(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20241112BHJP
H01H 85/46 20060101ALI20241112BHJP
H02H 3/08 20060101ALI20241112BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B60R16/02 635
H01H85/46
H02H3/08 P
H02H7/00 B
(21)【出願番号】P 2021109476
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】谷中 裕太
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 征哉
(72)【発明者】
【氏名】小田 康太
(72)【発明者】
【氏名】桝田 了輔
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/102899(WO,A1)
【文献】特開2017-221008(JP,A)
【文献】特開2021-096926(JP,A)
【文献】特開平05-030634(JP,A)
【文献】特開2005-019133(JP,A)
【文献】特開2002-101663(JP,A)
【文献】特開2020-100030(JP,A)
【文献】特開2004-357492(JP,A)
【文献】特開2001-057782(JP,A)
【文献】特開昭55-114119(JP,A)
【文献】特開昭48-059346(JP,A)
【文献】特開平07-264872(JP,A)
【文献】特開平06-086597(JP,A)
【文献】特開平03-272098(JP,A)
【文献】特開平01-014799(JP,A)
【文献】特開昭53-059856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H01H 85/46
H02H 3/08
H02H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズと、
前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、
前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、
前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器と
を備え、
前記上流電圧のピーク値を低減する上流低減回路と、
前記下流電圧のピーク値を低減する下流低減回路と
を備え、
前記判定器は、前記上流低減回路によってピーク値が低減された前記上流電圧と、前記下流低減回路によってピーク値が低減された前記下流電圧とに基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する
車載装置。
【請求項2】
ヒューズと、
前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、
前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、
前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器とを備え、
前記判定器は、前記上流電圧が第1閾値以上であり、かつ、前記下流電圧が第2閾値未満である場合に前記ヒューズが溶断されたと判定し、
前記第1閾値は前記第2閾値を超えている
車載装置。
【請求項3】
前記判定器は、
一定の電圧が一端に印加されている第1抵抗と、
前記第1抵抗を介して流れる電流の第2の電流経路にて、前記第1抵抗の下流側に配置されているスイッチと、
前記第2の電流経路にて、前記スイッチの下流側に配置されている第2抵抗と
を備え、
前記第1抵抗及びスイッチ間の接続ノードの電圧が前記判定器から出力され、
前記上流電圧が前記第1閾値以上であり、かつ、前記下流電圧が前記第2閾値未満である場合に前記スイッチはオンである
請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
ヒューズと、
前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、
前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、
前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器とを備え、
前記上流電圧が第1所定電圧未満の電圧に低下することを防止する上流ダイオードと、
前記下流電圧が第2所定電圧未満の電圧に低下することを防止する下流ダイオードとを備える
車載装置。
【請求項5】
前記判定器は、前記上流電圧が閾値以上であり、かつ、前記下流電圧が閾値未満である場合に前記ヒューズが溶断されたと判定する
請求項4に記載の車載装置。
【請求項6】
ヒューズと、
前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、
前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、
前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器とを備え、
前記ヒューズ及び前記下流キャパシタそれぞれの数は2以上であり、
複数の下流キャパシタそれぞれの一端は、前記複数のヒューズそれぞれを介して流れる複数の電流の電流経路にて、前記複数のヒューズの下流側に位置する複数の接続ノードに接続されており、
前記複数の電流経路において、前記複数のヒューズの上流側部分は共通しており、
前記上流キャパシタの一端は、前記複数の電流経路の共通部分の接続ノードに接続されており、
前記判定器は、前記上流電圧と、前記複数の下流キャパシタ中の1つを通過する前記下流電圧とに基づいて、前記複数のヒューズ中の1つが溶断されたか否かを判定する
車載装置。
【請求項7】
ヒューズと、
前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、
前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、
前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器とを備え、
前記ヒューズ及び前記下流キャパシタそれぞれの数は2以上であり、
複数の下流キャパシタそれぞれの一端は、前記複数のヒューズそれぞれを介して流れる複数の電流の電流経路にて、前記複数のヒューズの下流側に位置する複数の接続ノードに接続されており、
前記複数の電流経路において、前記複数のヒューズの上流側部分は共通しており、
前記上流キャパシタの一端は、前記複数の電流経路の共通部分の接続ノードに接続されており、
前記判定器は、前記上流電圧と、前記複数の下流キャパシタそれぞれを通過する複数の下流電圧とに基づいて、前記複数のヒューズ中の少なくとも1つが溶断されたか否かを判定する
車載装置。
【請求項8】
基板を備え、
前記ヒューズの端子は半田によって前記基板に取り付けられている
請求項1
から請求項7のいずれか1項に記載の車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヒューズを備える車載装置が開示されている。特許文献1では、バッテリはヒューズを介して負荷に電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ヒューズの溶断を確認する方法について考慮されていない。人が目視でヒューズの溶断を確認する必要がある場合、車載装置内において、人が目視することができる場所にヒューズを配置する必要がある。このため、ヒューズを配置することができる場所が制限される。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヒューズの配置に関する自由度が高い車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る車載装置は、ヒューズと、前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器とを備える。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、ヒューズの配置に関する自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図5】上流側抽出回路の作用を説明するための波形図である。
【
図6】上流側抽出回路及び下流側抽出回路の出力電圧と、ECUの状態との関係を示す図表である。
【
図7】溶断検知処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態2における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図9】上流側抽出回路及び下流側抽出回路の出力電圧と、ECUの状態との関係を示す図表である。
【
図10】実施形態3における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図11】実施形態4における上流側抽出回路の回路図である。
【
図12】上流側抽出回路の作用を説明するための波形図である。
【
図13】上流側抽出回路及び下流側抽出回路の出力電圧と、ECUの状態との関係を示す図表である。
【
図14】実施形態5における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図15】上流側抽出回路、下流側抽出回路及び判定回路の回路図である。
【
図16】判定回路の動作を説明するための図表である。
【
図17】実施形態6における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図19】実施形態7における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図20】実施形態8における上流側抽出回路の回路図である。
【
図21】上流側抽出回路の作用を説明するための波形図である。
【
図22】実施形態9における上流側抽出回路の回路図である。
【
図23】上流側抽出回路の作用を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0010】
(1)本開示の一態様に係る車載装置は、ヒューズと、前記ヒューズを介して流れる電流の電流経路にて、前記ヒューズの上流側に位置する接続ノードに一端が接続されている上流キャパシタと、前記電流経路にて、前記ヒューズの下流側に位置する接続ノードに一端が接続されている下流キャパシタと、前記上流キャパシタを通過した上流電圧及び下流キャパシタを通過した下流電圧に基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する判定器とを備える。
【0011】
上記の態様にあっては、ヒューズの上流側に位置する接続ノードの電圧中の交流成分は上流キャパシタを通過する。ヒューズの下流側に位置する接続ノードの電圧中の交流成分は下流キャパシタを通過する。ヒューズが溶断されていない場合、上流キャパシタを通過した上流電圧の波形は、下流キャパシタを通過した下流電圧の波形と実質的に一致する。ヒューズが溶断された場合、上流電圧の波形は下流電圧の波形とは異なる。判定器は、上流電圧及び下流電圧に基づいて、ヒューズが溶断されたか否かを判定する。判定器が判定を行うため、人が目視でヒューズの溶断を確認する必要がない。結果、ヒューズの配置に関する自由度は高い。
【0012】
(2)本開示の一態様に係る車載装置は、基板を備え、前記ヒューズの端子は半田によって前記基板に取り付けられている。
【0013】
上記の態様にあっては、ヒューズが基板に取り付けられている。ヒューズが溶断された場合、基板が交換される。
【0014】
(3)本開示の一態様に係る車載装置は、前記上流電圧のピーク値を低減する上流低減回路と、前記下流電圧のピーク値を低減する下流低減回路とを備え、前記判定器は、前記上流低減回路によってピーク値が低減された前記上流電圧と、前記下流低減回路によってピーク値が低減された前記下流電圧とに基づいて、前記ヒューズが溶断されたか否かを判定する。
【0015】
上記の態様にあっては、上流低減回路及び下流低減回路それぞれは、上流電圧及び下流電圧それぞれのピーク値を低減する。このため、絶対値が大きい電圧が判定器に印加されることが防止される。
【0016】
