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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20241112BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021049079
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147705
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 周吾
(72)【発明者】
【氏名】池田 一樹
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-068493(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D18/00
F24F11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
F24H1/00
1/18-1/20
4/00-4/06
H03J9/00-9/06
H04L12/28
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
H05B39/00-39/10
45/00-45/59
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を供給可能な給湯手段と、
前記給湯手段を制御する制御装置と、
前記制御装置と接続された有線式のリモートコントローラと、
サーバと前記制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、
前記サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に前記給湯手段の操作機能を提供し、
前記制御装置は、前記サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により前記給湯手段を制御し、
複数の前記サーバのうちから前記通信装置と通信する前記サーバを選択する選択手段をさらに備え
前記選択手段を、前記リモートコントローラに備えた給湯装置。
【請求項2】
温水を供給可能な給湯手段と、
前記給湯手段を制御する制御装置と、
サーバと前記制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、
前記サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に前記給湯手段の操作機能を提供し、
前記制御装置は、前記サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により前記給湯手段を制御し、
複数の前記サーバのうちから前記通信装置と通信する前記サーバを選択する選択手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記制御装置に設けられた切替スイッチである給湯装置。
【請求項3】
温水を供給可能な給湯手段と、
前記給湯手段を制御する制御装置と、
サーバと前記制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、
前記サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に前記給湯手段の操作機能を提供し、
前記制御装置は、前記サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により前記給湯手段を制御し、
複数の前記サーバのうちから前記通信装置と通信する前記サーバを選択する選択手段と、
前記選択手段による選択後の前記サーバに関する情報を使用者に報知する報知手段と、をさらに備えた給湯装置。
【請求項4】
温水を供給可能な給湯手段と、
前記給湯手段を制御する制御装置と、
サーバと前記制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、
前記サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に前記給湯手段の操作機能を提供し、
前記制御装置は、前記サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により前記給湯手段を制御し、
複数の前記サーバのうちから前記通信装置と通信する前記サーバを選択する選択手段と、
前記通信装置と前記サーバとの通信状態を表示する表示手段と、をさらに備えた給湯装置。
【請求項5】
温水を供給可能な給湯手段と、
前記給湯手段を制御する制御装置と、
サーバと前記制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、
前記サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に前記給湯手段の操作機能を提供し、
前記制御装置は、前記サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により前記給湯手段を制御し、
複数の前記サーバのうちから前記通信装置と通信する前記サーバを選択する選択手段をさらに備え、
前記通信装置は、前記選択手段により選択された前記サーバと通信が切断された場合に、予め設定された別の前記サーバとの通信を開始する給湯装置。
