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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】付加造形における溶融池位置の計測
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/90 20210101AFI20241112BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20241112BHJP
   B22F 12/40 20210101ALI20241112BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20241112BHJP
【FI】
B22F12/90
B22F10/28
B22F12/40
B33Y30/00
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2023524751
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021056112
(87)【国際公開番号】W WO2022087314
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】63/104,414
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(72)【発明者】
【氏名】エリック ピーター グッドウィン
(72)【発明者】
【氏名】チーウェイ リン
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-240807(JP,A)
【文献】特開2003-287407(JP,A)
【文献】特開2019-077892(JP,A)
【文献】特開2021-042410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/28,12/40,12/90
B29C
B33Y 30/00
G01B
G01K
G01W
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工ビームを照射し、前記加工ビームで被造形物に溶融池を形成する光源と、
前記溶融池に造形材料を供給し、前記被造形物に積層を行う材料供給装置と、
に加え、
前記溶融池から射出され、第1軸に沿って進む第1放射線を受光する第1受光デバイスと、
前記溶融池から射出され、前記第1軸と交差する第2軸に沿って進む第2放射線を受光する第2受光デバイスと、
を備え
前記溶融池の高さに関する情報を検出する
付加造形装置。
【請求項2】
前記第1受光デバイスは、前記第1放射線を集光する第1集光光学系と、前記集光された第1放射線を光電変換する第1光検出器と、を含む
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項3】
前記第1受光デバイスは、前記第1集光光学系による前記第1放射線の集光位置に配置されたアパーチャを規定するアパーチャ部材を含み、前記第1光検出器は、前記アパーチャ部材を通過する前記第1放射線を受光する
請求項2に記載の付加造形装置
【請求項4】
前記第1光検出器は、前記第1集光光学系による前記第1放射線の集光位置に配置された線形検出器を含むとともに、1次元方向に配置された光電変換要素を含む
請求項2に記載の付加造形装置
【請求項5】
前記溶融池に入射する前記加工ビームの伝播軸と前記第1軸とにより形成される第1角は、前記伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角より大きい
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項6】
前記溶融池に入射する前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角は、前記伝播軸と前記溶融池からの前記加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角とは異なる
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項7】
前記溶融池に入射する前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角は、前記伝播軸と前記溶融池からの前記加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角より小さい
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項8】
前記溶融池に入射する前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角は、前記伝播軸と前記溶融池からの前記加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角より大きい
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項9】
前記第2軸は、前記加工ビームの前記伝播軸に実質的に平行である
請求項5に記載の付加造形装置
【請求項10】
前記加工ビームの光路に配置され、前記第2放射線を曲げるフォールディング部材を更に備える
請求項5に記載の付加造形装置
【請求項11】
コントローラを更に備え、
前記第1受光デバイスは、前記第1放射線を光電変換する第1光検出器を含み、前記第2受光デバイスは、前記第2放射線を光電変換する第2光検出器を含み、前記コントローラは、前記第1光検出器からの第1出力及び前記第2光検出器からの第2出力を計算する
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項12】
前記コントローラは、前記計算された第1出力及び前記計算された第2出力に基づいて決定された関数を用いて、前記溶融池の寸法を決定する
請求項11に記載の付加造形装置
【請求項13】
前記溶融池の前記寸法は、前記溶融池の高さ及び前記溶融池のサイズの少なくとも一方を含む
請求項12に記載の付加造形装置
【請求項14】
前記溶融池の寸法は、前記溶融池の横断寸法である
請求項12に記載の付加造形装置
【請求項15】
加工ビームでワークピース上に溶融池を形成することによって前記ワークピースを加工する加工デバイスであって、
請求項1に記載の前記付加造形装置を備える
加工デバイス。
【請求項16】
特性変更デバイスからの出力に基づいて、前記加工ビームの特性を変更する特性変更デバイスを更に備える
請求項15に記載の加工デバイス。
【請求項17】
当該加工デバイスは、前記材料を前記溶融池に供給することによって、前記ワークピース上に物体を造形する
請求項15に記載の加工デバイス。
【請求項18】
前記第2受光デバイスは、前記第2軸に沿って位置し、フォーカス要素と、光検出器と、を有し、
前記フォーカス要素は、溶融池からの光を受光し、前記受光した光を前記光検出器に向けるように置かれ、
前記第2軸は、前記溶融池に入射する前記加工ビームの伝播軸に対して傾いており、
前記光検出器は、単一ピクセル光検出器、又は、線形検出器を含み、
前記第2受光デバイスは、前記光検出器に接続され、前記光検出器に向かう前記受光された光に基づいて、追跡信号を生成するように動作可能な受光器を備える
請求項1に記載の付加造形装置
【請求項19】
前記第2軸は、前記伝播軸又は前記第1軸に対して、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80又は90度傾いている
請求項18に記載の付加造形装置
【請求項20】
前記第2受光デバイスは、前記光検出器に向かう前記受光された光を減衰するように置かれたアパーチャプレートを更に有する
請求項18又は19に記載の付加造形装置
【請求項21】
前記フォーカス要素は、前記アパーチャプレートに近接する前記溶融池からの前記受光された光を集束させるように置かれたレンズである
請求項20に記載の付加造形装置
【請求項22】
前記アパーチャプレートは、円形アパーチャ、矩形アパーチャ、スリット、又は、2以上のアパーチャエッジを規定する
請求項21に記載の付加造形装置
【請求項23】
前記アパーチャプレートは、スリットである、又は、2以上のアパーチャエッジにより規定される
請求項21に記載の付加造形装置
【請求項24】
