(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】カラーバランス算出システム、カラーバランス算出方法、および、カラーバランス算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20241112BHJP
【FI】
G06F30/13
(21)【出願番号】P 2023057336
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小本 佑花子
(72)【発明者】
【氏名】前原 和美
(72)【発明者】
【氏名】矢野 直子
(72)【発明者】
【氏名】足立 奈穂
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-357097(JP,A)
【文献】特開2007-156737(JP,A)
【文献】特開2015-153072(JP,A)
【文献】特開2000-227926(JP,A)
【文献】特開2005-165437(JP,A)
【文献】国際公開第2014/010576(WO,A1)
【文献】特開2011-248641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する、カラーバランス算出システムであって、
前記内装のデータである内装データを取得する取得部と、
前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出部と、を含み、
前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、
前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、
前記算出部は、
前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出し、
または、
前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する、
カラーバランス算出システム。
【請求項2】
前記算出部は、
前記配置物体が前記ベース面に接触するように配置されている場合、
前記ベース面のベース表面積から、前記配置物体が前記ベース面に接触する部分の接触面積を引いた値を前記ベース露出面積として算出する、
請求項1に記載のカラーバランス算出システム。
【請求項3】
前記算出部は、
前記ベース面に開口部が設けられている場合、
前記ベース面のベース表面積から、前記開口部の開口面積を引いた値を前記ベース露出面積として算出する、
請求項2に記載のカラーバランス算出システム。
【請求項4】
前記対象領域の底面を構成する第1面、前記第1面に交差する第2面、前記第2面と反対側の端に位置する第3面、前記第2面と前記第3面とに繋がる第4面、前記第4面と反対側の端に位置する第5面、および、前記対象領域の天井面を構成する第6面のそれぞれは、前記ベース面と定義される、
請求項1~3のいずれか一項に記載のカラーバランス算出システム。
【請求項5】
前記第1面に向く第1方向から見た前記配置物体の面は第11面と定義され、
前記第2面に向く第2方向から見た前記配置物体の面は第12面と定義され、
前記第3面に向く第3方向から見た前記配置物体の面は第13面と定義され、
前記第4面に向く第4方向から見た前記配置物体の面は第14面と定義され、
前記第5面に向く第5方向から見た前記配置物体の面は第15面と定義され、
前記第6面に向く第6方向から見た前記配置物体の面は第16面と定義され、
前記算出部は、前記配置物体の前記第11面~前記第16面のうちの少なくとも1つの面の面積を前記物体露出面積として算出する、
請求項4に記載のカラーバランス算出システム。
【請求項6】
前記ベース面の色および前記配置物体の色を変更する色変更部を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のカラーバランス算出システム。
【請求項7】
建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する、カラーバランス算出システムであって、
前記内装のデータである内装データを取得する取得部と、
前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出部と、を含み、
前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、
前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、
前記算出部は、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、複数の系統色の面積比率をカラーバランスとして算出する、
カラーバランス算出システム。
【請求項8】
建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する、カラーバランス算出方法であって、
前記内装のデータである内装データを取得する取得工程と、
前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出工程と、を含み、
前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、
前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、
前記算出工程では、
前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出し、
または、
前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する、
カラーバランス算出方法。
【請求項9】
コンピュータに、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出させる、カラーバランス算出プログラムであって、
前記コンピュータに、前記内装のデータである内装データを取得させる取得ステップと、
前記コンピュータに、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出させる算出ステップと、を含み、
前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、
前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、
前記算出ステップでは、前記コンピュータに、
前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出させて、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出させ、
または、
前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出させて、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出させる、
