(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20241112BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241112BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241112BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20241112BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20241112BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20241112BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652Q
H01L29/78 653A
H01L29/78 658J
H01L29/78 652P
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 652T
H01L29/06 301M
H01L29/78 658G
H01L29/78 655Z
H01L23/30 R
(21)【出願番号】P 2021143928
(22)【出願日】2021-09-03
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 信之
(72)【発明者】
【氏名】戸松 裕
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/012810(WO,A1)
【文献】特開2018-029162(JP,A)
【文献】特開2017-092212(JP,A)
【文献】特開2005-317860(JP,A)
【文献】特許第6887541(JP,B1)
【文献】特開2007-158113(JP,A)
【文献】特開2009-231321(JP,A)
【文献】特開2006-196710(JP,A)
【文献】特開平6-140563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 21/336
H01L 29/06
H01L 29/12
H01L 29/739
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ(10)がモールド樹脂(60)に封止された半導体装置であって、
一面(21a)を有する支持部材(20)と、
一面(100a)および他面(100b)を有すると共に半導体素子が形成された半導体基板(100)を備え、前記他面側が前記支持部材と対向する状態で前記支持部材上に配置された前記半導体チップと、
前記支持部材および前記半導体チップを封止する前記モールド樹脂と、を備え、
前記半導体チップは、前記半導体素子が形成されるセル領域(11)および前記セル領域を囲む外周領域(12)を有し、前記半導体基板の一面側には、前記外周領域に保護膜(140)が形成されており、
前記保護膜は、前記半導体基板側と反対側の表面(141)の表面粗さが5nm以上とされていると共に、前記表面に凹凸構造(150)が形成され、
前記凹凸構造は、凹部(140a)を含んでおり、
前記半導体基板の一面には、前記外周領域にストッパ部材(160)が形成されていると共に前記ストッパ部材を覆う層間絶縁膜(119)が形成されており、
前記層間絶縁膜には、前記ストッパ部材を露出させる開口部(119b)が形成され、
前記保護膜は、前記層間絶縁膜を覆う状態で配置され、前記開口部に入り込むことで前記表面に前記凹部が形成されている半導体装置。
【請求項2】
前記半導体素子は、ゲート電極(118)を有する構成とされ、
前記ストッパ部材は、前記ゲート電極と同じ材料で構成されている請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記保護膜は、前記表面に前記凹凸構造を構成する凸部(140b)が形成されている請求項1
または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体チップ(10)がモールド樹脂(60)に封止された半導体装置であって、
一面(21a)を有する支持部材(20)と、
一面(100a)および他面(100b)を有すると共に半導体素子が形成された半導体基板(100)を備え、前記他面側が前記支持部材と対向する状態で前記支持部材上に配置された前記半導体チップと、
前記支持部材および前記半導体チップを封止する前記モールド樹脂と、を備え、
前記半導体チップは、前記半導体素子が形成されるセル領域(11)および前記セル領域を囲む外周領域(12)を有し、前記半導体基板の一面側には、前記外周領域に保護膜(140)が形成されており、
前記保護膜は、前記半導体基板側と反対側の表面(141)の表面粗さが5nm以上とされていると共に、前記表面に凹凸構造(150)が形成され、
前記凹凸構造は、凸部(140b)を含んでいる半導体装置。
【請求項5】
前記半導体基板は、前記一面のうちの前記外周領域に位置する部分に凸部用部材(170)が形成され、
前記保護膜は、前記凸部用部材を覆う状態で配置されることで前記表面に前記凸部が形成されている請求項
4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体基板のセル領域における一面上には、前記半導体素子と電気的に接続される電極(121)が形成され、
前記凸部用部材は、前記電極と同じ材料で構成されている請求項
5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体チップは、前記セル領域の前記一面側に前記半導体素子と電気的に接続される電極(121)と、前記外周領域に前記半導体素子と電気的に接続され、前記電極よりも面積が小さくされたパッド部(13)と、を有する構成とされ、
前記凹凸構造は、前記パッド部と前記半導体チップの外縁端部との間に形成されている請求項1ないし
6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体チップ(10)がモールド樹脂(60)に封止された半導体装置であって、
一面(21a)を有する支持部材(20)と、
一面(100a)および他面(100b)を有すると共に半導体素子が形成された半導体基板(100)を備え、前記他面側が前記支持部材と対向する状態で前記支持部材上に配置された前記半導体チップと、
前記支持部材および前記半導体チップを封止する前記モールド樹脂と、を備え、
前記半導体チップは、前記半導体素子が形成されるセル領域(11)および前記セル領域を囲む外周領域(12)を有し、前記半導体基板の一面側には、前記外周領域に保護膜(140)が形成されており、
前記保護膜は、前記半導体基板側と反対側の表面(141)の表面粗さが5nm以上とされていると共に、前記表面に凹凸構造(150)が形成されて
おり、
前記半導体チップは、前記セル領域の前記一面側に前記半導体素子と電気的に接続される電極(121)と、前記外周領域に前記半導体素子と電気的に接続され、前記電極よりも面積が小さくされたパッド部(13)と、を有する構成とされ、
前記凹凸構造は、前記パッド部と前記半導体チップの外縁端部との間に形成されている半導体装置。
【請求項9】
前記保護膜は、前記表面に前記凹凸構造を構成する凹部(140a)が形成されている請求項4
ないし6、8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体基板は、前記一面のうちの前記外周領域に位置する部分に窪み部(131)が形成され、
前記保護膜は、前記窪み部に入り込むことで前記表面に前記凹部が形成されている請求項