アパーチャプレートは、前記フォーカス要素からの前記受光された光の20%~80%を遮断するように置かれており、それにより、反対方向のビーム変位が受光された光学パワーの反対の変化を生成する
請求項18に記載の付加造形装置
【請求項25】
前記加工ビームを生成するように動作可能な加工ビーム源と、前記溶融池と前記第2軸との相対位置を調整するために、前記追跡信号に応答する位置決め要素とを更に有する
請求項18に記載の付加造形装置
【請求項26】
前記位置決め要素は、前記伝播軸又は前記第1軸に沿って前記溶融池の位置を調整するように動作可能なステージである
請求項25に記載の付加造形装置
【請求項27】
前記第2受光デバイスの前記光検出器は、第1検出器及び第2検出器を含み、前記受光器が、前記受光された光の部分soに基づく第1追跡信号及び第2追跡信号を生成するように動作可能なように置かれており、ここで、前記第1追跡信号及び前記第2追跡信号は、前記溶融池の位置の変化に対して反対の傾きを有している
請求項18に記載の付加造形装置
【請求項28】
前記第2受光デバイスは、夫々、前記第1検出器及び前記第2検出器に向かう前記受光された光を減衰するように置かれた第1アパーチャプレート及び第2アパーチャプレートを更に有する
請求項27に記載の付加造形装置
【請求項29】
前記光検出器は、線形検出器アレイである
請求項18に記載の付加造形装置
【請求項30】
前記受光器は、前記光検出器に接続されており、前記受光された光が前記光検出器に入射する位置に基づいて、前記追跡信号を生成するように動作可能である
請求項29に記載の付加造形装置
【請求項31】
前記溶融池の位置は、前記光検出器に対する前記受光された光の強度の強度パターンの重心に基づいている
請求項30に記載の付加造形装置
【請求項32】
前記加工ビームを生成するように動作可能な加工ビーム源と、前記溶融池と前記第2軸との相対位置を調整するために、前記追跡信号に応答する位置決め要素とを更に有する
請求項31に記載の付加造形装置
【請求項33】
前記受光された光の第1部分及び第2部分を、前記線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に向けるように配置されたビームスプリッタを更に有する
請求項29に記載の付加造形装置
【請求項34】
前記受光された光の前記第1部分及び前記第2部分は、異なるスペクトル部分であり、前記ビームスプリッタは、前記異なるスペクトル部分を前記線形検出器アレイの前記対応する第1及び第2範囲に選択的に向けるダイクロイックビームスプリッタである
請求項33に記載の付加造形装置
【請求項35】
前記受光された光の前記第1部分及び前記第2部分が、前記溶融池までの距離が増えるほど離れる前記線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に向けられるように、前記ビームスプリッタが配置されている
請求項33に記載の付加造形装置
【請求項36】
前記溶融池から受光された前記光は、加工ビーム、前記加工ビームの部分、又は、分析ビーム源からの分析ビームの部分に応答して、前記溶融池から射出された熱放射線である
請求項18に記載の付加造形装置
【請求項37】
加工軸に沿った加工ビームを基板の作業領域に向け、それにより、前記加工ビームが前記作業領域に集束されるにように配置された加工ビーム源を更に備え、
前記第2受光デバイスは、前記加工軸に対して傾いた軸に沿った前記加工ビームに応答して前記作業領域からの光を受光し、且つ、前記作業領域に対して収束された加工ビームの位置を定めるように配置された光学フォーカスセンサを備え、
前記光学フォーカスセンサは、前記光を受光するように配置された、単一ピクセル検出器及び線形検出器の少なくとも一方を含む
請求項1に記載の付加造形装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、付加造形における材料堆積評価に関する。
【背景技術】
【0002】
ある付加造形システムは、付加材料が向けられる溶融池を生成するためにレーザ加工ビームを用いる。この深材料は、溶融池に組み込まれ、造形される部分の高さを増加させる。部分高さに関して計測することが望ましい。従って、改善されたアプローチが必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
代表的な装置は、追跡軸に沿って位置する追跡光学系を備え、追跡光学系は、少なくとも1つのフォーカス要素及び少なくとも1つの光検出器を備える。少なくとも1つのフォーカス要素は、溶融池から光学放射線を受光し、受光された光学放射線を光検出器に向けるように置かれている。追跡軸は、加工軸に対して傾いており、光検出器は、少なくとも1つの単一ピクセル光検出器又は線形検出器を含む。受光器は、光検出器に接続され、光検出器に向けられた受光された光学放射線に基づいて、加工軸に沿った溶融池の位置に関連する追跡信号を生成するように動作可能である。いくつかの例では、追跡軸は、加工軸に対して、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80又は90度傾いている。典型的な例では、光学系は、光検出器に向かう受光された光学放射線を減衰するように置かれたアパーチャプレートを更に備え、少なくとも1つの光学素子は、アパーチャプレートに近接する溶融池から受光された光学放射線を集束させるように配置されたレンズである。いくつかの代表的な例では、アパーチャプレート、円形アパーチャ、矩形アパーチャ、スリット、又は、2以上のアパーチャエッジを規定する。いくつかの場合では、アパーチャプレートは、フォーカス要素からの受光された光学放射線の20%~80%を遮断するように置かれており、それにより、反対方向のビーム変位が、光検出器において受光された光学パワーの反対の変化を生成する。いくつかの例では、加工ビーム源は、加工ビームを生成するように動作可能であり、位置決め要素は、溶融池と追跡軸との相対位置を調整するために、追跡信号に応答する。いくつかの例では、位置決め要素は、加工軸に沿った溶融池の位置を調整するように動作可能なステージである。
【0004】
付加的な例によれば、追跡光学系の少なくとも1つの検出器は、第1検出器及び第2検出器を含み、且つ、受光器が、受光された光学放射線の部分に基づいて、加工軸に沿った溶融池の位置に関連する対応第1追跡信号及び第2追跡信号を生成するように動作可能に、置かれている。第1追跡信号及び第2追跡信号は、加工軸に沿った溶融池の位置の変化に対して反対の傾きを有するように構成されている。便利な例では、光学系は、夫々、第1光検出器及び第2光検出器に向かう受光された光学放射線を減衰するように置かれた第1アパーチャプレート及び第2アパーチャプ板を更に備える。いくつかの例では、少なくとも1つの光検出器は線形アレイであり、受光器は、光検出器に接続され、受光された光学放射線が光検出器に入射する位置に基づいて、加工軸に沿った溶融池の位置に関連する追跡信号を生成するように動作可能である。いくつかの実施形態では、加工軸に沿った溶融池の位置は、光検出器に入射する放射線の強度パターンの重心に基づいている。
【0005】
いくつかの実施例では、加工ビーム源は、加工ビームを生成するように動作可能であり、位置決め要素は、溶融池と追跡軸との相対位置を調整するために追跡信号に応答する。代表的な例では、ビームスプリッタは、受光された放射線の第1部分及び第2部分を、線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に向けるように置かれている。いくつかの実施形態によれば、受光された放射線の第1部位及び第2部位は、異なるスペクトル部分であり、ビームスプリッタは、異なるスペクトル部分を線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に選択的に向けるダイクロイックビームスプリッタである。更なる事例では、ビームスプリッタは、受光された放射線の第1部分及び第2部分を、溶融池までの距離が増えるほど離れる線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に向けられるように置かれている。
【0006】
代表的なシステムは、加工軸に沿った加工ビームが基板の作業領域に向けられ、それによって、加工ビームが作業領域に集束するように置かれた加工ビーム源を含む。光学フォーカスセンサは、加工軸に対して傾いた軸に沿った加工ビームに応答した作業領域からの光学放射線を受光し、且つ、作業領域に対する加工ビームフォーカスの位置を確立するように置かれている。光学フォーカスセンサは、光学放射線を受光するように置かれた、単一ピクセル検出器及び線形検出器の少なくとも一方を含む。
