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特許7586161情報処理システム、商品推薦方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、商品推薦方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241112BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022198807
(22)【出願日】2022-12-13
(62)【分割の表示】P 2019560033の分割
【原出願日】2018-08-17
(65)【公開番号】P2023030008
(43)【公開日】2023-03-07
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2017245493
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-011617(JP,A)
【文献】特開2006-059078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の顧客の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
精算対象の商品の情報を取得する商品情報取得手段と、
前記精算対象の商品の精算前に、前記識別情報取得手段により取得された顧客の識別情報に対応づけられた前記顧客の商品購入履歴情報を、顧客毎に前記識別情報と前記商品購入履歴情報を対応付けて記憶している記憶手段から読み出し、予め用意された推薦商品リストと読み出した前記商品購入履歴情報との比較結果から推薦商品情報を取得し、さらに前記推薦商品情報を前記商品情報取得手段が取得した前記精算対象の商品の情に基づいて絞り込んで出力する出力手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
商品毎の属性情報を記憶しており、
前記出力手段は、前記精算対象の商品の前記属性情報と、前記推薦商品リストに含まれる商品の前記属性情報を比較し、前記属性情報の共通点の多さに応じて、類似性の度合いを示すスコアを算出し、算出された前記スコアが所定の閾値以上となった商品を前記推薦商品情報として出力する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記属性情報は、商品のメーカーを示す情報を含む、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記顧客が過去に購入した商品と同じメーカーであり、かつ、異なる種類の商品を前記推薦商品情報として出力する、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記識別情報取得手段、前記商品情報取得手段、及び前記出力手段は、前記顧客が利用するカートに備えられる、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記識別情報取得手段、前記商品情報取得手段、及び前記出力手段は、前記顧客が利用する商品かごに備えられる、請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
店舗の顧客の識別情報を取得し、
精算対象の商品の情報を取得し、
前記精算対象の商品の精算前に、取得された顧客の識別情報に対応づけられた前記顧客の商品購入履歴情報を、顧客毎に前記識別情報と前記商品購入履歴情報を対応付けて記憶している記憶手段から読み出し、予め用意された推薦商品リストと読み出した前記商品購入履歴情報との比較結果から推薦商品情報を取得し、さらに前記推薦商品情報を取得した前記精算対象の商品の情に基づいて絞り込んで出力する
ことを含む商品推薦方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項7に記載の商品推薦方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗での商品販売業務を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗では、商品売上の増加を目的として、当該店舗で取り扱っている商品の情報を顧客に通知することがある。例えば、下記特許文献1乃至特許文献5には、商品情報を顧客に通知する技術の一例が開示されている。
【0003】
下記特許文献1には、情報処理システムが、販売期限の迫っている商品を抽出し、当該抽出した商品と同一の商品を過去に購入したことのある顧客に、当該抽出した商品の商品情報を送信し、当該抽出した商品を当該顧客が購入した場合に特典付与処理を実行する技術が開示されている。また、下記特許文献2には、商品陳列棚の近傍に設けられた携帯スキャナ端末によって読み取られた商品識別情報に基づいて、対応する商品の情報を顧客に提示する技術が開示されている。また、下記特許文献3には、所定の値引監視間隔内おける販売予定数に対する販売実績の増減数量や売上げ速度の変化などの条件に基づいて、所定の値引監視間隔内に所定の数量の商品を販売可能な価格(値引価格)を算出して、顧客に提示する技術が開示されている。また、下記特許文献4には、ショッピングカートに備えられた商品情報提示装置が、商品識別情報を読み取り、当該商品識別情報に対応付けられた商品情報や、関連商品リストを表示部に表示させる技術が開示されている。また、下記特許文献5には、商品に貼付されたIDタグから当該商品の個別IDを読み出し、該個別IDにより特定される当該商品の賞味期限情報に基づいて、当該商品の値引き率を決定して提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-032904号公報
【文献】特開2005-174035号公報
【文献】特開2009-176193号公報
【文献】特開2004-258928号公報
【文献】特開2004-185377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商品情報を顧客に通知するにあたり、不要な通知を抑えて通信量を削減することが望ましい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、商品情報を顧客に提供する際に、不要な通知を抑えて通信量を削減する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
顧客の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
精算対象の商品の情報を取得する商品情報取得手段と、
