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特許7586195生体情報取得装置、生体センサユニット、本体ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】生体情報取得装置、生体センサユニット、本体ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A61B5/00 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022571908
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2021039249
(87)【国際公開番号】W WO2022137775
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2020214673
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100122770
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 雅啓
(72)【発明者】
【氏名】古久保 昌志
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223220(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0120106(US,A1)
【文献】特開2015-132612(JP,A)
【文献】特開2020-154459(JP,A)
【文献】特開2007-296266(JP,A)
【文献】特開2000-342547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を検出する生体センサと該生体センサを生体に装着するための生体装着部とを有する生体センサ部と、
前記生体情報を処理する情報処理部と該情報処理部に電力を供給するバッテリとを有する本体部と、を備え、
前記生体センサ部は、前記本体部と分離して取替可能に構成されており、
前記本体部は、前記生体センサ部が生体に装着されたときに該生体と接触しないように、前記生体センサ部に着脱自在に取り付けられ、
前記生体センサ部は、前記本体部と電気的に接続されるセンサ側外部端子を有し、
前記本体部は、前記生体センサ部と電気的に接続される本体側外部端子を有し、
前記本体部は、前記バッテリを充電する充電器と電気的に接続される充電用外部端子をさらに有し、
複数の前記充電用外部端子は、前記本体部の底面に、一列に並べて配置され、
複数の前記本体側外部端子は、前記本体部の底面に、一列に並べて配置され、
複数の前記充電用外部端子、及び、複数の前記本体側外部端子は、二列かつ平行に配置されていることを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項2】
前記生体センサ部は、前記生体センサ部が生体に装着されたときに前記本体部から見て生体が位置する第1方向に露出するように配置され、
前記本体部は、前記第1方向に露出しないように配置されている請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項3】
前記生体センサ部は、前記第1方向に露出して突出する突部を有する請求項2に記載の生体情報取得装置。
【請求項4】
前記生体センサ部は、前記第1方向に露出し、前記第1方向と直交する測定面を有する請求項2に記載の生体情報取得装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記第1方向と逆向きである第2方向に露出するよう配置される請求項2~4のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項6】
前記情報処理部は、識別情報を記憶する記憶部、及び、処理結果を送信する無線通信部を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項7】
前記センサ側外部端子、及び、前記本体側外部端子それぞれは、前記生体センサ部に対する前記本体部の着脱方向に対して垂直に交わる面に配置されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項8】
前記センサ側外部端子は、前記生体センサ部の天面に配置されており、
前記本体側外部端子は、前記本体部の底面に配置されており、
前記バッテリは、前記本体側外部端子の上方に配置されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項9】
前記センサ側外部端子、及び/又は、前記本体側外部端子は、互いを近づける方向に付勢する付勢部材を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項10】
前記本体部は、前記生体センサ部に対して、3箇所で係止され、固定されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項11】
前記本体部は、外側面に突設された3つの爪部を有し、
