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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】無線式センサおよび昇降機情報収集システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20241112BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B66B5/02 S
B66B3/00 U
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023579978
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2022005444
(87)【国際公開番号】W WO2023152900
(87)【国際公開日】2023-08-17
【審査請求日】2024-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 善之
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-162482(JP,A)
【文献】特開2003-40543(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0140235(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0079622(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0001841(US,A1)
【文献】特開2009-23820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00 - 5/28
B66B 3/00 - 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機において複数の接点が直列に接続された安全回路に含まれる第1接点の状態を測定する無線式センサであって、
前記第1接点の電圧の状態を示す電気信号を検出する信号検出部と、
前記第1接点が開放している場合に、前記安全回路から電力を得る電力取得部と、
前記電力取得部が得た電力によって動作し、前記信号検出部が検出した電気信号を示す無線電波を発信する発信部と、
を備えた無線式センサ。
【請求項2】
前記電力取得部は、
前記安全回路に対して前記第1接点と並列に接続され、前記第1接点が開放している場合に前記安全回路から電力を得る取得回路、
を有する請求項1に記載の無線式センサ。
【請求項3】
前記電力取得部は、
前記第1接点と前記取得回路との間に直列に接続された第1高速充電用キャパシタ、
を有する請求項2に記載の無線式センサ。
【請求項4】
前記第1高速充電用キャパシタは、前記第1接点が閉成状態から開放した場合に、前記安全回路が前記第1接点の開放を検知するまでの検知遅延時間よりも短い時間で低抵抗値から高抵抗値を有するように蓄電する特性を持つ請求項3に記載の無線式センサ。
【請求項5】
前記第1高速充電用キャパシタは、基本的な故障モードが開放状態となるキャパシタである請求項3または請求項4に記載の無線式センサ。
【請求項6】
前記電力取得部は、
前記第1接点と前記取得回路との間で前記第1高速充電用キャパシタと並列に接続されたトリクル充電用抵抗体、
を更に有し、
前記取得回路は、前記第1接点が開放している場合に、前記トリクル充電用抵抗体を介して前記安全回路から電力を得る請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の無線式センサ。
【請求項7】
前記第1接点が閉成状態から開放した場合に、前記安全回路が前記第1接点の開放を検知するまでの検知遅延時間よりも短い時間で、前記第1高速充電用キャパシタを流れる電流値と前記トリクル充電用抵抗体を流れる電流値との合計値が前記安全回路において前記第1接点が開放したことを検知する電流値の検知閾値よりも小さくなる請求項6に記載の無線式センサ。
【請求項8】
前記電力取得部は、
前記第1接点の負側と前記取得回路との間に直列に接続された第2高速充電用キャパシタ、
を更に備え、
前記第1高速充電用キャパシタは、前記第1接点の正側と前記取得回路との間に直列に接続された請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の無線式センサ。
【請求項9】
前記取得回路は、前記安全回路に対して前記第1接点と並列に接続された蓄電用キャパシタを含む請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の無線式センサ。
【請求項10】
前記信号検出部は、前記第1接点の電圧の状態として、前記第1接点が開放状態または閉成状態のいずれであるかを示す電気信号を検出する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の無線式センサ。
【請求項11】
前記信号検出部は、前記第1接点の電圧の状態として、前記第1接点が開放状態から閉成した時の前記第1接点の両端の電圧値の変化を示す電気信号を検出する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の無線式センサ。
【請求項12】
前記信号検出部は、
前記安全回路に対して前記第1接点と並列に接続された信号処理回路と、
前記第1接点と前記信号処理回路との間に直列に接続された電圧減衰用抵抗体と、
前記信号処理回路と前記発信部との間に接続された増幅器と、
を有し、
前記信号処理回路は、前記電圧減衰用抵抗体からの電流を前記第1接点の電圧の状態を示す前記電気信号に変換処理し、
前記増幅器は、前記信号処理回路が変換処理した前記電気信号を増幅して前記発信部に入力する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の無線式センサ。
【請求項13】
昇降機において複数の接点が直列に接続された安全回路に含まれる第1接点が開放している場合に前記安全回路から得た電力によって動作し、動作中に前記第1接点の電圧の状態を示す電気信号を示す無線電波を発信する無線式センサと、
前記無線式センサから受信した前記無線電波に基づく前記第1接点の情報を作成し、前記第1接点の情報を遠隔通信装置に送信するゲートウェイ装置と、
を備えた昇降機情報収集システム。
【請求項14】
前記無線式センサは、前記複数の接点のうち前記第1接点を含む直列に接続された2以上の接点からなる接点群の両端において前記接点群と並列になるよう前記安全回路に対して接続された請求項13に記載の昇降機情報収集システム。
【請求項15】
前記ゲートウェイ装置は、前記接点群に含まれる接点のうちいずれかが開放したことを示す前記無線電波を受信した場合に、前記昇降機の制御装置から取得したかごの位置情報に基づいて、前記無線電波に示される開放した接点が前記接点群に含まれるいずれの接点であるかを特定する請求項14に記載の昇降機情報収集システム。
【請求項16】
前記ゲートウェイ装置は、前記無線電波に基づいて前記第1接点の健全性を診断し、診断結果を前記第1接点の情報と対応付けて送信する請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の昇降機情報収集システム。
【請求項17】
前記ゲートウェイ装置から前記遠隔通信装置を介して前記第1接点の情報を受信し、前記第1接点の情報に基づいて前記第1接点の健全性を診断する情報センター装置、
を更に備えた請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の昇降機情報収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線式センサおよび昇降機情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターシステムを開示する。当該エレベーターシステムにおいて、インターロックの機能を発揮する複数の接点が直列に接続された安全回路が設けられる。また、安全回路の複数の接点の各々には、補助接点が設けられる。補助接点が接点と連動して開閉することで、エレベーターシステムの制御装置は、開放した接点を特定し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2009-023820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
安全回路において、配線の量を削減するために、複数の接点は、個別に並列で接続されるのではなく、直列に接続される。しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターシステムによれば、補助接点の開閉を検出する配線が必要となる。このため、配線の量が大きく増加する。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、配線の量の増加を抑制することができる無線式センサおよび昇降機情報収集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る無線式センサは、昇降機において複数の接点が直列に接続された安全回路に含まれる第1接点の状態を測定する無線式センサであって、前記第1接点の電圧の状態を示す電気信号を検出する信号検出部と、前記第1接点が開放している場合に、前記安全回路から電力を得る電力取得部と、前記電力取得部が得た電力によって動作し、前記信号検出部が検出した電気信号を示す無線電波を発信する発信部と、を備えた。
【0007】
