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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ネックバンド型スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20241112BHJP
   H04R 3/12 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H04R1/00 318D
H04R1/00 317
H04R1/00 327
H04R3/12 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023121570
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2019136173の分割
【原出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2023129619
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】辻 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】江口 祥一郎
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0066636(US,A1)
【文献】特開2019-075708(JP,A)
【文献】特開2013-153364(JP,A)
【文献】特開2008-227801(JP,A)
【文献】特開2017-103598(JP,A)
【文献】米国特許第09232366(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
H04R 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの首の周囲に装着される襟形状の本体部と、
前記本体部に配置され、音声を出力するスピーカ部と、
前記スピーカ部から音声を出力するよう制御する音声出力制御部と、
前記本体部に配置され、前記本体部の下側に支軸を設け開閉する把持部を有するクリップと、
を備えるネックバンド型スピーカ。
【請求項2】
前記スピーカ部は、少なくとも前記本体部の周方向の先端部に配置されている、
請求項1に記載のネックバンド型スピーカ。
【請求項3】
前記本体部に配置され、前記ユーザからの振動を示す情報を取得する咽頭マイク部と、
前記咽頭マイク部が取得した振動を示す情報から操作情報を取得する操作制御部と、
を備え、
前記音声出力制御部は、前記操作制御部が取得した前記操作情報に基づいて、音声の出力を制御する、
請求項2に記載のネックバンド型スピーカ。
【請求項4】
ユーザの首の周囲に装着される襟形状の本体部と、
前記本体部に配置され、音声を出力するスピーカ部と、
前記スピーカ部から音声を出力するよう制御する音声出力制御部と、
前記本体部に配置され、加速度を検出する加速度センサ部と、
前記加速度センサ部が検出した加速度データを取得するセンサデータ取得部と、
前記センサデータ取得部が取得した前記加速度データに基づいて、前記ユーザの首の傾きに判定して、音声を出力するスピーカ部を判断する判断部と、
を備え、
前記スピーカ部は、前記本体部の周方向の先端部と、前記本体部の周方向の中間部とのうち、少なくとも前記本体部の周方向の先端部に配置され、
前記判断部は、前記センサデータ取得部が取得した前記加速度データが前記ユーザの首が後方に傾いていることを示す場合、前記本体部の周方向の中間部に配置された前記スピーカ部から音声を出力することを判断する、
ネックバンド型スピーカ。
【請求項5】
前記本体部に配置され、前記本体部の表面に対する押圧を検出する圧電センサ部と、
前記圧電センサ部が検出したセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、
前記センサデータ取得部が取得した前記センサデータに基づいて、音声を出力する前記スピーカ部を選択する判断部と、
を備える請求項2または3に記載のネックバンド型スピーカ。
【請求項6】
ユーザの首の周囲に装着される襟形状の本体部と、
前記本体部に配置され、音声を出力するスピーカ部と、
前記スピーカ部から音声を出力するよう制御する音声出力制御部と、
前記本体部の先端部に配置され、衣服の襟の開閉状態を検出する接触センサ部と、
前記接触センサ部が検出したセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、
前記センサデータ取得部が取得した前記センサデータに基づいて、前記衣服の襟の開閉状態を判定して、音声を出力するスピーカ部を判断する判断部と、
を備え、
前記スピーカ部は、少なくとも前記本体部の周方向の先端部に、超指向性スピーカ部と、
骨伝導スピーカ部とが配置され、
前記判断部は、前記センサデータ取得部が取得した前記センサデータが前記衣服の襟が閉じていることを示す場合、前記骨伝導スピーカ部から音声を出力することを判断し、前記衣服の襟が開いていることを示す場合、前記超指向性スピーカ部から音声を出力することを判断する、
ネックバンド型スピーカ。
【請求項7】
ユーザの首の周囲に装着される襟形状の本体部と、
前記本体部に配置され、音声を出力するスピーカ部と、
前記スピーカ部から音声を出力するよう制御する音声出力制御部と、
前記本体部に配置され、照度を検出する照度センサ部と、
前記照度センサ部が検出した照度データを取得するセンサデータ取得部と、
前記センサデータ取得部が取得した前記照度データに基づいて、前記本体部が衣服の襟の下側に配置されているか否かを判定して、音声を出力するスピーカ部を判断する判断部と、
を備え、
前記スピーカ部は、前記本体部の周方向の先端部と、前記本体部の周方向の中間部とのうち、少なくとも前記本体部の周方向の先端部に配置され、
前記判断部は、前記センサデータ取得部が取得した前記照度データが前記本体部が前記衣服の襟の下側に配置されていることを示す場合、前記本体部の周方向の先端部に配置された前記スピーカ部から音声を出力することを判断し、前記本体部が前記衣服の襟の下側に配置されていないことを示す場合、前記本体部の周方向の中間部に配置された前記スピーカ部から音声を出力することを判断する、
ネックバンド型スピーカ。
【請求項8】
ユーザの首の周囲に装着される襟形状の本体部と、
前記本体部に配置され、音声を出力するスピーカ部と、
前記スピーカ部から音声を出力するよう制御する音声出力制御部と、
前記本体部に配置され、加速度を検出する加速度センサ部と、
前記加速度センサ部が取得した加速度データを取得するセンサデータ取得部と、
前記本体部に配置され、可撓性を制御可能な変形部と、
前記センサデータ取得部が取得した前記加速度データに基づいて、前記ユーザの動作を判定して、前記変形部の可撓性を低下させるか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記スピーカ部は、少なくとも前記本体部の周方向の先端部に配置され、
前記判断部は、前記センサデータ取得部が取得した前記加速度データに基づき前記ユーザが運動していると判定された場合、前記変形部の可撓性を低下させることを判断する、
ネックバンド型スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネックバンド型スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの首の周囲に装着するスピーカが知られている(例えば、特許文献1参照)。特
許文献1に記載の技術は、内部に空気が充満しているU字型枕と複数の骨伝導スピーカと
を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-227801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
U字型枕状の形状のように、ユーザが着用した衣服の上から肩に乗せる形状をしている
