(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、受信装置および受信方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2362 20110101AFI20241112BHJP
H04N 21/434 20110101ALI20241112BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20241112BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20241112BHJP
【FI】
H04N21/2362
H04N21/434
H04H20/28
H04H60/82
(21)【出願番号】P 2023190586
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2022081391の分割
【原出願日】2015-10-29
【審査請求日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2014227551
(32)【優先日】2014-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北里 直久
(72)【発明者】
【氏名】山岸 靖明
(72)【発明者】
【氏名】北原 淳
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/171718(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/171806(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/115060(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0089985(US,A1)
【文献】特表2014-507878(JP,A)
【文献】青木 秀一 他,放送・通信連携のためのMMTの運用方法の検討,情報処理学会研究報告,2014年02月14日,Vol.2014-AVM-84 No.2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
H04H 20/00 - 20/95
H04H 60/00 - 60/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を格納するテーブルを含む第2の伝送パケットを多重化した伝送ストリームを生成する伝送ストリーム生成部と、
上記伝送ストリームを所定の伝送路を通じて送信する送信部と、
上記テーブルに、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、プロトコル識別情報が含まれる配信プロトコルの情報およびロケーション情報を挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
【請求項2】
上記配信プロトコルは、マルチキャスト配信、MMTP/UDP配信、MMTP/TCP配信、MMTP/HTTP配信およびMPU/HTTP配信のプロトコルから選択される配信プロトコルである
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
上記プロトコル識別情報が上記MMTP/UDP配信であることを示すとき、上記配信プロトコルの情報には、UDPを指定するパラメータが含まれる
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
上記プロトコル識別情報が上記MMTP/TCP配信であることを示すとき、上記配信プロトコルの情報には、TCPを指定するパラメータが含まれる
請求項2に記載の送信装置。
【請求項5】
上記ロケーション情報には、パケット識別情報がさらに含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
上記第1の伝送パケットおよび上記第2の伝送パケットは、MMTパケットである
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
上記所定の伝送路は、放送伝送路である
請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
上記テーブルには、上記特定コンポーネントの情報が複数配置され、該配置された複数の情報のそれぞれに複数の配信プロトコルのうちの少なくとも1つを示す上記配信プロトコルの情報が挿入される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
上記テーブルには、上記特定コンポーネントの情報が1つ配置され、該配置された1つの情報に対応した上記配信プロトコルの情報が複数挿入される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項10】
上記プロトコル識別情報がHTTPを用いた配信であることを示すとき、上記ロケーション情報には、上記特定コンポーネントを取得するためのURL情報が挿入され、
上記配信プロトコルの情報には、HTTPを指定するパラメータが含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項11】
上記配信プロトコルの情報には、上記特定コンポーネントと多重化されて配信される他のコンポーネントの情報が付加される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項12】
上記配信プロトコルの情報のうち、マルチキャスト配信のプロトコルの情報には、利用可能なネットワークに関する情報が付加される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項13】
所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を格納するテーブルを含む第2の伝送パケットを多重化した伝送ストリームを生成する伝送ストリーム生成ステップと、
送信部により、上記伝送ストリームを所定の伝送路を通じて送信する送信ステップと、
上記テーブルに、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、プロトコル識別情報が含まれる配信プロトコルの情報およびロケーション情報を挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
【請求項14】
所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を格納するテーブルを含む第2の伝送パケットを多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信部を備え、
上記テーブルには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、プロトコル識別情報が含まれる配信プロトコルの情報およびロケーション情報が挿入されており、
上記配信プロトコルの情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、該選択された配信プロトコルで上記特定コンポーネントを含む第3の伝送パケットを有する伝送ストリームを、上記ロケーション情報を用いて、ネットワークを通じて受信する通信部をさらに備える
受信装置。
【請求項15】
上記ロケーション情報には、パケット識別情報がさらに含まれており、
上記通信部は、上記受信された第3の伝送パケットを有する伝送ストリームのうち、上記パケット識別情報に基づいて該第3の伝送パケットを抽出する
請求項14に記載の受信装置。
【請求項16】
上記第1の伝送パケットおよび上記第2の伝送パケットは、MMTパケットである
請求項14に記載の受信装置。
【請求項17】
上記所定の伝送路は、放送伝送路である
請求項14に記載の受信装置。
【請求項18】
受信部により、所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を格納するテーブルを含む第2の伝送パケットを多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信ステップを有し、
上記テーブルには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、プロトコル識別情報が含まれる配信プロトコルの情報およびロケーション情報が挿入されており、
上記配信プロトコルの情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、該選択された配信プロトコルで上記特定コンポーネントを含む第3の伝送パケットを有する伝送ストリームを、上記ロケーション情報を用いて、ネットワークを通じて受信する通信ステップをさらに有する
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送信装置、送信方法、受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の放送システムでは、メディアのトランスポート方式として、MPEG-2 TS(Moving Picture Experts Group-2 Transport Stream)方式やRTP(Real Time Protocol)方式が広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。次世代のデジタル放送方式として、MMT(MPEG Media Transport)方式(例えば、非特許文献1参照)が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】ISO/IEC DIS 23008-1:2013(E) Information technology-High efficiency coding and media delivery in heterogeneous environments-Part1:MPEG media transport(MMT)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本技術の目的は、放送・通信のハイブリッドサービスを良好に実現可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の概念は、
所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを生成する伝送ストリーム生成部と、
上記伝送ストリームを所定の伝送路を通じて送信する送信部と、
上記第2の伝送パケットに、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報を挿入する情報挿入部を備える
送信装置にある。
【0007】
本技術において、所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよびこの所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームが生成される。例えば、伝送パケットは、MMT(MPEG Media Transport)パケットである、ようにされてもよい。送信部により、この伝送ストリームが、所定の伝送路を通じて、受信側に送信される。例えば、所定の伝送路は、放送伝送路である、ようにされてもよい。
【0008】
情報挿入部により、第2の伝送パケットに、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、またはこの複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入される。例えば、複数の配信プロトコルは、マルチキャスト配信、MMTP/UDP配信、MMTP/TCP配信、MMTP/HTTP配信およびMPU/HTTP配信のプロトコルから選択される2以上の配信プロトコルである、ようにされてもよい。
【0009】
この場合、例えば、プトコル識別情報がMMTP/UDP配信であることを示すとき、配信プロトコルの情報には、URLの他にUDPを指定するパラメータが含まれる、ようにされてもよい。また、この場合、例えば、プトコル識別情報がMMTP/TCP配信であることを示すとき、配信プロトコルの情報には、URLの他にTCPを指定するパラメータが含まれる、ようにされてもよい。
【0010】
例えば、第2のパケットには、特定コンポーネントの情報が複数配置され、該配置された複数の情報のそれぞれに複数の配信プロトコルのうちの1つの情報が挿入される、ようにされてもよい。また、例えば、第2のパケットには、特定コンポーネントの情報が1つ配置され、この配置された1つの情報に複数の配信プロトコルの情報が挿入される、ようにされてもよい。また、例えば、第2のパケットには、特定コンポーネントの情報が1つ配置され、この配置された1つの情報に、複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入される、ようにされてもよい。
【0011】
このように本技術においては、第2の伝送パケットに、通信経路の特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、またはこの複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入される。そのため、受信側では、自身の配信ネットワーク環境に応じた配信プロトコルで特定コンポーネントを良好に受信可能となる。
【0012】
なお、本技術において、例えば、配信プロトコルの情報には、パケット識別情報がさらに含まれる、ようにされてもよい。この場合、受信側では、伝送ストリームに複数のコンポーネントの伝送パケットが多重化されていても、このパケット識別情報に基づいて特定コンポーネントの伝送パケットを確実に取得可能となる。
【0013】
また、本技術において、例えば、複数の配信プロトコルの情報のそれぞれには、特定コンポーネントと多重化されて配信される他のコンポーネントの情報が付加される、ようにされてもよい。この場合、受信側では、配信される伝送ストリームに特定ンポーネントと共にどのコンポーネントが多重化されているか、あるいは配信される伝送ストリームには特定コンポーネントのみが含まれるかを、容易に認識可能となる。
