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特許7586291情報提供システム、乗用旅客車両情報の提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】情報提供システム、乗用旅客車両情報の提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
G08G1/123 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023508247
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012155
(87)【国際公開番号】W WO2022201347
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】尾形 一気
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】網中 洋明
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095410(JP,A)
【文献】特開2021-026627(JP,A)
【文献】特開2018-163578(JP,A)
【文献】特開2000-331294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス対象エリアに設置された定点カメラと接続され、
前記定点カメラで撮影された画像を用いて、道路上を通行する乗用旅客車両を識別する第1の識別手段と、
前記定点カメラで撮影された画像を用いて、前記乗用旅客車両が空車であるか否かを識別する第2の識別手段と、
前記第1、第2の識別手段で識別した結果を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を含むマップを作成するマップ作成手段と、
所定の端末に対し、前記マップを送信する送信手段と、
を備え、
前記第1の識別手段は、車両が写っている領域を対象に前記車両の種類を分類する、
情報提供システム。
【請求項2】
さらに、前記第2の識別手段で識別した結果を用いて、前記サービス対象エリアに設定された所定の道路区間毎に、空車の乗用旅客車両の走行頻度を計測する走行頻度計測手段を備え、
前記マップ作成手段は、前記サービス対象エリアの道路区間毎に、前記空車の乗用旅客車両の走行頻度を表示可能なマップを作成する請求項1の情報提供システム。
【請求項3】
さらに、前記第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリアに設定された所定の道路区間毎に、走行している乗用旅客車両中の空車若しくは実車の割合を計測する割合計測手段を備え、
前記マップ作成手段は、前記サービス対象エリアの道路区間毎に、前記割合を表示可能なマップを作成する請求項1又は2の情報提供システム。
【請求項4】
前記空車の乗用旅客車両の走行頻度、又は、前記走行している乗用旅客車両中の空車若しくは実車の割合を計測する時間単位を指定可能である請求項2又は3の情報提供システム。
【請求項5】
前記空車の乗用旅客車両の走行頻度、又は、前記走行している乗用旅客車両中の空車若しくは実車の割合を計測した曜日又は時間帯を指定可能である請求項2又は3の情報提供システム。
【請求項6】
前記第1の識別手段は、前記定点カメラで撮影した画像中の特定の車線を走行している車両を優先して、前記乗用旅客車両を識別し、
前記第2の識別手段は、前記第1の識別手段が識別した乗用旅客車両の画像から、前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別する請求項1から5いずれか一の情報提供システム。
【請求項7】
さらに、前記所定の端末の位置を特定する手段を備え、
前記送信手段は、前記所定の端末からの要求に応じて、前記マップを送信し、
前記マップに加えて、前記マップの要求を行った前記所定の端末の位置に関する情報を提供する機能を備える、
請求項1から6いずれか一の情報提供システム。
【請求項8】
さらに、
空車状態で路肩に停車している客待ち状態の乗用旅客車両を検出する第3の識別手段を備え、
前記マップ作成手段は、前記第3の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の前記客待ち状態の乗用旅客車両を表示可能なマップを作成する
請求項1から6いずれか一の情報提供システム。
【請求項9】
サービス対象エリアに設置された定点カメラと、接続された情報提供システムが、
前記定点カメラで撮影された画像を用いて、道路上を通行する乗用旅客車両を識別し、
前記定点カメラで撮影された画像を用いて前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別し、
前記第1、第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成し、
所定の端末に対し、前記マップを送信し、
