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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】シリンジポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20241112BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A61M5/315 500
A61M5/145 500
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022504448
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 JP2021008331
(87)【国際公開番号】W WO2021177389
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2020038011
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽畑 元晴
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-520625(JP,A)
【文献】特開2007-236858(JP,A)
【文献】特表2008-526407(JP,A)
【文献】特開2007-306991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
A61M 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バレルと、該バレルの内側に嵌入され、後端にフランジを含むプランジャロッドとを含むシリンジに適用されるシリンジポンプであって、
前記プランジャロッドの前記フランジを前記フランジの厚み方向に挟持して固定する挟持機構を備え、
前記挟持機構は、
前記フランジの後端面と対向する押圧面を含む押動部と、
前記厚み方向に移動可能に設けられ、前記押圧面との間に前記厚み方向の隙間を形成するように前記押動部に連結され、前記押動部と協働して前記フランジを固定する把持部とを備え、
前記押動部は、前記フランジが固定されているときに、前記押圧面から離れる方向の前記把持部の移動をロックする係止機構を含み、
前記把持部を操作する操作部材をさらに備え、
前記押動部は、前記操作部材からの操作力を前記把持部に伝達する伝達機構と、前記押圧面を形成し、前記伝達機構を収納するケーシングとをさらに含み、
前記係止機構は、前記伝達機構と前記ケーシングとの間に形成され、
前記係止機構は、
前記ケーシングに形成されたテーパ面と、
前記伝達機構に設けられ、前記テーパ面に当接する当接部とを含む、シリンジポンプ。
【請求項2】
前記把持部は、前記押動部に対して前記厚み方向の軸まわりに回動可能なフィンガー部材を含み、
前記伝達機構は、前記フィンガー部材とともに回動し、前記当接部が設けられた回動部材を含む、請求項1に記載のシリンジポンプ。
【請求項3】
前記押動部は、前記伝達機構を付勢することにより前記把持部を前記押圧面に近づく方向に引き付ける付勢部材をさらに含む、請求項1または請求項2に記載のシリンジポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリンジポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
正確な量の薬液をシリンジから投与するためにシリンジポンプが用いられる。シリンジポンプの制御に関係なくシリンジ内の薬剤が投与されてしまうサイフォニング現象を抑制する技術として、特許文献1(特開2017-51548号公報)および特許文献2(特開2019-10502号公報)に記載のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-51548号公報
【文献】特開2019-10502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリンジのプランジャロッド後端のフランジを該フランジの厚み方向に挟持する機構が知られている。シリンジポンプに対するシリンジの取付けの際に把持部材をフランジの厚み方向にスライドさせて隙間を拡大する機能を設けることにより、作業性を向上させることができる。
【0005】
しかし、陰圧条件下においてプランジャロッドを引き込む力が発生したとき、上記把持部材がプランジャとともに移動すると、プランジャロッドの意図しない移動を抑制することができない。
【0006】
本開示の目的は、陰圧条件下においてもプランジャロッドの意図しない移動を抑制することが可能なシリンジポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るシリンジポンプは、バレルと、該バレルの内側に嵌入され、後端にフランジを含むプランジャロッドとを含むシリンジに適用される。上記シリンジポンプは、上記プランジャロッドの上記フランジを上記フランジの厚み方向に挟持して固定する挟持機構を備える。上記挟持機構は、上記フランジの後端面と対向する押圧面を含む押動部と、上記厚み方向に移動可能に設けられ、上記押圧面との間に上記厚み方向の隙間を形成するように上記押動部に連結され、上記押動部と協働して上記フランジを固定する把持部とを備える。上記押動部は、上記フランジが固定されているときに、上記押圧面から離れる方向の上記把持部の移動をロックする係止機構を含む。
【0008】
