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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】自律移動体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0836 20230101AFI20241112BHJP
【FI】
G06Q10/0836
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023030331
(22)【出願日】2023-02-28
(65)【公開番号】P2024122661
(43)【公開日】2024-09-09
【審査請求日】2024-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 匡
(72)【発明者】
【氏名】岩本 全弘
(72)【発明者】
【氏名】片岡 孝生
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-273051(JP,A)
【文献】特許第6243076(JP,B1)
【文献】特許第7066234(JP,B1)
【文献】特開2020-129212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/370988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区画を独立して施解錠可能な格納装置であって、前記複数の区画のそれぞれが有する扉に、調光ガラスを利用した窓が設けられた格納装置と、
第一の物品が格納された区画に対応する前記調光ガラスを不透明にした状態で、前記第一の物品の荷受人であるユーザに対応する所定の地点まで移動することと、
前記ユーザの認証に成功した場合に、前記第一の物品が格納された区画の調光ガラスを透明にすることと、
を実行する制御部と、
を有する、自律移動体。
【請求項2】
前記制御部は、前記調光ガラスを透明にした後で、前記ユーザから指示を取得し、前記指示に基づいて、前記対応する区画の解錠を行うか否かを決定する、
請求項1に記載の自律移動体。
【請求項3】
前記指示は、前記第一の物品の受け取りを行うか、前記第一の物品の受け取りを拒否するかを指定するものである、
請求項2に記載の自律移動体。
【請求項4】
前記制御部は、前記調光ガラスを透明にした履歴、および、前記区画を解錠した履歴を所定の装置に記録する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の自律移動体。
【請求項5】
前記調光ガラスは、電圧を印加することで不透明な状態から透明な状態に変化するガラスである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の自律移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の輸送サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途向けに設計された自動運転車を派遣することでサービスを提供する試みがなされている。例えば、特許文献1には、ロッカーを搭載した自動運転車を運行することで、様々な場所で荷物の預け入れおよび取り出しが可能なシステムに関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2019/039014号
【文献】特開平05-214861号公報
【文献】特開2019-142703号公報
【文献】特開2019-210607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、物品の輸送サービスの利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、
複数の区画を独立して施解錠可能な格納装置であって、前記複数の区画のそれぞれが有する扉に、調光ガラスを利用した窓が設けられた格納装置と、第一の物品が格納された区画に対応する前記調光ガラスを不透明にした状態で、前記第一の物品の荷受人であるユーザに対応する所定の地点まで移動することと、前記ユーザの認証に成功した場合に、前記第一の物品が格納された区画の調光ガラスを透明にすることと、を実行する制御部と、を有する、自律移動体である。
【0006】
また、他の態様として、上記の自律移動体が実行する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物品の輸送サービスの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一の実施形態に係る配送システムの概要図。
図2】車両1の外観を例示した図。
図3】車両1のハードウェア構成の一例を示した図。
図4】サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示した図。
図5】車両1のソフトウェア構成を模式的に示した図。
図6】サーバ装置2のソフトウェア構成を模式的に示した図。