前記乗用旅客車両の識別において、車両が写っている領域を対象に前記車両の種類を分類する、
乗用旅客車両情報の提供方法。
【請求項10】
サービス対象エリアに設置された定点カメラと、接続された情報提供システムに搭載されたコンピュータに、
前記定点カメラで撮影された画像を用いて、道路上を通行する乗用旅客車両を識別する処理と、
前記定点カメラで撮影された画像を用いて前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別する処理と、
前記第1、第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成する処理と、
所定の端末に対し、前記マップを送信する処理と、
を実行させ
前記乗用旅客車両を識別する処理において、車両が写っている領域を対象に前記車両の種類を分類する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、乗用旅客車両情報の提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車載装置から収集した撮像画像から、周辺の空車状態の乗用旅客車両の位置を表した空車情報を作成し、携帯端末に送信するサーバが開示されている。具体的には、このサーバは、撮像機能を有する車載装置及び携帯端末と情報を送受信する通信部と、前記車載装置の位置と当該車載装置による乗用旅客車両の撮像画像とに基づく、空車の位置を含む空車情報を格納する記憶部と、前記携帯端末から取得する当該携帯端末の位置に対応する空車の位置を有する前記空車情報を、前記携帯端末に送出する情報提供部と、を備えると記載されている。
【0003】
特許文献2には、利用者に、迎車可能なタクシーを提示し、その中から任意のタクシーを指定して迎車予約を行いうるようにした迎車予約システムが開示されている。この文献では、迎車可否状態と現在位置は、タクシーの車載端末から受け取る構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-95410号公報
【文献】特開2006-338465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。特許文献1の方式では、撮像機能を有し、かつ、サーバと通信可能な車載装置が十分な数だけ走行し、かつ、一定数分布していないと、信頼性に足る空車マップを作成できないという問題点がある。例えば、深夜の交通量が少ない時間帯では、サーバに撮像画像を送信可能な車載装置の数が極端に減り、乗用旅客車両の捕捉漏れが発生すると考えられる。
【0006】
特許文献2の方式では、上記のような問題はなくなるが、すべての乗用旅客車両の車載端末に対応した機能が備えられていないと、あるエリアにおける空車状態の乗用旅客車両の数や配置を正確に把握することができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、車載装置の分布や、機能の有無に依存せず、利用者に対し、より正確な乗用旅客車両情報を提供できる情報提供システム、乗用旅客車両情報の提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の視点によれば、サービス対象エリアに設置された定点カメラと、接続され、前記定点カメラで撮影された画像を用いて、道路上を通行する乗用旅客車両を識別する第1の識別手段と、前記定点カメラで撮影された画像を用いて前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別する第2の識別手段と、前記第1、第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成するマップ作成手段と、所定の端末に対し、前記マップを送信する送信手段と、を備える情報提供システムが提供される。
【0009】
第2の視点によれば、サービス対象エリアに設置された定点カメラと、接続された情報提供システムが、前記定点カメラで撮影された画像を用いて、道路上を通行する乗用旅客車両を識別し、前記定点カメラで撮影された画像を用いて前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別し、前記第1、第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成し、所定の端末に対し、前記マップを送信する、乗用旅客車両情報の提供方法が提供される。本方法は、サービス対象エリアに設置された定点カメラと接続され、所定の端末に対し、前記マップを送信する情報提供システムという、特定の機械に結びつけられている。
【0010】