(4)本開示の一態様に係る車載装置では、前記判定器は、前記上流電圧が第1閾値以上であり、かつ、前記下流電圧が第2閾値未満である場合に前記ヒューズが溶断されたと判定し、前記第1閾値は前記第2閾値を超えている。
【0017】
上記の態様にあっては、ヒューズが溶断された場合、例えば、ヒューズの上流側に配置されている導線のインダクタ成分によって、ヒューズの上流側に位置する接続ノードの電圧が上昇する。これにより、上流電圧も上昇する。また、ヒューズが溶断された場合、例えば、ヒューズの下流側に配置されている導線のインダクタ成分によって、ヒューズの下流側に位置する接続ノードの電圧が低下する。これにより、下流電圧も低下する。判定器は、上流電圧が第1閾値以上であり、かつ、下流電圧が第2閾値未満である場合にヒューズが溶断されたと判定する。
【0018】
(5)本開示の一態様に係る車載装置では、前記判定器は、一定の電圧が一端に印加されている第1抵抗と、前記第1抵抗を介して流れる電流の第2の電流経路にて、前記第1抵抗の下流側に配置されているスイッチと、前記第2の電流経路にて、前記スイッチの下流側に配置されている第2抵抗とを備え、前記第1抵抗及びスイッチ間の接続ノードの電圧が前記判定器から出力され、前記上流電圧が前記第1閾値以上であり、かつ、前記下流電圧が前記第2閾値未満である場合に前記スイッチはオンである。
【0019】
上記の態様にあっては、スイッチがオフである場合、判定器は一定の電圧を出力する。ヒューズが溶断した場合、スイッチはオフからオンに切替わる。スイッチがオンである場合、第1抵抗及び第2抵抗は一定の電圧を分圧する。判定器は、第1抵抗及び第2抵抗が分圧した電圧を出力する。ヒューズが溶断された場合、判定器の出力電圧は低下し、ヒューズの溶断が通知される。
【0020】
(6)本開示の一態様に係る車載装置は、前記上流電圧が第1所定電圧未満の電圧に低下することを防止する上流ダイオードと、前記下流電圧が第2所定電圧未満の電圧に低下することを防止する下流ダイオードとを備える。
【0021】
上記の態様にあっては、上流ダイオードが設けられているため、判定器に、第1所定電圧未満の電圧が印加されることはない。下流ダイオードが設けられているため、判定器に、第2電流閾値未満の電圧が印加されることはない。
【0022】
(7)本開示の一態様に係る車載装置では、前記判定器は、前記上流電圧が閾値以上であり、かつ、前記下流電圧が閾値未満である場合に前記ヒューズが溶断されたと判定する。
【0023】
上記の態様にあっては、判定器は、上流電圧が閾値以上であり、かつ、下流電圧が閾値未満である場合にヒューズの溶断を検知する。
【0024】
(8)本開示の一態様に係る車載装置では、前記ヒューズ及び前記下流キャパシタそれぞれの数は2以上であり、複数の下流キャパシタそれぞれの一端は、前記複数のヒューズそれぞれを介して流れる複数の電流の電流経路にて、前記複数のヒューズの下流側に位置する複数の接続ノードに接続されており、前記複数の電流経路において、前記複数のヒューズの上流側部分は共通しており、前記上流キャパシタの一端は、前記複数の電流経路の共通部分の接続ノードに接続されており、前記判定器は、前記上流電圧と、前記複数の下流キャパシタ中の1つを通過する前記下流電圧とに基づいて、前記複数のヒューズ中の1つが溶断されたか否かを判定する。
【0025】
上記の態様にあっては、判定器は、共通の上流電圧を用いて、1つのヒューズが溶断されたか否かを判定する。
【0026】
(9)本開示の一態様に係る車載装置では、前記ヒューズ及び前記下流キャパシタそれぞれの数は2以上であり、複数の下流キャパシタそれぞれの一端は、前記複数のヒューズそれぞれを介して流れる複数の電流の電流経路にて、前記複数のヒューズの下流側に位置する複数の接続ノードに接続されており、前記複数の電流経路において、前記複数のヒューズの上流側部分は共通しており、前記上流キャパシタの一端は、前記複数の電流経路の共通部分の接続ノードに接続されており、前記判定器は、前記上流電圧と、前記複数の下流キャパシタそれぞれを通過する複数の下流電圧とに基づいて、前記複数のヒューズ中の少なくとも1つが溶断されたか否かを判定する。
【0027】
上記の態様にあっては、判定器は、複数のヒューズ中の少なくとも1つが溶断されたか否かを判定する。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電源システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0029】
(実施形態1)
<電源システムの構成>
図1は、実施形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は車両Mに搭載されている。電源システム1は、直流電源10、ECU11、センサ12及び負荷E1を備える。直流電源10は例えばバッテリである。ECUはElectronic Control Unitの略語である。ECU11は車載装置として機能する。負荷E1は電気機器である。ECU11は、マイクロコンピュータ20、上流側抽出回路A1、下流側抽出回路B1及びヒューズF1を有する。以下では、マイクロコンピュータをマイコンと記載する。
【0030】
直流電源10の負極は接地されている。接地は、例えば車両Mのボディへの接続によって実現される。車両Mのボディは導体である。直流電源10の正極は、上流側導線X1の一端に接続されている。上流側導線X1の他端は、ヒューズF1の一端に接続されている。ヒューズF1の他端は、下流側導線Y1の一端に接続されている。下流側導線Y1の他端は負荷E1の一端に接続されている。負荷E1の他端は接地されている。
【0031】
直流電源10の正極から、電流は、上流側導線X1、ヒューズF1、下流側導線Y1及び負荷E1の順に流れる。これにより、負荷E1に電力が供給される。負荷E1が作動している間、上流側導線X1、ヒューズF1及び下流側導線Y1を介して電流が流れる。負荷E1が動作を停止した場合、上流側導線X1、ヒューズF1及び下流側導線Y1を介した電流の通流は停止する。
【0032】
以下では、直流電源10の正極から、上流側導線X1、ヒューズF1及び下流側導線Y1を介して流れる電流の経路を、単に電流経路と記載する。電流経路において、ヒューズF1の上流側に位置する接続ノードを上流ノードと記載する。上流ノードは、上流側導線X1の下流側に位置する。電流経路において、ヒューズF1の下流側に位置する接続ノードを下流ノードと記載する。下流ノードは、下流側導線Y1の上流側に位置する。上流ノードの電圧を上流ノード電圧と記載する。下流ノードの電圧を下流ノード電圧と記載する。上流ノード電圧及び下流ノード電圧それぞれの基準電位は、接地電位、例えば車両Mのボディの電位である。
【0033】
ECU11内において、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれは、上流ノード及び下流ノードに接続されている。上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれは、更に、マイコン20に各別に接続されている。マイコン20は、更に、センサ12に接続されている。マイコン20は、更に、通信線Lcに接続されている。通信線Lcには、車両Mに搭載されている一又は複数の図示しない通信機器も接続されている。
【0034】
上流側抽出回路A1は、上流ノード電圧の交流成分を抽出する。以下では、上流ノード電圧の交流成分を上流電圧と記載する。上流側抽出回路A1は、抽出した上流電圧をマイコン20に出力する。下流側抽出回路B1は、下流ノード電圧の交流成分を抽出する。以下では、下流ノード電圧の交流成分を下流電圧と記載する。下流側抽出回路B1は、抽出した下流電圧をマイコン20に出力する。上流電圧及び下流電圧それぞれの基準電位は接地電位である。
【0035】
マイコン20は、入力された上流電圧及び下流電圧に基づいて、ヒューズF1の溶断を検知する。マイコン20は、ヒューズF1の溶断を検知した場合、ヒューズF1の溶断を示す溶断信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。マイコン20は、入力された上流電圧及び下流電圧に基づいて、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1の故障の発生を検知する。マイコン20は、故障の発生を検知した場合、故障の発生を示す故障信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。
【0036】
センサ12は、車両Mに関する車両値を検出する。車両値は、車両Mの速度、車両Mの加速度、又は、車両M周辺の輝度等である。センサ12は、車両値を検出した場合、検出した車両値を含むセンサデータをマイコン20に出力する。マイコン20は、入力されたセンサデータを、通信線Lcを介して通信機器に送信する。
【0037】
マイコン20は、負荷E1が行う動作を決定してもよい。マイコン20は、センサ12から入力されたセンサデータ、又は、通信線Lcを介して受信したデータ等に基づいて、負荷E1の動作を決定する。マイコン20は、決定した動作を示す動作信号を負荷E1に出力する。負荷E1は、動作信号が入力された場合、入力された動作信号が示す動作を行う。
【0038】
<ヒューズF1の溶断の検知方法>
ヒューズF1を介して電流が流れた場合、ヒューズF1は発熱する。ヒューズF1の発熱量は、ヒューズF1を介して流れる電流が大きい程、大きい。ヒューズF1に関して、単位時間当たりの発熱量が、単位時間当たりの放熱量を超えている場合、ヒューズF1の温度が上昇する。ヒューズF1の温度が一定の温度閾値に到達した場合、ヒューズF1は溶断される。一定の電流閾値以上である電流がヒューズF1を介して流れた場合、ヒューズF1は溶断される。従って、上流側導線X1及び下流側導線Y1を介して過電流が流れることが防止される。
【0039】
ヒューズF1は、ヒューズF1を介して電流が流れている状態で溶断される。ヒューズF1が溶断されていない場合、上流ノード電圧及び下流ノード電圧は実質的に一致する。従って、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれが抽出した上流電圧及び下流電圧は実質的に一致する。
【0040】
ヒューズF1が溶断された場合、上流側導線X1及び下流側導線Y1それぞれを介した電流の通流が停止する。結果、上流側導線X1及び下流側導線Y1それぞれを介して流れる電流が低下する。上流側導線X1及び下流側導線Y1それぞれはインダクタ成分を有する。上流側導線X1を介して流れる電流が低下した場合、上流側導線X1のインダクタ成分は、誘導起電力を発生させる。具体的には、上流側導線X1に関して、基準電位が上流側の一端の電位である下流側の一端の電圧が上昇する。これにより、上流ノード電圧が上昇する。結果、上流電圧は上昇する。
【0041】
下流側導線Y1を介して流れる電流が低下した場合、下流側導線Y1のインダクタ成分も誘導起電力を発生させる。具体的には、下流側導線Y1に関して、基準電位が下流側の一端の電位である上流側の一端の電圧を低下させる。これにより、下流ノード電圧が低下する。結果、下流電圧は低下する。
【0042】
上流側抽出回路A1は、上流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。所定電圧は、負値であり、例えば-0.6Vである。同様に、下流側抽出回路B1は、下流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。マイコン20は、上流電圧が一定の上側閾値以上であり、かつ、下流電圧が上側閾値未満である場合にヒューズF1の溶断を検知する。上側閾値は正値である。
【0043】
<ヒューズF1の配置>
図2はヒューズF1の配置の説明図である。ECU11は矩形状の基板Qを有する。基板Qの主面に、マイコン20、上流側抽出回路A1、下流側抽出回路B1及びヒューズF1が配置されている。板に関して、主面は、幅が広い面であり、端面とは異なる。
【0044】
<ヒューズF1の取り付け>
図3はヒューズF1の取り付けの説明図である。
図3には、ヒューズF1の外観と、基板Qの断面とが示されている。ヒューズF1では、一面が開放された中空の直方体状をなす収容箱30内に、棒状の第1端子31及び第2端子32が収容されている。第1端子31及び第2端子32それぞれの一方の端部は、収容箱30の開放面から外側に突出している。
【0045】