9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記保護膜は、前記表面と、前記凹凸構造を構成する側面(142a、142b)との成す角度(θ1、θ2)が45°以上とされている請求項1ないし
10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体チップは、前記外周領域に、前記セル領域を囲むガードリング(124)が形成されており、
前記凹凸構造は、前記ガードリングより前記半導体チップの外縁端部側に形成されている請求項1ないし
11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体チップは、平面形状が角部を有する形状とされており、
前記凹凸構造は、前記角部と前記セル領域との間に配置されている請求項1ないし
6、9ないし12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体チップは、前記セル領域の前記一面側に前記半導体素子と電気的に接続される電極(121)と、前記外周領域に前記半導体素子と電気的に接続され、前記電極よりも面積が小さくされたパッド部(13)と、を有する構成とされ、
前記凹凸構造は、前記パッド部を囲むように形成されている請求項1ないし
6、9ないし12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップがモールド樹脂で封止された半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体チップがモールド樹脂で封止された半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この半導体装置では、支持部材上に半導体チップが配置されており、これら支持部材および半導体チップを封止するようにモールド樹脂が配置されている。なお、半導体チップは、セル領域およびセル領域を囲む外周領域を有し、セル領域に、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Ttransistorの略)素子等が形成されて構成されている。
【0003】
そして、この半導体装置では、支持部材に溝部が形成されており、モールド樹脂が溝部内に入り込むことによって支持部材からモールド樹脂が剥離することを抑制できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような半導体チップがモールド樹脂で封止されている半導体装置について本発明者らが検討したところ、モールド樹脂が半導体チップの外縁端部からも剥離する可能性があることが確認された。そして、剥離が半導体チップの内縁部側に伸展すると、半導体素子の耐圧が変化したり、半導体チップと接続されるワイヤの断線等が発生する可能性がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、モールド樹脂と半導体チップとの剥離が半導体チップの内縁部に到達することを抑制できる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1では、半導体チップ(10)がモールド樹脂(60)に封止された半導体装置であって、一面(21a)を有する支持部材(20)と、一面(100a)および他面(100b)を有すると共に半導体素子が形成された半導体基板(100)を備え、他面側が支持部材と対向する状態で支持部材上に配置された半導体チップと、支持部材および半導体チップを封止するモールド樹脂と、を備え、半導体チップは、半導体素子が形成されるセル領域(11)およびセル領域を囲む外周領域(12)を有し、半導体基板の一面側には、外周領域に保護膜(140)が形成されており、保護膜は、半導体基板側と反対側の表面(141)の表面粗さが5nm以上とされていると共に、表面に凹凸構造(150)が形成されている。
また、請求項1は、凹凸構造は、凹部(140a)を含んでおり、半導体基板の一面には、外周領域にストッパ部材(160)が形成されていると共にストッパ部材を覆う層間絶縁膜(119)が形成されており、層間絶縁膜には、ストッパ部材を露出させる開口部(119b)が形成され、保護膜は、層間絶縁膜を覆う状態で配置され、開口部に入り込むことで表面に凹部が形成されている。
請求項4は、凹凸構造(150)は、凸部(140b)を含んでいる。
請求項8は、半導体チップは、セル領域の一面側に半導体素子と電気的に接続される電極(121)と、外周領域に半導体素子と電気的に接続され、電極よりも面積が小さくされたパッド部(13)と、を有する構成とされ、凹凸構造は、パッド部と半導体チップの外縁端部との間に形成されている。
【0008】
これによれば、保護膜は、表面の表面粗さが5nm以上とされている。このため、保護膜とモールド樹脂と密着強度が低下することを抑制でき、モールド樹脂が半導体チップから剥離することを抑制できる。
【0009】
また、保護膜は、表面に凹凸構造が形成されている。このため、モールド樹脂が半導体チップの外縁端部から剥離した場合、当該剥離の伸展方向を凹凸構造によって変化させることができ、剥離を伸展させるための応力を低減できる。このため、剥離が半導体チップの内縁部に到達することを抑制できる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における半導体装置の断面図である。
【
図3】
図2中のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】保護膜の表面粗さと保護膜の密着強度との関係を示す図である。
【
図5A】半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5B】
図5Aに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5C】
図5Bに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5D】
図5Cに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5E】
図5Dに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5F】
図5Eに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5G】
図5Fに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図5H】
図5Gに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図6】第2実施形態における半導体チップの断面図である。
【
図7A】第2実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7B】
図7Aに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7C】
図7Bに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7D】
図7Cに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7E】
図7Dに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7F】
図7Eに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7G】
図7Fに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図7H】
