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特許7586029アクセスポイントの配置支援方法及びアクセスポイントの配置支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】アクセスポイントの配置支援方法及びアクセスポイントの配置支援装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/20 20090101AFI20241112BHJP
【FI】
H04W16/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021137374
(22)【出願日】2021-08-25
(65)【公開番号】P2023031713
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】井上 順治
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 孝治
(72)【発明者】
【氏名】近藤 直
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-198051(JP,A)
【文献】国際公開第2020/004171(WO,A1)
【文献】特開2021-111796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントとの無線通信が行われ得る通信対象エリアの形状と前記アクセスポイントを配置可能な配置可能エリアの形状を含むエリアマップに対し、配置計算ルートに沿って前記アクセスポイントの配置計算を行う配置計算ステップを複数有する第1ステップと、
前記アクセスポイントから発せられる電波が所定の強度で到達するエリアをカバーエリアとしたとき、前記第1ステップにおける前記アクセスポイントの配置計算結果での前記通信対象エリアに対する前記カバーエリアの割合であるカバー率を表示する第2ステップと、
を有し、
前記第1ステップでは、前記配置計算ステップ毎に前記配置計算ルートを異ならせることを特徴とするアクセスポイントの配置支援方法。
【請求項2】
前記第1ステップでは、前記エリアマップを回転させることにより前記配置計算ステップ毎に前記エリアマップの向きを異ならせ、前記配置計算ステップ毎に向きが異なる前記エリアマップ上を所定の進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとすることで、前記配置計算ステップ毎に前記配置計算ルートを異ならせる請求項1に記載のアクセスポイントの配置支援方法。
【請求項3】
前記第1ステップは、複数の前記配置計算ステップとして、第1配置計算ステップ、第2配置計算ステップ、第3配置計算ステップ、及び第4配置計算ステップを有し、
前記第1配置計算ステップにおいて所定の向きに配置された前記エリアマップを第1マップとしたとき、
前記第2配置計算ステップでは、前記第1マップを90度回転させた第2マップ上を前記進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとし、
前記第3配置計算ステップでは、前記第1マップを180度回転させた第3マップ上を前記進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとし、
前記第4配置計算ステップでは、前記第1マップを270度回転させた第4マップ上を前記進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとする
請求項2に記載のアクセスポイントの配置支援方法。
【請求項4】
前記第2ステップでは、複数の前記配置計算ステップにより得られた複数の前記アクセスポイントの配置計算結果のそれぞれに対応する前記カバー率を表示する請求項1~3の何れか一項に記載のアクセスポイントの配置支援方法。
【請求項5】
前記第2ステップでは、
複数の前記配置計算ステップにより得られた複数の前記アクセスポイントの配置計算結果から、前記カバー率に基づいて好適な配置計算結果を選択し、
選択した前記配置計算結果と、選択した前記配置計算結果に対応する前記カバー率とを表示する
請求項1~3の何れか一項に記載のアクセスポイントの配置支援方法。
【請求項6】
表示画面と、
アクセスポイントとの無線通信が行われ得る通信対象エリアの形状と前記アクセスポイントを配置可能な配置可能エリアの形状を含むエリアマップに対する、配置計算ルートに沿った前記アクセスポイントの配置計算を複数回行うとともに、前記アクセスポイントから発せられる電波が所定の強度で到達するエリアをカバーエリアとしたとき、前記エリアマップに対する前記アクセスポイントの配置計算結果での前記通信対象エリアに対する前記カバーエリアの割合であるカバー率を前記表示画面に表示させる制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記アクセスポイントの配置計算を行う毎に前記配置計算ルートを異ならせることを特徴とするアクセスポイントの配置支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイントの配置支援方法及びアクセスポイントの配置支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場やホール等の配置エリアが新設されたり、配置エリア内のレイアウトが変更されたりすると、作業者は、配置エリア内にアクセスポイントを新たに配置したり、既存の配置を変更したりすることがある。配置エリア内には端末が配置されている。端末は、アクセスポイントから発せられた電波を受信することにより、アクセスポイントと無線通信を行う。アクセスポイントから発せられた電波が所定の強度で到達するエリアをカバーエリアとする。
【0003】
アクセスポイントの配置は、例えば、次のように行われる。まず、配置エリアのうち、アクセスポイントとの無線通信が行われ得るエリアを通信対象エリアとして設定する。通信対象エリアは、配置エリア内の端末の位置に基づいて設定される。続いて、配置エリアのうち、アクセスポイントの配置が可能なエリアを配置可能エリアとして設定する。そして、通信対象エリアがカバーエリア内に位置するように、配置可能エリアに対してアクセスポイントを配置する。
【0004】
このようなアクセスポイントの配置においては、例えば、コスト削減の観点からアクセスポイントの数は少ない方が好ましい。その一方で、通信対象エリアがカバーエリア内に位置するようにアクセスポイントを配置しなければならない。このため、作業者がアクセスポイントの好適な配置を計算することは困難である。
【0005】
アクセスポイントの配置支援方法及びアクセスポイントの配置支援装置は、アクセスポイントの好適な配置を計算することにより、アクセスポイントの配置を支援する。例えば、特許文献1に開示されたアクセスポイントの配置計算方法及びアクセスポイントの配置計算装置は、アクセスポイントの配置支援方法及びアクセスポイントの配置支援装置の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-167631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたアクセスポイントの配置計算方法及びアクセスポイントの配置計算装置は、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状を考慮することなく、アクセスポイントの配置計算を行っている。したがって、通信対象エリアの形状や配置可能エリアの形状によっては、より好適なアクセスポイントの配置が存在する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するためのアクセスポイントの配置支援方法は、アクセスポイントとの無線通信が行われ得る通信対象エリアの形状と前記アクセスポイントを配置可能な配置可能エリアの形状を含むエリアマップに対し、配置計算ルートに沿って前記アクセスポイントの配置計算を行う配置計算ステップを複数有する第1ステップと、前記アクセスポイントから発せられる電波が所定の強度で到達するエリアをカバーエリアとしたとき、前記第1ステップにおける前記アクセスポイントの配置計算結果での前記通信対象エリアに対する前記カバーエリアの割合であるカバー率を表示する第2ステップと、を有し、前記第1ステップでは、前記配置計算ステップ毎に前記配置計算ルートを異ならせることを要旨とする。
