
【請求項11】
請求項に記載の通信端末としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記表示制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項に記載の通信端末としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記状態判定部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のセンサの中から、通信端末と通信するセンサを特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などの生産現場において、FA(Factory Automation)が進んでおり、作業現場および生産設備において多数のセンサが用いられている。近年、フロア面積の削減のために、生産設備の小型化の需要を受け、センサ自体も小型化が進んでいる。
【0003】
センサにはパラメータを設定する必要があるものが多く、7セグメントLED(Light Emitting Diode)、液晶、または有機ELなどによる表示部と、表示切替や設定入力などに用いられるスイッチなどの入力部と、の存在により、自然とセンサ自体の小型化に限界があった。
【0004】
そこで、近年のIoT(Internet Of Things)化により、センサに通信機能が搭載されるようになってきている。特に、従来のフィールドネットワークまたはシリアル通信などの有線による通信機能ではなく、無線通信規格に対応したセンサが導入されてきている。
【0005】
特に、無線通信規格に対応したセンサでは、パラメータの設定を無線通信で行うことができるため、前述の入力部および表示部を取り除き、かつ通信用の配線も必要ないため、センサを小型化することができる。
【0006】
ここで、生産設備では多数のセンサを同時に用いることが多いため、多数のセンサが無線通信規格に対応している場合、どのセンサと通信をしているのかが不明確になり、センサの調整が困難になるという問題がある。これに対して、後述の特許文献1には、人が知覚可能な所定パターンの発光出力を、計測機器と情報端末の両方で同時に行う技術が開示されている。これにより、ユーザが機器登録しようとしている機器が、情報端末において機器登録対象となっている機器と一致しているか否かを容易に確認したうえで、機器登録を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2020-160620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
産業用センサでは、計測値の正常/異常を示す表示灯が一般に搭載されており、操作中でもこの状態を判別できることが好ましい。上記の特許文献1に記載されている技術では、この状態判別に関する表示は考慮されていない。
【0009】
そこで、本発明の一態様は、ユーザが発光部を視認するだけで、センサの動作状態および通信状態を認識することができるセンサを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサは、対象の状態を検知または計測するセンシング部と、外部の通信端末と無線通信を行う通信部と、状態報知発光部と、前記状態報知発光部の発光を制御する発光制御部と、を備え、前記発光制御部は、前記センシング部による動作状態に応じて前記状態報知発光部を制御するとともに、前記通信部による通信状態に応じて前記状態報知発光部を制御する。
【0011】
上記の構成によれば、動作状態と通信状態とをまとめた状態を、発光制御部による状態報知発光部の制御によって表現することができる。そのため、ユーザは状態報知発光部を視認するだけで、センサの動作状態および通信状態を認識することができる。
【0012】
前記発光制御部は、通信を確立した前記外部の通信端末に応じて前記状態報知発光部の発光を変化させてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、発光制御部による状態報知発光部の制御によって、ユーザに対し通信状態の通知だけではなく、どのユーザがセンサと通信しているかを明確に表示することができる。そのため、複数ユーザで作業をしている状況であっても、作業対象のセンサをユーザが取り間違えることを防ぐことができる。
【0014】
