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特許7586159情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20241112BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241112BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241112BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/00 X
H02J7/00 Y
H02J13/00 301A
H02J13/00 301K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022153689
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2021001131の分割
【原出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2022179546
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2019084792
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 渉
(72)【発明者】
【氏名】松島 均
(72)【発明者】
【氏名】中井 啓太
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲郎
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-110969(JP,A)
【文献】特開2017-085724(JP,A)
【文献】特開2001-312342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
H01M 10/48
H02J 7/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子の状態を含む情報を所定時間間隔で通信により取得する取得部と、
取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、
前記蓄電素子を含むシステムのレイアウト画像と、前記蓄電素子の状態を前記蓄電素子の配置に合わせて示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信する送信処理部と、
前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックの情報を更新し定期的に前記通信端末装置に送信する自動モニタ部と
を備え、
前記状態画面のグラフィックは、前記蓄電素子に対し測定される電圧、電流及び温度のいずれかを基準とした状態を示し、
前記状態画面は、前記グラフィックにより表示される状態情報を、前記電圧、電流及び温度のいずれを基準とした状態情報とするかを選択させる切替インタフェースを含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記グラフィックは、前記蓄電素子の階層構造に応じて、モジュール又はバンク又は複数のバンクの状態情報を表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画面情報は、前記蓄電素子の階層構造に応じて全体から一部へ、一部から更に詳細な一部へと遷移するように構成されている、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
蓄電素子に接続、又は搭載されている複数の通信デバイスと、
前記複数の通信デバイスと通信接続が可能な情報処理装置と
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記蓄電素子の状態を含む情報を所定時間間隔で通信により取得する取得部と、
取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、
前記蓄電素子を含むシステムのレイアウト画像と、前記蓄電素子の状態を前記蓄電素子の配置に合わせて示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信する送信処理部と、
前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックの情報を更新し定期的に前記通信端末装置に送信する自動モニタ部とを備え、
前記状態画面のグラフィックは、前記蓄電素子に対し測定される電圧、電流及び温度のいずれかを基準とした状態を示し、
前記状態画面は、前記グラフィックにより表示される状態情報を、前記電圧、電流及び温度のいずれを基準とした状態情報とするかを選択させる切替インタフェースを含む、情報処理システム。
【請求項5】
蓄電素子の情報を、情報処理装置が要求に応じて、又はイベントとして、送信する情報処理方法であって、
前記蓄電素子に接続又は搭載されている通信デバイスを用いて、前記蓄電素子の状態を含む情報を所定時間間隔で通信により取得し、
取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶し、
前記蓄電素子を含むシステムのレイアウト画像と、前記蓄電素子の状態を前記蓄電素子の配置に合わせて示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信し、
前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックの情報を更新し定期的に前記通信端末装置に送信し、
前記状態画面のグラフィックは、前記蓄電素子に対し測定される電圧、電流及び温度のいずれかを基準とした状態を示し、
前記状態画面は、前記グラフィックにより表示される状態情報を、前記電圧、電流及び温度のいずれを基準とした状態情報とするかを選択させる切替インタフェースを含む、情報処理方法。
【請求項6】
表示部を備えるコンピュータに、蓄電素子の情報を表示させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記蓄電素子の情報を、該蓄電素子を含むシステム毎、又は前記蓄電素子が設置されている場所毎に、要求するステップ、
要求に応じて送信された、前記蓄電素子を含むシステムのレイアウト画像と、前記蓄電素子の状態を前記蓄電素子の配置に合わせて示すグラフィックと、前記グラフィックにより表示される状態情報を選択させる切替インタフェースとを含む状態画面の画面情報に基づき、前記状態画面を前記表示部に表示するステップ、
を実行させ、
前記状態画面のグラフィックは、前記蓄電素子に対し測定される電圧、電流及び温度のいずれかを基準とした状態を示し、
前記切替インタフェースは、前記電圧、電流及び温度のいずれを基準とした状態情報とするかを選択させるインタフェースであり、
前記コンピュータに
定期的に送信される更新された前記グラフィックの情報に基づき、更新された前記状態画面を前記表示部に表示するステップ、及び
前記切替インタフェースが選択された場合、前記グラフィックにより表示される状態情報を、選択された電圧、電流又は温度を基準とした状態を示す情報に切り替えて前記状態画面を前記表示部に表示するステップ
を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子の情報を提示する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギー又は既存の発電システムにて発電された電力を蓄電しておく大規模なシステムでの蓄電素子の利用が拡大している。
【0003】