前記精算対象の商品の精算前に、前記取得手段により取得された顧客の識別情報に対応づけられた前記顧客の商品購入履歴情報に基づいて決定された推薦商品情報を出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムが提供される。
【0008】
本発明によれば、
コンピュータが、
顧客の識別情報を取得し、
精算対象の商品の情報を取得し、
前記精算対象の商品の精算前に、前記取得手段により取得された顧客の識別情報に対応づけられた前記顧客の商品購入履歴情報に基づいて決定された推薦商品情報を出力する、
ことを含む商品推薦方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、
コンピュータに、上述の商品推薦方法を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品情報を顧客に提供する際に、不要な通知を抑えて通信量を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0012】
図1】第1実施形態における情報処理装置の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成を例示する図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れを例示するフローチャートである。
図4】関連商品データベースの一例を示す図である。
図5】第2実施形態における情報処理装置の配置例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図7】商品かごの中の商品をどのように認識するかを概略的に例示する図である。
図8】第2実施形態の情報処理装置に係る情報処理装置のハードウエア構成を例示する図である。
図9】第2実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの例示するフローチャートである。
図10】第2実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの例示するフローチャートである。
図11】第3実施形態に係る情報処理装置の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図12】第3実施形態の情報処理装置に係る情報処理装置のハードウエア構成を例示する図である。
図13】第3実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの例示するフローチャートである。
図14】第3実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作の説明に用いる図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
【0014】
[第1実施形態]
〔機能構成〕
図1は、第1実施形態における情報処理装置10の機能構成を概念的に示すブロック図である。図1に示されるように、本実施形態の情報処理装置10は、顧客認識部110、購入履歴取得部120、推薦商品情報取得部130、および通知部140を有する。
【0015】
顧客認識部110は店舗内の顧客を認識する。顧客認識部110は、例えば、店舗の各所に設けられたカメラにより生成された画像の解析結果、店舗内のカード読取装置による各種カードの読取結果、店内の中継装置による顧客の携帯端末の位置情報の取得結果などに基づいて、店舗内の顧客を認識することができる。
【0016】
購入履歴取得部120は、顧客認識部110により認識された店舗内の顧客の商品購入履歴を示す情報(以下、「商品購入履歴情報」と表記)を取得する。商品購入履歴情報は、顧客が以前購入した商品(以下、「購入商品」と表記)の商品識別情報を少なくとも含んでいる。なお、商品購入履歴情報は、過去全ての商品購入履歴を示す情報であってもよいし、過去の所定期間(例えば、過去1ヶ月間、過去1年間など)での商品購入履歴を示す情報であってもよい。商品購入履歴情報は、各顧客を識別する顧客情報と対応付けて、例えば、情報処理装置10または情報処理装置10と通信可能に接続された外部装置(図示せず)に記憶されている。購入履歴取得部120は、顧客認識部110により認識された顧客の顧客識別情報を用いて、その顧客識別情報に対応する商品購入履歴情報を取得することができる。
【0017】
推薦商品情報取得部130は、購入履歴取得部120により取得された商品購入履歴情報と、店舗側で予め用意された推薦商品リストとを比較する。ここで、推薦商品リストは、推薦商品(店舗が顧客に購入してもらいたい商品)の商品識別情報を少なくとも含んでいる。推薦商品リストは、例えば、情報処理装置10または情報処理装置10と通信可能に接続された外部装置(図示せず)などに記憶されている。推薦商品情報取得部130は、商品購入履歴情報と推薦商品リストとの比較結果に基づいて推薦商品リストの中から推薦商品を選択し、当該選択した推薦商品の商品情報(以下、「推薦商品情報」と表記)を取得する。推薦商品情報は、例えば、商品の商品識別情報に対応付けて、情報処理装置10または情報処理装置10と通信可能に接続された外部装置などに記憶されている。なお、推薦商品情報には特典情報が更に対応付けられていてもよい。特典情報は、推薦商品を購入した場合に適用される特典(例えば、割引、値引き、ポイントサービス用のポイント付与など)を示す情報である。推薦商品情報に特典情報が対応付けられている場合、推薦商品情報取得部130は推薦商品情報と特典情報とをセットで取得する。
【0018】
通知部140は、推薦商品情報取得部130により取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を顧客認識部110により認識された顧客に通知する。一例として、通知部140は、各顧客の携帯端末、または、顧客が利用している買い物かごやカートに設けられた表示機器などに、推薦商品情報取得部130により取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を送信する。他の例として、通知部140は、プロジェクターを利用して、推薦商品情報取得部130により取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を顧客の近傍の壁や床などに投影してもよい。
【0019】
〔ハードウエア構成〕
情報処理装置10の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、情報処理装置10の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0020】