収容箱30内では、第1端子31及び第2端子32は図示しない溶断部によって接続されている。電流は、第1端子31、溶断部及び第2端子32の順に流れる。電流が溶断部を介して流れた場合、溶断部は発熱する。溶断部の発熱量は、溶断部を介して流れる電流が大きい程、大きい。溶断部に関して、単位時間当たりの発熱量が単位時間当たりの放熱量を超えている場合、溶断部の温度は上昇する。溶断部の温度が前述した温度閾値に到達した場合、溶断部は溶断される。溶断部が溶断された場合、溶断部を介した電流の通流が停止する。ヒューズF1の溶断は溶断部の溶断である。
【0046】
基板Qでは、絶縁性を有する矩形状の絶縁板40が配置されている。絶縁板40において、厚さ方向に貫通する第1貫通孔40a及び第2貫通孔40bが設けられている。絶縁板40の上側の主面では、導電性を有する第1導電パターン41及び第2導電パターン42それぞれが第1貫通孔40a及び第2貫通孔40b周辺に配置されている。
【0047】
基板Qでは、第1貫通孔40aの内面は、導電性を有する第1メッキ43によって覆われている。第1メッキ43は、第1貫通孔40aの内面を覆う内面部分に加えて、第1導電パターン41の上側から絶縁板40を覆う上側部分と、下側から絶縁板40を覆う下側部分とを有する。第1メッキ43に関して、内面部分は上側部分及び下側部分それぞれに連結している。第1メッキ43は第1導電パターン41と導通している。
【0048】
同様に、基板Qでは、第2貫通孔40bの内面は、導電性を有する第2メッキ44によって覆われている。第2メッキ44は、第2貫通孔40bの内面を覆う内面部分に加えて、第2導電パターン42の上側から絶縁板40を覆う上側部分と、下側から絶縁板40を覆う下側部分とを有する。第2メッキ44に関して、内面部分は上側部分及び下側部分それぞれに連結している。第2メッキ44は第2導電パターン42と導通している。
【0049】
ヒューズF1の第1端子31及び第2端子32それぞれは、絶縁板40の第1貫通孔40a及び第2貫通孔40bに挿入されている。第1貫通孔40a内において、第1端子31は第1メッキ43の内側に位置する。第2貫通孔40b内において、第2端子32は第2メッキ44の内側に位置する。第1端子31は、半田Hによって第1メッキ43に取り付けられている。半田Hは導電性を有する。第1端子31は、第1メッキ43を介して第1導電パターン41に導通している。第2端子32は、半田Hによって第2メッキ44に取り付けられている。第2端子32は、第2メッキ44を介して第2導電パターン42に導通している。絶縁板40、第1メッキ43及び第2メッキ44の上側は、絶縁性を有するレジスト45によって覆われている。
【0050】
第1端子31及び第2端子32それぞれは、ヒューズF1の上流側及び下流側の一端である。直流電源10の正極から、電流は、第1導電パターン41、第1端子31、溶断部、第2端子32、第2導電パターン42及び負荷E1の順に流れる。
【0051】
以上のように、ヒューズF1の第1端子31及び第2端子32それぞれは、半田Hによって基板Qに取り付けられている。従って、ヒューズF1が溶断された場合、基板Qが交換される。ヒューズF1はメカニカルヒューズである。ヒューズF1の一例として、ブレードヒューズが挙げられる。この場合、第1端子31及び第2端子32それぞれは平板状をなす。ヒューズF1は、基板Qに半田Hによって取り付けることができるヒューズであれば、問題はない。このため、ヒューズF1は、チップヒューズ、温度ヒューズ又はヒュージブルリンク等であってもよい。
【0052】
<上流側抽出回路A1の構成>
図4は上流側抽出回路A1の回路図である。上流側抽出回路A1は、第1キャパシタ50、低減回路51、ダイオード52及び第1回路抵抗53を有する。低減回路51は、第2回路抵抗60及び第2キャパシタ61を有する。第1キャパシタ50の一端は、ヒューズF1の上流ノードに接続されている。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50は上流キャパシタとして機能する。
【0053】
低減回路51内では、第1キャパシタ50の他端は、低減回路51の第2回路抵抗60の一端に接続されている。第2回路抵抗60の他端は、マイコン20と、ダイオード52のカソードと、第1回路抵抗53の一端と、低減回路51の第2キャパシタ61の一端とに接続されている。ダイオード52のアノードと、第1回路抵抗53の他端と、第2キャパシタ61の他端とは接地されている。
【0054】
図5は、上流側抽出回路A1の作用を説明するための波形図である。
図5には、上流ノード電圧の波形と、第1キャパシタ50を通過した上流電圧の波形と、低減回路51を通過した上流電圧の波形と、マイコン20に出力される上流電圧の波形とが示されている。これらの波形の横軸には時間が示されている。例えば、電流経路においてサージが発生するか、又は、外乱ノイズが電流経路に入った場合、上流ノード電圧に関して交流成分が発生する。
図5では、上側閾値がVpで表されている。
【0055】
直流電源10の両端間の電圧を電源電圧と記載する。
図5において、電源電圧はVbによって表されている。交流成分が発生していない場合において、上流ノード電圧は電源電圧Vbと一致している。交流成分が発生した場合、上流ノード電圧は、電源電圧Vbから変動する。
図5の例では、上流ノード電圧を上昇させる正のサージ電圧と、上流ノード電圧を低下させる負のサージ電圧とが示されている。正のサージ電圧は、最初、時間の経過とともに上昇し、その後、時間の経過とともに低下する。負のサージ電圧は、最初、時間の経過とともに低下し、その後、時間の経過とともに上昇する。
【0056】
図5に示すように、第1キャパシタ50は、上流ノード電圧から交流成分を抽出する。前述したように、上流ノード電圧の交流成分を上流電圧と記載する。第1キャパシタ50を通過した上流電圧は、ゼロVから変動する。第1キャパシタ50を通過した上流電圧に、正のサージ電圧及び負のサージ電圧が含まれる。
【0057】
低減回路51では、第1キャパシタ50を通過した上流電圧は、第2回路抵抗60を介して第2キャパシタ61に印加される。第2回路抵抗60は、第1キャパシタ50を介して流れる電流の大きさを制限する。第2キャパシタ61は、第2回路抵抗60を介して印加された電圧を平滑する。これにより、低減回路51は、第1キャパシタ50を通過した上流電圧のピーク値(絶対値)を低減する。結果、絶対値が大きい電圧がマイコン20に印加されることが防止される。第2キャパシタ61の両端間の電圧が、低減回路51がピーク値を低減した上流電圧として出力される。
【0058】
低減回路51を通過した上流電圧に関して、電圧が、負値である一定の所定電圧に低下した場合、電流がダイオード52のアノード及びカソードの順に流れる。これにより、電圧が所定電圧未満の電圧に低下することはない。ダイオード52は、低減回路51によってピーク値が低減された上流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。従って、マイコン20に所定電圧未満の電圧が印加されることはない。上流側抽出回路A1のダイオード52は上流ダイオードとして機能する。所定電圧の絶対値は、ダイオード52の順方向電圧の絶対値であり、例えば0.6Vである。ダイオード52によって、所定電圧未満の電圧への低下が防止された上流電圧が第1回路抵抗53の両端間に印加される。第1回路抵抗53の両端間に印加されている上流電圧がマイコン20に出力される。
【0059】
マイコン20に入力することが許容される電圧の許容範囲は制限されている。低減回路51及びダイオード52の作用により、マイコン20に入力される電圧が許容範囲内に収まる。
【0060】
<下流側抽出回路B1の構成>
図4に示すように、下流側抽出回路B1は、上流側抽出回路A1と同様に構成されている。上流側抽出回路A1の構成の説明において、上流側抽出回路A1、上流ノード、上流ノード電圧及び上流電圧それぞれを、下流側抽出回路B1、下流ノード、下流ノード電圧及び下流電圧に置き換える。これにより、下流側抽出回路B1の構成を説明することができる。
【0061】
従って、下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50の一端は下流ノードに接続されている。下流側抽出回路B1では、低減回路51は、第1キャパシタ50を通過した下流電圧のピーク値を低減する。これにより、絶対値が大きい電圧がマイコン20に印加されることが防止される。下流側抽出回路B1のダイオード52は、低減回路51によってピーク値が低減された下流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。従って、マイコン20に所定電圧未満の電圧が印加されることはない。低減回路51及びダイオード52の作用により、マイコン20に入力される電圧が許容範囲内に収まる。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50、低減回路51及びダイオード52それぞれは、下流キャパシタ、下流低減回路及び下流ダイオードとして機能する。なお、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50の静電容量は同一であることが好ましい。
【0062】
上流側抽出回路A1のダイオード52の所定電圧は第1所定電圧に相当する。下流側抽出回路B1のダイオード52の所定電圧は第2所定電圧に相当する。上流側抽出回路A1のダイオード52の所定電圧は、下流側抽出回路B1のダイオード52の所定電圧と同じであることが好ましい。
【0063】
<ECU11の状態の判定>
図6は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧と、ECU11の状態との関係を示す図表である。
図6に示すように、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧の両方が、上側閾値Vp未満であるか、又は、上側閾値Vp以上である場合、マイコン20は、ECU11の状態は正常であると判定する。上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp未満である場合、マイコン20は、ヒューズF1は溶断されたと判定する。
【0064】
上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1で故障が発生していない限り、ECU11の状態は、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp以上である状態に遷移することはない。従って、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp以上である場合、マイコン20は、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1で故障が発生していると判定する。
【0065】
<マイコン20の動作>
マイコン20は、処理を実行する処理素子と、データが記憶される記憶部とを有する。処理素子は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。記憶部は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。記憶部には、コンピュータプログラムが記憶されている。マイコン20では、処理素子は、コンピュータプログラムを実行することによって、ヒューズF1の溶断を検知する溶断検知処理を実行する。なお、マイコン20が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子が協同で溶断検知処理を実行してもよい。
【0066】
図7は、溶断検知処理の手順を示すフローチャートである。溶断検知処理では、まず、マイコン20は、上流側抽出回路A1の出力電圧を取得する(ステップS1)。次に、マイコン20は、下流側抽出回路B1の出力電圧を取得する(ステップS2)。マイコン20は、ステップS1,S2それぞれで取得した2つの出力電圧に基づいてヒューズF1が溶断されたか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3では、
図6に示すように、マイコン20は、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp未満である場合、ヒューズF1が溶断されたと判定する。
【0067】
上流側抽出回路A1の出力電圧は、上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50を通過した上流電圧であり、上流側抽出回路A1の低減回路51によってピーク値が低減された上流電圧である。下流側抽出回路B1の出力電圧は、下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50を通過した下流電圧であり、下流側抽出回路B1の低減回路51によってピーク値が低減された下流電圧である。従って、マイコン20は判定器として機能する。
