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特許7586331予測装置、予測方法、および予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】予測装置、予測方法、および予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/22 20060101AFI20241112BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20241112BHJP
【FI】
A61B5/22 200
G16H10/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023541223
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2022015821
(87)【国際公開番号】W WO2023017654
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2021131058
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 幹宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊晶
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 優介
(72)【発明者】
【氏名】中津 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】叶井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 雅俊
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-50523(JP,A)
【文献】国際公開第2018/164221(WO,A1)
【文献】特開2013-176424(JP,A)
【文献】特開2013-81800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/22
G16H 10/00
G16H 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の骨格筋量を予測する予測装置であって、
演算装置と、
前記演算装置と通信可能に接続された通信装置とを備え、
前記通信装置は、
前記被測定者の終末糖化産物の第1測定値を第1間隔で定期的に複数回取得し、
前記被測定者の前記骨格筋量の第2測定値を前記第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得し、
前記演算装置は、複数回取得した前記第1測定値と、前記第2測定値とに基づき、前記第2測定値の予測値に関する予測情報を算出する、予測装置。
【請求項2】
前記演算装置は、前記第1測定値の取得期間のうち、予め定められた期間で取得された前記第1測定値の時系列の変化に基づき、前記予測情報を算出する、請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記演算装置は、前記取得期間のうち、予測時点から遡って直近の前記予め定められた期間で取得された前記第1測定値の時系列の変化に基づき、前記予測情報を算出する、請求項に記載の予測装置。
【請求項4】
前記演算装置は、前記予測情報として、基準値との比較に基づく前記予測値の評価結果を算出する、請求項1に記載の予測装置。
【請求項5】
前記演算装置は、前記予測情報として、前記予測値に基づく前記被測定者の生活習慣に関するアドバイスを算出する、請求項1に記載の予測装置。
【請求項6】
演算装置による被測定者の骨格筋量を予測する予測方法であって、
前記被測定者の終末糖化産物の第1測定値を第1間隔で定期的に複数回取得するステップと、
前記被測定者の前記骨格筋量の第2測定値を前記第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得するステップと、
数回取得した前記第1測定値と、前記第2測定値とに基づき、前記第2測定値の予測値に関する予測情報を算出するステップとを含む、予測方法。
【請求項7】
被測定者の骨格筋量を予測する予測プログラムであって、
演算装置に、
前記被測定者の終末糖化産物の第1測定値を第1間隔で定期的に複数回取得するステップと、
前記被測定者の前記骨格筋量の第2測定値を前記第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得するステップと、
数回取得した前記第1測定値と、前記第2測定値とに基づき、前記第2測定値の予測値に関する予測情報を算出するステップとを実行させる、予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予測装置、予測方法、および予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人の健康に関する情報に基づき生活習慣の改善を提案する装置が公知である。たとえば、特許文献1には、被測定者の血圧、歩数、または体重を測定し、それらの測定結果に基づき、被測定者の食事および運動の改善を提案する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-160569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個人の健康に関する情報としては、血圧、歩数、および体重の他に、骨格筋量(SMI:Skeletal Muscle mass Index、以下、「SMI」とも称する。)が挙げられる。サルコペニアの診断においては、歩行速度の低下および握力の低下とともに、骨格筋量の低下を測定することが必須とされている。骨格筋量は加齢または疾患で低下する。SMIは、四肢骨格筋量の合計を身長の二乗で除した値で表され、男女の各々にサルコペニアに対するカットオフ値が定められている。サルコペニアは、高齢者の身体的な機能障害および転倒リスクの要因として近年注目されている。人体筋肉のうち、運動により発達する筋肉である四股のSMIは、食事および運動といった生活習慣を改善することで改善され得る。
