(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】表示システムの制御方法、情報処理装置の接続方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/141 20220101AFI20241112BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20241112BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241112BHJP
【FI】
H04L67/141
H04W76/10
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2022053881
(22)【出願日】2022-03-29
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 勝義
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-086997(JP,A)
【文献】特開2013-222991(JP,A)
【文献】特開2010-278553(JP,A)
【文献】特開2015-029193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
H04W 76/10
84/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示システムの制御方法であって、
情報処理装置は、
第1接続モードが設定された場合、複数の表示装置のうち、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付ける第1通信モードの第1表示装置を検出することと、
第2接続モードが設定された場合、前記複数の表示装置のうち、ネットワークを介して通信を行う第2通信モードの第2表示装置を検出することと、
前記第1接続モードが設定された状態で前記第2表示装置が選択された場合、認証情報の入力を受け付けることと、
受け付けた前記認証情報が、前記情報処理装置が記憶する認証情報に一致するか否かを判定することと、
受け付けた前記認証情報が、前記情報処理装置が記憶する前記認証情報に一致する場合に、選択された前記第2表示装置に、前記第2通信モードから前記第1通信モードへ通信モードの変更要求を送信することと、
前記第2表示装置は、前記第1通信モードへの変更を要求されると、通信モードを前記第2通信モードから前記第1通信モードに変更することと、
を実行する、表示システムの制御方法。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記第1接続モードが設定された場合、前記第1表示装置に前記予め設定されたアドレスを用いた第1接続要求を送信すること、
を実行する、請求項
1記載の表示システムの制御方法。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記第2接続モードが設定された場合、前記第2表示装置の識別情報を取得することを実行し、取得した前記第2表示装置の識別情報のいずれか1つが選択されると、前記第2表示装置が選択される、
請求項
2記載の表示システムの制御方法。
【請求項4】
前記第1表示装置は、前記第1接続要求を受け付けた場合、前記第1接続要求を許可すること、を実行する、請求項
2記載の表示システムの制御方法。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記第1接続モードが設定された場合に、
前記第1通信モードの前記第1表示装置を検出して、検出した前記第1表示装置の識別情報
と、前記第1通信モード以外の表示装置を選択する選択欄と、を表示した第1画面を表示させることと、
前記選択欄が選択されると、前記第2通信モードの前記第2表示装置を検出し、検出した前記第2表示装置の識別情報を表示した第2画面を表示させることと、
を実行し、
前記第2画面において、前記第2表示装置の識別情報の1つが選択されると、前記認証情報の入力を受け付ける、請求項
1記載の表示システムの制御方法。
【請求項6】
前記第2通信モード
の前記第2表示装置は、
予め設定された設定時間の間、通信モードを、前記第2通信モードから前記第1通信モードに変更すること、
を実行する請求項1から
5のいずれか一項に記載の表示システムの制御方法。
【請求項7】
情報処理装置の接続方法であって、
情報処理装置は、
第1接続モードが設定された場合、複数の表示装置のうち、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付ける第1通信モードの第1表示装置を検出することと、
第2接続モードが設定された場合、前記複数の表示装置のうち、ネットワークを介して通信を行う第2通信モードの第2表示装置を検出することと、
前記第1接続モードが設定された状態で前記第2表示装置が選択された場合、認証情報の入力を受け付けることと、
受け付けた前記認証情報が、前記情報処理装置が記憶する認証情報に一致するか否かを判定することと、
受け付けた前記認証情報が、前記情報処理装置が記憶する前記認証情報に一致する場合に、選択された前記第2表示装置に、前記第2通信モードから前記第1通信モードへ通信モードの変更要求を送信することと、
を実行する情報処理装置の接続方法。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記第1接続モードが設定された場合に、
前記第1通信モードの前記第1表示装置を検出して、検出した前記第1表示装置の識別情報
と、前記第1通信モード以外の表示装置を選択する選択欄と、を表示した第1画面を表示させることと、
前記選択欄が選択されると、前記第2通信モードの前記第2表示装置を検出し、検出した前記第2表示装置の識別情報を表示した第2画面を表示させることと、
を実行し、
前記第2画面において、前記第2表示装置の識別情報の1つが選択されると、前記認証情報
の入力を受け付ける
、請求項
7記載の情報処理装置の接続方法。
【請求項9】
情報処理装置の備えるプロセッサーに、
第1接続モードが設定された場合、複数の表示装置のうち、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付ける第1通信モードの第1表示装置を検出することと、
第2接続モードが設定された場合、前記複数の表示装置のうち、ネットワークを介して通信を行う第2通信モードの第2表示装置を検出することと、
前記第1接続モードが設定された状態で前記第2表示装置が選択された場合、認証情報の入力を受け付けることと、
受け付けた前記認証情報が、前記情報処理装置が記憶する認証情報に一致するか否かを判定することと、
受け付けた前記認証情報が、前記情報処理装置が記憶する前記認証情報に一致する場合に、選択された前記第2表示装置に、前記第2通信モードから前記第1通信モードへ通信モードの変更要求を送信することと、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
前記プロセッサーに、
前記第1接続モードが設定された場合に、前記第1通信モードの前記第1表示装置を検出して、検出した前記第1表示装置の識別情報と、前記第1通信モード以外の表示装置を選択する選択欄と、を表示した第1画面を表示させることと、
前記選択欄が選択されると、前記第2通信モードの前記第2表示装置を検出し、検出した前記
