(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】情報提示装置、車両制御装置、情報提示端末、情報提示システム、及び情報提示方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241112BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20241112BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241112BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241112BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241112BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G06Q30/0207 372
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
(21)【出願番号】P 2023500222
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2021006131
(87)【国際公開番号】W WO2022176108
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安東 慶人
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-82415(JP,A)
【文献】特開2019-160055(JP,A)
【文献】特開2020-102024(JP,A)
【文献】特開2020-22110(JP,A)
【文献】特開2012-220993(JP,A)
【文献】特開2004-234301(JP,A)
【文献】特開2013-41324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G06Q 10/00 - 10/10
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両位置を示す車両位置データを受信する受信部と、
前記車両位置の付近又は前記車両の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置情報を含むサービス施設データ、及び、前記車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データを送信する送信部と、
前記商業施設の利用を目的としたインセンティブを発行するインセンティブ発行部とを備え、
前記受信部は、前記車両
により前記車両サービス施設の利用が開始されたことを示す情報を含む施設利用データを受信し、
前記インセンティブ発行部は、前記受信部により前記施設利用データを受信した場合に、ユーザ又は前記車両に対して前記インセンティブを発行
し、
前記送信部は、前記インセンティブ発行部により発行された前記インセンティブの情報を含むデータを、前記車両に関連づけられた情報提示端末に送信し、
前記情報提示端末は、前記車両の位置と情報提示端末の位置が対応していること、または、前記情報提示端末を操作して充電施設を予約したときの通信情報の少なくとも1つに基づいて、前記車両と関連付けられる情報提示装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報提示装置であって、
前記送信部は、前記インセンティブ発行部により発行された前記インセンティブの情報を含むデータを、前記車両に関連づけられた
前記情報提示端末に送信する情報提示装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の情報提示装置であって、
前記送信部は、前記インセンティブ発行部により発行された前記インセンティブの情報を含むデータを、前記車両に乗車しているユーザに関連づけられた情報提示端末に送信する情報提示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記インセンティブ発行部は、
前記ユーザの位置及び/又は前記車両位置に基づき、前記ユーザが前記商業施設に滞在している滞在時間を計測し、
前記受信部により前記施設利用データを受信し、かつ、前記滞在時間が所定時間以上である場合に、前記インセンティブを発行する情報提示装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記車両サービス施設は、前記車両に搭載されたバッテリを充電する施設である情報提示装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記車両サービス施設の予約を管理する施設管理部を備え、
前記施設管理部は、
前記受信部が前記車両サービス施設を予約することを示す予約データを受信した場合に、前記車両サービス施設の予約を確定する情報提示装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記車両を管理する車両管理部を備え、
前記車両管理部は、前記車両サービス施設を経由した前記走行経路を演算し、
前記送信部は、前記車両管理部により演算された前記走行経路を前記車両の車載装置及び/又は情報提示端末に表示するための信号を送信する情報提示装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記車両を管理する車両管理部を備え、
前記車両管理部は、前記車両に搭載されたバッテリの充電状態を管理し、
前記送信部は、前記充電状態が所定の充電状態閾値以下である場合に、前記サービス施設データ及び前記商業施設データを送信する情報提示装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記受信部は、前記施設利用データを前記車両又は情報提示端末から受信する情報提示装置。
【請求項10】
ユーザにより操作される情報提示端末であって、
前記ユーザの位置を示す位置データを送信する端末送信部と、
前記ユーザの位置の付近又は車両の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置を示すサービス施設データ、及び、前記車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データを受信する端末受信部と、