第3の視点によれば、上記した情報提供システムの機能を実現するためのコンピュータプログラム(以下、プログラム)が提供される。なお、このコンピュータプログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インターフェースを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させる。また、このプログラムは、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インターフェースを介して、外部と通信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジトリーな)記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車載装置の分布や、機能の有無に依存せず、利用者に対し、より正確な乗用旅客車両情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
図3】本発明の第1の実施形態の情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態で用いる定点カメラの配置例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の情報提供サーバの動作を表した流れ図である。
図6】本発明の第1の実施形態の情報提供サーバの第1識別部の動作を説明するための図である。
図7】本発明の第1の実施形態の情報提供サーバの情報提供動作を表したシーケンス図である。
図8】本発明の第1の実施形態の情報提供サーバが端末に送るマップの一例を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態の情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
図10】本発明の第2の実施形態の情報提供サーバが保持する空車走行頻度情報の一例を示す図である。
図11】本発明の第2の実施形態の情報提供サーバの情報提供動作を表したシーケンス図である。
図12】本発明の第2の実施形態の情報提供サーバが端末に送るマップの一例を示す図である。
図13】本発明の第3の実施形態の情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
図14】本発明の第3の実施形態の情報提供サーバの動作を表した流れ図である。
図15】本発明の第3の実施形態の情報提供サーバが端末に送るマップの一例を示す図である。
図16】本発明の第4の実施形態の情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
図17】本発明の第4の実施形態の情報提供サーバの追加動作を表した流れ図である。
図18】本発明の第4の実施形態の情報提供サーバが端末に送るマップの一例を示す図である。
図19】本発明の情報提供サーバとして機能可能なコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インターフェースがあるが図示省略する。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。
【0014】
本発明は、その一実施形態において、図1に示すように、サービス対象エリアに設置された定点カメラ200aと、接続された情報提供システム100aにより実現することができる。より具体的には、この情報提供システム100aは、第1の識別手段101aと、第2の識別手段102aと、マップ作成手段103aと、送信手段104aと、を備える。
【0015】
第1の識別手段101aは、前記定点カメラ200aで撮影された画像を用いて、前記道路上を通行する乗用旅客車両300aを識別する。
【0016】
第2の識別手段102aは、前記定点カメラ200aで撮影された画像を用いて前記乗用旅客車両300aが空車状態であるか否かの状態を識別する。ここで、空車状態とは、乗用旅客車両300aが外部に空車又は求めに応じて搭乗可能であることを表示している状態をいうものとする。
【0017】
マップ作成手段103aは、前記第1、第2の識別手段101a、102aで識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成する。
【0018】
送信手段104aは、所定の端末400aに対し、前記マップを送信する。
【0019】
例えば、マップ作成手段103aは、前記第1、第2の識別手段101a、102aで識別した情報を用いて、サービス対象エリア内の空車状態の乗用旅客車両300aの分布を把握する。そして、マップ作成手段103aは、サービス対象エリアの地図上に、前記空車状態の乗用旅客車両の位置をプロットすることにより、サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成する。
【0020】
送信手段104aは、所定の端末400aに対し、上記のように作成したマップを送信する。ここで、所定の端末400aとしては、タクシー利用者のスマートフォン、携帯端末、タクシー会社の端末、個人タクシー業者の車載端末等が考えられる。例えば、図2に示すように、タクシー利用者のスマートフォンにマップを表示することで、タクシー利用者は、付近のどこで、タクシーを拾いやすいかを把握することが可能となる。例えば、図2の例では、交差点Aに空車状態の乗用旅客車両が集まっているので、タクシー利用者は、交差点Aに向かえば、空車状態のタクシーを容易に見つけることが可能となる。