図7Gに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図8】第3実施形態における半導体チップの断面図である。
【
図9A】第3実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図9B】
図9Aに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図9C】
図9Bに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図9D】
図9Cに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図9E】
図9Dに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図10】第4実施形態における半導体チップの断面図である。
【
図11A】第4実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。
【
図12】第5実施形態における半導体チップの断面図である。
【
図13】第6実施形態における半導体チップの平面図である。
【
図14】第7実施形態における半導体チップの平面図である。
【
図15】第8実施形態における半導体チップの平面図である。
【
図16】第9実施形態における半導体チップの平面図である。
【
図17】他の実施形態における半導体装置の断面図である。
【
図18】他の実施形態における半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の半導体装置は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための装置として適用されると好適である。
【0014】
図1に示されるように、本実施形態の半導体装置は、半導体チップ10、第1リードフレーム20、ブロック体30、第2リードフレーム40、制御端子部50等を備えている。また、半導体装置は、これらを一体的に封止するモールド樹脂60を備えている。なお、本実施形態では、第1リードフレーム20が支持部材に相当する。
【0015】
半導体チップ10は、具体的な構成については後述するが、
図2に示されるように、セル領域11および外周領域12を有する構成とされている。そして、セル領域11には、
図3に示されるように、ゲート電極118、ソース電極121、ドレイン電極123等を有するMOSFET素子が形成されている。また、外周領域12には、
図2に示されるように、ゲート電極118等と接続されるパッド部13が形成されている。
【0016】
第1リードフレーム20は、銅や42アロイ等の導電性に優れた材料を用いて構成され、搭載部21および主端子部22が一体的に形成された形状とされている。そして、第1リードフレーム20は、搭載部21の一面21a側にはんだ等の接合部材71を介して半導体チップ10が搭載されている。なお、搭載部21と主端子部22とは、別体として備えられていてもよい。
【0017】
ブロック体30は、銅やアルミニウム等の導電性材料で構成された直方体状とされており、半導体チップ10のソース電極121上にはんだ等の接合部材72を介して配置されている。
【0018】
第2リードフレーム40は、第1リードフレーム20と同様に、銅や42アロイ等の導電性に優れた材料を用いて構成され、搭載部41および主端子部42が一体的に形成された形状とされている。そして、第2リードフレーム40は、搭載部41の一面41a側がブロック体30上に配置されたはんだ等の接合部材73と接続されるように配置されている。なお、搭載部41と主端子部42とは、別体として備えられていてもよい。
【0019】
制御端子部50は、半導体チップ10の近傍に配置されており、半導体チップ10に形成されたパッド部13とワイヤ80を介して電気的に接続されている。
【0020】
モールド樹脂60は、エポキシ樹脂等の樹脂材料を用いて構成されている。そして、モールド樹脂60は、第1リードフレーム20における搭載部21の一面21aと反対側の他面21b、第2リードフレーム40における搭載部41の一面41aと反対側の他面41bが露出するように配置されている。また、モールド樹脂60は、各主端子部22、42および各制御端子部50の一部が露出するように配置されている。このため、本実施形態の半導体装置は、いわゆる両面放熱構造の半導体装置とされている。なお、モールド樹脂60は、熱膨張係数を調整するため、シリカ等の図示しない添加物が混入されて構成されていてもよい。
【0021】
以上が本実施形態における半導体装置の基本的な構成である。次に、本実施形態の半導体チップ10の構成について、
図2および
図3を参照しつつ具体的に説明する。なお、
図3の半導体チップ10は、
図2中のIII-III線に沿った断面図であるが、位置関係を把握し易くするため、接合部材72およびモールド樹脂60を部分的に示してある。また、後述する
図3と対応する各図においても同様に、位置関係を把握し易くするため、接合部材72およびモールド樹脂60を部分的に示してある。
【0022】
半導体チップ10は、
図2に示されるように、角部を有する平面形状とされており、本実施形態では矩形板状とされている。そして、半導体チップ10のセル領域11には、
図3に示されるように、半導体素子として、トレンチゲート構造のMOSFET素子が形成されている。本実施形態の外周領域12は、ガードリング領域12aと、ガードリング領域12aよりも内側に配置される繋ぎ領域12bとを有する構成とされている。言い換えると、外周領域12は、ガードリング領域12aと、セル領域11とガードリング領域12aとの間に配置される繋ぎ領域12bとを有する構成とされている。
【0023】
半導体チップ10は、本実施形態では、半導体基板100としての炭化珪素(以下では、SiCともいう)基板を用いて構成されている。但し、半導体基板100は、SiC基板ではなく、シリコン基板や窒化ガリウム基板を用いて構成されていてもよい。
【0024】
本実施形態の半導体基板100は、SiCからなる高濃度不純物層を構成するn+型の基板111を有している。なお、この基板111は、MOSFET素子におけるドレイン領域を構成するものである。そして、基板111上には、基板111よりも低不純物濃度のSiCからなるn-型のドリフト層112がエピタキシャル成長させられている。ドリフト層112上には、p型のベース領域113がエピタキシャル成長させられている。なお、本実施形態では、ベース領域113がセル領域11から外周領域12に渡って形成されている。そして、セル領域11のベース領域113には、表層部にn+型のソース領域114が形成されている。以下、半導体基板100において、ベース領域113側の面を半導体基板100の一面100aとし、基板111側の面を半導体基板100の他面100bとして説明する。
【0025】
基板111は、例えば、n型不純物濃度が1.0×1019/cm3とされ、表面が(0001)Si面とされている。ドリフト層112は、基板111よりも低不純物濃度で構成され、例えば、n型不純物濃度が0.5~2.0×1016/cm3とされている。
【0026】
ベース領域113は、チャネル領域が形成される部分であり、例えば、p型不純物濃度が2.0×1017/cm3程度とされ、厚さが300nmで構成されている。ソース領域114は、ドリフト層112よりも高不純物濃度とされ、例えば、表層部におけるn型不純物濃度が2.5×1018~1.0×1019/cm3、厚さが0.5μm程度で構成されている。
【0027】
また、セル領域11には、ベース領域113の表層部にp型高濃度層によって構成されるコンタクト領域115が形成されている。具体的には、このコンタクト領域115は、ソース領域114を挟んで後述するトレンチ116と反対側に形成されている。
【0028】