【0014】
また、本技術において、例えば、複数の配信プロトコルの情報のうち、マルチキャスト配信のプロトコルの情報には、マネージドネットワーク情報が付加される、ようにされてもよい。この場合、受信側では、マルチキャスト配信を受けるためのマネージドネットワークへの接続が可能か否かを容易に判断可能となる。
【0015】
本技術の他の概念は、
所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信部を備え、
上記第2の伝送パケットには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されており、
上記複数の配信プロトコル情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、該選択された配信プロトコルで上記特定コンポーネントを含む第3の伝送パケットを有する伝送ストリームを、ネットワークを通じて受信する通信部をさらに備える
受信装置にある。
【0016】
本技術において、受信部により、所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよびこの所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームが所定の伝送路を通じて受信される。例えば、伝送パケットは、MMTパケットである、ようにされてもよい。また、例えば、所定の伝送路は、放送伝送路である、ようにされてもよい。
【0017】
第2の伝送パケットには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、この特定コンポーネントを取得するための複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されている。複数の配信プロトコルの情報のそれぞれには、少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれている。
【0018】
通信部により、複数の配信プロトコル情報から受信可能な1つの配信プロトコルが選択される。そして、通信部により、選択された配信プロトコルで特定コンポーネントを含む第3の伝送パケットを有する伝送ストリームがネットワークを通じて受信される。
【0019】
このように本技術においては、第2の伝送パケットで提供される特定コンポーネントに関連して複数の配信プロトコルの情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択して配信を受けるものである。そのため、自身の配信ネットワーク環境に応じた配信プロトコルで特定コンポーネントを良好に受信可能となる。
【0020】
なお、本技術において、例えば、配信プロトコルの情報には、パケット識別情報がさらに含まれており、通信部は、受信された第3のパケットを有する伝送ストリームのうち、パケット識別情報に基づいてこの第3の伝送パケットを抽出する、ようにされてもよい。この場合、伝送ストリームに複数のコンポーネントの伝送パケットが多重化されていても、このパケット識別情報に基づいて第3の伝送パケットを確実に取得可能となる。
【0021】
本技術のさらに他の概念は、
所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信部を備え、
上記第2の伝送パケットには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されており、
上記受信部で受信された伝送ストリームを処理する処理部をさらに備える
受信装置にある。
【発明の効果】
【0022】
本技術によれば、放送・通信のハイブリッドサービスを良好に実現できる。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態としての放送・通信ハイブリッドシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】MMT/放送の信号構成例のスタックモデルを示す図である。
【
図3】MMT方式放送ストリームの構成例を示す図である。
【
図4】放送送出システムから受信端末に送信される1つのチャンネル(放送番組)の放送信号のイメージを示す図である。
【
図5】MMTパケットの構成例とMMTPペイロード(MMTP payload)の構成例を示す図である。
【
図6】MMT/通信の信号構成例のスタックモデルを示す図である。
【
図7】MMT配信ネットワーク環境の一例を示す図である。
【
図8】PAメッセージ(Package Access Message)およびMPテーブル(MPT:MMT Package Table)の構成例を概略的に示す図である。
【
図9】PAメッセージの主要なパラメータの説明を示す図である。
【
図10】MPテーブルの主要なパラメータの説明を示す図である。
【
図11】PAメッセージの構造例(Syntax)を示す図である。
【
図12】MPテーブル(MPT)の構造例(Syntax)を示す図である。
【
図13】「MMT_general_location_info()」の構造例(Syntax)の一部を示す図である。
【
図14】通信経路の特定コンポーネント(アセット)に関連して、複数の配信プロトコルの情報が挿入されるMPテーブル(MPT)の記述例を示す図である。
【
図16】通信配信記述子の構造例における主要な情報の内容を示す図である。
【
図17】通信経路の特定コンポーネント(アセット)に関連して、複数の配信プロトコルの情報が挿入されるMPテーブル(MPT)の記述例を示す図である。
【
図19】通信経路の特定コンポーネント(アセット)に関連して、複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されるMPテーブル(MPT)の記述例を示す図である。
【
図20】複数の配信プロトコルの情報が記述されるBDテーブルの構造例および各情報の内容を示す図である。
【
図21】受信端末におけるビュー選択/受信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】(A)マルチキャスト配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合における受信シーケンスを説明するための図である。
【
図23】(B)MMTP/UDP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合における受信シーケンスを説明するための図である。
【
図24】(C)MMTP/TCP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合における受信シーケンスを説明するための図である。
【
図25】(D)MMTP/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合における受信シーケンスを説明するための図である。
【
図26】MMTP/HTTPの多重化ストリームにおける切り出し処理を説明するための図である。
【
図27】(E)MPU/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合における受信シーケンスを説明するための図である。
【
図28】放送送出システムの構成例を示すブロック図である。
【
図29】受信端末の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0025】
<1.実施の形態>
[放送・通信ハイブリッドシステムの構成例]
図1は、放送・通信ハイブリッドシステム10の構成例を示している。放送・通信ハイブリッドシステム10において、送信側には放送送出システム100および配信サーバ300が配置され、受信側には受信端末200が配置されている。配信サーバ300は、通信ネットワーク400を通じて受信端末200に接続される。
【0026】
放送送出システム100は、ビデオ、オーディオなどのコンポーネント(アセット)を伝送メディアとして含むIP(Internet Protocol)方式の放送信号を送信する。配信サーバ300は、ビデオ、オーディオなどのコンポーネント(アセット)を伝送メディアとして含むIPパケットが連続的に配置された伝送ストリームを、例えば、受信側からの要求に応じ、通信ネットワーク400を通じて、受信側に配信する。
【0027】
受信端末200は、放送送出システム100から送られてくるIP方式の放送信号を受信すると共に、配信サーバ300からIPパケットが連続的に配置された伝送ストリームを受信する。受信端末200は、このような放送・通信のハイブリッド伝送による受信信号から、提示すべきビデオ、オーディオなどの伝送メディア(コンポーネント)を取得し、画像、音声などを提示する。
【0028】
IP方式の放送信号には、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、この特定コンポーネントを取得するための複数の配信プロトコルの情報が挿入されている。複数の配信プロトコルの情報のそれぞれには、少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれている。受信端末200は、複数の配信プロトコル情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、その配信プロトコルで特定コンポーネントの配信を受ける。
【0029】
図2は、MMT/放送の信号構成例のスタックモデルを示している。下位レイヤにTLV(Type Length Value)の伝送パケットが存在する。このTLVの伝送パケットの上にIPパケットが載る。なお、伝送制御信号がシグナリング(Signaling)情報として載ったTLV伝送パケットも存在する。
【0030】
IPパケットの上に、UDP(User Datagram Protocol)が載る。そして、UDPの上に、MMT(MPEG Media Transport)パケットが載る。このMMTパケットのペイロード部には、ビデオ、オーディオ等のコンポーネントの符号化データを含むMFU(MMT Fragment Unit)、あるいは伝送メディアに関する情報を含むシグナリングメッセージ(Signaling Message)が含まれる。
【0031】
図3は、MMT方式放送ストリームの構成例を示している。
図3(a)は、ビデオのエレメンタリストリーム(Video ES)を示している。このビデオのエレメンタリストリームは、所定の大きさの固まりに分割され、
図3(b)に示すように、MFUのペイロード部に配置される。
【0032】
図3(c)に示すように、MFUにMMTペイロードヘッダ(MMT payload header)が付加されてMMTPペイロード(MMTP payload)が構成される。そして、
図3(d)に示すように、このMMTPペイロードにさらにMMTヘッダ(MMT header)が付加されて、MMTパケット(MMT packet)が構成される。なお、ペイロード部に、シグナリングメッセージ(Signaling Message)を含むMMTパケットも存在する。
図3(e)に示すように、MMTパケットに、UDPヘッダ、IPヘッダおよびTLVヘッダが付加されて、MMT方式放送ストリームを構成するTLVパケット(TLV packet)が生成される。
【0033】
なお、図示は省略されているが、TLVパケットとしては、さらに、オーディオなどのその他のコンポーネントのMMTパケットを含むTLVパケットも存在する。このMMT方式放送ストリームは、伝送メディア(コンポーネント)を含む第1のパケット(MMTパケット)と、シグナリング情報を含む第2のパケット(MMTパケット)を持つものとなる。
【0034】
図4は、放送送出システム100から受信端末200に送信される1つのチャンネル(放送番組)の放送信号のイメージを示している。この放送信号には、ビデオ、オーディオなどのMMTパケットと共に、シグナリングメッセージを含むMMTパケットも含まれる。シグナリングメッセージとして、例えば、MPテーブル(MP table)などが含まれるPAメッセージ(PA message)が存在する。
【0035】
図5(a)は、MMTパケットの構成例を示している。MMTパケットは、MMTパケットヘッダ(MMTP header)と、MMTPペイロード(MMTP payload)とからなる。「V」の2ビットフィールドは、MMTプロトコルのバージョンを示す。MMT規格第1版に従う場合、このフィールドは“00”とされる。「C」の1ビットフィールドは、パケットカウンタフラグ(packet_counter_flag)情報を示し、パケットカウンタフラグが存在する場合は“1”となる。「FEC」の2ビットフィールドは、FECタイプ(FEC_type)を示す。
【0036】
「X」の1ビットフィールドは、拡張ヘッダフラグ(extension_flag)情報を示し、MMTパケットのヘッダ拡張を行う場合は“1”とされる。この場合、後述する「header_extension」のフィールドが存在する。「R」の1ビットフィールドは、RAPフラグ(RAP_flag)情報を示し、このMMTパケットが伝送するMMTペイロードがランダムアクセスポイントの先頭を含む場合は“1”とされる。
【0037】
「type」の6ビットフィールドは、ペイロードタイプ(payload_type)情報であり、MMTPペイロードのデータタイプを示す。例えば、「0x00」はペイロードがMPU(Media Processing Unit)であることを示し、「0x02」はペイロードがシグナリングメッセージ(Signaling message)であることを示す。
【0038】
「packet_id」の16ビットフィールドは、ペイロードのデータ種類を識別するためのパケット識別子(packet_id)を示す。「timestamp」の32ビットフィールドは、伝送のためのタイプスタンプ、すなわちMMTパケットが送信側から出ていくときの時刻を示す。この時刻は、NTPショートフォーマット(NTP short format)で表される。「packet_sequence_number」の32ビットフィールドは、同一のパケット識別子(packet_id)を持つMMTパケットのシーケンス番号を示す。「packet_counter」の32ビットフィールドは、パケット識別子(packet_id)の値に関係なく、同一のIPデータフローにおけるMMTパケットの順序を示す。
【0039】