【0005】
このように、SMIを測定することは、生活習慣が改善しているか否かを観察するために重要である。SMIは、生活習慣を数週間改善しても測定値に反映され難く、生活習慣を数ヶ月改善してようやく測定値に反映され始める。このため、被測定者は、SMIを観察しながら生活習慣を改善しようと試みた場合、数ヶ月に亘って生活習慣を改善し続けなければ改善効果を確認することができず、生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し難いといった問題があった。
【0006】
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを被測定者に維持させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う予測装置は、演算装置と、演算装置と通信可能に接続された通信装置とを備える。通信装置は、被測定者の終末糖化産物の第1測定値を第1間隔で定期的に複数回取得し、被測定者の骨格筋量の第2測定値を第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得する。演算装置は、複数回取得した第1測定値と、第2測定値とに基づき、第2測定値の予測値に関する予測情報を算出する。
【0008】
本開示の別の局面に従う予測方法は、被測定者の終末糖化産物の第1測定値を第1間隔で定期的に複数回取得するステップと、被測定者の骨格筋量の第2測定値を第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得するステップと、複数回取得した第1測定値と、第2測定値とに基づき、第2測定値の予測値に関する予測情報を算出するステップとを含む。
【0009】
本開示の別の局面に従う予測プログラムは、演算装置に、被測定者の終末糖化産物の第1測定値を第1間隔で定期的に複数回取得するステップと、被測定者の骨格筋量の第2測定値を第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得するステップと、複数回取得した第1測定値と、第2測定値とに基づき、第2測定値の予測値に関する予測情報を算出するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、被測定者は、SMIの測定値に加え、終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End Products、以下、「AGEs」とも称する。)の測定値の時系列の変化に基づいて、SMIの予測値に関する予測情報を知ることができる。これにより、SMIを観察しながら生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る予測システムを示す図である。
図2】実施の形態に係る予測装置の構成を示す図である。
図3】実施の形態に係る予測装置が記憶するユーザ識別情報テーブルを説明するための図である。
図4】実施の形態に係る予測装置が記憶する閲覧情報テーブルを説明するための図である。
図5】AGEs評価ランクを説明するための図である。
図6】AGEs測定値の一例を示す図である。
図7】SMI評価ランクを説明するための図である。
図8】AGEsとSMIの相関関係を説明するための図である。
図9】AGEsとSMIの相関関係を説明するための図である。
図10】SMI予測の一例を示す図である。
図11】実施の形態に係るユーザ端末における表示画面の一例を示す図である。
図12】実施の形態に係るユーザ端末における表示画面の一例を示す図である。
図13】実施の形態に係るユーザ端末における表示画面の一例を示す図である。
図14】実施の形態に係るユーザ端末における表示画面の一例を示す図である。
図15】実施の形態に係るユーザ端末における表示画面の一例を示す図である。
図16】実施の形態に係る予測装置が実行する予測処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
【0013】
[予測システムの構成]
図1図4を参照しながら実施の形態に係る予測システム1について説明する。図1は、実施の形態に係る予測システム1を示す図である。図1に示すように、予測システム1は、AGEs測定装置10と、SMI測定装置20と、ユーザ端末30と、予測装置50とを備える。
【0014】
AGEs測定装置10は、被測定者のAGEsを測定するための装置である。AGEsは、複数の化合物の総称であり、糖とタンパク質とが結合して酸化、脱水、および縮合によって反応することで生成される。AGEsは、生活習慣の乱れにより体内に蓄積し、加齢性疾患および生活習慣病(たとえば、糖尿病、認知症)を引き起こすと考えられている。AGEsは、SMIと比較してより短期間の生活習慣改善で変化が生じ得る。AGEsは、生活習慣を数週間改善すれば測定値に反映され得る。被測定者は、介護施設を利用する高齢者、加齢性疾患および生活習慣病を有する者を含む。AGEs測定装置10は、測定部11と、ディスプレイ12と、通信部13とを備える。なお、本実施の形態においては、AGEs測定装置10がディスプレイ12を備えているが、ディスプレイ12は省略されてもよい。