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置10のハードウエア構成を例示する図である。情報処理装置10は、バス1002、プロセッサ1004、メモリ1006、ストレージデバイス1008、入出力インタフェース1010、及びネットワークインタフェース1012を有する。
【0021】
バス1002は、プロセッサ1004、メモリ1006、ストレージデバイス1008、入出力インタフェース1010、及びネットワークインタフェース1012が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1004などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0022】
プロセッサ1004は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0023】
メモリ1006は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0024】
ストレージデバイス1008は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1008は情報処理装置10の各機能(顧客認識部110、購入履歴取得部120、推薦商品情報取得部130、通知部140など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1004は、これら各プログラムモジュールをメモリ1006に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。ストレージデバイス1008は、店舗の入り口などに設けられたカード読取装置20によるカードの読取結果(顧客識別情報)を記憶していてもよい。また、ストレージデバイス1008は、店内の各所に設けられた撮像装置30により生成された静止画あるいは動画を記憶していてもよい。また、ストレージデバイス1008は、店内の各所に設けられた中継装置40による顧客の携帯端末50の位置検出結果を記憶していてもよい。また、ストレージデバイス1008は、各顧客の商品購入履歴情報を記憶していてもよい。
【0025】
入出力インタフェース1010は、情報処理装置10と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース1010には、例えば、マウスやキーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0026】
ネットワークインタフェース1012は、情報処理装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1012がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。情報処理装置10は、ネットワークインタフェース1012を介して、店舗内の各所に配置された、カード読取装置20、撮像装置30、および、中継装置40と通信することができる。顧客認識部110は、ネットワークインタフェース1012を介して、カード読取装置20の読取結果、撮像装置30により生成された画像、または、中継装置40による携帯端末50の位置検出結果を取得することができる。また、通知部140は、ネットワークインタフェース1012を介して、各顧客が所有する携帯端末50と通信することができる。
【0027】
なお、図2のハードウエア構成はあくまで例示であり、本発明に係る情報処理装置10のハードウエア構成は図2の例に限定されない。
【0028】
〔動作例〕
本実施形態の情報処理装置10が実行する処理の流れについて、図3を用いて説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理の流れを例示するフローチャートである。
【0029】
まず、顧客認識部110が、店舗内の顧客を認識する(S110)。以下、顧客認識部110がどのように店舗内の顧客を認識するかについて、具体的な例をいくつか挙げる。
【0030】
一例として、顧客認識部110は、例えば店舗から発行された会員カードといった、顧客を識別可能な情報を含むカードの読取結果を用いて、店舗内に存在する顧客を認識することができる。顧客認識部110は、例えば、店舗の入口などに設けられたカード読取装置20を介して、店舗の会員カードなどに記憶されている顧客識別情報を読み取る。そして、顧客認識部110は、カードから読み取った顧客識別情報をメモリ1006といった情報処理装置10の記憶領域に記憶させる。これにより、店舗内の顧客が認識される。
【0031】
また、顧客認識部110は、顧客が退店するタイミングで会員カードが再度読み取られたことを示す通知に基づいて、顧客が退店したことを認識することができる。例えば、顧客認識部110は、会計場所または出口付近に設けられたカード読取装置20を介して、カードに記憶されている顧客識別情報を取得する。そして、顧客認識部110は、メモリ1006等に記憶されている顧客識別情報の中から、取得した顧客識別情報と同一の顧客識別情報を特定する。そして、顧客認識部110は、特定した顧客識別情報を論理的または物理的に削除する。これにより、顧客が退店したことが認識される。
【0032】
他の例として、顧客認識部110は、来店時または店舗内を移動している顧客の画像を解析することによって、店舗内に存在する顧客を認識してもよい。顧客の画像は、例えば、店舗内の様々な場所に設けられた撮像装置30によって生成される。顧客認識部110は、店舗内に設けられた撮像装置30、または、当該撮像装置30により撮影された画像を一時的に記憶しておく記憶装置を備えるサーバ装置(図示せず)などと通信することにより、店舗内の顧客の画像を取得することができる。そして、顧客認識部110は、様々な人物特定アルゴリズムを利用して、店舗内の顧客の画像から当該顧客を識別する。なお、ここでいう「顧客を識別する」とは、顧客別に割り当てられた識別情報(顧客識別情報)などを画像認識結果から特定して取得することを言う。そして、顧客認識部110は、取得した顧客識別情報をメモリ1006といった情報処理装置10の記憶領域に保持する。これにより、店舗内の顧客が認識される。
【0033】
また、顧客認識部110は、例えば出口付近に設けられた撮像装置30の画像の解析結果に基づいて、顧客が退店したことを認識することができる。例えば、顧客認識部110が、出入口付近に設けられた撮像装置30の画像を解析して、既に認識されている顧客が店外に移動したことを示す結果を得たとする。この場合、顧客認識部110は、メモリ1006等に記憶されている顧客識別情報の中から、退店した顧客に対応する顧客識別情報を論理的または物理的に削除する。これにより、顧客が退店したことが認識される。
【0034】