【0009】
通信対象エリアの形状や配置可能エリアの形状が非対称な形状である場合、アクセスポイントの配置計算結果は、配置計算を行うルートにより異なる場合がある。第1ステップでは、配置計算ステップ毎に異なる配置計算ルートに沿って配置計算を行うため、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状を考慮したアクセスポイントの配置計算が可能である。そして、第2ステップでは、第1ステップで得られたアクセスポイントの配置計算結果でのカバー率を表示する。これにより、作業者は、第1ステップで得られたアクセスポイントの配置計算結果でのカバー率を確認した上で配置計算結果を採用できる。よって、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状を考慮したアクセスポイントの配置が可能になる。
【0010】
上記アクセスポイントの配置支援方法において、前記第1ステップでは、前記エリアマップを回転させることにより前記配置計算ステップ毎に前記エリアマップの向きを異ならせ、前記配置計算ステップ毎に向きが異なる前記エリアマップ上を所定の進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとすることで、前記配置計算ステップ毎に前記配置計算ルートを異ならせてもよい。
【0011】
これによれば、エリアマップを回転させることにより、配置計算ステップ毎にエリアマップの向きを異ならせることで、1つの進行ルートを用意するだけで、配置計算ステップ毎に配置計算ルートを異ならせることができる。この場合、エリアマップの向きを固定した状態で複数の進行ルートを用意することにより、配置計算ステップ毎に配置計算ルートを異ならせる場合と比較して、アクセスポイントの配置計算に係るプログラムの作成が容易になる。
【0012】
上記アクセスポイントの配置支援方法において、前記第1ステップは、複数の前記配置計算ステップとして、第1配置計算ステップ、第2配置計算ステップ、第3配置計算ステップ、及び第4配置計算ステップを有し、前記第1配置計算ステップにおいて所定の向きに配置された前記エリアマップを第1マップとしたとき、前記第2配置計算ステップでは、前記第1マップを90度回転させた第2マップ上を前記進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとし、前記第3配置計算ステップでは、前記第1マップを180度回転させた第3マップ上を前記進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとし、前記第4配置計算ステップでは、前記第1マップを270度回転させた第4マップ上を前記進行ルートに沿って進むルートを前記配置計算ルートとしてもよい。
【0013】
これによれば、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状の少なくとも一方が上下非対称かつ左右非対称な形状である場合を考慮したアクセスポイントの配置計算が可能になる。
【0014】
上記アクセスポイントの配置支援方法において、前記第2ステップでは、複数の前記配置計算ステップにより得られた複数の前記アクセスポイントの配置計算結果のそれぞれに対応する前記カバー率を表示してもよい。
【0015】
これによれば、作業者は、表示された複数のカバー率に基づいて、複数の配置計算結果から好適な配置計算結果を選択できる。
上記アクセスポイントの配置支援方法において、前記第2ステップでは、複数の前記配置計算ステップにより得られた複数の前記アクセスポイントの配置計算結果から、前記カバー率に基づいて好適な配置計算結果を選択し、選択した前記配置計算結果と、選択した前記配置計算結果に対応する前記カバー率とを表示してもよい。
【0016】
これによれば、作業者は、好適な配置計算結果及び好適な配置計算結果でのカバー率を確認できる。よって、作業者が複数の配置計算結果から好適な配置計算結果を選択する手間を省くことができる。また、複数の配置計算結果から作業者が好適な配置計算結果を選択する場合に起こり得る選択ミスの発生を抑制できる。
【0017】
上記問題点を解決するためのアクセスポイントの配置支援装置は、表示画面と、アクセスポイントとの無線通信が行われ得る通信対象エリアの形状と前記アクセスポイントを配置可能な配置可能エリアの形状を含むエリアマップに対する、配置計算ルートに沿った前記アクセスポイントの配置計算を複数回行うとともに、前記アクセスポイントから発せられる電波が所定の強度で到達するエリアをカバーエリアとしたとき、前記エリアマップに対する前記アクセスポイントの配置計算結果での前記通信対象エリアに対する前記カバーエリアの割合であるカバー率を前記表示画面に表示させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記アクセスポイントの配置計算を行う毎に前記配置計算ルートを異ならせることを要旨とする。
【0018】
通信対象エリアの形状や配置可能エリアの形状が非対称な形状である場合、アクセスポイントの配置計算結果は、配置計算を行うルートにより異なる場合がある。制御部は、複数の異なる配置計算ルートに沿って配置計算を行うため、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状を考慮したアクセスポイントの配置計算が可能である。制御部は、エリアマップに対するアクセスポイントの配置計算結果でのカバー率を表示画面に表示させる。これにより、作業者は、エリアマップに対するアクセスポイントの配置計算結果でのカバー率を確認できる。よって、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状を考慮したアクセスポイントの配置が可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、通信対象エリアの形状及び配置可能エリアの形状を考慮したアクセスポイントの配置が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】工場内のアクセスポイントの配置例を示す平面図である。
図2】アクセスポイントの配置支援装置のブロック図である。
図3】アクセスポイントの配置支援方法を示すフローチャートである。
図4】一般的なアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図5】一般的なアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図6】第1実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図7】第1実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図8】第1実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図9】第1実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図10】アクセスポイントの配置計算結果を示す平面図である。
図11】アクセスポイントの配置計算結果を示す平面図である。
図12】アクセスポイントの配置計算結果を示す平面図である。
図13】アクセスポイントの配置計算結果を示す平面図である。
図14】比較用パラメータ値の計算結果を示す表である。
図15】第2実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図16】第2実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図17】第2実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
図18】第2実施形態のアクセスポイントの配置計算方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、アクセスポイントの配置支援方法及びアクセスポイントの配置支援装置を具体化した第1実施形態を図1図14にしたがって説明する。
【0022】
<<配置エリア内のアクセスポイントの配置例>>
図1に示すように、配置エリアとしての工場Fには、複数の設備Sと複数のアクセスポイントAPとが配置されている。例えば、設備Sが有する不図示の端末がアクセスポイントAPと無線通信を行うことにより、設備Sは動作する。工場Fを平面視したとき、工場Fのフロアは長方形状である。複数の設備Sは、工場Fのフロアの長手方向及び短手方向において非対称に配置されている。