図7】車両データ22Aおよびタスクデータ22Bの例。
図8】システムに含まれる構成要素が実行する処理のシーケンス図。
図9】ステップS12で制御部21が実行する処理のフローチャート。
図10】運行指令を受信した車両1が実行する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
自律走行が可能な移動体に、物品を格納可能な格納装置を搭載し、ユーザの元へ派遣するシステムが提案されている。例えば、ユーザ端末からのリクエストに基づいて、ロッカーを搭載した自律走行車両を指定された地点に派遣することで、ユーザは、移動することなく荷物の預け入れを行うことができる。また、商品の配送などを行うことができる。
【0010】
自律移動体にロッカーを搭載することで物品の配送を行うシステムにおいては、物品が格納された区画を出発時に施錠し、到着後に、荷受人によって解錠操作を行うことが一般的になされている。
【0011】
しかし、斯様なシステムでは、誤配送に対するケアが不十分となるケースが起こりうる。
例えば、物品が格納された区画を解錠した後に、誤った物品が格納されていることに荷受人が気付く場合がある。この場合、区画を再度施錠して物品を返送することが考えられる。しかし、荷主を離れた状態で区画が一度でも解錠された場合、物品の安全を担保することができなくなる。これは、配送対象が食品である場合などにおいて顕著になる。
本開示にかかる自律移動体は、かかる問題を解決する。
【0012】
一実施形態に係る自律移動体は、
複数の区画を独立して施解錠可能な格納装置であって、前記複数の区画のそれぞれが有する扉に、調光ガラスを利用した窓が設けられた格納装置と、第一の物品が格納された区画に対応する前記調光ガラスを不透明にした状態で、前記第一の物品の荷受人であるユーザに対応する所定の地点まで移動することと、前記ユーザの認証に成功した場合に、前記第一の物品が格納された区画の調光ガラスを透明にすることと、を実行する制御部と、を有する。
【0013】
自律移動体は、典型的には、物品を収納可能な格納装置(ロッカーユニット)を搭載して自律移動する無人車両である。ロッカーユニットは、複数の区画を有し、各区画に物品を格納可能なロッカー型の装置である。複数の区画のそれぞれは、独立して施錠が可能であってもよい。自律移動体に搭載されたロッカーユニットは、移動ロッカーとも呼ばれる。ロッカーユニットを搭載した自律移動体を運行することで、ユーザが希望する地点にロッカーを派遣し、物品を預かることができる。また、複数のユーザ間において物品を配送することができる。
【0014】
格納装置が有する複数の区画には、調光ガラスを利用した窓が設けられている。調光ガラスとは、調光素子を含んだガラスであって、通電状態を変化させることで、色や透過状態を変化させることができるガラスである。調光ガラスは、例えば、電圧を印加することで不透明から透明に変化するガラスであってもよい。
調光ガラスを利用することで、透過状態と非透過状態を切り替えることができる。すなわち、区画の内部を外部から視認可能な状態と、視認不可能な状態に切り替えることができる。
【0015】
制御部は、第一の物品が格納された区画に対応する調光ガラスを不透明にした状態で、当該第一の物品の荷受人であるユーザの元まで移動する。この間において、第一の物品を外部から視認することはできない。
また、制御部は、ユーザの認証に成功した場合に、第一の物品が格納された区画の調光ガラスを透明にする。これにより、荷受人であるユーザは、第一の物品を視認することができるようになる。
かかる構成によると、扉を解錠する前の段階において、輸送された物品を外部から視認
することができるようになる。すなわち、誤配送が発生した場合であっても、扉を解錠する前にこれに気付くことが可能になる。誤配送が発生した場合、例えば、扉を解錠する前に返送手続きを行うことで、内容物の安全を担保することができる。
【0016】
なお、前記制御部は、前記調光ガラスを透明にした後で、前記ユーザから指示を取得し、前記指示に基づいて、前記対応する区画の解錠を行うか否かを決定してもよい。当該指示は、第一の物品の受け取りを行うか、第一の物品の受け取りを拒否するかを指定するものであってもよい。
【0017】
制御部は、第一の物品の受け取りが拒否された場合、区画を解錠しないまま、当該物品の返送を開始してもよい。
【0018】
また、前記制御部は、前記調光ガラスを透明にした履歴、および、前記区画を解錠した履歴を所定の装置に記録してもよい。所定の装置は、自律移動体に内蔵された記憶装置であってもよいし、自律移動体を管理するサーバ装置等であってもよい。
これにより、格納されている物品が安全な状態であることを保証できるか否かを事後的に判定できるようになる。
【0019】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0020】
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る配送システムの概要について、図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る配送システムは、自律走行を行う一台以上の車両1と、当該車両1の制御を行うサーバ装置2と、を含んで構成される。ユーザ端末3は、サーバ装置2に対してリクエストを発行するコンピュータである。
