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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20241112BHJP
   G03G 21/20 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G03G15/20 555
G03G21/20
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021068099
(22)【出願日】2021-04-14
(65)【公開番号】P2022163266
(43)【公開日】2022-10-26
【審査請求日】2024-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】丸山 泰弘
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-210486(JP,A)
【文献】特開2002-091226(JP,A)
【文献】特開2009-075443(JP,A)
【文献】特開2021-185404(JP,A)
【文献】特開2011-112858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0245839(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0107645(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/20
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを供給する供給部と、
前記供給部から供給されたシートにトナー像を形成するプロセス部と、
シートに形成されたトナー像を加熱して定着する定着部と、
制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記定着部は、
加熱部材と、前記加熱部材との間で、トナー像が形成されたシートを挟持する加圧部材と、シートの搬送方向に直交する幅方向における前記加熱部材の端部の温度を検出する端部温度センサとを有し、
前記制御部は、
前記供給部、前記プロセス部および前記定着部を制御して印刷処理を実行し、
前記印刷処理の実行中に、前記端部温度センサで検出された温度が冷却開始閾値以上になった場合に、前記加熱部材の昇温を抑制する冷却処理を実行し、
選択された前記シートのサイズが、
所定幅よりも大きい幅を有し、かつ、幅方向の大きさよりも搬送方向の大きさが大きい第1サイズである場合、前記冷却開始閾値を第1閾値に設定し、
前記第1サイズのシートの幅と同じ幅を有し、搬送方向の大きさが幅方向の大きさよりも小さい第2サイズである場合、前記冷却開始閾値を前記第1閾値よりも低い第2閾値に設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却処理は、前記印刷処理を一時停止すること、前記印刷処理におけるシートの搬送速度を遅くすること、前記印刷処理におけるシート同士の間隔を広げること、前記画像形成装置のファンを起動させること、および、前記ファンの動作速度を速くすること、の少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
選択されたシートのサイズが前記第2サイズである場合、前記第1サイズが選択された場合と同じ搬送速度でシートを搬送することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
選択されたシートのサイズが前記第2サイズである場合、前記第1サイズである場合よりもシート同士の間隔を大きい間隔に設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
選択されたシートのサイズが、搬送方向の大きさが前記第2サイズと同じで、かつ、幅方向の大きさが前記第2サイズよりも小さい第3サイズである場合、前記第2サイズが選択された場合よりも遅い速度でシートを搬送させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
選択されたシートのサイズが前記第3サイズである場合、前記冷却開始閾値を前記第1閾値に設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
選択されたシートのサイズに応じて前記加熱部材の目標温度を設定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記供給部により供給されたシートの通紙の有無を検知するシートセンサを備え、
前記制御部は、
