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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/06 20060101AFI20241112BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20241112BHJP
   H05F 1/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B60R16/06 Z
B60R16/04 E
H05F1/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022076872
(22)【出願日】2022-05-09
(65)【公開番号】P2023166094
(43)【公開日】2023-11-21
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】須藤 淳一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 健一朗
(72)【発明者】
【氏名】前田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 敏雄
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001879(JP,A)
【文献】特開2018-007367(JP,A)
【文献】特開2016-131427(JP,A)
【文献】特開2019-117709(JP,A)
【文献】国際公開第2015/064195(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/06
B60R 16/04
H05F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に対して絶縁状態に保持されている車体が走行することを含む外部要因による静電気で正に帯電する車両であって、
セパレータを介して対向する正極板と負極板を含む一つ以上のセルと、電解液と、前記セルおよび前記電解液を収容する樹脂ケースと、該樹脂ケースに設けられて前記負極板に接続されるとともに前記車体にアース接続される負極端子と、前記樹脂ケースに設けられて前記正極板に接続されるとともに前記車両の充電器から電力が供給される正極端子とを有し、前記正極端子から前記車両の補機に電力を供給するバッテリと、
前記樹脂ケースの素材に対する帯電列正側の素材で構成された除電シートと、
前記除電シートと前記樹脂ケースとを接触させた状態で保持するとともに前記車体の振動によって前記樹脂ケースと前記除電シートとが摺動可能な状態で前記バッテリを前記車体の所定の位置に保持する保持部材と、を備えることを特徴とする車両。
【請求項2】
前記バッテリは、三つ以上の前記セルが直列に接続されたセル構造を有し、
前記保持部材は、前記セル構造の中央部の前記セルの位置に対応する前記樹脂ケースの外表面と前記除電シートとを接触させた状態で保持することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記セル構造の中央部の前記セルの位置に対応する前記樹脂ケースの外表面と前記除電シートとを電気的に接続する導電線をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記除電シートは、前記樹脂ケースの素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる織布または不織布を有することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記除電シートは、前記車体のバッテリ支持面の上に固定され、
前記バッテリは、前記除電シートの上に載置され、前記樹脂ケースの底面が前記除電シートの上面に接していることを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記除電シートは、前記樹脂ケースの上面に配置され、
前記保持部材は、前記樹脂ケースの前記上面に前記除電シートを接触させるとともに前記除電シートを介して前記バッテリを前記車体のバッテリ支持面との間に保持するブラケットを含むことを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記除電シートは、前記樹脂ケースに接触する面と反対側の面に滑り止めを有していることを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項8】
前記除電シートは、弾性シートと、該弾性シートの表面を覆う前記織布または前記不織布と、を有する請求項4に記載の車両。
【請求項9】