第2表示装置の識別情報を表示した第2画面を表示させることと、を実行させ、
前記第2画面において、前記第2表示装置の識別情報の1つが選択されると、前記認証情報の入力を受け付ける、請求項9記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムの制御方法、情報処理装置の接続方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置に接続する方法の1つとして、表示装置が接続されたネットワークに接続することで表示装置とデータ通信を行う方法がある。
例えば、特許文献1は、ネットワーク上のプロジェクターの状態を識別し、識別した状態に基づいて少なくとも1つのプロジェクターの選択を可能とし、選択されたプロジェクターにデータを送信する投影装置のユーザ・インターフェースシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターは、プロジェクターと同一ネットワークに接続した装置であれば、プロジェクターを使用することが可能となることから、簡易に接続可能であるが、セキュリティーの低下が懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、表示システムの制御方法であって、情報処理装置は、第1接続モードが設定された場合、複数の表示装置のうち、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付ける第1表示装置を検出することと、前記第1表示装置に前記予め設定されたアドレスを用いた第1接続要求を送信することと、第2接続モードが設定された場合、前記複数の表示装置のうち、ネットワークに接続された表示装置を検出することと、前記ネットワークに接続された表示装置のうち、選択された第2表示装置の前記ネットワークにおけるアドレスの入力を受け付けることと、前記第2表示装置に前記ネットワークにおけるアドレスを用いた第2接続要求を送信することと、を実行する表示システムの制御方法である。
【0006】
本開示は、情報処理装置の接続方法であって、第1接続モードが設定された場合、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付ける第1表示装置を検出することと、前記第1表示装置に前記予め設定されたアドレスを用いた第1接続要求を送信することと、第2接続モードが設定された場合、ネットワークに接続された表示装置を検出することと、前記ネットワークに接続された表示装置のうち、選択された第2表示装置の前記ネットワークにおけるアドレスの入力を受け付けることと、前記第2表示装置に前記ネットワークにおけるアドレスを用いた第2接続要求を送信することと、を実行する、情報処理装置の接続方法である。
【0007】
本開示は、情報処理装置の備えるプロセッサーに、第1接続モードが設定された場合、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付ける第1表示装置を検出することと、前記第1表示装置に接続を要求することと、第2接続モードが設定された場合、ネットワークに接続された表示装置を検出することと、前記ネットワークに接続された表示装置のうち、選択された第2表示装置の前記ネットワークにおけるアドレスの入力を受け付けることと、前記第2表示装置に接続を要求することと、を実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図10】情報処理装置の動作を示すフローチャート。
【
図11】プロジェクターの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
1.表示システムのシステム構成の説明
図1は、表示システム1のシステム構成を示す図である。
表示システム1は、複数のプロジェクター100と、情報処理装置200と、を備える。
図1には、1台の情報処理装置200を示すが、表示システム1が備える情報処理装置200の台数は任意である。また、
図1には、プロジェクター100A、100B、100C及び100Dの4台を示すが、プロジェクター100の台数は任意である。以下、プロジェクター100A、100B、100C及び100Dを総称する場合、プロジェクター100と表記する。プロジェクター100は、表示装置に相当する。
【0011】
情報処理装置200は、プロジェクター100が投写する画像の元となる画像データをプロジェクター100に供給する装置である。情報処理装置200には、例えば、スマートフォンやタブレット型のコンピューター、ノート型のコンピューター、デスクトップ型のコンピューターが用いられる。
プロジェクター100は、情報処理装置200から供給される画像データに対応した画像光を生成し、生成した画像光を不図示の投写面に表示する。
【0012】
プロジェクター100及び情報処理装置200は、アクセスポイント機能を備える無線ルーター300により構築される無線ネットワーク10に接続可能である。無線ルーター300は、無線ネットワーク10に接続した装置間のデータの送受信を中継する。
また、無線ルーター300は、インターネット等のグローバルネットワークに接続し、グローバルネットワークに接続する装置と、無線ネットワーク10に接続する装置との間のデータの送受信を中継する。無線ネットワーク10は、ネットワークに相当する。
【0013】
2.プロジェクターの構成
図2は、プロジェクター100の構成を示すブロック図である。
次に、プロジェクター100の構成について説明する。プロジェクター100A、100B、100C及び100Dは、略同一の構成を備えるため、ここでは、プロジェクター100の構成として説明する。また、プロジェクター100A、100B、100C及び100Dの備える機能部を区別する必要がある場合には、「A」、「B」、「C」及び「D」の符号を付して説明する。例えば、プロジェクター100Aの第1記憶部160を第1記憶部160Aと表記し、プロジェクター100Bの第1記憶部160を第1記憶部160Bと表記する。また、プロジェクター100Cの第1記憶部160を第1記憶部160Cと表記し、プロジェクター100Dの第1記憶部160を第1記憶部160Dと表記する。
【0014】
プロジェクター100は、リモコン受光部110、第1無線インターフェイス120、画像処理部130、フレームメモリー135、画像投写部140及び第1制御部150を備える。以下、インターフェイスをI/Fと略記する。
【0015】
リモコン受光部110は、リモコン5から送信される赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号が示す操作内容に対応した操作信号を第1制御部150に出力する。
【0016】
第1無線I/F120は、ネットワークカード125を備え、無線LAN(Local Area Network)による無線通信を行う。本実施形態の第1無線I/F120は、Wi-Fiによる無線通信を行う。Wi-Fiは登録商標である。
【0017】
画像処理部130には、フレームメモリー135が接続される。画像処理部130は、第1制御部150や第1無線I/F120から入力される画像データをフレームメモリー135に展開する。フレームメモリー135は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成される。
【0018】