と、装着していることを他者に容易に知られてしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、装着していることを他者に気が付かれ
にくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るネックバンド型スピーカ
は、ユーザの首の周囲に装着される襟形状の本体部と、前記本体部に配置され、音声を出
力するスピーカ部と、前記スピーカ部から音声を出力するよう制御する音声出力制御部と
、を備え、前記スピーカ部は、少なくとも前記本体部の周方向の先端部に配置されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着していることを他者に気が付かれにくくすることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第一実施形態に係るネックバンド型スピーカの概略を説明する図である。
図2図2は、第一実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図3図3は、第一実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第二実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図5図5は、第三実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図6図6は、第四実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図7図7は、第四実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図8図8は、第五実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図9図9は、第五実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図10図10は、第五実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、第六実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図12図12は、第六実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図13図13は、第六実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカの概略を説明する図である。
図15図15は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図16図16は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図17図17は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図18図18は、第八実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図19図19は、第八実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図20図20は、第八実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図21図21は、第九実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。
図22図22は、第九実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。
図23図23は、第九実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図24図24は、ネックバンド型スピーカの他の例の概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るネックバンド型スピーカの実施形態を詳細に
説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係るネックバンド型スピーカの概略を説明する図である。図2
は、第一実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。図3は、第一実施
形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。ネックバンド型ス
ピーカ1は、ユーザの首の周囲に装着し、例えば、ユーザの携帯用電子機器が再生した音
楽ファイルなどの音声を出力可能である。ネックバンド型スピーカ1は、本体部10と、
通信部21と、操作部22と、電源端子23と、バッテリ24と、第一スピーカ(スピー
カ部)31と、第二スピーカ(スピーカ部)32と、制御部50とを備える。
【0010】
本体部10は、ユーザの首の周囲に装着され、例えば、ポロシャツやYシャツのような
襟を有するシャツの襟形状に形成されている。本体部10は、周方向の一部が開口した環
状に形成されている。本体部10は、着脱を容易にするため、可撓性を有することが好ま
しい。本体部10は、ユーザが着用した衣服の襟Cに沿う形状である。本体部10は、ユ
ーザが着用した衣服の襟Cの下側に装着可能な厚さである。さらに、本体部10は、ユー
ザが着用した衣服の襟Cの下側に装着した際に、例えば、衣服の襟Cからはみ出したり、
衣服の襟Cが変形したりせず、ユーザ自身と他者とが違和感を生じない厚さである。本実
施形態では、本体部10は、ポロシャツの襟Cの下側に装着するものとして説明する。本
体部10は、左右一対の先端部11と、左右一対の先端部11の間に配置された中間部1
2とを有する。
【0011】
通信部21は、通信ユニットである。通信部21は、図示しない携帯用電子機器とデー
タを送受信可能に接続する。通信部21は、例えば、Bluetooth(登録商標)、
または、NFMI(Near Field Magnetic Induction)を
含む近距離無線通信や近距離電磁誘導が可能である。本実施形態では、通信部21は、携
帯用電子機器と、Bluetooth接続によってペアリング可能である。
【0012】
操作部22は、衣服の襟Cと向かい合う本体部10の表面に配置されている。操作部2
2は、例えば、ボタンである。操作部22は、ネックバンド型スピーカ1に対する各種操
作を受け付け可能である。例えば、操作部22は、電源の入り切り操作、再生操作、停止
操作、音量操作などを受け付け可能である。
【0013】
電源端子23は、交流電源(商用電源)または直流電源と接続可能である。電源端子2
3は、図示しない充電回路に接続されている。電源端子23は、交流電源から供給された
交流、または、モバイルバッテリなどの直流電源から供給された直流を充電回路へ出力す
る。
【0014】
バッテリ24は、ネックバンド型スピーカ1のバッテリである。バッテリ24は、繰り
返し充放電が可能な充電池である。バッテリ24は、例えば、ニッケル水素充電池、リチ
ウムイオン充電池またはリチウムポリマー充電池である。バッテリ24は、充電回路に接
続されている。バッテリ24は、本体部10に内蔵されている。
【0015】
第一スピーカ31は、本体部10に配置され、音声を出力する。本実施形態では、第一
スピーカ31は、超指向性を有する超指向性スピーカである。第一スピーカ31は、本体
部10の周方向の先端部11の上部に配置されている。第一スピーカ31は、ネックバン
ド型スピーカ1が衣服の襟Cの下側に装着された際に、衣服の襟Cの周縁部の近傍に位置
することが好ましい。本実施形態では、第一スピーカ31は、ネックバンド型スピーカ1
が衣服の襟Cの下側に装着された際に、右側の襟CRの前縁部CRaの近傍に位置する。
第一スピーカ31は、ネックバンド型スピーカ1を装着したユーザの耳に向けて音声を出
力する。第一スピーカ31は、制御部50の音声出力制御部53からの音声信号に基づき
、音声を出力する。
【0016】
第二スピーカ32は、本体部10に配置され、音声を出力する。第二スピーカ32は、