前記状態報知発光部は、複数の表示灯を備え、前記発光制御部は、前記動作状態に応じてある表示灯を制御するとともに、前記通信状態に応じて他の表示灯を制御してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、動作状態と通信状態の表現は、それぞれに表示灯を設けて表示することもできる。そのため、動作状態と通信状態を同時に表示することができるため、センサとしてのリアルタイム性を損なうことなく、それぞれの状態を表現できる。
【0016】
前記状態報知発光部は、複数の表示灯を備え、前記センシング部は、第1計測値および第2計測値を取得しており、前記発光制御部は、前記第1計測値に関する動作状態に応じてある表示灯の発光色または光量を制御するとともに、前記第2計測値に関する動作状態に応じて他の表示灯の発光色または光量を制御し、前記通信状態に応じてそれぞれの発光状態の時間変化パターンを変化させてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、センサが複数の計測値を取得できる場合に、それぞれの動作状態と通信状態とをユーザに通知することができる。
【0018】
前記状態報知発光部は、単一の表示灯を備え、前記発光制御部は、前記単一の表示灯の発光色と発光状態の時間変化パターンとを変化させてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、発光制御部による状態報知発光部の制御としては、表示灯の発光色と発光状態の時間変化パターンとを変化させてセンサの動作状態と通信状態とを表現することができる。そのため、単一の表示灯の発光という限られた状態の中で、様々な状態を表現することができる。
【0020】
前記発光制御部は、前記発光状態の時間変化パターンとして、点滅の時間変化パターンおよび発光色の時間変化パターンの少なくともいずれか一方を制御してもよい。
【0021】
上記の構成によれば、発光状態の時間変化パターンとしては、点滅の時間変化と、発光色の時間変化とのどちらも適用することができる。そのため、一般的な点滅のような点灯と消灯の繰り返しによる表現に加え、複数の発光色による点灯のパターンを発光状態の時間変化パターンに含むことができ、状態数を多く定義することができる。
【0022】
前記発光制御部は、前記動作状態に応じて発光色を異ならせるとともに、前記通信状態に応じて発光状態の時間変化パターンを異ならせてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、動作状態と通信状態の表現手法の一つとして、動作状態を発光色で表現し、通信状態を発光状態の時間変化パターンで表現することができる。そのため、単一の表示灯を確認するだけで、センサの動作状態と通信状態を一意に特定することができ、ユーザに調整が容易であり、表示灯の設置スペースの削減によるセンサの小型化および、コスト削減の効果が見込める。
【0024】
前記発光制御部は、前記通信状態に応じて発光色を異ならせるとともに、前記動作状態に応じて発光状態の時間変化パターンを異ならせてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、動作状態と通信状態の表現手法の一つとして、通信状態を発光色で表現し、動作状態を発光状態の時間変化パターンで表現することができる。そのため、単一の表示灯を確認するだけで、センサの動作状態と通信状態を一意に特定することができ、ユーザに調整が容易であり、表示灯の設置スペースの削減によるセンサの小型化および、コスト削減の効果が見込める。
【0026】
前記通信端末は、通信中の前記センサの前記状態報知発光部での前記発光状態の時間変化パターンを表示する表示制御部を備えてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、通信端末に表示された発光状態の時間変化パターンを確認することで、センサの取り間違いを防ぐことができる。
【0028】
前記通信端末は、カメラと、前記カメラによって前記状態報知発光部の前記発光状態を認識し、前記センサが当該通信端末と通信しているか否かを判定する状態判定部と、を備えてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、通信端末のカメラによって、センサの状態報知発光部を動画像として撮像し、通信端末はセンサの発光状態の時間変化パターンを認識することで、センサの取り間違いを防ぐことができる。
【0030】