【請求項6】
温水を供給可能な給湯手段と、
前記給湯手段を制御する制御装置と、
サーバと前記制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、
前記サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に前記給湯手段の操作機能を提供し、
前記制御装置は、前記サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により前記給湯手段を制御し、
複数の前記サーバのうちから前記通信装置と通信する前記サーバを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択可能な前記サーバを追加するサーバ追加手段と、をさらに備えた給湯装置。
【請求項7】
前記通信装置は、通信を行う前記サーバが前記選択手段により選択された後に前記サーバとの通信を開始する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項8】
前記選択手段は、初期状態において通信を行う前記サーバを選択済みである請求項1から請求項のいずれか一項に記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給湯設備を操作するためのアプリケーションソフトウエア等が予めインストールされた携帯端末からの遠隔操作によりクラウド及びHEMS(Home Energy Management System)を介して浴室に給湯可能な給湯設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-014592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような給湯装置においては、遠隔操作時に使用できる機能等が、操作用端末にインストールされたアプリケーションソフトウエア及びクラウドのサーバにより制限されてしまい、外部からの遠隔操作機能に関して使用者の利便性が低下してしまう可能性がある。また、操作用端末のアプリケーションソフトウエア及びクラウドのサーバを長期間にわたってメンテナンスする必要があり、外部からの遠隔操作機能に関してサービス提供者による保守性が低下してしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、外部からの遠隔操作機能に関して、使用者の利便性向上と、サービス提供者による保守性の向上とを両立可能である給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る給湯装置は、温水を供給可能な給湯手段と、給湯手段を制御する制御装置と、制御装置と接続された有線式のリモートコントローラと、サーバと制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に給湯手段の操作機能を提供し、制御装置は、サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により給湯手段を制御し、複数のサーバのうちから通信装置と通信するサーバを選択する選択手段をさらに備え、選択手段を、リモートコントローラに備えた。
あるいは、本開示に係る給湯装置は、温水を供給可能な給湯手段と、給湯手段を制御する制御装置と、サーバと制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に給湯手段の操作機能を提供し、制御装置は、サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により給湯手段を制御し、複数のサーバのうちから通信装置と通信するサーバを選択する選択手段をさらに備え、選択手段は、制御装置に設けられた切替スイッチである。
あるいは、本開示に係る給湯装置は、温水を供給可能な給湯手段と、給湯手段を制御する制御装置と、サーバと制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に給湯手段の操作機能を提供し、制御装置は、サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により給湯手段を制御し、複数のサーバのうちから通信装置と通信するサーバを選択する選択手段と、選択手段による選択後のサーバに関する情報を使用者に報知する報知手段と、をさらに備えた。
あるいは、本開示に係る給湯装置は、温水を供給可能な給湯手段と、給湯手段を制御する制御装置と、サーバと制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に給湯手段の操作機能を提供し、制御装置は、サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により給湯手段を制御し、複数のサーバのうちから通信装置と通信するサーバを選択する選択手段と、通信装置とサーバとの通信状態を表示する表示手段と、をさらに備えた。
あるいは、本開示に係る給湯装置は、温水を供給可能な給湯手段と、給湯手段を制御する制御装置と、サーバと制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に給湯手段の操作機能を提供し、制御装置は、サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により給湯手段を制御し、複数のサーバのうちから通信装置と通信するサーバを選択する選択手段をさらに備え、通信装置は、選択手段により選択されたサーバと通信が切断された場合に、予め設定された別のサーバとの通信を開始する。