カラーバランス算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建築物における、カラーバランス算出システム、カラーバランス算出方法、および、カラーバランス算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物のデザイナーは、色のバランスを考慮して内装をデザインする。特許文献1には、予め設定された配色パターンを用いて内装をデザインする技術が開示されている。内装のデザインでは、内装のベースとなるベース色、ベース色についで面積が大きいアソート色、および、アクセントとなるアクセント色の面積比率が考慮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、デザイナーは、自身の経験、感性、または予め定められた配色パターンに基づいて、内装における各部材の色を決定している。しかし、デザイナーは、内装全体における色の面積比率を出することなく、各部材の色を決定しているのが実情である。このため、デザイン設計中、および、デザイン設計後において、内装全体における色の面積比率がどのようになっているかを客観的に評価することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決するカラーバランス算出システムは、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する、カラーバランス算出システムであって、前記内装のデータである内装データを取得する取得部と、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出部と、を含み、前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、前記算出部は、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出し、または、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する。
【0006】
この構成によれば、対象領域のカラーバランスを算出できる。また、ベース面および配置物体において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスを算出する。これによって、ベース面および配置物体の表面積だけでカラーバランスを算出する場合に比べて、実感に近いカラーバランスを算出できる。
【0007】
(2)上記(1)のカラーバランス算出システムにおいて、前記算出部は、前記配置物体が前記ベース面に接触するように配置されている場合、前記ベース面のベース表面積から、前記配置物体が前記ベース面に接触する部分の接触面積を引いた値を前記ベース露出面積として算出する。この構成によれば、ベース面において視認できない部分は、ベース露出面積に含まれない。これによって、カラーバランスの精度を向上できる。
【0008】
(3)上記(2)に記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記算出部は、前記ベース面に開口部が設けられている場合、前記ベース面のベース表面積から、前記開口部の開口面積を引いた値を前記ベース露出面積として算出する。この構成によれば、ベース面において開口部は、ベース露出面積に含まれない。これによって、カラーバランスの精度を向上できる。
【0009】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記対象領域の底面を構成する第1面、前記第1面に交差する第2面、前記第2面と反対側の端に位置する第3面、前記第2面と前記第3面とに繋がる第4面、前記第4面と反対側の端に位置する第5面、および、前記対象領域の天井面を構成する第6面のそれぞれは、前記ベース面と定義される。この構成によれば、ベース面の面積およびベース露出面積の算出を簡略化できる。
【0010】
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記第1面に向く第1方向から見た前記配置物体の面は第11面と定義され、前記第2面に向く第2方向から見た前記配置物体の面は第12面と定義され、前記第3面に向く第3方向から見た前記配置物体の面は第13面と定義され、前記第4面に向く第4方向から見た前記配置物体の面は第14面と定義され、前記第5面に向く第5方向から見た前記配置物体の面は第15面と定義され、前記第6面に向く第6方向から見た前記配置物体の面は第16面と定義され、前記算出部は、前記配置物体の前記第11面~前記第16面のうちの少なくとも1つの面の面積を前記物体露出面積として算出する。この構成によれば、配置物体の物体露出面積の算出を簡略化できる。
【0011】
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記ベース面の色および前記配置物体の色を変更する色変更部を備える。この構成によれば、対象領域の内装のカラーバランスを簡単に変更できる。
【0012】
(7)上記課題を解決するカラーバランス算出システムは、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する、カラーバランス算出システムであって、前記内装のデータである内装データを取得する取得部と、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出部と、を含み、前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、前記算出部は、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、複数の系統色の面積比率をカラーバランスとして算出する。
【0013】
この構成によれば、対象領域のカラーバランスを算出できる。また、ベース面および配置物体において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスを算出する。これによって、ベース面および配置物体の表面積だけでカラーバランスを算出する場合に比べて、実感に近いカラーバランスを算出できる。
【0014】
(8)上記課題を解決するカラーバランス算出方法は、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する、カラーバランス算出方法であって、前記内装のデータである内装データを取得する取得工程と、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出工程と、を含み、前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、前記算出工程では、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出し、または、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する。
【0015】
この構成によれば、対象領域のカラーバランスを算出できる。また、ベース面および配置物体において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスを算出する。これによって、ベース面および配置物体の表面積だけでカラーバランスを算出する場合に比べて、実感に近いカラーバランスを算出できる。
【0016】
(9)上記課題を解決するカラーバランス算出プログラムは、コンピュータに、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出させる、カラーバランス算出プログラムであって、前記コンピュータに、前記内装のデータである内装データを取得させる取得ステップと、前記コンピュータに、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出させる算出ステップと、を含み、前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含み、前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含み、前記算出ステップでは、前記コンピュータに、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出させて、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出させ、または、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出させて、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出させる。