【0021】
車両1は、サーバ装置2からの指令に基づいて走行する自律走行車両である。車両は、格納装置を搭載して構成される。格納装置は、複数の区画を有し、それぞれの区画に物品を収納することができるロッカー型の装置である。格納装置は、物品を収納して施錠することができれば、どのような形態であってもよい。
図2に、車両1の外観を示す。車両1は、自律走行を行うユニットである駆動ユニット16と、複数の扉によってそれぞれの区画にアクセスできるよう構成されたロッカーユニット15を有して構成される。ロッカーユニット15は、複数の区画(図示した例では5個)を含んで構成される。
サービスを利用するユーザは、車両1に設けられた入出力部14を介して、指定された区画の解錠操作を行うことができる。
【0022】
車両1は、搭載されたロッカーユニット15を用いて、物品を輸送するサービス(以下、輸送サービス)を提供する。ユーザは、サーバ装置2を介して車両1を呼び出すことで、任意の地点において物品の預け入れ、および、取り出しを行うことができる。なお、物品を預け入れるユーザと、当該物品を取り出すユーザは異なっていてもよい。例えば、商店が商品を預け入れ、当該商品を購入した消費者が自宅で当該商品を受け取ることもできる。
【0023】
サーバ装置2は、車両1の運行を管理する装置である。
前述した通り、車両1はロッカーユニット15を搭載して自律移動することができる。サーバ装置2は、物品の出し入れを行うユーザが所持するユーザ端末3から、車両の派遣要請を受けた場合に、当該ユーザの元へ派遣する車両1を決定し、当該車両1に対して運行を指示する。
【0024】
車両1、サーバ装置2、およびユーザ端末3は、ネットワークによって相互に接続される。ネットワークには、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークは、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
【0025】
次に、車両1およびサーバ装置2の詳細について説明する。
車両1は、サーバ装置2の制御下において自律走行する車両である。具体的には、車両1は、サーバ装置2から送信された運行指令に基づいて、周辺をセンシングしながら適切な方法で道路上を走行する。また、移動先において、輸送サービスに関する所定のタスク(物品の預かりや引き渡し等)を実行する。
【0026】
サーバ装置2は、複数の車両1を管理するコンピュータである。サーバ装置2は、複数の車両1と無線通信可能に構成され、ユーザからの要求があった場合に、当該ユーザに派遣する車両1を決定し、当該車両1に対して、運行を指令する。
【0027】
[ハードウェア構成]
図3は、車両1のハードウェア構成の一例を示した図である。
車両1は、制御部11、記憶部12、通信モジュール13、入出力部14、ロッカーユニット15、駆動ユニット16、バッテリユニット17、およびセンサ群18を含んで構成される。ロッカーユニット15および駆動ユニット16は、バッテリユニット17から供給される電力で動作する。
【0028】
制御部11は、所定のプログラムを実行することで、車両1の各種機能を実現する演算ユニットである。制御部11は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサによって実現することができる。また、制御部11は、RAM、ROM(Read Only Memory)、キャッシュメモリ等を含んで構成されてもよい。
【0029】
記憶部12は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部12には、制御部11にて実行されるプログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。
【0030】
通信モジュール13は、車両1をネットワークに接続するための通信手段である。本実施形態では、車両1は、3G、LTE、5G等の移動体通信サービスを利用して、ネットワーク経由で他の装置(例えば、サーバ装置2)と通信を行うことができる。なお、通信モジュール13は、他の車両と車々間通信を行うための通信手段をさらに有していてもよい。
【0031】
入出力部14は、ユーザが行った入力操作を受け付け、ユーザに対して情報を提示する手段である。具体的には、入出力部14は、マウス、キーボード等の入力を行うための装置、及びディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置を含む。入出力部14は、例えば、タッチパネルディスプレイ等により一体的に構成されてもよい。
【0032】
ロッカーユニット15は、複数の区画を有し、それぞれの区画に物品を収納することができるロッカー型の装置である。図2を参照して説明したように、ロッカーユニット15は、複数の扉によってそれぞれ独立した区画にアクセスできるよう構成される。ロッカーユニット15は、複数の電子錠15Aを有しており、これにより、複数の区画を施解錠することができる。
また、ロッカーユニット15が有する複数の区画は、調光窓15Bを含んで構成される
