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特許7586154エネルギ利用情報システム、エネルギ利用情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】エネルギ利用情報システム、エネルギ利用情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241112BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20241112BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20241112BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
G06Q30/0601 312
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022136753
(22)【出願日】2022-08-30
(65)【公開番号】P2024033260
(43)【公開日】2024-03-13
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】増田 泰造
(72)【発明者】
【氏名】関 康伸
(72)【発明者】
【氏名】粟野 宏基
(72)【発明者】
【氏名】中村 智子
(72)【発明者】
【氏名】金子 剛
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-102673(JP,A)
【文献】特開2018-049399(JP,A)
【文献】特開2020-091771(JP,A)
【文献】特開2014-213843(JP,A)
【文献】特開2020-170419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、該太陽光発電装置を搭載した車両に関する2次情報を取得し、該1次情報に該2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成し、作成された該自然エネルギ利用情報の提供希望者と該自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるマッチング処理部を具備し、該取得希望者により、該取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートが提示され、該マッチング処理部が、該取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と該取得希望者とをマッチングさせるエネルギ利用情報システム。
【請求項2】
該1次情報が、太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電量に関する情報を含む請求項1に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項3】
該1次情報が、該電力エネルギの発電量に関する情報に加え、該車両に搭載されたバッテリの充電量に関する情報および該車両を駆動するために使用される該電力エネルギの消費量に関する情報の少なくとも一方を含む請求項2に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項4】
該2次情報が、該車両の走行位置に関する情報を含む請求項1に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項5】
該2次情報が、該車両の走行位置に関する情報に加え、車両の所有者、車両の搭乗者、車両の走行地域、車両の走行時間に関する少なくとも一つの情報を含む請求項4に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項6】
該1次情報が、太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電量に関する情報を含み、該2次情報が、該車両の走行位置に関する情報を含み、自然エネルギ利用情報が、該電力エネルギの発電量と該車両の走行位置との関係を示す情報を含む請求項1に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項7】
該マッチング処理部は、該取得希望者により提示された走行ルートを各車両の表示画面又は各車両の所有者の携帯端末に表示させる請求項1に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項8】
該マッチング処理部は、該取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する
予定の車両所有者と該取得希望者とをマッチングさせる請求項1に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項9】
該1次情報が、カーボンクレジットによる取引対象であるCO 排出削減量に関する情報を含んでおり、該自然エネルギ利用情報の取得希望者は該カーボンクレジットを購入可能である請求項1に記載のエネルギ利用情報システム。
【請求項10】
コンピュータが、車両に搭載された太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、該太陽光発電装置を搭載した車両に関する2次情報を取得し、該1次情報に該2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成し、作成された該自然エネルギ利用情報の提供希望者と該自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるようにしたエネルギ利用情報処理方法であって、該取得希望者に、該取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートを提示させ、該取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と該取得希望者とをマッチングさせるエネルギ利用情報処理方法。
【請求項11】