【0007】
方法は、作業領域に対して垂直な基板軸に対して傾いている追跡軸に沿った、基板の作業領域からの光学放射線を受光することを含む。作業領域から受光され、追跡軸に沿って置かれたアパーチャによって伝送される光学放射線のパワーが計測される。計測されたパワーに基づいて、基板軸に沿った作業領域の変位を推定する。いくつかの場合では、作業領域の変位は、変位に基づいて調整される、又は、1以上の加工条件が修正される。典型的な例では、作業領域からの光学放射線は、加工ビームでの作業領域の照射により生成される、又は、作業領域に向かうトレーサビームの部分である。更なる例では、作業領域の変位は、基板軸に沿って作業領域を移動させることによって、又は、作業領域に向かう加工ビームを調整することによって、調整される。いくつかの例では、光学放射線は、黒体放射線、又は、溶融池の温度に基づいて生成される他の放射線等の、加工ビームによって生成される溶融池に関連する。付加的な例では、溶融池の温度が推定され、推定された温度に基づいて、計測されたパワーが調整され、ここで、基板軸に沿った作業領域の変位は、調整され計測されたパワーに基づいて決定される。他の典型的な実施形態では、パワーを計測することは、作業領域から受光され、追跡軸に沿って置かれた第1及び第2アパーチャによって伝送される光学放射線の第1及び第2パワーを計測することを含み、ここで、基板軸に沿った作業領域の変位は、第1及び第2パワーに基づいて決定される。
【0008】
付加的な代表的な方法は、作業領域に垂直な基板軸に対して傾いた追跡軸に沿った、基板の作業領域からの光学放射線を受光することと、受光された光学放射線を線形検出器に向けることと、を含む。受光された光学放射線が線形検出器に入射する位置に基づいて、基板軸に沿った作業領域の変位が決定され、作業領域の変位又は加工条件が調整される。
【0009】
加工ビームにより生成された溶融池を検出する検出デバイスは、溶融池から射出され、第1軸に沿った第1放射線を受光する第1受光デバイスと、溶融池から射出され、第1軸に対して傾いた第2軸に沿った第2放射線を受光する第2受光デバイスと、を備える。第1受光デバイスは、第1放射線を集光する第1集光光学系と、集光された第1放射線を光電変換する第1光検出器とを含んでよい。第1受光デバイスは、第1集光光学系による第1放射線の集光位置に配置されたアパーチャを規定するアパーチャ部材を含んでよく、第1光検出器は、アパーチャ部材のアパーチャを通過する第1放射線を受光する。第1光検出器は、第1集光光学系による第1放射線の集光位置に配置された線形検出器を含んでよく、1次元方向に配置された光電変換要素を含んでよい。いくつかの例では、加工ビームの伝播軸と第1軸とにより形成される第1角は、加工ビームの伝搬軸と第2軸との間に形成される第2角より大きい。更なる例では、加工ビームの伝搬軸と第2軸との間に形成される第2角は、加工ビームの伝搬軸と溶融池からの加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角度とは異なっている。付加的な例では、加工ビームの伝搬軸と第2軸との間に形成される第2角は、加工ビームの伝搬軸と溶融池からの加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角よりも小さい。この開示によれば、加工ビームの伝搬軸と第2軸との間に形成される第2角は、加工ビームの伝搬軸と溶融池からの加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角よりも大きい。典型的な例では、第2軸は、加工ビームの伝播軸からわずかに傾いている。第2軸は、加工ビームの伝播軸に実質的に平行であってもよい。例では、フォールディング部材が、加工ビームの光路に配置され、第2軸を曲げる。第2放射線は、フォールディング部材を介して、第2受光デバイスにより受光されてよい。
【0010】
更なる例では、請求項29の検出デバイスは、コントローラと、第1放射線を光電変換する第1光検出器を含む第1受光デバイスと、第2放射線を光電変換する第2光検出器を含む第2受光デバイスと、を含み、コントローラは、第1光検出器からの第1出力及び第2光検出器からの第2出力を計算する。いくつかの例では、コントローラは、第1出力及び第2出力に基づいて溶融池の寸法を取得する。溶融池の寸法は、溶融池の高さ、及び、溶融池の高さ方向に垂直なサイズの少なくとも一方を含む。更なる例では、加工ビームでワークピース上に溶融池を形成することによってワークピースを加工する加工デバイスは、検出デバイスを備える。いくつかの例では、特性変更デバイスは、特性変更デバイスからの出力に基づいて、ビーム形状、サイズ、パワー、偏光状態、伝搬方向又は他の特性等の加工ビームの特性を変更するように置かれる。材料供給デバイスは、1つ以上の材料を溶融池に供給するように置かれる。加工デバイスは、材料を溶融池に供給することによって、ワークピース上に物体を造形してよい。
【0011】
この開示の前述及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、光学式高さセンサを含む代表的な付加造形システム(AMS)を示す図である。
図2A図2Aは、光学式高さセンサ及び光学式溶融池温度センサを含むAMSの部分を示す図である。
図2B図2Bは、図2Aの光学式高さセンサに使用される代表的なビームスプリッタを示す図である。
図2C図2Cは、図2Aの代表的な光学式高さセンサについて、検出された光学パワーをアパーチャ位置の関数として示すグラフである。
図2D図2Dは、加工ビーム軸及び温度センサ軸の代表的な配置を示している。
図2E図2Eは、加工ビーム軸及び温度センサ軸の代表的な配置を示している。
図2F図2Fは、加工ビーム軸及び温度センサ軸の代表的な配置を示している。
図2G図2Gは、加工ビーム軸及び温度センサ軸の代表的な配置を示している。
図2H図2Hは、加工ビーム軸及び温度センサ軸の代表的な配置を示している。
図3A図3Aは、デュアル光検出器と夫々のアパーチャとを含む光学式高さセンサを含むAMSの部分を示す図である。
図3B図3Bは、図3Aの代表的な光学式高さセンサのデュアル検出器各々について、検出された光学パワーをアパーチャ位置の関数として示すグラフである。
図3C図3Cは、図3Aの代表的な光学式高さセンサのデュアル検出器各々について、検出された光学パワーをアパーチャ位置の関数として示すグラフである。
図4A図4Aは、線形検出器アレイを含む光学式高さセンサを含むAMSの部分を示す図である。
図4B図4Bは、図4Aの線形検出器アレイ上のビームの伝送を高さ変動の関数として示す図である。
図4C図4Cは、線形検出器体アレイと、線形検出器アレイに対する光学パワーを増加するシリンドリカルレンズとを示す図である。
図5A図5Aは、デュアル検出ビームを受光するように置かれた線形検出器アレイを含む光学式高さセンサを含むAMSの部分を示す図である。
図5B図5Bは、2つの異なる高さに対する、図5Aの線形検出器アレイ上の集束スポット位置を示す図である。
図5C図5Cは、図5Aの線形検出器アレイでの光学パワーを示す図である。
図5D図5Dは、図5Aの線形検出器アレイでの光学パワーを示す図である。
図6A図6Aは、交差した光路でデュアル検出ビームを受光するように置かれた線形検出器アレイを有する光学式高さセンサを含むAMSの部分を示す図である。
図6B図6Bは、異なる高さに対する、図6Aの線形検出器アレイ上の集束スポット位置を示す図である。
図6C図6Cは、異なる高さに対する、図6Aの線形検出器アレイ上の集束スポット位置を示す図である。
図6D図6Dは、図6Cに示される集束スポットについての、図6Aの線形検出器アレイでの光学パワーを示す図である。
図7図7は、ここで開示される光学式高さセンサを含む代表的な造形方法を示す図である。
図8図8は、溶融池について高さを測定するために、軸上及び軸外信号ピクセル光検出器を使用するための較正方法を示す図である。
図8A図8Aは、溶融池について高さを測定するために、軸上及び軸外信号ピクセル光検出器を使用するための較正方法を示す図である。
図8B図8Bは、溶融池について高さを測定するために、軸上及び軸外信号ピクセル光検出器を使用するための較正方法を示す図である。
図8C図8Cは、溶融池について高さを測定するために、軸上及び軸外信号ピクセル光検出器を使用するための較正方法を示す図である。