一つの実施態様では、上記シリンジポンプは、上記把持部を操作する操作部材をさらに備える。上記押動部は、上記操作部材からの操作力を上記把持部に伝達する伝達機構と、上記押圧面を形成し、上記伝達機構を収納するケーシングとをさらに含み、上記係止機構は、上記伝達機構と上記ケーシングとの間に形成される。
【0009】
一つの実施態様では、上記シリンジポンプにおいて、上記係止機構は、上記ケーシングに形成されたテーパ面と、上記伝達機構に設けられ、上記テーパ面に当接する当接部とを含む。
【0010】
一つの実施態様では、上記シリンジポンプにおいて、上記把持部は、上記押動部に対して上記厚み方向の軸まわりに回動可能なフィンガー部材を含み、上記伝達機構は、上記フィンガー部材とともに回動し、上記当接部が設けられた回動部材を含む。
【0011】
一つの実施態様では、上記シリンジポンプにおいて、上記押動部は、上記伝達機構を付勢することにより上記把持部を上記押圧面に近づく方向に引き付ける付勢部材をさらに含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係るシリンジポンプによれば、陰圧条件下においてもプランジャロッドの意図しない移動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の1つの実施の形態に係るシリンジポンプの構成を示す斜視図(その1)である。
図2図1のシリンジポンプをY軸方向から見た図である。
図3】本開示の1つの実施の形態に係るシリンジポンプの斜視図(その2)である。
図4図1図3のシリンジポンプに装着されるシリンジの外観を示す斜視図である。
図5図1図3のシリンジポンプにおける押動部の内部構造を示す斜視図である。
図6図5に示す押動部に含まれる伝達機構をZ軸方向から見た図である。
図7図5に示す押動部のY軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0015】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本開示の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本開示にとって必ずしも必須のものではない。
【0016】
図1図3は、本開示の実施の形態に係るシリンジポンプの構成を示す図である。図1図3は、シリンジポンプ100を互いに異なる方向から見た図である。図1図3に示すX軸、Y軸、Z軸は互いに直交する方向を向く。
【0017】
図1図3に示すように、シリンジポンプ100は、本体部110と、シリンジ装着部120と、バレルフランジ押さえ部130と、スライド軸140と、押動部150と、把持部160と、操作部材170とを備える。
【0018】
本体部110には、駆動部と、駆動部を制御する制御部とが設けられている。駆動部は、スライド軸140を駆動するモータ、および、モータに接続された減速機を含む。
【0019】
シリンジ装着部120に、後述するシリンジが装着される。シリンジ装着部120は、本体部110の一方の側部に設けられている。シリンジ装着部120は、凹面部121と、シリンジクランプ122とを含む。
【0020】
凹面部121は、円弧状に湾曲した断面形状を有し、この円弧の中心軸方向に延在している。シリンジクランプ122は、凹面部121と対向しつつ接離可能に設けられている。シリンジクランプ122の凹面部121側に、凹面部121とは反対側に円弧状に湾曲した凹部が設けられている。凹面部121とシリンジクランプ122の凹部とによってバレルが挟持されることにより、シリンジがシリンジ装着部120に固定される。シリンジ装着部120の端部には、バレルフランジ押さえ部130が設けられる。バレルフランジ押さえ部130は、シリンジを取り付けた際に、バレル端部に設けられたフランジ(バレルフランジ)に当接する。
【0021】
スライド軸140は、一端が本体部110の駆動部と接続され、他端が押動部150と接続されている。スライド軸140は、スライド軸140の軸方向にスライド可能に設けられている。スライド軸140の軸方向は、凹面部121の延在方向と略平行である。押動部150の構成については、後述する。
【0022】
押動部150は、把持部160とともに、シリンジのプランジャロッドのフランジを該フランジの厚み方向(Z軸方向)に挟持して固定する「挟持機構」を構成する。
【0023】
把持部160は、1対のフィンガー部材161,162を含む。1対のフィンガー部材161,162の各々は、押動部150を介して操作部材170と連結されている。
【0024】
操作部材170が図1図3に示す状態にあるとき、1対のフィンガー部材161,162の各々の先端は互いに接近している。このとき、1対のフィンガー部材161,162は、Z軸方向に沿って押動部150に接近した位置にある。この状態が、操作部材170の「閉状態」である。
【0025】
操作部材170が、図1図3に示す状態から他方側に回動したとき、1対のフィンガー部材161,162の各々は、その先端が難いに離間するように回動する。このとき、1対のフィンガー部材161,162は、Z軸方向に沿って押動部150から離間した位置にスライド移動する。この状態が、操作部材170の「開状態」である。
【0026】
操作部材170の「開状態」において、プランジャロッドのフランジを押動部150と把持部160との間に配置した後、操作部材170を「閉状態」に戻すことにより、プランジャロッドのフランジを、その厚み方向(Z軸方向)に挟持して固定することができる。このように、押動部150と把持部160とが、プランジャロッドのフランジを、その厚み方向に挟持して固定する「挟持機構」として機能する。
