IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

特許7586081画像処理装置、画像処理方法、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241112BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241112BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241112BHJP
【FI】
H04N23/60 500
G06F3/0484
H04N23/68
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021534552
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2020018810
(87)【国際公開番号】W WO2021014716
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2019136087
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】小曽根 卓義
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋司
(72)【発明者】
【氏名】唯野 隆一
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153778(JP,A)
【文献】特開2006-180471(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002322(WO,A1)
【文献】特開2018-074337(JP,A)
【文献】特開2006-203463(JP,A)
【文献】特開2011-097512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G06F 3/04847
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理を行う揺れ変更部と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理部と、
前記ユーザインタフェース処理部が取得した操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え
前記ユーザインタフェース処理部は、1又は複数の揺れの周波数帯について揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記周波数帯の揺れ量の操作情報に基づいて、前記周波数帯の揺れ量を調整するパラメータを設定する
画像処理装置。
【請求項2】
前記ユーザインタフェース処理部は、前記周波数帯として、少なくとも低周波数帯域と高周波数帯域の揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記低周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータと、前記高周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータを設定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェース処理部は、1又は複数の揺れ方向成分について揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記揺れ方向成分の揺れ量の操作情報に基づいて、揺れ方向成分の揺れ量を調整するパラメータを設定する
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記揺れ方向成分は、ヨー方向揺れ成分、ロール方向揺れ成分、ピッチ方向揺れ成分の少なくともいずれかを含む
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理を行う揺れ変更部と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理部と、
前記ユーザインタフェース処理部が取得した操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え、
前記ユーザインタフェース処理部は、揺れ波形のプリセットデータの選択操作を可能とし、
前記パラメータ設定部は、プリセットデータの選択操作に応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定す
像処理装置。
【請求項6】
前記ユーザインタフェース処理部は、画像の時間軸方向に揺れ成分を示すタイムラインの提示を実行させる
請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ユーザインタフェース処理部は、
ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とする
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記ユーザインタフェース処理部は、
ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とするとともに、
前記タイムライン上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして画像を再生させる処理を行う
請求項6又は請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記ユーザインタフェース処理部は、
前記タイムライン上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして決定した画像区間を、繰り返し再生させる処理を行う
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理を行う揺れ変更部と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理部と、
前記ユーザインタフェース処理部が取得した操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え、
前記ユーザインタフェース処理部は、
揺れ波形のプリセットデータの選択操作を可能とし、
画像の時間軸方向に揺れ成分を示すタイムラインの提示を実行させ、
前記タイムラインに対して、選択されたプリセットデータをアサインする処理を行い、
前記パラメータ設定部は、
前記タイムラインにアサインされたプリセットデータに応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定する
像処理装置。
【請求項11】
前記ユーザインタフェース処理部は、
前記タイムラインに対するプリセットデータのアサインに応じて変化する揺れの状況を提示する処理を行う
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記ユーザインタフェース処理部は、ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とするとともに、
前記キーフレームを基準に設定した区間に揺れ変更の操作が反映されるようにする
請求項6から請求項11のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記ユーザインタフェース処理部は、
揺れ変更操作にかかる画像の揺れの変更前の状態と変更後の状態を提示させる処理を行う
請求項1から請求項12のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記揺れ変更部は、
揺れが生じていない入力画像データ又は揺れ低減処理が施された入力画像データに揺れを付加する揺れ変更処理を行う
請求項1から請求項13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記揺れ変更部は、
揺れ成分を含む入力画像データに対し揺れ変更処理を行う
請求項1から請求項13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記ユーザインタフェース処理部は、
ユーザの揺れ情報の保存の操作に応じて揺れ情報を記憶させる処理を行う
請求項1から請求項15のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項17】
画像処理装置が、
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、
前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理と、
を行い、
前記ユーザインタフェース処理では、1又は複数の揺れの周波数帯について揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定処理では、前記周波数帯の揺れ量の操作情報に基づいて、前記周波数帯の揺れ量を調整するパラメータを設定する
画像処理方法。
【請求項18】
画像処理装置が、
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、
前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理と、
を行い、
前記ユーザインタフェース処理では、揺れ波形のプリセットデータの選択操作を可能とし、
前記パラメータ設定処理では、プリセットデータの選択操作に応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定する
画像処理方法。
【請求項19】
情報処理装置に、
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、
前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理と、
を実行させ、
前記ユーザインタフェース処理では、1又は複数の揺れの周波数帯について揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定処理では、前記周波数帯の揺れ量の操作情報に基づいて、前記周波数帯の揺れ量を調整するパラメータを設定させる
プログラム。
【請求項20】
情報処理装置に、
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、
前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理と、
を実行させ、
前記ユーザインタフェース処理では、揺れ波形のプリセットデータの選択操作を可能とさせ、
前記パラメータ設定処理では、プリセットデータの選択操作に応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は画像処理装置、画像処理方法、プログラムに関し、特に画像の揺れについての画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置で撮像した動画について各種の補正などの画像処理を行う技術が知られている。
下記特許文献1では撮影画像に係る画像データに対して防振処理を実行するとともに、防振処理後の画像データを対象として防振処理の影響を除去することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-216510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで昨今、ユーザはスマートフォンやタブレットなどの携帯端末、或いはカメラ自体やパーソナルコンピュータなどを用いて画像撮像や画像調整等を手軽に行うことができ、また動画投稿なども盛んである。
このような環境下では、ユーザが撮像した画像をそのまま出力するのではなく、より品質の高い画像や多様な画像を制作することが望まれている。
また放送事業者などにおいても画像の多様な演出が可能とされることが望まれている。
そこで本開示では、動画における揺れに関する調整などを容易に行うことができるようにする技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術に係る画像処理装置は、動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理を行う揺れ変更部と、揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理部と、前記ユーザインタフェース処理部が取得した操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定部と、を備える。
揺れ変更処理は、動画に生じている揺れを低減したり揺れを付加したりするなどして揺れの状態を変化させることである。揺れ変更部は、パラメータ設定部が設定するパラメータに基づいて揺れ変更処理を行う。
【0006】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、揺れ量を調整する操作子を提示させ、前記パラメータ設定部は、前記操作子の操作情報に基づいて揺れ量を調整するパラメータを設定することが考えられる。
即ち画像に表れる揺れの揺れ量を操作により調整可能とする。
【0007】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、1又は複数の揺れ方向成分について揺れ量を調整する操作子を提示させ、前記パラメータ設定部は、前記揺れ方向成分の揺れ量の操作情報に基づいて、揺れ方向成分の揺れ量を調整するパラメータを設定することが考えられる。
画像に表れる揺れには複数の揺れ方向成分が含まれている。そこで1つの揺れ方向成分又は複数の揺れ方向成分毎に揺れ量を調整可能とする。
【0008】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記揺れ方向成分は、ヨー方向揺れ成分、ロール方向揺れ成分、ピッチ方向揺れ成分の少なくともいずれかを含むことが考えられる。
画像に表れる揺れとしてヨー方向、ロール方向、ピッチ方向の揺れ成分がある。これらのうちの少なくとも1つ、或いは2つ、もしくは全ての揺れ量を調整可能とする。
【0009】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、1又は複数の揺れの周波数帯について揺れ量を調整する操作子を提示させ、前記パラメータ設定部は、前記周波数帯の揺れ量の操作情報に基づいて、前記周波数帯の揺れ量を調整するパラメータを設定することが考えられる。
画像に表れる揺れには複数の周波数の振動成分が含まれている。そこで1つの周波数帯又は複数の周波数帯毎に揺れ量を調整可能とする。
【0010】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、前記周波数帯として、少なくとも低周波数帯域と高周波数帯域の揺れ量を調整する操作子を提示させ、前記パラメータ設定部は、前記低周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータと、前記高周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータを設定することが考えられる。
例えば低周波数帯域と高周波数帯域の2バンドで揺れを調整可能とする。或いは低周波数帯域と1又は複数の中間周波数帯域と高周波数帯域の3バンド以上で揺れを調整可能とすることもできる。
【0011】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、揺れ波形のプリセットデータの選択操作を可能とし、前記パラメータ設定部は、プリセットデータの選択操作に応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定することが考えられる。
例えば揺れのパターンを示す揺れ波形のプリセットデータを1又は複数の記憶しておくようにし、ユーザが1つのプリセットデータを適用する操作を可能としたり、複数のプリセットデータの内の1つを選択可能としたりする。
【0012】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、画像の時間軸方向に揺れ成分を示すタイムラインの提示を実行させることが考えられる。
例えば画像の時間軸方向に例えば揺れを表す波形などを示す表示を行う。
【0013】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とすることが考えられる。
タイムライン上で任意の箇所(タイムコード/フレーム)をユーザが指定できるようにする。
【0014】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とするとともに、前記タイムライン上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして画像を再生させる処理を行うことが考えられる。
例えばタイムライン上で任意の箇所(タイムコード/フレーム)をユーザがキーフレームとして指定できるようにするとともに、ユーザがプレビュー(再生)操作を行うことができるようにする。
【0015】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、前記タイムライン上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして決定した画像区間を、繰り返し再生させる処理を行うことが考えられる。
例えばタイムライン上で任意の箇所(タイムコード/フレーム)をユーザがキーフレームとして指定したときに、そのキーフレームを基準に画像区間を決める。そしてその画像区間をリピート再生させる。
【0016】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、前記タイムラインに対して、操作により選択されたプリセットデータをアサインする処理を行うことが考えられる。
例えばユーザがプリセットデータを示す画像をタイムラインにドラッグするような操作により、タイムライン上の或る区間に、そのプリセットデータを当てはめるような操作を可能とする。
【0017】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、前記タイムラインに対するプリセットデータのアサインに応じて変化する揺れの状況を提示する処理を行うことが考えられる。
例えばユーザがタイムライン上の或る区間に、或るプリセットデータを当てはめたら、その区間で揺れが変化することを示すような表示を行う。
【0018】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とするとともに、前記キーフレームを基準に設定した区間に揺れ変更の操作が反映されるようにすることが考えられる。
例えばタイムライン上で任意の箇所(タイムコード/フレーム)をユーザがキーフレームとして指定できるようにするとともに、キーフレームに応じて区間が自動設定されるようにする。各種操作による揺れ変更は、その区間に反映される。
【0019】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、前記タイムライン上で揺れ変更操作にかかる画像の揺れの変更前の状態と変更後の状態を提示させる処理を行うことが考えられる。