そして、セル領域11には、半導体基板100の一面100a側からベース領域113およびソース領域114を貫通してドリフト層112に達するように、例えば、幅が0.8μm、深さが1.0μmのトレンチ116が形成されている。言い換えると、ベース領域113およびソース領域114は、トレンチ116の側面と接するように配置されている。トレンチ116は、本実施形態では、
図3中の紙面左右方向を幅方向、紙面垂直方向を長手方向、紙面上下方向を深さ方向とし、複数本が平行に等間隔に形成されている。つまり、本実施形態のトレンチ116は、ドリフト層112とベース領域113との積層方向(以下では、単に積層方向ともいう)と交差する方向、詳しくは直交する方向に延設されている。言い換えると、複数のトレンチ116は、基板111の面方向における一方向に沿って延設されている。そして、トレンチ116は、延設方向の先端部で引き回されることで環状構造とされている。なお、トレンチ116は、複数本が平行に等間隔で形成されたストライプ状とされていてもよい。
【0029】
トレンチ116は、ゲート絶縁膜117およびゲート電極118によって埋め尽くされている。具体的には、ベース領域113のうちのトレンチ116の側面に位置している部分を、MOSFET素子の作動時にソース領域114とドリフト層112との間を繋ぐチャネル領域とすると、チャネル領域を含むトレンチ116の内壁面にゲート絶縁膜117が形成されている。ゲート絶縁膜117は、例えば、熱酸化膜等によって構成されている。そして、ゲート絶縁膜117の表面には、ドープドポリシリコンにて構成されたゲート電極118が形成されている。
【0030】
なお、ゲート絶縁膜117は、トレンチ116の内壁面以外の表面にも形成されている。具体的には、ゲート絶縁膜117は、半導体基板100の一面100aの一部も覆うように形成されている。より詳しくは、ゲート絶縁膜117は、ソース領域114の表面の一部も覆うように形成されている。そして、ゲート絶縁膜117には、ゲート電極118が配置される部分と異なる部分において、コンタクト領域115およびソース領域114の残部を露出させるコンタクトホール117aが形成されている。
【0031】
また、ゲート絶縁膜117は、外周領域12におけるベース領域113の表面等にも形成されており、後述する窪み部131の表面にも形成されている。ゲート電極118は、外周領域12の繋ぎ領域12bにおけるゲート絶縁膜117の表面上まで延設されている。以上のようにして、本実施形態のトレンチゲート構造が構成されている。
【0032】
そして、半導体基板100の一面100a上には、ゲート電極118やゲート絶縁膜117等を覆うように、層間絶縁膜119が形成されている。なお、層間絶縁膜119は、BPSG(Borophosphosilicate Glassの略)等で構成されている。
【0033】
層間絶縁膜119には、コンタクトホール117aと連通してソース領域114およびコンタクト領域115を露出させるコンタクトホール119aが形成されている。また、
図3とは別断面において、層間絶縁膜119には、ゲート電極118のうちの繋ぎ領域12bまで延設された部分を露出させるコンタクトホールも形成されている。
【0034】
なお、層間絶縁膜119に形成されたコンタクトホール119aは、ゲート絶縁膜117に形成されたコンタクトホール117aと連通するように形成されており、当該コンタクトホール117aと共に1つのコンタクトホールとして機能する。このため、以下では、コンタクトホール117aおよびコンタクトホール119aを纏めてコンタクトホール120ともいう。また、コンタクトホール120のパターンは、任意であり、例えば複数の正方形のものを配列させたパターン、長方形のライン状のものを配列させたパターン、または、ライン状のものを並べたパターン等が採用される。本実施形態では、コンタクトホール120は、トレンチ116の長手方向に沿ったライン状とされている。
【0035】
層間絶縁膜119上には、コンタクトホール120を通じてソース領域114およびコンタクト領域115と電気的に接続されるソース電極121が形成されている。また、層間絶縁膜119上には、
図3とは別断面において、ゲート電極118を露出させるコンタクトホールを通じてゲート電極118と電気的に接続されるゲート配線が形成されている。そして、このゲート配線は、適宜引き回され、
図2に示すパッド部13のうちの1つと電気的に接続されている。なお、ソース電極121は、セル領域11の全体に形成されており、面積がパッド部13よりも十分に大きくされている。
【0036】
ソース電極121およびゲート配線は、例えば、Al-Si層等で構成される。但し、ソース電極121およびゲート配線を構成する材料は、これに限定されるものではなく、Alのみで構成されたり、Alを主成分とする他の材料で構成されていてもよい。そして、ソース電極121は、本実施形態では、セル領域11と外周領域12との境界部分まで形成されている。
【0037】
ソース電極121上には、外部との接続を図る際のはんだ濡れ性を向上させるためのメッキ層122が形成されている。例えば、このメッキ層122は、ソース電極121側からニッケルメッキ層および金メッキ層が順に積層されて構成される。
【0038】
基板111の裏面(すなわち、半導体基板100の他面100b)側には、基板111と電気的に接続され、第2電極に相当するドレイン電極123が形成されている。このような構造により、nチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造のMOSFET素子が構成されている。
【0039】
なお、半導体チップ10には、詳細な説明はしないが、電流センスや温度センス等も適宜形成されている。そして、これらの各センスは、
図1に示す各パッド部13と適宜電気的に接続される。
【0040】
また、外周領域12では、半導体基板100の一面100a側からドリフト層112に達する窪み部131が形成されている。本実施形態では、窪み部131は、繋ぎ領域12bからガードリング領域12aに渡って形成されており、トレンチ116と同じ深さとされている。また、本実施形態の窪み部131は、対向する側面を有するように、一部が窪まされて形成されている。つまり、本実施形態の窪み部131は、外周領域12の内部に形成されており、半導体チップ10の外縁端部まで達するようには形成されていない。
【0041】
そして、ガードリング領域12aでは、窪み部131の下方に位置するドリフト層112の表層部に、セル領域11を囲むように、複数本のp型のガードリング124が備えられている。本実施形態では、ガードリング124の上面レイアウトは、積層方向から視たき、四隅が丸められた四角形状や円形状等とされている。
【0042】
なお、本実施形態のガードリング124は、例えば、後述するようにイオン注入によって形成される。また、積層方向から視るとは、言い換えると、基板111の面方向に対する法線方向から視ることである。また、ガードリング領域12aは、図示していないが、必要に応じてガードリング124よりも外周にEQR(Equi Potential Ringの略)構造等が備えられていてもよい。
【0043】
繋ぎ領域12bには、ドリフト層112の表層部にp型のリサーフ層125が形成されている。例えば、リサーフ層125は、積層方向から視たとき、セル領域11の周りを囲みつつ、ガードリング領域12aに至るように延設されている。これにより、等電位線をガードリング領域12a側に導くことができ、繋ぎ領域12b内で電界集中が発生することを抑制できる。したがって、耐圧が低下することを抑制できる。
【0044】
そして、上記のように、ゲート絶縁膜117および層間絶縁膜119は、外周領域12まで形成されており、外周領域12のうちの窪み部131が形成されている部分では窪み部131の壁面に沿って形成されている。但し、ゲート絶縁膜117および層間絶縁膜119は、窪み部131を埋め込まないように形成されている。