本発明の他の一態様に係るセンサの制御方法は、状態報知発光部を備えるセンサの制御方法であって、外部の状態を検知または計測するセンシングステップと、外部の通信端末と無線通信を行う通信ステップと、前記状態報知発光部の発光を制御する発光制御ステップと、を含み、前記発光制御ステップは、前記センシングステップによる動作状態に応じて前記状態報知発光部の発光状態を変化させるとともに、前記通信ステップによる通信状態に応じて前記状態報知発光部の発光状態を変化させる。
【0031】
本発明の各態様に係る通信端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記通信端末が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記通信端末をコンピュータにて実現させる通信端末の表示制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一態様によれば、複数のセンサが設けられた作業現場において、複数のセンサの中から、通信端末と通信しているセンサを特定し、調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】センサシステムの要部の構成を示すブロック図である。
図2】情報処理システムの要部の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る表示灯の発光色および発光状態の第1時間変化パターンを示す表である。
図4】実施形態1に係る表示灯の発光色および発光状態の第2時間変化パターンを示す表である。
図5】実施形態1に係る表示灯の発光色および発光状態の第3時間変化パターンを示す表である。
図6】実施形態1に係るセンサシステムにおけるセンサの調整手順を示すフローチャートである。
図7】実施形態1に係るセンサシステムにおけるセンサの調整を行う状況を示す概要図である。
図8】変形例に係るセンサシステムにおけるセンサの調整手順を示すフローチャートである。
図9】実施形態2に係る表示灯の発光色および発光状態の第4時間変化パターンを示す表である。
図10】実施形態3に係る表示灯の発光色および発光状態の第5時間変化パターンを示す表である。
図11】実施形態4に係る複数の表示灯の発光色を表す表である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0035】
§1.適用例
図2は、情報処理システム100の要部の構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理システム100は、管理装置40と、PLC(Programmable Logic Controller)41と、入力ユニット42と、センサ10と、スマートフォン(通信端末)20とを備える。
【0036】
図2に示すように、複数のセンサ10とスマートフォン20をもつ複数のユーザとが同じ作業現場で作業している場合においてでも、ユーザが作業対象とするセンサ10の取り間違えを防ぐ必要がある。
【0037】
図1は、センサシステム1の要部の構成を示すブロック図である。図1に示すように、センサシステム1は、単一のセンサ10と、スマートフォン20とが、Bluetooth30によって通信しているシステムである。
【0038】
そのために、図1に示すように、単一の表示灯を備える発光部(状態報知発光部)14を設けたセンサ10は、センサの動作状態と通信状態とを表す発光状態の時間変化パターンを複数用意し、単一の表示灯を確認するだけで、対象となるセンサか否かを判別することができる。
【0039】
§2.構成例
(情報処理システムの構成)
管理装置40は、PC(Personal Computer)などにより構成される情報処理システム100を統括して管理する装置である。
【0040】
PLC41は、管理装置40にEthernet(登録商標)50によって接続された制御装置であり、1つの管理装置40に対し、複数のPLC41が接続されてよい。Ethernet50は、Ethernetに限定されず、任意の管理装置40と、PLC41および入力ユニット42とを接続できる通信規格であればよい。
【0041】
入力ユニット42は、PLC41にバス接続51されたI/O(Input / Output)ユニットであり、1つのPLC41に対し、複数の入力ユニット42が接続されてもよい。バス接続51は、バス接続に限定されず、DeviceNet(登録商標)、EtherCAT(登録商標)、およびEthernet/IP(登録商標)などの任意のフィールドネットワークである、PLCとI/Oユニットを接続する通信規格であればよい。
【0042】