画像処理部130は、フレームメモリー135に展開した画像データに対して、例えば、解像度変換処理又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。画像処理部130は、第1制御部150により指定された画像処理を実行し、必要に応じて、第1制御部150から入力されるパラメーターを使用して処理を行う。また、画像処理部130は、上記のうち複数の画像処理を組み合わせて実行することも勿論可能である。画像処理部130は、処理の終了した画像データをフレームメモリー135から読み出し、読み出した画像データを画像投写部140の光変調装置143に出力する。
【0019】
画像処理部130及びフレームメモリー135は、例えば、集積回路により構成される。集積回路には、LSI(Large Scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-chip)等が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、第1制御部150と集積回路とが組み合わされた構成であってもよい。
【0020】
画像投写部140は、光源141、光変調装置143及び光学ユニット145を備える。
【0021】
光源141は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電型の光源ランプ、又は発光ダイオードや半導体レーザー等の固体光源を備える。光源141から射出された光は、光変調装置143に入射される。
【0022】
光変調装置143は、光源141から射出された光を変調する光変調素子を備える。光変調装置143は、光変調素子として、例えば、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネルを備える。液晶パネルは、マトリクス状に配列された複数の画素からなるパネル領域を備える。光変調装置143は、入力された画像データに対応した駆動電圧を、パネル領域の各画素に印加して、各画素の光透過率を画像データに対応した透過率に変更する。光源141から射出された光が液晶パネルを透過することで光が変調され、画像データに対応した画像光が生成される。
【0023】
光変調装置143が備える光変調素子は、透過型の液晶パネルに限定されず、例えば、反射型の液晶パネルでもよいし、DMD(Digital Micromirror Device)でもよい。
【0024】
光学ユニット145は、不図示の投写レンズ等を備え、光変調装置143により変調された画像光を不図示の投写面に拡大投写する。これにより投写面には、画像光に対応した画像が表示される。
【0025】
第1制御部150は、第1記憶部160と、第1プロセッサー170とを備えるコンピューター装置である。
【0026】
第1記憶部160は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性のメモリーと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリーと、を備える。ROMは、プロジェクター100の動作を制御する制御プログラム161や設定IP(Internet Protocol)アドレス163、各種設定情報を記憶する。設定IPアドレス163は、プロジェクター100の工場出荷時に設定されたローカルネットワークのIPアドレスであり、プロジェクター100をアクセスポイントとして動作させるときに使用するプロジェクター100のIPアドレスである。設定IPアドレス163は、予め設定されたアドレスに相当する。プロジェクター100Aの第1記憶部160Aが記憶する設定IPアドレス163A、プロジェクター100Bの第1記憶部160Bが記憶する設定IPアドレス163B、プロジェクター100Cの第1記憶部160Cが記憶する設定IPアドレス163C、及びプロジェクター100Dの第1記憶部160Dが記憶する設定IPアドレス163Dは、すべて同一のIPアドレスである。設定IPアドレス163の値は、ユーザーの操作により変更が可能である。RAMは、各種データ等の一時記憶に用いられる。
【0027】
第1プロセッサー170は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサーを備える演算処理装置である。第1プロセッサー170は、単一のプロセッサーにより構成してもよいし、複数のプロセッサーにより構成することも可能である。また、第1プロセッサー170は、第1記憶部160の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoCにより構成してもよい。また、第1プロセッサー170は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。さらに、第1プロセッサー170の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0028】
プロジェクター100は、通信モードとして第1通信モードと、第2通信モードとを備える。第1通信モードは、設定IPアドレス163を、ネットワークカード125のアドレスに設定し、プロジェクター100をアクセスポイントとして動作させるモードである。プロジェクター100は、第1通信モードで動作する場合、設定IPアドレス163への接続要求を受信して、無線ルーター300を介することなく、接続要求のあった情報処理装置200と直接データ通信を行う。第1通信モードのプロジェクター100は、設定IPアドレス163への接続要求があった場合、この接続要求を許可する。
【0029】
第2通信モードは、プロジェクター100が無線ルーター300の構築する無線ネットワーク10に接続し、無線ネットワーク10に接続した情報処理装置200との間で相互にデータ通信を行うモードである。プロジェクター100は、無線ルーター300により設定されたIPアドレスをネットワークカード125のアドレスに設定し、無線ルーター300を介して接続要求のあった情報処理装置200と相互にデータ通信を行う。第2通信モードのプロジェクター100は、無線ネットワーク10を介した接続要求があった場合、この接続要求を許可する。
【0030】
第1制御部150は、プロジェクター100の通信モードを、第1通信モード又は第2通信モードに切り替える。プロジェクター100は、通常、第2通信モードで通信を行い、変更要求を受信したときに、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する。
例えば、第1制御部150は、予め設定されたパスワードと、第1通信モードへの変更要求とをリモコン受光部110により受信すると、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する。また、第1制御部150は、情報処理装置200から通信モードの変更要求を受信した場合、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する。
【0031】
3.情報処理装置の構成
図3は、情報処理装置200の構成を示すブロック図である。
図3を参照しながら情報処理装置200の構成について説明する。
情報処理装置200は、第2無線インターフェイス210、タッチパネル230及び第2制御部250を備える。
【0032】
第2無線I/F210は、ネットワークカード215を備え、無線LANによる無線通信を行う。本実施形態の第2無線I/F210は、Wi-Fiによる無線通信を行う。
【0033】