【0015】
測定部11は、被測定者のAGEsを非侵襲的に測定する。AGEsに含まれる複数の化合物の中には、特定の光が照射されることで蛍光を発する性質を有する化合物がある。測定部11は、このような化合物の性質を利用することで、被測定者のAGEsを測定する。
【0016】
被測定者が指先を測定部11に接着させると、測定部11は、図示しない光源から皮膚に対して光を照射する。なお、測定部11は、被測定者の指先以外の肌(たとえば腕)に対して光を照射するように構成されてもよい。測定部11が照射する光は、たとえば、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光である。測定部11は、皮膚に照射した光によって励起された蛍光を、図示しない受光素子によって受光し、受光した蛍光の強度に基づきAGEsの蓄積度合いを測定する。ディスプレイ12は、測定部11によって得られたAGEsの測定結果を表示する。測定結果は、たとえば、測定部11が受光した蛍光の強度、およびAGEsの蓄積度合いをスコアに換算した値を含む。なお、測定結果は、測定部11が受光した蛍光の強度、およびAGEsの蓄積度合いをスコアに換算した値を補正した補正値を含んでいてもよい。
【0017】
通信部13は、予測装置50との間で有線通信または無線通信によってデータ(情報)の送受信を行う。通信部13は、デスクトップ型のPC(personal computer)、ラップトップ型のPC、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、タブレットPC、およびネットワークアダプタなど、ネットワークを介して予測装置50と通信可能な情報端末である。なお、通信部13は、ディスプレイ12と一体的に構成されてもよい。通信部13は、測定部11およびディスプレイ12の各々と別体であってもよい。
【0018】
SMI測定装置20は、被測定者のSMIを測定するための装置である。SMI測定装置20としては、たとえば体組成計が挙げられ、SMIの他に、体重、ボディマス指数(BMI:Body Mass Index、以下、「BMI」とも称する。)、体脂肪率、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、および体内年齢などを測定してもよい。
【0019】
AGEs測定装置10およびSMI測定装置20は、薬局、医療機関、介護施設、およびジムなどの各種施設に設置されている。AGEs測定装置10およびSMI測定装置20は、非測定者単独で利用できることが前提であるが、被測定者をサポートするサポータによって管理されてもよい。サポータがAGEs測定装置10を用いて自分がサポートする被測定者のAGEsを測定すると、AGEsの測定値(以下、「AGEs測定値」とも称する。)は、AGEs測定装置10から予測装置50へと送信される。また、サポータがSMI測定装置20を用いて自分がサポートする被測定者のSMIを測定すると、SMIの測定値(以下、「SMI測定値」とも称する。)は、SMI測定装置20から予測装置50へと送信される。
【0020】
サポータは、被測定者と同様に、予測システム1によって提供されるサービス(以下、「情報提供サービス」とも称する。)の利用者であり、被測定者をサポートする人または組織である。一例として、サポータは、通所型の介護施設(デイサービス、デイケアセンタ)、介護施設の職員、看護師、または生活相談員であってもよい。他の例として、サポータは、フィットネスジムのインストラクタまたは栄養アドバイザであってよい。また、サポータは、病院またはクリニックの医師または看護師でもよい。個人差はあるが、AGEs測定値は、概ね1週間から数週間で変化する。サポータが被測定者とコミュニケーションを取る頻度が毎日でない場合(たとえば1週間に1回程度である場合)であっても、サポータは、当該頻度で被測定者のAGEsを測定すれば、AGEsの変化を取得することができる。これに対して、SMI測定値は、AGEsのように数週間で変化し難く、生活習慣を数ヶ月改善してようやく測定値に反映され始める。
【0021】
ユーザ端末30は、ユーザによって所有または利用される。ユーザ端末30は、たとえば、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、およびタブレットPCなど、ネットワークを介して予測装置50と通信可能な情報端末である。ユーザは、ユーザ端末30を用いて予測装置50に直接的または間接的にアクセスすることで、予測装置50に記憶された被測定者のAGEsおよびSMIの測定結果に関する情報を取得することができる。
【0022】
ユーザは、情報提供サービスの利用者である。具体的には、ユーザは、被測定者であってもよいし、被測定者のサポータであってもよい。また、ユーザは、被測定者またはサポータから被測定者についての測定結果の閲覧権限が付与された、被測定者の家族、親戚、または被測定者と関係のある関係者(たとえば、知人)であってもよい。
【0023】
予測装置50は、情報提供サービスを提供するサービス提供者によって管理される。なお、サービス提供者は、サポータにAGEs測定装置10を貸与しているAGEs測定装置10の製造メーカであってもよい。予測装置50は、クラウドコンピュータとして機能することで、AGEs測定装置10、SMI測定装置20、およびユーザ端末30の各々と通信する。
【0024】
上述したような構成を備える予測システム1においては、被測定者がAGEs測定装置10を用いてAGEsを測定すると、AGEs測定装置10は、AGEs測定値を予測装置50に出力する。予測装置50は、AGEs測定装置10からAGEs測定値を取得すると、取得したAGEs測定値を、過去に取得した被測定者のAGEs測定値とともに記憶する。