上述の「X」の1ビットフラグ情報が「1」であるとき、「packet_counter」の32ビットフィールドの後に、MMT拡張ヘッダである「header_extension」のフィールドが配置される。その後に、MMTPペイロード(MMTP payload)を構成する「payload data」のフィールドおよび「source_FEC_payload_ID」のフィールドが存在する。
【0040】
図5(b)は、上述のMMTパケットの「payload data」のフィールドに配置されるMMTPペイロード(MMTP payload)の構成例(Syntax)を示している。なお、この例は、MMTヘッダの「type」が「0x00」であるMPUモードである場合を示している。最初にヘッダ情報が存在する。「length」の16ビットフィールドは、MMTPペイロード全体のバイトサイズを示す。“FT”の4ビットフィールドは、フィールドタイプを示す。 “0”は「MPU metadata」を含むことを示し、“1”は「Movie Fragment metadata」を含むことを示し、“2”は「MFU」を含むことを示す。
【0041】
ここで、MFU(MMT Fragment Unit)は、MPUが細分化、すなわちフラグメント(Fragment)化されたものである。例えば、ビデオの場合、このMFUを一つのNALユニットに相当するように設定できる。また、例えば、通信ネットワーク伝送路で送る場合、このMFUを一つまたは複数のMTUサイズ(MTU size)で構成することもできる。
【0042】
また、MPUは、ランダムアクセスポイント(RAP:Random Access Pint)から始まるものであり、1つまたは複数のアクセスユニット(AU:Access Unit)を含むものである。具体的には、例えば、1つのGOP(Group Of Picture)のピクチャが、一つのMPUの構成となることがある。このMPUは、アセット別(コンポーネント別)に定義されるものとなっている。したがって、ビデオのアセットからはビデオデータのみを含むビデオのMPUが作成され、オーディオのアセットからはオーディオデータのみを含むオーディオのMPUが作成される。
【0043】
「T」の1ビットフラグ情報は、タイムドメディア(Timed Media)を伝送するか、ノンタイムドメディア(Non-Timed Media)を伝送するかを示す。“1”はタイムドメディアを示し、“0”はノンタイムドメディアを示す。
【0044】
「f_i」の2ビットフィールドは、「DU payload」のフィールドに、整数個のデータユニット(DU:Data Unit)が入っているか、データユニットが断片化されて得られたフラグメント(Fragment)の最初(first)、中間、最後(last)のいずれが入っているかを示す。“0”は整数個のデータユニットが入っていることを示し、“1”は最初のフラグメントが入っていることを示し、“2”は中間のフラグメントが入っていることを示し、“3”は最後のフラグメントが入っていることを示す。
【0045】
「A」の1ビットフラグ情報は、「DU payload」のフィールドに、複数個のデータユニットが入っているか否かを示す。“1”は入っていることを示し、“0”は入っていないことを示す。「frag_counter」の8ビットフィールドは、「f_i」が1~3であるとき、何番目のフラグメントであるかを示す。
【0046】
「MPU_sequence_number」の32ビットフィールドは、MPUの順番を示す番号であり、MPUを識別する情報である。例えば、1つのGOPが1つのMPUを構成する場合、あるGOPの「MPU_sequence_number」が「i」であるとき、次のGOPの「MPU_sequence_number」は「i+1」となる。
【0047】
この「MPU_sequence_number」のフィールドの後に、「DU_length」、「DU_header」、「DU_payload」の各フィールドが配置される。「DU_length」の16ビットフィールドは、上述の「A=0」である場合、つまり「DU payload」のフィールドに複数個のデータユニットが入っていない場合は存在しない。また、「DU_header」のフィールドは、“FT=0/1”である場合、つまり「MPU metadata」や「Movie Fragment metadata」を含む場合は存在しない。
【0048】
図6は、MMT/通信の信号構成例のスタックモデルを示している。MMT/通信による配信オプションとして、(A)マルチキャスト配信、(B)MMTP/UDP配信、(C)MMTP/TCP配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信が考えられる。
【0049】
「(A)マルチキャスト配信」
マルチキャスト配信の場合、下位レイヤにIPパケットが存在する。このIPパケットの上に、UDP(User Datagram Protocol)が載る。そして、UDPの上に、MMT(MPEG Media Transport)パケットが載る。このMMTパケットのペイロード部には、ビデオ、オーディオ等のコンポーネントの符号化データを含むMPUが含まれる。
【0050】
このマルチキャスト配信の場合、放送・通信ハイブリッド利用としては、輻輳対応を考慮すると最も望ましい方式である。また、このマルチキャスト配信の場合、UDP伝送なので、伝送効率はよいが、パケットロスの問題があるので、AL-FEC(Application Layer-Forward Error Correction)を必要とする可能性がある。
【0051】
また、このマルチキャスト配信の場合、マネージドネットワーク(Managed Network)に直接接続されている受信端末のみが利用可能となる。また、このマルチキャスト配信の場合、マルチキャストIPストリームが、複数のアセット(コンポーネント)が多重化されたMMTPストリームを伝送するケースと、単体のアセットのみを含むMMTPストリームを伝送するケースとがある。
【0052】
「(B)MMTP/UDP配信」
MMTP/UDP配信の場合、下位レイヤにIPパケットが存在する。このIPパケットの上に、UDP(User Datagram Protocol)が載る。そして、UDPの上に、MMTパケットが載る。このMMTパケットのペイロード部には、ビデオ、オーディオ等のコンポーネントの符号化データを含むMPUが含まれる。
【0053】
このMMTP/UDP配信の場合、ユニキャスト(Unicast)なので、放送・通信ハイブリッド利用としては、輻輳の問題がある。また、このMMTP/UDP配信の場合、UDP伝送なので、伝送効率はよいが、AL-FECを必要とする可能性がある。また、マルチキャスト配信の場合、トータル遅延や同期の面では、TCPに比べると良好である。
【0054】
また、このMMTP/UDP配信の場合、ユニキャストなので、広く一般のインターネット接続機器で利用可能となり得るが、ルータ設定によってはデフォルトでは利用できない可能性がある。このMMTP/UDP配信の場合、IPストリームが、複数のアセット(コンポーネント)が多重化されたMMTPストリームを伝送するケースと、単体のアセットのみを含むMMTPストリームを伝送するケースとがある。
【0055】
「(C)MMTP/TCP配信」
MMTP/TCP配信の場合、下位レイヤにIPパケットが存在する。このIPパケットの上に、TCP(Transmission Control Protocol)が載る。そして、TCPの上に、MMTパケットが載る。このMMTパケットのペイロード部には、ビデオ、オーディオ等のコンポーネントの符号化データを含むMPUが含まれる。
【0056】
このMMTP/TCP配信の場合、ユニキャストなので、広く一般のインターネット接続機器で利用可能となり得る。また、このMMTP/TCP配信の場合、ユニキャストなので、放送・通信ハイブリッド利用としては、輻輳の問題がある。また、このMMTP/TCP配信の場合、TCP伝送なので効率は犠牲となるが、再送が可能なので、AL-FECは不要となる。
【0057】
また、このMMTP/TCP配信の場合、IPストリームが、複数のアセット(コンポーネント)が多重化されたMMTPストリームを伝送するケースと、単体のアセットのみを含むMMTPストリームを伝送するケースとがある。
【0058】
「(D)MMTP/HTTP配信」
MMTP/HTTP配信の場合、下位レイヤにIPパケットが存在する。このIPパケットの上に、TCPが載る。そして、TCPの上に、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)が載り、さらにその上にMMTパケットが載る。このMMTパケットのペイロード部には、ビデオ、オーディオ等のコンポーネントの符号化データを含むMPUが含まれる。
【0059】
このMMTP/HTTP配信の場合、HTTPなので、広く一般のインターネット接続機器で利用可能となり得る。また、このMMTP/HTTP配信の場合、ユニキャストなので、放送・通信ハイブリッド利用としては、輻輳の問題がある。また、このMMTP/HTTP配信の場合、TCP伝送なので効率は犠牲となるが、再送が可能なので、AL-FECは不要となる。
【0060】
また、このMMTP/HTTP配信の場合、IPストリームが、複数のアセット(コンポーネント)が多重化されたMMTPストリームを伝送するケースと、単体のアセットのみを含むMMTPストリームを伝送するケースとがある。
【0061】
「(E)MPU/HTTP配信」
MPU/HTTP配信の場合、下位レイヤにIPパケットが存在する。このIPパケットの上に、TCPが載る。そして、TCPの上に、HTTPが載り、このHTTPパケットのペイロード部には、ビデオ、オーディオ等のコンポーネントの符号化データを含むMPUが含まれる。
【0062】
このMPU/HTTP配信の場合、HTTPなので、広く一般のインターネット接続機器で利用可能となり得る。また、このMPU/HTTP配信の場合、ユニキャストなので、放送・通信ハイブリッド利用としては、輻輳の問題がある。また、このMPU/HTTP配信の場合、TCP伝送なので効率は犠牲となるが、再送が可能なので、AL-FECは不要となる。
【0063】
また、このMPU/HTTP配信の場合、MMTパケットが介在しないのでMMTP/HTTP配信に比べて伝送効率は良くなるが、逆にMMTPヘッダ等の情報が消失する課題がある。また、このMPU/HTTP配信の場合、受信端末は、HTTPにより、単一のアセット(コンポーネント)の個々のMPUファイルを取得するものとなる。
【0064】
図7は、MMT配信ネットワーク環境の一例を示している。受信端末200a,200b,200cは、それぞれ、ホームルータ(HR)を介してマネージドネットワークMNaのエッジルータ(ER)に接続可能とされている。そのため、これらの受信端末200a,200b,200cは、マネージドネットワークにあるIPアドレスが“a”であるMMT/マルチキャストサーバから(A)マルチキャスト配信のプロトコルで配信を受けることが可能である。
【0065】
また、これらの受信端末200a,200b,200cは、それぞれ、ホームルータHR、マネージドネットワークMNaなどを介してMMTサーバに接続可能とされている。また、これらの受信端末200a,200b,200cが接続されるホームルータ(HR)は、UDPの利用が可能となるように設定されている。そのため、これらの受信端末200a,200b,200cは、MMTサーバから、(B)MMTP/UDP配信、(C)MMTP/TCP配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信のいずれのプロトコルでも配信を受けることが可能である。
【0066】
また、受信端末200g,200h,200iは、それぞれ、ホームルータ(HR)を介してマネージドネットワークMNbのエッジルータ(ER)に接続可能とされている。そのため、これらの受信端末200g,200h,200iは、マネージドネットワークにあるIPアドレスが“b”であるMMT/マルチキャストサーバから(A)マルチキャスト配信のプロトコルで配信を受けることが可能である。
【0067】
また、これらの受信端末200g,200h,200iは、それぞれ、ホームルータHR、マネージドネットワークMNbなどを介してMMTサーバに接続可能とされている。また、これらの受信端末200g,200h,200iが接続されるホームルータ(HR)は、UDPの利用が可能となるように設定されている。そのため、これらの受信端末200g,200h,200iは、MMTサーバから、(B)MMTP/UDP配信、(C)MMTP/TCP配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信のいずれのプロトコルでも配信を受けることが可能である。
【0068】
また、受信端末200dは、ホームルータHRを介してMMTサーバに接続可能とされ、しかも、この受信端末200dが接続されるホームルータ(HR)は、UDPも利用可能に設定されている。そのため、この受信端末200dは、(B)MMTP/UDP配信、(C)MMTP/TCP配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信のいずれのプロトコルでも配信を受けることが可能である。
【0069】
また、受信端末200e,200fは、ホームルータHRを介してMMTサーバに接続可能とされているが、これらの受信端末200e,200fが接続されるホームルータ(HR)は、UDPの利用が可能に設定されていない。そのため、これらの受信端末200e,200fは、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信のいずれかのプロトコルでのみで配信を受けることが可能である。
【0070】
図8は、PAメッセージ(Package Access Message)およびMPテーブル(MPT:MMT Package Table)の構造を概略的に示している。また、
図9は、PAメッセージの主要なパラメータの説明を示し、
図10は、MPテーブルの主要なパラメータの説明を示している。
【0071】
「message_id」は、各種シグナリング情報において、PAメッセージを識別する固定値である。「version」は、PAメッセージのバージョンを示す8ビット整数値である。例えば、MPテーブルを構成する一部のパラメータでも更新した場合には、+1インクリメントされる。「length」は、このフィールドの直後からカウントされる、PAメッセージのサイズを示すバイト数である。