前記生体センサ部は、弾性を有する素材からなり、前記本体部の爪部と係合する3つの凹部が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の生体情報取得装置。
【請求項12】
前記生体センサ部は、前記本体部を収容する凹状の収容部を有し、
前記収容部の内側面には、前記本体部の爪部を前記収容部に導くガイド溝が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の生体情報取得装置。
【請求項13】
前記ガイド溝は、前記収容部の底面に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の生体情報取得装置。
【請求項14】
前記生体装着部は、指輪状、イヤフォン状、又は、貼付可能に形成されていることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項15】
前記生体装着部は、生体の指に装着可能なように湾曲して形成された湾曲部と、該湾曲部の一方の端部と他方の端部とをつなぐように設けられた平坦部と、を含み、
前記湾曲部には、前記生体センサが実装されたフレキシブル基板が配設されていることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項16】
前記湾曲部は、弾性素材により形成され、
前記平坦部は、前記湾曲部よりも剛性が高いことを特徴とする請求項15に記載の生体情報取得装置。
【請求項17】
前記平坦部は、補強板をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の生体情報取得装置。
【請求項18】
前記平坦部は、前記湾曲部よりも、前記湾曲部の軸方向の寸法が大きいことを特徴とする請求項15~17のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項19】
前記バッテリは、長手方向が、前記湾曲部の軸方向と一致するように配置されることを特徴とする請求項15~18のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載された生体情報取得装置を構成する前記本体部と着脱自在に構成されており、前記本体部が有するバッテリを充電することを特徴とする充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得装置、及び、該生体情報取得装置に用いられる生体センサユニット、並びに、本体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体に装着して、例えば脈拍や心電などの生体情報を取得する様々な生体センサが提案されている。例えば、特許文献1には、回路部を内蔵するセンサ本体、人体の脈波情報を検出する検出部、およびセンサ本体を指に固定するためのベルトやクリップから構成され、センサ本体と検出部とが可撓性を有するプリント基板によってフレキシブルに連結された指輪型の脈波センサが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、一部が切断された円環状の装着部を指輪として、この装着部の内周面の径を全体的に縮小する調節機構(定荷重バネ)を備えている指輪型の光電脈波信号検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-70264号公報
【文献】特開平11-332840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、生体センサを用いて生体情報を取得する装置では、生体(人体)に接触するセンサ部分は、例えば皮膚の汗や脂などの汚れが付着しやすく、また、そのため、製品寿命が短くなるおそれがあるという問題がある。また、使用される状況や個人差(個人の特徴)等によって、測定が不安定になったり測定不能となることがあり得る。より具体的には、例えば、上記特許文献1、2等に開示された指輪型の生体センサ(指に装着するタイプの生体センサ)では、例えば、指の太さや肌の色、体動の影響などによって測定が不安定になったり測定不能となることがあり得る。一方、様々な使用状況や個人差に応じて生体センサを交換する(使い分ける)ようにした場合、コストが増大してしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、本体部の汚れを防止することができ、かつ、コストアップを抑えつつ、様々な使用状況や個人差に柔軟に対応することが可能な生体情報取得装置、及び、該生体情報取得装置に用いられる生体センサユニット、並びに、本体ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る生体情報取得装置は、生体情報を検出する生体センサと該生体センサを生体に装着するための生体装着部とを有する生体センサ部(生体センサユニット)と、生体情報を処理する情報処理部と該情報処理部に電力を供給するバッテリとを有する本体部(本体ユニット)とを備え、生体センサ部が、本体部と分離して取替可能に構成されており、本体部が、生体センサ部が生体に装着されたときに該生体と接触しないように、生体センサ部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る生体情報取得装置によれば、生体に装着される生体センサ部が、本体部と分離して取替可能に構成されている。すなわち、生体センサ部のみ交換して、本体部は使い回しすることができる。そのため、コストアップを抑えつつ、生体センサ部の交換容易化や装着形態の変更容易化を図ることができる。また、本体部は、生体センサ部が生体に装着されたときに該生体と接触しないように、生体センサ部に着脱自在に取り付けられる。そのため、本体部の汚れを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