タッチパネル230は、表示パネル231とタッチセンサー233とを備え、ユーザーのタッチ操作を受け付ける。表示パネル231には、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルが用いられる。タッチセンサー233は、表示パネル231に対するユーザーのタッチ操作を検出する。タッチセンサー233は、ユーザーがタッチした表示パネル231の位置を示す情報を第2制御部250に出力する。
【0034】
第2制御部250は、第2記憶部260と、第2プロセッサー270とを備えるコンピューター装置である。
【0035】
第2記憶部260は、ROM等の不揮発性のメモリーと、RAM等の揮発性のメモリーとを備える。また、第2記憶部260は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を備える構成であってもよい。
【0036】
RAMは、第2プロセッサー270の演算領域として使用される。ROMは、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム等の制御プログラム261や設定IPアドレス263、SSID265、第1パスワード267、第2パスワード269、各種設定情報等を記憶する。アプリケーションプログラムを、以下ではアプリという。
設定IPアドレス263は、プロジェクター100が記憶する設定IPアドレス163と同一のアドレスである。設定IPアドレス263は、予め設定されたアドレスに相当する。
SSID265及び第1パスワード267は、情報処理装置200を、無線ルーター300により構築される無線ネットワーク10に接続するときに使用するSSID及びパスワードである。SSID265及び第1パスワード267は、ユーザーの操作によって設定される。
第2パスワード269は、システム管理者により設定されるパスワードであり、プロジェクター100の通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更するときに入力を要求されるパスワードである。
【0037】
第2プロセッサー270は、CPUやMPU等の演算処理装置である。第2プロセッサー270は、単一のプロセッサーにより構成してもよいし、複数のプロセッサーにより構成することも可能である。また、第2プロセッサー270は、第2記憶部260の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoCにより構成してもよい。また、第2プロセッサー270は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、第2プロセッサー270の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0038】
第2制御部250は、制御プログラム261に含まれるアプリを実行して、情報処理装置200をプロジェクター100に接続する。情報処理装置200は、プロジェクター100に接続する接続モードとして、第1接続モードと、第2接続モードとを備える。
【0039】
第1接続モードは、設定IPアドレス263に対応するIPアドレスで接続要求を受け付けるプロジェクター100にアクセスし、このプロジェクター100と直接、データ通信を行うモードである。また、設定IPアドレス263による接続要求を第1接続要求という。
【0040】
第2接続モードは、情報処理装置200が無線ルーター300の構築する無線ネットワーク10に無線接続し、無線ネットワーク10に接続したプロジェクター100との間で相互にデータ通信を行うモードである。無線ネットワーク10との接続のときには、SSID265及び第1パスワード267が使用される。情報処理装置200は、無線ルーター300により設定されたIPアドレスをネットワークカード215のアドレスに設定し、無線ネットワーク10に接続したプロジェクター100との間で相互にデータ通信を行う。無線ルーター300により設定されたIPアドレスは、ネットワークにおけるアドレスに相当する。また、無線ルーター300により設定されたIPアドレスによる接続要求を第2接続要求という。
【0041】
第2制御部250は、タッチパネル230のタッチ操作によりアプリが選択されると、選択されたアプリの制御に従った動作を開始する。
以下の説明において、プロジェクター100A及び100Bは第1通信モードで動作し、プロジェクター100C及び100Dは、第2通信モードで動作すると仮定して説明する。プロジェクター100A及び100Bは、第1表示装置に相当し、プロジェクター100C及び100Dは、第2表示装置に相当する。
【0042】
第2制御部250は、接続モードが第1接続モードに設定されている場合、第1通信モードのプロジェクター100にアクセスし、プロジェクター100の識別情報を取得する。第1通信モードのプロジェクター100は、設定IPアドレス263に対応するIPアドレスで接続要求を受け付けるプロジェクター100である。識別情報は、例えば、ユーザーによって設定されたプロジェクター100の名称や、プロジェクター100の製造番号である。
【0043】
図4は、タッチパネル230に表示されるアプリ画面500の一例を示す図である。
図4には、第1アプリ画面501の一例を示す図である。第1アプリ画面501は、アプリ画面500に含まれ、第1画面に相当する。
第1アプリ画面501には、表示欄503、選択欄505、OKボタン507及び戻るボタン509が表示される。
表示欄503には、第1通信モードのプロジェクター100から取得したプロジェクター100の名称や、プロジェクター100の製造番号等の識別情報が表示される。
図4に示す表示欄503には、第1通信モードで動作するプロジェクター100A及び100Bの識別情報が表示される。
選択欄505は、第1通信モードのプロジェクター100以外のプロジェクター100を選択するときに選択される。
OKボタン507は、受け付けた操作を確定させるときに押下されるボタンである。
戻るボタン509は、直前に受け付けた操作をキャンセルするボタンである。
【0044】
図5は、タッチパネル230に表示されるアプリ画面500の一例を示す図である。
図5は、表示欄503に識別情報が表示されたプロジェクター100のいずれかが選択され、OKボタン507が押下された場合に表示される確定画面510を示す図である。確定画面510も、アプリ画面500に含まれる。
第2制御部250は、表示欄50
3に識別情報を表示したプロジェクター100A又は100Bがタッチ操作により選択されると、選択されたプロジェクター100A又は100Bに接続要求を送信し、選択されたプロジェクター100A又は100Bに無線接続する。情報処理装置200は、アクセスポイントとして動作するプロジェクター100A又は100Bに直接接続される。確定画面510には、プロジェクター100A又は100Bに接続したことを通知する案内表示511が表示される。この案内表示511には、無線接続されたプロジェクター100A又は100Bの識別情報を含まれる。
【0045】
図6は、アプリ画面500の一例を示す図である。
図6は、
図4の第1アプリ画面501に表示された選択欄505が選択され、OKボタン507が押下された場合に表示される第2アプリ画面520の一例を示す図である。第2アプリ画面520は、アプリ画面500に含まれ、第2画面に相当する。
第2制御部250は、選択欄505が選択され、OKボタン507が押下されると、情報処理装置200を無線ネットワーク10に接続し、無線ネットワーク10に接続したプロジェクター100の識別情報を取得する。ここで取得する識別情報も、例えば、ユーザーによって設定されたプロジェクター100の名称や、プロジェクター100の製造番号である。