また、他の例として、顧客認識部110は、顧客が所有する携帯端末50(例えば、スマートフォンなど)のGPS情報を利用して、店舗内の顧客を認識することもできる。例えば、まず、店舗内に設置された中継装置40が、各顧客が所有する携帯端末50のGPS情報を取得する。このとき、店舗内に設置された中継装置40は、携帯端末50のGPS情報を当該携帯端末50の端末識別情報と対応付けて取得する。そして、顧客認識部110は、店舗内に設置された中継装置40を介して、携帯端末50のGPS情報と当該携帯端末50の端末識別情報とを取得する。なお、この場合において、携帯端末50の端末識別情報と顧客識別情報とを対応付けた顧客情報データベース(図示せず)が予め用意されており、顧客認識部110は、店舗内の中継装置40により取得された各携帯端末50の端末識別情報を用いて上述の顧客情報データベースを検索する。これにより、顧客認識部110は、当該端末識別情報に対応する顧客識別情報を取得することができる。そして、顧客認識部110は、取得した顧客識別情報をメモリ1006といった情報処理装置10の記憶領域に保持する。これにより、店舗内の顧客が認識される。
【0035】
また、顧客認識部110は、上述の携帯端末のGPS情報に基づいて、顧客が退店したことを認識することができる。例えば、顧客認識部110が、携帯端末のGPS情報が所定時間以上取得できなくなった、或いは、店舗外の位置を示すGPS情報を取得したとする。この場合、顧客認識部110は、メモリ1006等に記憶されている顧客識別情報の中から、当該顧客に対応する顧客識別情報を論理的または物理的に削除する。なお、顧客認識部110は、携帯端末のGPS情報と共に取得した端末識別情報を用いて、削除すべき顧客識別情報を判別することができる。これにより、顧客が退店したことが認識される。
【0036】
図3に戻り、顧客認識部110により顧客が認識されると、購入履歴取得部120は、例えば次のようにして、顧客認識部110により認識された顧客に対応する商品購入履歴情報を取得する(S104)。まず、購入履歴取得部120は、顧客認識部110によりメモリ1006等に記憶された顧客識別情報を読み出す。そして、購入履歴取得部120は、読み出した顧客識別情報に基づいて、その顧客識別情報に対応付けられた商品購入履歴情報を取得する。ここで、各顧客の商品購入履歴情報は、顧客毎の顧客識別情報と関連付けて、例えば、ストレージデバイス1008などに記憶されている。
【0037】
そして、推薦商品情報取得部130は、購入履歴取得部120により取得された購入履歴情報と推薦商品リストとを比較する(S106)。ここで、推薦商品リストは、例えば、ストレージデバイス1008などに記憶されている。そして、推薦商品情報取得部130は、S106の比較処理の結果に基づいて、例えば次のようにして、顧客に通知すべき推薦商品情報(または推薦情報および特典情報)を取得する(S108)。
【0038】
一例として、推薦商品リストに含まれる或る推薦商品が、商品購入履歴情報に含まれている或る購入商品と一致する場合(すなわち、推薦商品が、顧客が以前購入した商品と同じ場合)に、推薦商品情報取得部130は、その推薦商品の推薦商品情報を取得する。この場合、推薦商品情報取得部130は、推薦商品リストに含まれる推薦商品の中から、商品購入履歴情報に含まれる購入商品のいずれかと商品識別情報が一致する推薦商品を特定する。そして、推薦商品情報取得部130は、特定した推薦商品の商品識別情報に基づいて、推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得する。なお、推薦商品情報取得部130は、顧客が推薦商品と同じ商品を前回購入してから所定の期間(例えば、推薦商品が消耗品である場合、その商品を使い切るまでにかかる平均的な期間など)が経過している場合に、推薦商品情報を取得するように構成されていてもよい。
【0039】
他の一例として、推薦商品情報取得部130は、顧客が以前購入した商品が推薦商品リスト内の或る推薦商品の関連商品に該当する場合に、その推薦商品の推薦商品情報を取得してもよい。
【0040】
例えば、推薦商品情報取得部130は、商品購入履歴情報に含まれる商品識別情報を用いて関連商品を定義する関連商品データベース(図示せず)を検索し、顧客が以前購入した商品の関連商品を特定する。ここで、関連商品データベースは、例えば、商品識別情報を互いに対応付けることによって関連商品を定義している(例:図4)。図4は、関連商品データベースの一例を示す図である。図4に例示される関連商品データベースは、関連商品のグループ(関連グループID)毎に、複数の商品の商品識別情報を対応付けて記憶している。推薦商品情報取得部130は、図4に例示されるような関連商品データベースを用いて、商品購入履歴情報に含まれる商品識別情報が示す商品に対応する関連商品の商品識別情報を取得することができる。そして、推薦商品情報取得部130は、取得した関連商品の商品識別情報と一致する商品識別情報が推薦商品リストに含まれている場合、その商品識別情報を用いて推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得することができる。
【0041】
また例えば、推薦商品情報取得部130は、各商品の属性情報の類似性に基づいて、顧客が以前購入した商品の関連商品を特定してもよい。この場合、商品の属性情報は、商品識別情報に対応付けられて、例えばストレージデバイス1008など記憶されている。属性情報は、例えば、商品の特徴(匂い、味、色、大きさなど)、メーカー、用途(食品、台所用品など)など、様々なカテゴリの情報を含んでいる。推薦商品情報取得部130は、商品購入履歴情報に含まれる商品識別情報から取得できる属性情報と、推薦商品リストに含まれる商品情報から取得できる属性情報とを比較する。そして、推薦商品情報取得部130は、属性情報の共通点の多さに応じて、類似性の度合いを示すスコアを算出する。そして、推薦商品情報取得部130は、算出されたスコアが所定の閾値以上となった推薦商品を、顧客が以前購入した商品の関連商品として特定する。そして、推薦商品情報取得部130は、特定した推薦商品の商品識別情報を用いて推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得することができる。
【0042】
通知部140は、上述のように推薦商品情報取得部130により取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を、顧客に通知する(S110)。一例として、通知部140は、S102で認識された顧客の顧客識別情報と対応付けられた端末識別情報を顧客情報データベース(図示せず)から読み出す。そして、通知部140は、読み出した端末識別情報を基に、推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を通知すべき携帯端末50の宛先情報を特定する。そして、通知部140は、特定した宛先情報を用いて、対象の携帯端末50に推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を送信する。