蓄電素子を使用したシステムでは、蓄電素子の状態診断の実施、充電状態(SOC)の推定、寿命予測の実施等を含む保守活動が重要になる。これらのシステムに含まれる蓄電素子のSOC、又は寿命予測の情報について、サーバ装置経由で、蓄電素子のユーザ又は保守担当者が遠隔から取得することを可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-121520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鉛蓄電池又はリチウムイオン電池のような蓄電素子は、車載用途(自動車用途、自動二輪車用途)以外の産業用途に適用される場面が増加している。例えば、太陽光発電システムや風力発電システムに蓄電素子が並設されることがある。大規模な発電システムでは、非常に多くの蓄電素子が設置されて利用される。工場又は大規模施設における電力ピークカットを実現する場合にも、非常に多くの蓄電素子が設置されて利用される。従来の保守支援システムでは、分散電源システム又は事業主体にこのように多くの蓄電素子が設置されるケースを想定していない。
【0006】
大規模ESS(Energy Storage System )では、監視対象の蓄電セルの数が膨大であり、ESSで現在起きている最新の事象を、いかに分かり易く提示するかという点において、改善の余地があった。
【0007】
本発明は、蓄電素子の状態を視覚的に容易に把握することを可能とする情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
情報処理装置は、蓄電素子の状態を含む情報を所定時間間隔で通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記蓄電素子を含むシステムのレイアウト画像と、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信する送信処理部と、前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックの情報を更新し定期的に前記通信端末装置に送信する自動モニタ部とを備え、前記状態画面は、前記グラフィックにより表示される状態情報を選択させる切替インタフェースを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遠隔監視システムの概要を示す図である。
図2】蓄電モジュール群の階層構造及び通信デバイスの接続形態の一例を示す図である。
図3】遠隔監視システムに含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】サーバ装置における情報提示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5】サーバ装置からクライアント装置への情報提示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】サーバ装置からクライアント装置への情報提示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】自動モニタ部の機能を説明する図である。
図8】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図9】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図10】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図11】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図12】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図13】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図14】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図15】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図16】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
情報処理装置は、蓄電素子の状態を含む情報を所定時間間隔で通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記蓄電素子を含むシステムの画像と、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信する送信処理部と、前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックの情報を更新し定期的に前記通信端末装置に送信する自動モニタ部と、を備える。
ここで、「最新情報」とは、取得部が通信により取得した情報の中で最も新しい情報(最後の取得タイミングに取得した情報)であってもよいし、新しい情報のいくつかを加工して(例えば平均して、又は比較して)生成した情報であってもよい。
【0011】
前記蓄電素子は、複数の蓄電セル又はモジュール又はバンク(ストリング)を含んで構成されてもよい。
前記自動モニタ部は、前記情報処理装置で実行されるWebアプリケーションソフトウェアを含んでもよい。
上記構成により、オペレータは、蓄電素子の最新の状態をほぼリアルタイムに、視覚的に容易に把握できる。
【0012】
前記画面情報は、表示する前記蓄電素子の範囲が異なる複数の状態画面に対応して作成されてもよく、前記グラフィックは、当該グラフィックにより状態を示す前記蓄電素子の範囲が、一の状態画面と他の状態画面とで異なってもよい。
前記画面情報は、同一の階層の蓄電素子を複数の範囲に分割した状態画面に対応して作成されてもよい。
前記画面情報は、表示する前記蓄電素子の範囲が階層的に異なる複数の状態画面に対応して作成され、前記グラフィックは、当該グラフィックにより状態を示す前記蓄電素子の範囲が、一の状態画面と他の状態画面とで異なってもよい。すなわち、上位の階層の(第一範囲の)蓄電素子が表示部の一画面に表示される状態画面と、下位の階層の(第一範囲に含まれる第一範囲より狭い第二範囲の)蓄電素子が表示部の一画面に表示される状態画面とで、蓄電素子の状態を示すグラフィックが異なってもよい。
【0013】
従来、監視対象の機器に異常が生じたり保守が必要な状態になったりしたときに、機器のユーザや管理者に電子メールが届くシステムが、様々な分野で用いられている。
様々な分野・機器の中で、リチウムイオン電池のような蓄電素子により構成される蓄電システムは、監視対象(蓄電セル又はモジュール又はバンク)の数が、突出して多い。そのため、大規模ESSについて、従来のシステムのように一部の蓄電セルの異常を知らせる/保守の必要性を知らせる電子メールが届いても、ESS全体の状況を把握したり、どのような処置がどの程度の至急度で必要かを判断したりすることは困難である。大規模ESSでは、多くの場合、一部の蓄電セルに異常があったとしても、ESS全体として支障なく運用される。大規模ESSでは、全体に影響しない程度の異常の有無、全体に影響する程度の異常の有無は異なる判断基準で管理されることが望ましい。
上述の構成により、情報処理装置から、更新されたグラフィックが逐次送信されることで、非常に多くの蓄電素子を含むシステムの状態を、オペレータはほぼリアルタイムに、視覚から直感的に把握できる。状態画面は、ESSの階層構造に応じて全体から一部へ、一部から更に詳細な一部へと遷移するようにしてあってもよい。オペレータは、各蓄電セル又はモジュール又はバンクの状態を1つずつ、例えばSOCを夫々チェックする必要なしに、状態画面から、ESS全体の状況を視覚的に確認できる。これによりシステムのユーザに対して、システムの信頼性を高めることができる。蓄電素子に問題が発生した場合にオペレータは、システムのいずれの場所でどのような処置が適切かを視覚的に把握できる。したがって保守担当者がいずれの場所の蓄電素子を保守点検すべきか、迷う可能性を低くでき、保守担当者による対処を効率化させることができる。