【0025】
予測システム1においては、被測定者がSMI測定装置20を用いてSMIを測定すると、SMI測定装置20は、SMI測定値を予測装置50に出力する。予測装置50は、SMI測定装置20からSMI測定値を取得すると、取得したSMI測定値を、過去に取得した被測定者のSMI測定値とともに記憶する。
【0026】
AGEsおよびSMIを測定することは、被測定者の生活習慣が改善しているか否かを観察するために重要である。ここで、AGEsは、生活習慣を数週間改善すれば測定値に反映され得る一方で、SMIは、生活習慣を数週間改善しても測定値に反映され難く、生活習慣を数ヶ月改善してようやく測定値に反映され始める。このため、被測定者は、SMIを観察しながら生活習慣を改善しようと試みた場合、数ヶ月に亘って生活習慣を改善し続けなければ改善効果を確認することができず、生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し難い。
【0027】
そこで、実施の形態に係る予測装置50は、過去に取得して記憶しているAGEs測定値の時系列の変化と、過去に取得して記憶しているSMI測定値とに基づき、SMI測定値を予測し、そのSMI測定値の予測値(以下、「SMI予測値」とも称する。)を記憶する。予測装置50は、過去に取得したAGEs測定値、過去に取得したSMI測定値、およびSMI予測値に基づき、被測定者、サポータ、および閲覧者の各ユーザが閲覧可能な閲覧情報を生成する。
【0028】
さらに、予測装置50は、被測定者の他の情報に基づいて閲覧情報を生成してもよい。他の情報は、たとえば、血圧、肥満度(BMI)、野菜摂取量、歩行スピード、および握力を含む。また、予測装置50は、上述した他の情報に基づき被測定者の健康状態を解析し、その解析結果を含む解析情報を生成し、解析情報を閲覧情報に含ませてもよい。すなわち、閲覧情報は、AGEs測定値、SMI測定値、およびSMI予測値の他、血圧、BMI、野菜摂取量、歩行スピード、握力、および解析情報のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0029】
ユーザがユーザ端末30を用いて閲覧情報を要求すると、予測装置50は、ユーザ端末30からの要求に応じてユーザ端末30に閲覧情報を出力する。ユーザ端末30は、予測装置50から取得した閲覧情報を表示する。
【0030】
これにより、ユーザは、ユーザ端末30を用いて、過去に取得したAGEs測定値およびSMI測定値を閲覧することができるとともに、過去に取得したAGEs測定値の時系列の変化と過去に取得したSMI測定値とに基づき算出されたSMI予測値を閲覧することができる。
【0031】
[予測装置の構成]
図2は、実施の形態に係る予測装置の構成を示す図である。図2に示すように、予測装置50は、演算装置510と、記憶装置520と、通信装置530とを備える。
【0032】
演算装置510は、コンピュータの一例であり、各種のプログラムに従って各種の処理を実行する演算主体である。演算装置510は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、およびMPU(Multi Processing Unit)のうちの少なくとも1つを含む。さらに、演算装置510は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいてもよい。なお、演算装置510は、演算回路(Processing Circuitry)で構成されていてもよい。
【0033】
記憶装置520は、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む。記憶装置520は、演算装置510によって実行される予測プログラム521、演算装置510が参照するユーザ識別情報522、および閲覧情報523など、各種のプログラムおよびデータを記憶する。
【0034】
ユーザ識別情報522は、ユーザID、パスワード、ユーザ名、年齢、および性別など、ユーザに関する情報を含む。予測装置50は、ユーザ識別情報522を用いてユーザを識別することができる。
【0035】
閲覧情報523は、AGEs測定値、SMI測定値、およびSMI予測値を含む。また、閲覧情報523は、血圧、BMI、野菜摂取量、歩行スピード、握力、および解析情報のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0036】
なお、記憶装置520は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、ROMおよびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいてもよい。さらに、演算装置510は、図示しないメディア読取装置を備えていてもよい。演算装置510は、メディア読取装置によって記憶媒体であるリムーバブルディスクを受け入れ、リムーバブルディスクから予測プログラム521およびユーザ識別情報522などの各種のプログラムおよびデータを取得してもよい。
【0037】
通信装置530は、演算装置510と通信可能に接続されている。通信装置530は、有線通信または無線通信によって、AGEs測定装置10、SMI測定装置20、およびユーザ端末30の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0038】
図3は、実施の形態に係る予測装置50が記憶するユーザ識別情報テーブルを説明するための図である。予測装置50は、図3のユーザ識別情報テーブルを用いてユーザ識別情報522を記憶する。
【0039】