前記弾性シートの素材は、帯電防止樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記弾性シートの表面に、前記織布または前記不織布の素材に対する帯電列負側の素材で構成されたテープが貼付されていることを特徴とする請求項8に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補機バッテリを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から車体が正に帯電することに起因して、正の電荷を帯びた空気流が、車体の外表面から剥離することを抑制することができる車両に関する発明が知られている。たとえば、下記特許文献1に記載されているように、車両は、路面に対して絶縁状態に保持されている車体が、走行することを含む外部要因による静電気で正に帯電する(特許文献1、要約、第0008段落、請求項1等)。
【0003】
特許文献1に記載された車両は、特定部位の正の電位を、正の電位に応じて負の空気イオンを生じさせる自己放電により中和除電して低下させる自己放電式除電器を備えている。ここで、特定部位は、走行時に車体の周囲に流れる正に帯電した空気流が、帯電した車体の表面に沿った流れから表面から離れた流れに変化し始める剥離形状の箇所のうちの少なくとも何れか一つである。
【0004】
特許文献1の車両によれば、車体の表面に帯電した静電気を減じて正の電位を低下させることができるので、正に帯電している空気流との間に生じる斥力(反発力)を低下させることができる。そのため、車体の表面近傍から正に帯電した空気流が剥離することを抑制することができる。その結果、車体の表面に作用する空圧が想定を超えて変化したり、それに伴って車体の空力特性が悪化したりすることを抑制することができるので、操縦安定性などの走行性能が低下するのを抑制できる(特許文献1、第0021段落等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2015/064195号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の車両では、車体の表面に帯電した静電気を減じて正の電位を低下させることができるが、車体に保持された補機バッテリの樹脂製のケースは、依然として正の電位に帯電する。補機バッテリのケースが帯電すると、ケースの内部に収容されて個々のセルを構成する正極板と負極板との間の電解液の撹拌が阻害されて成層化現象が発生することで補機バッテリの劣化が進行し、補機バッテリの本来の性能が発揮されないおそれがある。
【0007】
本開示は、車両の補機に電力を供給するバッテリの樹脂ケースに収容されて個々のセルを構成する正極板と負極板との間の電解液の撹拌を促進させて成層化現象を抑制し、バッテリの劣化を抑制してバッテリの本来の性能を発揮することが可能な車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、路面に対して絶縁状態に保持されている車体が走行することを含む外部要因による静電気で正に帯電する車両であって、セパレータを介して対向する正極板と負極板を含む一つ以上のセルと、電解液と、前記セルおよび前記電解液を収容する樹脂ケースと、該樹脂ケースに設けられて前記負極板に接続されるとともに前記車体にアース接続される負極端子と、前記樹脂ケースに設けられて前記正極板に接続されるとともに前記車両の充電器から電力が供給される正極端子とを有し、前記正極端子から前記車両の補機に電力を供給するバッテリと、前記樹脂ケースの素材に対する帯電列正側の素材で構成された除電シートと、前記除電シートと前記樹脂ケースとを接触させた状態で保持するとともに前記車体の振動によって前記樹脂ケースと前記除電シートとが摺動可能な状態で前記バッテリを前記車体の所定の位置に保持する保持部材と、を備えることを特徴とする車両である。
【0009】
本開示の上記一態様によれば、車両の走行時の路面の凹凸やエンジンの振動などによって車体が振動すると、保持部材によって接触させた状態かつ摺動可能な状態で保持されたバッテリの樹脂ケースと除電シートとが摺動する。除電シートは、バッテリの樹脂ケースの素材に対する帯電列正側の素材で構成されている。そのため、バッテリの樹脂ケースと除電シートとの摺動時の摩擦によってマイナスの電荷を持つ電子が除電シートからバッテリの樹脂ケースへ移動する。その結果、外部要因による静電気で正に帯電する車両に搭載され、除電シートがない場合に正に帯電するバッテリの樹脂ケースが除電されてゼロ電位に近づく。これにより、バッテリの樹脂ケースに収容されて個々のセルを構成する正極板と負極板との間の電解液の撹拌を促進させて成層化現象を抑制し、バッテリの劣化を抑制することができる。
【0010】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記バッテリは、三つ以上の前記セルが直列に接続されたセル構造を有し、前記保持部材は、前記セル構造の中央部の前記セルの位置に対応する前記樹脂ケースの外表面と前記除電シートとを接触させた状態で保持してもよい。
【0011】
このような構成により、三つ以上のセルが直列に接続されたセル構造を有するバッテリにおいて、より帯電しやすい中央部のセルの位置に対応する樹脂ケースの中央部に除電シートを接触させて摺動させることができ、樹脂ケースを効果的に除電することができる。なお、除電シートを接触させる樹脂ケースの外表面は、樹脂ケースの上面、側面、および底面のいずれか一つ以上の面である。
【0012】
本開示の上記一態様に係る車両は、前記セル構造の中央部の前記セルの位置に対応する前記樹脂ケースの外表面と前記除電シートとを電気的に接続する導電線をさらに備えてもよい。