【0014】
前記グラフィックは、前記蓄電素子の状態に対応する色、形、又はイラストを含んでもよい。
前記グラフィックは、前記蓄電素子を含むシステムの画像における前記蓄電素子が写っている位置又は描かれている位置に重畳されて、蓄電セル又はモジュール又はバンク又は複数のバンクの状態を示す第一グラフィックを含んでもよい。
前記第一グラフィックは、前記蓄電セル又はモジュール又はバンク又は複数のバンクの、電圧、電流及び温度の少なくともいずれかの状態を示してもよい。
【0015】
上記構成により、オペレータは、各蓄電セル/モジュール/バンクの状態を1つずつチェックする必要なしに、グラフィックの色、形、又はイラストによって状態画面から蓄電システム全体の、又は任意の範囲の蓄電素子について、状態を視覚的に確認できる。これによりシステムのユーザに対して、システムの信頼性を高めることができる。第一グラフィックの、システム画像に対する重畳位置及びグラフィックの態様によって、蓄電素子のいずれの場所で、どのような問題(どの程度の問題)が発生しているかをオペレータが早急に把握でき、保守担当者による対処を効率化させることができる。
【0016】
前記グラフィックは、前記蓄電素子のSOCを示す第二グラフィックを含んでもよい。前記第二グラフィックによるSOCは、前記蓄電素子に接続されたパワーコンディショナから出力されるSOCに整合させてあってもよい。
【0017】
上記構成により、蓄電素子の充電状態を視覚的に容易に把握することができる。システムのユーザに対してシステムの信頼性を高めることができる。
【0018】
情報処理システムは、蓄電素子に接続、又は搭載されている通信デバイスと、該複数の通信デバイスと通信接続が可能な情報処理装置とを含み、該情報処理装置は、前記蓄電素子の状態を含む情報を所定時間間隔で通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記蓄電素子を含むシステムの画像と、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信する送信処理部と、前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックを更新し定期的に前記通信端末装置に送信する自動モニタ部とを備える。
【0019】
情報処理方法は、蓄電素子の情報を、情報処理装置が要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理方法は、前記蓄電素子に接続又は搭載されている複数の通信デバイスを用いて、前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得し、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶し、前記蓄電素子を含むシステムの画像と、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を通信端末装置に送信し、前記記憶媒体に記憶してある最新情報に基づいて前記グラフィックを更新し定期的に前記通信端末装置に送信する、ステップを含む。
【0020】
コンピュータプログラムは、表示部を備えるコンピュータに、蓄電素子の情報を表示させる。コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、前記蓄電素子の情報を、該蓄電素子を含むシステム毎、又は前記蓄電素子が設置されている場所毎に、要求するステップ、要求に応じて送信された、前記蓄電素子を含むシステムの画像と、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報に基づき、前記状態画面を前記表示部に表示するステップ、及び、定期的に送信される更新された前記グラフィックの情報に基づき、更新された前記状態画面を前記表示部に表示するステップを実行させる。
【0021】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、遠隔監視システム100の概要を示す図である。遠隔監視システム100は、メガソーラー発電システムS、火力発電システムF、風力発電システムWに含まれる蓄電素子及び電源関連装置に関する情報への遠隔からのアクセスを可能とする。無停電電源装置(UPS)U、鉄道用の安定化電源システム等に配設される整流器(直流電源装置、又は交流電源装置)Dが遠隔監視されてもよい。
【0023】
メガソーラー発電システムS、火力発電システムF及び風力発電システムWには、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System )P及び蓄電システム101が並設されている。蓄電システム101は、蓄電モジュール群Lを収容したコンテナCを複数並設して構成されていてもよい。代替的に、蓄電モジュール群L及びパワーコンディショナPは、建物(蓄電室)内に配置されてもよい。蓄電モジュール群Lは、複数の蓄電素子を含む。蓄電素子は、鉛蓄電池及びリチウムイオン電池のような二次電池や、キャパシタのような、再充電可能なものであることが好ましい。蓄電素子の一部が、再充電不可能な一次電池であってもよい。
【0024】
遠隔監視システム100では、監視対象となるシステムS,F,Wにおける蓄電システム101、又は装置(P,U,Dおよび後述の管理装置M)夫々に、通信デバイス1(図2参照)が搭載/接続される。遠隔監視システム100は、通信デバイス1(情報処理装置)と、通信デバイス1から情報を収集するサーバ装置2(通信装置)と、収集された情報を閲覧するためのクライアント装置3(通信装置)と、装置間の通信媒体であるネットワークNとを含む。
【0025】
通信デバイス1は、蓄電素子に備えられる電池管理装置(BMU)と通信して蓄電素子の情報を受信する端末装置(計測モニタ)であってもよいし、ECHONET /ECHONETLite (登録商標)対応のコントローラであってもよい。通信デバイス1は、独立したデバイスであってもよいし、パワーコンディショナPや蓄電モジュール群Lに搭載可能なネットワークカード型のデバイスであってもよい。通信デバイス1は、蓄電システム101における蓄電モジュール群Lの情報を取得すべく、複数の蓄電モジュールからなるグループ毎に1つずつ設けられている。パワーコンディショナPは複数台でシリアル通信が可能に接続されており、通信デバイス1は、いずれか代表となるパワーコンディショナPの制御ユニットに接続されている。
【0026】
サーバ装置2はWebサーバ機能を含み、監視対象の各装置に搭載/接続された通信デバイス1から得られる情報を、クライアント装置3からのアクセスに応じて提示する。
【0027】
ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2とを含む。公衆通信網N1は、一般光回線を含み、ネットワークNは、サーバ装置2が接続する専用線を含む。ネットワークNは、ECHONET /ECHONETLite 対応のネットワークを含んでもよい。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれ、クライアント装置3は基地局BSからネットワークNを介したサーバ装置2との通信が可能である。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが接続されており、クライアント装置3はアクセスポイントAPからネットワークNを介してサーバ装置2との間で情報を送受信することができる。
【0028】