【0072】
「extension」のフィールドには、ペイロード(Payload)のフィールドに配置されるテーブルのインデックス情報が配置される。このフィールドには、「table_id」、「table_version」、「table_length」の各フィールドが、テーブル数だけ配置される。「table_id」は、テーブルを識別する固定値である。「table_version」は、テーブルのバージョンを示す。「table_length」は、テーブルのサイズを示すバイト数である。
【0073】
PAメッセージのペイロード(Payload)のフィールドには、MPテーブル(MPT)と、所定数のその他のテーブル(Other table)が配置される。以下、MPテーブルの構成について説明する。
【0074】
「table_id」は、各種シグナリング情報において、MPテーブルを識別する固定値である。「version」は、MPテーブルのバージョンを示す8ビット整数値である。例えば、MPテーブルを構成する一部のパラメータでも更新した場合には、+1インクリメントされる。「length」は、このフィールドの直後からカウントされる、MPテーブルのサイズを示すバイト数である。
【0075】
「pack_id」は、放送および通信で伝送される全てのアセット(コンポーネント)を構成要素とする全体のパッケージとしての識別情報である。この識別情報は、テキスト情報である。「pack_id_len」は、そのテキスト情報のサイズ(バイト数)を示す。「MPT_descripors」のフィールドは、パッケージ全体に関わる記述子の格納領域である。「MPT_dsc_len」は、そのフィールドのサイズ(バイト数)を示す。
【0076】
「num_of_asset」は、パッケージを構成する要素としてのアセット(コンポーネント)の数を示す。この数分だけ、以下のアセットループが配置される。「asset_id」は、アセットをユニークに識別する情報(アセットID)である。この識別情報は、テキスト情報である。「asset_id_len」は、そのテキスト情報のサイズ(バイト数)を示す。「gen_loc_info」は、アセットの取得先のロケーションを示す情報である。「asset_descriptors」のフィールドは、アセットに関わる記述子の格納領域である。「asset_dsc_len」は、そのフィールドのサイズ(バイト数)を示す。
【0077】
なお、
図11は、上述したPAメッセージの構造例(Syntax)を示している。また、
図12は、上述したMPテーブル(MPT)の構造例(Syntax)を示している。
図8における「gen_loc_info」のフィールドは、
図12における「asset_location」のフィールドに対応し、アセットの取得先のロケーションを示す情報として複数の「MMT_general_location_info()」の配置が可能となっている。また、
図8における「asset_descriptors」のフィールドは、
図12における「asset_descriptors」のフィールドに対応している。
【0078】
図13は、「MMT_general_location_info()」の構造例(Syntax)の一部を示している。「location_type」の8ビットフィールドは、アセットの取得先のロケーションを示す情報(以下、適宜、「ロケーション情報」という)のタイプを示している。上述の(A)マルチキャスト配信のプロトコルで配信されるアセットの場合、「location_type」は“0x01”あるいは“0x02”とされ、ロケーション情報として、ソースアドレス(ipv4_src_addr,ipv6_src_addr」と、デストネーションアドレス(ipv4_dst_addr,ipv6_dst_addr)と、デストネーションポート番号(dst_port)と、パケット識別子(packt_id)が挿入される。この場合、「location_type」により、マルチキャスト配信であることが識別される。
【0079】
また、上述の(B)MMTP/UDP配信、(C)MMTP/TCP配信、(D)MMTP/HTTP配信あるいは(E)MPU/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットである場合、「location_type」は“0x05”とされ、ロケーション情報として、URL(Uniform Resource Locator)が配置される。
【0080】
ここで、(B)MMTP/UDP配信のプロトコルで配信されるアセットである場合、スキーマ(schema)として“rtsp:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、UDPを指定するパラメータとパケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。結局、この場合のURLは、“rtsp:// ~.mmt?pr=udp&pid=1”のように表現される。この場合、「rtsp」と「pr=udp」により、MMTP/UDP配信であることが識別される。
【0081】
また、(C)MMTP/TCP配信のプロトコルで配信されるアセットである場合、スキーマ(schema)として“rtsp:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、TCPを指定するパラメータとパケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。結局、この場合のURLは、“rtsp:// ~.mmt?pr=udp&pid=1”のように表現される。この場合、「rtsp」と「pr=tcp」により、MMTP/TCP配信であることが識別される。
【0082】
また、(D)MMTP/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットである場合、スキーマ(schema)として“http:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、パケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。結局、この場合のURLは、“http:// ~.mmt?pr=pid=1”のように表現される。この場合、「http」と「mmt」により、MMTP/HTTP配信であることが識別される。
【0083】
また、(E)MPU/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットである場合、スキーマ(schema)として“http:// ~.mp4”が指定される。つまり、この場合のURLは、“http:// ~.mp4”のように表現される。この場合、「http」と「mp4」により、MPU/HTTP配信であることが識別される。
【0084】
「複数の配信プロトコルの情報またはその取得情報の挿入」
この実施の形態においては、MPテーブル(MPT)に、通信で伝送されるアセット(コンポーネント)、つまり通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、複数の配信プロトコルの情報、またはこの複数の配信プロトコルの情報を取得すための取得情報が挿入される。複数の配信プロトコルの情報には、それぞれ、少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる。挿入の方式として、例えば、以下の方式1、方式2、方式3が考えられる。
【0085】
「方式1」
方式1の場合、MPテーブル(MPT)には、特定のコンポーネント(アセット)の情報が複数配置され、この配置された複数の情報のそれぞれに複数の配信プトロコルのうちの1つの情報が挿入される。この場合、一個一個のアセットに対して、「MMT_general_location_info()」は1つだけ記述される(
図12参照)。
【0086】
この方式1について、さらに説明する。ここでは、ビデオ、オーディオの信号組が2つあり、一方はメイン信号なので放送で伝送され、他方はメイン信号ではないので通信で伝送される、というユースケースで説明する。また、このユースケースでは、(A)マルチキャスト配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信の3通りのプロトコルで配信できるものとする。
【0087】
図14(a)は、MPテーブル(MPT)の記述例を概略的に示している。「Asset1」のアセット(コンポーネント)は、放送伝送されるビデオ信号(Video1)を示している。「Asset2」のアセット(コンポーネント)は、放送伝送されるオーディオ信号(Audio1)を示している。
【0088】
「Asset3」のアセット(コンポーネント)は、(A)マルチキャスト配信のプロトコルで通信伝送されるビデオ信号(Video2)を示している。このアセットの「MMT_general_location_info()」には、ソースアドレス(ipv4_src_addr,ipv6_src_addr」と、デストネーションアドレス(ipv4_dst_addr,ipv6_dst_addr)と、デストネーションポート番号(dst_port)と、パケット識別子(packt_id)が挿入される。
【0089】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、新規定義する通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される。この記述子には、通信伝送プロトコルタイプ(配信プロトコルタイプ)「type=broadband_delivery_type」と、当該アセットと多重化されて配信される他のアセットの情報「mg=multiplex_group」と、利用可能なマネージドネットワークの情報「ANmap1」が記述される。ここでは、「type」は(A)マルチキャスト配信であることを示すものとされ、「mg」はグループ1を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。
【0090】
図15は、通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)の構造例(Syntax)を示し、
図16は、その構造例における主要な情報の内容(Semantics)を示している。「descriptor_tag」の16ビットフィールドは、記述子タイプを示す。ここでは、通信配信記述子であることを示す。「descriptor_length」の8ビットフィールドは、記述子の長さ(サイズ)を示し、記述子の長さとして、以降のバイト数を示す。
【0091】
「broadband_delivery_type」の3ビットフィールドは、通信伝送プロトコルタイプ(配信プロトコルタイプ)を示す。例えば、“1”は、タイプA(typeA)、つまり(A)マルチキャスト配信であることを示す。“2”は、タイプB(typeB)、つまり(B)MMTP/UDP配信であることを示す。“3”は、タイプC(typeC)、つまり(C)MMTP/TCP配信であることを示す。“4”は、タイプD(typeD)、つまり(D)MMTP/HTTP配信であることを示す。“5”は、タイプE(typeE)、つまり(E)MPU/HTTP配信であることを示す。また、“7”は、BDテーブル(BDT: Broadband_Delivery_Table)で指定されることを示す。
【0092】
「ip_version」の1ビットフィールドは、IPバージョンを示す。例えば、“0”は「IPv4」を示し、“1”は「IPv6」を示す。「multiplex_group」の4ビットフィールドは、多重化ストリームのグループIDを示す。多重化されていない場合は「0」として、多重化されている場合には、1以上の多重化ストリームの識別値を指定する。
【0093】
「additional_network_info()」のフィールドには関連する付加情報が配置される。タイプAの場合は、「available_network_map」の8ビットフィールドとなる。この「available_network_map」の8ビットフィールドは、利用可能なマネージドネットワークのビットマップを示す。この場合、ビット0からビット7までのビットが各キャリアに割り当てられる。
【0094】
図14に戻って、「Asset4」のアセット(コンポーネント)は、(D)MMTP/HTTP配信のプロトコルで通信伝送されるビデオ信号(Video2)を示している。このアセットの「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、パケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。
【0095】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、上述の通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される(
図15参照)。ここでは、「type」は(D)MMTP/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」はグループ2を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。
【0096】
「Asset5」のアセット(コンポーネント)は、(E)MPU/HTTP配信のプロトコルで通信伝送されるビデオ信号(Video2)を示している。このアセットの「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mp4”が指定される。
【0097】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、上述の通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される(
図15参照)。ここでは、「type」は(E)MPU/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」は“0”とされ、多重化されていないことを示すものとされる。これにより、受信側では、
図14(b)に示すように、この「Asset5」は、単独で配信されることがわかる。
【0098】
なお、「Asset3」、「Asset4」、「Asset5」の記述順は、例えば、優先順位を示すものとされる。