車両に搭載された太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、該太陽光発電装置を搭載した車両に関する2次情報を取得し、該1次情報に該2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成し、作成された該自然エネルギ利用情報の提供希望者と該自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるようにしたプログラムであって、該取得希望者に、該取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートを提示させ、該取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と該取得希望者とをマッチングさせるよう、コンピュータに機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギ利用情報システム、エネルギ利用情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電パネルを備えており、太陽光発電パネルにより発電された電力を車両の駆動力等として用いるようにした車両が公知である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-197847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在問題となっている地球温暖化を防ぐための対策として、この太陽光発電パネルによる発電のように自然エネルギを用いた発電の活用を広めることが急務であり、そのためには自然エネルギを用いた発電に対する人々の意識を高めることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明によれば、車両に搭載された太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、太陽光発電装置を搭載した車両に関する2次情報を取得し、1次情報に2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成し、作成された自然エネルギ利用情報の提供希望者と自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるマッチング処理部を具備し、取得希望者により、取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートが提示され、マッチング処理部が、取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と取得希望者とをマッチングさせるエネルギ利用情報システムが提供される。
更に、本発明によれば、コンピュータが、車両に搭載された太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、太陽光発電装置を搭載した車両に関する2次情報を取得し、1次情報に2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成し、作成された自然エネルギ利用情報の提供希望者と自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるようにしたエネルギ利用情報処理方法であって、取得希望者に、取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートを提示させ、取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と取得希望者とをマッチングさせるエネルギ利用情報処理方法が提供される。
更に、本発明によれば、車両に搭載された太陽光発電装置により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、太陽光発電装置を搭載した車両に関する2次情報を取得し、1次情報に2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成し、作成された自然エネルギ利用情報の提供希望者と自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるようにしたプログラムであって、取得希望者に、取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートを提示させ、取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と取得希望者とをマッチングさせるよう、コンピュータに機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
1次情報に2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成することによって、自然エネルギを用いた発電に対する人々の意識を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、エネルギ利用情報システムの全体図である。
図2図2は、管理サーバを図解的に示す図である。
図3図3は、車両を図解的に示す図である。
図4図4は、企業等に設置されている通信機器を示す図である。
図5図5は、自然エネルギ利用情報の一覧表を示す図である。
図6図6は、事前登録の手順を説明するための図である。
図7図7は、車両のスタート処理の手順を説明するための図である。
図8図8は、基礎情報の送信を行うためのフローチャートである。
図9図9は、車両の位置情報の送信を行うためのフローチャートである。
図10図10は、1次情報の算出を行うためのフローチャートである。
図11図11は、2次情報の算出を行うためのフローチャートである。
図12図12は、自然エネルギ利用情報を作成するためのフローチャートである。
図13図13は、自然エネルギ利用情報の一覧表を示す図である。
図14図14は、自然エネルギ利用情報の一覧表を示す図である。
図15図15は、自然エネルギ利用情報の一覧表を示す図である。
図16図16は、取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表を示す図である。
図17図17は、マッチング処理を行うためのフローチャートである。
図18図18Aおよび図18Bは夫々、走行ルートを説明するための図である。
図19図19は、取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表を示す図である。
図20図20は、マッチング処理の手順を説明するための図である。
図21図21は、マッチング処理の手順を説明するための図である。
図22図22Aおよび図22Bは夫々、予定走行ルートの登録の手順およびマッチング処理の手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、エネルギ利用情報システムの全体図を示している。図1を参照すると、1は通信ネットワーク、2は通信ネットワーク1の基地局、3は管理サーバ、4は自然エネルギ利用情報の取得を希望する企業、研究所或いは個人(以下、取得希望者と称する)、5は車両、6は車両の所有者が所有する携帯端末を夫々示している。