前記シートセンサがシートの通紙を検知した時間に基づき、シートの搬送方向の大きさを算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記シートセンサにより検出されたシートの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、LDとLSが一致する場合よりも遅い搬送速度でシートを搬送し、または、シート同士の間隔を変更することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記シートセンサにより検出されたシートの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、前記印刷処理を停止することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記シートセンサは、前記幅方向において、画像形成装置で使用可能なすべてのサイズのシートが通過する位置に配置されることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記加熱部材の定着時の目標温度を、選択されたシートに応じた標準的な温度とする通常定着モードと、
前記加熱部材の定着時の目標温度を、通常定着モードよりも高い温度にする高温定着モードと、を選択的に実行可能であり、
前記高温定着モードが選択された場合、前記冷却開始閾値を、通常定着モードの場合より低い温度に設定することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を熱定着する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー像を熱定着する加熱部材を備える画像形成装置において、幅の狭いシートが使用された場合には、加熱部材は、幅方向の端部においてシートに熱が奪われないので、端部の温度が高くなることがある。加熱部材の異常な昇温を抑えるため、印刷ジョブで選択されたシートのサイズや、実際に供給されたシートのサイズに応じて様々な対策が検討されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-076171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置は、シートの搬送方向の大きさを検出可能な通紙センサを備える一方、コストを低減するため、シートの幅方向の大きさを検出するセンサを備えないことがある。このような場合、例えば、A5用紙を横向きにして供給する設定で印刷ジョブを受信した場合に、実際に供給されたシートがA6用紙の縦向きであると、A5用紙の横向きとA6用紙の縦向きは、搬送方向の大きさに違いがないため、異なるサイズのシートが供給されたことを検出することはできない。しかし、A6用紙の縦向きはA5用紙の横向きよりも幅方向の大きさが小さいので、このようなケースに対して何の対策もしない場合には、加熱部材の端部の温度が高くなる。
【0005】
上述のケースを考慮して、A5の横向きの設定で印刷ジョブを受信した場合には、加熱部材の端部の昇温を防止するため搬送速度を遅く設定することも考えられるが、印刷速度が低下するため、搬送速度は極力下げたくないという要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、シートの搬送速度を極力下げることなく加熱部材の端部の昇温を抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための本発明の画像形成装置は、シートを供給する供給部と、供給部から供給されたシートにトナー像を形成するプロセス部と、シートに形成されたトナー像を加熱して定着する定着部と、制御部と、を備える。
定着部は、加熱部材と、加熱部材との間で、トナー像が形成されたシートを挟持する加圧部材と、シートの搬送方向に直交する幅方向における加熱部材の端部の温度を検出する端部温度センサとを有する。
制御部は、供給部、プロセス部および定着部を制御して印刷処理を実行し、印刷処理の実行中に、端部温度センサで検出された温度が冷却開始閾値以上になった場合に、加熱部材の昇温を抑制する冷却処理を実行する。そして、制御部は、選択されたシートのサイズが、所定幅よりも大きい幅を有し、かつ、幅方向の大きさよりも搬送方向の大きさが大きい第1サイズである場合、冷却開始閾値を第1閾値に設定し、第1サイズのシートの幅と同じ幅を有し、搬送方向の大きさが幅方向の大きさよりも小さい第2サイズである場合、冷却開始閾値を第1閾値よりも低い第2閾値に設定する。
【0008】
このような構成によれば、第1サイズのシートと同じ幅を有し、搬送方向の大きさが幅方向の大きさよりも小さい第2サイズが選択された場合には、冷却開始閾値を、第1サイズのシートの場合の第1閾値よりも低い第2閾値にするので、加熱部材の端部の温度が上がり始めた場合に、早めに冷却処理を開始することができる。このため、第2サイズの印刷処理において、印刷速度を極力下げることなく、加熱部材の端部の昇温を抑えることができる。
【0009】
冷却処理は、印刷処理を一時停止すること、印刷処理におけるシートの搬送速度を遅くすること、印刷処理におけるシート同士の間隔を広げること、画像形成装置のファンを起動させること、および、ファンの動作速度を速くすること、の少なくとも1つの処理を含む。
【0010】
制御部は、選択されたシートのサイズが第2サイズである場合、第1サイズが選択された場合と同じ搬送速度でシートを搬送することが望ましい。