本開示に係る昇降機情報収集システムは、昇降機において複数の接点が直列に接続された安全回路に含まれる第1接点が開放している場合に前記安全回路から得た電力によって動作し、動作中に前記第1接点の電圧の状態を示す電気信号を示す無線電波を発信する無線式センサと、前記無線式センサから受信した前記無線電波に基づく前記第1接点の情報を作成し、前記第1接点の情報を遠隔通信装置に送信するゲートウェイ装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、無線式センサは、安全回路から得た電力を用いて、接点の電圧の状態を示す無線電波を発信する。このため、配線の量の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における昇降機情報収集システムが適用される昇降機の概要を示す図である。
図2】実施の形態1における昇降機情報収集システムの無線式センサの構成を示す模式図である。
図3】実施の形態1における昇降機情報収集システムのブロック図である。
図4】実施の形態1における昇降機情報収集システムの無線式センサの動作の第1例を説明するためのフローチャートである。
図5】実施の形態1における昇降機情報収集システムのゲートウェイ装置の動作の第1例を説明するためのフローチャートである。
図6】実施の形態1における昇降機情報収集システムの情報センター装置の動作の第1例を説明するためのフローチャートである。
図7】実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第1例を説明するためのシーケンス図である。
図8】実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第1例を説明するためのシーケンス図である。
図9】実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第1例を説明するためのシーケンス図である。
図10】実施の形態1における昇降機情報収集システムの無線式センサの動作の第2例を説明するためのフローチャートである。
図11】実施の形態1における昇降機情報収集システムのゲートウェイ装置の動作の第2例を説明するためのフローチャートである。
図12】実施の形態1における昇降機情報収集システムの情報センター装置の動作の第2例を説明するためのフローチャートである。
図13】実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第2例を説明するためのシーケンス図である。
図14】実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第2例を説明するためのシーケンス図である。
図15】実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第2例を説明するためのシーケンス図である。
図16】実施の形態1の第1変形例における昇降機情報収集システムの無線式センサと接点との関係を示す図である。
図17】実施の形態1の第2変形例における昇降機情報収集システムの無線式センサの構成を示す模式図である。
図18】実施の形態1における昇降機情報収集システムの分析装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における昇降機情報収集システムが適用される昇降機の概要を示す図である。
【0012】
図1に示されるように、例えば、昇降機は、エレベーターシステムである。エレベーターシステムにおいて、昇降路1は、建築物2の各階を貫く。機械室3は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場4の各々は、建築物2の各階に設けられる。複数の乗場4の各々は、昇降路1に対向する。複数の乗場ドア5は、複数の乗場4の出入口にそれぞれ設けられる。
【0013】
巻上機6は、機械室3に設けられる。かご7は、昇降路1の内部に設けられる。かご7は、巻上機6によって昇降され得る。かご7は、かごドア7aを備える。制御装置8は、機械室3に設けられる。制御装置8は、巻上機6を含むエレベーターシステムを全体的に制御し得る。
【0014】
遠隔通信装置9は、機械室3に設けられる。遠隔通信装置9は、制御装置8に電気的に接続される。遠隔通信装置9は、制御装置8からの情報に基づいてエレベーターシステムの状態を監視し得る。情報センター装置10は、建築物2から離れた場所に設けられる。例えば、情報センター装置10は、エレベーターシステムの保守会社に設けられる。情報センター装置10は、通信回線網11を介して遠隔通信装置9と通信し得る。情報センター装置10は、遠隔通信装置9からの情報に基づいてエレベーターシステムの状態を把握し得る。
【0015】
例えば、安全回路12は、乗場ドア5の安全チェーンである。安全回路12は、複数の接点13と電源14と検知器15と導線16とを備える。
【0016】
複数の接点13は、乗場ドア5のインターロック用の接点として、複数の乗場ドア5にそれぞれ設けられる。接点13は、対応する乗場ドア5が閉じている時、閉成状態にある。接点13は、対応する乗場ドア5が開いている場合、開放状態にある。
【0017】
例えば、電源14は、直流電源である。電源14は、制御装置8の内部に設けられる。検知器15は、電流を検知する。導線16は、複数の接点13の各々と電源14と検知器15とを直列に接続する。即ち、導線16は、複数の接点13の各々と電源14と検知器15とが直列に接続された閉回路である安全回路12を構成する。
【0018】
昇降機情報収集システム20は、安全回路12に含まれる接点13の劣化状態等の情報を収集するシステムである。昇降機情報収集システム20は、複数の無線式センサ21とゲートウェイ装置22とを備える。また、昇降機情報収集システム20には、制御装置8と遠隔通信装置9と情報センター装置10とが含まれる。
【0019】
複数の無線式センサ21は、複数の接点13にそれぞれ取り付けられる。無線式センサ21は、安全回路12に対して対応する接点13と並列に接続される。無線式センサ21は、対応する接点13が開放状態にある場合、安全回路12から電力を得る。無線式センサ21は、安全回路12から得た電力を用いて、接点13の状態を示す無線電波を送信する。例えば、無線電波は、Bluetooth(登録商標)等の、消費電力の少ない無線通信規格に準拠した方式の電波が採用される。
【0020】
例えば、ゲートウェイ装置22は、昇降路1の内部に設けられる。ゲートウェイ装置22は、複数の無線式センサ21と無線によって通信し得る。ゲートウェイ装置22は、遠隔通信装置9と有線または無線によって通信し得る。ゲートウェイ装置22は、遠隔通信装置9を介して、制御装置8および情報センター装置10と通信し得る。なお、ゲートウェイ装置22は、遠隔通信装置9を介さずに制御装置8と通信をするよう設けられてもよい。
【0021】
なお、ゲートウェイ装置22は、昇降路1の鉛直方向の長さに応じて、または無線式センサ21との通信状態に応じて、エレベーターシステムに複数台設けられてもよい。例えば、2つのゲートウェイ装置22は、昇降路1の上端部と昇降路1の下端部とにそれぞれ設けられてもよい。また、ゲートウェイ装置22は、かご7に設けられてもよい。
【0022】
エレベーターシステムが通常運行する場合、制御装置8は、巻上機6を制御することで、かご7の運行を制御する。かご7がとある乗場4に停止した場合、制御装置8は、かご7に設けられたかごドア7aを開く。この際、かごドア7aは、乗場ドア5の錠を解除するよう乗場ドア5を操作する。また、かごドア7aは、当該乗場4の乗場ドア5に設けられたインターロックの接点13が当該錠と連動して開放するよう乗場ドア5を操作する。制御装置8は、接点13が開放したことを検知した後、かごドア7aを開ける。乗場ドア5は、かごドア7aと共に開く。
【0023】
安全回路12において、接点13が開放した場合、検知器15は、接点13が開放したことによる電流値の変化を検知する。検知器15は、かごドア7aが接点13を開放する操作を行った時点から規定の検知遅延時間が経過した後に、安全回路12の電流値が規定の検知閾値を下回った場合、複数の接点13のうちのいずれかが開放したことを検知する。制御装置8は、検知器15の検知結果に基づいていずれかの接点13が開放したことを検知する。
【0024】
その後、制御装置8は、かごドア7aを閉じる。乗場ドア5は、かごドア7aと共に閉じる。乗場ドア5が完全に閉じた場合、乗場ドア5の錠が施錠される。接点13は、当該錠と連動して開放した状態から閉成する。制御装置8は、接点13が閉成したことを検知した場合、かごドア7aと乗場ドア5とが閉じたことを検知する。その後、制御装置8は、かご7を別の階床の乗場4に走行させる。
【0025】
安全回路12において、接点13が開放した状態から閉成した場合、検知器15は、当該接点13が閉成したことによる電流値の変化を検知し、いずれかの接点13が閉成したことを検知する。制御装置8は、検知器15の検知結果に基づいていずれかの接点13が閉成したことを検知する。このように複数の接点13が直列に接続されることで、安全回路12に必要な配線の量が抑制されている。
【0026】
無線式センサ21が有する抵抗値は、接点13の抵抗値よりも大きい。そのため、対応する接点13が閉成している場合、無線式センサ21には、電流がほとんど流れない。対応する接点13が閉成した状態から開放した場合、安全回路12を流れる電流は、無線式センサ21を通る。無線式センサ21は、当該電流の電力を利用して動作する。この場合、無線式センサ21は、対応する接点13の電圧の状態を測定する。無線式センサ21は、測定した接点13の電圧の状態を示す無線電波を発信する。例えば、無線式センサ21は、規定のサンプリング周期で測定を行い、無線電波を発信する。
【0027】
この際、無線式センサ21は、検知器15に設定された検知遅延時間が経過するよりも前に、無線式センサ21の実質的な抵抗値を増加させることで、無線式センサ21に流れる電流値を検知閾値よりも小さくする。そのため、安全回路12が開放されていない状態であっても、検知器15は、いずれかの接点13が開放したことを検知可能である。
【0028】