本体部10の周方向の先端部11の上部に配置されている。第二スピーカ32は、ネック
バンド型スピーカ1が衣服の襟Cの下側に装着された際に、衣服の襟Cの周縁部の近傍に
位置することが好ましい。本実施形態では、第二スピーカ32は、ネックバンド型スピー
カ1が衣服の襟Cの下側に装着された際に、左側の襟CLの前縁部CLaの近傍に位置す
る。本実施形態では、第二スピーカ32は、超指向性を有する超指向性スピーカである。
第二スピーカ32は、ネックバンド型スピーカ1を装着したユーザの耳に向けて音声を出
力する。第二スピーカ32は、制御部50の音声出力制御部53からの音声信号に基づき
、音声を出力する。
【0017】
制御部50は、操作部22に対して行われた各種操作を示す操作情報を取得し、通信部
21と第一スピーカ31と第二スピーカ32とを制御する。制御部50は、バッテリ24
を充電する充電回路を含み、バッテリ24の充放電を制御する。制御部50は、例えば、
CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理
装置である。制御部50は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロ
ードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部50には図示しない内部メモリ
が含まれ、内部メモリは制御部50におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部
50は、通信制御部51と、操作制御部52と、音声出力制御部53とを有する。
【0018】
通信制御部51は、通信部21を制御することで、携帯用電子機器と無線通信を行う。
通信制御部51は、通信部21を介して、携帯用電子機器が再生した音楽ファイルなどの
音声データを受信するよう制御する。
【0019】
操作制御部52は、操作部22に対して行われた各種操作を示す操作情報を取得する。
操作制御部52は、操作情報に基づいて各種操作を行うよう制御する。例えば、電源の入
り切り操作を示す操作情報を取得した場合、ネックバンド型スピーカ1のバッテリ24か
ら、ネックバンド型スピーカ1の各部への電力の供給の開始と停止とを制御する。例えば
、操作制御部52は、再生操作を示す操作情報を取得した場合、通信制御部51によって
、携帯用電子機器から再生した音楽ファイルなどの音声データを受信し、音声出力制御部
53によって、音声を出力するよう制御する。例えば、操作制御部52は、停止操作を示
す操作情報を取得した場合、音声出力制御部53によって、音声の出力が停止されるよう
制御する。例えば、操作制御部52は、音量操作を示す操作情報を取得した場合、音声出
力制御部53によって、出力される音声の音量を制御させる。
【0020】
音声出力制御部53は、第一スピーカ31と第二スピーカ32とから音声を出力するよ
う制御する。より詳しくは、音声出力制御部53は、ネックバンド型スピーカ1と携帯用
電子機器とがペアリングされ接続されている状態で、携帯用電子機器から取得した音声を
第一スピーカ31と第二スピーカ32とから出力するよう制御する。音声出力制御部53
は、第一スピーカ31と第二スピーカ32とからの音声の出力を停止するよう制御する。
音声出力制御部53は、第一スピーカ31と第二スピーカ32とから出力する音声の音量
を制御する。
【0021】
次に、ネックバンド型スピーカ1の使用方法について説明する。図1に示すように、ユ
ーザは、ネックバンド型スピーカ1の本体部10を、着用している衣服の襟Cの下側に装
着する。装着されたネックバンド型スピーカ1は、着用している衣服の襟Cの下側に隠れ
ており、衣服の襟Cからはみ出したり、衣服の襟Cが変形したりしていない。これにより
、ネックバンド型スピーカ1を装着した状態と装着していない状態とで、衣服の襟Cに違
和感を生じない。また、他者からは気が付かれにくい状態になっている。
【0022】
ユーザは、ネックバンド型スピーカ1の操作部22を操作して、電源の入り操作を行う
。これにより、ネックバンド型スピーカ1は、制御部50によって、バッテリ24からネ
ックバンド型スピーカ1の各部に電力を供給する。また、ネックバンド型スピーカ1は、
電源がONになると、制御部50の通信制御部51によって、通信部21を介して、ネッ
クバンド型スピーカ1と携帯用電子機器とがペアリングされ接続される。
【0023】
ユーザは、ネックバンド型スピーカ1の操作部22を操作して、または、携帯用電子機
器を操作して、音声データの再生操作を行う。これにより、携帯用電子機器は、音楽ファ
イルなどを再生して、ネックバンド型スピーカ1へ音声データを送信する。ネックバンド
型スピーカ1は、制御部50の通信制御部51によって、通信部21を介して、携帯用電
子機器から音声データを受信する。
【0024】
ネックバンド型スピーカ1は、制御部50の音声出力制御部53によって、受信した音
声データを第一スピーカ31と第二スピーカ32とから出力させる。
【0025】
なお、ネックバンド型スピーカ1は、携帯用電子機器から音声データを受信するとした
が、ネックバンド型スピーカ1に記憶部を設け、音声データを予め記憶させておいてもよ
い。
【0026】
上述したように、本実施形態では、ネックバンド型スピーカ1を、着用している衣服の
襟Cの下側に隠して装着することができる。本実施形態では、ネックバンド型スピーカ1
は、衣服の襟Cからはみ出したり、衣服の襟Cが変形したりせずに装着することができる
。本実施形態では、衣服の襟Cに違和感を生じることなく、ネックバンド型スピーカ1を
衣服の襟Cの下側に装着することができる。このようにして、本実施形態は、装着してい
ることを他者に気が付かれにくくすることができる。
【0027】
本実施形態では、超指向性を有する、右側の襟CRの前縁部CRaの近傍に配置された
第一スピーカ31と、左側の襟CLの前縁部CLaの近傍に第二スピーカ32とから、音
声を出力する。本実施形態によれば、ユーザ以外の他者には、音声を聴こえにくくするこ
とができる。
[第二実施形態]
図4を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Aについて説明する
図4は、第二実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。ネックバン
ド型スピーカ1Aは、基本的な構成は第一実施形態のネックバンド型スピーカ1と同様で
ある。以下の説明においては、ネックバンド型スピーカ1と同様の構成要素には、同一の
符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。ネックバンド型スピーカ1
Aは、第一骨伝導スピーカ31Aと第二骨伝導スピーカ32Aとを有する点と、音声出力
制御部53における処理とが第一実施形態と異なる。
【0028】
第一骨伝導スピーカ31Aは、骨伝導スピーカである。第一骨伝導スピーカ31Aは、
本体部10に配置され、音声に対応する振動をユーザの骨を介して鼓膜に伝える。第一骨
伝導スピーカ31Aは、本体部10の周方向の先端部11の下部に配置されている。本実
施形態では、第一骨伝導スピーカ31Aは、ネックバンド型スピーカ1Aが衣服の襟Cの
下側に装着された際に、右側の襟CRの前縁部CRaの近傍に位置する。第一骨伝導スピ
ーカ31Aは、ネックバンド型スピーカ1Aを装着したユーザの鎖骨近傍、より好ましく
は鎖骨上に位置する。第一骨伝導スピーカ31Aは、ネックバンド型スピーカ1Aを装着
したユーザの鎖骨を振動させるように音声に対応する振動を出力する。
【0029】
第二骨伝導スピーカ32Aは、骨伝導スピーカである。第二骨伝導スピーカ32Aは、
本体部10に配置され、音声に対応する振動をユーザの骨を介して鼓膜に伝える。第二骨
伝導スピーカ32Aは、本体部10の周方向の先端部11の下部に配置されている。本実
施形態では、第二骨伝導スピーカ32Aは、ネックバンド型スピーカ1Aが衣服の襟Cの
下側に装着された際に、左側の襟CLの前縁部CLaの近傍に位置する。第二骨伝導スピ
ーカ32Aは、ネックバンド型スピーカ1Aを装着したユーザの鎖骨近傍、より好ましく
は鎖骨上に位置する。第二骨伝導スピーカ32Aは、ネックバンド型スピーカ1Aを装着