図9図9は、高さセンシングのための開示された方法及び装置を使用する付加造形方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形“a”、“an”及び“the”は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形を含む。加えて、用語“includes”は、“comprises”を意味する。更に、用語“coupled”は、結合されたアイテム間の中間要素の存在を除外しない。
【0014】
ここに記載されたシステム、装置及び方法は、決して限定するものと解釈されるべきではない。代わりに、この開示は、単独で、並びに、互いの様々な組み合わせ及びサブコンビネーションで、様々な開示された実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。開示されたシステム、方法及び装置は、どんな特定の態様若しくは特徴又はそれらの組合せに限定されず、開示されたシステム、方法及び装置は、任意の1以上の特定の利益が存在すること、又は、課題が解決されることを必要としない。動作理論は、説明を容易にするためのものであるが、開示されたシステム、方法及び装置は、そのような動作理論に限定されない。
【0015】
開示された方法のうちのいくつかの動作は、便宜上、特定の順序で記載されるが、以下に定める特定の言い回しにより要求された特定の順序でない限り、この説明の方法は、並べ替えを包含することを理解すべきである。例えば、連続して記載された動作は、場合によっては、並べ替えられてもよいし、同時に実行されてもよい。更に、簡単にするために、添付の図面は、開示されたシステム、方法及び装置が、他のシステム、方法及び装置との連携で使用され得る様々な手法を示していない場合がある。加えて、説明は、開示された方法を記載するために、“produce”及び“provide”のような用語を用いるときがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実施に応じて変化してよく、当業者によって容易に認識される。
【0016】
以下の説明での便宜上、「光」及び「光学放射線」という用語は、300nmから10μmの波長範囲の伝播電磁波を指すが、他の波長も使用可能である。この放射線は、ここでは、レーザダイオード、他の光源等のレーザによって生成された、又は溶融池若しくは他の熱源から放出された、光学放射線に典型的に基づく1以上の「ビーム」内を伝播するものとして言及される。ビームは、1以上のレーザ横モードに関連する空間的な広がりを有してよく、実質的にコリメートされてよい。
【0017】
便宜上、ビームは、1以上の軸に沿って伝播するものとして説明される。そのような軸は、一般に、1以上の線分に基づいており、それにより、軸は、曲げられ、フォールドされ、そうでなければミラー、プリズム、レンズ及び他の光学要素に応答する軸として、いくつかの非共線部分を含んでよい。用語「レンズ」は、ここでは、単一の屈折光学要素(シングレット)、又は、1以上のシングレット、ダブレット若しくは他の複合レンズを含む複合レンズを参照するために用いられる。いくつかの例では、ビームは、屈折光学要素によって成形または方向付けられるが、他の例では、ミラー等の反射光学要素が用いられる、又は、屈折及び反射要素の組み合わせが用いられる。そのような光学系は、夫々、屈折、反射及び反射屈折と称されてよい。他のタイプの屈折、反射、回折、ホログラフィ及び他の光学要素が、都合のよいように用いられてよい。いくつかの例では、立方体ビームスプリッタのようなビームスプリッタを用いて、入力ビームを透過ビームと反射ビームとに分離するが、プレート又は他のビームスプリッタが用いられてもよい。ここで用いられる場合、0.5、1、2、5、10又は20度未満の角度は、わずかな角度と称され、0.5、1、2、5、10又は20度未満の角度の軸は、実質的に平行と称される。
【0018】
例は、XYZ座標系を用いて説明され、一般的には、高さ調整又はZ軸のための方法及び装置を説明する。たいていの例では、高さの変化を推定するために、(黒体放射線のような)熱的に誘起される放射線が用いられるが、専用の光学ビーム又は加工ビームの部分が用いられてもよい。単一要素光検出器(単一ピクセル光検出器とも称される)又は線形検出器が便利である、しかしながら、単一要素又は線形検出器と比べて必要以上に複雑且つ高価になる可能性があるが、撮像アレイ検出器が用いられてもよい。作業表面法線に対して傾いた軸は、場合によっては、追跡軸又は単に傾いた軸と称される。加工ビームは、わずかな傾きを有する軸にも伝わるが、説明において、どの軸が意図されているかは明らかであろう。作業表面位置は、表面法線又は加工ビーム軸に対して計測されてよく、一般的に、高さは、表面法線に対して計測されることが好ましいが、いずれの場合においても、そのような位置計測は、高さ計測と称される。作業表面又は溶融池軸は、作業表面又は溶融池に対して垂直な軸であり、典型的には加工軸とわずかに異なっている。「受光器」は、1以上の光検出器で検出された光学パワーに応答して、ディジタル又はアナログのいずれかの出力を生成するように動作可能な電子システムを指し、基板温度又は他の処理を補償するための処理を含んでよい。このような処理は、付加的な処理ハードウエア又はプロセッサ実行可能命令でも実行されてよい。
【0019】
代表的な付加造形システム
図1を参照すると、代表的な付加造形システム100は、基板108上の対象領域107に垂直な軸106に対して角度αだけ傾く軸104に加工ビームが沿うように置かれたレーザ光学系102を含む。便宜上、代表的なXYZ座標系101が示されている。xyz軸ステージ105は、加工ビームフォーカスサイズ又はフォーカス位置を調整するために、レーザ光学系102に結合される。加工ビームは、一般に、溶融される対象領域107に向けられ、このため、対象領域は、ここでは溶融池と称される。典型的なAMSアプリケーションでは、加工ビームは、溶融池を生成するために充分なパワーを供給する。基板108は、XYZステージ109によって保持される。加工中、ステージ105、109の動きは、両方が同時に又は連続的に動くように調整されてよい。他の例では、ステージ105又はXYZステージ109は、5軸または6軸ステージシステムであってもよい。
製造の一部が加工ヘッドに相対的に移動されてよいし、又は、加工ヘッドが該一部に相対的に移動されてもよいし、又は、両方が互いに相対的に移動されてもよい。以下では、Zセンサが、加工ビームに対する決定に用いられる。
【0020】
ノズル110、112は、夫々供給ライン111、113によって材料供給114に結合され、意図された部分を製造するために、溶融池107に材料を供給可能である。ノズル110、112及び基板基材108は、適した雰囲気中で加工を行うことができるように、窒素等の不活性気体を含むリザーバ136に結合されたチャンバ134内に置かれる。
【0021】
加工中、ノズル110、112からの物質が溶融池107に加えられ、溶融池107のZ位置が変化する。この高さ変化は、軸106に対して角度Θだけ傾いた軸120に沿った光学放射光(及び、典型的には、黒体放射光、又は、加工ビームに応答して放射される他の熱放射光)を受光するように置かれたZセンサ122で計測可能である。ここで、Θは、一般的に、5、10、15、20、25、30、40、45又は50度より大きい。他の例では、溶融池107にビームを向け、このビームの部分がZセンサ122によって用いられる付加的な光学源が提供されてよい。Zセンサ122によって受光される光学放射線は、可視若しくは赤外放射線、又は、他のスペクトル範囲の放射線であってもよい。可視及び赤外放射線は、これらのスペクトル範囲の安価な検出器が利用できるために都合がよい。代わりに、加工ビームの反射又は散乱部分が、Zセンサ122によって用いられてもよい。いくつかの場合では、加工ビームの部分が用いられてもよい。溶融池107から放射された光学パワーは溶融池の温度に依存し、典型的には、Zセンサ122で受光される光学放射の計測量は、溶融池の高さを決定する際の溶融池の温度に基づいて調整される。Zセンサ122は、軸120に沿った及び軸120の周りでの位置決めを可能とするために、xyzステージ123に固定されてよい。代わりに、レーザ光学系102及びZセンサが共通のxyzステージに結合されてもよい。Zセンサ122はコントローラ130に結合され、それにより、加工ビームフォーカス、基板位置、又は、材料流量若しくは加工ビームパワー等の加工条件が調節されてよい。コントローラ130は、造形において用いられる部品仕様を含むデータベース132と、溶融池107への材料流を制御可能なバルブ111A、113Aとに連結されている。