【0068】
マイコン20は、ヒューズF1が溶断されたと判定した場合(S3:YES)、溶断信号を、通信線Lcを介して通信機器に送信する(ステップS4)。マイコン20は、ヒューズF1が溶断されていないと判定した場合(S3:NO)、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1において故障が発生しているか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、
図6で示すように、マイコン20は、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp以上である場合、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1において故障が発生したと判定する。
【0069】
マイコン20は、故障が発生していると判定した場合(S5:YES)、故障信号を、通信線Lcを介して通信機器に送信する(ステップS6)。マイコン20は、ステップS4,S6を実行した後、溶断検知処理を終了する。この場合、マイコン20は再び溶断検知処理を実行することはない。
【0070】
上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧の両方が上側閾値Vp未満であるか、又は、上側閾値Vp以上である場合、ステップS5では、マイコン20は、故障が発生していないと判定する。マイコン20は、故障が発生していないと判定した場合(S5:NO)、溶断検知処理を終了する。この場合、マイコン20は、再び、溶断検知処理を実行する。マイコン20は、ヒューズF1の溶断又は故障の発生を検知するまで、溶断検知処理を周期的に実行する。
【0071】
<ECU11の効果>
ECU11では、ヒューズF1が溶断されたか否かをマイコン20が判定する。このため、人が目視でヒューズF1の溶断を確認する必要がない。結果、ヒューズF1、即ち、基板Qの配置に関する自由度は高い。
【0072】
(実施形態2)
実施形態1では、ECU11を介して電力が供給される負荷の数は1である。しかしながら、ECU11を介して電力が供給される負荷の数は2以上であってもよい。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0073】
<電源システム1の構成>
図8は、実施形態2における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。実施形態2における電源システム1は、実施形態1と同様に、直流電源10、ECU11及びセンサ12を有する。実施形態2における電源システム1は、更に、複数の負荷E1,E2,・・・及び上流スイッチG1を有する。実施形態2における電源システム1では、複数の下流側導線Y1,Y2,・・・が配置されている。実施形態2におけるECU11は、実施形態1と同様に、マイコン20及び上流側抽出回路A1を有する。実施形態2におけるECU11は、更に、複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・及び複数のヒューズF1,F2,・・・を有する。
【0074】
以下では、任意の自然数をiで表す。自然数iは、1,2,・・・のいずれであってもよい。負荷Eiは電気機器である。直流電源10の正極は上流スイッチG1の一端に接続されている。上流スイッチG1の他端は、上流側導線X1の一端に接続されている。上流側導線X1の他端はヒューズFiの一端に接続されている。ヒューズFiの他端は下流側導線Yiの一端に接続されている。下流側導線Yiの他端は負荷Eiの一端に接続されている。負荷Eiの他端は接地されている。
【0075】
上流スイッチG1は、例えば、車両Mのイグニッションスイッチである。上流スイッチG1がオンである場合、直流電源10の正極から、電流は、上流スイッチG1、上流側導線X1、ヒューズFi、下流側導線Yi及び負荷Eiの順に流れる。これにより、負荷Eiに電力が供給される。負荷Eiが作動している間、上流スイッチG1、上流側導線X1、ヒューズFi及び下流側導線Yiを介して電流が流れる。負荷Eiが動作を停止した場合、上流スイッチG1、上流側導線X1、ヒューズFi及び下流側導線Yiを介した電流の通流は停止する。上流スイッチG1がオフである場合、複数のヒューズF1,F2,・・・を介して電流が流れることはない。なお、マイコン20は、実施形態1の負荷E1の動作と同様に、負荷Eiの動作を制御してもよい。
【0076】
以下では、直流電源10の正極から、上流スイッチG1、上流側導線X1、ヒューズFi及び下流側導線Yiを介して流れる電流の経路を、ヒューズFiの電流経路と記載する。複数のヒューズF1,F2,・・・の電流経路において、ヒューズF1,F2,・・・の上流側部分は共通している。実施形態2では、上流ノードは、複数のヒューズF1,F2,・・・の電流経路の上側の共通部分の接続ノードである。上流ノードは、上流側導線X1の下流側に位置する。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50の一端は、実施形態1と同様に上流ノードに接続されている。
【0077】
実施形態2では、ヒューズFiの電流経路において、ヒューズFiの下流側に位置する接続ノードをヒューズFiの下流ノードと記載する。ヒューズFiの下流ノードは、下流側導線Yiの上流側に位置する。実施形態1と同様に、上流ノードの電圧を上流ノード電圧と記載する。実施形態2では、ヒューズFiの下流ノードの電圧をヒューズFiの下流ノード電圧と記載する。上流ノード電圧及びヒューズF1,F2,・・・の下流ノード電圧それぞれの基準電位は接地電位である。
【0078】
実施形態1の説明で述べたように、上流電圧は、上流ノード電圧の交流成分である。実施形態2では、下流側抽出回路Biは、ヒューズFiの下流ノード電圧の交流成分を抽出する。以下では、ヒューズFiの下流ノード電圧の交流成分をヒューズFiの下流電圧と記載する。下流側抽出回路Biは、ヒューズFiに関して、抽出した下流電圧をマイコン20に出力する。ヒューズFiの下流電圧の基準電位は接地電位である。
【0079】
マイコン20は、上流電圧とヒューズFiの下流電圧とに基づいて、ヒューズFiの溶断を検知する。マイコン20は、ヒューズFiの溶断を検知した場合、ヒューズFiの溶断を示す溶断信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。マイコン20は、上流電圧とヒューズFiの下流電圧とに基づいて、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路Biの故障の発生を検知する。マイコン20は、故障の発生を検知した場合、故障の発生を示す故障信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。
【0080】
<ヒューズFiの溶断の検知方法>
上流スイッチG1がオフである場合、ヒューズFiを介して電流が流れないので、ヒューズFiは溶断されない。上流スイッチG1がオンである場合において、ヒューズFiの温度が温度閾値に到達したとき、ヒューズFiは溶断される。
【0081】
上流側導線X1は実施形態1と同様に作用する。ヒューズFi及び下流側導線Yiそれぞれは、実施形態1のヒューズF1及び下流側導線Y1と同様に作用する。ヒューズFiが溶断された場合、上流側導線X1を介して流れる電流が低下する。上流側導線X1のインダクタ成分は誘導起電力を発生させる。このため、上流側導線X1に関して、基準電位が上流側の一端の電位である下流側の一端の電圧が上昇する。結果、上流ノード電圧が上昇するので、上流電圧は上昇する。ヒューズFiが溶断された場合、下流側導線Yiを介して流れる電流は低下する。下流側導線Yiのインダクタ成分は誘導起電力を発生させる。このため、下流側導線Yiに関して、基準電位が下流側の一端の電位である上流側の一端の電圧が低下する。結果、下流ノード電圧が低下するので、下流電圧は低下する。
【0082】
上流側抽出回路A1は、実施形態1と同様に、上流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。下流側抽出回路Biは、実施形態1の下流側抽出回路B1と同様に、ヒューズFiの下流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。マイコン20は、上流電圧が上側閾値以上であり、かつ、ヒューズFiの下流電圧が上側閾値未満である場合にヒューズFiの溶断を検知する。
【0083】
<ヒューズF1,F2,・・・の配置及び取り付け>
複数のヒューズF1,F2,・・・それぞれは基板Qの主面に配置されている。ヒューズFiは、実施形態1のヒューズF1と同様に構成されている。ヒューズFiの第1端子31及び第2端子32それぞれは、半田Hによって基板Qに取り付けられている。従って、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つが溶断された場合、基板Qが交換される。
【0084】
<下流側抽出回路Biの構成>
下流側抽出回路Biは、実施形態1における下流側抽出回路B1と同様に構成されている。従って、下流側抽出回路Biは、第1キャパシタ50、低減回路51、ダイオード52及び第1回路抵抗53を有する。下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50の一端は、ヒューズFiの下流ノードに接続されている。ヒューズFiの下流ノード電圧の交流成分、即ち、ヒューズFiの下流電圧が下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50を通過する。なお、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50の静電容量は同一であることが好ましい。
【0085】
下流側抽出回路Biでは、低減回路51は、第1キャパシタ50を通過した下流電圧のピーク値を低減する。これにより、絶対値が大きい電圧がマイコン20に印加されることが防止される。下流側抽出回路Biのダイオード52は、低減回路51によってピーク値が低減された下流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。従って、マイコン20に所定電圧未満の電圧が印加されることはない。低減回路51及びダイオード52の作用により、マイコン20に入力される電圧が許容範囲内に収まる。下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50、低減回路51及びダイオード52それぞれは、下流キャパシタ、下流低減回路及び下流ダイオードとして機能する。ECU11は、複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・を有する。このため、下流キャパシタとして機能する第1キャパシタ50の数は2以上である。
【0086】
<ECU11の状態の判定>
図9は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biの出力電圧と、ECU11の状態との関係を示す図表である。
図9に示すように、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biの出力電圧の両方が、上側閾値Vp未満であるか、又は、上側閾値Vp以上である場合、マイコン20は、ECU11の状態は正常であると判定する。上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路Biの出力電圧が上側閾値Vp未満である場合、マイコン20は、ヒューズFiは溶断されたと判定する。
【0087】
上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路Biで故障が発生していない限り、ECU11の状態は、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路Biの出力電圧が上側閾値Vp以上である状態に遷移することはない。従って、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路Biの出力電圧が上側閾値Vp以上である場合、マイコン20は、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路Biで故障が発生していると判定する。