。調光窓15Bは、調光ガラスを含んで構成される。調光窓15Bは、対応する区画の扉に設けられ、調光ガラスを、透明な状態と不透明な状態に切り替えることができる。
また、ロッカーユニット15は、制御部11と接続されており、その動作(ユーザの認証、施解錠、窓の透明状態と不透明状態の切り替えなど)は、制御部11によって制御される。また、ロッカーユニット15は、入出力部14を介して、ユーザとインタラクションを行うことができる。
なお、ロッカーユニット15は、区画内を保冷または加温するためのユニット(例えば、冷蔵ユニット等)を有していてもよい。
【0033】
駆動ユニット16は、制御部11が生成した指令に基づいて、車両1を走行させる手段である。駆動ユニット16は、例えば、車輪を駆動するためのモータやインバータ、ブレーキ、ステアリング機構を含んで構成することができる。駆動ユニット16は、バッテリユニット17と結合され、バッテリユニット17から供給される電力によって動作する。バッテリユニット17は、典型的には、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの二次電池とすることができる、
【0034】
センサ群18は、車両周辺のセンシングを行う複数のセンサを含み、典型的にはカメラ、レーザスキャナ、LIDAR、レーダ、GPSモジュールなどを含んで構成される。センサ群18に含まれるセンサが取得した情報は、制御部11に送信される。センサ群18は、車両1に設けられたカメラを含んでもよい。例えば、Charged-Coupled Devices(C
CD)、Metal-oxide-semiconductor(MOS)あるいはComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)等のイメージセンサを用いた撮影装置を含むことができる。
【0035】
図4は、サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示した図である。
サーバ装置2は、制御部21、記憶部22、通信モジュール23、及び入出力装置24を有するコンピュータとして構成される。
【0036】
サーバ装置2は、プロセッサ(CPU、GPU等)、主記憶装置(RAM、ROM等)、補助記憶装置(EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等)を有するコンピュータとして構成することができる。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能(ソフトウェアモジュール)を実現することができる。ただし、一部または全部の機能は、例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア回路によってハードウェアモジュールとして実現されてもよい。
【0037】
制御部21は、所定のプログラムを実行することで、サーバ装置2の各種機能を実現する演算ユニットである。制御部21は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサによって実現することができる。また、制御部21は、RAM、ROM(Read Only Memory)、キャッシュメモリ等を含んで構成されてもよい。
【0038】
記憶部22は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部22には、制御部21にて実行されるプログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。
【0039】
通信モジュール23は、サーバ装置2をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信モジュール23は、例えば、ネットワークインタフェースボード、無線通信のための無線通信インタフェース等を含むように構成されてよい。
【0040】
入出力装置24は、オペレータが行った入力操作を受け付け、オペレータに対して情報
を提示する手段である。具体的には、入出力装置24は、マウス、キーボード等の入力を行うための装置、及びディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置を含む。入出力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ等により一体的に構成されてもよい。
【0041】
なお、車両1およびサーバ装置2の具体的なハードウェア構成は、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11または制御部21は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA、GPU等で構成されてよい。入出力装置24は省略されてもよいし、例示したもの以外の入出力装置(例えば、光学ドライブ等)が付加されてもよい。また、サーバ装置2は、複数台のコンピュータにより構成されてよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0042】