その結果、本発明によれば、本体部の汚れを防止することができ、かつ、コストアップを抑えつつ、様々な使用状況や個人差に柔軟に(フレキシブルに)対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る生体情報取得装置を示す外観図である。
図2】実施形態に係る生体情報取得装置を示す断面図である。
図3】実施形態に係る生体情報取得装置を示す斜視図(透視図)である。
図4】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する生体センサ部を示す外観図(斜視図)である。
図5】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する生体センサ部を示す外観図(斜視図)である。
図6】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部を示す外観図(平面図)である。
図7】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部を示す外観図(斜視図)である。
図8】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部の内部(上面側)を示す斜視図である。
図9】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部の内部(下面側)を示す斜視図である。
図10】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部の底面(外部端子)を示す図であり、(a)は充電器にセットされる途中の状態を示し、(b)は充電器にセットされた状態を示す。
図11】実施形態に係る指輪型の生体情報取得装置の装着例を示す図である。
図12】変形例に係るイヤフォン型の生体情報取得装置の装着例を示す図である。
図13】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部(バッテリ)を充電する充電器の外観を示す斜視図である。
図14】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部が充電器にセットされる様子を示す図である。
図15】実施形態に係る生体情報取得装置を構成する本体部が充電器にセットされる途中の状態を示す側面図(a)、及び、充電器にセットされた状態の透視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0012】
まず、図1図15を併せて用いて、実施形態に係る生体情報取得装置(デバイス)1の構成について説明する。
【0013】
生体情報取得装置1は、生体情報を取得して処理し、その処理結果を無線で出力(送信)するものである。生体情報取得装置1は、図1~3に示されるように、生体センサ部(生体センサユニット)11と、本体部(本体ユニット)12とを備えている。なお、図1は、生体情報取得装置1を示す外観図である。図2は、生体情報取得装置1を示す断面図である。図3は、生体情報取得装置1を示す斜視図(透視図)である。
【0014】
特に、生体情報取得装置1は、本体部(本体ユニット)12の汚れを防止することができ、かつ、コストアップを抑えつつ、様々な使用状況や個人差に柔軟に(フレキシブルに)対応する機能を有している。そのため、生体センサ部(生体センサユニット)11は、本体部(本体ユニット)12と分離して取替可能に構成されている。
【0015】
なお、生体センサ部11は、単独で流通可能であり、その場合は、区別するために、生体センサユニット11と呼ぶ。したがって、生体センサ部11と生体センサユニット11とは、同一のものである。同様に、本体部12は、単独で流通可能であり、その場合は、区別するために、本体ユニット12と呼ぶ。したがって、本体部12と本体ユニット12とは、同一のものである。
【0016】
生体センサ部11は、図1~5に示されるように、主として、生体情報を検出する生体センサ111と、生体センサ111を生体に装着するための生体装着部112とを有している。なお、図4、5は、生体センサ部11を示す外観図(斜視図)である。
【0017】
ここで、生体情報としては、例えば、体温、深部体温、血圧、血糖値、酸素飽和度、心拍数、脈拍数、ECG、PPGなどを挙げることができる。すなわち、生体センサ111としては、これらの生体情報を検出(取得)する各種生体センサ(例えば、体温センサ、光電脈波センサ、圧力センサ、血糖値センサ、酸素飽和度センサ、脈波センサ、心電電極など)が用いられる。
【0018】