前記商業施設データに含まれる情報を表示する端末表示部とを備え、 前記端末送信部は、前記ユーザが前記端末表示部に表示された前記車両サービス施設を選択した場合に、選択された前記車両サービス施設の情報を含むデータを送信し、
前記端末受信部は、前記選択された車両サービス施設の利用が開始された後に、前記商業施設の利用を目的としたインセンティブ
の情報を含むデータを受信
し、
前記情報提示端末は、前記車両の位置と情報提示端末の位置が対応していること、または、前記情報提示端末を操作して充電施設を予約したときの通信情報の少なくとも1つに基づいて、前記車両と関連付けられる情報提示端末。
【請求項11】
車両、ユーザにより操作される情報提示端末、及びサーバを含む情報提示システムであって、
前記車両は、前記車両の車両位置を示す車両位置データを送信し、
前記情報提示端末は、前記車両又は前記サーバから信号を受信し、
前記サーバは、
前記車両位置データを受信するサーバ受信部と、
前記車両位置の付近又は前記車両の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置を示すサービス施設データ、及び、前記車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データ、前記車両又は情報提示端末に送信するサーバ送信部と、
前記商業施設の利用を目的としたインセンティブを発行するインセンティブ発行部とを備え、
前記サーバ受信部は、前記車両
により前記車両サービス施設の利用が開始されたことを示す情報を含む施設利用データを受信し、
前記インセンティブ発行部は、前記サーバ受信部により前記施設利用データを受信した場合に、前記ユーザ又は前記車両に対して前記インセンティブを発行し、
前記サーバ送信部は、前記インセンティブ発行部により発行された前記インセンティブの情報を含むデータを、前記車両に関連づけられた前記情報提示端末に送信し、
前記情報提示端末は、前記車両の位置と情報提示端末の位置が対応していること、または、前記情報提示端末を操作して充電施設を予約したときの通信情報の少なくとも1つに基づいて、前記車両と関連付けられる情報提示システム。
【請求項12】
プロセッサにより、車両サービス施設及び商業施設の情報を提示する情報提示方法であって、
前記プロセッサは、
車両の車両位置を示す車両位置データを受信し、
前記車両位置の付近又は前記車両の走行経路付近に位置する前記車両サービス施設、及び、前記車両サービス施設に関連する商業施設を抽出し、
抽出された前記車両サービス施設の位置情報を含むサービス施設データ、及び、抽出された前記商業施設の位置情報を含む商業施設データを送信し、
前記車両
により前記車両サービス施設の利用が開始されたことを示す情報を含む施設利用データを受信し、
前記施設利用データを受信した場合に、ユーザ又は前記車両に対して前記商業施設の利用を目的としたインセンティブを発行
し、
発行された前記インセンティブの情報を含むデータを、前記車両に関連づけられた情報提示端末に送信し、
前記情報提示端末は、前記車両の位置と情報提示端末の位置が対応していること、または、前記情報提示端末を操作して充電施設を予約したときの通信情報の少なくとも1つに基づいて、前記車両と関連付けられる情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示装置、車両制御装置、情報提示端末、情報提示システム、及び情報提示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動車両に搭載された蓄電装置を充電するための情報を提供する情報提供方法が知られている(特許文献1)。複数の充電ステーションと、対応する充電ステーションでの充電中に車両のユーザが滞在可能な複数の商業施設とが設けられる。特許文献1記載の方法は、第1~第3のステップを含む。第1ステップでは、充電サーバが、位置情報に従って、複数の充電ステーションの中から複数の候補を選択する。第2ステップでは、充電サーバが、カーナビゲーション装置に対し、選択された複数の候補を示す情報を提供するとともに、選択された複数の候補の各々に対応する商業施設に関する広告を配信する。第3のステップでは、ユーザが商業施設に関する広告を参照して複数の候補の中から選択し、充電サーバが、選択された候補に関するカーナビゲーション装置への入力情報を受信する。そして、広告を配信する際には、充電サーバは、広告と共にクーポンをユーザに提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の情報提供方法では、充電ステーションに設置された充電器が利用されたこととは関係なく、ユーザは商業施設で利用可能なクーポンを取得できるため、ユーザはクーポンだけを取得し、充電ステーションで車載電池を充電しない可能性がある。すなわち、上記の情報提供方法では、充電施設等の車両サービス施設の設置が商業施設への集客力の向上に結び付きにくい問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、充電施設の設置により商業施設への集客力を向上できるような情報提示を実行する、情報提示装置、車両制御装置、情報提示端末、情報提示システム、及び情報提示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両位置、ユーザの付近又は車両の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置情報を含むサービス施設データ、及び、車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データを送信又は受信し、車両により車両サービス施設の利用が開始されたことを示す情報を含む施設利用データを受信した場合、又は、車両サービス施設の利用が開始された場合に、商業施設の利用を目的としたインセンティブを発行することによって、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、充電施設の設置により商業施設への集客力が向上するような情報提示を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る情報提示システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報提示システムにて実行される情報処理手順を示すフローチャートである。