【0022】
加工ビームは、溶融池107から光学放射線を受光し、光学放射線を温度センサ(Tセンサ)126に向けるように置かれたビームスプリッタ121を介して、溶融池107に送られる。典型的には、Tセンサ126、Zセンサ122及びレーザ光学系102は、共通のxyzステージで位置決め可能である。ビームスプリッタ121は、典型的には、加工ビームを伝送するアパーチャと、溶融池107からの光学放射線を反射させるアパーチャについての部分とを含む。ニュートラル又はダイクロイックビームスプリッタ等の他のビームスプリッタが用いられてよく、他の例では、加工ビームはビームスプリッタによって基板108へ反射され、温度センサ126はビームスプリッタによって伝送された光学放射線を受光する。さらに他の例では、ビームスプリッタは使用されず、レーザ光学系102と温度センサ126への光路は重ならない。溶融池107から放射される光学放射線は、溶融池温度に基づいており、それにより、受光された光学パワーは、溶融池温度の評価に用いることができる。温度センサ126の温度出力をZセンサ122と併用して、Zセンサ122での光学パワーの溶融池温度への依存性を補償することができる。代わりの実施形態では、Zセンサ122は回転されてよく、X、Y若しくは他の軸に沿った溶融池107の位置を計測する、又は、マルチプルセンサを提供する1以上の付加的なセンサは、異なる構成で配置されてよく、異なる位置情報を提供してよく、位置若しくは他の依存性の補償を可能にしてよい。例えば、Zセンサ122は、X軸及びY軸に沿った溶融池107の位置を計測するように置かれてよい。
【0023】
代表的な単一検出器Zセンサ
図2AはAMS200並びに、代表的なZセンサ203及びTセンサ201を示している。XYZ座標系291は、便宜上用いられる。図2Aを参照すると、加工ビーム202が傾斜軸204に沿ってレンズ206に向けられ、ビームスプリッタ208を介して基板210上の溶融池の表面211に向けられる。図2Bに示すように、ビームスプリッタ208は、座標系291のX軸及びY軸に対して傾いた軸209に沿って置かれ、加工ビーム202を伝送するアパーチャ208Aを含む。
ビームスプリッタ208が傾いているので、アパーチャ208Aは、加工ビーム202の伝送のために、軸204に対して垂直な平面内で、ほぼ円形の実効アパーチャを提供するように細長い。溶融池からの放射された放射線は、軸240に沿って、ビームスプリッタ208と、アパーチャプレート244に規定されたアパーチャを介して検出器246に放射された放射線を集束するレンズ242を含むTセンサ201とに、向けられる。検出器246は、溶融池温度に関連する出力信号を生成する。
【0024】
Zセンサ203は、傾斜軸216に沿って置かれ、表面211から放射された放射線214をアパーチャプレート224内に規定されたアパーチャ222の方へ向けるレンズ220を含む。表面211から放射された放射線は、第1位置217に集束される。検出器230は、アパーチャプレート224の背後に光学的に置かれ、表面211のZ軸位置を決定するために用いるができるZ信号を生成する。加工中、表面211は、表面211に対して変位Δzを有する表面211´になるように構築される。表面211´から放射された放射線は、次いで、軸232に沿って、第1焦点217から変位された第2焦点233に伝播する。第1焦点217及び第2焦点233が変位されるので、受光された放射線はアパーチャプレート224において異なるように減衰されてよく、それにより、検出器230は、ΔZ等のZ軸変位に関連してよい異なる出力信号を生成する。
【0025】
軸236に沿ったアパーチャ222の位置は、適切なZ依存減衰を生成するように選択されてよい。図2Cに示すように、アパーチャは、250で、溶融池放射線のビーム焦点に対して中央に位置してよい。いずれかの方向の付加的なZ変位で、受光された光学パワーは低下する。しかしながら、アパーチャが、例えば252で、集束されるビームの部分を遮断するように置かれており、+Z軸変位が受光されたビームパワーを増加させ、-z変位が受光されたパワーを減少させる場合、加工ビーム又は基板ステージ制御適切な方向に調整することができる。
【0026】
図2Aの例示的構成では、加工ビーム202は、わずかな入射角で表面211に向けられ、軸204と、Tセンサ201に関連する軸240との間にある軸205に沿って伝播する正反射ビーム203を生成する。他の構成が用いられてもよく、軸240は、表面211、211´に垂直である必要はない。例えば、図2Dを参照すると、軸240の角度よりも大きな角度である軸205Aに沿って伝播する正反射ビーム203Aを生成するために、加工ビーム202Aが、軸204Aに沿って表面211に向けられてよい。図2Eに示される他の例では、その角度が軸240から反対に向けられる軸205Bに沿って伝搬する正反射ビーム202Bを生成するために、加工ビーム202Bが、軸204Bに沿って表面211に向けられてよい。
【0027】
図2A及び図2E-2Fのような軸の配置は、便宜上光学要素が省略された図2F-2Hに示されている。図2Fでは、加工ビーム272は、軸274に沿って入射し、加工ビーム273の反射部分は、表面271に対する垂線270に対して示される軸275に沿って反射される。温度センサは、軸275の角度よりも大きい、垂線270に対する角度である軸277に沿った放射線を受光するように置かれている。図2Gにおいて、加工ビーム282は、軸284に沿って入射し、加工ビーム283の反射部分は、表面271に対する垂線280に対して示される軸285に沿って反射される。温度センサは、軸285の角度よりも小さい、垂線280に対する角度であり、それゆえ、垂線280と軸285との間に位置する、軸287に沿った放射線を受光するように置かれる。図2Hでは、加工ビーム292は、軸294に沿って入射し、加工ビーム293の反射部分は、表面271に対する垂線290に対して示される軸295に沿って反射される。温度センサは、軸294の角度よりも小さい、垂線290に対する角度であり、それゆえ、垂線290と軸294との間に位置する、軸297に沿った放射線を受光するように置かれる。上記の軸のいずれの軸も、表面271に垂直である必要はない。
【0028】
代表的なデュアル検出体Zセンサ
図3Aを参照すると、代表的なデュアル検出器Zセンサ300は、基板306の領域304から放射された放射線を傾斜板308に向けるように置かれたレンズ302を含む。XYZ座標系301は、便宜上用いられる。ビームスプリッタ310は、集束された放射された放射線の部分を、アパーチャ板316、317に規定されたアパーチャ312、313と、検出器320、321に向ける。ビームスプリッタ310は、ニュートラルビームスプリッタ又はダイクロイックビームスプリッタであってよい。ダイクロイックビームスプリッタは、基板温度を評価するために計測及び比較が可能な異なるスペクトル部分を生成してよい。図3B-3Cに示されるように、アパーチャ312、313は、Z軸変位に対する異なる符号の傾斜に関連付けられるように置かれてよい。傾斜板308は、ビームを各アパーチャに適切に配置または「バイアス」するように調整されてよい。図3Aを参照すると、領域304から放射された放射線は、軸340に沿った方向で、アパーチャ板316、317縁部付近に入射し、それにより、放射された放射線は、図3B-3Cの350、351のようなバイアス位置に対応して減衰される。領域304が領域304´として変位すると、放射された放射線は、軸342に沿って、アパーチャ312のより中央に、アパーチャ313のより縁部に、集束され、それにより、図3B-3Cに夫々示すように、アパーチャ312に関連して検出されたパワーは増加し、アパーチャ313に関連して検出されたパワーは減少する。傾斜板308の回転により軸340、342が変位し、それにより、これらの軸に沿ってアパーチャ312、313まで伝播するビームの減衰が調整されてよい。例えば、0-100%の範囲で、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は他の数値減衰させるために回転が適用されてよい。ビームがアパーチャに入射され、最初にアパーチャの中心に置かれる場合、Z位置における後続の変化は、関連する検出器において受光されるビームパワーを減少させるが、一般に、Z変化の方向の指標は提供されない。例えば、傾斜板308の適切な回転により、+Z方向の位置変化は、検出器320における受光されたビームパワーの増加に関連してよく、-Z方向の位置変化は、検出器320における減少されたビームパワーに関連してよい。従って、受光されたビームパワーにおける変化は、基板306の領域304のZ軸位置変化の大きさと向きの両方に関連してよい。