例えば揺れの波形を表示するとともに、その揺れの波形を、揺れ変更前と揺れ変更後を同時に表示させたり、切り替え表示させたりする。
【0020】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記揺れ変更部は、揺れが生じていない入力画像データ又は揺れ低減処理が施された入力画像データに揺れを付加する揺れ変更処理を行うことが考えられる。
例えば固定カメラで撮像された元々手ブレ等が生じていない画像や、手ブレ等が撮像装置側で除去された画像を対象として揺れ変更を行う。
【0021】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記揺れ変更部は、揺れ成分を含む入力画像データに対し揺れ変更処理を行うことが考えられる。
例えば手ブレ等が除去されていない画像が入力され、これを対象として揺れ変更を行う。
【0022】
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記ユーザインタフェース処理部は、ユーザの揺れ情報の保存の操作に応じて揺れ情報を記憶させる処理を行うことが考えられる。
即ちユーザ操作に応じて行われた揺れ変更の情報、例えばパラメータ設定を保存できるようにする。
【0023】
本技術に係る画像処理方法は、画像処理装置が、動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理とを行う。
これにより画像に対する揺れ演出や揺れ除去の操作をユーザが実行できるようにする。
本技術に係るプログラムは、このような画像処理方法に相当する処理を情報処理装置に実行させるプログラムである。
これにより本開示の画像処理を各種の情報処理装置で実行可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本技術の実施の形態で用いられる機器の説明図である。
図2】実施の形態の機器間で伝送される情報の説明図である。
図3】実施の形態の撮像装置のブロック図である。
図4】実施の形態の撮像装置における画像の揺れ除去処理の説明図である。
図5】実施の形態の情報処理装置のブロック図である。
図6】実施の形態の画像処理装置としての機能構成の説明図である。
図7】実施の形態の画像処理装置としての入出力態様の説明図である。
図8】実施の形態の画像処理装置としての入出力態様の説明図である。
図9】実施の形態の画像処理装置としての入出力態様の説明図である。
図10】実施の形態の画像処理装置としての入出力態様の説明図である。
図11】実施の形態の画像処理装置としての入出力態様の説明図である。
図12】実施の形態の画像ファイル及びメタデータの内容の説明図である。
図13】レンズ歪み補正に関するメタデータの説明図である。
図14】実施の形態の画像処理の説明図である。
図15】実施の形態の天球モデルへの貼付の説明図である。
図16】実施の形態のIMUデータのサンプルタイミングの説明図である。
図17】実施の形態の周波数帯域別の揺れ情報調整の説明図である。
図18】実施の形態の方向別の揺れ情報調整の説明図である。
図19】実施の形態の周波数帯域別及び方向別の揺れ情報調整の説明図である。
図20】実施の形態の出力画像と天球モデルの対応付けの説明図である。
図21】実施の形態の出力座標平面の回転と透視射影の説明図である。
図22】実施の形態の切り出し領域の説明図である。
図23】実施の形態で伝送されるメタデータの説明図である。
図24】実施の形態の二次的な画像処理の説明図である。
図25】第1の実施の形態のUIの説明図である。
図26】第2の実施の形態のUIの説明図である。
図27】第3の実施の形態のUIの説明図である。
図28】第3の実施の形態の画像処理の説明図である。
図29】第1,第2,第3の実施の形態のUI処理のフローチャートである。
図30】第4の実施の形態のUIの説明図である。
図31】第5の実施の形態のUIの説明図である。
図32】第5の実施の形態のUIの説明図である。
図33】第6の実施の形態のUIの説明図である。
図34】第4,第5,第6の実施の形態のUI処理のフローチャートである。
図35】第4,第5,第6の実施の形態のUI処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.画像処理装置として適用できる機器の構成>
<2.装置構成及び処理機能>
<3.画像ファイル及びメタデータ>
<4.実施の形態の画像処理>
<5.揺れ変更のユーザインタフェース>
[5-1:第1の実施の形態のUI動作]
[5-2:第2の実施の形態のUI動作]
[5-3:第3の実施の形態のUI動作]
[5-4:第1,第2,第3の実施の形態のUI処理]
[5-5:第4の実施の形態のUI動作]
[5-6:第5の実施の形態のUI動作]
[5-7:第6の実施の形態のUI動作]
[5-8:第4,第5,第6の実施の形態のUI処理]
<6.まとめ及び変形例>
【0026】
なお実施の形態の説明に先だって、説明で用いる一部の用語について説明しておく。
「揺れ」とは動画を構成する画像のフレーム間の揺れ(interframe shake)を指す。いわゆる撮像装置で撮像された画像における手ぶれ(camera shake)等に起因する揺れや、画像処理により意図的に付加した揺れなど、フレーム間で生じる振動成分(フレーム間での画像の揺らぎ)を広く指すものとする。
【0027】
「揺れ変更(interframe shake modification)」は、画像に生じている揺れの低減や、画像に揺れを付加することなど、画像における揺れの状態を変化させることをいう。
この「揺れ変更」には次の「揺れ除去(interframe shake reduction)」「揺れ演出(interframe shake production)」が含まれるものとする。
【0028】
「揺れ除去」は、手ぶれなどにより画像に生じている揺れを無くすこと(揺れの全部除去)、もしくは低減すること(揺れの一部除去)をいう。例えば撮像時の揺れ情報に基づいて揺れを低減させるように調整することをいう。撮像装置において行われるいわゆる手ぶれ補正は、揺れ除去を行っていることになる。
【0029】
「揺れ演出」は、画像に揺れを加える場合や、揺れを低減させる場合があり、その意味で結果として「揺れ除去」と同様となることもあるが、本実施の形態ではユーザの操作又は自動制御により揺れの変化量が指示され、該指示に応じて画像の揺れ状態を変化させることをいう。例えば撮像時の揺れ情報をユーザ指示等により変化させ、その変化させた揺れ情報に基づいて揺れ変更処理をすることで、揺れを低減又は増加させたり、ユーザ指示等により生成した揺れを付加する情報に基づいて揺れ変更することで、揺れを低減又は増加させたりすることが「揺れ演出」に該当する。
揺れを抑圧する方向に調整する場合においても、例えば意図的に揺れ具合を調整することは「揺れ演出」に該当すると考えることもできる。
なお、揺れ演出の目的の一例としては、動画のシーンに迫力を与えるため、わざと画像を揺らすことなどが想定される。
【0030】
「撮像時揺れ情報」とは、撮像装置で撮像された際の揺れに関する情報であり、撮像装置の動きの検出情報や、該検出情報から算出できる情報や、撮像装置の姿勢を表す姿勢情報や、撮像装置の動きとしてのシフトや回転の情報などが該当する。
実施の形態では、「撮像時揺れ情報」の具体例として、クオータニオン(QD)、IMUデータ、シフト・回転情報(SFRO)などを挙げる。もちろんこれらに限定されない。
【0031】
「調整後揺れ情報」とは、撮像時揺れ情報を調整して生成した揺れ情報であり、揺れ変更処理に用いられる情報である。例えばユーザ操作や自動制御に応じて調整される揺れ情報である。
実施の形態では、「調整後揺れ情報」の具体例として、調整後クオータニオン(eQD)や調整後IMUデータ(eIMU)を挙げるが、もちろんこれらに限定されない。
【0032】
「揺れ変更情報」(説明及び図面では符号「SMI」を付す)は、画像データの揺れ変更処理の情報であり、揺れ変更処理の処理量を特定できる情報であればよい。
実施の形態では、「揺れ変更情報」の具体例として、揺れ変更パラメータ(PRM)や調整後クオータニオン(eQD)を挙げるが、もちろんこれらに限定されない。
【0033】
<1.画像処理装置として適用できる機器の構成>
以下の実施の形態では、主にスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により本開示に係る画像処理装置が実現される例で説明していくが、画像処理装置は、各種の機器において実現できる。まずは本開示の技術を適用できる機器について説明しておく。
【0034】
図1Aは画像ソースVSと、画像ソースVSから画像ファイルMFを取得する画像処理装置(TDx,TDy)としての例を示している。
なお、画像処理装置TDxは、画像ソースVSから取得された画像データに対して一次的に揺れ変更処理を行う機器とする。
一方、画像処理装置TDyは、他の画像処理装置で既に揺れ変更処理が行われた画像データについて二次的に揺れ変更処理を行う機器とする。
【0035】
画像ソースVSとしては撮像装置1、サーバ4、記録媒体5などが想定される。
画像処理装置TDx、TDyとしてはスマートフォンなどの携帯端末2やパーソナルコンピュータ3などが想定される。他にも図示していないが、画像編集専用装置、クラウドサーバ、テレビジョン装置、ビデオ記録再生装置など各種の機器が画像処理装置TDx、TDyとして想定される。これらの機器は、画像処理装置TDx、TDyのいずれとしても機能できる。
【0036】
画像ソースVSとしての撮像装置1は動画撮像を行うことのできるデジタルカメラ等であり、動画撮像によって得られた画像ファイルMFを有線通信や無線通信を介して携帯端末2やパーソナルコンピュータ3などに転送する。
サーバ4はローカルサーバ、ネットワークサーバ、クラウドサーバなどのいずれであっても良いが、撮像装置1で撮像された画像ファイルMFを提供できる装置を指す。このサーバ4がなんらかの伝送路を介して画像ファイルMFを携帯端末2やパーソナルコンピュータ3などに転送することが考えられる。
【0037】
記録媒体5はメモリカード等の固体メモリ、光ディスク等のディスク状記録媒体、磁気テープ等のテープ状記録媒体などのいずれでもよいが、撮像装置1で撮像された画像ファイルMFが記録されたリムーバブル記録媒体を指している。この記録媒体5から読み出された画像ファイルMFが携帯端末2やパーソナルコンピュータ3などに読み取られることが考えられる。
【0038】
画像処理装置TDx、TDyとしての携帯端末2やパーソナルコンピュータ3等は、以上の画像ソースVSから取得した画像ファイルMFに対する画像処理が可能とされている。ここでいう画像処理とは、揺れ変更処理(揺れ演出や揺れ除去)を含む。
揺れ変更処理は、例えば、動画を構成する画像データのフレーム毎に、天球モデルへの貼付処理が行われた後に、当該フレームに対応する姿勢情報を用いて回転することにより行う。
【0039】
なお、或る携帯端末2やパーソナルコンピュータ3が、画像処理装置TDx,TDyとして機能する他の携帯端末2やパーソナルコンピュータ3に対する画像ソースVSとなることもある。
【0040】
図1Bは、画像ソースVSと画像処理装置TDxの両方として機能できる1つの機器としての撮像装置1や携帯端末2を示している。
例えば撮像装置1の内部のマイクロコンピュータ等が揺れ変更処理を行う。
つまり撮像装置1は撮像によって生成した画像ファイルMFに対して揺れ変更処理を行うことで、揺れ除去や揺れ演出を施した画像処理結果としての画像出力を行うことができるものとする。
【0041】
携帯端末2も同様であり、撮像機能を備えることで画像ソースVSとなり得るため、撮像によって生成した画像ファイルMFについて上記の揺れ変更処理を行うことで、揺れ除去や揺れ演出を施した画像処理結果としての画像出力を行うことができる。
もちろん撮像装置1や携帯端末2に限らず、画像ソース兼画像処理装置となりうる機器は他にも各種考えられる。
【0042】
以上のように実施の形態の画像処理装置TDx、TDyとして機能する装置及び画像ソースVSは多様であるが、以下では、撮像装置1等の画像ソースVS、携帯端末2等の画像処理装置TDx、及び他の画像処理装置TDyが、それぞれ別体の機器であるとして説明していく。
【0043】
図2は画像ソースVS、画像処理装置TDx、の画像処理装置TDyにおける情報伝送の様子を示している。
画像ソースVSから画像処理装置TDxに対しては、画像データVD1とメタデータMTD1が、有線通信、無線通信、或いは記録媒体を介して伝送される。
後述するが画像データVD1とメタデータMTD1は、例えば画像ファイルMFとして伝送される情報である。
メタデータMTD1には、例えば手ぶれ補正などとして行われた撮像時の揺れ除去の情報として、座標変換パラメータHPが含まれる場合がある。
【0044】
画像処理装置TDxは、画像データVD1とメタデータMTD1、さらには座標変換パラメータHPを受けて各種の処理を行うことができる。
例えば画像処理装置TDxは、メタデータMTD1に含まれる撮像時揺れ情報を用いて画像データVD1に対する揺れ変更処理を行うことができる。
また例えば画像処理装置TDxは、メタデータMTD1に含まれる座標変換パラメータHPを用いて撮像時に画像データVD1に施された揺れ除去をキャンセルすることができる。
【0045】
画像処理装置TDxは、揺れ変更処理を行った場合、画像データと、撮像時揺れ情報と、揺れ変更処理の処理量が特定できる揺れ変更情報SMIとを関連付ける処理を行う。
そして関連付けられた画像データと、撮像時揺れ情報と、揺れ変更情報SMIとは、画像処理装置TDyに対して一括して、或いは別々に、有線通信、無線通信、或いは記録媒体を介して伝送されるようにすることができる。
ここで、「関連付ける」という用語は、例えば、一方の情報(データ、コマンド、プログラム等)を処理する際に他方の情報を利用し得る(リンクさせ得る)ようにすることを意味する。つまり、互いに関連付けられた情報は、1つのファイル等としてまとめられてもよいし、それぞれ個別の情報としてもよい。例えば、情報Aに関連付けられた情報Bは、その情報Aとは別の伝送路上で伝送されるようにしてもよい。また、例えば、情報Aに関連付けられた情報Bは、その情報Aとは別の記録媒体(または同一の記録媒体の別の記録エリア)に記録されるようにしてもよい。なお、この「関連付け」は、情報全体でなく、情報の一部であってもよい。例えば、画像とその画像に対応する情報とが、複数フレーム、1フレーム、またはフレーム内の一部分などの任意の単位で互いに関連付けられるようにしてもよい。
より具体的には、例えば、複数の情報に同一のID(識別情報)を付与すること、複数の情報を同一の記録媒体に記録すること、複数の情報を同一のフォルダに格納すること、複数の情報を同一のファイルに格納すること(一方を他方にメタデータとして付与すること)、複数の情報を同一のストリームに埋め込むこと、例えば電子透かしのように画像にメタを埋め込むこと等の行為が、「関連付ける」に含まれる。
【0046】
図2では画像データVD2として画像処理装置TDxから画像処理装置TDyに伝送される画像データを示している。画像データVD2は、撮像装置1での揺れ除去がキャンセルされた画像であったり、画像処理装置TDxで揺れ除去が施された画像であったり、画像処理装置TDxで揺れ変更処理が行われる前の画像であったりするなど、各種の例が考えられる。
また図2では画像処理装置TDxから画像処理装置TDyに伝送されるメタデータMTD2を示している。メタデータMTD2はメタデータMTD1と同じ情報であったり、一部異なる情報であったりする。但しメタデータMTD2には撮像時揺れ情報が含まれる。
従って画像処理装置TDyは、少なくとも画像データVD2と、メタデータMTD2に含まれる撮像時揺れ情報と、揺れ変更情報SMIが関連付けられた状態で取得できる。
なお、揺れ変更情報SMIもメタデータMTD2に含まれるようにするデータ形態も考えられる。
【0047】
本実施の形態では、このような情報伝送を想定したうえで、画像処理装置TDx、TDyで実行できる画像処理について説明していく。
【0048】
<2.装置構成及び処理機能>
まず画像ソースVSとなる撮像装置1の構成例を図3で説明する。
なお図1Bで説明したように携帯端末2で撮像した画像ファイルMFについてその携帯端末2で画像処理をすることを想定する場合、撮像機能に関し以下の撮像装置1と同等の構成を携帯端末2が備えればよいことになる。
【0049】
また撮像装置1では、いわゆる手ぶれ補正といわれる、撮像時の撮像装置の動きによる画像の揺れを低減する処理が行われるが、これは撮像装置で行われる「揺れ除去」である。 これに対し、画像処理装置TDx、TDyで行われる「揺れ演出」や「揺れ除去」は、撮像装置1で撮像時に行われる「揺れ除去」とは独立した別個の処理となる。
【0050】
図3に示すように撮像装置1は、例えばレンズ系11、撮像素子部12、カメラ信号処理部13、記録制御部14、表示部15、出力部16、操作部17、カメラ制御部18、メモリ部19、ドライバ部22、センサ部23を有する。
【0051】
レンズ系11は、カバーレンズ、ズームレンズ、フォーカスレンズ等のレンズや絞り機構などを備える。このレンズ系11により、被写体からの光(入射光)が導かれ撮像素子部12に集光される。
なお、図示していないがレンズ系11には手ぶれ等による画像の揺れ(interframe shake)及びブラー(blur)を補正する光学手ぶれ補正機構(optical image stabilization mechanism)が設けられている場合がある。
【0052】
撮像素子部12は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型やCCD(Charge Coupled Device)型などのイメージセンサ12a(撮像素子)を有して構成される。
この撮像素子部12では、イメージセンサ12aで受光した光を光電変換して得た電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理などを実行し、さらにA/D(Analog/Digital)変換処理を行う。そしてデジタルデータとしての撮像信号を、後段のカメラ信号処理部13やカメラ制御部18に出力する。
なお、図示していない光学手ぶれ補正機構としては、レンズ系11側ではなく、イメージセンサ12a側を移動させることで画像の揺れを補正する機構とされている場合やジンバルを用いた空間光学手ぶれ補正機構(balanced optical image stabilization mechanism)の場合等もあり、どのような方式であっても構わない。
光学手ぶれ補正機構では、揺れ(interframe shake)に加えて後述するがフレーム内のブラーも合わせて補正される。
【0053】
カメラ信号処理部13は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等により画像処理プロセッサとして構成される。このカメラ信号処理部13は、撮像素子部12からのデジタル信号(撮像画像信号)に対して、各種の信号処理を施す。例えばカメラプロセスとしてカメラ信号処理部13は、前処理、同時化処理、YC生成処理、解像度変換処理、コーデック処理等を行う。
またカメラ信号処理部13は各種補正処理も行う。但し手ぶれ補正については、撮像装置1内で行う場合もあれば、行わない場合も想定される。
【0054】
前処理では、撮像素子部12からの撮像画像信号に対して、R,G,Bの黒レベルを所定のレベルにクランプするクランプ処理や、R,G,Bの色チャンネル間の補正処理等を行う。