【0023】
工場FにおいてアクセスポイントAPとの無線通信が行われ得るエリアを通信対象エリアA10とする。通信対象エリアA10は、工場F内での端末の位置に基づいて設定される。本実施形態では、工場Fのフロア全体が通信対象エリアA10として設定されている。したがって、通信対象エリアA10は長方形状である。通信対象エリアA10は、上下対称かつ左右対称な形状である。
【0024】
工場FにおいてアクセスポイントAPの配置が可能なエリアを配置可能エリアA11とする。各アクセスポイントAPは、配置可能エリアA11に配置されている。本実施形態では、アクセスポイントAPは設備S上に配置される。したがって、設備Sが存在するエリアが配置可能エリアA11である。配置可能エリアA11は、上下非対称かつ左右非対称な形状である。配置可能エリアA11は、通信対象エリアA10の一部である。
【0025】
各アクセスポイントAPは電波を発する。端末は、アクセスポイントAPが発した電波を受信することにより、アクセスポイントAPと無線通信を行う。アクセスポイントAPから発せられた電波が所定の強度で到達するエリアをカバーエリアA20とする。カバーエリアA20は、アクセスポイントAPを中心とする円形状である。なお、カバーエリアA20の径は、複数のアクセスポイントAPのそれぞれで同じであるとする。
【0026】
通信対象エリアA10において端末とアクセスポイントAPとが無線通信するためには、カバーエリアA20内に通信対象エリアA10が位置している必要がある。以下では、カバーエリアA20内にエリアが位置していることを「エリアがカバーされている」という。つまり、通信対象エリアA10において端末とアクセスポイントAPとが無線通信するためには、通信対象エリアA10がカバーされている必要がある。
【0027】
配置可能エリアA11に対するアクセスポイントAPの配置態様によっては、カバーエリアA20の一部が通信対象エリアA10の外側にはみ出すことがある。カバーエリアA20のうち、通信対象エリアA10の外側にはみ出したエリアを余剰エリアA21とする。また、複数のアクセスポイントAPを配置する場合、2以上のアクセスポイントAPのカバーエリアA20が重なることがある。2以上のアクセスポイントAPのカバーエリアA20が重なったエリアを重合エリアA22とする。
【0028】
<<アクセスポイントの配置支援装置>>
図2に示すように、アクセスポイントの配置支援装置10は、表示画面11と、制御部12と、入力部13とを有する。
【0029】
表示画面11は、制御部12と接続されている。表示画面11は、例えば、液晶ディスプレイである。
制御部12は、例えば、CPU、メモリなどを含む回路である。制御部12は、エリアマップAMと、カバーエリアA20の径と、配置支援プログラムPとを記憶している。本実施形態のエリアマップAMは、通信対象エリアA10の二次元形状及び配置可能エリアA11の二次元形状を含む。制御部12は、配置支援プログラムPを実行することによって、エリアマップAMに対してアクセスポイントAPの配置計算を行うとともに、アクセスポイントAPの配置計算結果を表示画面11に表示させる。
【0030】
入力部13は、制御部12と接続されている。入力部13は、例えば、マウスである。
<<アクセスポイントの配置支援方法>>
次に、アクセスポイントの配置支援方法について説明する。
【0031】
図3に示すように、アクセスポイントの配置支援方法は、配置計算ステップを複数有する第1ステップとしてのステップS10を有する。配置計算ステップは、制御部12がエリアマップAMに対し、配置計算ルートに沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行うステップである。本実施形態のステップS10は、4つの配置計算ステップとして、ステップS11,S12,S13,S14を有する。ステップS11は、第1配置計算ステップである。ステップS12は、第2配置計算ステップである。ステップS13は、第3配置計算ステップである。ステップS14は、第4配置計算ステップである。
【0032】
詳細については後述するが、ステップS11は、制御部12がエリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第1ルートR1に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行うステップである。ステップS12は、制御部12がエリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第2ルートR2に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行うステップである。ステップS13は、制御部12がエリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第3ルートR3に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行うステップである。ステップS14は、制御部12がエリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第4ルートR4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行うステップである。第1~第4ルートR1~R4はそれぞれ異なるルートである。つまり、配置計算ルートは、配置計算ステップ毎に異なる。
【0033】
アクセスポイントの配置支援方法は、制御部12が、各ステップS11~S14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果について比較用パラメータ値を計算するステップS20を有する。本実施形態の比較用パラメータは、アクセスポイントAPの数、通信対象エリアA10に対するカバーエリアA20の割合であるカバー率、及び余剰エリアA21の面積の3種類である。
【0034】
アクセスポイントの配置支援方法は、制御部12が、ステップS20において計算した比較用パラメータ値を示す表Tを作成するステップS21を有する。
アクセスポイントの配置支援方法は、制御部12が、ステップS21において作成した表Tを表示画面11に表示させるステップS22を有する。
【0035】
アクセスポイントの配置支援方法は、ステップS11~S14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果のうち、好適な配置計算結果を選択するステップS23を有する。本実施形態では、作業者が、表示画面11に表示された表Tを用いて好適な配置計算結果を選択する。
【0036】
アクセスポイントの配置支援方法は、制御部12が、ステップS23において選択されたアクセスポイントAPの配置計算結果を表示画面11に表示させるステップS24を有する。
【0037】
<一般的なアクセスポイントの配置計算方法>
ここで、一般的なアクセスポイントの配置計算方法について例1とともに説明する。なお、説明の便宜上、例1では、通信対象エリアA10は長方形であり、かつ通信対象エリアA10全体が配置可能エリアA11であるとする。
【0038】
制御部12は、通信対象エリアA10をP行Q列に分割することにより、正方形の分割エリアAdをP×Q個作成する。なお、通信対象エリアA10の分割数、すなわち分割エリアAdの数は、例えば、カバーエリアA20の径に基づいて設定される。
【0039】
図4及び図5に示すように、例1では、制御部12は、通信対象エリアA10を3行6列に分割することにより、正方形の分割エリアAdを18個作成する。
制御部12は、エリアマップAMに対し、所定のルートRに沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。例えば、ルートRは、まず1行目の複数の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、次に2行目の複数の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、…、最後にP行目の複数の分割エリアAdについて左から右に向かって進むルートである。例1の場合、ルートRは、1行1列→1行2列→1行3列→1行4列→1行5列→1行6列→2行1列→2行2列→…→2行5列→2行6列→3行1列→3行2列→…→3行5列→3行6列に位置する分割エリアAdの順に進むルートである。