【0045】
また、半導体基板100の一面100a側には、メッキ層122を露出させるように形成された保護膜140が形成されている。言い換えると、半導体基板100の一面100a側には、繋ぎ領域12bおよびガードリング領域12aに保護膜140が形成されている。なお、保護膜140は、ポリイミドや窒化膜等によって構成される。
【0046】
そして、本実施形態の保護膜140は、半導体基板100側と反対側の面を表面141とすると、モールド樹脂60との密着性を向上できるように、表面141の表面粗さRaが5nm以上とされている。すなわち、
図4に示されるように、保護膜140は、表面粗さRaが5nm未満の範囲では、表面粗さRaが大きくなるほどモールド樹脂60との密着強度が高くなる。しかしながら、保護膜140は、表面粗さRaが5nm以上となるとモールド樹脂60との密着強度がほぼ変化しない。したがって、保護膜140は、表面粗さRaが5nm以上とされている。なお、
図4は、保護膜140をポリイミドで構成した場合の結果を示しているが、保護膜140を窒化膜等で構成した場合も同様の結果となる。また、保護膜140の表面粗さ141は、例えば、ブラスト処理等を行うことによって調整される。
【0047】
そして、保護膜140には、半導体基板100と反対側の表面141に凹凸構造150が形成されている。本実施形態では、保護膜140には、窪み部131上に位置する部分に窪み部131に応じた凹部140aが形成されることによって凹凸構造150が形成されている。また、本実施形態の凹凸構造150は、
図2に示されるように、セル領域11およびパッド部13を囲むように、半導体チップ10の外縁端部に沿って枠状に形成されている。そして、モールド樹脂60は、凹部140a内に入り込むようにして配置される。
【0048】
なお、本実施形態の凹部140aは、窪み部131上に保護膜140を形成することで形成される。このため、窪み部131、窪み部131上に形成されるゲート絶縁膜117および層間絶縁膜119は、保護膜140を形成した際に凹部140aが消失することを抑制できるように形成される。例えば、窪み部131の相対する側面上に形成される層間絶縁膜119の間隔をdとし、保護膜140の厚さをtとすると、d≧2tとなるように、窪み部131の大きさ、ゲート絶縁膜117および層間絶縁膜119の厚さが調整されると好ましい。また、凹部140aは、例えば、深さが1μm程度とされる。
【0049】
本実施形態の半導体装置では、半導体チップ10がこのような構成とされていることにより、半導体チップ10からモールド樹脂60が剥離した際、当該剥離が内縁部側に位置するソース電極121等に到達することを抑制できる。すなわち、半導体チップ10からモールド樹脂60が剥離する場合、この剥離は、保護膜140とモールド樹脂60との界面における外縁端部から発生し易い。そして、この剥離は、保護膜140とモールド樹脂60との界面に沿って伸展し易い。しかしながら、本実施形態の半導体装置では、凹凸構造150が形成されているため、剥離が凹凸構造150に到達すると、剥離の伸展方向が変化する。このため、剥離の伸展を抑制でき、剥離がソース電極121等に到達することを抑制できる。
【0050】
この場合、凹部140aは、表面141と当該凹部140aの側面142aとの成す角度θ1が45°以上とされることが好ましい。すなわち、剥離が外縁端部から凹部140aに到達した場合、剥離に影響する応力は、伸展方向に沿ってそのまま進む方向への応力と、保護膜140とモールド樹脂60との界面に沿った方向への応力に分散される。このため、成す角度θ1を45°以上とすることにより、剥離の伸展方向に沿って進む方向の応力より、保護膜140とモールド樹脂60との界面に沿った方向の応力を大きくし易くなる。したがって、剥離に影響する半分以上の応力の伝搬方向を変化させ易くなり、剥離がソース電極121等に到達することをさらに抑制できる。
【0051】
以上が本実施形態における半導体チップ10および半導体装置の構成である。次に、上記半導体チップ10の製造方法について、
図5A~
図5Hを参照しつつ説明する。
【0052】
まず、
図5Aに示されるように、基板111上にドリフト層112およびベース領域113を形成して半導体基板100を構成する。なお、ドリフト層112およびベース領域113は、例えば、基板111の表面側にエピタキシャル成長等をすることによって形成される。
【0053】
次に、
図5Bに示されるように、半導体基板100の一面100a側に図示しないマスクを配置してイオン注入等を行うことにより、ソース領域114およびコンタクト領域115を順に形成する。
【0054】
続いて、
図5Cに示されるように、半導体基板100の一面100a側に図示しないマスクを配置して異方性エッチング等を行うことにより、トレンチ116および窪み部131を形成する。本実施形態では、このようにトレンチ116および窪み部131を同じ工程で形成するため、トレンチ116と窪み部131とが同じ深さとなる。但し、トレンチ116と窪み部131とを別工程で形成し、トレンチ116と窪み部131との深さが異なるようにしてもよい。
【0055】
その後、
図5Dに示されるように、熱酸化等により、トレンチ116の壁面、半導体基板100の一面100a、および窪み部131の壁面にゲート絶縁膜117を形成する。そして、CVD(chemical vapor depositionの略)法やパターニング等を行って上記ゲート電極118を形成する。なお、ゲート電極118は、上記のように、繋ぎ領域12bまで延設される。
【0056】
次に、
図5Eに示されるように、半導体基板100の一面100a側に図示しないマスクを配置してイオン注入等を行うことにより、ガードリング124およびリサーフ層125を形成する。
【0057】
その後、
図5Fに示されるように、CVD法等によって層間絶縁膜119を形成する。そして、層間絶縁膜119上に図示しないマスクを配置して異方性エッチング等を行うことにより、コンタクトホール120を形成する。そして、
図5Gに示されるように、CVD法やパターニング等によってソース電極121を形成する。
【0058】
続いて、
図5Hに示されるように、CVD法やパターニング等によって保護膜140を形成する。この際、保護膜140を窪み部131上に形成するため、保護膜140には、表面141に窪み部131に起因した凹部140aが形成され、凹部140aによる凹凸構造150が形成される。なお、凹部140aは、上記のように表面141と側面142aとの成す角度θ1が45°以上となるように形成されることが好ましい。すなわち、保護膜140を成膜する際の条件や、凹部140aの形状、ゲート絶縁膜117や層間絶縁膜119の厚さ等は、成す角度θ1が45°以上となるように調整されることが好ましい。
【0059】
その後は特に図示しないが、半導体基板100の他面100b側にドレイン電極123等を形成することにより、上記半導体チップ10が製造される。
【0060】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は、表面141の表面粗さが5nm以上とされている。このため、保護膜140とモールド樹脂60と密着強度が低下することを抑制でき、モールド樹脂60が半導体チップ10から剥離することを抑制できる。
【0061】
また、保護膜140は、表面141に凹凸構造150が形成されている。このため、モールド樹脂60が半導体チップ10の保護膜140における外縁端部から剥離した場合、当該剥離の伸展方向を凹凸構造150によって変化させることができ、剥離を伸展させるための応力を低減できる。このため、剥離が半導体チップ10の内縁部まで伸展することを抑制できる。そして、このように剥離が半導体チップ10の内縁部に到達することを抑制しているため、半導体基板100としてヤング率の高いSiC基板等を用いることもでき、半導体基板100の選択性の向上も図ることができる。