【0043】
以上で説明したように、本実施形態では、まず、店舗内で顧客が認識されると、その顧客の商品購入履歴情報が取得される。そして、取得された商品購入履歴情報と店舗側で用意した推薦商品リストとが比較される。これにより、その顧客が以前購入した商品と関連する推薦商品が推薦商品リストに含まれているか否かを判定することができる。そして、その顧客の商品購入履歴と推薦商品リストとの比較結果に基づいて選択された推薦商品の商品情報が、顧客に通知される。ここで、ある顧客が以前購入した商品と推薦商品リストに含まれる推薦商品とが関連している場合、その推薦商品はその顧客によって購入される可能性が高い。よって、本実施形態によれば、商品の売上増加に繋がる可能性の低い不要な通知の送信を減らすことができる。また、本実施形態の情報処理装置10の通知により、推薦商品リストに含まれる推薦商品の売上を向上させる効果が期待できる。また、本実施形態では、選択された推薦商品に各種特典が付与されている場合、その特典を示す特典情報が更に顧客に通知される。これにより、推薦商品リストに含まれる推薦商品の売上向上効果をより高めることができる。
【0044】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態における情報処理装置10の配置例を示す図である。図5に示されるように、本実施形態において、情報処理装置10は顧客が利用する商品かご60に取り付けられている。図示しないが、情報処理装置10は、顧客が利用する商品カートに取り付けられていてもよい。
【0045】
〔機能構成〕
図6は、第2実施形態に係る情報処理装置10の機能構成を概念的に示すブロック図である。図6に示されるように、本実施形態の情報処理装置10は、商品認識部150を更に備える。商品認識部150は、顧客用の商品かご60(または商品カート)の中の商品を認識する。商品認識部150は、例えば、バーコードリーダやイメージスキャナなどを用いて、商品を認識することができる。例えば、図7に示すように、顧客が商品を商品かご60に商品を入れる際に、その商品を情報処理装置10の商品認識部150にかざすことで、かごの中の商品が認識される。図7は、商品かご60の中の商品をどのように認識するかを概略的に例示する図である。その他にも、商品認識部150は、商品かご60の中を撮像範囲に含むカメラ(図示せず)を有しており、当該カメラを用いて生成される画像を解析することによって、商品かご60の中の商品を認識するように構成されていてもよい。
【0046】
本実施形態の推薦商品情報取得部130は、商品購入履歴情報を基に取得された推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)の中で顧客に通知すべき推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を、商品認識部150により認識された商品に基づいて絞り込む。
【0047】
また、推薦商品情報取得部130は、商品購入履歴情報を用いずに、商品認識部150の認識結果と推薦商品リストとを比較することによって、顧客に通知する推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得してもよい。
【0048】
また、本実施形態において、顧客認識部110は、会員カードを読み取る機能や携帯端末50と近距離無線通信を行う機能などを更に備えている。顧客認識部110は、会員カードの読取結果や携帯端末50との通信結果に基づいて、情報処理装置10が取り付けられた商品かご60(または商品カート)を利用している顧客を識別する顧客識別情報を取得することができる。
【0049】
〔ハードウエア構成〕
図8は、第2実施形態の情報処理装置10に係る情報処理装置10のハードウエア構成を例示する図である。本実施形態のハードウエア構成は、以下の点を除き、第1実施形態のハードウエア構成と同様である。
【0050】
本実施形態のストレージデバイス1008は、上述の商品認識部150、推薦商品情報取得部130、および顧客認識部110の機能を実現するプログラムモジュールを更に記憶している。プロセッサ1004が、これら各プログラムモジュールをメモリ1006に読み込んで実行することで、上述の商品認識部150、推薦商品情報取得部130、および顧客認識部110の機能が実現される。
【0051】
また、図8において、入出力インタフェース1010には、カード読取装置20、撮像装置30、および、スキャナ70が接続されている。撮像装置30およびスキャナ70は、商品かご60の中の商品を認識するために利用され得る。例えば、商品認識部150は、撮像装置30により生成される画像の解析結果やスキャナ70による読取結果に基づいて、商品かご60の中の商品を認識することができる。また、カード読取装置20は、情報処理装置10が取り付けられた商品かご60を利用している顧客を特定するために利用され得る。例えば、顧客認識部110は、カード読取装置20によってカードから読み取られた顧客識別情報を取得することによって、商品かご60を利用している顧客を特定することができる。この場合において、ネットワークインタフェース1012は、第1実施形態の中継装置40と同様の役割を果たしている。
【0052】
また、図8において、ネットワークインタフェース1012は様々な近距離無線通信規格をサポートしている。顧客認識部110は、ネットワークインタフェース1012を介して、携帯端末50と近距離無線通信を行い、当該携帯端末50の端末識別情報などを取得する。顧客認識部110は、取得した携帯端末50の端末識別情報を用いて顧客情報データベース(図示せず)を参照し、商品かご60を利用している顧客の顧客識別情報を取得することができる。
【0053】
〔動作例〕
本実施形態の情報処理装置10が実行する処理の流れについて、図9および図10を用いて説明する。図9および図10は、第2実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理の流れの例示するフローチャートである。図9のフローチャートでは、商品購入履歴情報と推薦商品リストとの比較結果を基に取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を、商品認識部150により認識された商品を用いて絞り込む処理の流れが例示されている。図10のフローチャートでは、商品購入履歴情報を用いず、商品認識部150により認識された商品と推薦商品リストとの比較結果に基づいて、顧客に通知すべき推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得する処理の流れが例示されている。