【0009】
図2は、図1に示される管理サーバ3を示している。図2を参照すると、管理サーバ3内には、電子制御ユニット10が設けられている。この電子制御ユニット10はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス11によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)12、ROMおよびRAMからなるメモリ13および入出力ポート14を具備する。また、図2に示されるように、各種機器15が電子制御ユニット10に接続されており、また、電子制御ユニット10は通信ネットワーク1に接続されている。
【0010】
図3は、図1に示される車両5の一例を図解的に示している。図3を参照すると、20は車両5を駆動するための電気モータ、21は電気モータ20の駆動制御を行うための駆動制御装置、22はバッテリ、23は車両5の屋根上に設置された太陽光発電装置、例えば、太陽光発電パネル、24は太陽光発電装置23において発電された電力をバッテリ22の充電用と電気モータ20の駆動用とに分配制御するための電力分配制御装置、25は電子制御ユニットを夫々示す。図3に示されるように、電子制御ユニット25はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス26によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)27、ROMおよびRAMからなるメモリ28および入出力ポート29を具備する。また、図3に示されるように、駆動制御装置21および電力分配制御装置24は電子制御ユニット25に接続されており、これら駆動制御装置21および電力分配制御装置24は電子制御ユニット25の出力信号に基づいて制御される。
【0011】
一方、図3に示されるように、車両5には、車両5の周辺を検出するための車載カメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等からなる各種センサ30,GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信装置31、地図データ記憶装置32、ナビゲーション装置33および表示画面を備えた表示部34が設けられている。GNSS受信装置31は、複数の人工衛星から得られる情報に基づいて、車両5の現在位置(例えば車両5の緯度及び経度)を検出することができる。従って、このGNSS受信装置31により車両5の現在位置を特定することができる。このGNSS受信装置31として、例えば、GPS受信装置が用いられる。
【0012】
これらの各種センサ30、GNSS受信装置31、地図データ記憶装置32、ナビゲーション装置33および表示部34、は、電子制御ユニット25に接続されている。また、車両5には、管理サーバ3と通信を行うための通信装置35が搭載されており、車両5および携帯端末6は、基地局2および通信ネットワーク1を介して管理サーバ3と通信可能である。図3に示される例では、車両駆動部20、即ち、電気モータは、バッテリ22の充電電力により駆動されるか、或いは、電力分配制御装置24により分配された車両5の駆動用電力により駆動されるか、或いは、バッテリ22の充電電力および電力分配制御装置24により分配された車両5の駆動用電力の双方により駆動される
【0013】
一方、図3に示される例では、太陽光発電装置23の発電電圧および発電電流等が検出されており、電子制御ユニット25では、これらの検出値に基づいて、太陽光発電装置23の発電電力が算出される。この場合、本発明による実施例では、この太陽光発電装置23の発電電力は、太陽光発電装置23による発電量と称される。また、図3に示される例では、バッテリ22の端子電圧および温度等が検出されており、電子制御ユニット25では、これらの検出値に基づいて、バッテリ22に充電されている電荷量が算出される。この場合、本発明による実施例では、このバッテリ22に充電されている電荷量は、バッテリ22の充電量と称される。また、図3に示される例では、電気モータ20の駆動電圧および駆動電流等が検出されており、電子制御ユニット25では、これらの検出値に基づいて、電気モータ20の駆動電力が算出される。この場合、本発明による実施例では、この電気モータ20の駆動電力は、車両5を駆動するために使用される電力エネルギの消費量と称される。
【0014】
一方、図1に示される取得希望企業4内には通信機器が設置されており、この通信機器が図4において符号40で示されている。図4を参照すると、この通信機器40内には、電子制御ユニット41が設けられている。この電子制御ユニット41もデジタルコンピュータからなり、双方向性バス42によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)43、ROMおよびRAMからなるメモリ44および入出力ポート45を具備する。また、図4に示されるように、各種機器46が電子制御ユニット41に接続されており、また、電子制御ユニット41は通信ネットワーク1に接続されている。従って、この通信機器40も通信ネットワーク1を介して管理サーバ3と通信可能である。
【0015】
さて、現在問題となっている地球温暖化を防ぐための対策として、太陽光発電装置23による発電のように自然エネルギを用いた発電の活用を広めることが急務であり、そのためには自然エネルギを用いた発電に対する人々の意識を高めることが必要である。この場合、車両5に搭載された太陽光発電装置23による発電量等に関する情報だけではなく、この情報に、いつ、誰が、どこで、太陽光発電装置23による発電を行ったかという情報を追加すると、太陽光発電装置23による発電に対する人々の関心が高まると考えられる。例えば、自分の関心のある有名人が太陽光発電装置23による発電を行った場合には、その有名人に関心のある人の太陽光発電装置23による発電に対する関心が高まると考えら、また、例えば、自分の関心のある地域において太陽光発電装置23による発電を行われた場合には、その地域に関心のある人の太陽光発電装置23による発電に対する関心が高まると考えられる。
【0016】