同時化処理では、各画素についての画像データが、R,G,B全ての色成分を有するようにする色分離処理を施す。例えば、ベイヤー配列のカラーフィルタを用いた撮像素子の場合は、色分離処理としてデモザイク処理が行われる。
YC生成処理では、R,G,Bの画像データから、輝度(Y)信号および色(C)信号を生成(分離)する。
解像度変換処理では、各種の信号処理が施された画像データに対して、解像度変換処理を実行する。
【0055】
カメラ信号処理部13で行われる各種補正処理(撮像装置1の内部補正)については図4に例を挙げる。図4ではレンズ系11で行われる光学手ぶれ補正とともに、カメラ信号処理部13で行われる補正処理を、その実行順序により例示している。
【0056】
処理F1としての光学手ぶれ補正では、レンズ系11のヨー方向、ピッチ方向のシフトによるレンズ内手ぶれ補正や、イメージセンサ12aのヨー方向、ピッチ方向のシフトによるボディ内手ぶれ補正が行われることで、手ぶれの影響を物理的にキャンセルした状態で被写体の像がイメージセンサ12aに結像するようにされる。
このレンズ内手ぶれ補正と、ボディ内手ぶれ補正は一方のみの場合もあり、双方を用いる場合もある。レンズ内手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正の双方を用いる場合はボディ内手ぶれ補正ではヨー方向、ピッチ方向のシフトは行わないことが考えられる。
またレンズ内手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正の双方とも採用されず、手ぶれに対しては電子手ぶれ補正(electrical image stabilization)のみ、または、光学手ぶれ補正のみが行われる場合もある。
【0057】
カメラ信号処理部13では処理F2から処理F7までの処理が各画素に対する空間座標変換により行われる。
処理F2ではレンズ歪み補正が行われる。
処理F3では電子手ぶれ補正の1つの要素としてのフォーカルプレーン歪み補正が行われる。なお、これは例えばCMOS型のイメージセンサ12aによりローリングシャッター方式の読み出しが行われる場合の歪みを補正するものとなる。
【0058】
処理F4ではロール補正が行われる。即ち電子手ぶれ補正の1つの要素としてのロール成分の補正が行われる。
処理F5では電子手ぶれ補正によって生じる台形歪み分に対する台形歪み補正が行われる。電子手ぶれ補正によって生じる台形歪み分とは、画像の中央から離れた場所を切り出すことにより生じるパース歪みである。
処理F6では、電子手ぶれ補正の1つの要素としてのピッチ方向、ヨー方向のシフトや切り出しが行われる。
例えば以上の手順で手ぶれ補正、レンズ歪み補正、台形歪み補正が行われることになる。
なお、ここで挙げた処理の全てを実施することは必須ではなく処理の順番も適宜入れ替えても構わない。
【0059】
図3のカメラ信号処理部13におけるコーデック処理では、以上の各種処理が施された画像データについて、例えば記録用や通信用の符号化処理、ファイル生成を行う。例えばMPEG-4準拠の動画・音声の記録に用いられているMP4フォーマットなどとしての画像ファイルMFの生成を行う。また静止画ファイルとしてJPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、GIF(Graphics Interchange Format)等の形式のファイル生成を行うことも考えられる。
なおカメラ信号処理部13はカメラ制御部18からの情報等を用いて、画像ファイルMFに付加するメタデータの生成も行う。
【0060】
また図3では音声処理系については図示を省略しているが、実際には音声収録系、音声処理系を有し、画像ファイルMFには動画としての画像データとともに音声データも含まれるようにしてもよい。
【0061】
記録制御部14は、例えば不揮発性メモリによる記録媒体に対して記録再生を行う。記録制御部14は例えば記録媒体に対し動画データや静止画データ等の画像ファイルMFやサムネイル画像等を記録する処理を行う。
記録制御部14の実際の形態は多様に考えられる。例えば記録制御部14は、撮像装置1に内蔵されるフラッシュメモリとその書込/読出回路として構成されてもよいし、撮像装置1に着脱できる記録媒体、例えばメモリカード(可搬型のフラッシュメモリ等)に対して記録再生アクセスを行うカード記録再生部による形態でもよい。また撮像装置1に内蔵されている形態としてHDD(Hard Disk Drive)などとして実現されることもある。
【0062】
表示部15は撮像者に対して各種表示を行う表示部であり、例えば撮像装置1の筐体に配置される液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイデバイスによる表示パネルやビューファインダーとされる。
表示部15は、カメラ制御部18の指示に基づいて表示画面上に各種表示を実行させる。
例えば表示部15は、記録制御部14において記録媒体から読み出された画像データの再生画像を表示させる。
また表示部15にはカメラ信号処理部13で表示用に解像度変換された撮像画像の画像データが供給され、表示部15はカメラ制御部18の指示に応じて、当該撮像画像の画像データに基づいて表示を行う場合がある。これにより構図確認中の撮像画像である、いわゆるスルー画(被写体のモニタリング画像)が表示される。
また表示部15はカメラ制御部18の指示に基づいて、各種操作メニュー、アイコン、メッセージ等、即ちGUI(Graphical User Interface)としての表示を画面上に実行させる。
【0063】
出力部16は、外部機器との間のデータ通信やネットワーク通信を有線又は無線で行う。
例えば外部の表示装置、記録装置、再生装置等に対して撮像画像データ(静止画ファイルや動画ファイル)の送信出力を行う。
また出力部16はネットワーク通信部であるとして、例えばインターネット、ホームネットワーク、LAN(Local Area Network)等の各種のネットワークによる通信を行い、ネットワーク上のサーバ、端末等との間で各種データ送受信を行うようにしてもよい。
【0064】
操作部17は、ユーザが各種操作入力を行うための入力デバイスを総括して示している。具体的には操作部17は撮像装置1の筐体に設けられた各種の操作子(キー、ダイヤル、タッチパネル、タッチパッド等)を示している。
操作部17によりユーザの操作が検知され、入力された操作に応じた信号はカメラ制御部18へ送られる。
【0065】
カメラ制御部18はCPU(Central Processing Unit)を備えたマイクロコンピュータ(演算処理装置)により構成される。
メモリ部19は、カメラ制御部18が処理に用いる情報等を記憶する。図示するメモリ部19としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなど包括的に示している。
メモリ部19はカメラ制御部18としてのマイクロコンピュータチップに内蔵されるメモリ領域であってもよいし、別体のメモリチップにより構成されてもよい。
カメラ制御部18はメモリ部19のROMやフラッシュメモリ等に記憶されたプログラムを実行することで、この撮像装置1の全体を制御する。
例えばカメラ制御部18は、撮像素子部12のシャッタースピードの制御、カメラ信号処理部13における各種信号処理の指示、ユーザの操作に応じた撮像動作や記録動作、記録した画像ファイルの再生動作、レンズ鏡筒におけるズーム、フォーカス、絞り調整等のレンズ系11の動作、ユーザインタフェース動作等について、必要各部の動作を制御する。
【0066】
メモリ部19におけるRAMは、カメラ制御部18のCPUの各種データ処理の際の作業領域として、データやプログラム等の一時的な格納に用いられる。
メモリ部19におけるROMやフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)は、CPUが各部を制御するためのOS(Operating System)や、画像ファイル等のコンテンツファイルの他、各種動作のためのアプリケーションプログラムや、ファームウエア等の記憶に用いられる。
【0067】
ドライバ部22には、例えばズームレンズ駆動モータに対するモータドライバ、フォーカスレンズ駆動モータに対するモータドライバ、絞り機構のモータに対するモータドライバ等が設けられている。
これらのモータドライバはカメラ制御部18からの指示に応じて駆動電流を対応するドライバに印加し、フォーカスレンズやズームレンズの移動、絞り機構の絞り羽根の開閉等を実行させることになる。
【0068】
センサ部23は、撮像装置に搭載される各種のセンサを包括的に示している。
センサ部23としては例えばIMU( inertial measurement unit:慣性計測装置)が搭載されており、例えばピッチ-、ヨー、ロールの3軸の角速度(ジャイロ)センサで角速度を検出し、加速度センサで加速度を検出することができる。
なお、センサ部23は、撮像時の手ぶれを検出することができるセンサを含んでいればよく、ジャイロセンサと加速度センサの双方を備えている必要は無い。
またセンサ部23としては、位置情報センサ、照度センサ等が搭載されていても良い。
【0069】
例えば以上の撮像装置1によって撮像され生成された動画としての画像ファイルMFは、携帯端末2等の画像処理装置TDx、TDyに転送されて画像処理を施されることが可能とされる。
画像処理装置TDx、TDyとなる携帯端末2、パーソナルコンピュータ3は、例えば図5に示す構成を備えた情報処理装置として実現できる。なおサーバ4についても、同様に図5の構成の情報処理装置により実現できる。
【0070】
図5において、情報処理装置70のCPU71は、ROM72に記憶されているプログラム、または記憶部79からRAM73にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM73にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU71、ROM72、およびRAM73は、バス74を介して相互に接続されている。このバス74にはまた、入出力インタフェース75も接続されている。
【0071】
入出力インタフェース75には、操作子や操作デバイスよりなる入力部76が接続される。
例えば入力部76としては、キーボード、マウス、キー、ダイヤル、タッチパネル、タッチパッド、リモートコントローラ等の各種の操作子や操作デバイスが想定される。
入力部76によりユーザの操作が検知され、入力された操作に応じた信号はCPU71によって解釈される。
【0072】
また入出力インタフェース75には、LCD或いは有機ELパネルなどよりなる表示部77や、スピーカなどよりなる音声出力部78が一体又は別体として接続される。
表示部77は各種表示を行う表示部であり、例えば情報処理装置70の筐体に設けられるディスプレイデバイスや、情報処理装置70に接続される別体のディスプレイデバイス等により構成される。
表示部77は、CPU71の指示に基づいて表示画面上に各種の画像処理のための画像や処理対象の動画等の表示を実行する。また表示部77はCPU71の指示に基づいて、各種操作メニュー、アイコン、メッセージ等、即ちGUI(Graphical User Interface)としての表示を行う。
【0073】
入出力インタフェース75には、ハードディスクや固体メモリなどより構成される記憶部79や、モデムなどより構成される通信部80が接続される場合もある。
通信部80は、インターネット等の伝送路を介しての通信処理を行ったり、各種機器との有線/無線通信、バス通信などによる通信を行う。
【0074】
入出力インタフェース75にはまた、必要に応じてドライブ82が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体81が適宜装着される。
ドライブ82により、リムーバブル記録媒体81からは画像ファイルMF等のデータファイルや、各種のコンピュータプログラムなどを読み出すことができる。読み出されたデータファイルは記憶部79に記憶されたり、データファイルに含まれる画像や音声が表示部77や音声出力部78で出力されたりする。またリムーバブル記録媒体81から読み出されたコンピュータプログラム等は必要に応じて記憶部79にインストールされる。
【0075】
この情報処理装置70では、例えば本開示の画像処理装置としての画像処理のためのソフトウエアを、通信部80によるネットワーク通信やリムーバブル記録媒体81を介してインストールすることができる。或いは当該ソフトウエアは予めROM72や記憶部79等に記憶されていてもよい。
【0076】
例えばこのようなソフトウエア(アプリケーションプログラム)によって、図6のような機能構成が情報処理装置70のCPU71において構築される。
図6は画像処理装置TDx、TDyとして機能する情報処理装置70として設けられる機能を示している。即ち情報処理装置70(CPU71)は、揺れ変更部101、パラメータ設定部102、ユーザインタフェース処理部103としての機能を備える。
なお、「ユーザインタフェース」は「UI」とも表記し、ユーザインタフェース処理部103は、以下「UI処理部103」とも表記する。
【0077】
揺れ変更部101は、ユーザが入力したパラメータや調整後揺れ情報を用いて、画像データの揺れの状態を変更する揺れ変更処理を行う機能である。
この揺れ変更部101は、揺れ除去や揺れ演出としての処理を行って、揺れ除去済又は揺れ演出済みの画像データとしての出力画像を得る。
【0078】
UI処理部103は、揺れ変更に関する操作子をユーザに対して提示させるとともに操作子による操作情報を取得する処理を行う機能である。
例えばUI処理部103は表示部77にUI画像として、操作子や画像に関する情報を示す画像を表示させる処理を行う。またUI処理部103は入力部76によるユーザの操作を検出する。例えばUI画像に対するタッチ操作などを検出する。
【0079】
パラメータ設定部102は、UI処理部103が取得した操作情報に基づいて、揺れ変更処理のためのパラメータ(揺れ変更パラメータPRM)を設定する機能である。つまりUI処理部103が検出したユーザ操作内容を揺れ変更パラメータPRMに変換し、それを揺れ変更部101に供給することで、画像データに対してユーザの操作に応じた揺れ変更処理が行われるようにする。
【0080】
ここで、このような機能を有する画像処理装置TDx、TDyについての入出力の態様は例えば次のパターン1からパターン5の例のように多様に考えられる。
【0081】
パターン1は、図7に示すように、元々手ブレ等の揺れが生じていない画像データPD(NS)が揺れ変更部101に入力される態様である。画像データPD(NS)としては、例えば固定された監視カメラ等で撮像された画像データ、三脚等を用いて撮像された画像データなどが考えられる。
この場合、揺れ変更部101では、UI処理部103の操作に応じて設定される揺れ変更パラメータPRMに基づいて、画像に揺れを付加する揺れ演出が行われ、揺れが付加された出力画像データoPDが得られることが想定される。
【0082】
パターン2は、図8に示すように、手ブレ等の揺れが補正された画像データPDが揺れ変更部101に入力される態様である。例えば手ブレ補正機能を備えた撮像装置1で撮像された画像データPDが入力される。
この場合、揺れ変更部101では、UI処理部103の操作に応じて設定される揺れ変更パラメータPRMに基づいて、画像に揺れを付加する揺れ演出が行われ、揺れが付加された出力画像データoPDが得られることが想定される。
【0083】
パターン3は、図9に示すように、手ブレ等の揺れが補正された画像データPDが揺れ変更部101に入力される態様である。パターン2と同様に、例えば手ブレ補正機能を備えた撮像装置1で撮像された画像データPDが入力されることが想定される。
画像処理装置TDx、TDyとなる情報処理装置70(CPU71)には、さらに補正キャンセル部104としての機能が設けられる。
補正キャンセル部104は、すでに画像データPDに施されている手ブレ補正をキャンセルする処理を行う。画像データPDは、揺れを除去する補正がキャンセルされ、元の(補正前の)揺れが生じている状態の画像データiPDとされる。
【0084】
このような画像データiPDに対して揺れ変更部101では、UI処理部103の操作に応じて設定される揺れ変更パラメータPRMに基づいて、画像の揺れを調整するような揺れ変更処理を行い、揺れの状態が変更された出力画像データoPDを得ることが想定される。
【0085】
この場合の揺れ変更としては、揺れ除去や揺れ演出が想定される。
揺れ変更部101での揺れ除去としては、元々撮像装置1側で行われていた揺れ補正をキャンセルした後において、より高度な処理で揺れ補正を再度行うということが考えられる。つまり撮像装置1における手ブレ補正よりも高性能な揺れ除去を行って、より揺れを無くした状態の画像とする処理である。
揺れ変更部101での揺れ演出としては、元々撮像装置1側で行われていた揺れ補正をキャンセルした後の揺れがある画像に対して、ユーザの意図に従って揺れの状態を異なる状態に変化させたり、調整したりすることが想定される。ここでいう調整とは、例えば元々あった揺れを若干控えめにする揺れの一部除去や、或いは元々あった揺れをより大げさな揺れする揺れ演出の処理などが考えられる。
【0086】
パターン4は、図10に示すように、手ブレ等の揺れが残っている画像データPD(S)が揺れ変更部101に入力される態様である。例えば手ブレ補正機能を備えない撮像装置1で撮像された画像データPD(S)や、手ブレ補正機能をオフにして撮像された画像データPD(S)が入力される。
【0087】
このような画像データiPDに対して揺れ変更部101では、揺れ除去部101a、揺れ付加部101bとしての機能の処理を行う。
揺れ除去部101a、揺れ付加部101bは、いずれも揺れ変更処理を行う機能であるが、特に揺れ除去部101aは、入力される画像データPD(S)に生じている揺れを除去する処理を行う機能である。
例えば揺れ除去部101aは、撮像装置1側から取得した撮像時揺れ情報を用いて揺れを除去する処理を行う。また画像処理装置TDyを想定すれば、揺れ除去部101aは、揺れを付加した画像処理装置TDxからの揺れ変更情報などを用いて、その時点で付加されている揺れを除去する処理を行う。
揺れ付加部101bは、ユーザ操作に応じた揺れの付加を行う機能としている。
【0088】
入力される画像データPD(S)に対して揺れ変更部101では、まず揺れ除去部101aにより撮像時、或いは前回までの画像処理時に生じた揺れを除去する処理を行う。そして揺れが除去された状態で、揺れ付加部101bにより、UI処理部103の操作に応じて設定される揺れ変更パラメータPRMに基づいて、画像に揺れを付加する揺れ演出が行われる。従って、入力される画像データPD(S)とは異なる揺れが付加された出力画像データoPDが得られることが想定される。
【0089】
パターン5は、図11に示すように、手ブレ等の揺れが残っている画像データPD(S)が揺れ変更部101に入力される態様である。パターン4と同様に、例えば手ブレ補正機能を備えない撮像装置1で撮像された画像データPD(S)や、手ブレ補正機能をオフにして撮像された画像データPD(S)が入力される。
このような画像データiPDに対して揺れ変更部101では、UI処理部103の操作に応じて設定される揺れ変更パラメータPRMに基づいて、画像の揺れを調整するような揺れ変更処理を行い、揺れが調整された出力画像データoPDを得ることが想定される。
ここでいう調整とは、例えば元々あった揺れを若干控えめにする揺れの一部除去や、或いは元々あった揺れをより大げさな揺れする揺れ演出の処理などが考えられる。
【0090】
<3.画像ファイル及びメタデータ>