蓄電システム101の蓄電モジュール群Lは階層構造を有している。蓄電素子の情報をサーバ装置2へ送信する通信デバイス1は、蓄電モジュール群Lに設けられた管理装置Mから蓄電モジュール群の情報を取得する。図2は、蓄電モジュール群Lの階層構造及び通信デバイス1の接続形態の一例を示す図である。蓄電モジュール群Lは、例えば蓄電セル(セルとも称する)を複数直列に接続した蓄電モジュール(モジュールとも称する)と、蓄電モジュールを複数直列に接続したバンクと、バンクを複数並列に接続したドメインとの階層構造にて構成されている。図2の例では、番号(#)1~Nのバンク夫々と、バンクを並列に接続したドメインとに1つずつ、管理装置Mが設けられている。バンク毎に設けられている管理装置Mは、蓄電モジュールの内部に夫々内蔵されている通信機能付きの制御基板(CMU:Cell Monitoring Unit)とシリアル通信によって通信し、蓄電モジュール内部の蓄電セルに対する測定データ(電流、電圧、温度)を取得する。バンクの管理装置Mは、通信状態の異常の検知等の管理処理を実行する。バンクの管理装置Mは夫々、ドメインに設けられている管理装置Mへ各々のバンクの蓄電モジュールから得られた測定データを送信する。ドメインの管理装置Mは、そのドメインに所属するバンクの管理装置Mから得られる測定データ、検知された異常等の情報を集約する。図2の例では通信デバイス1は、ドメインの管理装置Mに接続されている。代替的に、通信デバイス1は、ドメインの管理装置Mとバンクの管理装置Mとの夫々に接続されていてもよい。
【0029】
以下で説明する蓄電システム101は、図2に示したバンクを並列接続したドメインを複数含む大規模なESSとして構成される。管理装置Mは、自機が接続されている装置のドメイン、又はバンクの識別データ(識別番号)を取得することが可能である。
【0030】
遠隔監視システム100では、各装置に搭載させた通信デバイス1を利用し、蓄電システム101におけるSOC、SOH(State Of Health)等の状態、検知された異常といった情報を、サーバ装置2が収集し、収集されたデータに基づいて蓄電システム101の状態を提示する。
【0031】
図3は、遠隔監視システム100に含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、通信デバイス1は、制御部10、記憶部11、第1通信部12及び第2通信部13を備える。制御部10はCPU(Central Processing Unit )を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0032】
記憶部11は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11には、制御部10が読み出して実行するデバイスプログラム1Pが記憶されている。デバイスプログラム1Pには、SSH(Secure Shell)、SNMP(Simple Network Management Protocol)等に準じた通信用プログラムが含まれる。記憶部11には、制御部10の処理によって収集された情報、イベントログ等の情報が記憶される。記憶部11に記憶された情報は、通信デバイス1の筐体に端子が露出するUSB等の通信インタフェースを介して読み出すことも可能である。記憶部11に記憶されるデバイスプログラム1Pは、記録媒体4に記憶してあるデバイスプログラム4Pを読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。
【0033】
第1通信部12は、通信デバイス1が接続されている監視対象装置との通信を実現する通信インタフェースである。第1通信部12は例えば、RS-232C又はRS-485等のシリアル通信インタフェースを用いる。例えばパワーコンディショナPはRS-485に準拠したシリアル通信機能を有する制御ユニットを備えており、第1通信部12はその制御ユニットと通信する。蓄電モジュール群Lに備えられている制御基板がCAN(Controller Area Network )バスにより接続されて制御基板間の通信をCAN通信で実現する場合、第1通信部12はCANプロトコルに基づく通信インタフェースである。第1通信部12は、ECHONET /ECHONETLite の規格に対応する通信インタフェースであってもよい。
【0034】
第2通信部13は、ネットワークNを介した通信を実現するインタフェースであり、例えばEthernet(登録商標)、又は無線通信用アンテナ等の通信インタフェースを用いる。制御部10は、第2通信部13を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。第2通信部13が、ECHONET /ECHONETLite の規格に対応する通信インタフェースであってもよい。
【0035】
このように構成される通信デバイス1では、制御部10が第1通信部12を介して、通信デバイス1が接続されている装置にて得られる蓄電素子に対する測定データを取得する。制御部10は、SNMP用プログラムを読み出して実行することにより、SNMPエージェントとして機能し、サーバ装置2からの情報要求に対して応答してもよい。
【0036】
サーバ装置2はサーバコンピュータを用い、制御部20、記憶部21、及び通信部22を備える。本実施の形態においてサーバ装置2は、1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させてもよい。
【0037】
制御部20は、CPU又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶されているサーバプログラム21Pに基づく通信及び情報処理を実行する。サーバプログラム21PにはWebサーバプログラムが含まれ、制御部20は、クライアント装置3へのWebページの提供を実行するWebサーバとして機能する。制御部20は、サーバプログラム21Pに基づき、SNMP用サーバとして通信デバイス1から情報を収集する。
【0038】
記憶部21は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21には、上述したサーバプログラム21P及びデータ処理プログラム22Pが記憶されている。記憶部21に記憶されるサーバプログラム21P及びデータ処理プログラム22Pは、記録媒体5に記憶してあるサーバプログラム51P及びデータ処理プログラム52Pを読み出して記憶部21に複製したものであってもよい。
【0039】
記憶部21には、制御部20の処理によって収集される監視対象となる蓄電システム101のパワーコンディショナP及び蓄電モジュール群Lの測定データが記憶される。測定データは、蓄電システム101又はパワーコンディショナPを識別する識別情報(番号)と対応付けられている。蓄電モジュール群Lの測定データは、ドメイン、バンク、モジュール、又はセルと階層構造に応じて記憶される。
【0040】
記憶部21には、監視対象の蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの状態を表示するための画像が複数記憶されている。複数の画像は、監視対象の蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dを識別する識別情報と対応付けて記憶部21に記憶されている。複数の画像には、蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dを表す画像が含まれる。複数の画像には、蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの配置を示す画像が含まれる。これらの画像は、航空写真、衛星写真等の写真、2D地図、設計図、CAD図面、又はイラストである。これらの画像は、クライアント装置3からのアップロードにより記憶されてよい。写真、地図、設計図、図面又はイラストの内、監視対象の蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの位置又は範囲が各画像について記憶されている。位置又は範囲を示す情報は例えば、画像に対応する座標情報である。画像が航空写真、衛星写真又は地図である場合には緯度経度情報及び相対位置を示す情報であってもよい。記憶部21に記憶されている複数の画像には、蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの状態を表現するためのイラスト、アイコン、アニメーション等の画像が含まれる。記憶部21には状態を表示するための画像の他、Webベースで蓄電システム101、装置P,U,Dの状態を視覚的に出力するためのスタイルシート、スクリプト等のデザインデータが記憶されている。