【0027】
押動部150および把持部160は、本体部110の駆動部が駆動することにより、スライド軸140とともに、スライド軸140の軸方向(Z軸方向)にスライドする。スライド軸140の軸方向は、プランジャロッドの軸方向に沿っている。このように、本体部110の駆動部およびスライド軸140は、「挟持機構」をプランジャロッドの軸方向に沿って移動させる「移動機構」として機能する。
【0028】
図4は、シリンジポンプ100に装着されるシリンジの外観を示す斜視図である。図4に示すように、シリンジ200は、バレル210とプランジャロッド220とを含む。バレル210は、内部に液剤を収容する円筒状の収容部211を有する。バレル210の先端には、液剤出入口212が設けられている。バレル210の後端には、開口が設けられ、その周囲にフランジ213が設けられている。
【0029】
バレル210は、ポリプロピレンなどの透明または半透明の樹脂にて構成されている。バレル210の内周面に、シリコーンオイルなどの潤滑油が塗布されていてもよい。
【0030】
プランジャロッド220の先端側には、バレル210の内周面と摺接するガスケット部(図示せず)が設けられている。プランジャロッド220の後端には、フランジ221が設けられている。プランジャロッド220は、ガスケット部とフランジ221とを接続する軸部222を含む。
【0031】
次に、押動部150、把持部160、および操作部材170の構成および動作について、さらに詳細に説明する。
【0032】
図5は、押動部150の内部構造を示す斜視図であり、図6は、操作部材170からの操作力を把持部160に伝達する伝達機構を示す図であり、図7は、押動部150のY軸方向断面図である。
【0033】
図5図7に示すように、押動部150は、第1部材151と、第2部材152と、第3部材153と、付勢部材154と、ケーシング155と、付勢部材156と、回動部材157とを含む。ケーシング155は、第1部材151と、第2部材152と、第3部材153と、付勢部材154と、付勢部材156と、回動部材157とを収納する。
【0034】
図5図7においては、押動部150の内部構造を明らかにするために、ケーシング155の一部等について、図示を省略している。
【0035】
シリンジポンプ100にシリンジ200を取り付ける際には、操作部材170を回動させる。これにより、1対のフィンガー部材161,162の先端は互いに離間する。
【0036】
より具体的には、操作部材170による回転操作力が、回動部材157を通じて、第1部材151に伝達される。これにより、第1部材151は、図6中の矢印DR1方向に回動する。第1部材151の回動に伴ない、第1部材151と歯合する第2部材152は矢印DR2方向に回動する。
【0037】
第3部材153の左側片は第2部材152と歯合し、第3部材153の右側片は第1部材151と歯合している。第1部材151および第2部材152の回動に伴ない、第3部材153の左右の各片は、各々矢印DR31方向、矢印DR32方向に回動する。第3部材153の左右の各片は、各々フィンガー部材161,162に連結されている。このため、第3部材153の回動に伴ない、一対のフィンガー部材161,162は、各々矢印DR161,162方向に回動する。これにより、1対のフィンガー部材161,162の先端は互いに離間し、「開状態」が実現される。
【0038】
「開状態」において、プランジャロッド220のフランジ221が1対のフィンガー部材161,162とケーシング155との間に配置される。その後、操作部材170を逆方向に回動させることにより、1対のフィンガー部材161,162の先端は互いに接近する。すなわち、「開状態」に移行させるときとは逆方向に第1部材151、第2部材152、第3部材153を各々回動させることにより、1対のフィンガー部材161,162の先端は互いに接近し、「閉状態」が実現される。
【0039】
第1部材151、第2部材152、および第3部材153は、操作部材170からの操作力を把持部160に伝達する「伝達機構」を構成する。
【0040】
図5図7に示すように、第3部材153は、ケーシング155の内面に向けて突出する突出部153A(当接部)と、左右の各片を接続する接続部材153Bとを含む。ケーシング155は、第3部材153に向けて突出する突出部155Aを有する。第3部材153の突出部153Aは、ケーシング155の突出部155Aと当接し、これにより、第3部材153のZ軸方向(操作部材170から離れる方向)の移動が制限される。
【0041】
突出部155Aの先端には、突出部155Aの周方向に沿って突出部155Aの突出量を変化させるテーパ面155Bが形成されている。ケーシング155は、1対のフィンガー部材161,162と対向する押圧面155Cを有する。
【0042】
付勢部材154は、第3部材153および把持部160を操作部材170側(+Z方向)に向けて付勢する。付勢部材156は、第1部材151を操作部材170に対して反対側(-Z方向)に向けて付勢する。すなわち、Z軸方向において、第1部材151、第2部材152、および第3部材153は、付勢部材154,156を介してケーシング155に支持される。
【0043】
操作部材170の「閉状態」において、第3部材153の突出部153Aは、ケーシング155の突出部155Aにおける突出量(高さ)が最も大きい位置に当接している。したがって、「閉状態」においては、第3部材153およびフィンガー部材161,162の-Z方向(図7中の上側)への移動が抑制される。この結果、フィンガー部材161,162は、押圧面155Cに接近した位置にある。