あるいは、本開示に係る給湯装置は、温水を供給可能な給湯手段と、給湯手段を制御する制御装置と、サーバと制御装置とを通信可能とする通信装置と、を備え、サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末に給湯手段の操作機能を提供し、制御装置は、サーバにアクセスした外部操作端末からの操作により給湯手段を制御し、複数のサーバのうちから通信装置と通信するサーバを選択する選択手段と、選択手段で選択可能なサーバを追加するサーバ追加手段と、をさらに備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る給湯装置によれば、外部からの遠隔操作機能に関して、使用者の利便性向上と、サービス提供者による保守性の向上とを両立可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る給湯装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る給湯装置が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る給湯装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係る給湯装置を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1から図3を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は給湯装置の構成を示すブロック図である。図2は給湯装置が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図3は給湯装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0011】
この実施の形態に係る給湯装置は、図1に示すように、給湯機本体1を備えている。給湯機本体1は、給湯手段5及び制御装置10を備えている。給湯手段5は、水を加熱して温水を供給する手段である。給湯手段5により、宅内2に設けられた各蛇口からの温水の供給、宅内2の浴室内に設けられた浴槽への湯張り、差し湯及び差し水、並びに、浴槽内の湯水の追焚き、保温及び沸き上げ等が可能である。制御装置10は、給湯手段5の動作を含む給湯機本体1の動作全般を制御する。
【0012】
給湯装置が設置された家屋の宅内2には、台所リモコン3及び浴室リモコン4が設けられている。台所リモコン3及び浴室リモコン4は、遠隔から給湯機本体1を操作するためのリモートコントローラである。台所リモコン3は、宅内2の台所に設置されている。浴室リモコン4は、宅内2の浴室内に設置されている。台所リモコン3及び浴室リモコン4のそれぞれは、給湯機本体1の制御装置とリモコン線により接続されている。すなわち、台所リモコン3及び浴室リモコン4は、有線式のリモートコントローラである。ここでは、台所リモコン3及び浴室リモコン4の2台のリモートコントローラが設けられている構成例を説明するが、リモートコントローラの台数は2台に限られない。以降の説明においては、台所リモコン3及び浴室リモコン4を区別せずに総称する場合、リモートコントローラという。
【0013】
リモートコントローラは、図示しない操作部と表示部とを備えている。操作部は、使用者が操作するためのスイッチ、ボタン類等である。表示部は、使用者に給湯機本体1の運転状態に関する各種の情報を表示する液晶ディスプレイ等である。表示部として、発光するLED(発光ダイオード)等のランプを備えていてもよい。リモートコントローラは、操作部と表示部とが一体化されたタッチパネルを備えていてもよい。また、リモートコントローラは、音声を鳴動させるスピーカを備えていてもよい。さらに、リモートコントローラは、異なるリモートコントローラ同士の間での通話を可能とするインターホン機能を備えていてもよい。インターホン機能を備える場合、リモートコントローラは、スピーカに加えて音声入力を受け付けるマイクロフォンを備えている。
【0014】
この実施の形態に係る給湯装置においては、宅内2のリモートコントローラだけでなく、家屋の外の外部操作端末8からも操作が可能である。外部操作端末8は、例えば汎用の携帯端末装置、具体的には、スマートフォン、タブレット端末等である。外部操作端末8は、電気通信回線を介してサーバにアクセス可能である。外部操作端末8には、給湯機本体1を操作するための専用アプリケーション等がインストールされていてもよい。この場合、外部操作端末8は、専用アプリケーションを介してサーバにアクセスする。
【0015】
サーバは、当該サーバにアクセスした外部操作端末8に給湯手段5の操作機能を提供する。図示の構成例では、サーバとして第1サーバ21と第2サーバ22の2つのサーバが設けられている。ここでは、第1サーバ21及び第2サーバ22の2つサーバを図示しているが、サーバの数は2つに限られない。また、第1サーバ21及び第2サーバ22のそれぞれが、複数台のサーバで構成されるサーバ群であってもよい。本開示の説明においては、第1サーバ21及び第2サーバ22を区別せずに総称する場合、単にサーバという。
【0016】