ゲートウェイ装置22は、複数の無線式センサ21からの無線電波を受信する。ゲートウェイ装置22は、受信した無線電波に示される情報を集約し、接点13の情報として遠隔通信装置9に送信する。遠隔通信装置9は、ゲートウェイ装置22から受信した情報を、通信回線網11を介して情報センター装置10に送信する。情報センター装置10は、受信した情報に基づいて、複数の接点13の各々の劣化診断、故障予兆診断、等の保守診断を行う。情報センター装置10は、保守診断の結果を示す情報を保守会社の監視員に報知する。例えば、監視員は、報知された情報に基づいて、複数の接点13の保守計画を立てる。
【0029】
次に、図2を用いて、無線式センサ21を説明する。
図2は実施の形態1における昇降機情報収集システムの無線式センサの構成を示す模式図である。
【0030】
複数の無線式センサ21の各々は、同様の構成を備える。図2では、複数の接点13のうちの第1接点13aに取り付けられた無線式センサ21を説明する。
【0031】
無線式センサ21の正側母線Pは、第1接点13aの正側の端子に接続される。無線式センサ21の負側母線Nは、第1接点13aの負側の端子に接続される。無線式センサ21は、信号検出部23と電力取得部24と発信部25とを備える。
【0032】
信号検出部23は、安全回路12に対して第1接点13aと並列に接続される。即ち、信号検出部23は、分圧回路として正側母線Pと負側母線Nとに並列に接続される。信号検出部23は、信号処理回路101と電圧減衰用抵抗体102と増幅器103とを有する。
【0033】
信号処理回路101は、正側母線Pと負側母線Nとにおける第1接点13aと電力取得部24との間において、安全回路12に対して第1接点13aと並列に接続される。信号処理回路101は、第1接点13aの端子間の電圧を検出する。例えば、信号処理回路101は、当該電圧の検出結果を処理するハイパスフィルタ等の処理回路を有する。信号処理回路101は、アナログ出力として、処理結果を示す電気信号を出力する。具体的には、例えば、信号処理回路101は、第1接点13aにおけるチャタリング波形に含まれる特定の成分である交流成分等を取り出し、当該特定の成分を示す電気信号に変換処理して出力する。
【0034】
電圧減衰用抵抗体102は、接点電圧の分圧抵抗体として第1接点13aと信号処理回路101との間に直列に接続される。電圧減衰用抵抗体102の抵抗値は、安全回路12の検知閾値に応じて設定される。
【0035】
増幅器103は、パワーアンプとして信号処理回路101に接続される。増幅器103は、信号処理回路101が出力した電気信号を増幅する。増幅器103は、接点電圧監視ライン104を介して増幅した電気信号を発信部25に入力する。
【0036】
電力取得部24は、取得回路105を有する。取得回路105は、第1接点13aと発信部25との間に直列に接続される。取得回路105は、正側母線Pと負側母線Nとからの電力を取得し、発信部25に供給する。
【0037】
取得回路105は、ダイオードブリッジ106と定電圧回路107と非安定電源ライン108と安定電源ライン109と負荷側キャパシタ110と蓄電電圧分圧抵抗体111と蓄電電圧監視ライン112と定電圧側キャパシタ113とを有する。
【0038】
ダイオードブリッジ106は、第1接点13aと発信部25との間に直列に接続される。定電圧回路107は、ダイオードブリッジ106と発信部25との間に接続される。定電圧回路107は、第1接点13aからの電圧を一定の定電圧値になるよう変換し、発信部25に供給する。即ち、定電圧回路107は、発信部25に供給される電力の電圧を安定化させる。非安定電源ライン108は、ダイオードブリッジ106と定電圧回路107との間の回路を構成する導線である。安定電源ライン109は、定電圧回路107と発信部25との間の回路を構成する導線である。
【0039】
負荷側キャパシタ110は、蓄電用キャパシタとして、非安定電源ライン108において定電圧回路107と並列に接続される。即ち、負荷側キャパシタ110は、第1接点13aと発信部25との間に並列に接続される。負荷側キャパシタ110の静電容量は、規定の蓄電量を蓄電可能な値に設定される。また、負荷側キャパシタ110の静電容量は、規定の蓄電時間で処理回路119の起動電圧を超える値に設定される。
【0040】
蓄電電圧分圧抵抗体111は、非安定電源ライン108において負荷側キャパシタ110と並列に接続される。蓄電電圧分圧抵抗体111の両端には、負荷側キャパシタ110の蓄電量に応じた電圧が印加される。蓄電電圧監視ライン112は、蓄電電圧分圧抵抗体111と発信部25とを接続する。
【0041】
定電圧側キャパシタ113は、蓄電用キャパシタとして、安定電源ライン109において発信部25と並列に接続される。
【0042】
電力取得部24は、キャパシタ直列接続型の回路として、第1接点13aと取得回路105との間に、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115と第1トリクル充電用抵抗体116と第2トリクル充電用抵抗体117とを更に備える。
【0043】
第1高速充電用キャパシタ114は、第1接点13aと取得回路105との間の正側母線Pに直列に接続される。第1高速充電用キャパシタ114は、基本的な故障モードが開放状態となる種類のキャパシタである。具体的には、例えば、第1高速充電用キャパシタ114は、電解コンデンサである。
【0044】
第1高速充電用キャパシタ114の静電容量は、検知遅延時間よりも短い時間で模擬的な抵抗値が十分な値となるよう、高速で充電がなされる値に設定される。第1高速充電用キャパシタ114の蓄電量に対する抵抗値の特性は、高速で充電がなされる値に設定される。例えば、第1高速充電用キャパシタ114の静電容量は、安全回路12からの電流に対して、安全回路12の特性を失わないほど短い時間で蓄電が完了するよう設定される。第1高速充電用キャパシタ114の抵抗値の特性は、第1接点13aが開放された直後には低い値を示す特性であり、蓄電量の増加と共に高い抵抗値を示す特性である。
【0045】
第2高速充電用キャパシタ115は、第1接点13aと取得回路105との間の負側母線Nに直列に接続される。第2高速充電用キャパシタ115の種類は、第1高速充電用キャパシタ114と同じ種類である。即ち、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とは、同じ特性を有する。
【0046】
第1トリクル充電用抵抗体116は、正側母線Pにおいて第1高速充電用キャパシタ114と並列に接続される。第1トリクル充電用抵抗体116の抵抗値は、第1トリクル充電用抵抗体116を通過した電流が発信部25の動力となり得る値に設定される。第1トリクル充電用抵抗体116の抵抗値は、第1トリクル充電用抵抗体116を通過した電流によって蓄電用キャパシタがトリクル充電され得る値に設定される。
【0047】
第2トリクル充電用抵抗体117は、負側母線Nにおいて第2高速充電用キャパシタ115と並列に接続される。第2トリクル充電用抵抗体117の抵抗値は、第2トリクル充電用抵抗体117を通過した電流が発信部25の動力となり得る値に設定される。第2トリクル充電用抵抗体117の抵抗値は、第2トリクル充電用抵抗体117を通過した電流によって蓄電用キャパシタをトリクル充電し得る値に設定される。
【0048】
第1高速充電用キャパシタ114の静電容量と第2高速充電用キャパシタ115の静電容量と第1トリクル充電用抵抗体116の抵抗値と第2トリクル充電用抵抗体117の抵抗値とは、安全回路12に設定される検知遅延時間および電流の検知閾値に基づいて設定される。無線式センサ21が第1接点13aと並列に接続されることで、第1接点13aが開放状態となっても、無線式センサ21に電流が流れることで安全回路12が開放された回路とはならない。安全回路12の検知器15が接点13の開放を検知できるようにする目的で、第1接点13aが開放してから検知遅延時間が経過するまでに、無線式センサ21に流れる電流値が検知閾値よりも小さい値となる必要がある。そのため、第1高速充電用キャパシタ114と第1トリクル充電用抵抗体116とを流れる電流の合計値が、第1接点13aが開放した後に検知遅延時間が経過するよりも短い時間で検知閾値よりも小さくなるように、第1高速充電用キャパシタ114の静電容量と第2高速充電用キャパシタ115の静電容量と第1トリクル充電用抵抗体116の抵抗値と第2トリクル充電用抵抗体117の抵抗値とが決定される。
【0049】
発信部25は、受電回路118と処理回路119と無線回路120とを備える。
【0050】
受電回路118は、受電部として電力取得部24と電気的に接続される。具体的には、受電回路118は、取得回路105の安定電源ライン109と接続される。受電回路118は、電力取得部24から電力を得る。受電回路118は、得た電力を発信部25の各回路に供給する。即ち、処理回路119と無線回路120とは、受電回路118からの電力を用いて動作する。
【0051】
処理回路119は、MCU(Micro Controller Unit)として電気信号を演算処理する。処理回路119は、演算処理の結果に基づいて無線電波として発信する情報を作成する。この際、処理回路119は、発信部25が行う動作を全体的に制御する。処理回路119は、ROM121(Read Only Memory)とRAM122(Random Access Memory)とMCUコア123と第1ADC回路124と第2ADC回路125とを備える。
【0052】
ROM121は、発信部25が実現する機能を示すプログラム等の情報を記憶する。RAM122は、演算処理の結果等の一時的な情報を記憶する。MCUコア123は、演算器として、種々の演算を行う。MCUコア123は、ROM121に記憶されたプログラムを実行する。MCUコア123は、ROM121に記憶されたプログラム、RAM122に記憶された情報、その他の情報に基づいて処理回路119が扱う演算処理を行う。
【0053】
第1ADC回路124は、アナログ-デジタル変換回路(Analog-to-Digital Converter)である。第1ADC回路124は、接点電圧監視ライン104で信号検出部23に接続される。第1ADC回路124は、信号検出部23から電気信号の入力を取り込む。第1ADC回路124は、入力したアナログ信号である電気信号をデジタル信号に変換する。
【0054】