【0013】
このような構成により、除電シートと樹脂ケースとの摺動時の摩擦によって除電シートから樹脂ケースへ移動する電子を、除電シートから離れた樹脂ケースの表面に導電線を介して供給することができる。これにより、帯電しやすく除電シートから離れた樹脂ケースの中央部の正の電荷を除電してゼロ電位に近づけることができ、樹脂ケースに収容されてセパレータを介して対向する正極板と負極板との間の電解液の撹拌を促進させて成層化現象を抑制し、バッテリの劣化を抑制することができる。なお、導電線を接続する樹脂ケースの外表面は、樹脂ケースの上面、側面、および底面のいずれか一つ以上の面である。
【0014】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記除電シートは、前記樹脂ケースの素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる織布または不織布を有してもよい。
【0015】
このような構成により、除電シートに柔軟性および弾性を持たせるとともに、樹脂ケースの表面に対する良好な摺動性を持たせることができる。これにより、保持部材は、除電シートを樹脂ケースとの間で弾性的に圧縮させた状態で保持することができ、除電シートと樹脂ケースとが接触しかつ互いに摺動可能な状態でバッテリを車体の所定の位置に保持することができる。
【0016】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記除電シートは、前記車体のバッテリ支持面の上に固定され、前記バッテリは、前記除電シートの上に載置され、前記樹脂ケースの底面が前記除電シートの上面に接していてもよい。
【0017】
このような構成により、保持部材は、車体のバッテリ支持面の上に固定された除電シートの上面と樹脂ケースの底面とを接触させた状態で保持するとともに、車体の振動による除電シートの上面と樹脂ケースの底面との摺動を許容することができる。これにより、車体の振動時に除電シートの上面と樹脂ケースの底面とを摺動させ、除電シートの上面から樹脂ケースの底面へ電子を供給して樹脂ケースの正の電荷を除電し、樹脂ケースをゼロ電位に近づけることができる。
【0018】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記除電シートは、前記樹脂ケースの上面に配置され、前記保持部材は、前記樹脂ケースの前記上面に前記除電シートを接触させるとともに前記除電シートを介して前記バッテリを前記車体のバッテリ支持面との間に保持するブラケットを含んでもよい。
【0019】
このような構成により、保持部材は、ブラケットによって除電シートと樹脂ケースの上面とを接触させた状態で保持することができる。また、ブラケットは、除電シートを介して車体のバッテリ支持面との間にバッテリを保持することで、車体の振動によって樹脂ケースの上面と除電シートとが摺動可能な状態で、バッテリを車体の所定の位置に保持することができる。
【0020】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記除電シートは、前記樹脂ケースに接触する面と反対側の面に滑り止めを有していてもよい。
【0021】
このような構成により、車体の振動時に除電シートと車体との間の相対的な変位を抑制し、除電シートと樹脂ケースとをより効果的に摺動させることができる。これにより、車体の振動時に除電シートからバッテリの樹脂ケースへ電子をより効果的に供給することができ、除電シートがない場合に正に帯電するバッテリの樹脂ケースを除電してゼロ電位に近づけることができる。
【0022】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記除電シートは、弾性シートと、該弾性シートの表面を覆う前記織布または前記不織布と、を有してもよい。
【0023】
このような構成により、樹脂ケースの素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる柔軟な織布または不織布を、一定の剛性を有する弾性シートによって支持し、除電シートの形状を安定させることができる。また、保持部材によって除電シートと樹脂ケースとを接触させた状態で保持するときに、保持部材とバッテリの樹脂ケースとの間で弾性シートを弾性変形させることができる。これにより、保持部材は、弾性シートの表面を覆う織布または不織布を弾性シートの弾性力によって樹脂ケースに押し当てて接触させ、織布または不織布と樹脂ケースとが摺動可能な状態でバッテリを車体の所定の位置に保持することができる。
【0024】
本開示の上記一態様に係る車両において、前記弾性シートの素材は、帯電防止樹脂であってもよい。
【0025】
このような構成により、弾性シートの表面を覆う織布または不織布と弾性シートとの間の摩擦にともなう静電気による弾性シートの帯電が防止される。そのため、弾性シートの弾性力によって弾性シートの表面を覆う織布または不織布をバッテリの樹脂ケースへ押し当てた状態で織布または不織布と樹脂ケースとを摺動させることができる。したがって、織布または不織布から樹脂ケースへ効率よく電子を供給することができ、除電シートがない場合に正に帯電するバッテリの樹脂ケースをより効率よく除電してゼロ電位に近づけることができる。