【0046】
次に、第2制御部250は、取得した識別情報を含む第2アプリ画面520をタッチパネル230に表示させる。
第2アプリ画面520には、表示欄521、OKボタン523及び戻るボタン525が表示される。
OKボタン523及び戻るボタン525は、第1アプリ画面501に表示されたOKボタン507及び戻るボタン509と同一の機能を備える。
表示欄521には、第2通信モードのプロジェクター100、すなわち、無線ネットワーク10に接続したプロジェクター100の識別情報が表示される。
【0047】
図7は、アプリ画面500の一例を示す図である。
図7は、パスワードの入力を要求する要求画面530の一例を示す図である。
第2制御部250は、
図6に示す表示欄521に識別情報を表示したプロジェクター100C又は100Dがタッチ操作により選択され、OKボタン523が押下されると、
図7に示す要求画面530をタッチパネル230に表示させる。
要求画面530には、入力欄531、OKボタン533、戻るボタン535が表示される。OKボタン533及び戻るボタン535は、第1アプリ画面501に表示されたOKボタン507及び戻るボタン509と同一の機能を備える。
【0048】
第2制御部250は、タッチ操作により入力欄531にパスワードが入力されると、入力されたパスワードが、第2パスワード269に一致するか否かを判定する。第2制御部250は、入力されたパスワードが、第2パスワード269に一致しない場合、再度、パスワードの入力を要求する。
【0049】
図8は、アプリ画面500の一例を示す図である。
図8は、
図7に示す要求画面530において入力されたパスワードが、第2パスワード269に一致した場合に、タッチパネル230に表示される第1アプリ画面501を示す図である。
第2制御部250は、入力されたパスワードが、第2パスワード269に一致した場合、
図6に示す第2アプリ画面520で選択されたプロジェクター100C又は100Dに、通信モードを、第2通信モードから第1通信モードに変更する変更要求を送信する。
第2制御部250は、変更要求を送信したプロジェクター100C又は100Dから、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更したことを通知する変更通知を受信すると、
図8に示す第1アプリ画面501を表示させる。この第1アプリ画面501には、変更通知を受信したプロジェクター100C又は100Dの識別情報が表示される。
【0050】
第2制御部250は、変更通知を受信したプロジェクター100C又は100Dの識別情報がユーザーにより選択され、OKボタン507が押下されると、選択されたプロジェクター100C又は100Dに接続要求を送信する。これにより情報処理装置200と、第1通信モードで動作するプロジェクター100C又は100Dとが、無線接続される。
【0051】
次に、情報処理装置200の接続モードが、第2接続モードに設定されている場合の動作について説明する。
第2制御部250は、接続モードが第2接続モードに設定されている場合、まず、SSID265及び第1パスワード267を使用して無線ネットワーク10に接続する。第2制御部250は、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100の識別情報を取得する。
【0052】
第2制御部250は、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100の識別情報を取得すると、
図6に示す第2アプリ画面520をタッチパネル230に表示させる。
第2制御部250は、表示欄521に識別情報を表示したプロジェクター100C又は100Dがタッチ操作により選択され、OKボタン523が押下されると、IPアドレスの入力画面を表示させて、IPアドレスの入力を要求する。
第2制御部250は、IPアドレスが入力されると、選択されたプロジェクター100に接続要求を送信し、選択されたプロジェクター100に無線接続する。
【0053】
なお、プロジェクター100は、以下の場合に、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更してもよい。
例えば、プロジェクター100は、会議等が予定された設定時間の間だけ、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する。会議等のスケジュールの設定は、例えば、リモコン5を操作して行ってもよいし、情報処理装置200により生成した会議スケジュールをプロジェクター100に送信してもよい。
このようにプロジェクター100の通信モードを、設定時間の間だけ、一時的に第2通信モードから第1通信モードに変更することで、プロジェクター100への簡易な接続と、セキュリティーを維持した接続との両方を実現することができる。このため、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0054】
4.情報処理装置の動作
図9及び
図10は、情報処理装置200の動作を示すフローチャートである。
図9及び
図10に示すフローチャートを参照しながら情報処理装置200の動作について説明する。
ユーザーのタッチ操作によりアプリが選択されると、第2制御部250は選択されたアプリを実行して、アプリの制御に従った動作を開始する(ステップS1)。
まず、第2制御部250は、プロジェクター100に接続する接続要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS2)。第2制御部250は、接続要求を受け付けていない場合(ステップS2/NO)、接続要求を受け付けるまで待機する。
【0055】
第2制御部250は、接続要求を受け付けると(ステップS2/YES)、接続モードとして第1接続モードが選択されているか否かを判定する(ステップS3)。第2制御部250は、接続モードとして第2接続モードが選択された場合の動作については、
図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
第2制御部250は、第1接続モードが選択されると、設定IPアドレス263に対応するIPアドレスのプロジェクター100に識別情報の取得要求を送信する(ステップS4)。次に、第2制御部250は、プロジェクター100から識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS5)。
【0057】
第2制御部250は、プロジェクター100から識別情報を受信していない場合(ステップS5/NO)、タッチパネル230にエラー表示を表示させ(ステップS6)、ステップS3に戻る。
また、第2制御部250は、プロジェクター100から識別情報を受信した場合(ステップS5/YES)、受信した識別情報を含む第1アプリ画面501をタッチパネル230に表示させる(ステップS7)。
【0058】
次に、第2制御部250は、第1アプリ画面501に識別情報を表示したプロジェクター100の1つが選択されたか否かを判定する(ステップS8)。第2制御部250は、識別情報を表示したプロジェクター100が選択された場合(ステップS8/YES)、選択されたプロジェクター100に接続要求を送信し、選択されたプロジェクター100に無線接続する(ステップS9)。ステップS8で選択されたプロジェクター100は、第1表示装置に相当する。
【0059】