【0088】
<マイコン20の動作>
マイコン20は、コンピュータプログラムを実行することによって、ヒューズFiの溶断を検知する溶断検知処理を実行する。マイコン20は、上流スイッチG1がオンである場合に複数のヒューズF1,F2,・・・それぞれについて溶断検知処理を実行する。マイコン20が有する処理素子の数が2以上である場合、複数の処理素子が協同で複数のヒューズF1,F2,・・・の溶断検知処理を実行してもよい。
【0089】
ヒューズFiの溶断検知処理は、実施形態1におけるヒューズF1の溶断検知処理と同様である。実施形態1におけるヒューズF1の溶断検知処理の説明に関して、下流側抽出回路B1及びヒューズF1それぞれを、下流側抽出回路Bi及びヒューズFiに置き換える。これにより、ヒューズFiの溶断検知処理を説明することができる。ヒューズFiの溶断検知処理では、マイコン20は、上流電圧と、ヒューズFiの下流電圧とに基づいて、ヒューズFiが溶断されたか否かを判定する。以上のように、マイコン20は、共通の上流電圧を用いて、ヒューズFiが溶断されたか否かを判定する。
【0090】
<ECU11の効果>
実施形態2におけるECU11は、実施形態1におけるECU11が奏する効果を同様に奏する。
【0091】
(実施形態3)
実施形態2において、複数のヒューズF1,F2,・・・それぞれの電流経路にスイッチが配置されてもよい。
以下では、実施形態3について、実施形態2と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態2と共通しているため、実施形態2と共通する構成部には実施形態2と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0092】
<電源システム1の構成>
図10は、実施形態3における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。実施形態3における電源システム1は、実施形態2と同様に、直流電源10、ECU11、センサ12及び複数の負荷E1,E2,・・・を備える。実施形態3における電源システム1は、更に、複数の上流スイッチG1,G2,・・・を備える。実施形態3における電源システム1では、複数の上流側導線X1,X2,・・・が配置されている。
【0093】
直流電源10の正極は、複数の上流スイッチG1,G2,・・・それぞれの一端に接続されている。上流スイッチGiの他端は、上流側導線Xiの一端に接続されている。実施形態2の説明で述べたように、iは任意の自然数である。上流側導線Xiの他端はヒューズFiの一端に接続されている。
【0094】
上流スイッチGiがオンである場合、直流電源10の正極から、電流は、上流スイッチGi、上流側導線Xi、ヒューズFi、下流側導線Yi及び負荷Eiの順に流れる。これにより、負荷Eiに電力が供給される。負荷Eiが作動している間、上流スイッチGi、上流側導線Xi、ヒューズFi及び下流側導線Yiを介して電流が流れる。負荷Eiが動作を停止した場合、上流スイッチGi、上流側導線Xi、ヒューズFi及び下流側導線Yiを介した電流の通流は停止する。上流スイッチGiがオフである場合、ヒューズFiを介して電流が流れることはない。
【0095】
実施形態3では、ヒューズFiの電流経路は、直流電源10の正極から、上流スイッチGi、上流側導線Xi、ヒューズFi及び下流側導線Yiを介して流れる電流の経路である。ヒューズFiの電流経路において、ヒューズFiの上流側に位置する接続ノードを、ヒューズFiの上流ノードと記載する。ヒューズFiの上流ノードは、上流側導線Xiの下流側に位置する。ヒューズFiの上流ノードの電圧を、ヒューズFiの上流ノード電圧と記載する。ヒューズFiの上流ノード電圧の基準電位は接地電位である。実施形態3では、ヒューズFiの下流ノード及び下流ノード電圧は、実施形態2と同様に定義される。
【0096】
上流側抽出回路Aiは、ヒューズFiの上流ノード電圧の交流成分を抽出する。以下では、ヒューズFiの上流ノード電圧の交流成分をヒューズFiの上流電圧と記載する。上流側抽出回路Aiは、ヒューズFiに関して、抽出した上流電圧をマイコン20に出力する。ヒューズFiの上流電圧の基準電位は接地電位である。
【0097】
マイコン20は、ヒューズFiの上流電圧及び下流電圧に基づいて、ヒューズFiの溶断を検知する。マイコン20は、ヒューズFiの溶断を検知した場合、ヒューズFiの溶断を示す溶断信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。マイコン20は、ヒューズFiの上流電圧及び下流電圧に基づいて、上流側抽出回路Ai又は下流側抽出回路Biの故障の発生を検知する。マイコン20は、故障の発生を検知した場合、故障の発生を示す故障信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。
【0098】
<ヒューズFiの溶断の検知方法>
上流スイッチGiがオフである場合、ヒューズFiを介して電流が流れないので、ヒューズFiは溶断されない。上流スイッチGiがオンである場合において、ヒューズFiの温度が温度閾値に到達したとき、ヒューズFiは溶断される。
【0099】
上流側導線Xiは、実施形態1における上流側導線X1と同様に作用する。ヒューズFiが溶断された場合、上流側導線Xiを介して流れる電流が低下する。上流側導線Xiのインダクタ成分は誘導起電力を発生させる。このため、上流側導線Xiに関して、基準電位が上流側の一端の電位である下流側の一端の電圧が上昇する。結果、ヒューズFiの上流ノード電圧が上昇するので、ヒューズFiの上流電圧は上昇する。実施形態2と同様に、ヒューズFiが溶断された場合、下流側導線Yiに関して、基準電位が下流側の一端の電位である上流側の一端の電圧が上昇する。結果、ヒューズFiの下流ノード電圧が低下するので、ヒューズFiの下流電圧は低下する。
【0100】
上流側抽出回路Aiは、実施形態1における上流側抽出回路A1と同様に、ヒューズFiの上流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。下流側抽出回路Biは、実施形態2と同様に、ヒューズFiの下流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。マイコン20は、ヒューズFiの上流電圧が上側閾値以上であり、かつ、ヒューズFiの下流電圧が上側閾値未満である場合にヒューズF1の溶断を検知する。
【0101】
<上流側抽出回路Aiの構成>
上流側抽出回路Aiは、実施形態1における上流側抽出回路A1と同様に構成されている。従って、上流側抽出回路Aiは、第1キャパシタ50、低減回路51、ダイオード52及び第1回路抵抗53を有する。上流側抽出回路Aiの第1キャパシタ50の一端は、ヒューズFiの上流ノードに接続されている。ヒューズFiの上流ノード電圧の交流成分、即ち、ヒューズFiの上流電圧が上流側抽出回路Aiの第1キャパシタ50を通過する。なお、上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50の静電容量は同一であることが好ましい。
【0102】
上流側抽出回路Aiでは、低減回路51は、第1キャパシタ50を通過した上流電圧のピーク値を低減する。これにより、絶対値が大きい電圧がマイコン20に印加されることが防止される。上流側抽出回路Aiのダイオード52は、低減回路51によってピーク値が低減された上流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。従って、マイコン20に所定電圧未満の電圧が印加されることはない。低減回路51及びダイオード52の作用により、マイコン20に入力される電圧が許容範囲内に収まる。上流側抽出回路Aiの第1キャパシタ50、低減回路51及びダイオード52それぞれは、上流キャパシタ、上流低減回路及び上流ダイオードとして機能する。ECU11は、複数の上流側抽出回路A1,A2,・・・を有する。このため、上流キャパシタとして機能する第1キャパシタ50の数は2以上である。
【0103】
<ECU11の状態の判定>
上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biの出力電圧と、ECU11の状態との関係は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧と、ECU11の状態との関係(
図6参照)と同様である。従って、上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biの出力電圧の両方が、上側閾値Vp未満であるか、又は、上側閾値Vp以上である場合、マイコン20は、ECU11の状態は正常であると判定する。上流側抽出回路Aiの出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路Biの出力電圧が上側閾値Vp未満である場合、マイコン20は、ヒューズFiは溶断されたと判定する。
【0104】
上流側抽出回路Ai又は下流側抽出回路Biで故障が発生していない限り、ECU11の状態は、上流側抽出回路Aiの出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路Biの出力電圧が上側閾値Vp以上である状態に遷移することはない。従って、上流側抽出回路Aiの出力電圧が上側閾値Vp未満であり、かつ、下流側抽出回路Biの出力電圧が上側閾値Vp以上である場合、マイコン20は、上流側抽出回路Ai又は下流側抽出回路Biで故障が発生していると判定する。
【0105】
<マイコン20の動作>
マイコン20は、コンピュータプログラムを実行することによって、ヒューズFiの溶断を検知する溶断検知処理を実行する。マイコン20は、上流スイッチGiがオンである場合にヒューズFiの溶断検知処理を実行する。マイコン20が有する処理素子の数が2以上である場合、複数の処理素子が協同で複数のヒューズF1,F2,・・・の溶断検知処理を実行してもよい。
【0106】
ヒューズFiの溶断検知処理は、実施形態1におけるヒューズF1の溶断検知処理と同様である。実施形態1におけるヒューズF1の溶断検知処理の説明に関して、上流側抽出回路A1、下流側抽出回路B1及びヒューズF1それぞれを上流側抽出回路Ai、下流側抽出回路Bi及びヒューズFiに置き換える。これにより、ヒューズFiの溶断検知処理を説明することができる。ヒューズFiの溶断検知処理では、マイコン20は、ヒューズFiの上流電圧及び下流電圧に基づいて、ヒューズFiが溶断されたか否かを判定する。
【0107】
<ECU11の効果>
実施形態3におけるECU11は、実施形態1におけるECU11が奏する効果を同様に奏する。
【0108】
(実施形態4)
実施形態1では、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれの構成は、ダイオード52が除かれた構成であってもよい。
以下では、実施形態4について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0109】
<上流側抽出回路A1の構成>
図11は、実施形態4における上流側抽出回路A1の回路図である。実施形態4における上流側抽出回路A1の構成は、実施形態1における上流側抽出回路A1の構成からダイオード52を除いた構成である。
【0110】
図12は、上流側抽出回路A1の作用を説明するための波形図である。
図12には、上流ノード電圧の波形と、第1キャパシタ50を通過した上流電圧の波形と、低減回路51を通過した上流電圧の波形とが示されている。これらの波形の横軸には時間が示されている。これらの波形は
図4に示す波形と同じである。第1キャパシタ50及び低減回路51は実施形態1と同様に作用する。従って、低減回路51は、第1キャパシタ50を通過した上流電圧のピーク値(絶対値)を低減する。結果、絶対値が大きい電圧がマイコン20に印加されることが防止される。低減回路51によって、ピーク値が低減された上流電圧がマイコン20に出力される。
【0111】
<下流側抽出回路B1の構成>
図11に示すように、下流側抽出回路B1は、上流側抽出回路A1と同様に構成されている。上流側抽出回路A1、上流ノード、上流ノード電圧及び上流電圧それぞれは、下流側抽出回路B1、下流ノード、下流ノード電圧及び下流電圧に対応する。
【0112】
<ヒューズF1の溶断の検知方法>
前述したように、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれにおいて、ダイオード52が設けられていない。このため、上流ノード電圧が低下した場合、上流電圧も低下する。同様に、下流ノード電圧が低下した場合、下流電圧も低下する。