【0026】
本開示の上記一態様に係る車両は、前記弾性シートの表面に、前記織布または前記不織布の素材に対する帯電列負側の素材で構成されたテープが貼付されていてもよい。
【0027】
このような構成により、除電シートに発生する電子が増加し、正に帯電するバッテリの樹脂ケースをより効果的に除電してゼロ電位に近づけることができる。
【発明の効果】
【0028】
本開示の上記各態様によれば、車両の補機に電力を供給するバッテリの樹脂ケースに収容されて個々のセルを構成する正極板と負極板の間の電解液の撹拌を促進させて成層化現象を抑制することでバッテリの劣化を抑制し、バッテリの本来の性能を発揮することが可能な車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示に係る車両の実施形態を示す斜視図。
図2図1に示す車両のエンジンルームの平面図。
図3図2に示す車両のエンジンルームに保持されたバッテリの拡大図。
図4図3のバッテリと除電シートおよび保持部材の一例を示す斜視図。
図5図3のバッテリの構成の一例を示す斜視図。
図6図5のバッテリのセル構造の模式図。
図7図3のバッテリと除電シートおよび保持部材の他の一例を示す斜視図。
図8図4図7の除電シートの構成の一例を示す断面図と平面図。
図9図4図7のバッテリと除電シートの他の配置例を示す側面図と底面図。
図10図9のバッテリと除電シートの他の配置例を示す側面図と底面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本開示に係る車両の実施形態を説明する。
【0031】
図1は、本開示に係る車両の実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す車両1のエンジンルーム11Eの平面図である。図3は、図2に示す車両1のエンジンルーム11Eに保持されたバッテリ13の拡大図である。図4は、図3のバッテリ13と除電シート14および保持部材15の一例を示す斜視図である。
【0032】
本実施形態の車両1は、図1に示すように、電気絶縁性を有するタイヤ12が路面Rに接することで、車体11が路面Rに対して絶縁状態に保持されている。そのため、車両1は、たとえば、車体11と空気との摩擦やタイヤ12と路面Rとの摩擦など、車体11が走行することを含む外部要因による静電気で正に帯電する。詳細については後述するが、本実施形態の車両1は、図3および図4に示すように、バッテリ13と、除電シート14と、保持部材15とを備えることを特徴としている。また、本実施形態の車両1は、導電線16をさらに備えている。
【0033】
バッテリ13は、たとえば、12Vの鉛蓄電池であり、図2に示すように、車体11のエンジンルーム11Eの所定の位置に保持されている。なお、バッテリ13は、エンジンルーム11Eではなく、車体11の後部に設置されていてもよい。バッテリ13は、たとえば、車両1のエンジン、ブレーキ、またはドアロックなどを制御する電子制御装置を含む各種の補機に電力を供給したり、車両1のハイブリッドシステムを起動したりするために使用される補機バッテリである。
【0034】
図5は、図3のバッテリ13の構成の一例を示す斜視図である。図6は、図5のバッテリ13のセル構造の模式図である。バッテリ13は、たとえば、樹脂ケース131と、一つ以上のセル132と、電解液133と、負極端子134と、正極端子135とを有している。各々のセル132は、セパレータ132sを介して対向する正極板132pと負極板132nを含む。また、各々のセル132は、ガラスマット132gを含んでもよい。
【0035】
図5および図6に示す例において、バッテリ13は、三つ以上のセル132が直列に接続されたセル構造を有している。より具体的には、バッテリ13は、たとえば、六つの2Vのセル132が直列に接続された6セル構造の12Vの鉛蓄電池である。樹脂ケース131は、各々のセル132を構成するセパレータ132s、正極板132pおよび負極板132nを収容するとともに、電解液133を収容する。電解液133は、たとえば、希硫酸であり、樹脂ケース131の内部で各々のセル132のセパレータ132s、正極板132pおよび負極板132nを浸漬させ、対向する正極板132pと負極板132nの間を満たしている。
【0036】
負極端子134は、樹脂ケース131に設けられて各々セル132の負極板132nに接続されるとともに、車体11にアース接続される。正極端子135は、樹脂ケース131に設けられて各々のセル132の正極板132pに接続されるとともに、車両1の充電器から電力が供給される。車両1の充電器は、たとえば、車両1に搭載された発電機に接続されたコンバータや、車両1に接続される外部の充電設備を含む。バッテリ13は、正極端子135から車両1の補機に電力を供給する。
【0037】
除電シート14は、バッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材によって構成されている。バッテリ13の樹脂ケース131の素材は、たとえば、ポリプロピレンなどの樹脂材料である。樹脂ケース131の素材がポリプロピレンである場合、除電シート14の素材としては、たとえば、紙、アセテート、ガラス繊維、麻、木綿、絹、レーヨン、ナイロン、ウールなど、ポリプロピレンに対する帯電列正側の素材を使用することができる。