第2ADC回路125は、アナログ-デジタル変換回路である。第2ADC回路125は、蓄電電圧監視ライン112で蓄電電圧分圧抵抗体111に接続される。第2ADC回路125は、蓄電電圧分圧抵抗体111に印加される抵抗値を示すアナログの電気信号をデジタル信号に変換する。
【0055】
無線回路120は、処理回路119で作成された情報を無線電波の形式に変換する回路である。例えば、無線回路120は、当該情報を、高周波の電波であるRF(Radio Frequency)電波に変換する。無線回路120は、アンテナ126から無線電波Wを発信する。また、無線回路120は、アンテナ126を介してゲートウェイ装置22から無線電波Wを受信してもよい。無線回路120は、アンテナ126を介してゲートウェイ装置22からの電波を受信する。
【0056】
第1接点13aが閉成している場合、無線式センサ21の各回路に流れる電流は、ゼロに近い値である。第1接点13aが閉成した状態から開放した場合、安全回路12を通る電流は、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とに流れ込む。第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とは、急速に充電される。検知遅延時間が経過するまでの間に、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とは、電荷の蓄積による電圧値の上昇によって実質的な高抵抗値を示す状態となる。
【0057】
第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とが充電される際、当該充電に伴って、蓄電用キャパシタである負荷側キャパシタ110と定電圧側キャパシタ113とが充電される。蓄電用キャパシタが示す電圧値が規定の起動電圧を超えた場合、MCUである処理回路119が起動する。例えば、処理回路119は、信号検出部23からの電気信号を第1ADC回路124を介して取り込む。処理回路119は、取り込んだ電気信号に基づいて、各種演算を実行する。処理回路119は、無線回路120に演算結果を示す無線信号を送信させる。
【0058】
処理回路119が起動した後であって、第1接点13aが開放している場合、安全回路12を流れる電流は、第1トリクル充電用抵抗体116と第2トリクル充電用抵抗体117とを通って処理回路119および蓄電用キャパシタに供給される。このため、蓄電用キャパシタには、トリクル充電が行われる。処理回路119のMCUは、連続的な動作を継続可能となる。なお、安全回路12での誤検知の発生を抑制するため、この場合に電力取得部24に流れる電流値は、安全システム上支障が出ない範囲の最小限の値として安全回路12で用いられる検知閾値を下回る値となる。
【0059】
第1接点13aが開放した状態から閉成した場合、電力取得部24には、安全回路12からの電流が流れない。第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とは、放電を開始する。この際、ダイオードブリッジ106が設けられているため、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115との合成電圧が蓄電用キャパシタに印加されることで、蓄電用キャパシタが充電される。ダイオードブリッジ106によって、電力回収効率が向上する。
【0060】
処理回路119は、蓄電用キャパシタに蓄電された電力によって起動した状態を継続する。処理回路119は、第2ADC回路125からの信号に基づいて蓄電用キャパシタの蓄電量を監視する。例えば、処理回路119は、蓄電用キャパシタの蓄電量に応じて、電圧の測定頻度であるサンプリング頻度を変化させる。即ち、蓄電量が閾値よりも小さい場合、処理回路119は、サンプリング頻度を少なくする。処理回路119は、蓄電量に応じて、電力の消費量が少ない省電力モードに移行する。
【0061】
次に、図3を用いて、昇降機情報収集システム20を説明する。
図3は実施の形態1における昇降機情報収集システムのブロック図である。
【0062】
図3には、昇降機情報収集システム20に複数のゲートウェイ装置22が設けられる例が示される。この場合、無線式センサ21は、通信状態が最も良好なゲートウェイ装置22と通信を行う。複数のゲートウェイ装置22の各々は、同様の構成を備える。複数のゲートウェイ装置22は、通信ライン17および電源ライン18を介して遠隔通信装置9と接続される。
【0063】
ゲートウェイ装置22は、一時記憶部201と電源部202と処理部203とを備える。
【0064】
一時記憶部201は、情報を一時的に記憶する。電源部202は、電源回路である。例えば、電源部202は、遠隔通信装置9から電力の供給を受ける。電源部202は、建築物2の電源プラグから電力の供給を受けてもよい。電源部202は、ゲートウェイ装置22の各機器に電力を供給する。
【0065】
処理部203は、処理回路であるMCUを含む。処理部203は、ROM204とRAM205とMCUコア206と記憶部通信I/F(インターフェース)207と無線回路208と外部通信I/F209とを備える。
【0066】
ROM204とRAM205とMCUコア206と無線回路208とは、無線式センサ21の図3には図示されないROM121とRAM122とMCUコア123と無線回路120とそれぞれ同様の構成を備える。無線回路208は、アンテナ210を介して無線式センサ21と無線電波Wで通信を行う。記憶部通信I/F207は、処理部203の処理内容を一時記憶部201に記憶させる。外部通信I/F209は、遠隔通信装置9と通信を行う。例えば、外部通信I/F209は、処理部203の処理内容の情報を遠隔通信装置9に送信する。
【0067】
処理部203は、無線式センサ21からの無線電波に基づいて、接点13の電気信号の情報を接点の情報として一時記憶部201に記憶させる。処理部203は、規定の周期が経過した時、遠隔通信装置9から送信の指令を受けた時、等の任意のタイミングで、一時記憶部201に記憶された接点の情報を外部通信I/F209から遠隔通信装置9に送信する。
【0068】
なお、処理部203は、無線式センサ21から受信した情報に基づいて、対応する接点13についての異常判定、当該接点13の故障予兆判定、等の健全性の診断を行ってもよい。この場合、処理部203は、診断結果を示す情報を遠隔通信装置9に送信してもよい。また、処理部203は、無線式センサ21から受信した情報を統合する、規定の順序に並べ替える、特定の傾向を持つ情報だけを統合する、等の診断の下処理となる演算を行ってもよい。この場合、処理部203は、当該下処理後の情報を遠隔通信装置9に送信してもよい。
【0069】
制御装置8は、安全回路12と制御回路801と遠隔通信I/F802とを備える。制御回路801は、エレベーターシステムの運行を全体的に制御する。安全回路12は、制御回路801の制御が行われる際のインターロックの機能を有する。遠隔通信I/F802は、遠隔通信装置9と通信を行うインターフェースである。
【0070】
遠隔通信装置9は、電源I/F901とGW通信I/F902と制御装置通信I/F903と回線網通信I/F904とを備える。電源I/F901は、電源ライン18を介して複数のゲートウェイ装置22にそれぞれ電力を供給する。GW(ゲートウェイ)通信I/F902は、通信ライン17を介して複数のゲートウェイ装置22のそれぞれと通信を行う。制御装置通信I/F903は、制御装置8と通信を行う。回線網通信I/F904は、通信回線網11を介して情報センター装置10と通信を行う。遠隔通信装置9は、ゲートウェイ装置22から情報を受信した場合、情報センター装置10に当該情報を送信する。遠隔通信装置9は、制御装置8からかご7の位置情報を取得して、当該情報をゲートウェイ装置22に送信してもよい。
【0071】
情報センター装置10は、複数の装置で構成される。情報センター装置10は、記憶装置1001と通信装置1002と表示装置1003と分析装置1004とを備える。
【0072】
記憶装置1001は、ゲートウェイ装置22から送信された接点の情報、分析装置1004が作成した情報、等の情報を記憶する。即ち、記憶装置1001は、無線式センサ21の測定した情報を蓄積する。通信装置1002は、通信インターフェースとして遠隔通信装置9と通信を行う。例えば、表示装置1003は、ディスプレイ装置である。表示装置1003は、保守会社の監視員に対して情報を視覚的に表示する。
【0073】
分析装置1004は、ゲートウェイ装置22から受信した情報に基づいて、無線式センサ21に対応する接点13の異常判定、接点13の故障予兆判定、等の健全性の診断を行う。分析装置1004は、診断の結果を示す情報を、表示装置1003にアラートと共に表示させる。分析装置1004は、診断の結果を示す情報を記憶装置1001に記憶させる。
【0074】
なお、ゲートウェイ装置22が診断を行う場合、分析装置1004は、ゲートウェイ装置22が行った診断の結果を示す情報を表示装置1003に表示させ、記憶装置1001に記憶させてもよい。
【0075】
次に、図4を用いて、無線式センサ21が行うサンプリング動作の第1例を説明する。
図4は実施の形態1における昇降機情報収集システムの無線式センサの動作の第1例を説明するためのフローチャートである。
【0076】
第1例において、無線式センサ21は、対応する接点13の状態として、接点13が開状態または閉状態のいずれであるか、および閉状態の接点13の電圧を測定する。以降では、第1接点13aに対応する無線式センサ21の動作を説明する。
【0077】
図4において、フローチャートのサンプリング動作は、第1接点13aが閉成状態から開放した場合、即ち接点13が「開」となった場合に、開始される。
【0078】
ステップS001において、無線式センサ21の蓄電用キャパシタにおいて、蓄電が開始される。また、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とにおいて、充電が開始される。
【0079】