したユーザの鎖骨を振動させるように音声に対応する振動を出力する。
【0030】
音声出力制御部53は、第一骨伝導スピーカ31Aと第二骨伝導スピーカ32Aとから
音声に対応する振動を発生するよう制御する。より詳しくは、音声出力制御部53は、ネ
ックバンド型スピーカ1Aと携帯用電子機器とがペアリングされ接続されている状態で、
携帯用電子機器から取得した音声に対応する振動を第一骨伝導スピーカ31Aと第二骨伝
導スピーカ32Aとで発生するよう制御する。音声出力制御部53は、第一骨伝導スピー
カ31Aと第二骨伝導スピーカ32Aとから音声の出力を停止するよう制御する。音声出
力制御部53は、第一骨伝導スピーカ31Aと第二骨伝導スピーカ32Aとから出力する
音声の音量を制御する。
【0031】
上述したように、本実施形態は、第一骨伝導スピーカ31Aと第二骨伝導スピーカ32
Aとが骨伝導スピーカであることにより、ユーザの周囲の騒音の影響を受けずに、ユーザ
に音声を視聴させることができる。また、本実施形態は、周囲への音漏れを低減させるこ
とができる。
[第三実施形態]
図5を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Bについて説明する
図5は、第三実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。ネックバン
ド型スピーカ1Bは、クリップ(固定部)13Bを有する点で第二実施形態と異なる。
【0032】
クリップ13Bは、本体部10を衣服の襟Cに固定する。クリップ13Bは、本体部1
0の先端部11の近傍に配置されている。クリップ13Bは、ネックバンド型スピーカ1
Bが衣服の襟Cの下側に装着された際に、衣服の襟Cを下側から挟む。より具体的には、
クリップ13Bは、図5で示す通り、下側に支軸を設け、開閉する把持部を設ける。クリ
ップ13Bには、バネが内蔵され、バネの弾性により襟を把持部で挟みこむ。
【0033】
上述したように、本実施形態は、クリップ13Bによって、ネックバンド型スピーカ1
Bを衣服の襟Cに固定することができる。本実施形態によれば、ユーザが動いたときに、
ネックバンド型スピーカ1Bが位置ずれすることを規制することができる。これにより、
本実施形態は、例えば、ユーザがランニング中であっても、衣服の襟Cに確実に固定する
ことができる。本実施形態によれば、ネックバンド型スピーカ1Bが動いてしまってユー
ザが煩わしく感じるようなことを抑制することができる。
[第四実施形態]
図6図7を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Cについて説
明する。図6は、第四実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である。図7
は、第四実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である。ネッ
クバンド型スピーカ1Cは、操作部として第一咽頭マイク(咽頭マイク部)22C1と、
第二咽頭マイク(咽頭マイク部)22C2とを有する点と、操作制御部52Cと音声出力
制御部53Cとにおける処理とが第二実施形態と異なる。
【0034】
第一咽頭マイク22C1は、ユーザの喉の振動を示す情報を取得する。第一咽頭マイク
22C1は、ユーザが所定の操作を示す音声を発した際、または、ユーザが喉近傍を叩い
て所定の操作を示した際の喉の振動を音声として取得するマイクである。第一咽頭マイク
22C1は、本体部10に配置され、操作に対応する振動をユーザの喉から取得する。第
一咽頭マイク22C1は、本体部10の周方向の先端部11の上部に配置されている。第
一咽頭マイク22C1は、ネックバンド型スピーカ1Cが衣服の襟Cの下側に装着された
際に、衣服の襟Cの周縁部の近傍に位置することが好ましい。本実施形態では、第一咽頭
マイク22C1は、ネックバンド型スピーカ1Cが衣服の襟Cの下側に装着された際に、
右側の襟CRの前縁部CRaの近傍に位置する。第一咽頭マイク22C1は、制御部50
Cの操作制御部52Cによって操作情報が取得される。
【0035】
第二咽頭マイク22C2は、ユーザの喉の振動を示す情報を取得する。第二咽頭マイク
22C2は、ユーザが所定の操作を示す音声を発した際、または、ユーザが喉近傍を叩い
て所定の操作を示した際の喉の振動を音声として取得するマイクである。第二咽頭マイク
22C2は、本体部10に配置され、操作に対応する振動をユーザの喉から取得する。第
二咽頭マイク22C2は、本体部10の周方向の先端部11の上部に配置されている。第
二咽頭マイク22C2は、ネックバンド型スピーカ1Cが衣服の襟Cの下側に装着された
際に、衣服の襟Cの周縁部の近傍に位置することが好ましい。本実施形態では、第二咽頭
マイク22C2は、ネックバンド型スピーカ1Cが衣服の襟Cの下側に装着された際に、
左側の襟CLの前縁部CLaの近傍に位置する。第二咽頭マイク22C2は、制御部50
Cの操作制御部52Cによって操作情報が取得される。
【0036】
例えば、第一咽頭マイク22C1および第二咽頭マイク22C2は、ユーザが音声によ
る操作を行うとき、音声を発した際の喉の振動を取得する。例えば、ユーザが「電源ON
」と声を発すると、電源の入り操作を示し、ユーザが「電源OFF」と声を発すると、電
源の切り操作を示す。
【0037】
例えば、第一咽頭マイク22C1および第二咽頭マイク22C2は、ユーザが喉近傍を
叩くなどして操作を行うとき、喉近傍が叩かれた際の喉の振動を取得する。例えば、ユー
ザが喉近傍を「トン、トン」と2回叩くと、電源の入り操作を示し、ユーザが喉近傍を「
トン、トン、トン」と3回叩くと、電源の切り操作を示す。
【0038】
操作制御部52Cは、第一咽頭マイク22C1および第二咽頭マイク22C2が取得し
た喉の振動の情報に基づいて、各種操作を示す操作情報を取得する。
【0039】
音声出力制御部53Cは、操作制御部52Cが取得した操作情報に基づいて、音声の出
力を制御する。
【0040】
上述したように、本実施形態は、操作部として第一咽頭マイク22C1と、第二咽頭マ
イク22C2とを有することにより、ユーザの周囲の騒音の影響を受けずに、操作を行う
ことができる。
[第五実施形態]
図8ないし図10を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Dにつ
いて説明する。図8は、第五実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である
図9は、第五実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図である
図10は、第五実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフロ
ーチャートである。ネックバンド型スピーカ1Dは、第一骨伝導スピーカ31Dと第二骨
伝導スピーカ32Dと第三骨伝導スピーカ33Dと加速度センサ部41Dとを有する点と
、制御部50Dがセンサデータ取得部54Dと判断部55Dとを備える点と、音声出力制
御部53Dにおける処理とが第二実施形態と異なる。
【0041】
第一骨伝導スピーカ31Dは、第一骨伝導スピーカ31Aと同様に形成されている。
【0042】
第二骨伝導スピーカ32Dは、第二骨伝導スピーカ32Aと同様に形成されている。
【0043】
第三骨伝導スピーカ33Dは、第一骨伝導スピーカ31Dと第二骨伝導スピーカ32D
と同様の機能を有する。第三骨伝導スピーカ33Dは、本体部10の周方向の中間部12
の下部に配置されている。本実施形態では、第三骨伝導スピーカ33Dは、ネックバンド
型スピーカ1Dが衣服の襟Cの下側に装着された際に、衣服の襟Cの中間部に位置する。
第三骨伝導スピーカ33Dは、ネックバンド型スピーカ1Dを装着したユーザの頸椎近傍
、より好ましくは頸椎上に位置する。第三骨伝導スピーカ33Dは、ネックバンド型スピ
ーカ1Dを装着したユーザの頸椎を振動させるように音声に対応する振動を出力する。
【0044】
このように、本実施形態では、スピーカが、本体部10の周方向の先端部11と、本体
部10の周方向の中間部12とに配置されている。