【0041】
通信部22は、ネットワークNを介した通信接続及び情報の送受信を実現する通信デバイスである。具体的には通信部22はネットワークNに対応したネットワークカードである。
【0042】
クライアント装置3は、発電システムS,F,Wの蓄電システム101の管理者又は保守担当者等のオペレータが使用するコンピュータである。クライアント装置3は、デスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、所謂スマートフォン又はタブレット型の通信端末であってもよい。クライアント装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、及び操作部34を備える。
【0043】
制御部30は、CPUを用いたプロセッサである。制御部30は、記憶部31に記憶されているクライアントプログラム3Pに基づき、サーバ装置2により提供されるWebページを表示部33に表示させる。クライアントプログラム3Pは、サーバ装置2のWebサーバ機能により提供されるWebページに組み込まれており、クライアント装置3で一時的に記憶されるスプリクトとWebブラウザプログラムとを含み、サーバ装置2における動作に基づいたWebベースの画面を表示させるためのプログラムである。
【0044】
記憶部31は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部31には、クライアントプログラム3Pを含む各種プログラムが記憶されている。クライアントプログラム3Pは、記録媒体6に記憶してあるクライアントプログラム6Pを読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。
【0045】
通信部32は、有線通信用のネットワークカード等の通信デバイス、基地局BS(図1参照)に接続する移動通信用の無線通信デバイス、又はアクセスポイントAPへの接続に対応する無線通信デバイスを用いる。制御部30は通信部32により、ネットワークNを介してサーバ装置2との間で通信接続又は情報の送受信が可能である。
【0046】
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを用いる。表示部33は制御部30のクライアントプログラム3Pに基づく処理により、サーバ装置2で提供されるWebページのイメージを表示する。表示部33は、好ましくはタッチパネル内蔵型ディスプレイであるが、タッチパネル非内蔵型ディスプレイであってもよい。
【0047】
操作部34は、制御部30との間で入出力が可能なキーボード及びポインティングデバイス、若しくは音声入力部等のユーザインタフェースである。操作部34は、表示部33のタッチパネル、又は筐体に設けられた物理ボタンを用いてもよい。操作部34は、ユーザによる操作情報を制御部30へ通知する。
【0048】
このように構成される遠隔監視システム100では、サーバ装置2が、データ処理プログラム22Pに基づいてパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L(管理装置M)、無停電電源装置U、及び整流器Dの状態を含む様々な情報を通信デバイス1から定期的に取得し、記憶部21に記憶する。通信デバイス1からは、階層構造に応じた親子関係が紐付けられて各蓄電モジュール群Lについての状態情報が送信される。サーバ装置2は、通信デバイス1を用いて蓄電素子若しくは各電源関連装置から取得した情報に基づいて、監視対象のシステム又は装置の状態を、蓄電セルの階層構造に応じて視覚的に表す画面情報を作成し、クライアント装置3へ送信して提示する。
【0049】
図4は、サーバ装置2における情報提示の処理手順の一例を示すフローチャートである。サーバ装置2は、通信デバイス1から定期的に取得して記憶部21に記憶してあるパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L(管理装置M)、無停電電源装置U、及び整流器Dの情報を用いて、以下の処理をクライアント装置3からの要求に応じて、又は、イベントとして実行する。イベントとは、周期の到来であってもよいし、異常発生等のシステム又は装置の状態変化の検知であってもよい。
【0050】
制御部20は、監視対象であるシステム又は装置を識別する識別情報を1つ選択する(ステップS101)。
【0051】
制御部20は、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置が蓄電セルを含むか否かを判断する(ステップS102)。蓄電セルを含むと判断された場合(S102:YES)、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置は、階層構造の蓄電セルを含むか否かを判断する(ステップS103)。
【0052】
ステップS103にて階層構造の蓄電セルを含むと判断された場合(S103:YES)、制御部20は、階層毎の充電状態(SOC)を導出する(ステップS104)。ステップS104で階層とは、図2に示すような構造の蓄電システム101であれば例えばドメイン、バンク、モジュールである。
【0053】
制御部20は、階層毎に導出したSOCを、選択中のシステム又は装置の識別情報、階層構造の蓄電モジュール群L夫々を識別する名称(識別番号)に対応付けて、上位層の蓄電モジュール群Lの識別情報と共に一時的に記憶する(ステップS105)。
【0054】
ステップS103にて階層状に含まないと判断された場合(S103:NO)、制御部20は、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置が含む蓄電セル全体としてのSOCを導出し(ステップS106)、選択中のシステム又は装置の識別情報と対応付けて一時的に記憶する(ステップS107)。
【0055】
次に制御部20は、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置の異常の有無を判定し(ステップS108)、選択中のシステム又は装置の識別情報と対応付けて、判定された結果を一時的に記憶する(ステップS109)。
【0056】
ステップS102において蓄電セルを含まないと判断された場合(S102:NO)、制御部20は、処理をステップS108へ進める。
【0057】
制御部20は、監視対象であるシステム又は装置を識別する識別情報を全て選択したか否かを判断する(ステップS110)。全て判断したと判断された場合(S110:YES)、制御部20は一回の処理を終了する。ステップS110にて全てを選択していないと判断された場合(S110:NO)、制御部20は、処理をステップS101へ戻し、次のシステム又は装置の識別情報を選択する。
【0058】
図4のフローチャートに示した処理により、クライアント装置3からの要求があったタイミング、又はイベント発生(状態変化等)のタイミングにおける状態が一時的に記憶部21又は制御部20内蔵の一時記憶部に記憶される。クライアント装置3からの要求があったタイミング、又はイベント発生(状態変化等)のタイミングの都度、記憶される状態の情報は更新される。
【0059】
図5及び図6は、サーバ装置2からクライアント装置3への情報提示の処理手順の一例を示すフローチャートである。クライアント装置3にてWebブラウザからログイン要求を受けると、以下の処理が開始される。
【0060】