【0017】
この構成によれば、対象領域のカラーバランスを算出できる。また、コンピュータに、ベース面および配置物体において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスを算出させることができる。これによって、コンピュータに、ベース面および配置物体の表面積だけでカラーバランスを算出させる場合に比べて、実感に近いカラーバランスを算出させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、カラーバランスを算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】対象領域の内装を所定方向から見た模式図である。
【
図2】対象領域の内装を所定方向と異なる方向から見た模式図である。
【
図3】カラーバランス算出システムのブロック図である。
【
図5】
図4に示される図において、配置物体が接触する部分および開口する部分が示された図である。
【
図6】カウンターの第11面~第16面を示す図である。
【
図7】第1面のベース露出面積の算出に使用されるデータを示す表である。
【
図8】第2面のベース露出面積の算出に使用されるデータを示す表である。
【
図9】第3面のベース露出面積の算出に使用されるデータを示す表である。
【
図10】第4面のベース露出面積の算出に使用されるデータを示す表である。
【
図11】第5面のベース露出面積の算出に使用されるデータを示す表である。
【
図12】第6面のベース露出面積の算出に使用されるデータを示す表である。
【
図13】構成要素それぞれの系統色を示す図である。
【
図14】構成要素それぞれの露出面積、各系統色の面積、および、内装のカラーバランスを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1~
図15を参照して、本実施形態に係るカラーバランス算出システム20を説明する。カラーバランス算出システム20は、建築物における対象領域ARの内装1のカラーバランスCBを算出する。
【0021】
図1および
図2を参照して、カラーバランスCBについて説明する。
図1および
図2は、建築物の部屋2を示す。カラーバランスCBの算出の対象領域ARは、壁など仕切によって囲まれる空間である。対象領域ARとして、例えば、リビング、ダイニング、ダイニングキッチン、リビングダイニング、リビングダイニングアンドキッチン、子供部屋、作業部屋、廊下、階段を有する空間、および、吹抜けを有する空間が挙げられる。
【0022】
部屋2の内装1の色は、部屋2を囲む面(以下、「ベース面3」という。)および部屋2における配置物体4によって決まる。ベース面3の例として、床面、天井面、および、壁面が挙げられる。配置物体4の例として、テーブル、椅子、クッション、棚、植物、絨毯等のラグ、カーテン、時計、置物、美術品、キッチン台などの作業台、および、電気製品が挙げられる。電気製品の例として、エアコン、テレビ、電子レンジ、および冷蔵庫が挙げられる。
【0023】
内装1のカラーコーディネートでは、色のバランスが重要となる。内装1のカラーコーディネートでは、各種の系統の色(以下、「系統色」いう。)の面積比率が検討される。一例では、内装1において支配的な色がベース色と定義される。内装1において、ベース色に次いで大きい面積をとる色をアソート色と定義される。内装1において、ベース色およびアソート色に属さない色であって目につき易い色をアクセント色ACと定義される。本実施形態では、ベース色は、第1系統色C1とも言う。アソート色は、第2系統色C2とも言う。そして、内装1のカラーコーディネートにおいて、第1系統色C1と第2系統色C2とアクセント色ACとの面積比が所定の比率になるように、ベース面3または配置物体4の色が設定される。内装1のカラーコーディネートにおいて面積比が検討される系統色の個数は3個に限定されない。第1系統色C1および第2系統色C2の面積比がカラーバランスCBとして検討される場合もある。4個以上の系統色の面積比がカラーバランスCBとして検討される場合もある。
【0024】
第1系統色C1(ベース色)、第2系統色C2(アソート色)、および、アクセント色ACのカラーバランスCBの一例を挙げる。第1系統色C1(ベース色)は、全面積に対して63%以上78%以下に設定される。第2系統色C2(アソート色)は、全面積に対して20%以上30%以下に設定される。アクセント色ACは、全面積に対して2%以上7%以下に設定される。ここで、全面積は、対象領域ARにおいて視認できる面の面積を総合した値である。
【0025】
図1および
図2は、リビングダイニングアンドキッチンを含む部屋2を示す。リビングダイニングアンドキッチンは、リビング2Aと、ダイニング2Bと、キッチン2Cとを含む部屋2である。部屋2には、間仕切収納棚9、キッチン台10、カウンター11、クッション12、ラグ14、ダイニングテーブル15、観葉植物16、および、リビングテーブル17が配置される。この例では、天井面7、壁8、間仕切収納棚9、キッチン台10、カウンター11、クッション12が白系統の色を有する。内装1において白系統の色の面積が最も大きい。内装1において、白系統の次に面積が大きい色は、ベージュ系の色である。床面13、ラグ14、および、ダイニングテーブル15がベージュである。アクセント色ACとして、この部屋2には、観葉植物16、および、グレーのリビングテーブル17が置かれている。
【0026】
カラーバランスCBは、部屋2のパースを作成することによって確認される。そして、デザイナーまたはクライアントの感覚によって配色が調整される。このような方法によって、クライアントの要望に沿う内装1のカラーコーディネートが行われる。
【0027】
ところで、上述のように、内装1のカラーコーディネートでは、系統色の面積比率が検討されているが、最終的に決定された内装1において、系統色の面積比率がどのような値になっているかについて、実際には分からない場合がある。また、カラーコーディネートの検討中において、系統色の面積比率がどのように変化しているのかを把握していない場合がある。このように、内装1のカラーコーディネートにおいて、系統色の面積比率は検討されるものの、感覚的な大小によって系統色の面積比率が調整されているに過ぎない。以下に、カラーバランスCBを算出できるカラーバランス算出システム20を説明する。
【0028】
<カラーバランス算出システム>
図3に示されるように、カラーバランス算出システム20は、取得部21と、算出部22とを含む。カラーバランス算出システム20は入力部23を備えてもよい。カラーバランス算出システム20は出力部24を備えてもよい。カラーバランス算出システム20は色変更部25を備えてもよい。
【0029】
取得部21は、内装1のデータである内装データを取得する。一例では、取得部21は、建築物のCAD(computer-aided design)データから内装データを取得する。内装データは、内装1を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。構成要素は、対象領域ARに面するベース面3と、対象領域ARに配置される配置物体4と、を含む。
【0030】
内装データは、CADデータによって構成される。内装データは、表計算用のデータによって構成されてもよい。
【0031】
<算出部>
算出部22は、内装データに基づいてカラーバランスCBを算出する。以下、算出部22について説明する。算出部22は、内装データに基づいて、対象領域ARの各面をベース面3と定義する。