【0099】
「Asset6」のアセット(コンポーネント)は、(A)マルチキャスト配信のプロトコルで通信伝送されるオーディオ信号(Audio2)を示している。このアセットの「MMT_general_location_info()」には、ソースアドレス(ipv4_src_addr,ipv6_src_addr」と、デストネーションアドレス(ipv4_dst_addr,ipv6_dst_addr)と、デストネーションポート番号(dst_port)と、パケット識別子(packt_id)が挿入される。
【0100】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、上述の通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される(
図15参照)。ここでは、「type」は(A)マルチキャスト配信であることを示すものとされ、利用可能なマネージドネットワークの情報「ANmap1」も記述される。
【0101】
また、「mg」はグループ1を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。これにより、受信側では、
図14(b)に示すように、この「Asset6」は、上述した「Asset3」と多重化されて配信されることがわかる。受信側では、この多重化ストリームから「Asset3」と「Asset6」の双方を得ることが可能となる。
【0102】
「Asset7」のアセット(コンポーネント)は、(D)MMTP/HTTP配信のプロトコルで通信伝送されるオーディオ信号(Audio2)を示している。このアセットの「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、パケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。
【0103】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、上述の通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される(
図15参照)。ここでは、「type」は(D)MMTP/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」はグループ2を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。これにより、受信側では、
図14(b)に示すように、この「Asset7」は、上述した「Asset4」と多重化されて配信されることがわかる。受信側では、この多重化ストリームから「Asset4」と「Asset7」の双方を得ることが可能となる。
【0104】
「Asset8」のアセット(コンポーネント)は、(E)MPU/HTTP配信のプロトコルで通信伝送されるオーディオ信号(Audio2)を示している。このアセットの「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mp4”が指定される。
【0105】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、上述の通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される(
図15参照)。ここでは、「type」は(E)MPU/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」は“0”とされ、多重化されていないことを示すものとされる。これにより、受信側では、
図14(b)に示すように、この「Asset8」は、単独で配信されることがわかる。
【0106】
なお、「Asset6」、「Asset7」、「Asset8」の記述順は、例えば、優先順位を示すものとされる。
【0107】
「方式2」
方式2の場合、MPテーブル(MPT)には、特定のコンポーネント(アセット)の情報が1つ配置され、この配置された1つの情報に複数の配信プトロコルの情報が挿入される。この場合、一個一個のアセットに対して、「MMT_general_location_info()」は複数記述される(
図12参照)。MPテーブルにおいて、「MMT_general_location_info()」はループになっているので複数の記述が可能である。
【0108】
この方式2について、さらに説明する。ここでは、上述の「方式1」の説明と同様に、ビデオ、オーディオの信号組が2つあり、一方はメイン信号なので放送で伝送され、他方はメイン信号ではないので通信で伝送される、というユースケースで説明する。また、このユースケースでは、(A)マルチキャスト配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信の3通りのプロトコルで配信できるものとする。
【0109】
図17(a)は、MPテーブル(MPT)の記述例を概略的に示している。「Asset1」のアセット(コンポーネント)は、放送伝送されるビデオ信号(Video1)を示している。「Asset2」のアセット(コンポーネント)は、放送伝送されるオーディオ信号(Audio1)を示している。
【0110】
「Asset3」のアセット(コンポーネント)は、通信伝送されるビデオ信号(Video2)を示している。このアセットの「asset_location」のフィールドには「MMT_general_location_info()」が3つ記述される。
【0111】
第1の「MMT_general_location_info()」には、優先順位が最も高い(A)マルチキャスト配信の場合におけるロケーション情報が挿入される。すなわち、この「MMT_general_location_info()」には、ソースアドレス(ipv4_src_addr,ipv6_src_addr」と、デストネーションアドレス(ipv4_dst_addr,ipv6_dst_addr)と、デストネーションポート番号(dst_port)と、パケット識別子(packt_id)が挿入される。
【0112】
第2の「MMT_general_location_info()」には、優先順位が次に高い(D)MMTP/HTTP配信の場合におけるロケーション情報が挿入される。すなわち、この「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、パケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。
【0113】
第3の「MMT_general_location_info()」には、優先順位が最も低い(E)MPU/HTTP配信の場合におけるロケーション情報が挿入される。すなわち、この「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mp4”が指定される。
【0114】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、新規定義する通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される。この記述子には、上述した3つの「MMT_general_location_info()」に対応して、通信伝送プロトコルタイプ(配信プロトコルタイプ)「type=broadband_delivery_type」と、当該アセットと多重化されて配信される他のアセットの情報「mg=multiplex_group」が記述される。なお、「MMT_general_location_info()」に(A)マルチキャスト配信の場合におけるロケーション情報が挿入される場合には、さらに、利用可能なマネージドネットワークの情報「ANmap」も記述される。
【0115】
ここでは、第1の「MMT_general_location_info()」に対応して、「type」は(A)マルチキャスト配信であることを示すものとされ、「mg」はグループ1を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。また、「ANmap」は「ANmap1」とされて、利用可能なマネージドネットワークが示される。
【0116】
また、第2の「MMT_general_location_info()」に対応して、「type」は(D)MMTP/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」はグループ2を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。
【0117】
また、第3の「MMT_general_location_info()」に対応して、「type」は(E)MPU/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」は“0”とされ、多重化されていないことを示すものとされる。これにより、受信側では、
図17(b)に示すように、(E)MPU/HTTP配信の場合、「Asset3」は、単独で配信されることがわかる。
【0118】
図18は、通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)の構造例(Syntax)を示している。「descriptor_tag」の16ビットフィールドは、記述子タイプを示す。ここでは、通信配信記述子であることを示す。「descriptor_length」の8ビットフィールドは、記述子の長さ(サイズ)を示し、記述子の長さとして、以降のバイト数を示す。
【0119】
「number_of_delivery」の8ビットフィールドは、配信可能な配信プロトコルの数を示す。この配信プロトコルの数だけ、「broadband_delivery_type」の3ビットフィールド、「ip_version」の1ビットフィールド、「multiplex_group」の4ビットフィールドおよび「available_network_map」の8ビットフィールドが繰り返される。
【0120】
「broadband_delivery_type」の3ビットフィールドは、通信伝送プロトコルタイプ(配信プロトコルタイプ)を示す(
図16参照)。例えば、“1”は、タイプA(typeA)、つまり(A)マルチキャスト配信であることを示す。“2”は、タイプB(typeB)、つまり(B)MMTP/UDP配信であることを示す。“3”は、タイプC(typeC)、つまり(C)MMTP/TCP配信であることを示す。“4”は、タイプD(typeD)、つまり(D)MMTP/HTTP配信であることを示す。“5”は、タイプE(typeE)、つまり(E)MPU/HTTP配信であることを示す。また、“7”は、BDT(broadband_delivery_Table)で指定されることを示す。
【0121】
「ip_version」の1ビットフィールドは、IPバージョンを示す(
図16参照)。例えば、“0”は「IPv4」を示し、“1”は「IPv6」を示す。「multiplex_group」の4ビットフィールドは、多重化ストリームのグループIDを示す(
図16参照)。多重化されていない場合は「0」として、多重化されている場合には、1以上の多重化ストリームの識別値を指定する。「available_network_map」の8ビットフィールドは、利用可能なマネージドネットワークのビットマップを示す。この場合、ビット0からビット7までのビットが各キャリアに割り当てられる(
図16参照)。
【0122】
なお、「broadband_delivery_type」が“1”とされる(A)マルチキャスト配信である場合を除き、「available_network_map」の8ビットフィールドのビット0からビット7までは全て“0”とされ、このフィールドは実質的に使用されない。
【0123】
「Asset4」のアセット(コンポーネント)は、通信伝送されるオーディオ信号(Audio2)を示している。このアセットの「asset_location」のフィールドには「MMT_general_location_info()」が3つ記述される。
【0124】
第1の「MMT_general_location_info()」には、優先順位が最も高い(A)マルチキャスト配信の場合におけるロケーション情報が挿入される。すなわち、この「MMT_general_location_info()」には、ソースアドレス(ipv4_src_addr,ipv6_src_addr」と、デストネーションアドレス(ipv4_dst_addr,ipv6_dst_addr)と、デストネーションポート番号(dst_port)と、パケット識別子(packt_id)が挿入される。
【0125】
第2の「MMT_general_location_info()」には、優先順位が次に高い(D)MMTP/HTTP配信の場合におけるロケーション情報が挿入される。すなわち、この「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールド(Query Field)により、パケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加される。
【0126】
第3の「MMT_general_location_info()」には、優先順位が最も低い(E)MPU/HTTP配信の場合におけるロケーション情報が挿入される。すなわち、この「MMT_general_location_info()」には、URLが挿入される。この場合、上述したように、スキーマ(schema)として“http:// ~.mp4”が指定される。
【0127】
また、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、上述の通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)が挿入される(
図18参照)。この記述子には、上述した3つの「MMT_general_location_info()」に対応して、通信伝送プロトコルタイプ(配信プロトコルタイプ)「type=broadband_delivery_type」と、当該アセットと多重化されて配信される他のアセットの情報「mg=multiplex_group」が記述される。なお、「MMT_general_location_info()」に(A)マルチキャスト配信の場合におけるロケーション情報が挿入される場合には、さらに、利用可能なマネージドネットワークの情報「ANmap」も記述される。