制御部20は、Webサーバとしてクライアント装置3にてログインデータを受け付けるためのログインページのデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS201)。クライアント装置3の表示部33に表示されたログイン画面にて操作部34での操作に基づき、制御部20はログインデータを受信する(ステップS202)。ログインデータは、クライアント装置3を使用する管理者又はオペレータを識別するID及びパスワードを含む。ログインデータは、パスワードに代わる生体情報等を含んでもよい。
【0061】
制御部20は、受信したログインデータに基づき、該ログインデータに対応付けて記憶されているアクセス権限を有するシステム又は装置の識別情報を抽出する(ステップS203)。制御部20は、抽出された識別情報に対応するシステム又は装置夫々の異常の有無の記憶を参照する(ステップS204)。ステップS204で制御部20は、図4のフローチャートにより適宜更新された異常の有無の情報を参照する。制御部20は、ステップS203で抽出された識別情報に対応するシステム又は装置夫々の情報を表示するための他のWebページへのリンク情報の一覧に、ステップS204で参照した異常の有無を示すアイコンを付したWebページの情報を、クライアント装置3へ送信する(ステップS205)。ログイン情報に対応付けられているアクセス権限を有するシステム又は単体装置が単一である場合、ステップS205では、その単一のシステム又は単体装置の情報を表示するためのWebページのデータがクライアント装置3へ送信される(後述のS207)。
【0062】
クライアント装置3は、通信部32により、アクセス権限を有するシステム又は装置の一覧のWebページのデータを受信し(ステップS301)、一覧のWebページを表示部33に表示する(ステップS302)。制御部30は、受信したデータに基づき表示したリンク情報の一覧から、所望のシステム又は装置の選択を受け付け(ステップS303)、選択されたリンク情報が示すWebページのデータの要求をサーバ装置2へ送信する(ステップS304)。
【0063】
サーバ装置2の制御部20は、対象のシステム又は装置のWebページのデータ要求を受信し(ステップS206)、選択されたシステム又は装置の情報を表示するためのWebページのデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS207)。ステップS207で送信されるWebページのデータには、選択されたシステム又は装置を表す画像、配置を示す画像、画像内におけるシステム又は装置の位置を示す座標データ、状態を表現するためのイラスト、アイコン、アニメーション等のグラフィックデータが含まれる。
【0064】
クライアント装置3の制御部30は、Webページのデータを受信し(ステップS305)、受信したデータに含まれるスクリプトに基づいて、選択されたシステム又は装置の状態取得をサーバ装置2へ要求する(ステップS306)。
【0065】
サーバ装置2の制御部20は、状態取得の要求を受信し(ステップS208)、対象のシステム又は装置の最上位層、即ち全体としての状態と、異常の有無とを判定する(ステップS209)。制御部20は、システム又は装置の全体としての状態を、システム又は装置に対応付けて記憶されている健全範囲を参照して判定する。例えば制御部20は、システム又は装置を構成する蓄電素子のSOCの平均を算出し、健全範囲として記憶されているSOCの範囲内に含まれている場合に、状態を健全であると判定する。この場合、制御部20はSOCの平均を、稼働中の蓄電素子のモジュール又はセルの数で除算して求める。制御部20は、システム又は装置を構成する蓄電素子の内、稼働しているセル又はモジュール又はバンク又はドメインの数が予め記憶されている健全範囲内であるか否かによって状態を判定してもよい。制御部20は、システム又は装置を構成する蓄電素子からの充放電電流、又は温度の平均が予め記憶されている健全範囲内であるか否かによって状態を判定してもよい。
【0066】
制御部20は、階層毎に状態が記憶されている場合、制御部20は最上位層の状態を参照する。制御部20は、選択されたシステム又は装置に対してステップS209で判定された状態、及び異常の有無を示すデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS210)。
【0067】
クライアント装置3の制御部30は、対象のシステム又は装置の状態、及び異常の有無を示すデータを受信する(ステップS307)。制御部30は、受信したデータが示す状態、又は異常の有無に応じたグラフィックデータを、受信したデータから選択し(ステップS308)、選択したグラフィックデータ等を用いて、対象のシステム又は装置を表す画像を含むWebページを表示部33に表示させる(ステップS309)。
【0068】
クライアント装置3の制御部30は、対象のシステム又は装置に含まれる階層構造の蓄電モジュール群Lについて、他の階層が選択されたか否かを判断する(ステップS310)。ステップS310で選択されたと判断された場合(S310:YES)、選択された階層の蓄電モジュール群Lの状態取得をサーバ装置2へ要求する(ステップS311)。
【0069】
サーバ装置2の制御部20は、状態取得の要求を受信し(ステップS211)、対象の階層の蓄電モジュール群Lの状態と、異常の有無とを判定する(ステップS212)。制御部20は、選択された階層の蓄電モジュール群Lについて判定された状態、及び異常の有無を示すデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS213)。
【0070】
クライアント装置3の制御部30は、選択された階層の状態、及び異常の有無を示すデータを受信する(ステップS312)。制御部30は、受信したデータが示す状態、又は異常の有無に応じたグラフィックデータを、受信したデータから選択し(ステップS313)、選択したグラフィックデータ等を用いて、対象の階層の状態を表す画像を含むWebページを表示部33に表示させる(ステップS314)。
【0071】
クライアント装置3の制御部30は、対象のシステム又は装置のWebページの表示の終了操作を受け付けたか否かを判断し(ステップS315)、受け付けていないと判断された場合(S315:NO)、ステップS310へ処理を戻す。ステップS315の終了操作を受け付けたか否かは、Webブラウザが終了されたか、ログアウトが選択されたか、又はアクセス権限を有するシステム又は装置単体の一覧のWebページへの遷移が選択されたかで判断される。ステップS315で終了操作を受け付けたと判断された場合(S315:YES)、情報提示の処理は終了する。
【0072】
図6のフローチャートを参照した説明では、クライアント装置3の制御部30が、受信したWebページのデータに含まれるスクリプトに基づき、操作部34にて選択操作を受け付けた場合に、選択されたシステム又は装置の状態取得を要求した(S306)。それに応じてサーバ装置が、データ処理プログラム22Pによりデータを取得し、データをクライアント装置に送信している(S210)。つまり、クライアント装置3のオペレータの操作に応じて画面が遷移した。
代替的に、少なくとも最上位の階層、即ち全体としての状態を表示するWebページには、サーバ装置2から送信されるデータのスクリプトに、自動更新用のスクリプトが含まれるとよい。これにより、図3に示すサーバ装置2が、定期的に記憶部21のデータを参照して、所定の周期で、参照されたデータに基づくWebページをクライアント装置3に送信してもよい。図7に示すように、サーバプログラム21Pに含まれるWebサーバプログラム及びデザインデータと、クライアントプログラム3Pに含まれるWebブラウザプログラムとの協働に基づく機能(以下、「自動モニタ」という)2Pによって、状態表示の自動更新を実現してもよい。自動モニタ2Pは、例えば10秒間隔又は15秒間隔で、https通信によりクライアント装置3へのデータの送信を実現してもよい。
【0073】