ユーザ端末3は、物品の輸送サービスを利用するユーザが利用するコンピュータである。ユーザ端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ、個人情報端末といった、個人が利用するコンピュータとすることができる。ユーザは、ユーザ端末3において動作するウェブブラウザやアプリケーションソフトウェアを介してサーバ装置2にアクセスし、サーバ装置2とインタラクションすることができる。ユーザ端末3のハードウェア構成は、サーバ装置2と同様であるため、説明は省略する。
【0043】
[ソフトウェア構成]
次に、車両1およびサーバ装置2を構成する各装置のソフトウェア構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る車両1のソフトウェア構成を模式的に示した図である。本実施形態では、制御部11は、タスク制御部111および走行制御部112の2つのソフトウェアモジュールを有して構成される。各ソフトウェアモジュールは、記憶部12に記憶されたプログラムを制御部11(CPU)によって実行することで実現されてもよい。
【0044】
タスク制御部111は、サーバ装置2から送信された指令に基づいて、ユーザにサービスを提供するための複数のタスクを実行する。タスクとは、例えば、所定の地点まで移動するタスク、ユーザから物品を預かるタスク、預かった物品を引き渡すタスクなどである。これらのタスクは、複数のサブタスクを含んでいてもよい。例えば、物品を引き渡すタスクは、対象のユーザを認証するタスクや、ロッカーユニット15が有する所定の区画を解錠するタスクを含んで構成されてもよい。タスク制御部111が実行するタスクに関する情報は、記憶部12に記憶され、後述する走行制御部112によって参照されてもよい。
【0045】
車両1が実行すべきタスクが、移動に関するものであった場合、タスク制御部111は、車両1の走行経路や目的地を決定し、走行制御部112に対して移動を指令する。このため、タスク制御部111は、道路地図データを取得可能に構成されてもよい。
また、車両1が実行すべきタスクが、物品の授受に関するものであった場合、タスク制御部111は、物品の出し入れを行うユーザや、当該物品が格納される区画を特定し、当該区画に対応する電子錠15Aを制御する。タスク制御部111は、例えば、入出力部14を介してユーザから認証情報を取得し、ユーザを認証する処理と、認証が成功した場合に、対応する区画を解錠する処理などを実行してもよい。この際、タスク制御部111は、ユーザとのインタラクションを行い、この結果に基づいて、窓の状態(透明/不透明)を切り替えてもよい。
【0046】
さらに、タスク制御部111は、サーバ装置2に対して周期的に自己のステータスを表すデータ(以下、ステータスデータ)を送信する。
ステータスデータには、例えば、以下のような情報が含まれる。
・車両1の識別子
・車両1の現在位置
・現在までに完了したタスクに関する情報
・残りのタスクに関する情報
・バッテリユニット17の残量(SOC)または走行可能距離
・運行経路に関する情報(運行中である場合)
・ロッカーユニット15に格納されている物品に関する情報
サーバ装置2は、受信したステータスデータに基づいて、車両に関するデータを更新してもよい。
【0047】
走行制御部112は、車両1を自律走行させる制御を行う。走行制御部112は、センサ群18に含まれるセンサが取得したデータに基づいて、車両周辺の環境を検出し、自車両の位置情報、道路地図データ等を用いて、車両の自律走行を制御してもよい。検出の対象は、例えば、車線の数や位置、自車両の周辺に存在する車両の数や位置、自車両の周辺に存在する障害物(例えば歩行者、自転車、構造物、建築物など)の数や位置、道路の構造、道路標識などであるが、これらに限られない。自律的な走行を行うために必要なものであれば、検出の対象はどのようなものであってもよい。
走行制御部112は、所定の経路に沿って走行し、かつ、自車両を中心とする所定の安全領域内に障害物が進入しないように自車両を走行させる。車両を自律走行させる方法については、公知の方法を採用することができる。
【0048】
図6は、本実施形態に係るサーバ装置2のソフトウェア構成を模式的に示した図である。本実施形態では、制御部21は、車両管理部211、予約管理部212及び指令部213の3つのソフトウェアモジュールを有して構成される。各ソフトウェアモジュールは、記憶部22に記憶されたプログラムを制御部21(CPU)によって実行することで実現されてもよい。
【0049】
車両管理部211は、車両1に関する情報を収集し、記憶部22に構築された車両データベースを更新する。車両データベースは、システムの管理下にある車両1に関する情報を管理するデータベースである。車両管理部211は、複数の車両1と周期的に通信を行い、前述したステータスデータを収集する。収集したデータは、後述する車両データベースに反映される。
【0050】
予約管理部212は、物品の配送を行うためのリクエスト(すなわち、車両1の派遣を希望する旨のリクエスト。以下、配車リクエスト)をユーザ端末3から受信する。なお、予約管理部212においては、ユーザ端末3とインタラクションを行い、配車リクエストを受け付けるためのサービス(ウェブサービス等)が実行されてもよい。