【0011】
制御部は、選択されたシートのサイズが第2サイズである場合、第1サイズである場合よりもシート同士の間隔を大きい間隔に設定してもよい。
【0012】
制御部は、選択されたシートのサイズが、搬送方向の大きさが第2サイズと同じで、かつ、幅方向の大きさが第2サイズよりも小さい第3サイズである場合、第2サイズが選択された場合よりも遅い速度でシートを搬送させてもよい。
【0013】
選択されたシートのサイズが小さい場合、遅い速度でシートを搬送させることで、加熱部材の端部の昇温を抑制することができる。
【0014】
制御部は、選択されたシートのサイズが第3サイズである場合、冷却開始閾値を第1閾値に設定してもよい。
【0015】
第3サイズのシートが選択されている場合に、冷却開始閾値を第1閾値にすることで、必要以上に冷却処理を実行することを抑制することができる。
【0016】
制御部は、選択されたシートのサイズに応じて加熱部材の目標温度を設定することができる。
【0017】
供給部により供給されたシートの通紙の有無を検知するシートセンサを備えることができる。この場合、制御部は、シートセンサがシートの通紙を検知した時間に基づき、シートの搬送方向の大きさを算出することができる。
【0018】
制御部は、シートセンサにより検出されたシートの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、LDとLSが一致する場合よりも遅い搬送速度でシートを搬送し、または、シート同士の間隔を変更することができる。
【0019】
実際に供給されたシートの搬送方向における大きさLDが、選択されたシートの搬送方向における大きさLSよりも小さい場合に、シートの搬送速度を遅くし、または、シート同士の間隔を変更することで、加熱部材の端部の昇温を未然に抑制することができる。
【0020】
制御部は、シートセンサにより検出されたシートの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、印刷処理を停止してもよい。
【0021】
シートセンサは、幅方向において、画像形成装置で使用可能なすべてのサイズのシートが通過する位置に配置されるのが望ましい。
【0022】
制御部は、加熱部材の定着時の目標温度を、選択されたシートに応じた標準的な温度とする通常定着モードと、加熱部材の定着時の目標温度を、通常定着モードよりも高い温度にする高温定着モードと、を選択的に実行可能であり、高温定着モードが選択された場合、冷却開始閾値を、通常定着モードの場合より低い温度に設定することができる。
【0023】
高温定着モードが選択された場合に、冷却開始閾値を通常定着モードより低くすることで、加熱部材の端部の昇温のおそれがある場合に速やかに冷却処理を開始することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、シートの搬送速度を極力下げることなく加熱部材の端部の昇温を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係るレーザプリンタを示す図である。
図2】定着部のヒータを示す図である。
図3】制御部の構成を示すブロック図である。
図4】(a)通常定着モードでの設定値の内容と、(b)高温定着モードでの設定値の内容を示す表である。
図5】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、シートSに画像を形成するレーザプリンタであり、本体筐体2と、供給部3と、プロセス部PRと、定着部8と、制御部100とを備えている。
【0027】
本体筐体2には、本体筐体2の内部の空気と外部の空気を交換するファン25が設けられている。ファン25の動作および動作速度は、制御部100によって制御される。
【0028】
供給部3は、シートSをプロセス部PRに供給するための機構であり、本体筐体2内の下部に設けられている。供給部3は、シートSを収容する供給トレイ31と、シート押圧板32と、供給機構33とを備えている。供給機構33は、ピックアップローラ33Aと、分離ローラ33Bと、第1搬送ローラ33Cと、レジストレーションローラ33Dとを備えている。供給部3では、供給トレイ31内のシートSが、シート押圧板32によってピックアップローラ33Aに寄せられ、ピックアップローラ33Aによって分離ローラ33Bに送られる。シートSは、分離ローラ33Bによって1枚に分離され、第1搬送ローラ33Cによって搬送される。レジストレーションローラ33Dは、シートSの先端の位置を揃えた後、プロセス部PRに向けてシートSを搬送する。ここでシートSの搬送される方向を搬送方向、シートSの面内で搬送方向に直交する方向を幅方向とする。以下、シートSの幅方向を単に「幅方向」と記載する。
【0029】