【0054】
まず、図9の処理の流れについて説明する。
【0055】
顧客認識部110は、商品かご60を利用している顧客を認識する(S202)。顧客認識部110は、例えば、カード読取装置20により会員カードから読み取られた顧客識別情報を、商品かご60を利用している顧客の顧客識別情報として取得することができる。また、例えば、顧客認識部110は、ネットワークインタフェース1012を介した携帯端末50との近距離無線通信結果に基づいて、商品かご60を利用している顧客の顧客識別情報を取得することができる。
【0056】
次いで、購入履歴取得部120は、顧客認識部110により認識された顧客の商品購入履歴情報を取得する(S204)。そして、推薦商品情報取得部130は、購入履歴取得部120により取得された商品購入履歴情報と推薦商品リストとを比較して、推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得する(S206、S208)S204~S208の処理は、図3のS104~S108の処理と同様である。
【0057】
次いで、商品認識部150は、商品かご60の中の商品を認識する(S210)。商品認識部150は、例えば、スキャナ70による商品の読取結果や、撮像装置30により生成された商品画像の解析結果に基づいて、商品かご60の中の商品を認識することができる。具体的には、商品認識部150は、スキャナ70による商品の読取結果や、撮像装置30により生成された商品画像の解析結果に基づいて、商品かご60の中の商品の商品識別情報を取得する。
【0058】
次いで、推薦商品情報取得部130は、商品認識部150により認識された商品に基づいて、S208の処理で取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を絞り込む(S212)。例えば、推薦商品情報取得部130は、商品認識部150により認識された商品の商品識別情報を用いて関連商品データベース(図示せず)を検索し、商品かご60の中にある商品の関連商品を特定する。そして、推薦商品情報取得部130は、S208の処理で取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)の中から、特定した関連商品の推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を選択する。ここで、特定した関連商品の推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)がS208の処理で取得されていない場合、推薦商品情報取得部130は、上述したような情報の絞り込みを行わなくてもよい。
【0059】
次いで、通知部140は、S212の処理で絞り込まれた、推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を顧客に通知する(S214)。S214の処理は、図3のS110の処理と同様である。
【0060】
次に、図10の処理の流れについて説明する。
【0061】
顧客認識部110は、商品かごを利用している顧客を認識する(S302)。S302の処理は、図9のS202の処理と同様である。
【0062】
次いで、商品認識部150は、商品かご60の中の商品を認識する(S304)。S304の処理は、図9のS210の処理と同様である。
【0063】
次いで、推薦商品情報取得部130は、商品認識部150により認識された商品と推薦商品リストとを比較する(S306)。そして、推薦商品情報取得部130は、商品認識部150により認識された商品と推薦商品リストとの比較結果に基づいて、顧客に通知すべき推薦商品情報(または推薦情報および特典情報)を取得する(S308)。この場合、推薦商品情報取得部130は、図3のS106およびS108の処理において「商品購入履歴情報」の代わりに「商品認識部150により認識された商品の商品識別情報」を用いる。これにより、推薦商品情報取得部130は、図3を用いて説明した処理と同様にして、顧客に通知すべき推薦商品情報(または推薦情報および特典情報)を取得することができる。
【0064】
次いで、通知部140は、S308の処理で取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を顧客に通知する(S310)。S310の処理は、図3のS110の処理と同様である。
【0065】
また、本実施形態において、情報処理装置10が表示機器を有している、或いは、情報処理装置10の他に表示機器が商品かご60等に設けられている場合に、通知部140は、当該表示機器を用いて推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を通知してもよい。一例として、通知部140は、商品かご60の中に入れた(商品認識部150により認識された)商品に応じて、特典情報(例えば、その他の商品との抱き合わせた場合の割引に関する情報など)を表示機器に表示させることができる。
【0066】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態では、商品購入履歴情報を用いて取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)が、商品かご60の中の商品に基づいて絞り込まれる。これにより、現在顧客が購入予定の商品に応じて、適切な推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を選択して顧客に通知することが可能となる。
【0067】
[第3実施形態]
本実施形態は、顧客に通知すべき推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を当該顧客の位置情報に基づいて絞り込む構成を更に備えている点で、第1実施形態および第2実施形態と異なっている。
【0068】
〔機能構成〕
図11は、第3実施形態に係る情報処理装置10の機能構成を概念的に示すブロック図である。図11に示されるように、本実施形態の情報処理装置10は、顧客位置取得部160を更に備えている。なお、図11に例示される構成は第1実施形態の構成をベースとしているが、第2実施形態で説明した構成を更に備えていてもよい。
【0069】
顧客位置取得部160は、顧客位置情報を取得する。顧客位置情報は、店舗内の顧客の位置を示す情報である。一例として、顧客位置取得部160は、携帯端末50と通信を行った中継装置40の位置情報を、顧客位置情報として取得することができる。他の一例として、顧客位置取得部160は、顧客が認識された最新の画像を生成した撮像装置30の設置位置または撮像範囲に基づいて、顧客位置情報を取得することができる。