【0040】
制御部12は、ルートRにおいて1番目に位置する分割エリアAdをカバーし、かつ余剰エリアA21の面積が最も小さくなるような分割エリアAdにアクセスポイントAPを配置する。ルートRにおいて1番目に位置する分割エリアAdは、1行1列に位置する分割エリアAdである。
【0041】
図4に示すように、制御部12は、まず、1行1列に位置する分割エリアAdをカバー可能なアクセスポイントAPの配置エリアの候補を挙げる。例1では、1行1列、1行2列、2行1列、2行2列に位置する分割エリアAdにアクセスポイントAPを配置した場合、1行1列に位置する分割エリアAdをカバーできる。したがって、制御部12は、アクセスポイントAPの配置エリアの候補として、1行1列、1行2列、2行1列、2行2列に位置する分割エリアAdを挙げる。
【0042】
なお、通信対象エリアA10の一部が配置可能エリアA11である場合、通信対象エリアA10を分割した複数の分割エリアAdには、アクセスポイントAPを配置可能なエリアと、アクセスポイントAPを配置不能なエリアとが含まれる。制御部12は、アクセスポイントAPを配置不能な分割エリアAdについては、アクセスポイントAPの配置エリアの候補から除外する。
【0043】
制御部12は、次に、1行1列、1行2列、2行1列、2行2列に位置する各分割エリアAdにアクセスポイントAPを配置した場合の余剰エリアA21の面積を計算する。制御部12は、計算した余剰エリアA21の面積を比較する。制御部12は、余剰エリアA21の面積が最も小さくなる分割エリアAdにアクセスポイントAPを配置する。例1では、余剰エリアA21の面積が最も小さくなる分割エリアAdは、2行2列に位置する分割エリアAdである。よって、制御部12は、2行2列に位置する分割エリアAdにアクセスポイントAPを配置する。
【0044】
図5に示すように、2行2列に位置する分割エリアAdに配置されたアクセスポイントAPを第1のアクセスポイントAP1とする。図5にドットで示すように、第1のアクセスポイントAP1は、1行1列、1行2列、1行3列、2行1列、2行2列、2行3列、3行1列、3行2列、3行3列に位置する分割エリアAdをカバーする。1行4列、1行5列、1行6列、2行4列、2行5列、2行6列、3行4列、3行5列、3行6列に位置する分割エリアAdはカバーされていない。
【0045】
制御部12は、全ての分割エリアAdがカバーされるまでアクセスポイントAPの配置計算を続ける。
制御部12は、カバーされていない分割エリアAdのうち、ルートRで1番目に位置する分割エリアAdをカバーし、かつ重合エリアA22の面積が最も小さくなるような分割エリアAdに第2のアクセスポイントAP2を配置する。カバーされていない分割エリアAdのうち、ルートRで1番目に位置する分割エリアAdは、1行4列に位置する分割エリアAdである。
【0046】
制御部12は、まず、1行4列に位置する分割エリアAdをカバー可能なアクセスポイントAPの配置エリアの候補を挙げる。例1では、2行3列、2行4列、2行5列に位置する分割エリアAdにアクセスポイントAPを配置した場合、1行4列に位置する分割エリアAdをカバーできる。したがって、制御部12は、第2のアクセスポイントAP2の配置エリアの候補として、2行3列、2行4列、2行5列に位置する分割エリアAdを挙げる。
【0047】
制御部12は、次に、2行3列、2行4列、2行5列に位置する各分割エリアAdに第2のアクセスポイントAP2を配置した場合の第1のアクセスポイントAP1のカバーエリアA20との重合エリアA22の面積を計算する。制御部12は、計算した重合エリアA22の面積を比較する。制御部12は、重合エリアA22の面積が最も小さくなる分割エリアAdに第2のアクセスポイントAP2を配置する。例1では、重合エリアA22の面積が最も小さくなる分割エリアAdは、2行5列に位置する分割エリアAdである。よって、制御部12は、2行5列に位置する分割エリアAdに第2のアクセスポイントAP2を配置する。
【0048】
第2のアクセスポイントAP2は、1行4列、1行5列、1行6列、2行4列、2行5列、2行6列、3行4列、3行5列、3行6列の分割エリアAdをカバーする。これにより、全ての分割エリアAd、すなわち通信対象エリアA10全体がカバーされる。したがって、制御部12は、アクセスポイントAPの配置計算を終了する。
【0049】
<本実施形態のアクセスポイントの配置計算方法>
本実施形態のアクセスポイントの配置計算方法について例2とともに詳述する。なお、説明の便宜上、例2では、通信対象エリアA10を正方形とする。
【0050】
図6~9に示すように、例2の通信対象エリアA10を9個の個別エリアに分ける。各個別エリアは正方形である。第1個別エリアAi1、第2個別エリアAi2、及び第3個別エリアAi3はこの順に並んでいる。第1個別エリアAi1、第2個別エリアAi2、及び第3個別エリアAi3が並ぶ方向を第1方向とする。第4個別エリアAi4、第5個別エリアAi5、及び第6個別エリアAi6は、第1方向においてこの順に並んでいる。第7個別エリアAi7、第8個別エリアAi8、及び第9個別エリアAi9は、第1方向においてこの順に並んでいる。第1個別エリアAi1、第4個別エリアAi4、及び第7個別エリアAi7は、第1方向と直交する方向である第2方向においてこの順に並んでいる。第2個別エリアAi2、第5個別エリアAi5、及び第8個別エリアAi8は、第2方向においてこの順に並んでいる。第3個別エリアAi3、第6個別エリアAi6、及び第9個別エリアAi9は、第2方向においてこの順に並んでいる。
【0051】
なお、通信対象エリアA10を9個の個別エリアに分けたのは、後の説明において通信対象エリアA10内の特定の位置を明確にするためである。したがって、通信対象エリアA10を個別エリアに分割する処理は実際には行われない。
【0052】
図6に示すように、制御部12は、ステップS11において、エリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第1ルートR1に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
【0053】
制御部12は、まず、所定の向きに配置されたエリアマップAMを第1マップM1として設定する。本実施形態では、第1個別エリアAi1が左上、第3個別エリアAi3が右上、第7個別エリアAi7が左下、第9個別エリアAi9が右下に位置しているエリアマップAMを第1マップM1として設定する。
【0054】
制御部12は、次に、第1マップM1をP行Q列に分割することにより、P×Q個の分割エリアAdを作成する。制御部12は、例えば、第1マップM1を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。
【0055】
1行1列に位置する分割エリアAdを第1分割エリアAd1とする。1行2列に位置する分割エリアAdを第2分割エリアAd2とする。1行3列に位置する分割エリアAdを第3分割エリアAd3とする。2行1列に位置する分割エリアAdを第4分割エリアAd4とする。2行2列に位置する分割エリアAdを第5分割エリアAd5とする。2行3列に位置する分割エリアAdを第6分割エリアAd6とする。3行1列に位置する分割エリアAdを第7分割エリアAd7とする。3行2列に位置する分割エリアAdを第8分割エリアAd8とする。3行3列に位置する分割エリアAdを第9分割エリアAd9とする。
【0056】
第1分割エリアAd1には、第1個別エリアAi1が位置している。第2分割エリアAd2には、第2個別エリアAi2が位置している。第3分割エリアAd3には、第3個別エリアAi3が位置している。第4分割エリアAd4には、第4個別エリアAi4が位置している。第5分割エリアAd5には、第5個別エリアAi5が位置している。第6分割エリアAd6には、第6個別エリアAi6が位置している。第7分割エリアAd7には、第7個別エリアAi7が位置している。第8分割エリアAd8には、第8個別エリアAi8が位置している。第9分割エリアAd9には、第9個別エリアAi9が位置している。
【0057】
そして、制御部12は、エリアマップAMに対し、第1ルートR1に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。本実施形態では、第1ルートR1は、第1マップM1上を所定の進行ルートR0に沿って進むルートである。進行ルートR0は、複数存在する分割エリアAd上をどの順番に進むかを定めたものである。