この実施の形態に係る給湯装置は、通信装置6を備えている。通信装置6は、例えば宅内2に設けられている。通信装置6は、台所リモコン3又は浴室リモコン4と一体に設けられてもよい。通信装置6は、給湯機本体1の制御装置10と双方向に信号のやり取りが可能である。宅内2には、ゲートウェイ装置7が設置されている。宅内2の通信装置6は、ゲートウェイ装置7を介して家屋の外の通信ネットワーク(例えばインターネット)に接続されている。通信装置6は、ゲートウェイ装置7を介して、サーバ(第1サーバ21及び第2サーバ22)と通信可能である。通信装置6により、制御装置10とサーバ(第1サーバ21及び第2サーバ22)とが通信可能になる。
【0017】
外部操作端末8がサーバにアクセスすると、サーバの提供する操作機能により、給湯機本体1の操作が可能となる。すなわち、サーバにアクセスした外部操作端末8を操作することで、この操作に対応した操作信号がサーバから送信される。サーバから送信された操作信号は、通信装置6により受信される。そして、通信装置6は、受信した操作信号を制御装置10に送る。制御装置10は、通信装置6から送られてきた操作信号に応じて、給湯機本体1の給湯手段5を制御する。
【0018】
図2は、この実施の形態に係る給湯装置における制御装置10の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置10の制御回路には、例えば、図示しないプロセッサ及びメモリが備えられている。制御装置10は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実行し、給湯機本体1を制御する。
【0019】
プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0020】
なお、制御装置10の制御回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置10の制御回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、当該制御回路にプロセッサ及びメモリが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される制御回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0021】
図2に示すように、この実施の形態に係る給湯装置においては、制御装置10は給湯制御部11、サーバ選択部12、報知制御部13及びサーバ追加部14を備えている。制御装置10においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、制御装置10のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、給湯制御部11、サーバ選択部12、報知制御部13及びサーバ追加部14の各部の機能が実現される。
【0022】
給湯制御部11は、台所リモコン3及び浴室リモコン4、並びに、通信装置6を介してサーバから入力された操作信号に応じて、給湯手段5の動作を制御する。例えば、制御装置10のメモリには、給湯機本体1の運転に必要となる各種の設定情報等が記憶されている。給湯制御部11は、このような設定情報等を参照して給湯手段5の動作を制御する。
【0023】
サーバ選択部12は、複数のサーバのうちから通信装置6と通信するサーバを選択する選択手段である。例えば、制御装置10のメモリには、外部操作端末8が給湯機本体1の操作を行うためにアクセスするサーバとして選択可能な選択肢となるサーバの情報が予め記憶されている。使用者は、例えば、リモートコントローラを操作することで、複数のサーバの選択肢のうちから、外部操作端末8による操作時にアクセスするサーバを指定する。サーバ選択部12は、リモートコントローラへの操作で指定されたサーバを選択する。すなわち、サーバ選択部12は、リモートコントローラへの操作により通信装置6と通信するサーバを選択する。なお、選択手段であるサーバ選択部12を、リモートコントローラに備えてもよい。
【0024】
そして、通信装置6がサーバ選択部12により選択されたサーバ(以下、「選択サーバ」とも呼ぶ)と通信することで、制御装置10と選択サーバとの間での各種信号のやり取りが行われる。例えば、選択サーバに外部操作端末8でアクセスして操作すると、選択サーバから操作信号が送信される。選択サーバから送信された操作信号は、通信装置6により受信されて制御装置10に送られる。そして、制御装置10は、選択サーバから送信された操作信号に応じて、給湯機本体1の給湯手段5を制御する。
【0025】
また、使用者は、制御装置10に設けられた切替スイッチを操作することで、複数のサーバの選択肢のうちから、外部操作端末8による操作時にアクセスするサーバを指定できるようにしてもよい。サーバ選択部12は、制御装置10に設けられた切替スイッチで指定されたサーバを選択する。すなわち、この場合、サーバ選択部12は、制御装置10に設けられた切替スイッチへの操作により通信装置6と通信するサーバを選択する。なお、制御装置10に設けられた切替スイッチそのものをサーバ選択部12すなわち選択手段としてもよい。
【0026】
報知制御部13は、台所リモコン3及び浴室リモコン4等による報知動作を制御する。例えば、給湯手段5による湯張り、追焚き、沸き上げ等が終了したとき、報知制御部13は、台所リモコン3及び浴室リモコン4の表示部にメッセージを表示させ、あるいは、台所リモコン3及び浴室リモコン4のスピーカから音声を鳴動させることにより、使用者に湯張り等が終了した旨を報知させる。