センサ10は、入力ユニット42にフィールドネットワーク52で接続されたセンサ(もしくはデバイス)であり、1つの入力ユニット42に対し、複数のセンサ10が接続されてよい。フィールドネットワーク52は、フィールドネットワークに限定されず、有線によるワイヤー配線であってもよい。センサ10は通信によって、内部のパラメータを編集することができ、センサとしての挙動を調整することができる。
【0043】
スマートフォン20は、情報処理システム100を管理するユーザが所持する通信端末であり、情報処理システム100に対し、複数のスマートフォン20が備えられてもよい。スマートフォン20は、Bluetooth(登録商標)30による無線通信によって、任意のセンサ10と通信を行うことができる。Bluetooth30は、Bluetoothに限定されず、任意の無線通信規格であってもよく、Wi-Fi(登録商標)、およびZigbee(登録商標)などであってもよい。
【0044】
このうち、情報処理システム100のうちのあるセンサ10と、あるスマートフォン20によって構成される、情報処理システム100の一部を抜粋したシステムをセンサシステム1と称する。
【0045】
(情報処理システム100におけるセンサシステム1で起こる障害)
センサ10とスマートフォン20が通信するに際し、ペアリングが必要であったとする。図2のように多数のセンサ10および多数のスマートフォン20が存在する作業現場において、スマートフォン20から、特定のセンサ10へペアリングを行う場合に、必ずしも、意図した当該センサ10とペアリングできるとは限らず、別のセンサとペアリングする可能性も起こりうる。特に、スマートフォン20で過去に他のセンサ10とペアリングしていたことがあり、その履歴が残っている場合、または、センサ10を識別する固有のIDが、同一の作業現場に複数存在する場合などで、誤接続が起こり易い。
【0046】
例えば、作業現場に2つの同一の装置群で構成されたラインがあり、作業現場にユーザが二人いたとする。第1のユーザは、第1のラインのある装置に搭載された第1のセンサ10をあるスマートフォン20で通信しようとする場合に、間違って、第2のラインの他の装置に搭載された第2のセンサ10と誤って通信を確立することがある。逆に、第2のラインのある装置に搭載された第2のセンサ10を別のスマートフォン20で通信しようとする場合に、間違って、第1のラインのある装置に搭載された第1のセンサ10と誤って通信を確立することがある。
【0047】
このような事態に対し、通信開始時に通信先をユーザが確認できる構成を実現する方法を、以降説明していく。
【0048】
(センサシステム1の構成)
センサ10は、センシング部11と、通信部12と、発光制御部13と、発光部14と、を備える。スマートフォン20は、表示制御部21と、カメラ22と、状態判定部23と、を備える。
【0049】
(センサ10の構成)
センシング部11は、センサ10が物理量を計測、もしくは物体を検出する機能ブロックである。センシング部11は、計測した物理量、もしくは検出した物体の有無を示す動作状態を発光制御部13に出力する。また、センシング部11は、センサ10の挙動を調整するパラメータを記憶しており、通信部12の指令に従い、パラメータを変更する機能を備える。動作状態は、正常と異常の2値であり、パラメータでもって分類される。
【0050】
通信部12は、スマートフォン20などの外部の通信端末と通信する機能を備える。また、通信部12は、外部の通信端末から指令された指示をセンシング部に出力する機能を備える。また、通信部12は、外部の通信端末と通信を確立しているか否かを示す通信状態を、発光制御部13に出力する。通信状態としては、通信を確立していない通常時と、通信を確立している通信確立時の2値である。また、通信確立時には、通信を確立している外部の通信端末を識別する情報をも発光制御部13に出力する。
【0051】
センサ10がBluetoothで通信する場合、通信を確立するために、通信部12は、スマートフォン20からの通信要求に応じてペアリング動作を行う。ここで、スマートフォン20は、センサ10固有のIDによってペアリング相手のセンサ10を選択し、通信要求を送信する。また、センサ10に設けられたスイッチの入力、センサ10の外部I/Oの入力、またはPLC41からセンサ10への指令によって、通信部12がペアリング動作を行ってもよい。
【0052】