【
図3】ディスプレイの表示形態を示す概略図である。
【
図4】本発明の変形例に係る情報提示システムにて実行される情報処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る情報提示システムの一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報提示システムを示すブロック図であり、本実施形態の情報提示システム100は、情報提示装置(以下、サーバとも称す)10と、車両20と、情報提示端末30と、車両サービス/商業施設40と、電気通信回線網を構成するネットワーク50とを含む。本実施形態のシステムは、ユーザ又は車両20から、車両サービスを利用するためのリクエストをサーバで受け付ける。情報提示システム100は、サーバにおいて、リクエストに応じて、車両20の位置又は車両20の走行経路に適した商業施設を抽出し、抽出された商業施設の広告情報をユーザ又は車両20に提供する。そして、情報提示システム100は、広告情報に示された車両サービス施設が利用されたことを確認できた場合には、車両サービス施設に関連する商業施設での利用を目的としたインセンティブを発行する。これにより、ユーザは、車両サービス施設を利用することでインセンティブの受け取りが可能な商業施設を、広告情報から把握できる。そして、情報提示システム100では、車両サービス施設を利用したことを条件にインセンティブが発行されるため、インセンティブを付与したクーポンだけを受け取り、車両サービス施設を利用しないような事態を回避できる。ゆえに、情報提示システム100は、車両サービス施設の設置がユーザの商業施設のへの誘致につながるため、車両サービス施設の設置により商業施設への集客力を向上できる。
【0010】
なお、以下の説明では、車両サービス施設の一例として充電施設を挙げて、本実施形態を説明する。充電施設は、車両20に搭載されたバッテリ(以下、車載バッテリとも称す)を充電可能な充電装置を備えている。充電施設は、商業施設内の駐車場、あるいは、商業施設と関連した場所に設置されている。商業施設と関連した場所は、商業施設の事業者により関連付けられた場所である。例えば、特定のパーキングエリアが複数の商業施設と提携している場合には、パーキングエリア内の充電施設が、商業施設と関連した充電施設に相当する。車両サービス施設は、充電施設に限らず、例えば、給油施設、洗車施設、コインパーキング等の駐車施設等、車両20に対するサービスを受けることができる施設であればよい。
【0011】
また商業施設は、例えば、カフェ、レストラン、ファストフードなどの飲食業に限らず、コンビニエンスストア、百貨店、洋服店等の商店であって、ユーザが商品やサービスの提供を受ける施設である。
【0012】
本実施形態のサーバ10は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶
装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されている。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU
(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)な
どを用いることができる。そして、
図1に示すように、サーバ10は、サーバ10に含まれる各種機能を実行するための機能ブロックとして、施設管理部11、車両管理部12、ユーザ管理部13、インセンティブ発行部14、送信部15、及び受信部16を備えている。各機能ブロックは、ROMに確立されたソフトウェア(プロセッサ)によって、後述する各機能を実現する。また、サーバ10は、地図データ及びサーバで受信したデータを格納するための記憶媒体としてデータベース17を備えている。
【0013】
施設管理部11は、車両サービス/商業施設40に含まれる充電施設の予約を管理している。施設管理部11は、充電施設の空き状態を管理している。施設管理部11は、ネットワーク50を介して、車両サービス/商業施設40と通信可能な状態で接続されている。施設管理部11は、充電施設の送信信号から、充電施設の利用開始時刻及び/又は利用終了時刻を特定し、充電施設の空き状態を管理している。また、施設管理部11は、ユーザ又は車両から、充電施設の予約を受け付ける。ユーザは、充電施設の予約の際には、車両20の車載装置及び/又は情報提示端末30を操作して、予約情報を入力する。予約情報は、充電施設の位置、希望日時、希望時間等を含んでいる。施設管理部11は、予約情報で指定された充電施設、充電施設の希望利用時間、充電施設の空き状態に応じて、予約の可否を判定する。施設管理部11は、充電施設が空いている場合には、予約を確定し、予約確定情報を含むデータ(予約確定データ)を、車両20及び/又は情報提示端末30に送信する。施設管理部11は、ユーザにより指定された予約条件で充電施設が空いていない場合には、予約を確定せずに、予約不可の情報と他の充電施設の空き状態を示す情報を、車両20及び/又は情報提示端末30に送信する。
【0014】
施設管理部11は、受信部16を介して、車両サービス/商業施設40等から施設データを取得する。施設データは、例えば、車両サービス施設及び商業施設の事業者により入力されるデータであって、車両サービス/商業施設40の広告情報を含んでいる。広告情報は、施設の営業時間、商品及びサービスに関連する情報、クーポン等の情報を含んでいる。施設データは、事業者からの入力情報に限らず、地図情報を含んでもよい。地図情報は、車両サービス施設の位置及び商業施設の位置を示す。施設データは、サービス施設データ及び商業施設データに相当する。サービス施設データは、車両サービス施設の位置情報を少なくとも含む。サービス施設データは、車両サービス施設の利用可能時間、利用料金など、車両サービス施設に関連する情報を含んでもよい。商業施設データは、抽出された車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を少なくとも含む。商業施設データは、商業施設の利用可能時間、利用料金などの情報や広告情報等、商業施設に関連する情報を含んでもよい。施設管理部11は、サービス施設データに含まれる情報及び商業施設データに含まれる情報を、地図データに含めてデータベース17で記憶することで、サービス施設データ及び商業施設データを管理する。