シートSの搬送方向における、レジストレーションローラ33Dの上流側には、シートセンサ27が設けられている。シートセンサ27は、供給部3により供給されたシートSの通紙の有無を検知する。シートセンサ27は、シートSに押されることで揺動可能なアクチュエータを有し、光センサによりこのアクチュエータの動きを検出することで、シートセンサ27の位置にシートSが存在しているか否かを検出可能である。シートセンサ27は、幅方向において、画像形成装置1で使用可能なすべてのサイズのシートが通過する位置に配置されている。例えば、画像形成装置1が、幅方向において中央に寄せてシートSを搬送するように構成されている場合、シートセンサ27は、幅方向における中央または中央付近に配置することができる。制御部100は、シートセンサ27の光センサの信号を受信する。制御部100は、シートセンサ27がシートSの通紙を検知した時間に基づき、シートSの搬送方向の大きさを算出することができる。なお、以下では、シートSの搬送方向の大きさを、単に、シートの長さともいう。
【0030】
プロセス部PRは、供給部3から供給されたシートSにトナー像を形成する機能を有している。プロセス部PRは、露光装置4と、プロセスカートリッジ5とを備えている。
【0031】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ光源や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光装置4では、画像データに基づくレーザ光がレーザ光源から出射され、感光体ドラム61の表面で走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0032】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能となっている。プロセスカートリッジ5は、ドラムユニット6と、現像ユニット7とを備えている。
【0033】
ドラムユニット6は、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを備えている。現像ユニット7は、ドラムユニット6に着脱可能となっており、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、乾式トナーであるトナーを収容するトナー収容部74と、アジテータ75とを備えている。
【0034】
プロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、アジテータ75によって撹拌されながら、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給され、現像ローラ71の回転に伴って、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0035】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、供給部3から供給されたシートSが、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を搬送されることで、感光体ドラム61上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。
【0036】
定着部8は、プロセス部PRによってシートSに形成されたトナー像を加熱してシートSに定着する装置である。定着部8は、シートSを加熱する加熱部材81と、加熱部材81との間で、トナー像が形成されたシートSを挟持する加圧部材82とを備えている。
【0037】
加熱部材81は、回転可能な無端状のベルトであり、金属または樹脂等からなる基材と、基材の外周面を覆う離型層とを有している。加熱部材81の内側には、加熱部材81を加熱するヒータH1と、ニップ板NPが設けられている。
ヒータH1は、ハロゲンランプであり、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によって加熱部材81を加熱する。ヒータH1は、加熱部材81の回転軸線に沿って加熱部材81の内側に配置されている。
加圧部材82は、回転可能な加圧ローラであり、表面に弾性変形可能なゴム等からなる弾性層を有している。ニップ板NPは、ヒータH1からの輻射熱を受ける板状の部材であり、その下面に加熱部材81の内周面が摺接するように、加熱部材81の内側に配置されている。ニップ板NPは、加圧部材82との間で加熱部材81を挟む。定着部8では、トナー像が転写されたシートSが、加熱部材81と加圧部材82の間で搬送されることで、トナー像がシートS上に熱定着される。トナー像が熱定着されたシートSは、第2搬送ローラ23および排出ローラ24によって排出トレイ22上に排出される。
【0038】
図2に示すように、ニップ板NPは、シートSの搬送方向の端部から突出する中央検知部131と、端部検知部132とを有する。中央検知部131は、幅方向の中央部に位置する。端部検知部132は、幅方向の端部に位置する。中央検知部131には、中央温度センサST1が対向して配置されている。端部検知部132には、端部温度センサST2が対向して配置されている。
【0039】
中央温度センサST1は、幅方向における、加熱部材81の中央部の温度T1を検出するセンサである。中央温度センサST1は、ニップ板NPの中央検知部131と接触または非接触によりニップ板NPの温度を検知することで加熱部材81の中央部の温度T1を検出できるようになっている。