即ち、車両5に搭載された太陽光発電装置23により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、いつ、誰が、どこで、太陽光発電装置23による発電を行ったかという2次情報、即ち、太陽光発電装置23を搭載した車両5に関する2次情報とを合わせた自然エネルギ利用情報、即ち、上述の1次情報に上述の2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成すると、太陽光発電装置23による発電等に対する人々の関心が高まると考えられる。そこで、本発明による実施例では、上述の1次情報に上述の2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成するようにしている。図5に、作成された自然エネルギ利用情報の一覧表の一例を示す。
【0017】
図5を参照すると、図5に示す自然エネルギ利用情報の一覧表には、No.1からNo.nの各車両5毎に、1次情報と2次情報とが列挙されている。図5に示される例では、1次情報として、太陽光発電装置23による発電量と、バッテリ22の充電量と、車両5を駆動するために使用される電力エネルギの消費量とが列挙されている。また、図5に示される例では、これらの発電量、充電量および消費量に加えて、CO排出削減量も列挙されている。この場合、本発明による実施例では、内燃機関に代え電気モータ20を用いて車両5を駆動した場合に削減されるCO排出量がCO排出削減量とされ、このCO排出削減量は、車両5を駆動するために使用される電力エネルギの消費量等から算出される。なお、この場合、車両5の所有者には、このCO排出削減量に相当する量のCOを排出可能とする権利が、取引可能なカーボンクレジットとして付与される。即ち、図5に示される例では、カーボンクレジットによる取引対象であるCO排出削減量に関する情報も列挙されている。
【0018】
一方、図5に示される自然エネルギ利用情報の一覧表には、2次情報として、車両5の走行位置と、車両5の所有者名と、車両5の搭乗者名と、車両5の走行地域と、車両5の走行時間が列挙されている。図5に示される例では、車両5の走行位置は、現在車両5が走行している場所の地名を指しており、車両5の走行地域は、車両5が走行している区画領域、例えば、東京都とか、静岡県とか、愛知県とか、或いは、三島市とか、名古屋市とかを指しており、車両5の走行時間は、例えば、車両5が各走行地域内を走行している時間を指している。
【0019】
また、図5の一覧表に示される各値は、一定時間毎、例えば、10分毎の、或いは、1時間毎の、或いは1日毎の或る時刻における値を示している。また、図5の一覧表に示される各値が、1日毎の或る時刻における値を示している場合、各値が、その時刻までの過去1日間の合計値を示している場合と、各値が、その時刻までの過去の全ての値の合計値を示している場合とがある。この場合、図5の一覧表に示される各値が、或る時刻における過去1日間の合計値を示している場合には、図5において、発電量、充電量、消費量およびCO排出削減量は、或る時刻における過去1日間の合計値を示していることになる。一方、この場合、図5において、走行位置は、この或る時刻における車両5の位置を指しており、走行地域は、この或る時刻における過去1日間に車両5が走行した一つ又は複数の地域を指しており、走行時間は、この或る時刻における過去1日間に車両5が走行した各走行地域における走行時間を指している。
【0020】
前述したように、図5に示される1次情報に図5に示される2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成すると、太陽光発電装置23による発電等に対する人々の関心が高まると考えられる。この場合、本発明による一実施例では、1次情報が、太陽光発電装置23による発電量と、バッテリ22の充電量と、車両5を駆動するために使用される電力エネルギの消費量のうちの少なくとも一つを含んでおり、2次情報が、車両5の走行位置と、車両5の所有者名と、車両5の搭乗者名と、車両5の走行地域と、車両5の走行時間のうちの少なくとも一つを含んでいる。
【0021】
図5に示される自然エネルギ利用情報の一覧表は、各車両5において作成することもできるし、管理サーバ3において作成することもできる。次に、管理サーバ3においてこの自然エネルギ利用情報の一覧表を作成する場合を例にとって、図6から図12を参照しつつ、この自然エネルギ利用情報の一覧表の作成方法の一例について説明する。
【0022】
図6は、管理サーバ3において自然エネルギ利用情報の一覧表を作成する場合において、管理サーバ3に対して行われる事前登録の手順を示している。図6を参照すると、図6のA1で示されるように、最初に、車両5の表示部34の表示画面上において、管理サーバ3の自然エネルギ利用情報の一覧表作成サイトにアクセスし、管理サーバ3の一覧表作成サイトに、車両の形式番号等、車体に関する情報を登録する。次いで、図6のA2で示されるように、車両5の表示部34の表示画面上において、車両5の所有者名等に関する情報を登録する。これらの登録した情報は管理サーバ3の電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶される。車両5の所有者名等に関する情報の登録が完了すると、図6のA3で示されるように、管理サーバ3において車両5に対して車両IDが付与され、付与された車両IDが車両5に送信されて、車両5の電子制御ユニット25のメモリ28内に記憶される。
【0023】
図7は、車両5の使用を開始するときに車両5において行われるスタート処理の手順を示している。図7を参照すると、図7のB1で示されるように、最初に、スタートスイッチがオンにされる。スタートスイッチがオンにされると、図7のB2で示されるように、車両5の表示部34の表示画面上に車両5の搭乗者名の入力要求が表示される。次いで、
図7のB3で示されるように、搭乗者名の入力作業が行われる。搭乗者名の入力作業が行われると、搭乗者名が管理サーバ3の電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶される。次いで、図7のB4で示されるように、自然エネルギ利用情報の送信を開始する旨のスタート通知、入力された搭乗者名および車両IDが、車両5から管理サーバ3に送信される。
【0024】
図8は、1次情報の算出のための基礎情報を車両5から管理サーバ3に送信するための基礎情報の送信ルーチンを示している。このルーチンは、車両5の電子制御ユニット25内において一定時間毎、例えば、1秒毎の割り込みにより実行される。