撮像装置1等の画像ソースVSから画像処理装置TDxに伝送される画像ファイルMFの内容とメタデータの内容を説明する。
図12Aは画像ファイルMFに含まれるデータを示している。図示のように画像ファイルMFには「ヘッダー」「サウンド」「ムービー」「メタデータ」としての各種のデータが含まれる。
【0091】
「ヘッダー」には、ファイル名、ファイルサイズ等の情報とともにメタデータの有無を示す情報などが記述される。
「サウンド」は動画とともに収録された音声データである。例えば2チャネルステレオ音声データが格納される。
「ムービー」は動画データであり、動画を構成する各フレーム(#1、#2、#3・・・)としての画像データで構成される。
「メタデータ」としては、動画を構成する各フレーム(#1、#2、#3・・・)に対応づけられた付加情報が記述される。
【0092】
メタデータの内容例を図12Bに示す。例えば1つのフレームに対して、IMUデータ、座標変換パラメータHP、タイミング情報TM、カメラパラメータCPが記述される。なお、これらはメタデータ内容の一部であり、ここでは後述する画像処理に関連する情報のみを示しているものである。
【0093】
IMUデータとしては、ジャイロ(角速度データ)、アクセル(加速度データ)、サンプリングレートが記述される。
センサ部23として撮像装置1に搭載されるIMUでは、角速度データと加速度データを所定のサンプリングレートで出力している。一般に、このサンプリングレートは撮像画像のフレームレートより高く、このため1フレーム期間に多くのIMUデータサンプルが得られるものとなっている。
【0094】
そのため角速度データとしては、図12Cに示すジャイロサンプル#1、ジャイロサンプル#2・・・ジャイロサンプル#nというように、1フレームについてn個のサンプルが対応づけられる。
また加速度データとしても、アクセルサンプル#1、アクセルサンプル#2・・・アクセルサンプル#mというように、1フレームについてm個のサンプルが対応づけられる。
n=mの場合もあるし、n≠mの場合もある。
なお、ここではメタデータは各フレームに対応づけられる例で説明しているが、例えばIMUデータはフレームとは完全に同期しない場合もある。そのような場合、例えば各フレームの時間情報と関連する時間情報を、タイミング情報TMにおけるIMUサンプルタイミングオフセットとして持つようにされる。
【0095】
座標変換パラメータHPは、画像内の各画素の座標変換を伴う補正に用いるパラメータの総称としている。例えばレンズ歪みのような非線形な座標変換も含む。
そして、座標変換パラメータHPとは、少なくとも、レンズ歪み補正パラメータ、台形歪み補正パラメータ、フォーカルプレーン歪み補正パラメータ、電子手ぶれ補正パラメータ、光学手ぶれ補正パラメータを含みうる用語としている。
【0096】
レンズ歪み補正パラメータは、樽型収差、糸巻き型収差などの歪みをどのように補正したかを直接または間接的に把握しレンズ歪補正前の画像に戻すための情報となる。メタデータの1つとしてのレンズ歪み補正パラメータに関するメタデータについて簡単に説明しておく。
図13Aにはレンズ系11とイメージセンサ12aの模式図において、像高Y、角度α、入射瞳位置d1、射出瞳位置d2を示している。
レンズ歪み補正パラメータは、画像処理においては、イメージセンサ12aの各画素についての入射角度を知りたいために用いられる。そのため像高Y、角度αの関係がわかれば良い。
【0097】
図13Bはレンズ歪み補正前の画像110とレンズ歪み補正後の画像111を示している。最大像高H0は歪み補正前の最大像高であり、光軸の中心から最遠までの距離である。最大像高H1は歪み補正後の最大像高である。
像高Y、角度αの関係がわかるようにメタデータとして必要なのは、歪み補正前の最大像高H0と、N個の各像高に対する入射角度のデータd0、d1、・・・d(N-1)となる。“N”は一例として10程度であることが想定される。
【0098】
図12Bに戻って、台形歪み補正パラメータは、電子手ぶれ補正によって切り出し領域を中央からずらすことで生じる台形歪みを補正するときの補正量であり、電子手ぶれ補正の補正量に応じた値ともなる。
【0099】
フォーカルプレーン歪み補正パラメータは、フォーカルプレーン歪みに対してライン毎の補正量を示す値となる。
【0100】
電子手ぶれ補正及び光学手ぶれ補正に関しては、ヨー、ピッチ、ロールの各軸方向についての補正量を示すパラメータとなる。
【0101】
なお、レンズ歪み補正、台形歪み補正、フォーカルプレーン歪み補正、電子手ぶれ補正の各パラメータについては、座標変換パラメータと総称しているが、これらの補正処理は、撮像素子部12のイメージセンサ12aの各画素に結像した像に対する補正処理であって、各画素の座標変換を伴う補正処理のパラメータであるためである。光学手ぶれ補正も座標変換パラメータの1つとするが、光学手ぶれ補正においてフレーム間成分の揺れの補正は各画素の座標変換を伴う処理となるためである。
つまり、これらのパラメータを用いて逆補正を行えば、レンズ歪み補正、台形歪み補正、フォーカルプレーン歪み補正、電子手ぶれ補正、光学手ぶれ補正が施された画像データを、各補正処理前、即ち、撮像素子部12のイメージセンサ12aに結像したときの状態に戻すことができる。
【0102】
またレンズ歪み補正、台形歪み補正、フォーカルプレーン歪み補正の各パラメータについては、被写体からの光学像自体が光学的に歪んだ状態で撮像された画像である場合に対する歪み補正処理であり、それぞれ光学歪み補正を目的とするものであるため、光学歪み補正パラメータと総称している。
つまり、これらのパラメータを用いて逆補正を行えば、レンズ歪み補正、台形歪み補正、フォーカルプレーン歪み補正が施された画像データを、光学歪み補正前の状態に戻すことができる。
【0103】
メタデータにおけるタイミング情報TMとしては、露光時間(シャッタースピード)、露光開始タイミング、読み出し時間(幕速)、露光フレーム数(長秒露光情報)、IMUサンプルオフセット、フレームレートの各情報が含まれる。
本実施の形態の画像処理においては、これらは主に各フレームのラインとIMUデータを対応づけるために用いられる。
但しイメージセンサ12aがCCDの場合やグローバルシャッター方式のCMOSの場合であっても、 電子シャッターやメカシャッターを用いて露光重心がずれる場合は、露光開始タイミングと幕速も用いて露光重心に合わせた補正が可能となる。
【0104】
メタデータにおけるカメラパラメータCPとしては、画角(焦点距離)、ズーム位置、レンズ歪み情報が記述される。
【0105】
<4.実施の形態の画像処理>
実施の形態としての画像処理装置TDx、TDyとなる情報処理装置70の処理例を説明する。
図14は、画像処理装置TDxとしての情報処理装置70において実行される各種処理の手順を示すとともに、各処理で用いる情報の関係性を示している。
なお、図6の揺れ変更部101の機能によっては、図14においてステップST30として囲った、ステップST13,ST14,ST15,ST16の処理が行われる。
パラメータ設定部102の機能によってはステップST41のパラメータ設定処理が行われる。
UI処理部103の機能によってはステップST40のUI処理が行われる。
【0106】
またこの図14の例は、図9のパターン3を想定し、手ブレ等の揺れが補正された画像データPDが、その補正がキャンセルされて揺れ変更処理ST30に入力されるものとしている。
ステップST12の処理が図9の補正キャンセル部104の機能の処理である。なお。図14においてステップST12の処理をオフした状態を考えれば、上述の他のパターン(パターン1,2,4,5)の処理が想定できるものとなる。
【0107】
図14では破線で囲ったステップST30を「揺れ変更」とし、またステップST16を「揺れ変更処理」と表記しているが、ステップST16は、揺れの状態を実際に変更する処理のことであり、狭義の「揺れ変更」である。
一方ステップST30は、そのステップST16の揺れ変更処理と、その処理にいたる準備としての天球モデル処理や係数設定なども含む広義の「揺れ変更」である。
【0108】
図14の処理として、まず前処理としてのステップST1,ST2,ST3,ST4について説明する。
前処理は画像ファイルMFのインポート時に行われる処理とする。
ここでいう「インポート」とは、情報処理装置70が例えば記憶部79などに取り込んでいることでアクセス可能な画像ファイルMFなどを画像処理の対象とすることを指し、前処理を行って画像処理可能に展開することをいう。例えば撮像装置1から携帯端末2等に転送することを指すものではない。
【0109】
CPU71は、ユーザ操作等により指定された画像ファイルMFを画像処理対象となるようにインポートするとともに、前処理として画像ファイルMFに付加されたメタデータに関する処理を行う。例えば動画の各フレームに対応するメタデータを抽出して記憶する処理を行う。
具体的には、この前処理では、メタデータ抽出(ステップST1)、全IMUデータ連結(ステップST2)、メタデータの保持(ステップST3)、クオータニオン(撮像装置1の姿勢情報)への変換、保持(ステップST4)が行われる。
【0110】
ステップST1のメタデータ抽出としては、CPU71は、対象の画像ファイルMFを読み込んで、図12で説明したように画像ファイルMFに含まれているメタデータを抽出する。
なおステップST1,ST2,ST3,ST4の一部又は全部を撮像装置1などの画像ソースVS側で行ってもよい。その場合は、前処理においては、以下説明するそれらの処理後の内容がメタデータとして取得される。
【0111】
CPU71は、抽出されたメタデータのうち、IMUデータ(角速度データ(ジャイロサンプル)と加速度データ(アクセルサンプル))については、ステップST2で連結処理を行う。
これは、全フレームについて対応づけられているIMUデータについて、全てを時系列順に並べて連結し、動画のシーケンス全体に対応するIMUデータを構築する処理となる。
そして連結したIMUデータに対して積分処理を行って、動画のシーケンス上の各時点での撮像装置1の姿勢を表すクオータニオンQDを算出し、これを記憶保持する。クオータニオンQDを算出するとしているのは一例である。
なお角速度データのみでクオータニオンQDを計算することもできる。
【0112】
CPU71は、抽出されたメタデータのうち、IMUデータ以外のメタデータ、即ち座標変換パラメータHP、タイミング情報TM、カメラパラメータCPについては、ステップST3で保持する処理を行う。即ち各フレームに対応した状態で座標変換パラメータHP、タイミング情報TM、カメラパラメータCPを記憶する。
【0113】
以上の前処理が行われることで、CPU71にとっては、画像ファイルMFとして受け取った画像データに対する揺れ変更を含めた各種の画像処理を行う準備がなされたことになる。
図14の定常処理は、以上のように前処理が施された画像ファイルMFの画像データを対象として行う画像処理を示している。
【0114】
CPU71は、動画の1フレーム取り出し(ステップST11)、撮像装置内部補正キャンセル(ステップST12)、天球モデルへの貼り付け(ステップST13)、同期処理(ステップST14)、揺れ情報調整(ステップST15)、揺れ変更(ステップST16)、出力領域指定(ステップST17)、平面投影及び切り出し(ステップST18)、及び関連付け記録/再生(ステップST20)の処理を行う。
【0115】
CPU71は、以上のステップST11からステップST20の各処理は、画像ファイルMFの画像再生の際に毎フレームについて行うことになる。
【0116】
ステップST11でCPU71は、フレーム番号FNに沿って動画(画像ファイルMF)の1フレームをデコードする。そして1フレームの画像データPD(#FN)を出力する。なお『(#FN)』はフレーム番号を示し、そのフレームに対応する情報であることを表すものとする。
なお、動画が圧縮などのエンコード処理をされたものでない場合は、このステップST11でのデコード処理は不要である。
【0117】
ステップST12でCPU71は、1フレームの画像データPD(#FN)について撮像装置1で行われた内部補正をキャンセルする処理を行う。
このためにCPU71は、前処理時に当該フレーム番号(#FN)に対応して記憶された座標変換パラメータHP(#FN)を参照し、撮像装置1で行われた補正とは逆補正を行う。これにより撮像装置1におけるレンズ歪み補正、台形歪み補正、フォーカルプレーン歪み補正、電子手ぶれ補正、光学手ぶれ補正がキャンセルされた状態の画像データiPD(#FN)を得る。
【0118】
ステップST13でCPU71は、各種補正がキャンセルされた状態の1フレームの画像データiPD(#FN)について天球モデルへの貼付を行う。このとき、当該フレーム番号(#FN)に対応して記憶されたカメラパラメータCP(#FN)、即ち画角、ズーム位置、レンズ歪み情報を参照する。
【0119】
図15に天球モデルへの貼付の概要を示す。
図15Aは画像データiPDを示している。像高hは画像中心からの距離である。図中の各円は像高hが等しくなる位置を示している。
この画像データiPDのフレームについての画角、ズーム位置、レンズ歪み情報から、そのフレームにおける「イメージセンサ面と入射角φの関係」を計算し、イメージセンサ面の各位置の「data0」・・・「dataN-1」とする。そして「data0」・・・「dataN-1」から図15Bのような像高hと入射角φの関係の1次元のグラフとして表現する。入射角φは光線の角度(光軸から見た角度)である。
この1次元のグラフを撮像画像の真ん中を中心に1回転させて、各ピクセルと入射角の関係を求める。
それに従って図15Cの画素G1から天球座標上の画素G2のように、画像データiPDの各画素について天球モデルMTへのマッピングを行うことになる。
【0120】
以上によりレンズ歪みが除去された状態で撮像画像を理想天球面に貼り付けた天球モデルMTの画像(データ)が得られる。この天球モデルMTは、その画像データiPDを元々撮像した撮像装置1の固有のパラメータや歪みが除去され、理想的なピンホールカメラで見える範囲が、天球面に貼ってあるものとなっている。
従ってこの状態で天球モデルMTの画像を所定方向に回転させることで、揺れ除去や揺れ演出としての揺れ変更処理が実現できることになる。
【0121】
ここで揺れ変更処理には撮像装置1の姿勢情報(クオータニオンQD)を用いることになる。このためにCPU71はステップST14で同期処理を行うようにしている。
同期処理では、フレーム番号FNに対応して、ライン毎に適したクオータニオンQD(#LN)を特定し取得する処理を行う。なお『(#LN)』はフレーム内のライン番号を示し、そのラインに対応する情報であることを表すものとする。
【0122】
なお、ライン毎のクオータニオンQD(#LN)を用いるのは、イメージセンサ12aがCMOS型でローリングシャッター方式の撮像が行われる場合、ライン毎に揺れの量が異なるためである。
例えばイメージセンサ12aがCCD型でグローバルシャッター方式の撮像が行われる場合は、フレーム単位のクオータニオンQD(#FN)を用いれば良い。
なお、イメージセンサ12aとしてのCCDやCMOSのグローバルシャッターの時でも電子シャッター(メカシャッターでも同様)を用いていると重心がずれるので、フレームの露光期間の中心(電子シャッターのシャッター速度に応じてずれる)のタイミングのクオータニオンを用いると良い。
【0123】
ここで画像に現れるブラーについて考慮する。
ブラーとは、同一フレーム内の撮像装置と被写体の間の相対的な動きによる、画像のにじみのことである。即ち露光時間内の揺れによる画像のにじみである。露光時間が長くなる程、ブラーとしてのにじみの影響は強くなる。
電子手ぶれ補正は、フレーム毎に切り出す画像範囲を制御する方式を用いる場合、フレーム間に生じる「揺れ」を軽減/解消できるものであるが、露光時間内の相対的な揺れは、このような電子手ぶれ補正では低減できない。
また手ぶれ補正で切り出し領域を変化させるときは、各フレームの姿勢情報を用いるが、その姿勢情報が、露光期間の開始又は終了のタイミング等の露光期間の中心とずれたものであると、その姿勢を基準とした露光時間内の揺れの方向が偏ることになり、にじみが目立ちやすい。さらに、CMOSのローリングシャッターではラインごとに露光期間が異なる。
【0124】
そこでステップST14の同期処理では、画像データの各フレームについて、ライン毎の露光重心のタイミングを基準としてクオータニオンQDを取得するようにする。
図16には、撮像装置1の垂直期間の同期信号cVと、この同期信号cVから生成されるイメージセンサ12aの同期信号sV、及びIMUデータのサンプルタイミングを示すとともに、露光タイミング範囲120を示している。
露光タイミング範囲は、ローリングシャッター方式で露光時間t4としたときの1フレームの各ラインの露光期間を平行四辺形で模式的に示したものである。さらに同期信号cVと同期信号sVの時間的なオフセットt0、IMUサンプルタイミングオフセットt1、読み出し開始タイミングt2、読み出し時間(幕速)t3、露光時間t4を示している。なお読み出し開始タイミングt2は同期信号sVから所定時間t2ofを経たタイミングとなる。
各IMUサンプルタイミングで得られる各IMUデータについてはフレームに紐づけられる。例えば期間FH1におけるIMUデータは平行四辺形で露光期間を示した現フレームに紐付いたメタデータとされ、期間FH1におけるIMUデータは次のフレームに紐付いたメタデータとされる。但し図14のステップST2で全IMUデータを連結することで、各フレームとIMUデータの紐付けを解除し時系列でIMUデータを管理できる状態になっている。
この場合に、現フレームの各ラインの露光重心(破線Wのタイミング)に相当するIMUデータを特定する。これはIMUデータとイメージセンサ12aの有効画素領域との時間的な関係がわかれば計算できる。
【0125】
そこで当該フレーム(#FN)に対応するタイミング情報TMとして取得できる情報を用いて、各ラインの露光重心(破線Wのタイミング)に相当するIMUデータを特定する。
即ち露光時間、露光開始タイミング、読み出し時間、露光フレーム数、IMUサンプルオフセット、フレームレートの情報である。
そして露光重心のIMUデータから計算されたクオータニオンQDを特定し、ライン毎の姿勢情報であるクオータニオンQD(#LN)とする。
【0126】
このクオータニオンQD(#LN)はステップST15の揺れ情報調整の処理に提供される。
揺れ情報調整では、CPU71は入力された揺れ変更パラメータPRMに従ってクオータニオンQDを調整する。
揺れ変更パラメータPRMは、ユーザ操作に応じて入力されるパラメータであったり、自動制御によって発生されるパラメータであったりする。
【0127】
ユーザは、画像に任意の揺れ具合を付加するように揺れ変更パラメータPRMの入力を行うことができる。またCPU71は、画像解析や画像種別、或いはユーザの揺れのモデルの選択操作などに応じて自動制御により揺れ変更パラメータPRMを発生することができる。
【0128】
ここで図14にはステップST40のUI処理と、ステップST41のパラメータ設定処理を示している。
UI処理について詳細は後述するが、ユーザは揺れ変更を指示する操作入力を行うことができる。即ち揺れ演出としての揺れを指示する操作や、揺れ除去の程度を指示するような操作などである。
【0129】
ステップST40のUI処理に基づいて、CPU71はステップST41でパラメータ設定を行う。つまりユーザ操作に応じた揺れ変更パラメータが設定され、ステップST15の揺れ情報調整処理に供される。
【0130】
ステップST15の揺れ情報調整の処理では、具体的にはCPU71は、撮像時揺れ情報であるクオータニオンQDやステップST41で設定された揺れ変更パラメータPRMに基づいて、画像に揺れを付加したり、揺れの量を増減させたりするための調整後クオータニオンeQDを生成する。