【0051】
配車リクエストには、例えば、物品の預け入れおよび取り出しが行われる地点、その日時、および、物品を保管する温度帯を指定する情報等が含まれる。温度帯は、「常温」「冷蔵」「冷凍」のような区分であってもよいし、具体的な温度(例えば、「摂氏0度から4度の間」など)を指定するものであってもよい。
なお、配車リクエストは、物品の預け入れまたは取り出しのどちらか片方のみをリクエストするものであってもよいし、双方を同時にリクエストするものであってもよい。双方を同時にリクエストする場合、配車リクエストには、預け入れを行う地点および日時、取り出しを行う地点および日時が含まれていてもよい。
【0052】
予約管理部212は、配車リクエストを受信した場合に、当該配車リクエストに基づいて、車両1の派遣先およびスケジュールを決定し、当該車両1の運行指令を生成する。
【0053】
運行指令とは、車両1に対して実行すべきタスクを指示するデータである。
タスクとして、例えば、所定の地点まで移動するタスク、ユーザから物品を預かるタスク、ユーザに物品を引き渡すタスク等が例示できる。
予約管理部212が、複数のタスクを含む運行指令を生成し、車両1が、当該運行指令に従ってタスクを順に完了させることで、移動ロッカーによるサービスを提供することができる。
【0054】
タスクが移動に関するものである場合、当該タスクには、目的地やスケジュールが関連付いていてもよい。車両1は、指定されたスケジュールによって、指定された目的地を経由する運行をすることができる。
【0055】
また、タスクが物品の預かりまたは引き渡しに関するものである場合、予約管理部212は、ユーザ認証に利用するための認証情報を生成してもよい。例えば、予約管理部212は、第一の認証情報と、第一の認証情報と照合するための第二の認証情報を生成し、第一の認証情報をタスクと関連付けて車両1に送信してもよい。また、第二の認証情報をユーザ端末3に送信してもよい。第一の認証情報は車両1によって記憶される。また、第二の認証情報は、ユーザによって車両1に入力される。車両1は、これらを照合することでユーザ認証を行い、ユーザの正当性を確認することができる。
【0056】
なお、予約管理部212は、運行指令を生成する際に、対象車両のバッテリ(バッテリユニット17)の残量を考慮し、サービスが提供できるか否かを判定することが好ましい。具体的には、ユーザが指定した地点までの走行が可能である場合に、サービスが提供できると判定してもよい。
もし、サービスが提供できない場合、以下のような方法をとることができる。
(方法1)代替の車両を利用する
ユーザから物品を預かる前であれば、代替車両を用意することができる。
(方法2)バッテリの充電を提案する
バッテリユニット17の残量が十分でない場合、該当する車両の充電を提案することができる。
(方法3)物品の載せ替えを提案する
ユーザから物品を預かっており、かつ、バッテリユニット17の残量が十分でない場合、当該物品の代替車両への載せ替えを提案することができる。
【0057】
指令部213は、生成された運行指令を対象の車両1に送信する。車両1は、サーバ装置2から送信された運行指令に従ってタスクを実行し、ユーザに対するサービスの提供を行う。
【0058】
記憶部22には、車両データ22A、タスクデータ22B、および、道路地図データ22Cが記憶される。
【0059】
車両データ22Aは、サーバ装置2の管理下にある車両1のステータスを記録するデータである。図7(A)は、車両データ22Aの例である。車両データ22Aには、車両の識別子、更新日時、車両情報、ロッカー情報の各フィールドが含まれる。
【0060】
車両情報フィールドには、車両1の現在の状態を表すデータが格納される。具体的には、車両情報フィールドには、車両1の位置情報、車両1が現在までに完了したタスクに関する情報、車両1がこれから行うタスクに関する情報、車両1のバッテリ残量や走行可能距離などが格納される。
【0061】
ロッカー情報フィールドには、ロッカーユニット15の状態に関するデータが格納される。具体的には、ロッカー情報フィールドには、ロッカーユニット15が有する各区画の状態(空きまたは使用中)、設定温度、各区画を利用するユーザの識別子などが格納される。
車両データ22Aは、車両1から送信されるステータスデータによって周期的に更新される。
【0062】
タスクデータ22Bは、予約管理部212が生成した複数のタスクを記録するデータである。
図7(B)は、タスクデータ22Bの例である。タスクデータ22Bは、車両の識別子、タスクの種別、タスクが実行される日時、タスク関連情報等を含んで構成される。タスクの種別とは、例えば、「移動」「預け入れ」「取り出し」などである。
タスク関連情報とは、タスクを実行するための付加的な情報の集合である。タスクが移動に係るものである場合、タスク関連情報には、目的地の識別子や移動経路が記録されてもよい。また、タスクが荷物の預け入れまたは取り出しに係るものである場合、タスク関連情報には、ユーザの識別子や、当該ユーザを認証するための認証情報が記録されてもよい。
【0063】
車両1は、サーバ装置2から送信された運行指令に含まれるタスクを順に実行していくことで、ユーザに対してサービスを提供する。