【0015】
また施設管理部11は、受信部16を介して、車両サービス/商業施設40等から施設利用データを取得する。施設利用データは、車両20による車両サービス施設の利用に関連する情報を含んでいる。車両サービス施設の利用に関連する情報は、車両20が車両サービス施設の利用を開始したこと、車両20が車両サービス施設を利用している最中であること、又は、車両20が車両サービス施設の利用を終了したことを示している。つまり、車両サービス施設の利用に関連する情報は、車両20による車両サービス施設の利用実績を示している。充電施設は、例えば、車載バッテリと充電施設の充電装置との間を充電ケーブルで接続された状態で、充電装置から車載バッテリに電力を出力したタイミングで、施設利用データをサーバ10に送信する。施設管理部11は、施設利用データを取得することで、車両20による車両サービス施設の利用実績があったことを特定できる。なお、施設利用データは、車両サービス施設に限らず、充電中の車両20からサーバ10に送信されてもよい。
【0016】
車両管理部12は、車両20を管理している。車両管理部12は、ネットワーク50を介して車両20と通信可能な状態で接続されている。車両管理部12は、車両20の車両信号から、車両20の車両位置を特定する。車両20の車両信号は、車両20から送信される信号であって、少なくとも車両位置データを含んでいる。車両位置データは車両20の現在の位置情報であり、車両20の位置はGPSで測位される。車両信号は、車両20の走行経路データや、車両ごとに付与されたID(識別情報)なども含んでもよい。また、車両管理部12は、車両の現地位置から目的地までの走行経路を演算してもよい。車両20の目的地の情報は、車両20又は情報提示端末30からサーバ10に送信される。
【0017】
また車両管理部12は、車両20の車両信号から、車載バッテリの充電状態(SOC:State of Charge)のバッテリデータを取得する。車両管理部12は、車両20の現在地から目的地までの走行経路を走行するために必要な電池容量(必要電池容量)を演算する。車両管理部12は、演算された充電容量と、バッテリデータから取得した車載バッテリのSOC(電池残量に相当)を比較する。そして、車載バッテリの残容量が不足している場合には、車両管理部12は、ユーザ及び/又は車両20に対して充電を提案する。車両管理部12は、予め設定されたSOCの下限値(充電状態閾値)と車載バッテリのSOCと比較し、車載バッテリのSOCがSOC下限値以下である場合に、ユーザ及び/又は車両20に対して充電を提案してもよい。
【0018】
車両管理部12は、ユーザ及び/又は車両20に対して充電を提案した後、ユーザ及び/又は車両20から充電リクエストがあった場合には、車両20の現在の車両位置の付近又は車両20の走行経路付近に位置する車両サービス施設を抽出する。車両位置又は走行経路の付近は、地図上において、車両位置又は走行経路で示される位置から所定範囲で規定される。所定範囲は、例えば、目的地までの到着時間に対して、数パーセントから数十パーセント程度、加算した時間内で迂回可能な範囲である。
【0019】
車両管理部12は、送信部15を介して、施設管理部11で管理されているサービス施設データ及び商業施設データを、車両20及び/又は情報提示端末30に出力する。商業施設データは、抽出した車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を少なくとも含む。
【0020】
ユーザ管理部13は、ユーザの情報を管理している。ユーザは、情報提示システム100により提供されるサービスを利用する際には、ユーザを識別するための情報や、ユーザの好みを示す情報をシステムに入力する。ユーザの識別情報は、性別、年齢等を含む。ユーザの好み情報は、よく行く車両サービス施設、商業施設の情報や、好きな飲食物等の情報を含む。ユーザ管理部13は、登録されたユーザごとに、ユーザ情報を管理している。
【0021】
インセンティブ発行部14は、商業施設の利用を目的とした特典情報として、インセンティブを発行する。インセンティブは、ユーザにより利用可能なクーポンに相当する。インセンティブ発行部14は、受信部16により施設利用データを受信した場合に、ユーザ又は車両20に対してインセンティブを発行する。すなわち、インセンティブ発行部14は、車両サービス施設が利用されたことをトリガとして、インセンティブを発行する。インセンティブは、対象となる商業施設、クーポンの利用可能時間等を限定して発行される。インセンティブは、例えば、情報提示端末30のディスプレイ32上にQRコード(登録商標)を表示することで、発行される。また、インセンティブは、例えば車両20のディスプレイ24上に、クーポン利用コードを表示することで、発行される。ユーザは、例えばインセンティブを付与されたクーポンを商業施設に提示することで、所定の特典を得ることができる。
【0022】
インセンティブ発行部14は、ユーザの位置情報に基づき、ユーザが商業施設に滞在している滞在時間を計測する。ユーザの位置情報は、車両20の位置情報及び/又は情報提示端末30の位置情報に相当する。インセンティブ発行部14は、データベース17に記憶されている地図データを参照し、例えば、ユーザの位置が地図上における商業施設の位置に止まっている時間を演算することで、滞在時間を計測する。そして、インセンティブ発行部14は、受信部16により施設利用データを受信し、かつ、計測された滞在時間が所定時間以上である場合に、インセンティブを発行してもよい。例えば、商業施設の事業者が、ユーザに長時間滞在してもらいたい場合には、滞在時間の長いユーザに対してインセンティブを付与することで、インセンティブの発行を、事業者の望むユーザへの集客につなげることができる。また、滞在時間の長いユーザに対してインセンティブを付与することで、ユーザがインセンティブの対象となっている商業施設に短時間滞在して特典を受け取り、他の施設に移動するような事態を回避できる。
【0023】
送信部15は、施設管理部11の管理データ、車両管理部12の管理データ、及び/又はユーザ管理部13の管理データを、車両20、情報提示端末30、及び/又は車両サービス/商業施設40に送信する。送信部15により送信されるデータは、サービス施設データ及び商業施設データ、車両管理データ、車両サービス施設の予約確定データ等である。車両管理データは、車両管理部12で演算された走行経路等を含む。また、送信部15は、インセンティブデータを、車両20及び/又は情報提示端末30に送信する。インセンティブデータは、インセンティブ発行部14により発行されたインセンティブの情報を含む。