【0131】
具体的な調整後クオータニオンeQDの生成例を図17図18図19で説明する。
図17は揺れ変更パラメータPRMによる周波数帯域別ゲインの指示に応じて調整後クオータニオンeQDを生成する例である。
周波数帯域とは揺れの周波数の帯域である。説明上、ローバンド、ミドルバンド、ハイバンドの3つの帯域に分けるとする。もちろんこれは一例にすぎず帯域数は2以上であればよい。
低域用ゲインLG、中域用ゲインMG、高域用ゲインHGが、揺れ変更パラメータPRMとして与えられる。
【0132】
図17の調整処理系としては、低域通過フィルタ41,中域通過フィルタ42,高域通過フィルタ43、ゲイン演算部44,45,46、合成部47を有する。
この調整処理系には「揺らすためのクオータニオンQDs」を入力する。これは撮像時揺れ情報としてのクオータニオンQDの共役である。
【0133】
揺らすためのクオータニオンQDsとしての現在フレーム及び前後の所定フレームについての各値qを低域通過フィルタ41に入力し、低域成分qlowを求める。
【0134】
【数1】
【0135】
この低域成分qlowに対してゲイン演算部44で低域用ゲインLGを与える。
式中のmean(q,n)は、qの前後n個の平均値を示す。
なお、このmean(q,n)の式はあくまでも低域通過フィルタの一例であり、他の計算方法でもよいことは言うまでもない。以降説明する各式も一例である。
【0136】
揺らすためのクオータニオンQDsの値qは中域通過ファイル42にも入力し、中域成分qmidを求める。
【0137】
【数2】
【0138】
なお、q* lowはqlowの共役である。
また“×”はクオータニオン積である。
この中域成分qmidに対してゲイン演算部45で中域用ゲインMGを与える。
【0139】
また揺らすためのクオータニオンQDsの値qを高域通過ファイル43に入力し、高域成分qhighを求める。
【0140】
【数3】
【0141】
なお、q* midはqmidの共役である。
この高域成分qhighに対してゲイン演算部46で高域用ゲインHGを与える。
【0142】
これらのゲイン演算部44,45,46は、入力を“qin”とする。
【0143】
【数4】
【0144】
この場合にθ’=θ*gainとして、次の“qout”を出力する。
(但しgainは、低域用ゲインLG、中域用ゲインMG、高域用ゲインHG)
【0145】
【数5】
【0146】
このようなゲイン演算部44,45,46により、それぞれ低域用ゲインLG、中域用ゲインMG、高域用ゲインHGが与えられた低域成分q'low、中域成分q'mid、高域成分q'highが得られる。これを合成部47で合成した値qmixedを得る。
【0147】
【数6】
【0148】
なお“×”はクオータニオン積である。
このように求められた値qmixedが調整後クオータニオンeQDの値となる。
なお以上は帯域分割した例であるが、帯域分割せずに揺れ変更パラメータPRMに応じたゲインを与えるという調整後クオータニオンeQDの生成手法も考えられる。
【0149】
次に図18は揺れ変更パラメータPRMによる方向別ゲインの指示に応じて調整後クオータニオンeQDを生成する例である。
方向とは揺れの方向であり、即ち、ヨー、ピッチ、ロールの方向である。
ヨー用ゲインYG、ピッチ用ゲインPG、ロール用ゲインRGが、揺れ変更パラメータPRMとして与えられる。
【0150】
図18の調整処理系としては、ヨー成分抽出部51,ピッチ成分抽出部52,ロール成分抽出部53、ゲイン演算部54,55,56、合成部57を有する。
ヨー成分抽出部51,ピッチ成分抽出部52,ロール成分抽出部53には、それぞれヨー軸(Yaw axis)、ピッチ軸(Pitch axis)、ロール軸(Roll axis)の情報が提供される。
【0151】
揺らすためのクオータニオンQDsとしての現在フレーム及び前後の所定フレームについての各値qをヨー成分抽出部51,ピッチ成分抽出部52,ロール成分抽出部53にそれぞれ入力し、ヨー成分qyaw、ピッチ成分qpitch、ロール成分qrollを求める。
これら各成分抽出処理は、入力を次の“qin”とする。
【0152】
【数7】
【0153】
uは、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸等の軸の方向を表す単位ベクトルである。
この場合にθ’=θ*(a・u)として、次の“qout”を出力する。
【0154】
【数8】
【0155】
そしてこのような成分抽出により得られたヨー成分qyaw、ピッチ成分qpitch、ロール成分qrollについては、ゲイン演算部54,55,56により、それぞれヨー用ゲインYG、ピッチ用ゲインPG、ロール用ゲインRGを与える。
そしてゲイン演算を施したヨー成分q'yaw、ピッチ成分q'pitch、ロール成分q'rollを合成部47で合成した値qmixedを得る。
【0156】
【数9】
【0157】
なお、この場合の“×”もクオータニオン積である。
このように求められた値qmixedが調整後クオータニオンeQDの値となる。
【0158】
図19は以上の周波数帯域別と方向別を組み合わせた例である。
調整処理系としては、低域通過フィルタ41,中域通過フィルタ42,高域通過フィルタ43、方向別処理部58,59,60、ゲイン演算部44,45,46、合成部61を有する。
揺れ変更パラメータPRMによっては、低域用ゲインLG、中域用ゲインMG、高域用ゲインHG、及び図示していないヨー用ゲインYG、ピッチ用ゲインPG、ロール用ゲインRGが与えられる。
【0159】
この調整処理系では、揺らすためのクオータニオンQDsとしての現在フレーム及び前後の所定フレームについての各値qを低域通過フィルタ41,中域通過フィルタ42,高域通過フィルタ43に供給してそれぞれの帯域成分を得る。各帯域成分は、方向別処理部58,59,60に入力される。
方向別処理部58,59,60は、それぞれが図18のヨー成分抽出部51,ピッチ成分抽出部52,ロール成分抽出部53、ゲイン演算部54,55,56、合成部57を有するものとする。
即ち、方向別処理部58では、揺らすためのクオータニオンQDsの低域成分に対して、ヨー方向、ロール方向、ピッチ方向の成分に分け、ヨー用ゲインYG、ピッチ用ゲインPG、ロール用ゲインRGを用いてゲイン演算を行った後、合成する。
方向別処理部59では、揺らすためのクオータニオンQDsの中域成分に対して、ヨー方向、ロール方向、ピッチ方向の成分に分けて同様にゲイン演算を行った後、合成する。
方向別処理部60では、揺らすためのクオータニオンQDsの高域成分に対して、ヨー方向、ロール方向、ピッチ方向の成分に分けて同様にゲイン演算を行った後、合成する。
なお、方向別処理部58,59,60で用いるゲインは、それぞれ異なるゲイン値とすることが想定される。即ち、方向別処理部58では低域用のヨー用ゲインYG、低域用のピッチ用ゲインPG、低域用のロール用ゲインRGを用い、方向別処理部59では中域用のヨー用ゲインYG、中域用のピッチ用ゲインPG、中域用のロール用ゲインRGを用い、方向別処理部60では高域用のヨー用ゲインYG、高域用のピッチ用ゲインPG、高域用のロール用ゲインRGを用いる。即ち方向別処理部58,59,60では9個のゲインを用いることが考えられる。
【0160】
これらの方向別処理部58,59,60の出力はそれぞれゲイン演算部44,45,46に供給され、それぞれ低域用ゲインLG、中域用ゲインMG、高域用ゲインHGが与えられる。そして合成部61で合成され、調整後クオータニオンeQDの値として出力される。
【0161】
以上の図19の例では、先に周波数帯域別に分けた後、それぞれの帯域成分毎に方向別の処理を適用したが、逆でもよい。即ち先に方向別に分けた後、それぞれの方向成分毎に周波数帯域別の処理を適用するようにしてもよい。
その場合、周波数帯域別の処理では9個のゲインを用いることが考えられる。例えばヨー方向についての周波数帯域別の処理では、ヨー方向用の低域用ゲインLG、ヨー方向用の中域用ゲインMG、ヨー方向用の高域用ゲインHGを用いる。ピッチ方向についての周波数帯域別の処理では、ピッチ方向用の低域用ゲインLG、ピッチ方向用の中域用ゲインMG、ピッチ方向用の高域用ゲインHGを用いる。ロール方向についての周波数帯域別の処理では、ロール方向用の低域用ゲインLG、ロール方向用の中域用ゲインMG、ロール方向用の高域用ゲインHGを用いる。
【0162】
図14のステップST15では、例えば以上のような処理例によって調整後クオータニオンeQDが生成される。
そして生成された調整後クオータニオンeQDはステップST16の揺れ変更処理に提供される。
ステップST16の揺れ変更処理とは、例えば図17図18図19の処理で得られる調整後クオータニオンeQDを、揺れが止まった状態の画像に適用して揺れを付加するものと考えることができる。
【0163】
CPU71はステップST16の揺れ変更処理では、ステップST13でフレームの画像が貼り付けられた天球モデルMTの画像を、ライン毎に調整後クオータニオンeQD(#LN)を用いて回転させることで、揺れを付加するようにする。揺れ変更済天球モデルhMTの画像は、ステップST18の処理に送られる。
【0164】
そしてステップST18でCPU71は、揺れ変更済天球モデルhMTの画像を平面に投影し、切り出すことで、揺れ変更がなされた画像(出力画像データoPD)が得られる。
【0165】
この場合、天球モデルMTの回転により揺れ変更が実現されているとともに、天球モデルMTを用いることで、どこを切り出しても台形状にならないため結果として台形歪みも解消されていることになる。また上述のように天球モデルMTは理想的なピンホールカメラで見える範囲が天球面に貼ってあるものとなっているためレンズ歪みもない。天球モデルMTの回転がライン毎のクオータニオンQD(#LN)に基づく調整後クオータニオンeQD(#LN)に応じて行われることで、フォーカルプレーン歪み補正も解消されている。
さらにクオータニオンQD(#LN)が各ラインの露光重心に対応するものであることで、ブラーが目立たない画像となっている。
【0166】
ステップST18で平面投影された後の画像と天球モデルMTの対応付けは次のようになる。
図20Aは、平面投影する矩形の座標平面131の一例を示している。平面投影される画像の各座標を(x,y)とする。
図20Bに示すように座標平面131を、天球モデルMTの真上に真ん中で接するように3次元空間上に配置(正規化)する。即ち、その座標平面131の中心が天球モデルMTの中心と一致し、かつ天球モデルMTと接する位置に配置されるようにする。
【0167】
この場合、ズーム倍率や切り出し領域のサイズに基づいて座標を正規化する。例えば図20Aのように座標平面131の水平座標を0乃至outhとし、垂直座標を0乃至outvとする場合、outhおよびoutvが画像サイズとされる。そして例えば、次の式により座標を正規化する。
【0168】
【数10】
【0169】
上記(数10)において、min(A、B)は、AおよびBのうち値が小さい方を返す関数である。また、「zoom」は、拡大縮小を制御するためのパラメータである。
またxnorm、ynorm、znormは、正規化したx、y、z座標である。
上記(数10)の各式により、座標平面131の座標は、半径1.0の半球の球面上の座標に正規化される。
【0170】
切り出し領域の向きを求めるための回転は図21Aのように、座標平面131を回転行列演算により回転させる。即ち下記(数11)の回転行列を使用し、パン角、チルト角およびロール角で回転させる。ここではパン角は、座標をz軸周りに回転させる回転角度である。また、チルト角は、座標をx軸周りに回転させる回転角度であり、ロール角は、y軸周りに回転させる回転角度である。
【0171】
【数11】
【0172】
上記(数11)において、「Rt」はチルト角、「Rr」はロール角、「Rp」はパン角である。また、(xrot、yrot、zrot)は回転後の座標である。
【0173】
この座標(xrot、yrot、zrot)を透視射影での天球対応点算出に用いる。
図21Bのように、座標平面131を、天球表面に透視射影する(領域132)。即ち座標から天球の中心に向かって直線を引いた時に球面と交差する点を求めることになる。各座標は、以下のように計算される。
【0174】
【数12】
【0175】
(数12)において、xsph、ysph、zsphは座標平面131上の座標を天球モデルMTの表面上の座標に射影した座標である。
この関係で平面投影された画像データが得られる。
【0176】
例えば以上のような手法で平面に投影された画像についての切り出し領域が、図14のステップST17で設定されることになる。
【0177】
ステップST17では、画像解析(被写体認識)によるトラッキング処理や、ユーザ操作に応じた切り出し領域指示情報CRCに基づいて、現在のフレームにおける切り出し領域情報CRAが設定される。
例えば図22A図22Bに、或るフレームの画像について設定された切り出し領域情報CRAを、枠の状態で示している。
このような切り出し領域指示情報CRCがフレーム毎に設定される。
なお、切り出し領域情報CRAは、ユーザや自動制御による画像のアスペクト比の指示も反映される。
【0178】
切り出し領域情報CRAはステップST18の処理に反映される。即ち上記のように天球モデルMT上で切り出し領域情報CRAに応じた領域が平面投影されて出力画像oPDが得られる。
【0179】
このように得られた出力画像oPDは、ステップST16で揺れ変更処理が施された画像データである。
図14の処理が毎フレーム行われることで、出力画像oPDを再生表示すると、揺れ演出として揺れが付加された画像が表示されることになる。従ってユーザが揺れ変更パラメータPRMの入力のための操作を行った場合、ユーザの意思に応じた揺れ演出が加えられた画像となる。このような画像データが、揺れ演出された画像として表示されたり保存されたりする。
【0180】
ここで本実施の形態では、例えばステップST20として関連付け記録/再生が行われる。例えばCPU71はフレーム毎に関連付け記録(例えば図5の記憶部79やリムーバブル記録媒体81に記録)を行い、また必要時にそれらを再生/転送出力させることができる。
【0181】
フレーム毎の関連付け記録処理としては、例えば、フレーム単位の画像データに対して、撮像時揺れ情報と、揺れ変更情報SMIが関連付けられて記録される。
【0182】
まずフレーム単位の画像データとして、ステップST12でCPU71は撮像装置内部補正がキャンセルされた画像データiPDの記録処理を行う。つまり撮像装置1での揺れ除去がキャンセルされて、撮像時の手ぶれ等の揺れの影響がそのまま現れている画像データである。
【0183】
またCPU71は、この画像データiPDに関連付けられる撮像時揺れ情報として、そのフレームについてのクオータニオンQD、タイミング情報TM、カメラパラメータCPの記録処理を行う。
図23に画像ソースVSから画像処理装置TDxに供給されたメタデータMTD1と、画像処理装置TDxが画像処理装置TDyに供給するメタデータMTD2を示しているが、このメタデータMTD2に相当する情報が撮像時揺れ情報として、画像データiPDのフレーム毎に関連づけられる。
【0184】
さらにCPU71は、画像データiPDに関連付けられる揺れ変更情報SMIとして、揺れ変更パラメータPRMの記録処理を行う。或いは揺れ変更パラメータPRMに代えて、もしくは揺れ変更パラメータPRMとともに、調整後クオータニオンeQDを記録するようにしてもよい。
【0185】
このように関連付けて記録した各フレームの画像データiPD、撮像時揺れ情報(メタデータMTD2)、及び揺れ変更情報SMIは、外部機器に転送されて利用可能とされる。
図2には画像処理装置TDxから画像処理装置TDyに画像データVD2、メタデータMTD2、揺れ変更情報SMIを伝送することを示したが、この図14の例の場合、画像データVD2は、画像データiPDにより構成される画像データとなる。またメタデータMTD2は図23に示す内容として撮像時揺れ情報を示すものとなる。揺れ変更情報SMIは画像データiPDに対して行った揺れ演出の処理量を示す情報となる。
【0186】
このような画像データVD2、メタデータMTD2、揺れ変更情報SMIを取得した画像処理装置TDyの処理例を図24に示す。
なお以降、既述の処理と同様の処理については同一のステップ番号を付して処理内容の重複説明を避ける。
なお、図14と同様、ステップST30は広義の「揺れ変更」であり、ステップST13,ST14,ST15,ST16の処理が行われる。
【0187】
図24は例えば画像処理装置TDyで行われる定常処理を示している。
この場合、ステップST20の関連付け記録/再生処理としては、画像処理装置TDxから伝送されてきた情報の再生が行われるものとする。
即ちステップST20の関連付け記録/再生処理とは、例えば画像処理装置TDxから伝送されてきた情報(画像データVD2、メタデータMTD2、揺れ変更情報SMI)が、画像処理装置TDyとして機能する図5の情報処理装置70の記憶部79やリムーバブル記録媒体81に記録された状態とされており、それらから逐次読み出される処理であるとする。
【0188】
画像処理装置TDyとして機能する情報処理装置70のCPU71は、ステップST20の処理として、フレーム毎に画像データpPDを読み出す。画像データpPDとは、ステップST20で記録媒体から再生される画像データを指すものとしている。
画像処理装置TDxが図14の処理を行った場合、再生される画像データpPDは、図14で説明した画像データiPDとなる。
またCPU71はステップST20の処理として、ステップST13での天球モデルMTへの貼り付けのために現在の再生フレームの画像データpPDに対応するカメラパラメータCPを読み出す。
またCPU71はステップST20の処理として、ステップST14の同期処理のために現在の再生フレームの画像データpPDに対応するクオータニオンQD及びタイミング情報TMを読み出す。
さらにCPU71はステップST20の処理として、ステップST15の揺れ情報調整のために現在の再生フレームの画像データpPDに対応する揺れ変更情報SMIを読み出す。
【0189】
CPU71は、ステップST13の処理として、再生したカメラパラメータCPを参照して再生した画像データpPDを天球モデルへ貼り付ける。
【0190】
CPU71はステップST14の処理として、再生した画像データpPDに対応するクオータニオンQD及びタイミング情報TMにより同期処理を行う。
CPU71はステップST15の処理として、再生した揺れ変更情報SMI、及び入力された揺れ変更パラメータPRMを用いてクオータニオンQDを調整し、調整後クオータニオンeQDを生成する。
【0191】
揺れ変更パラメータPRMについては、CPU71は、ステップST40のUI処理に基づいて、ステップST41で設定し、ステップST15の揺れ情報調整処理で用いられるようにする。
【0192】
CPU71はステップST16の処理として、調整後クオータニオンeQDを用いて、天球モデルMTに貼り付けた画像データpPDを回転させ、揺れ変更処理を行う。
CPU71はステップST18として、揺れ変更された画像を切り出し領域情報CRAに応じて切り出し、平面投影して、出力画像データoPDを生成し、出力する。
このような各処理を行う画像処理装置TDyでは次のような動作が可能となる。
【0193】
・過去に画像処理装置TDxで施された揺れ演出の再現
ステップST15では、画像処理装置TDxでの揺れ変更情報SMI(例えば揺れ変更パラメータPRM)を反映して調整後クオータニオンeQDを生成できる。従って画像処理装置TDyのCPU71は、ステップST16で、過去に画像処理装置TDxで行われた揺れ変更と同じ揺れ変更処理を行うことができ、そのような出力画像データoPDを得て、表示させたり記録させたりすることができる。