【0040】
端部温度センサST2は、幅方向における、加熱部材81の端部の温度T2を検出するセンサである。端部温度センサST2は、ニップ板NPの端部検知部132と接触または非接触によりニップ板NPの温度を検知することで加熱部材81の端部の温度T2を検出できるようになっている。詳しくは、幅方向において、端部温度センサST2は、定着部8によって定着が可能なシートSの最大の領域SWの外側に位置している。端部温度センサST2は、幅方向において、領域SWの範囲内に位置していてもよい。
【0041】
なお、中央温度センサST1および端部温度センサST2としては、例えばサーミスタなどを用いることができる。
【0042】
図3に示すように、制御部100は、ASIC110と、通電回路120とを備えている。ASIC110は、CPU111と、ヒータコントローラ112と、ROM113やRAM114等の記憶部とを有している。通電回路120は、入力された交流電圧を通電状態と非通電状態に切り替えるスイッチング回路等を備える回路であり、ヒータH1とASIC110とに接続されている。
【0043】
CPU111は、ASIC110内に機能として実装されている。CPU111は、ヒータコントローラ112に対して、中央温度センサST1が検出する温度T1の目標温度TTを出力している。各目標温度TTは、ヒータコントローラ112がヒータH1への通電制御を実行する場合のフィードバック処理における指令値である。
【0044】
ヒータコントローラ112は、ASIC110内に作り込まれた機能または回路であり、温度センサST1で検出した温度T1が目標温度TTになるように、通電回路120を制御することで、ヒータH1への通電を行う。詳しくは、ヒータコントローラ112は、温度センサST1で検出した温度T1と目標温度TTとに基づいて、ヒータH1に通電する交流電圧のデューティ比を決定し、決定したデューティ比で通電回路120を制御するフィードバック処理を行う。なお、ヒータコントローラ112が行うフィードバック処理は、ASIC110の外部のチップに実装してもよく、CPU111で実行してもよい。
【0045】
制御部100は、外部のコンピュータから出力されてくる印刷ジョブと、中央温度センサST1および端部温度センサST2で検出した温度T1,T2と、記憶部に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。言い換えると、制御部100は、プログラムに従って動作することで、様々な制御を実行する手段として機能する。
【0046】
制御部100は、供給部3、プロセス部PRおよび定着部8を制御して印刷処理を実行する。制御部100は、印刷処理の実行中に、端部温度センサST2で検出された温度T2が冷却開始閾値TH以上になった場合に、加熱部材81の昇温を抑制する冷却処理を実行する。
【0047】
冷却処理は、印刷処理を一時停止すること、印刷処理におけるシートSの搬送速度を遅くすること、印刷処理におけるシートS同士の間隔を広げること、画像形成装置1のファン25を起動させること、および、ファン25の動作速度を速くすること、の少なくとも1つの処理を含む。これらの処理のうち、複数の処理を同時に行ってもよい。例えば、冷却処理中以外の印刷処理時にファン25を動作させている場合に、冷却処理では、ファン25の動作速度を速くした上で、所定時間、印刷処理を停止してもよい。印刷処理の一時停止は、所定時間の停止であってもよいし、温度T2が冷却開始閾値TH以下の所定温度より低くなるまでの停止であってもよい。印刷処理を停止する場合、定着部8は加熱部材81と加圧部材82とを印刷処理における駆動速度よりも低速で駆動する。このとき、プロセス部PRは駆動しない。
【0048】
制御部100は、受信した印刷ジョブに含まれるシートSに関する情報から、選択されたシートを特定する。制御部100は、選択されたシートSのサイズに応じて加熱部材の目標温度TTを設定する。なお、ここでいうシートSのサイズは、シートSの幅と長さ(搬送方向の大きさ)のことをいう。本実施形態では、例えば、A5用紙を縦(搬送方向に長い向きにすることをいう)にして供給する場合と、A5用紙を横(搬送方向に短い向きにすることをいう)にして供給する場合とは、異なるサイズとして扱う。以下、シートSのサイズについて、括弧書きで(縦)または(横)を付してシートSを供給するときの向きを示す。
【0049】
画像形成装置1は、シートSのサイズとして、第1サイズと、第2サイズと、第3サイズを、選択して印刷させることができる。
第1サイズは、幅方向の大きさが所定幅よりも大きいサイズであり、かつ、幅方向の大きさよりも搬送方向の大きさが大きいサイズである。
第2サイズは、第1サイズのシートSの幅と同じ幅を有し、搬送方向の大きさが幅方向の大きさよりも小さいサイズである。
第3サイズは、搬送方向の大きさが第2サイズと同じで、かつ、幅方向の大きさが第2サイズよりも小さいサイズである。
【0050】