発光制御部13は、入力された動作状態および通信状態を考慮して、発光部14に設けられた単一の表示灯の点灯を制御する。発光部14にある当該単一の表示灯は、フルカラーLEDである。発光制御部13は、発光部14の表示灯を発光色と発光状態の時間変化パターンを制御し、センサ10の状態を識別できるように制御する。ここで、発光部14は、フルカラーLEDに限定されず、少なくとも1つ以上の発光色を有する任意の表示灯であればよい。この場合、発光部14の構成を簡素化することができ、コストダウンすることができる。
【0053】
(スマートフォン20の構成)
表示制御部21は、スマートフォン20に設けられたディスプレイに表示する表示画面を制御する機能ブロックである。また、表示制御部21は、スマートフォン20が通信を確立しているセンサ10を識別するための発光色および発光状態の時間変化パターンを表示する。表示制御部21は、発光色および発光状態の時間変化パターンを状態判定部23に出力する。
【0054】
カメラ22は、スマートフォン20に設けられたカメラである。カメラ22でもって、センサ10の発光部14を撮像する。また、カメラ22は、撮像した動画像を、状態判定部23に出力する。
【0055】
状態判定部23は、カメラ22によって撮像された動画像を、表示制御部21から入力した発光色および発光状態の時間変化パターンと照合し、当該センサ10が、対象としているセンサ10であるかを判定する。
【0056】
この時、表示制御部21は、当該センサ10が対象のセンサであるか否かのみを表示してもよい。また、表示制御部21は、対象のセンサが本来しているであろう発光色および発光状態の時間変化パターンを表示してもよい。
【0057】
§3.動作例
センサシステム1の動作例の説明に先立ち、動作状態および通信状態ごとにおける発光制御部13の挙動を3通り説明する。
【0058】
(第1時間変化パターン)
図3は、実施形態1に係る表示灯の発光色および発光状態の第1時間変化パターンを示す表である。図3に示す表は、横軸に動作状態を、縦軸に通信状態をとった表である。
【0059】
例えば、単一の表示灯の点灯色は、動作状態が正常および異常では、それぞれ緑と赤であったとする。通信状態は、単一の表示灯の点灯を点滅により表現し、通常時は、消灯することなく点灯し続け、通信確立時は、所定の時間置き(例えば1秒)に消灯し、点滅する。
【0060】
具体的には、通常時で正常な場合は、消灯することなく緑点灯し、通常時で異常な場合は、消灯することなく赤点灯する。対して、通信確立時で正常な場合は、1秒おきに緑点滅し、通信確立時で異常な場合は、1秒おきに赤点滅する。なお、図3では、点滅の周期が一定の例を示しているが、これに限定するものではなく、例えばモールス信号のように点滅のタイミングが周期的に変化してもよい。
【0061】
第1時間変化パターンでは、動作状態および通信状態を明確に判別できる。また、発光色が2色に限定されるため、動作状態を理解し易い利点がある。
【0062】
(第2時間変化パターン)
図4は、実施形態1に係る表示灯の発光色および発光状態の第2時間変化パターンを示す表である。図4に示す表は、横軸に動作状態を、縦軸に通信状態および通信対象をとった表である。
【0063】
例えば、単一の表示灯の点灯色は、動作状態が正常および異常では、それぞれ緑と赤であったとする。通信状態は、単一の表示灯の点灯を点滅により表現し、通常時は、消灯することなく点灯し続け、通信確立時は、所定の時間置きに消灯し、点滅する。点滅する間隔を通信対象ごとに変更することで、通信対象を識別することができる。
【0064】
具体的には、通常時で正常な場合は、消灯することなく緑点灯し、通常時で異常な場合は、消灯することなく赤点灯する。対して、ユーザが2人では、ユーザAに対して通信確立時で正常な場合は、1秒おきに緑点滅し、ユーザAに対して通信確立時で異常な場合は、1秒おきに赤点滅する。ユーザBに対して通信確立時で正常な場合は、2秒おきに緑点滅し、ユーザBに対して通信確立時で異常な場合は、2秒おきに赤点滅する。なお、図4では、点滅の周期が一定の例を示しているが、これに限定するものではなく、例えばモールス信号のように点滅のタイミングが周期的に変化してもよい。
【0065】
第2時間変化パターンでは、動作状態、通信状態、および通信対象を明確に判別できる。特に、発光部14の点滅の時間変化パターンを異ならせることで、通信対象を明確に判別できる。また、発光色が2色に限定されるため、動作状態を理解し易い利点がある。また、通信状態に加えて、通信対象を判別することができる。
【0066】
(第3時間変化パターン)
図5は、実施形態1に係る表示灯の発光色および発光状態の第3時間変化パターンを示す表である。図5に示す表は、横軸に動作状態を、縦軸に通信状態および通信対象をとった表である。
【0067】