【0113】
実施形態1の説明で述べたように、ヒューズF1が溶断された場合、上流電圧が上昇し、かつ、下流電圧が低下する。従って、マイコン20は、上流電圧が上側閾値以上であり、かつ、下流電圧が一定の下側閾値未満である場合にヒューズF1の溶断を検知する。下側閾値は負値である。実施形態1の説明で述べたように、上側閾値は正値である。従って、上側閾値は下側閾値を超えている。
図12では、上側閾値及び下側閾値それぞれはVp及びVnによって示されている。
【0114】
<ECU11の状態の判定>
図13は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧と、ECU11の状態との関係を示す図表である。上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧の両方が、下側閾値Vn以上であり、かつ、上側閾値Vp未満である場合、マイコン20は、ECU11の状態は正常であると判定する。実施形態1と同様に、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧の両方が、上側閾値Vp以上であるか、又は、下側閾値Vn未満である場合、マイコン20は、ECU11の状態は正常であると判定する。
【0115】
上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が下側閾値Vn未満である場合、マイコン20は、ヒューズF1は溶断されたと判定する。
【0116】
上流側抽出回路A1の出力電圧が下側閾値Vn以上であり、かつ、上側閾値Vp未満であり、更に、下流側抽出回路B1の出力電圧が下側閾値Vn未満であるか、又は、上側閾値Vp以上である状態を第1状態と記載する。上流側抽出回路A1の出力電圧が下側閾値Vn未満であるか、又は、上側閾値Vp以上であり、更に、下流側抽出回路B1の出力電圧が下側閾値Vn以上であり、かつ、上側閾値Vp未満である状態を第2状態と記載する。上流側抽出回路A1の出力電圧が下側閾値Vn未満であり、更に、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp以上である状態を第3状態と記載する。
【0117】
上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1で故障が発生していない限り、ECU11の状態は、第1状態、第2状態又は第3状態に遷移することはない。従って、ECU11の状態が第1状態、第2状態又は第3状態である場合、マイコン20は、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路B1で故障が発生していると判定する。
【0118】
<マイコン20の動作>
マイコン20は、実施形態1と同様に溶断検知処理を実行する(
図7参照)。マイコン20は、溶断検知処理のステップS3,S5では、
図13の図表に従って判定を行う。従って、マイコン20は、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が下側閾値Vn未満である場合、ヒューズF1が溶断されたと判定する。上流側抽出回路A1の出力電圧は、上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50を通過した上流電圧であり、上流側抽出回路A1の低減回路51によってピーク値が低減された上流電圧である。下流側抽出回路B1の出力電圧は、下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50を通過した下流電圧であり、下流側抽出回路B1の低減回路51によってピーク値が低減された下流電圧である。
【0119】
<ECU11の効果>
実施形態4におけるECU11は、実施形態1におけるECU11が奏する効果を同様に奏する。
【0120】
<実施形態2,3の変形例>
実施形態2において、上流側抽出回路A1及び複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・それぞれの構成は、実施形態4と同様に、ダイオード52が除かれた構成であってもよい。この場合、マイコン20は、ヒューズFiが溶断されているか否かと、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路Biの故障が発生しているか否かとを実施形態4と同様に判定する。この場合、
図13の図表は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biの出力電圧と、ECU11の状態との関係を示す。
図13の「溶断」はヒューズFiの溶断を示す。
図13の「故障」は、上流側抽出回路A1又は下流側抽出回路Biの故障を示す。
【0121】
同様に、実施形態3において、複数の上流側抽出回路A1,A2,・・・及び複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・それぞれの構成は、実施形態4と同様に、ダイオード52が除かれた構成であってもよい。この場合、マイコン20は、ヒューズFiが溶断されているか否かと、上流側抽出回路Ai又は下流側抽出回路Biの故障が発生しているか否かとを実施形態4と同様に判定する。この場合、
図13の図表は、上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biの出力電圧と、ECU11の状態との関係を示す。
図13の「溶断」はヒューズFiの溶断を示す。
図13の「故障」は、上流側抽出回路Ai又は下流側抽出回路Biの故障を示す。
【0122】
(実施形態5)
実施形態1では、マイコン20がヒューズF1の溶断を検知している。しかしながら、マイコン20とは異なる装置がヒューズF1の溶断を検知してもよい。
以下では、実施形態5について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0123】
<電源システム1の構成>
図14は、実施形態5における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。実施形態5におけるECU11は、実施形態1と同様に、マイコン20、上流側抽出回路A1、下流側抽出回路B1及びヒューズF1を有する。実施形態5におけるECU11は、判定回路J1を更に有する。上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれは、マイコン20の代わりに、判定回路J1に各別に接続されている。判定回路J1は、更に、マイコン20に接続されている。
【0124】
上流側抽出回路A1は、実施形態1と同様に、上流ノード電圧から、上流ノード電圧の交流成分、即ち、上流電圧を抽出する。下流側抽出回路B1は、実施形態1と同様に、下流ノード電圧から、下流ノード電圧の交流成分、即ち、下流電圧を抽出する。判定回路J1は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれが抽出した上流電圧及び下流電圧に基づいて、ヒューズF1が溶断されたか否かを判定する。判定回路J1は、判定結果をマイコン20に通知する。マイコン20は、ヒューズF1の溶断が通知された場合、溶断信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。
【0125】
<上流側抽出回路A1、下流側抽出回路B1及び判定回路J1の回路図>
図15は、上流側抽出回路A1、下流側抽出回路B1及び判定回路J1の回路図を示す。上流側抽出回路A1は、実施形態1と同様に第1キャパシタ50を有する。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50の一端は、ヒューズF1の上流ノードに接続されている。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50の他端は判定回路J1に接続されている。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50は、実施形態1と同様に、上流ノード電圧の交流成分、即ち、上流電圧を抽出する(
図5参照)。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50は、抽出した上流電圧を判定回路J1に出力する。ヒューズF1が溶断された場合、上流電圧は上側閾値以上の電圧に上昇する。実施形態1の説明で述べたように、上側閾値は正値である。
【0126】
下流側抽出回路B1は、実施形態1と同様に第1キャパシタ50を有する。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50の一端は、ヒューズF1の下流ノードに接続されている。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50の他端は判定回路J1に接続されている。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50は、実施形態1と同様に、下流ノード電圧の交流成分、即ち、下流電圧を抽出する。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50は、抽出した下流電圧を判定回路J1に出力する。ヒューズF1が溶断された場合、下流電圧は、一定の下側閾値未満の電圧に低下する。下側閾値は、実施形態4と同様に、負値である。
【0127】
判定回路J1は、入力抵抗70、制御抵抗71、上流抵抗72、下流抵抗73、制限抵抗74及び回路スイッチ75を有する。回路スイッチ75は、NPN型のバイポーラトランジスタである。上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50の他端は、入力抵抗70及び制御抵抗71の一端に接続されている。入力抵抗70の他端は接地されている。制御抵抗71の他端は回路スイッチ75のベースに接続されている。
【0128】
回路スイッチ75のコレクタは、上流抵抗72の一端に接続されている。上流抵抗72の他端には、一定の電圧Vcが印加されている。上流抵抗72は第1抵抗として機能する。一定の電圧Vcは、正値であり、例えば、レギュレータが直流電源10の電源電圧を降圧することによって生成される。上流抵抗72及び回路スイッチ75のコレクタ間の接続ノードは、マイコン20に接続されている。回路スイッチ75のエミッタは下流抵抗73の一端に接続されている。下流抵抗73の他端は接地されている。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50の他端は、制限抵抗74の一端に接続されている。制限抵抗74の他端は、下流抵抗73及び回路スイッチ75のエミッタ間の接続ノードに接続されている。
【0129】
上流側抽出回路A1の第1キャパシタ50を通過した上流電圧は入力抵抗70の両端間に印加される。入力抵抗70の両端間の電圧は回路スイッチ75のベースに印加される。下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50を通過した下流電圧は、制限抵抗74を介して下流抵抗73の両端間に印加される。制限抵抗74は、下流側抽出回路B1の第1キャパシタ50を介して流れる電流の大きさを制限する。
【0130】
回路スイッチ75について、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧が、一定のオン電圧以上である場合、回路スイッチ75はオンである。回路スイッチ75がオンである場合、回路スイッチ75のコレクタ及びエミッタ間の抵抗値は十分に小さい。このため、回路スイッチ75のコレクタ及びエミッタを介して電流が流れることは可能である。
【0131】
回路スイッチ75について、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧が、一定のオフ電圧未満である場合、回路スイッチ75はオフである。回路スイッチ75がオフである場合、回路スイッチ75のコレクタ及びエミッタ間の抵抗値は十分に大きい。このため、回路スイッチ75のコレクタ及びエミッタを介して電流が流れることはない。オン電圧は、オフ電圧以上である。オン電圧及びオフ電圧は正値である。
【0132】