【0024】
送信部15は、サービス施設データ、商業施設データ、車両管理データ、インセンティブデータを含む信号を車両20に送信することで、車両20のディスプレイ24は、走行経路、車両サービス/商業施設40の位置、商業施設40の広告情報、インセンティブ情報等を表示できる。同様に、送信部15は、サービス施設データ及び商業施設データ、車両管理データを含む信号を情報提示端末30に送信することで、情報提示端末30のディスプレイ32は、走行経路、車両サービス/商業施設40の位置、商業施設40の広告情報、インセンティブ情報等を表示できる。つまり、送信部15は、走行経路、車両サービス/商業施設40の情報、インセンティブ情報をディスプレイ24、32に表示するための信号を送信する。
【0025】
受信部16は、車両20の送信データ、情報提示端末30の送信データ、及び/又は車両サービス/商業施設40の送信データを、車両20、情報提示端末30、及び/又は車両サービス/商業施設40から受信する。車両20の送信データは、車両位置データ、車両20で演算された走行経路のデータ、車両20の予約データ等である。予約データは、ユーザから入力された予約情報である。例えば、車両20のディスプレイ24又は情報提示端末30のディスプレイ32に表示された車両サービス施設を選択した場合には、予約場情報には、選択された車両サービス施設の情報が含まれる。情報提示端末30の送信データは、ユーザ情報や、ユーザから入力された予約情報等を含んでいる。車両サービス/商業施設40の送信データは、サービス施設データ、商業施設データ、施設利用データ等である。施設利用データは、車両20又は情報提示端末30から送信されてもよい。
【0026】
データベース17は、施設管理部11の管理データ、車両管理部12の管理データ、及び/又はユーザ管理部13の管理データ、及び地図データ等を記憶している。
【0027】
車両20は、カーナビゲーション装置21、バッテリコントローラ25、車両送信部(車両送信器)26、車両受信部(車両受信器)27を備えている。カーナビゲーション装置21、バッテリコントローラ25、車両送信部26、車両受信部27は、車両制御装置の構成の一部である。車両20は、車載バッテリを備えた電気自動車又はハイブリッド車両である。なお、車両20はガソリン車両でもよい。カーナビゲーション装置21は、車両20の現在地、車両20の走行経路等を演算し、車両20の現在位置から目的地までの経路案内を行う。カーナビゲーション装置21は、GPS受信部22、制御部23、及びディスプレイ24を備えている。GPS受信部22は、GPS信号を受信する。制御部23は、GPS信号に含まれる位置情報から、車両20の現在位置を測定する。また、制御部23は、ユーザから入力された目的地情報に基づき、目的地までの走行経路を演算する。制御部23は、現在位置、走行経路、車両サービス/商業施設40の情報、インセンティブ情報とをディスプレイ24に表示させる。ディスプレイ24は、タッチパネル式の表示装置(車両表示部に相当)である。
【0028】
バッテリコントローラ25は、車載バッテリの充放電中に、車載バッテリの状態を管理する。車両送信部26は、車両20の管理データ、ディスプレイ24の操作でユーザから入力されたデータ等を、サーバ10に送信する。車両受信部27は、サーバ10から送信されるサービス施設データ、商業施設データ、インセンティブデータ等を受信する。
【0029】
情報提示端末30は、ユーザにより操作される端末であって、ユーザに所有されて移動可能な携帯端末であり、スマートフォン等である。情報提示端末30は、GPS受信部31、ディスプレイ32、端末送信部(端末送信器)33、及び端末受信部(端末受信器)34を備えている。GPS受信部31はGPS信号を受信する。情報提示端末30は、GPS信号に含まれる位置情報から、情報提示端末30の現在位置を測定する。情報提示端末30の現在位置は、ユーザの現在位置に対応する。ディスプレイ24は、タッチパネル式の表示装置(端末表示部に相当)である。端末送信部33は、情報提示端末30の管理データ、ディスプレイ32の操作でユーザから入力されたデータ等を、サーバ10に送信する。端末受信部34は、サーバ10から送信されるサービス施設データ、商業施設データ、インセンティブデータ等を受信する。
【0030】
車両サービス/商業施設40は、通信部41、充電制御部42を有している。通信部41は、サーバ10と通信可能な通信装置である。通信部41は車両20と通信してもよい。通信部41は、サービス施設データ、商業施設データ、施設利用データ等を送信する。充電制御部42は、車載バッテリの充電を制御する。
【0031】
なお、車両20と情報提示端末30は互いに通信可能な状態に接続されることで、車両20と情報提示端末30を関連付けてもよい。車両20と情報提示端末30との間の接続は、車載WifiやBluetooth等の通信を利用すればよい。そして、車両20と情報提示端末30は互いに通信可能な状態に接続された場合には、車両送信部26及び車両受信部27の送受信を、端末送信部33及び端末受信部34を介して行ってもよい。また、端末送信部33及び端末受信部34の送受信を、車両送信部26及び車両受信部27を介して行ってもよい。
【0032】
次に、本実施形態のシステムにて実行される情報処理手順の概要を説明する。
図2は、その情報処理手順を示すフローチャートである。
【0033】
ステップS1にて、車両20の制御部23は、GPS信号に基づき車両20の車両位置を測定し、車両位置から目的地までの走行経路を演算する。ステップS2にて、バッテリコントローラ25は、車載バッテリのSOCを演算する。ステップS3にて、制御部23は、走行経路に基づき、車両20の現在地から目的地までに必要な必要電池容量を演算する。制御部23は演算された電池容量と、現在のSOCを比較する。現在のSOCが必要電池容量以下である場合には、制御部23は、車載バッテリの充電が必要であると判定し、ユーザに対して充電を提案する。充電の提案は、ディスプレイ24への表示により行われる。
【0034】
ステップS4にて、制御部23はユーザからの充電リクエストの入力を確認する。ステップS5にて、制御部23は、車両送信部26を用いて、車両位置データ及び充電リクエストをサーバ10に送信する。