例えば、単一の表示灯の点灯色は、動作状態が正常および異常では、それぞれ緑と赤であったとする。通信状態は、表示灯の発光色の変化によって示し、通常時は、発光色が変化せず動作状態の色で点灯し続け、通信確立時は、発光色が変化し、動作状態で点灯した後に、通信対象を示す固有の発光色で点灯を繰り返す。通信対象ごとに固有の発光色は、例えば、ユーザAは青、ユーザBは橙、などのように色ごとに紐づける。
【0068】
具体例として、固有の発光色は、ユーザAおよびユーザBでそれぞれ青と橙である場合に関して説明する。通常時で正常な場合は、消灯することなく緑点灯し、通常時で異常な場合は、消灯することなく赤点灯する。ユーザAに対して通信確立時で正常な場合は、緑と青とで交互に点灯し、ユーザAに対して通信確立時で異常な場合は、赤と青とで交互に点灯する。ユーザBに対して通信確立時で正常な場合は、緑と橙とで交互に点灯し、ユーザBに対して通信確立時で異常な場合は、赤と橙とで交互に点灯する。
【0069】
第3時間変化パターンでは、動作状態、通信状態、および通信対象を明確に判別できる。特に、発光部14の発光状態の時間変化パターンを異ならせることで、通信対象を明確に判別できる。また、多数の発光色を設けることができるため、多数のユーザが同一の作業現場で作業することが可能である。
【0070】
(センサシステム1におけるセンサ10の調整)
図6は、実施形態1に係るセンサシステム1におけるセンサ10の調整手順を示すフローチャートである。図7は、実施形態1に係るセンサシステム1におけるセンサ10の調整を行う状況を示す概要図である。図7に示すように、スマートフォン20のカメラ22でセンサ10の発光部14を撮像し、複数のセンサの中から該当するセンサ10を探す手順を説明する。
【0071】
S11において、センサ10における通信部12は、スマートフォン20に対しペアリングを行う。ペアリングに際し、通信部12は、センサ10に設けられたスイッチの入力、センサ10の外部I/Oの入力、またはPLC41からセンサ10への指令を必要とする。これら入力に限定されず、通信部12は、常時通信を待機していてもよい。センサ10がペアリングの準備を終えた段階で、スマートフォン20は、センサ10を検出できるようになり、センサ10と無線通信を開始する。この時、スマートフォン20側で通信すべきセンサを選択することもできる。
【0072】
この時、スマートフォン20は、単一のセンサ30とペアリングを行うことに限定されない。すなわち、スマートフォン20は、複数のセンサ30を選択し、同時に複数のセンサ30とのペアリングを行ってもよい。
【0073】
S12において、通信部12は、ペアリングを行い、発光制御部13に通信確立時を示す通信状態を出力する。この時、併せて通信対象を識別する情報をも出力してもよい。その結果、発光制御部13は、通信確立時における発光状態で発光部14を発光させる。また、この時、表示制御部21は、状態判定部23に該当するセンサ10の発光状態の時間変化パターンを出力する。
【0074】
S13において、スマートフォン20のカメラ22でセンサ10の発光部14を撮像する。
【0075】
S14において、状態判定部23は、入力されたカメラ22の撮像結果である動画像と、発光状態の時間変化パターンとを照合する。照合結果が一致しない場合、S15に進み、照合結果が一致する場合、S16に進む。
【0076】
S15において、カメラ22で撮像していたセンサ10が該当のセンサ10でないことがわかったため、別のセンサ10に対象を変更する。該当のセンサが現れるまで、S13からS15の工程を繰り返す。該当するセンサが見つからない場合は規定の繰り返し処理を実行後に照合処理を停止する。
【0077】
S16において、表示制御部21は、図7に示すような画面を表示する。この画面には、照合結果が一致したセンサ10の固有の情報である機種情報、センシング値、および動作状態が表示される。機種情報としては、形式、およびセンサ名称(センサ種類)が挙げられるが、さらにシリアル番号などでもよい。また、図7に示すように、画面には、センサ10のパラメータを変更する「パラメータ変更」、センサ10のパラメータの履歴を確認する「履歴確認」、およびペアリングを終了する「ペアリング終了」を選択できるような画面である。
【0078】
ユーザは、センサ10の発光部14の状況を確認しつつ、スマートフォン20にてセンサ10のパラメータを変更する。この時、通信部12は、パラメータの変更入力があった場合、センシング部11にパラメータを通知し、センシング部11のパラメータを変更する。
【0079】