【0128】
ここでは、第1の「MMT_general_location_info()」に対応して、「type」は(A)マルチキャスト配信であることを示すものとされ、「ANmap」は「ANmap1」とされて、利用可能なマネージドネットワークが示される。また、「mg」はグループ1を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。これにより、受信側では、
図17(b)に示すように、(A)マルチキャスト配信の場合、「Asset4」は、上述した「Asset3」と多重化されて配信されることがわかる。受信側では、この多重化ストリームから「Asset3」と「Asset4」の双方を得ることが可能となる。
【0129】
また、第2の「MMT_general_location_info()」に対応して、「type」は(D)MMTP/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」はグループ2を構成する他のアセットと多重化されて配信されることを示すものとされる。これにより、受信側では、
図17(b)に示すように、(D)MMTP/HTTP配信の場合、「Asset4」は、上述した「Asset3」と多重化されて配信されることがわかる。受信側では、この多重化ストリームから「Asset3」と「Asset4」の双方を得ることが可能となる。
【0130】
また、第3の「MMT_general_location_info()」に対応して、「type」は(E)MPU/HTTP配信であることを示すものとされ、「mg」は“0”とされ、多重化されていないことを示すものとされる。これにより、受信側では、
図17(b)に示すように、(E)MPU/HTTP配信の場合、「Asset4」は、単独で配信されることがわかる。
【0131】
「方式3」
方式3の場合、MPテーブル(MPT)には、特定のコンポーネント(アセット)の情報が1つ配置され、この配置された1つの情報に複数の配信プトロコルの情報を取得するための取得情報が挿入される。この場合、一個一個のアセットに対して、「MMT_general_location_info()」は1つだけ記述される(
図12参照)。
【0132】
この方式3について、さらに説明する。ここでは、上述の「方式1」、「方式2」の説明と同様に、ビデオ、オーディオの信号組が2つあり、一方はメイン信号なので放送で伝送され、他方はメイン信号ではないので通信で伝送される、というユースケースで説明する。また、このユースケースでは、(A)マルチキャスト配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信の3通りのプロトコルで配信できるものとする。
【0133】
図19(a)は、MPテーブル(MPT)の記述例を概略的に示している。「Asset1」のアセット(コンポーネント)は、放送伝送されるビデオ信号(Video1)を示している。「Asset2」のアセット(コンポーネント)は、放送伝送されるオーディオ信号(Audio1)を示している。
【0134】
「Asset3」のアセット(コンポーネント)は、通信伝送されるビデオ信号(Video2)を示している。このアセットの「asset_location」のフィールドには「MMT_general_location_info()」が1つ記述される。この「MMT_general_location_info()」には、この「Asset3」に関する複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報として、例えばURLが挿入される。受信側では、このURLを参照して、通信ネットワークを介して、複数の配信プロトコルの情報を含むメタファイルとしてのBDテーブル(BDT: Broadband Delivery Table)を取得する(
図19(b)参照)。
【0135】
このBDテーブルには、(A)マルチキャスト配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信の3通りのプロトコルのそれぞれに対応した配信プロトコルの情報であるBDインフォメーション(BDI: Broadband Delivery Information)が含まれている。各プロトコルに対応したBDインフォメーションの内容は、例えば、上述の「方式2」において、「Asset3」の「MMT_general_location_info()」および通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)に挿入される情報の内容と実質的に同じである。
【0136】
なお、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、例えば、上述の「方式1」における通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)(
図15参照)が挿入され、「type=broadband_delivery_type」が“7”に設定され、複数の配信プロトコルの情報がBDテーブルで指定されることが示される。
【0137】
図20は、BDテーブルの構造例(Syntax)および各情報の内容(Semantics)を示している。このBDテーブルはXMLフォーマットで記載されている。「@version」の情報は、本テーブルのバージョン番号である。「BDI」は、通信の配信オプションとなるBDインフォメーションのアイテムであり、所定個数だけ出現する。ここでは、(A)マルチキャスト配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信の3通りのプロトコルで配信できる想定であるので、3つ出現する。なお、この記述順が優先順位を示すものとされる。
【0138】
「BDI」には、「@delivery_type」および「@multiplex_group」が含まれる。「@delivery_type」は、通信のプロトコルタイプであり、
図18の通信配信記述子における「broadband_delivery_type」に相当する。「@multiplex_group」は、多重化ストリームのグループIDであり、
図18の通信配信記述子における「multiplex_group」に相当する。多重化されていない場合には、この記述が出現しないか、多重化されていないことを示すグループIDが記述される。
【0139】
また、「BDI」には、「MC_info」および「location_url」が含まれる。「MC_info」および「location_url」はいずれもロケーション情報の項目である。例えば、上述の「方式1」、「方式2」では「MMT_general_location_info()」に挿入される情報の項目である。「MC_info」はマルチキャスト情報であり、「location_url」はユニキャストロケーション情報であり、いずれかが出現する。「@delivery_type」に通信のプロトコルタイプとしてマルチキャスト配信が記述される場合には「MC_info」が出現し、その他の場合には「location_url」が出現する。
【0140】
「MC_info」には、「@sourceIPAddress」、「@destinationIPAddress」、「@portNumber」、「@pid」、「ManagedNetworkName」が含まれる。「@sourceIPAddress」は、マルチキャストのソースIPアドレスである。「@destinationIPAddress」は、マルチキャストのデストネーションIPアドレスである。「@portNumber」は、マルチキャストのポート番号である。「@pid」はマルチキャストのMMTパケットのPIDである。「ManagedNetworkName」は、マルチキャストアドレスで配信されるマネージドネットワークの名である。「location_url」には、「@url」が含まれる。「@url」は、配信URLである。
【0141】
図19に戻って、「Asset4」のアセット(コンポーネント)は、通信伝送されるオーディオ信号(Audio2)を示している。このアセットの「asset_location」のフィールドには「MMT_general_location_info()」が1つ記述される。この「MMT_general_location_info()」には、この「Asset4」に関する複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報として、例えばURLが挿入される。受信側では、このURLを参照して、通信ネットワークを介して、複数の配信プロトコルの情報を含むメタファイルとしてのBDテーブル(BDT: Broadband Delivery Table)を取得する(
図19(b)参照)。
【0142】
このBDテーブルには、(A)マルチキャスト配信、(D)MMTP/HTTP配信、(E)MPU/HTTP配信の3通りのプロトコルのそれぞれに対応した配信プロトコルの情報であるBDインフォメーション(BDI: Broadband Delivery Information)が含まれている。各プロトコルに対応したBDインフォメーションの内容は、例えば、上述の「方式2」において、「Asset4」の「MMT_general_location_info()」および通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)に挿入される情報の内容と実質的に同じである。
【0143】
なお、このアセットの「asset_descriptors」のフィールドに、例えば、上述の「方式1」における通信配信記述子(broadband_delivery_descriptor)(
図15参照)が挿入され、「type=broadband_delivery_type」が“7”に設定され、複数の配信プロトコルの情報がBDテーブルで指定されることが示される。
【0144】
この方式3においても、BDテーブルの「@multiplex_group」の記述により、受信側では、
図19(c)に示すような「Asset3」と「Asset4」の多重化関係を容易に認識可能となる。すなわち、(E)MPU/HTTP配信の場合、「Asset3」、「Asset4」のそれぞれは単独で配信されることがわかる。また、(A)マルチキャスト配信の場合、「Asset3」と「「Asset4」は多重化されて配信されることがわかる。また、(D)MMTP/HTTP配信の場合、「Asset3」と「「Asset4」は多重化されて配信されることがわかる。
【0145】
[受信端末における通信経路のコンポーネント(アセット)の取得処理]
次に、受信端末200における通信経路の特定コンポーネント(アセット)の取得処理について説明する。受信端末200は、放送信号から取得されたMPテーブル(MPT)に記述される複数の配信プロトコル情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、この配信プロトコルで特定コンポーネントを受信する。
【0146】
図21のフローチャートは、受信端末200におけるビュー選択/受信処理の一例を示している。受信端末200は、ステップST1において、ビュー選択/受信処理を開始する。その後、受信端末200は、ステップST2で視聴者が特定のビューを選択したとき、ステップST3の処理に移る。
【0147】
ステップST3において、受信端末200は、選択されたビューに対応するコンポーネントを通信経路で取得すべきものか放送経路で取得すべきものかを判断する。放送経路で取得するものであった場合には、受信端末200は、当該コンポーネントを放送信号から取得する。一方、通信経路で取得するものであった場合、受信端末200は、ステップST4の処理に移る。
【0148】
ステップST4において、受信端末200は、マルチキャスト配信(マルチキャストオプション)の選択が可能か否かを判断する。受信端末200は、この判断を、MPテーブル(MPT)に記述されている複数の配信プロトコルの情報に基づいて行う。マルチキャスト配信の選択が可能であるとき、受信端末200は、ステップST5において、該当マネージドネットワークに接続されているか否かを判断する。該当マネージドネットワークに接続されているとき、受信端末200は、配信プロトコルとしてマルチキャスト配信を選択し、ステップST9の処理に移る。
【0149】
ステップST4でマルチキャストオプションが可能でないとき、あるいはステップST5で該当マネージドネットワークに接続されていないとき、受信端末200は、ステップST6の処理に移る。このステップST6において、受信端末200は、マルチキャスト配信以外の他の配信プロトコル(他のオプション)の選択が可能か否かを判断する。受信端末200は、この判断を、MPテーブル(MPT)に記述されている複数の配信プロトコルの情報に基づいて行う。
【0150】
他の配信プロトコルの選択が可能であるとき、受信端末200は、ステップST7において、当該他の配信プロトコルに対応可能か否かを判断する。対応可能であるとき、受信端末200は、配信プロトコルとして当該他の配信プロトコルを選択し、ステップST9の処理に移る。この場合、受信端末200は、自身が対応可能な配信プロトコルが複数ある場合には、最も優先度の高い配信プロトコルを選択する。
【0151】
ステップST6で他の配信プロトコルの選択が可能でないとき、あるいはステップST7で自身が当該他の配信プロトコルに対応可能でないとき、受信端末200は、ステップST8において、エラー終了をする。
【0152】
ステップST9において、受信端末200は、マルチキャスト配信、あるいは他の配信プロトコルで受信されるストリームが、該当コンポーネント以外のコンポーネントをも含む多重化ストリームであるか否かを判断する。多重化ストリームであるときは、ステップST10において、取得先からストリームを受信し、ステップST11において、処理を終了する。
【0153】
多重化ストリームでないとき、受信端末200は、ステップST12において、取得先からストリームを受信し、その後にステップST13の処理に移る。このステップST13において、受信端末200は、ビュー構成コンポーネントの受信を完了したか否かを判断する。完了していないとき、受信端末200は、ステップST4の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、完了したとき、受信端末200は、ステップST14において、処理を終了する。
【0154】