【0194】
・新規な揺れ演出の付加
処理対象として再生される画像データpPD(画像データiPD)は、画像処理装置TDxでの揺れ変更が施されていない画像データである。従って、画像処理装置TDyにおいてユーザ操作や自動制御により揺れ変更パラメータPRMが入力され、それに応じた調整後クオータニオンeQDが生成されることで、ステップST16では、過去の揺れ変更に影響を受けない画像処理装置TDyのみの揺れ変更処理を行うことができ、そのような出力画像データoPDによる画像を表示させたり記録させたりすることができる。
【0195】
・過去に画像処理装置TDxで施された揺れ演出の調整や修正
ステップST15では、画像処理装置TDxでの揺れ変更情報SMI(例えば揺れ変更パラメータPRM)と、新たにユーザ操作や自動制御により入力する揺れ変更パラメータPRMの両方を反映させて調整後クオータニオンeQDを生成することができる。
従って画像処理装置TDyのCPU71は、例えば画像処理装置TDxで行われた揺れ変更による画像の揺れ具合を、画像処理装置TDyのユーザが揺れ変更パラメータPRMを調整したり一部変更したりすることに応じて変化させることができる。そしてそのような出力画像データoPDによる画像を表示させたり記録させたりすることができる。
【0196】
また画像処理装置TDyにおいて揺れ変更を行った場合、その情報も、関連付けられるようにすることが考えられる。
つまり各フレームの画像データVD2(iPD)、撮像時揺れ情報(メタデータMTD2)に関連付けられている、揺れ変更情報SMIを、今回用いられた揺れ変更情報SMIに更新する。
このようにすることで、当該関連付けられた情報群を取得した他の画像処理装置では、画像処理装置TDyで行われた揺れ変更を再現したり、修正したりすることができるようになる。
【0197】
なおステップST17の切り出し領域情報CRAに関する情報も、関連付けられて記録されるようにすることも考えられる。例えばアスペクト比の情報を関連付けておく。これによりアスペクト比の指定情報も、その後の画像再生時や揺れ演出の付加の際などにも反映させることができる。
もちろん図14の画像処理装置TDxでの処理においてもアスペクト比等の切り出し領域情報CRAを記録してもよい。
【0198】
<5.揺れ変更のユーザインタフェース>
以上では、例えば図14図24のステップST30として揺れ変更が行われることを説明してきた。
揺れ変更としては、上述のように揺れ除去としてフレーム間での揺れをなくす(理想的には揺れをゼロとする)方向に揺れの状態を変更することや、揺れ演出として揺れを付加したり軽減したりするように揺れの状態を変更することが行われる。
【0199】
ここで、動画を視聴する人の感覚としては、全く揺れがない画像よりも、ある程度揺れがあった方が、迫力や臨場感が増すといったこともある。また揺れを完全に除去するのではなく、若干残したい場合もある。
そこで本実施の形態において、例えば図14図24ではステップST40,ST41により、ユーザ操作に応じて揺れ変更パラメータPRMが設定されるようにし、揺れ変更にユーザ操作が反映されるようにしている。
以下では、揺れ変更のためのUI動作として各種の例を説明していく。
【0200】
[5-1:第1の実施の形態のUI動作]
図25にUI画像として表示される揺れ幅調整画像200を示す。これは例えば図5の表示部77に表示させる揺れ幅調整のための画像であって、かつタッチパネル等により入力部76として機能する画像である。
揺れ幅調整画像200には、ヨー調整部201、ロール調整部202、ピッチ調整部203が設けられている。
【0201】
ヨー調整部201、ロール調整部202、ピッチ調整部203のそれぞれには、L(低域)、M(中域)、H(高域)として、揺れの周波数の帯域毎の操作のためのスライダーの画像が提示されており、ユーザは、任意のスライダーをタッチ操作することで、揺れ幅調整を行うことができる。
例えばユーザは揺れ幅調整画像200を用いて、ヨー方向の揺れ(横揺れ)、ピッチ方向の揺れ(縦揺れ)、ロール方向の揺れ(回転揺れ)のそれぞれについて、所望の周波数帯域毎に、揺れ量を調整できる。
【0202】
図14図24のステップST40のUI処理で、この揺れ幅調整画像200が表示され、ユーザ操作が検知されると、その操作情報に応じてステップST41で揺れ変更パラメータPRMが設定され、上述のようにステップST15の処理を介してステップST16の揺れ変更処理に反映されることになる。
【0203】
この図25の揺れ幅調整画像200は、例えば図19のような調整後クオータニオンeQDの生成を行う例に応じた例であって、具体的には揺れ変更パラメータPRMとしては、揺れ幅調整画像200の操作に応じて、上述した低域用ゲインLG、中域用ゲインMG、高域用ゲインHG、ヨー用ゲインYG、ピッチ用ゲインPG、ロール用ゲインRGが、揺れ変更パラメータPRMとして設定される。
【0204】
揺れ変更処理では、天球モデルMTに貼り付けた画像のヨー方向、ピッチ方向、ロール方向の操作に応じて揺れ除去のための回転量を操作情報に基づいて可変することになる。或いは操作に応じた揺れ演出のための回転を加える。
【0205】
このような揺れ幅調整画像200を提供することで、ユーザは、ヨー軸成分、ピッチ軸成分、ロール軸成分のそれぞれの揺れ状態を、それぞれ低域、中域、高域という帯域別に調整することが可能となる。
従って出力画像oPDを、例えばロール方向、ヨー方向の揺れは抑制するが、ピッチ方向の揺れはある程度残した画像としたり、高周波の揺れは抑制するが大きな揺れは補正しないで残した画像としたりすることなど、多様な揺れ表現を加えた画像とすることができる。即ち揺れ補正の対象や程度を調整することで、より多様な動画表現か可能となる。
【0206】
なお、図25では揺れの方向のそれぞれについて、3つの帯域毎に操作可能としたが、もちろん他の例も考えられる。例えばヨー方向、ピッチ方向、ロール方向の操作のみ可能として周波数帯毎の調整はできない例、方向は指定できずに低域、中域、高域という帯域別にのみ調整可能とする例、1つの方向のみ調整可能とする例、1つの帯域のみ調整可能とする例など、多様に考えられる。
【0207】
[5-2:第2の実施の形態のUI動作]
図26は第2の実施の形態としての揺れ幅調整画像200の例を示している。
ヨー調整部201は横方向の揺れに関する調整であるため、横方向にスライド操作するスライダーを設けている。
ロール調整部202は回転方向の揺れに関する調整であるため、円方向にスライド操作するスライダーを設けている。
ピッチ調整部203は縦方向の揺れに関する調整であるため、縦方向にスライド操作するスライダーを設けている。
このようにすることで、ユーザは、調整できる揺れの方向がわかりやすく、求める操作を容易に行うことができるようになる。
【0208】
[5-3:第3の実施の形態のUI動作]
図27は、揺れ状態の調整操作を直感的に行うことができるようにする例である。
図27Aのように揺れ幅調整画像200を表示させるとともに、図27Bのようにプリセットボタン210を表示させる。
プリセットボタン210は、例えば「ゆっくり歩く人(Slow)」「歩く人(Walk)」「走る人(Fast)」などを用意する。また、これらのプリセットボタン210に合わせた揺れ変更パラメータPRMをROM72や記憶部79に記録しておく。
そしてユーザが或るプリセットボタン210を押したら、その揺れ変更パラメータPRMが読み出される。また、その揺れ変更パラメータPRMに応じた操作状態が表現される。例えば図27Cのように、揺れ幅調整画像200のスライダーの位置として、プリセットデータの内容がユーザに提示される。
【0209】
このようにすることで、ユーザは、ゆっくり歩く人の視点の動画、歩いている人の視点の動画、或いは走っている人の視点の動画などに応じたスライダーの操作状態を知ることができる。またその際のスライダーの状態に応じた揺れ変更パラメータPRMが設定され、揺れ変更処理に反映されることで、再生画像により、歩いている人の視点の動画、或いは走っている人の視点の動画などを確認できる。
特にスライダーの調整により任意の効果がでるように操作をすることは、熟練者でなくては難しいところ、このようなプリセットボタン210により、ユーザが望む画像を得るための操作がしやすくなる。
もちろん、プリセットされた情報でスライダーの位置が変更された後に、ユーザが微調整することもできるため、ユーザの所望の揺れを実現しやすい。
【0210】
図28は揺れ幅調整画像200を用いず、プリセットボタン210のみを提示する例である。さらに、多様なプリセットを選択可能とした例でもある。
最初に、図28Aのように、例えば「人」「動物」「乗り物」などの大分類に対応するプリセットボタン210を提示する。
もしユーザが「動物」を選択したら、次に図28Bのように「ウサギ」「猫」「馬」などの小分類のプリセットボタン211を提示する。これらのプリセットボタン211に合わせた揺れ変更パラメータPRMはROM72や記憶部79に記録されているようにする。
【0211】
もし「ウサギ」のプリセットボタン211をユーザが選択したら、ウサギが走っているときの揺れに対応したプリセットデータ(揺れ幅調整データ)が読み出され、そのプリセットデータにより揺れ変更パラメータPRMが設定される。そしてその揺れ変更パラメータPRMに基づいて揺れ変更処理が行われる。
【0212】
例えばこの図28A図28Bのように階層的にプリセットボタン210、210を提示することで、多様な揺れの種類をユーザは選択でき、容易に所望の揺れ補正を指示できることになる。
【0213】
なお、このようなスライダーやプリセットボタン等の操作子を表示させるユーザインタフェースに関しては更に多様な例が考えられる。
【0214】
[5-4:第1,第2,第3の実施の形態のUI処理]
以上の第1,第2,第3の実施の形態のUI処理を行うUI処理例を図29に示す。これはUI処理部103及びパラメータ設定部102の機能によりCPU71が実行する処理である。
【0215】
ステップS101でCPU71はUI表示及び操作検知の処理を行う。
例えばCPU71は図25又は図26のような揺れ幅調整画像200の表示や、図27図28に示したプリセットボタン210,211の表示制御を行いながら、それらに対するユーザ操作の検知を行う。
またCPU71は操作に対する表示の切り替え、例えばスライダー位置の切り替え等も行う。
プリセットボタン210、211の階層構造を用いる場合は、CPU71は例えば大分類のプリセットボタン210の操作に応じて次の階層、例えば小分類のプリセットボタン211の表示が行われるようにする。
【0216】
CPU71は揺れ幅調整画像200のスライダーの操作を検知したら、ステップS102からステップS103に進み、その操作情報(スライダーの操作値)を取得し、ステップS104で操作情報に応じた揺れ変更パラメータPRMを設定し、揺れ変更処理(図14のステップST30)に出力する。そしてCPU71はステップS101に戻る。
【0217】
CPU71はプリセットデータ選択の操作を検知したら、ステップS105からステップS106に進み、その操作に応じたプリセットデータを読み出す。そしてCPU71は、プリセットデータの値が図27Cのようにスライダーの位置に反映されるように表示制御を行う。そして
ステップS108でCPU71は、プリセットデータによる揺れ変更パラメータPRMを設定し、揺れ変更処理(図14のステップST30)に出力し、ステップS101に戻る。
【0218】
以上の処理により、図25(又は図26)、図27図28のようなUI表示とその操作対応を実現でき、揺れ幅調整画像200のスライダーやプリセットボタン210、211に応じた揺れ変更処理を実行できる。
【0219】
[5-5:第4の実施の形態のUI動作]
第4の実施の形態のUI動作としてタイムライン表示を行う例を挙げる。
図30AはCPU71が表示部77に表示させるタイムライン250の例である。タイムライン250は、動画の先頭から終端までを、横方向を時間軸方向として示すものである。タイムライン250は画像タイムライン251、揺れタイムライン252、音タイムライン253により構成されている。
【0220】
画像タイムライン251では、動画を構成するフレームのサムネイル画像等が、間欠的に抽出され、時間順に表示される。
揺れタイムライン252では、揺れの状態が例えば波形により表示される。なお、ここでは1つの揺れ波形を示しているが、例えばヨー方向揺れ波形、ピッチ方向揺れ波形、ロール方向揺れ波形として分けて表示してもよい。さらには、周波数帯域毎に揺れ波形を分けて表示してもよい。
音タイムライン253では、動画に付加されている音声信号波形が表示される。もちろんLチャネル、Rチャネルのステレオ音声の場合、それぞれの音声信号波形を表示させてもよい。
【0221】
例えばこのようなタイムライン250を表示させることで、ユーザは、動画のシーンの変化や音声状況の変化に合わせて揺れ状態を確認できることになる。
これにより区間を指定した揺れ演出や揺れ除去に便利になる。
【0222】
揺れ情報は、例えば画像のフレームに対してIMUデータ或いはクオータ二オンQDとして対応づけられているが、揺れタイムライン252では、これらの揺れ情報に基づく揺れ波形が表示される。
【0223】
この揺れ波形で示される揺れの情報のみを記録媒体に記録したり、読み出したりできるようにしてもよい。
例えば揺れタイムライン252にカーソルをおいて右クリックする等の所定の操作により図30Bのように、揺れ情報を保存するための保存ウインドウ260を表示させ、「揺れ情報を保存」「揺れ情報を開く」を選択できるようにする。
【0224】
ユーザが「揺れ情報を保存」をクリックした場合は、例えば図30Cに示す確認ウインドウ261を表示させる。確認ウインドウ261にはOKボタン262,キャンセルボタン263を設け、ユーザの意思を確認できるようにする。
揺れ情報のみを保存する場合、つまり画像や音声と切り離して揺れ情報を保存する場合は、揺れ情報と画像の同期情報が無くなることになる。そこで、同期情報が無くなることをユーザに提示し、OK/キャンセルの意思を確認するようにする。
ユーザがOKボタン262を操作したら、CPU71は揺れ情報の保存処理を行う。
ユーザがキャンセルボタン263を操作したら、CPU71は揺れ情報の保存処理を行わず、例えば図30Aのタイムライン250の表示状態に戻す。
【0225】
ユーザが「揺れ情報を開く」をクリックした場合は、例えば揺れ情報を拡大して、詳細に調整できる画像を表示したり、或いはIMUデータやクオータ二オンQDとしての数値一覧を表示させたりして、ユーザが詳細な確認や編集を行うことができるようにすることが考えられる。
揺れ波形を時間軸上で拡大して表示させ、波形自体を変更(振幅や周波数の変更)できるようにすることで、動画の或る区間において揺れの量を調整したり、揺れをなくしたりするような操作を可能とすることも考えられる。
【0226】
[5-6:第5の実施の形態のUI動作]
第5の実施の形態は、タイムライン250上でプリセットデータのアサインを行うことができるようにする例である。
【0227】
図31には横方向を時間軸方向としたタイムライン250Aを示しているが、この場合のタイムライン250Aには、画像タイムライン251、音タイムライン253、揺れタイムライン252に加え、アサイン枠254が設けられている。
アサイン枠254は、プリセットデータをユーザが任意にアサインするための領域とする。
【0228】
例えば表示部77の画面上には、タイムライン250Aとともにプリセットボタン210,211を表示させる。ユーザは、例えば任意のプリセットボタン211をアサイン枠254にドラッグ/ドロップすることで、プリセットデータのアサインができる。
例えばプリセットボタン211におけるウサギのボタンを対象としてドラッグ/ドロップ操作DG1を行うことで、図32Aのようにアサイン枠254にはウサギのプリセットデータ表示255が行われ、動画内で該当する区間についてウサギの揺れのプリセットデータがアサインされたことが表示される。
同様に馬のボタンを対象としてドラッグ/ドロップ操作DG2を行うことで、図32Aのようにアサイン枠254には馬のプリセットデータ表示256が行われ、動画内で該当する区間について馬の揺れのプリセットデータがアサインされたことが表示される。
【0229】
図32Aのようにウサギのプリセットデータや馬のプリセットデータが或る区間に割り当てられた場合、その区間は、揺れ状態が、ウサギのような揺れ、馬のような揺れに変更されることを意味する。
即ち当該区間では、ウサギのプリセットデータや馬のプリセットデータに応じた揺れ変更パラメータPRMが設定されて揺れ変更が行われるものとなる。
なおこのため、プリセットデータがアサインされた区間では、揺れタイムライン252に示される元々の揺れは、画像に反映されなくなる。そこで、該当区間の揺れ波形は図のように目立たない表示としたり(図では破線で示している)、或いは消去したり、グレー表示などとしたりして、そのことをユーザが理解できるようにする。
【0230】
プリセットデータのドラッグ/ドロップの操作によっては、例えば固定時間長の区間に、その操作対象のプリセットデータが割り当てられたものとされ、その後、アサイン枠254内でユーザが任意に区間を調整できる。
例えばウサギのプリセットデータの区間長、馬のプリセットデータの区間長は、プリセットデータ表示255,256の端についてドラッグ等の操作を行うことで、広げたり狭めたりすることができる。
【0231】
また、図ではプリセットデータの境界(図32Aのウサギの区間と馬の区間の境界)はクロスフェード表示257が行われ、この境界近辺で、揺れ状態が、徐々にウサギの揺れから馬の揺れに変化されていくことが示される。
ユーザはクロスフェード表示257の部分を移動させたり、端部を移動させることで、例えば図32Aの状態から図32Bの状態のように、各区間を変更することもできる。
【0232】
以上の図31図32のようなUI画面を提供することで、ユーザはプリセットデータを動画の各シーンに割り当てることが非常に容易になる。
【0233】
[5-7:第6の実施の形態のUI動作]
第6の実施の形態は、タイムライン表示と再生画像の表示により、揺れ波形と揺れが与えられた再生表示を確認しながら操作を行うことができるようにする例である。
【0234】
図33に画面例を示す。当該画面ではユーザに対し、例えば揺れ幅調整画像200、モニタ表示270、再生表示部271、揺れタイムライン252が提示される。
揺れ幅調整画像200は例えば図25図26で説明したように、ユーザがスライダー操作を行うことで各方向の揺れ量を指示することが可能なものとされる。
【0235】
波形モニタ270は、例えばヨー方向、ロール方向、ピッチ方向のそれぞれについて、現在位置(キーフレーム)近辺における揺れ波形が示される。
図では「調整前」として各揺れ波形を示しているが、これは揺れ幅調整画像200の操作によって調整される前の波形である。
波形モニタ270には切り替えボタン279が設けられており、ユーザが切り替えボタン279を操作すると、表示される揺れ波形が、「調整後」のものとされる。つまり揺れ幅調整画像200の操作によって調整された状態の波形に切り替えられて表示される。
ユーザは切り替えボタン279を例えばトグル操作することで、「調整後」「調整前」の揺れ波形を交互に見ることができ、調整具合を視覚的に確認できる。
なお、もちろん「調整後」「調整前」の揺れ波形を並列表示させてもよい。
【0236】
揺れタイムライン252は、横方向が時間軸方向とされ、揺れ波形283が示される。例えばこの例では10分間の動画の先頭(0分00秒)から終端(10分00秒)までの揺れ波形283が示される。