【0038】
除電シート14は、たとえば、バッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる織布または不織布を有している。より具体的には、除電シート14は、たとえば、木綿の織布または不織布である。また、除電シート14は、たとえば、前述のようなバッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる織布または不織布に加えて、後述する弾性シートを有してもよい。
【0039】
保持部材15は、図3および図4に示すように、除電シート14とバッテリ13の樹脂ケース131とを接触させた状態で保持する。また、保持部材15は、車体11の振動によって樹脂ケース131と除電シート14とが摺動可能な状態でバッテリ13を車体11の所定の位置に保持する。図3および図4に示す例において、保持部材15は、受皿15Aとブラケット15Bとを有している。
【0040】
受皿15Aは、たとえば、弾性を有する樹脂製の容器であり、車体11に固定され、バッテリ13の樹脂ケース131の下部を収容している。ブラケット15Bは、バッテリ13の樹脂ケース131と受皿15Aとの間に配置されている。除電シート14は、たとえば、樹脂ケース131の下部の周囲を囲むように設けられた受皿15Aの周壁部と樹脂ケース131の側面131sとの間で圧縮されて弾性変形した状態で挟持され、樹脂ケース131の側面131sに接触させた状態で保持されている。
【0041】
導電線16は、たとえば、バッテリ13のセル構造の中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケース131の外表面である上面131tの中央部と除電シート14とを電気的に接続している。ここで、バッテリ13のセル構造の中央部のセル132とは、バッテリ13が六つのセル132を備える6セル構造の場合、両端の四つのセル132の間の二つの132である。
【0042】
より具体的には、導電線16は、たとえば、銅線などの電気導体と、その電気導体を被覆する電気絶縁性の保護被覆とを有している。導電線16の一端で保護被覆から露出された電気導体は、除電シート14に電気的に接続され、導電線16の他端で保護被覆から露出された電気導体は、樹脂ケース131の中央部において、外表面である上面131tに電気的に接続されている。
【0043】
図3および図4に示す例において、導電線16は、たとえば、樹脂ケース131の側面131sに配置された除電シート14と、樹脂ケース131の上面131tとを電気的に接続している。また、樹脂ケース131の上面131tに接続された導電線16の端部は、たとえば、ビニルテープなどの電気絶縁テープ17によって樹脂ケース131の上面131tに固定されている。なお、車両1は、樹脂ケース131の外表面と除電シート14とを電気的に接続する導電線16を有しなくてもよい。
【0044】
図7は、本実施形態のバッテリ13と除電シート14および保持部材15の他の一例を示す斜視図である。図7に示す例において、保持部材15は、ブラケット15Bによって構成されている。また、バッテリ13は、インシュレータ19に収容されている。除電シート14は、バッテリ13の樹脂ケース131の上面131tと側面131sにそれぞれ配置されている。ブラケット15Bは、除電シート14と樹脂ケース131とを接触させた状態で保持するとともに車体11の振動によって樹脂ケース131と除電シート14とが摺動可能な状態でバッテリ13を車体11の所定の位置に保持する。
【0045】
より詳細には、ブラケット15Bは、たとえば、ボルトなどの締結部材によって車体11に固定され、樹脂ケース131の上面131tとの間に除電シート14を圧縮して弾性変形させた状態で保持している。これにより、ブラケット15Bは、樹脂ケース131の中央部の外表面である上面131tに除電シート14を接触させるとともに、除電シート14を介してバッテリ13を車体11のバッテリ支持面との間に保持している。
【0046】
また、インシュレータ19は、たとえば、バッテリ13の樹脂ケース131を囲むように設けられ、樹脂ケース131の側面131sとの間に除電シート14を弾性変形させた状態で挟持している。これにより、インシュレータ19は、バッテリ13の温度低下を防止するとともに、除電シート14と樹脂ケース131の側面131sとを接触させ、車体11の振動によって樹脂ケース131と除電シート14とが摺動可能な状態で保持している。
【0047】
図8は、図4および図7の除電シート14の構成の一例を示す断面図および平面図である。なお、図8の上側に示す除電シート14の断面図は、図8の下側に示す除電シート14の平面図のA-A線に沿う矢視断面図である。図8に示す例において、除電シート14は、弾性シート142と、その弾性シート142の表面を覆う織布または不織布141と、を有している。織布または不織布141の素材は、前述のように、たとえば、アセテート、ガラス繊維、麻、木綿、絹、レーヨン、ナイロン、ウールなど、バッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材の繊維である。