その後、第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115と蓄電用キャパシタとに規定の蓄電量が蓄電された時、ステップS002の動作が行われる。具体的には、各キャパシタから得られる電圧値がMCUの起動電圧値を超えた場合、ステップS002の動作が行われる。ステップS002において、処理回路119であるMCUが起動する。
【0080】
その後、ステップS003の動作が行われる。ステップS003において、無線式センサ21は、ゲートウェイ装置22に対して無線通信のリンクを行う要求を送信する。
【0081】
その後、ステップS004の動作が行われる。ステップS004において、無線式センサ21は、ゲートウェイ装置22と無線通信のリンクが確立したか否かを判定する。例えば、無線式センサ21は、ゲートウェイ装置22からリンクの要求を承認する情報を受信した場合、リンクが確立したと判定する。
【0082】
ステップS004で、リンクが確立しない場合、ステップS003以降の動作が繰り返される。
【0083】
ステップS004で、リンクが確立した場合、ステップS005の動作が行われる。ステップS005において、無線式センサ21は、第1接点13aの両端の電圧値に基づいて、第1接点13aが開放した状態であるか否かを判定する。この際、無線式センサ21は、信号検出部23が検出した電気信号の電圧値に基づいて第1接点13aが開放した状態であるかを判定する。
【0084】
ステップS005で、第1接点13aが開放した状態である場合、ステップS006の動作が行われる。ステップS006において、無線式センサ21は、第1接点13aを識別するIDと、信号検出部23の検出結果として第1接点13aが開放している旨と、を対応付けた情報を接点13の電圧の状態の情報として作成する。無線式センサ21は、作成した情報を示す無線電波をゲートウェイ装置22に送信する。
【0085】
ステップS005で、第1接点13aが開放した状態でない場合、即ち第1接点13aが閉成状態で短絡している場合、ステップS007の動作が行われる。ステップS007において、無線式センサ21は、第1接点13aを識別するIDと信号検出部23の検出結果として第1接点13aが閉成している旨とを対応付けた情報を接点13の電圧の状態の情報として作成する。この際、無線式センサ21は、測定された第1接点13aの電圧値を示す情報をさらに対応づけてもよい。無線式センサ21は、作成した情報を示す無線電波をゲートウェイ装置22に送信する。
【0086】
ステップS006またはステップS007の動作が行われた後、ステップS008の動作が行われる。ステップS008において、無線式センサ21は、蓄電量が規定の蓄電閾値よりも大きいか否かを判定する。即ち、無線式センサ21は、蓄電残量が多いか否かを判定する。
【0087】
ステップS008で、蓄電量が規定の蓄電閾値よりも大きい場合、ステップS009の動作が行われる。ステップS009において、無線式センサ21は、短いサンプリング周期として、1秒の間、省電力モードで待機する。省電力モードは、通常モードよりも電力の消費が少ないモードである。なお、短いサンプリング周期は、接点13の状態の条件、無線式センサ21の蓄電量の条件、等の条件に応じて任意の時間が設定されればよい。例えば、サンプリング周期が短いほど、接点13の電圧の検出結果をサンプリングする回数が増える。サンプリングする回数が多いほど、蓄電された電力の消費量が増加する。
【0088】
その後、ステップS010の動作が行われる。ステップS010において、無線式センサ21は、省電力モードから通常モードに復帰する。その後、ステップS005以降の動作が繰り返される。
【0089】
ステップS008で、蓄電量が規定の蓄電閾値よりも小さい場合、ステップS011の動作が行われる。ステップS011において、無線式センサ21は、長いサンプリング周期として、10秒の間、省電力モードで待機する。なお、長いサンプリング周期は、短いサンプリング周期よりも長い時間であれば、接点13の状態の条件、無線式センサ21の蓄電量の条件、等の条件に応じて任意の時間が設定されればよい。
【0090】
その後、ステップS010以降の動作が行われる。
【0091】
無線式センサ21は、蓄電量に対応する蓄電電圧が規定の値を下回るまで、サンプリング動作を継続する。蓄電電圧が規定の値を下回った場合、無線式センサ21は、対応する接点13のIDと省電力モードに移行する旨とが対応づけられた情報をゲートウェイ装置22に送信する。なお、無線式センサ21は、第1接点13aが閉成したことを検出してから規定の時間が経過した場合に、省電力モードに移行してもよい。
【0092】
なお、無線式センサ21の蓄電量が枯渇している状態で第1接点13aが閉成状態から開放した場合、無線式センサ21は、開放したことによる第1接点13aの電圧の変化を測定できない。しかしながら、サンプリング動作の後、動作可能な量以上の蓄電量が残っている場合、かつ省電力モードに移行していない場合、無線式センサ21は、当該開放したことによる第1接点13aの電圧の変化も測定可能である。
【0093】
次に、図5を用いて、ゲートウェイ装置22が行う動作の第1例を説明する。
図5は実施の形態1における昇降機情報収集システムのゲートウェイ装置の動作の第1例を説明するためのフローチャートである。
【0094】
第1例において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21の第1例の動作に対応した動作を行う。
【0095】
図5に示されるように、ゲートウェイ装置22は、エレベーターシステムの電源がONになった場合に、フローチャートの動作を開始する。
【0096】
ステップS101において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21からリンクの要求を探索する。
【0097】
その後、ステップS102の動作が行われる。ステップS102において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21からのリンクの要求があるか否かを判定する。
【0098】
ステップS102で、無線式センサ21からリンクの要求がない場合、ゲートウェイ装置22は、ステップS101以降の動作を繰り返す。
【0099】
ステップS102で、無線式センサ21からのリンクの要求がある場合、ステップS103の動作が行われる。ステップS103において、ゲートウェイ装置22は、リンクの要求があった無線式センサ21とリンクを確立する。ゲートウェイ装置22は、タイマーを時間0から開始する。
【0100】
その後、ステップS104の動作が行われる。ステップS104において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21から接点13の状態の情報を受信を待機する状態になる。
【0101】
その後、ステップS105の動作が行われる。ステップS105において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21から接点13の状態の情報を受信したか否かを判定する。
【0102】
ステップS105で、接点13の電圧の状態の情報を受信していない場合、ステップS104以降の動作が繰り返される。
【0103】
ステップS105で、接点13の状態の情報を受信した場合、ステップS106の動作が行われる。ステップS106において、ゲートウェイ装置22は、受信した接点13の電圧の状態の情報を接点の情報として遠隔通信装置9に送信する。
【0104】
その後、ステップS107の動作が行われる。ステップS107において、ゲートウェイ装置22は、タイマーの時間が、規定の時間以上の値であるか否かを判定する。即ち、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21とリンクを確立してから規定の時間が経過したか否かを判定する。
【0105】
ステップS107で、タイマーの時間が規定の時間よりも短い場合、ステップS104以降の動作が行われる。
【0106】
ステップS107で、タイマーの時間が規定の時間以上である場合、ステップS108の動作が行われる。ステップS108において、ゲートウェイ装置22は、現在リンクを確立している無線式センサ21以外の新たな無線式センサ21からのリンク要求を探索する。
【0107】
その後、ステップS109の動作が行われる。ステップS109において、ゲートウェイ装置22は、新たな無線式センサ21からのリンクの要求があるか否かを判定する。
【0108】
ステップS109で、新たな無線式センサ21からのリンクの要求がある場合、ゲートウェイ装置22は、ステップS103以降の動作を行う。
【0109】
ステップS109で、新たな無線式センサ21からのリンクの要求がない場合、ゲートウェイ装置22は、ステップS104以降の動作を繰り返す。
【0110】
なお、ゲートウェイ装置22は、ステップS109で、新たな無線式センサ21からのリンク要求が無い場合、ステップS108以降の動作を行ってもよい。
【0111】
次に、図6を用いて、情報センター装置10が行う動作の第1例を説明する。
図6は実施の形態1における昇降機情報収集システムの情報センター装置の動作の第1例を説明するためのフローチャートである。
【0112】
第1例において、情報センター装置10は、無線式センサ21およびゲートウェイ装置22の第1例の動作に対応した動作を行う。例えば、情報センター装置10は、遠隔通信装置9が起動した場合、フローチャートの動作を開始する。
【0113】
図6に示されるように、ステップS201において、情報センター装置10は、遠隔通信装置9から無線式センサ21の測定結果の情報を受信するよう待機する。
【0114】
その後、ステップS202の動作が行われる。ステップS202において、情報センター装置10は、遠隔通信装置9からの情報の受信があるか否かを判定する。
【0115】
ステップS202で、遠隔通信装置9からの情報の受信がない場合、ステップS201以降の動作が繰り返される。
【0116】