【0058】
進行ルートR0は、例えば、1行目の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、次に、2行目の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、…、最後にP行目の分割エリアAdについて左から右に向かって進むルートである。例2の場合、進行ルートR0は、第1分割エリアAd1→第2分割エリアAd2→第3分割エリアAd3→第4分割エリアAd4→第5分割エリアAd5→第6分割エリアAd6→第7分割エリアAd7→第8分割エリアAd8→第9分割エリアAd9の順に進むルートである。
【0059】
したがって、第1ルートR1は、第1個別エリアAi1→第2個別エリアAi2→第3個別エリアAi3→第4個別エリアAi4→第5個別エリアAi5→第6個別エリアAi6→第7個別エリアAi7→第8個別エリアAi8→第9個別エリアAi9の順に進むルートである。
【0060】
図7に示すように、制御部12は、ステップS12において、エリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第2ルートR2に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
【0061】
制御部12は、まず、第1マップM1を時計回りに90度回転させることにより第2マップM2を作成する。第2マップM2において、第7個別エリアAi7は左上、第1個別エリアAi1は右上、第9個別エリアAi9は左下、第3個別エリアAi3は右下に位置している。第2マップM2は、第1マップM1を90度回転させたマップである。第2マップM2の向きは、第1マップM1の向きと異なる。
【0062】
制御部12は、次に、第2マップM2を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。第1分割エリアAd1には、第7個別エリアAi7が位置している。第2分割エリアAd2には、第4個別エリアAi4が位置している。第3分割エリアAd3には、第1個別エリアAi1が位置している。第4分割エリアAd4には、第8個別エリアAi8が位置している。第5分割エリアAd5には、第5個別エリアAi5が位置している。第6分割エリアAd6には、第2個別エリアAi2が位置している。第7分割エリアAd7には、第9個別エリアAi9が位置している。第8分割エリアAd8には、第6個別エリアAi6が位置している。第9分割エリアAd9には、第3個別エリアAi3が位置している。
【0063】
そして、制御部12は、エリアマップAMに対し、第2ルートR2に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第2ルートR2は、第2マップM2上を進行ルートR0に沿って進むルートである。したがって、第2ルートR2は、第7個別エリアAi7→第4個別エリアAi4→第1個別エリアAi1→第8個別エリアAi8→第5個別エリアAi5→第2個別エリアAi2→第9個別エリアAi9→第6個別エリアAi6→第3個別エリアAi3の順に進むルートである。第2ルートR2は、第1ルートR1とは異なるルートである。
【0064】
図8に示すように、制御部12は、ステップS13において、エリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第3ルートR3に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
【0065】
制御部12は、まず、第1マップM1を時計回りに180度回転させることにより第3マップM3を作成する。第3マップM3において、第9個別エリアAi9は左上、第7個別エリアAi7は右上、第3個別エリアAi3は左下、第1個別エリアAi1は右下に位置している。第3マップM3は、第1マップM1を180度回転させたマップである。第3マップM3の向きは、第1マップM1及び第2マップM2の向きと異なる。
【0066】
制御部12は、次に、第3マップM3を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。第1分割エリアAd1には、第9個別エリアAi9が位置している。第2分割エリアAd2には、第8個別エリアAi8が位置している。第3分割エリアAd3には、第7個別エリアAi7が位置している。第4分割エリアAd4には、第6個別エリアAi6が位置している。第5分割エリアAd5には、第5個別エリアAi5が位置している。第6分割エリアAd6には、第4個別エリアAi4が位置している。第7分割エリアAd7には、第3個別エリアAi3が位置している。第8分割エリアAd8には、第2個別エリアAi2が位置している。第9分割エリアAd9には、第1個別エリアAi1が位置している。
【0067】
そして、制御部12は、エリアマップAMに対し、第3ルートR3に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第3ルートR3は、第3マップM3上を進行ルートR0に沿って進むルートである。したがって、第3ルートR3は、第9個別エリアAi9→第8個別エリアAi8→第7個別エリアAi7→第6個別エリアAi6→第5個別エリアAi5→第4個別エリアAi4→第3個別エリアAi3→第2個別エリアAi2→第1個別エリアAi1の順に進むルートである。第3ルートR3は、第1ルートR1及び第2ルートR2と異なるルートである。
【0068】
図9に示すように、制御部12は、ステップS14において、エリアマップAMに対し、配置計算ルートとしての第4ルートR4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
【0069】
制御部12は、まず、第1マップM1を時計回りに270度回転させることにより第4マップM4を作成する。第4マップM4において、第3個別エリアAi3は左上、第9個別エリアAi9は右上、第1個別エリアAi1は左下、第7個別エリアAi7は右下に位置している。第4マップM4は、第1マップM1を270度回転させたマップである。第4マップM4の向きは、第1マップM1、第2マップM2、及び第3マップM3の向きと異なる。
【0070】
制御部12は、次に、第4マップM4を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。第1分割エリアAd1には、第3個別エリアAi3が位置している。第2分割エリアAd2には、第6個別エリアAi6が位置している。第3分割エリアAd3には、第9個別エリアAi9が位置している。第4分割エリアAd4には、第2個別エリアAi2が位置している。第5分割エリアAd5には、第5個別エリアAi5が位置している。第6分割エリアAd6には、第8個別エリアAi8が位置している。第7分割エリアAd7には、第1個別エリアAi1が位置している。第8分割エリアAd8には、第4個別エリアAi4が位置している。第9分割エリアAd9には、第7個別エリアAi7が位置している。
【0071】
そして、制御部12は、エリアマップAMに対し、第4ルートR4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第4ルートR4は、第4マップM4上を進行ルートR0に沿って進むルートである。したがって、第4ルートR4は、第3個別エリアAi3→第6個別エリアAi6→第9個別エリアAi9→第2個別エリアAi2→第5個別エリアAi5→第8個別エリアAi8→第1個別エリアAi1→第4個別エリアAi4→第7個別エリアAi7の順に進むルートである。したがって、第4ルートR4は、第1ルートR1、第2ルートR2、及び第3ルートR3と異なるルートである。
【0072】
このように、制御部12は、ステップS10において、エリアマップAMに対し、それぞれ異なるルートR1~R4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
図10~13は、図1に示す工場FのエリアマップAMに対して、アクセスポイントAPの配置計算を行った場合の配置計算結果を示す。図10は、ステップS11におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を示す。図11は、ステップS12におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を示す。図12は、ステップS13におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を示す。図13は、ステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を示す。図10~13から明らかなように、アクセスポイントAPの配置計算結果は、各ステップS11~S14で異なっている。これは、配置可能エリアA11が上下非対称かつ左右非対称な形状であることに起因している。