【0062】
(1)本実施形態では、半導体基板100の窪み部131を形成することで保護膜140の表面に凹部140aが形成されるようにしている。このため、容易な方法で保護膜140の表面141に凹部140aを形成することができる。
【0063】
(2)上記のような半導体装置では、モールド樹脂60が半導体チップ10から剥離する場合には、モールド樹脂60が半導体チップ10の外縁端部から剥離し易い。このため、本実施形態のように、凹凸構造150をセル領域11およびパッド部13を囲むように形成することにより、凹凸構造150は、剥離の起点と、ソース電極121やパッド部13との間に形成される。したがって、凹凸構造150によって剥離がソース電極121やパッド部13に到達することを効果的に抑制できる。
【0064】
(2)本実施形態では、凹部140aは、表面141と側面142aとの成す角度θ1が45°以上とされている。これにより、剥離の伸展方向(すなわち、半導体基板100の面方向)に沿って進む方向の応力より、保護膜140とモールド樹脂60との界面に沿った方向の応力を大きくし易くなる。したがって、剥離が半導体チップ10の内縁部側に到達することをさらに抑制できる。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、凹部140aの構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
本実施形態の半導体チップ10は、
図6に示されるように、半導体基板100に窪み部131およびリサーフ層125が形成されていない。そして、ガードリング124は、半導体基板100の一面100a側から形成されている。
【0067】
また、半導体チップ10には、ガードリング124よりも外縁部側において、半導体基板100の一面100a上に形成されたゲート絶縁膜117上にストッパ配線160が形成されている。なお、本実施形態のストッパ配線160は、他の電極等と電気的に接続されておらず、浮遊電位とされている。つまり、本実施形態のストッパ配線160は、ダミー配線で構成されている。また、本実施形態のストッパ配線160は、ゲート電極118と同じ材料を用いて構成されている。そして、本実施形態では、ストッパ配線160がストッパ部材に相当する。
【0068】
そして、層間絶縁膜119は、ストッパ配線160を覆う部分に、ストッパ配線160の一部を露出させる開口部119bが形成されている。なお、本実施形態の開口部119bは、後述するように、コンタクトホール120と同時に形成される。
【0069】
保護膜140は、上記のように層間絶縁膜119上に配置されている。そして、保護膜140は、層間絶縁膜119の開口部119bを埋め込むように配置されており、表面141側に開口部119bに依存した凹部140aが形成されている。
【0070】
なお、本実施形態では、開口部119bがガードリング124よりも外縁部側に形成されるため、凹部140aもガードリング124よりも外縁端部側に形成される。このため、凹凸構造150は、ガードリング124を四隅が丸められた形状としている場合、積層方向において、丸められることでガードリング124が配置されていない部分を含んで配置されるようにすることが好ましい。これにより、半導体チップ10が大型化することを抑制できる。
【0071】
以上が本実施形態における半導体チップ10の構成である。次に、上記半導体チップ10の製造方法について、
図7A~
図7Hを参照しつつ説明する。
【0072】
本実施形態では、
図7Aに示されるように、ドリフト層112を有する半導体基板100を用意する。そして、
図7Bに示されるように、図示しないマスクを配置してイオン注入等を行うことにより、ベース領域113、ソース領域114、コンタクト領域115、ガードリング124を順に形成する。
【0073】
続いて、
図7Cに示されるように、上記
図5Cの工程と同様の工程を行ってトレンチ116を形成する。但し、本実施形態では、窪み部131は形成しない。
【0074】
次に、
図7Dおよび
図7Eに示されるように、上記
図5Dの工程と同様の工程を行ってゲート絶縁膜117およびゲート電極118を順に形成する。なお、本実施形態では、
図7Eに示されるように、ゲート電極118をパターニングして形成する際、ストッパ配線160を同時に形成する。このため、本実施形態のストッパ配線160は、ゲート電極118と同じ材料で構成される。
【0075】
そして、
図7Fに示されるように、上記
図5Fの工程と同様の工程を行って層間絶縁膜119を形成すると共に層間絶縁膜119にコンタクトホール120を形成する。また、本実施形態では、ストッパ配線160を露出させる開口部119bも同時に形成する。この際、開口部119bを露出させる際のエッチングによって半導体基板100がエッチングされることをストッパ配線160によって抑制できる。つまり、本実施形態のストッパ配線160は、エッチングストッパとしても機能する。
【0076】
次に、
図7Gに示されるように、上記
図5Gの工程と同様の工程を行ってソース電極121を形成する。その後は、
図7Hに示されるように、上記
図5Hの工程と同様の工程を行って保護膜140を形成する。この際、保護膜140を開口部119b上に形成するため、保護膜140には、表面141に開口部119bに起因した凹部140aが形成される。
【0077】
その後は特に図示しないが、半導体基板100の他面100b側にドレイン電極123等を形成することにより、上記半導体チップ10が製造される。
【0078】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
(1)本実施形態では、層間絶縁膜119に開口部119bを形成することによって保護膜140の表面に凹部140aが形成されるようにしている。このように保護膜140の表面141に凹部140aを形成するようにしても、容易な方法で保護膜140の表面141に凹部140aを形成することができる。また、本実施形態では、開口部119bから露出するようにストッパ配線160が形成されている。このため、層間絶縁膜119に開口部119bを形成した際、半導体基板100がエッチングされることを抑制できる。なお、ストッパ配線160は、ゲート電極118と異なる材料を用いて構成されていてもよく、絶縁性の材料を用いて構成されていてもよい。
【0080】
(2)本実施形態では、ストッパ配線160は、ゲート電極118と同じ材料で構成され、ゲート電極118を形成する際に同時に形成される。そして、層間絶縁膜119の開口部119bは、コンタクトホール120を形成する際に同時に形成される。このため、製造工程が増加することを抑制しつつ、保護膜140の表面141に凹部140aを形成することができる。
【0081】
(3)本実施形態では、凹凸構造150は、ガードリング124よりも外縁部側に形成されている。このため、モールド樹脂60が半導体チップ10の外縁端部から剥離した際、早期に剥離の伸展を抑制することができる。
【0082】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、凹部140aの構成を変更したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0083】
本実施形態の半導体チップ10は、
図8に示されるように、保護膜140の表面141に凹部140aが形成されているが、層間絶縁膜119に開口部119bは形成されていない。また、上記第2実施形態におけるストッパ配線160も配置されていない。
【0084】
以上が本実施形態における半導体チップ10の構成である。次に、上記半導体チップ10の製造方法について、
図9A~
図9Eを参照しつつ説明する。
【0085】