上流抵抗72及び回路スイッチ75のコレクタ間の接続ノードの電圧が判定回路J1からマイコン20に出力される。判定回路J1の出力電圧の基準電位は接地電位である。回路スイッチ75がオフである場合、上流抵抗72を介して電流が流れることはない。このため、一定の電圧Vcが判定回路J1からマイコン20に出力される。回路スイッチ75がオンである場合、電流が上流抵抗72、回路スイッチ75及び下流抵抗73の順に流れる。上流抵抗72を介して流れる電流の経路は第2の電流経路として機能する。第2の電流経路において、回路スイッチ75は上流抵抗72の下流側に配置されている。第2の電流経路において、下流抵抗73は回路スイッチ75の下流側に配置されている。下流抵抗73は第2抵抗として機能する。
【0133】
回路スイッチ75がオンである場合、上流抵抗72及び下流抵抗73は一定の電圧Vcを分圧する。上流抵抗72及び下流抵抗73が分圧することによって得られた分圧電圧がマイコン20に出力される。上流抵抗72及び下流抵抗73それぞれの抵抗値をR72及びR73と表した場合、分圧電圧はVc・R73/(R72+R73)によって表される。「・」は積を表す。
【0134】
一定の電圧Vc及び抵抗値R72,R73は一定値であるので、分圧電圧は一定である。また、抵抗値R72,R73は正値であるので、分圧電圧は一定の電圧Vc未満である。マイコン20では、一定の基準電圧が設定されている。基準電圧は、分圧電圧を超えており、かつ、一定の電圧Vc以下である。基準電圧以上である電圧をハイレベル電圧と記載する。基準電圧未満である電圧をローレベル電圧と記載する。従って、回路スイッチ75がオフである場合、判定回路J1からハイレベル電圧がマイコン20に出力される。回路スイッチ75がオンである場合、判定回路J1からローレベル電圧がマイコン20に出力される。
【0135】
<判定回路J1の動作>
図16は判定回路J1の動作を説明するための図表である。前述したように、ヒューズF1が溶断された場合、上流電圧は上側閾値Vp以上の電圧に上昇し、かつ、下流電圧は下側閾値Vn未満の電圧に低下する。上流電圧及び下流電圧それぞれは、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧である。
図16に示すように、上流側抽出回路A1の出力電圧が上側閾値Vp以上であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が下側閾値Vn未満である場合、回路スイッチ75に関して、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧はオン電圧以上である。従って、回路スイッチ75はオンであり、判定回路J1からローレベル電圧が出力される。
【0136】
上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧の両方が、上側閾値Vp以上であるか、又は、下側閾値Vn未満である場合、回路スイッチ75に関して、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧は、ゼロV近傍の値であり、オフ電圧未満である。この場合、回路スイッチ75に関して、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧はオフ電圧未満である。従って、回路スイッチ75はオフであり、判定回路J1からハイレベル電圧が出力される。
【0137】
上流側抽出回路A1の出力電圧が下側閾値Vn未満であり、かつ、下流側抽出回路B1の出力電圧が上側閾値Vp以上である場合、回路スイッチ75に関して、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧は、負値であり、オフ電圧未満である。従って、回路スイッチ75はオフであり、判定回路J1からハイレベル電圧が出力される。
【0138】
以上のように、判定回路J1は、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1の出力電圧に基づいて、ヒューズF1が溶断されたか否かを判定する。判定回路J1は、ヒューズF1が溶断されていないと判定した場合、ハイレベル電圧をマイコン20に出力する。判定回路J1は、ヒューズF1が溶断されたと判定した場合、ローレベル電圧をマイコン20に出力する。これにより、ヒューズF1の溶断がマイコン20に通知される。実施形態5では、判定回路J1は判定器として機能する。
【0139】
<ECU11の効果>
実施形態5におけるECU11は、実施形態1におけるECU11が奏する効果の中でマイコン20が溶断を検知することによって得られる効果を除く他の効果を同様に奏する。
【0140】
(実施形態6)
実施形態2において、マイコン20が複数のヒューズF1,F2,・・・に関する溶断を検知している。しかしながら、マイコン20とは異なる装置が複数のヒューズF1,F2,・・・に関する溶断を検知してもよい。
以下では、実施形態6について、実施形態2と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態2と共通しているため、実施形態2と共通する構成部には実施形態2と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0141】
<電源システム1の構成>
図17は、実施形態6における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。実施形態6におけるECU11は、実施形態2と同様に、マイコン20、上流側抽出回路A1、複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・及び複数のヒューズF1,F2,・・・を有する。実施形態6におけるECU11は、判定回路J1を更に有する。上流側抽出回路A1及び複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・それぞれは、マイコン20の代わりに、判定回路J1に各別に接続されている。判定回路J1は、更に、マイコン20に接続されている。
【0142】
上流側抽出回路A1は実施形態5と同様に構成されている。下流側抽出回路Biは実施形態5の下流側抽出回路B1と同様に構成されている。実施形態2の説明で述べたように、iは任意の自然数である。下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50の一端は、ヒューズFiの下流ノードに接続されている。上流側抽出回路A1は、上流ノード電圧の交流成分、即ち、上流電圧を判定回路J1に出力する。下流側抽出回路Biは、ヒューズFiの下流ノード電圧の交流成分、即ち、ヒューズFiの下流電圧を判定回路J1に出力する。
【0143】
判定回路J1は、上流側抽出回路A1から入力された上流電圧と、複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・から入力された複数の下流電圧とに基づいて、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つが溶断されたか否かを判定する。判定回路J1は、判定結果をマイコン20に通知する。マイコン20は、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つの溶断が通知された場合、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つの溶断を示す溶断信号を、通信線Lcを介して、通信機器に送信する。
【0144】
<判定回路J1の回路図>
図18は判定回路J1の回路図である。判定回路J1は、実施形態5と同様に、入力抵抗70、制御抵抗71、上流抵抗72、下流抵抗73及び回路スイッチ75を有する。これらの接続は、実施形態5と同様である。上流抵抗72の上流側の一端には一定の電圧Vcが印加されている。上流抵抗72及び回路スイッチ75のコレクタ間の接続ノードはマイコン20に接続されている。下流抵抗73の下流側の一端は接地されている。
【0145】
実施形態6における判定回路J1は、複数の制限抵抗74を更に有する。前述したように、下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50の一端はヒューズFiの下流ノードに接続されている。複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・それぞれの第1キャパシタ50の他端は、複数の制限抵抗74の一端に接続されている。各制限抵抗74の他端は、実施形態5と同様に、下流抵抗73及び回路スイッチ75のエミッタ間の接続ノードに接続されている。
【0146】
複数のヒューズF1,F2,・・・のいずれも溶断されていない場合、回路スイッチ75に関して、基準電位がエミッタの電位であるベースの電圧はオフ電圧未満である。このとき、回路スイッチ75はオフである。回路スイッチ75がオフである場合、判定回路J1はハイレベル電圧を出力する。
【0147】
複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つが溶断した場合、上流側抽出回路A1の出力電圧は上側閾値以上の電圧に上昇する。更に、複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・中の少なくとも1つの出力電圧は下側閾値未満の電圧に低下する。このとき、回路スイッチ75はオンに切替わり、判定回路J1からローレベル電圧が出力される。上流側抽出回路A1の出力電圧は上流電圧である。下流側抽出回路Biの出力電圧はヒューズFiの下流電圧である。
【0148】
以上のように、判定回路J1は、上流側抽出回路A1及び複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・の出力電圧に基づいて、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つが溶断されたか否かを判定する。判定回路J1は、複数のヒューズF1,F2,・・・のいずれも溶断されていないと判定した場合、ハイレベル電圧をマイコン20に出力する。判定回路J1は、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つが溶断されたと判定した場合、ローレベル電圧をマイコン20に出力する。これにより、複数のヒューズF1,F2,・・・中の少なくとも1つの溶断がマイコン20に通知される。実施形態6でも、判定回路J1は判定器として機能する。
【0149】
<ECU11の効果>
実施形態6におけるECU11は、実施形態2におけるECU11が奏する効果の中で、マイコン20が溶断を検知することによって得られる効果を除く他の効果を同様に奏する。
【0150】
(実施形態7)
実施形態3では、マイコン20がヒューズFiの溶断を検知している。しかしながら、マイコン20とは異なる装置がヒューズFiの溶断を検知してもよい。実施形態2の説明で述べたように、iは任意の自然数である。
以下では、実施形態7について、実施形態3と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態3と共通しているため、実施形態3と共通する構成部には実施形態3と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0151】
<電源システム1の構成>
図19は、実施形態7における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。実施形態7におけるECU11は、実施形態3と同様に、マイコン20、複数の上流側抽出回路A1,A2,・・・、複数の下流側抽出回路B1,B2,・・・及び複数のヒューズF1,F2,・・・を有する。実施形態7におけるECU11は、複数の判定回路J1,J2,・・・を更に有する。上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biそれぞれは、マイコン20の代わりに、判定回路Jiに各別に接続されている。判定回路Jiは、更に、マイコン20に接続されている。
【0152】
上流側抽出回路Aiは、実施形態5の上流側抽出回路A1と同様に構成されている。下流側抽出回路Biは、実施形態5の下流側抽出回路B1と同様に構成されている。上流側抽出回路Aiの第1キャパシタ50の一端は、ヒューズFiの上流ノードに接続されている。下流側抽出回路Biの第1キャパシタ50の一端は、ヒューズFiの下流ノードに接続されている。上流側抽出回路Aiは、ヒューズFiの上流ノード電圧の交流成分、即ち、ヒューズFiの上流電圧を判定回路Jiに出力する。下流側抽出回路Biは、ヒューズFiの下流ノード電圧の交流成分、即ち、ヒューズFiの下流電圧を判定回路Jiに出力する。