また、第2制御部250は、識別情報を表示したプロジェクター100が選択されず(ステップS8/NO)、第1通信モードのプロジェクター100以外のプロジェクター100を選択する選択欄505が選択されると、無線ネットワーク10に接続する。第2制御部250は、SSID265及び第1パスワード267を使用して無線ネットワーク10に接続する。第2制御部250は、第2通信モードで動作し、無線ネットワーク10に接続するプロジェクター100の識別情報を取得する(ステップS10)。
【0060】
次に、第2制御部250は、取得した識別情報を含む第2アプリ画面520をタッチパネル230に表示させる(ステップS11)。第2制御部250は、第2アプリ画面520に識別情報を表示したプロジェクター100が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0061】
第2制御部250は、プロジェクター100が選択されていない場合(ステップS12/NO)、プロジェクター100が選択されるまで待機する。第2制御部250は、プロジェクター100が選択されると(ステップS12/YES)、
図7に示す要求画面530を表示させて(ステップS13)、パスワードの入力案内を表示する。第2制御部250は、パスワードの入力がない場合(ステップS14/NO)、パスワードが入力されるまで処理の開始を待機する。ステップS12で選択されたプロジェクター100は、第3表示装置及び第4表示装置に相当する。
【0062】
第2制御部250は、パスワードが入力されると(ステップS14/YES)、入力されたパスワードが第2パスワード269に一致するか否かを判定して認証を行う(ステップS15)。第2制御部250は、入力されたパスワードが第2パスワード269に一致しない場合、認証失敗と判定し(ステップS15/NO)、ステップS13に戻る。
【0063】
第2制御部250は、入力されたパスワードが第2パスワード269に一致し、認証に成功すると(ステップS15/YES)、ステップS12で選択されたプロジェクター100に、通信モードの変更要求を送信する(ステップS16)。
【0064】
第2制御部250は、通信モードの変更要求を送信したプロジェクター100から、通信モードを第1通信モードに変更したことを通知する変更通知を受信したか否かを判定する(ステップS17)。第2制御部250は、変更通知を受信しなかった場合(ステップS17/NO)、エラー表示を表示させ(ステップS18)、ステップS7に戻る。
【0065】
また、第2制御部250は、変更通知を受信すると(ステップS17/YES)、
図8に示す第1アプリ画面501を表示させる。第1アプリ画面501には、変更通知を受信したプロジェクター100の識別情報が表示される。その後、第2制御部250は、第1アプリ画面501に識別情報を表示したプロジェクター100が選択されると(ステップS8/YES)、選択されたプロジェクター100に接続要求を送信する。そして、第2制御部250は、選択されたプロジェクター100に無線接続する(ステップS9)。
【0066】
また、第2制御部250は、ステップS3で、第1接続モードではないと判定された場合(ステップS3/NO)、無線ネットワーク10に接続する(ステップS19)。第2制御部250は、SSID265及び第1パスワード267を使用して無線ネットワーク10に接続する。第2制御部250は、第2通信モードで動作し、無線ネットワーク10に接続するプロジェクター100の識別情報を取得する(ステップS20)。
【0067】
次に、第2制御部250は、プロジェクター100が選択されていない場合(ステップS21/NO)、プロジェクター100が選択されるまで待機する。第2制御部250は、プロジェクター100が選択されると(ステップS21/YES)、選択されたプロジェクター100のIPアドレスの入力画面を表示させて、IPアドレスの入力を要求する(ステップS22)。ステップS21で選択されたプロジェクター100は、第2表示装置に相当する。
【0068】
第2制御部250は、IPアドレスが入力されたか否かを判定する(ステップS23)。第2制御部250は、IPアドレスが入力されていない場合(ステップS23/NO)、IPアドレスが入力されるまで待機する。
また、第2制御部250は、IPアドレスが入力されると(ステップS23/YES)、入力されたIPアドレスのプロジェクター100に接続要求を送信し、選択されたプロジェクター100に無線接続する(ステップS24)。
【0069】
5.プロジェクターの動作
図11は、プロジェクター100の動作を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートを参照しながらプロジェクター100の動作を説明する。
図11に示すフローチャートでは、通信モードが第2通信モードに設定されたプロジェクター100の動作について説明する。
【0070】
第1制御部150は、画像の表示要求を受信したか否かを判定する(ステップT1)。第1制御部150は、表示要求を受信した場合(ステップT1/YES)、表示要求の送信元に表示許可を送信する。第1制御部150は、その後、表示要求の送信元から送信される画像データを受信する(ステップT2)。第1制御部150は、受信した画像データに基づく画像光を生成し、生成した画像光を投写する(ステップT3)。
【0071】
また、第1制御部150は、表示要求を受信していない場合(ステップT1/NO)、通信モードの変更要求を受信したか否かを判定する(ステップT4)。第1制御部150は、通信モードの変更要求を受信していない場合(ステップT4/NO)、ステップT1の判定に戻る。
【0072】
第1制御部150は、通信モードの変更要求を受信した場合(ステップT4/YES)、通信モードの変更が可能か否かを判定する(ステップT5)。第1制御部150は、他の装置から画像データを受信していない等、通信モードの変更が可能な状態であるか否かを判定する(ステップT5)。第1制御部150は、通信モードの変更ができないと判定した場合(ステップT5/NO)、通信モードの変更要求元に、通信モードの変更不可を通知する(ステップT6)。その後、第1制御部150は、ステップT1の判定に戻る。
【0073】
第1制御部150は、通信モードの変更が可能であると判定すると(ステップT5/YES)、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する(ステップT7)。すなわち、プロジェクター100は、アクセスポイントとして動作し、設定IPアドレス163に対応するIPアドレスからのアクセスを受け付ける。第1制御部150は、通信モードの変更後、通信モードの変更通知を、変更要求の送信元に送信する(ステップT8)。
【0074】
次に、第1制御部150は、設定IPアドレス163に対応するIPアドレスに、無線接続の要求を受信し、この要求元と無線接続したか否かを判定する(ステップT9)。第1制御部150は、要求元と無線接続していない場合(ステップT9/NO)、無線接続されるまで待機する。
【0075】
第1制御部150は、要求元と無線接続されると(ステップT9/YES)、この要求元から送信される画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像光を生成させる。第1制御部150は、生成した画像光を投写させる。
【0076】
次に、第1制御部150は、要求元との無線接続が切断されたか否かを判定する(ステップT10)。第1制御部150は、無線接続が切断されていない場合(ステップT10/NO)、無線接続が切断されるまで待機する。第1制御部150は、無線接続が切断されると(ステップT10/YES)、通信モードを第1通信モードから第2通信モードに変更し(ステップT11)、ステップT1の判定に戻る。