【0029】
この例では、溶融池から受光された光学パワーは、溶融池の温度に依存するが、検出器320、321各々における光学パワーは比例しており、それにより、割合又は他の組合せが、Zセンサ光学パワーにおける温度依存性を低減又は排除するために用いられてよく、別個の温度センサは必要ではない。当該及び他の例において、Zセンサは、円形又は楕円形のアパーチャを含むが、その代わりに、スリット、不透明若しくは反射スポット、長方形、他のカーブ若しくは多角形形状、又は、検出器サイズ自体が用いられてよい。軸315、319に沿ったアパーチャ312、313の寸法は、夫々、領域304のZ軸変位の関数として選択されたビーム減衰を提供するために、ビーム寸法に基づいて選択される。
【0030】
代表的な線形検出器Zセンサ
図4Aを参照すると、代表的なZセンサ400は、傾斜軸414に沿った、基板405上の溶融池の表面404かの光学放射線を受光するように置かれた線形検出器402を含む。線形検出器402は、典型的には、軸403に沿って配列されたフォトダイオードを含む自己走査ダイオードアレイ等のユニタリ線形フォトダイオードアレイであるが、2以上の離散フォトダイオード等の他の線形配列が用いられてもよい。図示されるように、溶融池の表面404が軸405に沿って量ΔZだけ成長して変位された表面404´になるにつれて、傾斜軸414に沿って最初に伝播する溶融池の表面(即ち、レンズ411によって形成された404又は404´)からのビームは、傾斜軸416に沿って伝播する。しかしながら、レンズ411の構成及び任意の関連する光学系によって、変位された軸は、線形検出器402での初期軸の上又は下のいずれかにあってよい。線形検出器402は、溶融池温度及びZ軸方向の変位を決定するように動作可能なプロセッサ410に接続されている。Z軸コントローラ412は、プロセッサ402に接続され、さらに、必要に応じてZ軸位置を調整するために、基板ステージ、加工ビーム光学系、又はその両方に接続される。図4Aでは、表面404からの放射された放射線が傾斜軸414に沿ってフォーカススポット450に向けられて集束され、一方、変位された表面404´からの放射された放射線が、軸416でフォーカススポット452に向けられ、線形検出器402に変位されたフォーカススポットを生成する。図示されるように、溶融池表面の+Z変位は、フォーカススポット450の下方シフトを生成するが、他の例では、上方シフトを生成してもよい。
【0031】
例えば、図4Bを参照すると、軸414に沿って、線形検出器402に生成されるフォーカススポット450は、線形検出器402の活性領域451内に位置する。軸416に沿って、線形検出器402に生成される集束スポット452は、活性領域451内に位置し、線形検出器の軸454に沿って変位する。従って、溶融池の変位は、フォーカススポット450、452の変位を生じ、集束スポットの位置は、Z位置を示す。線形センサでは、パワーを正確に計測する必要がなく、検出器要素を飽和させることができる。線形検出器上のビーム中心は、線形若しくは他の応答を有する検出器要素の縁部位置、又は、飽和スポットの中央の識別から見つけることができる。
【0032】
図4Cは、線形センサ462と、線形センサ462に送られる光学パワーを増加させるように置かれたシリンドリカルレンズ464とを含む代表的な線形センサアセンブリ460を示す。
【0033】
代表的なデュアルビーム線形検出器Zセンサ
図5Aを参照すると、代表的なデュアルビーム線形検出器Zセンサ500は、図4AのZセンサと同様であるが、ビームスプリッタ550及び傾斜板552を含んでいる。ビームスプリッタ550は、作業表面506からの第1及び第2のビーム部位を、各軸部分502、503に沿って、ミラー、プリズム又は他の反射器560、562に向け、それにより、第1及び第2のビーム部分が線形検出器556の異なる領域に入射する。ビーム部分は、一般に、線形検出器556において第1及び第2のビームスポットを生成するように集束される。作業表面506が、作業表面506´として示されるΔZだけ変位した場合、ビーム部分は軸部分512、513に沿って向けられ、作業表面の以前の位置に関連するビームスポットに対して変位された各第1及び第2のスポットとして集束される。傾斜板552は、ビームスポットの適切な場所を選択するために回転されてよい。
【0034】
図5Bは線形検出器556の活性領域570を示しており、作業表面506に関連する第1及び第2のビームスポット572、573、並びに、作業表面506´に関連する第1及び第2のビームスポット574、575を示している。図5C-5Dは、活性領域570上の位置に応じたビームスポット強度を示す。図5Cは、作業表面506に対応し、図5Dは、作業表面506´に対応する。図示するように、図5Aの構成では、ビームスポットは、作業表面が上昇するにつれて離れる。
【0035】
ビームスプリッタ550はダイクロイックビームスプリッタであってよく、それにより、ビームスポット572、573のようなビームスポットは、作業表面506からのビームの異なるスペクトル部分と関連する。スペクトル部分を用いたパワー又はスポット形状の差は、作業表面温度の推定を可能にする。
【0036】
交差ビームを伴う代表的デュアルビーム線形検出器Zセンサ
図6Aを参照すると、代表的なデュアルビーム線形検出器Zセンサ600は、図5AのZセンサと同様であり、ビームスプリッタ650及び傾斜板652を含む。ビームスプリッタ650は、作業表面606からの第1及び第2のビーム部分を、各軸部分602、603に沿って、ミラー、プリズム又は他の反射器660、662に向け、それにより、第1及び第2のビーム部分が線形検出器656の異なる領域に入射する。ビーム部分は、一般に、線形検出器656において第1及び第2のビームスポットを生成するように集束される。作業表面606が、作業表面606´として示されるΔZだけ変位した場合、ビーム部分は軸部分612、613に沿って向けられ、作業表面の以前の位置に関連するビームスポットに対して変位された各第1及び第2のスポットとして集束される。傾斜板652は、ビームスポットの適切な場所を選択するために回転されてよい。図5Aとは対照的に、ビーム部分断面及び直線検出器におけるビームスポットに関連する伝播軸は、図6B-6Cに示すように、作業表面高さが増えると近づく。
【0037】
図6Bは、直線検出器656の活性領域670を示しており、作業表面606に関連する第1及び第2のビームスポット672、673、並びに、作業表面606´に関連する第1及び第2のビームスポット674、675を示している。図6Cに示す更なる例では、活性領域670は、作業表面606に関連する第1及び第2のビームスポット672、673、並びに、作業表面606´に関連する第1及び第2のビームスポット678、679を受ける。この例では、第1及び第2のビームスポット678、679は接触しており、重なり始めている。線形検出器656における代表的なパワー分布が、図6Dに示されている。
【0038】
代表的なZセンシング方法
図7を参照すると、代表的な方法700は、702において、傾斜軸に沿った、作業表面からの光学放射線を受光することを含む。光学放射線は、溶融池から放射された放射線、加工ビームの部分、又は、専用のZセンシングビームであってよい。例えば、溶融池により放射された熱放射線、加工ビームの散乱若しくは反射された部分、又は、専用のZ軸源からのZ軸分析ビームの散乱若しくは反射された部分が用いられてよい。異なるセンシング構成に対応するために、704では、検出器又はセンサタイプが選択される。単一要素光検出器が用いられる場合、706において、傾斜軸の周辺に位置するアパーチャによって伝送される光学パワーが計測され、708において、必要であれば、計測されたパワーが、溶融池温度に対して補正される。710において、Z位置が決定され、712において、基板のZ位置又は加工ビームフォーカスが調整されてよく、又は、決定されたZ位置に基づいて他の加工条件が適用される。
【0039】
デュアル単一要素検出器が用いられる場合、714において、傾斜軸の周辺に位置する各アパーチャによって伝送される光学パワーが計測され、716において、パワー比が取得される。710において、Z位置が決定され、712において、Z軸又は加工調整が行われ、線形検出器が用いられる場合、720において、線形検出器上のビーム位置が計測され、710において、Z位置が決定され、712において、調整される。いくつかの場合では、計測されたZ位置は、加工ビーム径、加工ビームの光学パワー、又は、材料流を制御することによって、1以上の位置での材料堆積を中断又は加速するために用いられ、Z位置は調整される必要はない。