ステップS202で、遠隔通信装置9からの情報の受信がある場合、ステップS203の動作が行われる。ステップS203において、情報センター装置10の分析装置1004は、遠隔通信装置9から情報を受信した旨のログと当該情報とを記憶装置1001に記憶させる。分析装置1004は、遠隔通信装置9から情報を受信した旨のログと当該情報とを表示装置1003に表示させる。
【0117】
その後、情報センター装置10は、ステップS201以降の動作を繰り返す。
【0118】
次に、図7から図9を用いて、昇降機情報収集システム20が行う一連の動作の第1例を説明する。
図7から図9は実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第1例を説明するためのシーケンス図である。
【0119】
図7には、「エレベーターの状態」に対して、「無線式センサ1階」と「無線式センサN階」と「ゲートウェイ装置」と「遠隔通信装置」と「情報センター装置」とが行う動作が時系列で示される。「エレベーターの状態」は、エレベーターシステムの状態である。「エレベーターの状態」は、状態E01から状態E09までが示される。「無線式センサ1階」は、1階の乗場ドア5に設けられた無線式センサ21の動作を示す。「無線式センサN階」は、1階でないN階の乗場ドア5に設けられた無線式センサ21の動作を示す。
【0120】
無線式センサ21とゲートウェイ装置22とは、専用の通信プロトコルに基づいて通信を行う。遠隔通信装置9は、ゲートウェイ装置22および情報センター装置10とそれぞれ専用の通信プロトコルに基づいて通信を行う。
【0121】
状態E01において、エレベーターシステムの電源が投入される。ゲートウェイ装置22と遠隔通信装置9とが起動する。
【0122】
状態E02において、エレベーターシステムは、かご7の呼びが行われるまで待機する。ゲートウェイ装置22および遠隔通信装置9は、起動後の初期シーケンスを経て、待機状態となる。
【0123】
状態E03において、かご7が1階に停車した後、かごドア7aが1階の乗場ドア5に設けられたインターロックの接点13を開放する。1階の無線式センサ21は、各キャパシタの充電を開始する。蓄電用キャパシタの電圧値がMCUの起動電圧を超えた後、1階の無線式センサ21の発信部25が動作を開始する。1階の無線式センサ21は、ゲートウェイ装置22に対してリンクの要求を行う。1階の無線式センサ21は、リンクの結果が正常でかつリンクが確立した後に、間欠的にサンプリング動作を行う。即ち、1階の乗場ドア5が開いている場合、1階の無線式センサ21は、乗場ドア5が開状態であるというサンプリングの結果をゲートウェイ装置22に送信する。この際、1階の無線式センサ21は、サンプリングした電圧値の情報を併せて送信してもよい。ゲートウェイ装置22は、1階の無線式センサ21から情報を受信した場合、正常に情報を取得したことを示す無線電波を1階の無線式センサ21に送信する。ゲートウェイ装置22は、遠隔通信装置9に当該結果を示す情報を送信する。遠隔通信装置9は、受信した情報を情報センター装置10に送信する。情報センター装置10は、当該情報を蓄積する。
【0124】
状態E04において、かごドア7aと1階の乗場ドア5とが閉じる。1階の乗場ドア5に設けられたインターロックの接点13が閉成する。1階の無線式センサ21は、1階の接点13が閉成した後に行ったサンプリング動作によって、当該接点13が閉成したことを検出する。1階の無線式センサ21は、当該接点13の電圧の状態の情報をゲートウェイ装置22に送信する。ゲートウェイ装置22は、遠隔通信装置9を介して情報センター装置10に当該情報を送信する。情報センター装置10は、当該情報を蓄積する。情報センター装置10は、当該情報を監視員に対して表示してもよい。
【0125】
図8に示されるように、状態E05において、かご7が1階以外の階に移動する。1階の無線式センサ21の蓄電量は、徐々に低下する。蓄電量に対応する蓄電電圧値が規定の値を下回った場合、1階の無線式センサ21は、対応する接点13のIDと省電力モードに移行する旨とを対応づけた情報をゲートウェイ装置22に送信する。当該情報の取得結果が正常である旨をゲートウェイ装置22から受信した場合、1階の無線式センサ21は、省電力モードに移行して、待機する。
【0126】
図8および図9に示されるように、状態E06から状態E08において、かご7が停車したN階の無線式センサ21は、状態E03から状態E05での1階の無線式センサ21と同様の動作を行う。この際、ゲートウェイ装置22と遠隔通信装置9と情報センター装置10とは、同様の動作を行う。
【0127】
なお、状態E09では、エレベーターシステムが電源オンの状態において、情報センター装置10からの問合せがあった場合に行われる動作が示される。情報センター装置10は、任意のタイミングで無線式センサ21の情報を要求する指令を遠隔通信装置9を介してゲートウェイ装置22に送信する。ゲートウェイ装置22は、現在リンクが確立している無線式センサ21が対応する接点13のIDと開閉状態とが対応付けられた情報を、センサ信号処理データとして情報センター装置10に送信する。この際、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21からの情報を処理した結果を併せて送信してもよい。
【0128】
次に、図10を用いて、無線式センサ21が行うサンプリング動作の第2例を説明する。
図10は実施の形態1における昇降機情報収集システムの無線式センサの動作の第2例を説明するためのフローチャートである。
【0129】
第2例において、無線式センサ21は、対応する接点13の状態として、主に接点13のチャタリングの波形を測定する。
【0130】
チャタリングは、接点が開放状態から閉成した時に、接触子のバウンド、摺動等によって電圧値が振動する現象である。チャタリングは、どのような接点においても発生し得る。接点が設置された環境の影響、開閉時のアーク放電の影響、等の影響によって、接点の表面において酸化、腐食、形状の変化、等の劣化が進行する。接点の劣化が進行すると、発生するチャタリングの遷移時間、電圧の変化回数、等のチャタリングの波形に特定の変化が発生する傾向がある。そのため、閉成直後の電圧値の波形であるチャタリングの波形に基づいて、接点の劣化状態の診断が行われ得る。
【0131】
無線式センサ21は、対応する接点13の開状態から閉状態へ変化した時の電圧の過渡変化を測定する。以降では、第1接点13aに対応する無線式センサ21の動作を説明する。
【0132】
図10において、フローチャートのサンプリング動作は、第1接点13aが「開」になった場合に開始される。
【0133】
ステップS301からステップS304において行われる動作は、図4のフローチャートのステップS001からステップS004において行われる動作と同じである。
【0134】
ステップS304の後、ステップS305の動作が行われる。ステップS305において、無線式センサ21の処理回路119は、信号検出部23が検出した電気信号を第1ADC回路124を介して取り込む。当該電気信号は、第1接点13aの開状態または閉状態における電圧値を示す。処理回路119は、取り込んだ時刻と取り込んだ電圧値とを対応づけた情報を記憶する。
【0135】
その後、ステップS306の動作が行われる。ステップS306において、処理回路119は、今回取り込んだ電圧値と1つ前の時刻に取り込んだ電圧値とに変化があるか否かを判定する。この際、処理回路119は、2つの電圧値の差分の絶対値が規定の閾値を超える場合、2つの電圧値に変化があると判定する。
【0136】
ステップS306で、電圧値に変化がないと判定された場合、ステップS305以降の動作が行われる。
【0137】
ステップS306で、電圧値に変化があると判定された場合、ステップS307の動作が行われる。ステップS307において、処理回路119は、第1接点13aのIDと今回取り込んだ時刻を含む開閉前後の時間帯における時刻と電圧値とが対応付けられたサンプルデータ群の情報をゲートウェイ装置22に送信する。サンプルデータ群は、電圧値の過渡変化、即ち第1接点13aが開放状態から閉成する直前の時刻から閉成した直後の時刻までの電圧値の変化を示す。
【0138】
その後、無線式センサ21は、ステップS305以降の動作を行う。
【0139】
次に、図11を用いて、ゲートウェイ装置22が行う動作の第2例を説明する。
図11は実施の形態1における昇降機情報収集システムのゲートウェイ装置の動作の第2例を説明するためのフローチャートである。
【0140】
第2例において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21の第2例の動作に対応した動作を行う。
【0141】
図11に示されるように、ゲートウェイ装置22は、エレベーターシステムがONになった場合に、フローチャートの動作を開始する。
【0142】
ステップS401からステップS407において行われる動作は、図5のフローチャートのステップS101からステップS107において行われる動作と同じである。ただし、図11のフローチャートにおいて、無線式センサ21からの情報は、接点13のIDと時刻と電圧値とが対応付けられたサンプルデータ群の情報である。
【0143】
ステップS407で、タイマーの時間が規定の時間以上である場合、ステップS408以降の動作が行われる。ステップS408からステップS409において行われる動作は、図5のフローチャートのステップS108からステップS109において行われる動作と同じである。
【0144】
ステップS407で、タイマーの時間が規定の時間よりも短い場合、ステップS410の動作が行われる。ステップS410において、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21から情報を1回以上受信する。ゲートウェイ装置22は、情報を受信した場合、無線式センサ21から受信したIDと時刻と電圧値とが対応付けられた情報を一時記憶部201に蓄積する。
【0145】
その後、ステップS411の動作が行われる。ステップS411において、ゲートウェイ装置22は、最新の無線式センサ21からの情報に示される接点13の状態が開放状態であるか否かを判定する。
【0146】