【0048】
弾性シート142の素材は、たとえば、帯電防止ポリプロピレンなどの帯電防止樹脂である。帯電防止樹脂の電気抵抗値(体積固有抵抗)は、たとえば、1×10[Ω・cm]から1×10[Ω・cm]程度であり、静電気を帯びにくい性質を有している。また、弾性シート142の素材は、たとえば、電気抵抗値(体積固有抵抗)が1×10[Ω・cm]から1×10[Ω・cm]程度の導電性樹脂であってもよい。また、弾性シート142の表面に、織布または不織布141の素材に対する帯電列負側の素材で構成されたテープ143が貼付されていてもよい。テープ143の素材としては、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用することができる。
【0049】
図9は、図4および図7のバッテリ13と除電シート14の他の配置例を示す側面図と底面図である。図9の上側のバッテリ13の下方部分の側面図に示すように、除電シート14は、たとえば、車体11のバッテリ支持面111の上に支持または固定されている。また、バッテリ13は、除電シート14の上に載置され、樹脂ケース131の外表面である底面131bが除電シート14の上面に接している。さらに、除電シート14は、樹脂ケース131に接触する面と反対側の面に滑り止め18を有している。
【0050】
滑り止め18は、たとえば、車体11のバッテリ支持面111と除電シート14の少なくとも一方に粘着層を介して貼付されたビニルテープなどの電気絶縁テープであり、除電シート14とバッテリ支持面111との間の滑りを防止する。本実施形態において、滑り止め18は、たとえば、粘着層を介して車体11のバッテリ支持面111に貼付されている。
【0051】
図9の下側の底面図に示すように、バッテリ13の樹脂ケース131の底面131bは、内側に凹部を有する長方形の枠状に設けられている。また、除電シート14は、凹部を含む樹脂ケース131の底面131bよりも広い範囲に設けられ、樹脂ケース131の底面131bの外側に外縁を有している。また、滑り止め18は、たとえば、除電シート14よりも広い範囲に設けられ、除電シート14の外縁の外側に外縁を有している。
【0052】
図10は、図9のバッテリ13と除電シート14の他の配置例を示す側面図と底面図である。図10の上側のバッテリ13の下方部分の一部を破断した側面図に示すように、除電シート14は、たとえば、樹脂ケース131の底面131bの額縁状の外縁部を除く部分に設けられた平面視で矩形の凹部131cの内側に配置されている。除電シート14は、たとえば、樹脂ケース131の凹部131cの底壁131dと、車体11のバッテリ支持面111の上に配置された滑り止め18との間で圧縮されて弾性変形した状態で保持され、樹脂ケース131の外表面の一部である凹部131cの底壁131dに摺動可能に接している。
【0053】
以下、本実施形態の車両1の作用を説明する。
【0054】
本実施形態の車両1は、前述のように、電気絶縁性を有するタイヤ12が路面Rに接することで、車体11が路面Rに対して絶縁状態に保持されている。そのため、車両1は、たとえば、車体11と空気との摩擦やタイヤ12と路面Rとの摩擦など、車体11が走行することを含む外部要因による静電気で正に帯電する。
【0055】
除電シート14を有しない従来の車両では、車体が正に帯電すると、車体の所定の位置に保持されたバッテリの樹脂ケースとその内部に収容されたセパレータが正に帯電する。バッテリの樹脂ケースとその内部のセパレータが帯電すると、樹脂ケースに収容されてセパレータを介して対向する正極板と負極板との間の電解液の撹拌が阻害され、バッテリを劣化させる要因となる成層化現象が発生するおそれがある。成層化現象が発生すると、バッテリの充放電電位が低下してバッテリの本来の性能が発揮されないおそれがある。
【0056】
本実施形態においても、車両1は、路面Rに対して絶縁状態に保持されている車体11が走行することを含む外部要因による静電気で正に帯電する。しかし、本実施形態の車両1は、バッテリ13と、除電シート14と、保持部材15とを備えている。バッテリ13は、一つ以上のセル132と、電解液133と、樹脂ケース131と、負極端子134と、正極端子135とを有し、正極端子135から車両1の補機に電力を供給する。個々のセル132は、セパレータ132sを介して対向する正極板132pと負極板132nを含む。樹脂ケース131は、個々のセル132の構成および電解液133を収容する。負極端子134は、樹脂ケース131に設けられて負極板132nに接続されるとともに車体11にアース接続される。正極端子135は、樹脂ケース131に設けられて正極板132pに接続されるとともに車両1の充電器から電力が供給される。除電シート14は、樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材で構成されている。保持部材15は、除電シート14と樹脂ケース131とを接触させた状態で保持するとともに車体11の振動によって樹脂ケース131と除電シート14とが摺動可能な状態でバッテリ13を車体11の所定の位置に保持する。
【0057】