【0021】
また、上記のようなマップは、タクシー会社の端末、個人タクシー業者にも有用な情報となり得る。タクシー会社や個人タクシー業者にとっては、空車状態の車両の分布が分かるので、いわゆる流し営業のルートを変えたり、応援の車両を派遣したりする等の措置を取ることができる。
【0022】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第1の実施形態の情報提供サーバの構成を示すブロック図である。図3を参照すると、複数の定点カメラ200と接続された情報提供サーバ100の構成が示されている。情報提供サーバ100は、第1識別部101と、第2識別部102と、走行頻度計測部105と、マップ作成部103と、送信部104と、地図情報記憶部106と、を備えている。このような情報提供サーバ100は、クラウド基盤上に配置されたサーバや、サービス提供エリアの近くに設置されるMEC(Multi-access Edge Computing)サーバにより実現できる。
【0023】
図4は、本発明の第1の実施形態で用いる定点カメラ200の配置例を示す図である。以下の実施形態では、定点カメラ200として、図4に示すように、交差点の交通信号機500に付設されたカメラを用いるものとして説明する。このような交通信号機500に付設されたカメラを用いる利点の1つは、図4に示すように、交差点の交通流を俯瞰する位置に設置可能であり、電源や通信手段としても、既存の信号制御系のものを流用できる点である。もちろん、定点カメラ200は図4に示した交通信号機500付設の定点カメラ200に限られず、その他のロードサイドに設置されたカメラ全般を用いることができる。
【0024】
第1識別部101は、上記のような定点カメラ200で撮影された画像を用いて、前記道路上を通行する乗用旅客車両を識別する。このとき、第1識別部101は、道路上を通行する乗用旅客車両のすべてを識別するのではなく、歩道側の走行車線のように特定の車線を走っている車両を優先して乗用旅客車両かどうかを識別しても良い。また、この乗用旅客車両の識別は、車両が写っている領域を対象に車両の種類を分類する分類器を用いることもできる。このような分類器は、事前に機械学習により作成することができる。例えば、図5に示す道路のうち、歩道側の走行車線を走っている車両T1、T3、T4を識別すればよい。その理由は、一般的には、空車状態の乗用旅客車両は、乗客からの停車要請に応えるため、歩道側の走行車線を走っていることが多いからである。また、本実施形態では、空車状態の乗用旅客車両の走行頻度を計測し、利用者に提示することを目的としているため、空車状態以外の乗用旅客車両の情報は必要がないことも理由として挙げられる。また、このように、空車状態以外の乗用旅客車両を処理の対象から外すことは、情報提供サーバ100の負荷を減らす点でも有利である。
【0025】
第2識別部102は、前記定点カメラ200で撮影された画像を用いて前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別する。なお、第2識別部102が参照する画像は、第1識別部101によって、乗用旅客車両が写っていると識別された領域画像としてもよい。このようにすることで、第2識別部102が空車状態であるか否かを識別する対象を絞り込むことができる。なお、空車状態であるか否かは、例えば、前記定点カメラ200で撮影された乗用旅客車両に設けられている空車状態か否かを表す表示板の内容を識別する方法を採ることができる。また、この空車状態の識別も、車両の表示板が写っている領域を対象に表示板の内容を分類する分類器を用いることもできる。このような分類器は、事前に機械学習により作成することができる。また、空車状態であるか否かを識別する方法としては、車両のルーフ上に設置されている行灯・提灯(社名表示灯)の点灯状態を用いることもできる場合もある。この場合、乗用旅客車両の運営会社によって、行灯・提灯(社名表示灯)の点灯ルールが異なるので、ボディカラーや行灯・提灯(社名表示灯)の形状や文字により、運営会社も併せて識別し、総合的に判断することになる。
【0026】
走行頻度計測部105は、サービス対象エリア内に設定された所定の道路区間毎に、単位時間あたりの空車状態の乗用旅客車両の数を計算することで、空車状態の乗用旅客車両の走行頻度を計測する。例えば、単位時間である1時間に、ある道路区間を3台の乗用旅客車両が通行した場合、走行頻度は3となる。もちろん、単位時間や走行頻度の表し方はこれに限られず、種々の方法を用いることができる。なお、前記所定の道路区間としては、交差点間、所定の距離毎等の任意の区間を用いることができる。
【0027】
マップ作成部103は、上記第1識別部101、第2識別部102及び走行頻度計測部105で得られた情報を用いて、前記サービス対象エリア内の乗用旅客車両の状態別分布を表示可能なマップを作成する。本実施形態では、走行頻度計測部105が、サービス対象エリア内の各道路区間について、空車状態の乗用旅客車両の走行頻度(以下、「空車走行頻度」ともいう。)を計測している。従って、本実施形態では、地図情報記憶部106に記憶されているサービス対象エリアの地図に、空車状態の乗用旅客車両の走行頻度を追加することで前記マップを作成することができる。