ステップS411で、最新の接点13の状態が開放状態である場合、ステップS410以降の動作が繰り返される。
【0147】
ステップS411で、最新の接点13の状態が閉状態である場合、即ち接点13が開放状態から閉成した場合、ステップS412の動作が行われる。ステップS412において、ゲートウェイ装置22は、一時記憶部201に記憶された情報に基づいて、サンプルデータ群の情報を統合する。なお、この際、ゲートウェイ装置22は、閉成した直後の電圧値の情報を含んだ任意のサンプル数で構成されたサンプルデータ群を統合してもよい。ゲートウェイ装置22は、閉成した直後の時刻を含んだ任意の時間幅で構成されたサンプルデータ群を統合してもよい。ゲートウェイ装置22は、統合したサンプルデータ群の情報を接点の情報として遠隔通信装置9に送信する。
【0148】
その後、ゲートウェイ装置22は、ステップS404以降の動作を繰り返す。
【0149】
次に、図12を用いて、情報センター装置10が行う動作の第2例を説明する。
図12は実施の形態1における昇降機情報収集システムの情報センター装置の動作の第2例を説明するためのフローチャートである。
【0150】
第2例において、情報センター装置10は、無線式センサ21およびゲートウェイ装置22の第2例の動作に対応した動作を行う。例えば、情報センター装置10は、受信した情報に基づいて接点13の故障の予兆判定を行う。
【0151】
図12のフローチャートにおいて、ステップS501からステップ502で行われる動作は、図6のフローチャートにおけるステップS201からステップS202で行われる動作と同じである。
【0152】
ステップS502で、遠隔通信装置9からの接点の情報の受信がある場合、ステップS503の動作が行われる。ステップS503において、情報センター装置10の分析装置1004は、受信した情報に基づいて接点13の故障の予兆判定を行う。具体的には、分析装置1004は、接点13で測定された電圧値の過渡変化を解析する。予兆判定において、当該過渡変化に異常な波形が存在するか、等の解析が行われる。具体的には、接点電圧値の遷移時間、接点電圧値の変化回数、等の電圧値の変化量を、基準となる電圧値の変化量と比較する等の解析が行われる。例えば、基準となる電圧値の変化量は、未使用状態の接点における同様の変化量が用いられる。この際、接点13の寿命推定が行われてもよい。
【0153】
その後、ステップS504の動作が行われる。ステップS504において、分析装置1004は、診断の結果に基づいて当該接点13に故障の予兆があるか否かを判定する。
【0154】
ステップS504で、故障の予兆があると判定された場合、ステップS505の動作が行われる。ステップS505において、分析装置1004は、当該判定の結果をアラートと共に表示装置1003に表示させる。分析装置1004は、当該判定の結果を記憶装置1001に記憶させる。その後、ステップS501以降の動作が行われる。
【0155】
ステップS504で、故障の予兆がないと判定された場合、ステップS506の動作が行われる。ステップS506において、分析装置1004は、当該判定の結果を記憶装置1001に記憶させる。その後、ステップS501以降の動作が行われる。
【0156】
なお、ステップS503からステップS504において、情報センター装置10は、故障の予兆判定でない健全性の診断を行ってもよい。この場合においても、情報センター装置10は、診断結果を記憶し、異常がある場合は監視員に報知する。
【0157】
次に、図13から図15を用いて、昇降機情報収集システム20が行う一連の動作の第2例を説明する。
図13から図15は実施の形態1における昇降機情報収集システムの動作の第2例を説明するためのシーケンス図である。
【0158】
図13から図15に示される第2例のシーケンス図において状態E11から状態E19で行われる動作は、図7から図9に示される第1例のシーケンス図において状態E01から状態E09で行われる動作と比べて、一部を除いて同じである。
【0159】
具体的には、状態E13および状態E14において、無線式センサ21は、サンプルデータ群の基となる時刻と電圧値とIDとが対応付けられた情報をゲートウェイ装置22に送信する。ゲートウェイ装置22は、接点13が閉成状態になった場合、サンプルデータ群の情報を接点の情報として情報センター装置10に送信する。これらの動作が、状態E03および状態E04と異なる。
【0160】
また、状態E16および状態E17において、同様の動作が状態E06および状態E07と異なる。
【0161】
以上で説明した実施の形態1によれば、昇降機情報収集システム20は、無線式センサ21とゲートウェイ装置22とを備える。無線式センサ21は、信号検出部23と電力取得部24と発信部25とを備える。発信部25は、電力取得部24が取得した電力によって動作し、無線電波を発信する。即ち、無線式センサ21は、安全回路から得た電力を用いて、接点の電圧の状態を示す無線電波を発信する。このため、無線式センサ21は、複数の接点13の状態を個別に外部に発信することができる。また、無線式センサ21に電力を供給するための配線および無線式センサ21の検出結果を伝送するための配線が設けられる必要がない。その結果、無線式センサ21は、配線の量の増加を抑制することができる。配線材の材料費、配線を受信する回路の材料費、加工費、等を削減でき、配線の施工労力を削減できる。センサを動作させるための電池等の取り替え作業を削減することができる。
【0162】
さらに、例えば、先行技術文献に記載のエレベーターシステムにおいて、補助接点の可動量が少ない場合、接点荒れによる接触不良が発生した場合、および接点が固着した場合、等の場合には補助接点の開検出結果が安全回路の接点の開状態と一致しない恐れがある。安全回路の接点が複数個開いた場合には、誤検出が起こり得る。検出対象の接点の数が多い場合には、多くの種類の抵抗値を有する抵抗体を用意する必要があり、生産性の低下を招く。さらに、安全回路の接点を交換する必要があり、既設の昇降機に対して後付けすることが容易でない。本開示の無線式センサ21は、接点13の状態を個別に検出し得る。このため、安全回路の接点の状態を精度よく検出することができる。その結果、接点13の接触不良箇所を特定する時間を削減することができ、保守作業の効率を向上できる。
【0163】
また、無線式センサ21は、取得回路105を有する。無線式センサ21は、既存の接点に対して、両端子に接続することで取り付けることができる、即ち容易に取り付けることができるため、既設の昇降機に対して容易に後付けすることができる。
【0164】
また、無線式センサ21は、第1高速充電用キャパシタ114を有する。第1高速充電用キャパシタ114は、第1接点13aと取得回路105との間に直列に接続される。第1高速充電用キャパシタ114は、短絡故障が起こり難い。このため、第1高速充電用キャパシタ114に故障が発生した場合でも、開放故障となり、安全回路12の信頼性に与える悪影響を抑制できる。
【0165】
また、第1高速充電用キャパシタ114は、検知遅延時間よりも短い時間で疑似的に高抵抗値を示すように蓄電する。疑似的な抵抗値とは、蓄電によってキャパシタの出力電圧が上昇し、印加電圧に対して当該キャパシタに電流が流れ込みにくくなることを表現した抵抗値である。このため、安全回路12から一定の電力を取得した後、安全回路12からの電流が流れ込むことを抑制できる。
【0166】
また、無線式センサ21は、第1トリクル充電用抵抗体116を有する。このため、第1高速充電用キャパシタ114の蓄電が完了した後も、安全回路12から電力の供給を受けることができる。
【0167】
また、無線式センサ21において、第1高速充電用キャパシタ114を流れる電流と第1トリクル充電用抵抗体116を流れる電流とを併せた電流値は、検知遅延時間よりも短い時間で検知閾値よりも小さい値になるよう設計される。このため、無線式センサ21の設置によって安全回路12の接点13の検知に悪影響を与えることを抑制できる。
【0168】
また、無線式センサ21は、第2高速充電用キャパシタ115を有する。このため、万が一の場合に第1高速充電用キャパシタ114に短絡故障が発生したとしても、第2高速充電用キャパシタ115によって、安全回路12からの電流が流れ込みにくくなる。その結果、安全回路12の信頼性に与える悪影響を抑制できる。また、仮に第1高速充電用キャパシタ114と第2高速充電用キャパシタ115とのいずれもに短絡故障が発生したとしても、接点13に対しては負荷側の抵抗があるため、低抵抗状態で故障に至る可能性は極めて低い。
【0169】
また、無線式センサ21は、蓄電用キャパシタを有する。このため、無線式センサ21は、第1接点13aが閉成した後も、蓄電用キャパシタの電力によって駆動することができる。また、蓄電用キャパシタは、第1トリクル充電用抵抗体116からの電力によってトリクル充電がされ得る。
【0170】
また、無線式センサ21は、第1接点13aの状態として、第1接点13aが開放状態または閉成状態のいずれであるかを検出する。このため、複数の接点13のうちいずれの接点13が開放したのかを検出することができる。
【0171】
また、無線式センサ21は、第1接点13aの状態として、第1接点13aが開放状態から閉成した時の電圧値の変化を検出する。このため、無線式センサ21は、第1接点13aで発生するチャタリングの波形を検出することができる。
【0172】
また、無線式センサ21の信号検出部23は、信号処理回路101と電圧減衰用抵抗体102と増幅器103とを備える。このため、無線式センサ21は、第1接点13aの両端の電圧を高い分解能でアナログ的に検出することができる。
【0173】
また、昇降機情報収集システム20は、情報センター装置10を更に備える。情報センター装置10は、無線式センサ21が検出し、ゲートウェイ装置22を介して受信した情報に基づいて、第1接点13aの健全性を診断する。このため、接点表面の酸化、荒れ、等の接点の状態に起因する故障を早期に検出することができる。また、診断結果に基づいて、第1接点13aの寿命を推定し、保守計画に反映させることができる。
【0174】