図3に示されるように、ユーザ識別情報テーブルは、ユーザ識別情報522として、ユーザID、パスワード、ユーザ名、および閲覧IDに関する情報を格納する。情報提供サービスを利用する各ユーザは、ユーザ識別情報522によって識別される。たとえば、第1のユーザには、ユーザIDとして「U1」が割り当てられ、第2のユーザには、ユーザIDとして「U2」が割り当てられている。
【0040】
ユーザ識別情報522のうち、ユーザID、パスワード、およびユーザ名は、各ユーザによってユーザ端末30から入力される。ユーザ端末30は、入力されたユーザ識別情報522を予測装置50に出力する。予測装置50は、ユーザ端末30から取得したユーザ識別情報522を、ユーザ識別情報テーブルに格納することで記憶装置520に記憶する。
【0041】
閲覧IDは、後述する図4の閲覧情報テーブルにおいて、被測定者情報、AGEs測定情報、SMI測定情報、SMI予測情報、および解析情報といった各種の閲覧情報に関連付けられている。予測装置50は、閲覧IDに関連付けられた閲覧情報を、当該閲覧IDに関連付けられたユーザIDの所有者であるユーザに閲覧可能にする。
【0042】
図4は、実施の形態に係る予測装置50が記憶する閲覧情報テーブルを説明するための図である。予測装置50は、図4の閲覧情報テーブルを用いて閲覧情報523を記憶する。
【0043】
図4に示されるように、閲覧情報テーブルは、閲覧IDと、被測定者情報と、AGEs測定情報と、SMI測定情報と、SMI予測情報と、解析情報とを含む。AGEs測定情報は、過去に取得された被測定者のAGEs測定値を含む。SMI測定情報は、過去に取得された被測定者のSMI測定値を含む。SMI予測情報は、過去に取得されたAGEs測定値と過去に取得されたSMI測定値とに基づき生成されたSMI予測値と、SMI測定値に対応する後述するSMI評価ランクと、SMI予測に基づく生活習慣のアドバイスとを含む。解析情報は、被測定者の健康状態を解析した結果などに関する情報を含む。
【0044】
[AGEsの評価]
図5および図6を参照しながらAGEsの評価について説明する。図5は、AGEs評価ランクを説明するための図である。
【0045】
図5においては、横軸に被測定者の年齢をとり、縦軸にAGEs測定値をとったグラフが示されている。図5に示すように、予測装置50は、AGEs測定値に対して段階的に複数の基準値を設け、AGEs測定値と複数の基準値との比較に基づき、AGEsをランク付けする。たとえば、AGEs測定値に付けられるランクとして、A~Eの5段階のランク(以下、「AGEs評価ランク」とも称する。)が設けられている。AGEs評価ランクが「A」の場合はAGEs測定値の評価が最も良く、AGEs評価ランクが「E」の場合はAGEs測定値の評価が最も悪い。
【0046】
なお、図5に示すAGEs評価ランクの基準値は、一例であり、基準値としては、任意の値が設定されてもよい。また、AGEs評価ランクの基準値は、被測定者の年齢に限らず、性別に応じて異なっていてもよい。
【0047】
図6は、AGEs測定値の一例を示す図である。予測装置50は、図5に示す基準に基づき、取得したAGEs測定値をランク付けし、AGEs測定情報として、AGEs測定値とともにAGEs評価ランクを記憶する。
【0048】
たとえば、図6においては、横軸に日付をとり、縦軸にAGEs測定値をとった、被測定者のAGEs測定値の時系列変化を示すグラフが示されている。図6に示すように、予測装置50は、被測定者のAGEs測定値を4/6~6/22に亘って1週間ごとに取得した場合、各AGEs測定値に対してA~EのAGEs評価ランクを割り当てる。この測定者の場合、4/6~6/22の期間においてAGEs測定値が徐々に低下(改善)しており、AGEs評価ランクも当初のDからAにまで改善していることが分かる。
【0049】
[SMIの評価]
図7を参照しながらSMIの評価について説明する。図7は、SMI評価ランクを説明するための図である。図7に示すように、予測装置50は、SMI測定値に対して段階的に複数の基準値を設け、SMI測定値と複数の基準値との比較に基づき、SMIをランク付けする。たとえば、SMI測定値に付けられるランクとして、A~Eの5段階のランク(以下、「SMI評価ランク」とも称する。)が設けられている。SMI評価ランクが「A」の場合はSMI測定値の評価が最も良く、SMI評価ランクが「E」の場合はSMI測定値の評価が最も悪い。
【0050】
なお、SMI評価ランクの基準値としては、任意の値が設定されてもよい。また、SMI評価ランクの基準値は、被測定者の年齢に応じて異なっていてもよく、さらに被測定者の性別に応じて異なっていてもよい。
【0051】
[AGEs測定値を用いたSMI予測値の算出]
図8図10を参照しながら、AGEs測定値を用いたSMI予測値の算出について説明する。
【0052】
図8および図9は、AGEsとSMIの相関関係を説明するための図である。図8には、被測定者が男性の場合の相関関係のグラフであって、横軸にSMI測定値をとり、縦軸にAGEs測定値をとったグラフが示されている。図9には、被測定者が女性の場合の相関関係のグラフであって、横軸にSMI測定値をとり、縦軸にAGEs測定値をとったグラフが示されている。
【0053】
図8および図9に示すように、被測定者が男性および女性のいずれであっても、AGEs測定値が小さければ小さいほどSMI測定値が大きくなり、AGEs測定値が大きければ大きいほどSMI測定値が小さくなることが分かる。このように、AGEsとSMIとでは相関関係があり、予測装置50は、このような相関関係を利用して、AGEs測定値の時系列の変化と、SMI測定値とに基づき、未来のあるタイミングにおけるSMI測定値を予測する。
【0054】