【0035】
ステップS6にて、サーバ10の車両管理部12は、車両位置データ及び地図データに基づき、車両20の現在の車両位置の付近又は車両20の走行経路付近に位置する車両サービス施設及び商業施設を抽出する。ステップS7にて、車両管理部12は、抽出した充電施設のサービス施設データ、及び、抽出した充電施設に関連する商業施設の商業施設データを車両20に送信する。
【0036】
ステップS8にて、車両20は、サービス施設データ及び商業施設データを受信し、制御部23は、抽出された充電施設情報及び商業施設情報を、ディスプレイ24に表示する。
図3はディスプレイ24の表示画面の概略図である。
【0037】
図3(а)は、ステップS8の制御処理でディスプレイ24に表示される画面である。
図3(а)に示すように、ディスプレイ24には、地図及び目的地までの走行経路に加えて、充電先の候補となる充電施設及び充電施設に関連した商業施設(店舗A~C)が表示される。なお、
図3(а)では、店舗A~Cの駐車場に充電施設が設置されているため、店舗A~Cの表示が充電施設の提示を兼ねている。ユーザは、ディスプレイ24上のメッセージ「利用可能な充電施設を備えた店舗があります」を確認することで、充電施設及び商業施設を把握できる。店舗A~Cはサーバ10で抽出された商業施設であるため、車両20の現在の位置又は走行経路の近くに位置する充電施設が表示される。さらに、店舗A~Cの広告情報がディスプレイ24に表示される。店舗A~Cのうち、広告情報の表示順は、情報提示システム100のスポンサーや提携企業の広告が優先されて表示される。例えば
図3(а)の例では、店舗Aが、情報提示システム100のスポンサーであり、情報提示システム100による集客効果を狙ってクーポン券を用意している。店舗B、Cはスポンサーではない。そのため、店舗Aの広告表示は、店舗B、Cの広告表示よりも優先されて、店舗Aの広告情報は、店舗B、Cよりも上側に表示される。さらに、店舗Aの広告表示にはクーポン表示(例えば、コーヒー無料券)を含んでいる。なお、
図3(а)、(b)の表示例では、クーポン表示の部分に「未発行」と表示されているが、この表示は、本実施形態を説明するために加えたものであって、「未発行」の表示はなくてもよい。「未発行」の表示は車両20が店舗Aの充電施設を利用していないため、クーポンが無効状態であること、すなわち、インセンティブが発行されていないことを表している。
【0038】
ユーザは、
図3(а)の表示画面を見る時に、店舗Aの広告が店舗B、Cの広告よりも優先されて表示され、さらに、店舗Aの充電施設を利用することで、クーポンによるインセンティブを得られることを把握できる。このような表示により、店舗Aへの集客力は向上できる。なお、広告表示の際の優先順位は、サーバ10の施設管理部11で管理されており、優先順位の情報は商業施設データに含まれる。また、広告の優先表示は、
図3(а)のような表示順序に限らず、例えば店舗Aの表示形態を店舗B、Cの表示形態よりも目立たせてもよい。また、広告表示の際の優先順位は、スポンサーの有無の他に、ユーザの好みに応じて付与されてよい。ユーザの好みは、ユーザ管理部13で管理されているユーザ情報を用いればよい。
【0039】
ステップS9にて、ユーザがディスプレイ24のタッチパネルを操作し、充電施設を備えた商業施設(店舗A)を選択することで、制御部23は、商業施設(店舗A)に関連する充電施設を予約し、予約データをサーバ10に送信する。予約データは、商業施設(店舗A)に関連する充電施設に対して予約を希望していることに加えて、予約時間を含む。予約時間は、ユーザにより入力される希望時間、又は、制御部23の経路演算による店舗Aへの到着予定時間と必要な充電時間とから算出された時間としてもよい。また、制御部23は、ユーザにより商業施設が選択されると、選択された商業施設を経由して目的地に到着するまでの走行経路を再演算してもよい。
【0040】
ステップS10にて、施設管理部11は、商業施設(店舗A)に関連する充電施設の空き状況を確認した上、予約を確定する。ステップS11にて、施設管理部11は、予約確定データを車両20に送信する。予約確定データは、予約対象の充電施設の位置情報、確定した予約時間等を含んでいる。
【0041】
ステップS12にて、車両20の制御部23は、商業施設(店舗A)を経由する走行経路と共に、確定した予約情報をディスプレイ24に表示させる。
図3(b)は、ステップS12制御処理でディスプレイ24に表示される画面である。
【0042】
ステップS13にて、車両20が商業施設(店舗A)に到着し充電施設が利用されると、バッテリコントローラ25は、車載バッテリの充電を開始する。ステップS14にて、制御部23は、充電施設の利用のタイミングに合わせて、施設利用データをサーバ10に送信する。施設利用データには、充電施設が利用されたことに加えて、車両20の位置情報、充電施設の位置情報、商業施設の位置情報、商業施設のPOI情報等を含んでもよい。施設利用データは、車両20に限らず、店舗Aに相当する車両サービス/商業施設40からサーバ10に送信してもよい。この際に、車両サービス/商業施設40から送信される位置情報の正確性は、GPSの精度により影響される。例えば、店舗A~Cが密集しており、GPS精度が悪い場合には、サーバは、店舗Aに相当する車両サービス/商業施設40から位置情報を受信しても、どの店舗A~Cの充電施設で充電されたのか識別できない可能性もある。このような場合には、車両20と車両サービス/商業施設40との間の通信を利用して、例えば車両20の識別情報を施設利用データに加えて、サーバ10に送信されてもよい。また他の方法として、例えば、充電施設を用いた車載バッテリの充電中に、車両20と情報提示端末30の通信を介して、情報提示端末30のディスプレイ32に、店舗A~Cのどの充電施設で充電しているかユーザに指定される表示画面を表示し、ユーザの決定に基づき、車両20又は情報提示端末30が施設利用データをサーバ10に送信してもよい。また施設利用データを送信するタイミングは、例えば、車両20が充電施設に到着し、車両20の充電ステータスが充電中になったタイミング、充電を終了したタイミング等でよい。あるいは、充電開始後、ユーザが車両サービス/商業施設40の店舗に入ったタイミングで、情報提示端末30のディスプレイ32に、「充電を開始しましたか」などの表示でチェックイン通知を行い、ユーザが承諾したタイミングに合わせて、施設利用データは送信されてもよい。
【0043】