ここで、本願でいう所定幅は、画像形成装置1で使用可能な最大幅のシートの幅の90%以上の幅である。例えば、画像形成装置1で使用可能なシートSの最大幅がレターサイズ(縦)である場合、第1サイズのシートSは、レターサイズ(縦)と、A4(縦)を含む。また、本願において第1サイズのシートSの幅と同じ幅を有するとは、幅が10%未満の差で異なる場合を含む意味である。例えば、第1サイズがレターサイズ(縦)とA4(縦)である場合、第2サイズは、A5(横)である。A5(横)の幅は、A4(縦)の幅と同一であり、レターサイズ(縦)の幅のおよそ0.97倍である。以下、本実施形態では、一例として、第1サイズをA4(縦)およびレターサイズ(縦)とし、第2サイズをA5(横)とし、第3サイズをA6(縦)とする。
【0051】
制御部100は、図示しないモータの速度を、全速、または、全速の半分の速度である半速で駆動する。制御部100は、モータの速度を全速または半速にすることにより、シートSの搬送速度を変更する。以下、シートSの搬送速度についても、全速または半速を用いて説明する。また、制御部100は、加熱部材81の定着時の目標温度TTを、選択されたシートSに応じた標準的な温度とする通常定着モードと、加熱部材81の定着時の目標温度TTを、通常定着モードよりも高い温度にする高温定着モードと、を選択的に実行可能である。通常定着モードと高温定着モードのいずれを実行するかの指示は、例えば、印刷ジョブの情報に含まれる。ユーザが印刷指令を送信する場合に、プリンタドライバのオプションで通常定着モードまたは高温定着モードのいずれかを選択することができる。通常定着モードでの定着が不十分な場合に、高温定着モードを選択することで、トナーをしっかりとシートSに定着することができる。なお、上述のとおり冷却処理において印刷処理を停止する場合、制御部100は、モータの速度を半速よりも低速にする。
【0052】
図4は、選択されたシートSのサイズに応じて設定する設定値を示す表であり、(a)が通常定着モード、(b)が高温定着モードを示す。制御部100は、選択されたシートのサイズが第1サイズ(A4(縦)またはレター(縦))である場合、シートSの搬送速度を全速とし、目標温度TTを第1目標温度TT1とし、冷却開始閾値THを第1閾値TH1とする。第1目標温度TT1は、目標温度TTの設定値の中では高い温度である。第1閾値TH1も、冷却開始閾値THの設定値の中では高い温度である。図4においては、目標温度TTと冷却開始閾値THについて、同じ表の中における温度の高さの関係を参考までに(高)、(中)、(低)で示す。使用可能な最大サイズのシートSがA4またはレターサイズである画像形成装置にとって、A4サイズは最も頻繁に印刷されるサイズであるので、装置としては、A4サイズの印刷の場合にあわせて最適化されており、シートSのサイズが第1サイズである場合に、目標温度TTおよび冷却開始閾値THを高くすることで、高速な印刷ができるように設定されている。
【0053】
制御部100は、選択されたシートSのサイズが第2サイズ(A5(横))である場合、搬送速度を第1サイズが選択された場合と同じ全速とする。第2サイズの場合にも、搬送速度を第1サイズと同じ全速とすることで、印刷速度を速くすることができる。
【0054】
制御部100は、選択されたシートSのサイズが第2サイズである場合、第1サイズである場合よりもシート同士の間隔を大きい間隔に設定してもよい。例えば、制御部100は、選択されたシートのサイズが第1サイズである場合、シートS同士の間隔を第1間隔に設定し、選択されたシートのサイズが第2サイズである場合、シートS同士の間隔を第1間隔よりも大きい第2間隔に設定する。制御部100は、設定された第1間隔または第2間隔に基づく時間間隔で複数のシートを順次搬送する。
【0055】
制御部100は、選択されたシートSが第2サイズである場合、冷却開始閾値THを第1閾値TH1よりも低い第2閾値TH2に設定する。選択されたシートS、つまり、ユーザが印刷指令で選択したシートSが第2サイズであったとしても、実際に供給されるシートSのサイズが第2サイズであるとは限らない。例えば、選択されたシートSが第2サイズであるが、実際に供給されたシートSのサイズが第3サイズ(A6(縦))である場合、選択された第2サイズよりも幅方向の大きさが小さいので、加熱部材81の端部が昇温する。このような場合に、冷却開始閾値THを第2閾値TH2にしておくことで、早めに冷却処理を開始することができ、加熱部材81の端部の昇温を抑制することができる。
また、制御部100は、選択されたシートSのサイズが第2サイズである場合に、目標温度TTを第2目標温度TT2に設定する。第2目標温度TT1は、第1目標温度TT1よりも低い温度である。
【0056】
制御部100は、選択されたシートSのサイズが、第3サイズである場合、搬送速度を、第2サイズが選択された場合よりも遅い半速に設定し、目標温度TTを、第3目標温度TT3に設定し、冷却開始閾値THを第1閾値TH1に設定する。第3目標温度TT3は、第2目標温度TT2よりも低い温度である。A6(縦)の場合には、シートSが加熱部材81の端部の熱を奪わないため、搬送速度を半速にして、加熱部材81の端部の熱が幅方向中央に移動させるとともに、目標温度TTを、第2サイズの場合の第2目標温度TT2よりも低くして、加熱部材81の端部の昇温を抑制する。一方、搬送速度と目標温度TTを低く設定してあるので、冷却開始閾値THは、高い値である第1閾値TH1に設定することで、不必要に冷却制御を開始することを抑制する。