【0077】
6.表示システムの制御方法の効果
情報処理装置200は、第1接続モードが設定された場合、複数のプロジェクター100のうち、第2記憶部260に予め記憶した設定IPアドレス263で接続要求を受け付けるプロジェクター100A及び100Bを検出する。
情報処理装置200は、プロジェクター100A又は100Bに設定IPアドレス263を用いた接続要求である第1接続要求を送信する。
情報処理装置200は、第2接続モードが選択された場合、複数のプロジェクター100のうち、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dを検出する。
情報処理装置200は、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dのうち、選択されたプロジェクター100C又は100Dの無線ネットワーク10におけるIPアドレスの入力を受け付ける。
情報処理装置200は、選択されたプロジェクター100C又は100Dに無線ネットワーク10のIPアドレスを用いた接続要求である第2接続要求を送信する。
【0078】
これにより、情報処理装置200を第1接続モードに設定することで、情報処理装置200を、予め設定された設定IPアドレス263で接続要求を受け付けるプロジェクター100A又は100Bに容易に接続させることができる。
また、情報処理装置200を第2接続モードに設定することで、無線ネットワーク10におけるアドレスを入力しないと、情報処理装置200をプロジェクター100C又は100Dに接続することができない。
従って、プロジェクター100への簡易な接続モードと、セキュリティーを維持した接続モードとの間で切り替えることができるため、セキュリティーが低下せずにユーザーの利便性を向上させることができる。
【0079】
プロジェクター100A及び100Bは、第1通信モードに設定され、かつ、第1接続要求を受け付けた場合、第1接続要求を許可する。
【0080】
これにより、プロジェクター100A及び100Bが、第1接続要求を受け付けた場合に、この第1接続要求を許可させることができる。
【0081】
プロジェクター100C及び100Dは、第2通信モードに設定され、かつ、第2接続要求を受け付けた場合、第2接続要求を許可する。
【0082】
これにより、プロジェクター100C及び100Dが第2接続要求を受け付けた場合に、この第2接続要求を許可させることができる。
【0083】
情報処理装置200は、予め設定された認証情報を受け付けた場合、無線ネットワーク10に接続され、第2通信モードに設定されたプロジェクター100C及び100Dのうち、選択されたプロジェクター100C又は100Dに、第1通信モードへの変更を要求する。
選択されたプロジェクター100C又は100Dは、第1通信モードへの変更を要求された場合、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する。
【0084】
これにより、予め設定された認証情報を入力することで、第2通信モードのプロジェクター100C及び100Dの通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更することができ、プロジェクター100C及び100Dを、情報処理装置200に簡単に接続させることができる。
【0085】
情報処理装置200は、第1接続モードが設定された場合に、プロジェクター100A又は100Bの識別情報を表示した第1アプリ画面501を表示させる。
情報処理装置200は、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100の識別情報の表示を要求された場合に、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100の識別情報を表示した第2アプリ画面520を表示させる。
情報処理装置200は、第2アプリ画面520において、プロジェクター100C又は100Dが選択された場合に、予め設定された認証情報を受け付ける。
情報処理装置200は、予め設定された認証情報を受け付けた場合に、プロジェクター100C又は100Dに、第1通信モードへの変更を要求する。
【0086】
これにより、第1アプリ画面501に接続したいプロジェクター100が含まれない場合、無線ネットワーク10に接続したプロジェクター100の識別情報を表示した第2アプリ画面520を表示させることができる。
また、予め設定された認証情報を入力することで、第2通信モードのプロジェクター100C及び100Dの通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更することができ、プロジェクター100C及び100Dを、情報処理装置200に簡単に接続させることができる。
【0087】
第2通信モードのプロジェクター100C及び100Dは、予め設定された設定時間の間、通信モードを、第2通信モードから第1通信モードに変更する。
【0088】
これにより、予め設定された設定時間の間、通信モードが、第2通信モードから第1通信モードに変更されるので、この設定時間の間だけ、情報処理装置200をプロジェクター100に簡易に接続することができる。
【0089】
7.情報処理装置の接続方法の効果
情報処理装置200は、第1接続モードが設定された場合、複数のプロジェクター100のうち、第2記憶部260に予め記憶した設定IPアドレス263で接続要求を受け付けるプロジェクター100A及び100Bを検出する。
情報処理装置200は、プロジェクター100A又は100Bに設定IPアドレス263を用いた接続要求である第1接続要求を送信する。
情報処理装置200は、第2接続モードが設定された場合、複数のプロジェクター100のうち、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dを検出する。
情報処理装置200は、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dのうち、選択されたプロジェクター100C又は100Dの無線ネットワーク10におけるIPアドレスの入力を受け付ける。
情報処理装置200は、選択されたプロジェクター100C又は100Dに無線ネットワーク10のIPアドレスを用いた接続要求である第2接続要求を送信する。
【0090】
これにより、情報処理装置200を第1接続モードに設定することで、情報処理装置200を、予め設定された設定IPアドレス263で接続要求を受け付けるプロジェクター100A又は100Bに容易に接続させることができる。
また、情報処理装置200を第2接続モードに設定することで、無線ネットワーク10におけるアドレスを入力しないと、情報処理装置200をプロジェクター100C又は100Dに接続することができない。
従って、プロジェクター100への簡易な接続モードと、セキュリティーを維持した接続モードとの間で切り替えることができるため、セキュリティーが低下せずにユーザーの利便性を向上させることができる。
【0091】
情報処理装置200は、予め設定された認証情報を受け付けた場合、無線ネットワーク10に接続され、第2通信モードに設定されたプロジェクター100C及び100Dのうち、選択されたプロジェクター100C又は100Dに、第1通信モードへの変更を要求する。
【0092】