生体装着部112は、例えば、指に装着する指輪状(指輪型)(図11参照)、耳に装着するイヤフォン状(イヤフォン型)(図12参照)、又は、皮膚に貼付可能な貼付型(パッチ型)とすることができる。また、生体装着部112は、例えば、使用状況や個人差(個人の身体的特徴)等に対してより柔軟に対応するために、形状やサイズが異なるものをそろえることが好ましい。なお、本実施形態では、指輪型の生体センサ部11を例にして説明する。
【0019】
なお、耳に装着するイヤフォン型の場合は図12に示すように、生体センサ部11の一部が第1の方向(生体センサ部11が生体に装着されたときに本体部12側から見て生体が位置する方向)に突出して露出している。そして、本体部12は第1の方向には露出せず、第1の方向と逆方向である第2の方向に露出している。この構成により、本体部12の汚れを防止することができる。さらに、本体部12が、第1の方向に露出せず第2の方向に露出する構成により、生体情報取得装置1を装着したまま本体部12を交換する場合であっても、本体部12の汚れを防止しながらの交換が容易となる。
【0020】
皮膚に貼付可能な貼付型(パッチ型)の場合は、皮膚に装着可能な貼り付け面を有し、貼り付け面は貼り付け面と直交する第1方向に露出する。そして、本体部12は第1の方向には露出せず、第1の方向と逆方向である第2の方向に露出するよう配置される。この構成により、本体部12の汚れを防止することができる。さらに、本体部12が、第1の方向に露出せず第2の方向に露出する構成により、生体情報取得装置1を装着したまま本体部12を交換する場合であっても、本体部12の汚れを防止しながらの交換が容易となる。
【0021】
なお、イヤフォン型、パッチ型の両方について、本体部12は第1の方向に露出しないと記載したが、本体部12のボタン(リセットボタンなど)に対応するような小さな貫通孔や切り欠きが生体センサ部11の第1の方向に設けられている場合であっても、本体部12は露出していないものとする。これは、小さい貫通孔や切り欠きであれば内壁で汚れが止まるため、本体部12に汚れが届かず、本発明の効果を得られるためである。
【0022】
本体部12は、生体センサ部11が生体(例えば指)に装着されたときに該生体と接触しないように、生体センサ部11に着脱自在に取り付けられる(図11、12参照)。本体部12は、図1~3、6~9に示されるように、主として、生体センサ部11により取得された生体情報を処理し、その処理結果を出力(送信)する情報処理部(情報処理回路)121と、情報処理部121や(必要に応じて)生体センサ部11の生体センサ111等に電力を供給するバッテリ122とを有している。なお、図6は、本体部12を示す外観図(平面図)である。図7は、本体部12を示す外観図(斜視図)である。図8は、本体部12の内部(上面側)を示す斜視図である。図9は、本体部12の内部(下面側)を示す斜視図である。
【0023】
なお、生体センサ部11のタイプにかかわらず、すなわち、指輪型であっても、イヤフォン型であっても、貼付型であっても、本体部12は同じものを用いることができる。すなわち、本体部12は、指輪型やイヤフォン型等の異なるタイプの生体センサ部11と接続可能な構造とされている。そのため、本体部12を異なる生体センサ部11に付け替えることで様々な箇所の生体情報(バイタルデータ)を取得できる。また環境に応じて測定箇所を変更することができる。
【0024】
本体部12の情報処理部121は、情報処理を実行するMCU(Micro Control Unit)に加えて、使用者(患者)や自機の識別情報(ID)やMCUに生体情報の処理を実行させるためのプログラム等を記憶するEEPROM等のメモリ(請求の範囲に記載の記憶部に相当)1211、及び、生体情報の処理結果を送信(出力)するBLEチップ等の無線通信モジュール1212(請求の範囲に記載の無線通信部に相当)を含んでいる。なお、本体部12に識別情報を記憶させておくことにより、生体センサ部11を交換したとしても、個人認識等はそのままで同じように使用することができる。
【0025】
ここで、無線通信には、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、WiFi、LTE(Long Term Evolution)、サブギガ(900MHz帯)などの無線通信方式(無線通信規格)が用いられる。また、例えば、NFC(Near Field Communication)(ISO/IEC 18092)や、MIFARE(登録商標)(ISO/IEC 14443)などの無線通信方式(無線通信規格)を用いてもよい。
【0026】
生体センサ部11は、本体部12と電気的に接続される複数のセンサ側外部端子(接続端子)113を有している。同様に、本体部12は、生体センサ部11と電気的に接続される複数の本体側外部端子(接続端子)123を有している。すなわち、生体センサ部11と本体部12とは、複数のセンサ側外部端子113と複数の本体側外部端子123とを介して電気的に接続される。
【0027】
複数のセンサ側外部端子113、及び、複数の本体側外部端子123それぞれは、接触不良等を生じ難くするために、生体センサ部11に対する本体部12の着脱方向(挿抜方向)に対して垂直に交わる面に配置されることが好ましい。
【0028】