図8を参照すると、初めに、ステップ50において、太陽光発電装置23の発電電流Iaおよび発電電圧Vaが検出される。次いで、ステップ51では、検出された発電電流Iaおよび発電電圧Vaから太陽光発電装置23の発電電力Pa(kw)が算出される。次いで、ステップ52では、バッテリ22の端子電圧Vbおよび温度Tbが検出される。次いで、ステップ53では、電気モータ20の駆動電流Icおよび駆動電圧Vcが検出される。次いで、ステップ54では、検出された駆動電流Icおよび駆動電圧Vcから電気モータ20の駆動電力Pcが算出される。次いで、ステップ55では、各データ、即ち、算出された太陽光発電装置23の発電電力Pa、検出されたバッテリ22の端子電圧Vbおよび温度Tb、算出された電気モータ20の駆動電力Pcが車両IDと共に管理サーバ3に送信され、送信されたこれらのデータは管理サーバ3の電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶される。
【0025】
図9は、2次情報である車両5の位置情報を車両5から管理サーバ3に送信するための車両位置情報の送信ルーチンを示している。このルーチンは、車両5の電子制御ユニット25内において一定時間毎、例えば、1秒毎の割り込みにより実行される。
図9を参照すると、初めに、ステップ60において、GNSS受信装置31により、車両5の現在位置(例えば車両5の緯度及び経度)が検出される。次いで、ステップ61では、車両5の現在位置を示すデータおよび車両IDが管理サーバ3に送信され、送信されたこれらのデータは管理サーバ3の電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶される。
【0026】
図10は、1次情報の算出ルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ3の電子制御ユニット10内において繰り返し実行される。
図10を参照すると、初めに、ステップ70において、車両5から送信された基礎情報を受信したか否かが判別される。基礎情報を受信したと判別されたときにはステップ71に進んで、太陽光発電装置23の発電電力Paの積算作業が行われ、発電電力Paの積算値がΣPaとされる。また、この発電電力Paの積算値ΣPaに基づいて、積算を開始してからの一定時間(例えば、1時間或いは1日)内における太陽光発電装置23の発電量(kwh)が算出される。次いで、ステップ72では、バッテリ22の端子電圧Vbおよび温度Tbに基づいて、バッテリ22の現在の充電量Qが算出される。
【0027】
次いで、ステップ73では、電気モータ20の駆動電力Pcの積算作業が行われ、電気モータ20の駆動電力Pcの積算値がΣPcとされる。また、この電気モータ20の駆動電力Pcの積算値ΣPcに基づいて、積算を開始してからの一定時間(例えば、1時間或いは1日)内における電力エネルギの消費量(kwh)が算出される。一方、前述したように、本発明による実施例では、内燃機関に代え電気モータ20を用いて車両5を駆動した場合に削減されるCO排出量がCO排出削減量とされ、このCO排出削減量は、車両5を駆動するために使用される電力エネルギの消費量から算出される。従って、ステップ74では、ステップ73において算出された電気モータ20の駆動電力Pcの積算値ΣPcに基づいて、積算を開始してからの一定時間(例えば、1時間或いは1日)内におけるCO排出削減量Rが算出される。
【0028】
図11は、2次情報の算出ルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ3の電子制御ユニット10内において繰り返し実行される。
図11を参照すると、初めに、ステップ80において、車両5から送信された車両5の現在位置を示すデータを受信したか否かが判別される。車両5の現在位置を示すデータを受信したと判別されたときにはステップ81に進み、管理サーバ3の電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶されている地図情報に基づいて、車両5の走行位置、即ち、現在車両5が走行している場所の地名が特定される。次いで、ステップ82では、現在車両5が走行している区画領域が特定される。次いで、ステップ83では、車両5から管理サーバ3への車両5の位置データの送信間隔Δtの積算作業が行われ、送信間隔Δtの積算値がΣtとされる。この送信間隔Δtの積算値Σtは、車両5の位置データの送信が開始されてからの経過時間、即ち、車両5の走行時間を表している。
【0029】
図12は、自然エネルギ利用情報の一覧表の作成ルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ3の電子制御ユニット10内において一定時間毎、例えば、10分毎、1時間毎、或いは、24時間毎に実行される。
12を参照すると、初めに、ステップ90において、管理サーバ3の電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶された情報、図10に示される1次情報の算出ルーチンにより算出された各値および図11に示される2次情報の算出ルーチンにより算出された各値に基づいて、図5に示される自然エネルギ利用情報の一覧表が作成される。次いで、ステップ91では、図5に示される自然エネルギ利用情報が加工され、加工された自然エネルギ利用情報の一覧表が作成される。この加工された自然エネルギ利用情報の一覧表の一例が図13に示されている。
【0030】
即ち、前述したように、自分の関心のある地域において太陽光発電装置23による発電を行われた場合には、その地域に関心のある人の太陽光発電装置23による発電に対する関心が高まると考えられる。図13に示される例では、このような場合を想定して、自然エネルギ利用情報が、車両5の走行地域毎、例えば、東京都(H)、静岡県(H)、愛知県(H)毎に分けて列挙されている。この場合、図13に示される例では、同一走行地域を走行している或いは走行した車両5に対して、例えば、東京都(H)内を走行している或いは走行した車両5に対して、夫々、No.1から順に番号が付され、各車両5に対して、夫々、1次情報については発電量、充電量、消費量およびCO排出削減量が提示されており、2次情報については所有者名および走行時間が提示されている。
【0031】
再び、図12に戻ると、ステップ92では、図5に示されるような自然エネルギ利用情報の一覧表および図13に示されるような自然エネルギ利用情報の一覧表の一方、或いは双方が管理サーバ3の自然エネルギ利用情報の一覧表提示サイトに提示される。自然エネルギ利用情報の取得を希望する取得希望者は、管理サーバ3の自然エネルギ利用情報の一覧表提示サイトにアクセスすることにより、自然エネルギ利用情報を取得することが可能となる。
【0032】
このように、本発明による実施例では、車両5に搭載された太陽光発電装置23により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、太陽光発電装置23を搭載した車両5に関する2次情報を取得し、この1次情報にこの2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報が作成される。