【0032】
図4および
図5を参照して、対象領域ARの各面とベース面3との関係を説明する。
算出部22において、対象領域ARの底面(床面13)を構成する第1面31は1つのベース面3と定義される。第1面31に交差する第2面32は1つのベース面3と定義される。第2面32と反対側の端に位置する第3面33は1つのベース面3と定義される。第2面32と第3面33に繋がる第4面34は1つのベース面3と定義される。第4面34と反対側の端に位置する第5面35は1つのベース面3と定義される。対象領域ARの天井面7を構成する第6面36は1つのベース面3と定義される。
【0033】
対象領域ARの各面の定義は、ユーザの操作によって行われてもよい。例えば、入力部23の操作によって第1面31~第6面36が特定される。特定された第1面31~第6面36それぞれは、ユーザの操作によってベース面3と定義される。
【0034】
カラーバランスCBの算出において、対象領域ARの第1面31~第6面36の全ての面が使用されてもよい。また、カラーバランスCBの算出において、対象領域ARの第1面31~第6面36のいずれか1つ、または、複数の面が使用されてもよい。例えば、第1面31~第6面36のうち第2面32に大きい開口部38が設けられ、第2面32が内装1に寄与しない場合、カラーバランスCBの算出において第2面32についての算出は省略されてもよい。
【0035】
図6を参照して、配置物体4の表面を構成する面の定義について説明する。算出部22において、配置物体4を所定方向から見た面は次のように定義される。算出部22は、対象領域ARに対して定義された面を基準にして、配置物体4の面を定義する。
図6には、カウンター11の第11面41~第16面46が示されている。
【0036】
配置物体4において、第1面31に向く第1方向D1から見た配置物体4の面は第11面41と定義される。第2面32に向く第2方向D2から見た配置物体4の面は第12面42と定義される。第3面33に向く第3方向D3から見た配置物体4の面は第13面43と定義される。第4面34に向く第4方向D4から見た配置物体4の面は第14面44と定義される。第5面35に向く第5方向D5から見た配置物体4の面は第15面45と定義される。第6面36に向く第6方向D6から見た配置物体4の面は第16面46と定義される。
【0037】
なお、
図6において、配置物体4の第12面42は、対象領域ARの第3面33に投影した図として記載されている。配置物体4の第13面43は、対象領域ARの第2面32に投影した図として記載されている。配置物体4の第14面44は、対象領域ARの第5面35に投影した図として記載されている。配置物体4の第15面45は、対象領域ARの第4面34に投影した図として記載されている。
【0038】
本実施形態に示される例では、カウンター11の第12面42は、間仕切収納棚9に接触する。カウンター11の第16面46は、床面13に接触する。
図6では、カウンター11において間仕切収納棚9に接触する部分39(すなわち、第12面42)が斜線ハッチングで示されている。また、カウンター11において床面13に接触する部分39(すなわち、第16面46)が斜線ハッチングで示されている。
【0039】
<ベース露出面積>
算出部22は、ベース面3において視認可能であるベース露出面積AEBを算出する。本実施形態では、算出部22は、第1面31~第6面36それぞれについてベース露出面積AEBを算出する。
【0040】
具体的には、算出部22は、ベース面3に開口部38が設けられている場合、ベース面3のベース表面積から、開口部38の開口面積を引いた値をベース露出面積AEBとして算出する。開口部38の例として、窓が設けられる部分、および、ドアが設けられていない出入り口、が挙げられる。
【0041】
算出部22は、配置物体4がベース面3に接触するように配置されている場合、ベース面3のベース表面積から、配置物体4がベース面3に接触する部分39の接触面積を引いた値をベース露出面積AEBとして算出する。
【0042】
図5を参照して、第2面32におけるベース露出面積AEBについて説明する。
図5では、第1面31~第6面36において、配置物体4が接触する部分39、および、開口部38は、斜線ハッチングによって示されている。
【0043】
第2面32には、窓が設けられている。このため、第2面32の面積から窓の面積が引かれる。また、キッチン台10は第2面32に接触する。第2面32において、キッチン台10が接触する部分39は視認できない。このため、第2面32の面積から、第2面32におけるキッチン台10の接触面積が引かれる。したがって、第2面32のベース露出面積AEBは、第2面32の面積から、窓の面積、および、キッチン台10の接触面積が引かれた値である。
【0044】
このように、所定の面において、ベース面3の面積から開口部38の開口面積および接触面積が引かれた値は、所定の面におけるベース露出面積AEBとして算出部22の内部記憶部に記憶される。
【0045】
<物体露出面積>
算出部22は、配置物体4において視認可能である物体露出面積AETを算出する。
算出部22は、配置物体4の第11面41~第16面46のうちの少なくとも1つの面の面積を物体露出面積AETとして算出する。
【0046】
一例では、算出部22は、配置物体4において内装1のカラーバランスCBに寄与する所定の面(以下、寄与面)についてだけ、寄与面の面積を物体露出面積AETとして算出する。ダイニングテーブル15の場合、ダイニングテーブル15の下面は、通常の生活において視認されない。ダイニングテーブル15の側面は相対的に面積が小さい。このため、ダイニングテーブル15の場合、上面の面積が物体露出面積AETとして算出される。配置物体4それぞれについて面積を算出する面は、カラーバランス算出システム20を使用するユーザによって指定される。
【0047】
図6を参照して、カウンター11における物体露出面積AETについて説明する。
カウンター11は、第11面41から第16面46を有する。カウンター11の第16面46は、床面13である第6面36に接触する。カウンター11の第12面42は、間仕切収納棚9に接触する。このため、カウンター11において、内装1のカラーバランスCBに寄与する所定の面は、第11面41、第13面43、第14面44、および第15面45である。カウンター11の物体露出面積AETは、第11面41、第13面43、第14面44、および第15面45それぞれの面積の総和である。
【0048】
<構成要素の系統色>
算出部22は、1または複数の系統色の定義を有する。例えば、算出部22は、系統色として、第1系統色C1、第2系統色C2、第1アクセント色AC1、および、第2アクセント色AC2を有する。算出部22は、系統色それぞれの色の範囲を定義として有する。このような定義は、ユーザによって設定されてもよい。
【0049】
一例では、第1系統色C1は、白および白周辺の色を含む範囲の色として定義される。第2系統色C2は、ベージュおよびベージュ周辺の色を含む範囲の色として定義される。第1アクセント色AC1は、グレーおよびグレー周辺の色を含む範囲の色として定義される。第2アクセント色AC2は、緑および緑周辺の色を含む範囲の色として定義される。
【0050】
算出部22は、ベース面3の色に基づいて、ベース面3の系統色を特定する。算出部22は、ベース面3と、ベース露出面積AEBと、ベース面3の系統色とを紐づけして、算出部22の内部記憶部に記憶する。また、算出部22は、配置物体4の色に基づいて、配置物体4の系統色を特定する。算出部22は、配置物体4と、物体露出面積AETと、配置物体4の系統色とを紐づけして、算出部22の内部記憶部に記憶する。
【0051】
ベース面3および配置物体4における系統色の設定は、ユーザによって行われてもよい。この場合、算出部22は、ベース面3および配置物体4それぞれについて、ユーザによって設定された系統色を記憶する。