【0028】
送信部104は、タクシー利用者やタクシー会社の端末からの要求に応じて、マップ作成部103で作成したマップを送信する。
【0029】
地図情報記憶部106は、サービス対象エリアの地図情報を記憶する。
【0030】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図6は、本発明の第1の実施形態の情報提供サーバ100の動作を表した流れ図である。図6を参照すると、まず、情報提供サーバ100は、定点カメラ200で得られた画像から、前記道路上を通行する乗用旅客車両を識別する(ステップS001)。
【0031】
次に、情報提供サーバ100は、検出した乗用旅客車両が空車状態か否かを識別する(ステップS002)。
【0032】
次に、情報提供サーバ100は、検出した乗用旅客車両の空車状態か否かの識別結果に用いて、該当する道路区間の空車走行頻度を再計算する(ステップS003)。
【0033】
次に、情報提供サーバ100は、サービス対象エリアの地図に、前記計算した道路区間の空車走行頻度をマッピングして配信用マップとして保存する(ステップS004)。
【0034】
以上のような処理を繰り返すことで、サービス対象エリア内の乗用旅客車両の検出と、空車走行頻度の更新が行われる。情報提供サーバ100は、タクシー利用者やタクシー会社の端末(以下、「端末」)からの要求に応じて、以上の手順で作成した配信用マップを配信する。
【0035】
図7は、本発明の情報提供サーバ100の情報提供動作を表したシーケンス図である。図7を参照すると、まず、端末が、情報提供サーバ100にアクセスすると、(ステップS101)、情報提供サーバ100は、端末から要求された位置に応じたマップを送信する(ステップS102)。ここで端末が要求する位置は、GPS(Global Positioning System)等の端末の位置情報取得手段により取得された位置であってもよい。
【0036】
さらに、前記端末が情報提供サーバ100に対し、空車走行頻度を要求すると(ステップS103)、情報提供サーバ100は、端末に対し、空車走行頻度付きのマップを送信する(ステップS104)。
【0037】
図8は、情報提供サーバ100が端末に送る空車走行頻度付きのマップの一例を示す図である。図8の例では、符号Tが端末の現在地を示している。また、道路に沿って付された矢線の太さが空車走行頻度を表している。例えば、図8の例では、端末の現在地付近の南北に延びる道路の現在地側の矢線よりも、道路の反対側の矢線の方が太い。この場合、利用者としては、道路を渡って反対側の歩道に移動した方が乗用旅客車両を見つけやすくなる。
【0038】
なお、図8の例では、地図上に、空車走行頻度のみを表した例を示したが、例えば、図2の右側の図に示すように、検出した乗用旅客車両の位置をプロットした地図を提供しても良いことはもちろんである。
【0039】
[第2の実施形態]
上記した第1の実施形態では、直近の空車走行頻度を提供したが、過去に計測した空車走行頻度を保存しておき、利用者に提供することも可能である。続いて、利用者から指定された任意の条件に適合する空車走行頻度を提供可能とした第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の構成及び動作は第1の実施形態とほぼ共通するので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0040】
図9は、本発明の第2の実施形態の情報提供サーバ100bの構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施形態の情報提供サーバ100との相違点は、情報提供サーバ100bに空車走行頻度記憶部109が追加されている点である。
【0041】
走行頻度計測部105bは、空車走行頻度を計測するとともに、別途一定の時間間隔で検出した空車をカウントし、時間帯別の空車走行頻度を空車走行頻度記憶部109に保存する。
【0042】
図10は、空車走行頻度記憶部109に保持される空車走行頻度情報の一例を示す図である。図10の例では、サービス対象エリアの測定区間(道路区間)の1時間ごとの空車走行頻度が記録されている。なお、図10の例では、測定区間(道路区間)を交差点A-交差点Bとした空車走行頻度情報が示されているが、他の測定区間(道路区間)についても同様に、空車走行頻度情報が記録される。
【0043】
送信部104bが、端末から要求された条件(時間単位、時間帯、曜日)に適合する空車走行頻度情報を読み出して、地図情報に重畳し、端末にマップとして送信する動作を行う。
【0044】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図11は、本実施形態の情報提供サーバ100bの動作を表した流れ図である。図11のステップS101~S102の動作は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0045】