また、本発明による実施例では、車両5に搭載された太陽光発電装置23により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、太陽光発電装置23を搭載した車両5に関する2次情報を取得し、この1次情報にこの該2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成するエネルギ利用情報処理方法が提供される。
また、本発明による実施例では、車両5に搭載された太陽光発電装置23により発電された電力エネルギの発電又は使用に関する1次情報と、太陽光発電装置23を搭載した車両5に関する2次情報を取得し、この1次情報にこの2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報を作成するよう、コンピュータに機能させるプログラムが提供される。
【0033】
また、本発明による実施例では、1次情報が、太陽光発電装置23により発電された電力エネルギの発電量に関する情報を含んでいる。更に、本発明による実施例では、1次情報が、電力エネルギの発電量に関する情報に加え、車両5に搭載されたバッテリ22の充電量に関する情報および車両5を駆動するために使用される電力エネルギの消費量に関する情報の少なくとも一方を含んでいる。
【0034】
また、本発明による実施例では、2次情報が、車両5の走行位置に関する情報を含んでいる。更に、本発明による実施例では、2次情報が、車両5の走行位置に関する情報に加え、車両5の所有者、車両5の搭乗者、車両5の走行地域、車両5の走行時間に関する少なくとも一つの情報を含んでいる。また、本発明による実施例では、1次情報が、太陽光発電装置23により発電された電力エネルギの発電量に関する情報を含み、2次情報が、車両5の走行位置に関する情報を含み、自然エネルギ利用情報が、電力エネルギの発電量と車両5の走行位置との関係を示す情報を含んでいる。
【0035】
1次情報にこの2次情報を紐づけした自然エネルギ利用情報は、自然エネルギの利用に関する人々の関心を高める効果があるばかりでなく、自然エネルギの利用状況を把握する上でも大きな役割を果たす。また、バッテリ22の充電量に関する情報は、バッテリ22の充電電力を電力取引の対象とする場合に特に大きな役割を果たし、CO排出削減量に関する情報は、カーボンクレジットを取引する場合に特に大きな役割を果たす。従って、本発明は、太陽光をはじめとする自然エネルギの利用促進により、脱炭素、カーボンニュートラル、持続可能な社会(SDGs)に貢献するものであると言える。
【0036】
次に、作成された自然エネルギ利用情報の提供希望者と自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるようにした実施例について図14から図22Bを参照しつつ説明する。提供希望者と取得希望者とをマッチングさせるようにした場合には、図5に示される自然エネルギ利用情報の一覧表に希望提供条件が追加された図14に示される自然エネルギ利用情報の一覧表が用いられ、図13に示される自然エネルギ利用情報の一覧表に希望提供条件が追加された図15に示される自然エネルギ利用情報の一覧表が用いられる。
【0037】
図14に示される自然エネルギ利用情報の一覧表および図15に示される自然エネルギ利用情報の一覧表において、希望提供条件には、自然エネルギ利用情報を提供することに対する見返りとしての金銭的要求、ポイントその他の取得要求が提示される。なお、この場合、何ら見返りを要求しない場合もある。
【0038】
ところで、このように提供希望者と取得希望者とをマッチングさせるようにした場合、本発明による実施例では、取得希望自然エネルギ利用情報が取得希望者から提示され、提示された取得希望自然エネルギ利用情報と提供希望者により提供された自然エネルギ利用情報に基づいて、提供希望者と取得希望者とのマッチングが行われる。この場合、本発明による実施例では、自然エネルギ利用情報の取得希望者が管理サーバ3の取得希望自然エネルギ利用情報の登録サイトにアクセスし、取得希望者は取得希望自然エネルギ利用情報の登録を行う。
【0039】
図16は、取得希望者により登録された取得希望自然エネルギ利用情報に基づき、管理サーバ3内において作成される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表の一例を示している。図16に示されように、取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表には、取得希望者と、取得希望1次情報と、取得希望2次情報と、希望取得条件が列挙されている。なお、取得希望1次情報の欄に記載されている各括弧内のAt, At, Ct, Bt, Dtは取得希望量を表しており、取得希望2次情報の欄に記載されている各括弧内のH, H は例えば、東京都、静岡県を表している。また、希望取得条件には、自然エネルギ利用情報を取得することに対する金銭的対価、ポイントその他による対価が提示される。なお、この場合、対価なしとする場合もある。
【0040】
なお、図16には、取得希望者Zが、走行地域が東京都(H)で発電量がAt(kwh)である自然エネルギ利用情報と、走行地域が静岡県(H)で発電量がAt(kwh)である自然エネルギ利用情報と、走行地域が静岡県(H)で電力エネルギの消費量がCt(kwh)である自然エネルギ利用情報の取得を希望している場合、および取得希望者Zが、走行地域が静岡県(H)でバッテリ22の充電量QがDt(Wh)である自然エネルギ利用情報と、走行地域が東京都(H)でCO排出削減量がDt(kg)である自然エネルギ利用情報の取得を希望している場合が一例として示されている。
【0041】
図17は、提供希望者と取得希望者とのマッチングを行うためのマッチング処理ルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ3の電子制御ユニット10内において一定時間毎、例えば、10分毎、1時間毎、或いは、24時間毎に実行される。なお、以下、図15に示される自然エネルギ利用情報の一覧表と、図16に示される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表とに基づき、提供希望者と取得希望者とのマッチングを行う場合を例にとって、このマッチング処理ルーチンについて説明する。
【0042】