【0044】
第3部材153の左右片が矢印DR31方向、矢印DR32方向に回動するにつれて、第3部材153の突出部153Aが当接するケーシング155の突出部155Aの高さが徐々に低くなるように、テーパ面155Bが形成されている。したがって、「閉状態」から「開状態」への移行に伴ない、第3部材153およびフィンガー部材161,162は、徐々に-Z方向(図7中の上側)に移動可能となる。この結果、フィンガー部材161,162は、押圧面155Cから離間した位置にスライド移動する。この状態で、プランジャロッド220のフランジ221がフィンガー部材161,162と押圧面155Cとの間に配置される。
【0045】
1対のフィンガー部材161,162が「開状態」から「閉状態」に戻されると、再び、第3部材153およびフィンガー部材161,162の-Z方向(図7中の上側)への移動が抑制され、フィンガー部材161,162は、押圧面155Cに接近した位置に戻る。
【0046】
以上の動作により、プランジャロッド220のフランジ221をフランジ221の厚み方向に挟持して固定することができる。「開状態」において、フィンガー部材161,162が押圧面155Cから離間した位置にスライド移動する。このスライド移動量は、フィンガー部材161,162の開き角度、すなわち操作部材170の回動角度に応じて変化する。したがって、シリンジ200のサイズによってフランジ221の厚みが異なる場合でも、押圧面155Cとフィンガー部材161,162との隙間の幅を適宜調整してフランジ221の固定を行なうことができる。また、フィンガー部材161,162と押圧面155Cとの隙間が比較的広い状態でシリンジ200の設置を行なうことができる。以上のことから、シリンジポンプ100によれば、フランジ221の固定の作業性を高めることが可能である。
【0047】
ところで、プランジャロッド220のフランジ221を挟持して固定した状態において、1対のフィンガー部材161,162は、付勢部材154の付勢力により+Z方向に付勢されている。しかし、シリンジ200が接続される回路内において陰圧が生じたとき、付勢部材154による+Z方向の付勢力よりも大きな-Z方向の力がプランジャロッド220に作用し得る。
【0048】
しかし、本実施の形態に係るシリンジポンプ100においては、フランジ221が固定されているときに、第3部材153の突出部153Aとケーシング155の突出部155Aとが当接することによって、フィンガー部材161,162(把持部160)の-Z方向(図7中の上側)への移動が抑制されるため、陰圧条件下においてもプランジャロッド220の意図しない移動を抑制することが可能である。第3部材153の突出部153A、およびケーシング155の突出部155Aは、フランジ221が固定されているときに、把持部160のZ軸方向の移動をロックする「係止機構」として機能する。
【0049】
本実施の形態において説明した各構成について要約すると、以下のとおりとなる。シリンジポンプ100は、バレル210と、バレル210の内側に嵌入され、後端にフランジ221を含むプランジャロッド220とを含むシリンジ200に適用されるものである。シリンジポンプ100は、プランジャロッド220のフランジ221をフランジ221の厚み方向に挟持して固定する押動部150および把持部160(挟持機構)を備える。押動部150は、フランジ221の後端面と対向する押圧面155Cを含む。把持部160は、フランジ221の厚み方向(Z軸方向)に移動可能に設けられ、押圧面155Cとの間にZ軸方向の隙間を形成するように押動部150に連結され、押動部150と協働してフランジ221を固定する。押動部150は、フランジ221が固定されているときに、押圧面155Cから離れる方向の把持部160の移動をロックする。
【0050】
押動部150は、操作部材170からの操作力を把持部160に伝達する第1部材151、第2部材152、および第3部材153(伝達機構)と、押圧面155Cを形成し、第1部材151、第2部材152、および第3部材153を収納するケーシング155とを含む。ケーシング155の内側に形成されたテーパ面155Bと、第3部材153に設けられた突出部153A(当接部)とが当接することにより、把持部160のZ軸方向の移動がロックされる。
【0051】
把持部160は、押動部150に対してZ軸まわりに回動可能な1対のフィンガー部材161,162を含む。第3部材153(回動部材)は、フィンガー部材161,162とともに回動する。
【0052】
付勢部材154は、第3部材153を+Z方向に付勢することにより把持部160を押圧面155Cに近づく方向に引き付ける。
【0053】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
100 シリンジポンプ、110 本体部、120 シリンジ装着部、121 凹面部、122 シリンジクランプ、130 バレルフランジ押さえ部、140 スライド軸、150 押動部、151 第1部材、152 第2部材、153 第3部材、153A 突出部、153B 接続部材、154 付勢部材、155 ケーシング、155A 突出部、155B テーパ面、155C 押圧面、156 付勢部材、157 回動部材、160 把持部、161,162 フィンガー部材、170 操作部材、200 シリンジ、210 バレル、211 収容部、212 液剤出入口、213 フランジ、220 プランジャロッド、221 フランジ、222 軸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7