【0052】
<カラーバランスの算出>
算出部22は、ベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色ACの面積の総和とを算出する。
【0053】
具体的には、算出部22は、所定の系統色を有する構成要素の集合を作り、集合内の構成要素の露出面積の総和を取る。例えば、算出部22は、内装1を構成するすべての構成要素の構成要素データに基づいて、第1系統色C1を有する構成要素の集合を作る。そして、算出部22は、第1系統色C1を有する構成要素の集合に含まれる、ベース面3のベース露出面積AEBおよび配置物体4の物体露出面積AETの総和を取る。算出部22は、このようにして算出された総和を、第1系統色C1の面積の総和として内部記憶部に記憶する。算出部22は、同様にして、第2系統色C2の面積の総和、第1アクセント色AC1の面積の総和、および、第2アクセント色AC2の面積の総和を内部記憶部に記憶する。
【0054】
算出部22は、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出する。
【0055】
<入力部>
入力部23は、カラーバランス算出システム20を使用するユーザの入力を受け付ける。入力部23は、例えば、配置物体4において、対象領域ARのカラーバランスCBに寄与する面を選択するための指令を受け付ける。
【0056】
<出力部>
出力部24は、カラーバランスCBの算出結果をデバイスに出力する。デバイスは、パーソナルコンピュータ、表示装置26、および、記憶媒体を含む。本実施形態では、出力部24は、表示装置26にカラーバランスCBを出力する。カラーバランスCBの算出結果は、第1系統色C1と、第2系統色C2と、アクセント色ACとの面積比を含む。カラーバランスCBの算出結果は、第1面31~第6面36それぞれの系統色および面積、並びに、配置物体4それぞれの系統色および所定の面の面積、を含んでもよい。配置物体4それぞれの所定の面は、内装1に寄与する面の面積を示す。例えば、配置物体4がテーブルである場合、所定の面は、第11面41(すなわち上面)である。
【0057】
出力部24は、ユーザの入力を受ける入力受付画面を出力してもよい。入力受付画面の一例は、配置物体4において、対象領域ARのカラーバランスCBに寄与する面を選択するために使用される画面である。入力受付画面は、配置物体4の選択を受け付けるように構成される。また、入力受付画面は、選択された配置物体4について、6面のうちの幾つかの選択を受け付けるように構成される。
【0058】
<計算例>
図7~
図14を参照して、対象領域ARのカラーバランスCBの計算例を説明する。
対象領域ARである部屋2の内装1の構成は、次のとおりである。対象領域ARである部屋2は、第1面31~第6面36によって囲まれる。対象領域ARである部屋2には、間仕切収納棚9、キッチン台10、カウンター11、クッション12、ラグ14、ダイニングテーブル15、観葉植物16、および、リビングテーブル17が配置される。
【0059】
第1面31(床面13)は、第2系統色C2を有する。第2系統色C2は、ベージュ系の色である。第2面32は、第1系統色C1を有する。第1系統色C1は、色系の色である。第3面33は、第1系統色C1を有する。第4面34は、第1系統色C1を有する。第5面35は、第1系統色C1を有する。第6面36は、第1系統色C1を有する。
【0060】
ラグ14およびダイニングテーブル15は、第2系統色C2を有する。間仕切収納棚9、キッチン台10、カウンター11、および、クッション12は、第1系統色C1を有する。リビングテーブル17は、第1アクセント色AC1を有する。第1アクセント色AC1は、グレー系の色である。観葉植物16は、第2アクセント色AC2を有する。第2アクセント色AC2は、緑系の色である。
【0061】
キッチン台10は、第4面34に沿うように配置される。キッチン台10の第12面42は、部屋2の第3面33に接触する。キッチン台10の第13面43は、部屋2の第2面32に接触する。キッチン台10の第15面45は、部屋2の第4面34に接触する。
【0062】
カウンター11は、間仕切収納棚9に接触するようにダイニング2Bに配置される。カウンター11の第12面42は間仕切収納棚9に接触する。カウンター11の第16面46(下面)は部屋2の第1面31(床面13)に接触する。
【0063】
間仕切収納棚9は、カウンター11に接触するようにダイニング2Bに配置される。間仕切収納棚9の第16面46(下面)は、部屋2の第1面31(床面13)に接触する。
【0064】
図7は、第1面31(すなわち床面13)のベース露出面積AEBを算出に使用されるデータを示す表である。
上述のように、対象領域ARである部屋2には、間仕切収納棚9、キッチン台10、カウンター11、クッション12、ラグ14、ダイニングテーブル15、観葉植物16、および、リビングテーブル17が配置される。ダイニングテーブル15、および、リビングテーブル17は、実質的に、第1面31(すなわち床面13)を覆わない。観葉植物16およびクッション12は小物であるため、実質的に、第1面31(すなわち床面13)のベース露出面積AEBに大きな影響を与えない。第1面31のベース露出面積AEBの大きさに大きく影響を与えるものは、キッチン台10、カウンター11、ラグ14、および、間仕切収納棚9である。第1面31のベース露出面積AEBは、第1面31のベース表面積から、キッチン台10、カウンター11、ラグ14、および、間仕切収納棚9それぞれの第16面46(下面)の面積(接触面積)を引いた値として算出される。
【0065】
図8は、第2面32のベース露出面積AEBを算出に使用されるデータを示す表である。第2面32には、第1窓51、第2窓52、および、第3窓53が設けられる。キッチン台10の第13面43が第2面32に接触する。このため、第2面32のベース露出面積AEBは、第2面32のベース表面積から、第1窓51、第2窓52、および、第3窓53それぞれの開口面積を引き、さらに、キッチン台10の第13面43の面積(接触面積)を引くことによって算出される。
【0066】
図9は、第3面33のベース露出面積AEBを算出に使用されるデータを示す表である。第3面33には、第4窓54、および、第5窓55が設けられる。第3面33には、出入り口57が設けられる。そして、キッチン台10の第12面42が第3面33に接触する。このため、第3面33のベース露出面積AEBは、第3面33のベース表面積から、第4窓54、および、第5窓55それぞれの開口面積を引き、出入り口57の開口面積を引き、さらに、キッチン台10の第12面42の面積(接触面積)を引くことによって算出される。
【0067】
図10は、第4面34のベース露出面積AEBを算出に使用されるデータを示す表である。キッチン台10の第15面45が第4面34に接触する。このため、第4面34のベース露出面積AEBは、第4面34のベース表面積から、キッチン台10の第15面45の面積(接触面積)を引くことによって算出される。
【0068】
図11は、第5面35のベース露出面積AEBを算出に使用されるデータを示す表である。第5面35には、第6窓56が設けられる。このため、第5面35のベース露出面積AEBは、第5面35のベース表面積から第6窓56の開口面積を引くことによって算出される。
【0069】
図12は、第6面36(すなわち天井面7)のベース露出面積AEBを算出に使用されるデータを示す表である。第6面36には、開口部38もなく、かつ、他の構成要素も接触しない。このため、第6面36のベース露出面積AEBは、第6面36のベース表面積と等しい。
【0070】
図13は、内装1を構成する構成要素それぞれの系統色を示す表である。
図13の表のデータは、算出部22によって作成される。