【0070】
本実施形態の推薦商品情報取得部130は、商品購入履歴情報を基に取得された推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)の中で顧客に通知すべき推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を、上述の顧客位置情報を更に用いて絞り込む。一例として、推薦商品情報取得部130は、顧客位置情報が示す位置から所定範囲内に陳列されている推薦商品の推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を、顧客に通知すべき推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)として選択することができる。
【0071】
〔ハードウエア構成〕
図12は、第3実施形態の情報処理装置10に係る情報処理装置10のハードウエア構成を例示する図である。本実施形態のハードウエア構成は、以下の点を除き、上述の各実施形態のハードウエア構成と同様である。
【0072】
本実施形態のストレージデバイス1008は、上述の顧客位置取得部160および推薦商品情報取得部130の機能を実現するプログラムモジュールを更に記憶している。プロセッサ1004が、これら各プログラムモジュールをメモリ1006に読み込んで実行することで、上述の顧客位置取得部160および推薦商品情報取得部130の機能が実現される。
【0073】
図12の例において、ネットワークインタフェース1012には、投影装置80及び表示装置90が接続される。投影装置80は、情報処理装置10からの出力指示に応じて様々な画像を店舗の床や壁に投影することができる。表示装置90は、デジタルサイネージのような、様々な情報を表示させる装置である。投影装置80および表示装置90は、店内の各所に設けられている。本実施形態において、通知部140は、推薦商品情報取得部130により取得された推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を用いて、投影装置80用の映像出力信号や、表示装置90用の描画データなどを生成する。そして、通知部140は、生成した映像出力信号や描画データを、投影装置80または表示装置90に送信する。投影装置80や表示装置90は、通知部140からの出力に基づいて、顧客に推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を提示することができる。
【0074】
〔動作例〕
本実施形態の情報処理装置10が実行する処理の流れについて、図13を用いて説明する。図13は、第3実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理の流れの例示するフローチャートである。
【0075】
まず、顧客認識部110は店舗内の顧客を認識する(S402)。そして、購入履歴取得部120は、認識した顧客の商品購入情報を取得する(S404)。そして、推薦商品情報取得部130は、購入履歴取得部120により取得された商品購入履歴情報と推薦商品リストとを比較し、その比較結果に基づいて推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を取得する。S402~S408の処理は、図3のS102~S108の処理と同様である。
【0076】
そして、顧客位置取得部160は顧客位置情報を取得する(S410)。一例として、顧客位置取得部160は、直近で顧客の携帯端末50と通信を行った中継装置40が設けられている位置を示す情報を、顧客位置情報として取得することができる。他の一例として、顧客位置取得部160は、顧客が認識された最新の画像を生成した撮像装置30の設置位置または撮像範囲を示す情報を、顧客位置情報として取得することができる。これら中継装置40や撮像装置30の位置を示す情報は、例えば、ストレージデバイス1008に予め記憶されている。
【0077】
そして、推薦商品情報取得部130は、S408の処理で取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を、顧客位置取得部160により取得された顧客位置情報に基づいて絞り込む(S412)。
【0078】
そして、通知部140は、S412の処理で取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を顧客に通知する(S414)。S414の処理は、図3のS110の処理と同様である。
【0079】
ここでの第3実施形態に係る情報処理装置10の動作の具体例を、図14を用いて説明する。図14は、第3実施形態に係る情報処理装置10の具体的な動作の説明に用いる図である。図14は、上面から見た店舗内部の地図を示している。図14の例では、店舗内に3つの商品陳列棚が配置されている。図中の丸印は、S410の処理で取得された顧客位置情報が示す、店舗内の顧客Cの位置を表している。また、図中の斜線部X、Y、Zは、それぞれ、S408の処理で取得された推薦商品情報に対応する推薦商品の陳列位置を表している。なお、商品の陳列位置は、商品の商品識別情報に対応付けて、ストレージデバイス1008などに予め記憶されている。
【0080】
図14の例の場合、推薦商品X、Y、Zの中で、推薦商品Yが顧客Cに最も近い位置に存在している。推薦商品情報取得部130は、顧客位置取得部160により取得された顧客Cの顧客位置情報と推薦商品X、Y、Zの陳列位置を示す情報とを用いて、推薦商品Yが顧客Cに最も近いと判定する。そして、推薦商品情報取得部130は、この判定結果に基づいて、推薦商品X、Y、Zそれぞれの推薦商品情報(推薦商品情報または特典情報)のうち、推薦商品Yの推薦商品情報(推薦商品情報または特典情報)を選択する。
【0081】
そして、通知部140は、選択された推薦商品Yの推薦商品情報(推薦商品情報または特典情報)を顧客Cに通知する。一例として、通知部140は、顧客Cが所有する携帯端末50に、推薦商品Yの推薦商品情報(推薦商品情報または特典情報)を送信することができる。他の一例として、通知部140は、顧客Cの顧客位置情報または推薦商品Yの陳列位置情報に基づいて、最も近い位置に設けられた投影装置80または表示装置90を特定する。ここで、投影装置80および表示装置90の設置位置情報は、例えばストレージデバイス1008などに記憶されている。そして、通知部140は、投影装置80または表示装置90の少なくともいずれか一方で用いる出力データを生成し、投影装置80または表示装置90の少なくともいずれか一方に出力する。投影装置80または09は、通知部140からの出力に基づいて、顧客Cに推薦商品情報(推薦商品情報および特典情報)を提示することができる。例えば、投影装置80は、顧客Cの近傍の床または壁に、推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を通知する画像を投影させることができる。また、表示装置90は、自身の表示部に、推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)を通知する画像を表示させることができる。