図10は、SMI予測の一例を示す図である。図10においては、図6に示した4/6~6/22に亘って1週間ごとに取得された被測定者のAGEs測定値を用いて、予測装置50がSMI予測値を算出する例を説明する。図10の上段には、横軸に日付をとり、縦軸にAGEs測定値をとった、被測定者のAGEs測定値の時系列変化を示すグラフが示されている。図10の下段には、横軸に日付をとり、縦軸にSMI評価ランクをとった、被測定者のSMI評価ランクの時系列変化を示すグラフが示されている。
【0055】
上述したように、AGEsは、生活習慣が改善されることに応じて、概ね1週間から数週間で変化し得る。このため、被測定者は、AGEs測定装置10を用いて、通常、数週間ごとに定期的にAGEsを測定する。たとえば、被測定者は、AGEs測定装置10を用いて、4/6~6/22に亘って1週間ごとにAGEsを測定する。予測装置50は、4/6~6/22に亘って1週間ごとにAGEs測定装置10からAGEs測定値を取得する。
【0056】
一方、SMIは、SMI測定値は、AGEsのように数週間で変化し難く、生活習慣を数ヶ月改善してようやく測定値に反映され始める。このため、被測定者は、SMI測定装置10を用いて、通常、数ヶ月ごとにSMIを測定する。たとえば、被測定者は、SMI測定装置20を用いて、4/6にSMIを測定すると、次回は、数ヶ月先の6/22にSMIを測定予定とする。予測装置50は、AGEs測定装置20から4/6時点のSMI測定値を取得する。
【0057】
予測装置50は、4/6時点のSMI測定値を取得した後、それ以降のタイミングの予測時点において、次回のSMI測定日である6/22における被測定者のSMIを、SMI予測値として算出する。さらに、予測装置50は、予測時点から遡って予め定められた期間で取得したAGEs測定値の時系列の変化に基づき、SMI予測値として算出する。
【0058】
たとえば、予測装置50は、4/27時点で6/22におけるSMI予測値を算出する場合、4/27から遡って過去1週間で取得した4/6、4/13、4/20、および4/27のAGEs測定値を記憶装置520から読み出す。予測装置50は、読み出した4/6~4/27の1週間ごとのAGEs測定値の時系列の変化と、前回4/6に取得したSMI測定値とに基づき、6/22におけるSMI予測値を算出する。そして、予測装置50は、算出したSMI予測値と、基準値とを比較することで、SMI評価ランクを算出する。
【0059】
予測装置50は、5/18時点で6/22におけるSMI予測値を算出する場合、5/18から遡って過去1週間で取得した4/27、5/4、5/11、および5/18のAGEs測定値を記憶装置520から読み出す。予測装置50は、読み出した4/27~5/18の1週間ごとのAGEs測定値の時系列の変化と、前回4/6に取得したSMI測定値とに基づき、6/22におけるSMI予測値を算出する。そして、予測装置50は、算出したSMI予測値と、基準値とを比較することで、SMI評価ランクを算出する。
【0060】
予測装置50は、6/8時点で6/22におけるSMI予測値を算出する場合、6/8から遡って過去1週間で取得した5/18、5/25、6/1、および6/8のAGEs測定値を記憶装置520から読み出す。予測装置50は、読み出した5/18~6/8の1週間ごとのAGEs測定値の時系列の変化と、前回4/6に取得したSMI測定値とに基づき、6/22におけるSMI予測値を算出する。そして、予測装置50は、算出したSMI予測値と、基準値とを比較することで、SMI評価ランクを算出する。
【0061】
図10の例では、4/6~6/8で取得されたAGEs測定値は、徐々に改善している(小さくなっている)ため、予測装置50は、各予測時点での6/22におけるSMI評価ランクも徐々に改善するように予測する。このようにして得られたSMI予測値およびSMI評価ランクは、SMI予測情報として図4の閲覧情報テーブルに格納される。
【0062】
[閲覧情報の表示例]
図11図15を参照しながら、閲覧情報の表示例について説明する。図11図15は、実施の形態に係るユーザ端末30における表示画面の一例を示す図である。
【0063】
ユーザがユーザ端末30を用いて情報提供サービスを利用するためのアプリケーションプログラムを実行すると、ユーザ端末30は、図示しないログイン画面をディスプレイ390に表示する。ログイン画面においてユーザがユーザIDおよびパスワードを入力すると、ユーザ端末30は、ユーザIDおよびパスワードを予測装置50に出力する。予測装置50がユーザIDおよびパスワードに基づきユーザを認証すると、ユーザ端末30は、図11に示されるようなホーム画面31をディスプレイ390に表示する。
【0064】
ホーム画面31は、AGEs測定情報を閲覧するための画像311と、SMI測定値およびSMI予測情報を閲覧するための画像312と、解析情報を閲覧するための画像313とを含む。
【0065】
画像311は、直近に測定されたAGEs測定値と、AGEs測定値に対応するAGEs評価ランクとを示す。この例では、画像311において、2021/5/18に測定されたAGEs測定値として「0.51」が示され、AGEs評価ランクとして「B」が示されている。
【0066】
ユーザが画像311を選択(たとえば、タッチ操作)すると、ユーザ端末30は、図12に示されるようなAGEs閲覧画面32をディスプレイ390に表示する。
【0067】
AGEs閲覧画面32は、直近に測定されたAGEs測定値を示す画像321と、過去(たとえば、過去1週間)におけるAGEs測定値の時系列の変化を示す画像322と、AGEs測定値についてのコメントを示す画像323とを含む。このように、ユーザは、AGEs閲覧画面32を参照することで、被測定者のAGEs測定情報を閲覧することができる。
【0068】