サーバ装置2から送信されるWebページに基づく画面表示の処理手順を、図8図11に示す画面例を参照して説明する。図8は、図5のステップS302における権限があるシステム又は装置の名称の一覧を含むWeb画面330(クライアント装置3の表示部33に表示される画面)を示す。図8の例であれば、図1に示したメガソーラー発電システムSの名称「XY市メガソーラーシステム」、風力発電システムWの名称「WZ発電所システム」、「K鉄道システム」、「X工場システム」等が夫々、識別情報と共にリンクとして表示されている。名称は「XY市メガソーラーシステム」のように、蓄電モジュール群L及び/又は装置P,U,Dが設置されている場所を表してもよい。一覧のWeb画面330には、各システムについて、異常の有無を示すアイコンが含まれていてもよい。
【0074】
次に、システム又は装置が選択された場合の画面例について説明する。図9には、選択されたシステム又は装置の全体の状態を示す状態画面331が示されている。図9における状態画面331は、図8に示した一覧の内の「WZ発電所システム」がクライアント装置3の操作部34の操作により選択された場合に表示され、多数の蓄電モジュール群をそれらの配置状態で示す、レイアウト画像K(CAD図のような線図、又は写真)を含む。図9は、後述する画面遷移(階層構造)における、最上位層を示す。図9の例では、8つの蓄電室全体のレイアウト画像Kが示されている。図9のレイアウト画像Kは、ドメインを構成するバンクを3つ格納する蓄電池盤を、一つの小矩形で示している。状態画面331には、レイアウト画像Kと共に「WZ発電所システム」の状態を視覚的に表すグラフィックオブジェクト332,333,335が含まれている。
【0075】
グラフィックオブジェクト332は、システムのレイアウト画像Kに重畳されている、当該蓄電素子の状態を示す、グラフィックである。グラフィックオブジェクト332が重畳されているシステム全体の状態に応じて、グラフィックオブジェクト332の色や表示形態を異ならせてもよい。グラフィックオブジェクト332は、システム全体に重畳されてもよいし、小矩形で示すレイアウト画像Kにおける最小単位毎に重畳されてもよいし、最小単位を複数含む蓄電室やブロックに重畳されてもよい。
【0076】
状態画面331には、切替インタフェース334が含まれている。切替インタフェース334は、図9に示す例では、「V(電圧)」、「I(電流)」、「T(温度)」の3種類について夫々選択可能なボタン又はアイコンを含む。「V(電圧)」はセル電圧を意味してもよく、「I(電流)」はバンクに流れる電流を示してもよい。「T(温度)」は、モジュール温度を示してもよい。グラフィックオブジェクト332は、切替インタフェース334によって選択された測定値について、異常状態の有無、異常状態の度合いを表示してもよい。切替インタフェース334の操作により、同一のレイアウト画像Kを用いながら、異なる対象(V,I,T)についての状態が表示される。
【0077】
このような情報提示により、膨大な数のモジュールを含む大規模ESSについて、レイアウト画像Kとグラフィックオブジェクト332により全体の状況を把握させることができる。後述するように、蓄電システム101全体に係るグラフィックオブジェクト332により、蓄電システム101のいずれかの蓄電室のモジュールに異常があったとしても、最上層では、そのモジュールに対応するグラフィック個々で状態を示していない。図9の例では、蓄電システム101全体として、システムに要求されている容量を満たす健全な状態にあるか否かが示される。
【0078】
グラフィックオブジェクト332の表示位置は、レイアウト画像Kに対する相対位置によって画像Kと対応付けて状態画面331のデザインデータに含まれ、記憶部21に記憶されている。これによりグラフィックオブジェクト332は、画像Kの拡縮に応じて適切に移動するようにしてある。状態画面331には、画像Kについて、CAD図(第一画像)と写真(第二画像)とを切り替える切替インタフェースが含まれていてもよい。
【0079】
グラフィックオブジェクト333は、蓄電モジュール群のSOCを示す第二グラフィックである。第二グラフィック333は、複数のモジュール又は複数のバンク又は複数のドメインを、一つの評価単位として、その評価単位のSOC(複数のモジュールやバンクの総合的なSOC)を示してもよい。評価単位のSOC値に応じて、第二グラフィック333の色や表示形態を異ならせてもよい。SOC値は例えば、複数のモジュールが接続されたバンク単位で算出されるSOC値を基に算出される。バンクを複数含むグループのSOC値は、グループ内のバンク毎のSOC値の総計を、グループに含まれるバンクの数で除算した平均値である。グループに含まれるバンクの数は、稼働中か否かに拘わらず存在するバンクの数であってもよいし、稼働していないバンクは除外したバンクの数であってもよい。
グループのSOC値=Σ(バンクSOC値)÷設置バンク数、又は、
グループのSOC値=Σ(バンクSOC値)÷稼働中バンク数。
グループを複数含むユニット、ユニットを複数含む蓄電室、蓄電室を複数含むブロック夫々の階層におけるSOC値も、同様の平均値が用いられる。
【0080】
グラフィックオブジェクト335は、蓄電モジュール群を含むシステムの健康状態を示す第三グラフィックである。第三グラフィック335は、図9に示すように、左側が古いデータ、右側が最新データを示すトレンドグラフであってもよい。システム全体が正常の際は、SOCの推移をグラフ描画してもよい。第三グラフィック335は、稼働中のユニットの数、モジュールの数を示すテキストを含んでもよい。第三グラフィック335は、システム全体の蓄電容量(放電容量)を示すイメージ又はテキストを含んでもよい。
【0081】
図9に示す状態画面331の画面情報には、レイアウト画像Kにおけるモジュール又はバンク又はドメイン(すなわち、レイアウト画像Kにおける選択対象。SOCの評価単位と同じでもよい)や、グラフィックオブジェクト332,333が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。
【0082】
状態画面331には、蓄電システム101の階層を選択する階層メニュー336が含まれていてもよい。階層メニュー336は、最上位層に対応する「全体」、蓄電システム101全体を構成する8つの蓄電室の層に対応する「蓄電室」、蓄電室を構成するユニット夫々に対応する「ユニット」、ユニットを構成する複数のバンクに対応する「蓄電池盤」の階層を示す。階層メニュー336の「全体」「蓄電室」「ユニット」及び「蓄電池盤」のいずれが選択されるかに応じて、表示される階層が変更されてもよい。階層メニュー336は、パンくずリストとして使用されてもよい。
【0083】
状態画面331には、蓄電システム101の状態表示の態様を選択する表示メニュー337が含まれている。表示メニュー337は、図9に示したレイアウト画像Kを使用した状況表示のための「マップ」、表を使用した異常等の状況表示のための「一覧」、及び、グラフを使用した状況表示のための「グラフ」の選択タブを含む。「一覧」が選択された場合、自動モニタ2PはWebブラウザ上で後述の図14の画面を表示部33に表示させる。「グラフ」が選択された場合、自動モニタ2PはWebブラウザ上で後述の図15の画面を表示部33に表示させる。
【0084】
図10は、他の階層(中間層)の状態表示に遷移した状態画面331の一例を示す図である。図10は、図9に示したレイアウト画像Kの上で、いずれかの蓄電室に対応する部分(例えば、Aブロックの左から3番目の蓄電室に対応する部分)が選択された場合に自動モニタ2PによってWebブラウザ上に表示される。図10では、画面の左側に、遷移前の上位層の全体のレイアウト画像Kを縮小したものを表示し、右側に、選択された蓄電室のレイアウト画像Kを表示している。図10の遷移後の状態画面331では、選択された蓄電室が、上位層における全体マップ上でいずれの箇所に位置するかが、蓄電室に付与されている名称と、縮小された上位層のレイアウト画像K上での強調とで示されている。図10の例では、選択された蓄電室の位置が、上位層のレイアウト画像K上の矩形オブジェクトで強調されている。代替的に、上位層のレイアウト画像K上で対応する箇所の色を変更したり、オブジェクトを重畳したりして、上位層における位置が示されてもよい。