そしてキーフレーム表示281として、ユーザ操作によってキーフレームとされた箇所が明示される。ユーザはキーフレーム操作子282を移動させることで、任意の時点のフレームをキーフレームに設定できる。
なお、この例では揺れタイムライン252上で、キーフレームを設定できるものとしたが、キーフレームの設定は、上述の画像タイムライン251や音タイムライン253上で行うようにしてもよい。
【0237】
再生表示部271には、再生画像が表示される。再生表示部271の近辺には再生繰り返し期間指定ボタン272、繰り返し期間長273、再生操作部274が表示される。
再生操作部274には、リピートボタン、一時停止ボタン、再生ボタン等が表示される。ユーザはこれらの操作子により、リピート再生のオン/オフ、動画再生の一時停止、再生開始等を指示できる。
【0238】
再生繰り返し期間指定ボタン272は、比較的短い区間をリピート再生させるための操作子であり、例えば操作に応じて再生期間長が切り替えられていく。
操作で指定される再生期間長は、繰り返し期間長273として表示される。図では3分0秒の区間がリピート再生させることを示している。
【0239】
この繰り返し再生は、揺れタイムライン252上でユーザが指定したキーフレームを基準にした区間で行われる。
例えばキーフレームをリピート再生の開始位置とする。図の場合、ユーザが再生操作を行うと、揺れタイムライン252上で、キーフレーム表示281で示される位置から3分間の区間が、リピート再生期間として繰り返し再生されることになる。
より短い区間をリピート再生させたい場合、ユーザは再生繰り返し期間指定ボタン272を操作して、リピート再生期間を短くすればよい。また異なる区間を再生させたい場合は、ユーザはキーフレーム操作子282を移動させればよい。
【0240】
ユーザは、リピート再生を見ながら、揺れ幅調整画像200を用いて、揺れの状態を調整する操作を行うことができる。これによりシーンにあった揺れの調整を、実際に画像を見ながら行うことができる。
再生される画像は、図14図24の出力画像データoPDであることが想定される。即ち揺れ変更パラメータPRMにより揺れ変更が施された画像である。従ってユーザが揺れ幅調整画像200を用いて、揺れの状態を調整する操作を行うと、その揺れが再生画像に反映されるため、ユーザは実際の揺れ状態を見ながら任意の揺れ状態に操作することができる。
【0241】
なおリピート再生させる区間はキーフレームを基準とするが、キーフレームを再生する区間の先頭とすることに限られない。
例えばキーフレームの所定時間前(5秒前など)のフレームを再生開始フレームとしてもよい。
或いはキーフレームがリピート再生する区間の中央になるように再生開始フレームを決めても良い。
【0242】
また、リピート再生を確認しながら揺れ幅調整画像200で調整した揺れ状態、つまり操作に応じて設定された揺れ変更パラメータPRMは、画像のどの区間に適用されるようにするかは多様に考えられる。
【0243】
例えばリピート再生される区間についてのみ、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
また、リピート再生される区間にかかわらず、キーフレームから画像の終端までの区間に、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
また、リピート再生される区間にかかわらず、画像の先頭からキーフレームまでの区間に、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
また、指定されたキーフレームの前後の所定時間の区間に、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
また、リピート再生される区間にかかわらず、動画の全区間に、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
【0244】
またシーンチェンジポイントとしてのフレームを検出するとともに、キーフレームが含まれるシーンとされた区間に、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
またシーンチェンジポイントとしてのフレームを検出するとともに、キーフレームから次のシーンチェンジポイントまでの区間、或いはキーフレームの前のシーンチェンジポイントからキーフレームまでの区間に、操作に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるものとしてもよい。
なお、自動シーン認識によって被写体の主人公が判定できる場合、その主人公の動作に応じた揺れ調整の自動化を行うことも考えられる。
【0245】
キーフレームより前は操作に応じた揺れ変更パラメータPRMを適用させたくない場合に適用できる例としては、適応させたくない一番後ろのポイントで新たなキーフレームを作り、デフォルトの揺れ変更パラメータPRMを入力することも考えられる。デフォルトの揺れ変更パラメータPRMとは、例えば揺れ幅調整画像200のスライダーで指定されるゲインを全て“1”にしたときの値などである。
操作に応じた揺れ変更パラメータPRMの適応範囲を限定させる例としては、限定させたいポイントの前後をキーフレームとして、操作を行うことが考えられる。
【0246】
全ての揺れを除去するような調整の場合、揺れタイムライン252で表現されるトラックの全体のチェックボックスを用意して、揺れ除去を指示できるようにすることも可能である。
【0247】
なお、例えば揺れタイムライン252では、ユーザが、調整(揺れ変更)が加えられているか、加えられていないかの判断ができるように、揺れ波形283の色を変化させたり、揺れ波形283の上に重ねあわされる形で折れ線グラフのようなラインがキーフレームのマーク間をつなぐような表示を行ってもよい。
【0248】
[5-8:第4,第5,第6の実施の形態のUI処理]
以上の第4,第5,第6の実施の形態のUI処理を行うUI処理例を図34図35で説明する。これはUI処理部103及びパラメータ設定部102の機能によりCPU71が実行する処理である。
なお図34図35は一連の処理を分割して示し、フローチャートの接続関係を「c1」「c2」で示している。
また当該処理は、図33の表示において、揺れタイムライン252に代えて図31図32のタイムライン250A及びプリセットボタン210、211が表示されることを想定し、タイムライン250Aにおける揺れタイムライン252において図33のようにキーフレームの表示が行われるものとする。
【0249】
ステップS200でCPU71はUI表示及び操作検知の処理を行う。
例えばCPU71は表示部77に、揺れ幅調整画像200、波形モニタ270、再生表示部271、再生繰り返し期間指定ボタン272、繰り返し期間長273、再生操作部274、切り替えボタン279、タイムライン250A(画像タイムライン251、音タイムライン253、揺れタイムライン252、アサイン枠254)、及びプリセットボタン210、211の表示させる制御を行う。またCPU71は、それらを表示した画面に対するユーザ操作の検知を行う。
またCPU71は操作に対する表示の切り替え、例えばスライダー位置の切り替え等も行う。プリセットボタン210、211の階層構造に対応して、CPU71は例えば大分類のプリセットボタン210の操作に応じて次の階層、例えば小分類のプリセットボタン211の表示が行われるようにする。
【0250】
CPU71は図34及び図35のステップS201,S202,S203,S204,S205,S206,S207,S208,S209,S210でユーザ操作の検知に応じて処理を分岐する。
【0251】
CPU71はユーザの保存操作を検知したら、図34のステップS201からステップS215に進む。保存操作とは、例えば図30で説明したように揺れタイムライン252上で右クリックし、保存ウインドウ260で揺れ情報の保存を選択する操作である。
この場合ステップS215でCPU71は保存処理を行う。例えばCPU71は確認ウインドウ261(図30C参照)を表示させ、ユーザがキャンセルボタン263の操作を行った場合は保存せずにステップS200に戻り、ユーザがOKボタンの操作を行った場合は、例えば記憶部79等への揺れ情報の保存処理を行ってステップS200に戻る。
【0252】
CPU71は、ユーザがキーフレーム指定操作を行ったことを検知したら、図34のステップS202からステップS230に進み、キーフレーム設定を行う。即ち揺れタイムライン252上でキーフレーム操作子282の操作に応じた位置にキーフレーム表示281を行うとともに、そのフレームナンバを特定してキーフレームとする。フレームナンバは、例えば動画の先頭フレームを0時0分0秒0フレームとした時分秒フレームのナンバとすることができる。
【0253】
続いてCPU71はステップS231で対象区間設定を行う。これは当該キーフレームを基準にしてユーザ操作による揺れ変更が適用される区間を設定する処理である。この設定の手法は上述のように多様であるが、例えばキーフレームから画像の終端までの区間を適用区間などとして設定する。
CPU71は以上のステップS230,S231の処理を経てステップS200に戻る。
【0254】
CPU71は、ユーザがモニタ切換操作、即ち切り替えボタン279の操作を行ったことを検知したら、ステップS203からステップS240に進み、波形モニタ270の表示切り替えを行う。この場合CPU71は、波形モニタ270の表示が調整前であったら、調整後の波形に切り替える処理を行い、波形モニタ270の表示が調整後であったら、調整前の波形に切り替える処理を行う。そしてCPU71の処理はステップS200に戻る。
【0255】
CPU71は、ユーザが揺れ幅調整操作、即ち揺れ幅調整画像200のスライダーの操作を行ったことを検知したら、ステップS204からステップS220に進み、操作を反映する対象区間が設定済みであるかを確認する。
対象区間が設定されていない場合、即ちユーザがキーフレーム設定を行っていない場合は、CPU71はステップS222に進んで、例えば動画の全区間を対象区間とし、今回のスライダーの操作値に応じた揺れ変更パラメータPRMが、全区間に適用されるようにする。もちろん全区間を対象とするのは一例である。
一方、それまでにステップS231の処理で対象区間を設定していた場合、CPU71はステップS221に進んで、設定した対象区間に、今回のスライダーの操作値に応じた揺れ変更パラメータPRMが適用されるようにする。
そしてCPU71の処理はステップS200に戻る。
【0256】
CPU71は、ユーザがプリセットアサインの操作を検知したら、ステップS205からステップS234に進む。
プリセットアサインの操作とは、例えば図31のドラッグ/ドロップ操作DG1,DG2などのように、あるプリセットデータをある区間に割り当てる操作である。
この場合CPU71はステップS234で、アサイン対象の区間を設定し、その区間にアサインされたプリセットデータに基づく揺れ変更パラメータPRMが適用されるようにする。
またCPU71は、アサイン枠254にプリセットデータ表示255が行われるようにするとともに、揺れタイムライン252上で、元の揺れが適用されなくなることを示す表示変更(例えば図32Aの破線表示)も行う。そしてCPU71の処理はステップS200に戻る。
【0257】
CPU71は、ユーザがプリセットアサインの区間を変更する操作を検知したら、ステップS206からステップS235に進む。例えば図32Bで説明したようにユーザがプリセットアサイン区間を変更させる操作を行った場合である。
この場合CPU71はステップS235で、アサイン対象の区間を新たに設定し、プリセットデータに基づく揺れ変更パラメータPRMの適用区間が変更されるようにする。そしてCPU71の処理はステップS200に戻る。
【0258】
CPU71は、ユーザが再生操作、即ち再生操作部274の再生ボタンの操作を行ったことを検知したら、図35のステップS207からステップS250に進み、キーフレーム設定済みであるかを確認する。
【0259】
ユーザがキーフレーム設定を行っていない場合は、CPU71はステップS251に進んで、動画の先頭フレームを再生開始フレームとする。
そしてステップS253で再生開始制御を行う。これにより再生表示部271に動画が先頭から再生される。
なおリピート再生される区間は、繰り返し期間長273で表示されている時間に相当する区間となる。
【0260】
ユーザがキーフレーム設定を行っていた場合は、CPU71はステップS250からステップS251に進んで、キーフレーム設定に応じて、リピート再生される区間の先頭である再生開始フレームを設定する。
上述のようにキーフレーム自体を再生開始フレームとする例もあるし、キーフレームの近辺で再生開始フレームを設定する例もある。
そしてステップS253で再生開始制御を行う。これにより再生表示部271にキーフレーム設定に応じたフレームからの動画が再生される。
なおリピート再生される区間は、当該キーフレーム設定に応じたフレームから、繰り返し期間長273で表示されている時間に相当する区間となる。
【0261】
CPU71はステップS253で再生開始制御を行った後、図34のステップS200に戻る。
【0262】
なお、ステップS252で設定されるリピート再生される区間は、上述のステップS231で設定したユーザ操作による揺れ変更が適用される区間とは必ずしも一致している必要はない。
但し、これらを一致させ、リピート再生される区間に揺れ変更が適用されるとしてもよい。この場合、ユーザが揺れ変更を確認できる区間のみ、揺れ変更が施されるということで、ユーザにわかりやすいインタフェースを提供できることになる。
逆に、ユーザが一部の動画を確認して、揺れを広い範囲に適用させたいとする場合には、リピート再生される区間より広い区間に揺れ変更が適用されるようにすることが望ましい。
また極めて短い一部の区間に揺れ演出を加え、前後の区間も確認したい場合、リピート再生される区間における一部の区間に揺れ変更が適用されるようにすることが望ましい。
【0263】
CPU71は、ユーザが停止操作、即ち再生操作部274の停止ボタンの操作を行ったことを検知したら、図35のステップS208からステップS260に進み、再生停止制御を行う。そして図34のステップS200に戻る。
なお、再生停止と再生一時停止を区別して操作できるようにしてもよい。例えば、再生停止操作とは別の再生一時停止操作の検知を行った場合に、CPU71は、再生画像をそのときのフレームで停止させる処理を行う。
【0264】
CPU71は図35のステップS209で再生期間長の操作、即ち再生繰り返し期間指定ボタン272の操作を検知したら、ステップS265に進み、再生期間長の変更を行う。即ちCPU71は再生期間長の設定の変更を行うとともに、繰り返し期間長273の表示を新たな時間長に変更する。そしてCPU71の処理は図34のステップS200に戻る。
ステップS265で更新された再生期間長は、その後のリピート再生、又は現在行われているリピート再生に反映される。これによりユーザはリピート再生させる区間を調整できる。
【0265】
CPU71は図35のステップS210で、リピート再生が再生終了フレームに到達したことを検知した場合が、ステップS270に進み、リピート再生処理を行う。
再生終了フレームは、ステップS251又はステップS252で設定した再生開始フレームから、設定されている再生期間長を経た位置のフレームである。
CPU71はリピート再生処理として、再生開始フレームに戻って再生を行う制御を行う。そしてステップS200に戻る。
【0266】
以上の図34図35の処理により、図30図31図32図33のようなUI表示とその操作対応が実現される。
【0267】
<6.まとめ及び変形例>
以上の実施の形態では次のような効果が得られる。
実施の形態の画像処理装置TDx,TDyは、動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理を行う揺れ変更部101と、揺れ変更に関する操作子を提示させ操作子による操作情報を取得するUI処理部103と、UI処理部103が取得した操作情報に基づいて、揺れ変更パラメータPRMを設定するパラメータ設定部102を備える。
これによりユーザに対して、画像に揺れを付加したり画像の揺れを抑えたりする画像処理を実行させる操作環境を提供できる。
特に揺れ変更のためのパラメータをUI画面上で視覚的に操作可能とすることで、ユーザにとってわかりやすい揺れ操作環境を提供できることになる。
【0268】
実施の形態では、UI処理部103は、揺れ量を調整する操作子を提示させ、パラメータ設定部102は、操作子の操作情報に基づいて揺れ量を調整するパラメータを設定する例をあげた。例えば図25図26図27図33に示した揺れ幅調整画像200の表示とその操作に対応する処理である。
これにより、ユーザが任意に画像の揺れの量の調整が可能となる。
【0269】
実施の形態では、UI処理部103は1又は複数の揺れ方向成分について揺れ量を調整する操作子を提示させ、パラメータ設定部102は、揺れ方向成分の揺れ量の操作情報に基づいて、揺れ方向成分の揺れ量を調整するパラメータを設定する例をあげた。
即ち画像に表れる揺れには複数の揺れ方向成分が含まれているが、1つの揺れ方向成分又は複数の揺れ方向成分毎に揺れ量を調整可能とする。
これにより、ユーザは揺れ方向単位の揺れ量調整が可能となる。例えば特定方向の揺れが調整可能である。
また複数の揺れ方向成分の揺れ量の調整が可能としてもよい。方向成分毎に揺れ量を調整することで、多様な揺れ変更が実現できる。
例えばユーザは多様な縦揺れのみを低減したり、縦方向の揺れを大きくし、横方向の揺れを小さくするなどの調整が可能となる。
【0270】
特に実施の形態では揺れ方向成分としては、ヨー方向揺れ成分、ロール方向揺れ成分、ピッチ方向揺れ成分の全部又は一部を含む例を挙げた。
ヨー方向、ロール方向、ピッチ方向の揺れ成分の全部又は一部を調整できることで、ユーザは特定の揺れの除去や増大、或いは多様な揺れの演出などの操作を理解しやすいインタフェースで実行できる。
【0271】
なお実施の形態では、揺れ変更部101は、撮像時揺れ情報に基づく揺れ付加のための揺れ情報(例えば揺らすためのクオータニオンQDs)に対し、揺れの方向別に揺れ変更パラメータに基づくゲイン処理を行って、調整後揺れ情報を生成する例を挙げた。
図18図19の処理のように揺れの方向(ヨー、ピッチ、ロール)毎にゲイン処理を行い、ミックスすることで揺れの方向毎に揺れ量を調整した調整後クオータニオンeQDを生成することができる。このようにすることで揺れの方向毎に任意の調整を行って多様な揺れ演出を施すことが可能になる。
例えば縦方向の揺れは加えるが横方向の揺れは加えないといったような揺れ演出も容易に可能となる。
【0272】
実施の形態では、UI処理部103は、1又は複数の揺れの周波数帯について揺れ量を調整する操作子を提示させ、パラメータ設定部102は、周波数帯の揺れ量の操作情報に基づいて、揺れの周波数帯の揺れ量を調整するパラメータを設定する例を挙げた。
画像に表れる揺れには複数の周波数の振動成分が含まれている。そこで1つの周波数帯又は複数の周波数帯毎に揺れ量を調整可能とする。
これにより、ユーザは大きい揺れ、細かい揺れといった揺れ具合を想定して揺れ調整が可能となる。
例えば細かい揺れのみを除去したり付加したりといった調整が可能である。
また複数の周波数帯の揺れ成分の揺れ量の調整を可能とすることで、多様な揺れ具合の揺れ調整が実現できる。例えばユーザは大きな揺れを低減しつつ細かい揺れを際立たせるといったような調整が可能となる。
【0273】