【0040】
代表的なZ較正
ルックアップテーブルまたは他のアプローチを用いて高さを決定するために、軸上及び軸外検出器からの信号が用いられてよい。図8-8Cを参照すると、代表的な方法800は、較正方法801Aと、高さ計測方法801Bを含む。802において、軸上検出器及び軸外検出器(夫々、VON、VOFF)における信号が、複数の高さZに対し、溶融池温度の関数として計測される。結果データは、3つの高さZ1-Z3について、図8Aに示すカーブ851-853に類似しているように見える。各高さZにおけるデータについて、804において、VONの関数として、VOFFに対する線形フィットの傾き(Cl)及び切片(C2)が計算される。傾き及び切片は、高さZごとに異なる、それにより、Cl=C1(Z)及びC2=C2(Z)。806において、傾きC3及び切片C4を有するC1(Z)の関数としてのC2(Z)の線形フィット。図8Bは、線形フィット862沿った計測861としてのC1(Z)の関数としてのC2(Z)の代表的なグラフを示す。808において、C1(Z)は、図8Cにカーブ871として示すガウス分布に合う。同様に示すようにC2(Z)は、図8Cのカーブ872としてのガウス分布に合うが、C1(Z)及びC2(Z)のうち一方のみが必要とされる。808において、Z=F(C1)を見つけるために、このフィットを反転する。ここで、Fはガウス分布の逆数である。すなわち、C1(Z)は、C1(Z)=Aexp[-aZ]としてのガウス分布に合う。ここで、A、aはフィッティング定数であり、Z=[In(A/Cl)/a]1/2である。C3、C4及びF(フィッティング定数A、a)は、計測に用いるために記憶される。代表的な計測データが図8A-8Cにグラフで示されており、グラフは便宜上ものであり、必要な較正ステップを実行する必要はない。
【0041】
較正方法801Aが完了した場合、方法801Bに示されるように、高さ測定を行うことができる。820において、軸外及び軸上信号が、各検出器において測定され、822において、Clは、Cl=(VOFF-C4)/(VON+C3)として計算される。ここで、C3、C4は、較正において事前に求められている。Clの場合、824において、高さは、Z=F(C1)として見つけられてよい。ここで、Fは、較正において事前に決定されている。
【0042】
代表的な造形方法
図9を参照すると、代表的な方法900は、901において適切な部品設計を選択又は生成することと、902において基板を準備することとを含む。903において、基板表面に対して傾いた1以上の軸に沿って伝播する1以上の光学ビーム、又は、基板上の溶融池のような作業領域を用いて高さを計測しながら、設計に従って部分を造形するために付加造形が用いられる。計測された高さに基づいて、高さ又は加工パラメータが調整されてよい。904において、造形された部分は、例えば、表面を研磨若しくは平滑化する、又は、造形加工によって加えられた余分な材料を除去するために、必要に応じて後処理される。906において、部分は、配送前に検査される。
【0043】
AMSからの加工ビームは、レーザービーム、シンクロトロン放射線、X線ビーム、電子ビーム、イオンビーム又は他のビーム等のビームを含んでよい。操作者は、必要に応じて、デュアル検出器の一方だけを用いてよい。例えば、ユーザは、軸上検出器及び軸外検出器の一方だけを用いて溶融池を観察するために、2つの検出器を切り替えてもよい。
【0044】
開示された技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は、本発明の好ましい例に過ぎず、この開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識すべきである。私は、添付の請求項の範囲及び趣旨、全ての新規且つ非自明の特徴、並びに、開示された特徴の組合せに含まれる全てを、私の発明として主張する。
【0045】
革新的な特徴
ここに記載された革新的な特徴は、以下を含むが、これらに限定されない。
[A1]
追跡軸に沿って位置し、少なくとも一つのフォーカス要素及び少なくとも一つの光検出器を有する追跡光学系と、ここで、前記少なくとも一つのフォーカス要素は、溶融池からの光学放射線を受光し、前記受光された光学放射線を前記光検出器に向けるように置かれ、前記追跡軸は、加工軸に対して傾いており、前記光検出器は、少なくとも一つの単一ピクセル光検出器、又は、線形検出器を含み、
前記光検出器に接続され、前記光検出器に向かう前記受光された光学放射線に基づいて、前記加工軸、又は、前記溶融池に垂直な溶融池軸に沿った前記溶融池の位置と関連した追跡信号を生成するように動作可能な受光器と、
を備える装置。
[A2]
前記追跡軸は、前記加工軸又は前記溶融池軸に対して、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80又は90度傾いている
A1に記載の装置。
[A3]
前記光学系は、前記光検出器に向かう前記受光された光学放射線を減衰するように置かれたアパーチャプレートを更に有する
A1及びA2のいずれかに記載の装置。
[A4]
前記少なくとも一つの光学要素は、前記アパーチャプレートに近接する前記溶融池からの前記受光された光学放射線を集束させるように置かれたレンズである
A1乃至A3のいずれかに記載の装置。
[A5]
前記アパーチャプレートは、円形アパーチャ、矩形アパーチャ、スリット、又は、2以上のアパーチャエッジを規定する
A1乃至A4のいずれかに記載の装置。
[A6]
前記アパーチャプレートは、スリットである、又は、2以上のアパーチャエッジにより規定される
A1乃至A5のいずれかに記載の装置。
[A7]
アパーチャプレートは、前記フォーカス要素からの前記受光された光学放射線の20%~80%を遮断するように置かれており、それにより、反対方向のビーム変位が受光された光学パワーの反対の変化を生成する
A1乃至A6のいずれかに記載の装置。
[A8]
前記加工ビームを生成するように動作可能な加工ビーム源と、前記溶融池と前記追跡軸との相対位置を調整するために、前記追跡信号に応答する位置決め要素とを更に有する
A1乃至A7のいずれかに記載の装置。
[A9]
前記位置決め要素は、前記加工軸又は前記溶融池軸に沿って前記溶融池の前記位置を調整するように動作可能なステージである
A1乃至A8のいずれかに記載の装置。
[A10]
前記追跡光学系の少なくとも一つの検出器は、第1検出器及び第2検出器を含み、前記受光器が、前記受光された光学放射線の部分soに基づく前記加工軸に沿った前記溶融池の位置に関する対応第1追跡信号及び第2追跡信号を生成するように動作可能なように置かれており、ここで、前記第1追跡信号及び前記第2追跡信号は、前記加工軸又は前記溶融池軸に沿った前記溶融池の位置の変化に対して反対の傾きを有している
A1乃至A9のいずれかに記載の装置。
[A11]
前記光学系は、夫々、前記第1検出器及び前記第2検出器に向かう前記受光された光学放射線を減衰するように置かれた第1アパーチャプレート及び第2アパーチャプレートを更に有する
A1乃至A10のいずれかに記載の装置。
[A12]
前記少なくとも一つの光検出器は、線形検出器アレイである
A1乃至A11のいずれかに記載の装置。
[A13]
前記受光器は、前記光検出器に接続されており、前記受光された光学放射線が前記光検出器に入射する位置に基づいて、前記加工軸に沿った前記溶融池の位置と関連した前記追跡信号を生成するように動作可能である
A1乃至A12のいずれかに記載の装置。
[A14]
前記加工軸又は前記溶融池軸に沿った前記溶融池の位置は、前記光検出器に対する前記放射線強度の強度パターンの重心に基づいている
A1乃至A13のいずれかに記載の装置。
[A15]
前記加工ビームを生成するように動作可能な加工ビーム源と、前記溶融池と前記追跡軸との相対位置を調整するために、前記追跡信号に応答する位置決め要素とを更に有する
A1乃至A14のいずれかに記載の装置。
[A16]
前記受光された光学放射線の第1部分及び第2部分を、前記線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に向けるように配置されたビームスプリッタを更に有する
A1乃至A15のいずれかに記載の装置。
[A17]