図17を参照すると、初めに、ステップ100において、図16に示される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表におけるNo.1の取得希望自然エネルギ利用情報が読み込まれる。次いで、ステップ101では、読み込まれたNo.1の取得希望自然エネルギ利用情報の中の1次情報および2次情報を満たす情報が、図15に示される提供可能な自然エネルギ利用情報の一覧表の中から抽出され、抽出された提供可能な自然エネルギ利用情報の番号No.が記憶される。次いで、ステップ102では、抽出された提供可能な自然エネルギ利用情報の中で最初に抽出された番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報が読み込まれる。
【0043】
次いで、ステップ103では、最初に抽出された番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報の希望提供条件とNo.1の取得希望自然エネルギ利用情報の希望取得条件とが一致するか否かが判別される。希望提供条件と希望取得条件とが一致すると判別されたときにはステップ104に進んで、取得希望者と提供希望者の双方、或いは、少なくとも一方に、取引が成立した旨が連絡される。一方、希望提供条件と希望取得条件とが一致しないと判別されたときにはステップ105に進んで、抽出された全ての番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報について希望提供条件と希望取得条件とが一致するか否かの判別が完了したか否かが判別される。
【0044】
抽出された全ての番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報について、希望提供条件と希望取得条件との条件一致判別が完了していないと判別されたときには、ステップ106に進み、抽出された次の番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報が読み込まれる。次いで、ステップ103に進み、抽出された次の番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報の希望提供条件とNo.1の取得希望自然エネルギ利用情報の希望取得条件とが一致するか否かが判別される。ステップ105において、抽出された全ての番号No.の提供可能な自然エネルギ利用情報について、希望提供条件と希望取得条件との条件一致判別が完了したと判別されたときには、ステップ107に進む。
【0045】
ステップ107では、図16に示される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表にリストアップされた全ての番号No.の取得希望自然エネルギ利用情報について、このような条件一致判別が完了したか否かが判別される。全ての番号No.の取得希望自然エネルギ利用情報について、このような条件一致判別が完了していないと判別されたときには、ステップ108に進んで、図16に示される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表における次のNo.の取得希望自然エネルギ利用情報が読み込まれる。次いで、ステップ101に進む。このようにして、図16に示される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表における全ての取得希望自然エネルギ利用情報について、希望提供条件と希望取得条件とが一致するか否かの判別が行われる。
【0046】
なお、図17に示される例では、希望提供条件と希望取得条件とが一致した場合についてのみ説明しているが、無論のこと、希望提供条件と希望取得条件とが一致しない場合に取得希望者と提供希望者とが交渉し得るようなマッチングシステムを構築することもできる。
【0047】
このように、本発明による実施例では、作成された自然エネルギ利用情報の提供希望者と自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるマッチング処理部が設けられている。この場合、本発明による実施例では、管理サーバ3の電子制御ユニット10がこのマッチング処理部を構成している。
【0048】
また、本発明による実施例では、取得希望者が取得を希望する取得希望自然エネルギ利用情報が提示され、このマッチング処理部は、取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を満たす情報が提供希望者により提供された自然エネルギ利用情報の中に含まれているか否かを判別し、取得希望者の取得希望自然エネルギ利用情報を満たす情報が提供希望者により提供された自然エネルギ利用情報の中に含まれていると判別された場合には、取得希望者と提供希望者とをマッチングさせる。この場合、このマッチング処理部は、取得希望者と提供希望者とをマッチングさせたときには、取得希望者と提供希望者の少なくとも一方に、取引が成立した旨を連絡する。
【0049】
次に、取得希望者が取得を希望する自然エネルギ利用情報を取得し得るように、取得希望者が車両の走行ルートを提示するようにした実施例について説明する。最初に、車両の走行ルートの例を図解的に示している図18Aおよび図18Bを参照しつつ、この実施例の概要について説明する。なお、図18Aは、互いに離れている地域P1およびQ1との間で、例えば、名古屋市と京都市との間で、三つの異なる走行ルートが考えられる場合を示しており、R(1)、R(2)、R(3)は各走行ルート上の経由地を示している。一方、図18Bは、互いに離れている地域P2およびQ2との間で二つの異なる走行ルートが考えられる場合を示しており、R(1)、R(2)は各走行ルート上の経由地を示している。
【0050】
この場合、図18Aに示す例では、経由地R(1)を通る走行ルートと、経由地R(2)を通る走行ルートと、経由地R(3)を通る走行ルートの中から一つの走行ルートが選択され、選択された走行ルートが取得希望者により提示される。一方、図18Bに示す例では、経由地R(1)を通る走行ルートと経由地R(2)を通る走行ルートのいずれか一方の走行ルートが選択され、選択された走行ルートが取得希望者により提示される。どの走行ルートを選択するかは取得希望者の関心の対象に依存している。例えば、取得希望者が走行地域に関心がある場合には、関心のある走行地域を通る走行ルートが選択されるものと考えられ、発電量の多さに関心がある場合には、例えば、天気予報に基づいて日照量の多いと予測される走行ルートが選択されるものと考えられる。
【0051】