これにより、予め設定された認証情報を入力することで、第2通信モードのプロジェクター100を、第1通信モードに変更することができ、第2通信モードのプロジェクター100と情報処理装置200とを簡単に接続することができる。
【0093】
情報処理装置200は、第1接続モードが設定された場合に、プロジェクター100A及び100Bの識別情報を表示した第1アプリ画面501を表示させる。
情報処理装置200は、無線ネットワーク10に接続された表示装置の識別情報の表示を要求された場合に、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dの識別情報を表示した第2アプリ画面520を表示させる。
情報処理装置200は、第2アプリ画面520において、プロジェクター100C又は100Dが選択された場合に、予め設定された認証情報を受け付ける。
情報処理装置200は、予め設定された認証情報を受け付けた場合に、選択されたプロジェクター100C又は100Dに、第1通信モードへの変更を要求する。
【0094】
これにより、第1アプリ画面501に接続したいプロジェクター100が含まれない場合、無線ネットワーク10に接続したプロジェクター100の識別情報を表示した第2アプリ画面520を表示させることができる。
また、予め設定された認証情報を入力することで、第2通信モードのプロジェクター100C及び100Dの通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更することができ、プロジェクター100C及び100Dを、情報処理装置200に簡単に接続させることができる。
【0095】
8.プログラムの効果
情報処理装置200の備える第2プロセッサー270は、第1接続モードが設定された場合、予め設定されたアドレスで接続要求を受け付けるプロジェクター100A及び100Bを検出する。第2プロセッサー270は、検出したプロジェクター100A又は100Bに接続を要求する。
また、第2プロセッサー270は、第2接続モードが設定された場合、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dを検出する。
第2プロセッサー270は、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100C及び100Dのうち、選択されたプロジェクター100C又は100Dの無線ネットワーク10におけるIPアドレスを受け付ける。
第2プロセッサー270は、選択されたプロジェクター100C又は100Dに接続を要求する。
【0096】
これにより、情報処理装置200を第1接続モードに設定することで、予め設定されたアドレスの接続要求を受け付けるプロジェクター100に情報処理装置200を容易に接続させることができる。
また、情報処理装置200を第2接続モードに設定することで、無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100のアドレスを入力しないと、情報処理装置200を無線ネットワーク10に接続されたプロジェクター100に接続することができない。
従って、プロジェクター100への簡易な接続と、セキュリティーを維持した接続との両方を実現して、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0097】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施の形態である。ただし、上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態の説明では、情報処理装置200の第2記憶部260に、システム管理者により設定された第2パスワード269を記憶させた。情報処理装置200は、プロジェクター100の通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更するときにパスワード認証を実行した。この第2パスワード269を、プロジェクター100に記憶させ、情報処理装置200は、プロジェクター100に通信モードの変更要求を送信するときに、入力されたパスワードも送信してもよい。プロジェクター100は、受信した変更要求からパスワードを取り出し、このパスワードが第2パスワード269に一致するか否かを判定してパスワード認証を行う。プロジェクター100は、パスワード認証に成功すると、変更要求に従って、通信モードを第2通信モードから第1通信モードに変更する。
【0098】
また、プロジェクター100に第2パスワード269を記憶させる構成の場合、第2パスワード269をユーザーが設定してもよい。
まず、ユーザーは、プロジェクター100のIPアドレスを手動で入力し、情報処理装置200を、第2通信モードのプロジェクター100に無線接続させる。プロジェクター100は、IPアドレスの手動入力により接続された情報処理装置200に、パスワード及びIDの設定を要求する。情報処理装置200は、ユーザーにより設定されたパスワード及びIDをプロジェクター100に送信する。プロジェクター100は、受信したパスワード及びIDを第1記憶部160に記憶させる。このとき、プロジェクター100は、情報処理装置200から受信したパスワードを第2パスワード269として記憶させる。
【0099】
また、
図1に示したプロジェクター100及び情報処理装置200の各機能部は、機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、また、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクターの他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0100】
また、表示システムの制御方法、情報処理装置の接続方法及びプログラムを、情報処理装置200が備えるコンピューターや、プロジェクター100が備えるコンピューターにより実現する場合、このコンピューターに実行させるプログラムを記録した記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD、Blu-ray Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、サーバー装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。Blu-rayは、登録商標である。
【符号の説明】
【0101】
1…表示システム、5…リモコン、10…無線ネットワーク、100…プロジェクター、100A、100B、100C、100D…プロジェクター、110…リモコン受光部、120…第1無線I/F、125…ネットワークカード、130…画像処理部、135…フレームメモリー、140…画像投写部、141…光源、143…光変調装置、145…光学ユニット、150…第1制御部、160、160A、160B、160C、160D…第1記憶部、161…制御プログラム、170…第1プロセッサー、200…情報処理装置、210…第2無線I/F、215…ネットワークカード、230…タッチパネル、233…タッチセンサー、250…第2制御部、260…第2記憶部、261…制御プログラム、267…第1パスワード、269…第2パスワード、270…第2プロセッサー、300…無線ルーター、500…アプリ画面、501…第1アプリ画面、505…選択欄、507…OKボタン、509…戻るボタン、510…確定画面、511…案内表示、520…第2アプリ画面、523…OKボタン、525…戻るボタン、530…要求画面、531…入力欄、535…戻るボタン。