【0073】
制御部12は、ステップS20において、各ステップS11~S14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果について比較用パラメータ値を計算する。
制御部12は、ステップS11におけるアクセスポイントAPの配置計算結果について比較用パラメータ値を計算する。ステップS11におけるアクセスポイントAPの配置計算結果では、アクセスポイントAPの数は6、カバー率は100%、余剰エリアA21の面積は300平方メートルとなる。
【0074】
制御部12は、ステップS12におけるアクセスポイントAPの配置計算結果について比較用パラメータ値を計算する。ステップS12におけるアクセスポイントAPの配置計算結果では、アクセスポイントAPの数は5、カバー率は95%、余剰エリアA21の面積は100平方メートルとなる。
【0075】
制御部12は、ステップS13におけるアクセスポイントAPの配置計算結果について比較用パラメータ値を計算する。ステップS13におけるアクセスポイントAPの配置計算結果では、アクセスポイントAPの数は6、カバー率は100%、余剰エリアA21の面積は200平方メートルとなる。
【0076】
制御部12は、ステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果について比較用パラメータ値を計算する。ステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果では、アクセスポイントAPの数は4、カバー率は90%、余剰エリアA21の面積は150平方メートルとなる。
【0077】
制御部12は、ステップS21において、ステップS20で計算した比較用パラメータ値を示す表Tを作成する。
図14は、制御部12がステップS21において作成した表Tを示す。表Tは、各ステップS11~S14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果に対応するアクセスポイントAPの数、カバー率、及び余剰エリアA21の面積を表す。なお、表Tでは、ステップS11におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を「第1配置」と称している。ステップS12におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を「第2配置」と称している。ステップS13におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を「第3配置」と称している。ステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を「第4配置」と称している。
【0078】
制御部12は、ステップS22において、ステップS21で作成した表Tを表示画面11に表示させる。ステップS22は、ステップS10におけるアクセスポイントAPの配置計算結果でのカバー率を表示する第2ステップである。
【0079】
作業者は、ステップS23において、表示画面11に表示された表Tを用いて、複数のアクセスポイントAPの配置計算結果のうち、好適なアクセスポイントAPの配置計算結果を選択する。
【0080】
本実施形態では、作業者は、まず、カバー率が所定の値以上である配置を確認する。所定の値は、例えば90%である。表Tにおいて、カバー率が90%以上の配置は、第1配置、第2配置、第3配置、及び第4配置である。作業者は、続いて、カバー率が所定の値以上である配置のうち、アクセスポイントAPの数が最も少ない配置を確認する。表Tにおいて、アクセスポイントAPの数が少ない配置は第4配置である。作業者は、第4配置を好適な配置計算結果として認識する。なお、カバー率が所定の値以上であり、かつアクセスポイントAPの数が同じ配置が複数存在する場合、作業者は、余剰エリアA21の面積が最も小さい配置を好適な配置計算結果として選択する。
【0081】
作業者は、入力部13を用いて、例えば、表示画面11に表示された表Tの「第4配置」をクリックすることにより、複数の配置計算結果から好適な配置計算結果を選択する。これにより、制御部12には、第4配置、すなわちステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果が好適な配置計算結果として選択された旨の信号が送信される。
【0082】
制御部12は、ステップS24において、ステップS23で選択されたアクセスポイントAPの配置計算結果を表示画面11に表示させる。つまり、制御部12は、ステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を表示画面11に表示させる。
【0083】
アクセスポイントの配置支援装置10によるアクセスポイントの配置支援は以上である。この後、作業者は、ステップS24において表示画面11に表示されたアクセスポイントAPの配置計算結果に従って、工場F内にアクセスポイントAPを配置する。
【0084】
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)通信対象エリアA10の形状や配置可能エリアA11の形状が非対称な形状である場合、アクセスポイントAPの配置計算結果は、配置計算を行うルートにより異なる場合がある。制御部12は、ステップS10において、それぞれ異なる第1~第4ルートR1~R4に沿って配置計算を行うため、通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状を考慮したアクセスポイントAPの配置計算が可能である。制御部12は、ステップS22において、ステップS10における配置計算結果での比較用パラメータ値を表示画面11に表示させる。比較用パラメータは、カバー率を含む。これにより、作業者は、ステップS10における配置計算結果でのカバー率を確認した上で配置計算結果を採用できる。よって、通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状を考慮したアクセスポイントAPの配置が可能になる。
【0085】
(1-2)本実施形態では、ステップS12~S14において第1マップM1を異なる回転角度で回転させることにより、各ステップS11~S14でのエリアマップAMの向きを異ならせる。そして、各ステップS11~S14で向きが異なるエリアマップAM上を進行ルートR0に沿って進むルートを配置計算ルートとすることで、各ステップS11~S14で配置計算ルートを異ならせる。このようにエリアマップAMを回転させることにより、1つの進行ルートR0を用意するだけで、第1~第4ルートR1~R4をそれぞれ異ならせることができる。よって、例えば、エリアマップAMの向きを固定し、かつ複数の進行ルートを用意することで第1~第4ルートR1~R4をそれぞれ異ならせる場合と比較して、配置支援プログラムPのうち、アクセスポイントAPの配置計算に係るプログラムの作成が容易になる。
【0086】
(1-3)ステップS12,S13,S14では、第1マップM1を90度,180度,270度回転させている。これにより、通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状の少なくとも一方が上下非対称かつ左右非対称な形状である場合を考慮したアクセスポイントAPの配置計算が可能になる。
【0087】
(1-4)ステップS22では、ステップS11~S14により得られた複数のアクセスポイントの配置計算結果のそれぞれに対応する比較用パラメータ値を表示する。これにより、作業者は、表示された複数の比較用パラメータ値のうち、カバー率及びアクセスポイントAPの数に基づいて、複数の配置計算結果から好適な配置計算結果を選択できる。
【0088】
[第2実施形態]
以下、アクセスポイントの配置支援方法を具体化した第2実施形態を図15図18にしたがって説明する。なお、第2実施形態のアクセスポイントの配置支援装置10は、第1実施形態のアクセスポイントの配置支援装置10と同じ構成であるため、説明を省略する。また、第2実施形態のアクセスポイントの配置支援方法は、ステップS11,S12,S13,S14のみが第1実施形態のアクセスポイントの配置支援方法と異なる。したがって、以下では、ステップS11,S12,S13,S14について詳述する。