S17において、スマートフォン20にて、ペアリングを終了する。
【0080】
S18において、通信部12は、ペアリングを終了し、発光制御部13に通常時を示す通信状態を出力する。その結果、発光制御部13は、通常時における発光状態で発光部14を発光させる。
【0081】
§4.作用・効果
発光部14の単一の表示灯の発光色および発光状態の時間変化パターンによって、センサ10の動作状態、通信状態、および通信対象の情報をユーザに通知することができる。すなわち、動作状態に応じて発光色を異ならせるとともに、通信状態に応じて発光状態の時間変化パターンを異ならせることで、センサ10の状態が明確にわかる。
【0082】
発光状態の時間変化パターンとしては、点滅の時間変化および発光色の時間変化の少なくともいずれか一方によって、構成することができ、単一の表示灯で表現できる情報の種類を増加させている。
【0083】
ユーザは、ユーザへの通知をスマートフォン20のカメラ22によって撮像することで、対象となるセンサを認識することができ、センサ10の取り間違いを防ぐことができる。
【0084】
単一の表示灯だけでも、十分に動作状態および通信状態を通知することができるため、発光部14を小型化でき、結果的にセンサ10の小型化につながる。
【0085】
〔変形例1〕
図8は、変形例に係るセンサシステム1におけるセンサ10の調整手順を示すフローチャートである。図8では、図6におけるS13からS15に変わり、S21の処理を行う。
【0086】
S21において、表示制御部21は、図7に示すように、発光部14の発光状態の時間変化パターンをディスプレイに表示する。ユーザは、表示された発光状態の時間変化パターンを確認し、該当するセンサを特定する。
【0087】
通信対象のセンサ10を示す情報を通信中のスマートフォン20が表示することで、ユーザはセンサを取り間違えることを防ぐことができる。
【0088】
〔変形例2〕
実施形態1では、センサ10がスマートフォン20とペアリングによって無線通信を行う態様に関して示したが、この限りではない。例えば、センサ10が無線サーバを備えており、センサ10の一部に記載のQR(Quick Response)コードから、複数のセンサのなかからセンサを一意に識別できるURL(Uniform Resource Locator)を取得し、スマートフォン20から通信する態様でもよい。
【0089】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0090】
(第4時間変化パターン)
図9は、実施形態2に係る表示灯の発光色および発光状態の第4時間変化パターンを示す表である。図9に示す表は、横軸に動作状態を、縦軸に通信状態および通信対象をとった表である。
【0091】
実施形態2では、実施形態1と同様に、発光部14として、単一の表示灯を備える点が共通する。しかしながら、実施形態2では、実施形態1と異なり、ユーザごとに異なる動作状態を表す発光色が定義されている。
【0092】
具体的には、ユーザが2人の場合、通常時で正常な場合は、緑点灯し、通常時で異常な場合は赤点灯する。対して、ユーザAに対して通信確立時で正常な場合は、青点灯し、ユーザAに対して通信確立時で異常な場合は、橙点灯する。また、ユーザBに対して通信確立時で正常な場合は、紫点灯し、ユーザBに対して通信確立時で異常な場合は、黄点灯する。
【0093】
実施形態2に係る第4時間変化パターンでは、動作状態、通信状態、および通信対象を明確に判別できる。また、第4時間変化パターンでは、動作状態・通信状態によらず、常時、表示灯が点灯するため、表示灯が消灯することがないことから状態が不定と誤解する区間が生まれない利点がある。
【0094】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0095】
(第5時間変化パターン)
図10は、実施形態3に係る表示灯の発光色および発光状態の第5時間変化パターンを示す表である。図10に示す表は、横軸に動作状態を、縦軸に通信状態および通信対象をとった表である。
【0096】
実施形態3では、実施形態1と同様に、発光部14として、単一の表示灯を備える点が共通する。しかしながら、実施形態3では、実施形態1と異なり、発光色で通信状態を表し、発光状態の時間変化パターンで、動作状態を表す点が異なる。すなわち、動作状態が正常な場合は点灯し、異常な場合は点滅する。
【0097】
具体的には、ユーザが2人の場合、通常時で正常な場合は緑点灯し、通常時で異常な場合は緑点滅する。対して、ユーザAに対して通信確立時で正常な場合は、赤点灯し、ユーザAに対して通信確立時で異常な場合は、赤点滅する。また、ユーザBに対して通信確立時で正常な場合は、青点灯し、ユーザBに対して通信確立時で異常な場合は、青点滅する。