【0045】
加速度センサ部41Dは、加速度を検出する。加速度センサ部41Dは、ユーザの首の
傾きを検出する3軸センサである。より詳しくは、加速度センサ部41Dは、検出された
加速度に基づき、ユーザの首が後方に傾いていることを検出可能である。加速度センサ部
41Dは、本体部10の周方向の中間部12に配置される。加速度センサ部41Dは、検
出した加速度データを制御部50Dのセンサデータ取得部54Dへ出力する。加速度デー
タは、X軸方向の加速度データとY軸方向の加速度データとZ軸方向の加速度データとを
含む。以下の説明において、3軸の加速度データの区別を特に要しない場合、単に加速度
データと記載する。
【0046】
制御部50Dは、通信制御部51と、操作制御部52と、音声出力制御部53Dと、セ
ンサデータ取得部54Dと、判断部55Dとを有する。
【0047】
センサデータ取得部54Dは、加速度センサ部41Dから加速度データを取得する。セ
ンサデータ取得部54Dは、取得した加速度データを判断部55Dへ出力する。
【0048】
判断部55Dは、センサデータ取得部54Dが取得した加速度データに基づいて、ユー
ザの首の傾きを判定して、本体部10に複数配置されたスピーカの中から音声を出力する
スピーカを判断する。本実施形態では、判断部55Dは、センサデータ取得部54Dが取
得した加速度データに基づいて、ユーザの首の傾きを判定して、第一骨伝導スピーカ31
Dと第二骨伝導スピーカ32Dと第三骨伝導スピーカ33Dとのうち音声を出力するのに
適したスピーカを判断する。判断部55Dは、センサデータ取得部54Dが取得した加速
度データがユーザの首が後方に傾いていることを示す場合、複数のスピーカのうち、本体
部10の周方向の中間部12に配置されたスピーカから音声を出力することを判断する。
例えば、判断部55Dは、センサデータ取得部54Dが取得した加速度データがユーザの
首が後方に傾いていることを示す場合、第三骨伝導スピーカ33Dから音声を出力するこ
とを判断する。例えば、判断部55Dは、センサデータ取得部54Dが取得した加速度デ
ータがユーザの首が後方に傾いていないことを示す場合、第一骨伝導スピーカ31Dと第
二骨伝導スピーカ32Dとから音声を出力することを判断する。
【0049】
音声出力制御部53Dは、判断部55Dの判断結果に応じて、判断したスピーカから音
声を出力するよう制御する。
【0050】
次に、図10を用いて、制御部50Dにおける処理の流れについて説明する。ネックバ
ンド型スピーカ1Dの起動中、加速度センサ部41Dは加速度を検出する。
【0051】
制御部50Dは、加速度データを取得する(ステップS101)。より詳しくは、制御
部50Dは、センサデータ取得部54Dによって、加速度センサ部41Dが検出した加速
度データを取得する。制御部50Dは、ステップS102に進む。
【0052】
制御部50Dは、ユーザの首が後方に傾いているか否かを判定する(ステップS102
)。より詳しくは、制御部50Dは、判断部55Dによって、加速度データがユーザの首
が後方に傾いていることを示す場合(ステップS102でYes)、ステップS103に
進む。ユーザの首が後方に傾いているとき、例えば、ユーザは仰向けに寝ていたり、椅子
のリクライニングを深く倒している可能性が高い。制御部50Dは、判断部55Dによっ
て、加速度データがユーザの首が後方に傾いていないことを示す場合(ステップS102
でNo)、ステップS105に進む。ユーザの首が後方に傾いていないとき、例えば、ユ
ーザは立っていたり、姿勢を正して座っている可能性が高い。
【0053】
具体的には、制御部50Dは、判断部55Dによって、加速度データからネックバンド
型スピーカ1Dの後方へ傾いた角度を算出し、その角度が所定の閾値を超えたか否かによ
り、ユーザの首が後方に傾いているか否かを判定する。
【0054】
加速度データがユーザの首が後方に傾いていることを示す場合(ステップS102でY
es)、制御部50Dは、判断部55Dによって、第三骨伝導スピーカ33Dから音声を
出力することを判断する(ステップS103)。制御部50Dは、ステップS104へ進む
【0055】
制御部50Dは、音声出力制御部53Dによって、第三骨伝導スピーカ33Dから音声
を出力するよう制御する(ステップS104)。制御部50Dは、処理を終了する。
【0056】
加速度データがユーザの首が後方に傾いていないことを示す場合(ステップS102で
No)、制御部50Dは、判断部55Dによって、第一骨伝導スピーカ31Dと第二骨伝
導スピーカ32Dとから音声を出力することを判断する(ステップS105)。制御部50
Dは、ステップS106へ進む。
【0057】
制御部50Dは、音声出力制御部53Dによって、第一骨伝導スピーカ31Dと第二骨
伝導スピーカ32Dとから音声を出力するよう制御する(ステップS106)。制御部50
Dは、処理を終了する。
【0058】
上述したように、本実施形態は、ユーザの首の傾きを判定して、第一骨伝導スピーカ3
1Dと第二骨伝導スピーカ32Dと第三骨伝導スピーカ33Dとのうち音声を出力するの
に適したスピーカを判断して音声を出力することができる。
[第六実施形態]
図11ないし図13を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Eに
ついて説明する。図11は、第六実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図で
ある。図12は、第六実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図
である。図13は、第六実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示
すフローチャートである。ネックバンド型スピーカ1Eは、第一骨伝導スピーカ31Eと
第二骨伝導スピーカ32Eと第三骨伝導スピーカ33Eと第四骨伝導スピーカ34Eと第
五骨伝導スピーカ35Eと圧電センサ部42Eとを有する点と、制御部50Eがセンサデ
ータ取得部54Eと判断部55Eとを備える点と、音声出力制御部53Eにおける処理と
が第二実施形態と異なる。
【0059】
第一骨伝導スピーカ31Eは、第一骨伝導スピーカ31Aと同様に形成されている。
【0060】
第二骨伝導スピーカ32Eは、第二骨伝導スピーカ32Aと同様に形成されている。
【0061】
第三骨伝導スピーカ33Eは、第一骨伝導スピーカ31Eと第二骨伝導スピーカ32E
と同様の機能を有する。第三骨伝導スピーカ33Eは、本体部10の周方向において中間
部12と先端部11との間に位置する側部14に配置されている。本実施形態では、第三
骨伝導スピーカ33Eは、ネックバンド型スピーカ1Eが衣服の襟Cの下側に装着された
際に、衣服の襟Cの中間部より先端側に位置する。第三骨伝導スピーカ33Eは、ネック
バンド型スピーカ1Eを装着したユーザの鎖骨近傍、より好ましくは鎖骨上に位置する。
第三骨伝導スピーカ33Eは、ネックバンド型スピーカ1Eを装着したユーザの鎖骨を振
動させるように音声に対応する振動を出力する。
【0062】
第四骨伝導スピーカ34Eは、第三骨伝導スピーカ33Eと同様の機能を有する。第四
骨伝導スピーカ34Eは、本体部10の側部14に配置されている。第四骨伝導スピーカ
34Eは、第三骨伝導スピーカ33Eと向かい合って配置されている。
【0063】
第五骨伝導スピーカ35Eは、第五実施形態の第三骨伝導スピーカ33Dと同様に形成
されている。
【0064】
圧電センサ部42Eは、本体部10の表面に配置され、本体部10の表面に対する押圧
を検出する圧電センサである。圧電センサ部42Eは、衣服の上から押圧された場合にも
押圧を検出可能とすることが好ましい。圧電センサ部42Eは、本体部10の表面におい
て、押圧された位置の情報を検出する。圧電センサ部42Eは、検出したセンサデータを
制御部50Eのセンサデータ取得部54Eへ出力する。圧電センサ部42Eは、本体部1
0の表面において押圧された位置を検出可能である。本実施形態では、圧電センサ部42
Eは、3つの計測領域として第一領域S1、第二領域S2、第三領域S3を有する。第一
領域S1が押圧された場合、第一骨伝導スピーカ31Eと第二骨伝導スピーカ32Eとを