なお、上述のビュー選択/受信処理は、多重化ストリームには、ビュー構成コンポーネントが全て含まれるものと想定している。例えば、ビュー構成コンポーネントは、ビデオおよびオーディオのコンポーネントで構成される場合である。
【0155】
[受信シーケンス]
次に、受信端末200における受信シーケンスについて説明する。最初に、
図22を参照して、(A)マルチキャスト配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合について述べる。マルチキャスト配信の場合、マルチキャストサーバ(MCサーバ)が存在する。
【0156】
受信端末200は、放送信号を受信し、MPテーブル(MPT)を取得する。受信端末200は、このMPテーブルから、マルチキャスト配信のプロトコルで配信されるアセットのロケーション情報を得る。この場合のロケーション情報は、ソースアドレスと、デストネーションアドレスと、デストネーションポート番号と、パケット識別子である。この場合、受信端末200は、ロケーションタイプからマルチキャスト配信であることを識別できる。
【0157】
この場合、受信端末200は、ロケーション情報に含まれているマルチキャストアドレスとポート番号を付加したジョインメッセージ(JOIN message)をエッジルータに送信する。このジョインメッセージの送信に伴って、マルチキャストサーバからのマルチキャストIPストリームが、エッジフィルタを介して、受信端末200に送られてくる。
【0158】
受信端末200では、このマルチキャストIPストリームから、ロケーション情報に含まれているパケット識別子(Packet_id)でフィルタリングすることで、目的のアセット(コンポーネント)を取ることができる。この受信状態を抜けるとき、受信端末200は、マルチキャストアドレスとポート番号を付加したリーブメッセージ(LEAVE message)をエッジルータに送信する。
【0159】
次に、
図23を参照して、(B)MMTP/UDP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合について述べる。このMMTP/UDP配信の場合、RTSP(Real Time Streaming Protocol)のプロトコルを使用する。このMMTP/UDP配信の場合、RTSPサーバおよびMMTP/UDPサーバが存在する。これらのサーバは別個の機器として存在するか、あるいは同一の機器として存在する。図示の例では、同一の機器として存在する場合を示している。
【0160】
受信端末200は、放送信号を受信し、MPテーブル(MPT)を取得する。受信端末200は、このMPテーブルから、MMTP/UDP配信のプロトコルで配信されるアセットのロケーション情報を得る。この場合のロケーション情報は、URLであり、スキーマとして“rtsp:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールドにより、UDPを指定するパラメータとパケット識別子を指定するパラメータが付加されている。この場合、受信端末200は、「rtsp」と「pr=udp」により、MMTP/UDP配信であることを識別できる。
【0161】
受信端末200は、“SETUP”のRTSPリクエストを送る。この際、受信端末200は、RTSPのヘッダに、ロケーション情報を挿入する。この場合、ロケーション情報として、MPテーブルから取得されたロケーション情報の全てが挿入されるか、あるいはパケット識別子を指定するパラメータが除かれて挿入される。このRTSPリクエストは目的のサーバに送られ、当該サーバから“OK”のレスポンスが送られてくる。
【0162】
その後、受信端末200は、“PLAY”のRTSPリクエストを送る。これに対して目的のサーバから“OK”のレスポンスが送られてくる。これと同時に、MMTP/UDPサーバから伝送ストリームが受信端末200に送られてくる。受信端末200では、このストリームから、ロケーション情報に含まれているパケット識別子(Packet_id)でフィルタリングすることで、目的のアセット(コンポーネント)を取ることができる。この受信状態を抜けるとき、受信端末200は、“TEARDOWN”のRTSPリクエストを送る。これに対してサーバから“OK”のレスポンスが送られてくる。
【0163】
次に、
図24を参照して、(C)MMTP/TCP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合について述べる。このMMTP/TCP配信の場合も、RTSP(Real Time Streaming Protocol)のプロトコルを使用する。このMMTP/TCP配信の場合、RTSPサーバおよびMMTP/TCPサーバが存在する。これらのサーバは別個の機器として存在するか、あるいは同一の機器として存在する。図示の例では、同一の機器として存在する場合を示している。
【0164】
受信端末200は、放送信号を受信し、MPテーブル(MPT)を取得する。受信端末200は、このMPテーブルから、MMTP/TCP配信のプロトコルで配信されるアセットのロケーション情報を得る。この場合のロケーション情報は、URLであり、スキーマとして“rtsp:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールドにより、TCPを指定するパラメータとパケット識別子を指定するパラメータが付加されている。この場合、受信端末200は、「rtsp」と「pr=tcp」により、MMTP/TCP配信であることを識別できる。
【0165】
受信端末200は、“SETUP”のRTSPリクエストを送る。この際、受信端末200は、RTSPのヘッダに、ロケーション情報を挿入する。この場合、ロケーション情報として、MPテーブルから取得されたロケーション情報の全てが挿入されるか、あるいはパケット識別子を指定するパラメータが除かれて挿入される。このRTSPリクエストは目的のサーバに送られ、当該サーバから“OK”のレスポンスが送られてくる。
【0166】
その後、受信端末200は、“PLAY”のRTSPリクエストを送る。これに対して目的のサーバから“OK”のレスポンスが送られてくる。これと同時に、MMTP/TCPサーバから伝送ストリームが受信端末200に送られてくる。受信端末200では、このストリームから、ロケーション情報に含まれているパケット識別子(Packet_id)でフィルタリングすることで、目的のアセット(コンポーネント)を取ることができる。この受信状態を抜けるとき、受信端末200は、“TEARDOWN”のRTSPリクエストを送る。これに対してサーバから“OK”のレスポンスが送られてくる。
【0167】
次に、
図25を参照して、(D)MMTP/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合について述べる。このMMTP/HTTP配信の場合、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)のプロトコルを使用する。このMMTP/HTTP配信の場合、HTTPサーバが存在する。
【0168】
受信端末200は、放送信号を受信し、MPテーブル(MPT)を取得する。受信端末200は、このMPテーブルから、MMTP/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットのロケーション情報を得る。この場合のロケーション情報は、URLであり、スキーマとして“http:// ~.mmt”が指定され、さらにクエリフィールドにより、パケット識別子(packet_id)を指定するパラメータが付加されている。受信端末200は、「http」と「mmt」により、MMTP/HTTP配信であることを識別できる。
【0169】
受信端末200は、HTTPリクエストをHTTPサーバに送る。この際、受信端末200は、HTTPのヘッダに、ロケーション情報を挿入する。この場合、ロケーション情報として、MPテーブルから取得されたロケーション情報に含まれる“http:// ~.mmt”が挿入されると共に、さらにクエリフィールドにより、パケット識別子を指定するパラメータ“pid=a”と、MPUシーケンス番号を指定するパラメータ“msn=*”が付加される。パラメータ“msn=*”は、「そのタイミングのMPUシーケンス番号を持ったMPUを送って下さい」という指定になる。
【0170】
このHTTPリクエストは目的のHTTPサーバに送られ、当該HTTPサーバから、HTTPレスポンスとして、HTTPリクエストを送ったタイミングのMPUシーケンス番号(=10)を持ったMPUを含むMMTPストリームが受信端末200に送られてくる。受信端末200では、このMMTPストリームから、ロケーション情報に含まれているパケット識別子(Packet_id)でフィルタリングすることで、目的のアセット(コンポーネント)を取る。
【0171】
受信端末200は、MMTPストリームの受信完了後に、あるいは受信完了前に、次のMPUシーケンス番号(=11)のMPUを要求するHTTPリクエストをHTTPサーバに送る。そして、当該HTTPサーバから、HTTPレスポンスとして、次のMPUシーケンス番号(=11)のMPUを含むMMTPストリームが受信端末200に送られてくる。受信端末200は、このMMTPストリームから、ロケーション情報に含まれているパケット識別子(Packet_id)でフィルタリングすることで、目的のアセット(コンポーネント)を取ることができる。
【0172】
以下、同様にして、受信端末200は、次のMPUシーケンス番号のMPUを要求するHTTPリクエストをHTTPサーバに送り、当該HTTPサーバから、HTTPレスポンスとして、次のMPUシーケンス番号のMPUを含むMMTPストリームを受信し、そのMMTPストリームから目的のアセット(コンポーネント)を取る。
【0173】
なお、HTTPリクエストの際に、HTTPヘッダに含まれるパラメータ“pid=a”は、ビデオ、オーディオなどのアセットの種類の指定となる。MMTPストリームにビデオおよびオーディオが多重化されていることがある。その場合、MPUシーケンス番号は、ビデオはビデオのMPUシーケンス番号を持ち、オーディオはオーディオのMPUシーケンス番号を持つ。MPUシーケンス番号を指定したとしても、パラメータ“pid=a”がないと、どちらのアセット(コンポーネント)のMPUシーケンス番号か分からないことになる。
【0174】
図26は、MMTP/HTTPの多重化ストリームにおける切り出し処理を示している。パラメータ“pid=a”がビデオを示し、MPUシーケンス番号がnのMPUを要求するHTTPリクエストを受け取ったHTTPサーバは、多重化ストリームから、ビデオのMPUシーケンス番号のn-1からnへの切り換わりからnからn+1への切り換わりまでを切り取って、受信端末200に送る。
【0175】
なお、この場合、同じ多重化ストリームからオーディオも取りたいことがある。この場合、受信端末200は、ロケーション情報から、オーディオはビデオと多重化されていることを認識できる。受信端末200は、ビデオのMPUシーケンス番号で切り出されたMMTPストリームから、ロケーション情報に含まれているパケット識別子(Packet_id)でフィルタリングすることで目的のオーディオを取り出す処理をする。
【0176】
次に、
図27を参照して、(E)MPU/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットを受信する場合について述べる。このMPU/HTTP配信の場合、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)のプロトコルを使用する。このMPU/HTTP配信の場合、HTTPサーバが存在する。
【0177】
受信端末200は、放送信号を受信し、MPテーブル(MPT)を取得する。受信端末200は、このMPテーブルから、MPU/HTTP配信のプロトコルで配信されるアセットのロケーション情報を得る。この場合のロケーション情報は、URLであり、スキーマとして“http:// ~.mp4”が指定される。受信端末200は、「http」と「mp4」により、MPU/HTTP配信であることを識別できる。
【0178】
受信端末200は、HTTPリクエストをHTTPサーバに送る。この際、受信端末200は、HTTPのヘッダに、ロケーション情報を挿入する。この場合、ロケーション情報として、MPテーブルから取得されたロケーション情報に含まれる“http:// ~.mp4”が挿入されると共に、さらにクエリフィールドにより、MPUシーケンス番号を指定するパラメータ“msn=*”が付加される。パラメータ“msn=*”は、「そのタイミングのMPUを送って下さい」という指定になる。
【0179】
このHTTPリクエストは目的のHTTPサーバに送られ、当該HTTPサーバから、HTTPレスポンスとして、HTTPリクエストを送ったタイミングのMPUシーケンス番号(=10)を持ったMPUが受信端末200に送られてくる。
【0180】
受信端末200は、MPUの受信完了後に、あるいは受信完了前に、次のMPUシーケンス番号(=11)のMPUを要求するHTTPリクエストをHTTPサーバに送る。そして、当該HTTPサーバから、HTTPレスポンスとして、次のMPUシーケンス番号(=11)のMPUが受信端末200に送られてくる。
【0181】
以下、同様にして、受信端末200は、次のMPUシーケンス番号のMPUを要求するHTTPリクエストをHTTPサーバに送り、当該HTTPサーバから、HTTPレスポンスとして、次のMPUシーケンス番号のMPUを受信する。
【0182】
[放送送出システムの構成]
図28は、放送送出システム100の構成例を示している。この放送送出システム100は、信号送出部101と、ビデオエンコーダ102と、オーディオエンコーダ103と、シグナリング発生部104を有している。また、この放送送出システム100は、TLVシグナリング発生部105と、N個のIPサービス・マルチプレクサ106-1~106-Nと、TLV・マルチプレクサ107と、変調/送信部108を有している。
【0183】
信号送出部101は、例えば、TV局のスタジオとか、VTR等の記録再生機であり、ビデオ、オーディオのストリームデータを各エンコーダに送出する。ビデオエンコーダ102は、信号送出部101から送出されるビデオデータを符号化し、さらにパケット化して、ビデオのMMTパケットを含むIPパケットをIPサービス・マルチプレクサ106-1に送る。オーディオエンコーダ103は、信号送出部101から送出されるオーディオデータを符号化し、さらにパケット化して、オーディオのMMTパケットを含むIPパケットをIPサービス・マルチプレクサ106-1に送る。