【0089】
第2実施形態のステップS11,S12,S13,S14について、第1実施形態で使用した例2を用いて説明する。
図15に示すように、制御部12は、ステップS11において、エリアマップAMに対し、第1ルートR1に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
【0090】
まず、制御部12は、まず、第1個別エリアAi1が左上、第3個別エリアAi3が右上、第7個別エリアAi7が左下、第9個別エリアAi9が右下に位置しているエリアマップAMを固定マップM0として設定する。
【0091】
次に、制御部12は、固定マップM0を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。第1分割エリアAd1には、第1個別エリアAi1が位置している。第2分割エリアAd2には、第2個別エリアAi2が位置している。第3分割エリアAd3には、第3個別エリアAi3が位置している。第4分割エリアAd4には、第4個別エリアAi4が位置している。第5分割エリアAd5には、第5個別エリアAi5が位置している。第6分割エリアAd6には、第6個別エリアAi6が位置している。第7分割エリアAd7には、第7個別エリアAi7が位置している。第8分割エリアAd8には、第8個別エリアAi8が位置している。第9分割エリアAd9には、第9個別エリアAi9が位置している。
【0092】
そして、制御部12は、エリアマップAMに対し、第1ルートR1に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第1ルートR1は、固定マップM0上を第1進行ルートR10に沿って進むルートである。第1進行ルートR10は、複数存在する分割エリアAd上をどの順番に進むかを定めるものである。
【0093】
第1進行ルートR10は、まず1行目の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、次に2行目の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、…、最後にP行目の分割エリアAdについて左から右に向かって進むルートである。例2の場合、第1進行ルートR10は、第1分割エリアAd1→第2分割エリアAd2→第3分割エリアAd3→第4分割エリアAd4→第5分割エリアAd5→第6分割エリアAd6→第7分割エリアAd7→第8分割エリアAd8→第9分割エリアAd9の順に進むルートである。
【0094】
したがって、第1ルートR1は、第1個別エリアAi1→第2個別エリアAi2→第3個別エリアAi3→第4個別エリアAi4→第5個別エリアAi5→第6個別エリアAi6→第7個別エリアAi7→第8個別エリアAi8→第9個別エリアAi9の順に進むルートである。
【0095】
図16に示すように、制御部12は、ステップS12において、エリアマップAMに対し、第2ルートR2に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
制御部12は、固定マップM0を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。各分割エリアAd1~Ad9に対する各個別エリアAi1~Ai9の対応関係は、上記ステップS11と同じである。
【0096】
制御部12は、エリアマップAMに対し、第2ルートR2に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第2ルートR2は、固定マップM0上を第2進行ルートR20に沿って進むルートである。第2進行ルートR20は、複数存在する分割エリアAd上をどの順番に進むかを定めるものである。
【0097】
第2進行ルートR20は、まず1列目の分割エリアAdについて下から上に向かって進み、次に2列目の分割エリアAdについて下から上に向かって進み、…、最後にQ列目の分割エリアAdについて下から上に向かって進むルートである。例2の場合、第2進行ルートR20は、第7分割エリアAd7→第4分割エリアAd4→第1分割エリアAd1→第8分割エリアAd8→第5分割エリアAd5→第2分割エリアAd2→第9分割エリアAd9→第6分割エリアAd6→第3分割エリアAd3の順に進むルートである。
【0098】
したがって、第2ルートR2は、第7個別エリアAi7→第4個別エリアAi4→第1個別エリアAi1→第8個別エリアAi8→第5個別エリアAi5→第2個別エリアAi2→第9個別エリアAi9→第6個別エリアAi6→第3個別エリアAi3の順に進むルートである。第2ルートR2は、第1ルートR1とは異なるルートである。
【0099】
図17に示すように、制御部12は、ステップS13において、エリアマップAMに対し、第3ルートR3に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
制御部12は、固定マップM0を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。各分割エリアAd1~Ad9に対する各個別エリアAi1~Ai9の対応関係は、ステップS11と同じである。
【0100】
制御部12は、エリアマップAMに対し、第3ルートR3に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第3ルートR3は、固定マップM0上を第3進行ルートR30に沿って進むルートである。第3進行ルートR30は、複数存在する分割エリアAd上をどの順番に進むかを定めるものである。
【0101】
第3進行ルートR30は、まずP行目の分割エリアAdについて右から左に向かって進み、次にP-1行目の分割エリアAdについて右から左に向かって進み、…、最後に1行目の分割エリアAdについて右から左に向かって進むルートである。例2の場合、第3進行ルートR30は、第9分割エリアAd9→第8分割エリアAd8→第7分割エリアAd7→第6分割エリアAd6→第5分割エリアAd5→第4分割エリアAd4→第3分割エリアAd3→第2分割エリアAd2→第1分割エリアAd1の順に進むルートである。
【0102】
したがって、第3ルートR3は、第9個別エリアAi9→第8個別エリアAi8→第7個別エリアAi7→第6個別エリアAi6→第5個別エリアAi5→第4個別エリアAi4→第3個別エリアAi3→第2個別エリアAi2→第1個別エリアAi1の順に進むルートである。第3ルートR3は、第1ルートR1及び第2ルートR2と異なるルートである。
【0103】
図18に示すように、制御部12は、ステップS14において、エリアマップAMに対し、第4ルートR4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
制御部12は、固定マップM0を3行3列に分割することにより、9個の分割エリアAdを作成する。各分割エリアAd1~Ad9に対する各個別エリアAi1~Ai9の対応関係は、ステップS11と同じである。
【0104】
制御部12は、エリアマップAMに対し、第4ルートR4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。第4ルートR4は、固定マップM0上を第4進行ルートR40に沿って進むルートである。第4進行ルートR40は、複数存在する分割エリアAd上をどの順番に進むかを定めるものである。
【0105】
第4進行ルートR40は、まずQ列目の分割エリアAdについて上から下に向かって進み、次にQ-1列目の分割エリアAdについて上から下に向かって進み、…、最後に1列目の分割エリアAdについて上から下に向かって進むルートである。例2の場合、第4進行ルートR40は、第3分割エリアAd3→第6分割エリアAd6→第9分割エリアAd9→第2分割エリアAd2→第5分割エリアAd5→第8分割エリアAd8→第1分割エリアAd1→第4分割エリアAd4→第7分割エリアAd7の順に進むルートである。
【0106】
したがって、第4ルートR4は、第3個別エリアAi3→第6個別エリアAi6→第9個別エリアAi9→第2個別エリアAi2→第5個別エリアAi5→第8個別エリアAi8→第1個別エリアAi1→第4個別エリアAi4→第7個別エリアAi7の順に進むルートである。第4ルートR4は、第1ルートR1、第2ルートR2、及び第3ルートR3と異なるルートである。