図13の表のデータは、ユーザの入力によって作成されてもよい。
【0071】
図14は、対象領域ARを第1方向D1~第6方向D6それぞれの方向から見たときの、各構成要素の露出面積および系統色を示した表である。露出面積は、ベース露出面積AEBおよび物体露出面積AETを含む。第1方向D1は、第1面31に向く方向である。第1方向D1の欄には、床面13を上から視認したときに視認できる構成要素の露出面積および系統色が示されている。第2方向D2~第6方向D6それぞれについても同様である。
【0072】
また、
図14の表には、各系統色の総面積が示される。そして、
図14の表には、各系統色の総面積に基づいて算出される各系統色の面積比率が示される。
【0073】
カラーバランス算出システム20は、ベース面3の色および配置物体4の色を変更する色変更部25を備えてもよい。
【0074】
図15を参照して、色変更部25について説明する。色変更部25によれば、ユーザによって選択されたベース面3の色および配置物体4の色を変更できる。色変更部25は、内装1の構成要素をユーザに選択させる要素選択部61を有する。要素選択部61は、ユーザが選択できるように構成要素を提示する。構成要素は、ベース面3としての第1面31~第6面36、および、対象領域ARに配置される配置物体4を含む。
【0075】
色変更部25は、選択された構成要素についての系統色をユーザに選択させる色選択部62を有する。色選択部62は、第1系統色C1、第2系統色C2、第1アクセント色AC1、および、第2アクセント色AC2を、ユーザによって選択できるように選択肢として提示する。色変更部25は、変更された構成要素および色を算出部22に出力する。算出部22は、変更された構成要素および色に基づいて、カラーバランスCBを算出する。色変更部25は、再計算されたカラーバランスCBを表示するためのカラーバランス表示部63を有する。カラーバランス表示部63に表示される値によって、ユーザは、構成要素の色系統を変更した場合において、カラーバランスCBがどのように変わるかを把握できる。
【0076】
(本実施形態の作用)
内装1のカラーコーディネートでは色のカラーバランスCBが検討される。しかし、対象領域ARである部屋2の壁は複雑な形状を有する。また、対象領域ARの部屋2には、多種多様な配置物体4が配置される。このため、カラーバランスCBの値を把握することは難しい。内装1のカラーコーディネートにおいて、実際に色のバランスを客観的に把握することなく、デザイナーまたはクライアントの感覚によって内装1の色が決められている。
【0077】
本技術では、対象領域ARのカラーバランスCBを数値として表す。これによって、対象領域ARのカラーバランスCBを客観的に評価でき易くなる。具体的には、カラーバランス算出システム20は、カラーバランスCBを算出する算出部22、を含む。算出部22は、ベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和と、を算出する。そして、算出部22は、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出する。この構成によれば、カラーバランスCBを数値で把握できる。対象領域ARにおいてカラーバランスCBを変更したとき、変更前と、変更後の数値を比較できるため、色の変更の程度と数値の変化とから、カラーバランスCBの調整を行い易くなる。そして、カラーバランス算出システム20によれば、ベース面3および配置物体4の表面積だけでカラーバランスCBを算出する場合に比べて、実感に近いカラーバランスCBを算出できるため、カラーバランスCBの調整を行い易い。
【0078】
(本実施形態の効果)
(1)カラーバランス算出システム20は、取得部21と、カラーバランスCBを算出する算出部22と、を含む。算出部22は、ベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和と、を算出する。
【0079】
そして、算出部22は、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出する。
【0080】
また、アクセント色ACの面積の算出を省略してもよい。具体的には、算出部22は、ベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、を算出する。そして、算出部22は、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出してもよい。
【0081】
この構成によれば、対象領域ARのカラーバランスCBを算出できる。また、カラーバランス算出システム20は、ベース面3および配置物体4において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスCBを算出する。これによって、ベース面3および配置物体4の表面積だけでカラーバランスCBを算出する場合に比べて、実感に近いカラーバランスCBを算出できる。
【0082】
(2)算出部22は、配置物体4がベース面3に接触するように配置されている場合、ベース面3のベース表面積から、配置物体4がベース面3に接触する部分39の接触面積を引いた値をベース露出面積AEBとして算出する。この構成によれば、ベース面3において視認できない部分は、ベース露出面積AEBに含まれない。これによって、カラーバランスCBの精度を向上できる。
【0083】
(3)算出部22は、ベース面3に開口部38が設けられている場合、ベース面3のベース表面積から、開口部38の開口面積を引いた値をベース露出面積AEBとして算出する。この構成によれば、ベース面3において開口部38は、ベース露出面積AEBに含まれない。これによって、カラーバランスCBの精度を向上できる。
【0084】
(4)カラーバランス算出システム20において、対象領域ARの底面を構成する第1面31、第1面31に交差する第2面32、第2面32と反対側の端に位置する第3面33、第2面32と第3面33とに繋がる第4面34、第4面34と反対側の端に位置する第5面35、および、対象領域ARの天井面を構成する第6面36のそれぞれは、ベース面3と定義される。
【0085】
対象領域ARに面する面は、実際には複雑な形状を有する。例えば、対象領域ARとしての部屋2には、柱の一部が突き出ているところ、窓のサッシが配置されるように凹んでいるところ、ダクトを通すための空間を構成するように突き出ているところ、等がある。このように、対象領域ARに面する面は凸凹を有する。このため、対象領域ARに面する面について露出面積を精確に計算することは難しい。この点、上記の構成によれば、対象領域ARに面する面は6個のベース面3に集約される。これによって、ベース面3の面積およびベース露出面積AEBの算出を簡略化できる。
【0086】
(5)カラーバランス算出システム20において、第1面31に向く第1方向D1から見た配置物体4の面は第11面41と定義される。第2面32に向く第2方向D2から見た配置物体4の面は第12面42と定義される。第3面33に向く第3方向D3から見た配置物体4の面は第13面43と定義される。第4面34に向く第4方向D4から見た配置物体4の面は第14面44と定義される。記第5面35に向く第5方向D5から見た配置物体4の面は第15面45と定義される。第6面36に向く第6方向D6から見た配置物体4の面は第16面46と定義される。算出部22は、配置物体4の第11面41~第16面46のうちの少なくとも1つの面の面積を物体露出面積AETとして算出する。
【0087】
配置物体4に表面は、実際には複雑な形状を有する。例えば、蛇口を有するカウンター11の場合、カウンター11には、シンクを構成する凹部がある。間仕切収納棚9は、幾つかの把手を有する。このように、配置物体4の表面は凸凹を有するため、配置物体4の表面について露出面積を精確に計算することは難しい。この点、上記の構成によれば、配置物体4の表面は、6個の面に集約される。これによって、配置物体4の物体露出面積AETの算出を簡略化できる。