【0184】
シグナリング発生部104は、シグナリングメッセージを発生し、ペイロード部にこのシグナリングメッセージが配置されたMMTパケットを含むIPパケットをIPサービス・マルチプレクサ106-1に送る。この場合、シグナリング発生部104は、PAメッセージに、MPテーブル(MPT)を配置する(
図12~
図13参照)。このMPテーブルには、上述したように、放送および通信で伝送される全てのアセット(コンポーネント)の情報が含まれる。この情報には、各アセットのロケーション情報も含まれている。
【0185】
IPサービス・マルチプレクサ106-1は、各エンコーダから送られてくるIPパケットの時分割多重化を行う。この際、IPサービス・マルチプレクサ106-1は、各IPパケットにTLVヘッダを付加して、TLVパケットとする。IPサービス・マルチプレクサ106-1は、一つのトランスポンダの中にいれる一つのチャネル部分を構成する。IPサービス・マルチプレクサ106-2~106-Nは、IPサービス・マルチプレクサ106-1と同様の機能を持ち、その1つのトランスポンダの中に入れる他のチャネル部分を構成する。
【0186】
TLVシグナリング発生部105は、シグナリング(Signaling)情報を発生し、このシグナリング(Signaling)情報をペイロード部に配置するTLVパケットを生成する。TLV・マルチプレクサ107は、IPサービス・マルチプレクサ106-1~106-NおよびTLVシグナリング発生部105で生成されるTLVパケットを多重化して、放送ストリームを生成する。変調/送信部108は、TLV・マルチプレクサ107で生成される放送ストリームに対して、RF変調処理を行って、RF伝送路に送出する。
【0187】
図28に示す放送送出システム100の動作を簡単に説明する。信号送出部101から送出されるビデオデータは、ビデオエンコーダ102に供給される。このビデオエンコーダ102では、ビデオデータが符号化され、さらにパケット化されて、ビデオのMMTパケットを含むIPパケットが生成される。このIPパケットは、IPサービス・マルチプレクサ106-1に送られる。また、信号送出部101から送出されるオーディオデータに対しても同様の処理が行われる。そして、オーディオエンコーダ103で生成されるオーディオのMMTパケットを含むIPパケットがIPサービス・マルチプレクサ106-1に送られる。
【0188】
また、シグナリング発生部104では、シグナリングメッセージが発生され、ペイロード部にこのシグナリングメッセージが配置されたMMTパケットを含むIPパケットが生成される。このIPパケットは、IPサービス・マルチプレクサ106-1に送られる。この際、PAメッセージに、MPテーブル(MPT)が配置される。
【0189】
IPサービス・マルチプレクサ106-1では、各エンコーダおよびシグナリング発生部104から送られてくるIPパケットの時分割多重化が行われる。この際、各IPパケットにTLVヘッダが付加されて、TLVパケットとされる。このIPサービス・マルチプレクサ106-1では、一つのトランスポンダの中に入れる1つのチャネル部分の処理が行われ、IPサービス・マルチプレクサ106-2~106-Nでは、その一つのトランスポンダの中に入れる他のチャネル部分の処理が同様に行われる。
【0190】
IPサービス・マルチプレクサ106-1~106-Nで得られるTLVパケットは、TLV・マルチプレクサ107に送られる。このTLV・マルチプレクサ107には、さらに、TLVシグナリング発生部105から、シグナリング(Signaling)情報をペイロード部に配置するTLVパケットも送られる。
【0191】
TLV・マルチプレクサ107では、IPサービス・マルチプレクサ106-1~106-NおよびTLVシグナリング発生部105で生成されるTLVパケットが多重化されて、放送ストリームが生成される。この放送ストリームは、変調/送信部108に送られる。変調/送信部108では、この放送ストリームに対してRF変調処理が行われ、そのRF変調信号が放送信号としてRF伝送路に送出される。
【0192】
[受信端末の構成]
図29は、受信端末200の構成例を示している。この受信端末200は、CPU201と、チューナ/復調部202と、ネットワークインタフェース部203と、デマルチプレクサ204を有している。また、この受信端末200は、ビデオデコーダ205と、オーディオデコーダ206を有している。
【0193】
CPU201は、制御部を構成し、受信端末200の各部の動作を制御する。チューナ/復調部202は、RF変調信号を受信し、復調処理を行って、放送ストリームを得る。ネットワークインタフェース部203は、配信サーバ300から通信ネットワーク400を介して配信されるサービスの伝送ストリームを受信する。
【0194】
デマルチプレクサ204は、チューナ/復調部202で得られる放送ストリームおよびネットワークインタフェース部203で得られる伝送ストリームに対して、デマルチプレクス処理およびデパケット化処理を行って、シグナリング情報、ビデオ、オーディオの符号化データなどを出力する。
【0195】
ビデオデコーダ205は、デマルチプレクサ204で得られる符号化ビデオデータの復号化を行ってベースバンドのビデオデータを得る。オーディオデコーダ206は、デマルチプレクサ204で得られる符号化オーディオデータの復号化を行ってベースバンドのオーディオデータを得る。
【0196】
図29に示す受信端末200の動作を簡単に説明する。チューナ/復調部202では、RF伝送路を通じて送られてくるRF変調信号が受信され、復調処理が行われて、放送ストリームが得られる。この放送ストリームは、デマルチプレクサ204に送られる。また、ネットワークインタフェース部203では、配信サーバ300から通信ネットワーク400を介して配信されるサービスの伝送ストリームが受信され、デマルチプレクサ204に送られる。
【0197】
デマルチプレクサ204では、チューナ/復調部202からの放送ストリームやネットワークインタフェース部203からの伝送ストリームに対して、デマルチプレクス処理およびデパケット化処理が行われ、シグナリング情報、ビデオ、オーディオの符号化データなどが抽出される。
【0198】
デマルチプレクサ204で抽出される各種のシグナリング情報はCPUバス207を介してCPU201に送られる。このシグナリング情報には、TLV-SI、MMT-SIが含まれる。上述したように、TLV-SIはTLVの伝送パケットの上に載る伝送制御信号(TLV-NIT/AMT)であり、MMT-SIはMMTパケットのペイロード部に含まれるシグナリング情報としてのシグナリングメッセージである(
図2参照)。CPU201は、このシグナリング情報に基づいて、受信端末200の各部の動作を制御する。
【0199】
デマルチプレクサ204で抽出される符号化ビデオデータはビデオデコーダ205に送られて復号化され、ベースバンドのビデオデータが得られる。また、デマルチプレクサ204で抽出される符号化オーディオデータはオーディオデコーダ206に送られて復号化され、音声出力用のベースバンドのオーディオデータが得られる。
【0200】
上述したように、
図1に示す放送・通信ハイブリッドシステム10においては、通信経路のアセット(コンポーネント)に関し、MPテーブルに、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、またはこの複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入される。そのため、受信側では、自身の配信ネットワーク環境に応じた配信プロトコルでコンポーネントを良好に受信可能となる。
【0201】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態では、伝送パケットがMMTパケットである例を示した。本技術は、これに限定されるものではなく、その他の同様の伝送パケットを取り扱う場合にも、本技術を適用できることは勿論である。
【0202】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを生成する伝送ストリーム生成部と、
上記伝送ストリームを所定の伝送路を通じて送信する送信部と、
上記第2の伝送パケットに、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報を挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
(2)上記複数の配信プロトコルは、マルチキャスト配信、MMTP/UDP配信、MMTP/TCP配信、MMTP/HTTP配信およびMPU/HTTP配信のプロトコルから選択される2以上の配信プロトコルである
前記(1)に記載の送信装置。
(3)上記プトコル識別情報が上記MMTP/UDP配信であることを示すとき、上記配信プロトコルの情報には、URLの他にUDPを指定するパラメータが含まれる
前記(2)に記載の送信装置。
(4)上記プトコル識別情報が上記MMTP/TCP配信であることを示すとき、上記配信プロトコルの情報には、URLの他にTCPを指定するパラメータが含まれる
前記(2)に記載の送信装置。
(5)上記配信プロトコルの情報には、パケット識別情報がさらに含まれる
前記(1)から(4)のいずれかに記載の送信装置。
(6)上記伝送パケットは、MMTパケットである
前記(1)から(5)のいずれかに記載の送信装置。
(7)上記所定の伝送路は、放送伝送路である
前記(1)から(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8)上記第2のパケットには、上記特定コンポーネントの情報が複数配置され、該配置された複数の情報のそれぞれに上記複数の配信プロトコルのうちの1つの情報が挿入される
前記(1)から(7)のいずれかに記載の送信装置。
(9)上記第2のパケットには、上記特定コンポーネントの情報が1つ配置され、該配置された1つの情報に上記複数の配信プロトコルの情報が挿入される
前記(1)から(7)のいずれかに記載の送信装置。
(10)上記第2のパケットには、上記特定コンポーネントの情報が1つ配置され、該配置された1つの情報に、上記複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入される
前記(1)から(7)のいずれかに記載の送信装置。
(11)上記複数の配信プロトコルの情報のそれぞれには、上記特定コンポーネントと多重化されて配信される他のコンポーネントの情報が付加される
前記(1)から(10)のいずれかに記載の送信装置。
(12)上記複数の配信プロトコルの情報のうち、マルチキャスト配信のプロトコルの情報には、マネージドネットワーク情報が付加される
前記(1)から(11)のいずれかに記載の送信装置。
(13)所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを生成する伝送ストリーム生成ステップと、
送信部により、上記伝送ストリームを所定の伝送路を通じて送信する送信ステップと、
上記第2の伝送パケットに、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報を挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
(14)所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信部を備え、
上記第2の伝送パケットには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されており、
上記複数の配信プロトコル情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、該選択された配信プロトコルで上記特定コンポーネントを含む第3の伝送パケットを有する伝送ストリームを、ネットワークを通じて受信する通信部をさらに備える
受信装置。
(15)上記配信プロトコルの情報には、パケット識別情報がさらに含まれており、
上記通信部は、上記受信された第3のパケットを有する伝送ストリームのうち、上記パケット識別情報に基づいて該第3の伝送パケットを抽出する
前記(14)に記載の受信装置。
(16)上記伝送パケットは、MMTパケットである
前記(14)または(15)に記載の受信装置。
(17)上記所定の伝送路は、放送伝送路である
前記(14)から(16)のいずれかに記載の受信装置。
(18)受信部により、所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信ステップを有し、
上記第2の伝送パケットには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されており、
上記複数の配信プロトコル情報から受信可能な1つの配信プロトコルを選択し、該選択された配信プロトコルで上記特定コンポーネントを含む第3の伝送パケットを有する伝送ストリームを、ネットワークを通じて受信する通信ステップをさらに有する
受信方法。
(19)所定のコンポーネントを含む第1の伝送パケットおよび該所定のコンポーネントに関する情報を含む第2の伝送パケットを時分割的に多重化した伝送ストリームを所定の伝送路を通じて受信する受信部を備え、
上記第2の伝送パケットには、通信経路で取得すべき特定コンポーネントに関連して、該特定コンポーネントを取得するための、それぞれ少なくともロケーション情報およびプロトコル識別情報が含まれる複数の配信プロトコルの情報、または該複数の配信プロトコルの情報を取得するための取得情報が挿入されており、
上記受信部で受信された伝送ストリームを処理する処理部をさらに備える
受信装置。
【符号の説明】
【0203】
10・・・放送・通信ハイブリッドシステム
100・・・放送送出システム
101・・・信号送出部
102・・・ビデオエンコーダ
103・・・オーディオエンコーダ
104・・・シグナリング発生部
105・・・TLVシグナリング発生部
106-1~106-N・・・IPサービス・マルチプレクサ
107・・・TLV・マルチプレクサ
108・・・変調/送信部
200・・・受信端末
201・・・CPU
202・・・チューナ/復調部
203・・・ネットワークインタフェース部
204・・・デマルチプレクサ
205・・・ビデオデコーダ
206・・・オーディオデコーダ
207・・・CPUバス
300・・・配信サーバ
400・・・通信ネットワーク