【0057】
制御部100は、高温定着モードが選択された場合、図4(b)に示すように、目標温度TTを、通常定着モードの場合よりも高い温度に設定する。例えば、シートサイズが第1サイズである場合に、目標温度TTを、通常定着モードの場合の第1目標温度TT1より高い第4目標温度TT4とする。そして、シートサイズが第2サイズである場合に、目標温度TTを、通常定着モードの場合の第2目標温度TT2より高い第5目標温度TT5とする。また、シートサイズが第3サイズである場合に、目標温度TTを、通常定着モードの場合の第3目標温度TT3より高い第6目標温度TT6とする。
【0058】
制御部100は、高温定着モードが選択された場合、冷却開始閾値THを、通常定着モードの場合より低い温度に設定する。例えば、シートサイズが第1サイズまたは第3サイズである場合に、冷却開始閾値THを、通常定着モードの場合の第1閾値TH1より低い第2閾値TH2とする。また、シートサイズが第2サイズである場合に、冷却開始閾値THを通常定着モードの場合の第2閾値TH2よりもさらに低い第3閾値TH3とする。これにより、実際に供給されたシートサイズが選択されたシートのサイズと異なっていた場合などにおいて、早めに冷却制御を開始して、加熱部材81の端部の昇温を抑制することができる。なお、シートサイズが第2サイズである場合に、冷却開始閾値THは通常定着モードの場合と同様に、第2閾値TH2としてもよい。
【0059】
制御部100は、シートセンサ27により検出されたシートSの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートSの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、LDとLSが一致する場合よりも遅い搬送速度でシートを搬送する。LDがLSよりも小さい場合には、シートSの幅も小さい可能性があるので、搬送速度を遅くすることで、加熱部材81の端部の昇温を未然に抑制することができる。本実施形態では、一例として、選択されたシートSがA4(縦)またはレターサイズ(縦)であり、かつ、検出されたシートSの長さLSが所定値L1より小さい場合に、搬送速度を全速から半速に変更する。所定値L1は、選択されたシートがA4(縦)またはレターサイズ(縦)である場合のLD<LSを判定するための具体的な閾値であり、例えばレターサイズ(縦)の長さ(=279.4mm)より小さく、A5(縦)の長さ(=210mm)より大きい値である。
【0060】
次に、上述のような制御を実現する制御部100による処理の一例について説明する。図5は、印刷ジョブを受信した後の制御部100の処理の一例である。図5に示すように、制御部100は、印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブから、選択されたシートサイズの情報を取得する(S110)。そして、シートサイズに基づいて、搬送速度、目標温度TT、冷却開始閾値TH、シート間隔などを設定する(S111)。
【0061】
次に、制御部100は、ヒータH1をONして(S112)、中央温度センサST1で測定した温度T1がシート供給温度になるまで待つ(S113,No)。制御部100は、温度T1がシート供給温度になったら(S113,Yes)、供給トレイ31からプロセス部PRへシートSを供給し、シートSに画像を形成する(S120)。シートSへの画像形成が終了したときには、シートSの後端は、シートセンサ27を通過している。制御部100は、シートセンサ27がシートSの通紙を検知した時間に基づいて、シートSの長さLDを算出する(S123)。
【0062】
そして、制御部100は、印刷ジョブがすべて終了したか否か判定し(S124)、終了していた場合には(S124,Yes)、ヒータH1をOFFにして(S125)、処理を終了する。一方、制御部100は、印刷ジョブが終了したと判定しない場合には(S124,No)、端部温度センサST2が検出した温度T2が、シートサイズに応じて設定された冷却開始閾値THより大きいか否かを判定する(S130)。制御部100は、温度T2が冷却開始閾値THより大きいと判定した場合(S130,Yes)、冷却処理を実行する(S131)。ここでは、冷却処理は、例えば、印刷処理を所定時間停止するとともに、その間、ファン25の動作速度を速くすることである。
【0063】
制御部100は、ステップ130において温度T2が冷却開始閾値THより大きいと判定しなかった場合(S130,No)または、ステップS131の冷却処理が終了した場合、選択されたシートがA4(縦)またはレターサイズ(縦)であり、かつ、LD<L1を満たすかを判定する(S140)。制御部100は、選択されたシートがA4(縦)またはレターサイズ(縦)であることを満たさず、または、LD<L1を満たさないと判定した場合(S140,No)、搬送速度を半速に変更せずに、ステップS120に戻って次のシートSの画像形成を実行する。制御部100は、選択されたシートがA4(縦)またはレターサイズ(縦)であり、かつ、LD<L1を満たすと判定した場合(S140,Yes)、搬送速度を半速に変更し(S141)、ステップS120に戻って次のシートSの画像形成を実行する。なお、搬送速度の変更は、搬送中のシートSの画像形成中にはできないため、シートSのシート同士の間隔が短い場合には、搬送中のシートSの画像形成が終わった後、モータの速度を半速に変更し、その後、次のシートSの画像形成を半速で実行することになる。