ステップS103bで、端末が情報提供サーバ100bに対し、日時を指定して空車走行頻度を要求すると(ステップS103b)、情報提供サーバ100bは、端末に対し、端末から指定された日時の空車走行頻度付きのマップを送信する(ステップS104b)。
【0046】
図12は、情報提供サーバ100bが端末に送る空車走行頻度付きのマップの一例を示す図である。図12の例では、端末が、先週の日曜日の同じ時間帯の空車走行頻度付きマップを要求した例である。図12の例では、端末Tの位置より右側(東側)に延びる道路の北側の矢線が太く空車走行頻度が大きいことが示されている。この場合、利用者としては、東側の道路を渡って直進し、その沿線上の歩道に移動した方が乗用旅客車両を見つけやすいということになる。以上のように本実施形態によれば、現在の空車走行頻度ではなく、過去の任意の曜日や時間帯の空車走行頻度を参照し、将来の任意の時点において、乗用旅客車両を見つけやすい場所に移動することが可能となる。
【0047】
なお、上記した例では、端末が日時を指定して空車走行頻度付きのマップを要求するものとして説明したが、端末が要求する条件としては種種のものが考えられる。例えば、端末が3時間毎や6時間毎といったまとまった時間単位(集計単位)を指定し、空車走行頻度を要求してもよい。この場合、情報提供サーバ100bは、図11に示した空車走行頻度を集計して3時間毎や6時間毎の空車走行頻度を表したマップを提供すればよい。空車走行頻度を計算する測定区間(道路区間)についてもより細かい区間で計測しておくこととすれば、端末が指定した任意の区間の空車走行頻度を提供することが可能となる。
【0048】
また、上記した空車走行頻度付きのマップは、任意のルートで乗客を探す、いわゆる「流し営業」をする乗用旅客車両のドライバーに提供することもできる。これらのドライバーは、空車走行頻度付きのマップを参照して、競合する車両が多い通りを避け、競合する車両が少ない通りを巡回する流し営業のルートを作成することが可能となる。
【0049】
さらに、情報提供サーバ100bが、この空車走行頻度付きのマップをタクシー利用者等が閲覧した位置や回数等の統計情報を記録するようにしてもよい。この場合、情報提供サーバ100bが、このような統計情報を、マップと併せて、あるいは、統計情報単体で、タクシー会社等の端末に提供することもできる。
【0050】
[第3の実施形態]
上記した第1、第2の実施形態では、乗用旅客車両を見つけるための指標として空車走行頻度を提供する例を挙げたが、端末に提供可能な指標は、空車走行頻度に限られない。続いて、ある区間を走行した乗用旅客車両のうちの空車状態である乗用旅客車両の割合を示す空車率を提供可能とした第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の構成及び動作は第1の実施形態とほぼ共通するので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0051】
図13は、本発明の第3の実施形態の情報提供サーバ100cの構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施形態の情報提供サーバ100との相違点は、情報提供サーバ100cに走行頻度計測部105に代えて、割合計測部107が備えられている点である。
【0052】
割合計測部107は、過去所定時間の乗用旅客車両の数全体と、そのうちの空車状態の乗用旅客車両をそれぞれカウントし、空車率を計算する。空車率は、例えば、次式により定義することができる。
空車率=空車状態の乗用旅客車両の数/全乗用旅客車両の数
【0053】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図14は、本発明の第3の実施形態の情報提供サーバ100cの動作を表した流れ図である。図6に示す第1の実施形態の情報提供サーバ100の動作との相違点は、ステップS003cにおいて、情報提供サーバ100cが、検出した乗用旅客車両の空車状態か否かの識別結果に用いて、該当する道路区間の空車率を再計算する点である。その他の動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
図15は、情報提供サーバ100cが端末に送る空車率付きのマップの一例を示す図である。図15の例では、符号Tが端末の現在地を示している。また、道路に沿って付された両矢線に付された割合が空車率を表している。例えば、図15の例では、端末の現在地付近の空車率が10%から20%であり、乗用旅客車両が見つかったとしても空車である割合が低いことが分かる。一方、端末Tの北側の1ブロック先の東西に延びる道路の北側の空車率は40%であり、比較的空車である割合が高いことが分かる。この場合、利用者は、現在地から北側に移動し、空車率が40%である道路の歩道に移動した方が乗用旅客車両を見つけやすいということになる。
【0055】