図11に戻り、画像312は、直近に測定されたSMI測定値と、SMI測定値に対応するSMI評価ランクとを示す。この例では、画像312において、2021/4/6に測定されたSMI測定値として「7.6」が示され、SMI評価ランクとして「B」が示されている。
【0069】
ユーザが画像312を選択すると、ユーザ端末30は、図13に示されるようなSMI閲覧画面33をディスプレイ390に表示する。
【0070】
SMI閲覧画面33は、直近に測定されたSMI測定値を示す画像331と、過去(たとえば、過去半年間)におけるSMI測定値の時系列の変化を示す画像332と、SMI測定値についてのコメントを示す画像333とを含む。このように、ユーザは、SMI閲覧画面33を参照することで、被測定者のSMI測定情報を閲覧することができる。
【0071】
図11に戻り、画像313は、AGEs測定値およびSMI測定値などに基づき被測定者の健康状態を解析した解析結果と、解析結果についてのコメントとを含む。
【0072】
ユーザが画像313を選択すると、ユーザ端末30は、図14に示されるような総合解析画面34をディスプレイ390に表示する。
【0073】
総合解析画面34は、解析結果に対応する点数および評価ランクを示す画像341と、解析結果をレーダーチャートで示す画像342とを含む。このように、ユーザは、総合解析画面34を参照することで、被測定者の解析情報を閲覧することができる。
【0074】
さらに、総合解析画面34は、SMI予測値を閲覧するための画像343を含む。ユーザが画像343を選択すると、ユーザ端末30は、図15に示されるようなSMI予測画面35をディスプレイ390に表示する。
【0075】
SMI予測画面35は、現時点(この例では5/18時点)で算出された次回のSMI測定日(この例では6/22)におけるSMI予測値を示す画像351と、SMI予測値に基づく被測定者の生活習慣に関するアドバイスを示す画像352とを含む。この例では、画像351において、5/18時点においてSMIを予測した結果、6/22ではSMI評価ランクが「C」から「B」に改善することが示されている。さらに、画像352において、生活習慣に関するアドバイスとして、順調にAGEsおよびSMIが改善しているために今の生活習慣を続ける旨のコメントが示されている。このように、ユーザは、SMI予測画面35を参照することで、SMI予測値、SMI予測値に対応するSMI評価ランク、およびSMI予測に基づく生活習慣のアドバイスといったようなSMI予測情報を閲覧することができる。
【0076】
[予測装置の処理]
図16を参照しながら、予測装置50の処理について説明する。図16は、実施の形態に係る予測装置50が実行する予測処理のフローチャートである。図16に示される処理ステップ(以下、これを「S」と略す。)は、演算装置510が予測プログラム521を実行することによって実現される。
【0077】
図16に示されるように、予測装置50は、予測時点である現在から遡って直近の所定期間分のAGEs測定値を記憶装置520から読み出す(S1)。予測装置50は、前回取得したSMI測定値を記憶装置520から読み出す(S2)。
【0078】
予測装置50は、読み出したAGEs測定値の時系列の変化と、読み出したSMI測定値とに基づき、次回の測定日におけるSMI予測値を算出する(S3)。予測装置50は、算出したSMI予測値と、基準値とを比較することで、SMI予測値に対応するSMI評価ランクを算出する(S4)。さらに、予測装置50は、SMI評価ランクに基づき生活習慣のアドバイスを算出する(S5)。
【0079】
予測装置50は、S4で算出したSMI予測値と、S5で算出した生活習慣のアドバイスとを、予測情報として図4の閲覧情報テーブルに格納することで、記憶装置520に記憶する(S6)。
【0080】
以上のように、実施の形態に係る予測装置50によれば、過去に取得したAGEs測定値の時系列の変化と、過去に取得したSMI測定値とに基づき、未来におけるSMI予測値およびSMI評価ランクを算出する。被測定者(ユーザ)は、ユーザ端末30を用いてSMI予測値およびSMI評価ランクを閲覧することで、比較的短い期間で繰り返し取得されるAGEs測定値に限らず、比較的長い期間で繰り返し取得されるSMI測定値を観察しながらでも、生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなる。
【0081】
[実施の形態に係る予測装置の変形例]
以上、実施の形態に係る予測装置50について説明したが、実施の形態に係る予測装置50においては、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、実施の形態に係る予測装置50の変形例について、実施の形態に係る予測装置50と異なる部分のみを説明する。
【0082】
実施の形態に係る予測装置50は、次回のSMIの測定日におけるSMI予測値を算出していた。しかし、予測装置50は、予測時点である現在より後のタイミングであれば、いずれのタイミングにおけるSMI予測値を算出してもよい。
【0083】
実施の形態に係る予測装置50は、予測時点である現在から遡って過去1週間で取得したAGEs測定値を用いてSMI予測値を算出していた。しかし、予測装置50は、予測時点である現在において既に取得済みのAGEs測定値を用いてSMI予測値を算出すればよく、たとえば、過去取得した全てのAGEs測定値を用いてSMI予測値を算出してもよい。
【0084】
実施の形態に係る予測装置50は、AGEs測定値10から直接的にAGEs測定値を取得していた。しかし、被測定者は、自分の端末(たとえば、ユーザ端末30)からAGEs測定値10によって取得されたAGEs測定値を入力してもよく、予測装置50は、被測定者の端末(たとえば、ユーザ端末30)から、AGEs測定値を取得してもよい。