【0088】
(6)カラーバランス算出システム20において、ベース面3の色および配置物体4の色を変更する色変更部25を備える。この構成によれば、対象領域ARの内装1のカラーバランスCBを簡単に変更できる。
【0089】
(7)カラーバランス算出システム20は、4以上の系統色についてカラーバランスCBを算出してもよい。
【0090】
<変形例>
上記実施形態は、カラーバランス算出システム20が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。カラーバランス算出システム20は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例を示す。
【0091】
<第1変形例>
カラーバランス算出システム20は、構成要素のサンプルのデータベースを有してもよい。ユーザは、データベースから構成要素のサンプルを選択することによって、内装1をシミュレーションできる。データベースは、ベース面3の幾つかのパターンを含む。パターンそれぞれは、他のパターンに対して、対象領域ARを囲む第1面31~第6面36の色の組合せが異なるように構成される。パターンそれぞれは、異なるカラーバランスCBを有する。ユーザは、色の組合せおよびカラーバランスCBを参照して、パターンを選択できる。データベースには、幾つかの配置物体4のサンプルが含まれる。配置物体4のサンプルそれぞれには、色および物体露出面積AETが対応付けられている。ユーザは、色および物体露出面積AETを参照することによって、対象領域ARに配置する配置物体4を選択できる。
【0092】
図16に示されるように、カラーバランス算出システム20は、パターンA~パターンFを有する。パターンA~パターンFのいずれについても第2面32~第4面34は、第1系統色C1(例えば、白色)に設定されている。パターンA~パターンFのいずれについても第1面31(すなわち床面13)は、第2系統色C2(例えば、ベージュ)に設定されている。パターンA~パターンFにおいて、第5面35および第6面36(すなわち天井面7)の色が異なる。
【0093】
パターンAでは、第6面36は、第1系統色C1の一色に統一されている。第5面35は第1系統色C1を有する。
【0094】
パターンBでは、第6面36は、第1系統色C1を基調として有し、部分的に、第2系統色C2を有する。第5面35は第1系統色C1を有する。
【0095】
パターンCでは、第6面36は、第2系統色C2の一色に統一されている。第5面35は第1系統色C1を有する。
【0096】
パターンDでは、第6面36は、第1系統色C1の一色に統一されている。第5面35はアクセント色ACを有する。
【0097】
パターンEでは、第6面36は、第1系統色C1を基調として有し、部分的に、第2系統色C2を有する。第5面35はアクセント色ACを有する。
【0098】
パターンFでは、第6面36は、第2系統色C2の一色に統一されている。第5面35はアクセント色ACを有する。
【0099】
内装1のシミュレーションは次のように行われる。カラーバランス算出システム20において、対象領域ARを含む部屋2の大きさが設定される。カラーバランス算出システム20に、パターンの種類と、配置物体4のサンプルとが入力される。カラーバランス算出システム20は、パターンの種類および配置物体4のサンプルに基づいて、カラーパランスを算出する.
【0100】
<第2変形例>
カラーバランス算出システム20は、カラーバランス算出方法として構成することもできる。カラーバランス算出方法では、作業者は、計算機を用いてカラーバランスCBを算出する。作業者は、カラーバランス算出方法によって、建築物における対象領域ARの内装1のカラーバランスCBを算出する。カラーバランス算出方法は、内装1のデータである内装データを取得する取得工程と、内装データに基づいてカラーバランスCBを算出する算出工程と、を含む。内装データは、内装1を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。構成要素は、対象領域ARに面するベース面3と、対象領域ARに配置される配置物体4と、を含む。
【0101】
作業者は、算出工程では、計算機を使って、ベース面3において視認可能であるベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、配置物体4において視認可能である物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色ACの面積の総和とを算出する。作業者は、算出工程では、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出する。
【0102】
作業者は、算出工程では、アクセント色ACの面積の算出を省略してもよい。具体的には、作業者は、計算機を使って、算出工程では、ベース面3において視認可能であるベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、配置物体4において視認可能である物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、を算出する。算出工程では、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出する。
【0103】
この構成によれば、対象領域ARのカラーバランスCBを算出できる。また、算出工程において、ベース面3および配置物体4において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスCBを算出する。これによって、ベース面3および配置物体4の表面積だけでカラーバランスCBを算出する場合に比べて、実感に近いカラーバランスCBを算出できる。
【0104】
<第3変形例>
カラーバランス算出システム20は、カラーバランス算出プログラムとして構成することもできる。カラーバランス算出プログラムは、コンピュータに、建築物における対象領域ARの内装1のカラーバランスCBを算出させる。カラーバランス算出プログラムは、コンピュータに、内装1のデータである内装データを取得させる取得ステップと、コンピュータに、内装データに基づいてカラーバランスCBを算出させる算出ステップと、を含む。内装データは、内装1を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。構成要素は、対象領域ARに面するベース面3と、対象領域ARに配置される配置物体4と、を含む。
【0105】
カラーバランス算出プログラムは、算出ステップにおいて、コンピュータに、ベース面3において視認可能であるベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、配置物体4において視認可能である物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色ACの面積の総和とを算出させる。カラーバランス算出プログラムは、コンピュータに、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、アクセント色ACの面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出させる。
【0106】