本実施形態では、上記
図7A~
図7Cの工程を行った後、
図9Aに示されるように、上記
図5Dの工程と同様の工程を行ってゲート絶縁膜117およびゲート電極118を形成する。但し、本実施形態では、ストッパ配線160を形成しないようにゲート電極118を形成する。
【0086】
次に、
図9Bに示されるように、上記
図7Fの工程と同様の工程を行って層間絶縁膜119を形成すると共に層間絶縁膜119にコンタクトホール120を形成する。続いて、
図9Cに示されるように、上記
図7Gの工程と同様の工程を行ってソース電極121を形成する。
【0087】
そして、
図9Dに示されるように、上記
図7Hの工程と同様の工程を行って保護膜140を形成する。なお、本実施形態では、開口部119bが形成されていないため、
図9Dの工程を行った後は、表面141が略平坦化されている。
【0088】
次に、
図9Eに示されるように、図示しないフォトレジストをマスクとして保護膜140をエッチングすることにより、保護膜140に凹部140aを形成する。その後は特に図示しないが、半導体基板100の他面100b側にドレイン電極123等を形成することにより、上記半導体チップ10が製造される。
【0089】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
(1)本実施形態では、保護膜140の表面にエッチングによって凹部140aを形成している。このため、凹部140aの形状を調整し易くでき、表面141と側面142aとの成す角度θ1の詳細な調整を行い易くできる。
【0091】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対し、保護膜140の表面141に凸部を形成したものである。その他に関しては、第3実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0092】
本実施形態の半導体チップ10では、
図10に示されるように、ガードリング124よりも外縁部側において、層間絶縁膜119上に凸部用配線170が形成されている。なお、凸部用配線170は、他の電極等とは電気的に接続されておらず、浮遊電位とされている。つまり、本実施形態の凸部用配線170は、ダミー配線で構成されている。また、本実施形態の凸部用配線170は、ソース電極121と同じ材料を用いて構成されている。そして、本実施形態では、凸部用配線170が凸部用部材に相当している。
【0093】
保護膜140は、上記のように層間絶縁膜119上に配置され、凸部用配線170も覆うように配置されている。このため、保護膜140には、表面141側に凸部用配線170に起因した凸部140bが形成される。なお、凸部140bは、上記第1実施形態と同様に、凸部140bの側面142bと表面141との成す角度θ2が45°以上となることが好ましい。また、本実施形態では、凸部140bによって凹凸構造150が構成される。
【0094】
以上が本実施形態における半導体チップ10の構成である。次に、上記半導体チップ10の製造方法について、
図11A、
図11Bを参照しつつ説明する。
【0095】
本実施形態では、上記
図9Aおよび上記
図9Bの工程を行った後、
図11Aに示されるように、
図9Cと同様の工程を行ってソース電極121を形成する。なお、本実施形態では、
図11Aに示されるように、ソース電極121をパターニングして形成する際、凸部用配線170が残るようにする。このため、本実施形態の凸部用配線170は、ソース電極121と同じ材料で構成される。
【0096】
次に、
図11Bに示されるように、上記
図9Dの工程と同様の工程を行って保護膜140を形成する。この際、保護膜140を凸部用配線170上に形成するため、保護膜140には、表面141に凸部用配線170に起因した凸部140bが形成される。その後は特に図示しないが、半導体基板100の他面100b側にドレイン電極123等を形成することにより、上記半導体チップ10が製造される。
【0097】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、剥離は、凸部140bによって応力方向が変化させられる。
【0098】
(1)本実施形態では、層間絶縁膜119上に凸部用配線170を形成することによって保護膜140の表面に凸部140bが形成されるようにしている。このように保護膜140の表面に凸部140bを形成するようにしても、容易な方法で保護膜140の表面141に凸部140bを形成することができる。
【0099】
(2)本実施形態では、凸部用配線170は、ソース電極121と同じ材料で構成され、ソース電極121を形成する際に同時に形成される。このため、製造工程が増加することを抑制しつつ、保護膜140の表面141に凸部140bを形成することができる。
【0100】
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態の変形例について説明する。上記第4実施形態において、凸部用配線170は、ソース電極121と同じ材料で構成されていなくてもよく、他の配線と同じ材料で構成されるようにしてもよい。例えば、凸部用配線170は、EQR構造を備える場合には、EQR構造を構成する配線と同じ材料で構成されていてもよい。また、凸部用配線170(すなわち、凸部用部材)は、各配線と異なる材料で形成されていてもよく、絶縁性の材料で構成されていてもよい。
【0101】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態に対し、凸部140bの構成を変更したものである。その他に関しては、第4実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0102】
本実施形態の半導体チップ10では、
図12に示されるように、保護膜140の表面141に凸部140bが形成されているが、凸部用配線170は形成されていない。なお、本実施形態の凸部140bは、保護膜140の表面に突起部180が配置されることで構成される。
【0103】
例えば、この突起部180は、保護膜140を形成した後、ディスペンサや3Dプリンタ等によって凸形状となるように材料を塗布して硬化することで形成される。また、突起部180は、保護膜140と同じ材料で構成されていてもよいし、別の材料で構成されていてもよい。
【0104】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0105】
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、凹凸構造150の形成場所を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0106】
本実施形態の半導体チップ10では、
図13に示されるように、凹凸構造150は、複数に分離されており、半導体チップ10の各角部の近傍に形成されている。具体的には、凹凸構造150は、外周領域12において、半導体チップ10の角部とセル領域11およびパッド部13との間に配置されている。
【0107】
なお、本実施形態の凹凸構造150の形成場所は、上記第2~第5実施形態に適用することも可能である。そして、ガードリング124を四隅が丸められた形状とする場合には、凹凸構造150は、積層方向において、丸められることでガードリング124が配置されない部分を含んで配置されるようにすることが好ましい。これにより、半導体チップ10が大型化することを抑制できる。
【0108】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0109】