より具体的には、複数のセンサ側外部端子113は、生体センサ部11の平坦部118の天面(上面)に一列に配置されている。一方、複数の本体側外部端子123は、本体部12の底面に一列に配置されている(図5等参照)。ここで、本体部12のバッテリ122は、本体側外部端子123の上方に配置されている(図2等参照)。このようにすると、比較的重いバッテリ122が本体側外部端子123上に配置されるため、端子部の接続が機械的にも電気的にも安定する。
【0029】
また、センサ側外部端子113は、センサ側外部端子113を本体側外部端子123に近づける方向(外側方向)に付勢する付勢部材1131(例えばコイルスプリングや板バネなど)を含んでいることが好ましい。同様に、本体側外部端子123は、本体側外部端子123をセンサ側外部端子113に近づける方向(外側方向)に付勢する付勢部材1231(例えば、コイルスプリングや板バネ)を含んでいることが好ましい。なお、センサ側外部端子113及び本体側外部端子123のうち、いずれか一方にのみ、付勢部材1131/1231を設ける構成としてもよい、
【0030】
ところで、生体センサ部11が弾性を有する一方、センサ側外部端子113の剛性が高いと、そこに応力がかかった際に、センサ側外部端子113に応力が集中するおそれがある。しかしながら、付勢部材1131/1231を設けることにより、そのような応力集中を緩和することができる。
【0031】
本体部12は、生体センサ部11に対して、例えば、3箇所で係止(嵌合)され、固定される。より具体的には、本体部12は、略立方体状に形成されており、先端及び左右の外側面(外側)それぞれに突設された3つの爪部124を有している(図6等参照)。そのため、本体部12を着脱する際に、正確な位置に確実に固定できる一方、容易に取り外すこともできる。
【0032】
一方、生体センサ部11の筐体は、弾性を有する素材からなり、本体部12の爪部124と嵌合する3つの凹部114が形成されている。より詳細には、生体センサ部11は、本体部12を収容する凹状の収容部115を有しており、収容部115の内側面に上記3つの凹部114が形成されている(図5等参照)。そのため、本体部12の着脱(取り外しとはめ込み)が容易であり、かつ、繰り返し着脱を行ったとしても壊れにくい。
【0033】
また、収容部115の内側面端部には、上記3つの凹部114に加えて、本体部12の爪部124を収容部115に導くためのガイド溝116が形成されている。ここで、ガイド溝116は、収容部115の底面に対して傾斜するように形成されている(スロープになっている)ことが好ましい。このようにすると、ガイド溝116によって、位置合わせをしつつ、簡便に生体センサ部11と本体部12とを接続できる。また、本体部12を適切な位置に固定できる。
【0034】
生体センサ部11の生体装着部112は、生体の指に装着可能に湾曲するように形成された湾曲部117と、湾曲部117の一方の端部と他方の端部とをつなぐように設けられた平坦部(平面部)118とを含んで構成されている。湾曲部117には、可撓性を有する帯状に形成されたフレキシブル基板117aと、フレキシブル基板117aの先端に近い部分に取り付けられた2個の生体センサ111とが配設されている(図3等参照)。生体センサ111は、フレキシブル基板117a、センサ側外部端子113、本体側外部端子123を介して、本体部12と電気的に接続されており、生体情報に応じた電気信号(電圧等)が本体部12で読み込まれる。
【0035】
図1、2、3に示すように、生体センサ部11の一部である湾曲部117は平坦部118の平面と直交する第1の方向(生体センサ部11が生体に装着されたときに本体部12側から見て生体が位置する方向)に突出して露出している。そして、本体部12は第1の方向には露出せず、第1の方向と逆方向である第2の方向に露出している。この構成により、本体部12の汚れを防止することができる。さらに、本体部12が、第1の方向に露出せず第2の方向に露出する構成により、生体情報取得装置1を装着したまま本体部12を交換する場合であっても、本体部12の汚れを防止しながらの交換が容易となる。
【0036】
なお、本体部12は第1の方向に露出しないと記載したが、本体部12のボタン(リセットボタンなど)に対応するような小さな貫通孔や切り欠きが生体センサ部11の第1の方向に設けられている場合であっても、本体部12は露出していないものとする。これは、小さい貫通孔や切り欠きであれば内壁で汚れが止まるため、本体部12に汚れが届かず、本発明の効果を得られるためである。
【0037】
平坦部118を設けることで、指に取り付ける際に、生体センサ部11が回転してしまうことや装着の間違いを防止でき、生体センサ111を適切な位置に配置・維持できる。また、生体に密着させやすい湾曲部117に生体センサ111を配置することで、精度よく測定することができる。更に湾曲部117にフレキシブル基板117aを配置することにより、フレキシブル基板117aのコシによって、生体センサ111を指に密着させることができる。
【0038】
湾曲部117は、弾性素材により形成される。すなわち、湾曲部117は弾性を有する。一方、平坦部118は、湾曲部117よりも剛性が高くなっている。湾曲部117を弾性素材で形成することにより、例えば、指の太さが異なるような場合でも対応することができる。また、平坦部118の剛性を高めることで、平坦部118の形状を保持して、センサ位置を維持することができる。