ステップS15にて、受信部16が施設利用データを受信し、インセンティブ発行部14は、商業施設(店舗A)のクーポンを有効にすることで、インセンティブを発行する。ステップS16にて、インセンティブ発行部14は、送信部15を用いてインセンティブデータを送信する。インセンティブデータは、クーポンが有効になったこと、クーポンの利用可能時間等の情報を含んでいる。
【0044】
ステップS17にて、車両20は、車両送信部26を用いて、サーバ10から受信したインセンティブデータを情報提示端末30に送信する。そして、ユーザは、店舗Aで、有効になったクーポンを利用して、コーヒーを受け取る。
【0045】
以上のとおり、本実施形態の情報提示装置10によれば、車両20の車両位置を示す車両位置データを受信する受信部16と、車両位置の付近又は車両20の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置情報を含むサービス施設データ、及び、車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データを送信する送信部15と、商業施設の利用を目的としたインセンティブを発行するインセンティブ発行部14とを備える。そいて、受信部16は、車両20による車両サービス施設の利用に関連する施設利用データを受信し、インセンティブ発行部14は、受信部により施設利用データを受信した場合に、ユーザ又は車両に対してインセンティブを発行する。これにより、充電施設の利用実績(充電施設が利用された実績、又は、充電施設の利用が開始された実績)に基づき、インセンティブが付与されるため、充電施設等の車両サービス施設の設置が商業施設への集客力の向上に結びつく。その結果として、充電施設の設置により商業施設への集客力が向上するような情報提示を実行できる。
【0046】
また本実施形態の情報提示装置10によれば、送信部15は、インセンティブ発行部14により発行されたインセンティブの情報を含むデータを、車両20に関連づけられた情報提示端末30に送信する。これにより、情報提示端末30を携帯するユーザは、インセンティブを付与したクーポンを持ち運べるため、クーポンの利便性を高めることができる。
【0047】
また本実施形態の情報提示装置10によれば、インセンティブ発行部14は、ユーザの位置及び/又は車両位置に基づき、ユーザが商業施設に滞在している滞在時間を計測し、受信部16により施設利用データを受信し、かつ、滞在時間が所定時間以上である場合にインセンティブを発行する。これにより、ユーザがインセンティブの対象となっている商業施設に短時間滞在して特典を受け取り、他の施設に移動するような事態を回避できる。
【0048】
また本実施形態の情報提示装置10によれば、施設管理部11は、受信部16が車両サービス施設を予約することを示す予約データを受信した場合に、車両サービス施設の予約を確定する。これにより、確実に予約を受け、システムの信頼性を高めることができる。
【0049】
また本実施形態の情報提示装置10によれば、車両管理部12は、車両サービス施設を経由した走行経路を演算し、送信部15は、車両管理部12により演算された走行経路を車両20及び/又は情報提示端末30に表示するための信号を送信する。これにより、ユーザは、車両サービス施設を経由した走行経路を把握できる。
【0050】
また本実施形態の情報提示装置10によれば、車両管理部12は、に搭載されたバッテリの充電状態を管理し、送信部15は、充電状態が所定の充電状態閾値以下である場合にサービス施設データ及び商業施設データを送信する。これにより、車載バッテリの残量が低下したタイミングに合わせて、商業施設の集客につながる充電施設の情報をユーザに提示できる。
【0051】
また本実施形態の車両制御装置(車両20に含まれる制御装置に相当)によれば、車両20の車両位置を示す車両位置データを送信する車両送信部26と、車両位置の付近又は車両の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置を示すサービス施設データ、及び、車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データを受信する車両受信部27と、商業施設データに含まれる情報を表示する車両表示部(ディスプレイ24に相当)とを備える。そして、車両送信部26は、ユーザが表示部に表示された車両サービス施設を選択した場合に、選択された車両サービス施設の情報を含むデータを送信し、車両受信部27は、選択された車両サービス施設の利用が開始された後に、商業施設の利用を目的としたインセンティブを受信する。これにより、充電施設の設置により商業施設への集客力が向上するような情報提示を実行できる。
【0052】
また本実施形態の情報提示システム100、又は、プロセッサで実行される情報提示方法によれば、車両20の車両位置を示す車両位置データを受信し、車両位置の付近又は車両20の走行経路付近に位置する車両サービス施設、及び、車両サービス施設に関連する商業施設を抽出し、抽出された車両サービス施設の位置情報を含むサービス施設データ、及び、抽出された商業施設の位置情報を含む商業施設データを送信し、車両20による車両サービス施設の利用に関連する施設利用データを受信し、施設利用データを受信した場合に、ユーザ又は車両20に対して商業施設の利用を目的としたインセンティブを発行する。これにより、充電施設の設置により商業施設への集客力が向上するような情報提示を実行できる。
【0053】
なお、本実施形態において、車両20とユーザ(情報提示端末30)の関連付けは、車両20と情報提示端末30との間の通信を確立する方法に限らず、以下の方法でもよい。例えば、ユーザが車両に乗車した後、サーバ10、車両20、又は情報提示端末30が、車両20の位置と情報提示端末30の位置が対応していること(同じ位置にあること、又は、各位置が同期して移動すること)を特定することで、車両20と情報提示端末30を関連付けることができる。他の方法として、車両20が車載カメラを用いた画像認識、マイクを用いた音声認識等で車両に乗車したユーザを検知し、検知されたユーザの識別情報をサーバ10に送る。サーバ10は、登録されているユーザ情報から対応する情報提示端末30を特定する。また、他の方法として、ユーザが情報提示端末30を操作して充電施設を予約すると、サーバ10と情報提示端末30との間で通信が確立されるため、その通信情報を用いて関連付けてもよい。本実施形態の情報提示装置10によれば、送信部15は、インセンティブ発行部14により発行されたインセンティブの情報を含むデータを、車両に乗車しているユーザに関連づけられた情報提示端末に送信する。これにより、クーポンの利便性を高めることができる。