(1)上記のような半導体装置では、モールド樹脂60が半導体チップ10から剥離する場合、モールド樹脂60が半導体チップ10の外縁端部から剥離し易いが、モールド樹脂60は特に半導体チップ10の角部から剥離し易い。このため、本実施形態のように、凹凸構造150を半導体チップ10の角部とセル領域11およびパッド部13との間に配置することにより、凹凸構造150によって剥離がソース電極121およびパッド部13に到達することを効果的に抑制できる。
【0110】
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、凹凸構造150の形成場所を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0111】
まず、上記のような半導体チップ10では、ソース電極121がパッド部13よりも十分に平面積が大きくされている。このため、モールド樹脂60が半導体チップ10から剥離し、剥離がパッド部13に到達した場合には、剥離がソース電極121に到達した場合よりも影響が大きくなる。
【0112】
したがって、本実施形態の半導体チップ10では、
図13に示されるように、凹凸構造150が各パッド部13を囲むように形成されている。
【0113】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0114】
(1)本実施形態では、凹凸構造150がパッド部13を囲むように形成されている。このため、少なくとも剥離の影響が大きいパッド部13に剥離が到達することを抑制できる。また、パッド部13の周囲は、ワイヤボンディング装置の制約等によってスペースが広くされるため、このスペースに凹凸構造150を配置することで半導体チップ10が大型化することを抑制できる。
【0115】
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。本実施形態は、第7実施形態に対し、凹凸構造150の形成場所を変更したものである。その他に関しては、第7実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0116】
まず、上記のような半導体チップ10では、パッド部13とセル領域11とを繋ぐ配線が形成されるが、当該配線によってパッド部13を囲むように凹凸構造150を形成し難くなる場合がある。このため、本実施形態の半導体チップ10では、
図15に示されるように、凹凸構造150は、パッド部13を完全に囲むのではなく、パッド部13を略囲むように形成されている。本実施形態では、凹凸構造150は、パッド部13のうちのセル領域11側の部分を閉塞しないように略U字状に形成されている。言い換えると、凹凸構造150は、パッド部13とセル領域11とを結ぶ仮想線と交差しないように形成されている。但し、上記のようにモールド樹脂60が剥離する際には、半導体チップ10の角部から剥離が発生し易いため、凹凸構造150は、少なくともパッド部13と半導体チップ10との角部との間に形成されることが好ましい。
【0117】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
(1)本実施形態のように、パッド部13が完全に凹凸構造150に囲まれないようにしても、凹凸構造150によって剥離がパッド部13に到達することを抑制できるため、上記第7実施形態と同様の効果を得ることができる。また、パッド部13が完全に凹凸構造150に囲まれないようにすることにより、囲まれていない部分を通じて接続配線を配置し易くなり、設計の自由度の向上を図ることができる。
【0119】
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。本実施形態は、第8実施形態に対し、凹凸構造150の形成場所を変更したものである。その他に関しては、第8実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0120】
本実施形態の半導体チップ10では、
図16に示されるように、凹凸構造150は、パッド部13と半導体チップ10の外縁端部との間に配置されている。
【0121】
以上説明した本実施形態によれば、保護膜140は表面粗さが5nm以上とされていると共に表面141に凹凸構造150が形成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(1)本実施形態のように、パッド部13と半導体チップ10の外縁端部との間に凹凸構造150を形成するようにしても、凹凸構造150によって剥離がパッド部13に到達することを抑制できるため、上記第8実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0124】
例えば、上記各実施形態において、半導体チップ10に形成される半導体素子は適宜変更可能である。具体的には、半導体素子は、nチャネルタイプに対して各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETとされていてもよい。さらに、半導体素子は、MOSFET以外に、同様の構造のIGBTが形成された構成とされていてもよい。IGBTの場合、上記第1実施形態におけるn+型の基板111をp+型のコレクタ層に変更する以外は、上記第1実施形態で説明したMOSFETと同様である。さらに、ゲート構造は、トレンチゲート構造ではなく、プレーナゲート構造とされていてもよい。
【0125】
さらに、上記各実施形態において、凹凸構造150は、半導体チップ10上の制約がない部分では、半導体チップ10の外縁端部に達するように形成されていてもよい。例えば、上記第1実施形態では、保護膜140の表面141に形成される凹部140aは、半導体チップ10の外縁端部に達するように形成され、対向する側面を有さない構成とされていてもよい。
【0126】
また、上記各実施形態では、第1リードフレーム20および第2リードフレーム40を備え、第1リードフレーム20の他面21bおよび第2リードフレーム40の他面41bがモールド樹脂60から露出する半導体装置を例に挙げて説明した。しかしながら、半導体装置の構成は、これに限定されるものではない。例えば、半導体装置は、半導体チップ10のドレイン電極123側からのみ放熱する片面放熱構造としてもよい。片面放熱構造とする場合、
図17に示されるように、第2リードフレーム40の代わりに接続端子部91を半導体チップ10の近傍に配置し、ソース電極121がワイヤ81を介して接続端子部91と接続されるようにしてもよい。また、
図18に示されるように、ソース電極121上に接合部材72を介して引出端子部92を配置し、引出端子部92の一部がモールド樹脂60から露出するようにしてもよい。また、特に図示しないが、半導体装置は、モールド樹脂60が第1リードフレーム20の他面21bおよび第2リードフレーム40の他面41bを覆うように配置された構成とされていてもよい。
【0127】
そして、上記各実施形態を適宜組み合わせることもできる。例えば、上記第1実施形態において、上記第2~第5実施形態のように、凹凸構造150は、積層方向から視たとき、ガードリング124よりも外縁部側に形成されるようにしてもよい。また、上記第2~第5実施形態において、上記第1実施形態のように、ガードリング124上に凹凸構造150が形成されるようにしてもよい。そして、保護膜140には、上記第1~第3実施形態の凹部140aの少なくとも1つと、上記第4、第5実施形態の凸部140bの少なくとも1つが備えられるようにしてもよい。つまり、保護膜140に形成される凹凸構造150は、複数の異なる凹部140aや凸部140bを含んで構成されていてもよい。そして、上記第6~上記9実施形態の凹凸構造150の形成場所は、上記第1~第5実施形態に対して適宜適用可能である。
【符号の説明】
【0128】
10 半導体チップ
11 セル領域
12 外周領域
20 第1リードフレーム(支持部材)
100a 一面
100b 他面
140 保護膜
141 表面
150 凹凸構造