【0082】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態では、図14を用いて例示したように、商品購入履歴情報を用いて取得された推薦商品情報(または推薦商品情報および特典情報)が、顧客位置情報が示す位置に基づいて絞り込まれる。これにより、現在の顧客位置に鑑みて、顧客が寄り易い位置にある推薦商品の情報を優先的に通知することができる。これにより、顧客が通知された推薦商品を手に取る確率を高める効果が期待できる。
【0083】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0084】
例えば、特典情報に関して、商品の使用期限(賞味期限など)や在庫量、統計的な販売傾向、当日の販売ノルマの達成度合いなどに応じて、推薦商品に対応付ける特典情報の内容を設定する特典情報設定部(図示せず)を、情報処理装置10が更に有していてもよい。特典情報設定部は、例えば以下のように動作する。一例として、特典情報設定部は、ある推薦商品の使用期限までの残り時間が所定の閾値以下となった場合に、その推薦商品に特典情報を自動的に対応付ける。特典情報設定部は、特典情報を対応付けてから所定時間が経過した後、その推薦商品の販売状況が芳しくない(単位時間あたりの販売量が増加していない)場合は、例えば予め決められたルールに沿って特典情報を設定し直す。このルールは、例えば、残り時間が短いほど、特典を強く(割引率、値引き額、付与ポイント数を多く)するルールなどである。特典情報設定部は、在庫量、販売傾向、または販売ノルマの達成度を用いる場合にも、同様にして、推薦情報に特典情報を対応付けることができる。
【0085】
また例えば、通知部140は、購入予定の商品の合計金額に応じて、顧客毎に異なる特典情報を提示してもよい。例えば、異なる顧客に対して同一の推薦商品情報および特典情報が取得された場合に、購入予定の商品の合計金額が多い顧客に対して優先的に推薦商品情報および特典情報を通知するようにしてもよい。また、通知部140は、購入予定の商品の合計金額に加えて(或いは代わりに)、これまでの顧客の購入実績(商品購入金額)に基づいて、購入実績の多い顧客から優先的に特典情報を通知するようにしてもよい。
【0086】
また例えば、通知部140は、精算対象として登録された商品の情報を取得し、その商品に応じた特典情報(例えば、その他の商品との抱き合わせた場合の割引に関する情報など)を顧客に通知するようにしてもよい。この場合、通知部140は、商品の精算時にレジ端末と通信を行うことによって、精算対象として登録された商品の情報を取得することができる。また、この場合、通知部140は、顧客の携帯端末50の他、レジ端末の表示機器に特典情報を通知することができる。
【0087】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0088】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
店舗内の顧客を認識する顧客認識手段と、
前記顧客認識手段により認識された顧客の商品購入履歴情報を取得する購入履歴取得手段と、
前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する推薦商品情報取得手段と、
前記推薦商品情報取得手段により取得された推薦商品情報を前記顧客に通知する通知手段と、
を備える情報処理装置。
2.
前記情報処理装置は、顧客用の商品かご又はカートに設けられており、
当該情報処理装置は、前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段を更に備え、
前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品に基づいて、前記取得された推薦商品情報の中から顧客に通知すべき推薦商品情報を絞り込む、
1.に記載の情報処理装置。
3.
前記店舗内の顧客の位置を示す顧客位置情報を取得する顧客位置取得手段を更に備え、
前記推薦商品情報取得手段は、前記顧客位置取得手段により取得された顧客位置情報を更に用いて、前記取得された推薦商品情報の中から顧客に通知すべき推薦商品情報を絞り込む、
1.または2.に記載の情報処理装置。
4.
前記推薦商品情報取得手段は、前記推薦商品情報に対応付けられた特典情報を更に取得し、
前記通知手段は、前記推薦商品情報と前記特典情報とを、前記顧客に通知する、
1.から3.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
5.
コンピュータが、
店舗内の顧客を認識し、
前記顧客の商品購入履歴情報を取得し、
前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得し、
前記取得された推薦商品情報を前記顧客に通知する、
ことを含む商品推薦方法。
6.
前記コンピュータは、顧客用の商品かご又はカートに設けられており、
当該コンピュータが、
前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識し、
前記認識された商品に基づいて、前記取得された推薦商品情報の中から顧客に通知すべき推薦商品情報を絞り込む、
ことを更に含む5.に記載の商品推薦方法。
7.
前記コンピュータが、
前記店舗内の顧客の位置を示す顧客位置情報を取得し、
前記取得された顧客位置情報を更に用いて、前記取得された推薦商品情報の中から顧客に通知すべき推薦商品情報を絞り込む、
ことを更に含む5.または6.に記載の商品推薦方法。
8.
前記コンピュータが、
前記推薦商品情報に対応付けられた特典情報を更に取得し、
前記推薦商品情報と前記特典情報とを、前記顧客に通知する、
5.から7.のいずれか1つに記載の商品推薦方法。
9.
コンピュータに、5.から8のいずれか1つに記載の商品推薦方法を実行させるプログラム。
【0089】
この出願は、2017年12月21日に出願された日本出願特願2017-245493号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
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図8
図9
図10
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