前記受光された光学放射線の前記第1部分及び前記第2部分は、異なるスペクトル部分であり、前記ビームスプリッタは、前記異なるスペクトル部分を前記線形検出器アレイの前記対応する第1及び第2範囲に選択的に向けるダイクロイックビームスプリッタである
A1乃至A16のいずれかに記載の装置。
[A18]
前記受光された光学放射線の前記第1部分及び前記第2部分が、前記溶融池までの距離が増えるほど増える分離を有する前記線形検出器アレイの対応する第1及び第2範囲に向けられるように、前記ビームスプリッタが配置されている
A1乃至A17のいずれかに記載の装置。
[A19]
前記溶融池から受光された前記光学放射線は、加工ビーム、前記加工ビームの部分、又は、分析ビーム源からの分析ビームの部分に応答して、前記溶融池から射出された熱放射線の一以上である
A1乃至A18のいずれかに記載の装置。
[B1]
加工軸に沿った加工ビームを基板の作業領域に向け、それにより、前記加工ビームが前記作業領域に集束されるにように配置された加工ビーム源と、
前記加工軸に対して傾いた軸に沿った前記加工ビームに応答して前記作業領域からの光学放射線を受光するように配置された光学フォーカスセンサと、
を備え、
前記光学フォーカスセンサは、前記光学放射線を受光するように配置された、単一ピクセル検出器及び線形検出器の少なくとも一方を含む
システム。
[C1]
作業領域に対して垂直な基板軸に対し傾いている追跡軸に沿った、基板の前記作業領域からの光学放射線を受光することと、
前記作業領域から受光され、前記追跡軸に沿って配置されたアパーチャにより伝送された前記光学放射線のパワーを計測することと、
前記計測されたパワーに基づいて、前記基板軸に沿った前記作業領域の変位を決定することと、
前記決定された変位に基づいて、少なくとも一つの加工パラメータを調整することと、
を含む方法。
[C2]
前記加工パラメータは、前記作業領域の位置である
C1に記載の方法。
[C3]
前記作業領域からの前記光学放射線は、加工ビームによる前記作業領域の照射により生成される、又は、前記作業領域に向かうトレーサビームの部分である
C1及びC2のいずれかに記載の方法。
[C4]
前記作業領域の変位は、前記基板軸に沿った前記作業領域の移動、又は、前記作業領域に向かう加工ビームの調整によって調整される
C1乃至C3のいずれかに記載の方法。
[C5]
前記光学放射線は、加工ビームによって生成される溶融池に関連する
C1乃至C4のいずれかに記載の方法。
[C6]
前記光学放射線は、前記溶融池に関連する熱放射線である
C1乃至C5のいずれかに記載の方法。
[C7]
前記溶融池の温度を推定することと、
前記推定された温度に基づいて、前記計測されたパワーを調整することと、
を更に含み、
前記基板軸に沿った前記作業領域の変位は、前記調整された計測されたパワーに基づいて決定される
C1乃至C6のいずれかに記載の方法。
[C8]
前記パワーを計測することは、前記作業領域から受光され、第1及び第2アパーチャにより伝送された前記光学放射線の第1及び第2パワーを計測することを含み、前記基板軸に沿った前記作業領域の前記変位は、前記第1及び第2パワーに基づいて決定される
C1乃至C7のいずれかに記載の方法。
[D1]
作業領域に垂直な基板軸に対して傾いている追跡軸に沿った、基板の前記作業領域からの光学放射線を受光することと、
前記受光された光学放射線を線形検出器に向けることと、
前記受光された光学放射線が前記線形検出器に入射する位置に基づいて、前記基板軸に沿った前記作業領域の変位を決定することと、
前記決定された変位に基づいて、少なくとも一つの加工パラメータを調整することと、
を含む方法。
[D2]
前記加工パラメータは、前記作業領域の前記変位である
D1に記載の方法。
[D3]
前記作業領域からの前記受光された光学放射線は、前記基板から射出された一以上の熱放射線、前記基板に向かう加工ビームの部分、又は、分析ビーム源から前記基板に向かう分析ビームの部分である
D1及びD2のいずれかに記載の方法。
[E1]
加工ビームにより生成された溶融池を検出する検出デバイスであって、
前記溶融池から射出され、第1軸に沿った第1放射線を受光する第1受光デバイスと、
前記溶融池から射出され、前記第1軸に対して傾いた第2軸に沿った第2放射線を受光する第2受光デバイスと、
を備える検出デバイス。
[E2]
前記第1受光デバイスは、前記第1放射線を集光する第1集光光学系と、前記集光された第1放射線を光電変換する第1光検出器と、を含む
E1に記載の検出デバイス。
[E3]
前記第1受光デバイスは、前記第1集光光学系による前記第1放射線の集光位置に配置されたアパーチャを規定するアパーチャ部材を含み、前記第1光検出器は、前記アパーチャ部材を通過する前記第1放射線を受光する
E1及びE2のいずれかに記載の検出デバイス。
[E4]
前記第1光検出器は、前記第1集光光学系による前記第1放射線の集光位置に配置された線形検出器を含むとともに、1次元方向に配置された光電変換要素を含む
E1乃至E3のいずれかに記載の検出デバイス。
[E5]
前記加工ビームの伝播軸と前記第1軸とにより形成される第1角は、前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角より大きい
E1乃至E4のいずれかに記載の検出デバイス。
[E6]
前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角は、前記加工ビームの前記伝播軸と前記溶融池からの前記加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角とは異なる
E1乃至E5のいずれかに記載の検出デバイス。
[E7]
前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角は、前記加工ビームの前記伝播軸と前記溶融池からの前記加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角より小さい
E1乃至E6のいずれかに記載の検出デバイス。
[E8]
前記加工ビームの伝播軸と前記第2軸との間に形成される第2角は、前記加工ビームの前記伝播軸と前記溶融池からの前記加工ビームの鏡面反射の軸との間に形成される第3角より大きい
E1乃至E7のいずれかに記載の検出デバイス。
[E9]
前記第2軸は、前記加工ビームの前記伝播軸からわずかに傾いている
E1乃至E8のいずれかに記載の検出デバイス。
[E10]
前記第2軸は、前記加工ビームの前記伝播軸に実質的に平行である
E1乃至E9のいずれかに記載の検出デバイス。
[E11]
前記加工ビームの光路に配置され、前記第2軸を曲げるフォールディング部材を更に備える
E1乃至E10のいずれかに記載の検出デバイス。
[E12]
前記第2放射線は、前記フォールディング部材を介して、前記第2受光デバイスにより受光される
E1乃至E11のいずれかに記載の検出デバイス。
[E13]
コントローラを更に備え、
前記第1受光デバイスは、前記第1放射線を光電変換する第1光検出器を含み、前記第2受光デバイスは、前記第2放射線を光電変換する第2光検出器を含み、前記コントローラは、前記第1光検出器からの第1出力及び前記第2光検出器からの第2出力を計算する
E1乃至E12のいずれかに記載の検出デバイス。
[E14]
前記コントローラは、前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記溶融池の寸法を取得する
E1乃至E13のいずれかに記載の検出デバイス。
[E15]
前記溶融池の前記寸法は、前記溶融池の高さ及び前記溶融池のサイズの少なくとも一方を含む
E1乃至E14のいずれかに記載の検出デバイス。
[E16]
前記溶融池の寸法は、前記溶融池の少なくとも一つの横断寸法を含む
E1乃至E15のいずれかに記載の検出デバイス。
[F1]
加工ビームでワークピース上に溶融池を形成することによって前記ワークピースを加工する加工デバイスであって、
E1乃至E16のいずれかに記載の前記検出デバイスを備える
加工デバイス。
[F2]
特性変更デバイスからの出力に基づいて、前記加工ビームの特性を変更する特性変更デバイスを更に備える
F1に記載の加工デバイス。
[F3]
前記溶融池に材料を供給する材料供給デバイスを更に備える
F1及びF2のいずれかに記載の加工デバイス。
[F4]
当該加工デバイスは、前記材料を前記溶融池に供給することによって、前記ワークピース上に物体を造形する
F1乃至F3のいずれかに記載の加工デバイス。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図8A
図8B
図8C
図9