【0107】
このように、制御部12は、ステップS10において、エリアマップAMに対し、それぞれ異なるルートR1~R4に沿ってアクセスポイントAPの配置計算を行う。
なお、第1ルートR1は、第1実施形態及び第2実施形態で同じであるため、図10に示すアクセスポイントAPの配置計算結果も、第1実施形態及び第2実施形態で同じになる。同様に、各ルートR2,R3,R4は、第1実施形態及び第2実施形態で同じであるため、図11~13に示すアクセスポイントAPの配置計算結果は、第1実施形態及び第2実施形態で同じになる。
【0108】
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1-1),(1-4)と同様の効果が得られる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0109】
○ 工場F内の一部が通信対象エリアA10であってもよい。
○ 通信対象エリアA10の形状は、長方形や正方形に限定されない。通信対象エリアA10は、例えば、上下非対称かつ左右非対象な形状であってもよい。
【0110】
図1,10~13に示す配置可能エリアA11の形状は一例である。配置可能エリアA11は、必ずしも上下非対称かつ左右非対称な形状でなくてもよい。
○ エリアマップAMは、通信対象エリアA10の三次元形状及び配置可能エリアA11の三次元形状を含んでいてもよい。
【0111】
○ 制御部12は、各ステップS11~S14において、エリアマップAMに対するアクセスポイントAPの配置計算に加えて、比較用パラメータ値の計算も行ってもよい。この場合、ステップS20は省略される。
【0112】
○ 比較用パラメータは、アクセスポイントAPの数、カバー率、及び余剰エリアA21の面積の3種類でなくてもよい。比較用パラメータは、カバー率を含んでいれば適宜変更してもよい。例えば、比較用パラメータは、カバー率の1種類であってもよい。比較用パラメータは、アクセスポイントAPの数及びカバー率の2種類であってもよい。比較用パラメータは、カバー率及び余剰エリアA21の面積の2種類であってもよい。また、アクセスポイントAPの数、カバー率、及び余剰エリアA21の面積以外の比較用パラメータを採用してもよい。
【0113】
○ 第1実施形態の進行ルートR0は一例である。例えば、進行ルートR0は、まず1行目の複数の分割エリアAdについて左から右に向かって進み、次に2行目の複数の分割エリアAdについて右から左に向かって進み、…、最後にP行目の複数の分割エリアAdについてPが奇数である場合には左から右に向かって進み、Pが偶数である場合には右から左に向かって進むルートであってもよい。
【0114】
○ 第2実施形態の第1~第4進行ルートR10~R40は一例である。第1~第4進行ルートR10~R40は、それぞれ異なるルートであれば適宜変更してもよい。第1~第4進行ルートR10~R40がそれぞれ異なるルートであれば、第1~第4ルートR1~R4もそれぞれ異なるルートとなる。
【0115】
○ 制御部12は、ステップS22において、表TとともにステップS11~S14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果を表示画面11に表示させてもよい。この場合、アクセスポイントの配置支援方法においてステップS24を省略できるとともに、アクセスポイントの配置支援装置10において入力部13を省略できる。
【0116】
○ ステップS23において、好適なアクセスポイントAPの配置計算結果を選択するのは、作業者ではなく制御部12であってもよい。制御部12は、ステップS20において計算した比較用パラメータ値に基づいて、ステップS10により得られた複数の配置計算結果から好適な配置計算結果を選択する。
【0117】
例えば、制御部12は、まず、ステップS11~S14における配置計算結果でのカバー率を比較する。制御部12は、カバー率が所定の値以上である配置計算結果を好適な配置計算結果の候補として選択する。制御部12は、次に、候補として選択された配置計算結果について、アクセスポイントAPの数を比較する。制御部12は、アクセスポイントAPの数が最も少ない配置計算結果を好適な配置計算結果として選択する。なお、カバー率が所定の値以上であり、かつアクセスポイントAPの数が同じ配置計算結果が複数存在する場合、制御部12は、余剰エリアA21の面積が最も小さい配置計算結果を最も好適な配置計算結果として選択する。
【0118】
制御部12は、選択した配置計算結果と、選択した配置計算結果に対応するカバー率とを表示画面11に表示させる。作業者は、好適なアクセスポイントの配置計算結果と、その配置計算結果に対応するカバー率を確認できる。よって、例えば、作業者が複数の配置計算結果から好適な配置計算結果を選択する手間を省くことができる。また、複数の配置計算結果から作業者が好適な配置計算結果を選択する場合に起こり得る選択ミスの発生を抑制できる。
【0119】
この場合、アクセスポイントの配置支援方法においてステップS21,S22を省略できるとともに、アクセスポイントの配置支援装置10において入力部13を省略できる。また、ステップS23,S24が第2ステップとなる。
【0120】
○ 上記実施形態及び上記変更例における好適な配置計算結果を選択する際の条件は適宜変更してよい。例えば、比較用パラメータの優先度において、余剰エリアA21の面積は、アクセスポイントAPの数よりも優先されてもよい。ただし、好適な配置計算結果を選択するにあたり、カバー率は必ず考慮されるものとする。
【0121】
○ ステップS10において、ステップS11~S14の順序は適宜変更してもよい。
○ 通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状に応じて、ステップS10が有する配置計算ステップの数を変更してもよい。
【0122】
例えば、ステップS10は、5つ以上の配置計算ステップを有していてもよい。この場合、エリアマップAMに対し、それぞれ異なる5つ以上のルートに沿ってアクセスポイントAPの配置計算が行われる。
【0123】
例えば、通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状が上下対象である場合、ステップS12におけるアクセスポイントAPの配置計算結果とステップS14におけるアクセスポイントAPの配置計算結果は同じになると考えられる。よって、ステップS12及びステップS14の何れか一方を省略してもよい。
【0124】
通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状が左右対象である場合、ステップS11におけるアクセスポイントAPの配置計算結果とステップS13におけるアクセスポイントAPの配置計算結果は同じになると考えられる。よって、ステップS11及びステップS13の何れか一方を省略してもよい。
【0125】
○ 第1実施形態において、第2~第4マップM2~M4を作成する際の第1マップM1の回転角度は、90度、180度、270度に限定されない。第2~第4マップM2~M4を作成する際の第1マップM1の回転角度は、互いに異なる角度であれば、通信対象エリアA10の形状及び配置可能エリアA11の形状に応じて適宜変更してもよい。
【0126】
○ 第1実施形態において、制御部12は、ステップS13において、第2マップM2を時計回りに90度回転させることにより、第3マップM3を作成してもよい。制御部12は、ステップS14において、第2マップM2を時計回りに180度回転させることにより第4マップM4を作成してもよいし、第3マップM3を時計回りに90度回転させることにより第4マップM4を作成してもよい。
【符号の説明】
【0127】
10…アクセスポイントの配置支援装置、11…表示画面、12…制御部、A10…通信対象エリア、A11…配置可能エリア、A20…カバーエリア、S10…第1ステップ、S11…第1配置計算ステップ、S12…第2配置計算ステップ、S13…第3配置計算ステップ、S14…第4配置計算ステップ、S22…第2ステップ、M1…第1マップ、M2…第2マップ、M3…第3マップ、M4…第4マップ、R0…進行ルート、R1…配置計算ルートとしての第1ルート、R2…配置計算ルートとしての第2ルート、R3…配置計算ルートとしての第3ルート、R4…配置計算ルートとしての第4ルート、AM…エリアマップ、AP…アクセスポイント。
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