図19は、取得希望者により登録された取得希望自然エネルギ利用情報に基づき、管理サーバ3内において作成される取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表の一例を示している。図19に示されように、取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表には、取得希望者と、取得希望1次情報と、取得希望2次情報と、取得希望者により提示された提示走行ルートと、希望取得条件が列挙されている。なお、取得希望1次情報の欄に記載されている各括弧内のAt, At, Ct, Dt, Dtは取得希望量を表しており、取得希望2次情報の欄に記載されている各括弧内のH, H は例えば、東京都、静岡県を表しており、提示走行ルートは図18Aおよび図18Bを参照しつつ説明した取得希望者により選択された走行ルートを表している。また、希望取得条件には、自然エネルギ利用情報を取得することに対する金銭的対価、ポイントその他による対価が提示される。なお、この場合、対価なしとする場合もある。
【0052】
図20は、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理を行うための手順の一例を示している。図20を参照すると、この例では、最初に、図20のC1において、取得希望者が、取得希望企業4内に設置された通信機器40(図4)により管理サーバ3の自然エネルギ利用情報の一覧表作成サイトにアクセスし、管理サーバ3の一覧表作成サイトに、取得希望者、取得希望1次情報、取得希望2次情報、取得希望者により提示された提示走行ルートおよび希望取得条件を登録する。これらデータの登録が完了すると、図20のC2では、管理サーバ3において、これらのデータが図19に示されように取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表に提示される。
【0053】
これらのデータが取得希望自然エネルギ利用情報の一覧表に提示されると、図20のC3では、取得希望者により提示された提示走行ルートを走行可能な提供希望者が、車両5の表示部34の表示画面上において、或いは、車両5の所有者が所有する携帯端末6により、希望提供条件と共に提示走行ルートを走行可能である旨の表明、即ち、提供の申し出を管理サーバ3に送信する。管理サーバ3が提供の申し出を受信すると、図20のC4では、管理サーバ3において、図17に示されるようなマッチング処理ルーチンを用いて、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理が行われる。
【0054】
図21は、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理を行うための手順の別の例を示している。図21を参照すると、この例では、最初に、図21のD1において、取得希望者が、取得希望企業4内に設置された通信機器40(図4)により管理サーバ3の自然エネルギ利用情報の一覧表作成サイトにアクセスし、管理サーバ3の一覧表作成サイトに、取得希望者、取得希望1次情報、取得希望2次情報、取得希望者により提示された提示走行ルートおよび希望取得条件を登録する。これらデータの登録が完了すると、図21のD2では、これらのデータが管理サーバ3から車両5或いは、車両5の所有者が所有する携帯端末6に送信され、これらのデータが、車両5の表示部34の表示画面上、或いは、携帯端末6上に表示される。
【0055】
これらのデータが車両5の表示部34の表示画面上、或いは、車両5の所有者が所有する携帯端末6上に表示されると、図21のD3では、取得希望者により提示された提示走行ルートを走行可能な提供希望者が、車両5の表示部34から、或いは、車両5の所有者が所有する携帯端末6から、希望提供条件と共に提示走行ルートを走行可能である旨の表明、即ち、提供の申し出を管理サーバ3に送信する。管理サーバ3が提供の申し出を受信すると、図21のD4では、管理サーバ3において、図17に示されるようなマッチング処理ルーチンを用いて、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理が行われる。
【0056】
図22Aおよび図22Bは、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理を行うための手順の更に別の例を示している。この例は、提供希望者の予定走行ルートが管理サーバ3内の自然エネルギ利用情報の一覧表作成サイトに予め登録されている場合を示している。
最初に、図22Aを参照すると、この例では、図22AのE1において、各車両5の所有者から予定走行ルート等に関する情報が管理サーバ3に送信される。このとき、管理サーバ3では、車両5の所有者、予定走行ルート等が自然エネルギ利用情報の一覧表作成サイトに登録される。
【0057】
一方、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理の手順を示す図22Bを参照すると、図22BのF1において、取得希望者が、取得希望企業4内に設置された通信機器40(図4)により管理サーバ3の自然エネルギ利用情報の一覧表作成サイトにアクセスし、管理サーバ3の一覧表作成サイトに、取得希望者、取得希望1次情報、取得希望2次情報、取得希望者により提示された提示走行ルートおよび希望取得条件を登録する。これらデータの登録が完了すると、図22BのF2では、管理サーバ3において、図17に示されるようなマッチング処理ルーチンを用いて、各車両5の所有者により登録された予定走行ルート等の中から、取得希望者により登録された提示走行ルート等と一致する予定走行ルート等の検索が行われ、提供希望者と取得希望者とのマッチング処理が行われる。
【0058】
図18Aから図22Bに示される実施例でも、作成された自然エネルギ利用情報の提供希望者と自然エネルギ利用情報の取得希望者とをマッチングさせるマッチング処理部が設けられている。この場合、この実施例でも、管理サーバ3の電子制御ユニット10がこのマッチング処理部を構成している。また、この実施例では、取得希望者により、取得希望者が取得を希望する取得希望自然エネルギ利用情報を取得可能な車両の走行ルートが提示され、マッチング処理部は、取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と取得希望者とをマッチングさせる。
【0059】
また、この実施例では、マッチング処理部は、取得希望者により提示された走行ルートを各車両の表示画面又は各車両の所有者の携帯端末に表示させ、取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する可能性のある車両の所有者と取得希望者とをマッチングさせる。更に、この実施例では、マッチング処理部は、取得希望者により提示された走行ルートに沿って走行する予定の車両所有者と取得希望者とをマッチングさせる。
【符号の説明】
【0060】
1 通信ネットワーク
3 管理サーバ
5 車両
23 太陽光発電装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22