用いる。第二領域S2が押圧された場合、第三骨伝導スピーカ33Eと第四骨伝導スピー
カ34Eとを用いる。第三領域S3が押圧された場合、第五骨伝導スピーカ35Eを用い
る。
【0065】
制御部50Eは、通信制御部51と、操作制御部52と、音声出力制御部53Eと、セ
ンサデータ取得部54Eと、判断部55Eとを有する。
【0066】
センサデータ取得部54Eは、圧電センサ部42Eからセンサデータを取得する。セン
サデータ取得部54Eは、取得したセンサデータを判断部55Eへ出力する。
【0067】
判断部55Eは、センサデータ取得部54Eが取得したセンサデータに基づいて、本体
部10に複数配置されたスピーカの中から音声を出力するスピーカを選択する。
【0068】
判断部55Eは、例えば、第一領域S1で所定閾値以上の押圧を示すセンサデータが計
測された場合、第一骨伝導スピーカ31Eと第二骨伝導スピーカ32Eとから音声を出力
すると判断する。第二領域S2で所定閾値以上の押圧を示すセンサデータが計測された場
合、第三骨伝導スピーカ33Eと第四骨伝導スピーカ34Eとから音声を出力すると判断
する。第三領域S3で所定閾値以上の押圧を示すセンサデータが計測された場合、第五骨
伝導スピーカ35Eから音声を出力すると判断する。
【0069】
音声出力制御部53Eは、判断部55Eの判断結果に応じて、選択したスピーカから音
声を出力するよう制御する。
【0070】
次に、図13を用いて、制御部50Eにおける処理の流れについて説明する。ネックバ
ンド型スピーカ1Eの起動中、圧電センサ部42Eは本体部10の表面に対する押圧を検
出する。
【0071】
制御部50Eは、本体部10の表面に配置された圧電センサ部42Eに対する押圧が行
われたことを示すセンサデータを取得する(ステップS111)。より詳しくは、制御部
50Eは、センサデータ取得部54Eによって、圧電センサ部42Eが検出したセンサデ
ータを取得する。制御部50Eは、ステップS112に進む。
【0072】
制御部50Eは、判断部55Eによって、圧電センサ部42Eが押圧された位置に応じ
て、第一骨伝導スピーカ31Eと第二骨伝導スピーカ32Eと第三骨伝導スピーカ33E
と第四骨伝導スピーカ34Eと第五骨伝導スピーカ35Eとのうち、音声を出力するスピ
ーカを選択する(ステップS112)。制御部50Eは、ステップS113に進む。
【0073】
制御部50Eは、音声出力制御部53Eによって、ステップS112において選択した
スピーカから音声を出力するよう制御する(ステップS113)。制御部50Eは、処理を
終了する。
【0074】
上述したように、本実施形態は、ユーザが本体部10の表面を押圧した位置を判定して
、第一骨伝導スピーカ31Eと第二骨伝導スピーカ32Eと第三骨伝導スピーカ33Eと
第四骨伝導スピーカ34Eと第五骨伝導スピーカ35Eとのうち音声を出力するのに適し
たスピーカを選択して音声を出力することができる。
[第七実施形態]
図14ないし図17を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Fに
ついて説明する。図14は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカの概略を説明す
る図である。図15は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図である
図16は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図であ
る。図17は、第七実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示すフ
ローチャートである。ネックバンド型スピーカ1Fは、超指向性スピーカである第一スピ
ーカ31Fと第二スピーカ32Fと、骨伝導スピーカである第一骨伝導スピーカ33Fと
第二骨伝導スピーカ34Fと接触センサ部43Fとを有する点と、制御部50Fがセンサ
データ取得部54Fと判断部55Fとを備える点と、音声出力制御部53Fにおける処理
とが第二実施形態と異なる。
【0075】
第一スピーカ31Fは、第一スピーカ31と同様に形成されている。
【0076】
第二スピーカ32Fは、第二スピーカ32と同様に形成されている。
【0077】
第一骨伝導スピーカ33Fは、第一骨伝導スピーカ31Aと同様に形成されている。
【0078】
第二骨伝導スピーカ34Fは、第二骨伝導スピーカ32Aと同様に形成されている。
【0079】
接触センサ部43Fは、衣服の襟Cの開閉状態を検出するセンサである。接触センサ部
43Fは、本体部10の先端部11に配置される。図14に示すように、接触センサ部4
3Fは、衣服の襟Cが閉じているとき、接触センサ部43F同士が接触することによって
、衣服の襟Cが閉じていることを検出する。接触センサ部43Fは、衣服の襟Cが開いて
いるとき、接触センサ部43F同士が離間することによって、衣服の襟Cが開いているこ
とを検出する。接触センサ部43Fは、検出したセンサデータを制御部50Fのセンサデ
ータ取得部54Fへ出力する。
【0080】
制御部50Fは、通信制御部51と、操作制御部52と、音声出力制御部53Fと、セ
ンサデータ取得部54Fと、判断部55Fとを有する。
【0081】
センサデータ取得部54Fは、接触センサ部43Fからセンサデータを取得する。セン
サデータ取得部54Fは、取得したセンサデータを判断部55Fへ出力する。
【0082】
判断部55Fは、センサデータ取得部54Fが取得したセンサデータに基づいて、衣服
の襟Cの開閉状態を判定して、本体部10に複数配置されたスピーカの中から音声を出力
するスピーカを判断する。本実施形態では、判断部55Fは、センサデータ取得部54F
が取得したセンサデータに基づいて、衣服の襟Cの開閉状態を判定して、第一スピーカ3
1Fと第二スピーカ32Fと第一骨伝導スピーカ33Fと第二骨伝導スピーカ34Fとの
うち音声を出力するのに適したスピーカを判断する。例えば、判断部55Fは、センサデ
ータ取得部54Fの検出結果が衣服の襟Cが開いていることを示す場合、第一スピーカ3
1Fと第二スピーカ32Fとから音声を出力することを判断する。例えば、判断部55F
は、センサデータ取得部54Fの検出結果が衣服の襟Cが閉じていることを示す場合、第
一骨伝導スピーカ33Fと第二骨伝導スピーカ34Fとから音声を出力することを判断す
る。
【0083】
音声出力制御部53Fは、判断部55Fの判断結果に応じて、判断したスピーカから音
声を出力するよう制御する。
【0084】
次に、図17を用いて、制御部50Fにおける処理の流れについて説明する。ネックバ
ンド型スピーカ1Fの起動中、接触センサ部43Fは接触を検出する。ステップS123
、ステップS124の処理は、図10に示すフローチャートのステップS105、ステッ
プS106と同様の処理を行う。
【0085】
制御部50Fは、センサデータ取得部54Fによって、接触センサ部43F同士が接触
したか否かを示すセンサデータを取得する(ステップS121)。制御部50Fは、ステ
ップS122に進む。
【0086】
制御部50Fは、接触センサ部43F同士が接触したか否かを判定する(ステップS1
22)。より詳しくは、制御部50Fは、判断部55Fによって、センサデータが接触セ
ンサ部43F同士が接触したことを示す場合(ステップS122でYes)、ステップS
123に進む。制御部50Fは、判断部55Fによって、センサデータが接触センサ部4
3F同士が接触していないことを示す場合(ステップS122でNo)、ステップS125
に進む。
【0087】
接触センサ部43F同士が接触していないことを示す場合(ステップS122でNo)、
制御部50Fは、判断部55Fによって、第一スピーカ31Fと第二スピーカ32Fとか
ら音声を出力することを判断する(ステップS125)。制御部50Fは、ステップS12
6へ進む。
【0088】
制御部50Fは、音声出力制御部53Fによって、第一スピーカ31Fと第二スピーカ
32Fとから音声を出力するよう制御する(ステップS126)。制御部50Fは、処理を
終了する。
【0089】
上述したように、本実施形態は、衣服の襟Cの開閉状態を判定して、第一スピーカ31