なお、上記した例では、空車率を提供するのものとして説明したが、割合計測部107が実車率を計測し、実車率付きのマップとして提供するように変形することもできる。このような実車率付きのマップは、タクシー会社の配車計画の基礎資料や経営指標としても用いることができる。
【0056】
また、上記した空車率付きのマップや実車率付きのマップは、任意のルートで乗客を探す、いわゆる「流し営業」をする乗用旅客車両のドライバーに提供することもできる。これらのドライバーは、空車率付きのマップや実車率付きのマップを参照して、競合する車両が多い通りを避け、競合する車両が少ない通りを巡回する流し営業のルートを作成することが可能となる。
【0057】
さらに、情報提供サーバ100cが、上記空車率付きのマップや実車率付きのマップをタクシー利用者等が閲覧した位置や回数等の統計情報を記録するようにしてもよい。この場合、情報提供サーバ100cが、このような統計情報を、これらのマップと併せて、あるいは、統計情報単体で、タクシー会社等に端末に提供することもできる。
【0058】
なお、第3の実施形態についても、第2の実施形態と同様に、情報提供サーバ100cに、空車率や実車率を記憶する空車率記憶部、実車率記憶部を追加してもよい。そして、第2の実施形態と同様の動作を行わせることで、任意の日時や計測区間(道路区間)を指定した空車率付きマップや実車率付きマップを提供することが可能となる。
【0059】
[第4の実施形態]
続いて、利用者がマップを要求した位置を集計し、端末に提供する機能を追加した第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の構成及び動作は第1の実施形態とほぼ共通するので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0060】
図16は、本発明の第4の実施形態の情報提供サーバ100dの構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施形態の情報提供サーバ100との相違点は、情報提供サーバ100dにユーザ位置集計部108が追加されている点である。
【0061】
ユーザ位置集計部108は、端末からマップの要求を受けると、その位置を記録し、所定の時間間隔で記録する。
【0062】
マップ作成部103dは、ユーザ位置集計部108で集計された端末からマップの要求を受けた位置に関する情報を用いて、前記サービス対象エリア内の利用者分布を表示可能なマップを作成する。
【0063】
続いて、本実施形態の動作において、第1の実施形態に追加される動作について説明する。図17は、本発明の第4の実施形態の情報提供サーバ100dの追加動作を表した流れ図である。
【0064】
情報提供サーバ100dは、所定の時間間隔で、マップの送信要求を行った端末の位置を集計する(ステップS301)。
【0065】
情報提供サーバ100dは、地図情報記憶部に記憶されている地図情報上に、前記集計した端末位置をマッピングして、配信用マップとして保存する(ステップS302)。この配信用マップは、空車走行頻度付きのマップでもよいし、空車走行頻度なしのマップであってもよい。
【0066】
図18は、情報提供サーバ100dが端末に送る端末位置及び空車走行頻度付きのマップの一例を示す図である。図18の例では、各道路区間の空車走行頻度を表す矢線に加えて、マップの送信要求を行った端末の数が、人型のアイコンPで表されている。この人型のアイコンPが多い通りは、乗用旅客車両を探している利用者が多いこと、即ち、ある利用者にとってライバルとなる利用者が多いことを示している。端末Tの利用者は、表示された各道路区間の空車走行頻度に加えて、これらのライバルの数を参照して、乗用旅客車両を見つけやすい場所に移動することが可能となる。例えば、図18の例では、端末の現在地の側の矢線よりも、道路の反対側の矢線の方が太い。さらに、道路の反対側には、マップを要求した端末もいない。この場合、利用者としては、道路を渡って反対側の歩道に移動した方が乗用旅客車両を見つけやすくなる。
【0067】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した装置構成、各要素の構成、データ等の表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0068】
例えば、上記した実施形態では、移動中の乗用旅客車両を検出するものとして説明したが、停車中の乗用旅客車両に着目し、その数をカウントして端末に提供してもよい。停車中の乗用旅客車両がある場合、その場所に行けば、乗用旅客車両に乗車できる可能性は高い。このような情報を定点カメラ200で収集し、上記した各実施形態のマップとともに端末に提供する機能を追加してもよい。
【0069】
より具体的には、上記機能は、情報提供サーバに、空車状態で路肩に停車している客待ち状態の乗用旅客車両を検出する第3の識別手段を追加することで実現できる。この場合、マップ作成部(マップ作成手段)は、前記第3の識別手段で識別した情報を用いて、サービス対象エリア内の前記客待ち状態の乗用旅客車両を表示可能なマップを作成する。そして、送信部は、端末に対して、サービス対象エリア内の前記客待ち状態の乗用旅客車両を表示可能なマップを送信する。