算出ステップでは、アクセント色ACの面積の算出を省略してもよい。具体的には、カラーバランス算出プログラムは、算出ステップにおいて、コンピュータに、ベース面3において視認可能であるベース露出面積AEBと、ベース面3の色と、配置物体4において視認可能である物体露出面積AETと、配置物体4の色とに基づいて、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和と、を算出させる。カラーバランス算出プログラムは、コンピュータに、第1系統色C1の面積の総和と、第2系統色C2の面積の総和との比率をカラーバランスCBとして算出させる。
【0107】
この構成によれば、対象領域ARのカラーバランスCBを算出できる。また、コンピュータに、ベース面3および配置物体4において視認できる露出面積に基づいて、カラーバランスCBを算出させることができる。これによって、コンピュータに、ベース面3および配置物体4の表面積だけでカラーバランスCBを算出させる場合に比べて、実感に近いカラーバランスCBを算出させることができる。
【0108】
本明細書は、さらに、次の技術を開示する。
[付記1]
カラーバランス算出システムは、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する。カラーバランス算出システムは、前記内装のデータである内装データを取得する取得部と、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出部と、を含む。前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含む。前記算出部は、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する。
または、算出部は、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する。
【0109】
[付記2]
付記1に記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記算出部は、前記配置物体が前記ベース面に接触するように配置されている場合、前記ベース面のベース表面積から、前記配置物体が前記ベース面に接触する部分の接触面積を引いた値を前記ベース露出面積として算出する。
【0110】
[付記3]
付記2に記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記算出部は、前記ベース面に開口部が設けられている場合、前記ベース面のベース表面積から、前記開口部の開口面積を引いた値を前記ベース露出面積として算出する。
【0111】
[付記4]
付記1~3のいずれか一項に記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記対象領域の底面を構成する第1面、前記第1面に交差する第2面、前記第2面と反対側の端に位置する第3面、前記第2面と前記第3面とに繋がる第4面、前記第4面と反対側の端に位置する第5面、および、前記対象領域の天井面を構成する第6面のそれぞれは、前記ベース面と定義される。
【0112】
[付記5]
付記1~3のいずれか一項に記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記第1面に向く第1方向から見た前記配置物体の面は第11面と定義される。
前記第2面に向く第2方向から見た前記配置物体の面は第12面と定義される。
前記第3面に向く第3方向から見た前記配置物体の面は第13面と定義される。
前記第4面に向く第4方向から見た前記配置物体の面は第14面と定義される。
前記第5面に向く第5方向から見た前記配置物体の面は第15面と定義される。
前記第6面に向く第6方向から見た前記配置物体の面は第16面と定義される。
前記算出部は、前記配置物体の前記第11面~前記第16面のうちの少なくとも1つの面の面積を前記物体露出面積として算出する。
【0113】
[付記6]
付記1~3のいずれか一項に記載のカラーバランス算出システムにおいて、前記ベース面の色および前記配置物体の色を変更する色変更部を備える。
【0114】
[付記7]
カラーバランス算出システムは、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する。カラーバランス算出システムは、前記内装のデータである内装データを取得する取得部と、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出部と、を含む。前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含む。前記算出部は、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、複数の系統色の面積比率をカラーバランスとして算出する、
【0115】
[付記8]
カラーバランス算出方法は、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出する。カラーバランス算出方法は、前記内装のデータである内装データを取得する取得工程と、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出する算出工程と、を含む。前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含む。前記算出工程では、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する。
または、前記算出工程では、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出し、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出する。
【0116】
[付記9]
カラーバランス算出プログラムは、コンピュータに、建築物における対象領域の内装のカラーバランスを算出させる。カラーバランス算出プログラムは、前記コンピュータに、前記内装のデータである内装データを取得させる取得ステップと、前記コンピュータに、前記内装データに基づいてカラーバランスを算出させる算出ステップと、を含む。前記内装データは、前記内装を構成する複数の構成要素それぞれの色情報および形状情報を含む。前記構成要素は、前記対象領域に面するベース面と、前記対象領域に配置される配置物体と、を含む。カラーバランス算出プログラムは、前記算出ステップでは、前記コンピュータに、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、を算出させて、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出させる。
または、カラーバランス算出プログラムは、算出ステップでは、前記コンピュータに、前記ベース面において視認可能であるベース露出面積と、前記ベース面の色と、前記配置物体において視認可能である物体露出面積と、前記配置物体の色とに基づいて、第1系統色の面積の総和と、第2系統色の面積の総和と、アクセントとなるアクセント色の面積の総和とを算出させて、さらに、前記第1系統色の面積の総和と、前記第2系統色の面積の総和と、前記アクセント色の面積の総和との比率をカラーバランスとして算出させる。
【符号の説明】
【0117】
AC…アクセント色、AEB…ベース露出面積、AET…物体露出面積、AR…対象領域、C1…第1系統色、C2…第2系統色、CB…カラーバランス、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、D4…第4方向、D5…第5方向、D6…第6方向、1…内装、3…ベース面、4…配置物体、7…天井面、20…カラーバランス算出システム、21…取得部、22…算出部、25…色変更部、31…第1面、32…第2面、33…第3面、34…第4面、35…第5面、36…第6面、38…開口部、39…部分、41…第11面、42…第12面、43…第13面、44…第14面、45…第15面、46…第16面。