【0153】
判定回路Jiは、実施形態5における判定回路J1と同様に構成され、上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biの出力電圧に基づいて、ヒューズFiが溶断されたか否かを判定する。判定回路Jiは、ヒューズFiが溶断されていないと判定した場合、ハイレベル電圧をマイコン20に出力する。判定回路Jiは、ヒューズFiが溶断されたと判定した場合、ローレベル電圧をマイコン20に出力する。これにより、ヒューズFiの溶断がマイコン20に通知される。実施形態7では、判定回路Jiは判定器として機能する。
【0154】
<ECU11の効果>
実施形態7におけるECU11は、実施形態3におけるECU11が奏する効果の中で、マイコン20が溶断を検知することによって得られる効果を除く他の効果を同様に奏する。
【0155】
<実施形態5~7の変形例>
実施形態5において、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれは、実施形態1又は実施形態4における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されてもよい。実施形態6において、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biそれぞれは、実施形態1又は実施形態4における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されてもよい。実施形態7において、上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biそれぞれは、実施形態1又は実施形態4における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されてもよい。
【0156】
実施形態5,6それぞれにおいて、判定回路J1の回路スイッチ75は、NPN型のバイポーラトランジスタに限定されず、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。実施形態7において、判定回路Jiの回路スイッチ75は、NPN型のバイポーラトランジスタに限定されず、Nチャネル型のFET又はIGBT等であってもよい。
【0157】
(実施形態8)
実施形態1において低減回路51は、第2回路抵抗60を含む回路に限定されない。
以下では、実施形態8について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0158】
<上流側抽出回路A1の構成>
図20は、実施形態8における上流側抽出回路A1の回路図である。実施形態8における上流側抽出回路A1は、実施形態1と同様に第1キャパシタ50、低減回路51及び第1回路抵抗53を有する。実施形態8における低減回路51は、第2キャパシタ61及び第1ツェナーダイオード62を有する。
【0159】
第1キャパシタ50の一端は、ヒューズF1の上流ノードに接続されている。低減回路51内では、第1キャパシタ50の他端は、マイコン20と、第1回路抵抗53の一端と、第2キャパシタ61の一端と、第1ツェナーダイオード62のカソードとに接続されている。第1回路抵抗53の他端と、第2キャパシタ61の他端と、第1ツェナーダイオード62のアノードとは接地されている。
【0160】
図21は、上流側抽出回路A1の作用を説明するための波形図である。
図21には、上流ノード電圧の波形と、第1キャパシタ50を通過した上流電圧の波形と、低減回路51を通過した上流電圧の波形とが示されている。これらの波形の横軸には時間が示されている。第1キャパシタ50は、実施形態1と同様に、上流ノード電圧の交流成分、即ち、上流電圧を抽出する。第1キャパシタ50を通過した上流電圧は低減回路51の第2キャパシタ61の両端間に印加される。第2キャパシタ61は、第2回路抵抗60を介して印加された電圧を平滑する。
【0161】
低減回路51の第1ツェナーダイオード62に関して、基準電位が接地電位であるカソードの電圧が一定の降伏電圧に到達した場合、電流がカソード及びアノードの順に流れる。これにより、上流電圧が降伏電圧を超えることはない。降伏電圧は上側閾値Vp以上である。また、第1ツェナーダイオード62は、実施形態1におけるダイオード52と同様に作用する。このため、上流電圧が所定電圧未満の電圧に低下することを防止する。低減回路51によってピーク値が低減された上流電圧は第1回路抵抗53の両端間に印加される。第1回路抵抗53の両端間に印加されている上流電圧がマイコン20に出力される。低減回路51の第1ツェナーダイオード62の作用により、マイコン20に入力される電圧が許容範囲内に収まる。実施形態8では、上流側抽出回路A1の第1ツェナーダイオード62は上流ダイオードとして機能する。
【0162】
<下流側抽出回路B1の構成>
図20に示すように、下流側抽出回路B1は上流側抽出回路A1と同様に構成されている。上流側抽出回路A1の構成の説明において、上流側抽出回路A1、上流ノード電圧及び上流電圧それぞれを、下流側抽出回路B1、下流ノード電圧及び下流電圧に置き換える。これにより、下流側抽出回路B1の構成を説明することができる。実施形態8では、下流側抽出回路B1の第1ツェナーダイオード62は下流ダイオードとして機能する。
【0163】
<ECU11の効果>
実施形態8におけるECU11は、実施形態1におけるECU11が奏する効果を同様に奏する。
【0164】
<実施形態2,3の変形例>
実施形態2における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれは、実施形態8における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されていてもよい。実施形態3における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biそれぞれは、実施形態8における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されていてもよい。
【0165】
(実施形態9)
実施形態4において、低減回路51は、第2回路抵抗60を含む回路に限定されない。
以下では、実施形態9について、実施形態4と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態4と共通しているため、実施形態4と共通する構成部には実施形態4と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0166】
<上流側抽出回路A1の構成>
図22は、実施形態9における上流側抽出回路A1の回路図である。実施形態9における上流側抽出回路A1は、実施形態8における上流側抽出回路A1が有する構成部を同様に有する。これらの構成部の接続は実施形態8と同様である。実施形態8における上流側抽出回路A1は、更に、第2ツェナーダイオード63を有する。第2ツェナーダイオード63のアノードは、第1ツェナーダイオード62のアノードに接続されている。第2ツェナーダイオード63のカソードは接地されている。
【0167】
図23は、上流側抽出回路A1の作用を説明するための波形図である。
図21には、上流ノード電圧の波形と、第1キャパシタ50を通過した上流電圧の波形と、低減回路51を通過した上流電圧の波形とが示されている。これらの波形の横軸には時間が示されている。第1キャパシタ50は、実施形態1と同様に、上流ノード電圧の交流成分、即ち、上流電圧を抽出する。第1キャパシタ50を通過した上流電圧は低減回路51の第2キャパシタ61の両端間に印加される。第2キャパシタ61は、第2回路抵抗60を介して印加された電圧を平滑する。
【0168】
以下では、第1ツェナーダイオード62及び第2ツェナーダイオード63が直列に接続されている回路をダイオード回路と記載する。ダイオード回路は、上流電圧が、正値である一定の第1電圧に上昇した場合、ダイオード回路を介して電流が流れ、上流電圧が第1電圧を超えることはない。第1電圧は上側閾値Vp以上である。ダイオード回路は、上流電圧が、負値である一定の第2電圧に低下した場合、ダイオード回路を介して電流が流れ、上流電圧が第2電圧未満の電圧に低下することはない。第2電圧は、下側閾値Vn未満である。
【0169】
低減回路51によってピーク値が低減された上流電圧は第1回路抵抗53の両端間に印加される。第1回路抵抗53の両端間に印加されている上流電圧がマイコン20に出力される。低減回路51の第1ツェナーダイオード62の作用により、マイコン20に入力される電圧が許容範囲内に収まる。
【0170】
<下流側抽出回路B1の構成>
図22に示すように、下流側抽出回路B1は上流側抽出回路A1と同様に構成されている。上流側抽出回路A1の構成の説明において、上流側抽出回路A1、上流ノード電圧及び上流電圧それぞれを、下流側抽出回路B1、下流ノード電圧及び下流電圧に置き換える。これにより、下流側抽出回路B1の構成を説明することができる。
【0171】
<ECU11の効果>
実施形態9におけるECU11は、実施形態4におけるECU11が奏する効果を同様に奏する。
【0172】
<実施形態9の変形例>
ダイオード回路は、第1ツェナーダイオード62のカソードが第2ツェナーダイオード63のカソードに接続される回路であってもよい。この場合、第1ツェナーダイオード62のアノードは、第1キャパシタ50の他端に接続される。第2ツェナーダイオード63のアノードは接地される。また、低減回路51では、ダイオード回路の代わりに、サプレッサ又はバリスタ等を用いてもよい。これらは、ダイオード回路と同様に作用する。
【0173】
<実施形態4~7の変形例>
実施形態4,5において、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1それぞれは、実施形態9における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されてもよい。実施形態6において、上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路Biそれぞれは、実施形態9における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されてもよい。実施形態7において、上流側抽出回路Ai及び下流側抽出回路Biそれぞれは、実施形態9における上流側抽出回路A1及び下流側抽出回路B1と同様に構成されてもよい。
【0174】
<実施形態1~9の変形例>
実施形態1~9それぞれにおいて、一又は複数の上流側抽出回路、及び、一又は複数の下流側抽出回路は、出力電圧をマルチプレクサに出力してもよい。この場合、マルチプレクサは、1本の通信線を介してデータをマイコン20に送信することによって、一又は複数の上流側抽出回路の出力電圧、及び、一又は複数の下流側抽出回路の出力電圧をマイコン20に通知する。また、サージを発生させる部材は上流側導線又は下流側導線に限定されない。負荷にインダクタが含まれる場合、負荷のインダクタはサージを発生させる。直流電源10が、インダクタを有する電気機器に電力を供給している場合、電気機器のインダクタがサージを発生させる。
【0175】
実施形態1~9で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
開示された実施形態1~9はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0176】
1 電源システム
10 直流電源
11 ECU(車載装置)
12 センサ
20 マイコン(判定器)
30 収容箱
31 第1端子
32 第2端子
40 絶縁板
40a 第1貫通孔
40b 第2貫通孔
41 第1導電パターン
42 第2導電パターン
43 第1メッキ
44 第2メッキ
45 レジスト
50 第1キャパシタ(上流キャパシタ、下流キャパシタ)
51 低減回路(上流低減回路、下流低減回路)
52 ダイオード(上流ダイオード、下流ダイオード)
53 第1回路抵抗
60 第2回路抵抗
61 第2キャパシタ
62 第1ツェナーダイオード(上流ダイオード、下流ダイオード)
63 第2ツェナーダイオード
70 入力抵抗
71 制御抵抗
72 上流抵抗(第1抵抗)
73 下流抵抗(第2抵抗)
74 制限抵抗
75 回路スイッチ(スイッチ)
A1,A2 上流側抽出回路
B1,B2 下流側抽出回路
E1,E2 負荷
F1,F2 ヒューズ
G1,G2 上流スイッチ
H 半田
J1,J2 判定回路(判定器)
Lc 通信線
M 車両
Q 基板
X1,X2 上流側導線
Y1,Y2 下流側導線