【0070】
また、上記した実施形態では、乗用旅客車両が有人のタクシー等であることを想定して説明したが、乗用旅客車両は、無人の乗用旅客車両であってもよい。
【0071】
また、上記した各実施形態に示した手順は、情報提供サーバとして機能するコンピュータ(図19の9000)に、情報提供サーバとしての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、図19のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インターフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、図19のCPU9010にて、車両識別プログラムやマップ作成プログラムを実行させればよい。
【0072】
即ち、上記した情報提供システム100a、情報提供サーバ100a~100dの各部(処理手段、機能)は、これらの装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0073】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による情報提供システム参照)
[第2の形態]
上記した情報提供システムは、
さらに、前記第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリアに設定された所定の道路区間毎に、空車状態の乗用旅客車両の走行頻度を計測する走行頻度計測手段を備え、
前記マップ作成手段は、前記サービス対象エリアの道路区間毎に、前記空車状態の乗用旅客車両の走行頻度を表示可能なマップを作成する構成を採ることができる。
[第3の形態]
上記した情報提供システムは、
さらに、前記第2の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリアに設定された所定の道路区間毎に、走行している乗用旅客車両中の空車若しくは実車の割合を計測する割合計測手段を備え、
前記マップ作成手段は、前記サービス対象エリアの道路区間毎に、前記割合を表示可能なマップを作成する構成を採ることができる。
[第4の形態]
上記した情報提供システムにおいて、
前記空車の乗用旅客車両の走行頻度、又は、前記走行している乗用旅客車両中の空車若しくは実車の割合を計測する時間単位を指定可能であってもよい。
[第5の形態]
上記した情報提供システムにおいて、
前記空車の乗用旅客車両の走行頻度、又は、前記走行している乗用旅客車両中の空車若しくは実車の割合を計測した曜日又は時間帯を指定可能であってもよい。
[第6の形態]
上記した情報提供システムにおいて、
前記第1の識別手段は、前記定点カメラで撮影した画像中の走行車線を走行している車両を優先して、前記乗用旅客車両を識別し、
前記第2の識別手段は、前記第1の識別手段が識別した乗用旅客車両の画像から、前記乗用旅客車両が空車状態であるか否かの状態を識別する構成を採ることができる。
[第7の形態]
上記した情報提供システムにおいて、
さらに、前記所定の端末の位置を特定する手段を備え、
前記送信手段は、前記所定の端末からの要求に応じて、前記マップを送信し、
前記マップに加えて、前記マップの要求を行った前記所定の端末の位置に関する情報を提供する機能を備える構成を採ることができる。
[第8の形態]
上記した情報提供システムにおいて、
さらに、
空車状態で路肩に停車している客待ち状態の乗用旅客車両を検出する第3の識別手段を備え、
前記マップ作成手段は、前記第3の識別手段で識別した情報を用いて、前記サービス対象エリア内の前記客待ち状態の乗用旅客車両を表示可能なマップを作成する構成を採ることができる。
[第9の形態]
(上記第2の視点による乗用旅客車両情報の提供方法参照)
[第10の形態]
(上記第3の視点によるプログラム参照)
なお、上記第9~第10の形態は、第1の形態と同様に、第2~第8の形態に展開することが可能である。
【0074】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0075】
100a、100b、100c、100d 情報提供サーバ
100a 情報提供システム
101 第1識別部
101a 第1の識別手段
102 第2識別部
102a 第2の識別手段
103、103c、103d マップ作成部
103a マップ作成手段
104、104b 送信部
104a 送信手段
105、105b 走行頻度計測部
106 地図情報記憶部
107 割合計測部
108 ユーザ位置集計部
109 空車走行頻度記憶部
200、200a 定点カメラ
300a 乗用旅客車両
400a 端末
500 交通信号機
P アイコン
T 端末
T1~T4 車両
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インターフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19