Fと第二スピーカ32Fと第一骨伝導スピーカ33Fと第二骨伝導スピーカ34Fとのう
ち音声を出力するのに適したスピーカを判断して音声を出力することができる。
[第八実施形態]
図18ないし図20を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Gに
ついて説明する。図18は、第八実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図で
ある。図19は、第八実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図
である。図20は、第八実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示
すフローチャートである。ネックバンド型スピーカ1Gは、第一スピーカ31Gと第二ス
ピーカ32Gと第一高性能スピーカ33Gと第二高性能スピーカ34Gと照度センサ44
Gとを有する点と、制御部50Gがセンサデータ取得部54Gと判断部55Gとを備える
点と、音声出力制御部53Gにおける処理とが第二実施形態と異なる。
【0090】
第一スピーカ31Gは、第一スピーカ31と同様に形成されている。第一スピーカ31
Gは、例えば、ハイレゾリューションオーディオに対応していないスピーカである。
【0091】
第二スピーカ32Gは、第二スピーカ32と同様に形成されている。第二スピーカ32
Gは、例えば、ハイレゾリューションオーディオに対応していないスピーカである。
【0092】
第一高性能スピーカ33Gは、第一スピーカ31Gおよび第二スピーカ32Gより高音
質のスピーカである。より詳しくは、第一高性能スピーカ33Gは、例えば、ハイレゾリ
ューションオーディオに対応するスピーカである。ハイレゾリューションオーディオとは
、リニアPCM(Pulse Code Modulation)換算でサンプリング周
波数、量子化ビット数の少なくとも一方がCD(Compact Disc)スペックを
超えていて、もう一方がCDスペック以上である。第一高性能スピーカ33Gは、本体部
10の側部14に配置されている。本実施形態では、第一高性能スピーカ33Gは、ネッ
クバンド型スピーカ1Gが装着された際に、ユーザの右耳の下側に位置する。
【0093】
第二高性能スピーカ34Gは、第一スピーカ31Gおよび第二スピーカ32Gより高音
質のスピーカである。より詳しくは、第二高性能スピーカ34Gは、例えば、ハイレゾリ
ューションオーディオに対応するスピーカである。第二高性能スピーカ34Gは、本体部
10の側部14に配置されている。本実施形態では、第一高性能スピーカ33Gは、ネッ
クバンド型スピーカ1Gが装着された際に、ユーザの左耳の下側に位置する。なお、第一
高性能スピーカ33Gと第二高性能スピーカ34Gは、第一スピーカ31Gと第二スピー
カ32Gとは音質の特性が異なればよい。
【0094】
このように、本実施形態では、スピーカが、本体部10の周方向の先端部11と、本体
部10の周方向の側部14とに配置されている。
【0095】
照度センサ44Gは、ネックバンド型スピーカ1Gが衣服の襟Cの下側に装着されてい
るか否かを判定可能な照度を検出する。照度センサ44Gは、ネックバンド型スピーカ1
Gの起動中、照度を常時検出する。照度センサ44Gは、検出した照度データを制御部5
0Gのセンサデータ取得部54Gへ出力する。
【0096】
制御部50Gは、通信制御部51と、操作制御部52と、音声出力制御部53Gと、セ
ンサデータ取得部54Gと、判断部55Gとを有する。
【0097】
センサデータ取得部54Gは、照度センサ44Gから照度データを取得する。センサデ
ータ取得部54Gは、取得したセンサデータを判断部55Gへ出力する。
【0098】
判断部55Gは、センサデータ取得部54Gが取得した照度データに基づいて、ネック
バンド型スピーカ1Gが衣服の襟Cの下側に装着されているか否かを判定して、本体部1
0に複数配置されたスピーカの中から音声を出力するスピーカを判断する。本実施形態で
は、判断部55Gは、センサデータ取得部54Gが取得した照度データに基づいて、ネッ
クバンド型スピーカ1Gが衣服の襟Cの下側に装着されているか否かを判定して、第一ス
ピーカ31Gと第二スピーカ32Gと第一高性能スピーカ33Gと第二高性能スピーカ3
4Gとのうち音声を出力するのに適したスピーカを判断する。判断部55Gは、センサデ
ータ取得部54Gが取得した照度データが本体部10が衣服の襟Cの下側に配置されてい
ることを示す場合、ユーザの周囲に第三者が存在していて、周囲への音漏れに配慮する状
況であると推測される。そこで、この場合は、本体部10の周方向の先端部11に配置さ
れたスピーカから音声を出力することを判断する。また、本体部10が衣服の襟Cの下側
に配置されていないことを示す場合、ユーザの周囲に第三者が存在しておらず、周囲への
音漏れを気にせずに、ユーザの好みに応じて音声を出力してもよい可能性が高いと推測さ
れる。そこで、この場合は、周囲を気にせずに、高音質で音楽を視聴可能なように、本体
部10の側部14に配置されたスピーカから音声を出力することを判断する。例えば、判
断部55Gは、ネックバンド型スピーカ1Gが衣服の襟Cの下側に装着されていることを
示す場合、第一スピーカ31Gと第二スピーカ32Gとから音声を出力することを判断す
る。例えば、判断部55Gは、ネックバンド型スピーカ1Gが衣服の襟Cの下側に装着さ
れていないことを示す場合、第一高性能スピーカ33Gと第二高性能スピーカ34Gとか
ら音声を出力することを判断する。
【0099】
音声出力制御部53Gは、判断部55Gの判断結果に応じて、判断したスピーカから音
声を出力するよう制御する。
【0100】
次に、図20を用いて、制御部50Gにおける処理の流れについて説明する。ネックバ
ンド型スピーカ1Gの起動中、照度センサ44Gは照度を検出する。
【0101】
制御部50Gは、センサデータ取得部54Gによって、照度センサ44Gが検出した照
度データを取得する(ステップS131)。制御部50Gは、ステップS132に進む。
【0102】
制御部50Gは、判断部55Gによって、照度センサ44Gが検出した照度データが閾
値以下であるか否かを判定する(ステップS132)。より詳しくは、制御部50Gは、
判断部55Gによって、照度データが閾値以下であると判定する場合(ステップS132
でYes)、ステップS133に進む。制御部50Gは、判断部55Gによって、照度デ
ータが閾値以下ではないと判定する場合(ステップS132でNo)、ステップS135に
進む。
【0103】
照度データが閾値以下であると判定する場合(ステップS132でYes)、制御部5
0Gは、判断部55Gによって、第一スピーカ31Gと第二スピーカ32Gとから音声を
出力することを判断する(ステップS133)。制御部50Gは、ステップS134へ進む
【0104】
制御部50Gは、音声出力制御部53Gによって、第一スピーカ31Gと第二スピーカ
32Gとから音声を出力するよう制御する(ステップS134)。制御部50Gは、処理を
終了する。
【0105】
照度データが閾値以下ではないと判定する場合(ステップS132でNo)、制御部50
Gは、判断部55Gによって、第一高性能スピーカ33Gと第二高性能スピーカ34Gか
ら音声を出力することを判断する(ステップS135)。制御部50Gは、ステップS13
6へ進む。
【0106】
制御部50Gは、音声出力制御部53Gによって、第一高性能スピーカ33Gと第二高
性能スピーカ34Gとから音声を出力するよう制御する(ステップS136)。制御部50
Gは、処理を終了する。
【0107】
上述したように、本実施形態は、衣服の襟Cの下側に装着されているか否かを判定して
、第一スピーカ31Gと第二スピーカ32Gと第一高性能スピーカ33Gと第二高性能ス
ピーカ34Gとのうち音声を出力するのに適したスピーカを判断して音声を出力すること
ができる。
[第九実施形態]
図21ないし図23を参照しながら、本実施形態に係るネックバンド型スピーカ1Hに
ついて説明する。図21は、第九実施形態に係るネックバンド型スピーカを示す概略図で
ある。図22は、第九実施形態に係るネックバンド型スピーカの構成例を示すブロック図