特に実施の形態では周波数帯として、少なくとも低周波数帯域と高周波数帯域の揺れ量を調整する操作子を提示させ、パラメータ設定部102は、低周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータと、高周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータを設定する例を挙げた。
例えば低周波数帯域と高周波数帯域の2バンドで揺れを調整可能とする。或いは低周波数帯域と1又は複数の中間周波数帯域と高周波数帯域の3バンド以上で揺れを調整可能とすることもできる。
これにより、ユーザは帯域(バンド)毎に揺れ量を調整でき、任意の揺れ具合の演出画可能となる。バンド毎に調整可能とするインタフェースを提供することで、ユーザにとって調整操作に応じて実現される揺れ具合が予測しやすいものとなり、操作性が向上する。
【0274】
なお実施の形態では、揺れ変更部101は、撮像時揺れ情報に基づく揺れ付加のための揺れ情報(例えば揺らすためのクオータニオンQDs)に対し、揺れの周波数帯域別に揺れ変更パラメータPRMに基づくゲイン処理を行って、調整後揺れ情報を生成する例を挙げた。
図17図19の処理のように帯域分割してゲイン処理を行い、ミックスすることで揺れの周波数帯域毎に揺れ量を調整した調整後クオータニオンeQDを生成することができる。このようにすることで揺れの周波数帯域毎に任意の調整を行って多様な揺れ演出を施すことが可能になる。
例えば大きな揺れは抑えるが細かい揺れは増加させるといったような揺れ演出も容易に可能となる。
【0275】
実施の形態では、UI処理部103は、揺れ波形のプリセットデータ選択の操作子(プリセットボタン210、211)を提示させてプリセットデータの選択操作を可能とし、パラメータ設定部102は、プリセットデータ選択の操作に応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定する例を挙げた(図27図28図31参照)。
これによりユーザは、用意されたプリセットデータを指定、選択することで、極めて容易に揺れ変更の操作を行うことができる。
例えば揺れのパターンとして、予め、揺れの量の変化、周波数成分、揺れ方向成分などが設定されたプリセットデータを1つ以上用意しておくことで、ユーザはそのプリセットデータを指定するという操作で揺れ変更ができる。
また複数のプリセットデータを用意しておき、ユーザが望みの揺れを選択する操作を行うようにすることができる。
【0276】
上述の例では、人の揺れ、動物の揺れ、乗り物の揺れなどとしてのプリセットデータを用意していることで、ユーザは動画に対し、画像内容や編集意図に沿った揺れ変更を実現するための操作を直感的に行うことができる。
特に揺れに関して、周波数成分やヨー、ロール、ピッチという方向成分に関して詳しい知識がなくとも、揺れを動物の揺れ、乗り物の揺れなどとしてのイメージで捉えて指定できることで、操作の容易性は高い。
【0277】
また例えば人の揺れとしては、さらにゆっくり歩行したときの揺れ、通常歩行時の揺れ、走っているときの揺れ、激しく走ったときの揺れなどとして細分化してプリセットデータを用意しておくことも想定される。
動物の揺れとしては、ウサギ、ネコ、馬、犬、カエルなど、各種の動物種別のプリセットデータを用意しておくと、多様な揺れ編集が可能となる。
乗り物の揺れとしては、自家用車、トラック、電車、飛行機など、各種の乗り物のプリセットデータを用意しておくと、多様な揺れ編集が可能となる。
さらに、例えばアスファルト道路、ダート道路、砂地、氷上など、路面の状態の種別に応じたプリセットデータを用意することや、船上での凪、弱風時、暴風時など、海の状態に応じたプリセットデータを用意することなども考えられる。
【0278】
実施の形態では、UI処理部103は、画像の時間軸方向に揺れ成分を示すタイムライン250,250Aの提示を実行させる例を挙げた(図30図31図32図33参照)。
これにより、ユーザは動画における各区間(各シーン)などにおける揺れの状態を容易に確認できることになる。これはユーザが動画などにおいて全体的な揺れの傾向、様子を確認したり、ユーザが揺れ演出を行いたい区間、揺れ除去を行いたい区間などを確認したりする場合に非常に適している。
【0279】
実施の形態では、UI処理部103は、ユーザ操作によりタイムライン250A(揺れタイムライン252)上でキーフレームを指定可能とする例を挙げた(図33図34及び図35のステップS202,S230,S231等参照)。
これにより、ユーザは動画における或る箇所(区間、シーン)などを任意に指定できる。これは、再生区間の指定や揺れ編集箇所の指定などに便利な機能となる。
【0280】
実施の形態では、UI処理部103は、タイムライン250A(揺れタイムライン252)上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして画像を再生させる処理を行う例を挙げた(図33図34及び図35のステップS202,S230,S207,S250,S252,S253等参照)。
これにより、ユーザは動画における或る箇所を任意に指定して、その再生を指示できる。従ってユーザは、任意の箇所の再生画像を見て揺れの状態を確認することができる。
【0281】
実施の形態では、UI処理部103は、タイムライン250A上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして決定した画像区間を、繰り返し再生させる処理を行う例を挙げた(図33図34及び図35のステップS202,S230,S207,S250,S252,S253,S210,S270等参照)。
揺れの状況は、或る区間(シーン)を繰り返し見ることでユーザは揺れの状況を理解しやすい。また揺れ演出を加えたような場合、繰り返し見ることで、その揺れ演出が適切かどうかをユーザが判断しやすくなる。従ってリピート再生させることは、ユーザの揺れ確認に好適な情報提示となる。
【0282】
実施の形態では、UI処理部103は、揺れ波形のプリセットデータ選択の操作子(プリセットボタン210、211)を提示させ、タイムライン250Aに対して選択されたプリセットデータをアサインする処理を行う例を挙げた(図31図32参照)。
これによりユーザは、タイムライン250A上で任意の区間に任意のプリセットデータをアサインしていくような操作が可能となる。プリセットデータを用いた直感的な操作であるとともに、そのプリセットデータの適用区間をタイムライン上で視覚的に確認しながら決めるという操作が可能となる。
【0283】
実施の形態では、UI処理部103は、タイムライン250Aに対するプリセットデータのアサインに応じて変化する揺れの状況を提示する処理を行うものとした。即ち図32A図32Bのように揺れタイムライン252においてプリセットデータがアサインされた区間は、揺れ波形の表示が異なる状態となるようにし、また、ウサギや馬の表示がタイムライン250Aに配置されて、それらの揺れが付加されることを示すようにした(図34のステップS234,S235参照)。
これによりユーザは、タイムライン250A上でプリセットデータをアサインすることで、当該区間で揺れの状態が変化することを確認できる。
図32A図32Bでは、元の波形は無効となること、及びウサギや馬の揺れになることを明示することになるが、例えば揺れ波形として、ウサギや馬を模した揺れの波形を表示させることなども考えられる。
【0284】
実施の形態では、UI処理部103は、キーフレームを基準に設定した区間に揺れ変更の操作が反映されるようにする例を述べた(図34図35のステップS202,S230,S231,S204,S220,S221参照)。
これにより、ユーザはキーフレームを指定することで、スライダー操作等の適用区間が適切に設定され、その区間の揺れ変更操作を行うことができる。従って操作性が向上する。
キーフレームに応じた区間をどのように設定するかは上述の例のように各種考えられる。
【0285】
実施の形態では、UI処理部103は、タイムライン上で揺れ変更操作にかかる画像の揺れの変更前の状態と変更後の状態を提示させる処理を行う例を挙げた(図33の波形モニタ270、図34のステップS203,S240参照)。
これによりユーザは、揺れ変更操作に応じてどのように揺れの様子が変わるかを確認でき、揺れ変更の操作状況を理解しやすいものとなる。
なお、揺れ変更前と揺れ変更後の揺れの波形を並べて同時に表示させてもよい。
【0286】
実施の形態では、揺れ変更部101は、揺れが生じていない入力画像データ又は揺れ低減処理が施された入力画像データ(画像データPDや画像データPD(NS))に揺れを付加する揺れ変更処理を行う例を挙げた(図7図8図9参照)。
例えば固定カメラで撮像された元々手ブレ等が生じていない画像や、手ブレ等が撮像装置側で除去された画像を対象として揺れ変更を行う。
即ちこの構成により、揺れがない画像、揺れが少ない画像に、揺れを意図的に付加するような揺れ演出としての処理が行われることになり、画像の表現の幅を広げることができる。
【0287】
実施の形態では、揺れ変更部101は、揺れ成分を含む入力画像データ(画像データPD(S))に対し揺れ変更処理を行う例を挙げた(図10図11参照)。
例えば手ブレ等が除去されていない画像が入力され、これを対象として揺れ変更を行う。
この場合、即ち揺れの除去や低減、或いは揺れの増大や付加を任意に行うことになる。揺れ変更処理によれば、元々入力画像データにある揺れを除去することも、その揺れを増大することもできる。また元々入力画像データにある揺れを除去したうえで、新たな揺れを付加することもできる。これにより、画像の質を向上させたり、表現の幅を広げたりすることができる。
【0288】
実施の形態では、UI処理部103はユーザの保存の操作に応じて揺れ情報を記憶させる処理を行う(図30図34のステップS215参照)。
これにより、ユーザが任意に行った操作による揺れ変更等の情報が保存され、その後の再生に反映させたり、さらなる編集に用いたり、或いは揺れの除去に用いたりすることができるようになる。
【0289】
実施の形態のプログラムは、図14図24で説明した処理において、上述のユーザインタフェース処理を、例えばCPU、DSP等、或いはこれらを含むデバイスに実行させるプログラムである。
即ち実施の形態のプログラムは、動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理(ST30)を情報処理装置に実行させる。更にプログラムグラムは、揺れ変更に関する操作子を提示させるとともに操作子による操作情報を取得するUI処理と、UI処理で取得された操作情報に基づいて、揺れ変更処理パラメータPRMを設定するパラメータ設定処理、即ち図29の処理や、図24図35の処理を情報処理装置に実行させる。
【0290】
このようなプログラムにより、上述した画像処理装置TDx、TDyを、例えば携帯端末2,パーソナルコンピュータ3、或いは撮像装置1などの機器において実現できる。
【0291】
このような画像処理装置TDx、TDyを実現するプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0292】
またこのようなプログラムによれば、実施の形態の画像処理装置TDx、TDyの広範な提供に適している。例えばパーソナルコンピュータ、携帯型情報処理装置、携帯電話機、ゲーム機器、ビデオ機器、PDA(Personal Digital Assistant)等にプログラムをダウンロードすることで、当該パーソナルコンピュータ等を、本開示の画像処理装置として機能させることができる。
【0293】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0294】
なお本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理を行う揺れ変更部と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理部と、
前記ユーザインタフェース処理部が取得した操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定部と、を備えた
画像処理装置。
(2)
前記ユーザインタフェース処理部は、揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記操作子の操作情報に基づいて揺れ量を調整するパラメータを設定する
上記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記ユーザインタフェース処理部は、1又は複数の揺れ方向成分について揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記揺れ方向成分の揺れ量の操作情報に基づいて、揺れ方向成分の揺れ量を調整するパラメータを設定する
上記(1)又は(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記揺れ方向成分は、ヨー方向揺れ成分、ロール方向揺れ成分、ピッチ方向揺れ成分の少なくともいずれかを含む
上記(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記ユーザインタフェース処理部は、1又は複数の揺れの周波数帯について揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記周波数帯の揺れ量の操作情報に基づいて、前記周波数帯の揺れ量を調整するパラメータを設定する
上記(1)から(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記ユーザインタフェース処理部は、前記周波数帯として、少なくとも低周波数帯域と高周波数帯域の揺れ量を調整する操作子を提示させ、
前記パラメータ設定部は、前記低周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータと、前記高周波数帯域の揺れ量を調整するパラメータを設定する
上記(5)に記載の画像処理装置。
(7)
前記ユーザインタフェース処理部は、揺れ波形のプリセットデータの選択操作を可能とし、
前記パラメータ設定部は、プリセットデータの選択操作に応じて画像の揺れを調整するパラメータを設定する
上記(1)から(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
前記ユーザインタフェース処理部は、画像の時間軸方向に揺れ成分を示すタイムラインの提示を実行させる
上記(1)から(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
前記ユーザインタフェース処理部は、
ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とする
上記(8)に記載の画像処理装置。
(10)
前記ユーザインタフェース処理部は、
ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とするとともに、
前記タイムライン上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして画像を再生させる処理を行う
上記(8)又は(9)に記載の画像処理装置。
(11)
前記ユーザインタフェース処理部は、
前記タイムライン上でユーザ操作により指定されたキーフレームを基準にして決定した画像区間を、繰り返し再生させる処理を行う
上記(10)に記載の画像処理装置。
(12)
前記ユーザインタフェース処理部は、
前記タイムラインに対して、操作により選択されたプリセットデータをアサインする処理を行う
上記(8)から(11)のいずれかに記載の画像処理装置。
(13)
前記ユーザインタフェース処理部は、
前記タイムラインに対するプリセットデータのアサインに応じて変化する揺れの状況を提示する処理を行う
上記(12)に記載の画像処理装置。
(14)
前記ユーザインタフェース処理部は、ユーザ操作により前記タイムライン上でキーフレームを指定可能とするとともに、
前記キーフレームを基準に設定した区間に揺れ変更の操作が反映されるようにする
請求項8に記載の画像処理装置。
上記(8)から(13)のいずれかに記載の画像処理装置。
(15)
前記ユーザインタフェース処理部は、
揺れ変更操作にかかる画像の揺れの変更前の状態と変更後の状態を提示させる処理を行う
上記(1)から(14)のいずれかに記載の画像処理装置。
(16)
前記揺れ変更部は、
揺れが生じていない入力画像データ又は揺れ低減処理が施された入力画像データに揺れを付加する揺れ変更処理を行う
上記(1)から(15)のいずれかに記載の画像処理装置。
(17)
前記揺れ変更部は、
揺れ成分を含む入力画像データに対し揺れ変更処理を行う
上記(1)から(16)のいずれかに記載の画像処理装置。
(18)
前記ユーザインタフェース処理部は、
ユーザの揺れ情報の保存の操作に応じて揺れ情報を記憶させる処理を行う
上記(1)から(17)のいずれかに記載の画像処理装置。
(19)
画像処理装置が、
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、
前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理と、
を行う画像処理方法。
(20)
動画を構成する入力画像データの揺れの状態を変更することで揺れ変更済み画像データを得る揺れ変更処理と、
揺れ変更に関する操作情報を取得するユーザインタフェース処理と、
前記ユーザインタフェース処理で取得された操作情報に基づいて、前記揺れ変更処理のパラメータを設定するパラメータ設定処理と、
を情報処理装置に実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0295】
1 撮像装置、2 携帯端末、3 パーソナルコンピュータ、4 サーバ、5 記録媒体、11 レンズ系、12 撮像素子部、13 カメラ信号処理部、14 記録制御部、15 表示部、16 出力部、17 操作部、18 カメラ制御部、19 メモリ部、22 ドライバ部、23 センサ部、41 低域通過フィルタ、42 中域通過フィルタ、43 高域通過フィルタ、44,45,46 ゲイン演算部、47,57,61 合成部、51 ヨー成分抽出部、52 ピッチ成分抽出部、53 ロール成分抽出部、54,55,56 ゲイン演算部、58,59,60 方向別処理部、70 情報処理装置、71 CPU、72 ROM、73 RAM、74 バス、75 入出力インタフェース、76 入力部、77 表示部、78 音声出力部、79 記憶部、80 通信部、81 リムーバブル記録媒体、82 ドライブ、101 揺れ変更部、101a 揺れ除去部、101b 揺れ付加部、102 パラメータ設定部、103 UI処理部、104 補正キャンセル部、110 レンズ歪み補正前の画像、111 レンズ歪み補正後の画像、120 露光タイミング、131 座標平面、132 領域、200 揺れ幅調整画像、210 プリセットボタン、211 プリセットボタン、250,250A タイムライン、251 画像タイムライン、252 揺れタイムライン、253 音タイムライン、254,256 プリセットデータ表示、257 クロスフェード表示、260 保存ウインドウ、261 確認ウインドウ、262 OKボタン、263 キャンセルボタン、270 波形モニタ、271 再生表示部、272 再生繰り返し期間指定ボタン、273 繰り返し期間長、274 再生操作部、279 切り替えボタン、281 キーフレーム表示、282 キーフレーム操作子、283 揺れ波形、VS 画像ソース、TDx 画像処理装置、TDy 画像処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35