なお、ゲートウェイ装置22は、無線式センサ21からの無線信号に示される情報に基づいて、第1接点13aの健全性を診断してもよい。このため、接点表面の酸化、荒れ、等の接点の状態に起因する故障を早期に検出することができる。
【0175】
なお、無線式センサ21には、補助的に一次電池、二次電池等の補助電池が更に設けられてもよい。例えば、無線式センサ21の動作の第2例において、第1例よりも消費電力が大きい。無線式センサ21は、補助電池の電力を併用することでより安定的に動作することができる。この場合においても、安全回路12から電力を取得することで補助電池の交換回数を減らすことができる。
【0176】
なお、安全回路12は、複数の乗場ドア5のインターロック以外のインターロックにも適用される。具体的には、安全回路12は、かご7の位置検出スイッチ、リミットスイッチの検出にも適用される。安全回路12は、かご7に設けられた機器にも適用される。無線式センサ21および昇降機情報収集システム20は、これらの安全回路12に設けられた接点にも適用することができる。
【0177】
例えば、かご7に無線式センサ21が設けられる場合、昇降路1の内部には複数のゲートウェイ装置22が設けられてもよい。この場合、無線式センサ21は、かご7の位置によって変化する無線通信の接続状態に応じて、接続するゲートウェイ装置22を変更し、別のゲートウェイ装置22とリンクを改めて確立してもよい。
【0178】
なお、昇降機情報収集システム20は、エレベーターシステム以外の昇降機に適用されてもよい。この場合、無線式センサ21は、昇降機の安全回路を構成する接点に取り付けられる。
【0179】
次に、図16を用いて、実施の形態1の第1変形例を説明する。
図16は実施の形態1の第1変形例における昇降機情報収集システムの無線式センサと接点との関係を示す図である。
【0180】
図16に示されるように、第1変形例において、無線式センサ21は、接点群13bの両端に接続される。接点群13bは、複数の接点13が直列に接続されたグループである。接点群13bには、実施の形態1における第1接点13aが含まれてもいい。無線式センサ21は、接点群13bに含まれる最も正側の接点13における正側の端子と、接点群13bに含まれる最も負側の接点13における負側の端子と、に接続される。
【0181】
無線式センサ21は、接点群13bを識別するIDを記憶している。接点群13bに含まれるいずれかの接点13が開放した場合、無線式センサ21は、実施の形態1と同様の動作を行い得る。この場合、無線式センサ21は、接点群13bに含まれるいずれかの接点13の状態を示す無線信号を発信し得る。そのため、接点13が開放したエリアが特定され得る。
【0182】
図示されないが、ゲートウェイ装置22は、制御装置8からかご7の位置情報を取得する。接点群13bに含まれる接点13が開放した旨の無線信号を受信した場合、ゲートウェイ装置22は、かご7の位置情報に基づいて、当該無線信号が示す開放した接点13がいずれの接点13であるかを特定する。具体的には、例えば、無線式センサ21が2階の乗場ドア5に設けられた接点13を含む接点群13bに対応する場合、ゲートウェイ装置22は、かご7が2階に存在するという位置情報に基づいて、2階に設けられた接点13が当該無線式センサ21からの無線電波で示される開放した接点であることを特定する。
【0183】
以上で説明した実施の形態1の第1変形例によれば、無線式センサ21は、接点群13bの両端に接続される。このため、実施の形態1と比べて無線式センサ21の数を削減することができる。
【0184】
また、ゲートウェイ装置22は、かご7の位置情報に基づいて、接点群13bの中から開放した接点13を特定する。このため、第1変形例の構成において開放した接点13を特定することができる。
【0185】
次に、図17を用いて、実施の形態1の第2変形例を説明する。
図17は実施の形態1の第2変形例における昇降機情報収集システムの無線式センサの構成を示す模式図である。
【0186】
図17に示されるように、第2変形例において、無線式センサ21には、外部発電装置30が接続され得る。
【0187】
外部発電装置30は、電力を発電可能な装置である。例えば、外部発電装置30は、設置された環境で自家発電を行い得るエナジーハーベスト技術が適用された発電装置である。具体的には、外部発電装置30は、設置環境における光エネルギー、風力エネルギー、振動エネルギー、または温度差によって存在するエネルギー、等のエネルギーを電力エネルギーに変換する発電装置である。外部発電装置30は、発電した電力を無線式センサ21に供給する。
【0188】
無線式センサ21は、外部発電装置30からの電力を補助的に併用または使用して動作を行うことができる。
【0189】
次に、図18を用いて、分析装置1004を構成するハードウェアの例を説明する。
図18は実施の形態1における昇降機情報収集システムの分析装置のハードウェア構成図である。
【0190】
分析装置1004の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ1000aと少なくとも1つのメモリ1000bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア2000を備える。
【0191】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ1000aと少なくとも1つのメモリ1000bとを備える場合、分析装置1004の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ1000bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ1000aは、少なくとも1つのメモリ1000bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、分析装置1004の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ1000aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ1000bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0192】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア2000を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、分析装置1004の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、分析装置1004の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0193】
分析装置1004の各機能について、一部を専用のハードウェア2000で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、情報を表示装置1003に表示させる機能については専用のハードウェア2000としての処理回路で実現し、それ以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ1000aが少なくとも1つのメモリ1000bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0194】
このように、処理回路は、ハードウェア2000、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで分析装置1004の各機能を実現する。
【0195】
図示されないが、無線式センサ21の発信部25またはゲートウェイ装置22の各機能も、分析装置1004の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0196】
以上のように、本開示に係る無線式センサは、エレベーターシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0197】
1 昇降路、 2 建築物、 3 機械室、 4 乗場、 5 乗場ドア、 6 巻上機、 7 かご、 7a かごドア、 8 制御装置、 9 遠隔通信装置、 10 情報センター装置、 11 通信回線網、 12 安全回路、 13 接点、 13a 第1接点、 13b 接点群、 14 電源、 15 検知器、 16 導線、 17 通信ライン、 18 電源ライン、 20 昇降機情報収集システム、 21 無線式センサ、 22 ゲートウェイ装置、 23 信号検出部、 24 電力取得部、 25 発信部、 30 外部発電装置、 101 信号処理回路、 102 電圧減衰用抵抗体、 103 増幅器、 104 接点電圧監視ライン、 105 取得回路、 106 ダイオードブリッジ、 107 定電圧回路、 108 非安定電源ライン、 109 安定電源ライン、 110 負荷側キャパシタ、 111 蓄電電圧分圧抵抗体、 112 蓄電電圧監視ライン、 113 定電圧側キャパシタ、 114 第1高速充電用キャパシタ、 115 第2高速充電用キャパシタ、 116 第1トリクル充電用抵抗体、 117 第2トリクル充電用抵抗体、 118 受電回路、 119 処理回路、 120 無線回路、 121 ROM、 122 RAM、 123 MCUコア、 124 第1ADC回路、 125 第2ADC回路、 126 アンテナ、 201 一時記憶部、 202 電源部、 203 処理部、 204 ROM、 205 RAM、 206 MCUコア、 207 記憶部通信I/F、 208 無線回路、 209 外部通信I/F、 210 アンテナ、 801 制御回路、 802 遠隔通信I/F、 901 電源I/F、 902 GW通信I/F、 903 制御装置通信I/F、 904 回線網通信I/F、 1000a プロセッサ、 1000b メモリ、 1001 記憶装置、 1002 通信装置、 1003 表示装置、 1004 分析装置、 2000 ハードウェア、 N 負側母線、 P 正側母線
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