このような構成により、車両1の走行時の路面の凹凸やエンジンの振動などによって車体11が振動すると、保持部材15によって接触させた状態かつ摺動可能な状態で保持されたバッテリ13の樹脂ケース131と除電シート14とが摺動する。除電シート14は、前述のように、バッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材で構成されている。そのため、バッテリ13の樹脂ケース131と除電シート14との摺動時の摩擦によってマイナスの電荷を持つ電子が除電シート14からバッテリ13の樹脂ケース131へ移動する。
【0058】
その結果、外部要因による静電気で正に帯電する車両1に搭載され、除電シート14がない場合に正に帯電するバッテリ13の樹脂ケース131とその内部のセパレータ132sが除電されてゼロ電位に近づく。これにより、バッテリ13の樹脂ケース131に収容されてセパレータ132sを介して対向する正極板132pと負極板132nとの間の電解液の撹拌を促進させて成層化現象を抑制し、バッテリ13の劣化を抑制することができる。したがって、本実施形態の車両1によれば、バッテリ13の充放電電位の低下を抑制して、バッテリ13の本来の性能を発揮させることができる。
【0059】
また、本実施形態の車両1において、バッテリ13は、三つ以上のセル132が直列に接続されたセル構造を有している。また、保持部材15は、バッテリ13のセル構造の中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケース131の外表面、たとえば、上面、側面または底面の少なくとも一つと、除電シート14とを接触させた状態で保持する。
【0060】
このような構成により、三つ以上のセル132が直列に接続されたセル構造を有するバッテリ13において、より帯電しやすい中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケースの中央部に除電シート14を接触させて摺動させることができる。したがって、除電シート14によって樹脂ケース131をより効果的に除電することができる。
【0061】
また、本実施形態の車両1は、たとえば、図3から図6に示すように、バッテリ13のセル構造の中央部のセル132の位置に対応するバッテリ13の樹脂ケース131の外表面である上面131tと除電シート14とを電気的に接続する導電線16をさらに備えている。
【0062】
このような構成により、除電シート14と樹脂ケース131との摺動時の摩擦によって除電シート14から樹脂ケース131へ移動する電子を、除電シート14から離れた中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケース131の外表面である上面131tに、導電線16を介して供給することができる。これにより、たとえば、樹脂ケース131の側面131sに配置された除電シート14から離れたセル構造の中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケース131の上面131tの正の電荷を除電してゼロ電位に近づけることができる。したがって、本実施形態の車両1によれば、樹脂ケース131に収容されてセパレータ132sを介して対向する正極板132pと負極板132nとの間の電解液の撹拌をより促進させて成層化現象を抑制し、バッテリ13の劣化をより効果的に抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態の車両1において、除電シート14は、たとえば、図8に示すように、バッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる織布または不織布141を有している。
【0064】
このような構成により、除電シート14に柔軟性および弾性を持たせるとともに、樹脂ケース131の表面に対する良好な摺動性を持たせることができる。これにより、保持部材15は、除電シート14を樹脂ケース131との間で弾性的に圧縮させた状態で保持することができ、除電シート14と樹脂ケース131とが接触しかつ互いに摺動可能な状態でバッテリ13を車体11の所定の位置に保持することができる。
【0065】
また、図9および図10に示す例のように、本実施形態の車両1において、除電シート14は、車体11のバッテリ支持面111の上に固定されている。また、バッテリ13は、除電シート14の上に載置され、樹脂ケース131の凹部131cの底壁131dを含む樹脂ケース131の底面131bが、除電シート14の上面に接している。
【0066】
このような構成により、保持部材15は、車体11のバッテリ支持面111の上に固定された除電シート14の上面と樹脂ケース131の底面131bまたは凹部131cの底壁131dとを接触させた状態で保持することができる。また、車体11の振動による除電シート14の上面と樹脂ケース131の底面131bとの摺動を許容することができる。これにより、車体11の振動時に除電シート14の上面と樹脂ケース131の底面131bまたは凹部131cの底壁131dとを摺動させ、除電シート14の上面から樹脂ケース131の底面131bまたは凹部131cの底壁131dへ電子を供給して樹脂ケース131の正の電荷を除電し、樹脂ケース131をゼロ電位に近づけることができる。
【0067】