【0027】
また、報知制御部13は、サーバ選択部12によりサーバが選択された場合に、選択サーバに関する情報を台所リモコン3及び浴室リモコン4の表示部に表示させる。この場合、報知制御部13、台所リモコン3及び浴室リモコン4は、選択サーバ、すなわちサーバ選択部12による選択後のサーバに関する情報を使用者に報知する報知手段を構成している。サーバが異なるとサーバにより提供される操作機能も異なる場合がある。そこで、選択サーバに関する情報を使用者に知らせることで利便性を向上できる。
【0028】
報知制御部13は、通信装置6と選択サーバとの通信状態を、台所リモコン3及び浴室リモコン4の表示部に表示させてもよい。通信装置6と選択サーバとの通信状態とは、通信装置6と選択サーバの通信が可能な状態であるのか、あるいは、通信装置6と選択サーバとの通信が切断されているのか、等である。この場合、報知制御部13、台所リモコン3及び浴室リモコン4は、通信装置6とサーバとの通信状態を表示する表示手段を構成している。このようにすることで、通信装置6とサーバとの通信状態を使用者に知らせることができ、利便性を向上できる。
【0029】
サーバ追加部14は、サーバ選択部12で選択可能なサーバの選択肢を追加するサーバ追加手段である。この実施の形態に係る給湯装置においては、使用者は、例えば台所リモコン3又は浴室リモコン4を操作することにより、外部操作端末8がアクセス可能なサーバの情報を追加できる。この際に追加するサーバの情報は、例えば、サーバ接続用のURL(Uniform Resource Locator)等のアドレス情報を含んでいる。このような、サーバ追加部14を備えることで、給湯装置の製品出荷時には存在しなかった新設サーバについても、後から情報を追加して利用できる。
【0030】
サーバ選択部12によりサーバが選択されていない場合には、通信装置6は、いずれのサーバとも通信を行わないようにしてもよい。そして、通信装置6は、通信を行うサーバがサーバ選択部12により選択された後にサーバとの通信を開始する。このようにすることで、使用者の意図しない動作、表示等がなされてしまうことを抑制できる。
【0031】
また、サーバ選択部12は、初期状態において通信を行うサーバを選択済みとしてもよい。このようにすることで、使用するサーバの設定を使用者が行う手間を省いて、外部操作端末8からのサーバを介した遠隔操作が可能になる。台所リモコン3、浴室リモコン4等が故障して、使用するサーバを使用者が設定できない場合でも、外部操作端末8からのサーバを介した遠隔操作が可能になる。
【0032】
通信装置6は、選択サーバ、すなわちサーバ選択部12により選択されたサーバと通信が切断された場合に、予め設定された別のサーバとの通信を開始するようにしてもよい。別のサーバの情報としては、例えば、バックアップ・サーバの情報を予め制御装置10のメモリに記憶しておくことが考えられる。また、サーバ選択部12により、プライマリ・サーバ及びセカンダリ・サーバ等を指定できるようにしてもよい。すなわち、サーバ選択部12により複数のサーバを選択し、それぞれのサーバについて接続優先度を設定できるようにしてもよい。さらに、通信装置6は、選択サーバとの通信が切断された場合に、その際の通信ログ等の情報を別のサーバに送信してもよい。このようにすることで、障害発生時の状況等を解析し、復旧等に活用できる。
【0033】
次に、以上のように構成された給湯装置の動作例について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ステップS1において、通信装置6は、使用するサーバがサーバ選択部12により選択されているか否かを判定する。使用するサーバがサーバ選択部12により選択されていなければ、ステップS2以降の処理は行わずに、使用するサーバがサーバ選択部12により選択されるまで待機する。そして、サーバ選択部12により選択されているサーバがあれば、通信装置6は次にステップS2の処理を行う。ステップS2においては、通信装置6は、選択サーバとの通信を開始する。そして、続くステップS3において、制御装置10の報知制御部13は、選択サーバの情報を台所リモコン3及び浴室リモコン4に表示させる。ステップS3の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
【0034】
以上のように構成された給湯装置によれば、外部操作端末8により給湯機本体1を遠隔操作する際に使用するサーバを、給湯機本体1側、あるいは、宅内2側から選択したり、変更したりすることができる。このため、複数のサーバのうちから、それぞれのサーバが提供する機能、通信品質等を比較して使用者が所望するサーバを使用可能である。このため、外部からの遠隔操作機能に関する利便性を向上できる。また、1つの固定されたサーバを長期間にわたってメンテナンスする必要がなく、外部操作端末8にインストールされる専用アプリケーションについても、長期間にわたってメンテナンスする必要がない。このため、外部からの遠隔操作機能に関する保守性を向上できる。
【符号の説明】
【0035】
1 給湯機本体
2 宅内
3 台所リモコン
4 浴室リモコン
5 給湯手段
6 通信装置
7 ゲートウェイ装置
8 外部操作端末
10 制御装置
11 給湯制御部
12 サーバ選択部
13 報知制御部
14 サーバ追加部
21 第1サーバ
22 第2サーバ
図1
図2
図3