【0098】
実施形態3に係る第5時間変化パターンでは、動作状態、通信状態、および通信対象を明確に判別できる。すなわち、通信状態に応じて発光色を異ならせるとともに、動作状態に応じて発光状態の時間変化パターンを異ならせることにより、センサ10の状態が明確にわかる。
【0099】
また、通信対象ごとに固有の発光色が定義されるため、通信対象を判別することが容易である。また、多数の発光色を設けることができるため、多数のユーザが同一の作業現場で作業することが可能である。
【0100】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0101】
実施形態4では、実施形態1~3と異なり、発光部14として、複数の表示灯を備える点が異なる。例えば、表示灯が2つあり、第1表示灯が動作状態を表し第2表示灯が通信状態を表す。第1表示灯および第2表示灯は共にフルカラーLEDである。ここで、第1表示灯および第2表示灯は、フルカラーLEDに限定されず、少なくとも1つ以上の発光色を有する任意の表示灯であればよい。
【0102】
図11は、実施形態4に係る複数の表示灯の発光色を表す表である。図11に示す表は、横軸に動作状態を、縦軸に通信状態をとった表である。
【0103】
図11に示すように、第1表示灯は、動作状態が正常な場合は緑点灯し、異常な場合は赤点灯する。対して第2表示灯は、通信状態が通常時の場合は消灯し、通信確立時の場合は点灯する。
【0104】
具体的には、通常時で正常な場合は、第1表示灯が緑点灯し、第2表示灯が消灯する。通常時で異常な場合は、第1表示灯が赤点灯し、第2表示灯が消灯する。通信確立時で正常な場合は、第1表示灯が緑点灯し、第2表示灯が青点灯する。通信確立時で異常な場合は、第1表示灯が赤点灯し、第2表示灯が青点灯する。第2表示灯の発光色(点灯色)は、通信対象ごとの固有の発光色であり、ユーザごとに、第2表示灯の発光色は、青、橙、紫など、固有の色を点灯することで区別する。この時、視認性の観点から動作状態を示す発光色は使用しないことが望ましい。
【0105】
実施形態4では、動作状態、通信状態、および通信対象を明確に判別できる。また、動作状態によらず、常時、動作状態を表す表示灯は点灯するため、表示灯が消灯することがないことから動作状態が不定の区間が生まれない利点がある。また、通信状態を示す第2表示灯に関しても同様であり、通常時では消灯し、通信確立時では点灯することから、通信確立時が間断なく明確にわかる利点がある。
【0106】
なお、センサ10で計測値を2種類取得している場合、第1表示灯が第1計測値に関する動作状態を発光色または光量で表し、第2表示灯が第2計測値に関する動作状態を発光色または光量で表し、それぞれの発光状態の時間変化パターンが通信状態を表すようにしてもよい。ここで、動作状態は、第1計測値(第2計測値)が閾値以上である場合と未満である場合とで発光色を異ならせるなどによって表すことができる。また、第1計測値(第2計測値)の値に応じて段階的に発光色が変化されてもよいし、光量が変化されてもよい。これにより、センサ10が複数の計測値を取得できる場合に、それぞれの動作状態と通信状態とをユーザに通知することができる。
【0107】
〔ソフトウェアによる実現例〕
センサ(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0108】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0109】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0110】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0111】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 センサシステム
10 センサ
11 センシング部
12 通信部
13 発光制御部
14 発光部(状態報知発光部)
20 スマートフォン(通信端末)
21 表示制御部
22 カメラ
23 状態判定部
30 Bluetooth
40 管理装置
41 PLC
42 入力ユニット
50 Ethernet
51 バス接続
52 フィールドネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11