である。図23は、第九実施形態に係るネックバンド型スピーカにおける処理の流れを示
すフローチャートである。ネックバンド型スピーカ1Hは、加速度センサ部45Hと変形
部46Hとを有する点と、制御部50Hが変形制御部56Hとを備える点と、センサデー
タ取得部54Hと判断部55Hとにおける処理とが第二実施形態と異なる。
【0108】
加速度センサ部45Hは、加速度を検出する。加速度センサ部45Hは、ユーザの動作
を検出する3軸センサである。加速度センサ部45Hは、本体部10に配置される。加速
度センサ部45Hは、検出した加速度データを制御部50Hのセンサデータ取得部54H
へ出力する。
【0109】
変形部46Hは、本体部10の中間部12に配置されている。変形部46Hは、可撓性
を制御可能な材料で形成されている。例えば、変形部46Hは、流れる電流値、磁場、ま
たは温度を変えたり、光を照射したりすることによって、可撓性が制御される。変形部4
6Hは、変形制御部56Hからの制御信号に基づいて、変形が許容されて通常の可撓性に
されたり、変形が規制されて可撓性が低下されたりする。変形が許容されて通常の可撓性
である場合、変形部46Hが変形するので、ネックバンド型スピーカ1Hの着脱が容易に
なる。変形が規制されて可撓性が低下された場合、変形部46Hが変形しないので、装着
したネックバンド型スピーカ1Hが不用意に外れにくくなる。
【0110】
制御部50Hは、通信制御部51と、操作制御部52と、音声出力制御部53Hと、セ
ンサデータ取得部54Hと、判断部55Hと、変形制御部56Hとを有する。
【0111】
センサデータ取得部54Hは、加速度センサ部45Hから加速度データを取得する。セ
ンサデータ取得部54Hは、取得した加速度データを判断部55Hへ出力する。
【0112】
判断部55Hは、センサデータ取得部54Hが取得したセンサデータに基づいて、ユー
ザの動作を判定して、本体部10に配置された変形部46Hの可撓性を低下させるか否か
を判断する。より詳しくは、判断部55Hは、センサデータ取得部54Hが取得したセン
サデータに基づいて、ユーザが走っているか否かを判定して、本体部10に配置された変
形部46Hの変形を許可するか、変形を規制するかを判断する。例えば、判断部55Hは
加速度データがユーザが運動していることを示す場合、変形部46Hの変形を規制して、
可撓性を低下させることを判断する。例えば、判断部55Hは、加速度データがユーザが
運動していることを示さない場合、変形部46Hの変形を許可することを判断する。
【0113】
変形制御部56Hは、センサデータ取得部54Hが取得した加速度データがユーザが運
動していることを示す場合、変形部46Hの可撓性を低下させるよう制御する。変形制御
部56Hは、センサデータ取得部54Hが取得した加速度データがユーザが運動している
ことを示さない場合、変形部46Hの可撓性を通常にする。
【0114】
次に、図23を用いて、制御部50Hにおける処理の流れについて説明する。ネックバ
ンド型スピーカ1Hの起動中、加速度センサ部45Hは加速度を検出する。
【0115】
制御部50Hは、センサデータ取得部54Hによって加速度センサ部45Hが検出した
加速度データを取得する(ステップS141)。制御部50Hは、ステップS142に進
む。
【0116】
制御部50Hは、判断部55Hによって、加速度センサ部45Hが取得した加速度デー
タに基づいて、ユーザが運動中であるか否かを判定する(ステップS142)。より詳し
くは、制御部50Hは、判断部55Hによって、加速度データがユーザが運動中であるこ
とを示すと判定する場合(ステップS142でYes)、ステップS143に進む。制御
部50Hは、判断部55Hによって、加速度データがユーザが運動中ではないことを示す
と判定する場合(ステップS142でNo)、ステップS144に進む。具体的には、制御
部50Hは、判断部55Hよって、加速度が予め定めた閾値以上である場合や、加速度の
変化が所定のパターンを示す場合には運動中と判定する。例えば、制御部50Hは、加速
度センサ部45Hから互いに直交する3軸方向の加速度データを取得する。制御部50H
は、判断部55Hによって、3軸方向の加速度データの合成値を算出し、その加速度デー
タの合計値の変化がランニング特有の波形パターンと一致又は近似する場合には、ランニ
ング中、すなわち運動中と判断する。
【0117】
ユーザが運動中であると判定する場合(ステップS142でYes)、制御部50Hは
、変形制御部56Hによって、変形部46Hの変形を規制する(ステップS143)。変形
部46Hは、可撓性が低くされる。制御部50Hは、処理を終了する。
【0118】
ユーザが運動中ではないと判定する場合(ステップS142でNo)、制御部50Hは、
音声出力制御部53Hによって、変形制御部56Hによって、変形部46Hの変形を許容
する (ステップS144)。変形部46Hは、通常の可撓性にされる。制御部50Hは、
処理を終了する。
【0119】
上述したように、本実施形態は、ユーザが運動中であるか否かを判定して、変形部46
Hの可撓性が制御される。本実施形態では、変形部46Hの変形が許容されて通常の可撓
性である場合、変形部46Hが変形するので、ネックバンド型スピーカ1Hを容易に着脱
することができる。本実施形態では、変形部46Hの変形が規制されて可撓性が低下され
た場合、変形部46Hが変形しないので、装着したネックバンド型スピーカ1Hが不用意
に外れることを規制することができる。
【0120】
さて、これまで本発明に係るネックバンド型スピーカ1について説明したが、上述した
実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0121】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。
さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0122】
図示した制御部50の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示
の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限ら
れず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機
能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0123】
制御部50の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラム
などによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェア
の連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロッ
クについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによ
って種々の形で実現できる。
【0124】
上記では、携帯用電子機器で再生した音声をネックバンド型スピーカ1から出力するも
のとして説明したが、ネックバンド型スピーカ1の本体部10に記憶部を内蔵して、記憶
した音楽データなどの音声を再生する機能を有していてもよい。
【0125】
上記では、ネックバンド型スピーカを、ポロシャツの襟Cの下側に装着するものとして
説明したが、これに限定されず、図24に示すように、Yシャツの襟CYの裏側に装着し
てもよい。図24は、ネックバンド型スピーカの他の例の概略を説明する図である。この
場合、ネックバンド型スピーカ1Yは、Yシャツの襟CYに沿ったYシャツのカラー形状
のように、ユーザの首に沿う形状になっていればよい。
【符号の説明】
【0126】
1 ネックバンド型スピーカ
10 本体部
11 先端部
12 中間部
31 第一スピーカ(スピーカ部)
32 第二スピーカ(スピーカ部)
50 制御部
51 通信制御部
52 操作制御部
53 音声出力制御部
C 衣服の襟
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24