【0085】
実施の形態に係る予測装置50は、SMI測定値20から直接的にSMI測定値を取得していた。しかし、被測定者は、自分の端末(たとえば、ユーザ端末30)からSMI測定値20によって取得されたSMI測定値を入力してもよく、予測装置50は、被測定者の端末(たとえば、ユーザ端末30)から、SMI測定値を取得してもよい。
【0086】
実施の形態に係る予測装置50は、図11図15に示すように、SMI予測値などの閲覧情報を、ユーザ端末30のディスプレイに390に表示することで、ユーザに閲覧情報を提供していた。しかし、予測装置50は、SMI予測値などの閲覧情報を示した紙を、プリンタを用いて外部に出力してもよい。
【0087】
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0088】
(第1項) 一態様に係る予測装置は、演算装置と、演算装置と通信可能に接続された通信装置とを備える。通信装置は、被測定者の終末糖化産物の第1測定値を時系列的に複数回取得し、被測定者の骨格筋量の第2測定値を取得する。演算装置は、時系列的に複数回取得した第1測定値と、第2測定値とに基づき、第2測定値の予測値に関する予測情報を算出する。
【0089】
第1項に記載の予測装置によれば、被測定者は、SMIの測定値に加え、AGEsの測定値の時系列の変化に基づいて、SMIの予測値に関する予測情報を知ることができる。これにより、SMIを観察しながら生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなることが期待される。
【0090】
(第2項) 通信装置は、第1測定値を第1間隔で定期的に取得し、第2測定値を第1間隔よりも長い第2間隔で定期的に取得する。
【0091】
第2項に記載の予測装置によれば、AGEs測定値に限らず、AGEs測定値よりも長い期間で繰り返し取得されるSMI測定値を観察しながらでも、生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなる。
【0092】
(第3項) 演算装置は、第1測定値の取得期間のうち、予め定められた期間で取得された第1測定値の時系列の変化に基づき、予測情報を算出する。
【0093】
第3項に記載の予測装置によれば、被測定者は、予め定められた期間に亘ってAGEsを測定すれば、SMIの予測値に関する予測情報を取得することができる。
【0094】
(第4項) 演算装置は、取得期間のうち、予測時点から遡って直近の予め定められた期間で取得された第1測定値の時系列の変化に基づき、予測情報を算出する。
【0095】
第4項に記載の予測装置によれば、被測定者は、予測時点から遡って直近の予め定められた期間に亘ってAGEsを測定すれば、SMIの予測値に関する予測情報を取得することができる。
【0096】
(第5項) 演算装置は、予測情報として、基準値との比較に基づく予測値の評価結果を算出する。
【0097】
第5項に記載の予測装置によれば、被測定者は、SMI予測値の評価結果(SMI評価ランク)を観察することで、SMIによっても生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなる。
【0098】
(第6項) 演算装置は、予測情報として、予測値に基づく被測定者の生活習慣に関するアドバイスを算出する。
【0099】
第6項に記載の予測装置によれば、被測定者は、SMI予測値に基づく被測定者の生活習慣に関するアドバイスを閲覧しながら、生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなる。
【0100】
(第7項) 一態様に係る予測方法は、被測定者の終末糖化産物の第1測定値を時系列的に複数回取得するステップと、被測定者の骨格筋量の第2測定値を取得するステップと、時系列的に複数回取得した第1測定値と、第2測定値とに基づき、第2測定値の予測値に関する予測情報を算出するステップとを含む。
【0101】
第7項に記載の予測方法によれば、被測定者は、SMIの測定値に加え、AGEsの測定値の時系列の変化に基づいて、SMIの予測値に関する予測情報を知ることができる。これにより、SMIを観察しながら生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなることが期待される。
【0102】
(第8項) 一態様に係る予測プログラムは、演算装置に、被測定者の終末糖化産物の第1測定値を時系列的に複数回取得するステップと、被測定者の骨格筋量の第2測定値を取得するステップと、時系列的に複数回取得した第1測定値と、第2測定値とに基づき、第2測定値の予測値に関する予測情報を算出するステップとを実行させる。
【0103】
第8項に記載の予測プログラムによれば、被測定者は、SMIの測定値に加え、AGEsの測定値の時系列の変化に基づいて、SMIの予測値に関する予測情報を知ることができる。これにより、SMIを観察しながら生活習慣を改善し続けるためのモチベーションを維持し易くなることが期待される。
【符号の説明】
【0104】
1 予測システム、10 AGEs測定装置、20 SMI測定装置、11 測定部、12,390 ディスプレイ、13 通信部、30 ユーザ端末、31 ホーム画面、32 AGEs閲覧画面、33 SMI閲覧画面、34 総合解析画面、35 予測画面、50 予測装置、311,312,313,321,322,323,331,332,333,341,342,343,351,352 画像、510 演算装置、520 記憶装置、521 予測プログラム、522 ユーザ識別情報、523 閲覧情報、530 通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16