【0064】
以上に説明したような本実施形態の画像形成装置1によれば、次のような効果を奏することができる。
【0065】
制御部100は、第1サイズのシートと同じ幅を有し、搬送方向の大きさが幅方向の大きさよりも小さい第2サイズが選択された場合には、冷却開始閾値THを、第1サイズのシートSの場合の第1閾値TH1よりも低い第2閾値TH2にするので、加熱部材81の端部の温度T2が上がり始めた場合に、早めに冷却処理を開始することができる。このため、第2サイズの印刷処理において、印刷速度を極力下げることなく、加熱部材81の端部の昇温を抑えることができる。また、本実施形態では、第2サイズが選択されている場合に、第1サイズの場合と同じ搬送速度で印刷処理を実行するので、第2サイズのシートSを速い印刷速度で印刷することができる。
【0066】
制御部100は、第3サイズが選択されている場合、半速でシートSを搬送させるので、第3サイズのシートSの印刷時に加熱部材81の端部の昇温を抑制することができる。
【0067】
制御部100は、第3サイズのシートSが選択されている場合に、冷却開始閾値THを第1閾値TH1にするので、必要以上に冷却処理を実行することを抑制することができる。
【0068】
制御部100は、実際に供給されたシートSの搬送方向における大きさLDが、選択されたシートSの搬送方向における大きさLSよりも小さい場合に、シートSの搬送速度を遅くするので、加熱部材81の端部の昇温を未然に抑制することができる。
【0069】
制御部100は、高温定着モードが選択された場合に、冷却開始閾値THを通常定着モードより低くするので、加熱部材81の端部の昇温のおそれがある場合に速やかに冷却処理を開始することができる。
【0070】
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
例えば、制御部100は、シートセンサ27により検出されたシートSの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートSの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、LDとLSが一致する場合に対して、シート同士の間隔を変更してもよい。シート同士の間隔を大きくすることで、加熱部材81の端部の温度の上昇を抑制することができる。もしくは、シート同士の間隔を小さくすることで、実際のシートSの長さに合わせてシート間隔を詰め、印刷速度を速くすることができる。
【0071】
また、制御部100は、シートセンサ27により検出されたシートSの、搬送方向における大きさLDが、選択されたシートSの、搬送方向における大きさLSよりも小さい場合、印刷処理を停止してもよい。この場合、実際に供給されたシートサイズが選択されたシートのサイズよりも小さいサイズであるので、加熱部材81の端部が昇温する可能性が高い。例えば、印刷処理を停止するとともに外部のコンピュータまたは本体筐体2のパネル等にエラー通知を報知することで、ユーザに正しいシートサイズを設定することを促すことができる。
【0072】
前記実施形態においては、シートSの幅方向の最大サイズがA4(縦)またはレターサイズ(縦)の場合の画像形成装置について説明したが、シートSの幅方向の最大サイズがA3(縦)の画像形成装置であってもよい。この場合、第1サイズがA3(縦)となり、第2サイズがA4(横)またはレター(横)となり、第3サイズがA5(縦)となる。
【0073】
前記実施形態のフローチャートの説明においては、冷却処理において、印刷処理を所定時間停止するとともに、その間、ファン25の動作速度を速くすることとしたが、上述のように、冷却処理は、これらに限られない。
【0074】
前記実施形態において、ヒータH1は、ハロゲンランプであったが、基板と、基板に設けられた抵抗発熱体とからなり、加熱部材であるベルトの内周面に接触してベルトを加熱する平板状のヒータであってもよい。また、ヒータH1の数は、複数であってもよい。
【0075】
前記実施形態において、加熱部材81は、無端状のベルトであったが、金属等からなる回転可能な円筒状の加熱ローラであってもよい。
【0076】
前記実施形態では、モノクロのレーザプリンタの例を説明したが、画像形成装置は、例えばカラープリンタ、複写機、複合機などに本発明を適用してもよい。
【0077】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成装置
3 供給部
4 露光装置
81 加熱部材
82 加圧部材
100 制御部
H1 ヒータ
PR プロセス部
S シート
ST1 中央温度センサ
ST2 端部温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5