【0039】
平坦部118は、補強板119をさらに含むことが好ましい(図2、3等参照)。平坦部118に補強板119を設けることで、平坦部118の形状を保持できるとともに、ストレス等による破損を防止することができる。
【0040】
平坦部118は、湾曲部117よりも、湾曲部117の軸方向(装着される指の軸方向)の寸法(幅)が大きいことが好ましい。このようにすれば、センサ側外部端子113に印加される応力を平坦部118で分散して受けることにより、剛性を確保することができる。加えて、例えば、平坦部118を保持しやすい、湾曲部117との界面で曲げやすい、平坦部118を目印として認識しやすい、などのメリットもある。
【0041】
本体部12に搭載されるバッテリ122は、例えば、直方体状に形成されており、長手方向が、生体センサ部11の湾曲部117の軸方向(装着される指の軸方向)と一致するように配置されることが好ましい。
【0042】
本体部12は、バッテリ122を充電する充電器100と電気的に接続される(接続可能な)充電用外部端子(接続端子)125をさらに有している。そのため、生体には接触しない本体部12のみを取り外して、充電を行うことができ、衛生的かつ簡便に充電を行うことができる。
【0043】
図10(a)(b)に示されるように、複数(例えば2つ)の充電用外部端子125は、本体部12の底面に、一列に並べて配置されている。同様に、複数(例えば5つ)の本体側外部端子123は、本体部12の底面に、一列に並べて配置されている。そして、複数の充電用外部端子125と、複数の本体側外部端子123とは、二列に(平行に)配置されている。そのため、双方の短絡を確実に防止することができる。なお、図10は、本体部12の底面(外部端子123、125)を示す図であり、(a)は充電器100にセットされる途中の状態を示し、(b)は充電器100にセットされた状態を示す。
【0044】
図13、14、15に示されるように、充電器100は、生体情報取得装置1を構成する本体部12を挿入可能な開口を有しており、本体部12を着脱自在(可能)に構成されている。そして、充電器100は、本体部12がセットされた状態で、上述した充電用外部端子125を介してバッテリ122を充電する。なお、図13は、本体部12(バッテリ122)を充電する充電器100の外観を示す斜視図である。図14は、本体部12が充電器100にセットされる様子を示す図である。図15は、本体部12が充電器100にセットされる途中の状態を示す側面図(a)、及び、充電器100にセットされた状態の透視図(b)である。
【0045】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、生体に装着される生体センサ部11が、本体部12と分離して取替可能に構成されている。すなわち、生体センサ部11のみ交換して、本体部12は使い回しすることができる。そのため、コストアップを抑えつつ、生体センサ部11の交換容易化や装着形態の変更容易化を図ることができる。また、本体12部は、生体センサ部11が生体に装着されたときに該生体と接触しないように、生体センサ部11に着脱自在に取り付けられる。そのため、本体部12の汚れを防止することができる。
【0046】
その結果、本体部12の汚れを防止することができ、かつ、コストアップを抑えつつ、様々な使用状況や個人差に柔軟に(フレキシブルに)対応することが可能となる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、生体センサ部11(生体装着部112)のタイプとして、指輪型、イヤフォン型、貼付型を例に挙げたが、他のタイプの生体センサ部11(生体装着部112)を用いてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、生体センサ111の例として、体温センサ、光電脈波センサ、圧力センサ、血糖値センサ、酸素飽和度センサ、脈波センサ、心電電極を挙げたが、これらのセンサに代えて、他の生体センサを用いることもできる。
【0049】
さらに、上記実施形態では、生体情報(処理結果)を無線で送信したが、有線で送信する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1、1B 生体情報取得装置
11 生体センサ部(生体センサユニット)
111 生体センサ
112 生体装着部
113 センサ側外部端子
1131 付勢部材
114 凹部
115 収容部
116 ガイド溝
117 湾曲部
117a フレキシブル基板
118 平坦部
119 補強板
12 本体部(本体ユニット)
121 情報処理部
1211 メモリ(記憶部)
1212 無線通信モジュール(無線通信部)
122 バッテリ
123 本体側外部端子
1231 付勢部材
124 爪部
125 充電用外部端子
100 充電器
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
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図11
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図15