【0054】
また本実施形態において、複数のユーザが車両20に乗車している場合には、サーバ10は乗車人数分のクーポンを発行してもよい。乗車人数は、例えば車両20が有しているシートベルトのリマインダ機能、カメラ認識機能等を利用して特定してもよい。サーバ10は、乗車人数分のクーポンを、1つの情報提示端末30に送信してもよく、ユーザ毎の情報提示端末30にそれぞれ送ってもよい。
【0055】
なお、本実施形態では、滞在時間が所定時間以上である場合にインセンティブを発行したが、滞在時間が所定時間未満である場合にインセンティブを発行してもよい。例えば、普通充電モードで充電する場合など、滞在時間が長時間になるときには、レストランなどの飲食店等は回転率を高めるために充電時間をできるだけ短時間にしたいというニーズもある。このようなニーズに対して、滞在時間が所定時間未満である場合にインセンティブを発行することで、サービスの利便性を高めることができる。
【0056】
なお、本実施形態の変形例として、
図2で示した各制御フローの一部を情報提示端末30で実行してもよい。
図4は、変形例に係る情報処理手順を示すフローチャートである。情報提示端末30の制御処理のうち、ステップS21、S22、S23、S26、S27、及びS30の制御フローは、本実施形態の情報処理手順のうち、ステップS1、S4、S5、S8、S9、及びS12の制御フローと同様である。また、サーバ10の制御処理のうち、ステップS24、S25、S28、S29、S32、及びS33の制御フローは、本実施形態の情報処理手順のうち、ステップS6、S7、S10、S11、S15、及びS16の制御フローと同様である。ただし、
図2の制御フローにおける、ディスプレイ24の表示は、ディスプレイ32の表示と置き換えればよい。また車両位置はユーザの位置と置きかえればよい。また、
図2の制御フローでは、SOC低下のタイミングで充電をユーザに対して提案したが、変形例では、ユーザによる任意のタイミングで充電リクエストが行われる。以下、変形例の制御フローで新たに加わるフローについて説明する。
【0057】
サーバ10側の制御処理では、ステップ31にて、サーバ10は、車両20又は車両サービス/商業施設40から施設利用データを受信する。情報提示端末30の制御処理では、ステップS34にて、ディスプレイ32は、インセンティブデータを表示する。
【0058】
以上のとおり、本実施形態の情報提示端末30によれば、ユーザの位置を示す位置データを送信する端末送信部33と、ユーザの位置の付近又は車両の走行経路付近に位置する車両サービス施設の位置を示すサービス施設データ、及び、車両サービス施設に関連する商業施設の位置情報を含む商業施設データを受信する端末受信部34と、商業施設データに含まれる情報を表示する端末表示部(ディスプレイ32に相当)とを備える。そして、端末送信部33は、ユーザが表示部に表示された車両サービス施設を選択した場合に、選択された車両サービス施設の情報を含むデータを送信し、端末受信部34は、選択された車両サービス施設の利用が開始された後に、商業施設の利用を目的としたインセンティブを受信する。これにより、充電施設の設置により商業施設への集客力が向上するような情報提示を実行できる。
【0059】
なお、車両サービス施設が、例えば、給油施設、洗車施設、コインパーキング等の駐車施設等でもよい。車両サービス施設が給油施設である場合には、車両は、給油口が空けられことや、燃料センサの値が増加していることを検知することで、給油施設が利用されたことを特定できるため、これらを検知したタイミングで、給油施設が利用されたこと示すデータとして、施設利用データをサーバ10に送信すればよい。また、給油施設又は情報提示端末30が、施設利用データをサーバ10に送信してもよい。
【0060】
また車両サービス施設が洗車施設である場合には、車両は、例えば、所定の駐車スペースに駐車した後、雨滴センサで水を検知することで、洗車施設が利用されたことを特定できるため、水を検知したタイミングで、施設利用データをサーバ10に送信すればよい。また洗車施設又は情報提示端末30が、施設利用データをサーバ10に送信してもよい。
【0061】
また車両サービス施設が、コインパーキング等の駐車施設である場合は、駐車施設は、例えば、パーキングのゲートが開いたことを検知することで、駐車施設が利用されたことを特定できるため、ゲートが開いたことを検知したタイミングで、施設利用データをサーバ10に送信すればよい。また車両20又は情報提示端末30が施設利用データを送信してもよい。
【0062】
また、車両サービス施設は、ドライブスルー(車両に乗ったまま商品やサービスが提供される機能)を有した商業施設でもよい。例えば、ユーザが、車両に乗車しながら、飲食物の購入、薬の受け取り等を行いた場合に、ユーザは、ナビゲーション装置21及び/又は情報提示端末30を操作し、ファストフード又は薬局などのカテゴリーを絞った上で、車両の現在位置あるいは走行経路に近い、車両サービス/商業施設40を検索する。車両サービス/商業施設40の検索は、サーバ10、車両20、又は情報提示端末30で行われる。そして、検索により抽出された車両サービス/商業施設40のうち、情報提示システム100のスポンサーの店舗の位置や広告情報がディスプレイ24、32に優先的に表示される。そして、ユーザが、優先的に表示された施設を利用すると、施設利用データが、車両20等からサーバ10に送信される。サーバ10のインセンティブ発行部14はインセンティブを発行する。インセンティブは、例えば次回来店時に特典を受けられるクーポンや、別の系列店舗で使えるクーポン等である。これにより、ドライブスルー施設の設置により商業施設への集客力が向上するような情報提示を実行できる。
【符号の説明】
【0063】
10…情報提示装置
11…施設管理部
12…車両管理部
13…ユーザ管理部
14…インセンティブ発行部
15…送信部
16…受信部
17…データベース
20…車両
21…カーナビゲーション装置
22…GPS受信部
23…制御部
24…ディスプレイ
25…バッテリコントローラ
26…車両送信部
27…車両受信部
30…情報提示端末
31…GPS受信部
32…ディスプレイ
33…端末送信部
34…端末受信部
100…情報提示システム