図示した例では、V001という識別子を持つ車両が、
(1)11時45分から12時までの間において所定の地点に移動し、
(2)12時から12時15分までの間においてユーザから物品を預かり、
(3)12時15分から12時30分までの間において、所定の地点に移動し、
(4)12時30分から12時45分までの間においてユーザに物品を引き渡す
旨が表されている。
【0064】
道路地図データ22Cは、車両1が走行する道路ネットワークに関するデータが記憶されるデータベースである。道路地図データ22Cには、複数の道路セグメントの定義と、各道路セグメントの位置情報および接続関係などが記憶される。道路セグメントとは、車両1が走行可能な道路を所定の単位区間で区切ったものである。これらのデータは、車両1の派遣地点を決定する際に使用される。
【0065】
次に、本実施形態に係る配送システムが輸送サービスを提供する方法について説明する。
図8は、システムに含まれる構成要素がそれぞれ実行する処理のシーケンス図である。
【0066】
なお、車両1は、運行中において、周期的にステータスデータを生成し、サーバ装置2に送信する。ステータスデータには、車両1の状態のほか、現在までに完了したタスクに関する情報や、ロッカーユニット15に格納されている物品に関する情報などが含まれる。ステータスデータを受信したサーバ装置2(車両管理部211)は、受信したステータスデータに基づいて車両データ22Aを更新する。図8に示した処理が開始されるタイミングにおいて、サーバ装置2は、管理下にある複数の車両1から収集したステータスデータに基づいて、最新の車両データ22Aを保持しているものとする。
【0067】
物品の預け入れ/取り出しを希望するユーザは、ユーザ端末3を介してサーバ装置2にアクセスし、配車リクエストを行う。配車リクエストには、物品を預け入れる地点、物品の配送先となる地点、希望する時間帯、物品を保管する温度帯に関する情報などが含まれる。配車リクエストは、例えば、ユーザ端末3で実行されるウェブブラウザを用いて、制御部21(予約管理部212)が提供するウェブサーバにアクセスすることで生成するこ
とができる。このため、予約管理部212は、ユーザ端末3に提供するためのユーザインターフェースを生成してもよい。
【0068】
ステップS11では、制御部21(予約管理部212)が、ユーザ端末3から受信した配車リクエストに基づいて、ユーザの元へ派遣する車両1を決定する。ユーザの元へ派遣される車両1は、配車リクエストの内容、および車両データ22Aを参照することで決定される。具体的には、指定されたエリアに、指定された時間帯に派遣可能な車両1が、派遣対象として決定される。
【0069】
ステップS12では、制御部21(予約管理部212)が、ステップS11で決定した車両1について、運行経路およびスケジュールを決定する。
図9は、ステップS12で制御部21(予約管理部212)が実行する処理を詳細に示したフローチャートである。
【0070】
まず、ステップS121で、走行経路およびスケジュールを生成する。ここで生成される走行経路およびスケジュールは、評価用の仮のものである。なお、対象の車両1が運行中である場合、当該運行に係る経路およびスケジュールを修正したものが生成される。
【0071】
ステップS122では、バッテリ残量が十分にあるか、すなわち、現在のバッテリ残量で指定された地点に到達可能であるか否かを判定する。
本ステップでは、物品を配送するための経路において消費される電力量を算出し、算出した電力量が、バッテリユニット17から供給可能であるか否かを判定する。
ここで、走行用の電力量が供給できないと判定された場合、処理はステップS123へ遷移し、別の車両が選択される。走行用の電力量が供給できると判定された場合、処理はステップS124へ遷移する。
【0072】
ステップS124では、ステップS121で生成された運行経路およびスケジュールを、正式なものとして確定する。
【0073】
図8に戻り、説明を続ける。
ステップS12において、運行経路およびスケジュールが決定すると、サーバ装置2は、ユーザ端末3に対して、車両1が到着する地点および日時を通知する。続いて、制御部21(指令部213)が、対象車両にタスクを実行させるための運行指令を生成し、送信する。運行指令を受信した車両1は、指定されたタスクを実行する(ステップS14)。
【0074】
図10は、運行指令を受信した車両1が実行する処理のフローチャートである。運行指令を受信した車両1は、当該運行指令に基づいてタスクを実行する。ここでは、車両1は、物品の預かりから引き渡しまでの一連のタスクを実行するものとする。
【0075】
まず、ステップS21で、車両1(制御部11)は、タスクによって指定された目的地へ向けて走行を開始させる。
【0076】
車両1が目的地に到着すると(ステップS22-Yes)、制御部11は、物品の預かり(ユーザから見たら「預け入れ」)または引き渡し(ユーザから見たら「取り出し」)を行うユーザを認証する(ステップS23)。
なお、制御部11は、車両1の到着後、ユーザが所持する携帯端末等にメッセージを送信し、当該ユーザを呼び出してもよい。
【0077】