また、図7に示す例のように、本実施形態の車両1において、除電シート14は、たとえば、セル構造の中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケース131の中央部の上面131tに配置されてもよい。この場合、保持部材15は、たとえば、樹脂ケース131の中央部の上面131tに除電シート14を接触させるとともに、除電シート14を介してバッテリ13を車体11のバッテリ支持面111との間に保持するブラケット15Bを含むことができる。
【0068】
このような構成により、保持部材15は、ブラケット15Bによって除電シート14と、たとえば、樹脂ケース131の中央部の上面131tとを接触させた状態で保持することができる。また、ブラケット15Bは、除電シート14を介して車体11のバッテリ支持面111との間にバッテリ13を保持することで、車体11の振動によって樹脂ケース131の上面131tと除電シート14とが摺動可能な状態で、バッテリ13を車体11の所定の位置に保持することができる。
【0069】
また、図9および図10に示す例のように、本実施形態の車両1において、除電シート14は、樹脂ケース131に接触する面と反対側の面に滑り止め18を有していてもよい。
【0070】
このような構成により、車体11の振動時に除電シート14と車体11との間の相対的な変位を抑制し、除電シート14と樹脂ケース131とをより効果的に摺動させることができる。これにより、車体11の振動時に除電シート14から、たとえば、バッテリ13のセル構造の中央部のセル132の位置に対応する樹脂ケース131の中央部へ電子をより効果的に供給することができる。したがって、除電シート14がない場合に、正のより高い電位に帯電するバッテリ13の樹脂ケース131の中央部およびその内部のセパレータを除電して、一つ以上のセル132を有するバッテリ13の全体を均一にゼロ電位に近づけることができる。
【0071】
また、図8に示す例のように、本実施形態の車両1において、除電シート14は、弾性シート142と、その弾性シート142の表面を覆う織布または不織布141と、を有していてもよい。
【0072】
このような構成により、バッテリ13の樹脂ケース131の素材に対する帯電列正側の素材の繊維からなる柔軟な織布または不織布141を、一定の剛性を有する弾性シート142によって支持し、除電シート14の形状を安定させることができる。また、保持部材15によって除電シート14と樹脂ケース131とを接触させた状態で保持するときに、保持部材15と樹脂ケース131との間で弾性シート142を弾性変形させることができる。これにより、保持部材15は、弾性シート142の表面を覆う織布または不織布141を弾性シート142の弾性力によって樹脂ケース131に押し当てて接触させ、織布または不織布141と樹脂ケース131とが摺動可能な状態でバッテリ13を車体11の所定の位置に保持することができる。
【0073】
また、本実施形態の車両1において、弾性シート142の素材は、帯電防止樹脂であってもよい。
【0074】
このような構成により、弾性シート142の表面を覆う織布または不織布141と弾性シート142との間の摩擦にともなう静電気による弾性シート142の帯電が防止される。そのため、弾性シート142の弾性力によって弾性シート142の表面を覆う織布または不織布141をバッテリ13の樹脂ケース131へ押し当てた状態で織布または不織布141と樹脂ケース131とを摺動させることができる。したがって、織布または不織布141から樹脂ケース131へ効率よく電子を供給することができ、除電シート14がない場合に正に帯電するバッテリ13の樹脂ケース131およびその内部のセパレータをより効率よく除電してゼロ電位に近づけることができる。
【0075】
また、本実施形態の車両1は、弾性シート142の表面に、織布または不織布141の素材に対する帯電列負側の素材で構成されたテープ143が貼付されていてもよい。このような構成により、除電シート14に発生する電子が増加し、正に帯電するバッテリ13の樹脂ケース131をより効果的に除電してゼロ電位に近づけることができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、車両1の補機に電力を供給するバッテリ13の樹脂ケース131に収容されてセパレータ132sを介して対向する正極板132pと負極板132nとの間の電解液の撹拌を促進させて成層化現象を抑制することでバッテリ13の劣化を抑制し、バッテリの本来の性能を発揮することが可能な車両1を提供することができる。
【0077】
以上、図面を用いて本開示に係る車両の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 車両
11 車体
111 バッテリ支持面
13 バッテリ
131 樹脂ケース
131b 底面(外表面)
131s 側面(外表面)
131t 上面(外表面)
132 セル
132n 負極板
132p 正極板
132s セパレータ
133 電解液
134 負極端子
135 正極端子
14 除電シート
141 織布または不織布
142 弾性シート
143 テープ
15 保持部材
15A 受皿(保持部材)
15B ブラケット(保持部材)
16 導電線
18 滑り止め
R 路面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10