【0085】
図10の例において遷移後の状態画面331には、蓄電室に含まれるユニット単位で蓄電モジュール群Lを示すレイアウト画像Kを示している。図10において最小単位に対応する小矩形は、バンクを3つ格納する蓄電池盤に対応する。図10に示す階層以下においては、異常状態にあるモジュール群Lについて、その異常度合いに応じて、第一グラフィック332の色や表示形態を異ならせてもよい。第一グラフィック332は、一つの小矩形に重畳されてもよいし、複数の小矩形(例えば、一つのユニット)に重畳されてもよいし、複数のバンク(例えば、一つのドメイン)に重畳されてもよい。図10に示す画面遷移後の状態画面331では、遷移前の状態画面(図9)より、細かい評価単位のSOCが第二グラフィック333により表示されてもよい。すなわち、第一グラフィック332及び第二グラフィック333により状態を示す蓄電素子の範囲が、一の状態画面と他の状態画面とで異なってもよい。
【0086】
このような情報提示により、膨大な数のモジュールを含む大規模ESSについて、レイアウト画像Kとグラフィックオブジェクト332により、いずれの場所でどのような処置がどの程度の至急度で必要かを、オペレータに判断させることができる。クライアント装置3の表示部33が大画面であって、複数人のオペレータで同時に状況を確認し意思決定を行うような用途に、好適である。
【0087】
図11は、更に他の階層の状態画面331の一例を示す図である。図11は、図10に示した蓄電室のレイアウト画像Kの上で、いずれかのユニットに対応する部分が選択された場合に自動モニタ2PによってWebブラウザ上に表示される。図11におけるレイアウト画像Kは、左側に示す上位層の蓄電室のレイアウト画像Kの中から選択されたユニットのレイアウトを示す。ユニットのレイアウト画像Kは、選択されたユニットに含まれる複数のバンクが収容された蓄電池盤夫々を小矩形で表示している。異常状態にあるバンクを含む蓄電池盤について、その異常度合いに応じて、小矩形に重畳される第一グラフィック332の色や表示形態を異ならせてもよい。
【0088】
図12は、更に他の階層の状態画面331の一例を示す図である。図12は、図11に示したユニットのレイアウト画像Kの上で、いずれかの蓄電池盤に対応する部分が選択された場合に自動モニタ2PによってWebブラウザ上に表示される。図12におけるレイアウト画像Kは、左側に示す上位層のユニットのレイアウト画像Kの中から選択された蓄電池盤に含まれるバンク及びバンクを構成するモジュールのレイアウトを示す。蓄電池盤のレイアウト画像Kは、選択された蓄電池盤に含まれる複数のバンク内のモジュール夫々を小矩形で表示している。異常状態にあるモジュールについて、その異常度合いに応じて、小矩形に重畳される第一グラフィック332の色や表示形態を異ならせてもよい。
【0089】
図13は、更に他の階層の状態画面331の一例を示す図である。図13は、図12に示したバンク及びモジュールのレイアウト画像Kの上で、いずれかのモジュールに対応する部分が選択された場合に自動モニタ2PによってWebブラウザ上に表示される。図13におけるレイアウト画像Kは、左側に示す上位層のバンク及びモジュールのレイアウト画像Kの中から選択されたモジュールに含まれるセルのレイアウトを示す。セルのレイアウト画像Kは、選択されたモジュールに含まれる複数セルの夫々の状態を表示している。異常状態にあるセルについて、その異常度合いに応じて、第一グラフィック332の色や表示形態を異ならせてもよい。
【0090】
図13に示す状態画面331は、蓄電システム101の構成の最下層に対応するセルの状態を示しているから、各セルの状態を「正常」又は「異常」とテキストで表示し、セル電圧や温度をテキストで表示してよい。上述の説明では、蓄電システム101の構成の内、表示の最小単位は「モジュール」の各セルであるが、これに限らない。他の例では、表示の最小単位は「蓄電池盤」の各モジュールであってもよい。この場合、図12に示した画面内で、バンク毎に、第二グラフィック333でSOCを示すと共に、バンクにおけるセル電圧の平均値、温度、電流値をテキストで表示してよい。
【0091】
図9に示した状態画面331から図10図11図12及び図13の状態画面331への遷移は、いずれもアニメーションのように、上位層のレイアウト画像Kが縮小されつつ、階層のレイアウト画像Kが出現するように表示されてよい。
【0092】
図14は、状態画面331の表示メニュー337にて、「一覧」が選択された場合の一例を示す図である。図14の状態画面331は、蓄電システム101に含まれるドメイン、バンク、モジュール、又はセル単位でテキストによって、正常を含む状態の一覧を表示する。図14に示す例では、異常が検知されたドメイン、バンク、モジュール又はセルの状態のみが表示されている。図14に示すように、状態の表示対象のドメイン、バンク、モジュール又はセルが所属するユニット、蓄電室、又はブロックによって表示対象を絞ることが可能であってよい。
【0093】
図15は、状態画面331の表示メニュー337にて、「グラフ」が選択された場合の一例を示す図である。図15の状態画面331は、蓄電システム101に含まれるドメイン、バンク、又はモジュール単位でグラフによって、蓄電システム101の状態の時間変化を表示する。図15の例では、選択されたバンクにおける一日の時間当たりの放電電力量及び充電電力量の時間分布のグラフが表示されている。充放電電力量以外に、SOC、電流、セル電圧、又はモジュール温度が選択された場合には、自動モニタ2Pは、秒、日、月又は年の時間単位におけるSOC、電流、セル電圧、又はモジュール温度の時間変化を、折れ線グラフによって逐次更新しながら表示する。これにより、クライアント装置3は、蓄電システム101全体で要求されている性能を発揮しているかをマップ表示にてオブジェクトで示しつつ、ドメイン、バンク、モジュール単位で蓄電素子の状態を詳細に表示できる。
【0094】
図16は、状態画面331の一例を示す図である。図16は、図11のユニットの状態を示す状態画面311の他の一例を示す。図16の状態画面311は、蓄電システム101を構成する各ユニットのA,Bの内、Bのドメインに含まれるモジュールを休止して運用している様子を示す。図16の状態画面311は、図11の状態画面311に比較した場合、レイアウト画像Kに示されるユニットのドメインB全体に、第一グラフィック322が重畳されている点が異なる。第一グラフィック322は、停止中であることに対応する色や表示形態である。図16の状態画面311は、ユニットのドメインBが停止中であることを示すテキストを含む。自動モニタ2Pは、テキストによって、停止中であるが正常に運用されていることを、サーバ装置2にて検出できていることを示してもよい。
【0095】
図16の状態画面331では、蓄電室に配置されている16のユニットのドメインBがいずれも停止していることが第一グラフィック322によって示されているが、異常ではなく停止されている。この場合に全体の状態を表示する場合、自動モニタ2Pは、図9に示すように全体としては異常なく稼働していることを状態画面311で示す。第一グラフィック322は、一部が停止中であることに対応する色や表示形態ではなく、正常であることに対応する色や表示形態である。これにより、状態画面311は、蓄電システム101のいずれかのモジュールが停止中であったとしても、システムに要求されている容量を満たす健全な状態にあるか否かを示すことができる。
【0096】
上述の実施形態は例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 通信デバイス
10 制御部
11 記憶部
12 第1通信部
13 第2通信部
1P デバイスプログラム
2 サーバ装置
20 制御部
22P データ処理プログラム
2P 自動モニタ
3 クライアント装置
33 表示部
図1
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