本ステップでは、制御部11が、入出力部14を介して第二の認証情報を取得し、記憶部12に記憶された第一の認証情報との照合を行う。第二の認証情報は、キーボードやタ
ッチパネルを介して文字データとして取得してもよいし、カメラやスキャナを介して画像データとして取得してもよい。また、無線通信を介して取得してもよい。また、ICカード情報が事前に登録されている場合、カードリーダー等を用いてICカード情報を読み取り、事前に登録されていた情報と一致した場合に、認証成功と判定してもよい。
【0078】
ステップS24では、制御部11が、物品の預け入れが行われるか、物品の取り出しが行われるかを判定する。物品の預け入れが行われる場合、処理はステップS27へ遷移し、制御部11が、対応する区画の電子錠を解錠する。なお、物品が預け入れられた場合、このタイミングで、対応する区画の調光ガラスを不透明な状態に切り替えてもよい。
物品の取り出しが行われる場合、処理はステップS25に遷移する。
【0079】
ステップS25では、制御部11が、物品が格納された区画の調光窓15Bを制御し、調光ガラスを透明な状態に切り替える。
次に、ステップS26で、制御部11が、入出力部14を介して、ユーザから、格納されている物品が正しいか否かについての情報を取得する。ここで、ユーザが承認した場合、処理はステップS27に遷移し、制御部11が、対応する区画の電子錠を解錠する。一方、ユーザが否認した場合、処理はステップS29へ遷移し、エラー処理が実行される。
【0080】
エラー処理とは、ユーザに対する物品の引き渡しができない場合に実行される処理である。エラー処理は、例えば、ユーザに届けるべき物品が格納されていない場合や、誤った物品が格納されている場合に実行される処理である。エラー処理として、例えば、誤って届けられた物品を返送するための手続きが例示できる。
【0081】
物品の預け入れや取り出しが行われた場合、関連する情報が、車両1から周期的に送信されるステータスデータを介してサーバ装置2へ通知される。
なお、ステータスデータには、所定の区画について、「調光ガラスを透明にした履歴」および/または「解錠された履歴」を含ませてもよい。例えば、これらの事象をタイムスタンプと関連付け、ステータスデータに含ませてもよい。
これにより、システムの管理者は、所定の区画について、
「調光ガラスを透明にした後で、区画が解錠された」
「調光ガラスを透明にした後で、区画が解錠されずに物品が返送された」
といった判断を行えるようになる。
これにより、例えば、返送された物品が食品である場合、安全な状態が保たれているか否か(例えば、「発送時から一度も解錠されていないため安全である」等)を判断できるようになる。
【0082】
次に、制御部11が、運行指令に基づいて、次の目的地の有無を判定し(ステップS28)、次の目的地がある場合、運行を継続する。次の目的地が無い場合、所定の拠点へ帰還する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る車両1に搭載された格納装置は、各区画の扉に、調光ガラスを利用した窓が設けられている。さらに、調光ガラスの透過状態を動的に変更することで、プライバシーを保護しつつ、誤配送に対応することが可能になる。
【0084】
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0085】
また、実施形態の説明では、複数の区画を有するロッカー型の装置を例示したが、物品を収納し保管することができれば、車両1に搭載される装置は必ずしもロッカー型の装置である必要はない。
【0086】
また、実施形態の説明では、ユーザに販売される商品をロッカーユニット15によって配送する形態を一例として挙げたが、商品の配送時に、当該商品の決済を車両1によって行ってもよい。このため、ロッカーユニット15は、電子決済を行うための決済ユニットをさらに有して構成されてもよい。決済ユニットは、例えば、ICカードリーダー、NFCリーダー、バーコードリーダー等を備え、これらによって読み取った情報(電子マネー情報、クレジット情報)に基づいて、商品の決済を行う装置である。当該装置は、読み取った情報を決済サーバに送信するように構成される。
この形態の場合、サーバ装置2は、配車リクエストを介して、決済関連情報(例えば、商品販売者を識別する情報や、商品代金を指定する情報)を取得してもよい。また、当該配車リクエストに基づいて生成されるタスクに、「商品代金を決済する」というタスクを含ませてもよい。また、ユーザに物品を引き渡すタスクは、決済タスクが完了したのちに実行されてもよい。
【0087】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0088】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0089】
1・・・車両
2・・・サーバ装置
3・・・ユーザ端末
11,21・・・制御部
12,22・・・記憶部
13,23・・・通信モジュール
14,24・・・入出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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